JP2003010900A - 汚泥処理方法および汚泥処理システムならびに汚泥改良装置 - Google Patents

汚泥処理方法および汚泥処理システムならびに汚泥改良装置

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JP2003010900A
JP2003010900A JP2001200060A JP2001200060A JP2003010900A JP 2003010900 A JP2003010900 A JP 2003010900A JP 2001200060 A JP2001200060 A JP 2001200060A JP 2001200060 A JP2001200060 A JP 2001200060A JP 2003010900 A JP2003010900 A JP 2003010900A
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sludge
water
coagulation
treatment
mixing
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Shigeo Sato
繁雄 佐藤
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Taiyo Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱水後の汚泥の含水比を改良目的に応じて約
20〜80%程度まで低下させて汚泥総量を減少させる
ことができるため、運搬費の削減や汚泥改良費の削減、
改良汚泥の利用分野の多様化および環境対策効果を発揮
することができる汚泥処理方法および汚泥処理システム
ならびに汚泥改良装置を提供すること。 【解決手段】 凝集処理の前に汚泥を含水比500〜1
000%の汚水状態となるように加水し、前記凝集処理
の際に前記汚水状態の汚泥に吸着型凝集材を混入して乱
流を発生させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は汚泥処理方法および
汚泥処理システムならびに汚泥改良装置に係り、特に、
浚渫汚泥や建設残土等のごとく含水比を減少させにくい
汚泥の脱水処理や改良処理に好適な汚泥処理方法および
汚泥処理システムならびに汚泥改良装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から河川の流路を拡げたり、航路の
水深を増したり、また埋め立てのための土砂の採取を目
的として水底の土砂をさらう浚渫工事が盛んに行われて
いる。また、建設現場では大量の建設残土が生じるが改
良処理を施さなければ現場から持ち出すことが禁じられ
ている。近年ではこれらの浚渫汚泥や建設残土が増加
し、その受け入れ先やコストの増大が問題となってい
る。このような汚泥の処理は、一般に汚泥にセメントや
生石灰またはその他のセメント系安定剤を混入し、加圧
処理した後に造粒して埋め立て用として利用されるよう
になっていた。
【0003】しかし、前述した汚泥は、含水比が100
〜200%であるため、汚泥自体の量に比べて水分が多
く、十分な強度をもつ改良汚泥にするには大量のコンク
リートを混入しなければならず改良費用がかさむという
問題があった。また、含水比が100〜200%の汚泥
は、粘性が非常に高いため、コンクリートを混入して撹
拌しても容易に混ざらない。このため改良に多くの時間
を要するし、乾燥にも時間がかかる。
【0004】このような汚泥の高い粘性が、高圧ポンプ
による打設効率が悪いことや水セメント比が大きくなる
ことによる砕石強度の低下を解消するために、特開平6
−106193号公報には、加圧、脱水の段階で生じた
濾水を粘性度の溶解選別工程に戻して加水するようにし
た発明が記載されている。これによれば、粘性土の含水
比を250〜300%程度のスラリーにして打設効率を
上げるようにしても生産される砕石強度が低下せず、脱
水時間も3〜5分程度長くなる程度であり、処理費用の
節約につながるとのことである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
公報記載の汚泥処理システムにおいては、加水により含
水比を250〜300%程度にすることで高圧ポンプに
多少スムーズに吸引されるなどの効果が生じるものの、
その他の粘性の問題、例えば、コンクリートを大量に必
要とする点や混ざりにくいために強度にムラがある点等
の問題を解消することはできていない。
【0006】また、従来の汚泥処理システムでは、脱水
処理後であっても汚泥の含水比が120%〜200%ま
でしか減少させられなかったため、汚泥総量が多く、工
事現場外にダンプで運搬する場合の運搬費が高かった。
【0007】一方、環境の面から見ても、ダンプによる
運搬回数が多ければそれだけダンプ公害の問題が生じる
し、廃棄物処理場が不足する事態になる。
【0008】また、従来の汚泥処理システムでは、凝集
材を汚泥に混入させて水分と固形物を分離させる凝集処
理を行い、その後の脱水処理が施される場合もある。し
かし、使用される凝集材が高分子凝集材や無機系凝集材
を添加した凝集材であったため、凝集物と水分とを一旦
分離しても容易に汚泥化してしまうという問題があっ
た。
【0009】本発明は、このような問題点のうち少なく
とも一つの問題を解決するためになされたもので、脱水
後の汚泥の含水比を改良目的に応じて約20〜80%程
度まで低下させて汚泥総量を減少させることができるた
め、運搬費の削減や汚泥改良費の削減、改良汚泥の利用
分野の多様化および環境対策効果を発揮することができ
る汚泥処理方法および汚泥処理システムならびに汚泥改
良装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
汚泥処理方法の特徴は、凝集処理の前に汚泥を含水比5
00〜1000%の汚水状態となるように加水し、前記
凝集処理の際に前記汚水状態の汚泥に吸着型凝集材を混
入して乱流を発生させるようにした点にある。
【0011】そして、このような方法を採用したことに
より、汚泥を凝集処理前に含水比500〜1000%の
汚水状態にすることで粘性を除去し凝集装置での撹拌を
容易にし、吸着型凝集材による汚泥の吸着および凝集処
理を促進させる乱流を発生させやすくなる。
【0012】また、請求項2に係る汚泥処理システムの
特徴は、凝集装置は、吸着型凝集材を混入する凝集材混
入手段と、約2m/s〜2.5m/sの乱流を発生させ
る乱流発生手段とを備えている点にある。
【0013】そして、このような構成を採用したことに
より、凝集材混入手段が吸着型凝集材を混入するととも
に、乱流発生手段が約2m/s〜2.5m/sの乱流を
発生させるため、汚水状態の汚泥を吸着型凝集材によっ
て容易に吸着凝集することができ、迅速に凝集しかつ壊
れにくい凝集物を形成することができる。
【0014】また、請求項3に係る汚泥処理システムの
特徴は、請求項2において、前記凝集装置に凝集処理後
の汚泥をオーバーフローさせる凝集用堰を設けるととも
に、凝集後に沈降する凝集物を上昇させるための上昇水
流を発生させる上昇水流発生手段を備えている点にあ
る。
【0015】そして、このような構成を採用したことに
より、凝集用堰により汚水状態の汚泥を堰き止めて、汚
泥と吸着型凝集材とが混合し凝集する時間およびスペー
スを確保するとともに、上昇水流発生手段が沈降する凝
集物を上昇させることにより凝集物を凝集用堰からオー
バーフローさせることができ、次の処理段階へ移送させ
ることができる。
【0016】また、請求項4に係る汚泥処理システムの
特徴は、請求項3において、前記乱流発生手段および前
記上昇水流発生手段として、水平に対して約30〜45
度の傾斜角に形成されたスクリュー羽根を約120rp
m〜300rpmの回転数で回転させる攪拌機を設けた
点にある。
【0017】そして、このような構成を採用したことに
より、スクリュー羽根が約120rpm〜300rpm
の回転数で回転することで汚泥が吸着型凝集材によって
凝集するのに適当な乱流を発生させることができ、スク
リュー羽根が水平に対して約30〜45度の傾斜角に形
成されていることで、上昇水流を発生させることがで
き、沈降する凝集物を上昇させて凝集用堰からオーバー
フローさせられる。
【0018】また、請求項5に係る汚泥処理システムの
特徴は、請求項2から請求項4のいずれか1項におい
て、凝集装置による凝集処理前に、汚泥を含水比500
〜1000%の汚水状態にする前処理装置を有する点に
ある。
【0019】そして、このような構成を採用したことに
より、前処理装置が凝集処理前に汚泥を含水比500〜
1000%の汚水状態にすることで、汚泥の粘性を除去
し、吸着型凝集材を使用する凝集処理を促進させること
ができる。
【0020】また、請求項6に係る汚泥処理システムの
特徴は、請求項5において、前記前処理装置は、汚泥を
投入する汚泥投入手段と、水を加える加水手段と、汚泥
と水とを混合撹拌する混合撹拌手段とを有する点にあ
る。
【0021】そして、このような構成を採用したことに
より、汚泥投入手段により投入された汚泥と加水手段に
より加えられた水とを混合撹拌手段によって混合撹拌
し、汚泥を汚水状態にする。これにより迅速確実に汚泥
の汚水化処理を施すことができる。
【0022】また、請求項7に係る汚泥処理システムの
特徴は、請求項6において、前記混合撹拌手段は、前記
汚泥投入手段から投入される汚泥の落下位置に配置され
た混合前撹拌部と、この混合前撹拌部により撹拌された
後の汚泥と水とを軸方向に移動させつつ混合撹拌する汚
水化混合撹拌部とを有する点にある。
【0023】そして、このような構成を採用したことに
より、混合前撹拌部が投入された汚泥の落下位置に配置
されているため水と合流される前から撹拌を開始するこ
とができスムーズに水と混合を開始することができると
ともに、汚水化混合撹拌部が混合された汚泥と水とをさ
らに強力に撹拌して汚水化処理を施し、さらに軸方向に
移動させることで次の凝集処理装置へ滞りなく移送する
ことができる。
【0024】また、請求項8に係る汚泥処理システムの
特徴は、請求項6または請求項7において、前記汚泥投
入手段には、投入される汚泥中の不要物を除去するため
の防護網が投入口近傍に設置されているとともに、出口
近傍に汚泥を投入前から撹拌する投入前撹拌部が配置さ
れている点にある。
【0025】そして、このような構成を採用したことに
より、防護網が汚泥中の不発弾やゴミ等を除去するとと
もに、投入前撹拌部によって粘性の高い汚泥を投入しや
すいように撹拌される。
【0026】また、請求項9に係る汚泥改良装置の特徴
は、脱水装置により脱水した後の汚泥を投入する脱水汚
泥投入手段と、脱水汚泥を改良するための改良材水溶液
を噴射するための改良材水溶液噴射手段と、脱水汚泥と
改良材水溶液とを混合するための改良材混合撹拌手段と
を備えた点にある。
【0027】そして、このような構成を採用したことに
より、脱水汚泥投入手段により投入された汚泥に対し、
改良材水溶液噴射手段から改良材水溶液が噴射され、こ
れらを改良材混合撹拌手段によって混合し、改良汚泥を
順次形成するようになっている。
【0028】また、請求項10に係る汚泥改良装置の特
徴は、請求項9において、前記改良材水溶液噴射手段
は、改良材の水溶液を収容する改良材水溶液タンクと、
この改良材水溶液タンクに連結されて改良材水溶液を供
給する噴射ポンプと、この噴射ポンプに連結された噴射
ノズルとから構成されている点にある。
【0029】そして、このような構成を採用したことに
より、改良材水溶液タンク内に収容された改良材水溶液
を噴射ポンプによって自動的に適量を抽出し、噴射ノズ
ルから噴射することで脱水汚泥全体にまんべんなく改良
材水溶液を混入させることができる。
【0030】また、請求項11に係る汚泥処理システム
の特徴は、請求項1から請求項8のいずれか1項におい
て、脱水装置による脱水後の汚泥を改良処理するために
請求項9および請求項10に記載の汚泥改良装置をさら
に有する点にある。
【0031】そして、このような構成を採用したことに
より、汚泥の汚水化処理、凝集処理、脱水処理に加えて
汚泥を多様的に再利用可能にする汚泥改良処理まで行う
ことができ、リサイクルシステムを完成させることがで
きる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る汚泥処理方法
および汚泥処理システムならびに汚泥改良装置の実施形
態の一例を図面を用いて説明する。
【0033】図1は、本実施形態の汚泥処理システム1
の概略構成図である。本実施形態は、浚渫汚泥を処理し
て改良汚泥として再利用できるようにする汚泥処理シス
テム1であり、汚泥に加水して含水比を増加させて汚水
状態にする前処理装置2と、汚水状態の汚泥に吸着型凝
集材を混入撹拌して汚泥を凝集分離させる凝集沈殿装置
3と、凝集された汚泥を脱水して固形状態にする脱水装
置4と、固形状態の脱水汚泥にセメントあるいは改良材
を混入して再利用可能にする汚泥改良装置5とから構成
されている。
【0034】これら各構成装置についてより具体的に説
明する。前処理装置2は、図2に示すように、汚泥に水
を加えて含水比を増加させ、汚泥の粘性を減少させるた
めの装置である。この前処理装置2は、主として、汚泥
および水を収容する前処理タンク21と、この前処理タ
ンク21の上部に配置されて汚泥を投入する汚泥用ホッ
パー22と、汲み上げた水を前記前処理タンク21内に
流入させるための加水口23と、前処理タンク21内に
投入された汚泥を直ちに撹拌しながら水を加えて混合さ
せる混合前攪拌機24と、さらに汚泥と水とを強力に撹
拌して汚水状態にする汚水化混合攪拌機25とを備えて
いる。
【0035】前記汚泥用ホッパー22は、図3に示すよ
うに、大きく開口された上部の投入口に防護網22aが
張られており、不発弾やゴミ等の不要物を除去するよう
になっている。また、この防護網22aの下方は、漏斗
状に形成されて汚泥を下方へ導くようになっている。そ
して、汚泥用ホッパー22の出口には、螺旋形状の羽根
22cを備えた投入用攪拌機22bが配置されており、
粘性の高い汚泥を静止させることなくより強制的に下方
へ導いて前処理タンク21内に投入するようになってい
る。
【0036】また、前記加水口23には、ホース等を介
して図示しない加水ポンプが連結されている。なお、水
は、港湾浚渫であれば海水が用いられ、河川であれば河
川の淡水が用いられる。
【0037】また、前記混合前攪拌機24は、鉄製のセ
ラミックコーティングしたドリル式回転羽根24aを備
えており、汚泥用ホッパー22から投入される汚泥の落
下地点に配置されている。このため、投入後の汚泥を直
ちにドリル式回転羽根24aにより受け取り、汚泥が水
と混合してしまう前から撹拌を開始して汚泥が沈殿する
のを防止するとともに、水と混合しやすくしている。ま
た、混合前攪拌機24の近傍には、前処理用堰26が配
置されており、この前処理用堰26で堰き止められる汚
泥と水とを前記ドリル式回転羽根24aにより、さらに
撹拌混合するようになっている。そして、混合された汚
泥および水は、前処理用堰26から順次オーバーフロー
されることにより、隣設されている汚水化混合攪拌機2
5へと流される。
【0038】汚水化混合攪拌機25には、汚水化回転軸
25bに沿って大きな螺旋形状の汚水化螺旋羽根25a
が形成されており、この汚水化螺旋羽根25aによって
汚泥と水とを撹拌しつつ軸方向に移動させるようになっ
ている。この撹拌により汚泥と水とが完全に汚水化され
る。また、前処理タンク21の底部には、汚水通路27
が設けられており、この汚水通路27の入口が、前記汚
水化回転軸25bの終端部下方に形成されている。汚水
通路27の入口と出口にはそれぞれゴミ取網28が取り
付けられている。さらに汚水通路27の出口にはサンド
ポンプ29が配置されていて汚水化された汚泥を次の凝
集沈殿装置3へと汲み上げるようになっている。
【0039】つぎに、凝集沈殿装置3について図4およ
び図5を参照しつつ説明する。凝集沈殿装置3は、凝集
沈殿タンク31を有しており、この凝集沈殿タンク31
内のほぼ中央位置に凝集用堰32が配置され、この凝集
用堰32を境界として、汚泥投入側に汚泥の凝集処理を
行う凝集部3aと、凝集出口側に凝集後の汚泥を沈殿さ
せる沈殿部3bとに分けられている。前記凝集部3aに
おける凝集沈殿タンク31の上部には、凝集材を投入す
るための凝集用ホッパー33が取り付けられている。図
5に示すように、前記凝集用ホッパー33は、振動収容
部33aと定量投入部33bとから構成されている。振
動収容部33aは、凝集材を下方に導くように漏斗状に
形成されているとともに、保温機能を備え、さらに約1
分間に1回振動して凝集材が固まるのを防止するように
なっている。また、定量投入部33bは、インバーター
付きのロータリーバルブ33cにより構成されており、
粉体状の凝集材を一定量毎に排出するようになってい
る。本実施形態では、凝集材として吸着型凝集材を用い
ており、汚水1mに対して約0.5〜1kgの凝集材
を投入するようになっている。
【0040】ここで、本実施形態で使用される吸着型凝
集材について説明する。吸着型凝集材とは、吸着の働き
をしながらイオン交換凝集を行う凝集材のことであり、
多孔質粉末を主成分としている。本実施形態では、環境
に対する安全性やコスト面等から帆立貝等の貝殻を粉砕
した多孔質粉末を主成分とする吸着型凝集材を使用する
ようになっている。この吸着型凝集材は、吸着と凝集を
同時に行う点に特徴がある。多孔質部分に汚泥を次々に
吸着して凝集するため、凝集処理速度が速く、わずかな
投入量で効果を発揮する。つまり、従来の凝集材であれ
ば汚泥量の増加に比例して凝集材の投入量を増加させな
ければならなかったが、吸着型凝集材は吸着性を有する
ため、汚水の濃度に対する必要投入量の幅が狭く、一定
濃度までは凝集材の投入量を増やす必要はない。例え
ば、汚泥1t当たり吸着型凝集材500g程度でよい。
【0041】また、従来の凝集材が整流でなければなら
ないのに対し、吸着型凝集材は乱流の方がむしろ効率的
に処理が進められることから、流速を速くすることがで
きる。汚泥は吸着型凝集材の多孔質部分に吸着されるた
め凝集物が再び汚泥化してしまう、いわゆる再汚泥化現
象が起こりにくいという特徴を有する。例えば、従来の
凝集材であれば、凝集汚泥を絞ると泥水がしたたり落ち
るが、吸着型凝集材による凝集汚泥は透明な水がしたた
り落ちる。
【0042】さらに、多孔質商材のため凝集後の水分や
凝集物の臭いを抑制するという消臭効果を備えている。
しかも水切れが速く乾燥力に優れているため脱水が容易
であるし、貝殻等は無害であり水素イオン濃度であるp
Hが中性に近いため、汚水にpH変動の影響を与えな
い。
【0043】また、凝集沈殿タンク31には、前処理装
置2のサンドポンプ29と図示しない移送管等によって
連結される汚水投入口34が形成されている。この汚水
投入口34から投入される汚水は、凝集部3aにおいて
吸着型凝集材と混合される。凝集沈殿装置3の凝集部3
aでは、吸着型凝集材の混入された汚水が、約2m/s
〜2.5m/sの乱流を生じさせるようになっている。
流速は、装置の大きさや汚泥濃度等の条件により定まる
が、あまりに速すぎると凝集処理前に排出してしまうこ
とになる。乱流発生手段としては、各種の方法があり、
例えば、流入される汚水に対して邪魔板を置いたり、汚
水の流出口にスクリュー羽根35cを設けて乱流を生じ
ながら流出されるようにしてもよい。本実施形態では、
図4に示すように、撹拌することで乱流を発生させる凝
集攪拌機35が配置されている。この凝集攪拌機35に
は、凝集沈殿タンク31の底に撹拌モータ35aが配置
されており、この撹拌モータ35aの軸に凝集回転軸3
5bが連結されている。前記撹拌モータ35aは約12
0〜300rpm、より好ましくは150〜180rp
mの回転数で回転されて乱流を発生させるようになって
いる。あまりに速すぎると、汚泥がフロックを形成でき
ずに流出されてしまう。
【0044】また、前記凝集回転軸35bは、凝集沈殿
タンク31の上下部において軸受等により回動自在に支
持されている。前記凝集回転軸35bの下方位置には、
上下2枚のスクリュー羽根35cが取り付けられてい
る。凝集回転軸35bおよびスクリュー羽根35cの素
材はステンレスが用いられている。スクリュー羽根35
cの角度は、凝集後に沈降する凝集物を上昇させる上昇
水流が発生させられるような角度に形成されている。実
際には、タンクの形状や容量等の条件により決定される
が、通常、水平に対して約30〜45度程度に形成され
ており、下方に押し出すような力が発生するようにさ
れ、凝集物を舞い上げるようになっている。
【0045】続いて、凝集部3aにおいて凝集処理され
た凝集汚泥は、凝集用堰32からオーバーフローされて
隣設された沈降部に流れ込むようになっている。凝集用
堰32の沈降部側下方には、傾斜板36が設けられてお
り、凝集用堰32を越えて流れ込む凝集汚泥は傾斜板3
6に沿って沈降し、底部に設けられたサンドポンプ37
へと導かれるようになっている。
【0046】また、前記凝集沈殿装置3のサンドポンプ
37によって汲み上げられた凝集処理後の汚泥および水
は、脱水装置4へと搬送され脱水処理される。脱水装置
4は脱水タンク41内に一般的な脱水機能を備えてお
り、脱水汚泥と水とを分離するようになっている。分離
された水はサンドポンプ42により汲み取られてそのま
ま放流される。脱水後の水の性質は、吸着型凝集材が貝
殻を主成分とする中性であるため、一般の高分子凝集材
のようなpH変動がなく特に中性処理を施す必要はな
い。一方、脱水汚泥は、吸着型凝集材が水分を排出しや
すい性質を有するため、汚泥の含水比を20〜80%ま
で減少させられる。
【0047】なお、従来の汚泥処理システムでは、凝集
物の粘性が高く沈降すると固まってしまうため、脱水処
理を行う前に、汚泥沈降防止装置が配備されていた。し
かし、本実施形態における凝集物は粘性が小さいため、
沈降しても固まらずそのような汚泥沈降防止装置を配備
する必要はない。
【0048】つぎに、汚泥改良装置5について図6を参
照しつつ説明する。汚泥改良装置5は、脱水後の汚泥を
再利用できるように改良するものであり、主として、汚
泥改良タンク51と、脱水汚泥を汚泥改良タンク51内
に投入する改良用ホッパー52と、改良材を汚泥改良タ
ンク51に噴射する改良材水溶液噴射部53と、必要に
応じてセメントを投入するセメント投入部54と、脱水
汚泥と改良材あるいはセメントとを混合撹拌する改良材
混合攪拌機55とから構成されている。
【0049】前記改良用ホッパー52は、漏斗状に形成
されており、投入された脱水汚泥を順次下方へ導いて汚
泥改良タンク51内へ投入するようになっている。
【0050】また、改良材水溶液噴射部53は、改良材
水溶液を約2000リットル収容可能なポリエチレン製
の改良材水溶液タンク53aと、インバータを備えた噴
射目盛り付きの噴射ポンプ53bと、この噴射ポンプ5
3bに対し塩化ビニール樹脂管53cを介して取り付け
られた複数の噴射用シャワーノズル53dとから構成さ
れている。前記改良材水溶液噴射部53による噴射量
は、汚泥改良装置5の大きさにより異なるが1分間に2
0〜40リットルである。改良材としては、ビースター
(株式会社田口技術製作所製)を用いるようにし、緑化
用土や2次製品等の成型品を再生するようになってい
る。
【0051】また、セメント投入部54は、脱水汚泥を
覆土や盛り土に再生する際に用いられるようになってお
り、定量投入機能付きの漏斗状のセメント用ホッパー5
4aから構成されている。
【0052】また、改良材混合攪拌機55は、汚泥改良
タンク51の両端部において改良回転軸55aが回転自
在に支持されており、この改良回転軸55aには螺旋形
状の改良螺旋羽根55bが取り付けられている。この改
良螺旋羽根55bは、前記改良用ホッパー52から投入
された脱水汚泥および噴射用シャワーノズル53dから
噴射される改良材水溶液を混合撹拌しつつ出口方向へ移
送し、汚泥改良タンク51の出口に連結されたベルトコ
ンベア56上に乗せるようになっている。このような汚
泥改良装置5によれば、従来人手により改良材を投入し
ていた不便さを解消することができ、迅速確実に改良処
理を行うことができる。
【0053】なお、汚泥改良装置5は、本実施形態の汚
泥処理システム1の最終処理としてだけでなく、他の汚
泥処理システム1あるいは各種の汚泥を改良する装置と
して単独で使用することも可能である。
【0054】つぎに、本実施形態における汚泥処理シス
テム1の作用および汚泥処理方法について説明する。
【0055】汚泥用ホッパー22に投入された汚泥は、
防護網22aによって不発弾等が除去され編み目を通過
する。防護網22aを通過した汚泥は下方にある投入前
攪拌機の投入前螺旋羽根22cによって撹拌されつつ出
口から前処理タンク21内に投入される。投入後の汚泥
は、水と混合される前に混合前攪拌機24のドリル式回
転羽根24aに受け取られ撹拌が開始される。その後、
汚泥は順次海水等の水と混合され前処理用堰26で堰き
止められた状態で撹拌される。この1次撹拌を終える
と、前処理用堰26からオーバーフローされ、隣設され
ている汚水化混合攪拌機25へと移送される。汚泥およ
び水は、汚水化混合攪拌機25の汚水化螺旋羽根25a
によって撹拌されてつつ軸方向に移送され、最終的に含
水比が約700%の汚水状態にされる。汚水化された汚
泥は、ゴミ取網28を通過して汚水通路27に流れ込
み、さらに出口のゴミ取網28で濾されてサンドポンプ
29により汲み上げられる。
【0056】サンドポンプ29により汲み上げられた汚
水は、図示しない移送管を通って凝集沈殿装置3へと移
送され、汚水投入口34から凝集沈殿タンク31内へ投
入される。一方、凝集用ホッパー33では吸着型凝集材
を振動収容部33aにおいて固まらないように振動させ
つつ保持しており、汚水が投入されると、定量投入部3
3bから一定量の吸着型凝集材が投入される。汚水と吸
着型凝集材とは、凝集部3aにおいて混合され、凝集攪
拌機35によって撹拌される。この凝集攪拌機35が、
撹拌モータ35aを150rpmで回転させてると、ス
クリュー羽根35cが約2m/sの乱流を発生し、前記
吸着型凝集材が汚水中の汚泥を多孔質成分を利用して吸
着しながら凝集する。これにより汚泥は次々にフロック
を形成する。また、凝集された汚泥は、そのままでは沈
降するが、スクリュー羽根35cが水平に対して約30
〜45度程度に傾斜されているため、水を下方へ押し出
す力を汚水に付与して上昇水流を発生し、凝集物を舞い
上げる。凝集された汚泥は、凝集用堰32からオーバー
フローされて隣設された沈降部に流れ込み、傾斜板36
に沿って沈降し、底部に設けられたサンドポンプ37へ
と導かれる。前記凝集部3aでの凝集処理に要する時間
は10秒程度であり、凝集タンク31に投入されてから
排出されるまでの時間は60秒程度で済む。
【0057】凝集沈殿装置3のサンドポンプ37によっ
て汲み上げられた凝集処理後の汚泥および水は、脱水装
置4へと搬送され脱水処理される。この脱水処理により
発生した水はそのまま放流される。一方、脱水汚泥は、
改良目的に応じて含水比が20〜80%まで減少させら
れる。
【0058】脱水装置4により脱水された汚泥は、汚泥
改良装置5へと移送される。汚泥改良装置5では、脱水
汚泥が改良用ホッパー52に収容されて、順次、汚泥改
良タンク51内へ投入される。一方、改良材水溶液タン
ク53aに収容された改良材水溶液が、噴射ポンプ53
bの駆動により塩化ビニール樹脂管53cを通って各噴
射用シャワーノズル53dから噴射される。なお、盛り
土等の一般改良であれば、セメント投入部54からセメ
ントが投入される。そして、脱水汚泥と改良材は、改良
材混合攪拌機55の改良螺旋羽根55bによって混合撹
拌されることにより改良され、汚泥改良タンク51の出
口からベルトコンベア56に乗せられて搬出される。こ
のように改良された汚泥は、緑化用土や二次加工製品と
して利用される。
【0059】つぎに、本実施形態の汚泥処理システム1
による各種の実証試験結果について説明する。
【0060】図7は、従来の一般的な汚泥処理システム
との処理能力を比較した結果を示している。従来の汚泥
処理システムでは、圧送を行う場合に特殊ポンプを使用
するが、圧送できる程度まで粘性を落とす必要がある。
そのため、原汚泥に対し含水比を上げなければならな
い。このため、原汚泥量が100,000mであるの
に対し、従来の汚泥処理システムでは、脱水した後も十
分な脱水処理ができず、汚泥総量が変わらない。これに
対して、本実施形態の汚泥処理システム1は、70,0
00mとなり約3割削減された。また、凝集沈殿装置
3の1時間あたりの処理量や1mの汚水を1時間で処
理するのに必要な装置タンクの有効容積および凝集処理
時間をそれぞれ比較すると、処理能力差は約2倍である
ことがわかる。この差は汚泥改良時間にも影響を与える
ため、従来の汚泥処理システムでの汚泥改良時間は60
0秒/mであったのに対し、本実施形態では、420
秒/mとなった。
【0061】したがって、本実施形態によれば、凝集沈
殿処理が従来に比べて2倍程度速くなり、凝集沈殿装置
3の大きさを1/2に小さくすることも可能である。
【0062】つぎに、本実施形態の汚泥処理システム1
により改良された改良汚泥と、従来から一般的に行われ
ている汚泥を凝集・脱水処理せずに汚泥量に合わせてセ
メント等を混入することにより生成される改良汚泥とに
ついて一軸圧縮試験を行った。
【0063】試験方法は、JISA1216の「土の一
軸圧縮強度試験」に従った。なお、養生日数は3日、7
日、14日および28日とし、各日数経過時における強
度を測定した。
【0064】試験材料の配合内容としては、図8に示す
ように、本実施形態で処理した汚泥および処理しない汚
泥について、それぞれ高炉Bセメント40kg/m
混入した改良汚泥(A40,B40)、高炉Bセメント
60kg/mを混入した改良汚泥(A60,B6
0)、さらにそれらに改良材1kg/mを混入した改
良汚泥(A40α,B40α,A60α,B60α)を
用意した。なお、汚泥改良材は、10倍の水溶液にして
混合し、高炉Bセメントは粉体のまま混合した。
【0065】図9の試験結果に示すように、各改良汚泥
ともに、養生日数を経るに従って強度が増加する。た
だ、本実施形態による改良汚泥の場合には、汚泥に含ま
れる水分が少ないため、3日目の強度においても既に1
kgf/cm以上の強度が得られるものが多い。そし
て、28日養生後では、従来の改良汚泥では、高炉Bセ
メント40kg/mの汚泥は、測定不能であるのに対
し、本実施形態による改良汚泥は、1.98kgf/c
の強度を有している。また、高炉Bセメント60k
g/mを加えたものを比較すると、本実施形態による
改良汚泥は、従来の改良汚泥の2倍以上の強度を有して
いる。さらに、高炉Bセメント40kg/mおよび汚
泥改良材を加えた改良汚泥で比較すると、2.65倍の
強度さが生じている。
【0066】実際の現場では、重機重量や建築物の地盤
として利用される等を考慮して許容値は1/2程度が用
いられるため、実用レベルは、従来の改良汚泥であれ
ば、高炉Bセメント60kg/mおよび改良材の両方
を加えた改良汚泥となる。これに対し、本実施形態によ
る改良汚泥は、高炉Bセメント60kg/mのみ加え
た改良汚泥、あるいは高炉Bセメント40kg/m
改良材さらに加えた改良汚泥で足りる。
【0067】したがって、本実施形態によれば、混入す
るセメントや汚泥改良材の量が少なくても高い強度の改
良汚泥を生成することができる。
【0068】つぎに、港湾浚渫汚水の水質検査結果につ
いて図10を参照しつつ説明する。この検査において
は、吸着型凝集材、高分子凝集材およびPAC(無機系
凝集材)による凝集効果を比較する。また、使用する原
汚泥は、港湾浚渫汚泥を3%水溶液にして使用する。な
お、吸着型凝集材による凝集効果のうちSSの測定の場
合には、30%水溶液を使用した。
【0069】また、凝集汚泥の分析対象は、使用量、水
素イオン濃度(pH)、濁度、有機物含有量として、化
学的酸素要求量(COD)、生物化学的酸素要求量(B
OD)および浮遊物質量(SS)を測定し、その他、伝
導度を測定した。なお、使用量については、実際には、
高分子凝集材およびPACともに、3%水溶液を凝集さ
せるのには使用されず、10倍の30%水溶液に使用さ
れることを考慮して予測数値を提示している。
【0070】分析の結果、図10に示すように、使用量
については、高分子凝集材とPACとの混合凝集材は、
7.32kg/m、高分子凝集材は3.02kg/m
、であるのに対し、吸着型凝集材の使用量は0.70
kg/mと格段に少ない。また、水素イオン濃度につ
いては、原汚泥が7.87とアルカリ性であったのに対
し、吸着型凝集材は、7.90とあまり変動せず、高分
子凝集材とPACとの混合凝集材は7.35、高分子凝
集材は7.33とない、水素イオン濃度に変動を与え
る。さらに、濁度については、原汚泥が12860度で
あったが、高分子凝集材とPACとの混合凝集材は1
2.8度、高分子凝集材は19.1度まで濁りを減少さ
せることができた。これに対し吸着型凝集材は0.4度
まで減少させることができ、大きな差となった。
【0071】また、有機物含有量については、CODは
吸着型凝集材が最も良く除去しており、BODは高分子
凝集材とPACとの混合凝集材が最も良く減少させてい
る。さらに、SSは、吸着型凝集材による凝集汚泥は3
0%水溶液であるにも関わらず、最も多く除去された。
なお、伝導度については、吸着型凝集材が最も大きい伝
導度を有していた。
【0072】一方、今回使用した各凝集材について汚水
1m当たりの単価を求めると、吸着型凝集材が308
円/mであり、高分子凝集材とPACとの混合凝集材
が554円/mであり、高分子凝集材が4530円/
であった。したがって、吸着型凝集材を用いれば一
層のコスト低下を図ることができる。
【0073】つぎに、本実施形態で用いた吸着型凝集材
について、その他各種の汚水を凝集処理した水質検査結
果を図11に示す。検査に用いられた汚水は、食品工場
汚水、食肉センター汚水、中間処理施設汚水、修景池、
修景沼である。食品工場や食肉センターの汚水は、血や
油等が含まれており、通常の浚渫汚泥とは比べものにな
らない汚れが含まれている。しかし、そのような汚れの
ひどさにもかかわらず、図11に示すように、SS、B
ODおよびCODの値はそれぞれ相当量減少されてお
り、かなりの改善が確認される。
【0074】また、図12に示すように、本実施形態の
汚泥処理システム1における各処理工程での汚泥の変化
を視覚的に捉えてその効果を確認するために、簡易モデ
ルによる実験を行った。図12に示すように、まず、含
水比が約120%の原泥を用意し(A)、これに約2倍
の量の水分を加水して含水比が約600%の汚水状態に
する(B)。この汚水状態の原泥に吸着型凝集材を投入
し(C)、乱流が発生するように撹拌する(D)。この
撹拌により汚泥が凝集し、図12(E)に示すように、
固体と液体とが完全に分離する。そして、この凝集汚泥
を脱水するために脱水モデル装置に投入し(F)、脱水
すると(G)、濁りのない透明な水分が濾される。これ
により図12(H)および図12(I)に示すように、
含水比が約50%にまで減少した脱水固形物が得られ、
汚泥総量が減少したのがわかる。
【0075】したがって、前述した本実施形態によれ
ば、含水比が100〜200%程度の原汚泥を含水比2
0〜80%の脱水汚泥へと水分を減少させることができ
るため、汚泥総量を減少させられる。このように含水比
を減少させられることにより、汚泥の改良作業が容易に
なり再生利用の内容を盛り土だけでなく、緑化用や2次
製品用等多様化し充実させられる。
【0076】また、含水比を減少させることによりセメ
ント量を著しく低下させられるため、環境に与える影響
を軽減できる。さらに、工事現場外に持ち出す際に運搬
料が減少されていれば、それだけダンプによる公害問題
を減少させられるし、廃棄物を再生利用することで廃棄
物処理場の延命が可能となる。
【0077】一方、汚泥総量が減ることにより構内およ
び現場外に持ち出す際の運搬費の軽減や改良再生利用す
る場合の改良費の削減を図ることができる。
【0078】さらに、本実施形態による凝集沈殿処理後
の固形物は凝集粒子が壊れにくいため改良を行う場合の
セメントや固化材等の投入量を軽減できる。
【0079】また、凝集沈殿装置3における凝集処理速
度が著しく速いため、装置を小型化することができる。
【0080】なお、本発明の本実施形態の各構成は前述
したものに限るものではなく、適宜変更することができ
る。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る発明
によれば、汚泥の粘性を減少させて汚泥の移送をし易く
するとともに、吸着型凝集材による凝集処理を円滑迅速
に実行させることができる。
【0082】また、請求項2に係る発明によれば、汚水
状態の汚泥に吸着型凝集材を混入させて約2m/s〜
2.5m/sの乱流を発生させることにより、吸着凝集
を迅速かつ容易に行え、しかも壊れにくい凝集物を形成
することができる。
【0083】また、請求項3に係る発明によれば、請求
項2に係る発明の効果に加えて、凝集用堰により汚水状
態の汚泥を堰き止めながら完全に効率的に凝集処理する
とともに、沈降する凝集物を上昇させて凝集物を凝集用
堰から円滑にオーバーフローさせることができる。
【0084】また、請求項4に係る発明によれば、請求
項3に係る発明の効果に加えて、スクリュー羽根が約1
20rpm〜300rpmで回転することにより乱流を
発生させることができるとともに、そのスクリュー羽根
の傾斜角が水平に対して約30〜45度に形成されてい
るため容易に上昇水流を発生させることができ、吸着型
凝集材による汚泥の吸着凝集を促進させるとともに沈降
する凝集物を上昇させて容易に凝集用堰からオーバーフ
ローさせることができる。
【0085】また、請求項5に係る発明によれば、請求
項2から請求項4のいずれか1項に係る発明の効果に加
えて、前処理装置が凝集処理前に汚泥を含水比500〜
1000%の汚水状態にすることで、汚泥の粘性を除去
し、吸着型凝集材を使用する凝集処理を促進させること
ができる。
【0086】また、請求項6に係る発明によれば、請求
項5に係る発明の効果に加えて、迅速確実に汚泥の汚水
化処理を施すことができる。
【0087】また、請求項7に係る発明によれば、請求
項6に係る発明の効果に加えて、汚泥が水と合流する前
から撹拌を開始して粘性の高い汚泥が沈殿せずにスムー
ズに水との混合を開始することができるとともに、汚水
化混合撹拌部による強力な撹拌により汚泥を汚水化させ
て滞りなく移送することができる。
【0088】また、請求項8に係る発明によれば、請求
項6または請求項7に係る発明の効果に加えて、防護網
により汚泥中の不発弾やゴミ等を除去して安全を確保し
不要物を除去できるとともに、粘性の高い汚泥を撹拌す
ることで固まるのを防止し迅速に投入することができ
る。
【0089】また、請求項9に係る発明によれば、改良
材等を人手により投入する必要はなくなり、脱水処理後
の汚泥を円滑迅速に改良することができて多彩な利用を
実現することができるようになる。
【0090】また、請求項10に係る発明によれば、請
求項9に係る発明の効果に加えて、改良材水溶液タンク
内に収容された改良材水溶液を噴射ポンプによって自動
的に適量を抽出し、噴射ノズルから噴射することで脱水
汚泥全体にまんべんなく改良材水溶液を混入させること
ができ、効率的に改良処理を行うことができる。
【0091】また、請求項11に係る発明によれば、請
求項1から請求項8のいずれか1項に係る発明の効果に
加えて、汚泥の汚水化処理、凝集処理、脱水処理に加え
て汚泥を多様的に再利用可能にする汚泥改良処理まで行
うことができ、リサイクルシステムを完成させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る汚泥処理システムの実施形態の
一例を示す概略構成図
【図2】 本実施形態における前処理装置の内部構造を
示す概略正面図
【図3】 本実施形態における前処理装置の汚泥用ホッ
パーを示す拡大断面図
【図4】 本実施形態における凝集沈殿装置の内部構造
を示す概略正面図
【図5】 本実施形態における凝集沈殿装置の凝集用ホ
ッパーを示す拡大断面図
【図6】 本実施形態における汚泥改良装置の内部構造
を示す概略正面図
【図7】 本実施形態の汚泥処理システムと従来の汚泥
処理システムとの処理能力対比試験結果を示す表
【図8】 本実施形態の汚泥処理システムによって生成
される改良汚泥と従来の方法により生成される改良汚泥
との一軸圧縮強度試験に使用した改良汚泥の配合内容を
示す表
【図9】 図8の各改良汚泥について一軸圧縮強度試験
を行った結果を示す表
【図10】 本実施形態の汚泥処理システムに使用され
る吸着型凝集材と従来の凝集材とによって凝集処理され
た汚水の水質検査結果を示す表
【図11】 本実施形態の汚泥処理システムによって処
理された各種の汚水の水質検査結果を示す表
【図12】 本実施形態の汚泥処理システムを簡易モデ
ル化した装置により実験処理した場合の各処理工程にお
ける汚泥状態を示す写真
【符号の説明】
1 汚泥処理システム 2 前処理装置 3 凝集沈殿装置 3a 凝集部 3b 沈殿部 4 脱水装置 5 汚泥改良装置 21 前処理タンク 22 汚泥用ホッパー 22a 防護網 22b 投入用攪拌機 22c 投入前螺旋羽根 23 加水口 24 混合前撹拌機 24a ドリル式回転羽根 25 汚水化混合攪拌機 25a 汚水化螺旋羽根 25b 汚水化回転軸 26 前処理用堰 27 汚水通路 28 ゴミ取網 29 サンドポンプ(前処理装置) 31 凝集沈殿タンク 32 凝集用堰 33 凝集用ホッパー 33a 振動収容部 33b 定量投入部 33c ロータリーバルブ 34 汚水投入口 35 凝集撹拌機 35a 撹拌モータ 35b 凝集回転軸 35c スクリュー羽根 36 傾斜板 41 脱水タンク 42 サンドポンプ 37 サンドポンプ 51 汚泥改良タンク 52 改良用ホッパー 53 改良材水溶液噴射部 53a 改良材水溶液タンク 53b 噴射ポンプ 53c 塩化ビニール樹脂管 53d 噴射用シャワーノズル 54 セメント投入部 54a セメント用ホッパー 55 改良材混合撹拌機 55a 改良回転軸 55b 改良螺旋羽根 56 ベルトコンベア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/52 C02F 1/52 B Fターム(参考) 4D015 BA08 BA19 BB05 CA10 CA11 DA31 DC04 DC10 EA02 EA06 EA22 EA39 4D059 AA09 BE54 BJ02 BJ03 CA01 DA56 EB01 EB20 4G035 AB46 4G078 AA08 AB20 BA05 DA19

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥を凝集処理した後に脱水処理を行う
    汚泥処理方法であって、前記凝集処理の前に汚泥を含水
    比500〜1000%の汚水状態となるように加水し、
    前記凝集処理の際に前記汚水状態の汚泥に吸着型凝集材
    を混入して乱流を発生させるようにしたことを特徴とす
    る汚泥処理方法。
  2. 【請求項2】 汚泥を凝集させる凝集装置と、この凝集
    装置により処理された汚泥を脱水する脱水装置とを有す
    る汚泥処理システムであって、前記凝集装置は、吸着型
    凝集材を混入する凝集材混入手段と、約2m/s〜2.
    5m/sの乱流を発生させる乱流発生手段とを備えてい
    ることを特徴とする汚泥処理システム。
  3. 【請求項3】 前記凝集装置に凝集処理後の汚泥をオー
    バーフローさせる凝集用堰を設けるとともに、凝集後に
    沈降する凝集物を上昇させるための上昇水流を発生させ
    る上昇水流発生手段を備えていることを特徴とする請求
    項2に記載の汚泥処理システム
  4. 【請求項4】 前記乱流発生手段および前記上昇水流発
    生手段として、水平に対して約30〜45度の傾斜角に
    形成されたスクリュー羽根を約120rpm〜300r
    pmの回転数で回転させる攪拌機を設けたことを特徴と
    する請求項3に記載の汚泥処理システム。
  5. 【請求項5】 凝集装置による凝集処理前に、汚泥を含
    水比500〜1000%の汚水状態にする前処理装置を
    有することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれ
    か1項に記載の汚泥処理システム。
  6. 【請求項6】 前記前処理装置は、汚泥を投入する汚泥
    投入手段と、水を加える加水手段と、汚泥と水とを混合
    撹拌する混合撹拌手段とを有することを特徴とする請求
    項5に記載の汚泥処理システム。
  7. 【請求項7】 前記混合撹拌手段は、前記汚泥投入手段
    から投入される汚泥の落下位置に配置された混合前撹拌
    部と、この混合前撹拌部により撹拌された後の汚泥と水
    とを軸方向に移動させつつ混合撹拌する汚水化混合撹拌
    部とを有することを特徴とする請求項6に記載の汚泥処
    理システム。
  8. 【請求項8】 前記汚泥投入手段には、投入される汚泥
    中の不要物を除去するための防護網が投入口近傍に設置
    されているとともに、出口近傍に汚泥を投入前から撹拌
    する投入前撹拌部が配置されていることを特徴とする請
    求項6または請求項7に記載の汚泥処理システム。
  9. 【請求項9】 脱水装置により脱水した後の汚泥を投入
    する脱水汚泥投入手段と、脱水汚泥を改良するための改
    良材水溶液を噴射するための改良材水溶液噴射手段と、
    脱水汚泥と改良材水溶液とを混合するための改良材混合
    撹拌手段とを備えたことを特徴とする汚泥改良装置。
  10. 【請求項10】 前記改良材水溶液噴射手段は、改良材
    の水溶液を収容する改良材水溶液タンクと、この改良材
    水溶液タンクに連結されて改良材水溶液を供給する噴射
    ポンプと、この噴射ポンプに連結された噴射ノズルとか
    ら構成されていることを特徴とする請求項9に記載の汚
    泥改良装置。
  11. 【請求項11】 脱水装置による脱水後の汚泥を改良処
    理するために請求項9および請求項10に記載の汚泥改
    良装置をさらに有することを特徴とする請求項1から請
    求項8のいずれか1項に記載の汚泥処理システム。
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