JP2002336671A - 泥土造粒処理装置 - Google Patents

泥土造粒処理装置

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JP2002336671A
JP2002336671A JP2001148130A JP2001148130A JP2002336671A JP 2002336671 A JP2002336671 A JP 2002336671A JP 2001148130 A JP2001148130 A JP 2001148130A JP 2001148130 A JP2001148130 A JP 2001148130A JP 2002336671 A JP2002336671 A JP 2002336671A
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mud
coagulant
processing apparatus
granulation processing
supply means
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Yasuo Mori
泰雄 森
Hidetsugu Yamazaki
英嗣 山崎
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 泥土を大量に造粒処理するのに適した泥土固
化処理装置を提供する。 【解決手段】 多数の独立した撹拌羽根71bを回転軸
71aに対して傾斜させて固着した撹拌機71を、泥土
を凝集材と共に撹拌羽根71bで巻き込んで剪断破砕し
ながら凝集材と撹拌混合し得るように複数個並列させて
多軸撹拌機70を構成し、この多軸撹拌機70の後端側
及び前端側にそれぞれ泥土供給口70b及び泥土排出口
70cを設け、泥土供給口70bの前方から泥土排出口
70cの後方へ向けて、吸水材、主たる凝集材、補助の
凝集材及び固化材をそれぞれ多軸撹拌機70内に供給す
るための吸水材供給手段51、第1の凝集材供給手段5
4、第2の凝集材供給手段57及び固化材供給手段60
を順次設けて、泥土を多軸撹拌機70により造粒処理し
て泥土排出口70cへ排出できるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、推進工事、シール
ド工事、基礎工事、浚渫工事のような建設工事等で発生
する泥土を固化材と混合して固化する泥土固化処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】縦穴掘削機等による基礎工事、管推進機
による推進工事、シールド工事、浚渫工事のような建設
工事等で発生する泥土すなわち高含水比の軟弱な土砂
は、産業廃棄物として脱水処理した後、最終処分場に埋
立てて廃棄処理されている。こうした泥土の処理は、脱
水処理に経費がかかる上、脱水処理した泥土も、産業廃
棄物として再利用することなく廃棄しなければならない
ため、著しく非経済的である。また、このように泥土を
処理して廃棄するにしても、最近は、産業廃棄物の最終
処分地の立地難がとみに深刻化している。
【0003】こうしたことを背景にして建設工事等で発
生する泥土のリサイクルの必要性が高まっている。こう
した要請から、これまで利用価値のなかった泥土につい
て、施工業者自らが泥土の発生現場で固化材を混合して
改質処理を施すことにより、これを強度の高い一般建設
残土と同等の土砂に改質して利用価値を創出し、改質処
理現場から再利用先へと直接搬送して、路盤材、埋め戻
し土、宅地造成土、土手の盛土等の種々の用途に再利用
する技術の開発が進められている。
【0004】その技術の開発の一つとして、泥土を粒状
化するように処理するための泥土造粒処理装置の開発が
試みられている。こうした泥土の造粒処理を行うと、造
粒処理により生成し粒状泥土生成物を路床材として再利
用することができる。また、その場合、粒状泥土生成物
の強度を高めると路盤材としても再利用することができ
る等、処理した泥土の付加価値を高めることができ、更
にはその用途を拡大することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で開発された泥土造粒処理装置は、泥土をバッチ方式で
処理するため、処理する泥土の量が多いと、その泥土の
造粒処理に多大の時間を要し、泥土の発生現場で泥土を
大量に造粒処理するには不向きであった。特に、建設工
事で発生する泥土は、膨大な量に及ぶため、迅速に大量
処理することが必要であるが、泥土をバッチ方式で処理
する従来の泥土造粒処理装置では、こうした要求に応え
ることができない。
【0006】本発明は、こうした従来の技術の問題点を
解消してようとするものであって、その技術課題は、泥
土を大量に造粒処理するのに適した泥土固化処理装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、こうした技術
課題を達成するため、多数の独立した撹拌羽根を回転軸
に対して傾斜させて固着した撹拌機を、泥土を凝集材と
共に撹拌羽根で巻き込んで剪断破砕しながら凝集材と撹
拌混合し得るように複数個並設して多軸撹拌機を構成
し、この多軸撹拌機の後端側及び前端側にそれぞれ泥土
供給口及び泥土排出口を設け、泥土供給口の前方から泥
土排出口の後方へ向けて、吸水材を多軸撹拌機内に供給
するための吸水材供給手段と、凝集材を多軸撹拌機内に
供給するための少なくとも一つの凝集材供給手段とを順
次設けて、泥土供給口から供給された泥土を多軸撹拌機
により粒状化するように処理して泥土排出口へ排出でき
るように泥土造粒処理装置を構成した。
【0008】このように構成された本発明の泥土造粒処
理装置にあっては、造粒処理しようとする泥土が含水比
の著しく高い泥土でない場合、多軸撹拌機を回転駆動し
て、泥土及び凝集材を、それぞれ泥土供給口及び凝集材
供給手段を通じて多軸撹拌機内に供給する。そうする
と、多軸撹拌機は、泥土を凝集材と共に撹拌羽根に巻き
込んで、剪断破砕して細分化しながら泥土排出口側へ搬
送する。このとき、泥土を撹拌羽根により剪断破砕して
細分化することに加えて、撹拌羽根による泥土の剪断破
砕及び搬送の双方の動作に伴って泥土を積極的に撹拌す
るため、凝集材に対する泥土の触れ合い回数を飛躍的に
高めることができて、凝集材を泥土に均一に混合させる
ことができる。そのため、泥土は、泥土排出口へ排出さ
れるときには確実に凝集され、凝集された無数の土粒子
間に自由水を満遍なく抱合して、粒状化した状態に処理
され、泥土排出口へ排出される。
【0009】また、造粒処理しようとする泥土が含水比
の著しく高い場合は、こうした造粒処理を行う際に吸水
材を吸水材供給手段により多軸撹拌機内に供給する。そ
うすると、多軸撹拌機は、前記したメカニズムと同様の
メカニズムにより泥土を積極的に撹拌するため、吸水材
に対する泥土の触れ合い回数を飛躍的に高めることがで
きて、凝集材と同様、吸水材を泥土に均一に混合させる
ことができ、泥土中の自由水を吸水材で効果的に吸水す
ることができる。そのため、凝集材で凝集させることが
困難な含水比の著しく高い泥土であっても、泥土は、泥
土排出口へ排出されるときには確実に凝集され、凝集さ
れた無数の土粒子間に自由水を満遍なく抱合して、粒状
化した状態に処理することができる。そして、以上述べ
た泥土の造粒処理は、多軸撹拌機により連続的に行うこ
とができてるため、本発明の泥土造粒処理装置によれ
ば、泥土を大量に造粒処理することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明が実際上どのように
具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図10に基
づいて説明することにより、本発明の実施の形態を明ら
かにする。まず、本発明を具体化したときの基本的な構
造を示す第1の具体化例及びその変形例を図1乃至図7
に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の具体化例
の泥土造粒処理装置を示す縦断面図、図2は、図1の泥
土造粒処理装置の第1の変形例を示す縦断面図、図3
は、図1の泥土造粒処理装置の第2の変形例を示す縦断
面図、図4は、図1の泥土造粒処理装置の第3の変形例
を示す縦断面図、図5は、図4の I−I 線断面図、図6
は、図4の II−II 線断面図、図7は、図4の III−II
I 線断面図、図8は、図1の泥土造粒処理装置の第4の
変形例を示す縦断面図である。
【0011】符号50で表す泥土造粒処理装置は、第1
の具体化例では、後に詳述する多軸撹拌機70と、この
多軸撹拌機70上に後方から前方に向けて順次配列され
た、後に詳述する吸水材供給手段51、第1の凝集材供
給手段54、第2の凝集材供給手段57及び固化材供給
手段60とを設けて構成され、支持フレーム80上に設
置されている。なお、本明細書では、泥土を投入する側
を「後方」とし、固化処理した泥土を排出する側を「前
方」として技術内容を記載する。
【0012】1図乃至図7において、51は多軸撹拌機
70内に吸水材を供給するための吸水材供給手段、51
aは吸水材を投入するための吸水材投入ホッパ、52は
吸水材投入ホッパ51aと吸水材導入口53との間に設
けられ吸水材投入ホッパ51a内の吸水材を多軸撹拌機
70へ定量供給する働きをする吸水材切り出し装置、5
3は吸水材投入ホッパ51a内の吸水材を多軸撹拌機7
0へ導入するための吸水材導入口である。なお、図1に
は、吸水材を符号Aで示している。
【0013】吸水材供給手段51は、吸水材投入ホッパ
51aと吸水材切り出し装置52とで構成される。この
吸水材供給手段51で多軸撹拌機70内に供給される吸
水材は、泥土中の自由水を吸収して泥土の含水比を低下
させる働きをし、例えば、火力発電所から排出される石
炭灰や粉体粘土のようなものである。処理対象となる泥
土が含水比の著しく高い泥水状の泥土の場合、凝集材で
凝集して粒状化するこが困難であるが、吸水材は、この
ように含水比が高すぎる場合に多軸撹拌機70内に供給
し、こうした場合以外は、使用しなくてもよい。
【0014】吸水材切り出し装置52は、吸水材を吸水
材投入ホッパ51aから取り込み吸水材導入口53へ排
出するための出入り口が上下に設けられ円弧状の内周面
を有するケーシング52bと、図示しない回転駆動装置
で回転駆動されるロータ52cと、このロータ52c
に、ケーシング52bの内周面に密接するように放射状
に設けられ、ケーシング52bと協働して等容積の多数
の空間を区画し得る多数の切り出し羽根52aとで構成
されている。ロータ52cは、その回転数を回転駆動装
置により可変制御できるように構成されている。
【0015】吸水材切り出し装置52は、こうした構造
を備えているので、ロータ52cを所定方向に回転駆動
すると、吸水材投入ホッパ51aからケーシング52b
の入口に取り込まれた吸水材は、切り出し羽根52aに
より一定量切り出されて、この切り出し羽根52aとケ
ーシング52bとで区画された多数の空間に逐次充填さ
れる。次いで、この吸水材は、切り出し羽根52aが回
転することによりケーシング52bの出口から排出さ
れ、吸水材導入口53を通じて多軸撹拌機70内に、単
位時間当たりの供給量が一定になるよう定量供給され
る。
【0016】この吸水材切り出し装置52は、泥土の含
水比に見合った吸水材を定量供給して、泥土に対する吸
水材の混合比率を適切な値に保てるようにするために設
けたものである。ロータ52cの回転数は、可変制御で
きるため、泥土の性状が変化したときでも、その変化に
応じてロータ52cの回転数を制御して吸水材の供給量
を調節することにより、泥土への吸水材の混合比率を適
切な値にするように対応することもできる。
【0017】54は多軸撹拌機70内に主たる凝集材を
供給するための第1の凝集材供給手段、54aは主たる
凝集材を投入するための第1の凝集材投入ホッパ、55
はこの凝集材投入ホッパ54aと第1の凝集材導入口5
6との間に設けられ第1の凝集材投入ホッパ54a内の
主たる凝集材を多軸撹拌機70へ定量供給する働きをす
る第1の凝集材切り出し装置、56は第1の凝集材投入
ホッパ54a内の主たる凝集材を多軸撹拌機70へ導入
するための第1の凝集材導入口、57は多軸撹拌機70
内に補助の凝集材を供給するための第2の凝集材供給手
段、57aは補助の凝集材を投入するための第2の凝集
材投入ホッパ、58はこの凝集材投入ホッパ57aと第
2の凝集材導入口59との間に設けられ第2の凝集材投
入ホッパ57a内の補助の凝集材を多軸撹拌機70へ定
量供給する働きをする第2の凝集材切り出し装置、59
は第2の凝集材投入ホッパ57a内の補助の凝集材を多
軸撹拌機70へ導入するための第2の凝集材導入口であ
る。なお、図1には、主たる凝集材を符号B、補助の凝
集材Cで示している。
【0018】第1の凝集材供給手段54は、第1の凝集
材投入ホッパ54aと第1の凝集材切り出し装置55と
で構成され、第2の凝集材供給手段57は、第2の凝集
材投入ホッパ57aと第2の凝集材切り出し装置58と
で構成される。ここに示す例では、凝集材投入ホッパ5
4a,57aに固体状の凝集材B,Cを投入し、凝集材
切り出し装置55,58を通じて多軸撹拌機70内に凝
集材を供給するようにしているが、凝集材B,Cについ
ては、水に混合した溶液状のものを多軸撹拌機70内に
定量供給するようにしてもよく、多軸撹拌機70への凝
集材の供給手段は適宜選択することができる。凝集材切
り出し装置55,58は、切り出し羽根55a,58a
やケーシング及びロータを備えていて吸水材切り出し装
置52と同様の構造を有し、吸水材切り出し装置52と
同様の動作をする。これらの凝集材切り出し装置55,
58は、使用する凝集材の種類及び泥土の含水比や土質
等に応じて適切な量の凝集材を定量供給し、これによ
り、泥土に対する凝集材の混合比率を常に適切な値に保
持できるようにするものである。
【0019】凝集材供給手段54,57で多軸撹拌機7
0内に供給される凝集材B,Cは、処理対象となる泥土
を凝集して泥土を造粒処理、すなわち粒状化するように
処理する働きをする。主たる凝集材Bは、泥土を凝集す
る際に不可欠のものとして常に使用する。補助の凝集材
Cは、この主たる凝集材Bを補完する働きをし、必要に
応じて使用する。泥土造粒処理装置の本質的な機能であ
る泥土の造粒処理は、専らこれらの凝集材B,Cにより
実現することができる。泥土の含水比が約150%以下
と著しくは高くない場合、主たる凝集材Bを、必要に応
じて補助の凝集材Cと共に泥土に添加して撹拌混合する
と、泥土を凝集して団粒化させることができる。その場
合、主たる凝集材Bでも、泥土への添加量は、0.1〜
0.2%前後とごく微量で足りる。なお、凝集材につい
ては、後に詳述する。
【0020】60は多軸撹拌機70内に固化材を供給す
るための固化材供給手段、60aは固化材を投入するた
めの固化材投入ホッパ、61は固化材投入ホッパ60a
と固化材導入口62との間に設けられ固化材投入ホッパ
60a内の固化材を多軸撹拌機70へ定量供給する固化
材切り出し装置、62は固化材投入ホッパ60a内の固
化材を多軸撹拌機70へ導入する働きをする固化材導入
口である。なお、図1には、固化材を符号SDで示して
いる。
【0021】固化材供給手段60は、固化材投入ホッパ
60aと固化材切り出し装置61とで構成される。固化
材切り出し装置61は、切り出し羽根61aやケーシン
グ及びロータを備えていて吸水材切り出し装置52と同
様の構造を有し、吸水材切り出し装置52と同様の動作
をする。この固化材供給手段60は、要求される粒状泥
土生成物の品質に応じて適切な量の固化剤を定量供給し
て、泥土に対する固化材の混合比率を適切な値に保持で
きるようにする。多軸撹拌機70内に供給される固化材
は、粒状泥土生成物の強度を高めるように泥土を改質す
る働きをし、例えば、セメント系や石灰系の固化材がこ
うした働きをする。
【0022】こうした固化材を泥土に添加して混合する
と、固化材内の生石灰により消化吸収反応(水和反応)
と発熱反応が生じて、泥土中の水分を生石灰中に吸収し
熱で蒸発させて泥土の含水比を低下させる。こうして含
水比を低下させた土砂は、単に脱水処理されるだけでは
なく、生石灰中のカルシウムイオンによる土砂の凝集化
作用やポゾラン反応と、この反応に関与しなかった残余
の生石灰による炭酸化反応とにより、強度が上昇して固
化するとともに、水が浸入するころで再利用しても、再
汚泥化することがないように改質される。
【0023】多軸撹拌機70内への固化材の供給は、こ
うした反応を利用することにより粒状泥土生成物の強度
を高めることを主目的として行うものであり、必要に応
じて行う。例えば、粒状泥土生成物を、強度が要求され
る道路表面の路盤材や路床材に使用するときには、強度
の向上のために固化材を添加することとし、強度の要求
されない植栽土として使用するときには、必ずしも固化
材を添加する必要はない。また、アルカリ性を嫌う用途
に使用するときには、固化材を添加しないようにする。
このように固化材を添加するか否かやその分量は、発注
者が要求する粒状泥土生成物の品質やその使用目的に応
じて選択される。
【0024】ここで、多軸撹拌機70に供給する凝集材
について言及する。凝集材は、泥土中の土粒子を集合さ
せることを容易に行えるようにするのに役立つ薬剤であ
る。この凝集材は、無機系凝集材と有機高分子凝集材と
に大別することができる。このうち無機系凝集材の代表
的なものとしては、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アル
ミニウム(硫酸バンド)、ポリ塩化第二鉄(PFC)、
ポリ塩化アルミニウム(PAC)等の鉄又はアルミニウ
ム化合物を挙げることができる。この無機系凝集材は、
主として、凝集助剤や凝結助剤として有機高分子凝集材
と併用する。
【0025】有機高分子凝集材としては、主として合成
高分子凝集材を使用し、この合成高分子凝集材は、ノニ
オン性、アニオン性、カチオン性のものに分けることが
できる。このうちノニオン性のものは、分子内に解離基
をほとんどもたない水溶性の高分子であり、アミド基、
水酸基、エーテル基等を親水基としてもつ。アニオン性
のものは、水中で負の電荷をもつ水溶性の高分子であ
り、解離基としてカルボキシル基やスルホン基等をも
つ。カチオン性のものは、分子内にアミノ基をもち、そ
のアミノ基の解離によって水中で正の電荷を高分子に与
える。ノニオン性及びアニオン性の合成高分子凝集材
は、通常、高分子量のものほど凝集力が大きい。ノニオ
ン性及びアニオン性の合成高分子凝集材の代表的なもの
としては、ポリアクリルアミド及びその加水分解物を挙
げることができる。カチオン性の合成高分子凝集材の代
表的なものとしては、ポリアミノアルキル(メタ)アク
リレートを挙げることができる。
【0026】凝集材は、泥土に適切に混合すると、泥土
中の土粒子を集合させて、土粒子間の自由水を、集合し
た土粒子間に包み込むように抱合する。そのため、泥土
の含水比が著しく高くない限り、土粒子は、表面側が湿
り気の少ない見掛け上乾燥した状態になって集合して、
粘り気のない状態の泥土の粒状体が生成される。
【0027】一般に、土粒子は、その外側を包囲する固
定層と、更に外側を包囲して水素イオン濃度の高い拡散
層(対イオン部)とからなる電気二重層をもつ。こうし
た電気二重層をもつた二つの土粒子が接近して双方の拡
散層同士が重なると、重なり合った拡散層のイオン濃度
が上昇し、これに起因して、土粒子が互いに反発し合っ
て土粒子の集合を阻害する。そのため、多数の各土粒子
は、分散して泥土状をなす。端的にいえば、泥土は、多
数の微細土粒子とその土粒子間の自由水からなるが、一
般に土粒子の表面は、マイナス帯電しているため、各土
粒子は、互いに反発し合って安定した分散状態を保ち、
その結果、固まらずにドロドロした泥土の状態を保って
いる。したがって、泥土中の土粒子の集合を容易に行え
るようにするには、その集合の阻害要因となっている電
気二重層の総電荷の抑制や電気二重層の圧縮(電気二重
層を薄くすること)を行えばよく、こうした電気二重層
の総電荷の抑制や圧縮によって泥土を凝集させることが
できる。
【0028】このうち電気二重層の総電荷の抑制を行う
には、その総電荷の量をできるだけ減らすように電荷を
中和するのが有効であるが、こうした働きをする凝集材
は、アニオン性、カチオン性の合成高分子凝集材や無機
系凝集材の中から選択することができる。また、電気二
重層の圧縮に役立つ凝集材は、無機系凝集材の中から選
択することができる。さらに、凝集機構には、以上の凝
集機構とは原理の異なる架橋凝縮がある。この架橋凝縮
は、高分子の官能基による土粒子への吸着架橋(イオン
結合、水素結合)により土粒子を集合させるものであ
り、電気二重層の総電荷の抑制や圧縮による凝集を遥か
に凌ぐ凝集力を発揮する。この架橋凝縮を行わせるため
の凝集材は、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の凝
集材の中から適当なものを選択する。
【0029】以上述べた凝集材は、主たる凝集材、補助
の凝集材の何れに使用するかの凝集材の使用目的、更に
は、泥土が有機質か無機質かの泥土の種類、泥土が粘
度、シルト、コロイド等の何れに該当するかの泥土の土
粒子径、泥土の含水比等の泥土の性状に応じて適宜選択
して使用する。例えば、通常の泥土は、アニオン性又は
ノニオン性の凝集材で凝集することが可能であるが、建
設工事で発生する泥土の中には、工事中にベントナイト
が添加されたものもあり、こうした泥土は、アニオン性
又はノニオン性の凝集材だけでは、凝集させることがで
きないので、主たる凝集材Bとしてアニオン性又はノニ
オン性のものを使用するほか、補助の凝集材Cとしてカ
チオン性のものを添加することにより、泥土を凝集させ
る。また、高分子凝集材の性能は、PHへの依存性が大
きいので、泥土が酸性の場合はカチオン性やノニオン性
のものを、アルカリ性の場合はアニオン性やノニオン性
のものを、中性の場合はノニオン性ものを使用すること
も考える。
【0030】次に、こうした凝集材や吸水材、固化材を
泥土に添加して撹拌混合する多軸撹拌機70の技術内容
について説明する。
【0031】70は撹拌機71を、泥土と凝集材を撹拌
羽根71bで巻き込んで剪断破砕しながら撹拌混合し得
るようにケーシング70a内に複数個並列させて構成し
た多軸撹拌機、70aは基台としてのフレーム80に固
定され撹拌機71を収容するケーシング、70bは多軸
撹拌機の後端側に設けられ造粒処理用の泥土を供給する
泥土供給口、70cは多軸撹拌機の前端側に設けられ多
軸撹拌機70で造粒処理した泥土を排出する泥土排出口
である。
【0032】多軸撹拌機70は、パドル混合機とも称
し、後述する撹拌機71を複数個併設することにより泥
土を吸水材や凝集材や固化材と共に撹拌羽根で巻き込ん
で剪断破砕しながら凝集材と撹拌混合し得るように構成
されている。なお、図1において、撹拌機71は、紙面
直角方向に複数個併設しているため、図には一つしか明
示されていない。多軸撹拌機70には、図1に示すよう
に泥土供給口70bの前方から泥土排出口70cの後方
へ向けて、吸水材供給手段51、第1の凝集材供給手段
54、第2の凝集材供給手段57及び固化材供給手段6
0を順次設けてケーシング70aの内部と連通させ、泥
土供給口70bから供給された泥土を造粒処理して泥土
排出口70cへ排出する。
【0033】71は前方に向かって下方に傾斜した多数
の独立した撹拌羽根71bを回転軸71aに固着して構
成され複数個併設される撹拌機、71aは回転駆動装置
71cにより回転駆動される撹拌機71の回転軸、71
bはこの回転軸71aに所定間隔で多数設けられる撹拌
羽根、71cは撹拌機71のケーシング70a内の後端
部に設置され各撹拌機71を駆動する回転駆動装置、7
1dはケーシング70aの前端部に固定された回転軸7
1aの前端部側の軸受である。
【0034】各撹拌機71の回転軸71aは、回転駆動
装置71cと軸受71dとで支持され、回転駆動装置7
1cにより回転駆動される。各撹拌機71の撹拌羽根7
1bは、つる巻き状に連続して形成されたスクリュ羽根
とは異なりそれぞれが独立して形成されている。撹拌機
71は、このような独立した撹拌羽根71bを回転軸7
1aに多数固着して構成される。多数の撹拌羽根71b
は、図1に示すように何れも前方に向かって下方に傾斜
するように設けられ、互いに平行になるように配列され
ている。多数の撹拌羽根71bは、このように前方に向
かって下方に傾斜しているため、ケーシング70a内に
取り込まれた泥土が各撹拌羽根71bを通過する都度、
その泥土を漸次前方に移動させることができる。回転駆
動装置71cは、回転数を可変制御できるように構成し
ていて、各撹拌機71の回転軸71aの回転数を適宜調
節できるようにしている。
【0035】したがって、多軸撹拌機70は、ケーシン
グ70a内の泥土を回転駆動装置71cの回転数に応じ
た搬送量で搬送することができ、さらには、建設現場で
の泥土の発生量に応じて回転駆動装置71cの回転数を
制御することにより、造粒処理する泥土の処理量も適宜
調節することができる。この泥土造粒処理装置では、こ
のように回転駆動装置71cの回転数を可変制御して泥
土の処理量を調節できるようにしたことと関連して、吸
水材、第1の凝集材、第2の凝集材及び固化材を定量供
給するための前述の切り出し装置52,55,58,6
1を設けているため、後述する泥土定量供給機102に
よる泥土供給量に応じて各切り出し装置52,55,5
8,61のロータの回転数を制御することにより、泥土
の供給量に見合った吸水材、第1の凝集材、第2の凝集
材及び固化材を定量供給して泥土とこれらの材の混合比
率を適切な値になるように調節することができる。
【0036】多軸撹拌機70は、回転軸71aが互いに
平行になるように撹拌機71を2台以上所望の台数並べ
て構成する。その場合、各撹拌機71の多数の撹拌羽根
71bが隣接する撹拌機71の撹拌羽根71bの間に入
り込むように配置する。すなわち、各撹拌機71の撹拌
羽根71bが隣接するもの同士で半径方向においてラッ
プするようにするとともに、各撹拌機71の撹拌羽根7
1bを隣接する撹拌機71の撹拌羽根71bと回転軸方
向に位相をずらして両者が干渉しないように配列する。
隣接する一対の撹拌機71の撹拌羽根71bは、前述し
たように各撹拌羽根71bが傾斜するように設けられて
いて、その回転に伴って、隣接する撹拌羽根71b間の
間隔を変化させるので、同一方向及び反対方向の何れの
方向に回転させるときでも、隣接する一対の撹拌羽根7
1bにより泥土を巻き込んで剪断破砕することができ
る。
【0037】各撹拌羽根71bは、こうして泥土を剪断
破砕するときに泥土を撹拌する。また、各撹拌羽根71
bは、前述したように泥土を前方に移動させるが、この
ときにも泥土を撹拌する。すなわち、泥土は、撹拌羽根
71bにより前方に移動させられるときに変形を伴って
移動し、泥土が変形すると、泥土中の土粒子間に相対移
動が生じる。そのため、泥土は、多軸撹拌機70により
搬送されているときにも、土粒子が絶えず撹拌されるこ
とになり、ひいては、凝集材と撹拌混合されることとな
る。
【0038】ちなみに、こうした積極的な撹拌機能を有
する多軸撹拌機70を、泥土の搬送に多用されるスクリ
ュコンベアと比べると、スクリュコンベアは、専ら泥土
を移動させる機能を果たし、泥土を剪断破砕する機能を
もたないのは勿論のこと、積極的な撹拌機能を備えてい
ない。すなわち、スクリュコンベアは、泥土を搬送する
とき、泥土をスクリュ羽根やケーシングと接触させなが
ら変形させることなく前方に平行移動させるため、スク
リュ羽根やケーシングと接触する泥土の部分の土粒子を
多少は撹拌するものの、積極的な撹拌機能は備えていな
い。
【0039】この泥土造粒処理装置では、泥土を、こう
したスクリュコンベアによることなく、多軸撹拌機70
により搬送しながら凝集材を多軸撹拌機70内に供給す
るようにしているので、泥土を剪断破砕して細分化しな
がら撹拌羽根71bによる泥土の剪断破砕及び搬送の双
方の動作に伴って積極的に撹拌することができ、これに
より、凝集材に対する泥土の触れ合い回数を飛躍的に高
めることができて、凝集材を泥土に均一に混合させるこ
とができる。そのため、泥土は、泥土排出口70cへ排
出されたときには確実に凝集されている。この凝集され
泥土は、凝集により集合した土粒子間に自由水を抱合し
てはいるものの、表面が見掛け上湿り気のほとんどない
乾燥状態を呈した粒状をなしている。また、吸水材や固
化材についても、前記のメカニズムと同様のメカニズム
により泥土を積極的に撹拌するため、吸水材や固化材に
対する泥土の触れ合い回数を飛躍的に高めることができ
て、凝集材と同様、吸水材や固化材を泥土に均一に混合
させることができる。
【0040】こうした多軸撹拌機70に吸水材供給手段
51や凝集材供給手段54,57等を設けて構成された
泥土造粒処理装置の周辺の装置を図1により説明する。
【0041】90は泥土排出口70cから排出される粒
状泥土生成物を前方のトラック等の運搬装置に移送する
ためのベルトコンベア、100は投入された泥土を貯溜
して泥土供給口70bに供給するための泥土貯溜装置、
101は油圧ショベル等の建設作業機のバケットですく
った泥土が投入されその泥土を貯溜する泥土貯溜用ホッ
パ、102は泥土貯溜用ホッパ101内の泥土を泥土供
給口70bに定量供給する泥土定量供給機、103は泥
土貯溜用ホッパ101や泥土定量供給機102を支持す
る架台、104は泥土貯溜用ホッパ101に投入される
泥土を分級して大石等の夾雑物を取り除くための振動ス
クリーンである。
【0042】ベルトコンベア90は、そのシュート90
aを泥土排出口70cの下方に位置させるとともに前方
に向かって上方に傾斜させて設置することにより、泥土
排出口70cから排出される粒状泥土生成物をシュート
90aで受けた後、ベルトコンベア90で移送してトラ
ック等の荷台に搬出できるようにしている。泥土貯溜装
置100は、泥土貯溜用ホッパ101と泥土定量供給機
102と架台103と振動スクリーン104とで構成さ
れ、振動スクリーン104で分級されて泥土貯溜用ホッ
パ101に溜められた泥土を泥土定量供給機102によ
り所望の供給量で多軸撹拌機70に供給する。
【0043】泥土定量供給機102は、スクリュー翼1
02dの周囲をケーシング102eで覆って、スクリュ
ー翼102dを回転駆動するための回転駆動装置102
aをケーシング102eの後端位置において泥土貯溜用
ホッパ101に固定し、軸受102cをケーシング10
2eの前端部に固定するとともに、泥土排出口102b
をケーシング102eの前端側に設けて構成している。
回転駆動装置102aは、その回転数を調節できるた
め、回転駆動装置102aの回転数を制御することによ
り、多軸撹拌機70で造粒処理する泥土の処理量に見合
った所望の量の泥土を多軸撹拌機70内に定量供給する
ことができる。
【0044】この泥土定量供給機102は、泥土投入ホ
ッパ101内に、泥土排出口102bが泥土投入ホッパ
101内の泥土の上面よりもhだけ高くなるように泥土
投入ホッパ101の底部に沿って傾斜させて設置してい
る。そして、前部端部を泥土投入ホッパ101外に突出
させて泥土排出口102bを多軸撹拌機70の泥土供給
口70bの真上に位置させている。泥土定量供給機10
2のケーシング102eのうちの泥土投入ホッパ101
内に配置された部分には上半部に開口を設け、この開口
から泥土投入ホッパ101内の泥土を取り込めるように
している。
【0045】泥土定量供給機102は、泥土投入ホッパ
101内に前記のように傾斜させて設置しているため、
泥土定量供給機102で供給される泥土が含水比の高い
泥水状の泥土であっても、その泥土がスクリュー翼10
2dで搬送されることなく泥土排出口102bに自然流
出するようなことはない。そのため、この泥土定量供給
機102によれば、泥土投入ホッパ101内の泥土を、
その泥土の含水比が高いか否かにかかわりなく多軸撹拌
機70内に定量供給することができる。
【0046】泥土定量供給機102は、処理する泥土が
含水比の著しく高い泥水状の泥土に限定される場合に
は、図2に示すような液状体を定量供給できる定量供給
ポンプ105、例えばチューブポンプ(スクイーズポン
プ)ようなポンプを用いるとよい。こうしたポンプを用
いた場合、スクリュー翼102dによる泥土定量供給機
102を用いる場合のように泥土投入ホッパ101内の
泥土の上面と泥土排出口102bとの高さ関係を考慮す
ることは要しない。
【0047】泥土定量供給機102で定量供給される泥
土投入ホッパ101内の泥土は、多軸撹拌機70による
泥土造粒処理装置により造粒処理されるが、その造粒処
理を行うときの作用について説明する。
【0048】その作用の説明を行うに当たっては、造粒
処理しようとする泥土の含水比がそれほど高くなく吸水
材を供給しない場合とそうでない場合とに分けて説明
し、その何れの場合にも、説明の便のため、固化材供給
手段60から固化材を供給しない場合を、まず想定して
説明する。また、主たる凝集材を第1の凝集材供給手段
54から単独で供給する場合と、主たる凝集材及び補助
の凝集材を第1の凝集材供給手段54及び第2の凝集材
供給手段57から供給する場合とを区別して説明する意
味はないので、単に凝集材を供給するものとして説明す
る。
【0049】まず、造粒処理しようとする泥土が含水比
の著しく高い泥土でない場合は、多軸撹拌機70を回転
駆動しながら泥土を泥土供給口70bから多軸撹拌機7
0内に供給するとともに凝集材を多軸撹拌機70内に供
給し、吸水材切り出し装置52は停止させておく。そう
すると、多軸撹拌機70は、泥土を凝集材と共に撹拌羽
根70bに巻き込んで、剪断破砕して細分化しながら泥
土排出口70c側へ搬送する。このとき、泥土を撹拌羽
根70bにより剪断破砕して細分化することに加えて、
撹拌羽根70bによる泥土の剪断破砕及び搬送の双方の
動作に伴って泥土を積極的に撹拌するため、凝集材に対
する泥土の触れ合い回数を飛躍的に高めることができ
て、凝集材を泥土に均一に混合させることができる。そ
のため、泥土は、泥土排出口70cへ排出されるときに
は確実に凝集され、凝集された無数の土粒子間に自由水
を満遍なく抱合して、粒状化した状態に処理され、粒状
泥土生成物が泥土排出口70cへ排出される。
【0050】また、造粒処理しようとする泥土が含水比
の著しく高い泥水状である場合は、こうした造粒処理を
行う際に吸水材を吸水材供給手段51により多軸撹拌機
70内に供給する。そうすると、多軸撹拌機70は、前
記したメカニズムと同様のメカニズムにより泥土を積極
的に撹拌するため、吸水材に対する泥土の触れ合い回数
を飛躍的に高めることができて、凝集材と同様、吸水材
を泥土に均一に混合させることができ、泥土中の自由水
を吸水材で効果的に吸水することができる。そのため、
凝集材で凝集させることが困難な含水比の著しく高い泥
土であっても、泥土は、泥土排出口へ排出されるときに
は確実に凝集され、凝集された無数の土粒子間に自由水
を満遍なく抱合して、粒状化した状態に処理することが
できる。そして、以上述べた泥土の造粒処理は、多軸撹
拌機70により連続的に行うことができてるため、本発
明の泥土造粒処理装置によれば、泥土を大量に造粒処理
することが可能になる。
【0051】以上、固化材を多軸撹拌機70に供給しな
いものとして説明したが、粒状泥土生成物の強度を高め
る必要がある場合には、以上のような造粒処理を行う際
に、固化材切り出し装置61を駆動して固化材供給手段
60から固化材を供給する。そうすると、多軸撹拌機7
0は、凝集材を泥土に混合するときのメカニズムと同様
のメカニズムにより泥土を積極的に撹拌するため、吸水
材に対する泥土の触れ合い回数を飛躍的に高めることが
できて、凝集材と同様、固化材を泥土に均一に混合させ
ることができる。その結果、多軸撹拌機70のケーシン
グ70a内の閉ざされた保温空間内で泥土中の自由水の
一部を効果的に利用しながら固化材中の生石灰成分の消
化吸収反応を進行させて、凝集材で粒状化させた泥土を
固化することができ、これにより粒状泥土生成物の強度
を高めることができる。
【0052】図3に示す例は、以上述べた泥土造粒処理
装置50及び泥土貯溜装置100等を一体化して輸送車
両300に積降し可能に搭載した例である。すなわち、
この図3に示す例は、泥土貯溜用ホッパ101及び泥土
定量供給機102を備えた泥土貯溜装置100と、吸水
材供給手段51、第1の凝集材供給手段54、第2の凝
集材供給手段57、固化材供給手段60及び多軸撹拌機
70を備えた泥土造粒処理装置50と、これら泥土造粒
処理装置50及び泥土貯溜装置101の駆動部の動力源
となるエンジン301とを基台40上に設置して一体化
し、この基台40を輸送車両300に積降し可能に搭載
して、輸送車両300を泥土の発生現場に移動できるよ
うに構成している。
【0053】したがって、この図3に示す例によれば、
泥土造粒処理装置50やその関連装置である泥土貯溜装
置101及びエンジン301を一体化した基台40を輸
送車両300に搭載して泥土発生現場まで運んだ後に輸
送車両300から降ろして固定するだけで、泥土造粒処
理装置50やその関連装置を現場で組み立てることなく
所望の場所に設置することができて、これらの装置の泥
土発生現場への設置をきわめて簡便に行うことができ
る。
【0054】図4乃至図7に示す例は、前記泥土造粒処
理装置50及び前記泥土貯溜装置100のほか、泥土の
造粒処理に有用な装置をクローラ式走行装置に搭載し
て、泥土の発生現場内を走行できるように構成した例で
ある。そこで、クローラ式走行装置等に関する技術内容
を図4乃至図7に基づいて説明する。なお、これらの図
において既に述べた図1乃至図3と同一符号を付けた部
分は、これら既述の図と同等の部分を表すので、詳述し
ない。
【0055】これらの図において、400は一対のクロ
ーラ式走行体401a,401bを車体フレーム402
で連結して構成されたクローラ式走行装置、401a,
401bはスプロケットで駆動されるクローラベルトを
推進手段として地上を走行する右側及び左側のクローラ
式走行体、402はこれら一対のクローラ式走行体40
1a,401bを一定間隔を置いて連結しクローラ式走
行装置に搭載する種々の装置を支持する車体フレーム、
403は泥土造粒処理装置50、泥土貯溜装置100及
びベルトコンベア90の各種駆動部やクローラ式走行体
401a,401bのスプロケット等を駆動するための
エンジン、403aはエンジン403等を設置する基
台、404はクローラ式走行装置400を操縦するため
の操作レバー、405は泥土造粒処理装置50やその関
連装置90,100の前記各種駆動部を運転操作するた
めの運転操作盤である。
【0056】車体フレーム402は、前方及び後方をク
ローラ式走行体401a,401bより張り出すように
設置している。そして、車体フレーム402の前方の張
出し部には、基台403aを固定して、この基台403
aにエンジン403、操作レバー404及び運転操作盤
405を設置し、操作レバー404及び運転操作盤40
5のそばに図示しない運転席を設けている。一方、車体
フレーム402の後方の張出し部には、油圧ショベル等
建設作業機のバケットですくった泥土を直接投入できる
ように泥土貯溜用ホッパ101を設置している。また、
車体フレーム402の中間部には、フレーム80を介し
て多軸撹拌機70を設置し、泥土排出口70cが前方の
張出し部上に位置するように多軸撹拌機70の前部をク
ローラ式走行体401a,401bよりも前方に延出し
ている。さらに、車体フレーム402の前方の張出し部
には、粒状泥土生成物を取り込んで運搬装置へ移送する
ためのベルトコンベア90の後端部をピンで着脱かつ回
動可能に軸着している。
【0057】このベルトコンベア90は、その後端位置
のシュート90aを泥土排出口70cの下方に配置する
とともに、中間部を基台403aの前端部に支持部材9
0bにより高さ位置を調節できるように取外し可能に懸
架することにより、前方に向かって上方に傾斜させて設
置している。ベルトコンベア90をこうした態様でクロ
ーラ式走行装置400に予め設置しておくことにより、
泥土排出口70cから排出される粒状泥土生成物をシュ
ート90aで受けた後、ベルトコンベア90で移送して
トラック等の荷台に搬出することができるとともに、ベ
ルトコンベア90の設置に手間がかからず、その設置を
能率的に行うことができる。
【0058】また、車体フレーム402の前方及び後方
にそれぞれ前記張出し部を設けて、前方の張出し部に運
転席を配置するとともに、この運転席から遠く離れた車
体フレーム402の後方の張出し部に泥土貯溜用ホッパ
101を配置しているため、泥土を泥土貯溜用ホッパ1
01に投入する際、油圧ショベルのバケット等建設作業
機の可動部が運転席付近に侵入する恐れがない。そのた
め、泥土貯溜用ホッパ101への泥土の投入作業を、運
転席にそれほど注意を払わなくても安全に行うことがで
き、運転席周辺を泥土で汚す恐れもない。ベルトコンベ
ア90は、取外しができるので、必要に応じて取り外す
こともできて取り扱いの便も良い。
【0059】エンジン403により駆動される駆動部の
うち、泥土造粒処理装置50の駆動部としては、各切り
出し装置52,55,58,61の回転駆動装置や多軸
撹拌機70の回転駆動装置71cを挙げることができ、
泥土貯溜装置100の駆動部としては、泥土定量供給機
102の回転駆動装置102aや振動スクリーン104
の駆動装置を挙げることができる。図4乃至図7に示す
例は、以上のような泥土造粒処理装置50、ベルトコン
ベア90、泥土貯溜装置100、エンジン403及び運
転操作盤405等の泥土の造粒処理に有用な種々の装置
をクローラ式走行装置400に搭載して構成したもので
ある。
【0060】図4乃至図7に示す泥土造粒処理装置を泥
土発生現場に輸送する場合、図示しないトレーラに積み
込んで輸送し、トレーラが目的地に到着したら、泥土造
粒処理装置50や泥土貯溜装置100等を搭載したクロ
ーラ式走行装置400をトレーラから降ろす。この泥土
造粒処理装置は、クローラ式走行装置400やこれを駆
動、操縦するためのエンジン403及び操作レバー40
4を備えているので、泥土の発生現場内を走行して自由
に移動することができる。したがって、例えば浚渫工事
のように泥土が広い領域にわたって発生する泥土発生現
場で泥土を造粒処理する場合でも、泥土造粒処理装置を
現場で組み立てることなく、また、現場内の所望の場所
に自在に移動することができて、泥土の造粒処理を能率
的に行うことができる。
【0061】こうした泥土造粒処理装置において、処理
する泥土が含水比の著しく高い泥水状の泥土に限定され
る場合には、図2に示す例と同様、泥土定量供給機10
2を図8に示すような液状体を定量供給できる定量供給
ポンプ105、例えばチューブポンプ(スクイーズポン
プ)ようなポンプを用いるとよい。こうしたポンプを用
いた場合、スクリュー翼102dによる泥土定量供給機
102を用いる場合のように泥土投入ホッパ101内の
泥土の上面と泥土排出口102bとの高さ関係を考慮す
ることは要しない。
【0062】次に、本発明の第2の具体化例及びその変
形例を図9乃至図10に基づいて説明する。図9は、本
発明の第2の具体化例の泥土造粒処理装置を示す縦断面
図、図10は、図9の泥土造粒処理装置の変形例を示す
縦断面図である。なお、これらの図において既に述べた
図1乃至図8と同一符号を付けた部分は、これら既述の
図と同等の部分を表すので、詳述しない。
【0063】この第2の具体化例の泥土造粒処理装置
は、図1に示した泥土造粒処理装置50において、固化
材供給手段60から固化材を多軸撹拌機70内に供給し
て処理した粒状の泥土(粒状泥土生成物)を搬入して、
浸水しても再泥土化しにくいように改質する泥土改質処
理装置1を付設したものである。すなわち、泥土改質処
理装置1の後端側に多軸撹拌機70の前端側を接続し
て、多軸撹拌機70で生成した粒状の泥土を泥土改質処
理装置1の回転ドラム10内に搬入するようにしてい
る。以下、この泥土改質処理装置1の技術内容を説明す
る。
【0064】図9及び図10において、1は粒状泥土生
成物をセメント系や石灰系の固化材と混合して浸水して
も再泥土化しないように改質する泥土改質処理装置、1
aは回転ドラム10の後端側の開口を遮蔽するための後
部固定板、1bは回転ドラム10の前端側の開口を遮蔽
するための前部固定板、4は回転ドラム10を回転自在
に支持するためのローラ、5はこのローラ4を軸着して
基台6に回転自在に取付けるためのブラケット、6は泥
土改質処理装置1を設置するための基台、9は改質した
粒状泥土生成物を回転ドラム10の前端側から外部に搬
出するための、土砂排出口9cを有する改質泥土搬出用
スクリュコンベア、9bはこのスクリュコンベア9を回
転駆動するための回転駆動装置である。
【0065】後部固定板1a及び前部固定板1bは、固
定的に設置された円盤状の板体で、回転ドラム10の後
側壁及び前側壁に設けた円孔にその回転を妨げないよう
に嵌入されおり、この円孔の内周面と固定板1a、1b
の外周面との間は、相対回転可能にシールされている。
多軸撹拌機70の前端部は、後部固定板1aを貫通して
回転ドラム10内に突出し、泥土排出口70cが回転ド
ラム10内に位置している。改質泥土搬出用スクリュコ
ンベア9の前端部は、前部固定板1bを貫通して回転ド
ラム10外に突出し、その突出部に土砂排出口9cを有
している。
【0066】7aは長尺の矩形板状をなし回転ドラム1
0の内周面後部から前方に長手方向に向けて取付けられ
た後方の掻き上げ翼、7bはその前方に取付けられ後方
の掻き上げ翼7aよりも短い同様の前方の掻き上げ翼、
8は回転ドラム10の内周面の後方の掻き上げ翼7a寄
りに取付けられ前方に向かって下方に傾斜した矩形板状
の搬送翼、10は回転駆動することにより粒状泥土生成
物を固化材と混合して改質する回転ドラムであり、回転
ドラム10に設けたギアと原動機と原動機の回転をギア
に伝達するピニオンとからなる図示していない回転駆動
装置により回転駆動されるようになっている。なお、図
9には、多軸撹拌機70の泥土排出口70cから排出さ
れる粒状泥土生成物を符号MSで示している。
【0067】後方の掻き上げ翼7a及び前方の掻き上げ
翼7bは、回転ドラム10の周方向に等間隔で放射状に
多数取付けられている。後方の掻き上げ翼7aは、多軸
撹拌機70の泥土排出口70cから排出された粒状泥土
生成物を、回転ドラム10の回転に伴って掻き上げるが
ごとく上昇させ、回転ドラム10の上半部に上昇させた
ときに自重により落下させる作用をする。回転ドラム1
0を回転駆動して、このように粒状泥土生成物を後方の
掻き上げ翼7aで上昇、落下させる動作を繰り返すこと
により、多軸撹拌機70で撹拌混合された粒状泥土生成
物と固化材と土粒子間に抱合された自由水とを更に混合
して消化吸収反応を進展させることができる。その結
果、固化材中の生石灰を自由水と反応させて消石灰に変
化させることができるとともに消石灰と泥土とを均一に
混合することができる。この消石灰は、水に対する溶解
度が0.13%ときわめて低いため、粒状泥土生成物が
疎水性を帯びて、水に浸っても泥土化しにくい品質の良
いものに改質される。
【0068】前方の掻き上げ翼7bは、こうして改質さ
れた粒状泥土生成物を、後方の掻き上げ翼7aと同様、
掻き上げるがごとく上昇させ、回転ドラム10の上半部
に上昇させたときに自重により落下させて改質泥土搬出
用スクリュコンベア9の土砂取り込み口9aに送り込む
作用をする。搬送翼8は、回転ドラム10の内周面に前
方に向かって下方に傾斜するようにその周方向に等間隔
で取付けられているため、後方の掻き上げ翼7aから落
下する粒状泥土生成物をとらえて漸次前方に移動させる
ことができる。
【0069】このように構成された泥土改質処理装置1
で改質処理を行うときには、回転ドラム10内に、多軸
撹拌機70内で固化材を混合して生成された粒状泥土生
成物を搬入して回転ドラム10を回転駆動する。その場
合、多軸撹拌機70内には、粒状泥土生成物を改質しな
いときよりも若干多めの固化材を供給しておく。そうす
ると、粒状泥土生成物は、消化吸収反応が十分には進展
していない固化材と共に、回転ドラム10の回転に伴っ
て後方の掻き上げ翼7aにより上昇、落下し、落下時に
回転ドラム10の底面部等に衝突して破砕されるととも
に回転ドラム10の底面部に飛散する。その場合、粒状
泥土生成物は、凝集されて粘り気のない状態にあるた
め、回転ドラム10に付着することなく分散させること
ができて、粒状泥土生成物と固化材との混合を効率的に
行うことができる。また、粒状泥土生成物は、落下する
過程において、前方に下方傾斜した搬送翼8でとらえら
れ前方に移動する。その場合に、粒状泥土生成物は、粘
り気のない状態にあって搬送翼8に対して付着しようと
する力をもたらさないため、粒状泥土生成物を搬送翼8
の傾斜により前方へ円滑に搬送することができて粒状泥
土生成物の搬送を効率的に行うこともできる。
【0070】こうして回転ドラム10内で前方に移動し
ながら飛散した粒状泥土生成物と固化材とは、後方の掻
き上げ翼7aでかき集められて合体し、その過程で混合
される。粒状泥土生成物と固化材が以上のような上昇−
落下−破砕−飛散−合体の動作を反復して、細分化され
ながら離合集散を繰り返すことにより、固化材は、回転
ドラム10内の閉じられた保温空間内で自由水や粒状泥
土生成物と混合しながら消化吸収反応を進展させる。そ
の場合、この消化吸収反応に必要な水分は、凝集された
無数の土粒子間に満遍なく均等に抱合されていて固化材
に均一に吸収させることができるため、固化材の消化吸
収反応を効果的に進展させることができる。その結果、
多軸撹拌機70内で固化材により強度の高められた粒状
泥土生成物は、消化吸収反応の進展により生成された消
石灰と均一に混合されて、浸水により再泥土化しない品
質の良いものに改質される。
【0071】回転ドラム10に搬入される粒状泥土生成
物は、固化材の消化吸収反応により撹拌機70内で相当
程度固化処理されたものであるから、泥土改質処理装置
1での改質処理に要する時間は、固化処理されていない
泥土を回転ドラム10に搬入した場合に比べて短縮する
ことができる。以上の結果、この図9の例によれば、泥
土改質処理装置1での改質処理も短い時間で連続的に行
うことができて改質処理の促進を図れるため、含水比の
高い泥土でも大量に改質処理することが可能となる。
【0072】こうして改質された粒状泥土生成物は、今
度は、前方の掻き上げ翼7bの働きより上昇、落下の動
作を繰り返し、落下時に改質泥土搬出用スクリュコンベ
ア9の土砂取り込み口9aに逐次取り込まれて行き、同
スクリュコンベア9で搬出されて土砂排出口9cから排
出される。この泥土改質処理装置1では、泥土を回転ド
ラム10内に搬入する前の段階で多軸撹拌機31により
予め剪断破砕するようにしているので、泥土改質処理装
置1だけでは十分に破砕できない大塊の土砂を処理対象
としても、固化材と十分に混合して改質することができ
る。また、回転ドラム10に搬入される粒状泥土生成物
は、粘り気のない粒状体であって、回転ドラム10の内
面や掻き上げ翼7a,7bや搬送翼8等に付着しにくい
ため、泥土改質処理装置1の内部を清掃する負担も減少
させることができる。
【0073】図10に示す例は、以上述べた泥土改質処
理装置1と泥土造粒処理装置50と泥土貯溜装置100
とこれら泥土改質処理装置1、泥土造粒処理装置50及
び泥土貯溜装置101の駆動部の動力源となるエンジン
(図示せず)とを基台40上に設置して一体化し、この
基台40を輸送車両300に積降し可能に搭載した例で
あり、泥土改質処理装置1を付設した点を除けば、前記
図3の例と基本的に変わらない。したがって、泥土改質
処理装置1と泥土造粒処理装置50とその関連装置を一
体化した基台40を輸送車両300に搭載して泥土発生
現場まで運んだ後に輸送車両300から降ろして固定す
るだけで、泥土改質処理装置1を付設した泥土造粒処理
装置50やその関連装置を、図3の例と同様、現場で組
み立てることなく所望の場所に設置することができて、
これらの装置の泥土発生現場への設置をきわめて簡便に
行うことができる。
【0074】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、「課題を解決する手段」の項に示した手段を採用し
ているので、本発明によれば、泥土を大量に造粒処理す
るのに適した泥土造粒処理装置が得られる。その結果、
処理した泥土の付加価値を高めることができるとともに
その用途を拡大することができる。また、吸水材供給手
段を設けているので、凝集材で凝集させることが困難な
含水比の著しく高い泥水状の泥土であっても、吸水材を
吸水材供給手段から多軸撹拌機内に供給することによ
り、造粒処理を行うことができる。
【0075】本発明を具体化する場合に、特に、特許請
求の範囲の請求項2に記載のように具体化すれば、こう
した泥土造粒処理装置やその関連装置である泥土貯溜装
置及びエンジンを一体化したものを輸送車両に搭載して
泥土発生現場まで運んだ後、輸送車両から降ろして固定
すれば、泥土造粒処理装置やその関連装置を現場で組み
立てることなく所望の場所に設置することができて、こ
れらの装置の泥土発生現場への設置をきわめて簡便に行
うことができる。本発明を具体化する場合に、特に、特
許請求の範囲の請求項3に記載のように具体化すれば、
例えば浚渫工事のように泥土が広い領域にわたって発生
する泥土発生現場で泥土を造粒処理する場合でも、泥土
造粒処理装置、泥土貯溜装置及びコンベア等の泥土の造
粒処理に有用な種々の装置を現場で組み立てることな
く、また、現場内の所望の場所に自在に移動することが
できて、泥土の造粒処理を能率的に行うことができる。
【0076】本発明を具体化する場合に、特に、特許請
求の範囲の請求項4に記載のように具体化すれば、必要
に応じて補助の凝集材を第2の凝集材供給手段から多軸
撹拌機内に供給することにより主たる凝集材の働きを高
めることができるとともに、固化材を固化材供給手段か
ら多軸撹拌機内に供給することにより凝集材で粒状化す
る泥土の強度を高めることができる。また、泥土貯溜装
置を付設したため、泥土発生現場の泥土を油圧ショベル
等の建設作業機で泥土貯溜用ホッパ内に直接投入するこ
とにより、泥土発生現場の泥土を能率的に造粒処理する
ことができる。本発明を具体化する場合に、特に、特許
請求の範囲の請求項5に記載のように具体化すれば、処
理する泥土の性状や要求される粒状泥土生成物の品質等
を考慮しながら、吸水材、主たる凝集材、補助の凝集材
及び固化材を泥土の供給量に見合った分量だけ定量供給
して、泥土とこれらの材の混合比率を適切な値になるよ
うに調節することができる。
【0077】本発明を具体化する場合に、特に、特許請
求の範囲の請求項6に記載のように具体化すれば、泥土
改質処理装置を付設したことにより、多軸撹拌機内で粒
状化した泥土を、浸水しても再泥土化しにくい品質の良
いものに改質することができる。また、この泥土改質処
理装置の回転ドラムに搬入される粒状泥土生成物は、粘
り気のない粒状体であって、回転ドラムの内面や掻き上
げ翼や搬送翼等に付着しにくいため、泥土改質処理装置
の内部を清掃する負担も減少させることができる。本発
明を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項
7に記載のように具体化すれば、泥土改質処理装置を付
設した泥土造粒処理装置やその関連装置を、請求項2に
記載のように具体化した場合と同様、現場で組み立てる
ことなく所望の場所に設置することができて、これらの
装置の泥土発生現場への設置をきわめて簡便に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の具体化例の泥土造粒処理装置を
示す縦断面図である。
【図2】図1の泥土造粒処理装置の第1の変形例を示す
縦断面図である。
【図3】図1の泥土造粒処理装置の第2の変形例を示す
縦断面図である。
【図4】図1の泥土造粒処理装置の第3の変形例を示す
縦断面図である。
【図5】図4の I−I 線断面図である。
【図6】図4の II−II 線断面図である。
【図7】図4の III−III 線断面図である。
【図8】図1の泥土造粒処理装置の第4の変形例を示す
縦断面図である。
【図9】本発明の第2の具体化例の泥土造粒処理装置を
示す縦断面図である。
【図10】図9の泥土造粒処理装置の変形例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1 泥土改質処理装置 1a,1b 固定板 7a,7b 掻き上げ翼 8 搬送翼 9 改質泥土搬出用スクリュコンベア 10 回転ドラム 40 基台 50 泥土造粒処理装置 51 吸水材供給手段 51a 吸水材投入ホッパ 52 吸水材切り出し装置 53 吸水材導入口 54 第1の凝集材供給手段 54a 第1の凝集材投入ホッパ 55 第1の凝集材切り出し装置 56 第1の凝集材導入口 57 第2の凝集材供給手段 57a 第2の凝集材投入ホッパ 58 第2の凝集材切り出し装置 59 第2の凝集材導入口 60 固化材供給手段 60a 固化材投入ホッパ 61 固化材切り出し装置 62 固化材導入口 70 多軸撹拌機 70a ケーシング 70b 泥土供給口 70c 泥土排出口 71 撹拌機 71a 回転軸 71b 撹拌羽根 71c 回転駆動装置 71d 軸受 80 フレーム 90 ベルトコンベア 100 泥土貯溜装置 101 泥土貯溜用ホッパ 102 泥土定量供給機 103 架台 104 振動スクリーン 105 定量供給ポンプ 300 輸送車両 301 エンジン 400 クローラ式走行装置 401a,401b クローラ式走行体 402 車体フレーム 403 エンジン 404 操作レバー 405 運転操作盤 A 吸水材 B 第1の凝集材 C 第2の凝集材 MD 泥土 SD 固化材 MS 粒状泥土生成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D059 AA09 BD17 BE55 BE57 BE58 BE59 BE61 BF16 BJ03 BJ07 BJ14 BK09 CB06 CB09 CB21 CB27 CC04 DA04 DA16 DA17 DA23 DA24 DA54 DA64 DA66 DB11 EB02 EB11 EB20 4G078 AA10 AB20 BA01 BA07 DA01 DB10 EA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の独立した撹拌羽根を回転軸に対し
    て傾斜させて固着した撹拌機を、泥土を凝集材と共に撹
    拌羽根で巻き込んで剪断破砕しながら凝集材と撹拌混合
    し得るように複数個並設して多軸撹拌機を構成し、この
    多軸撹拌機の後端側及び前端側にそれぞれ泥土供給口及
    び泥土排出口を設け、泥土供給口の前方から泥土排出口
    の後方へ向けて、吸水材を多軸撹拌機内に供給するため
    の吸水材供給手段と、凝集材を多軸撹拌機内に供給する
    ための少なくとも一つの凝集材供給手段とを順次設け
    て、泥土供給口から供給された泥土を多軸撹拌機により
    粒状化するように処理して泥土排出口へ排出できるよう
    に構成したことを特徴とする泥土造粒処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の泥土造粒処理装置と、
    泥土を投入することができその投入された泥土を貯溜す
    る泥土貯溜用ホッパ及びこの泥土貯溜用ホッパ内の泥土
    を前記泥土造粒処理装置の泥土供給口に供給する泥土供
    給装置を備えた泥土貯溜装置と、前記泥土造粒処理装置
    及び泥土貯溜装置の駆動部の動力源となるエンジンとを
    一体化して輸送車両に積降し可能に搭載して、泥土の発
    生現場に移動できるように構成したことを特徴とする泥
    土造粒処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の泥土造粒処理装置と、
    泥土を投入することができその投入された泥土を貯溜す
    る泥土貯溜用ホッパ及びこの泥土貯溜用ホッパ内の泥土
    を前記泥土造粒処理装置の泥土供給口に供給する泥土供
    給装置を備えた泥土貯溜装置と、泥土排出口から排出さ
    れる泥土を取り込んで泥土の運搬装置へ移送するための
    コンベアと、前記泥土造粒処理装置、泥土貯溜装置及び
    コンベアの各駆動部を駆動するための動力源となるエン
    ジンと、前記各駆動部を操作するための操作盤とをクロ
    ーラ式走行装置に搭載して、泥土の発生現場内を走行で
    きるように構成したことを特徴とする泥土造粒処理装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の泥土造粒処理装置にお
    いて、凝集材供給手段を設ける場合に主たる凝集材を供
    給するための第1の凝集材供給手段と補助の凝集材を供
    給するための第2の凝集材供給手段を設け、これらの凝
    集材供給手段の前方と泥土排出口の後方との間に、固化
    材を多軸撹拌機内に供給するための固化材供給手段を付
    設するとともに、泥土を投入することができその投入さ
    れた泥土を貯溜する泥土貯溜用ホッパ及びこの泥土貯溜
    用ホッパ内の泥土を前記泥土造粒処理装置の泥土供給口
    に供給する泥土供給装置を備えた泥土貯溜装置を付設し
    たことを特徴とする泥土造粒処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の泥土造粒処理装置にお
    いて、吸水材供給手段、第1の凝集材供給手段、第2の
    凝集材供給手段、固化材供給手段及び泥土供給装置にそ
    れぞれ定量供給手段を付設したことを特徴とする泥土造
    粒処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の泥土造粒
    処理装置において、固化材供給手段から固化材を多軸撹
    拌機内に供給して処理した粒状の泥土を後端側から搬入
    し、回転駆動することにより粒状の泥土と固化材とを掻
    き上げ翼で上昇、落下させて破砕、混合しながら搬送翼
    で前端側へ移動して粒状の泥土を再泥土化しにくいよう
    に改質するとともに改質した粒状の泥土を取り込んで前
    端側から搬出する回転ドラムを備えた泥土改質処理装置
    を付設したことを特徴とする泥土造粒処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の泥土造粒処理装置と、
    泥土を投入することができその投入された泥土を貯溜す
    る泥土貯溜用ホッパ及びこの泥土貯溜用ホッパ内の泥土
    を前記泥土造粒処理装置の泥土供給口に供給する泥土供
    給装置を備えた泥土貯溜装置と、前記泥土造粒処理装置
    及び泥土貯溜装置の駆動部の動力源となるエンジンとを
    一体化して輸送車両に積降し可能に搭載して、泥土の発
    生現場に移動できるように構成したことを特徴とする泥
    土造粒処理装置。
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