JP5742112B2 - 硬化性電磁波シールド性接着性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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この電磁波シールド性接着フィルム自体には、電磁波シールド性に加えて、貼り合わせたフレキシブルプリント配線板全体の耐屈曲性を損なわないよう、薄さと優れた耐屈曲性が要求される。そのため、電磁波シールド性接着フィルムとしては、厚さの薄い基材フィルム上に導電層を設けてなる基本的構造を有するものが広く知られている。
また、導電性接着剤層及び/または金属薄膜を有するシールド層と芳香族ポリアミド樹脂からなるベースフィルムを有するシールドフィルムが知られている(特許文献2参照)。
また、セパレートフィルムの片面に樹脂をコーティングしてカバーフィルムを形成し、前記カバーフィルムの表面に金属薄膜層と接着剤層とで構成されるシールド層を設けてなるシールド性接着フィルムが知られている(特許文献3)。
また、本発明は、このような優れた性能を有する電磁波シールド性接着フィルムを安価かつ安定的に製造する方法を提供することを目的とする。
前記導電性被膜が、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体から形成された被膜であり、
前記硬化性導電性接着剤層が、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する、ことを特徴とする電磁波シールド性接着性フィルムに関する。
前記本発明の電磁波シールド性接着性フィルムにおいて、硬化性導電性接着剤層の単位体積当たりの金属粉の含有量は、0.2〜4.5(g/cm3)であることが好ましく、
導電性被膜の表面抵抗率は1×10−3〜5×10−1(Ω/□)、硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率は1×10-2〜1×102(Ω/□)であり、導電性被膜の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率よりも相対的に小さいことが好ましい。
しかし、イオン交換層は、形成される電磁波シールド性接着性フィルムの構成部材とはならない。従って、イオン交換層を利用しない製造方法は、そのような余計な資材を使用しないという点、及び製造工程がシンプルであるという点で、製造コストを抑制できるという利点がある。
硬化性導電性接着剤層は、本発明の電磁波シールド性接着性フィルムを被着体に貼着する機能と、後述する導電性被膜との導通を確保し、導電性被膜と一体となって電磁波シールド性を発現する機能を担う。被着体とは、電磁波シールド性接着性フィルムによって電磁波をシールドし、保護したい部材・物品である。
従って、硬化性導電性接着剤層は、接着性発現機能を担う硬化性絶縁性樹脂成分と、導電性発現機能を担う平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有するものであり、単位体積当たりの金属粉の含有量は0.2〜4.5(g/cm3)である事が好ましい。
カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)としては、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸等のジメチロールアルカン酸や、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。特に反応性、溶解性点から、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が好ましい。
ポリエーテルポリオール類としては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体等が挙げられる。
1)グリコールまたはビスフェノールと炭酸エステルとの反応生成物、あるいは
2)グリコールまたはビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを反応させて得られる反応生成物等が使用できる。
上記1)または2)の場合に用いられるグリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2,2,8,10−テトラオキソスピロ〔5.5〕ウンデカンが挙げられる。
また、上記1)の場合に用いられる炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
更に、得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)の性能が失われない範囲内で、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)と、数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)及び有機ジイソシアネート(a3)とを反応させる際に、カルボキシル基を有するジオール化合物(a1)以外の低分子ジオール類を併用しても良い。併用可能な低分子ジオール類としては、たとえば、数平均分子量500〜8000である、(a1)以外のポリオール(a2)の製造に用いられる各種低分子ジオール等が挙げられる。
ポリアミノ化合物(a5)としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミンの他、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するアミン類も使用することができる。なかでも、イソホロンジアミンが好適に使用される。
これらの溶剤は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
得られるポリウレタンポリウレア樹脂(A)の重量平均分子量は、5000〜100000の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量が5000に満たない場合には、耐ハンダリフロー性が劣る傾向にあり、100000を越える場合には、接着性が低下する傾向にある。
エポキシ樹脂(B)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テルペン型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンなどのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち高接着性、耐熱性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
硬化性導電性接着剤層には、耐熱性や耐屈曲性等の性能を損なわない範囲で、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ユリア系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などを含有させることができる。
また、金属粉の形状としては、球状、フレーク状、樹枝状、繊維状などが挙げられる。その中でも少量で導電性が発現することができるフレーク状の金属粉が好ましい。
硬化性導電性接着剤層の単位体積当たりの金属粉の含有量は、用いた金属粉の比重と配合量、接着剤層の厚みから理論的に求めることができる。
なお、硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率は、本発明の電磁波シールド性接着性フィルム中の硬化性導電性接着剤層を形成する際と同条件にて、絶縁性シート状に形成した硬化性導電性接着剤層について求めたものである。
硬化性絶縁層は、硬化性電磁波シールド性接着フィルムに機械的強度を与える役割を担う。即ち、特許文献4における基材フィルムに当たる。
エポキシ樹脂(D)についてもエポキシ樹脂(B)と同様のものを挙げることができる。
エポキシ樹脂(D)とポリウレタンポリウレア樹脂(C)との配合比率も、エポキシ樹脂(B)とポリウレタンポリウレア樹脂(A)との配合比率と同様に、ポリウレタンポリウレア樹脂(C)100重量部に対して、エポキシ樹脂(D)3〜200重量部であることが好ましく、5〜100重量部であることがより好ましい。
また、硬化性絶縁層には、導電性接着剤層の場合と同様に、接着性、耐ハンダリフロー性を劣化させない範囲で、シランカップリング剤、酸化防止剤、顔料、染料、粘着付与樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング調整剤,充填剤,難燃剤等を添加してもよい。
導電性被膜は、電磁波シールド性機能を担う層であり、前述の硬化性導電性接着剤層とは異なり、硬化性を有しない。導電性被膜は、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体から形成された被膜である。
このような導電性粒子としては、代表的なものとして導電性の金属物質が挙げられる。例えば、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、鉄、コバルト、タングステン、チタン、インジウム、イリジウム、ロジウム、アモルファス銅等の金属や、例えば、銀−銅合金等の合金、銀−銅複合体等の金属複合体、銀めっき銅等の金属をさらに他の金属で被覆したもの等が挙げられる。なかでも、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、鉄が好ましく、更に、金、銀、銅、ニッケルが好ましく、更に、導電性、コストの点で銀が好ましい。また、その他の導電性粒子としては、例えば、上記金属で被覆した無機物粉末、酸化銀、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物等の金属酸化物、またはカーボンブラック、グラファイト等を用いることもできる。導電性粒子は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
被覆導電性粒子を含む分散体中の被覆導電性粒子の平均粒子径は、0.001〜0.5μmであり、0.001〜0.3μmであることが好ましい。本発明では、導電性粒子の少なくとも一部が保護物質によって被覆されていればよい。
導電性被膜の形成に用いられる被覆導電性粒子の大きさは、例えば、レーザー解析法微粒子径測定装置(コールター社製ナノサイザー)や、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社)により測定された数平均粒子径が、0.001〜0.5μmであり、0.001〜0.3μmであることが好ましい。被覆導電性粒子の平均粒子径が0.5μmよりも大きいと、低温で導電性を発現しにくくなるので好ましくない。また、平均粒子径が0.001μmよりも小さい場合、被覆導電性粒子分散体の安定性が損なわれるため好ましくない。
(1)還元により保護物質と導電性粒子とに分離する機能を有する金属塩(例えば、カルボン酸金属塩など)に対し、還元剤、熱、超音波、紫外線等を作用させ、金属塩を還元することにより、導電性粒子が保護物質で被覆されてなる被覆導電性粒子の分散体を得る。
(2)導電性粒子と保護物質とを乾式法または湿式法で混合して、導電性粒子が保護物質により被覆されてなる被覆導電性粒子を得、湿式法の場合はそのまま分散体としたり、乾式法の場合は任意の分散媒に被覆導電性粒子を分散し、分散体を得る。
(3)保護物質を含む溶液中に、導電性粒子を投入することで、導電性粒子を保護物質により被覆してなる被覆導電性粒子の分散体を得る。
イオン性官能基としては、陰イオン性官能基もしくは陽イオン性官能基が挙げられる。
カルボキシル基を有する有機酸としては、例えば、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、芳香族カルボン酸等を挙げることができる。
また界面活性剤は、1種類を単独で用いることも、また2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
具体的には、液体媒体中、カルボキシル基を有する有機酸と金属の有機酸金属塩に対して、還元剤である下記一般式(1)で示されるカルボジヒドラジドまたは下記一般式(2)で示される多塩基酸ポリヒドラジドを等量以上用いて、前記有機酸金属塩を還元し、有機酸金属塩由来の有機酸が保護物質として、生成した導電性粒子を被覆、安定化してなる被覆導電性粒子の分散体を得ることができる。
前記方法は、還元反応が比較的低温、かつ迅速に進行するため、反応後の被覆導電性粒子の凝集が抑えられ、平均粒子径が小さく、かつ粒子径分布が狭い、被覆導電性粒子の分散体を得ることができる。この方法で得られる被覆導電性粒子の分散体は流動性や安定性に優れているため、低温かつ短時間の加熱により導電性の良好な導電性被膜を形成することができる。
例えば、金属化合物としてカルボン酸の金属塩の水溶液を用い、これをトルエンなどの水と相分離する非水系溶剤に混合する。この混合液に下記式(1)で示されるカルボジヒドラジド、または下記式(2)で示されるヒドラジド基を分子中に2つ以上有する多塩基酸ポリヒドラジドの水溶液を滴下して前記カルボン酸金属塩を還元する。還元により、有機酸金属塩由来の有機酸により導電性粒子を被覆してなる被覆導電性粒子が非水系溶剤に分散してなる分散体と水相との混合液が得る。次いで、前記混合液から水相を分離、除去した後、非水系溶剤相に新たな水を加え、不純物を水相に移行させ、水相を分離し、非水系溶剤相を洗浄し、有機酸金属塩由来の有機酸を保護物質とする、被覆導電性粒子を分散質、非水系溶剤を分散媒とする分散体が製造される。
二塩基酸ジヒドラジドとしては、例えば、シュウ酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、タルタロジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、ヘキサデカン酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等が挙げられ、
三塩基酸トリヒドラジドとしては、例えば、クエン酸トリヒドラジド、トリメリット酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド等があげられる。
四塩基酸テトラヒドラジドとしては、例えば、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド等があげられる。
上記以外の多塩基酸ポリヒドラジドとしては、ポリアクリル酸ポリヒドラジド等が挙げられる。これらの多塩基酸ポリヒドラジドは、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
前記した製造方法に好適に使用される還元剤は、ジヒドラジド、もしくはポリヒドラジド類であり、還元能を有する官能基を化合物中に2個以上有していることから、金属が還元析出するのに必要な化学量論比はヒドラジド基で換算して添加するのが好ましい。還元後に水相を除去する場合には、余剰の還元剤も同時に除去できるため、化学量論比以上の還元剤を使用しても良く、その上限は特に定められるものではないが、洗浄工程やコストを考えると、ヒドラジド換算の化学量論比で金属化合物を還元するのに必要な添加量の6倍以下であることが好ましい。
保護物質は、分散体の状態では導電性粒子の表面を被覆し、導電性粒子の凝集を防ぎ、分散体としての分散安定性に寄与する。導電性被膜は、以下のような方法で導電性粒子から保護物質を剥がし、導電性粒子を加熱融着させることにより得ることができる。
(i) 分散体を対象に塗工後、加熱により保護物質を分解、揮発させることによって除去し、導電性粒子を加熱融着させることにより、導電性被膜を形成する。
(ii) 被覆導電性粒子の他に、保護物質のイオン性に対応するイオン交換能を有する物質を含む分散体を対象に塗工後、加熱により保護物質を分解、揮発させることによって除去し、導電性粒子を加熱融着させることにより、導電性被膜を形成する。イオン交換能を有する物質が共存することによって、保護物質の分解等が促進されるので、前記(i)の方法よりも効率的に導電性被膜を形成することができる。
(iii)被覆導電性粒子を対象に塗工し、形成された導電性被膜前駆体に、保護物質のイオン性に対応するイオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)と接触させる、あるいは、保護物質のイオンに対応するイオン交換能を有する物質を含む分散体を対象に塗工し、形成されたイオン交換層(V)と導電性被膜前駆体と接触させる。すると、イオン交換反応により、導電性粒子表面から保護物質が引き剥がされ、活性エネルギーの高い導電性粒子の表面が露出するので、導電性粒子の被膜化が速やかに進行し、導電性被膜をより低温(例えば200℃以下)、短時間で得ることが可能となる。
本発明の電磁波シールド性接着性フィルムは、(iii)イオン交換層を利用する製造方法によって形成することが好ましいので、当該製造方法についてまず説明する。
第1の態様は、図1及び以下に示すように、7つの工程を経て、硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、本発明の電磁波シールド性接着性フィルムを得る方法である。即ち、
(1−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(1−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(1−3)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(1−4)前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性絶縁層(II)とを重ね合わせる工程、
(1−5)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性絶縁層(II)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(1−6)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(1−7)露出した前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性導電性接着剤層(I)とを重ね合わせる。
前記(1−2)の工程における加熱条件は、室温でも導電性被膜を形成することが可能であるが、被覆導電性粒子を含む分散体を塗工した後に、加熱処理を施すことで、より短時間で、かつ、高導電の被膜を得ることができる。
このときの加熱処理の温度は300℃以下であることが好ましく、フィルム基材上での導電性被膜形成を考慮すると200℃以下であることが好ましい。さらに160℃以下であることが好ましい。
また、形成される導電性被膜(VI)は、厚みが0.001〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜10μmである。表面抵抗率は、前述したように1×10-2〜1×102(Ω/□)である事が好ましく、より好ましくは1×10−1〜1×101(Ω/□)である。
乾燥条件は、硬化性絶縁性樹脂組成物に含まれる溶剤が十分に揮発し、かつ、硬化性絶縁層(II)が硬化しない条件、具体的には80〜100℃、30秒〜5分程度であることが好ましい。
形成される硬化性絶縁層(II)の厚みは、3〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることが好ましい。硬化性絶縁層(II)の厚みが3μm未満の場合には、フィルム(層)としての強度が低下し、硬化性導電性接着剤層(I)にとっての絶縁性支持体としての役割を担うことが難しくなる。一方、硬化性絶縁層(II)の厚みが50μmを越える場合には、電磁波シールド性接着性フィルムの、被着体面の凹凸への追従性が低下し、十分なシールド効果が得にくくなる。
なお、形成される硬化性絶縁層(II)が導電性被膜(VI)に対してタックを有しない場合には、後述する第4〜6の態様に示すように、導電性被膜(VI)上に硬化性絶縁層(II)を形成する方法を採用すればよい。
乾燥条件は、硬化性導電性接着剤組成物に含まれる溶剤が十分に揮発し、かつ、硬化性導電性接着剤層(I)が硬化しない条件、具体的には80〜100℃、30秒〜5分程度であることが好ましい。
形成される硬化性導電性接着剤層(I)の厚みは、1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることが好ましい。硬化性導電性接着剤層(I)の厚みが1μm未満の場合には、電磁波シールド性被着体への接着力を両立することが難しくなる。一方、硬化性導電性接着剤(I)の厚みが20μmを越える場合には、電磁波シールド性接着性フィルムの柔軟性が低下し、耐屈曲性に対する高度な要求に応えられない場合がある。
(2−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(2−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(2−3)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(2−4)前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性導電性接着剤層(I)とを重ね合わせる工程、
(2−5)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性導電性接着剤層(I)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(2−6)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(2−7)露出した前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性絶縁層(II)とを重ね合わせる。
被覆導電性粒子を含む分散体をイオン交換層(V)上に塗工する方法、導電性被膜(VI)の厚みや表面抵抗率等についても(1−2)の場合と同様である。
硬化性導電性接着剤層(I)や硬化性絶縁層(II)の形成条件、厚みや表面抵抗率等についても第1の態様と同様である。
(3−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(3−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(3−3)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(3−4)前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性絶縁層(II)とを重ね合わせる工程、
(3−5)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性絶縁層(II)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(3−6)露出した前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する。
被覆導電性粒子を含む分散体をイオン交換層(V)上に塗工する方法についても(1−2)の場合と同様である。
硬化性絶縁層(II)の形成条件、厚みや表面抵抗率等についても第1の態様と同様である。
(3−6)に示すように、硬化性絶縁層(II)を含む積層体に硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成するので、硬化性絶縁層(II)を硬化させないように、第1〜2の態様の場合よりも、硬化性導電性接着剤の乾燥条件は慎重に設計し、制御することが大事である。
あるいは、
(4−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(4−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(4−3)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(4−4)前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性導電性接着剤層(I)とを重ね合わせる工程、
(4−5)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性導電性接着剤層(I)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(4−6)露出した前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁層(II)を形成する。
被覆導電性粒子を含む分散体をイオン交換層(V)上に塗工する方法についても(1−2)の場合と同様である。
硬化性導電性接着剤層(I)の形成条件、厚みや表面抵抗率等についても第1の態様と同様である。
(4−6)に示すように、硬化性導電性接着剤層(I)を含む積層体に硬化性絶縁性樹脂組成物を塗工し、乾燥し、硬化性絶縁層(II)を形成するので、硬化性導電性接着剤層(I)を硬化させないように、第1〜2の態様の場合よりも、硬化性絶縁性樹脂組成物の乾燥条件は慎重に設計し、制御することが大事である。
第4の態様は、(4−6)に示すように、導電性被膜(VI)上に硬化性絶縁層(II)を形成するので、硬化後の両層の密着性を確保し易く、乾燥後硬化前の状態では硬化性絶縁層(II)があまりタックを有しない場合にも適用し得る製造方法である。
(5−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(5−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(5−3)前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(5−4)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を硬化性絶縁層(II)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(5−5)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(5−6)露出した前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性導電性接着剤層(I)とを重ね合わせる。
被覆導電性粒子を含む分散体をイオン交換層(V)上に塗工する方法についても(1−2)の場合と同様である。
硬化性導電性接着剤層(I)の形成条件、厚みや表面抵抗率等についても第1の態様と同様である。
第5の態様は、(5−3)に示すように、導電性被膜(VI)上に硬化性絶縁層(II)を形成するので、硬化後の両層の密着性を確保し易く、乾燥後硬化前の状態では硬化性絶縁層(II)があまりタックを有しない場合にも適用し得る製造方法である。
(6−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(6−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む塗液を分散液を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(6−3)前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(6−4)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性絶縁層(II)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(6−5)露出した前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する。
被覆導電性粒子を含む分散体をイオン交換層(V)上に塗工する方法についても(1−2)の場合と同様である。
被覆導電性粒子を含む分散体をイオン交換層(V)上に塗工する方法についても(1−2)の場合と同様である。
硬化性絶縁層(II)の形成条件、厚みや表面抵抗率等についても第1の態様と同様である。
第6の態様は、(6−3)に示すように、導電性被膜(VI)上に硬化性絶縁層(II)を形成するので、硬化後の両層の密着性を確保し易く、乾燥後硬化前の状態では硬化性絶縁層(II)があまりタックを有しない場合にも適用し得る製造方法である。
(6−5)に示すように、硬化性絶縁層(II)を含む積層体に硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成するので、硬化性絶縁層(II)を硬化させないように、第1〜2の態様の場合よりも、硬化性導電性接着剤の乾燥条件は慎重に設計し、制御することが大事である。
即ち、保護物質が陰イオン性官能基を有する場合には、イオン交換層(V)として陰イオン交換能を有する物質を含む陰イオン交換層(Va)を適用する。保護物質が陽イオン性官能基を有する場合には、イオン交換層(V)として陽イオン交換能を有する物質を含む陽イオン交換層(Vc)を適用する。
イオン交換能を有する物質としては、有機材料、無機材料を使用することができる。
イオン交換能を有する有機材料としては、分子中にイオン交換可能なイオン性基を有する樹脂や、イオン交換にあずかるイオン性基を導入した樹脂、および化合物等が挙げられる。
イオン交換能を有する無機材料としては、イオン交換体、固体酸、固体塩基等が挙げられる。
前述したように、本発明では、イオン交換とは、固体または液体中に存在するイオンが、それと接する外部溶液中にある同符号のイオンと交換する現象を意味するが、本発明におけるイオン交換は、該イオン交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって導電性粒子が被覆されてなる被覆導電性粒子を含む層と、イオン交換層との間で行われる、固層間、液層間もしくは固層−液層間での反応である。
なお、イオン交換能を有する物質についての説明において、化合物とは構造を特定し得る比較的低分子量の物質を指し、樹脂とは構造を特定し難い比較的高分子量の物質を指す。
陰イオン交換が可能なイオン性基としては、例えば、ホスホニウム基、スルホニウム基、アミノ基、四級アンモニウム塩等が挙げられ、陰イオン交換能を有する有機物質としては、上記陰イオン交換が可能なイオン性基を有する化合物、樹脂等が挙げられる。
四級アンモニウム塩としては、例えば、N−メチルピペリジンメチオジド、キノリンメチオジド等の環状第4アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化アルキルピリジニウム、高級アミンのハロゲン酸塩等が挙げられる。
陽イオン交換が可能なイオン性基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、燐酸基、ホスホン酸基、ヒ酸基、セレン酸基等の酸性基等が挙げられ、陽イオン交換能を有する有機物質としては、上記陽イオン交換が可能なイオン性基を有する化合物、樹脂等が挙げられる。
弱酸性陽イオン交換樹脂としては、例えば、ダイヤイオンWK10、ダイヤイオンWK11、ダイヤイオンWK100、ダイヤイオンWK40L(三菱化学株式会社製)が挙げられる。
陰イオン交換能を有する無機材料としては、例えば、固体塩基として、活性炭や、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、ZnO/ZrO2、MgO/TiO2、CaO/P2O5、SiO2/CaO/MgO、SiO2/Al2O3、SiO2/SrO、SiO2/BaO、ZnO/SiO2、TiO2/ZrO2、Al2O3/TiO2、SiO2/ZrO2、Al2O3+ZrO2、SiO2/TiO2、MoO3/SiO2、MoO3/Al2O3、Al2O3/MgO等の複合酸化物、Na/MgO、K/MgO、Na/Al2O3等の金属蒸着金属酸化物、KNH2/Al2O3、EuNH/K−Y等のイミン担持金属酸化物、KF/Al2O3、LiCO3/SiO2等のアルカリ金属塩類等が挙げられる。その他、例えば、無機イオン交換体として、シリカ、コロイダルシリカ、チタニア上に、例えば酸化アルミニウム等で被覆して、表面の電荷をカチオン化したものなども使用することができる。
本発明で用いる塗料は、前記イオン交換能を有する物質を液状媒体に混合し、更に必要に応じて消泡剤、レベリング剤、滑剤、分散剤、樹脂および/またはその前駆体等を混合し、従来公知の方法で、例えばボールミル、アトライター、サンドミル、ジェットミル、3本ロールミル、ペイントシェーカー等を用いて分散するか、または、従来公知の方法で、例えば、ミキサー、ディソルバーを用いて撹拌、混合することにより、上記塗料を製造することができる。
液状媒体としては、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、水等の前記導電性粒子を製造する際に使用した液状媒体と同じものを用いる事ができ、2種類以上を混合して使用することもできる。
イオン交換能を有する物質及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有する塗料をシート状部材に塗工し、活性エネルギー線を照射し、前記前駆体を硬化させ、イオン交換層(V)を形成することができる。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の単官能の(メタ)アクリレート化合物、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能の(メタ)アクリレート化合物、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等の単官能のビニルエーテル化合物、
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル等の多官能のビニルエーテル化合物や、その他活性エネルギー線硬化性組成物の技術分野で使用される化合物を適宜選択することができる。
なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」という場合、アクリル酸およびメタクリル酸を含む意味で使用される。また「(メタ)アクリレート」という場合にも、同様に、アクリレートとメタクリレートを含む意味で用いられる。その他(メタ)アクリロイルなどでも同様である。
上記塗料中に上記微粒子が含まれることによって、イオン交換能を有する物質が、イオン交換層中に均一に存在することによって、被覆導電性粒子と接触した際に、イオン交換反応が更に効率良く行われる。
これらの微粒子は、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
印刷・コーティングの方法としては、例えば、グラビア印刷、マイクログラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷、スプレーコート、スピンコート、ダイコート、リップコート、ナイフコート、ディップコート、カーテンコート、ロールコート、バーコート等が挙げられ、適宜選択することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のプラスチック製のフィルムや、
グラシン紙、上質紙、クラフト紙、コート紙等の紙類、
各種の不織布、合成紙、金属箔や、これらを組み合わせた複合フィルムなどが挙げられる。
これらシート状部材(IV)の厚みとしては、5μm〜250μmの範囲であることが好ましい。5μmよりも薄い場合、生産上でのハンドリングが難しく、また、250μmよりも厚いと折り曲げ性が悪くなり、またコストもかかることから好ましくない。
剥離フィルム1は、イオン交換層(V)を利用しないで電磁波シールド性接着性フィルムを製造する方法のうち第3(図9)の態様を除き、硬化性絶縁層(II)を形成する際に使用され、形成された電磁波シールド性接着性フィルムの硬化性絶縁層(II)の表面を剥離可能に被覆し、電磁波シールド性接着性フィルムを被着体に貼着した後、剥離する。
イオン交換層(V)を利用しないで電磁波シールド性接着性フィルムを製造する方法のうち第3(図9)の態様では、剥離フィルム1は、形成された硬化性絶縁層(II)の表面を被覆するために用いられる。
剥離フィルム2は、形成された電磁波シールド性接着性フィルムの硬化性導電性接着剤層(I)の表面を、被着体に貼着するまで、被覆するものである。後述するイオン交換層(V)を利用しないで電磁波シールド性接着性フィルムを製造する方法として示す4つの態様のうち、第2(図8)〜第4(図10)の場合、剥離フィルム2は、硬化性導電性接着剤層(I)形成する際に使用される。
離型フィルムの基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のプラスチックシート等、グラシン紙、上質紙、クラフト紙、コート紙等の紙類、各種の不織布、合成紙、金属箔や、これらを組み合わせた複合フィルムなどが挙げられる。
離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系樹脂、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸石鹸、ワックス、動植物油脂、マイカ、タルク、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素系界面活性剤、フッ素樹脂、フッ素含有シリコーン樹脂などが用いられる。
離型剤の塗布方法としては、従来公知の方式、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等により行うことができる。
導電性被膜の効率的な導電性発現という点では、前記のイオン交換層を利用する製造方法の方が、イオン交換膜を利用しない製造方法よりも優れる。
しかし、イオン交換層は、形成される電磁波シールド性接着性フィルムの構成部材とはならない。従って、イオン交換層を利用しない製造方法は、そのような余計な資材を使用しないという点、及び製造工程がシンプルであるという点で、製造コストを抑制できる。
イオン交換膜を利用しない製造方法にも4つの態様がある。以下に図に基づきながら、4つの態様について説明する。
(7−1)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(7−2)前記硬化性絶縁層(II)上に、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(III)を形成する工程、
(7−3)前記導電性被膜(III)上に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(7−4)形成された前記硬化性導電性接着剤層(I)の他方の面と、剥離性フィルム2とを重ね合わせる。
(8−1)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(8−2)前記硬化性絶縁層(II)上に、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散液を塗工し、加熱し、導電性被膜(III)を形成する工程、
(8−3)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(8−4)前記硬化性導電性接着剤層(I)と、前記導電性被膜(III)とを重ね合わせる。
あるいは、
(9−1)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(9−2)前記硬化性導電性接着剤層(I)上に、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散液を塗工し、加熱し、導電性被膜(III)を形成する工程、
(9−3)前記導電性被膜(III)上に硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(9−4)前記硬化性絶縁層(II)の他方の面と、剥離性フィルム1とを重ね合わせる。
(10−1)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂と、平均粒子径が1〜50μmの金属粉とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(10−2)前記硬化性導電性接着剤層(I)上に、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散液を塗工し、加熱し、導電性被膜(III)を形成する工程、
(10−3)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(10−4)前記硬化性絶縁層(II)の他方の面と、前記導電性被膜(III)とを重ね合わせる。
前記電磁波シールド性接着性フィルムから、一部の態様を除き、剥離性フィルム2を剥がし、硬化性導電性接着剤層(I)を露出させる。その硬化性導電性接着剤層(I)を被着体に重ね合わせ、加熱することにより、硬化性導電性接着剤層(I)及び硬化性絶縁層(II)を硬化させる。両層(I)(II)の硬化に伴い、両層(I)(II)の間に位置する導電性被膜(VI)と両層(I)(II)との接着が確保され、被着体を電磁波から遮蔽することが可能となる。剥離性フィルム1を用いていた場合には、その後、剥離性フィルム1を剥がす。
本発明の硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを貼着することのできる被着体としては、例えば、繰り返し屈曲を受けるフレキシブルプリント配線板を代表例として挙げることができる。もちろん、リジッドプリント配線板にも適用できる。
なお、実施例中に記載したポリウレタンポリウレア樹脂の重量平均分子量、及びポリエステル樹脂の数平均分子量は、GPC測定で求めたポリスチレン換算の重量平均分子量、及び数平均分子量であり、GPC測定の条件は、以下のとおりである。
装置:Shodex GPC System−21(昭和電工製)
カラム:Shodex KF−802、KF−803L、KF−805L
(昭和電工製)の合計3本を連結して使用。
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/min
温度:40℃
試料濃度:0.3重量%
試料注入量:100μl
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸とテレフタル酸及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量(以下、「Mn」という)=1006であるジオール414部、ジメチロールブタン酸8部、イソホロンジイソシアネート145部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン300部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。
次に、イソホロンジアミン27部、ジ−n−ブチルアミン3部、2−プロパノール342部、及びトルエン576部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液816部を添加し、70℃で3時間反応させ、重量平均分子量(以下、「Mw」という)=54,000、酸価5mgKOH/gであるポリウレタンポリウレア樹脂の溶液を得た。
これに、トルエン144部、2−プロパノール72部を加えて、固形分30%であるポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)(又は(C−1))を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンカーボネートジオールとから得られるMn=981であるジオール390部、ジメチロールブタン酸16部、イソホロンジイソシアネート158部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン300部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。
次に、イソホロンジアミン29部、ジ−n−ブチルアミン3部、2−プロパノール342部、及びトルエン576部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液814部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=43,000、酸価10mgKOH/gであるポリウレタンポリウレア樹脂の溶液を得た。
これに、トルエン144部、2−プロパノール72部を加えて、固形分30%であるポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−2)(又は(C−2))を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとから得られるMn=1002であるジオール352部、ジメチロールブタン酸32部、イソホロンジイソシアネート176部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン300部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。
次に、イソホロンジアミン32部、ジ−n−ブチルアミン4部、2−プロパノール342部、及びトルエン576部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液810部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=35,000、酸価21mgKOH/gであるポリウレタンポリウレア樹脂の溶液を得た。
これに、トルエン144部、2−プロパノール72部を加えて、固形分30%であるポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−3)(又は(C−3))を得た。
セパラブル4口フラスコに冷却管、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付け、窒素雰囲気下、室温で撹拌しながらトルエン200部およびオレイン酸銀38.9部を仕込み、0.5Mの溶液とした後に、分散剤としてジエチルアミノエタノール2.3部(金属1molに対し0.2mol倍)を添加し溶解させた。
その後、還元剤として20%コハク酸ジヒドラジド(以降SUDHと略記する)水溶液73.1部(金属1molに対しヒドラジド基2mol倍)を滴下すると液色が淡黄色から濃茶色に変化した。更に反応を促進させるために40℃に昇温し、反応を進行させた。静置、分離した後、水層を取り出すことで過剰の還元剤や不純物を除去し、更にトルエン層に数回蒸留水を加え、洗浄・分離を繰り返し、オレイン酸で保護された銀微粒子がトルエンに分散してなる分散体を得た。得られた銀微粒子分散体の、銀微粒子の平均粒子径は7±2nmであり、銀濃度は73%であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
セパラブル4口フラスコに冷却管、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付け、窒素雰囲気下、室温で撹拌しながらトルエン200部およびプロピオン酸銀18.1部を仕込み、0.5Mの溶液とした後に、分散剤としてジエチルアミノエタノール2.3部(金属1molに対し0.2mol倍)、オレイン酸2.8部(金属1molに対し0.1mol倍)を添加し溶解させた。
その後、還元剤として20%SUDH水溶液73.1部(金属1molに対しヒドラジド基2mol倍)を添加すると液色が淡黄色から濃茶色に変化した。更に反応を促進させるために40℃に昇温し、反応を進行させた。静置、分離した後、水層を取り出すことで過剰の還元剤や不純物を除去し、更にトルエン層に数回蒸留水を加え、洗浄・分離を繰り返し、プロピオン酸及びオレイン酸で保護された銀微粒子がトルエンに分散してなる分散体を得た。得られた銀微粒子分散体の、銀微粒子の平均粒子径は5±2nmであり、銀濃度は75%であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
原料の金属塩をペンタン酸銀20.9部に変更した以外は、合成例2と同様にしてペンタン酸及びオレイン酸で保護された銀微粒子分散体を得た。得られた銀微粒子分散体の、銀微粒子の平均粒子径は5±1nmであり、銀濃度は82%であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
原料の金属塩をヘキサン酸銀22.3部に変更した以外は、合成例2と同様にしてヘキサン酸及びオレイン酸で保護された銀微粒子分散体を得た。得られた銀微粒子分散体の、銀微粒子の平均粒子径は5±2nmであり、銀濃度は80%であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
原料の金属塩をオクタン酸銀25.1部に変更した以外は、合成例2と同様にしてオクタン酸及びオレイン酸で保護された銀微粒子分散体を得た。得られた銀微粒子分散体の銀微粒子の平均粒子径は6±2nmであり、銀濃度は70%であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
原料の金属塩をミリスチン酸銀33.5部に変更した以外は、合成例2と同様にしてミリスチン酸及びオレイン酸で保護された銀微粒子分散体を得た。得られた銀微粒子分散体の銀微粒子の平均粒子径は8±2nmであり、銀濃度は72%であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
原料の金属塩をステアリン酸銀39.1部に変更した以外は、合成例2と同様にしてステアリン酸及びオレイン酸で保護された銀微粒子分散体を得た。得られた銀微粒子分散体の銀微粒子の平均粒子径は8±2nmであり、銀濃度は65% であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
原料の金属塩をブタン酸銀19.5部に変更した以外は合成例2と同様にしてブタン酸及びオレイン酸で保護された銀微粒子分散体を得た。得られた銀微粒子分散体の銀微粒子の平均粒子径は5±2nmであり、銀濃度は75%であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
原料の金属塩をペンタン酸銅16.5部に、還元剤を20%SUDH水溶液146.2部(金属1molに対しヒドラジド基4molの割合)に変更した以外は合成例2と同様にしてペンタン酸及びオレイン酸で保護された銅微粒子分散体を得た。得られた銅微粒子分散体の銅粒子の平均粒子径は、7±2nmであり、銅濃度は75%であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
セパラブル4口フラスコに冷却管、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付け、窒素雰囲気下、室温で撹拌しながらトルエン200部およびプロピオン酸銀18.1部を仕込み、0.5Mの溶液とした後に、分散剤としてジエチルアミノエタノール2.3部(金属1molに対し0.2mol倍)、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ株式会社製)1.1部(金属に対し10重量%)を20%トルエン溶液として添加し溶解させた。
その後、還元剤として20%SUDH水溶液73.1部(金属1molに対しヒドラジド基2mol倍)を添加すると液色が淡黄色から濃茶色に変化した。更に反応を促進させるために4 0℃ に昇温し、反応を進行させた。静置、分離した後、水層を取り出すことで過剰の還元剤や不純物を除去し、更にトルエン層に数回蒸留水を加え、洗浄・分離を繰り返し、プロピオン酸及びアジスパーPB821で保護された銀微粒子がトルエンに分散してなる分散体を得た。得られた銀微粒子分散体の、銀微粒子の平均粒子径は5±2nmであり、銀濃度は68%であり、40℃で一ヶ月保存した後でも粒子径に変化はなく安定であった。
セパラブル4口フラスコに冷却管、温度計、窒素ガス導入管、攪拌装置を取り付け、窒素ガスを導入しながら1M硝酸銀水溶液を100部仕込み、攪拌しながらソルスパース32000(日本ルーブリゾール株式会社製、重量平均分子量約50000)1.9部を、トルエン10.8 部中に溶解させた溶液を滴下した。室温で30分攪拌した後、ジメチルアミノエタノール38.1部を滴下し、そのまま室温で一晩攪拌し反応を進行させた。水層を取り出し、数回蒸留水で洗浄・分離を繰返すことで過剰の還元剤と不純物の洗浄を行い、ソルスパース32000で保護された銀微粒子がトルエンに分散してなる分散体を得た。得られた銀微粒子分散体は、ペースト状であり、銀微粒子の平均粒子径は25±10nmであり、銀濃度は50%であった。
陰イオン交換能を有する物質として、カチオン変性アクリル系重合体溶液(明成化学工業株式会社製「パルセットJK−510」、不揮発分20%)15部、イオン交換能を有さない物質として、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製「スノーテックスO」、固形分20%)60部、液状媒体(水/イソプロピルアルコール=1/1)25部を混合し、サンドミルを用いて2時間分散し、イオン交換層形成用塗液を得た。
イオン交換能を有さない樹脂としてポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製「ポバールPVA−117」7.5部、陰イオン交換能を有する物質として、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(花王株式会社製「コータミン24P」2.5部、液状媒体(水/イソプロピルアルコール=1/1)90部を混合し、ディゾルバーを用いて60分間撹拌して、イオン交換層形成用塗液を得た。
コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製「スノーテックスO−40」、固形分40%)30部と、アミノ基を有するシランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1.2部を混合し、ディソルバーを用いて60分間撹拌し、陰イオン交換能を有する表面処理コロイダルシリカを得た。
前記表面処理コロイダルシリカ61.2部と、イオン交換能を有さない樹脂としてポリアセタール樹脂溶液(積水化学工業株式会社製「エスレックKW−1」、固形分20%)15部、液状媒体(水/ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート=4/6)23.8部を混合し、ペイントシェーカーを用いて4時間撹拌し、イオン交換層形成用塗液を得た。
陽イオン交換能を有する物質として、アニオン性樹脂(日本合成化学株式会社製「ゴーセナールT−350」)15部、イオン交換能を有さない物質としてコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製「スノーテックス」、固形分20%)60部、液状媒体(水/イソプロピルアルコール=1/1)25部を混合し、サンドミルを用いて2時間分散し、イオン交換層形成用塗液を得た。
<工程(1−1)及び(1−2)>
厚み100μmPETフィルムの片面に、[イオン交換層形成用塗液製造例1]で得られたイオン交換層形成用塗液を塗工・乾燥させた後、該イオン交換層上に[被覆導電性微粒子の分散体 合成例1]で得られた分散体を塗工し、180℃×10分乾燥させて、導電性被膜(VI)を具備するフィルム(1)を作製した。前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.1(Ω/□)であった。また、前記導電性被膜(VI)の厚みを後述する方法で求めたところ、0.8μmであった。
別途、片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させて、硬化性絶縁層(II)を具備するフィルム(2)を作製した。
<工程(1−4)及び(1−5)>
上記作製したフィルム(1)の導電性被膜(VI)面とフィルム(2)の硬化性絶縁層(II)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)を用いて貼り合せ後、フィルム(1)のイオン交換層と導電性被膜(VI)との間を剥がし、導電性被膜(VI)、硬化性絶縁層(II)、50μmPETフィルムからなるフィルム(3)を作製した。
別途、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(平均粒子径7μmの銀粉、福田金属箔粉工業製:AgXF301)120部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー100部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた硬化性導電性接着剤を、片面に剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に塗工し、100℃×2分乾燥させて、単位体積当たりの金属粉の含有量が1.2(g/cm3)、膜厚約7μmの硬化性導電性接着剤層(I)を具備するフィルム(4)を作製した。なお、硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.2(Ω/□)であった。
フィルム(4)の硬化性導電性接着剤層(I)面とフィルム(3)の導電性被膜(VI)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)により貼り合せて、電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
<工程(2−1)及び(2−2)>
厚み100μmPETフィルムの片面に[イオン交換層形成用塗液製造例2]で得られたイオン交換層形成用塗液を塗工・乾燥させた後、該イオン交換層上に[被覆導電性微粒子の分散体 合成例2]で得られた分散体を塗工し、100℃×15分乾燥させて、導電性被膜(VI)を具備するフィルム(1)を作製した。前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.03(Ω/□)であった。また、前記導電性被膜(VI)の厚みを後述する方法で求めたところ、0.5μmであった。
別途、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−2)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(平均粒子径5μmの銀粉、福田金属箔粉工業製:AgC222)120部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−2)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー100部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた硬化性導電性接着剤を、片面が剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に塗工し、100℃×2分乾燥させて、単位体積当たりの金属粉の含有量が1.6(g/cm3)、膜厚約7μmの硬化性導電性接着剤層(I)を具備するフィルム(4)を作製した。硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、1.2(Ω/□)であった。
上記作製したフィルム(1)の導電性被膜(VI)面とフィルム(4)の硬化性導電性接着剤層(I)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)を用いて貼り合せ後、フィルム(1)のイオン交換層(V)と導電性被膜(VI)の間を剥がし、導電性被膜(VI)、硬化性導電性接着剤層(I)、75μmPETフィルムからなるフィルム(5)を作製した。
別途、片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−2)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させて、硬化性絶縁層(II)を具備するフィルム(2)を作製した。
フィルム(2)の硬化性絶縁層(II)面とフィルム(5)の導電性被膜(VI)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)により貼り合せて、電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
<工程(3−1)及び(3−2)>
厚み100μmPETフィルムの片面に[イオン交換層形成用塗液製造例3]で得られたイオン交換層形成用塗液を塗工・乾燥させた後、イオン交換層上に[被覆導電性微粒子の分散体 合成例3]で得られた分散体を塗工し、120℃×10分乾燥させて、前記導電性被膜(VI)を具備するフィルム(1)を作製した。前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.05(Ω/□)であった。また、前記導電性被膜(VI)の厚みを後述する方法で求めたところ、0.1μmであった。
別途、両面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−3)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させて、硬化性絶縁層(II)を具備するフィルム(2)を作製した。
上記作製したフィルム(1)の導電性被膜(VI)面とフィルム(2)の硬化性絶縁層(II)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)を用いて貼り合せ後、フィルム(1)のイオン交換層(V)と導電性被膜(VI)の間を剥がし、導電性被膜(VI)、硬化性絶縁層(II)、50μmPETフィルムからなるフィルム(3)を作製した。
別途、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−3)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(平均粒子径5μmの銀粉、福田金属箔粉工業製:AgC2011)120部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−3)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー100部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた硬化性導電性接着剤を、フィルム(3)の導電性被膜(VI)上に塗工し、100℃×2分乾燥させて、単位体積当たりの金属粉の含有量が2.0(g/cm3)、膜厚約7μmの硬化性導電性接着剤層(I)を形成し、本発明の電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
なお、前記硬化性接着剤組成物を厚み100μmPETフィルムに塗工し、同様の条件にて乾燥させ、同様の膜厚の硬化性導電性接着剤層を得、その表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、5(Ω/□)であった。
<工程(4−1)及び(4−2)>
厚み100μmPETフィルムの片面に[イオン交換層形成用塗液製造例1]で得られたイオン交換層形成用塗液を塗工・乾燥させた後、イオン交換層上に[被覆導電性微粒子の分散体 合成例4]で得られた分散体を塗工し、150℃×5分乾燥させて、前記導電性被膜(VI)を具備するフィルム(1)を作製した。前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.08(Ω/□)であった。また、前記導電性被膜(VI)の厚みを後述する方法で求めたところ、0.2μmであった。
別途、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−2)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(平均粒子径31μmの銀コート銅粉、福田金属箔粉工業製:Agコート2L3)120部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−2)との合計100重量部に対して、導電フィラー100部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた硬化性導電性接着剤を、片面に剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に塗工し、100℃×2分乾燥させて、単位体積当たりの金属粉の含有量が1.8(g/cm3)、膜厚約7μmの硬化性導電性接着剤層(I)を具備するフィルム(4)を作製した。硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、7.0(Ω/□)であった。
<工程(4−4)及び(4−5)>
上記作製したフィルム(1)の導電性被膜(VI)面とフィルム(4)の硬化性導電性接着剤層(I)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)を用いて貼り合せ後、フィルム(1)のイオン交換層(V)と導電性被膜(VI)の間を剥がし、導電性被膜(VI)、硬化性導電性接着剤層(I)、75μmPETフィルムからなるフィルム(5)を作製した。
<工程(4−6)>
フィルム(5)の導電性被膜上に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工・乾燥し、電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
<工程(5−1)及び(5−2)>
厚み100μmPETフィルムの片面に[イオン交換層形成用塗液製造例2]で得られたイオン交換層形成用塗液を塗工・乾燥させた後、イオン交換層上に[被覆導電性微粒子の分散体 合成例5]で得られた分散体を塗工し、160℃×2分乾燥させて、前記導電性被膜(VI)を具備するフィルム(1)を作製した。前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.1(Ω/□)であった。また、前記導電性被膜(VI)の厚みを後述する方法で求めたところ、0.05μmであった。
<工程(5−3)及び(5−4)>
フィルム(1)の導電性被膜上に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させてフィルム(6)を作製し、得られたフィルム(6)のイオン交換層と導電性被膜層の層間からイオン交換層付き100μmPETフィルムを剥離し、導電性被膜、絶縁性樹脂からなるフィルム(7)を作製した。
<工程(5−5)>
ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(福田金属箔粉工業製:AgXF301)180部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−3)との合計100重量部に対して、導電フィラー150部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた硬化性導電性接着剤を、片面に剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に塗工し、100℃×2分乾燥させて、単位体積当たりの金属粉の含有量が1.4(g/cm3)、膜厚約7μmの硬化性導電性接着剤層(I)を具備するフィルム(4)を作製した。なお、硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.2(Ω/□)であった。
<工程(6−1)及び(6−2)>
厚み100μmPETフィルムの片面に[イオン交換層形成用塗液製造例3]で得られたイオン交換層形成用塗液を塗工・乾燥させた後、イオン交換層上に[被覆導電性微粒子の分散体 合成例6]で得られた分散体を塗工し、160℃×10分乾燥させて、前記導電性被膜(VI)を具備するフィルム(1)を作製した。前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.1(Ω/□)であった。また、前記導電性被膜(VI)の厚みを後述する方法で求めたところ、2.0μmであった。
<工程(6−3)>
続いてフィルム(1)の導電性被膜上に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−2)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させてフィルム(6)を作製した。
<工程(6−4)>
得られたフィルム(6)のイオン交換層層と導電性被膜層の層間からイオン交換層付き100μmPETフィルムを剥離し、導電性被膜、絶縁性樹脂からなるフィルム(7)を作製した。
<工程(6−5)>
別途、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(福田金属箔粉工業製:AgXF301)100部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー83部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた導電性接着剤を、フィルム(7)の導電性被膜上に単位体積当たりの金属粉の含有量が0.8(g/cm3)になるように塗工し、100℃×2分乾燥させて、電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
<工程(1−1)及び(1−2)>
厚み100μmPETフィルムの片面に、[イオン交換層形成用塗液製造例1]で得られたイオン交換層形成用塗液を塗工・乾燥させた後、該イオン交換層上に[被覆導電性微粒子の分散体 合成例9]で得られた分散体を塗工し、180℃×2分乾燥させて、導電性被膜(VI)を具備するフィルム(1)を作製した。前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.15(Ω/□)であった。また、前記導電性被膜(VI)の厚みを後述する方法で求めたところ、0.15μmであった。
別途、片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させて、硬化性絶縁層(II)を具備するフィルム(2)を作製した。
<工程(1−4)及び(1−5)>
上記作製したフィルム(1)の導電性被膜(VI)面とフィルム(2)の硬化性絶縁層(II)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)を用いて貼り合せ後、フィルム(1)のイオン交換層と導電性被膜(VI)との間を剥がし、導電性被膜(VI)、硬化性絶縁層(II)、50μmPETフィルムからなるフィルム(3)を作製した。
別途、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(平均粒子径7μmの銀粉、福田金属箔粉工業製:AgXF301)100部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー83部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた硬化性導電性接着剤を、片面に剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に塗工し、100℃×2分乾燥させて、単位体積当たりの金属粉の含有量が0.8(g/cm3)、膜厚約7μmの硬化性導電性接着剤層(I)を具備するフィルム(4)を作製した。なお、硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.2(Ω/□)であった。
フィルム(4)の硬化性導電性接着剤層(I)面とフィルム(3)の導電性被膜(VI)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)により貼り合せて、電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
<工程(2−1)及び(2−2)>
厚み100μmPETフィルムの片面に[イオン交換層形成用塗液製造例4]で得られたイオン交換層形成用塗液を塗工・乾燥させた後、該イオン交換層上に[被覆導電性微粒子の分散体 合成例2]で得られた分散体を塗工し、180℃×15分乾燥させて、導電性被膜(VI)を具備するフィルム(1)を作製した。前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.1(Ω/□)であった。また、前記導電性被膜(VI)の厚みを後述する方法で求めたところ、1.0μmであった。
別途、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−2)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(平均粒子径5μmの銀粉、福田金属箔粉工業製:AgXF301)100部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−2)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー83部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた硬化性導電性接着剤を、片面が剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に塗工し、100℃×2分乾燥させて、単位体積当たりの金属粉の含有量が0.8(g/cm3)、膜厚約7μmの硬化性導電性接着剤層(I)を具備するフィルム(4)を作製した。硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率を後述する方法で求めたところ、0.2(Ω/□)であった。
上記作製したフィルム(1)の導電性被膜(VI)面とフィルム(4)の硬化性導電性接着剤層(I)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)を用いて貼り合せ後、フィルム(1)のイオン交換層(V)と導電性被膜(VI)の間を剥がし、導電性被膜(VI)、硬化性導電性接着剤層(I)、75μmPETフィルムからなるフィルム(5)を作製した。
別途、片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−2)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させて、硬化性絶縁層(II)を具備するフィルム(2)を作製した。
フィルム(2)の硬化性絶縁層(II)面とフィルム(5)の導電性被膜(VI)面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)により貼り合せて、電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
<工程(7−1)>
片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させてフィルム(2)を作製した。
<工程(7−2)>
続いて、フィルム(2)の絶縁層樹脂上に、導電性微粒子[被覆導電性微粒子の分散体 合成例7]を塗工し、180℃×30分乾燥させて、フィルム(3)を得た。
<工程(7−3)及び(7−4)>
別途、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)3部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物336部に対して、導電フィラー(福田金属箔粉工業製:AgXF301)154部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー150部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた導電性接着剤を、フィルム(3)の導電性被膜上に単位体積当たりの金属粉の含有量が1.4(g/cm3)になるように塗工し、100℃×2分乾燥させて、導電性接着剤層面と片面に剥離処理を施した75μmPETフィルムの剥離処理面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)により貼り合せて、電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
<工程(8−1)>
片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させてフィルム(2)を作製した。
<工程(8−2)>
続いて、フィルム(2)の絶縁層樹脂上に、導電性微粒子[被覆導電性微粒子の分散体 合成例8]を塗工し、150℃×30分乾燥させて、フィルム(3)を得た。
<工程(8−3)及び(8−4)>
別途、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(福田金属箔粉工業製:AgXF301)360部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー300部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた導電性接着剤を、片面に剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に、単位体積当たりの金属粉の含有量が2.9(g/cm3)になるように塗工し、100℃×2分乾燥させてフィルム(4)を作製し、フィルム(4)の導電性接着剤面とフィルム(3)の導電性被膜面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)により貼り合せて電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
<工程(9−1)>
ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(福田金属箔粉工業製:AgXF301)80部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー67部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた導電性接着剤を、片面に剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に、単位体積当たりの金属粉の含有量が0.4(g/cm3)になるように塗工し、100℃×2分乾燥させてフィルム(4)を作製した。
<工程(9−2)>
フィルム(4)の導電性接着剤上に、導電性微粒子[被覆導電性微粒子の分散体 合成例10]を塗工し、180℃×30分乾燥させて、フィルム(8)を得た。
<工程(9−3)及び(9−4)>
続いて、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工・乾燥し、絶縁性樹脂層面と片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)により貼り合せて、電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
<工程(10−1)>
ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(A−1)333部に対して、エポキシ樹脂(B−1)20部を加えて接着樹脂組成物を得た。この接着樹脂組成物353部に対して、導電フィラー(福田金属箔粉工業製:AgXF301)180部を加えて攪拌混合し、ポリウレタンポリウレア樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−1)との合計100重量部に対して、導電フィラー150部を含有する、硬化性導電性接着剤を得た。
得られた導電性接着剤を、片面に剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に、単位体積当たりの金属粉の含有量が1.4(g/cm3)になるように塗工し、100℃×2分乾燥させてフィルム(4)を作製した。
<工程(10−2)>
フィルム(4)の導電性接着剤上に、導電性微粒子(導電性微粒子合成例11)を塗工し、250℃×30分乾燥させて、フィルム(8)を得た。
<工程(10−3)及び(10−4)>
別途、片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−2)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工・乾燥しフィルム(2)を作製し、フィルム(8)の導電性微粒子面とフィルム(2)の絶縁性樹脂面とをラミネーター(80℃、圧力2MPa、ラインスピード 2m/分)により貼り合せて、電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させて、硬化性絶縁層を具備するフィルム(1)を作製した。
得られた導電性接着剤を、片面に剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に、塗工し、100℃×2分乾燥させて、単位体積当たりの金属粉の含有量が1.2(g/cm3)の硬化性導電性接着剤層を具備するフィルム(2)を作製した。硬化性導電性接着剤層の膜厚は約7μm、表面抵抗率は0.2(Ω/□)であった。
実施例1の電磁波シールド性接着性フィルムと比較例1の電磁波シールド性接着性フィルムとは、イオン交換層を利用して形成した導電性被膜(VI)を具備するか否かの点で相違する。
実施例1で用いた導電フィラーを平均粒子径が75μmの銀粉(福田金属箔粉工業製:CE6)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で電磁波シールド性接着性フィルムを得た。
片面に剥離処理を施した50μmPETフィルムの剥離処理面に、ポリウレタンポリウレア樹脂溶液(C−1)333部に対して、エポキシ樹脂(D−1)20部を加えた絶縁性樹脂を塗工し、100℃×2分乾燥させて、硬化性絶縁層を具備するフィルム(1)を作製した。
さらにフィルム(1)の硬化性絶縁性層面に、0.1μm厚みの銀蒸着をし、フィルム(2)を作製した。
得られた導電性接着剤を、片面に剥離処理を施した75μmのPETフィルムの剥離処理面に塗工し、100℃×2分乾燥させて、単位体積当たりの金属粉の含有量が1.2(g/cm3)の硬化性導電性接着剤層を具備するフィルム(3)を得た。硬化性導電性接着剤層の膜厚は約7μm、表面抵抗率は0.2(Ω/□)であった。
(1)ポリイミドフィルム接着性の評価
幅10mm、長さ70mmの硬化性電磁波シールド性接着性フィルムを用意し、75μm厚みの剥離PETフィルムを剥がし、露出した硬化性導電性接着剤層に、厚さが50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を150℃、1.0MPa、30minの条件で圧着し、硬化性導電性接着剤層(I)及び硬化性絶縁層(II)を硬化させた。
圧着後、測定用の補強のために、50μm厚みの剥離PETフィルムを除去し、露出した硬化絶縁層に、ポリウレタンポリウレア系の接着シートを用い、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン200EN」)を、150℃、1MPa、30minの条件で圧着した。
23℃相対湿度50%の雰囲気下、引っ張り速度50mm/min、剥離角度90°で、硬化した導電性接着剤層とポリイミドフィルムとの間を剥離し、剥離力の中心値をポリイミドフィルム接着強度(N/cm)とした。
幅6mm、長さ120mmの硬化性電磁波シールド性接着性フィルムから75μm厚みの剥離PETフィルムを剥がし、露出した硬化性導電性接着剤層(I)を、別に作製したフレキシブルプリント配線板(厚み25μmのポリイミドフィルム上に、厚み12μmの銅箔からなる回路パターンが形成されており、さらに回路パターン上に、接着剤付きの、厚み40μmのカバーフィルムが積層されてなる配線板)のカバーフィルム面に、150℃、1MPa、30minの条件で圧着し、硬化性導電性接着剤層(I)及び硬化性絶縁層(II)を硬化させた。
50μm厚みの剥離PETフィルムを除去し、曲率半径0.38mm、荷重500g、速度180回/minの条件でMIT屈曲試験機にかけ、回路パターンが断線するまでの回数により耐屈曲性を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:4000回以上
△:3500回以上4000回未満
×:3500回未満
幅20cm、長さ20cmの電磁波シールド性フィルムを用意し、KEC法により電磁波シールド性(電界)測定を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:周波数1GHzにおける電磁波シールド性が60dB以上
○:周波数1GHzにおける電磁波シールド性が50dB以上60dB未満
△:周波数1GHzにおける電磁波シールド性が40dB以上50dB未満
×:周波数1GHzにおける電磁波シールド性が40dB未満
表1中に表面抵抗値を記載したが、本発明においては、三菱化学アナリテック製「ロレスターGP」の四探針プローブを用いて、電磁波シールド性フィルムの表面抵抗値を測定した。
<膜厚の測定>
本発明においては、導電回路の膜厚は膜厚計(株式会社仙台ニコン製「MH−15M型」)、および透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社)により測定した。
(II):硬化性絶縁層
(IV):シート状部材
(V):イオン交換層
(VI):導電性被膜
1、2:剥離性フィルム
Claims (28)
- 硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムであって、
前記導電性被膜が、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体から形成された被膜であり、
前記硬化性導電性接着剤層が、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有し、
前記導電性被膜の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率よりも相対的に小さいことを特徴とする電磁波シールド性接着性フィルム。 - 導電性粒子が、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、および鉄から選ばれる1種であるか、または前記群から選ばれる2種以上からなる合金、または前記群から選ばれる2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド性接着性フィルム。
- 導電性粒子が、銀であることを特徴とする、請求項2記載の電磁波シールド性接着性フィルム。
- 保護物質が、イオン性官能基を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルム。
- 保護物質が、カルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする請求項4記載の電磁波シールド性接着性フィルム。
- 有機酸が、炭素数3〜22である、飽和または不飽和の、直鎖または分岐を有する、鎖状の脂肪酸であることを特徴とする請求項5記載の電磁波シールド性接着性フィルム。
- 導電性被膜が、保護物質のイオン性に対応した性質を有するイオン交換能を有した、イオン交換層と、保護物質によって被覆されてなる導電性粒子とを接触させることにより得られたものであることを特徴とする、請求項4〜6いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルム。
- 硬化性導電性接着剤層が、カルボキシル基を有するポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有し、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して、金属粉:5〜400重量部を含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルム。
- 硬化性絶縁層が、カルボキシル基を有するポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、エポキシ樹脂(D)とを含有する硬化性絶縁層であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルム。
- 硬化性絶縁層の導電性被膜には接していない面、または、硬化性導電性接着剤層の導電性被膜には接していない面の少なくとも一方が、剥離性フィルムで覆われていることを特徴とする、請求項1〜9いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルム。
- 硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムを、イオン交換層を利用して製造する方法であって、
下記工程(1−1)〜(1−7)を含むことを特徴とする、電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(1−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(1−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(1−3)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(1−4)前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性絶縁層(II)とを重ね合わせる工程、
(1−5)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性絶縁層(II)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(1−6)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有するする硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(1−7)露出した前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性導電性接着剤層(I)とを重ね合わせる工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムを、イオン交換層を利用して製造する方法であって、
下記工程(2−1)〜(2−7)を含むことを特徴とする、電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(2−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(2−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(2−3)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(2−4)前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性導電性接着剤層(I)とを重ね合わせる工程、
(2−5)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性導電性接着剤層(I)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(2−6)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(2−7)露出した前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性絶縁層(II)とを重ね合わせる工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムを、イオン交換層を利用して製造する方法であって、
下記工程(3−1)〜(3−6)を含むことを特徴とする、導電性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(3−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(3−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(3−3)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(3−4)前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性絶縁層(II)とを重ね合わせる工程、
(3−5)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性絶縁層(II)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(3−6)露出した前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムを、イオン交換層を利用して製造する方法であって、
下記工程(4−1)〜(4−6)を含むことを特徴とする、導電性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(4−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(4−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(4−3)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(4−4)前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性導電性接着剤層(I)とを重ね合わせる工程、
(4−5)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性導電性接着剤層(I)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(4−6)露出した前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムを、イオン交換層を利用して製造する方法であって、
下記工程(5−1)〜(5−6)を含むことを特徴とする、剥離性フィルム2で硬化性導電性接着剤層(I)面が被覆された導電性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(5−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(5−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(5−3)前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(5−4)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を硬化性絶縁層(II)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(5−5)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(5−6)露出した前記導電性被膜(VI)と、前記硬化性導電性接着剤層(I)とを重ねる工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムを、イオン交換層を利用して製造する方法であって、
下記工程(6−1)〜(6−5)を含むことを特徴とする、導電性電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(6−1)シート状部材(IV)上に、イオン交換能を有する物質を含むイオン交換層(V)を形成する工程、
(6−2)前記イオン交換層(V)上に、導電性粒子が前記交換層の交換能と対応する性質を有する保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散液を塗工し、加熱し、導電性被膜(VI)を形成する工程、
(6−3)前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(6−4)前記イオン交換層(V)から前記導電性被膜(VI)を剥がし取り、前記導電性被膜(VI)を前記硬化性絶縁層(II)に転移させ、前記導電性被膜(VI)を露出する工程、
(6−5)露出した前記導電性被膜(VI)上に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 保護物質がイオン性官能基を有し、
前記イオン性官能基が陰イオン性官能基の場合、イオン交換能を有するイオン交換層(V)が、陰イオン交換能を有する物質を含む陰イオン交換層(Va)であり、
前記イオン性官能基が陽イオン性官能基の場合、イオン交換能を有するイオン交換層(V)が、陽イオン交換能を有する物質を含む陽イオン交換層(Vc)であることを特徴とする、請求項11〜16いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。 - 下記工程(7−1)〜(7−4)を含むことを特徴とする、硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(7−1)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(7−2)前記硬化性絶縁層(II)上に、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散体を塗工し、加熱し、導電性被膜(III)を形成する工程、
(7−3)前記導電性被膜(III)上に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(7−4)形成された前記硬化性導電性接着剤層(I)の他方の面と、剥離性フィルム2とを重ね合わせる工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 下記工程(8−1)〜(8−4)を含むことを特徴とする、硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(8−1)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(8−2)前記硬化性絶縁層(II)上に、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散液を塗工し、加熱し、導電性被膜(III)を形成する工程、
(8−3)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(8−4)前記硬化性導電性接着剤層(I)と、前記導電性被膜(III)とを重ね合わせる工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 下記工程(9−1)〜(9−4)を含むことを特徴とする、硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(9−1)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(9−2)前記硬化性導電性接着剤層(I)上に、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散液を塗工し、加熱し、導電性被膜(III)を形成する工程、
(9−3)前記導電性被膜(III)上に硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(9−4)前記硬化性絶縁層(II)の他方の面と、剥離性フィルム1とを重ね合わせる工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 下記工程(10−1)〜(10−4)を含むことを特徴とする、硬化性絶縁層、導電性被膜、及び硬化性導電性接着剤層をこの順序で具備する、電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
(10−1)剥離性フィルム2の一方の面に、硬化性絶縁性樹脂100重量部に対して、平均粒子径が1〜50μmの金属粉83〜150重量部とを含有する硬化性導電性接着剤を塗工し、乾燥し、硬化性導電性接着剤層(I)を形成する工程、
(10−2)前記硬化性導電性接着剤層(I)上に、導電性粒子が保護物質によって被覆されてなる平均粒子径が0.001〜0.5μmの被覆導電性粒子を含む分散液を塗工し、加熱し、導電性被膜(III)を形成する工程、
(10−3)剥離性フィルム1の一方の面に、硬化性絶縁層(II)を形成する工程、
(10−4)前記硬化性絶縁層(II)の他方の面と、前記導電性被膜(III)とを重ね合わせる工程、
前記導電性被膜(VI)の表面抵抗率が1×10 -3 〜5×10 -1 (Ω/□)、前記硬化性導電性接着剤層の表面抵抗率が1×10 -2 〜1×10 2 (Ω/□)であり、導電性被膜(VI)の表面抵抗率が硬化性導電性接着剤層(I)の表面抵抗率よりも相対的に小さい。 - 保護物質が、イオン性官能基を有することを特徴とする請求項18〜21いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
- 保護物質が、カルボキシル基を有する有機酸であることを特徴とする請求項22記載の電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
- 有機酸が、炭素数3〜22である、飽和または不飽和の、直鎖または分岐を有する、鎖状の脂肪酸であることを特徴とする請求項23記載の電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
- 導電性粒子が、金、銀、銅、ニッケル、白金、パラジウム、および鉄から選ばれる1種であるか、または前記群から選ばれる2種以上からなる合金、または前記群から選ばれる2種以上の混合物であることを特徴とする請求項11〜24記載いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
- 導電性粒子が、銀であることを特徴とする、請求項25記載の電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
- 硬化性導電性接着剤層が、カルボキシル基を有するポリウレタンポリウレア樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有し、前記ポリウレタンポリウレア樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との合計100重量部に対して、金属粉:5〜400重量部を含有することを特徴とする請求項11〜26いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
- 硬化性絶縁層が、カルボキシル基を有するポリウレタンポリウレア樹脂(C)と、エポキシ樹脂(D)とを含有する硬化性絶縁層であることを特徴とする請求項11〜27いずれか記載の電磁波シールド性接着性フィルムの製造方法。
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