JP5736524B1 - 硬化性樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
透明性、耐熱性、柔軟性を備えると共に、硫化水素(H2S)ガスに対するバリア性と硫黄酸化物(SOX)ガスに対するバリア性を兼ね備えた、半導体素子(特に光半導体素子)の封止用途に有用な硬化性樹脂組成物、それを用いた硬化物、封止材、及び半導体装置を提供する。ポリオルガノシロキサン(A)、シルセスキオキサン(B)、イソシアヌレート化合物(C)、及び亜鉛化合物(E)を含む硬化性樹脂組成物であって、ポリオルガノシロキサン(A)がアリール基を有しないポリオルガノシロキサンであり、シルセスキオキサン(B)としてラダー型シルセスキオキサンを含み、亜鉛化合物(E)の含有量が、ポリオルガノシロキサン(A)及びシルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して0.01重量部以上0.1重量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物、それを用いた硬化物、封止材、及び半導体装置。
Description
本発明は、硬化性樹脂組成物、並びにその硬化性樹脂組成物を用いて得られる硬化物、封止材、及びその封止材を用いて得られる半導体装置に関する。本願は、2013年8月1日に日本に出願した特願2013−160291号の優先権を主張し、その内容をここに援用する
高耐熱・高耐電圧が求められる半導体装置において、半導体素子を被覆する材料には一般に、150℃程度以上の耐熱性が求められている。特に、光半導体素子などの光学材料を被覆する材料(封止材)には、耐熱性に加えて、透明性、柔軟性等の物性に優れることが求められている。現在、例えば、液晶ディスプレイのバックライトユニットにおける封止材としては、エポキシ系樹脂材料やシリコーン系樹脂材料が使用されている。
特許文献1には、耐熱性が高く熱放散性の良い材料として、シロキサン(Si−O−Si結合体)による橋かけ構造を有する少なくとも1種の第1の有機珪素ポリマーと、シロキサンによる線状連結構造を有する少なくとも1種の第2の有機珪素ポリマーとを、シロキサン結合により連結させた、分子量が2万から80万である第3の有機珪素ポリマーの1種以上を含有する合成高分子化合物が開示されている。しかしながら、これらの材料の物性は、未だ満足できるものではない。
また、特許文献2には、透明性、耐UV性、耐熱着色性に優れた光素子封止用樹脂組成物として、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を含有しH−Si結合を含有しない籠型構造体の液状のシルセスキオキサン、及び、H−Si結合を含有し脂肪族炭素−炭素不飽和結合を含有しない籠型構造体の液状のシルセスキオキサンからなる群から選択される少なくとも1種のシルセスキオキサンを樹脂成分として含有する光素子封止用樹脂組成物が開示されている。しかしながら、籠型のシルセスキオキサンを含む樹脂組成物の硬化物は比較的硬く、柔軟性に乏しいため、クラックや割れが生じやすいという問題がある。
また、特許文献3には、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有するトリアリルイソシアヌレートなどの有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する、鎖状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンなどの化合物、ヒドロシリル化触媒を必須成分として含有する硬化性組成物が開示されている。しかしながら、これらの材料の耐クラック性等の物性は、未だ満足できるものではない。
一方、光半導体装置における電極等の金属材料は、腐食性ガスにより腐食され易く、通電特性(例えば、高温環境における通電特性)が経時的に悪化するという問題がある。そのため、光半導体用の封止材料には、腐食性ガスに対する高いバリア性が求められる。しかしながら、特許文献1〜3等に開示されている従来のシリコーン系樹脂材料を用いた封止材料は、腐食性ガスに対するバリア性が十分とは言えない。
特許文献4には、(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するポリシロキサンと、(B)ケイ素原子に結合した水素基を少なくとも2個有するポリシロキサン架橋剤と、(C)ヒドロシリル化反応触媒と、(D)亜鉛化合物とを含み、上記(D)成分を上記(A)成分および上記(B)成分の合計100質量部に対して0.1〜5質量部含有し、耐硫化性に優れたシリコーン樹脂組成物が開示されている。しかしながら、硫化水素(H2S)に対する耐腐食性は開示されているが、他の腐食性ガスに対する耐腐食性については、何ら記載がない。
半導体装置を腐食させる腐食性ガスには複数の種類が存在し、代表的な腐食性ガスである硫化水素(H2S)ガスや硫黄酸化物(SOX)ガス等、複数の腐食性ガスのいずれに対しても十分なバリア性を有するような封止材料は未だ開示されていない。
従って、本発明の目的は、透明性、耐熱性、柔軟性を備えると共に、腐食性ガスに対するバリア性(特に、硫化水素(H2S)ガスに対するバリア性(耐H2S腐食性)及び硫黄酸化物(SOX)ガスに対するバリア性(耐SOX腐食性))に優れた硬化物(例えば、半導体素子(特に光半導体素子)の封止用途に有用な硬化物)を形成することができる硬化性樹脂組成物を提供する事にある。
また、本発明の他の目的は、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供することにある。さらに、上記硬化性樹脂組成物を用いて得られる封止材を提供することにある。さらに、上記封止材を用いて得られる半導体装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供することにある。さらに、上記硬化性樹脂組成物を用いて得られる封止材を提供することにある。さらに、上記封止材を用いて得られる半導体装置を提供することにある。
なお、本明細書において、光半導体装置の製造時のリフロー工程において高温の熱が加えられた場合にも劣化を生じないこと、具体的には、封止材にクラックが生じにくく、パッケージからの剥離等の不具合を生じない特性を、「耐リフロー性」と称する場合がある。また、本明細書において、封止材にクラックが生じにくい特性を「耐クラック性」と称する場合がある。
本発明者らは、アリール基を有しないポリオルガノシロキサンに対して、シルセスキオキサン、イソシアヌレート化合物、及び亜鉛化合物を添加した硬化性樹脂組成物が、優れた耐熱性、透明性、柔軟性、耐リフロー性を有し、更に複数の腐食性ガスに対するバリア性(特に、耐H2S腐食性及び耐SOX腐食性)に優れた硬化物を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、ポリオルガノシロキサン(A)、シルセスキオキサン(B)、イソシアヌレート化合物(C)、及び亜鉛化合物(E)を含む硬化性樹脂組成物であって、ポリオルガノシロキサン(A)がアリール基を有しないポリオルガノシロキサンであり、シルセスキオキサン(B)としてラダー型シルセスキオキサンを含み、亜鉛化合物(E)の含有量が、ポリオルガノシロキサン(A)及びシルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して0.01重量部以上0.1重量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、シルセスキオキサン(B)として、分子内に脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサンを含む上記硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、シルセスキオキサン(B)として、分子内にSi−H結合を有するラダー型シルセスキオキサンを含む上記硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、シルセスキオキサン(B)として、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンを含む上記硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、イソシアヌレート化合物(C)として、式(1)
[式(1)中、Rx、Ry、Rzは、同一又は異なって、式(2)で表される基、又は式(3)で表される基を示す。
[式(2)及び式(3)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を示す。]]
で表されるイソシアヌレート化合物を含む上記硬化性樹脂組成物を提供する。
で表されるイソシアヌレート化合物を含む上記硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、式(1)におけるRx、Ry、Rzのうち、いずれかひとつ以上が式(3)で表される基である上記硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、亜鉛化合物(E)として、カルボン酸亜鉛を含む上記硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、ポリオルガノシロキサン(A)として、式(6)
[式(6)中、R21〜R26は、同一又は異なって、水素原子、一価の炭化水素基、又は一価の複素環式基を示す。但し、R21〜R26の内1つ以上は、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を含む一価の基である。R27は、二価の炭化水素基を示す。r、sは、それぞれ1以上の整数を示す。]
で表される構造を含むポリオルガノシロキサンを含む上記硬化性樹脂組成物を提供する。
で表される構造を含むポリオルガノシロキサンを含む上記硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、更に、シランカップリング剤(D)を含む上記硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供する。
また、本発明は、上記硬化性樹脂組成物を用いて得られる封止材を提供する。
また、本発明は、上記封止材を用いて得られる半導体装置を提供する。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は以下に関する。
[1]ポリオルガノシロキサン(A)、シルセスキオキサン(B)、イソシアヌレート化合物(C)、及び亜鉛化合物(E)を含む硬化性樹脂組成物であって、ポリオルガノシロキサン(A)がアリール基を有しないポリオルガノシロキサンであり、シルセスキオキサン(B)としてラダー型シルセスキオキサンを含み、亜鉛化合物(E)の含有量が、ポリオルガノシロキサン(A)及びシルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して0.01重量部以上0.1重量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
[2]ポリオルガノシロキサン(A)が、分岐鎖を有し、アリール基を有しないポリオルガノシロキサンである[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3]ポリオルガノシロキサン(A)が、式(6)で表される構造(特に、R27は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、より好ましくはエチレン基)を含み、分岐鎖を有し、アリール基を有しないポリオルガノシロキサンである[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
[4]ポリオルガノシロキサン(A)として、式(6)で表される構造(R27は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、より好ましくはエチレン基)を含み、分岐鎖を有し、アリール基を有しない、分子量分散度(Mw/Mn)が1.0〜7.0(より好ましくは2.0〜6.5、さらに好ましくは3.0〜6.0、特に好ましくは4.0より大きく5.5以下)である、2種のポリオルガノシロキサンを用いる[1]〜[3]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[5]ポリオルガノシロキサン(A)の含有量(配合量)が、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、55〜95重量%である[1]〜[4]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[6]シルセスキオキサン(B)が、分子内に脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサン、分子内にSi−H結合を有するラダー型シルセスキオキサン、式(5)で表されるTがトリメチルシリル基であるラダー型シルセスキオキサン、及び分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種のラダー型シルセスキオキサンである[1]〜[5]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[7]シルセスキオキサン(B)の含有量(配合量)が、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して5〜45重量%である[1]〜[6]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[8]シルセスキオキサン(B)の割合が、ポリオルガノシロキサン(A)100重量部に対して1〜40重量部である[1]〜[7]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[9]イソシアヌレート化合物(C)として、式(1)
[式(1)中、Rx、Ry、Rzは、同一又は異なって、式(2)で表される基、又は式(3)で表される基を示す。
[式(2)及び式(3)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を示す。]]
で表されるイソシアヌレート化合物を含む[1]〜[8]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[10]イソシアヌレート化合物(C)が、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、又はモノメチルジグリシジルイソシアヌレートである[1]〜[9]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[11]イソシアヌレート化合物(C)の含有量が、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して0.01〜10重量%である[1]〜[10]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[12]イソシアヌレート化合物(C)の割合が、ポリオルガノシロキサン(A)とシルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して0.01〜0.8重量部である[1]〜[11]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[13]更にシランカップリング剤(D)を含む[1]〜[12]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[14]シランカップリング(D)が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである[13]に記載の硬化性樹脂組成物。
[15]亜鉛化合物(E)が、亜鉛ビスアセチルアセトネート、ナフテン酸亜鉛、又はオクチル酸亜鉛である[1]〜[14]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[16]亜鉛化合物(E)の含有量が、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0.05〜0.085重量%である[1]〜[15]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[17]亜鉛化合物(E)の化合物全重量(100重量%)に対する亜鉛含有量が2〜30重量%である[1]〜[16]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[1]ポリオルガノシロキサン(A)、シルセスキオキサン(B)、イソシアヌレート化合物(C)、及び亜鉛化合物(E)を含む硬化性樹脂組成物であって、ポリオルガノシロキサン(A)がアリール基を有しないポリオルガノシロキサンであり、シルセスキオキサン(B)としてラダー型シルセスキオキサンを含み、亜鉛化合物(E)の含有量が、ポリオルガノシロキサン(A)及びシルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して0.01重量部以上0.1重量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
[2]ポリオルガノシロキサン(A)が、分岐鎖を有し、アリール基を有しないポリオルガノシロキサンである[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3]ポリオルガノシロキサン(A)が、式(6)で表される構造(特に、R27は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、より好ましくはエチレン基)を含み、分岐鎖を有し、アリール基を有しないポリオルガノシロキサンである[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
[4]ポリオルガノシロキサン(A)として、式(6)で表される構造(R27は炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、より好ましくはエチレン基)を含み、分岐鎖を有し、アリール基を有しない、分子量分散度(Mw/Mn)が1.0〜7.0(より好ましくは2.0〜6.5、さらに好ましくは3.0〜6.0、特に好ましくは4.0より大きく5.5以下)である、2種のポリオルガノシロキサンを用いる[1]〜[3]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[5]ポリオルガノシロキサン(A)の含有量(配合量)が、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、55〜95重量%である[1]〜[4]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[6]シルセスキオキサン(B)が、分子内に脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサン、分子内にSi−H結合を有するラダー型シルセスキオキサン、式(5)で表されるTがトリメチルシリル基であるラダー型シルセスキオキサン、及び分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種のラダー型シルセスキオキサンである[1]〜[5]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[7]シルセスキオキサン(B)の含有量(配合量)が、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して5〜45重量%である[1]〜[6]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[8]シルセスキオキサン(B)の割合が、ポリオルガノシロキサン(A)100重量部に対して1〜40重量部である[1]〜[7]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[9]イソシアヌレート化合物(C)として、式(1)
[式(1)中、Rx、Ry、Rzは、同一又は異なって、式(2)で表される基、又は式(3)で表される基を示す。
[式(2)及び式(3)中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を示す。]]
で表されるイソシアヌレート化合物を含む[1]〜[8]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[10]イソシアヌレート化合物(C)が、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、又はモノメチルジグリシジルイソシアヌレートである[1]〜[9]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[11]イソシアヌレート化合物(C)の含有量が、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して0.01〜10重量%である[1]〜[10]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[12]イソシアヌレート化合物(C)の割合が、ポリオルガノシロキサン(A)とシルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して0.01〜0.8重量部である[1]〜[11]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[13]更にシランカップリング剤(D)を含む[1]〜[12]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[14]シランカップリング(D)が3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである[13]に記載の硬化性樹脂組成物。
[15]亜鉛化合物(E)が、亜鉛ビスアセチルアセトネート、ナフテン酸亜鉛、又はオクチル酸亜鉛である[1]〜[14]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[16]亜鉛化合物(E)の含有量が、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0.05〜0.085重量%である[1]〜[15]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[17]亜鉛化合物(E)の化合物全重量(100重量%)に対する亜鉛含有量が2〜30重量%である[1]〜[16]の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記構成を有する事により、耐熱性、透明性、柔軟性、耐リフロー性、密着性等に優れ、更にH2SガスやSOXガス等、複数の腐食性ガス(特に、耐H2S腐食性及び耐SOX腐食性)に対するバリア性に優れる硬化物を形成することができる。そのため、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物は、半導体装置の封止材、特に、LED等の光半導体素子用の封止材として有用である。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、これまでにない高温(例えば180℃以上)の環境における耐熱性が要求される次世代光源用の封止材を得ることができる。更に、光半導体素子が、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物によって封止される事により、品質や耐久性等に優れた光半導体装置を得る事ができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ポリオルガノシロキサン(A)、シルセスキオキサン(B)、イソシアヌレート化合物(C)、及び亜鉛化合物(E)を必須成分として含む硬化性樹脂組成物であって、ポリオルガノシロキサン(A)がアリール基を有しないポリオルガノシロキサンであり、シルセスキオキサン(B)としてラダー型シルセスキオキサンを含み、亜鉛化合物(E)の含有量が、ポリオルガノシロキサン(A)及びシルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して0.01重量部以上0.1重量部未満であることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
[ポリオルガノシロキサン(A)]
本発明の硬化性樹脂組成物におけるポリオルガノシロキサン(A)は、シロキサン結合(Si−O−Si)で構成された主鎖を有するポリオルガノシロキサンであって、アリール基を有しないポリオルガノシロキサンである。中でも、ポリオルガノシロキサン(A)は、硬化物の強度の観点から、分岐鎖を有するポリオルガノシロキサン(分岐鎖状のポリオルガノシロキサン)であることが好ましい。ポリオルガノシロキサン(A)は、ヒドロシリル基及び/又は脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する基を有する直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(好ましくは、ヒドロシリル基及び/又は脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサン)であっても良い。ポリオルガノシロキサン(A)におけるシリコーン骨格(主鎖)としては、ジメチルシリコーン骨格(ポリジメチルシロキサン)等の周知慣用のシリコーン骨格が挙げられる。なお、ポリオルガノシロキサン(A)には、シルセスキオキサン(B)は含まれない。
本発明の硬化性樹脂組成物におけるポリオルガノシロキサン(A)は、シロキサン結合(Si−O−Si)で構成された主鎖を有するポリオルガノシロキサンであって、アリール基を有しないポリオルガノシロキサンである。中でも、ポリオルガノシロキサン(A)は、硬化物の強度の観点から、分岐鎖を有するポリオルガノシロキサン(分岐鎖状のポリオルガノシロキサン)であることが好ましい。ポリオルガノシロキサン(A)は、ヒドロシリル基及び/又は脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する基を有する直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(好ましくは、ヒドロシリル基及び/又は脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサン)であっても良い。ポリオルガノシロキサン(A)におけるシリコーン骨格(主鎖)としては、ジメチルシリコーン骨格(ポリジメチルシロキサン)等の周知慣用のシリコーン骨格が挙げられる。なお、ポリオルガノシロキサン(A)には、シルセスキオキサン(B)は含まれない。
上記アリール基を有しないポリオルガノシロキサンは、分子内に実質的にアリール基を含有しないポリオルガノシロキサンである。具体的には、上記ポリオルガノシロキサン(A)の全量(100重量%)に対するアリール基の含有量は、0.5重量%以下が好ましく、0.2重量%以下がより好ましく、0.1重量%以下が更に好ましく、ポリオルガノシロキサン(A)中にアリール基が存在しないことが特に好ましい。アリール基の含有量が0.5重量%を越えると、硬化物において所望の物性(耐熱性や屈折率等)を得られない場合がある。上記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などのC6-14アリール基等が挙げられる。また、上記アリール基は置換基を有しているものも含む。
上記ポリオルガノシロキサン(A)におけるケイ素原子が有する置換基としては、例えば、水素原子、Si−H結合を有する基、置換又は無置換の炭化水素基(好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、又はシクロアルケニル基)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基、メルカプト基(チオール基)、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基又は置換アミノ基(モノ又はジアルキルアミノ基、アシルアミノ基等)、エポキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記アルキル基としては、C1-10アルキル基が好ましく、C1-4アルキル基がより好ましい。上記アルケニル基としては、C2-10アルケニル基が好ましく、C2-4アルケニル基がより好ましい。上記シクロアルキル基としては、C3-12シクロアルキル基が好ましい。上記シクロアルケニル基としては、C3-12シクロアルケニル基が好ましい。上記アルコキシ基としては、C1-6アルコキシ基が好ましい。上記アルケニルオキシ基としては、C1-6アルケニルオキシ基が好ましい。上記アシルオキシ基としては、C1-6アシルオキシ基が好ましい。上記アルキルチオ基としては、C1-6アルキルチオ基が好ましい。上記アルケニルチオ基としては、C1-6アルケニルチオ基が好ましい。上記アルコキシカルボニル基としては、C1-6アルコキシカルボニル基が好ましい。
上記ポリオルガノシロキサン(A)としては、ケイ素原子が有する上記置換基として、水素原子、Si−H結合を有する基、置換又は無置換の炭化水素基(好ましくはアルキル基又はアルケニル基)から選ばれる少なくとも1以上の置換基を有するポリオルガノシロキサンが特に好ましい。
上記ポリオルガノシロキサン(A)における上記置換基の位置は、特に限定されず、シロキサン結合(Si−O−Si)で構成された主鎖に対して、側鎖に位置しても良いし、末端に位置しても良い。
上記ポリオルガノシロキサン(A)の数平均分子量は、500〜20000が好ましく、1000〜10000がより好ましく、2000〜8000が更に好ましい。また、重量平均分子量は、500〜50000が好ましく、5000〜40000がより好ましく、10000〜30000が更に好ましい。なお、上記数平均分子量及び/又は重量平均分子量は、例えば、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の分子量として算出することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、ポリオルガノシロキサン(A)は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。ポリオルガノシロキサン(A)を2種以上組合せて使用する場合、少なくとも1種はヒドロシリル基を有し、少なくとも1種は脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する事が好ましい。ポリオルガノシロキサン(A)を2種以上組合せて使用する場合における、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン(A)としては、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキシシルアルキレン、ヒドロシリル基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサン、ヒドロシリル基を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキシシルアルキレンが好ましい。ポリオルガノシロキサン(A)を2種以上組合せて使用する場合における、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有するポリオルガノシロキサン(A)としては、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有するポリオルガノシロキシシルアルキレン、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキサン、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有する分岐鎖状のポリオルガノシロキシシルアルキレンが好ましい。
なお、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンは、同時に、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有するポリオルガノシロキサンであっても良い。また、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を有するポリオルガノシロキサンは、同時に、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンであっても良い。
上記ポリオルガノシロキサン(A)としては、例えば、式(6)で表される構造を含むポリオルガノシロキサンが挙げられる。本明細書において、式(6)で表される構造を含むポリオルガノシロキサンを「ポリオルガノシロキシシルアルキレン」と称する。
上記ポリオルガノシロキサン(A)は、ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含むことが好ましく、ポリオルガノシロキシシルアルキレンのみであることがより好ましい。なお、ポリオルガノシロキシシルアルキレンは、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
上記ポリオルガノシロキサン(A)は、ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含むことが好ましく、ポリオルガノシロキシシルアルキレンのみであることがより好ましい。なお、ポリオルガノシロキシシルアルキレンは、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
式(6)中、R21〜R26は、同一又は異なって、水素原子、一価の炭化水素基、又は一価の複素環式基を示す。但し、R21〜R26の内1つ以上は、脂肪族炭素−炭素不飽和結合を含む一価の基である。
上記一価の炭化水素基としては、例えば、一価の脂肪族炭化水素基;一価の脂環式炭化水素基;脂肪族炭化水素基、及び脂環式炭化水素基が結合した一価の基等が挙げられる。上記一価の複素環式基としては、例えば、ピリジル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。
上記一価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のC1-20アルキル基(好ましくはC1-10アルキル基、より好ましくはC1-4アルキル基)等が挙げられる。上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基等のC2-20アルケニル基(好ましくはC2-10アルケニル基、さらに好ましくはC2-4アルケニル基)等が挙げられる。上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基等のC2-20アルキニル基(好ましくはC2-10アルキニル基、さらに好ましくはC2-4アルキニル基)等が挙げられる。
上記一価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等のC3-12のシクロアルキル基;シクロヘキセニル基等のC3-12のシクロアルケニル基;ビシクロヘプタニル基、ビシクロヘプテニル基等のC4-15の架橋環式炭化水素基等が挙げられる。
また、脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した基として、例えば、シクロへキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
上記一価の炭化水素基は置換基を有していてもよい。即ち、上記一価の炭化水素基は、上記で例示した一価の炭化水素基の少なくとも1つの水素原子が置換基と置き換わった一価の炭化水素基であってもよい。上記置換基の炭素数は0〜20が好ましく、より好ましくは0〜10である。上記置換基としては、具体的には、例えば、ハロゲン原子;ヒドロキシル基;アルコキシ基;アルケニルオキシ基;アラルキルオキシ基;アシルオキシ基;メルカプト基;アルキルチオ基;アルケニルチオ基;アラルキルチオ基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基;アラルキルオキシカルボニル基;アミノ基;モノ又はジアルキルアミノ基;モノ又はジフェニルアミノ基;アシルアミノ基;エポキシ基含有基;オキセタニル基含有基;アシル基;オキソ基;イソシアネート基;これらの2以上が必要に応じてC1-6アルキレン基を介して結合した基等が挙げられる。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等のC1-6アルコキシ基(好ましくはC1-4アルコキシ基)等が挙げられる。上記アルケニルオキシ基としては、例えば、アリルオキシ基等のC2-6アルケニルオキシ基(好ましくはC2-4アルケニルオキシ基)等が挙げられる。上記アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のC7-18アラルキルオキシ基等が挙げられる。上記アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のC1-12アシルオキシ基等が挙げられる。
上記アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等のC1-6アルキルチオ基(好ましくはC1-4アルキルチオ基)等が挙げられる。上記アルケニルチオ基としては、例えば、アリルチオ基等のC2-6アルケニルチオ基(好ましくはC2-4アルケニルチオ基)等が挙げられる。上記アラルキルチオ基としては、例えば、ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等のC7-18アラルキルチオ基等が挙げられる。上記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のC1-6アルコキシ−カルボニル基等が挙げられる。上記アラルキルオキシカルボニル基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基等のC7-18アラルキルオキシ−カルボニル基等が挙げられる。上記モノ又はジアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のモノ又はジ−C1-6アルキルアミノ基等が挙げられる。上記アシルアミノ基としては、例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のC1-11アシルアミノ基等が挙げられる。上記エポキシ基含有基としては、例えば、グリシジル基、グリシジルオキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。上記オキセタニル基含有基としては、例えば、エチルオキセタニルオキシ基等が挙げられる。上記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。上記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記一価の複素環式基は置換基を有していてもよい。上記置換基としては、上記一価の炭化水素基が有していてもよい置換基と同様のものが例示される。
上記一価の炭化水素基、一価の複素環式基としては、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基、ビニル基、アリル基、スチリル基(例えば、p−スチリル基)、置換基を有する炭化水素基(例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−グリシジルプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基等)等が挙げられる。
式(6)中、R27は、二価の炭化水素基を示す。上記二価の炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、二価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の二価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)が挙げられる。中でも、R27としては、炭素数1〜8(特に炭素数1〜5)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、より好ましくはエチレン基である。
式(6)中、rは1以上の整数を示す。rが2以上の整数の場合、rが付された括弧内の構造は、それぞれ同一であっても良く、異なっていても良い。rが付された括弧内の構造がそれぞれ異なる場合、各構造同士の付加形態は特に限定されず、ランダム型であっても良く、ブロック型であっても良い。また、式(6)中、sは1以上の整数を示す。sが2以上の整数の場合、sが付された括弧内の構造は、それぞれ同一であっても良く、異なっていても良い。sが付された括弧内の構造がそれぞれ異なる場合、各構造同士の付加形態は特に限定されず、ランダム型であっても良く、ブロック型であっても良い。更に、式(6)において、rが付された括弧内の構造と、sが付された括弧内の構造の付加形態は、特に限定されず、ランダム型であっても良く、ブロック型であっても良い。なお、rとsは、同一であってもよいし異なっていてもよい。即ち、式(6)中、r、sは、同一又は異なって、それぞれ1以上の整数を示す。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンの末端構造は、特に限定されないが、例えば、シラノール基、アルコキシシリル基、トリアルキルシリル基(例えば、トリメチルシリル基)等が挙げられる。式(6)で表される構造を含む上記ポリオルガノシロキサンの末端には、脂肪族炭素−炭素二重結合を含む基やヒドロシリル基等の各種の基が導入されていてもよい。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンは、上述のように、直鎖、分岐鎖のいずれの鎖状構造を有するものであっても良く、特に分岐鎖を有することが好ましい。上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンとしては、例えば、分岐鎖を有し、アリール基を有しないポリオルガノシロキシシルアルキレンが好ましい。
ポリオルガノシロキサン(A)としては、特に限定されないが、2種以上の(特に2種の)上記ポリオルガノシロキサン(特に好ましくは、2種以上の(特に2種の)上記ポリオルガノシロキシシルアルキレン)を用いることが好ましい。中でも、分子量分散度(Mw/Mn)が1.0〜7.0(より好ましくは2.0〜6.5、さらに好ましくは3.0〜6.0、特に好ましくは4.0より大きく5.5以下)である、アリール基を有しない、2種以上のポリオルガノシロキサン(特に好ましくは、2種以上の上記ポリオルガノシロキシシルアルキレン)を用いることが好ましい。特に、ポリオルガノシロキサン(A)は、腐食性ガスに対するバリア性が一層優れるという観点から、分子量分散度(Mw/Mn)が4.4〜5.0である、アリール基を有しない、2種のポリオルガノシロキサン(特に好ましくは、2種の上記ポリオルガノシロキシシルアルキレン)を用いることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン(A)としては、特に限定されないが、腐食性ガスに対するバリア性が一層優れるという観点から、例えば、分子内の脂肪族炭素−炭素二重結合の含有量(ビニル基換算)が異なる2種のポリオルガノシロキサン(特に好ましくは、2種のポリオルガノシロキシシルアルキレン)を用いることが好ましい。具体的には、脂肪族炭素−炭素二重結合の含有量が1.55重量%以下(例えば0.1〜1.55重量%、好ましくは0.5〜1.4重量%)であるポリオルガノシロキサン(好ましくは、ポリオルガノシロキシシルアルキレン)と、脂肪族炭素−炭素二重結合の含有量が1.55重量%より大きい(例えば1.55重量%より大きく10重量%未満、好ましくは1.6〜8重量%)ポリオルガノシロキサン(好ましくは、ポリオルガノシロキシシルアルキレン)とを用いることが好ましい。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンとしては、例えば、GD−1012A(長興化学工業(株)製)、GD−1012B(長興化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物におけるポリオルガノシロキサン(A)の含有量(配合量、2種以上用いる場合は合計含有量)は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、55〜95重量%が好ましく、60〜92重量%がより好ましく、65〜90重量%が更に好ましい。含有量が55重量%未満であると、硬化物の耐クラック性が低下する場合がある。一方、含有量が95重量%を超えると、腐食性ガスに対するガスバリア性が十分得られない場合がある。
ポリオルガノシロキサン(A)を2種以上用いる場合、本発明の硬化性樹脂組成物におけるポリオルガノシロキサン(A)の全量(100重量%)に対するポリオルガノシロキシシルアルキレンの割合は、特に限定されないが、60重量%以上(例えば、60〜100重量%)が好ましく、より好ましくは80重量%以上(例えば、80〜99.5重量%)、さらに好ましくは90重量%以上である。ポリオルガノシロキシシルアルキレンの割合が60重量%未満であると、硬化物が黄変しやすくなったり、表面に粘着性を有しやすく取り扱い性が低下する傾向がある。
[シルセスキオキサン(B)]
本発明の硬化性樹脂組成物は、ラダー型シルセスキオキサンを主成分とするシルセスキオキサン(B)を含む。ラダー型シルセスキオキサンは、架橋された三次元構造を有するポリシロキサンである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ラダー型シルセスキオキサンを主成分とするシルセスキオキサン(B)を含む。ラダー型シルセスキオキサンは、架橋された三次元構造を有するポリシロキサンである。
ポリシロキサンは、シロキサン結合(Si−O−Si)で構成された主鎖を有する化合物であり、その基本構成単位としては、M単位(ケイ素原子が1個の酸素原子と結合した1価の基からなる単位)、D単位(ケイ素原子が2個の酸素原子と結合した2価の基からなる単位)、T単位(ケイ素原子が3個の酸素原子と結合した3価の基からなる単位)、Q単位(ケイ素原子が4個の酸素原子と結合した4価の基からなる単位)が挙げられる。
シルセスキオキサンは、上記T単位を基本構成単位とするポリシロキサンであり、その実験式(基本構造式)はRSiO1.5で表される。シルセスキオキサンのSi−O−Si骨格の構造としては、ランダム構造、カゴ構造、ラダー構造が挙げられ、ラダー型シルセスキオキサンは、ラダー構造のSi−O−Si骨格の構造を有するシルセスキオキサンである。
シルセスキオキサンは、上記T単位を基本構成単位とするポリシロキサンであり、その実験式(基本構造式)はRSiO1.5で表される。シルセスキオキサンのSi−O−Si骨格の構造としては、ランダム構造、カゴ構造、ラダー構造が挙げられ、ラダー型シルセスキオキサンは、ラダー構造のSi−O−Si骨格の構造を有するシルセスキオキサンである。
本発明におけるラダー型シルセスキオキサンは、実験式(基本構造式)RSiO1.5で表され、上記Rは、水素原子、ハロゲン原子、一価の有機基、一価の酸素原子含有基、一価の窒素原子含有基、又は一価の硫黄原子含有基を示し、上記Rの少なくとも一部は、一価の有機基である。上記Rは、それぞれ同一であっても良いし、異なっていても良い。
上記Rにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。上記Rにおける一価の有機基としては、例えば、置換又は無置換の炭化水素基(一価の炭化水素基)、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、エポキシ基、シアノ基、イソシアナート基、カルバモイル基、イソチオシアナート基などが挙げられる。
上記Rにおける炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが2以上結合した基が挙げられる。
上記Rにおける脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基などのC1-20アルキル基(好ましくはC1-10アルキル基、さらに好ましくはC1-4アルキル基)などが挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基などのC2-20アルケニル基(好ましくはC2-10アルケニル基、さらに好ましくはC2-4アルケニル基)などが挙げられる。アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基などのC2-20アルキニル基(好ましくはC2-10アルキニル基、さらに好ましくはC2-4アルキニル基)などが挙げられる。
上記Rにおける脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基などのC3-12のシクロアルキル基;シクロヘキセニル基などのC3-12のシクロアルケニル基;ビシクロヘプタニル基、ビシクロヘプテニル基などのC4-15の架橋環式炭化水素基などが挙げられる。
上記Rにおける芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6-14アリール基(特に、C6-10アリール基)などが挙げられる。
また、上記Rにおける脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した基としては、例えば、シクロへキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等のC7-18アラルキル基(特に、C7-10アラルキル基)、シンナミル基等のC6-10アリール−C2-6アルケニル基、トリル基等のC1-4アルキル置換アリール基、スチリル基等のC2-4アルケニル置換アリール基などが挙げられる。
上記Rにおける炭化水素基は置換基を有していても良い。上記炭化水素基における置換基の炭素数は0〜20が好ましく、より好ましくは0〜10である。該置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等のアルコキシ基(好ましくはC1-6アルコキシ基、より好ましくはC1-4アルコキシ基);アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基(好ましくはC2-6アルケニルオキシ基、より好ましくはC2-4アルケニルオキシ基);フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の、芳香環にC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基等の置換基を有していても良いアリールオキシ基(好ましくはC6-14アリールオキシ基);ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基(好ましくはC7-18アラルキルオキシ基);アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基(好ましくはC1-12アシルオキシ基);メルカプト基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基(好ましくはC1-6アルキルチオ基、より好ましくはC1-4アルキルチオ基);アリルチオ基等のアルケニルチオ基(好ましくはC2-6アルケニルチオ基、より好ましくはC2-4アルケニルチオ基);フェニルチオ基、トリルチオ基、ナフチルチオ基等の、芳香環にC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基等の置換基を有していても良いアリールチオ基(好ましくはC6-14アリールチオ基);ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等のアラルキルチオ基(好ましくはC7-18アラルキルチオ基);カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基(好ましくはC1-6アルコキシ−カルボニル基);フェノキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基(好ましくはC6-14アリールオキシ−カルボニル基);ベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基(好ましくはC7-18アラルキルオキシ−カルボニル基);アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基(好ましくはモノ又はジ−C1-6アルキルアミノ基);アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基(好ましくはC1-11アシルアミノ基);グリシジルオキシ基等のエポキシ基含有基;エチルオキセタニルオキシ基等のオキセタニル基含有基;アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基;オキソ基;これらの2以上が必要に応じてC1-6アルキレン基を介して結合した基などが挙げられる。
上記Rにおける一価の酸素原子含有基としては、例えば、ヒドロキシル基、ヒドロパーオキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基、イソシアナート基、スルホ基、カルバモイル基などが挙げられる。上記一価の窒素原子含有基としては、例えば、アミノ基又は置換アミノ基(モノ又はジアルキルアミノ基、アシルアミノ基等)、シアノ基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、カルバモイル基などが挙げられる。また、上記一価の硫黄原子含有基としては、例えば、メルカプト基(チオール基)、スルホ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、イソチオシアナート基などが挙げられる。なお、上述の一価の有機基、一価の酸素原子含有基、一価の窒素原子含有基、一価の硫黄原子含有基は、相互に重複し得る。
さらに、上記Rとしては、下記式(4)で表される基が挙げられる。
上記式(4)中の複数個のR´は、それぞれ同一であっても良いし、異なっていても良い。式(4)中のR´は、水素原子、ハロゲン原子、一価の有機基、一価の酸素原子含有基、一価の窒素原子含有基、又は一価の硫黄原子含有基を示し、これらの基としては、上記Rとして例示したものと同様の基が挙げられる。
上記式(4)で表される基において、各R´としては、それぞれ、水素原子、C1-10アルキル基(特に、C1-4アルキル基)、C2-10アルケニル基(特に、C2-4アルケニル基)、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルケニル基、芳香環にC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基等の置換基を有していても良いC6-14アリール基、C7-18アラルキル基、C6-10アリール−C2-6アルケニル基、ヒドロキシル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子が好ましい。
上記の中でも、Rとしては、水素原子、又は、置換若しくは無置換の炭化水素基が好ましく、より好ましくは置換又は無置換の炭化水素基、さらに好ましくは脂肪族炭化水素基(特に、アルキル基、アルケニル基)、芳香族炭化水素基(特に、フェニル基)である。
上記式(5)において、pは1以上の整数(好ましくは1〜5000、より好ましくは1〜2000、更に好ましくは1〜1000)である。上記式(5)中のRは、RSiO1.5における上記Rと同じもの(以下「側鎖」と称することがある)を示し、Tは末端基を示す。上記式(5)中のTとしては、RSiO1.5における上記Rとして例示したものと同様の基が例示される。中でも、上記式(5)中のTとしては、トリメチルシリル基、ビニル基、SiH含有基が好ましい。
上記式(5)中の上記Rにおいて、上記式(5)中の上記Rの全量(100モル%)に対する、置換又は無置換の炭化水素基の占める割合は、特に限定されないが、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。特に、上記Rの全量(100モル%)に対する、置換又は無置換のアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基又はエチル基等の炭素数1〜4のアルキル基)、置換又は無置換のアリール基(好ましくは炭素数6〜10のアリール基、特にフェニル基)、置換又は無置換の炭素数7〜10のアラルキル基(好ましくは炭素数7〜10のアラルキル基、特にベンジル基)の合計量は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。特に、硬化物の腐食性ガスに対するバリア性の観点からは、上記Rの一部又は全部が置換若しくは無置換のアリール基であることが好ましい。即ち、上記ラダー型シルセスキオキサンは、分子内に置換基若しくは無置換のアリール基を少なくとも有するラダー型シルセスキオキサンであってもよい。
シルセスキオキサン(B)の数平均分子量及び/又は重量平均分子量は、特に限定されないが、100〜80万が好ましく、200〜10万がより好ましく、300〜3万が更に好ましく、500〜20000が特に好ましい。分子量が100未満であると、硬化物の耐熱性が低下する場合がある。一方、分子量が80万を超えると、上記シルセスキオキサン(B)の他の成分に対する相溶性が低下する場合がある。なお、上記シルセスキオキサン(B)は、上記範囲の種々の分子量を有するものの混合物であっても良い。なお、上記数平均分子量及び重量平均分子量は、例えば、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の分子量として算出することができる。
本発明におけるシルセスキオキサン(B)、特にラダー型シルセスキオキサンは、公知の製造方法(例えば、3官能シラン化合物を原料とした加水分解縮合法)により製造することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、シルセスキオキサン(B)は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物におけるシルセスキオキサン(B)の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、5〜45重量%が好ましく、7〜40重量%がより好ましく、10〜35重量%が更に好ましい。含有量が5重量%未満であると、SOX等の腐食性ガスに対するガスバリア性が十分得られない場合がある。一方、含有量が45重量%を超えると、硬化物の耐クラック性が低下したり、耐熱性が十分得られない場合がある。本発明の硬化性樹脂組成物におけるシルセスキオキサン(B)の割合は、特に限定されないが、耐熱性、腐食性ガスに対するバリア性、硬化物の耐クラック性の観点から、例えば、ポリオルガノシロキサン(A)100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、より好ましくは5〜35重量部、特に好ましくは10〜30重量部である。
[ラダー型シルセスキオキサン(B1)]
本発明の硬化性樹脂組成物は、シルセスキオキサン(B)として、分子内に脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサン(本明細書において、単に「ラダー型シルセスキオキサン(B1)」と称する場合がある)を含んでも良い。シルセスキオキサン(B)としては、ラダー型シルセスキオキサン(B1)のみを用いてもよいし、ラダー型シルセスキオキサン(B1)及びラダー型シルセスキオキサン(B1)以外のラダー型シルセスキオキサン(例えば、ラダー型シルセスキオキサン(B2)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンなど)を用いてもよい。ラダー型シルセスキオキサン(B1)としては、側鎖及び/又は末端基に脂肪族炭素−炭素二重結合を有する基を持つ化合物であれば特に限定されず、例えば、側鎖及び/又は末端基に脂肪族炭素−炭素二重結合及びSi−H結合を有していてもよい。ラダー型シルセスキオキサン(B1)は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シルセスキオキサン(B)として、分子内に脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサン(本明細書において、単に「ラダー型シルセスキオキサン(B1)」と称する場合がある)を含んでも良い。シルセスキオキサン(B)としては、ラダー型シルセスキオキサン(B1)のみを用いてもよいし、ラダー型シルセスキオキサン(B1)及びラダー型シルセスキオキサン(B1)以外のラダー型シルセスキオキサン(例えば、ラダー型シルセスキオキサン(B2)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンなど)を用いてもよい。ラダー型シルセスキオキサン(B1)としては、側鎖及び/又は末端基に脂肪族炭素−炭素二重結合を有する基を持つ化合物であれば特に限定されず、例えば、側鎖及び/又は末端基に脂肪族炭素−炭素二重結合及びSi−H結合を有していてもよい。ラダー型シルセスキオキサン(B1)は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
上記脂肪族炭素−炭素二重結合を有する基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基などのC2-20アルケニル基(好ましくはC2-10アルケニル基、さらに好ましくはC2-4アルケニル基);シクロヘキセニル基などのC3-12のシクロアルケニル基;ビシクロヘプテニル基などのC4-15架橋環式不飽和炭化水素基;スチリル基等のC2-4アルケニル置換アリール基;シンナミル基などが挙げられる。なお、上記脂肪族炭素−炭素二重結合を有する基には、上記式(4)で表される基において、3つのR´のうち少なくとも1つが上記のC2-20アルケニル基、C3-12のシクロアルケニル基、C4-15の架橋環式不飽和炭化水素基、C2-4アルケニル置換アリール基、シンナミル基等である基も含まれる。中でも、アルケニル基が好ましく、より好ましくはC2-20アルケニル基、さらに好ましくはビニル基である。
ラダー型シルセスキオキサン(B1)における、分子内(一分子中)の上記脂肪族炭素−炭素二重結合の数は、特に限定されないが、2個以上(例えば、2〜50個)が好ましく、2〜30個がより好ましい。上述の範囲で上記脂肪族炭素−炭素二重結合を有することにより、耐熱性等の各種物性、耐クラック性、腐食性ガスに対するバリア性に優れた硬化物が得られやすい傾向がある。
ラダー型シルセスキオキサン(B1)中の上記脂肪族炭素−炭素二重結合の含有量は、特に限定されないが、0.7〜5.5mmol/gが好ましく、1.1〜4.4mmol/gがより好ましい。また、ラダー型シルセスキオキサン(B1)に含まれる上記脂肪族炭素−炭素二重結合の割合(重量基準)は、特に限定されないが、ビニル基換算で、2.0〜15.0重量%が好ましく、3.0〜12.0重量%がより好ましい。
ラダー型シルセスキオキサン(B1)は、特に限定されないが、常温(約25℃)で液体であることが好ましい。より具体的には、ラダー型シルセスキオキサン(B1)の23℃における粘度は、100〜100000mPa・sが好ましく、500〜10000mPa・sがより好ましく、1000〜8000mPa・sが更に好ましい。粘度が100mPa・s未満であると、硬化物の耐熱性が低下する場合がある。一方、粘度が100000mPa・sを超えると、硬化性樹脂組成物の調製や取り扱いが困難となる場合がある。なお、23℃における粘度は、例えば、レオーメーター(商品名「PhysicaUDS−200」、AntonPaar社製)とコーンプレート(円錐直径:16mm、テーパ角度=0°)を用いて、温度:23℃、回転数:20rpmの条件で測定することができる。
ラダー型シルセスキオキサン(B1)は、特に限定されないが、常温(約25℃)で固体のラダー型シルセスキオキサン(25℃において固体であり、なおかつ脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサンを「ラダー型シルセスキオキサン(S1)」と称する場合がある)であってもよい。本発明の硬化性樹脂組成物がラダー型シルセスキオキサン(S1)を含む場合(例えば、ラダー型シルセスキオキサン(S1)及び(S2)を含む場合)には、特に、硬化により形成される硬化物の腐食性ガスに対するバリア性が向上し、さらに、強靭性(特に、耐クラック性)が向上する傾向がある。
また、ラダー型シルセスキオキサン(S1)は、常温で液体のラダー型シルセスキオキサン(B1)、ラダー型シルセスキオキサン(B2)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンと共に用いてもよい。
また、ラダー型シルセスキオキサン(S1)は、常温で液体のラダー型シルセスキオキサン(B1)、ラダー型シルセスキオキサン(B2)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンと共に用いてもよい。
[ラダー型シルセスキオキサン(B2)]
本発明の硬化性樹脂組成物は、シルセスキオキサン(B)として、分子内にSi−H結合を有するラダー型シルセスキオキサン(本明細書において、単に「ラダー型シルセスキオキサン(B2)」と称する場合がある)を含んでも良い。シルセスキオキサン(B)としては、ラダー型シルセスキオキサン(B2)のみを用いてもよいし、ラダー型シルセスキオキサン(B2)及びラダー型シルセスキオキサン(B2)以外のラダー型シルセスキオキサン(例えば、ラダー型シルセスキオキサン(B1)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンなど)を用いてもよい。ラダー型シルセスキオキサン(B2)としては、側鎖及び/又は末端基に水素原子又はSi−H結合を有する基を持つ化合物であれば特に限定されない。ラダー型シルセスキオキサン(B2)は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シルセスキオキサン(B)として、分子内にSi−H結合を有するラダー型シルセスキオキサン(本明細書において、単に「ラダー型シルセスキオキサン(B2)」と称する場合がある)を含んでも良い。シルセスキオキサン(B)としては、ラダー型シルセスキオキサン(B2)のみを用いてもよいし、ラダー型シルセスキオキサン(B2)及びラダー型シルセスキオキサン(B2)以外のラダー型シルセスキオキサン(例えば、ラダー型シルセスキオキサン(B1)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンなど)を用いてもよい。ラダー型シルセスキオキサン(B2)としては、側鎖及び/又は末端基に水素原子又はSi−H結合を有する基を持つ化合物であれば特に限定されない。ラダー型シルセスキオキサン(B2)は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
上記Si−H結合を有する基としては、特に限定されないが、例えば、上記式(4)で表される基において、3つのR´のうち少なくとも1つが水素原子である基などが挙げられる。
ラダー型シルセスキオキサン(B2)における、分子内(一分子中)の上記水素原子又は上記Si−H結合を有する基の数は、特に限定されないが、2個以上(例えば、2〜50個)が好ましく、2〜30個がより好ましい。上述の範囲で上記水素原子又は上記Si−Hを有する基を有することにより、硬化性樹脂組成物の硬化物の耐熱性が向上する傾向がある。
ラダー型シルセスキオキサン(B2)が有する上記水素原子又は上記Si−H結合を有する基の含有量は、特に限定されないが、0.01〜0.50mmol/gが好ましく、0.08〜0.28mmol/gがより好ましい。また、ラダー型シルセスキオキサン(B2)に含まれる上記水素原子又は上記Si−H結合を有する基の割合(重量基準)は、特に限定されないが、水素原子又はSi−H結合におけるH(ヒドリド)の重量換算(H換算)で、0.01〜0.50重量%が好ましく、0.08〜0.28重量%がより好ましい。上記水素原子又は上記Si−H結合を有する基の含有量が少なすぎると(例えば、0.01mmol/g未満、H換算で0.01重量%未満の場合)、硬化性樹脂組成物の硬化が十分に進行しない場合がある。一方、上記水素原子又は上記Si−H結合を有する基の含有量が多すぎると(例えば、0.50mmol/gを超える、H換算で0.50重量%を超える場合)、硬化物の硬度が高くなり、割れやすくなる場合がある。なお、ラダー型シルセスキオキサン(B2)における上記水素原子又は上記Si−H結合を有する基の含有量は、例えば、1H−NMRなどによって測定することができる。
なお、ラダー型シルセスキオキサン(B2)が有する上記水素原子又は上記Si−H結合を有する基の全量(100モル%)に対する上記Si−H結合を有する基の含有量は、特に限定されないが、硬化度の観点で、50〜100モル%が好ましく、80〜100モル%がより好ましい。
ラダー型シルセスキオキサン(B2)は、特に限定されないが、常温(約25℃)で液体であることが好ましい。より具体的には、ラダー型シルセスキオキサン(B2)の23℃における粘度は、100〜100000mPa・sが好ましく、500〜10000mPa・sがより好ましく、1000〜8000mPa・sが更に好ましい。粘度が100mPa・s未満であると、硬化物の耐熱性が低下する場合がある。一方、粘度が100000mPa・sを超えると、硬化性樹脂組成物の調製や取り扱いが困難となる場合がある。なお、23℃における粘度は、例えば、ラダー型シルセスキオキサン(B1)の粘度と同様の方法により測定することができる。
ラダー型シルセスキオキサン(B2)は、特に限定されないが、常温(約25℃)で固体のラダー型シルセスキオキサン(25℃において固体であり、なおかつヒドロシリル基を有するラダー型シルセスキオキサンを「ラダー型シルセスキオキサン(S2)」と称する場合がある)であってもよい。本発明の硬化性樹脂組成物がラダー型シルセスキオキサン(S2)を含む場合(例えば、ラダー型シルセスキオキサン(S1)及び(S2)を含む場合)には、特に、硬化により形成される硬化物の腐食性ガスに対するバリア性が向上し、さらに、強靭性(特に、耐クラック性)が向上する傾向がある。
また、ラダー型シルセスキオキサン(S2)は、常温で液体のラダー型シルセスキオキサン(B2)、ラダー型シルセスキオキサン(B1)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンと共に用いてもよい。
また、ラダー型シルセスキオキサン(S2)は、常温で液体のラダー型シルセスキオキサン(B2)、ラダー型シルセスキオキサン(B1)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンと共に用いてもよい。
[その他のラダー型シルセスキオキサン]
本発明の硬化性樹脂組成物におけるラダー型シルセスキオキサンとしては、ラダー型シルセスキオキサン(B1)、ラダー型シルセスキオキサン(B2)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサン以外のラダー型シルセスキオキサン(以下、「その他のラダー型シルセスキオキサン」と称する場合がある)を使用することもできる。特に、上記その他のラダー型シルセスキオキサンは、ラダー型シルセスキオキサン(B1)、ラダー型シルセスキオキサン(B2)、及び分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンから選ばれる少なくとも1種のラダー型シルセスキオキサンと併用することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物におけるラダー型シルセスキオキサンとしては、ラダー型シルセスキオキサン(B1)、ラダー型シルセスキオキサン(B2)、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサン以外のラダー型シルセスキオキサン(以下、「その他のラダー型シルセスキオキサン」と称する場合がある)を使用することもできる。特に、上記その他のラダー型シルセスキオキサンは、ラダー型シルセスキオキサン(B1)、ラダー型シルセスキオキサン(B2)、及び分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンから選ばれる少なくとも1種のラダー型シルセスキオキサンと併用することが好ましい。
[イソシアヌレート化合物(C)]
本発明の硬化性樹脂組成物は、イソシアヌレート化合物(C)を含む。本発明の硬化性樹脂組成物はイソシアヌレート化合物(C)を含むことにより、特に、硬化により形成される硬化物の腐食性ガスに対するバリア性が向上し、さらに、被着体に対する密着性が向上する傾向がある。イソシアヌレート化合物(C)は、式(1)で表されるイソシアヌレート化合物を含むことが好ましい。中でも、イソシアヌレート化合物(C)は、式(1)で表されるイソシアヌレート化合物のみであることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、イソシアヌレート化合物(C)を含む。本発明の硬化性樹脂組成物はイソシアヌレート化合物(C)を含むことにより、特に、硬化により形成される硬化物の腐食性ガスに対するバリア性が向上し、さらに、被着体に対する密着性が向上する傾向がある。イソシアヌレート化合物(C)は、式(1)で表されるイソシアヌレート化合物を含むことが好ましい。中でも、イソシアヌレート化合物(C)は、式(1)で表されるイソシアヌレート化合物のみであることが好ましい。
上記式(1)中、Rx、Ry、Rzは、同一又は異なって、上記式(2)で表される基、又は上記式(3)で表される基を示す。中でも、上記式(1)におけるRx、Ry、Rzのうち、いずれかひとつ以上(好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つ)が上記式(3)で表される基であることが好ましい。
上記式(2)及び上記式(3)中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、エチルヘキシル基などが挙げられる。上記アルキル基の中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などの炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましい。上記式(2)及び上記式(3)におけるR1、R2は、それぞれ水素原子であることが特に好ましい。
上記イソシアヌレート化合物(C)としては、特に限定されないが、例えば、モノアリルジメチルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、モノメチルジグリシジルイソシアヌレート、ジメチルモノグリシジルイソシアヌレート、1−アリル−3,5−ビス(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、1−(2−メチルプロペニル)−3,5−ジグリシジルイソシアヌレート、1−(2−メチルプロペニル)−3,5−ビス(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、1,3−ジアリル−5−(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、1,3−ビス(2−メチルプロペニル)−5−グリシジルイソシアヌレート、1,3−ビス(2−メチルプロペニル)−5−(2−メチルエポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メチルプロペニル)イソシアヌレートなどが挙げられる。中でも、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、モノメチルジグリシジルイソシアヌレートが好ましい。なお、上記イソシアヌレート化合物(C)は、それぞれ、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
上記イソシアヌレート化合物(C)は、他の成分との相溶性を向上させる観点から、後述のように、シランカップリング剤(D)とあらかじめ混合してから他の成分と配合しても良い。
上記イソシアヌレート化合物(C)の含有量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5重量%がより好ましく、0.1〜3重量%が更に好ましい。上記イソシアヌレート化合物(C)の含有量が0.01重量%未満であると、硬化物の腐食性ガスに対するバリア性、被着体に対する密着性が低下する場合がある。一方、上記イソシアヌレート化合物(C)の含有量が10重量%を超えると、硬化性樹脂組成物において固体が析出したり、硬化物が白濁する場合がある。上記イソシアヌレート化合物(C)の割合は、特に限定されないが、硬化物の腐食性ガスに対するバリア性の観点から、例えば、上記ポリオルガノシロキサン(A)と上記シルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して、0.01〜0.5重量部が好ましい。
[シランカップリング剤(D)]
本発明の硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤(D)を含んでも良い。本発明の硬化性樹脂組成物がシランカップリング剤(D)を含む場合には、硬化物の腐食性ガスに対するバリア性が一層向上し、特に、被着体に対する密着性が向上する傾向がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤(D)を含んでも良い。本発明の硬化性樹脂組成物がシランカップリング剤(D)を含む場合には、硬化物の腐食性ガスに対するバリア性が一層向上し、特に、被着体に対する密着性が向上する傾向がある。
上記シランカップリング剤(D)は、上記シルセスキオキサン(B)やイソシアヌレート化合物(C)等との相溶性が良好であるため、例えば、イソシアヌレート化合物のその他成分に対する相溶性を向上させるために、あらかじめイソシアヌレート化合物(C)とシランカップリング剤(D)の組成物を形成した上で、その他成分と配合すると、均一な硬化性樹脂組成物が得られやすい。
上記シランカップリング剤(D)としては、公知乃至慣用のシランカップリング剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシシラン)、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピレントリメトキシシラン、メルカプトプロピレントリエトキシシランなどが挙げられる。中でも、エポキシ基含有シランカップリング剤(特に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を好ましく使用できる。中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。なお、上記シランカップリング剤(D)は1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
上記シランカップリング剤(D)の含有量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0.01〜15重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましく、0.5〜5重量%が更に好ましい。上記シランカップリング剤(D)の含有量が0.01重量%未満であると、被着体に対する密着性が低下し、特に、イソシアヌレート化合物(C)を相溶させて使用する際に、十分な効果(例えば、硬化物の腐食性ガスに対するバリア性など)が得られない場合がある。一方、上記シランカップリング剤の含有量が15重量%を超えると、硬化が不十分になり、硬化物の靭性、耐熱性、バリア性が低下する場合がある。
[亜鉛化合物(E)]
本発明の硬化性樹脂組成物は、亜鉛化合物(E)を含む。本発明の硬化性樹脂組成物が上記亜鉛化合物(E)を含むことにより、特に、H2Sガスに対するバリア性が向上する傾向がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、亜鉛化合物(E)を含む。本発明の硬化性樹脂組成物が上記亜鉛化合物(E)を含むことにより、特に、H2Sガスに対するバリア性が向上する傾向がある。
上記亜鉛化合物(E)としては、特に限定されないが、例えば、亜鉛を含有する錯体や金属塩等が挙げられる。例えば、亜鉛ビスアセチルアセトネート、ビス(オクタン−2,4−ジオナト)亜鉛等の亜鉛ジケトン錯体や、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、アセト酢酸亜鉛、亜鉛(メタ)アクリレート、亜鉛ネオデカネート等のカルボン酸亜鉛等に代表される有機亜鉛化合物、亜鉛華、スズ酸亜鉛などの亜鉛酸化物に代表される無機亜鉛化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。中でも、亜鉛ジケトン錯体(特に亜鉛ビスアセチルアセトネート)又はカルボン酸亜鉛が好ましく、より好ましくはカルボン酸亜鉛、特に好ましくはナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛である。亜鉛化合物(E)は、カルボン酸亜鉛(特にナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛)を少なくとも含むことが好ましい。中でも、亜鉛化合物(E)は、カルボン酸亜鉛(特にナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛)のみであることがより好ましい。上記亜鉛化合物(E)は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
上記亜鉛化合物(E)は、特に限定されないが、腐食性ガスに対するバリア性の観点から、化合物全重量(100重量%)に対する亜鉛含有量が、例えば、2〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは6〜17重量%である。
上記亜鉛化合物(E)の含有量は、特に限定されないが、上記ポリオルガノシロキサン(A)と上記シルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して、0.01重量部以上0.1重量部未満であり、0.05重量部以上0.1重量部未満が好ましく、0.07重量部以上0.1重量部未満がより好ましい。上記亜鉛化合物(E)の含有量が0.01重量部未満であると、H2Sガスに対するバリア性が低下する場合がある。一方、上記亜鉛化合物(E)の含有量が0.1重量部以上であると、SOXガスに対するバリア性が低下する場合がある。上記亜鉛化合物(E)の含有量が上記範囲であることにより、耐H2S腐食性及び耐SOX腐食性に優れる。特に、上記亜鉛化合物(E)としてオクチル酸亜鉛(特に、亜鉛含有量が2〜30重量%であるオクチル酸亜鉛)を上記範囲で用いると、耐SOX腐食性に優れ、耐H2S腐食性に著しく優れる硬化物を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物における上記亜鉛化合物(E)の含有量は、特に限定されないが、例えば、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0.05〜0.085重量%が好ましく、より好ましくは0.06〜0.08重量%である。
[ヒドロシリル化触媒]
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、ヒドロシリル化触媒を含んでいても良い。本発明の硬化性樹脂組成物は、ヒドロシリル化触媒を含むことにより、硬化反応(ヒドロシリル化反応)を効率的に進行させることができる。上記ヒドロシリル化触媒としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等の周知のヒドロシリル化反応用触媒が例示される。具体的には、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金のオレフィン錯体、白金−カルボニルビニルメチル錯体などの白金のカルボニル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体や白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体などの白金ビニルメチルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体等の白金系触媒、ならびに上記白金系触媒において白金原子の代わりにパラジウム原子又はロジウム原子を含有するパラジウム系触媒又はロジウム系触媒が挙げられる。なお、上記ヒドロシリル化触媒は1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、ヒドロシリル化触媒を含んでいても良い。本発明の硬化性樹脂組成物は、ヒドロシリル化触媒を含むことにより、硬化反応(ヒドロシリル化反応)を効率的に進行させることができる。上記ヒドロシリル化触媒としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等の周知のヒドロシリル化反応用触媒が例示される。具体的には、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金のオレフィン錯体、白金−カルボニルビニルメチル錯体などの白金のカルボニル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体や白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体などの白金ビニルメチルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体等の白金系触媒、ならびに上記白金系触媒において白金原子の代わりにパラジウム原子又はロジウム原子を含有するパラジウム系触媒又はロジウム系触媒が挙げられる。なお、上記ヒドロシリル化触媒は1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物における上記ヒドロシリル化触媒の含有量は、特に限定されないが、例えば、ヒドロシリル化触媒中の白金、パラジウム、又はロジウムが重量単位で、0.01〜1,000ppmの範囲内となる量が好ましく、0.1〜500ppmの範囲内となる量がさらに好ましい。ヒドロシリル化触媒の含有量がこのような範囲にあると、架橋速度が著しく遅くなることがなく、硬化物に着色等の問題を生じるおそれが少ないため好ましい。
[ヒドロシリル化反応抑制剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化反応(ヒドロシリル化反応)の速度を調整するために、ヒドロシリル化反応抑制剤を含んでいても良い。上記ヒドロシリル化反応抑制剤としては、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;チアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。上記ヒドロシリル化反応抑制剤は1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。上記ヒドロシリル化反応抑制剤の含有量としては、硬化性樹脂組成物の架橋条件により異なるが、実用上、硬化性樹脂組成物中の含有量として、0.00001〜5重量%の範囲内が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化反応(ヒドロシリル化反応)の速度を調整するために、ヒドロシリル化反応抑制剤を含んでいても良い。上記ヒドロシリル化反応抑制剤としては、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;チアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。上記ヒドロシリル化反応抑制剤は1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。上記ヒドロシリル化反応抑制剤の含有量としては、硬化性樹脂組成物の架橋条件により異なるが、実用上、硬化性樹脂組成物中の含有量として、0.00001〜5重量%の範囲内が好ましい。
[その他のシロキサン化合物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、その他のシロキサン化合物として、更に、分子内(一分子中)に2個以上の脂肪族炭素−炭素二重結合を有する環状シロキサンを含んでいても良い。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、その他のシロキサン化合物として、更に、分子内(一分子中)に2個以上のSi−H結合を有する基を有する環状シロキサンを含んでいても良い。上記環状シロキサンは1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。本発明の硬化性樹脂組成物における環状シロキサンの含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0.01〜30重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましく、0.5〜10重量%が更に好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その他のシロキサン化合物として、更に、分子内(一分子中)に2個以上の脂肪族炭素−炭素二重結合を有する環状シロキサンを含んでいても良い。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、その他のシロキサン化合物として、更に、分子内(一分子中)に2個以上のSi−H結合を有する基を有する環状シロキサンを含んでいても良い。上記環状シロキサンは1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。本発明の硬化性樹脂組成物における環状シロキサンの含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0.01〜30重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましく、0.5〜10重量%が更に好ましい。
[その他のシラン化合物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、その他のシラン化合物(例えば、ヒドロシリル基を有する化合物)を含んでいても良い。上記その他のシラン化合物としては、例えば、メチル(トリスジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−へプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,5,7,7,7−ノナメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,5,7,7,9,9,9−ウンデカメチルペンタシロキサンなどのSi−H基を有する直鎖状又は分岐鎖状シロキサンなどが挙げられる。なお、上記シラン化合物は1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。上記シラン化合物の含有量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0〜5重量%以下が好ましく、0〜1.5重量%がより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その他のシラン化合物(例えば、ヒドロシリル基を有する化合物)を含んでいても良い。上記その他のシラン化合物としては、例えば、メチル(トリスジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−へプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,5,7,7,7−ノナメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,5,7,7,9,9,9−ウンデカメチルペンタシロキサンなどのSi−H基を有する直鎖状又は分岐鎖状シロキサンなどが挙げられる。なお、上記シラン化合物は1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。上記シラン化合物の含有量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0〜5重量%以下が好ましく、0〜1.5重量%がより好ましい。
[溶媒]
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶媒を含んでいても良い。上記溶媒としては、例えば、トルエン、ヘキサン、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の従来公知の溶媒が挙げられる。上記溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶媒を含んでいても良い。上記溶媒としては、例えば、トルエン、ヘキサン、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の従来公知の溶媒が挙げられる。上記溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
[添加剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は、その他任意の成分として、沈降シリカ、湿式シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、酸化チタン、アルミナ、ガラス、石英、アルミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の無機質充填剤、これらの充填剤をオルガノハロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物により処理した無機質充填剤;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の有機樹脂微粉末;銀、銅等の導電性金属粉末等の充填剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤など)、難燃助剤、補強材(他の充填剤など)、核剤、カップリング剤、滑剤、ワックス、可塑剤、離型剤、耐衝撃改良剤、色相改良剤、流動性改良剤、着色剤(染料、顔料など)、分散剤、消泡剤、脱泡剤、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤などの慣用の添加剤を含んでいても良い。これらの添加剤は単独で、又は2種以上を組合せて使用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その他任意の成分として、沈降シリカ、湿式シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、酸化チタン、アルミナ、ガラス、石英、アルミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の無機質充填剤、これらの充填剤をオルガノハロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物により処理した無機質充填剤;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の有機樹脂微粉末;銀、銅等の導電性金属粉末等の充填剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤など)、難燃助剤、補強材(他の充填剤など)、核剤、カップリング剤、滑剤、ワックス、可塑剤、離型剤、耐衝撃改良剤、色相改良剤、流動性改良剤、着色剤(染料、顔料など)、分散剤、消泡剤、脱泡剤、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤などの慣用の添加剤を含んでいても良い。これらの添加剤は単独で、又は2種以上を組合せて使用できる。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物中に存在するヒドロシリル基1モルに対して、脂肪族炭素−炭素二重結合が0.2〜4モルとなるような組成(配合組成)であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5モル、さらに好ましくは0.8〜1.2モルである。ヒドロシリル基と脂肪族炭素−炭素二重結合との割合を上記範囲に制御することにより、硬化物の耐熱性、透明性、柔軟性、耐リフロー性、及び腐食性ガスに対するバリア性がより向上する傾向がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物中に存在するヒドロシリル基1モルに対して、脂肪族炭素−炭素二重結合が0.2〜4モルとなるような組成(配合組成)であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5モル、さらに好ましくは0.8〜1.2モルである。ヒドロシリル基と脂肪族炭素−炭素二重結合との割合を上記範囲に制御することにより、硬化物の耐熱性、透明性、柔軟性、耐リフロー性、及び腐食性ガスに対するバリア性がより向上する傾向がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、上記の各成分を室温で攪拌・混合することにより調製することができる。なお、本発明の硬化性樹脂組成物は、各成分があらかじめ混合されたものをそのまま使用する1液系の組成物として使用することもできるし、例えば、別々に保管しておいた2以上の成分を使用前に所定の割合で混合して使用する多液系(例えば、2液系)の組成物として使用することもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、常温(約25℃)で液体であることが好ましい。より具体的には、本発明の硬化性樹脂組成物は、23℃における粘度として、300〜20000mPa・sが好ましく、より好ましくは500〜10000mPa・s、さらに好ましくは1000〜8000mPa・sである。粘度が300mPa・s未満であると、硬化物の耐熱性が低下する場合がある。一方、粘度が20000mPa・sを超えると、硬化性樹脂組成物の調製や取り扱いが困難となり、硬化物に気泡が残存しやすくなる場合がある。なお、硬化性樹脂組成物の粘度は、例えば、上述のラダー型シルセスキオキサン(B1)の粘度と同様の方法で測定できる。
[硬化物]
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化反応(ヒドロシリル化反応)により硬化させることにより、硬化物(以下、「本発明の硬化物」と称する場合がある)を得ることができる。硬化反応の際の条件は、特に限定されず、従来公知の条件より適宜選択することができるが、例えば、反応速度の点から、温度(硬化温度)は25〜180℃(より好ましくは60℃〜150℃)が好ましく、時間(硬化時間)は5〜720分が好ましい。本発明の硬化物は、耐熱性、透明性、柔軟性等の各種物性に優れ、さらに、リフロー工程における耐クラック性、パッケージに対する密着性等の耐リフロー性に優れ、腐食性ガスに対するバリア性にも優れる。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化反応(ヒドロシリル化反応)により硬化させることにより、硬化物(以下、「本発明の硬化物」と称する場合がある)を得ることができる。硬化反応の際の条件は、特に限定されず、従来公知の条件より適宜選択することができるが、例えば、反応速度の点から、温度(硬化温度)は25〜180℃(より好ましくは60℃〜150℃)が好ましく、時間(硬化時間)は5〜720分が好ましい。本発明の硬化物は、耐熱性、透明性、柔軟性等の各種物性に優れ、さらに、リフロー工程における耐クラック性、パッケージに対する密着性等の耐リフロー性に優れ、腐食性ガスに対するバリア性にも優れる。
[封止材及び半導体装置]
本発明の封止材は、本発明の硬化性樹脂組成物を必須成分として含む封止材である。本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる封止材(硬化物)は、耐熱性、透明性、柔軟性等の各種物性に優れ、さらに、耐リフロー性、腐食性ガスに対するバリア性に優れる。このため、本発明の封止材は、半導体装置における半導体素子の封止材、特に、光半導体装置における光半導体素子(特に、高輝度、短波長の光半導体素子)の封止材等として好ましく使用できる。本発明の封止材を用いて半導体素子(特に、光半導体素子)を封止することによって、耐久性及び品質に優れた半導体装置(特に、光半導体装置)が得られる。
本発明の封止材は、本発明の硬化性樹脂組成物を必須成分として含む封止材である。本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる封止材(硬化物)は、耐熱性、透明性、柔軟性等の各種物性に優れ、さらに、耐リフロー性、腐食性ガスに対するバリア性に優れる。このため、本発明の封止材は、半導体装置における半導体素子の封止材、特に、光半導体装置における光半導体素子(特に、高輝度、短波長の光半導体素子)の封止材等として好ましく使用できる。本発明の封止材を用いて半導体素子(特に、光半導体素子)を封止することによって、耐久性及び品質に優れた半導体装置(特に、光半導体装置)が得られる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
反応生成物及び製品の1H−NMR分析は、JEOL ECA500(500MHz)により行った。また、反応生成物及び製品の数平均分子量及び重量平均分子量の測定は、Alliance HPLCシステム 2695(Waters製)、Refractive Index Detector 2414(Waters製)、カラム:Tskgel GMHHR−M×2(東ソー(株)製)、ガードカラム:Tskgel guardcolumn HHRL(東ソー(株)製)、カラムオーブン:COLUMN HEATER U−620(Sugai製)、溶媒:THF、測定条件:40℃、により行った。
[ポリオルガノシロキサン(A)]
ポリオルガノシロキサン(A)として、以下の製品を使用した。
GD−1012A:長興化学工業(株)製、ビニル基含有量1.33重量%、フェニル基含有量0重量%、SiH基含有量(ヒドリド換算)0重量%、数平均分子量5108、重量平均分子量23385
GD−1012B:長興化学工業(株)製、ビニル基含有量1.65重量%、フェニル基含有量0重量%、SiH基含有量(ヒドリド換算)0.19重量%、数平均分子量4563、重量平均分子量21873
KER−2500A:信越化学工業(株)製、ビニル基含有量1.53重量%、フェニル基含有量0重量%、SiH基含有量(ヒドリド換算)0.03重量%、数平均分子量4453、重量平均分子量19355
KER−2500B:信越化学工業(株)製、ビニル基含有量1.08重量%、フェニル基含有量0重量%、SiH基含有量(ヒドリド換算)0.13重量%、数平均分子量4636、重量平均分子量18814
ポリオルガノシロキサン(A)として、以下の製品を使用した。
GD−1012A:長興化学工業(株)製、ビニル基含有量1.33重量%、フェニル基含有量0重量%、SiH基含有量(ヒドリド換算)0重量%、数平均分子量5108、重量平均分子量23385
GD−1012B:長興化学工業(株)製、ビニル基含有量1.65重量%、フェニル基含有量0重量%、SiH基含有量(ヒドリド換算)0.19重量%、数平均分子量4563、重量平均分子量21873
KER−2500A:信越化学工業(株)製、ビニル基含有量1.53重量%、フェニル基含有量0重量%、SiH基含有量(ヒドリド換算)0.03重量%、数平均分子量4453、重量平均分子量19355
KER−2500B:信越化学工業(株)製、ビニル基含有量1.08重量%、フェニル基含有量0重量%、SiH基含有量(ヒドリド換算)0.13重量%、数平均分子量4636、重量平均分子量18814
[シルセスキオキサン(B)の合成]
<合成例1>
反応容器に、メチルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)30.06g、ビニルトリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)21.39g及びメチルイソブチルケトン(MIBK)17.69gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水281ミリモル(5.06g)及び5Nの塩酸0.48g(塩化水素として2.4ミリモル)を1時間かけて滴下した。滴下後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。その後、MIBKを80.0g添加して、反応溶液を希釈した。
次に、反応容器の温度を70℃まで昇温し、70℃になった時点で水703ミリモル(12.64g)を添加し、重縮合反応を窒素下で12時間行った。
続いて、上記反応溶液にヘキサメチルジシロキサン15.0gを添加して、シリル化反応を70℃で3時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。次に、当該上層液から、1mmHg、60℃の条件で溶媒を留去し、末端にトリメチルシリル基を有するラダー型シルセスキオキサンを無色透明の固体状の生成物として22.0g得た。
上記ラダー型シルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は5000、1分子当たりのビニル基の含有量(平均含有量)は11.68重量%であり、メチル基/ビニル基(モル比)は60/40であった。
上記ラダー型シルセスキオキサンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。1H−NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0−0.3ppm(br)、5.8−6.1ppm(br)
<合成例1>
反応容器に、メチルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)30.06g、ビニルトリエトキシシラン(東京化成工業(株)製)21.39g及びメチルイソブチルケトン(MIBK)17.69gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水281ミリモル(5.06g)及び5Nの塩酸0.48g(塩化水素として2.4ミリモル)を1時間かけて滴下した。滴下後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。その後、MIBKを80.0g添加して、反応溶液を希釈した。
次に、反応容器の温度を70℃まで昇温し、70℃になった時点で水703ミリモル(12.64g)を添加し、重縮合反応を窒素下で12時間行った。
続いて、上記反応溶液にヘキサメチルジシロキサン15.0gを添加して、シリル化反応を70℃で3時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。次に、当該上層液から、1mmHg、60℃の条件で溶媒を留去し、末端にトリメチルシリル基を有するラダー型シルセスキオキサンを無色透明の固体状の生成物として22.0g得た。
上記ラダー型シルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は5000、1分子当たりのビニル基の含有量(平均含有量)は11.68重量%であり、メチル基/ビニル基(モル比)は60/40であった。
上記ラダー型シルセスキオキサンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。1H−NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:0−0.3ppm(br)、5.8−6.1ppm(br)
<合成例2>
反応容器に、メチルトリエトキシシラン34.07g、フェニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)11.49g、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)17.69gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水240ミリモル(4.33g)及び5Nの塩酸0.48g(塩化水素として2.4ミリモル)を1時間かけて滴下した。滴下後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。その後、MIBKを80.0g添加して、反応溶液を希釈した。
次に、反応容器の温度を70℃まで昇温し、70℃になった時点で水606ミリモル(10.91g)を添加し、重縮合反応を窒素下で9時間行った。さらに、ビニルトリエトキシシラン6.25gを添加し、3時間反応を行った。
続いて、上記反応溶液にヘキサメチルジシロキサン15.0gを添加して、シリル化反応を70℃で3時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。次に、当該上層液から、1mmHg、60℃の条件で溶媒を留去し、末端にビニル基とトリメチルシリル基とを有するラダー型シルセスキオキサン(上述のラダー型シルセスキオキサン(B1)に相当)を無色透明の液状の生成物として得た。
上記ラダー型シルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は3400、1分子当たりのビニル基の含有量(平均含有量)は3.96重量%であり、フェニル基/メチル基/ビニル基(モル比)は17/68/15であった。
上記ラダー型シルセスキオキサンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.3−0.3ppm(br)、5.7−6.2ppm(br)、7.1−7.7ppm(br)
反応容器に、メチルトリエトキシシラン34.07g、フェニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)11.49g、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)17.69gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水240ミリモル(4.33g)及び5Nの塩酸0.48g(塩化水素として2.4ミリモル)を1時間かけて滴下した。滴下後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。その後、MIBKを80.0g添加して、反応溶液を希釈した。
次に、反応容器の温度を70℃まで昇温し、70℃になった時点で水606ミリモル(10.91g)を添加し、重縮合反応を窒素下で9時間行った。さらに、ビニルトリエトキシシラン6.25gを添加し、3時間反応を行った。
続いて、上記反応溶液にヘキサメチルジシロキサン15.0gを添加して、シリル化反応を70℃で3時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。次に、当該上層液から、1mmHg、60℃の条件で溶媒を留去し、末端にビニル基とトリメチルシリル基とを有するラダー型シルセスキオキサン(上述のラダー型シルセスキオキサン(B1)に相当)を無色透明の液状の生成物として得た。
上記ラダー型シルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は3400、1分子当たりのビニル基の含有量(平均含有量)は3.96重量%であり、フェニル基/メチル基/ビニル基(モル比)は17/68/15であった。
上記ラダー型シルセスキオキサンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.3−0.3ppm(br)、5.7−6.2ppm(br)、7.1−7.7ppm(br)
<合成例3>
反応容器に、メチルトリエトキシシラン31.06g、フェニルトリエトキシシラン2.38g、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)93.00gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水240ミリモル(4.33g)及び5Nの塩酸0.24g(塩化水素として1.2ミリモル)を1時間かけて滴下した。滴下後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。
次に、反応容器の温度を50℃まで昇温し、50℃になった時点で水120ミリモル(2.16g)を添加し、重縮合反応を窒素下で4時間行った。さらに、ビニルトリエトキシシラン11.18gを添加し、4時間反応を行った。
続いて、上記反応溶液にヘキサメチルジシロキサン19.5gを添加して、シリル化反応を50℃で1時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。次に、当該上層液から、1mmHg、60℃の条件で溶媒を留去し、末端にビニル基とトリメチルシリル基とを有するラダー型シルセスキオキサン(上述のラダー型シルセスキオキサン(B1)に相当)を無色透明の液状の生成物として得た。
上記ラダー型シルセスキオキサンの数平均分子量(Mn)は879、重量平均分子量(Mw)は1116であった。
反応容器に、メチルトリエトキシシラン31.06g、フェニルトリエトキシシラン2.38g、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)93.00gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水240ミリモル(4.33g)及び5Nの塩酸0.24g(塩化水素として1.2ミリモル)を1時間かけて滴下した。滴下後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。
次に、反応容器の温度を50℃まで昇温し、50℃になった時点で水120ミリモル(2.16g)を添加し、重縮合反応を窒素下で4時間行った。さらに、ビニルトリエトキシシラン11.18gを添加し、4時間反応を行った。
続いて、上記反応溶液にヘキサメチルジシロキサン19.5gを添加して、シリル化反応を50℃で1時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。次に、当該上層液から、1mmHg、60℃の条件で溶媒を留去し、末端にビニル基とトリメチルシリル基とを有するラダー型シルセスキオキサン(上述のラダー型シルセスキオキサン(B1)に相当)を無色透明の液状の生成物として得た。
上記ラダー型シルセスキオキサンの数平均分子量(Mn)は879、重量平均分子量(Mw)は1116であった。
<合成例4>
反応容器に、合成例2で得られたラダー型シルセスキオキサン12gと、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(東京化成工業(株)製)24gと、2.0%白金−シクロビニルシロキサン錯体ビニルシクロシロキサン溶液(和光純薬工業(株)製)10μlとを仕込んだ。次いで、70℃で8時間加熱して、反応終了とした。続いて、エバポレータで濃縮した後、真空ポンプを用いて0.2Torrで3時間減圧し、末端にSiH含有基とトリメチルシリル基とを有するラダー型シルセスキオキサン(上述のラダー型シルセスキオキサン(B2)に相当)を液状の生成物として得た。
上記ラダー型シルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は3700、1分子当たりのSiH基の含有量(平均含有量)は、SiH基におけるH(ヒドリド)の重量換算で0.11重量%であった。
上記ラダー型シルセスキオキサンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.3−0.3ppm(br)、4.7ppm(s)、7.1−7.7ppm(br)
反応容器に、合成例2で得られたラダー型シルセスキオキサン12gと、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(東京化成工業(株)製)24gと、2.0%白金−シクロビニルシロキサン錯体ビニルシクロシロキサン溶液(和光純薬工業(株)製)10μlとを仕込んだ。次いで、70℃で8時間加熱して、反応終了とした。続いて、エバポレータで濃縮した後、真空ポンプを用いて0.2Torrで3時間減圧し、末端にSiH含有基とトリメチルシリル基とを有するラダー型シルセスキオキサン(上述のラダー型シルセスキオキサン(B2)に相当)を液状の生成物として得た。
上記ラダー型シルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は3700、1分子当たりのSiH基の含有量(平均含有量)は、SiH基におけるH(ヒドリド)の重量換算で0.11重量%であった。
上記ラダー型シルセスキオキサンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JEOL ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.3−0.3ppm(br)、4.7ppm(s)、7.1−7.7ppm(br)
[亜鉛化合物(E)]
亜鉛化合物(E)として、以下の製品を使用した。
ナフテン酸亜鉛:日本化学産業(株)製、商品名「ナフテックス亜鉛」(Zn:8%)オクチル酸亜鉛:日本化学産業(株)製、商品名「ニッカオクチックス亜鉛」(Zn:15%)
アセチルアセトン亜鉛:日本化学産業(株)製、商品名「ナーセム亜鉛」
亜鉛化合物(E)として、以下の製品を使用した。
ナフテン酸亜鉛:日本化学産業(株)製、商品名「ナフテックス亜鉛」(Zn:8%)オクチル酸亜鉛:日本化学産業(株)製、商品名「ニッカオクチックス亜鉛」(Zn:15%)
アセチルアセトン亜鉛:日本化学産業(株)製、商品名「ナーセム亜鉛」
<実施例及び比較例>
実施例1〜9及び比較例1〜9を、以下の手順に従って実施した。
表1及び表2に従って、イソシアヌレート化合物(C)及びシランカップリング剤(D)を所定重量比率(表1及び表2中の各成分の配合量の単位は、重量部である)で混合した後、亜鉛化合物(E)及びシルセスキオキサン(B)を混合し、60℃で2時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、ポリオルガノシロキサン(A)を混合し、室温で30分間攪拌して、硬化性樹脂組成物を得た。
なお、表1及び表2中、ナフテン酸亜鉛及びオクチル酸亜鉛については、各々「ナフテックス亜鉛」及び「ニッカオクチックス亜鉛」からミネラルスピリットを除いた量を示した。
実施例1〜9及び比較例1〜9を、以下の手順に従って実施した。
表1及び表2に従って、イソシアヌレート化合物(C)及びシランカップリング剤(D)を所定重量比率(表1及び表2中の各成分の配合量の単位は、重量部である)で混合した後、亜鉛化合物(E)及びシルセスキオキサン(B)を混合し、60℃で2時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、ポリオルガノシロキサン(A)を混合し、室温で30分間攪拌して、硬化性樹脂組成物を得た。
なお、表1及び表2中、ナフテン酸亜鉛及びオクチル酸亜鉛については、各々「ナフテックス亜鉛」及び「ニッカオクチックス亜鉛」からミネラルスピリットを除いた量を示した。
[H2S腐食性試験]
LEDパッケージ(LEDパッケージ(SDI Corporation製、商品名「SMD LED (Top View Type 3528 Pre Mold Lead Frame)」)に、実施例1〜9、比較例1〜9で得られた硬化性樹脂組成物を注入し、100℃で1時間、続いて、150℃で5時間加熱して、試料を作成した。
上記試料を硫化水素濃度12ppm、温度40℃、湿度80%RHに調整したガス腐食試験機(スガ試験機(株)製、型番「GS−UV」)に入れ、48時間後に、LEDパッケージにおける銀製電極の腐食状況を観察した。上記電極の色は、試験前は銀白色であるが、腐食が進むに従って、茶褐色、黒色へと変化する。
腐食性試験の評価基準については、銀製電極にほとんど変色が見られなかった場合は「A」、僅かに茶褐色あるいは黒色へ変色した場合は「B」、完全に茶褐色若しくは黒色に変色した場合は「C」とした。
LEDパッケージ(LEDパッケージ(SDI Corporation製、商品名「SMD LED (Top View Type 3528 Pre Mold Lead Frame)」)に、実施例1〜9、比較例1〜9で得られた硬化性樹脂組成物を注入し、100℃で1時間、続いて、150℃で5時間加熱して、試料を作成した。
上記試料を硫化水素濃度12ppm、温度40℃、湿度80%RHに調整したガス腐食試験機(スガ試験機(株)製、型番「GS−UV」)に入れ、48時間後に、LEDパッケージにおける銀製電極の腐食状況を観察した。上記電極の色は、試験前は銀白色であるが、腐食が進むに従って、茶褐色、黒色へと変化する。
腐食性試験の評価基準については、銀製電極にほとんど変色が見られなかった場合は「A」、僅かに茶褐色あるいは黒色へ変色した場合は「B」、完全に茶褐色若しくは黒色に変色した場合は「C」とした。
[SOX腐食性試験]
LEDパッケージ(SDI Corporation製、商品名「SMD LED (Top View Type 3528 Pre Mold Lead Frame)」)に、実施例1〜9、比較例1〜9で得られた硬化性樹脂組成物を注入し、100℃で1時間、続いて、150℃で5時間加熱して、試料を作成した。
上記試料と硫黄粉末(キシダ化学(株)製)0.3gとを450mlのガラス瓶に入れ、さらに上記ガラス瓶をアルミ製の箱の中に入れた。続いて、上記アルミ製の箱をオーブン(ヤマト科学(株)製、型番「DN−64」)に入れ、オーブン温度を80℃に設定した後、24時間後に、LEDパッケージにおける銀製電極の腐食状況を観察した。上記電極の色は、試験前は銀白色であるが、腐食が進むに従って、茶褐色、更に黒色へと変化する。
腐食性試験の評価基準については、上記H2S腐食試験方法と同様とした。
LEDパッケージ(SDI Corporation製、商品名「SMD LED (Top View Type 3528 Pre Mold Lead Frame)」)に、実施例1〜9、比較例1〜9で得られた硬化性樹脂組成物を注入し、100℃で1時間、続いて、150℃で5時間加熱して、試料を作成した。
上記試料と硫黄粉末(キシダ化学(株)製)0.3gとを450mlのガラス瓶に入れ、さらに上記ガラス瓶をアルミ製の箱の中に入れた。続いて、上記アルミ製の箱をオーブン(ヤマト科学(株)製、型番「DN−64」)に入れ、オーブン温度を80℃に設定した後、24時間後に、LEDパッケージにおける銀製電極の腐食状況を観察した。上記電極の色は、試験前は銀白色であるが、腐食が進むに従って、茶褐色、更に黒色へと変化する。
腐食性試験の評価基準については、上記H2S腐食試験方法と同様とした。
[腐食性試験結果]
比較例1では、特許文献4に従い、少量の亜鉛化合物(E)を添加したところ、耐腐食性効果は認められなかった。
それに対して、比較例2及び比較例3では、特許文献4に記載の範囲を下回るような少量の亜鉛化合物(E)を添加しても、耐H2S腐食性の効果が認められた。但し、耐SOX腐食性の効果は認められなかった。
一方、比較例4及び比較例5では、イソシアヌレート化合物(C)を添加したところ、耐SOX腐食性の効果が認められたが、耐H2S腐食性の効果は認められなかった。
それに対して、比較例6及び比較例7では、イソシアヌレート化合物(C)を添加し、更に、特許文献4に記載された範囲の亜鉛化合物(E)を添加したところ、耐H2S腐食性の効果は付与されたが、意外な事に、耐SOX腐食性はむしろ低下してしまった。
比較例1では、特許文献4に従い、少量の亜鉛化合物(E)を添加したところ、耐腐食性効果は認められなかった。
それに対して、比較例2及び比較例3では、特許文献4に記載の範囲を下回るような少量の亜鉛化合物(E)を添加しても、耐H2S腐食性の効果が認められた。但し、耐SOX腐食性の効果は認められなかった。
一方、比較例4及び比較例5では、イソシアヌレート化合物(C)を添加したところ、耐SOX腐食性の効果が認められたが、耐H2S腐食性の効果は認められなかった。
それに対して、比較例6及び比較例7では、イソシアヌレート化合物(C)を添加し、更に、特許文献4に記載された範囲の亜鉛化合物(E)を添加したところ、耐H2S腐食性の効果は付与されたが、意外な事に、耐SOX腐食性はむしろ低下してしまった。
そこで、実施例1及び実施例2では、比較例6及び7に対して、亜鉛化合物(E)を少量側に調整したところ、耐H2S腐食性を保持しつつ、耐SOX腐食性が向上する事が認められた。
以上より、イソシアヌレート化合物(C)を加えた系に対して、限られた範囲の亜鉛化合物(E)を添加する事により、耐SOX腐食性と耐H2S腐食性を両立した組成物が得られる事が認められた。
なお、実施例4及び5と他の実施例との対比より、亜鉛化合物(E)は、アセチルアセトン亜鉛よりもナフテン酸亜鉛やオクチル酸亜鉛等の飽和脂肪酸亜鉛の方が、特に耐H2S腐食性に優れている事が認められた。
また、実施例3と他の実施例との対比より、ポリオルガノシロキサン(B)は、KER−2500系よりも、GD−1012系の方が、特に耐H2S腐食性に優れている事が認められた。
以上より、イソシアヌレート化合物(C)を加えた系に対して、限られた範囲の亜鉛化合物(E)を添加する事により、耐SOX腐食性と耐H2S腐食性を両立した組成物が得られる事が認められた。
なお、実施例4及び5と他の実施例との対比より、亜鉛化合物(E)は、アセチルアセトン亜鉛よりもナフテン酸亜鉛やオクチル酸亜鉛等の飽和脂肪酸亜鉛の方が、特に耐H2S腐食性に優れている事が認められた。
また、実施例3と他の実施例との対比より、ポリオルガノシロキサン(B)は、KER−2500系よりも、GD−1012系の方が、特に耐H2S腐食性に優れている事が認められた。
本発明の硬化性樹脂組成物及び硬化物は、耐熱性、透明性、柔軟性、腐食性ガスに対するバリア性が求められる接着剤、コーティング剤、封止材などの用途に有用である。特に、本発明の硬化性樹脂組成物及び硬化物は、光半導体素子(LED素子)の封止材として好適である。
Claims (11)
- ポリオルガノシロキサン(A)、シルセスキオキサン(B)、イソシアヌレート化合物(C)、及び亜鉛化合物(E)を含む硬化性樹脂組成物であって、
ポリオルガノシロキサン(A)がアリール基を有しないポリオルガノシロキサンであり、
シルセスキオキサン(B)としてラダー型シルセスキオキサンを含み、
亜鉛化合物(E)の含有量が、ポリオルガノシロキサン(A)及びシルセスキオキサン(B)の合計量(100重量部)に対して0.01重量部以上0.1重量部未満である硬化性樹脂組成物であって、
前記の亜鉛化合物(E)が、亜鉛ジケトン錯体及び/又はカルボン酸亜鉛である硬化性樹脂組成物。 - シルセスキオキサン(B)として、分子内に脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサンを含む請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- シルセスキオキサン(B)として、分子内にSi−H結合を有するラダー型シルセスキオキサンを含む請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- シルセスキオキサン(B)として、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 式(1)におけるRx、Ry、Rzのうち、いずれかひとつ以上が式(3)で表される基である請求項5に記載の硬化性樹脂組成物。
- 更に、シランカップリング剤(D)を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を用いて得られる封止材。
- 請求項10に記載の封止材を用いて得られる半導体装置。
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