JP2016216642A - 硬化性樹脂組成物及びその硬化物、封止剤、並びに半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)、シルセスキオキサン(B)、イソシアヌレート化合物(C)、及びシランカップリング剤(D)を含み、ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)が、不飽和脂肪族基に結合した珪素を有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、水素に結合した珪素を有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を付加させて得られ、且つ、重量平均分子量(Mw)が500〜3万未満であり、ビニル基の含有量が0.2重量%以上であるポリオルガノシロキシシルアルキレン(A1)を含み、ポリシロキサン中の前記ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A1)の割合が7重量%以上である硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
また、本発明の他の目的は、SOxガスに対するバリア性に加え、H2Sガスに対するバリア性にも優れた材料(硬化物)を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記硬化性樹脂組成物を使用した封止剤、及び該封止剤を用いて得られる、品質と耐久性に優れた半導体装置(特に光半導体装置)を提供することにある。
ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)として、下記式(I−1)
で表される化合物、及び下記式(I−2)
で表される化合物、及び下記式(II−2)
で表されるイソシアヌレート化合物を含む前記の硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)として、下記式(I−1)で表される化合物及び下記式(I−2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、下記式(II−1)で表される化合物及び下記式(II−2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを付加させて得られ、且つ、重量平均分子量(Mw)が500以上3万未満であり、ビニル基の含有量が0.2重量%以上であるポリオルガノシロキシシルアルキレン(A1)(「ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A1)」と称する場合がある)を少なくとも含む。ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)としてこのようなポリオルガノシロキシシルアルキレン(A1)を使用することによって、SOXガスに対するバリア性に加え、H2Sガスに対するバリア性にも優れた硬化物を得ることができる。なお、本発明の硬化性樹脂組成物中のポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)として、ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A1)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリシロキサンとしては、ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)以外に、主鎖としてシルアルキレン結合を含まないポリオルガノシロキサン(「ポリオルガノシロキサン(E)」と称する場合がある)を含むことが好ましい。ポリオルガノシロキサン(E)を含むと、硬化物の外観が向上する傾向がある。
ポリオルガノシロキサン(E1)としては、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、網目状の分子構造を有するものが挙げられる。なお、ポリオルガノシロキサン(E1)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。具体的には、分子構造が異なるポリオルガノシロキサン(E1)の2種以上を併用することができ、例えば、直鎖状のポリオルガノシロキサン(E1)と分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(E1)とを併用することもできる。
(R1SiO3/2)a1(R1 2SiO2/2)a2(R1 3SiO1/2)a3(SiO4/2)a4(X1O1/2)a5
で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。上記平均単位式中、R1は、同一又は異なって、一価の置換又は無置換炭化水素基であり、上述の一価の置換又は無置換炭化水素基の具体例(例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化炭化水素基等)、及び上述のアルケニル基が挙げられる。但し、R1の一部はアルケニル基(特にビニル基)であり、その割合は、分子内に2個以上となる範囲に制御される。例えば、R1の全量(100モル%)に対するアルケニル基の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。アルケニル基の割合を上記範囲に制御することにより、硬化性樹脂組成物の硬化性が向上する傾向がある。また、アルケニル基以外のR1としては、アルキル基(特にメチル基)が好ましい。
(R1a 2R1bSiO1/2)a6(R1a 3SiO1/2)a7(SiO4/2)a8(HO1/2)a9
で表されるポリオルガノシロキサンが挙げられる。上記平均単位式中、R1aは、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基(C1-10アルキル基)を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。また、R1bは、同一又は異なって、アルケニル基を示し、中でもビニル基が好ましい。さらに、a6、a7、a8及びa9はいずれも、a6+a7+a8=1、a6/(a6+a7)=0.15〜0.35、a8/(a6+a7+a8)=0.53〜0.62、a9/(a6+a7+a8)=0.005〜0.03を満たす正数である。但し、a7は0であってもよい。硬化性樹脂組成物の硬化性の観点で、a6/(a6+a7)は0.2〜0.3であることが好ましい。また、硬化物の硬度や機械強度の観点で、a8/(a6+a7+a8)は0.55〜0.60であることが好ましい。さらに、硬化物の接着性や機械強度の観点で、a9/(a6+a7+a8)は0.01〜0.025であることが好ましい。このようなポリオルガノシロキサンとしては、例えば、SiO4/2単位と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位とで構成されるポリオルガノシロキサン、SiO4/2単位と(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とで構成されるポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン(E2)としては、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、網目状の分子構造を有するものが挙げられる。なお、ポリオルガノシロキサン(E2)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。具体的には、分子構造が異なるポリオルガノシロキサン(E2)の2種以上を併用することができ、例えば、直鎖状のポリオルガノシロキサン(E2)と分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(E2)とを併用することもできる。
(R2SiO3/2)b1(R2 2SiO2/2)b2(R2 3SiO1/2)b3(SiO4/2)b4(X2O1/2)b5
で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。上記平均単位式中、R2は、同一又は異なって、水素原子、又は、一価の置換若しくは無置換炭化水素基であり、水素原子、上述の一価の置換若しくは無置換炭化水素基の具体例(例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基等)が挙げられる。但し、R2の一部は水素原子(ヒドロシリル基を構成する水素原子)であり、その割合は、ヒドロシリル基が分子内に2個以上となる範囲に制御される。例えば、R2の全量(100モル%)に対する水素原子の割合は、0.1〜40モル%が好ましい。水素原子の割合を上記範囲に制御することにより、硬化性樹脂組成物の硬化性が向上する傾向がある。また、水素原子以外のR2としては、アルキル基(特にメチル基)が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シルセスキオキサン(B)を含む。これにより、本発明の硬化性樹脂組成物から形成される硬化物のSOxガス、H2Sガス等の腐食性ガスに対するバリア性に優れる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シルセスキオキサン(B)として、分子内に脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサン(B1)(以下、単に「ラダー型シルセスキオキサン(B1)」と称する場合がある)を含んでいてもよい。ラダー型シルセスキオキサン(B1)としては、前記側鎖又は前記末端基に脂肪族炭素−炭素二重結合を有する基を持つ化合物であれば特に限定されない。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シルセスキオキサン(B)として、分子内にSi−H結合を有するラダー型シルセスキオキサン(B2)(以下、単に「ラダー型シルセスキオキサン(B2)」と称する場合がある)を含んでいてもよい。ラダー型シルセスキオキサン(B2)としては、前記側鎖又は前記末端基に水素原子又はSi−H結合を有する基を持つ化合物であれば特に限定されない。
本発明の硬化性樹脂組成物におけるラダー型シルセスキオキサンとしては、ラダー型シルセスキオキサン(B1)、ラダー型シルセスキオキサン(B2)以外のラダー型シルセスキオキサン(以下、「その他のラダー型シルセスキオキサン」と称する場合がある)を使用することもできる。特に、上記その他のラダー型シルセスキオキサンは、ラダー型シルセスキオキサン(B1)やラダー型シルセスキオキサン(B2)と併用することが好ましい。上記その他のラダー型シルセスキオキサンとしては、特に、25℃において固体であり、なおかつ脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサン(「ラダー型シルセスキオキサン(S1)」と称する場合がある)、25℃において固体であり、なおかつヒドロシリル基を有するラダー型シルセスキオキサン(「ラダー型シルセスキオキサン(S2)」と称する場合がある)が好ましい。本発明の硬化性樹脂組成物がラダー型シルセスキオキサン(S1)及び/又は(S2)を含む場合には、特に、硬化物のSOXガス等の腐食性ガスに対するバリア性が向上し、さらに、強靭性(特に、耐クラック性)が向上する傾向がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、イソシアヌレート化合物(C)を含む。本発明の硬化性樹脂組成物が上記イソシアヌレート化合物(C)を含むことにより、特に、硬化により形成される硬化物の、SOXガス等の腐食性ガスに対するバリア性が向上し、さらに、被着体に対する密着性が向上する傾向がある。特に、イソシアヌレート化合物(C)として、下記式(1)で表されるイソシアヌレート化合物を含むことが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤(D)を含む。本発明の硬化性樹脂組成物が上記シランカップリング剤(D)を含む場合には、硬化により形成される硬化物の、SOxガス等の腐食性ガスに対するバリア性がより向上し、特に、被着体に対する密着性が向上する傾向がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、ヒドロシリル化触媒を含んでいてもよい。本発明の硬化性樹脂組成物は、ヒドロシリル化触媒を含むことにより、硬化反応(ヒドロシリル化反応)を効率的に進行させることができる。上記ヒドロシリル化触媒としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等の周知のヒドロシリル化反応用触媒が例示される。具体的には、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金のオレフィン錯体、白金−カルボニルビニルメチル錯体等の白金のカルボニル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体や白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体等の白金ビニルメチルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体等の白金系触媒、ならびに上記白金系触媒において白金原子の代わりにパラジウム原子又はロジウム原子を含有するパラジウム系触媒又はロジウム系触媒が挙げられる。なお、上記ヒドロシリル化触媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化反応(ヒドロシリル化反応)の速度を調整するために、ヒドロシリル化反応抑制剤を含んでいてもよい。上記ヒドロシリル化反応抑制剤としては、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;チアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。上記ヒドロシリル化反応抑制剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記ヒドロシリル化反応抑制剤の割合としては、硬化性樹脂組成物の架橋条件により異なるが、実用上、硬化性樹脂組成物中の含有量として、0.00001〜5重量%の範囲内が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その他のシロキサン化合物(ポリシロキサン)として、更に、分子内(一分子中)に2個以上の脂肪族炭素−炭素二重結合を有する環状シロキサンを含んでいてもよい。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、その他のシロキサン化合物として、更に、分子内(一分子中)に2個以上のSi−H結合を有する基を有する環状シロキサンを含んでいてもよい。上記環状シロキサンは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の硬化性樹脂組成物における環状シロキサンの割合は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0.01〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その他のシラン化合物(例えば、ヒドロシリル基を有する化合物)を含んでいてもよい。上記その他のシラン化合物としては、例えば、メチル(トリスジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−へプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,5,7,7,7−ノナメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,5,7,7,9,9,9−ウンデカメチルペンタシロキサン等のSi−H基を有する直鎖又は分岐鎖状シロキサン等が挙げられる。なお、上記シラン化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記シラン化合物の割合は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の全量(100重量%)に対して、0〜5重量%が好ましく、より好ましくは0〜1.5重量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、溶媒を含んでいてもよい。上記溶媒としては、例えば、トルエン、ヘキサン、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の従来公知の溶媒が挙げられる。上記溶媒は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その他任意の成分として、沈降シリカ、湿式シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、酸化チタン、アルミナ、ガラス、石英、アルミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の無機質充填剤、これらの充填剤をオルガノハロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物により処理した無機質充填剤;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の有機樹脂微粉末;銀、銅等の導電性金属粉末等の充填剤、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤等)、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤等)、難燃助剤、補強材(他の充填剤等)、核剤、カップリング剤、滑剤、ワックス、可塑剤、離型剤、耐衝撃改良剤、色相改良剤、流動性改良剤、着色剤(染料、顔料等)、分散剤、消泡剤、脱泡剤、抗菌剤、防腐剤、粘度調整剤、増粘剤等の慣用の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は単独で、又は2種以上を組み合せて使用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物中に存在するヒドロシリル基1モルに対して、脂肪族炭素−炭素二重結合が0.2〜4モルとなるような組成(配合組成)であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3モル、さらに好ましくは0.8〜2モルである。ヒドロシリル基と脂肪族炭素−炭素二重結合との割合を上記範囲に制御することにより、硬化物の耐熱性、透明性、柔軟性、耐リフロー性、及び、SOXガスやH2Sガス等の腐食性ガスに対するバリア性がより向上する傾向がある。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化反応(ヒドロシリル化反応)により硬化させることにより、硬化物(以下、「本発明の硬化物」と称する場合がある)を得ることができる。硬化反応の際の条件は、特に限定されず、従来公知の条件より適宜選択することができるが、例えば、反応速度の点から、温度(硬化温度)は25〜180℃(より好ましくは60〜150℃)が好ましく、時間(硬化時間)は5〜720分が好ましい。なお、硬化は一段階で実施することもできるし、多段階で実施することもできる。本発明の硬化物は、耐熱性、透明性、柔軟性等の各種物性に優れ、さらに、リフロー工程における耐クラック性、パッケージに対する密着性等の耐リフロー性に優れ、SOxガス、H2Sガス等の腐食性ガスに対するバリア性にも優れる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、半導体装置における半導体素子の封止用の組成物(封止剤)(「本発明の封止剤」と称する場合がある)として好ましく使用することができる。中でも、本発明の封止剤は、光半導体装置における光半導体素子(LED素子)の封止用途に(即ち、光半導体用封止剤として)特に好ましく使用できる。本発明の封止剤を硬化させることにより得られる封止材(硬化物)は、SOXガスに対するバリア性に加えて、H2Sガスに対するバリア性にも優れる。このため、本発明の封止剤は、特に、高輝度、短波長の光半導体素子の封止剤等として好ましく使用できる。
本発明の封止剤を使用して半導体素子を封止することにより、半導体装置(「本発明の半導体装置」と称する場合がある)が得られる。即ち、本発明の半導体装置は、本発明の封止剤を用いて得られる半導体装置である。より詳細には、半導体素子とこれを封止する封止材とを少なくとも有する半導体装置であって、上記封止材が本発明の封止剤の硬化物である半導体装置である。本発明の半導体装置の製造は、公知乃至慣用の方法により実施でき、特に限定されないが、例えば、本発明の封止剤を所定の成形型内に注入し、所定の条件で加熱硬化して実施できる。硬化温度と硬化時間は、特に限定されないが、硬化物の調製時と同様の範囲で設定することができる。本発明の封止剤は、上記半導体装置が光半導体装置である場合、即ち、光半導体装置における光半導体素子の封止剤(光半導体用封止剤)として使用する場合には、特に上述の有利な効果を効果的に発揮できる。本発明の封止剤を光半導体用封止剤として使用することにより、光半導体装置が得られる。このような光半導体装置の一例を図1に示す。図1において、100はリフレクター(光反射用樹脂組成物)、101は金属配線(電極)、102は光半導体素子、103はボンディングワイヤ、104は硬化物(封止材)を示す。
AS−9070A:長興材料工業製、商品名「AS−9070A」、製品の総量(100重量%)に対するビニル基の含有量1.20重量%、フェニル基の含有量0重量%、ヒドロシリル基の含有量(ヒドリド換算)0重量%、数平均分子量2517、重量平均分子量14505、ヒドロシリル化触媒を含む。
AS−9070B:長興材料工業製、商品名「AS−9070B」、製品の総量(100重量%)に対するビニル基の含有量1.15重量%、フェニル基の含有量0重量%、ヒドロシリル基の含有量(ヒドリド換算)0.150重量%、数平均分子量2371、重量平均分子量14526
KER−2500A:信越化学工業(株)製、商品名「KER−2500A」、製品の総量(100重量%)に対するビニル基の含有量1.53重量%、メチル基の含有量94.29重量%、フェニル基の含有量0重量%、ヒドロシリル基の含有量(ヒドリド換算)0.03重量%、数平均分子量4453、重量平均分子量19355、ヒドロシリル化触媒を含む。
KER−2500B:信越化学工業(株)製、、商品名「KER−2500B」、製品の総量(100重量%)に対するビニル基の含有量1.08重量%、メチル基の含有量95.63重量%、フェニル基の含有量0重量%、ヒドロシリル基の含有量(ヒドリド換算)0.13重量%、数平均分子量4636、重量平均分子量18814
<合成例1>
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた200mlの4口フラスコに1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(28.00g、150.2mmol)、トルエン(71.80g、779.6mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0157g、1.610×10-3mmol)を加え1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(28.17g、135.1mmol)を100℃に維持しながら50分かけて滴下した。100℃で18時間攪拌後、両末端にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。低沸点分を減圧留去し53.51gの無色透明液状ビニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを得た。1H−NMRの測定結果よりビニル基の含有量は1.66重量%、エチレン含有量は14.7重量%、GPCによる測定の結果、重量平均分子量(Mw)は5577、数平均分子量(Mn)は2082であった。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JNM−ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.09−0.21(br)、0.43−0.57(br)、0.98−1.0(br)、5.7−6.2(br)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた100mlの4口フラスコに1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(11.19g、60.05mmol)、トルエン(30.01g、325.8mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0055g、5.639×10-4mmol)を加え1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(10.03g、48.11mmol)を100℃に維持しながら50分かけて滴下した。100℃で18時間攪拌後、両末端にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。低沸点分を減圧留去し17.15gの無色透明液状ビニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを得た。1H−NMRの測定結果よりビニル基の含有量は2.67重量%、エチレン含有量は13.8重量%、GPCによる測定の結果、重量平均分子量(Mw)は3650、数平均分子量(Mn)は1755であった。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JNM−ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.09−0.25(br)、0.39−0.56(br)、0.98−1.1(br)、5.7−6.2(br)
(工程1)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた200mlの4口フラスコに1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(25.06g、120.2mmol)、トルエン(79.14g、859.3mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0111g、1.138×10-3mmol)を加え、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(17.93g、96.19mmol)を80℃に維持しながら50分かけて滴下した。80℃で6時間攪拌後、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ビニル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。その後室温に冷却した。
(工程2)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた200mlの4口フラスコにトリス(ビニルジメチルシロキシ)メチルシラン(24.29g、70.05mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0049g、5.024×10-4mmol)、工程1で得られた反応液118.32g(反応液中のヒドロシリル基:41.29mmol)を100℃に維持しながら50分かけて滴下した。100℃で6時間攪拌後、両末端にビニル基を有する分岐鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。低沸点分を減圧留去し48.0gの無色透明液状ビニル基含有分岐鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを得た。1H−NMRの測定結果よりビニル基の含有量は3.44重量%、エチレン含有量は12.6重量%、GPCによる測定の結果、重量平均分子量(Mw)は6062、数平均分子量(Mn)は2573であった。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JNM−ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.09−0.19(br)、0.39−0.60(br)、0.98−1.1(br)、5.7−6.2(br)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた200mlの4口フラスコに1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(28.03g、150.4mmol)、トルエン(70.33g、763.6mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0165g、1.692×10-3mmol)を加え1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(29.78g、142.8mmol)を100℃に維持しながら50分かけて滴下した。100℃で18時間攪拌後、両末端にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。低沸点分を減圧留去し55.02gの無色透明液状ビニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを得た。1H−NMRの測定結果よりビニル基の含有量は0.96重量%、エチレン含有量は15.1重量%、GPCによる測定の結果、重量平均分子量(Mw)は8641、数平均分子量(Mn)は2402であった。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JNM−ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.09−0.22(br)、0.39−0.57(br)、0.98−1.1(br)、5.7−6.2(br)
(工程1)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた200mlの4口フラスコに1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(25.10g、120.4mmol)、トルエン(79.10g、858.8mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0108g、1.107×10-3mmol)を加え、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(17.89g、95.98mmol)を80℃に維持しながら50分かけて滴下した。80℃で6時間攪拌後、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ビニル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。その後室温に冷却した。
(工程2)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた200mlの4口フラスコにトリス(ビニルジメチルシロキシ)メチルシラン(11.67g、33.66mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0037g、3.973×10-4mmol)、工程1で得られた反応液113.2g(反応液中のヒドロシリル基:39.51mmol)を100℃に維持しながら50分かけて滴下した。100℃で6時間攪拌後、両末端にビニル基を有する分岐鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。低沸点分を減圧留去し44.90gの無色透明液状ビニル基含有分岐鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを得た。1H−NMRの測定結果よりビニル基の含有量は2.52重量%、エチレン含有量は13.4重量%、GPCによる測定の結果、重量平均分子量(Mw)は9573、数平均分子量(Mn)は3008であった。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JNM−ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.10−0.19(br)、0.39−0.57(br)、0.98−1.1(br)、5.7−6.2(br)
(工程1)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mlの4口フラスコに1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(56.45g、270.8mmol)、トルエン(133.9g、1454mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0252g、2.584×10-3mmol)を加え、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(40.37g、216.6mmol)を80℃に維持しながら50分かけて滴下した。80℃で6時間攪拌後、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ビニル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。その後室温に冷却した。
(工程2)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた200mlの4口フラスコに1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(5.030g、24.13mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0028g、2.871×10-4mmol)、工程1で得られた反応液110.1g(反応液中のヒドロシリル基:51.30mmol)を加え、30分かけて室温から100℃に昇温した。100℃で6時間攪拌後、両末端にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。低沸点分を減圧留去し48.46gの無色透明液状ビニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを得た。1H−NMRの測定結果よりビニル基の含有量は0.22重量%、エチレン含有量は15.2重量%、GPCによる測定の結果、重量平均分子量(Mw)は21200、数平均分子量(Mn)は3192であった。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JNM−ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.09−0.22(br)、0.39−0.57(br)、0.98−1.0(br)、5.7−6.2(br)
(工程1)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた300mlの4口フラスコに1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(62.76g、301.0mmol)、トルエン(149.2g、1620mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0276g、2.830×10-3mmol)を加え、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(44.73g、240.0mmol)を80℃に維持しながら50分かけて滴下した。80℃で6時間攪拌後、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ビニル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。その後室温に冷却した。
(工程2)
窒素雰囲気下、冷却管、マグネチックスターラー、熱電対を備え付けた200mlの4口フラスコに1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(4.900g、23.50mmol)、Pt−vts in xylene溶液(白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液;白金として2.0wt%含有)(0.0032g、3.281×10-4mmol)、工程1で得られた反応液109.8g(反応液中のヒドロシリル基:50.77mmol)を100℃に維持しながら50分かけて滴下した。100℃で6時間攪拌後、両末端にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを含む反応液を得た。得られた反応液を少量サンプリングして反応生成物の構造を1H−NMRにより確認した。その結果、ヒドロシリル基由来の1H−NMRシグナルがないことが確認できた。低沸点分を減圧留去し48.23gの無色透明液状ビニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレンを得た。1H−NMRの測定結果よりビニル基の含有量は0.13重量%、エチレン含有量は14.8重量%、GPCによる測定の結果、重量平均分子量(Mw)は30058、数平均分子量(Mn)は3238であった。
上記ポリオルガノシロキシシルアルキレンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JNM−ECA500(500MHz、CDCl3))δ:−0.09−0.22(br)、0.39−0.57(br)、0.98−1.0(br)、5.7−6.2(br)
<合成例8>
200ml四つ口フラスコに、メチルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)40.10g、フェニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)3.38g、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)17.69gを仕込み、これらの混合物を10℃まで冷却した。上記混合物に水240mmol(4.33g)及び5Nの塩酸0.48g(塩化水素として2.4mmol)を1時間かけて同時に滴下した。滴下後、これらの混合物を10℃で1時間保持した。その後、MIBKを80.0g添加して、反応溶液を希釈した。
次に、反応容器の温度を70℃まで昇温し、70℃になった時点で水606mmol(10.91g)を添加し、同温度で重縮合反応を窒素下で9時間行った。さらに、ビニルトリエトキシシラン6.25gを添加し、同温度で3時間反応(熟成)を行った。
続いて、得られた反応溶液にヘキサメチルジシロキサン15.0gを添加して、シリル化反応を70℃で3時間行った。その後、反応溶液を冷却し、下層液が中性になるまで水洗を行い、その後、上層液を分取した。次に、当該上層液から、1mmHg、60℃の条件で溶媒を留去し、末端にビニル基とトリメチルシリル基とを有するラダー型ポリオルガノシルセスキオキサンを無色透明の液状の生成物として19.0g得た。なお、合成例8で得られたラダー型ポリオルガノシルセスキオキサンは、上述のラダー型シルセスキオキサン(B1)にあたる。
上記ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は3000、1分子当たりのビニル基の含有量(平均含有量)は4.00重量%であり、フェニル基/メチル基/ビニル基(モル比)は5/80/15であった。
上記ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサンの1H−NMRスペクトルは、以下の通りであった。
1H−NMR(JNM−ECA500(500MHz、CDCl3)):δ−0.3−0.3ppm(br)、5.7−6.2ppm(br)、7.1−7.7ppm(br)
実施例1〜8及び比較例1〜5を、以下の手順に従って実施した。
表1及び表2に従って、イソシアヌレート化合物(C)及びシランカップリング剤(D)を所定重量比率(表1及び表2中の各成分の配合量の単位は、重量部である)で混合した後、ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)、ポリオルガノシロキサン(E)、及びシルセスキオキサン(B)を混合(比較例3〜5については、ポリオルガノシロキサン(E)及びシルセスキオキサン(B)を混合)し、60℃で2時間攪拌して、硬化性樹脂組成物を得た。
上記で得た硬化性樹脂組成物をガラスプレートに塗布し、100℃で1時間、続いて、150℃で5時間加熱したところ、無色透明〜白濁の硬化物が得られた。
合成例1〜7で得られたポリオルガノシロキシシルアルキレンについて、ビニル基の含有量及びエチレン含有量は、CDCl3(和光純薬(株)製)中、内部標準物質として1,1,1,2,2,3,3−ヘプタクロロプロパン(東京化成工業(株)製)、(δ=6.51)を用いた1H−NMRスペクトルより算出した。使用した分析機器は核磁気共鳴装置JNM−ECA500(500MHz、日本電子(株)製)である。
LEDパッケージ(SDI Corporation製、商品名「SMD LED (Top View Type 3528 Pre Mold Lead Frame)」)に、実施例1〜8、比較例1〜5で得られた硬化性樹脂組成物を注入し、100℃で1時間、続いて、150℃で5時間加熱して、試料を作成した。
上記試料と硫黄粉末(キシダ化学(株)製)0.3gとを450mlのガラス瓶に入れ、さらに上記ガラス瓶をアルミ製の箱の中に入れた。続いて、上記アルミ製の箱をオーブン(ヤマト科学(株)製、型番「DN−64」)に入れ、オーブン温度を80℃に設定した後、24時間後に、LEDパッケージにおける銀製電極の腐食状況を観察した。上記電極の色は、試験前は銀白色であるが、腐食が進むに従って、茶褐色、更に黒色へと変化する。
腐食性試験の評価基準については、銀製電極にほとんど変色が見られなかった場合は「A」、僅かに茶褐色あるいは黒色へ変色した場合は「B」、完全に茶褐色若しくは黒色に変色した場合は「C」とした。結果を表1及び表2の「SOX腐食性試験(24hr)」の欄に示した。
LEDパッケージ(SDI Corporation製、商品名「SMD LED (Top View Type 3528 Pre Mold Lead Frame)」)に、実施例1〜8、比較例1〜5で得られた硬化性樹脂組成物を注入し、100℃で1時間、続いて、150℃で5時間加熱して、試料を作成した。
上記試料を硫化水素濃度25ppm、温度50℃、湿度80%RHに調整したガス腐食試験機(スガ試験機(株)製、型番「GS−UV」)に入れ、96時間後に、LEDパッケージにおける銀製電極の腐食状況を観察した。上記電極の色は、試験前は銀白色であるが、腐食が進むに従って、茶褐色、黒色へと変化する。
腐食性試験の評価基準については、上記SOX腐食試験方法と同様とした。結果を表1及び表2の「H2S腐食性試験(96hr)」の欄に示した。
実施例1〜8、比較例1〜5で得られた硬化性樹脂組成物をガラスプレートに塗布し、100℃で1時間、続いて、150℃で5時間加熱して作製した硬化物(3mm厚)の外観を目視評価し、無色透明の場合は「○」、白濁した場合は「×」とした。結果を表1及び表2の「外観」の欄に示した。
各試験の結果、下記(1)〜(3)をいずれも満たす場合を◎(良好)と判定した。下記(1)及び下記(2)を満たし、下記(3)を満たさない場合を○(可)と判断した。。下記(1)及び下記(2)を満たさない場合には×(不良)と判定した。
(1)SOXガス腐食性試験:A又はBである
(2)H2Sガス腐食性試験:A又はBである
(3)外観:○である
結果を表1及び表2の「総合判定」の欄に示した。
101:金属配線(電極)
102:光半導体素子
103:ボンディングワイヤ
104:硬化物(封止材)
Claims (10)
- ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)、シルセスキオキサン(B)、イソシアヌレート化合物(C)、及びシランカップリング剤(D)を含み、
ポリオルガノシロキシシルアルキレン(A)として、下記式(I−1)
で表される化合物、及び下記式(I−2)
で表される化合物、及び下記式(II−2)
- シルセスキオキサン(B)としてラダー型シルセスキオキサンを含む請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- シルセスキオキサン(B)として、分子内に脂肪族炭素−炭素二重結合を有するラダー型シルセスキオキサンを含む請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
- シルセスキオキサン(B)として、分子内にSi−H結合を有するラダー型シルセスキオキサンを含む請求項2又は3に記載の硬化性樹脂組成物。
- シルセスキオキサン(B)として、分子内にアリール基を有するラダー型シルセスキオキサンを含む請求項2〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 式(1)におけるRx、Ry、Rzのうち、いずれかひとつ以上が式(3)で表される基である請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を用いて得られる封止剤。
- 請求項9に記載の封止剤を用いて得られる半導体装置。
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