JP4108952B2 - 自走式土質改良機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、土砂を受け入れて土質改良材と混合し改質する自走式土質改良機に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建設省によるいわゆる建設リサイクル推進計画の策定(1997年)といった廃棄物再利用促進の背景の下、例えば、ガス管等の埋設工事、上下水道工事、及びその他の道路工事・基礎工事等が行われる様々な現場において、土砂を土質改良材とともに攪拌混合処理し、リサイクル用の改良土製品や宅地用地・道路の路床等の表層に敷設する地盤強化用の改良土を生成するニーズが拡がりつつある。
【0003】
このニーズを満たすために、特開2000−45327号公報に記載された自走式土質改良機、また特開2000−328598号公報に記載された土質改良機等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の前者の従来技術は、自走式の構成となっているが、この自走形式にした狙いは土質改良区域内での移動を可能にすることである。また、上記の後者の従来技術は、土質改良区域内に固定されたものであるが、その開示内には自走形式にすることも可能となっており、この自走形式の狙いは上述した前者の従来技術と同様な狙いである。即ち、これらの従来技術のものは、ダンプ等で搬入されてきた改良すべき土砂を、この搬入場所において改良土とし、一時保管する方式のものである。
【0005】
しかし、上記のニーズ拡大に伴い、自走式土質改良機が改質対象とする土砂の性状も多種多様となってきており、例えば、砂含量が多く粘性の低い砂質土といった比較的改質し易いものを改質対象とすることもあれば、粒径が極めて細かい粘性土や高含水率の土砂といった比較的改質し難いものを改質対象とする場合も少なくなく、この比較的改質し難い土砂を改質対象土砂とした場合、土質改良材を比較的大量に添加する必要がある。また、従来技術のように、ある場所において、改質すべき土砂を搬入し、この搬入された土砂をこの場所で改質することは生産性の観点から好ましいものではない。
そこで、近年では多種多様な性状を有する土砂を改質することができると共に、特定な場所以外に、改質すべき土砂の発生箇所でこれを改質することが要求されている。
【0006】
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたもので、土砂改質現場への搬送が容易で、しかも多種多様の性状を有する土砂を改質することができる自走式土質改良機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、土砂を土質改良材と混合して改質する自走式土質改良機であって、走行体と、この走行体上に設けた本体フレームと、前記本体フレームの長手方向の一方側上部に設けられ投入される土砂を受け入れるホッパと、前記本体フレームの長手方向の中央部上に設けられ、前記本体フレームの長手方向の一方側上部に設けた入口から導入した土砂及び土質改良材を混合して前記本体フレームの長手方向の他方側下部に設けた出口から改良土を排出する混合装置と、前記ホッパの下方から前記混合装置の入口の上方にかけて延設し前記ホッパにより受け入れた土砂を前記混合装置に供給する搬送コンベアと、前記混合装置の上方に設けられ前記搬送コンベア上の土砂に土質改良材を添加する土質改良材供給装置と、前記混合装置の出口の下方から前記本体フレームの長手方向の他方側に延在し前記混合装置で生成された改良土を搬送し機外に排出する排出コンベアと、前記本体フレームの長手方向他方側に設けた動力装置とを備え、前記土質改良材供給装置は、前記本体フレーム上に支持ポストを介して支持された支持枠体と、この支持枠体上に設けられ前記搬送コンベア上の土砂に添加する土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記支持枠体の下部に連接され下方に縮径する四角錐形状に形成されたシュートと、このシュートの下部に設けられ前記シュートを介して導かれた前記貯留タンク内の土質改良材を前記搬送コンベアによる土砂搬送方向と反対方向に移送して前記搬送コンベア上の土砂に添加するスクリューフィーダとからなり、前記シュートは、その下部に設けた土質改良材導出口が前記スクリューフィーダの土質改良材の移送方向に長辺方向をとる長方形状に形成され、かつ、前記本体フレームの長手方向の一方側に位置し前記土質改良材導出口の土質改良材の移送方向の下流側端部に繋がる下流側壁面と前記土質改良材導出口の上流側端部に繋がる上流側壁面の傾斜角度を異なるものとすることで、前記下流側壁面の前記スクリューフィーダの軸線方向に対する傾斜角度が前記上流側壁面のそれに比べて小さくなるように形成されており、前記スクリューフィーダは、筒状のケーシングと、このケーシング内に設けられ土質改良材の移送方向上流側に対して下流側のピッチが大きなスクリューと、このスクリューを回転駆動させる速度制御可能な駆動装置とを有し、かつ、前記混合装置の上方に位置しており、前記スクリューフィーダのケーシングは、前記シュートの土質改良材導出口に連通する土質改良材の入口及び前記搬送コンベアの搬送方向下流側端部の上方に位置する土質改良材導出口を有し、さらに、前記貯留タンクの配置高さを抑制するように土質改良材の移送方向に上る向きに傾斜させて土質改良材の移送方向の上流側の部分を下流側よりも下げて配設してある。
【0008】
本発明において、土質改良材供給装置には、その土質改良材導出口が搬送コンベアの搬送方向下流側端部上方に位置するようにスクリューフィーダを設けている。ここで、特開2000−45327号公報に記載された自走式土質改良機に備えられた土質改良材供給装置は、いわゆるロータリフィーダを用いたものである。このロータリフィーダは、回転軸に複数の隔壁を放射状に突設したロータを内部に備えており、このロータを回転させることにより、各隔壁間を満たした土質改良材を、ホッパから搬送コンベアにより搬送される土砂に順次添加するものである。このようなロータリフィーダにおいては、ある範囲内では、添加する土質改良材の導出量はロータの回転速度に比例するため、この回転速度を制御することにより、土質改良材の添加量を制御することができる。しかし、回転速度がある範囲を超えると、ロータの各隔壁間に十分に土質改良材が導入されず、その結果、土質改良材の導出量がロータ回転速度に伴わなくなり、土質改良材の添加量精度が低下してしまう場合があった。従って、改質対象土砂の性状が多種多様化してくると、対応しきれない可能性があった。
【0009】
それに対し、特開2000−328598号公報に記載された土質改良機は、スクリューフィーダを備えている。一般的に、スクリューフィーダを用いると、土質改良材の導出量がより広い範囲でスクリューの回転速度に比例するため、より多種多様な性状の土砂の改質が可能となる。しかしながら、この従来技術は、固定式の土質改良機で、自ら移動することができず、改質対象土砂の発生箇所で改質作業をすることは困難である。また、この従来技術中には、自走形式とする開示もあるが、実際には自走形式とするために、各機器のレイアウトを考慮してコンパクトに構成する必要があり、その具体的な構成は開示されていない。またこの従来技術においては、ホッパ、土質改良材供給装置、混合装置といった機能の異なる各機器がそれぞれ水平方向に個別にスペースを占有しており、比較的機長が長くなってしまうため、これを走行体上に搭載して自走式土質改良機とすることは困難である。
【0010】
そこで、本発明においては、スクリューフィーダの下方に混合装置を配設した。すなわち、スクリューフィーダを備えた土質改良材供給装置を、混合装置の上方に設けることにより、これら土質改良材供給装置及び混合装置の水平方向のスペースを共有することができ、その分、従来技術に比べて機長を短縮することができる。このように、各機器のレイアウトを考慮することによって機長を短縮することができ、スクリューフィーダを有する土質改良材供給装置を、篩装置、ホッパ、土質改良材供給装置、混合装置、排出コンベア等、他の機器と共に走行体上に集約配置し、自走形式とすることができる。従って、本発明によれば、土砂改質現場への搬送が容易で、しかも多種多様の性状を有する土砂を改質することができる。
また、スクリューフィーダを搬送コンベアの土砂搬送方向と反対方向に土質改良材を移送するように設けたので、土質改良材の移送方向に向かって上り傾斜とすることでスクリューフィーダの土質改良材移送方向上流側を下方の空間に入り込ませることができ、土質改良材の貯留タンクの高さを低減することもできる。
【0011】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記貯留タンクは、前記支持枠体上に連設された伸縮自在な蛇腹部と、土質改良材充填用の受入口を有し前記蛇腹部の上部をカバーする天板部と、この天板部の下面に垂設した支持部材と、この支持部材を介して支持されて前記土質改良材充填用の受入口の直下に位置するカッタとを備えている。
【0016】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記貯留タンクは、下方ほど取り付けピッチを狭くした前記蛇腹部の補強用の複数のリングを備えている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を図面を用いて説明する。
自走式土質改良機とは、例えば、建設現場等で発生する建設発生土を、現場内で土質改良材とともに混合処理してリサイクル用の改良土製品を生成するといった建設発生土改良、或いは、宅地建設用地等の表層を掘削した土砂をその場で改質し、地盤強化のために表層に埋め戻す改良土を生成したり、道路建設用地等で現場内の所定の箇所を掘削して得た土砂をその場で改質し、路床材として敷設する改良土を生成するといった表層地盤安定化処理等に広く用いられるものである。
【0018】
以下、本発明の自走式土質改良機の一実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す側面図、図2はその上面図である。
これら図1及び図2において、1は走行体で、この走行体1は、左・右1対の走行装置2と、この走行装置2の上部に略平行に延設した1対の本体フレーム3とで構成されている。また、4は走行装置2のトラックフレームで、このトラックフレーム4は、本体フレーム3の下部に連設している。5,6はそれぞれこのトラックフレーム4の両端に設けた従動輪(アイドラ)及び駆動輪、7はこれら従動輪5及び駆動輪6に掛け回した履帯(無限軌道履帯)、8は駆動輪6に直結した駆動装置である。9a,9bは本体フレーム3上に複数立設した支持ポストで、これら支持ポスト9a,9bは、支持フレーム10,11を支持している。
【0019】
12は投入される土砂を粒度に応じて選別する篩装置で、この篩装置12は内部に装着した所定の目の大きさの格子12A(図2参照)を備え、支持フレーム10長手方向一方側(図1中左側)上部にばね13を介して振動可能に支持されている。これにより、格子12Aの目の大きさよりも大きなものを除去し、小さなものを下方へ導くようになっている。14は篩装置12への土砂投入性に配慮して設けた煽りである。15は篩装置12で選別された土砂を受入れるホッパで、このホッパ15は、上方拡開の概略枠型形状をしており、篩装置12の略直下に位置するように上記支持フレーム10により支持されている。
【0020】
16はこのホッパ15で受入れた土砂を搬送する搬送コンベアで、この搬送コンベア16は、ホッパ15の下方から後述する混合装置73の入口筒体75(後述の図15参照)上方にかけて上り傾斜に延設されている。16Aはこの搬送コンベア16のコンベアフレームで、このコンベアフレーム16Aは、上記支持ポスト9a,9bに支持されている。17A,17Bはそれぞれこのコンベアフレーム16Aの両端に設けた駆動輪及び従動輪、18はこれら駆動輪17A及び従動輪18Bに掛け回した搬送ベルト、19はこの搬送ベルト18の搬送面を支持する複数の支持ローラである。なお、駆動輪17Aには、この駆動輪17Aを駆動して搬送ベルト18を循環駆動させる図示しない駆動装置が連結されている。
【0021】
20はこの搬送コンベア16上の土砂に土質改良材を添加する土質改良材供給装置で、この土質改良材供給装置20は、水平断面が略方形の土質改良材の貯留タンク21と、この貯留タンク21内の土質改良材を下方に導出するスクリューフィーダ22と、貯留タンク21内の土質改良材をスクリューフィーダ22に導く漏斗の役割を果たす略四角錐形状のシュート23とで構成されている。
図3はこの土質改良材供給装置20の詳細構造を表す側面図、図4はこの図3中矢印IV方向から見た土質改良材供給装置の上面図、図5は図3中V−V断面による水平断面図である。
これら図3〜図5において、23Aは上記支持フレーム11上に固定した上記シュート23上部のフランジ状の枠板で、上記貯留タンク21は、この枠板23A上に連設した蛇腹部24と、この蛇腹部24の上部をカバーする天板部25とで構成されている。この蛇腹部24は、伸縮自在なフレキシブルな材料、例えばポリエチレン系ゴム材料で構成されており、内部に貯留した土質改良材からの内圧が作用するため、複数の補強リング24Aで補強されている。土質改良材による内圧は、蛇腹部24下方ほど高くなるため、図3に示すように、下方ほど補強リング24Aの取付ピッチが狭くなっている。26はこの天板部25のほぼ中央に設けた土質改良材充填用の受入口(図4参照)、27はこの土質改良材受入口26の開閉蓋で、この開閉蓋27は、天板部25に蝶番28(図4参照)により取付けられている。なお、27Aは開閉蓋27の開閉作業への配慮として設けた把手(図4参照)である。
【0022】
29は天板部25の外周部に複数(この例では3つ)設けた取付部、30はこれら取付部29の下部に固定的に垂設した支柱で、この支柱30の上下には、それぞれ所定の位置にピン穴31A,31B(下側のピン穴31Bは後述の図6参照)が穿設されている。32は各支柱30を挿通する複数(この例では3つ)のガイド筒で、このガイド筒32は、上記シュート23の枠板23Aに貫通して固定されている。また、このガイド筒32の枠板23Aから突出した上端付近には、図示しないピン穴が穿設されている。
つまり、このような構造により、上記各支柱30は、それぞれ各ガイド筒32に上下スライド可能に挿入されて枠板23Aの下方にまで突出可能となっており、支柱30のスライドに伴って前述の蛇腹部24が伸縮することにより、貯留タンク21の高さが可変な構造となっている。
【0023】
33は支柱30をガイド筒32に固定するストッパピンで、このストッパピン33は、ガイド筒32の図示しないピン穴を介し支柱30のピン穴31A或いは31Bに挿入するものである。すなわち、例えば稼動時等には、蛇腹部24を伸長させ、ストッパピン33を、ガイド筒32のピン穴を介し支柱30の下側のピン穴31Bに挿入することにより、貯留タンク21の内部容積を十分確保し(図3に示した状態)、自走式土質改良機をトレーラ等で輸送するとき等には、蛇腹部24を減縮させ、ガイド筒32のピン穴を介し支柱30の上側のピン穴31Aにストッパピン33を挿入することにより、自走式土質改良機の全高を輸送制限をクリアする高さまで低くした状態で保持できるようになっている。この状態の土質改良材供給装置20の詳細側面を図6に示した。
【0024】
図5において、23Bは上記シュート23下部に設けたスクリューフィーダ22への土質改良材導出口で、この土質改良材導出口23Bは、上記スクリューフィーダ22の長手方向(図5中左右方向)を長手方向とした略長方形状に形成されている。23Cはシュート23上部に設けた貯留タンク21からの土質改良材導入口で、上記シュート23は、この土質改良材導入口23Cから先の土質改良材導出口23Bに向かって、下方縮径の略四角錐に形成されている。なお、このシュート23の隔壁面間の屈曲した部分は、いわゆるR材を張ったり、溶接ビードで丸く形成されており、この部分への土質改良材の滞留を防止するようになっている。
【0025】
34はシュート23の傾斜した内壁面に設けた空気流出口で、この空気流出口34は、図示しないコンプレッサ35(本実施の形態においては図示省略、後述の図17参照)からの圧縮空気をシュート23内に流出するものである。これにより、シュート23内壁と土質改良材との間に瞬間的に間隙を創出し、いわゆるブリッジやラットホールといった現象の発生を防止することにより、土質改良材がスクリューフィーダ22に対し円滑に導入されるよう配慮されている。
【0026】
図7はそのスクリューフィーダ22の詳細構造を表す側面図、図8はその上面図である。
これら図7及び図8において、36は上記スクリューフィーダ22の略円筒形状のケーシングで、このケーシング36は、固定された端部ケーシング36A,36Bと、これら端部ケーシング36A,36Bの間に回転可能に介設した中間ケーシング36Cとの3つに分割されている(接続構造に関しては後述)。37は中間ケーシング36Cに設けた土質改良材導入口で、この土質改良材導入口37は、スクリューフィーダ22の長手方向(図8中左右方向)を長手方向とする略長方形状に形成され、シュート23の上記土質改良材導出口23B(図5参照)に連通可能となっている。
【0027】
38は端部ケーシング36Bの下部側を斜めに切り欠いた土質改良材導出口で、上記搬送コンベア16(図1参照)の搬送方向下流側端部(図1中右端)の上方に位置している。また、この土質改良材導出口38は、後述するスクリュー42のピッチに伴う間欠的な土質改良材の導出を防止するため、図7に示すように、スクリュー42の傾斜にある程度対応して所定の傾斜を持つように斜めに設けられている。39A,39Bはケーシング36の両端に設けたエンドブラケット、40A,40Bはそれぞれこれらエンドブラケット39A,39B内に支持された軸受、41はケーシング36内に設けた中空(中実でも構わない)の回転軸で、この回転軸41の両端は、軸受40A,40Bにより回転自在に支持されている。42は回転軸41の外周に螺旋状に設けたスクリューで、このスクリュー42のピッチは、土質改良材導入口37側から土質改良材導出口38側に向かって徐々に大きくなっている。
【0028】
43A,43Bはそれぞれ先のエンドブラケット39A,39Bと共に端部ケーシング36B,36Aに固定した支持プレート、44は支持プレート43Bを固定した台板で、この台板44は、端部ケーシング36Aと並設するようにスクリューフィーダ22の駆動装置45(図8参照)を支持している。45Aはこの駆動装置45の出力軸、46はこの出力軸45Aに設けたスプロケット、47は上記回転軸41の他端(図8中右端)に設けたスプロケットで、これらスプロケット46,47にはチェーン48が巻回されている。つまり、スクリューフィーダ22は、この駆動装置45の駆動力をチェーン48を介して回転軸41に伝達して上記スクリュー42を回転させるようになっている。なお、駆動装置45は、回転速度を制御可能な構成となっており、例えば油圧モータ等で構成した場合、エンコーダ等を用いて回転速度を制御するようにしてもよいし、電動モータで構成しても良い。
【0029】
図9は端部ケーシング36Bと中間ケーシング36Cとの接続構造を表す部分拡大、図10はこの図9中X−X断面による断面図である。
これら図9及び図10において、49,50はそれぞれ端部ケーシング36B及び中間ケーシング36Cの対向端部に設けた突出部及び段差部で、突出部49は段差部50に嵌合している。51は端部ケーシング36Bの中間ケーシング36Cとの対向端部に設けたブラケット、52A〜52Cは中間ケーシング36Cの端部ケーシング36Bとの対向端部における径方向に放射状に複数設けたブラケットで、特にブラケット52Aは、中間ケーシング36Cの径方向上部側(この場合、上記土質改良材導入口37側)に設けられている。
【0030】
また、53,53はブラケット51,52Aの互いに対応する位置に穿設したピン挿入口で、これらピン挿入口53,53にストッパピン54(図7参照)を挿入することにより、中間ケーシング36Cを端部ケーシング36Bに対して固定するようになっている。55はブラケット52A〜52Cにそれぞれ複数(この例では2つ)設けた例えば略正六角形状の突出部である。なお、特に図示しないが、上記構造は、端部ケーシング36A及び中間ケーシング36Cの対向端部にも同様に設けられている(図7参照)。すなわち、図7において、ストッパピン54,54を抜き取り、前述のように3分割された中間ケーシング36Cと端部ケーシング36A,36Bとの固定を解くと、例えばスパナ等の工具で突出部55を把持して中間ケーシング36Cを端部ケーシング36A,36Bに対して回転させられるようになっている。
【0031】
図11はスクリューフィーダ22の支持構造を表す側面図、図12及び図13はそれぞれ図11中矢印XII,XIII方向から見た部分拡大図である。
これら図11〜図13において、56は上下分割型の外ケーシングで、この外ケーシング56は、上ケーシング57A,57Bと、下ケーシング58とで構成されており、それらの内周面でスクリューフィーダ22の中間ケーシング36Cの外周部を抱きかかえるようになっている。59,60はそれぞれ上ケーシング57A,57B及び下ケーシング58の対向端部に設けたフランジで、これらは例えば図示しないワッシャーを介しボルト、ナット等により固定されている。61,62はそれぞれ上ケーシング57A,57Bとシュート23との連結部材で、これら連結部材61,62は、上ケーシング57A,57B及びシュート23の外壁に対し例えば溶接等により固定されている。
【0032】
63,64はシュート23の外壁面から垂設した支持部材、65,66はそれぞれこれら支持部材63,64の下端に固着した支持台で、それぞれその上部に上記支持プレート43A(図7参照)及び台板44(図7参照)を支持するようになっている。すなわち、上記スクリューフィーダ22は、上記外ケーシング56及び支持台65,66を介し、上記シュート23から支持されている。なお、67は上記中間ケーシング36C及び外ケーシング56の間に介設したシール部材で、このシール部材67は、例えば外ケーシング67内周面に施したゴムライニング等で構成されている。
【0033】
また、スクリューフィーダ22は、上記した支持構造により、先の図1に示すように、その土質改良材の移送方向(図1中左方向)に上り傾斜とされ、その移送方向上流側(図1中右側)が下方の空間に入り込むよう、移送方向下流側(図1中左側)に対して低くなるように配設されており、その分、土質改良材供給装置20の高さが低くなるよう配慮されている。
【0034】
上記構成により、スクリューフィーダ22は、先のシュート23から土質改良材導入口37を介して導入した土質改良材を図1中左方向(搬送コンベア16の搬送方向と反対方向)に移送し、端部ケーシング36Bの下部に設けた土質改良材導出口38から、搬送コンベア16の搬送方向下流側(図1中右側)端部付近を搬送される土砂に、土質改良材を一定量づつ添加するようになっている。
【0035】
ここで図2に戻り、68は自走式土質改良機の片側(図2中上側)に設けたクレーンで、このクレーン68は、上記自走式土質改良機幅方向一方側(図2中上側)の本体フレーム3に取付けた支持台69上に設けられている。このクレーン68は、支持台69から上方に立設した支持部68Aと、この支持部68Aに基端部が枢支接続され長手方向に伸縮するとともに略水平に旋回するアーム68Bと、このアーム68Bを俯仰動させるシリンダ68Cと、アーム68B先端に設けたウィンチ68Dとを備えている。通常、貯留タンク21内に土質改良材を充填する際には、上部の開閉蓋27を開け、このクレーン68によりフレキシブルコンテナを吊り上げて土質改良材受入口26に挿入するようになっている。
このとき、先の図3に示すように、天板部25には、支持部材70A,70Bを介し、貯留タンク21内の土質改良材受入口26の略直下に位置し、上方に突設したカッタ71が設けられている。これにより、クレーン68で土質改良材受入口26に挿入されたフレキシブルコンテナは、自重によりカッタ71に押し付けられて底部を切り裂かれ、ここから貯留タンク21内に土質改良材を流出するようになっている。
【0036】
なお、図4において、72は天板部25に設けた排気口で、この排気口72には、図示しないフィルタが設けられている。つまり、上記土質改良材充填の際、土質改良材に押し退けられて土質改良材受入口26のフレキシブルコンテナとの間隙から流出しようとする貯留タンク21の内部雰囲気を、排気口72から逃がしてやるようになっている。これにより、流出する内部雰囲気と共に、舞い上がった土質改良材が貯留タンク21外に流出することを防止するよう配慮されている。
【0037】
図1及び図2に戻り、73は搬送コンベア13から導入された土砂及び土質改良材を混合して改良土を生成する混合装置で、この混合装置73は、上記スクリューフィーダ22の下方に位置するように、本体フレーム3の長手方向ほぼ中央に支持されている。
図14はこの混合装置73の詳細構造を表す水平断面図、図15はこの図14中XV−XV断面による側断面図である。
これら図14及び図15において、74はこの混合装置73の略箱状の本体で、この混合装置本体74は、その長手方向一方側(図15中左側)上部に土砂及び土質改良材の入口筒体75を、他方側(図15中右側)下部に改良土の出口筒体76を設けている。なお、74Aは混合装置本体74の入口筒体75を除く上面を構成する蓋体で、この蓋体74Aは、混合装置本体74上に入口筒体75と共に、複数枚(この例では3枚)並設され、ボルト締結されている。すなわち、これら蓋体74A及び入口筒体75を取外すことにより、混合装置本体74上面を全面的に開放することができるようになっている。但し、蓋体74Aは、1枚構造としても構わない。
【0038】
77は混合装置本体74内に設けた複数(この例では2本)のパドルミキサで、このパドルミキサ77は、混合装置本体74の長手方向(図14中左右方向)に略平行に配設した回転軸78と、この回転軸78に放射状に複数設けたパドル79とで構成されている。このパドル79は、その平滑な面が、回転軸78の軸線方向(この場合図14中右方向)に対し、パドルミキサ77の回転方向を向くように所定角度傾斜している。
【0039】
80はパドルミキサ77の回転軸78の両端付近を回転自在に支持する軸受、81は回転軸78の他端(図14中右端)に設けたギア、82はパドルミキサ77の駆動装置で、この駆動装置82の出力軸82aは、回転軸78の他端(図14中右端)に直結している。また、ギア81は隣接する回転軸78のもの同士噛合しており、隣接するパドルミキサ77がほぼ同一回転数で互いに反対方向に回転駆動するようになっている。
【0040】
このような構造により、混合装置73は、搬送コンベア16から入口筒体75を介して導入された土砂及び土質改良材をパドル79により混合して改良土としつつ反対側に移送し、出口筒体76から下方に導出するようになっている。
なお、83はギア80等を内包するギアボックス、79Aは生成した改良土を出口筒体76に向かって掻き落とし、混合装置本体74の出口筒体76側内壁への改良土の圧密を防止する掻き取り羽根である。
【0041】
再び図1及び図2に戻り、84はこの混合装置73から導出された改良土を機外に排出する排出コンベアで、この排出コンベア84は、混合装置73の出口筒体76(図15参照)の下方から長手方向他方側(図1中右側)に向かって所定距離略水平に延在した後、混合装置73の駆動装置82下方辺りから上り傾斜に延在している。85はこの排出コンベア84のコンベアフレームで、このコンベアフレーム85は、図示しない支持部材を介し、後述の動力装置86や本体フレーム3等から支持されている。87はこの排出コンベア84の搬送方向下流側(図1中右側)端部に設けた駆動輪、88はこの駆動輪87及び排出コンベア84の搬送方向上流側(図1中左側)に設けた図示しない従動輪に掛け回した搬送ベルトである。また、89は駆動輪87に直結した駆動装置(図2参照)で、この駆動装置89により、駆動輪87を回転駆動して搬送ベルト88を循環駆動させるようになっている。なお、90は排出コンベア84のサイドカバーで、このサイドカバー90は、コンベアフレーム85の幅方向(図2中上下方向)両側上部に設けられている。
【0042】
上記動力装置86は、以上説明してきた各機器の駆動装置の動力源としてのエンジン、このエンジンに駆動される少なくとも1つの油圧ポンプ、この油圧ポンプから各駆動装置へ供給される圧油を制御する複数のコントロールバルブ等を備えたもので、本体フレーム3の長手方向他方側(図1中右側)端部に支持部材91を介して支持されている。また、図2において、92はこの動力装置86の前方側(図2中左側)の区画に設けられた運転席で、この運転席92には、上記走行装置2を操作する1対の操作レバー93及び他の各機器を操作する操作盤94が備えられている。
【0043】
以上のように、本実施の形態においては、篩装置12、ホッパ15、搬送コンベア16、土質改良材供給装置20、混合装置73、排出コンベア84、動力装置86等の各機器を走行体1上に集約配置している。
【0044】
次に、上記構成の本実施の形態の自走式土質改良機の動作を説明する。
例えば油圧ショベル等によりホッパ15に改質対象となる土砂を投入すると、ホッパ15で受け入れられた土砂は、その下方の搬送コンベア16上に載置され搬送される。土質改良材供給装置20は、その貯留タンク21内の土質改良材をスクリューフィーダ22により、搬送コンベア16で搬送される土砂に一定量づつ供給していく。そして、搬送コンベア16により混合装置73に導入された土砂及び土質改良材は、パドルミキサ77で均一に攪拌混合され、排出コンベア84上に改良土として導出される。この改良土は排出コンベア84により搬送され、最終的に自走式土質改良機外に排出される。
【0045】
ここで、本実施の形態により得られる効果を順次説明していく。
(1)土砂改質現場への搬送性、及び多種多様な性状の土砂改質性能の両立
本実施の形態においては、土質改良材供給装置20に、その土質改良材導出口38が搬送コンベア16の搬送方向下流側端部上方に位置するようにスクリューフィーダ22を設け、このスクリューフィーダ22の下方に混合装置73を配設した。すなわち、スクリューフィーダ22を備えた土質改良材供給装置20を、混合装置73の上方に設けることにより、これら土質改良材供給装置20及び混合装置73の水平方向のスペースを共有することができる分、機長を短縮することができる。その結果、スクリューフィーダ22を備えつつも土質改良機の機長を短縮することができ、これを他の機器と共に走行体1上に集約配置することが可能となる。
【0046】
ここで、仮に、スクリューフィーダ22の代わりに、回転軸に複数の隔壁を突設したロータを回転させ、このロータ隔壁間に導入した土質改良材を順次下方へ導出する、いわゆるロータリフィーダを設けたとする。このロータリフィーダにおいて、土質改良材の導出量を増大させる場合、ロータの回転速度を上昇させることになるが、この回転速度の上昇に伴い、ロータ隔壁と土質改良材との接触時間が十分に確保できず、ロータ隔壁間への土質改良材の導入量が減少してしまい、ロータの回転速度に見合った土質改良材導出量が得られなくなる場合がある。その結果、土砂に対する土質改良材の添加率制御も、大量に土質改良材を供給する場合には精度が悪くなる可能性があった。
【0047】
それに対し、本実施の形態においては、スクリューフィーダ22により土砂に土質改良材を添加する。前述したように、スクリューフィーダ22の土質改良材導入口37は、その土質改良材の移送方向に対して長く設けられているため、土質改良材とスクリュー42との接触時間を十分確保でき、スクリュー42内への土質改良材の導入量が十分に確保される。これにより、スクリュー42の回転速度が上昇しても、ロータリフィーダと比べてスクリュー42の回転速度に見合う土質改良材が導出される範囲が広くなる。従って、土質改良材の添加量制御をより広いスペックで精度良く行うことができ、土砂改質現場での移動が容易な自走式土質改良機にあって、多種多様の性状を有する土砂を改質することができる。
【0048】
(2)高さ低減
本実施の形態において、スクリューフィーダ22は、その土質改良材の移送方向(図1中左方向)に上り傾斜とされ、その移送方向上流側(図1中右側)が下方の空間に入り込むよう、移送方向下流側(図1中左側)に対して低くなるように配設されている。これにより、仮にスクリューフィーダ22を水平に設けた場合と比べて、土質改良材供給装置20の高さを低くでき、その分、自走式土質改良機の全高を低減することができる。
【0049】
(3)土質改良材のスクリューフィーダへの円滑な導入
仮にスクリュー42が等ピッチであった場合、土質改良材導入口37の移送方向上流側でスクリュー42に土質改良材が満たされてしまうと、土質改良材導入口37の移送方向下流側における土質改良材の導入が行われず、土質改良材導入口37における移送方向上流側部分で集中的にスクリュー42への土質改良材の導入が行われる結果、いわゆるラットホールといった現象が発生する可能性がある。この場合、この部分でいわゆるファンネルフローといった現象が発生し、貯留タンク21及びシュート23内の土質改良材がスクリューフィーダ22に順次円滑に導入されなくなる可能性がある。
【0050】
それに対し、本実施の形態においては、前述のようにスクリューフィーダ22のスクリュー42のピッチは、その移送方向上流側(図7中右側)に対し、移送方向下流側(図7中左側)が大きくなっている。これにより、スクリュー42の移送方向上流側で土質改良材が満たされても、移送と共に、スクリュー42の移送方向下流側に土質改良材を受入れるスペースが徐々に創出され、土質改良材導入口37からスクリューフィーダ22への土質改良材の導入をいわゆるマスフローの状態とすることができる。従って、土質改良材のスクリューフィーダ22への円滑な導入を実現することができる。
【0051】
なお、スクリュフィーダ22の土質改良材導入口37からの土質改良材導入量は、理論的には次式にて定まる。
Q∝(D2−d2)×(p−t)×n
但し、Dはスクリュ42の外径、dは回転軸41の外径、pはスクリュー42のピッチ、tはスクリュ42の板厚、nはスクリュー42の回転数である。
【0052】
(4)スクリューフィーダ内における土質改良材の嵩密度の均一化
スクリューフィーダ22は、その土質改良材導入口37を通過する際、その移送方向下流側において、土質改良材導入口37付近の土質改良材を巻き込み、その結果、スクリューフィーダ22内の土質改良材の嵩密度が上昇してしまうことも考えられる。そこで、本実施の形態においては、シュート23は、スクリューフィーダ22の移送方向下流側壁面が、反対側壁面と比べ、スクリューフィーダ22の軸線方向に対し、緩い傾斜角度となるよう形成されている。これにより、スクリューフィーダ22が土質改良材導入口37の下流側付近にきた際、スクリュー42による土質改良材の巻き込みを防止し、スクリューフィーダ22内における土質改良材の嵩密度を均一化することができる。
【0053】
(5)シュート製作の容易化
本実施の形態においては、シュート23の土質改良材導出口23Bが略長方形状に形成されている。この場合、仮に貯留タンク21が略円形であると、略長方形の土質改良材導出口23B及び貯留タンク21とを接続するシュート23の形状は、曲面及び平面を組合せた複雑な形状となり、非常に製作の難しいものとなる。そこで、本実施の形態においては、貯留タンク21を略方形としたため、シュート23は、平面を適宜組合せた単純な形状となり、シュート23の製作を容易なものとすることができる。
【0054】
(6)スクリューフィーダのメンテナンス性向上
本実施の形態においては、前述のように、土質改良材導入口37を有するスクリューフィーダ22の中間ケーシング36Cを回転可能に設けている。これにより、例えば、中間ケーシング36Cを約180°回転させることにより、上部の貯留タンク21からスクリューフィーダ22への土質改良材の流入を遮断することができる。このとき、上記外ケーシング56の下ケーシング58を取外すことにより、下部側に移動したスクリューフィーダ22の土質改良材導入口37を露出させることができる。従って、万一スクリューフィーダ22内に圧密や噛み込み等が生じた場合には、露出した土質改良材導入口37から対応することができる。また、可能な場合には、スクリュー42を逆転駆動させ、土質改良作業時と逆向きにスクリューフィーダ22内の土質改良材を移送し、この露出した土質改良材導入口37から排出するといったこともできる。以上のように、スクリューフィーダ22のメンテナンス作業の負担を軽減させることができる。また、これに伴い、稼動停止時間を短縮することができるので、生産性の低下を抑制することができる。
【0055】
ここで、本実施の形態において、上記効果(6)を得るために、中間ケーシング36Cを回転可能な構成としたが、この構成は、本発明の本質的効果(1)を得る限りにおいては、必ずしも必要ない。また、上記効果(5)を得るために、貯留タンク21を略方形に形成したが、これも必ずしも必要な構成ではなく、例えば断面が略円形の貯留タンク21としても構わない。また、上記効果(4)を得るため、シュート23のスクリューフィーダ22下流側壁面を、上流側壁面と比べ、スクリューフィーダ22軸線方向に対して緩い傾斜角となるよう形成したが、これも必須構成要件ではなく、シュート23の各壁面を一様に同様な傾斜角としても構わない。さらに、上記効果(3)を得るために、スクリュー42のピッチを下流側に向かって大きくするよう構成したが、これも本発明の本質的効果(1)を得る限りにおいては、必ずしも必要なく、例えば等ピッチにしても良い。
【0056】
また、上記効果(2)を得るために、スクリューフィーダ22を傾斜して配設したが本発明の本質的効果(1)を得る限りにおいては、例えば、図16に示した変形例のように、スクリューフィーダ22を略水平に設けても構わない。なお、図16に示した自走式土質改良機はこの点を除いて上記一実施の形態のものと同様の構成である。
【0057】
本発明の自走式土質改良機の他の実施の形態を図17及び図18を用いて説明する。
図17は本発明の自走式土質改良機の他の実施の形態の全体構成を表す側面図、図18はその上面図である。但し、これら図17及び図18において、先の各図と同様の役割を果たす部分には同符号を付し説明を省略する。
これら図17及び図18において、本実施の形態における上記一実施の形態との最も異なる点は、土砂を選別する篩装置12(図1参照)を省略したことにあり、またこれに伴い、煽り14(図1参照)も省略されている。これらの点を除いた他の構成は、上記一実施の形態とほぼ同様である。本実施の形態においても、上記一実施の形態と同様の効果が得られる。
【0058】
また、本実施の形態においては、篩装置12を省略し、ホッパ15により直接改質対象土砂を受入れ、混合装置73に導入する。篩装置12を設けた場合に、上記した比較的大量な土質改良材添加量が要求される土砂を改質対象とすると、格子12A(図2参照)に土砂が引っ掛かったり、付着成長したりする等して目詰まりが生じ、土質改良作業の円滑性を阻害する可能性がある。つまり、本実施の形態においては、篩装置12を省略したことにより、大量の土質改良材を精度良く土砂に供給することができるようになった利点を生かし、比較的大量な土質改良材添加量が要求される土砂を改質対象とした土質改良作業を効率良く行うことができる。
【0059】
なお、以上において、履帯7を有するいわゆるクローラ式の走行装置2を備える自走式土質改良機を例にとって説明してきたが、これに限られず、例えばいわゆるホイール式の走行体を備える自走式土質改良機としても良い。また、例えばソイルカッタ等を用いて土砂及び土質改良材を解砕混合し、さらに高速回転するロータリハンマ等を用いて細粒化するいわゆる解砕方式の混合装置を備えた自走式土質改良機においても、ソイルカッタ或いはロータリハンマ等の交換作業を行う場合には、本発明の技術的思想は適応可能である。これらの場合も同様の効果を得る。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、土質改良材供給装置に、その土質改良材導出口が搬送コンベアの搬送方向下流側端部上方に位置するようにスクリューフィーダを設け、このスクリューフィーダの下方に混合装置を配設したことにより、土質改良材供給装置及び混合装置の水平方向のスペースを共有することができる。従って、その分機長を短縮することができるので、スクリューフィーダを有する土質改良材供給装置を他の機器と共に走行体上に集約配置することができ、土砂改質現場への搬送が容易な自走形式にあって、しかもより多種多様な性状の土砂を改質することができる。また、スクリューフィーダを搬送コンベアの土砂搬送方向と反対方向に土質改良材を移送するように設けたので、土質改良材の移送方向に向かって上り傾斜とすることでスクリューフィーダの土質改良材移送方向上流側を下方の空間に入り込ませることができ、土質改良材の貯留タンクの高さを低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態の全体構造を表す上面図である。
【図3】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられた土質改良材供給装置の詳細構造を表す側面図である。
【図4】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられた土質改良材供給装置の詳細構造を表す図3中矢印IV方向から見た上面図である。
【図5】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられた土質改良材供給装置の詳細構造を表す図3中V−V断面による水平断面図である。
【図6】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられた土質改良材供給装置の高さを縮めた状態を表す側面図である。
【図7】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられたスクリューフィーダの詳細構造を表す側面図である。
【図8】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられたスクリューフィーダの詳細構造を表す上面図である。
【図9】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられたスクリューフィーダの端部ケーシングと中間ケーシングとの接続構造を表す部分拡大である。
【図10】図9中X−X断面による断面図である。
【図11】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられたスクリューフィーダの支持構造を表す側面図である。
【図12】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられたスクリューフィーダの支持構造を表す図11中矢印XII方向から見た部分拡大図である。
【図13】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられたスクリューフィーダの支持構造を表す図11中矢印XIII方向から見た部分拡大図である。
【図14】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられた混合装置の詳細構造を表す水平断面図である。
【図15】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態に備えられた混合装置の詳細構造を表す図14中XV−XV断面による側断面図である。
【図16】本発明の自走式土質改良機の一実施の形態におけるスクリューフィーダを略水平に配設した変形例の全体構造を表す側面図である。
【図17】本発明の自走式土質改良機の他の実施の形態の全体構成を表す側面図である。
【図18】本発明の自走式土質改良機の他の実施の形態の全体構成を表す上面図である。
【符号の説明】
1 走行体
12 篩装置
15 ホッパ
16 搬送コンベア
20 土質改良材供給装置
21 貯留タンク
22 スクリューフィーダ
37 土質改良材導入口
38 土質改良材導出口
42 スクリュー
73 混合装置
84 排出コンベア
Claims (3)
- 土砂を土質改良材と混合して改質する自走式土質改良機であって、
走行体と、
この走行体上に設けた本体フレームと、
前記本体フレームの長手方向の一方側上部に設けられ投入される土砂を受け入れるホッパと、
前記本体フレームの長手方向の中央部上に設けられ、前記本体フレームの長手方向の一方側上部に設けた入口から導入した土砂及び土質改良材を混合して前記本体フレームの長手方向の他方側下部に設けた出口から改良土を排出する混合装置と、
前記ホッパの下方から前記混合装置の入口の上方にかけて延設し前記ホッパにより受け入れた土砂を前記混合装置に供給する搬送コンベアと、
前記混合装置の上方に設けられ前記搬送コンベア上の土砂に土質改良材を添加する土質改良材供給装置と、
前記混合装置の出口の下方から前記本体フレームの長手方向の他方側に延在し前記混合装置で生成された改良土を搬送し機外に排出する排出コンベアと、
前記本体フレームの長手方向他方側に設けた動力装置とを備え、
前記土質改良材供給装置は、前記本体フレーム上に支持ポストを介して支持された支持枠体と、この支持枠体上に設けられ前記搬送コンベア上の土砂に添加する土質改良材を貯留する貯留タンクと、前記支持枠体の下部に連接され下方に縮径する四角錐形状に形成されたシュートと、このシュートの下部に設けられ前記シュートを介して導かれた前記貯留タンク内の土質改良材を前記搬送コンベアによる土砂搬送方向と反対方向に移送して前記搬送コンベア上の土砂に添加するスクリューフィーダとからなり、
前記シュートは、その下部に設けた土質改良材導出口が前記スクリューフィーダの土質改良材の移送方向に長辺方向をとる長方形状に形成され、かつ、前記本体フレームの長手方向の一方側に位置し前記土質改良材導出口の土質改良材の移送方向の下流側端部に繋がる下流側壁面と前記土質改良材導出口の上流側端部に繋がる上流側壁面の傾斜角度を異なるものとすることで、前記下流側壁面の前記スクリューフィーダの軸線方向に対する傾斜角度が前記上流側壁面のそれに比べて小さくなるように形成されており、
前記スクリューフィーダは、筒状のケーシングと、このケーシング内に設けられ土質改良材の移送方向上流側に対して下流側のピッチが大きなスクリューと、このスクリューを回転駆動させる速度制御可能な駆動装置とを有し、かつ、前記混合装置の上方に位置しており、
前記スクリューフィーダのケーシングは、前記シュートの土質改良材導出口に連通する土質改良材の入口及び前記搬送コンベアの搬送方向下流側端部の上方に位置する土質改良材導出口を有し、さらに、前記貯留タンクの配置高さを抑制するように土質改良材の移送方向に上る向きに傾斜させて土質改良材の移送方向の上流側の部分を下流側よりも下げて配設してある
ことを特徴とする自走式土質改良機。 - 請求項1の自走式土質改良機において、前記貯留タンクは、前記支持枠体上に連設された伸縮自在な蛇腹部と、土質改良材充填用の受入口を有し前記蛇腹部の上部をカバーする天板部と、この天板部の下面に垂設した支持部材と、この支持部材を介して支持されて前記土質改良材充填用の受入口の直下に位置するカッタとを備えていることを特徴とする自走式土質改良機。
- 請求項2の自走式土質改良機において、前記貯留タンクは、下方ほど取り付けピッチを狭くした前記蛇腹部の補強用の複数のリングを備えていることを特徴とする自走式土質改良機。
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