JP2004321939A - 脱水ケーキの減容化処理方法及び減容化処理機械 - Google Patents

脱水ケーキの減容化処理方法及び減容化処理機械 Download PDF

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Abstract

【課題】第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを効果的に減容し、これを廃棄する最終処分場の延命を図ることができる脱水ケーキ減容化処理方法及び脱水ケーキ減容化処理機械を提供する。
【解決手段】例えば砒素等といった第二種特定有害物質を含有する脱水ケーキ中の、土粒子502が多数結合した塊状粒子501内に包囲され封じ込められた封止水504を、例えば塩化第二鉄等を溶解した二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液を混和して、土粒子502間の結合を解くことにより開放し、蒸発し易い状態とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱水ケーキの減容化処理に係り、最終処分場の延命を図ることができる脱水ケーキ減容化処理方法及び脱水ケーキ減容化処理機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、浄水場おいては、河川やダム等から取水した原水に、例えばPAC(ポリ塩化アルミ)等といった凝集剤(又は凝集補助剤)を混和して、ゆっくりと攪拌することにより土粒子等の水中の懸濁物質を塊状にし、沈殿池に沈殿させる工程がある。そして、この沈殿池の上澄み水は、下流工程にて浄化され水道水として供給され、沈殿した懸濁物質は、圧搾機械等で脱水ケーキとされる。
【0003】
脱水ケーキは、通常、「汚泥」に分類される建設副産物で、一般的には最終処分場に廃棄されるが、近年では土質改良材等と混合し改質することで、埋め戻し土等として再利用するケースも増えている。但し、浄水場で生成した脱水ケーキは、場所によっては、浄化前の原水に含まれていた砒素を含有している。そのため、埋め戻し土等として再利用するには、検液中の溶出量が「土壌の汚染に係る環境基準について」(平成3年環境庁告示第46号)に定められた環境基準値を満たすよう不溶化処理した上での改質が必要であった。
【0004】
しかしながら、土壌汚染対策法(平成15年施行)において、砒素等を始めとする重金属類は第二種特定有害物質として指定され、埋め戻し土等として再利用するためには、溶出量及び含有量の基準を満たさなければならなくなった。そのため、不溶化処理により溶出量を低減したとしても、砒素の含有量が基準不適合な脱水ケーキは、都道府県知事により判断は異なるが「特別管理産業廃棄物」に分類されて、最終処分場に廃棄せざるを得ない場合がある。安定型、管理型、遮断型のいずれの最終処分場で受け入れるにせよ、最終処分場の受け入れ容量にも限界があり、最終処分場の延命のために、如何に廃棄する脱水ケーキを減容するかが重要となる。
【0005】
そこで、脱水ケーキの減容に関連する技術として、脱水ケーキを負圧状態のホッパに投入し、減圧して強制的に水分を乾燥させることにより脱水ケーキを減容するものがある(例えば、特許文献1等参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−7799号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
浄水場等で発生する脱水ケーキは、上述したように凝集剤によって微細な粒子同士を結合させ、見かけ上の粒子を大きくしたものである。この見かけ上の粒子(本願明細書においては「塊状粒子」と以下に記載する)は、それぞれ微細な粒子が多数結合された中に水分が包囲され封じ込められており、この状態のまま自然乾燥又は強制乾燥によって脱水ケーキを乾燥させても、塊状粒子内に封じ込められた水分は蒸発し難く、塊状粒子間に露出した水分(自由水)が蒸発するのみで、効果的に脱水ケーキを減容化することはできない。
【0008】
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたものであり、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを効果的に減容し、これを廃棄する最終処分場の延命を図ることができる脱水ケーキの減容化処理方法及び減容化処理機械を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、混合する水溶液中に含まれる二価又は三価の鉄イオンの作用により、脱水ケーキを形成している塊状粒子の粒子間結合を解くことができる。これにより、塊状粒子中に封じ込められた水分を開放し、自由水とともに蒸発し易い状態とすることができる。よって、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを効果的に減容し、これを廃棄する最終処分場を延命することができる。
【0011】
また、第2の発明は、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合する手順と、前記水溶液と混合した脱水ケーキを乾燥させる手順とを有することを特徴とする。
【0012】
また、第3の発明は、砒素を含有した脱水ケーキを、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合する手順と、前記水溶液と混合した脱水ケーキを乾燥させる手順とを有することを特徴とする。
【0013】
また、第4の発明は、上記第1乃至第3のいずれか発明において、前記二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液は、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄のうち少なくとも一種の粉末を溶解した水溶液であることを特徴とする。
【0014】
また、第5の発明は、上記第1乃至第4のいずれかの発明において、前記脱水ケーキを乾燥させる手順は、自然乾燥又は強制乾燥により、前記水溶液と混合した脱水ケーキを乾燥させることを特徴とする。
【0015】
また、第6の発明は、上記第1乃至第5のいずれかの発明において、前記水溶液と混合した脱水ケーキを、石灰系固化材、セメント系固化材、フライアッシュ、クリンカアッシュ、消石灰のうち少なくとも一種からなる添加材と混合することを特徴とする。
【0016】
また、第7の発明は、第二種特定有害物質を含有する脱水ケーキ中にあって、多数結合し水分を包囲している土粒子間の結合を解くことを特徴とする。
【0017】
また、第8の発明は、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合する混合装置を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、第9の発明は、第二種特定有害物質を含有する脱水ケーキを二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合し、多数結合し水分を包囲している土粒子間の結合を解く混合装置を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、第10の発明は、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを受け入れるホッパと、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液を供給する薬液供給装置と、前記ホッパに受け入れた脱水ケーキを、前記薬液供給装置から供給された前記水溶液とともに混合し、多数結合することにより水分を包囲している土粒子間の結合を解く混合装置と、この混合装置からの処理土を機外に排出する排出コンベアと、これら各機器を駆動する動力装置とを備えたことを特徴とする。
【0020】
また、第11の発明は、上記第8乃至第10のいずれかの発明において、石灰系固化材、セメント系固化材、フライアッシュ、クリンカアッシュ、消石灰のうち少なくとも一種からなる添加材を、前記脱水ケーキに添加する添加材供給装置を更に備えたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の脱水ケーキ減容化処理方法の一実施の形態を説明する。
一般に、脱水ケーキは、含水率70%前後と含水率が高く水分が容積のかなりの割合を占めているので、水分を効率的に蒸発させれば大幅に減容させることができる。これに勘案し、本願発明者は、含水率70%の脱水ケーキを試験的に自然乾燥させ、その乾燥状態を測定したところ、1週間風乾した脱水ケーキの含水率は、測定値で66%であり、僅か4%の低下に止まった。
【0022】
ここで、本願発明者が推定した、本発明の脱水ケーキ減容化処理方法の一実施の形態の適用対象である脱水ケーキのモデル図を図1に示す。図1において、脱水ケーキを構成する無数の塊状粒子501の1つ1つは、肉眼で確認できる程度の粒度を有している。各塊状粒子501は、例えば浄水場で発生する脱水ケーキを例に挙げると、浄化される原水に、例えばPAC(ポリ塩化アルミ:Al(OH)Cl6−n)等の凝集剤(又は凝集補助剤)を添加してゆっくりと攪拌することにより、原水に含まれていた土粒子等を始めとする微細な懸濁物質502(以下、単に「土粒子502」と記載する)が多数結合し形成されたものである。
【0023】
すなわち、本願発明者は、図1のモデル図に示したように、脱水ケーキ中に含まれる多量の水分には、塊状粒子501間に露出して存在する水分503(以下、「自由水503」と記載する)の他に、塊状粒子501内に結合した多数の土壌粒子502に包囲され封じ込められ、蒸発し難い状態にある水分(以下、「封止水504」と記載する)が存在するものと考え、製造工程で塊状に形成された土粒子502間の結合を解いて、封止水504を開放し自由水503と同様に蒸発し易くすることで、効率的に水分全体を乾燥させることに想到した。
【0024】
そこで、本願発明者は、土粒子の粒子間結合を解く方法を模索した結果、二価又は三価の鉄イオンを含んだ水溶液を脱水ケーキに添加混合することにより、脱水ケーキ中の土粒子間結合を解くことができることを知見した。二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液としては、例えば塩化第一鉄(FeCl)、塩化第二鉄(FeCl)、硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸第二鉄(Fe(SO)のうち少なくとも1種の粉末を水に溶解することにより得られる。結合を解かれた土粒子502は、図2のように、鉄イオンを含み自由水503及び封止水504と混合された水溶液505中に不規則に存在するものと考えられる。
【0025】
これは、各土粒子502が、5μmアンダーの極めて粒度の小さな粒子であり、図1の状態において、PACに含まれるアルミニウムイオン(Al3+,図示せず)等を介し、その静電作用により土粒子502同士を結合しているものと仮定すると、混和した二価又は三価の鉄イオン(Fe2+又はFe3+)とアルミニウムイオンとの反発作用や、塩素イオン(Cl)によるpHの変化が複合的に作用して土粒子502の静電結合を破断させたものと推定される。
【0026】
本実施の形態の脱水ケーキ減容化処理方法においては、以上の知見に基づき、まず、第二種特定有害物質を含有し、特別管理産業廃棄物に分類され最終処分場に廃棄せざるを得ない脱水ケーキに対し、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液を添加し、脱水ケーキをその水溶液とともに混合(混和)する手順を実施し、続いて、こうして水溶液と混合した脱水ケーキを乾燥させる手順を実施することとした。
【0027】
脱水ケーキと水溶液との混合は、処理量によって、人手により実施しても良いし、混合装置を用いても構わない。混合装置としては、混合機能を有するものであれば適用可能であるが、特に望ましいものとしては、混練するように攪拌するいわゆるパドルミキサやパン型ミキサ等が挙げられる。また、混合後の処理土の乾燥は、自然乾燥(風乾、天日乾燥)でも良いし、加熱や減圧による強制乾燥でも構わない。また、風乾中の処理土を適宜天地換えすることにより、乾燥を促進させることも考えられる。
【0028】
この脱水ケーキ減容化処理方法によれば、前述したように、混合する水溶液中に含まれる二価又は三価の鉄イオンの作用により、脱水ケーキを形成している塊状粒子の粒子間結合を解くことができる。これにより、塊状粒子中に封じ込められた水分を開放し、自由水とともに蒸発し易い状態とすることができるので、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを効果的に減容し、これを廃棄する最終処分場の延命を図ることができる。
【0029】
また、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液を混合せずに、単に風乾によって脱水ケーキを乾燥させた場合、含水率を十分に低下させるには相当の期間を要するが、本実施の形態によれば、脱水ケーキ中の水分全体を蒸発し易い状態とすることができるので、迅速に減容化することができる。また、単に風乾によって乾燥をさせた場合、乾燥後の塊状粒子は堅固になるために、最終処分場の現場で転圧等を行っても、乾燥の過程で生じた空隙率を低下させるのは困難だが、本実施の形態によれば、塊状粒子は脆くなるために、転圧等で容易に空隙率を低下させることができる。さらに、脱水ケーキに含まれる第二種特定有害物質が砒素の場合、鉄イオンが不溶化に作用するため、脱水ケーキの減容化とともに砒素の不溶化の効果もある程度期待できる。
【0030】
【実施例】
本願発明者は、土壌汚染対策法に定められた土壌環境基準値以上の砒素を含む脱水ケーキ500gに対し、塩化第二鉄を約5g溶解した水溶液50mLを添加して、1分間パン型ミキサで攪拌したものを、常温で1週間風乾して含水率の測定を行った。その結果、塩化第二鉄を加えずに同様に風乾したものの含水率が約70%から66%程度にしか減少しなかったのに対し、塩化第二鉄水溶液を加えたものについては、約70%あった含水率が5%前後にまで低下し、容積が処理前のほぼ半分に、重量が約3分の1程度に減少した。
【0031】
本発明の脱水ケーキ減容化処理方法の他の実施の形態を説明する。
本実施の形態が、前述した本発明の脱水ケーキ減容化処理方法と相違する点は、二価又は三価の鉄イオンを含有した水溶液と混合した脱水ケーキに対し、添加材を混合することにより、改質処理(強度改良)、或いは含有する第二種特定有害物質の不溶化処理を施す点にある。
【0032】
すなわち、本実施の形態の脱水ケーキ減容化処理方法は、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合する手順と、水溶液を添加した脱水ケーキを添加材とともに混合する手順と、混合後の脱水ケーキ(処理土)を乾燥させる手順とを有する。脱水ケーキに添加する添加材としては、例えば、石灰系固化材、セメント系固化材、フライアッシュ、クリンカアッシュ、消石灰等のうちいずれか(又は組合せたもの)が適用可能である。また、これら添加材は、水溶液を混合した後の処理土に添加混合しても良いし、場合によっては、水溶液と同時に脱水ケーキに添加混合しても良い。
【0033】
図3は、本願発明者が推定した、添加材混合後の脱水ケーキの構造を模式的に表した図である。この図3において、二価又は三価の鉄イオンを含んだ水溶液を混和することにより、結合を解かれた土粒子502は、砒素等の第二種特定有害物質(図示せず)とともに添加材506に覆われて団粒構造を成している。これにより、ハンドリング性が確保され扱い易く、また、第二種特定有害物質の不溶化(後述)の進行度も高い状態となる。
【0034】
ここで、例えば第二種特定有害物質が砒素である場合を考えると、一般には、砒素は水中においてAsO 3−の形態で存在しており、これに、例えば塩化第二鉄の水溶液が加えることにより、
AsO 3−+FeCl→FeAsO+3Cl ・・・(式1)
という反応が生じ、不溶化される。
【0035】
しかしながら、前述のように製造過程でポリ塩化アルミを混合された脱水ケーキの場合、砒素は、ケーキ中に既に不溶化状態にあるAlAsOの形態で存在しており、これに塩化第二鉄を加えると、
AlAsO+FeCl→Fe3++AsO 3−+AlCl ・・・(式2)
という反応が起こる。溶出したAsO 3−は、そのまま放置しておけば、逐次生じる(式1)の反応により、徐々に不溶化されていくが、塩化第二鉄を加えた直後においては、砒素の溶出量が一時的に増大する。
【0036】
それに対し、(式2)の反応後又は反応中に、例えば添加材としてセメント系固化材(高炉セメントB種等)を脱水ケーキに混合すると、pHがアルカリに傾き、次の反応が積極的に生じ、砒素が不溶化される。
Fe3++3OH→Fe(OH)↓(コロイド) ・・・(式3)
Fe(OH)+AsO 3−→FeAsO↓+3OH ・・・(式4)
以上のように、本実施の形態においても、土粒子間結合を解き、脱水ケーキに含まれる水分全体を蒸発し易い状態とすることができるので、前述した本発明の脱水ケーキ減容化処理方法の一実施の形態と同様の効果が得られることは勿論だが、加えて、単に二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液のみを混和する場合に比して、所要の強度を発現させられるとともに、不溶化反応を促進することができる。これにより、図3に示した本実施の形態による処理を施した後の処理土は、図2の状態の処理土に比して容易かつ安全に取扱うことができるというメリットがある。
【0037】
次に、本発明の脱水ケーキ減容化処理機械の一実施の形態を説明する。
図4は、本発明の脱水ケーキ減容化処理機械の一実施の形態の全体構造を表す側面図である。この図4において、1Aは脱水ケーキ減容化処理機械、1Bはこの脱水ケーキ減容化処理機械1Aからの処理土を固化処理する固化処理機械であり、これら脱水ケーキ減容化処理機械1A及び固化処理機械1Bは、それぞれベースフレーム2A,2Bにより支持されている。本実施の形態において、固化処理機械1Bは、減容化処理後の処理土にある程度のハンドリング性が要求される場合、又は不溶化処理する必要がある場合等、その必要性に供えて設けたものであり、脱水ケーキを減容化する限りにおいては、固化処理機械1Bは省略して構わない。
【0038】
上記の脱水ケーキ減容化処理機械1Aは、図4に示すように篩装置3、ホッパ4、搬送コンベア5、薬液供給装置6(後述の図6参照)、混合装置7、排出コンベア8、動力装置9及び各機器を支持する本体フレーム10で概略構成されている。また、この本体フレーム10は、上記ベースフレーム2A上に、例えばボルト等により締結(溶接でも構わない)されている。
【0039】
図5は、上記篩装置3及びホッパ4近傍の詳細構造を表す側面図である。この図5において、篩装置3は、例えば油圧ショベル等により投入された脱水ケーキを解砕しつつその粒度に応じて分級(選別)する解砕分級手段である。11は篩装置3の本体を構成する枠体で、この枠体11は、本体フレーム10に支持ポスト12を介して支持された支持部材13上のばね14によって弾性的に支持させてある。15はこの枠体11内に装着された格子部材、16はこの格子部材15の振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラムで、この回転ドラム16は、図示しない駆動装置により回転駆動するようになっている。17は篩装置3上部に設けたいわゆる煽りである。
【0040】
これにより、先の図示しない振動軸が回転し篩装置3が加振され、投入された脱水ケーキに含まれる大塊等は、格子部材15のエッジ効果により解砕されるようになっている。このとき、枠体11は前方側(図5中左側)が後方側(図5中右側)よりも低くなるように配設されているため、投入脱水ケーキに含まれる格子部材15の目より大きな石等の異物は、格子部材15上を前方側へと移動し機外に排出される。これにより、格子部材15の目より小さな成分が、選別されて下方のホッパ4へと導入される。
【0041】
上記ホッパ4は、篩装置3からの脱水ケーキを受け入れる上方拡開形状をした枠状部材で、その下端部が上記搬送コンベア5の傾斜角に応じて傾斜するよう、支持部材13に固定されている。ホッパ4の上部開口部の寸法は、長手方向、幅方向ともに篩装置3の枠体11よりも僅かに大きく、また、下端の幅は、搬送コンベア5の搬送ベルト24(後述の図6参照)の幅よりも僅かに小さくなっている。
【0042】
また、18はホッパ4内に設けたアーチブレーカ、19はこのアーチブレーカ18の回転軸で、回転軸19は、ホッパ4の長手方向(図5中左右方向)に貫通しており、ホッパ4に対し、その両端が軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されている。20は攪拌棒(羽根)で、この攪拌棒20は、ホッパ4内において、回転軸19の軸線方向と直交する方向に対して所定角度傾斜しており、回転軸19に対して所定のピッチで設けられている。21はアーチブレーカ18の駆動装置で、この駆動装置21は、回転軸19の端部(図5中右端)に直結している。これにより、アーチブレーカ18は、この駆動装置21により回転駆動され、ホッパ4に導入された脱水ケーキを攪拌棒20によって攪拌、解砕し、ホッパ4内の下部における架橋発生を防止するとともに脱水ケーキ解砕を促進するようになっている。
【0043】
図4に戻り、上記の搬送コンベア5は、本体フレーム10の前方側端部に搭載されている。また、この搬送コンベア5は、ホッパ4の下方から下流側(図4中右側)に向かって上り傾斜に延在している。
【0044】
図6は、上記搬送コンベア5の下流側近傍の詳細構造を表す図である。この図6において、22はこの搬送コンベア5のコンベアフレーム、23はこのコンベアフレーム22の下流側(図6中右側)端部に支持された駆動輪で、この駆動輪23と、コンベアフレーム22の上流側(図5中左端)端部に支持された従動輪(図示せず)との間に搬送ベルト24が巻回してある。そして、駆動輪23を図示しない駆動装置で回転駆動させることにより、搬送ベルト24を循環駆動させ、所定開口面積の開口4aを介して受け入れた脱水ケーキをホッパ4外へ切出し、下流側へ搬送するようになっている。25はホッパ4外に切り出された脱水ケーキが、搬送コンベア5からこぼれ落ちないようにする規制板である。なお、特に図示していないが、脱水ケーキのスリップ防止のため、搬送ベルト24の搬送面にいわゆるラグを設けることが好ましい。また、脱水ケーキは、一般に高含水率であるため、搬送コンベア5をスクリュコンベアとすることも考えられる。
【0045】
上記薬液供給装置6は、脱水ケーキに薬液(二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液、本実施の形態においては塩化第二鉄とする)を供給するもので、供給管27a,27bを備えている。これら供給管27a,27bは、搬送コンベア5の規制板25及び混合装置7の入口35に掛け渡したフレーム26で支持してある。ここで、先の図4において、28はこの薬液供給装置6のポンプユニットで、貯留タンク29a,29bと、これら貯留タンク29a,29b内の薬液をそれぞれ吐出するポンプ30a,30b(後述の図8参照)と、制御盤(図示せず)と、これらを搭載するベースフレーム31とで構成されている。本実施の形態において、貯留タンク29a,29bには、それぞれ水、塩化第二鉄の水溶液が貯留されている。
【0046】
上記供給管27a,27bは、それぞれこれら貯留タンク29a,29bに接続しており、その接続管路32a,32b(後述の図8参照)には、それぞれ開閉弁33a,33b(後述の図8参照)が設けられている。なお、上記ポンプユニット28は、繁雑防止のため、図4においては脱水ケーキ減容化処理機械1Aの前方側に図示したが、実際には、この位置には油圧ショベル等の脱水ケーキの供給手段が来る場合があるので、その場合には、脱水ケーキ減容化処理機械1Aの横(例えば図4中紙面直交方向奥側又は手前側等)に配置すると良い。また、本実施の形態において、このポンプユニット28を別途設置する構成としたが、処理量が比較的少なく、大量の薬液を必要としない現場で稼動する場合等、ポンプユニット28が小型のもので足りる場合には、脱水ケーキ減容化処理機械と一体としても良い。
【0047】
ここで、図7(a)及び図7(b)は供給管27a,27bの構造を表す図である。まず、図7(a)に示すように、供給管27a(図7(a)では例として供給管27aを示すが、供給管27bも同様である)は、両端が閉止したパイプを「コ」の字状にしたもので、上記接続管32cが接続する中央部27aaと、この中央部27aaから曲成された端部27abとを有し、これら中央部27aa及び端部27abの内側には多数の孔34が設けてある。また、端部27ab同士の間隔(つまり、ほぼ中央部27aaの長さ)は、混合装置7の入口35(図6参照)の幅寸法にほぼ等しく、中央部27aaの孔34が搬送コンベア5に対向し、かつ入口35の略直上に位置するよう、上記フレーム26(図6参照)に例えば溶接等により取付けられている。
【0048】
これにより、薬液供給装置6は、ポンプユニット28から圧送される水、塩化第二鉄の水溶液をそれぞれ供給管27a,27bの孔34を介して流出し、搬送コンベア5の下流側端部から放出された脱水ケーキに対し3方向から供給するようになっている。そして、これら脱水ケーキ及び薬液は、上記混合装置7に供給されるようになっている。
【0049】
なお、供給管27a,27bは、図7(b)に示すように略「一」文字状のものとしても構わず、この場合、その孔34が搬送コンベア5に対向するよう(厳密には搬送コンベア5から放出される脱水ケーキに対抗するよう)、上記フレーム26に取付ければ良い。
【0050】
図4に戻り、混合装置7は受け入れた脱水ケーキ及び薬液を均一に攪拌し、処理土として導出するもので、上記本体フレーム10の長手方向(図4中左右方向)ほぼ中央上に取付けられ、その一方側(図4中左側)上部に脱水ケーキ及び薬液の入口35(図6参照)を、他方側(図4中右側)下部に改良土の出口(図示せず)を備えている。そして、繁雑防止のため特に図示しないが、この混合装置7は、攪拌手段として内部に略平行に設けた複数のパドルミキサ(図示せず)を備えており、このパドルミキサにより、入口35を介して導入された脱水ケーキ及び薬液を混合し、生成した処理土を出口から導出するようになっている。36はパドルミキサを駆動する駆動装置である。
【0051】
上記排出コンベア8は、この混合装置7から導出された処理土を機外に排出するもので、混合装置7の図示しない出口の下方から他方側(図4中右側)に向かって所定距離略水平に延在した後、混合装置7の駆動装置36下方辺りから上り傾斜に延在している。37はこの排出コンベア8のコンベアフレームで、このコンベアフレーム37は、図示しない支持部材により動力装置9や本体フレーム10等から支持されている。なお、この排出コンベア8により搬送する処理土は、土粒子間結合を解かれた状態の脱水ケーキであるため、搬送性を考慮し、必要であればスクリュフィーダや圧送ポンプに代えても良い。
【0052】
上記動力装置9は、特に図示しないが、以上説明してきた各機器の駆動装置の動力源としてのエンジン、このエンジンにより駆動する少なくとも1つの油圧ポンプ、この油圧ポンプから各機器の駆動装置に供給される圧油を制御する複数のコントロールバルブ等を備えたもので、本体フレーム10の長手方向他方側(図4中右側)端部に支持部材38を介して支持されている。
【0053】
以上の構成の脱水ケーキ減容化処理機械1Aからの処理土は、続いて上記固化処理機械1Bに供給されるようになっている。この固化処理機械1Bは、上記篩装置3及び薬液供給装置6が省略されている点を除いて上記脱水ケーキ減容化処理機械1Aとほぼ同様の構成であるため、脱水ケーキ減容化処理機械1Aと同様の部分には、図4にて同様の符号を付し説明を省略する。なお、脱水ケーキ減容化処理機械1Aの構成では説明を省略したが、脱水ケーキ減容化処理機械1A、固化処理機械1B共に添加材供給装置39を備えている。
【0054】
本実施の形態において、添加材供給装置39は、脱水ケーキを減容化する限りにおいては特に使用する必要はないが、処理土のハンドリング性確保、有害物質の不溶化等が要求される場合には、処理土に添加材(例えば、石灰系固化材、セメント系固化材、フライアッシュ、クリンカアッシュ、消石灰等のうちいずれか又は組合せたもの)を添加混合する。
【0055】
添加材供給装置39は、略円筒形の添加材の貯留タンク40と、この貯留タンク40内の添加材を下方に導出するフィーダ41とで構成されている。また、貯留タンク40は、有底筒形の下部タンク部42と、その上部に連接した蛇腹状の上部タンク部43と、そのさらに上部に蓋をするように設けた天板部44とで構成されている。これにより、例えば稼動時等には蛇腹状の上部タンク部43を伸ばして貯留タンク40の内部容積を十分確保し(図4に示す状態とし)、輸送時等には上部タンク部43を縮め、脱水ケーキ減容化処理機械1A、固化処理機械1Bをトレーラ等で輸送する際、全高が輸送制限をクリアする高さまで低くなるようになっている。また、上記下部タンク部42内の底部には、図示しない切出し手段が設けられており、この切出し手段により貯留タンク40内の添加材が、円滑にフィーダ41に切り出されるようになっている。
【0056】
上記フィーダ41はいわゆるロータリフィーダで、繁雑防止のため特に図示しないが、回転軸に複数の隔壁を放射状に突設したロータを内蔵しており、貯留タンク40から各隔壁間の空間に導入された添加材を、搬送コンベア5上の搬送脱水ケーキに順次添加するようになっている(図6も参照)。なお、本実施の形態においては、このフィーダ41をロータリフィーダとしたが、これに限られずスクリューフィーダとしても良い。
【0057】
以上の構成の本実施の形態の脱水ケーキ減容化処理機械において、例えば油圧ショベル等で掘削した脱水ケーキを、脱水ケーキ減容化処理機械1Aの篩装置3(図5参照)に投入すると、石等が格子部材15(図5参照)で除去され、格子部材15を通過した成分が下方のホッパ4へと導入される。このとき、格子部材15が振動することにより、格子部材15の目より大きな土塊は跳ね上げられ、格子部材15上に再び落下する。こうした動作を繰り返すことにより、その際の衝撃や格子部材15の網(またはブレードでも良い)のエッジ効果により土塊が解砕され、格子15の目よりも小さくなった場合、ホッパ4へ導入される。なお、この分級の際、必要があれば、脱水ケーキの付着による格子15の目詰まり防止のため、後の図8に示すように、接続管路32aから分岐した加水管路32aaにより貯留タンク29a中の水を散水する。
【0058】
図8は、本実施の形態の脱水ケーキ減容化処理機械において、一連の処理に係わる部分を抽出して表す図である。この図8に示すように、ホッパ4で受け入れられた脱水ケーキは、ホッパ4内に設けられたアーチブレーカ18によって解砕されつつ、その下方の搬送コンベア5上に載置される。
【0059】
搬送コンベア5上に載置された脱水ケーキは後方側へと搬送され、開口4a(図6参照)を介してホッパ4外に切り出される。その後、この脱水ケーキには、搬送コンベア5から混合装置7に向かって放出される際、上記薬液供給装置6により、薬液(本例では塩化第二鉄)が供給される。混合装置7へ導入された脱水ケーキは、共に導入された薬液と混合装置7内で均一に攪拌混合される。そして、減容化処理されて(厳密には、この時点では土粒子の粒子間結合が解かれた状態で、減容はその後の水分蒸発により為される)処理土として導出され、排出コンベア8により機外に搬送される。
【0060】
この処理土は、状態にもよるが、その後、減容して最終処分場に廃棄するに際し、特に強度改良や有害物質の不溶化の必要がなければ、そのまま、風乾等の自然乾燥、又は加熱や減圧による強制乾燥による乾燥処理に供される。強度改良や不溶化の処理が必要な場合、薬液に加え、添加材を供給する。
【0061】
処理土に強度改良や不溶化の処理を施す場合、脱水ケーキ減容化処理機械1Aから供給された処理土は、固化処理機械1Bのホッパ4で受け入れられ、その中でアーチブレーカ18によって攪拌されつつ、搬送コンベア5上に載置される。搬送コンベア5上に載置された処理土は、ホッパ4から後方側へと搬送され、搬送コンベア5の搬送方向下流側端部近傍にて、添加材供給装置39からの添加材を供給される。こうして搬送コンベア5上の処理土は、供給された添加材と共に混合装置7に導入され、これら処理土及び添加材は、混合装置7内で均一に攪拌混合され、最終的に排出コンベア8を介して機外に排出され、上記したように乾燥処理される。
【0062】
なお、以上において、添加材の添加混合のために、脱水ケーキ減容化処理機械1Aからの処理土を固化処理機械1Bに供給した例を説明したが、上記減容化処理過程において、脱水ケーキ減容化処理機械1A側に設けた添加材供給装置39により、混合装置7に供給される脱水ケーキに対し薬液と同時に添加材を供給し、脱水ケーキ減容化処理機械1A側の混合装置7にて混合するようにしても良い。
【0063】
本実施の形態の脱水ケーキ減容化処理機械によれば、前述した通り、混合する水溶液中に含まれる二価又は三価の鉄イオンの作用により、脱水ケーキを形成している塊状粒子の粒子間結合を解くことができ、塊状粒子中に封じ込められた水分を開放し蒸発し易い状態とすることができるので、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを効果的かつ迅速に減容し、これを廃棄する最終処分場を延命することができる。また、脱水ケーキに含まれる第二種特定有害物質が砒素の場合、砒素の不溶化の効果もある程度期待できる。また、添加材を混合した場合、有害物質の不溶化反応を促進することができ、また強度改良によりハンドリング性も向上し、安全かつ容易に取扱うことができる。
【0064】
また、本実施の形態の脱水ケーキ減容化処理機械は、コンパクトにユニット化され、作業現場内での移動も容易である。更に、横軸型パドルミキサを備えた混合装置7によって、連続処理が可能となり、高い作業効率を確保することができる。更に、コンパクトにユニット化されているため、狭い作業スペースを有効に利用することができる。
【0065】
また、処理対象となる脱水ケーキは、第二種特定有害物質を含んでいるため、処理中、その脱水ケーキがこぼれると、有害物質の拡散を招く危険性があるが、脱水ケーキ減容化処理機械1A、固化処理機械1Bともにユニット化されているので、例えば、既存の油圧ショベルやコンベア、ミキサ等を組合せて同様の処理を行う場合に比し、特に装置間搬送の際の脱水ケーキのこぼれを低減させることができる。また、コンパクトに各装置が集約されているため、機体各所をカバーすることも容易で、確実に脱水ケーキのこぼれを防止できる。
【0066】
また、機械を輸送するにしても、あり合わせの装置を組合せたものでは、各装置をトレーラ等に対して積み降ろさなければならない。そのため、各装置の積み下ろしの際に脱水ケーキがこぼれ易いが、本実施の形態においては、脱水ケーキ減容化処理機械1A、固化処理機械1Bをユニット単位で積み降ろすことができるので、各装置を個々に積み下ろさなければならない場合に比べ、輸送時の脱水ケーキの飛散の可能性を低減することができる。
【0067】
図9は、本発明の脱水ケーキ減容化処理機械の他の実施の形態が構成する脱水ケーキ減容化処理システムの全体配置を表す側面図である。なお、繁雑防止のため、この図9において、上記ポンプユニット28は図示省略している。この図9において、100は脱水ケーキの供給手段としての油圧ショベル、200は受け入れた脱水ケーキを減容化する脱水ケーキ減容化処理機械、300はこの脱水ケーキ減容化処理機械200からの処理土を不溶化及び固化処理する固化処理機械である。
【0068】
油圧ショベル100は自走式のもので、無限軌道履帯101を備えた走行装置102と、この走行装置102の上部に旋回可能に設けられた旋回体103と、この旋回体103に回動自在に接続された多関節型のフロント装置(ブーム104、アーム105、バケット106)とを備えている。このような構成により、油圧ショベル100は、有害物質を含む脱水ケーキをバケット106内にすくい込んで、脱水ケーキ減容化処理機械200に供給するようになっている。
【0069】
上記脱水ケーキ減容化処理機械200及び固化処理機械300は、主要な構成は、それぞれ前述の脱水ケーキ減容化処理機械1A及び固化処理機械1Bと同様であり、図9において、それぞれ先の脱水ケーキ減容化処理機械1A、固化処理機械1Bと同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0070】
脱水ケーキ減容化処理機械200及び固化処理機械300は、概略するとそれぞれ上記脱水ケーキ減容化処理機械1A及び固化処理機械1Bの本体フレーム10下部に走行装置45を備えたものである。この走行装置45は、本体フレーム10の下部に連設したトラックフレーム46と、このトラックフレーム46の両端に設けた従動輪(アイドラ)47及び駆動輪48と、これら従動輪47及び駆動輪48に掛け回した無限軌道履帯49と、駆動輪48に直結した駆動装置50とで構成されている。これにより、脱水ケーキ減容化処理機械200及び固化処理機械300は、それぞれ上記脱水ケーキ減容化処理機械1A及び固化処理機械1Bと同様の機能を有すると共に、自力走行可能な構成となっている。
【0071】
上記構成の本実施の形態の脱水ケーキ減容化処理システムにおいては、まず油圧ショベル100により、脱水ケーキが脱水ケーキ減容化処理機械200の篩装置3に投入される。篩装置3に投入された脱水ケーキは、ホッパ4に導かれ、前述した一実施の形態と同様、アーチブレーカ18(図5参照)により攪拌され、搬送コンベア5を介し混合装置7に導入され、薬液供給装置6(図8参照)からの薬液とともに、混合装置7に導入される。そして、脱水ケーキ及び薬液は混合装置7内で均一に混合され、処理土として排出コンベア8を介して機外に搬出される。
【0072】
処理土の強度改良又は不溶化の処理が必要な場合、脱水ケーキ減容化処理機械200からの処理土は、固化処理機械300のホッパ4に受け入れられ、搬送コンベア5によって、添加材供給装置39からの添加材とともに、混合装置7に導入される。混合装置7内に導入された処理土及び添加材は、パドルミキサにより均一に攪拌混合され、排出コンベア8上に排出される。そして、排出コンベア8上の処理土は、最終的に機外に排出され、例えば所定の集積位置に集積され、乾燥処理を施される。
【0073】
本実施の形態においては、上記同様の効果に加え、システムを構成する油圧ショベル100、脱水ケーキ減容化処理機械200、固化処理機械300が、自力走行可能であるため、現場内でのレイアウト変更に柔軟に対応でき、またクレーン等の特別な設備を要さずに自力でトレーラ等への積み下ろしを行うことができる。
【0074】
なお、本実施の形態において、脱水ケーキ減容化処理機械200に脱水ケーキを供給する手段として、油圧ショベル100を用いたが、例えばベルトコンベア、スクリューコンベア等としても構わない。この場合、ホッパ等の貯留手段を備え、所定量の脱水ケーキを貯留し、この脱水ケーキを連続的に搬送することができる構成とすることが好ましい。
【0075】
図10は、本発明の脱水ケーキ減容化処理機械を用いた減容化処理システムの一変形例の全体配置を表す側面図である。この図10において、繁雑防止のため上記ポンプユニット28は図示省略すると共に、先の図9と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。この図10において、250は処理土供給装置で、この処理土供給装置250は、脱水ケーキ減容化処理機械200から処理土を受け入れ一時貯留する貯留容器としてのホッパ251と、このホッパ251内の処理土を固化処理機械300に供給する供給手段としてのコンベア252とを有している。253は上記ホッパ251に備えられたアーチブレーカ、254はコンベア252を支持する支持部材である。
【0076】
本変形例において、この処理土供給装置250は、定置式の設備としたが、支持部材254に代えてコンベア252の下部を車体(走行装置)で支持した公知の自走式コンベアにアーチブレーカ253付きのホッパ251を備えたものとしても良い。また、コンベア252を、ベルトコンベアに代えて、スクリューコンベア等で構成しても良い。本変形例は、処理土供給装置250を脱水ケーキ減容化処理機械200及び固化処理機械300の間に新たに配置した点以外は、図9に示した脱水ケーキ減容化処理システムと同様である。
【0077】
本変形例においては、図9のシステムと同様の効果を得ると共に、処理土供給装置250の追加により、脱水ケーキ減容化処理機械200からの処理土を更に攪拌し、脱水ケーキと薬液とを均一に混合することができ、土粒子間結合を更に確実に破断することができる。また、これに加えて、脱水ケーキ減容化処理機械200から固化処理機械300までの処理土の移動時間を確保することができ、より確実に脱水ケーキ中の土粒子間結合を破断することができる。
【0078】
なお、本変形例において、処理土供給装置250は、ホッパ251にアーチブレーカ253を備えるものとしたが、滞留時間を確保する限りにおいては、ホッパ251には必ずしもアーチブレーカ253は必要ない。また、このように滞留時間を確保する場合、以上の各例において、混合装置7の作動状態を調整することにより、滞留時間を確保することも考えられる。例えば、単に混合装置7のパドルミキサの駆動速度を適度に遅くすることも考えられるし、パドルミキサを適宜正転・逆転させ、適宜処理土を逆送りすることにより、混合装置7内で滞留時間を確保することもできる。更に、パドルミキサに多数設けられたパドルのうち、適当数のものを、処理土が逆送りされるよう傾斜させて取付けたり、混合装置7の出口付近に堰を設ける、或いは出口開口面積を小さくする等、混合装置7を適宜構成しても良い。また、処理量が比較的少ない現場にあっては、連続処理を行わず、バッチ式で処理し、適宜養生したり、混合装置7の図示しない出口を閉止して更に十分に攪拌混合することもできる。これらの場合も同様の効果を得る。
【0079】
なお、以上において、脱水ケーキに含まれる第二種特定有害物質として、特に砒素を例に挙げたが、その他の第二種特定有害物質に指定された重金属等、例えばカドミウム及びその他化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、水銀及びその他化合物、セレン及びその他化合物、砒素の化合物、ふっ素及びその化合物、ほう素及びその化合物が、含まれた脱水ケーキに対しても、本発明は適用可能であり、同様の効果を得る。
【0080】
また、脱水ケーキの例として浄水場から発生した脱水ケーキを例に挙げたが、これにも限られず、例えば砕石工場における洗浄工程の排水から作られる脱水ケーキや、その他、浚渫汚泥、建設汚泥、油の浮遊する港湾内の海水等から作られた脱水ケーキ等を始め、いわゆる脱水ケーキ全般に対し、本発明は適用可能であり、同様の効果を得る。
【0081】
更に、上記の図9及び図10において、各走行装置45,102を、無限軌道履帯49,101を備えたいわゆるクローラ式のものとしたが、これに限られず、いわゆるホイール式の走行装置としても良い。更に、本発明の基本的作用として脱水ケーキ中の土粒子間結合を破断する限りにおいては、脱水ケーキに薬液(二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液)を混合すれば足りるので、これを実施するための装置としては、混合装置のみを配置して、混合装置に直接脱水ケーキ及び薬液を供給し、攪拌混合する構成としても良い。混合は、前述したように連続処理でも良いし、バッチ処理でも構わない。これらの場合も同様の効果を得る。
【0082】
また、混合装置7は、パドル式のものとしたが、これに限らず、例えばスクリューにより混合するもの等、他の構成の混合装置を適用しても良い。また、脱水ケーキ減容化処理機械1A,200等は、篩装置3、あおり17を備えるものとしたが必ずしも必要ない。逆に固化処理機械1B,300等は、それらを設けない構成としたが、篩装置3、あおり17を設けても良い。これらの場合も同様の効果を得る。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、混合する水溶液中に含まれる二価又は三価の鉄イオンの作用により、脱水ケーキを形成している塊状粒子の粒子間結合を解き、塊状粒子中に封じ込められた水分を開放して、自由水とともに蒸発し易い状態とすることができる。よって、第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを効果的に減容し、これを廃棄する最終処分場を延命することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱水ケーキ減容化処理方法の一実施の形態の適用対象である脱水ケーキ構造を模式的に表した図である。
【図2】本発明の脱水ケーキ減容化処理方法の一実施の形態を適用後の脱水ケーキ構造を模式的に表した図である。
【図3】本発明の脱水ケーキ減容化処理方法の他の実施の形態を適用後の脱水ケーキ構造を模式的に表した図である。
【図4】本発明の脱水ケーキ減容化処理機械の一実施の形態の全体構造を表す側面図である。
【図5】本発明の脱水ケーキ減容化処理機械の一実施の形態に備えられた篩装置及びホッパ近傍の詳細構造を表す側面図である。
【図6】本発明の脱水ケーキ減容化処理機械の一実施の形態に備えられた搬送コンベアの下流側近傍の詳細構造を表す図である。
【図7】本発明の脱水ケーキ減容化処理機械の一実施の形態に備えられた薬液供給装置の供給管の構造を表す図である。
【図8】本発明の脱水ケーキ減容化処理機械の一実施の形態における一連の処理に係わる部分を抽出して表す図である。
【図9】本発明の脱水ケーキ減容化処理機械の他の実施の形態を用いた脱水ケーキ減容化処理システムの全体配置を表す側面図である。
【図10】本発明の脱水ケーキ減容化処理機械を用いた減容化処理システムの一変形例の全体配置を表す側面図である。
【符号の説明】
1A 脱水ケーキ減容化処理機械
4 ホッパ
6 薬液供給装置
7 混合装置
8 排出コンベア
9 動力装置
39 添加材供給装置
200 脱水ケーキ減容化処理機械
502 土粒子
504 封止水(水分)
505 水溶液
506 添加材

Claims (11)

  1. 第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合することを特徴とする脱水ケーキ減容化処理方法。
  2. 第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合する手順と、
    前記水溶液と混合した脱水ケーキを乾燥させる手順と
    を有することを特徴とする脱水ケーキ減容化処理方法。
  3. 砒素を含有した脱水ケーキを、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合する手順と、
    前記水溶液と混合した脱水ケーキを乾燥させる手順と
    を有することを特徴とする脱水ケーキ減容化処理方法。
  4. 前記二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液は、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄のうち少なくとも一種の粉末を溶解した水溶液であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の脱水ケーキ減容化処理方法。
  5. 前記脱水ケーキを乾燥させる手順は、自然乾燥又は強制乾燥により、前記水溶液と混合した脱水ケーキを乾燥させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の脱水ケーキ減容化処理方法。
  6. 前記水溶液と混合した脱水ケーキを、石灰系固化材、セメント系固化材、フライアッシュ、クリンカアッシュ、消石灰のうち少なくとも一種からなる添加材と混合することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の脱水ケーキ減容化処理方法。
  7. 第二種特定有害物質を含有する脱水ケーキ中にあって、多数結合し水分を包囲している土粒子間の結合を解くことを特徴とする脱水ケーキ減容化処理方法。
  8. 第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを、二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合する混合装置を備えたことを特徴とする脱水ケーキ減容化処理機械。
  9. 第二種特定有害物質を含有する脱水ケーキを二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液とともに混合し、多数結合し水分を包囲している土粒子間の結合を解く混合装置を備えたことを特徴とする脱水ケーキ減容化処理機械。
  10. 第二種特定有害物質を含有した脱水ケーキを受け入れるホッパと、
    二価又は三価の鉄イオンを含む水溶液を供給する薬液供給装置と、
    前記ホッパに受け入れた脱水ケーキを、前記薬液供給装置から供給された前記水溶液とともに混合し、多数結合することにより水分を包囲している土粒子間の結合を解く混合装置と、
    この混合装置からの処理土を機外に排出する排出コンベアと、
    これら各機器を駆動する動力装置と
    を備えたことを特徴とする脱水ケーキ減容化処理機械。
  11. 石灰系固化材、セメント系固化材、フライアッシュ、クリンカアッシュ、消石灰のうち少なくとも一種からなる添加材を、前記脱水ケーキに添加する添加材供給装置を更に備えたことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の脱水ケーキ減容化処理機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016097380A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 清水建設株式会社 ヒ素不溶化方法
KR101887416B1 (ko) * 2016-05-12 2018-08-10 에스이에스티 주식회사 가축 분뇨의 탈수 장치 및 그 탈수 방법

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