JP6592328B2 - ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂の製造方法および樹脂組成物 - Google Patents

ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂の製造方法および樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタン樹脂に関する。より具体的には、本発明は、金属粒子を含む組成物用のバインダーに適したポリウレタン樹脂に関する。
基板に微細な配線パターンを作製する技術として、従来、銅箔とフォトレジストを組み合わせてリソグラフィー法で配線パターンを形成する方法が一般的に用いられている。しかし、この方法は工程が長い上に、排水、廃液処理の負担が大きく、環境的に改善が望まれている。また、加熱蒸着法やスパッタリング法で作製した金属薄膜をフォトリソグラフィー法によりパターニングする手法も知られている。しかし、加熱蒸着法やスパッタリング法は真空環境が不可欠である上に、使用する装置の価格も非常に高価になり、配線パターン作製へ適用した場合には製造コストを低減させることが困難であった。
そこで、金属粒子を含む金属インク(金属酸化物粒子を還元剤により還元して金属化するものも含む)を用いて印刷により配線を作製する技術が提案されている。印刷による配線技術は、低コストで多量の製品を高速に作製することが可能であるため、既に一部で実用的な電子デバイスの作製が検討されている。
金属インクを金属配線に転化する方法として、加熱炉を用いて金属インクを加熱焼成する方法が知られている。しかし、加熱焼成する方法では、加熱工程で時間がかかる上に、金属インクの焼成に必要な加熱温度にプラスチック基材が耐えることができない場合には、プラスチック基材の耐える温度で焼成せざるを得ず、配線として満足な導電率に到達しないと言う問題があった。
そこで、特許文献1〜3に記載のように、ナノ金属(又はその前駆体)粒子を含む組成物(インク)を用いて、光照射により金属配線に転化させようとの試みがあった。従来の金属インクでは、バインダーとして、たとえば、周知のポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリウレタン、セルロールアセテート、ビニルブチラール樹脂のようなポリアセタール樹脂などが使用されていた。
特表2008−522369号公報 国際公開2010/110969号パンフレット 特表2010−528428号公報
従来の金属インクを基材に塗布して得られる塗膜は、導電性と基材に対する密着性のバランスが十分でないという問題があった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、導電性および基材への密着性に優れた金属インク用のバインダー樹脂として好適なポリウレタン樹脂の提供にある。
本発明のある態様は、ポリウレタン樹脂である。当該ポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)と、前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した、下記式(b1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部または式(b2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B)と、を備えることを特徴とする。
上式(b1)中、nは1〜50の整数、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基である。
上式(b2)中、nは1〜50の整数、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子とともに炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団である。ポリウレタン樹脂の酸価は2〜120であることが好適である。
上記態様のポリウレタン樹脂において、前記ポリウレタン骨格(A)が(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の反応生成物に基づくポリウレタン骨格としてもよい。前記(a1)ポリイソシアネート化合物はイソシアナト基(−NCO基)中の炭素原子以外の炭素原子の数が6〜30である脂環式化合物であることが好ましい。前記(a2)ポリオール化合物がポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールであることが好ましい。また、前記(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物が2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニンからなる群の1種または2種以上であってよい。
本発明の他の態様は、ポリウレタン樹脂の製造方法である。当該ポリウレタン樹脂の製造方法は、カルボキシル基を含有するポリウレタンのカルボキシル基と式(x1)で表されるアルケンオキサイドおよび式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドの少なくとも一方とを反応させることを特徴とする。
式(x1)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基を表す。
(式(x2)中、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子とともに炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団を表す。)
上記態様の製造方法において、前記式(x1)で表されるアルケンオキサイドがエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはスチレンオキサイドであり、前記式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドがシクロヘキセンオキサイドであってもよい。
本発明の他の態様は、樹脂組成物である。当該樹脂組成物は、前記ポリウレタン樹脂と、金、銀、銅、アルミニウムからなる群より選ばれる元素で構成される金属粒子および/または上記元素を含む金属酸化物粒子を含む。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、金属粒子を含む金属インク(金属酸化物粒子を還元剤により還元して金属化するものも含む)(組成物)用のバインダーとして用いたときに、120℃以下の低温熱処理であっても高い導電性および基材への密着性を発現させることができる。
実施例1に係る樹脂組成物のH−NMRスペクトルである。 実施例1に係る樹脂組成物のIRスペクトルである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態に係るポリウレタン樹脂は、カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)および、上記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した、下記式(b1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部または式(b2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B)を備える。
式(b1)中、nは1〜50の整数、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基である。
式(b2)中、nは1〜50の整数、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子とともに炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団である。
<カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)>
カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)の数平均分子量は、1,000〜100,000であることが好ましく、3,000〜50,000であるとさらに好ましい。ここで、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと表記)で測定したポリスチレン換算の値である。分子量が1,000未満では、印刷後の塗膜の伸度、可撓性、並びに強度を損なうことがあり、100,000を超えると溶媒へのポリウレタンの溶解性が低くなる上に、溶解しても粘度が高くなりすぎるために、使用面で制約が大きくなることがある。
本明細書においては、特に断りのない限り、GPCの測定条件は以下のとおりである。
装置名:日本分光株式会社製HPLCユニット HSS−2000
カラム:ShodexカラムLF−804
移動相:テトラヒドロフラン
流速 :1.0mL/min
検出器:日本分光株式会社製 RI−2031Plus
温度 :40.0℃
試料量:サンプルループ 100μリットル
試料濃度:約0.1質量%に調製
カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)の酸価は10〜140mgKOH/gであることが好ましく、15〜130mgKOH/gであるとさらに好ましい。酸価が10mgKOH/g未満では、後述する脂肪族オキサイドとの反応点が少なく脂肪族オキサイドを付加する効果が乏しい。140mgKOH/gを超えるとカルボキシル基を有するウレタン樹脂としての溶媒への溶解性が低くまた溶解したとしても粘度が高くなりすぎ、ハンドリングが難しい。
また、本明細書において、樹脂の酸価は以下の方法により測定した値である。
100ml三角フラスコに試料約0.2gを精密天秤にて精秤し、これにエタノール/トルエン=1/2(質量比)の混合溶媒10mlを加えて溶解する。さらに、この容器に指示薬としてフェノールフタレインエタノール溶液を1〜3滴添加し、試料が均一になるまで十分に攪拌する。これを、0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを、中和の終点とする。その結果から下記の計算式を用いて得た値を、樹脂の酸価とする。
酸価(mgKOH/g)=〔B×f×5.611〕/S
B:0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液の使用量(ml)
f:0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)
カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)は、より具体的には、(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物をモノマーとして用いて合成される、すなわち(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物との反応生成物に基づく骨格を有する。換言すると、(a1)ポリイソシアネート化合物と(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物との反応生成単位と、(a2)ポリオール化合物と(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物との反応生成単位とを有するポリウレタン樹脂の骨格である。以下、各モノマーについてより詳細に説明する。
(a1)ポリイソシアネート化合物
(a1)ポリイソシアネート化合物としては、通常、1分子当たりのイソシアナト基が2個であるジイソシアネートが用いられる。ポリイソシアネート化合物としては、たとえば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)が、(A)ポリウレタン骨格がゲル化をしない範囲で、トリフェニルメタントリイソシアネートのような、イソシアナト基を3個以上有するポリイソシアネートも少量使用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、3−イソシアネートメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDI、イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン(水添MDI)、水素化(1,3−または1,4−)キシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、たとえば、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、(1,2,1,3,または1,4)−キシレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネートジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネートは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(a1)ポリイソシアネート化合物として、イソシアナト基(−NCO基)中の炭素原子以外の炭素原子の数が6〜30である脂環式化合物を用いることにより、実施の形態に係るポリウレタン樹脂から形成されるバインダー樹脂は、特に熱処理温度を高くして(たとえば、200℃)も基材との密着性を維持することができる。
上記脂環式化合物は、(a1)ポリイソシアネート化合物の中に、(a1)ポリイソシアネート化合物の総量(100mol%)に対して、10mol%以上、好ましくは20mol%、さらに好ましくは30mol%以上含まれることが望ましい。
上記脂環式化合物としては、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水素化1,3−キシリレンジイソシアネートおよび水素化1,4−キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(a2)ポリオール化合物
(a2)ポリオール化合物(ただし、(a2)ポリオール化合物には、後述するカルボキシル基を有する(a3)ジヒドロキシ化合物は含まれない。)の数平均分子量は通常250〜50,000であり、好ましくは400〜10,000、より好ましくは500〜5,000である。この分子量は前述した条件でGPCにより測定したポリスチレン換算の値である。
(a2)ポリオール化合物は、たとえば、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、両末端水酸基化ポリシリコーン、および水酸基のみに酸素原子を含み炭素原子数が18〜72であるポリオール化合物である。これらの中でもポリウレタン骨格の親水性と耐加水分解性のバランスを考慮するとポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールが好ましい。
上記ポリカーボネートポリオールは、炭素原子数3以上18以下のジオールを原料として、炭酸エステルまたはホスゲンと反応させることにより得ることができ、たとえば、以下の構造式(1)で表される。
式(1)において、Rは対応するジオール(HO−R−OH)から水酸基を除いた残基であり、nは正の整数、好ましくは2〜50である。
式(1)で表されるポリカーボネートポリオールは、具体的には、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコールまたは1,2−テトラデカンジオールなどを原料として用いることにより製造できる。
上記ポリカーボネートポリオールは、その骨格中に複数種のアルキレン基を有するポリカーボネートポリオール(共重合ポリカーボネートポリオール)であってもよい。共重合ポリカーボネートポリオールの使用は、カルボキシル基含有ポリウレタン骨格(A)の結晶化防止の観点から有利な場合が多い。また、溶媒への溶解性を考慮すると、分岐骨格を有し、分岐鎖の末端に水酸基を有するポリカーボネートポリオールが併用されることが好ましい。
上記ポリエーテルポリオールは、炭素原子数2〜12のジオールを脱水縮合、または炭素原子数2〜12のオキシラン化合物、オキセタン化合物、もしくはテトラヒドロフラン化合物を開環重合して得られたものであり、たとえば以下の構造式(2)で表される。
式(2)において、Rは対応するジオール(HO−R−OH)から水酸基を除いた残基であり、nは正の整数、好ましくは4〜50である。上記炭素原子数2〜12のジオールは一種を単独で用いて単独重合体とすることもできるし、2種以上を併用することにより共重合体とすることもできる。
上記式(2)で表されるポリエーテルポリオールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ−1,2−ブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール(ポリ1,4−ブタンジオール)、ポリ−3−メチルテトラメチレングリコール、ポリネオペンチルグリコール等のポリアルキレングリコールが挙げられる。また、(ポリエーテルポリオール)の相溶性、(ポリエーテルポリオール)の疎水性を向上させる目的で、これらの共重合体、たとえば1,4−ブタンジオール−ネオペンチルグリコール等も用いることができる。
上記ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸及びジオールを脱水縮合またはジカルボン酸の低級アルコールのエステル化物とジオールとのエステル交換反応をして得られるものであり、たとえば以下の構造式(3)で表される。
式(3)において、Rは対応するジオール(HO−R−OH)から水酸基を除いた残基であり、Rは対応するジカルボン酸(HOCO−R−COOH)から2つのカルボキシル基を除いた残基であり、nは正の整数、好ましくは2〜50である。
上記ジオール(HO−R−OH)としては、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコールまたは1,2−テトラデカンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、3−キシリレングリコール、1,4−キシリレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
上記ジカルボン酸(HOCO−R−COOH)としては、具体的には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ブラシル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。
上記ポリラクトンポリオールは、ラクトンの開環重合物とジオールとの縮合反応、またはジオールとヒドロキシアルカン酸との縮合反応により得られるものであり、たとえば以下の構造式(4)で表される。
式(4)において、Rは対応するヒドロキシアルカン酸(HO−R−COOH)から水酸基およびカルボキシル基を除いた残基であり、Rは対応するジオール(HO−R−OH)から水酸基を除いた残基であり、nは正の整数、好ましくは2〜50である。
上記ヒドロキシアルカン酸(HO−R−COOH)としては、具体的には、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシペンタン酸、5−ヒドロキシヘキサン酸等が挙げられる。
上記ポリブタジエンポリオールは、たとえば、ブタジエンやイソプレンをアニオン重合により重合し、末端処理により両末端に水酸基を導入して得られるジオール、及びそれらの二重結合を水素還元して得られるジオールである。
ポリブタジエンポリオールとしては、具体的には、1,4−繰り返し単位を主に有する水酸基化ポリブタジエン(たとえば、Poly bd R−45HT、Poly bd R−15HT(出光興産株式会社製))、水酸基化水素化ポリブタジエン(たとえば、ポリテール(登録商標)H、ポリテール(登録商標)HA(三菱化学株式会社製))、1,2−繰り返し単位を主に有する水酸基化ポリブタジエン(たとえば、G−1000、G−2000,G−3000(日本曹達株式会社製))、水酸基化水素化ポリブタジエン(たとえば、GI−1000、GI−2000、GI−3000(日本曹達株式会社製))、水酸基化ポリイソプレン(たとえば、Poly IP(出光興産株式会社製))、水酸基化水素化ポリイソプレン(たとえば、エポール(登録商標、出光興産株式会社製))が挙げられる。
上記両末端水酸基化ポリシリコーンは、たとえば以下の構造式(5)で表される。
式(5)において、Rは独立に炭素原子数2〜50の脂肪族炭化水素二価残基または芳香族炭化水素二価残基であり、nは正の整数、好ましくは2〜50である。これらはエーテル基を含んでいてもよく、複数個あるR10は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。
上記両末端水酸基化ポリシリコーンの市販品としては、たとえば信越化学工業株式会社製「X−22−160AS、KF6001、KF6002、KF−6003」などが挙げられる。上記「水酸基のみに酸素原子を含み炭素原子数が18〜72であるポリオール化合物」としては、具体的にはダイマー酸を水素化した骨格を有するジオール化合物が挙げられ、その市販品としては、たとえば、コグニス社製「SOVERMOL(登録商標)908」などが挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、(a2)ポリオール化合物として繰り返し単位を有さない分子量300以下のジオールを用いることもできる。このような低分子量ジオールとしては、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコール、1,2−テトラデカンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,3−キシリレングリコール、1,4−キシリレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、またはジプロピレングリコールなどが挙げられる。
(a3)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物
(a3)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物としては、ヒドロキシ基、炭素原子数が1または2のヒドロキシアルキル基から選択されるいずれかを2つ有する分子量が200以下のカルボン酸またはアミノカルボン酸であることが架橋点を制御できる点で好ましい。具体的には2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン等が挙げられ、この中でも、溶媒への溶解度から、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が特に好ましい。これらの(a3)カルボキシル基を含有するジヒドロキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前述のカルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)を有するポリウレタン樹脂は、上記の3成分((a1)、(a2)および(a3))のみから合成が可能であるが、このポリウレタンにさらにラジカル重合性やカチオン重合性を付与する目的で、あるいはポリウレタン末端のイソシアナト基や水酸基の残基の影響を抑制する目的で、さらに(a4)モノヒドロキシ化合物および/または(a5)モノイソシアネート化合物を反応させて合成することができる。
(a4)モノヒドロキシ化合物
(a4)モノヒドロキシ化合物として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、アリルアルコール、アリロキシエタノール等のラジカル重合性二重結合を有する化合物、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸等カルボン酸を有する化合物が挙げられる。
(a4)モノヒドロキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物の中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、グリコール酸、ヒドロキシピバリン酸が好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
この他、(a4)モノヒドロキシ化合物として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等が挙げられる。
(a5)モノイソシアネート化合物
(a5)モノイソシアネート化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、ジイソシアネート化合物への2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、アリルアルコール、アリロキシエタノールのモノ付加体等のラジカル性二重結合を化合物が挙げられる。
また、末端の水酸基残基の影響を抑制する目的で用いるモノイソシアネートヒドロキシ化合物としては、フェニルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート等が挙げられる。
前述のカルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)を有するポリウレタン樹脂は、ジブチル錫ジラウリレートのような公知のウレタン化触媒の存在下または非存在下で、適切な有機溶媒を用いて、上記した(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物、および必要に応じて(a4)モノヒドロキシ化合物や(a5)モノイソシアネート化合物を反応させることにより合成できるが、無触媒で反応させた方が、最終的にスズ等の混入を考える必要がなく好適である。
上記有機溶媒は、イソシアネートと反応性が低いものであれば特に限定されないが、アミン等の塩基性官能基を含まず、沸点が110℃以上、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上である溶媒が好ましい。このような溶媒としては、たとえば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、イソホロン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム及び塩化メチレン等を挙げることができる。
なお、生成するポリウレタン樹脂の溶解性が低い有機溶媒は好ましくないこと、および電子材料用途においてポリウレタンをインクの原料にすることを考えると、これらの中でも、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
原料の仕込み行う順番については特に制約はないが、通常は(a2)ポリオール化合物および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物を先に仕込み、溶媒に溶解させた後、20〜150℃、より好ましくは60〜120℃で、(a1)ポリイソシアネート化合物を滴下しながら加え、その後、30〜160℃、より好ましくは50℃〜130℃でこれらを反応させる。
原料の仕込みモル比は、目的とするポリウレタン樹脂の分子量および酸価に応じて調節するが、ポリウレタン樹脂に(a4)モノヒドロキシ化合物を導入する場合には、ポリレタン分子の末端がイソシアナト基になるように、(a2)ポリオール化合物および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物よりも(a1)ポリイソシアネート化合物を過剰に(水酸基の合計よりもイソシアナト基が過剰になるように)用いる必要がある。
具体的には、これらの仕込みモル比は、(a1)ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基:((a2)ポリオール化合物の水酸基+(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の水酸基)が、0.5〜1.5:1、好ましくは0.8〜1.2:1、より好ましくは0.95〜1.05である。
また、(a2)ポリオール化合物の水酸基:(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の水酸基が、1:0.1〜30、好ましくは1:0.3〜10である。
(a4)モノヒドロキシ化合物を用いる場合には、((a2)ポリオール化合物+(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物)のモル数よりも(a1)ポリイソシアネート化合物のモル数を過剰とし、(a4)モノヒドロキシ化合物を、イソシアナト基の過剰モル数に対して、0.5〜1.5倍モル量、好ましくは0.8〜1.2倍モル量で用いることが好ましい。
(a5)モノイソシアネート化合物を用いる場合には、(a1)ポリイソシアネート化合物のモル数よりも((a2)ポリオール化合物+(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物)のモル数を過剰とし、水酸基の過剰モル数に対して、0.5〜1.5倍モル量、好ましくは0.8〜1.2倍モル量で用いることが好ましい。
(a4)モノヒドロキシ化合物)をカルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)に導入するためには、(a2)ポリオール化合物および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物と(a1)ポリイソシアネート化合物との反応がほぼ終了した時点で、(A)ポリウレタン骨格の両末端に残存しているイソシアナト基と(a4)モノヒドロキシ化合物とを反応させるために、反応溶液中に(a4)モノヒドロキシ化合物を20〜150℃、より好ましくは70〜120℃で滴下し、その後同温度で保持して反応を完結させる。
(a5)モノイソシアネート化合物をカルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)に導入するためには、(a2)ポリオール化合物および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物と(a1)ポリイソシアネート化合物との反応がほぼ終了した時点で、(A)ポリウレタン骨格の両末端に残存している水酸基と(a5)モノイソシアネート化合物とを反応させるために、反応溶液中に(a5)モノイソシアネート化合物を20〜150℃、より好ましくは50〜120℃で滴下し、その後同温度で保持して反応を完結させる。
脂肪族オキサイド開環付加部(B)
脂肪族オキサイド開環付加部(B)は、前述のポリウレタン骨格を有するポリウレタン樹脂(A)に含まれるカルボキシル基(−COOH)に下記式(x1)で表されるアルケンオキサイドおよび式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドを含む脂肪族オキサイドの少なくとも一方とを反応させることにより得られる。
式(x1)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基を表す。入手が容易である点で、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基、あるいはR、Rの少なくとも一方が水素原子であり、かつ他方が炭素原子数が1〜10のアルキル基、またはフェニル基のものが好ましい。具体的には、上記式(x1)で表されるアルケンオキサイドとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドが挙げられる。
式(x2)中、Aは炭素原子数が2〜12の単環式脂肪族炭化水素基または複環式脂肪族炭化水素基であり、当該Aが結合する2つの炭素原子とともに炭素原子数が4〜14の脂環構造を形成している。入手が容易である点で、炭素原子数が6〜12の脂環構造であるものが好ましい。具体的には、上記式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドとして、シクロヘキセンオキサイド、シクロオクテンオキサイド、シクロドセンオキサイド、ジシクロペンタジエンのモノオキサイドなどのシクロアルケンオキサイドが挙げられる。
前述のカルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)と上記脂肪族オキサイドを反応させる条件としては、カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)を合成した溶液にエポキシ基とカルボン酸の反応を促進する触媒を添加し、50℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃に加熱して反応させる。反応温度が低すぎると速度が遅くなりすぎるし、反応温度が高すぎるとゲル化のおそれがある。反応時間は2〜48時間、好ましくは3〜24時間、より好ましくは4〜12時間である。
カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)と上記脂肪族オキサイドの使用量としては、カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対して脂肪族オキサイドのエポキシ基が0.2当量以上10当量以下となる量であることが好ましく、0.2当量以上3当量以下がより好ましく、0.2当量以上1当量以下がさらに好ましい。上記当量が、0.2よりも低いと脂肪族オキサイドを付加する効果がなく、金属粒子の分散性が悪くなる。一方、上記当量が10当量を超えると、金属インクの基材に対する密着性や耐熱性が低下する。
前述のカルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)と上記式(x1)で表されるアルケンオキサイドまたは式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドを含む脂肪族オキサイドを反応させて得られるポリウレタン樹脂は、未反応のカルボキシル基を一部含む。未反応のカルボキシル基を有することで基材との密着性、金属粒子の分散性が良くなる。未反応のカルボキシル基の量が元のカルボキシル基の量に対して10%以上95%以下、好ましくは20%以上90%以下、より好ましくは25%以上85%以下となるように反応させて、酸価が2〜120mg/KOH、好ましくは10〜110mg/KOH、より好ましくは20〜100mg/KOHのポリウレタン樹脂を得ることができる。得られるポリウレタン樹脂は式(p1)または式(p2)で表される構造となる。
式中R、R、A、n、nは、前記式(b1)または式(b2)中の同符号のものと同じである。より好ましいnは1〜10の整数であり、より好ましいnは1〜3の整数である。なお、ポリウレタン樹脂は、式(p1)または式(p2)で示されるようにポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に括弧で示される単位が整数個結合された構造を有するが、括弧で示される単位が結合されていないカルボキシル基を有する。また、括弧で示される単位が結合されているカルボキシル基の各々に結合される括弧で示される単位数は同一でもよいが、異なってもよい。各々のカルボキシル基に結合されている括弧で示される単位数を確認することはできないので、後述の実施例では平均値を算出している。カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)中のカルボキシル基に対して脂肪族オキサイドのエポキシ基が0.2当量〜10当量となる量で反応させることにより、nおよびnの平均値は理論上0.2〜10となりうるが、実際には理論値よりは小さな値となる。nの好ましい平均値は0.2〜0.9であり、0.2〜0.7であることがより好ましい。また、nの好ましい平均値は0.2〜0.9であり、0.2〜0.7であることがより好ましい。
また、上記反応は不活性ガスまたは空気雰囲気で行うことができるが、エチレンオキサイドのような引火性の高い化合物の場合には、不活性ガス雰囲気下で行う必要があり、また、沸点も非常に低いので加圧下で反応を行う必要がある。
反応触媒としては、ウレタン化合物に含まれるカルボキシル基が触媒としても作用するが、さらに反応速度や重合度を上げる目的で塩基性化合物を添加することができる。塩基性化合物として、たとえば、3級アミン、ホスフィン化合物、4級アンモニウムハイドロオキサイドが挙げられる。より具体的には、3級アミンとして、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、DBU(登録商標)(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール等が挙げられる。ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリフェニルフォスファイト、トリメチルホスフィン、トリメチルフォスファイト等が挙げられる。4級アンモニウムハイドロオキサイドとしては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドが挙げられる。これらの使用量は、あまりに少ないと添加した効果が無く、多すぎると得られるポリウレタン樹脂の電気絶縁性が低下するので、カルボキシル基を有するポリウレタン骨格(A)と脂肪族オキサイドの合計質量に対して0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%使用される。
実施の形態に係るポリウレタン樹脂は、金、銀、銅、アルミニウムからなる群より選ばれる元素で構成される金属粒子および/または上記元素を含む金属酸化物粒子(以下、これらをまとめて金属成分とよぶ)を含む組成物(たとえばインク用)のバインダーとして好適に用いられる。金属粒子または金属酸化物粒子の体積平均粒径は、たとえば、0.01μm〜100μmの範囲、より好ましくは0.02〜50μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。粒子形状は、球状、平板状、針状等種々のものを使用できる。ワイヤー状のものも使用できるが、その場合はワイヤの径の平均は、1nm以上500nm以下が好ましく、5nm以上200nm以下がより好ましく、5nm以上100nm以下がさらに好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。また、金属ナノワイヤの長軸の長さの平均は、1μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上50μm以下がより好ましく、2μm以上50μm以下がさらに好ましく、5μm以上30μm以下が特に好ましい。ワイヤは、径の太さの平均および長軸の長さの平均が上記範囲を満たすとともに、アスペクト比の平均が10以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましく、200以上であることがさらに好ましい。ここで、アスペクト比は、金属ナノワイヤの径の平均的な太さをb、長軸の平均的な長さをaと近似した場合、a/bで求められる値である。a及びbは、走査電子顕微鏡を用いて測定できる。当該金属成分およびバインダーを含む組成物をスクリーン印刷法、グラビア印刷法、インクジェット法などの印刷法により基材上に印刷パターンを形成し、この印刷パターンに熱処理、光照射またはマイクロ波加熱を行うことにより金属の焼結体を生成することにより、導電パターンを形成することが可能である。
上記金属成分およびバインダーを含む組成物を印刷する基材としては、たとえばポリイミドフィルム、ポリエステルフィルムが挙げられる。特にポリイミドフィルムは電気絶縁性や耐熱性に優れるとともに、印刷性自体は基板にコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を行うことにより改良することが出来るという利点を有するが、一般に、樹脂との密着性については接着層を設けないと改善することは容易でない。また接着性を設けることにより耐熱性、絶縁性が損なわれてしまう。ところが、本実施の形態のポリウレタン樹脂は、ポリイミドフィルムに対しても良好な接着性を有するため、表面に密着層を有さないポリイミドフィルムを基材として適用できる。
実施の形態に係るポリウレタン樹脂は、上記組成物用のバインダーとして用いたときに、ポリエチレンテレフタラートやポリカーボネートなどの樹脂を基材として使用した場合であっても、通常のバインダーよりも相対的に低温で熱処理を行っても高い導電性が発現できるとともに、上記基材への密着性に優れた特性を示す。
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)の合成例
[合成例1]
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた1L三口フラスコに、ポリオール化合物としてC−1015N(株式会社クラレ製、ポリカーボネートジオール、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、分子量964)211g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)40.0g、および溶媒としてγ−ブチロラクトン(三菱化学株式会社製)379gを仕込み、90℃で前記2,2−ジメチロールブタン酸を溶解させた。
反応液の温度を70℃まで下げ、滴下ロートにより、ポリイソシアネートとしてデスモジュール(登録商標)−W(メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、住化バイエルウレタン株式会社製)128gを30分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間、次いで100℃で1時間、次いで120℃で2時間反応を行い、ほぼイソシアネートが消失したことをIRによって確認した後、さらに120℃にて1.5時間反応を行った。得られたカルボキシル基含有ポリウレタンの数平均分子量は8650、その固形分の酸価は40.2mgKOH/g、固形分濃度は50.0%であった。
<生成物の同定>
メタノール10gに上記合成後の反応液1gを滴下し、静置後、デカンテーションにて上澄みを除いた。再度メタノール10gを添加し静置・上澄み除去を3回繰り返し、最後に残分を減圧濃縮し、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂の同定をH−NMR測定(JEOL製JNM−EX270、重クロロホルムに溶解し測定)、IR測定(Nicolet6700、AgCl板に塗布し測定)を用い実施し、得られた樹脂は、カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)であることが確認された。
[合成例2]
合成例1と同様な装置を用いて、ポリオール化合物として分子量1000のPTXG−1000(1,4−ブタンジオール−ネオペンチルグリコールのポリエーテル共重合体(旭化成せんい株式会社製)117g、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)64.1g、および溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート(株式会社ダイセル製)304g、ポリイソシアネートとしてデスモジュール(登録商標)−I(イソホロンジイソシアネート、住化バイエルウレタン株式会社製)122gを用いて、合成例2と同様に反応を行った。得られたカルボキシル基含有ポリウレタンの数平均分子量は6120、その固形分の酸価は79.8mgKOH/g、固形分濃度は50.0%であった。
[実施例1]
合成例1で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価40.2mg−KOH/g)100gを300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、窒素ガス圧0.5MPa下で80℃まで昇温して、エチレンオキサイド(三菱化学株式会社製)0.538gを、マスフローコントローラーを介してオートクレーブに導入し、120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応における(B)中のエチレンオキサイド(エポキシ基)に対するウレタン樹脂中のカルボキシル基のモル比((Acid)/(Epoxy))は、3である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物1という)の固形分の数平均分子量は10300、酸価は28.1mg−KOH/g、固形分濃度は50.3%であった。
<生成物の同定>
メタノ−ル10gに上記合成後の反応液1gを滴下し、静置後、上澄みを除いた。再度メタノ−ルを添加し静置・上澄み除去を3回繰り返し、最後に残分を減圧濃縮し、液状の樹脂を得た。得られた樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定により実施し、NMR測定における2.4ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、得られた樹脂は、エチレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。また、NMR測定における0.8ppm〜2.5ppmのプロトン比と2.5ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したエチレンオキサイド(式(b1)中のn)の平均値は、0.32であった。図1、2に、それぞれ、実施例1で得られた樹脂組成物1のH−NMRスペクトル、IRスペクトルを示す。
[実施例2]
合成例1で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価40.2mg−KOH/g)100gを300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、プロピレンオキサイド(東京化成株式会社より購入)0.694gをポンプにてオートクレーブに導入し、窒素ガス圧を0.5MPaかけて120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応における(B)中のプロピレンオキサイド(エポキシ基)に対するウレタン樹脂中のカルボキシル基のモル比((Acid)/(Epoxy))は、3である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物2という)の固形分の数平均分子量は10100、酸価は27.3mg−KOH/g、固形分濃度は50.3%であった。
<生成物の同定>
実施例1同様の精製により得られた固形状の樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定により実施し、NMR測定における2.4ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、プロピレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。NMR測定における0.8ppm〜2.5ppmのプロトン比と2.5ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したプロピレンオキサイド(式(b1)中のn)の平均値は、0.34であることが確認された。
[実施例3]
合成例2で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価79.8mg−KOH/g)100gを300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、窒素ガス圧0.5MPaで80℃まで昇温して、エチレンオキサイド0.807gを、マスフローコントローラーを介してオートクレーブに導入し、120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応における(B)中のエチレンオキサイド(エポキシ基)に対するウレタン樹脂中のカルボキシル基のモル比((Acid)/(Epoxy))は、2である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物3という)の固形分の数平均分子量は7800、酸価は22.6mg−KOH/g、固形分濃度は50.4%であった。
<生成物の同定>
実施例1同様の精製により得られた液状の樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定より実施し、NMR測定における2.4ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、エチレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。また、NMR測定における0.8ppm〜2.5ppmのプロトン比と2.5ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したエチレンオキサイド(式(b1)中のn)の平均値は、0.49であることが確認された。
[実施例4]
合成例1で得られたカルボキシル基含有ポリウレタン溶液(固形分濃度50質量%、酸価40.2mg−KOH/g)100gにシクロヘキセンオキサイド(東京化成株式会社より購入)1.17g、触媒としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製)0.05gを加え、300mlのオートクレーブに移し、窒素ガス置換した後、窒素ガス圧を0.5MPaかけて120℃まで昇温し6時間反応させた。この反応における(B)中のシクロヘキセンオキサイド(エポキシ基)に対するウレタン樹脂中のカルボキシル基のモル比((Acid)/(Epoxy))は、3である。得られた樹脂組成物(以下、樹脂組成物4という)の固形分の数平均分子量は10100、酸価は29.7mg−KOH/g、固形分濃度は50.6%であった。
<生成物の同定>
実施例1同様の精製により得られた液状の樹脂の同定をH−NMR測定、IR測定より実施し、NMR測定における3.1ppm付近にエポキシ環が開環したプロトンピ−クを確認し、IR測定より、1040cm−1付近のCH−OH伸縮に基づくピ−ク強度および3300cm−1付近のOH伸縮振動に基づくピ−ク強度の増加から、エチレンオキサイドがグラフトされたポリウレタン樹脂であることが確認された。また、NMR測定における0.8ppm〜2.5ppmのプロトン比と2.5ppm〜5.0ppmにおけるプロトン比から算出したウレタン樹脂中のカルボキシル基と反応したシクロヘキセンオキサイド(式(b1)中のn)の平均値は、0.33であることが確認された。
<金属インクのバインダーとしての評価(導電性評価)>
銀粒子としてトクセン工業株式会社製N300(扁平形状(厚さ:30nm)、D50=470nm)60gと実施例1で合成した樹脂組成物6g、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート(株式会社ダイセル製)9gを混合し、自転・公転真空ミキサー あわとり練太郎(登録商標) ARV−310(株式会社シンキー製)を用いて良く混合し(自転500回転、公転1500回転で5分間)、印刷用のインク(導電膜形成用組成物、表1の配合例1)を作製した。
得られたインクをスクリーン印刷にて、2cm×2cm角のパターンをポリイミドフィルム(カプトン(登録商標)100N、東レ・デュポン株式会社製)上に印刷した。このようにして得られたサンプルについて、大気雰囲気で恒温槽にて160℃で1時間加熱した。以上により形成した導電膜の厚さは22μmであった。この導電膜について、株式会社三菱アナリテック製 ロレスタ(登録商標)GPを使用して体積抵抗率を測定したところ、1.6×10−5Ω・cmであった。
<金属インクのバインダーとしての評価(基板密着性評価)>
新しい刃を付けたカッターナイフを用いて1mm間隔で切込みを上記薄膜絶縁パターンに11本入れた後、90°向きを変えてさらに11本引いて100個の1mm角のマス目を形成した。カットした印刷面に付着するようにセロハン粘着テープをはりつけ、セロハン粘着テープ上を消しゴムでこすって塗膜にテープを付着させた。テープを付着させてから1〜2分後にテープの端を持って印刷面に直角に保ち、瞬間的にひきはがして、旧JIS K5400に従って判定したところ、10点であった。
表1に示す配合例2〜9、比較配合例1〜6、8に従う各インクについて、配合例1のインクと同様に、体積抵抗率の測定および碁盤目剥離試験を実施した。配合例2,3,5,7、9、比較配合例2,3,5,6で用いたAg−239は福田金属箔粉工業株式会社製、平均粒子径D50=530nmの扁平形状の銀粒子である。比較配合例1〜3で用いたjER(登録商標)1256は三菱化学株式会社製フェノキシ型エポキシ樹脂であり、比較配合例4〜6で用いたエトセル(登録商標)STD4CPSは日新化成株式会社製エチルセルロースの熱可塑性セルロースエーテルである。
バインダー樹脂としてjER(登録商標)1256を用いた比較配合例1乃至3では、銀粒子としてN−300を用いた場合(比較配合例1)に導電性が若干低下し、熱処理温度を低温条件(100℃)とした場合(比較配合例2)に導電性が顕著に低下することが確認された。また、バインダー樹脂としてエトセル(登録商標)STD4CPSを用いた比較配合例4乃至6では、銀粒子としてN−300を用いた場合(比較配合例4)、および熱処理温度を高温条件(200℃)とした場合(比較配合例6)に基板密着性が低下することが確認された。合成例2で得られたカルボキシル基含有ポリウレタンをそのままバインダー樹脂として使用した場合(比較配合例8)では、導電性、基板密着性ともに不十分であることが確認された。
これに対して、バインダー樹脂として実施例1乃至4のいずれかを用いた配合例1乃至9では、銀粒子の種類や温度条件を変えても、導電性および基板密着性が良好であることが確認された。
なお、合成例1で得られたカルボキシル基含有ポリウレタンを用いて印刷用のインク(導電膜形成用組成物、表1の比較配合例7)の調製を試みたが、銀粒子の分散性が悪く印刷することができなかったため、金属インクのバインダーとしての評価はできなかった。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。

Claims (8)

  1. カルボキシル基を含有するポリウレタン骨格(A)と、
    前記カルボキシル基の少なくとも一部に結合した、下記式(b1)で表されるアルケンオキサイド開環付加部または式(b2)で表されるシクロアルケンオキサイド開環付加部を含む脂肪族オキサイド開環付加部(B)と、を備え
    前記ポリウレタン骨格(A)が(a1)ポリイソシアネ−ト化合物、(a2)ポリオ−ル化合物、および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の反応生成物に基づくポリウレタン樹脂の骨格であり、
    前記(a2)ポリオ−ル化合物が、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、および両末端水酸基化ポリシリコーンのいずれかであることを特徴とするポリウレタン樹脂。
    (式(b1)中、nは1〜50の整数、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基である。)
    (式(b2)中、nは1〜50の整数、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子とともに炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団である。)
  2. 酸価が2〜120である請求項1に記載のポリウレタン樹脂。
  3. 前記(a1)ポリイソシアネート化合物がイソシアナト基(−NCO基)中の炭素原子以外の炭素原子の数が6〜30である脂環式化合物である請求項に記載のポリウレタン樹脂。
  4. 前記(a2)ポリオール化合物がポリカーボネートジオールである請求項1または3に記載のポリウレタン樹脂。
  5. 前記(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物が2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニンからなる群の1種または2種以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂。
  6. カルボキシル基を含有するポリウレタンのカルボキシル基と式(x1)で表されるアルケンオキサイドおよび式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドの少なくとも一方とを反応させる工程を備え、
    前記カルボキシル基を含有するポリウレタンが(a1)ポリイソシアネ−ト化合物、(a2)ポリオ−ル化合物、および(a3)カルボキシル基を有するジヒドロキシ化合物の反応生成物に基づくポリウレタンであり、
    前記(a2)ポリオ−ル化合物が、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、および両末端水酸基化ポリシリコーンのいずれかであることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
    (式(x1)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基を表す。)


    (式(x2)中、Aは当該Aが結合する2つの炭素原子とともに炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団を表す。)
  7. カルボキシル基を含有するポリウレタンのカルボキシル基と式(x1)で表されるアルケンオキサイドおよび式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドの少なくとも一方とを反応させ、前記式(x1)で表されるアルケンオキサイドがエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、またはスチレンオキサイドであり、前記式(x2)で表されるシクロアルケンオキサイドがシクロヘキセンオキサイドであることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
    (式(x1)中、R 、R は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜16のアルキル基、またはフェニル基を表す。)
    (式(x2)中、A は当該A が結合する2つの炭素原子とともに炭素原子数が4〜14の脂環式炭化水素基を形成する原子団を表す。)
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂と、金、銀、銅、アルミニウムからなる群より選ばれる元素で構成される金属粒子および/または前記元素を含む金属酸化物粒子と、を含む樹脂組成物。
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