JP2010046620A - 被処理物の粒状固化システム - Google Patents

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Abstract


【課題】 必要最小限の固化材を用いて、高含水の被処理物を直接的かつ連続的に、しかも、高効率で粒状固化できる経済性に優れた被処理物の粒状固化システムを提供すること。
【解決手段】 槽1内の泥水や泥土等の高含水の被処理物aを解泥するとともに、槽1内に固化材Aを供給し、解泥された被処理物aと固化材Aとを、槽1内において攪拌しながら混合し、その後造粒して粒状固化するための固化システムであって、ブーム4,21の先端4aに設けてある攪拌翼6を槽1内で回転させて被処理物aを解泥するとともに、解泥された被処理物aと固化材Aとを槽1内において攪拌翼6により攪拌しながら混合する混合攪拌装置付バックホー2と、槽1側から供給される固化材Aを含む被処理物aを造粒しながら下流側に搬送する造粒装置3とを備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、泥水や泥土等の含水比の高い被処理物を粒状固化するための被処理物の粒状固化システムに関するものである。
各種の工事に伴って生じた残土、例えばシールド工事や連続地中壁の構築に際して発生した掘削残土や、基礎工事時の含水残土、その他、ベントナイト等の廃泥水浚渫工事時の含水残土や、場所打ち杭の構築に際してのスライム処理残土などは、多量の水分を含む上に、特にベントナイトやセメント等の混入泥土では、高いアルカリ性を示すことから、これらの残土を産業廃棄物の中間処理場に搬入して、中和処理を施した上で、沈殿、濃縮、固化、乾燥の工程を経て粒状固化処理されている。
具体的には、一般に被処理物に凝集材などを添加して、沈殿物と上澄み水とに分離し、沈殿物を天日乾燥によって固化処理していたのであるが、天日乾燥では2日〜4日の乾燥時間がかゝる上に、広大な処理場を要する点で問題があり、更に、上澄み水(処理汚濁水)を別途、廃棄処理する必要がある点でも問題があった。
このことから、近年では、被処理物の性状と含水率とに応じた量の固化材と、被処理物とを、撹拌処理槽に投入して、高含水の被処理物を固化処理するようにしている。
しかし、上記の処理技術では、短時間でしかも狭いスペースで、被処理物を粒状固化できるものの、バッチ処理であることから、時間当たりの処理量を多くすることができず、処理効率が低い、という課題があった。
また、被処理物の性状と含水率とを勘案して、固化材の投入量を決定することは非常に困難であって、最終の処理状況を確認してから更に固化材を追加し、処理を再開することは時間の無駄に繋がることから、往々にして固化材を必要以上に投入しているのが現状であり、経済的な無駄がある、という課題があった。
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、必要最小限の固化材を用いて、高含水の被処理物を直接的かつ連続的に、しかも、高効率で粒状固化できる経済性に優れた被処理物の粒状固化システムを提供する点にある。
上記目的を達成するために、この発明は、槽内の泥水や泥土等の高含水の被処理物を解泥するとともに、槽内に固化材を供給し、解泥された被処理物と固化材とを、槽内において攪拌しながら混合し、その後造粒して粒状固化するための固化システムであって、
ブームの先端に設けてある攪拌翼を槽内で回転させて被処理物を解泥するとともに、解泥された被処理物と固化材とを槽内において攪拌翼により攪拌しながら混合する混合攪拌装置付バックホーと、
槽側から供給される固化材を含む被処理物を造粒しながら下流側に搬送する造粒装置とを備えたことを特徴としている(請求項1)。
この発明では、攪拌翼は、油圧タンクにより供給される圧油により回転される一方、混合攪拌装置付バックホーは、固化材が投入されるホッパー、ホッパーに投入された固化材を圧送パイプを介して圧縮空気により圧送するエアコンプレッサーおよび圧送パイプの途中に設けられてホッパーに投入された固化材をミキシングするスクリューミキサを一体的に取り付けた取り付けフレームを有し、この取り付けフレームを旋回台に着脱自在に装着可能に構成してあり、さらに、旋回台上の運転部に設けた運転席での手元操作により前記圧油と圧送量をコントロール可能に構成してあるのが好ましい(請求項2)。
この発明では、造粒装置は、固化材を含む被処理物の搬送始端側または搬送経路途中位置に前記固化材とは別種類の固化材が投入されるホッパーを有するのが好ましい(請求項3)。
また、この発明では、混合攪拌装置付バックホーは、槽内で混合された固化材を含む被処理物を槽内から造粒装置に供給するため前記攪拌翼の攪拌動作の邪魔にならないように構成されたバケットをブームに有するのが好ましい(請求項4)。
本願の請求項1に係る発明では、混合攪拌装置付バックホーのブームの先端に攪拌翼を設け、この攪拌翼を槽内で回転させることにより、槽内の被処理物を解泥させるとともに、解泥した被処理物と固化材とを槽内において攪拌しながら混合させることができる。また、槽側から供給される固化材を含む被処理物を造粒しながら下流側に搬送する造粒装置を設けている。
そのため、被処理物を粒状固化する処理効率が低いという課題と、経済的な無駄があるという課題を一挙に解決することができ、この発明では、必要最小限の固化材を用いて、高含水の被処理物を直接的かつ連続的に、しかも、高効率で粒状固化できる経済性に優れた被処理物の粒状固化システムを提供することができる。
さらに、本願の請求項1に係る発明では、槽内の被処理物を解泥したり、解泥した被処理物と固化材とを槽内において攪拌しながら混合させるのに、一般的なバックホーに備わっている掘削用のバケットではなく、攪拌専用の回転する前記攪拌翼を用いているので、槽内の被処理物を効率良く解泥させることができるとともに、解泥した被処理物と固化材とを槽内において効率良く攪拌混合させることができる。すなわち、一般的なバックホーに備わっている掘削用のバケットで槽内の例えば被処理物を攪拌する場合は、バケットをその開口を例えば水面側に向けた状態で槽内に投入して被処理物をすくうようにバケットを上下に揺動させることが考えられる。しかし、槽内の被処理物の攪拌は不十分である。これに対し、本願の請求項1に係る発明では、前記攪拌翼による攪拌作用が槽内の被処理物全体に及び、そのため、前記攪拌翼を定位置からその都度移動させることなく効率よく被処理物全体を同時に攪拌することができる。また、バケットでは被処理物全体を攪拌するためにバケットはその都度槽内を移動するので、同時に被処理物全体を攪拌することはできず、前記攪拌翼を用いた場合に比べて攪拌効率、ひいては、解泥効率および攪拌混合効率は劣ることになる。
本願の請求項2に係る発明では、攪拌翼を油圧タンクにより供給される圧油により回転するように構成する一方、固化材が投入されるホッパーと、ホッパーに投入された固化材を圧送パイプを介して圧縮空気により圧送するエアコンプレッサーと、圧送パイプの途中に設けられてホッパーに投入された固化材をミキシングするスクリューミキサとを一体的に取り付けた取り付けフレームを設け、この取り付けフレームを混合攪拌装置付バックホーの旋回台に着脱自在に装着し、さらに、旋回台上の運転部に設けた運転席での手元操作により前記圧油と圧送量をコントロール可能に構成している。
したがって、本願の請求項2に係る発明では、バックホーとは別に固化材供給装置を設ける場合に比べて、コストの低減を図ることができるとともに、被処理物の粒状固化システムのコンパクト化を図りながらそれでいて槽内の被処理物を解泥させる操作、ならびに、解泥した被処理物と固化材とを槽内において攪拌しながら混合する操作を手元操作で容易に行うことができる使用勝手の良い混合攪拌装置付バックホーを備えた被処理物の粒状固化システムを提供することができる。
また、1種類の固化材を用いるだけで粒状固化可能な被処理物を処理する場合、取り付けフレームに予め取り付けられている前記ホッパーに前記1種類の固化材を投入させておくだけでよいので、例えば造粒装置側に固化材投入用のホッパーを設ける必要はなくなり、その分粒状固化システムのコンパクト化、ならびに簡素化に貢献することができる。
本願の請求項3に係る発明では、造粒装置は、固化材を含む被処理物の搬送始端側または搬送途中位置に前記固化材とは別種類の固化材が投入されるホッパーを有するので、2種類の固化材を用いなければ粒状固化しにくい被処理物に最適な被処理物の粒状固化システムを提供することができる。すなわち、取り付けフレームに予め取り付けられている前記ホッパーに固化材を投入しておき、造粒装置の搬送始端側または搬送途中位置に予め設けているホッパーに別種類の固化材を投入することにより、最終的に粒状固化された被処理物を造粒装置側において得ることができる。
本願の請求項4に係る発明では、混合攪拌装置付バックホーは、槽内で混合された固化材を含む被処理物を槽内から造粒装置に供給するため前記攪拌翼の攪拌動作の邪魔にならないように構成されたバケットをブームに有するので、バケットによって槽側から造粒装置に固化材を含む被処理物を供給することができ、槽側から造粒装置に固化材を含む被処理物を供給するのに、別途供給手段や人力による供給を不要にでき、それによって、攪拌動作を低減させることなく必要最小限の労力でコスト安に、かつ、人力による供給の場合に比べて遙に迅速に効率のよい供給作業を実現することができる。
以下、この発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
図1〜図6は、2種類の固化材A,Bを用いて粒状固化する被処理物aを処理するように構成されたこの発明の第1の実施形態を示す。
図1は、この発明の第1の実施形態で用いる混合攪拌装置付バックホーの使用状態を示している。図2、図3は、上記実施形態で用いる混合攪拌装置付バックホーの攪拌翼部分を示している。図4〜図6は造粒装置を示している。
なお、被処理物aが性状的に酸性を示すものの場合は、固化材A,Bとしてセメント系や石灰系のものを用いて、中性化を図るのである。また、被処理物aが中性域の性状を示すものや、ベントナイトやセメント等の混入泥土などのように高アルカリの性状を示すものの場合は、これの中性化を図って、固化処理土(処理物)の例えば埋め戻しに際して、公害問題を惹起しないように、固化材Aとして中性のもの(例えばタイガーハード;株式会社日本資源リサイクルの商品名)を用いるものとし、固化材Bとしては、高分子系のもの(例えばスミロック#400;住友精化株式会社の商品名)を用いるものとする。
図1〜図6において、被処理物の粒状固化システムは、例えば鉄板よりなり10m3 の収容体積を有する水槽1内の泥水や泥土等の高含水の被処理物(水槽1内の泥水や泥土等の含水比の高い被処理物)aを解泥するとともに、水槽1内に1種類目の固化材Aを供給し、解泥された被処理物aと固化材Aとを、水槽1内において攪拌しながら混合し、この混合物a’をその後造粒して粒状固化するためのシステムであって、混合攪拌装置付バックホー2と造粒装置3とを主として備えている。
混合攪拌装置付バックホー2は、副ブーム4の先端4aに設けてある攪拌翼6を水槽1内で回転させて被処理物aを解泥するとともに、解泥された被処理物aと固化材Aとを水槽1内において攪拌翼6により攪拌しながら混合する。
造粒装置3は、水槽1側から供給される前記混合物a’(固化材Aを含む被処理物a)を造粒しながら下流側に搬送する。5は排出コンベアである。
前記攪拌翼6は、油圧タンク8により供給される圧油により回転される一方、混合攪拌装置付バックホー2は、固化材Aが投入されるホッパー9、ホッパー9に投入された固化材Aを圧送パイプ10を介して圧縮空気により圧送するエアコンプレッサー11および圧送パイプ10の途中に設けられてホッパー9に投入された固化材Aをミキシングするスクリューミキサ12と、旋回台14上の運転部15に設けた運転席での手元操作により前記圧油と圧送量をコントロール可能に設けられたコントロールボックス13を一体的に取り付けた取り付けフレーム16を設け、この取り付けフレーム16を旋回台14に着脱自在に装着可能に構成してある。
コントロールボックス13の各端子は、作業の際に、運転部の操作部の軟弱土改良作業のための操作用端子に接続され、これにより、運転席の運転手は、作業用の操作レバーを手元で操作することにより、エアコンプレッサー11と、スクリューミキサ12と、攪拌翼6の油圧モータMを駆動させることができる。
また、油圧タンク8と油圧モータMは循環流路によって連通している。すなわち、油圧タンク8の往流路iはパイプPを介して油圧モータMの圧油入口に連通し、油圧モータMの圧油出口は、パイプQを介して油圧タンク8への戻り流路jに連通している。
さらに、旋回台14上に前記運転部15と原動機部(図示せず)が設けられている。この実施形態では旋回台14における背面向かって右側に運転部15が位置し、旋回台14における背面向かって左側に取り付けフレーム16が装着される装着空間が確保されている。17は、クローラ式の走行部である。
そして、原動機部に設けた油圧タンク(図示せず)により供給される圧油により伸縮作動する油圧シリンダ18,19,20を設けるとともに、前記旋回台14の前端に油圧シリンダ18によって回動する主ブーム21の基端21aが取り付けられ、主ブーム21の先端21bに油圧シリンダ19,20によって回動する副ブーム4が取り付けられている。この実施形態では、取り付けフレーム16を旋回台14から取り外した場合においては、原動機部に設けた前記油圧タンク(図示せず)により供給される圧油により攪拌翼6を回転させて掘削土を得ることができる。
また、副ブーム4の先端4aに門型の攪拌翼取り付け部材23を設け、この攪拌翼取り付け部材23の左右側壁24,25(図2参照)間に攪拌翼支軸部26が軸架されている。また、攪拌翼取り付け部材23は、攪拌翼支軸部26の上方に設けられた攪拌翼6の油圧モータMを有し、また、攪拌翼取り付け部材23は、攪拌翼支軸部26の直上に攪拌翼支軸部26の軸方向にその長手方向が沿うように配置された筒状の固化材吐出部材27を有する。この固化材吐出部材27は、周壁の上方開口27aが圧送パイプ10の下流端に連通しており、また、周壁に圧送パイプ10で圧送されてきた固化材の吐出口としての下方開口27bを長手方向に有する。そして、固化材吐出部材27と攪拌翼6により解泥された被処理物aと固化材Aとを混合攪拌する混合攪拌装置が構成される。
28は、圧送パイプ10の連結部で、取り外し自在になっており、取り付けフレーム16の旋回台14への装着時において連結される。
一方、造粒装置3は、前記混合物a’(固化材Aを含む被処理物a)の例えば搬送始端側に前記固化材Aとは別種類である2種類目の固化材Bが投入されるホッパー30を有する。
以下、造粒装置3の具体的構成について説明する。
図4〜図6において、31は前記混合物a’(固化材Aを含む被処理物a)の供給手段で、例えばホース(図示せず)を通して圧送供給される前記混合物a’の貯留ホッパー32と、このホッパー32から流下供給される混合物a’の連続供給機33とからなり、ホッパー32には撹拌装置35が備えられている。
連続供給機33は、混合物a’の搬送スクリュー36をドラム37に内蔵してなるもので、混合物a’の搬送量(処理量)に応じて、搬送スクリュー36の径およびピッチが異なるものが選択されて設置される。
搬送スクリュー36は、例えばインバーターモータによる駆動回転手段38によって駆動されるもので、搬送スクリュー36の回転数は、混合物a’の搬送量に応じて適宜に調整されるのであり、かつ、図示を省略するが、混合物a’の供給手段31には、混合物a’の搬送量を測定するための流量計が装備されている。
39は混合物a’を連続的に撹拌して搬送するために配置された撹拌搬送手段で、混合物a’の練り混ぜ用パドル41と搬送用ブレード42との組み合わせ構造から成る撹拌搬送装置43を、ドラム44に内蔵してなる。
そして、撹拌搬送手段39は、連続供給機33から定量的に流下供給される混合物a’の受入れ口45と、排出コンベア5への混合物a’の排出口46とを備えている。
50は撹拌搬送手段39の搬送始端側への固化材Bの投入手段で、固化材Bの受入れホッパー30に、例えばスクリューフィダーなどの搬送手段53を連設し、かつ、搬送手段53に固化材投入口23aを連設して成る。
投入手段50には、固化材ビン内にセットされている満空レベラーによって、かつ、ビン底部のスクリューフィダーによる連続計量の計量方法に基づいて、固化材Bが自動補給されるようになっており、撹拌搬送手段39への固化材Bの投入量は、インバーター制御によって調整可能であって、その投入量はキャリブレーションによって確認されるようになっている。
ところで、固化材Bの投入に伴って混合物a’の硬化が始まり、かつ、混合物a’が短時間で粒状固化されて、その搬送抵抗が大きくなることから、撹拌搬送手段39に内蔵の前記撹拌搬送装置43を、トルクの大きな油圧の駆動手段51によって駆動させるようにして、混合物a’の搬送量を調整可能な状態で、この混合物a’を定量かつ連続的に撹拌搬送できるようにしている。
54は自走式の走行車体で、上記の各種手段すなわち混合物a’の供給手段31と、撹拌搬送手段39と、固化材Bの投入手段50、更に、排出コンベア5を搭載して、例えば処理現場が僅かずつ移動する際や、処理現場の変更などに応じて機動性を高めるようにしているが、システム全体を工場や処理現場に据え置きにして稼働するようにしてもよい。
以下、2種類の固化材A,Bを用いた被処理物aの粒状固化処理について順をおって説明する。
〔被処理物aを解泥する処理〕
まず始めに中性の固化材Aが予め投入されるホッパー9と、エアコンプレッサー11と、スクリューミキサ12と、水槽1内の被処理物aを攪拌して解泥する攪拌翼6の油圧モータMに圧油を供給する油圧タンク8と、コントロールボックス13とを一体的に取り付けた取り付けフレーム16を旋回台14に固定手段(図示せず)を介して装着する。この際、取り付けフレーム16は、例えばクレーンのハンガーHに吊り下げられた状態で旋回台14上における前記装着空間に位置決めされる。そして、コントロールボックス13を運転席の操作部に接続するとともに、圧送パイプ10の連結部28を連結する。
一方、被処理物aがベントナイトやセメント等の混入泥土などのように高アルカリの性状を示すものとして説明すると、この際は、必要に応じて被処理物aを水槽1に投入する前、あるいは、被処理物aを水槽1に投入した状態で5.6〜8.6程度の中性域にpH調整しておく。
例えば、水槽1に投入する前に中性域にpH調整された被処理物aを水槽1に供給するとともに、図1に示すように攪拌翼6を水槽1内の所定位置にセットする。続いて、運転手は運転部に設けられている操作部の作業用の操作レバーを手元で操作することにより、油圧タンク8と油圧モータM間の循環流路i,jにより油圧モータMが駆動される。そして、油圧モータMによる攪拌翼6の駆動により被処理物aを解泥する。
〔解泥された被処理物aと固化材Aとを混合攪拌する処理〕
解泥された被処理物aと攪拌翼6が収容されている水槽1内に中性の固化材Aを供給する。この場合、運転手は運転部に設けられている操作部の作業用の操作レバーを手元で操作することにより、エアコンプレッサー11と、スクリューミキサ12が作動して、ホッパー9内の固化材Aを、ホッパー9→圧送パイプ10→スクリューミキサ12→圧送パイプ10→固化材吐出部材27→攪拌翼6側に供給することができるとともに、解泥処理の場合と同様に油圧タンク8と油圧モータM間の循環流路i,jにより油圧モータMが駆動され、それによって、解泥された被処理物aと固化材Aの混合攪拌処理が水槽1内で施される。この場合、解泥された被処理物a中に固化材Aを迅速に均一、かつ確実に混合することができ、混合物a’(固化材Aを含む被処理物a)を得ることができる。
〔混合物a’を造粒する処理〕
水槽1内の混合物a’を造粒装置3に備わっている撹拌搬送手段39(図5参照)に定量的に供給すると共に、この撹拌搬送手段39による混合物a’の例えば搬送始端側に、ホッパー30内に予め投入されている高分子系の固化材Bを供給する。このようにして供給された混合物a’と固化材Bとを、撹拌搬送手段39によって撹拌しつつ搬送して、中性化処理された固化処理土(処理物)bとして、撹拌搬送手段39の最下流側に位置する排出口46から排出コンベア5に連続的に取り出す。
なお、撹拌搬送手段39への混合物a’の供給量と、撹拌搬送手段39による混合物a’の搬送量、及び、固化材A,Bの投入量が、それぞれ調整可能であることから、前記排出口46から取り出された初期の固化処理土(処理物)bの処理状況を観察して、これに基づいて後々の被処理物aに対する固化材A,Bの投入量を増減することで、アルカリ性を示す高含水の被処理物aを、必要最小限の固化材A,Bによって経済的に無駄なく、直接的かつ連続的に高効率で中性化ならびに粒状固化させることができる。
この処理過程において、他の廃棄物(処理汚濁水など)の発生がないことは勿論、このようにして粒状固化された処理物(固化処理土)bは、雨水を被っても再泥化せず、更には、コーン指数400以上の強度を発揮することが確認されたのであって、処理物の有効利用範囲が大幅に拡大することになる。
図7は、2種類の固化材A,Bを用いて粒状固化する被処理物aを処理するように構成されたこの発明の第2の実施形態を示す。なお図7において、図1〜図6に示す符号と同一のものは同一又は相当物である。
この実施形態では、図7に示すように、投入手段50による固化材Bの投入口53a,53a’を、撹拌搬送手段39の搬送始端側と搬送経路途中とに備えて、固化材Bを分散投入させる構成を採用している。この場合、固化材Bの供給による混合物a’の粒状固化が順次的に行われることで、搬送抵抗が一挙に大きくならず、従って、撹拌搬送手段39に対する駆動負荷が軽減される利点がある。
なお、上記各実施形態によるシステムは、車体搭載タイプのものであるが、システムを据え置きタイプに構成しての実施も可能である。
図8は、1種類の固化材を用いるだけで粒状固化可能な被処理物を処理するように構成されたこの発明の第3の実施形態を示す。なお、図8において、図1〜図7に示す符号と同一のものは同一又は相当物である。
この場合、取り付けフレーム16に予め取り付けられている前記ホッパー9に1種類の固化材Cを投入させておくだけでよいので、上記各実施形態で用いたホッパー30を設ける必要はなくなり、その分粒状固化システムのコンパクト化、ならびに簡素化に貢献することができる。
図9〜図11は、水槽1内で混合された固化材Aを含む被処理物aを水槽1内から造粒装置3に供給するため攪拌翼6の攪拌動作の邪魔にならないように構成されたバケット60を混合攪拌装置付バックホー2の副ブーム4の先端4a側に設けてあるこの発明の第4の実施形態を示す。なお、図9〜図11において、図1〜図8に示す符号と同一のものは同一又は相当物である。
図9〜図11において、原動機部に設けた油圧タンク(図示せず)により供給される圧油により伸縮作動する油圧シリンダ61を設けるとともに、この油圧シリンダ61によって回動するバケット60の背面側の板62の基端部62aが複数のアームm,nを介して油圧シリンダ61に取り付けられている。63は、前記板62の回動軸となる水平な枢支軸である。バケット60は、前方開口60aを有し、前方開口60aに対向する位置に設けた背面側の板62と、水槽1の底上面1aに当接可能な底板64と、背面側の板62および底板64とで水槽1側から造粒装置3に供給する固化材Aを含む被処理物aの収容空間Sを形成する両側板65とから構成されている。そして、この両側板65間に攪拌翼支軸部26が軸架されている。70は、両側板65の先端に上下方向に形成された複数の掘削用の爪である。
この場合、被処理物aを解泥する作業および解泥された被処理物aと固化材Aとを混合攪拌する作業においては、図9、図10に示すように、バケット60の背面側の板62が枢支軸63のまわりで、攪拌翼6から離れる方向に図11の状態から90°以上回動して、バケット60の背面側に前方開口60aと同様の大きさの、両側板65および底板64によって形成される背面開口60bが形成される。したがって、バケット60によって攪拌翼6の攪拌動作が邪魔されるのを防止できる。また、底板64上に攪拌翼6が位置しており、攪拌中に水槽1の底上面1aが傷付くことはない。また、両側板65内に攪拌翼6が位置しているので、攪拌中に水槽1の内壁も傷付くことはない。また、図11に示すように、バケット60の背面側の板62が背面開口60bを閉じることで、バケット60内に攪拌翼6を収容した状態で水槽1側から造粒装置3に固化材Aを含む被処理物aをバケット60により供給することかできる。そのため、別途供給手段や人力による供給を不要にでき、攪拌動作を低減させることなく必要最小限の労力でコスト安に、かつ、人力による供給の場合に比べて遙に迅速に効率のよい供給作業を実現することができる。
この発明の第1の実施形態で用いる混合攪拌装置付バックホーの使用状態を示す全体構成説明図である。 上記実施形態で用いる混合攪拌装置付バックホーの攪拌翼およびその周辺を示す構成説明図である。 上記実施形態で用いる混合攪拌装置付バックホーの攪拌翼およびその周辺を示す構成説明図である。 上記実施形態で用いる造粒装置の全体を示す平面図である。 上記実施形態で用いる造粒装置の要部を示す構成説明図である。 上記実施形態で用いる造粒装置の要部を示す構成説明図である。 この発明の第2の実施形態で用いる造粒装置の要部を示す構成説明図である。 この発明の第3の実施形態で用いる造粒装置の要部を示す構成説明図である。 この発明の第4の実施形態で用いる混合攪拌装置付バックホーの使用状態を示す全体構成説明図である。 上記第4の実施形態で用いる混合攪拌装置付バックホーの攪拌動作を説明するための図である。 上記第4の実施形態で用いる混合攪拌装置付バックホーの供給動作を説明するための図である。
符号の説明
1 槽
2 混合攪拌装置付バックホー
3 造粒装置
4,21 ブーム
4a ブームの先端
6 攪拌翼
a 被処理物
A 固化材

Claims (4)

  1. 槽内の泥水や泥土等の高含水の被処理物を解泥するとともに、槽内に固化材を供給し、解泥された被処理物と固化材とを、槽内において攪拌しながら混合し、その後造粒して粒状固化するための固化システムであって、
    ブームの先端に設けてある攪拌翼を槽内で回転させて被処理物を解泥するとともに、解泥された被処理物と固化材とを槽内において攪拌翼により攪拌しながら混合する混合攪拌装置付バックホーと、
    槽側から供給される固化材を含む被処理物を造粒しながら下流側に搬送する造粒装置とを備えたことを特徴とする被処理物の粒状固化システム。
  2. 攪拌翼は、油圧タンクにより供給される圧油により回転される一方、混合攪拌装置付バックホーは、固化材が投入されるホッパー、ホッパーに投入された固化材を圧送パイプを介して圧縮空気により圧送するエアコンプレッサーおよび圧送パイプの途中に設けられてホッパーに投入された固化材をミキシングするスクリューミキサを一体的に取り付けた取り付けフレームを有し、この取り付けフレームを旋回台に着脱自在に装着可能に構成してあり、さらに、旋回台上の運転部に設けた運転席での手元操作により前記圧油と圧送量をコントロール可能に構成してある請求項1に記載の被処理物の粒状固化システム。
  3. 造粒装置は、固化材を含む被処理物の搬送始端側または搬送経路途中位置に前記固化材とは別種類の固化材が投入されるホッパーを有する請求項1または請求項2に記載の被処理物の粒状固化システム。
  4. 混合攪拌装置付バックホーは、槽内で混合された固化材を含む被処理物を槽内から造粒装置に供給するため前記攪拌翼の攪拌動作の邪魔にならないように構成されたバケットをブームに有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の被処理物の粒状固化システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013081894A (ja) * 2011-10-07 2013-05-09 Chusei Koka Doko Jigyo Kyodo Kumiai 被処理物の連続粒状固化システム
JP2015504360A (ja) * 2011-11-17 2015-02-12 ドン ベ,ヒ 生ごみ廃水内の浮上油脂類の凝固方法

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