JP2013131385A - 導電性ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な印刷適性を有し、低温焼成により形成された導電パターンにおいて、良好な導電性を得ることが可能な導電性ペーストを提供する。
【解決手段】本発明の導電性ペーストは、ウレタン樹脂と、導電粉末と、760mmHgにおける沸点が250〜330℃である高沸点溶剤を30〜90質量%含む有機溶剤と、を含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性ペーストとそれを用いた導電パターンの製造方法に関する。
一般に、電子デバイスにおける高精細な配線パターンの形成に、導電粉末を含有する感光性樹脂組成物を利用したフォトリソグラフィーが用いられている。しかしながら、フォトリソグラフィーは、材料を除去することでパターンを形成する減法プロセスであるため、感光性樹脂組成物の使用効率が低く、工程が複雑で、ウェットプロセス等に大がかりな設備が必要になる等の問題がある。
一方、所望の箇所に材料を付加する加法プロセスとして、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷等の印刷法が注目されている。例えばグラビアオフセット印刷によれば、ペースト化された樹脂組成物をグラビア版に供給し、これを例えばシリコーン製のブランケットに転写し、さらにステージ上の基材に転写することにより、パターンを形成することができる。
このような印刷法において、版を介してインキを基材に転写することから、良好な転写性が要求される。特に、グラビアオフセット印刷は、インキをグラビア版からブランケットを介して基材に転写するため、それぞれの工程で確実にインキを転写することが必要であり、連続印刷において、ブランケットから基材への転写率が100%であることや、基材に転写されたパターンの形状不良を抑える等の印刷適性の優れたペーストが要求されている。
ところで、近年、例えば基材にPETなどのフレキシブル基板を用いた電子ペーパー等のフレキシブルデバイスや、タッチパネル等の耐熱性の低いデバイスへの適用のため、低温焼成による電極形成が要求されている。低温焼成可能な熱硬化型導電性ペーストについては、種々提案されている(例えば、特許文献1など参照)ものの、10−5Ω・cmオーダーの低抵抗を発現することは困難であるという問題がある。
このように、印刷法により耐熱性の低いデバイスにおける配線パターンを形成する際、ペーストの良好な印刷適性のみならず、低温焼成により形成される配線パターンにおいて、良好な電気特性が得られることが要求される。しかしながら、これらを同時に満たすペーストを得ることは困難であるという問題がある。
特開2004−355933号公報
本発明は、これら課題を解決すべく開発されたものであり、優れた印刷適性を有し、低温焼成により形成された導電パターンにおいて、良好な導電性を得ることが可能な導電性ペーストを提供することを目的としている。
本実施形態の導電性ペーストは、ウレタン樹脂と、導電粉末と、760mmHgにおける沸点が250〜330℃である高沸点溶剤を30〜90質量%含む有機溶剤と、を含有することを特徴とする。
このような構成により、基材への転写性、パターンの直進性、線幅再現性等の印刷適性に優れるとともに、低温焼成により形成された導電パターンにおいて、良好な導電性を得ることが可能となる。
また、本実施形態の導電性ペーストは、上記ウレタン樹脂は、重量平均分子量が、500〜100000であるカルボキシル基含有ウレタン樹脂を含むことを特徴とする。
このような構成により、得られる導電パターンに十分な可撓性、硬度を付与することができる。
また、本実施形態の導電性ペーストは、さらに、架橋剤として、少なくとも1分子中にグリシジル基を2個以上含むエポキシ樹脂を含有することを特徴とする。
このような構成により、導電パターン形成において3次元網目鎖を形成し、得られる導電パターンの耐溶剤性、密着性が向上する。
また、本実施形態の導電性パターンの形成方法は、上記した導電性ペーストのパターンを版上に形成し、形成された前記パターンをブランケット胴表面に一次転写し、一次転写された前記パターンを基材表面に二次転写し、二次転写されたパターンを80〜200℃で乾燥、又は硬化させることを特徴とする。
このような構成により、導電パターンにおいて、良好な導電性を有するとともに、良好な直進性、線幅再現性を有するため、高信頼性、導電特性を有する電子デバイスを得ることが可能となる。
本発明によれば、パターンの直進性、線幅再現性等の優れた印刷適性を有し、低温焼成により形成された導電パターンにおいて、良好な導電性を得ることが可能な導電性ペーストを提供できる。
本発明の一態様にかかるグラビアオフセット印刷の工程を示す図。 実施例4の印刷物パターンの光学顕微鏡写真。 比較例1の印刷物パターンの光学顕微鏡写真。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、導電性ペーストとしてウレタン樹脂、導電粉末、および760mmHgにおける沸点が250〜330℃である高沸点溶剤を30〜90質量%含む有機溶剤とを含有することによって、上記課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。特に、ウレタン樹脂と、760mmHgにおける沸点が250〜330℃である高沸点溶剤を30〜90質量%含む有機溶剤とを併用することにより、特にグラビアオフセット印刷における、基板等の被転写体への転写性、転写後におけるパターンの直進性および線幅再現性といった印刷適性に優れ、その硬化物パターンにおいて、良好な導電性を得ることができる。
以下、本実施形態の導電性ペーストについて詳細に説明する。
本実施形態の導電性ペーストにおけるウレタン樹脂は、ペーストに良好な印刷適性を付与すると共に、その硬化物(導電パターン)に残存し、密着性、耐屈曲性、硬度などの物性を付与するバインダー樹脂として用いられる。このようなウレタン樹脂としては、導電性ペーストに印刷適性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、例えばカルボキシル基含有ウレタン樹脂、フェノール性ヒドロキシル基含有ウレタン樹脂、アミノ基含有ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、特にカルボキシル基含有ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
カルボキシル基含有ウレタン樹脂としては、具体的には、例えばポリイソシアネート(a)と、ビスフェノールA型アルキレンオキサイド付加体ジオール(b)、ポリカーボネートポリオール(c)、およびジメチロールアルカン酸(d)との反応で形成されるウレタン結合と、ジメチロールアルカン酸(d)により導入されたカルボキシル基を有するものが用いられる。
このようなウレタン樹脂は、ポリイソシアネート(a)、ビスフェノールA型アルキレンオキサイド付加体ジオール(b)、ポリカーボネートポリオール(c)、ジメチロールアルカン酸(d)、および反応停止剤(末端封止剤)として機能するモノヒドロキシル化合物(e)を一括混合して反応させる、或いはポリイソシアネート(a)、ビスフェノールA型アルキレンオキサイド付加体ジオール(b)、ポリカーボネートポリオール(c)、およびジメチロールアルカン酸(d)を反応させ、続いてモノヒドロキシル化合物(e)を反応させることで得ることができる。
上記反応は、室温〜100℃で撹拌・混合することにより無触媒で進行するが、反応速度を高めるために70〜100℃に加熱することが好ましい。
ポリイソシアネート(a)としては、例えば2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、(o,m,又はp)−キシレンジイソシアネート、(o,m,又はp)−水添キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられる。これらのポリイソシアネートは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、トルエンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。これらのジイソシネートを使用した場合、はんだ耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。
ビスフェノールA型アルキレンオキサイド付加体ジオール(b)としては、例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、プロピレンオキサイド付加体、ブチレンオキサイド付加体等が挙げられるが、これらの中でもビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体が好ましい。
ポリカーボネートポリオール(c)としては、ポリカーボネートジオールが好ましい。ポリカーボネートジオールとしては、1種又は2種以上の直鎖状脂肪族ジオール由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール、1種又は2種以上の脂環式ジオール由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオール、又はこれら両方のジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールが挙げられる。これらのポリカーボネートジオールは、直鎖状脂肪族或いは脂環式ジオールと、例えば炭酸エステルとのエステル交換反応や、ホスゲンとの反応等によって製造することができる。
直鎖状脂肪族ジオール由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールとしては、具体的には、例えば1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール、1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール、および3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール等が挙げられる。
脂環式ジオール由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールとしては、具体的には、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノールから誘導されるポリカーボネートジオール等が挙げられる。
直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールの両方のジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールとしては、具体的には、例えば1,6−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジメタノールから誘導されるポリカーボネートジオール等が挙げられる。
直鎖状脂肪族ジオール由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールは、低反り性や可撓性に優れる傾向がある。また、脂環式ジオール由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールは、結晶性が高くなり、耐錫めっき性、はんだ耐熱性に優れる傾向にある。これらの観点から、ポリカーボネートジオールは2種以上を組み合わせて用いるか、あるいは直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールの両方のジオールに由来の繰り返し単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールを用いることができる。低反り性や可撓性と、はんだ耐熱性や耐錫めっき性とをバランスよく発現させるには、直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールの共重合割合が質量比で3:7〜7:3のポリカーボネートジオールを用いるのが好ましい。
ポリカーボネートジオールは、数平均分子量200〜5,000のものが好ましいが、ポリカーボネートジオールが構成単位として直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールに由来の繰り返し単位を含み、直鎖状脂肪族ジオールと脂環式ジオールの共重合割合が質量比で3:7〜7:3である場合は、数平均分子量が400〜2000のものが好ましい。
ジメチロールアルカン酸(d)は、ジヒドロキシ脂肪族カルボン酸であり、具体的には、例えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。ジメチロールアルカン酸(d)を使用することによって、ウレタン樹脂中に容易にカルボキシル基を導入することができる。
モノヒドロキシル化合物(e)は、ポリウレタンの末端封止剤となるものであり、分子中にヒドロキシル基を1つ有する化合物であればよく、脂肪族アルコール、モノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、具体的には、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等が挙げられ、モノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基含有ウレタン樹脂の重量平均分子量は500〜100000であることが好ましい。カルボキシル基含有ウレタン樹脂の重量平均分子量が500未満では、硬化膜の伸度、可撓性、並びに強度を損なうことがあり、一方、重量平均分子量が100,000を超えると硬くなり、可撓性を低下させる恐れがある。より好ましくは、4000〜50000、さらに好ましくは6000〜30000である。なお、樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の値である。
カルボキシル基含有ウレタン樹脂の酸価は、5〜150mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。酸価が5mgKOH/g未満ではペーストの凝集力が低下し、印刷時に転移不良を起こしやすくなる。一方、酸価が150mgKOH/gを超えると、ペーストの粘度が高くなり過ぎ、多量の架橋剤を配合する必要があるなど、印刷適性の付与が困難となる。より好ましくは、10〜100mgKOH/gである。なお、樹脂の酸価はJIS K5407に準拠して測定した値である。
また、印刷性を補うことを目的として、上記ウレタン樹脂以外のバインダー樹脂を含有してもよい。具体的には、例えばポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などの各種変性ポリエステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)、セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)などの変性セルロース類などが挙げられる。
これらのうち、少なくとも1分子中にカルボキシル基を2つ以上含むカルボキシル基含有樹脂を含むことが好ましい。このようなカルボキシル基含有樹脂としては、具体的には、以下に列挙するような樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上と共重合することにより得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上との共重合体に、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどの単官能エポキシ化合物を付加させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂。
(3)グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、プロピオン酸などの飽和カルボン酸を反応させ、生成した二級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(4)無水マレイン酸などの不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、ブタノールなどの水酸基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(5)多官能エポキシ化合物と飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(6)ポリビニルアルコール誘導体などの水酸基含有ポリマーに、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる水酸基及びカルボキシル基含有樹脂。
(7)多官能エポキシ化合物と、飽和モノカルボン酸と、1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と、エポキシ基と反応するアルコール性水酸基以外の1個の反応性基を有する化合物との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(8)1分子中に少なくとも2個のオキセタン環を有する多官能オキセタン化合物に飽和モノカルボン酸を反応させ、得られた変性オキセタン樹脂中の第一級水酸基に対して飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(9)多官能エポキシ樹脂に飽和モノカルボン酸を反応させた後、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、更に、分子中に1個のオキシラン環を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
これらのうち特に、(1)、(2)及び(3)のカルボキシル基含有樹脂を用いることが好ましい。これらは、分子量、ガラス転移点などを任意に調整することができ、ペーストの印刷適性の調整や、基材に対する密着性を適宜制御することが可能である。
また、このようなカルボキシル基含有樹脂の酸価は、40〜200mgKOH/gであることが好ましい。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であるとペーストの凝集力が低下し印刷時に転写不良を起こしやすくなる。一方、200mgKOH/gを超えると、ペーストの粘度が高くなり過ぎ、多量の架橋剤を配合する必要があるなど、印刷適性の付与が困難となる。より好ましくは45〜150mgKOH/gである。
ウレタン樹脂以外のバインダー樹脂の配合割合は、全バインダー樹脂中50質量%以下が好ましい。配合割合が50質量%を超えると、基材との密着性が低下したり印刷パターンの線幅の乱れが生じてしまいペーストの特性を損ねてしまう。より好ましくは30質量%以下である。
本実施形態の導電性ペーストにおける導電粉末は、形成された導電パターンに導電性を付与するものであり、具体的には、例えばAg、Au、Pt、Pd、Ni、Cu、Al、Sn、Pb、Zn、Fe、Ir、Os、Rh、W、Mo、Ruなどを挙げることができる。
これらの導電粉末は、単体の形態で用いるものに限らず、これらのいずれかの合金や、これらのいずれかをコア又は被覆層とする多層体であってもよい。さらに、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム(In2O3)、ITO(Indium Tin Oxide)などの酸化物を用いてもよい。
その形状としては、球状、フレーク状、デントライト状など種々の形状のものを用いることができるが、特に印刷適性や分散性を考慮すると、球状のものを主体として用いることが好ましい。
このような導電粉末は、導電性ペーストの不揮発成分(乾燥工程でペースト中から揮発せず、膜に残存する成分)を基準として、85〜95質量%であることが好ましい。85質量%未満であると、十分な導電性を得ることが困難となり、95質量%を超えると、十分な印刷適性を得ることや、導電パターンの形状維持が困難となる。より好ましくは90〜94質量%である。
導電粉末の粒径は、球状の導電粉末を用いる場合、電子顕微鏡(SEM)を用いて10000倍にて観察したランダムな10個の導電粉末の平均粒径で、0.1〜5μmであることが好ましい。平均粒径が0.1μm未満の場合、導電粉末同士の接触が起き難くなり導電性が低下する。一方、平均粒径が5μmを超える場合、印刷した際のラインエッジの直進性が得られ難くなる。より好ましくは0.4〜2μmである。なお、マイクロトラックによって測定した平均粒径では、0.5〜3.5μmの大きさのものを用いることが好ましい。
また、フレーク状の導電粉末を用いる場合、電子顕微鏡(SEM)を用いて10000倍にて観察したランダムな10個の導電粉末の平均粒径で、0.1〜10μmであることが好ましい。平均粒径が0.1μm未満の場合、導電粉末同士の接触が起き難くなり導電性が低下する。一方、平均粒径が10μmを超える場合、印刷した際のラインエッジの直進性が得られ難くなる。より好ましくは0.4〜5μmである。なお、マイクロトラックによって測定した平均粒径では、0.5〜7μmの大きさのものを用いることが好ましい。
このような導電粉末としては銀粉末が好ましく、その場合、銀粉末は、比表面積が0.01〜2m2/gであることが好ましい。比表面積が0.01m2/g未満の場合、保存時に沈降を引き起こし易くなる。一方、比表面積が2m2/gを超える場合、吸油量が大きくなってペーストの流動性が損なわれる。より好ましくは0.5〜1.5m2/gである。
本実施形態の導電性ペーストには、良好な印刷適性を付与するために有機溶剤が用いられる。このような有機溶剤としては、ウレタン樹脂と化学反応することなく溶解できるものであり、特にグラビアオフセット印刷等の印刷過程でのペーストの乾燥を防ぎ、転写性を保つため、導電性ペースト中に含まれる有機溶剤中に760mmHgにおける沸点が250〜330℃の範囲である高沸点溶剤を含むことが必要である。
上記高沸点溶剤の760mmHgにおける沸点が250℃より低いと、印刷時のオフ工程−セット工程においてブランケットに転写したペーストが乾燥しやすくなり、セット工程で基材に転写しなくなる。一方、330℃より高くなると、上記印刷工程での乾燥は抑制できるものの、印刷後の乾燥工程において印刷パターン中に溶剤が残存し易くなり、抵抗値の上昇、密着性の低下などの不具合を引き起こす。より好ましくは、250℃〜300℃である。また、導電性ペーストに含まれる有機溶剤中の上記高沸点溶剤の割合は、30〜90質量%であることが好ましい。高沸点溶剤の割合が30質量%より少ないと、印刷されたパターンが版寸より細く印刷されてしまい良好な印刷パターンが得られ難くなる。一方、90質量%より多いと、印刷されたパターンににじみが生じやすくなり、やはり良好な印刷パターンが得られ難くなる。より好ましくは、30〜80質量%の割合である。
このような高沸点溶剤としては、例えばジアミルベンゼン(沸点:260〜280℃)、トリアミルベンゼン(沸点:300〜320℃)、n−ドデカノール(沸点:255〜259℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(沸点:255℃)、ジエチレングリコールモノアセテート(沸点:250℃)、トリエチレングリコール(沸点:276℃)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:256℃)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:271℃)、テトラエチレングリコール(沸点:327℃)、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:304℃)、トリプロピレングリコール(沸点:267℃)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(沸点:253℃)などが挙げられる。また、石油系炭化水素類としては、新日本石油社製のAFソルベント5号(沸点:275〜306℃)、6号(沸点:296〜317℃)、および7号(沸点:259〜282℃)等も挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれてもよい。これらのうち、トリエチレングリコール誘導体、又はトリプロピレングリコール誘導体が好適に用いられる。
上記高沸点溶剤以外の有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、1−ブタノール、ジアセトンアルコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テルピネオール、メチルエチルケトン、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトール等が挙げられる。これらは単体で、又は2種以上混合して用いることができる。
このような有機溶剤は、導電性ペーストが印刷などに適した粘度となるように適宜含有される。
本実施形態の導電性ペーストの粘度は、特にグラビアオフセット印刷に用いる場合、良好な印刷適性を得るには、コーンプレート型粘度計による測定値(25℃)で、50〜1000dPa・sであることが好ましい。粘度が50dPa・s未満であると導電性ペースト中の有機溶剤の割合が多すぎて転写性が低下し、良好な印刷をすることが困難となる。一方、粘度が1000dPa・sを超えるとグラビア版に充填されにくく、またドクターブレードでのかきとり性が悪化し、地汚れ(非画線部へのペーストの付着)が生じやすくなる。より好ましくは100〜650dPa・sである。なお、印刷時に適宜希釈することも可能である。
また、このような導電性ペーストの動的粘着性を示すタック値が、5〜35であることが好ましい。タック値が5未満であると、印刷時の転移性が劣り印刷品質を悪化させることがある。一方、タック値が35を超えると、印刷時に被印刷物のピッキング(被印刷物の破れ)やジャム(被印刷物が印刷機に詰まる)が起こりやすくなる。より好ましくは10〜30である。なお、タック値は、ロータリータックメーター(一般名:インコメーター)を用い、30℃、400回転の条件での測定した値である。
また、本実施形態の導電性ペーストにおいて、3次元網目鎖構造を形成し、形成されるパターンの耐溶剤性、密着性を向上させるために、さらに架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、印刷適性を劣化させることなくウレタン樹脂と反応し、架橋させることができればよい。このような架橋剤としては、加熱により硬化する樹脂であれば特に限定されず、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、及びそれらの変性樹脂が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。その他、分子中に少なくとも2個のオキセタニル基を有するオキセタン化合物等が挙げられる。
このような架橋剤のうち、少なくとも1分子中にグリシジル基を2個以上含むエポキシ樹脂を含むことが好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールAのノボラック型、ビフェノール型、ビキシレノール型、トリスフェノールメタン型、N−グリシジル型、N−グリシジル型のエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂など、公知のエポキシ樹脂が挙げられるが、特定のものに限定されるものではなく、また、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、エポキシ当量(1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数)が100〜300の範囲であるエポキシ樹脂を用いることで、少量の添加で効率良く架橋することができるため好ましい。
このようなエポキシ樹脂の配合割合は、ウレタン樹脂100質量部当たり1〜100質量部が適当であり、好ましくは5〜40質量部である。
また、これらの他、ウレタン樹脂と架橋剤との反応を促進させるためのアミン化合物、イミダゾール誘導体などの硬化触媒や、印刷適性を損なわない範囲で、金属分散剤、チキソトロピー性付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑化剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、カップリング剤や充填剤などの添加剤を配合してもよい。
このような導電性ペーストを用いて、以下のようにして導電パターンを形成する。
先ず、グラビアオフセット印刷により、基材上に導電性ペーストの塗膜パターンを形成する。図1は、グラビアオフセット印刷の概略図を示している。
図1に示すように、グラビア版11に所望のパターン形状となるよう形成された凹部11aに導電性ペースト12を充填する。その後、中間転写体であるシリコーンブランケット13上に転写する(一次転写)。シリコーンブランケット13上に転写された導電性ペーストを、さらにステージ14上に載置した基材15に転写することにより(二次転写)、塗膜パターン16を形成する。
ここで用いられる基材としては、プリント配線板、ガラス基板の他、樹脂フィルム等のフレキシブル基板を用いることができる。また、用いられるグラビア版は、銅、42アロイ、ガラス等からなるシリンダーや平版の表面に対して、写真製版やレーザー彫刻等を施して製版される。必要に応じて、クロームめっき処理やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理を施し凹版の耐久性を向上させてもよい。
上記印刷により基材上に形成された塗膜パターン16を、80〜200℃で1〜60分乾燥、又は硬化させることで、導電パターンを形成する。
なお、導電パターン形成方法として、グラビアオフセット印刷法を挙げているが、本実施形態の導電性ペーストは、従来の導電性ペーストに代えて上記方法以外の公知の印刷法を利用して、パターンを形成できるのは勿論である。
以下、実施例および比較例を示して本実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、以下において「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
<ウレタン樹脂の合成>
(合成例1)
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリオール成分として1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、T5650J,数平均分子量800)を288g(0.36mol)、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド変性付加体ジオール(ADEKA社製、BPX33、数平均分子量500)45g(0.09mol)、ジメチロールアルカン酸としてジメチロールブタン酸を81.4g(0.55mol)、及び分子量調整剤(末端封止剤)としてn−ブタノール11.8g(0.16mol)、溶剤としてカルビトールアセテート(ダイセル化学工業社製)250gを仕込み、60℃で全ての原料を溶解した。
この溶解液を攪拌しながら、滴下ロートにより、ポリイソシアネートとしてトリメチレンジイソシアネートを200.9g(1.08mol)滴下した。滴下終了後、80℃で攪拌しながら反応を続け、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了した。反応終了後、固形分が60wt%となるようにカルビトールアセテートを添加し、ウレタン樹脂溶液(ワニス1)を得た。
得られたウレタン樹脂の重量平均分子量は、18300、固形分の酸価は、50.3mgKOH/gであった。なお、重量平均分子量は、ゲル担体液体クロマトグラフィー(HLC-8120GPC東ソー社製)を用い、ポリスチレンに換算した値で求めた。
(合成例2)
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリオール成分として1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製、T5650J,数平均分子量800)を360g(0.45mol)、ジメチロールアルカン酸としてジメチロールブタン酸を81.4g(0.55mol)、及び分子量調整剤(末端封止剤)としてn−ブタノール11.8g(0.16mol)、溶剤としてカルビトールアセテート(ダイセル化学工業社製)250gを仕込み、60℃で全ての原料を溶解した。
この溶解液を攪拌しながら、滴下ロートにより、ポリイソシアネートとしてトリメチレンジイソシアネートを200.9g(1.08mol)を滴下した。滴下終了後、80℃で攪拌しながら反応を続け、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了した。反応終了後、固形分が60wt%となるようにカルビトールアセテートを添加し、ウレタン樹脂溶液(ワニス2)を得た。
得られたポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、21200、固形分の酸価は、48.0mgKOH/gであった。なお、重量平均分子量は、合成例1と同様にして求めた。
(合成例3)
攪拌装置、温度計、滴下ロート、コンデンサーを備えた反応容器に、メチルメタクリレートとアクリル酸を0.80:0.20のmol比で仕込み、溶剤としてトリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:271℃)、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で、6時間攪拌し、不揮発分が40wt%のアクリル樹脂溶液(ワニス3)を得た。得られた樹脂は、数平均分子量が15000、重量平均分子量が約40000、酸価が97mgKOH/gであった。なお、重量平均分子量は、合成例1と同様にして求めた。
(合成例4)
トリエチレングリコールモノブチルエーテルからジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートへ代えたこと以外は、合成例3と同様の手法にて不揮発分が40wt%のアクリル樹脂溶液(ワニス4)を得た。得られた樹脂は、数平均分子量が15000、重量平均分子量が約42000、酸価が98mgKOH/gであった。なお、重量平均分子量は、合成例1と同様にして求めた。
(導電性ペーストの作製)
表1に示す配合割合(質量比)で各成分を配合し、3本ロールミルにて練肉して、実施例1〜4、比較例1〜3の導電性ペーストを得た。なお、ペーストの粘度は150dPa・sに調整した。
また、タック値は、10〜25(30℃、60秒の値)の間であった。
[備考]
*1:球状銀粉末(平均粒径:0.8μm 、比表面積:1.0m2/g)
*2:jER828(三菱化学社製、エポキシ当量=190g/eq)
*3:jER1001(三菱化学社製、エポキシ当量=500g/eq)
*4:キュアゾール2E4MZ(四国化成工業社製、イミダゾール系硬化剤)
実施例1〜4、及び比較例1〜3の導電性ペーストに含まれる有機溶剤中の高沸点溶剤の割合を表2に示す。
<簡易グラビア印刷による印刷適性の評価>
得られた各導電性ペーストを、ライン/スペース=70/30μm、版深:10μmのストライプパターンが形成されたガラス凹版の凹部に、スチールドクターを用いて充填した。
次いで、このガラス凹版を、ゴム硬度30°のシリコーンゴムからなるブランケット胴に当て、凹部に充填された導電性ペーストを、ブランケット胴表面に転写させた(オフ工程、一次転写)。ブランケット胴表面に導電性ペーストを転写させた30秒後に、厚さ1.8mmのソーダライムガラス表面にブランケット胴表面の導電性ペーストのパターンを転写した(セット工程、二次転写)。このようにして得られた印刷物パターンについて、以下の評価を行った。
(印刷適性1:直進性の評価)
各導電性ペーストのパターンが転写されたガラス基板を光学顕微鏡で観察し、印刷されたパターンの直進性を評価した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を表3に示す。
○:直進性良好。
△:やや直進性に欠ける。
×:著しく直進性に欠け、断線がある。
(印刷適性2:線幅再現性の評価)
導電性ペーストのパターンが転写されたガラス基板を光学顕微鏡で観察し、印刷物パターンの線幅を評価した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を表3に示す。
○:線幅がガラス凹版と同じ、もしくは誤差が版寸法に対して±10%以内である。
△:線幅の誤差が版寸法に対して±10%を超え±30%以内である。
×:線幅の誤差が版寸法に対して±30%を超えている。
(印刷適性3:ブランケット上で60秒放置後の転写性評価)
オフ工程(一次転写)後、60秒後にセット工程(二次転写)を行い、ブラケット胴表面に導電性ペーストが残っているかを目視で評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に示す。
○:ブランケット表面に導電性ペーストの残存がない(100%転写)。
△:ブランケット表面の一部に、導電性ペーストが残存している。
×:ブランケット全面に導電性ペーストが残っている。
<比抵抗値の測定>
線幅1mm、長さ40cmのテストパターンを印刷し、熱風循環式乾燥炉を用いて、120℃にて30分間加熱処理を行った。得られたパターンの抵抗値を、テスター(ヒオキ社製 ミリオームハイテスター3540)を用いて測定し、パターンの膜厚から比抵抗値を算出した。
表3に示すように、本実施形態の導電性ペーストを用いた実施例1〜4においては、いずれも印刷されたパターンの線幅再現性、直進性に優れ、かつオフ工程からセット工程に至る時間が長くてもペーストが転写性を保っていることが分かる。なお、比較例3はブランケット上でペーストが乾燥してしまい印刷の評価が出来なかった。
本実施形態の導電性ペーストを用いた印刷物パターン画像の一例として、図2に、実施例4の印刷物パターンの光学顕微鏡写真を示す。図2に示すように、線幅再現性は、版寸法70μmに対して、印刷されたパターンの線幅は64〜67μm(誤差: −8.6% 〜 −4.3%)であり、直進性についても良好であることがわかる。
一方、本実施形態のウレタン樹脂を含まない比較例1は、オフ工程からセット工程に至る時間が長い場合でも転写性は保っているものの、得られた印刷パターンは線幅再現性、直進性に乏しいことが分かる。また、本実施形態のウレタン樹脂、高沸点溶剤をいずれも含まない比較例2では、ブランケット上に長時間放置するとペーストが乾燥してしまい転写性が損なわれていることが分かる。
図3に、比較例1の導電性ペーストを用いた印刷物パターンの光学顕微鏡写真を示す。図3に示すように、線幅再現性は、版寸法70μmに対して、印刷されたパターンの線幅は58〜62μm(誤差: −17.1% 〜 −11.4%)であり、直進性についても、パターンが波打っており、やや直進性に欠けることが分かる。
11…グラビア版
11a…凹部
12…導電性ペースト
13…シリコーンブランケット
14…ステージ
15…基材
16…塗膜パターン

Claims (5)

  1. ウレタン樹脂と、導電粉末と、760mmHgにおける沸点が250〜330℃である高沸点溶剤を30〜90質量%含む有機溶剤と、を含有することを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記ウレタン樹脂は、重量平均分子量が、500〜100000であるカルボキシル基含有ウレタン樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. さらに、架橋剤として、少なくとも1分子中にグリシジル基を2個以上含むエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性ペースト。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の導電性ペーストのパターンを版上に形成し、形成された前記パターンをブランケット胴表面に一次転写し、一次転写された前記パターンを基材表面に二次転写し、二次転写されたパターンを80〜200℃で乾燥、又は硬化させることを特徴とする導電パターンの形成方法。
  5. 請求項4に記載の導電パターンの形成方法により形成されたことを特徴とする導電パターン。
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