JP2021053591A - 汚染土壌処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚染土壌を効率よく再利用することを可能にする汚染土壌処理方法を提供する。【解決手段】汚染土壌について土壌成分の含有量及び有害物質の溶出量を測定し、少なくとも土壌成分の含有量をデータベース32に登録する登録工程と、有害物質の溶出量が土壌溶出量基準より大きい第二溶出量基準を超える汚染土壌に対し、有害物質の溶出量が第二溶出量基準以下となるように不溶化処理を行う不溶化処理工程と、不溶化処理後の汚染土壌を、有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超える場合はセメント工場20の敷地を含む特定位置に搬出して保管し、土壌溶出量基準以下の場合は原位置10で保管又は特定位置に搬出して保管すると共に、汚染土壌の保管位置をデータベース32に登録して管理する管理工程とを有し、データベース32を用いて汚染土壌を選定し、セメント製造における原料として用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、汚染土壌を処理するための汚染土壌処理方法に関する。
日本国内では,自然由来の重金属等を含む土壌や岩石が広く分布しており、例えば、トンネル、ダム、造成などの建設・土木工事の施工に伴い搬出される掘削ずりから、重金属等が溶出することが問題となっている。
かかる掘削ずりには、自然由来または人工的な汚染物質である有害金属やその化合物等が含まれることがあるため、これらの有害物質を除去して第二溶出基準を満足しないと最終処分場へ搬入することができない。
また、工場の敷地やその跡地等にも、場内施設で利用する特定有害物質の漏出などによる有害金属等が土壌に含まれる可能性があるために、汚染状況によっては汚染土壌から有害物質を除去して、第二溶出基準を満足させる必要がある。
一方、汚染土壌に関し、土壌汚染対策法(環境省)では、土壌の汚染状態が指定基準に適合しない土地を、「要措置区域」または「形質変更時要届出区域」として指定する。指定基準には、地下水等摂取のリスクに係る土壌溶出量基準と、直接摂取のリスクに係る土壌含有量基準がある。要措置区域とは、土壌汚染の摂取経路があり、健康被害が生ずるおそれがあるため、汚染の除去等の措置が必要な区域である。要措置区域は、土地の形質変更が原則として禁止される。形質変更時要届出区域とは、土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生ずるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域(摂取経路の遮断が行われた区域を含む)である。形質変更時要届出区域は、土地の形質変更を行う場合には事前の届出が必要となっている。
要措置区域については、土壌の汚染状態が対策基準(土壌溶出量基準の3〜30倍に相当し、「第二溶出量基準」とも称される)を超えた基準不適合土壌に対して、原位置不溶化や不溶化埋め戻し等の措置を施すことで、形質変更時要届出区域化できる場合がある。原位置不溶化は、基準不適合土壌の存在範囲に、薬剤を注入・撹拌し、土壌中の有害物質が水に溶けださないよう不溶化して、土壌溶出量基準に適合させる措置である。不溶化埋め戻しは、基準不適合土壌を一旦掘削し、場外や場内のプラントで薬剤を混合し、土壌中の有害物質が水に溶けださないように不溶化し、土壌溶出量基準に適合することを確認後、掘削範囲に埋め戻す措置である。
汚染土壌を処理するために適用される重金属等不溶化材としては、特許第4109017号(特許文献1)に、広く用いられている材料として酸化マグネシウム単体もしくは同成分を主成分とする材料が開示されており、また土壌やずりなど岩石から溶出する6価セレンに対して不溶化効果を有する材料としては、特開2013−116952号公報(特許文献2)に、α−鉄・酸化鉄複合化物粉末と鉄酸化物粉末との混合物が開示されている。
上記特許文献2に開示された材料は、鉄を主成分としているため、フッ素等のハロゲンの不溶化効果は低く、土壌やずりなど岩石から溶出するセレンのみならずフッ素等も対象とした重金属等不溶化材としては有効ではなく、土壌やずり等から溶出するセレンやフッ素等を有効に不溶化できる重金属等不溶化材が期待されている。
また近年は、汚染土壌の処理方法として、低コスト及び低エネルギーの観点から、キレート剤を用いた湿式洗浄により重金属等をキレート化合物として水溶液中に溶解させ、汚染土壌から除去する方法が提案されており、例えば、特開2018−8222号公報(特許文献3)に、汚染土壌にキレート剤を添加して湿式洗浄する洗浄工程と、湿式洗浄後の前記汚染土壌を固液分離する分離工程と、固液分離された固相にセメント、セメント系固化材または石灰系固化材を添加して改質する固相処理工程と、固液分離された液相に固化材及び鉄(III)を含有する添加剤を添加し、前記有害物質を沈殿させて前記液相から除去する液相処理工程と、を有することを特徴とする汚染土壌の処理方法が記載されている。
しかし、キレート剤を用いた汚染土壌の処理方法は、キレート剤が有機物であるため時間の経過とともに分解等がおこると重金属が再溶出することとなり、長期安定性に問題があり、また、セメントや消石灰を使用した汚染土壌の処理方法は、セメントや消石灰はアルカリ性であるため、処理土壌がアルカリ性となってしまい、再利用が困難である。
汚染土壌から有効に有害物質を不溶化するための不溶化材として、本出願人は、特願2018−066533号(特許文献4)、特願2019−067054号(特許文献5)、特願2019−067075号(特許文献6)、特願2019−163561号(特許文献7)に、重金属等の有害物質を有効に不溶化することができる新規な重金属等不溶化材を提案している。
特許第4109017号 特開2013−116952号公報 特開2018−8222号公報 特願2018−066533号 特願2019−067054号 特願2019−067075号 特願2019−163561号
しかし、これまで、汚染土壌中の有害物質を不溶化する方法等は提案されてきたが、不溶化した後の土壌を、有効な資源として再利用する仕組みは、未だ提案されていない。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、汚染土壌を有効に再利用することを可能にする、汚染土壌処理方法を提供することである。
特に、汚染土壌を不溶化処理した後に、処理済み汚染土壌等をセメント原料として適切に利用することができる、汚染土壌処理方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の汚染土壌処理方法は、以下の技術的特徴を有する。
(1) 汚染土壌を処理するための汚染土壌処理方法において、汚染土壌について土壌成分の含有量及び有害物質の溶出量を測定し、少なくとも土壌成分の含有量をデータベースに登録する登録工程と、有害物質の溶出量が第1基準より大きい第2基準を超える汚染土壌に対し、有害物質の溶出量が該第2基準以下となるように不溶化処理を行う不溶化処理工程と、不溶化処理後の汚染土壌を、有害物質の溶出量が該第1基準を超える場合はセメント工場の敷地を含む特定位置に搬出して保管し、該第1基準以下の場合は原位置で保管又は該特定位置に搬出して保管すると共に、該汚染土壌の保管位置を該データベースに登録して管理する管理工程とを有し、該データベースを用いて汚染土壌を選定し、セメント製造における原料として用いることを特徴とする汚染土壌処理方法である。
(2) 上記(1)に記載の汚染土壌処理方法において、該不溶化処理工程では、有害物質の溶出量が該第2基準以下で且つ該第1基準を超える汚染土壌に対しても不溶化処理を行い、該管理工程では、該汚染土壌を原位置で保管又は該特定位置に搬出して保管すると共に、該汚染土壌の保管位置を該データベースに登録して管理することを特徴とする汚染土壌処理方法である。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の汚染土壌処理方法において、該管理工程では、汚染土壌の原位置、土壌成分の含有量、有害物質の溶出量、又は汚染土壌の量に基づいて、汚染土壌を区分して保管すると共に、該汚染土壌の区分に係る情報を該データベースに登録して管理することを特徴とする汚染土壌処理方法。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の汚染土壌処理方法において、該不溶化処理には、無機系の不溶化材を用いることを特徴とする汚染土壌処理方法である。
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の汚染土壌処理方法において、不溶化処理後の有害物質の溶出量が該第1基準を超える汚染土壌については、該管理工程において、1箇所に保管される汚染土壌の量が所定量以下になるように設定されることを特徴とする汚染土壌処理方法である。
(6) 上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の汚染土壌処理方法において、該データベースを用いて汚染土壌を選定する際には、汚染土壌の総使用量を設定し、該総使用量に占める、有害物質の溶出量が該第1基準を超える汚染土壌の使用量を設定し、該総使用量から該使用量を引いた不足分については、有害物質の溶出量が該第1基準以下の土壌で補うことを特徴とする汚染土壌処理方法である。
本発明に係る汚染土壌処理方法によれば、汚染土壌を有効に不溶化処理し、不溶化処理を行った汚染土壌を原位置又は特定位置で保管すると共に、所望するセメントを製造する際に、その原料、例えば粘土質原料の代替材料として選定できるように、予め土壌成分、その含有量、不溶化処理済み汚染土壌の保管場所や区画や在庫量をデータベースに登録して管理するので、所望する特性のセメントを製造する際に、効率よく不溶化処理済み汚染土壌をセメント原料として使用することが可能となる。したがって、汚染土壌中の有害物質を不溶化処理することができるだけでなく、不溶化処理した汚染土壌の有効な再利用を可能とする。
本発明の汚染土壌処理方法を実現するシステムの構成例を示す図である。 図1のシステムによる汚染土壌処理方法のフローチャート例を示す図である。 図1のシステムで使用される土壌管理テーブル例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の汚染土壌処理方法を実現するシステムの構成例を示す図である。本例のシステムは、概略的に、汚染土壌を有害物質の溶出量に応じて不溶化処理し、不溶化処理を行った汚染土壌を原位置10又はセメント工場20の敷地などで保管すると共に、セメント製造の原料として選定できるように、土壌成分の含有量を管理センタのサーバ30が有するデータベース32に登録して管理するものである。以下では、本発明に係る「第1基準」として「土壌溶出量基準」を使用し、本発明に係る「第2基準」として「第二溶出量基準」を使用する場合を例にして説明しているが、本発明はこれに限定されない。
本例のシステムでは、以下の手順で汚染土壌を処理する。
(手順1:登録工程)
作業員が原位置10に赴いて汚染土壌の土壌成分の含有量及び有害物質の溶出量を測定する。土壌成分としては、例えば、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、鉄、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、硫黄、塩素等が挙げられる。
また、有害物質とは、重金属やハロゲン、更には、土壌汚染対策法に規定される第二種特定有害物質が相当する。重金属としては、マンガン、クロム、銅、カドミウム、水銀、セレン、鉛、砒素等の1種若しくは2種以上のもので、かつ重金属単体及びその化合物が例示でき、またハロゲンとしては、フッ素、塩素等の単体及びその化合物が例示でき、更には、土壌汚染対策法に規定される第2種特定有害物質に含まれるホウ素単体及びその化合物を例示することができる。これら成分の測定データは、管理センタのサーバ30が有するデータベース32に登録される。本発明の汚染土壌処理方法では、少なくとも土壌成分の含有量をデータベース登録するが、有害物質の溶出量についてもデータベース登録してもよい。
図3に例示する土壌管理テーブルは、汚染土壌の識別情報である土壌ID、汚染土壌の原位置、土壌成分の成分別含有量、有害物質の成分別溶出量、不溶化処理済汚染土壌等の保管位置(場所、区画)及び在庫量などのデータ項目を有している。登録工程を終えた段階では、土壌ID、原位置、土壌成分の成分別含有量、有害物質の成分別溶出量までが登録され、保管場所、在庫量については後述の管理工程で登録される。サーバ30が有するデータベース32へのアクセスは、サーバ30を直接操作して実現してもよいし、各セメント工場に設置された端末装置又は各作業員が所持する端末装置からサーバ30に接続して実施してもよい。
(手順2:不溶化処理工程)
有害物質の溶出量が第二溶出量基準を超える場合には、有害物質の溶出量が第二溶出量基準以下となるように、汚染土壌に対して不溶化処理を施す。有害物質の溶出量が第二溶出量基準を超えるか否かは、作業員が有害物質の溶出量の測定結果に基づいて判断してもよいし、データベース32に登録された測定データに基づいてサーバ30に判定させてもよい。また、有害物質の溶出量が第二溶出量基準以下の汚染土壌でも、有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超える場合には、不溶化処理を施してもよい。
不溶化処理は、作業員が原位置10で汚染土壌の存在範囲に不溶化材を注入・撹拌して行うことを想定しているが、汚染土壌を掘削して別の場所で不溶化材を混合しても構わない。
不溶化処理には、有害物質を不溶化できる不溶化材であれば任意の公知の不溶化材を使用することができ、好ましくは、長期安定性に優れた無機系の不溶化材を用いることが望ましい。かかる無機系の不溶化材としては、ドロマイト系不溶化材である商品名マジカルフィックス(住友大阪セメント社の登録商標)等や、上記特許文献4〜7に記載されているドロマイト系不溶化材を例示することができ、かかる不溶化材を用いた不溶化処理は、有害物質を有効に不溶化することができるため、汚染土壌を長期に安定して保管することが可能となる。
(手順3:管理工程)
不溶化処理後の汚染土壌を、原位置10で保管又は原位置10とは別の特定位置に搬出して保管する。また、不溶化処理が不要な汚染土壌についても、原位置10で保管又は特定位置に搬出して保管する。特定位置は、本システムの運用者が汚染土壌を適切に管理できる場所であればよく、例えば、セメント工場20の敷地内が含まれる。また、セメント工場20の近隣や、セメント工場20からのアクセスがよい場所などを用いてもよい。図1の例では、原位置A,B,C(10−1〜10−3)の汚染土壌はセメント工場X(20−1)に搬送され、原位置D,F(10−4,10−6)の汚染土壌はセメント工場Y(20−2)に搬送されている。これに対し、原位置E(10−5)の汚染土壌はその場で保管されている。
特定位置への汚染土壌の搬出は、不溶化処理後の有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超える場合、又は、不溶化処理後の有害物質の溶出量が土壌溶出量基準以下の場合で原位置10からの搬出が必要な場合に行われる。不溶化処理後の有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超えるか否かは、作業員が有害物質の溶出量を再測定して判断してもよいし、再測定したデータをデータベース32に登録してサーバ30に判定させてもよい。また、原位置10からの搬出が必要な場合としては、原位置10の管理者より依頼された場合や、原位置10を管轄する自治体より要請があった場合などが挙げられる。
原位置10での汚染土壌の保管は、汚染土壌を埋め戻す形式で行ってもよいが、単に仮置きする形式でも構わない。また、原位置10から搬出された汚染土壌は、特定位置(例えば、セメント工場20の敷地)に仮置きする形式で保管される。汚染土壌を特定位置に仮置きする場合は、汚染土壌が他の汚染土壌と混ざり合わないように、例えば、汚染土壌の原位置別に区分して仮置きされる。なお、汚染土壌の原位置に基づいて汚染土壌を区分する態様に限定されず、土壌成分の含有量、有害物質の溶出量、又は汚染土壌の量に基づいて汚染土壌を区分してもよいし、これらの組み合わせに基づいて汚染土壌を区分してもよい。汚染土壌の配置後、その保管状況を示すデータ(本例では、保管場所、在庫量)がデータベース32に追加される。
ここで、不溶化処理後の有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超える汚染土壌については、1箇所に保管される汚染土壌の量が所定量以下になるようにすることが好ましい。これは、高濃度の汚染土壌が集中することによる二次汚染を防止するためである。このような汚染土壌の配置は、例えば、サーバ30がデータベース32に登録されたデータに基づいて決定することができる。汚染土壌を配置した各区画には、どのような汚染土壌が配置されているかを容易に把握できるように、汚染土壌の情報(例えば、土壌ID、搬出元、土壌成分の含有量、有害物質の溶出量など)を示す識別体を付した杭や立札等を設置してもよい。杭や立札等は、見やすい位置に、風雨などで動かないように地面又は設置物の壁面等に強固に固定することが好ましい。
図2には、図1のシステムによる汚染土壌処理方法のフローチャート例を示してある。
汚染土壌の処理の依頼があると、まず、作業員が原位置10に赴いて汚染土壌の汚染状態を分析する。汚染土壌の汚染状態の分析では、土壌成分の含有量の測定(ステップS11)及び有害物質の溶出量の測定(ステップS12)を行う。これらの測定で得られた測定値は、データベース32に登録される(ステップS13)。
次いで、サーバ30が、データベース32に登録された測定データに基づいて、汚染土壌の不溶化処理の必要性を判定する。本例では、有害物質の溶出量が第二溶出量基準を超えるか否かの判定(ステップS14)、及び、有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超えるか否かの判定(ステップS15)を行う。
ステップS14において有害物質の溶出量が第二溶出量基準を超えると判定された汚染土壌に対しては、有害物質の溶出量が第二溶出量基準以下となるまで不溶化処理を施す(ステップS19、S20)。その後、不溶化処理後の有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超えるか否かを判定し(ステップS21)、土壌溶出量基準を超える汚染土壌については、セメント工場20の敷地内などの特定位置に搬出して保管する(ステップS22)。一方、不溶化処理後の有害物質の溶出量が土壌溶出量基準以下の土壌については、原位置10で保管又は特定位置に搬出して保管する(ステップS18)。
ステップS14において有害物質の溶出量が第二溶出量基準以下と判定された汚染土壌であっても、ステップS15において有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超えると判定された場合には、有害物質の溶出量が土壌溶出量基準以下となるまで不溶化処理を施す(ステップS16、S17)。不溶化処理後の汚染土壌は、原位置10で保管又は特定位置に搬出して保管する(ステップS18)。また、ステップS15において有害物質の溶出量が土壌溶出量基準以下と判定された汚染土壌も、原位置10で保管又は特定位置に搬出して保管することができる(ステップS18)。
また、汚染土壌を原位置10又は特定位置に配置後(保管の開始後)は、その保管状況を示すデータ(保管場所や在庫量)をデータベース32に登録する(ステップS23)。
以上のように処理された汚染土壌は、セメント工場20でキルン焼成してセメント製造の原料として使用することができる。汚染土壌をセメント製造の原料に使用する場合、作業員は端末装置を操作し、使用する汚染土壌の量及び土壌成分の含有量を指定して在庫確認要求を入力する。また、在庫確認要求を入力する際には、許容される有害物質の溶出量などの他の条件を指定することも可能である。入力された在庫確認要求は、サーバ30へ送信される。サーバ30は、受信した在庫確認要求を満たす汚染土壌の有無をデータベース32から検索し、その結果を要求元の端末装置へ送信する。作業員は、端末装置に表示された検索結果を確認し、特に問題がなければ、その汚染土壌をセメント製造の原料に用いるよう手配する。セメント製造を行うセメント工場20の敷地にある汚染土壌が原料に使用される場合もあれば、別のセメント工場20の敷地にある汚染土壌や原位置10にある汚染土壌が原料に使用される場合もある。ただし、運搬にかかる費用や時間を考慮すれば、セメント製造を行うセメント工場20に近い場所から優先的に汚染土壌を選定することが好ましい。セメント製造の原料として汚染土壌が使用された後(又は保管場所から搬出された後)、データベース32における汚染土壌の在庫量が更新される。
なお、セメント製造の原料に用いる汚染土壌は、1種類のみでもよいし、複数の種類を混合してもよい。例えば、指定された土壌成分の含有量を単独で満たす汚染土壌が見つからない場合には、指定された土壌成分の含有量が満たされるように、複数の種類の汚染土壌を混合して使用することができる。また、セメント製造の原料に用いる汚染土壌は、汚染状態を考慮して選定してもよい。例えば、サーバ30は、データベース32に登録されたデータに基づいて汚染土壌を選定する際に、汚染土壌の総使用量Aを設定し、総使用量Aに占める高濃度の汚染土壌(有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超える汚染土壌)の使用量Bを設定し、総使用量Aから使用量Bを引いた不足分については、低濃度の汚染土壌(有害物質の溶出量が土壌溶出量基準以下の土壌)で補うようにしてもよい。このように、高濃度の汚染土壌の使用量を制限することで、セメント内の有害物質を一定量以下に抑えることが可能となる。使用量Bとしては、例えば、総使用量Aに対して所定割合となる量を設定することができる。
以上のように、本例のシステムは、汚染土壌について土壌成分の含有量及び有害物質の溶出量を測定し、少なくとも土壌成分の含有量をデータベース32に登録する登録工程と、有害物質の溶出量が土壌溶出量基準より大きい第二溶出量基準を超える汚染土壌に対し、有害物質の溶出量が第二溶出量基準以下となるように不溶化処理を行う不溶化処理工程と、不溶化処理後の汚染土壌を、有害物質の溶出量が土壌溶出量基準を超える場合はセメント工場20の敷地を含む特定位置に搬出して保管し、土壌溶出量基準以下の場合は原位置10で保管又は特定位置に搬出して保管すると共に、汚染土壌の保管位置をデータベース32に登録して管理する管理工程とを有し、データベース32を用いて汚染土壌を選定し、セメント製造における原料として用いる構成となっている。したがって、本例のシステムによれば、汚染土壌を効率よく再利用することが可能になる。また、汚染土壌の原位置の管理者にとっても、不溶化処理した汚染土壌を保管する際の負担が軽減される。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記のような構成に限定されるものではなく、上記以外の構成により実現してもよいことは言うまでもない。
また、本発明は、例えば、本発明の汚染土壌処理方法を実現するためのシステム、本発明の汚染土壌処理方法をプロセッサやメモリ等のハードウェア資源を有するコンピュータにより実現するためのプログラム、そのようなプログラムを記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
本発明の汚染土壌処理方法は、不溶化処理を適用可能な種々の汚染土壌の処理に利用することができるとともに、セメントを製造する原料として不溶化処理後の汚染土壌の再利用を可能とする。
10 原位置
20 セメント工場
30 サーバ
32 データベース

Claims (6)

  1. 汚染土壌を処理するための汚染土壌処理方法において、
    汚染土壌について土壌成分の含有量及び有害物質の溶出量を測定し、少なくとも土壌成分の含有量をデータベースに登録する登録工程と、
    有害物質の溶出量が第1基準より大きい第2基準を超える汚染土壌に対し、有害物質の溶出量が該第2基準以下となるように不溶化処理を行う不溶化処理工程と、
    不溶化処理後の汚染土壌を、有害物質の溶出量が該第1基準を超える場合はセメント工場の敷地を含む特定位置に搬出して保管し、該第1基準以下の場合は原位置で保管又は該特定位置に搬出して保管すると共に、該汚染土壌の保管位置を該データベースに登録して管理する管理工程とを有し、
    該データベースを用いて汚染土壌を選定し、セメント製造における原料として用いることを特徴とする汚染土壌処理方法。
  2. 請求項1に記載の汚染土壌処理方法において、該不溶化処理工程では、有害物質の溶出量が該第2基準以下で且つ該第1基準を超える汚染土壌に対しても不溶化処理を行い、該管理工程では、該汚染土壌を原位置で保管又は該特定位置に搬出して保管すると共に、該汚染土壌の保管位置を該データベースに登録して管理することを特徴とする汚染土壌処理方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の汚染土壌処理方法において、該管理工程では、汚染土壌の原位置、土壌成分の含有量、有害物質の溶出量、又は汚染土壌の量に基づいて、汚染土壌を区分して保管すると共に、該汚染土壌の区分に係る情報を該データベースに登録して管理することを特徴とする汚染土壌処理方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の汚染土壌処理方法において、該不溶化処理には、無機系の不溶化材を用いることを特徴とする汚染土壌処理方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の汚染土壌処理方法において、不溶化処理後の有害物質の溶出量が該第1基準を超える汚染土壌については、該管理工程において、1箇所に保管される汚染土壌の量が所定量以下になるように設定されることを特徴とする汚染土壌処理方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の汚染土壌処理方法において、該データベースを用いて汚染土壌を選定する際には、汚染土壌の総使用量を設定し、該総使用量に占める、有害物質の溶出量が該第1基準を超える汚染土壌の使用量を設定し、該総使用量から該使用量を引いた不足分については、有害物質の溶出量が該第1基準以下の土壌で補うことを特徴とする汚染土壌処理方法。
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