JP5728721B2 - 耐熱性リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、耐熱性正極活物質、耐熱性負極活物質、耐熱性バインダ、耐熱性電解液、耐熱性セパレータ、及び耐熱性外装材を用いた、120℃の高温でも安定に充放電可能な耐熱性リチウムイオン二次電池に関する。
従来のリチウムイオン二次電池(以下、LIBと記載することもある)は、その構成材料において高温時の安定性に問題があるとされており、電池本体にPTC(positive temperature coefficient of resistance)素子、安全弁、低融点セパレータ(シャットダウン機能)等の安全機構を備えていた。これらは、内部ガス圧上昇による電流遮断やセパレータの目詰まりによる電流遮断等の働きをする。さらに、電池パック側にも、過充電保護回路、過放電保護回路、過大電流防止用のヒューズ等の対策が施されている。
このように、高エネルギーが故に暴走時の危険性があるLIBには、本質的な高い安全性確保が求められている。また、LIBは近年、電気自動車(EV、HEV)用にも一部使われ始めたが、LIBの暴走は人命にかかわる重大事故につながるため、より一層の安全性向上が要求されている。
電気自動車用LIBとしては、−30℃〜+60℃で作動することが求められているが、安全性を考慮すると、この温度域よりも大きな安全マージンがあることが望ましい。従来のLIBは、150℃程度までの保存試験や180℃10分、240℃1分程度のリフローテストにパスするものはあったが(下記特許文献1〜11参照)、80℃以上で安定に充放電させることは困難であった。
その原因としては、図8に示すように、(1)負極による電解液の還元反応、(2)電解液の熱分解反応(100℃以上)、(3)正極上での電解液の酸化反応、(4)負極の熱分解(黒鉛で130℃以上)、(5)正極の熱分解(150〜290℃以上)、(6)セパレータの収縮(130〜150℃以上)、及び(7)正極と負極の短絡による発熱、によるものなどが挙げられる。
従来のリチウムイオン二次電池では、正極活物質として、LiCoO、LiNiO、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.8Co0.2、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiMn、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiMnO‐Li(NiCoMn)O、LiNi0.5Mn1.5等に代表される酸化物系材料が主に用いられてきた。
これらの酸化物系材料は、高温時に酸素を放出して分解するため、耐熱性の観点で課題があった。特に、Mn系やCo系に比べてNi系ではより酸素発生温度が低く、LiCoOが220℃、LiNiOが150〜220℃、LiMnが290℃で、それぞれ酸素発生する。
18650型(直径18mm、長さ65mm)円筒形電池が加熱された場合には、正極から最大2000ccの酸素ガスが放出される計算になり、これが負極或いは電解液の燃焼に使われると大きな爆発力となり危険である。
従来のリチウムイオン二次電池では、負極活物質として、カーボン系の黒鉛やハードカーボンが主に用いられてきた。
そのうち特に黒鉛系負極の表面では、電解液の還元が起こる。通常は表面保護膜(SEI)を形成することで電解液との反応が抑制されるが、温度が上昇すると反応速度が増すため、厚い被膜が形成されるまでの間、還元反応が起こる。また、Liを吸蔵した炭素負極は不安定で、130℃付近から分解発熱反応が起こる。
一方、LiTi12負極が安全性の観点で注目されている。LiTi12負極は、黒鉛系よりも1.4V程度電位が高く、Liデンドライトが発生し難いためにLiデンドライトが成長してセパレータを貫通することによる短絡の危険性がなく、本質的に安全性が高いとされている。但し、電位が高いので、正極と組み合わせた際に電池電圧が低くなるため、エネルギー密度の面では不利となる。また、電気容量が173mAh/g(理論容量)と少ないことも課題とされる。
その他の負極材料として、Si、Sn、Al、Ge、Sb、Zn、Bi、Pb、ln、Ag、Ga、Cd等がある。また、少なくともこれらのうち一種類が含まれる合金材料、及びSiO、SnO(x=0〜1.6)、ZnO、Bi、ln、ITO(lnとSnOの化合物で、割合は約9:1重量比)、さらに、これらの酸化物に異種元素をドープした材料も使用されている。例えば、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、さらに上記した材料の硫化物であるSiSやSnS、SnS等があり、また、CuSn、FeSn、FeSi、TiSi、SnC‐Si、SnC‐SiO、SnCuO等の負極活物質がある。
これらの材料は、Li吸蔵した際にLi合金を生成する合金系負極に分類されるもので、黒鉛系と比較して高容量を特徴とする。しかし、合金系負極材料は、Li吸蔵放出量が多いため、充放電に伴う結晶格子の体積変化が激しく、電極が劣化してサイクル性能が悪いという課題があった。
従来のリチウムイオン二次電池用電解液では、負極用バインダとして、有機溶媒系でポリフッ化ビニリデン(PVdF)、水系でカルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレン‐ブタジエンゴム(SBR)等が主に用いられてきた。一方、正極用バインダとしては、耐酸化性の観点から使用できるものが限られており、PVdFが寡占的に用いられてきた。
しかし、これらのバインダでは、耐熱性の高いPVdFでも200℃程度までの使用しかできない。また、PVdFは還元雰囲気で発熱分解しやすく、また強アルカリ条件のもとでは脱フッ化水素酸(HF)化してゲル化する等の問題もある。
電極集電体に関して、従来のAl箔やCu箔は、200℃程度の使用では耐熱性に問題はない。但し、それ以上の温度になるとこれらの材料は軟化するため、プレス時に高い圧力をかけて応力歪みが残っている正極や、充放電時に伴う活物質の体積変化が激しいSiやSn系等の合金系負極では、集電体が破損する懸念がある。
従来のリチウムイオン二次電池用電解液には、支持塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)が主に用いられてきた。
これは、有機溶媒への溶解性が高いこと、有機溶媒に溶解させた際にLiイオン導電率が高いこと、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系材料の微多孔質セパレータへの濡れ性が比較的高いこと、等の理由による。
しかし、LiPFは、熱と水分に対して非常に不安定であることが知られている。
熱分析(TG‐DTA)データによると、LiPFは、150℃以上で徐々に分解が始まり、240℃付近で分解反応が終了する。また、LiPFは、PF(ガス)とLiFに容易に分解し、PFは、溶媒の分解反応の開始剤として作用する。このため、電解液が加熱された時には、溶媒自体の耐熱性が高い場合でも、溶媒の分解反応だけでなく、LiPFと溶媒の反応が起こる場合がある。
また、LiPFは、水分と容易に加水分解反応を起こし、フッ化水素酸(HF)を生成する。このHFは、電池中のあらゆる物質に対して腐食性を示し、電池の劣化の原因となることが指摘されている。
従来のリチウムイオン二次電池では、セパレータとして、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の微多孔質膜が主に使用されていた。
これらの融点は、それぞれ155℃、125℃である。このように耐熱性は高くないため、高温時には溶けて孔を塞ぐことにより正負極間の短絡を防止する機能(シャットダウン機能)を持たせているという考え方で、安全性を担保している。
しかし、さらに高温になるとセパレータが収縮してしまうため、収縮した周りで正負極間が再び短絡してしまう懸念があった。これに対して、PP/PE/PPの3重構造とすることでPE層がシャットダウンして、PEよりも高融点のPPが強度と形状を保持する等の対策がなされている。また、微多孔質の機械的強度の向上と加熱時の収縮を抑える目的でSiO、Al、MgO等の無機物を混入させたものも存在する。
しかし、これらの対策は、いずれも母材がPEやPPであるために、耐熱性が僅かに向上するだけで、根本的な対策とはなっていない。
従来のリチウムイオン二次電池では、外装材として、Alラミネート外装やステンレス鋼外装、ニッケルめっき鋼板外装、アルミニウム合金、アルミニウムクラッド外装等が用いられている。
Alラミネート外装は、Al箔の両面に絶縁性の樹脂層を設けた構成であり、樹脂層の性能にもよるが一般的に耐熱性は高くなく、およそ150℃以上では表面樹脂層が変質し密閉性が失われる、内側の絶縁性が失われるなどして機能しなくなる。
また、携帯電話用途等で用いられる角型電池やラップトップパソコン用で用いられる18650型等の円筒型電池、実験室での検討用によく使用される2032型等のコイン電池では、ステンレス鋼やアルミニウムクラッド外装が用いられている。
これらの材料自身は、金属なので数百℃でも耐えることができるが、正極部と負極部を電気的に隔離するガスケット・パッキン類等に樹脂が使われているため、金属缶外装を用いた電池の耐熱性は、ガスケット・パッキン類等の耐熱性に左右される。
特開2009−224098号公報 特開2009−224097号公報 特開2007−188703号公報 特開2005−222851号公報 特開2004−327282号公報 特開2003−282058号公報 特開2003−077540号公報 特開2002−117841号公報 特開2001−148242号公報 特開平08−138686号公報 特開平08−031429号公報
第50回電池討論会要旨集 2C07 p186 平成21年11月30日発行
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、従来不可能であった、120℃以上で安定的に充放電が可能なリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質、負極活物質、バインダ、集電体、電解液、セパレータ、及び外装材を備える。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質は、ポリアニオン系材料からなり、このポリアニオン系材料は、LiMPO(ここで、Mは、Ni、Co、Mn及びFeからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiM(SO(ここで、Mは、V、Ti及びFeからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiM(XO(ここで、Mは、Fe、Mn、Ti、V及びNbからなる群から選択されるいずれか一つであって、Xは、S、P、Mo、W、As及びSiからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiMVO(ここで、Mは、Mn、Ni及びCoからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiMSiO(ここで、Mは、Ni、Co、Mn及びFeからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiMBO(ここで、Mは、Ni、Co、Mn及びFeからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiTi(PO)、Fe(SO、Fe(Mo、Fe(SO、LiFe(PO、Li(PO、LiFe(AsO、TiNb(PO、LiFeNb(PO、LiFeTi(PO、Fe(P、LiFeP、TiP、LiVP、MoP、Mo11、MoOPO、VOPO、LiVOPO、VOSO、VOAsO、LiVOSiO、LiVMoO、VBO、Fe(WO、LiVPOF、LiCoPOF、LiFe(SO(PO)、LiFe(SO)(PO)、及びこれらの材料の遷移金属部分を2種類以上にしたものからなる群から選択される少なくとも一種以上である。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質によれば、全ての酸素が共有結合で遷移金属と結合した陰イオンとなっているため結合が強く、酸素の解離温度が高くなり、安全性に優れる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質は、LiTi12、SiO又はSnO、又はこれらの複合材料からなり、ここでx=0〜1.6である。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質によれば、これら材料は耐熱性を有しているため、耐熱性の電極とすることができる。
LiTi12負極は、黒鉛系よりも1.4V程度電位が高く、Liデンドライトが発生し難いためにLiデンドライトが成長してセパレータ貫通することによる短絡の危険性がないので、安全性を高めることができる。
また、SiO又はSnO、又はこれらの複合材料(ここでx=0〜1.6である。
)は、Li吸蔵した際にLi合金を生成する合金系負極に分類されるもので、黒鉛系と比較して高容量を特徴とする。しかし、合金系負極材料は、Li吸蔵放出量が多いため、充放電に伴う結晶格子の体積変化が激しく、電極が劣化してサイクル性能が悪いという課題があった。しかし、結着力の高いバインダを用いることで、大幅にサイクル劣化が改善されることが近年明らかになってきた(非特許文献1参照)。ポリイミドは結着力が高く、さらに500℃以上の高温にも耐える耐熱性樹脂であるため、後述するポリイミド前駆体からなるバインダと組み合わせることにより、大幅にサイクル劣化を改善することができ、負極の性能を向上させることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用バインダは、ポリイミド(PI)前駆体からなる。
本発明のリチウムイオン二次電池用バインダによれば、ポリイミド(PI)は500℃以上の耐熱性を有する樹脂で、全ての高分子の中で最も高い熱安定性を有する材料の一つであるので、耐熱性の電極とすることができる。
また、PIは活物質や集電体、導電助剤との接着性にも優れるため、少ない使用量でも強靭な電極を形成することが可能となる。
また、PIは化学的にも安定な物質であるため、有機溶媒やpH変化に対しても強い電極とすることができる。さらにフッ素が含まれていないため、脱HF化してゲル化することもなく、また電池中のあらゆる物質に対して腐食性を示すHFの発生によって、電池が劣化のすることを防止することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用電解液は、溶媒と支持塩とを含み、この溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、グライム系材料、ラクトン系材料、ニトリル系材料及びイオン液体からなる群から選択される少なくとも一種以上からなり、この支持塩は、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(略式名:LiTFSl)及びリチウムビス(オキサレート)ボレート(略式名:LiBOB)からなる群から選択される少なくとも一種以上からなる。
本発明のリチウムイオン二次電池用電解液によれば、溶媒が高沸点であって、支持塩が耐熱性を有するので、耐熱性電解液として用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータは、アラミド、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート(PET))、エチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)又はガラス繊維からなる群から選択される少なくとも一種以上からなる、微多孔膜又は不織布からなる。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータによれば、上記した材料は耐熱性に優れているため、高温時にも収縮しない耐熱性セパレータとすることができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータはシャットダウン機能を有していないが、本発明では、正負極活物質、電解液、バインダ、外装材を耐熱性にすることで、シャットダウン機能を必要としない電池を製造することが可能となるため、本発明の耐熱性セパレータを用いて高安全性の耐熱性電池を製造することが可能となる。また、必要に応じてシャットダウン機能を有する層(例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)の微多孔膜)を、上記した耐熱性セパレータと組み合わせても良い。
本発明のリチウムイオン二次電池用外装材は、金属外装とシール材とからなり、前記金属外装は、Al、ステンレス鋼又はニッケルめっき鋼板からなり、前記シール材は、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)、エポキシ樹脂(EP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリエステル(LCP)、ポリイミド(PI)及びポリアミドイミド(PAI)からなる群から選択される少なくとも一種以上からなり、前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE,CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)又はエチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)である。
本発明のリチウムイオン二次電池用外装材によれば、金属外装と150℃以上で長期安定性を有する耐熱性樹脂を用いたシール材(ガスケット・パッキン類)を使用することにより、耐熱性の電池外装材とすることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用集電体は、Al、Cu、合金Cu、ステンレス鋼、カーボン不織布、或いはそれらの表面に粗化処理を施した材料からなることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用集電体によれば、ステンレス鋼箔(5〜15μm)は、薄くても非常に高強度で、且つ300℃程度の高温でも強度低下がほとんどないため、高温での使用に耐えることができる。また、Al或いはCuの表面を粗化した材料(エッチングAl、カーボンコートAl、電解Cu)材料を集電体とすることで、電極層の塗工性や密着性、集電性の向上に期待できる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の材料であるポリアニオン系材料は、異種元素をドーピングしたものであると、より好ましい。
これにより、正極活物質の導電性を高めることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の材料であるポリアニオン系材料は、粒子表面にカーボンコートしたもの、又はカーボンと複合化したものであると、より好ましい。
これにより、正極活物質の導電性を高めることができる。
本発明によれば、これら耐熱性正極活物質、耐熱性負極活物質、耐熱性バインダ、耐熱性電解液、耐熱性セパレータ、及び耐熱性外装材を併用することにより、120℃の高温でも安定に充放電可能な耐熱性リチウムイオン二次電池を提供することができる。
LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の80℃における10C充電/10C放電の充放電曲線を示すグラフである。 LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の80℃における10C充電/10C放電のサイクル特性を示すグラフである。 LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の各温度(−30℃、30℃、80℃、120℃)における充放電曲線を示すグラフである。 LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の100℃における1C充電/1C放電の充放電曲線を示すグラフである。 LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の100℃における1C充電/1C放電のサイクル特性を示すグラフである。 LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の120℃における1C充電/1C放電の充放電曲線を示すグラフである。 LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の120℃における1C充電/1C放電のサイクル特性を示すグラフである。 従来のリチウムイオン二次電池の温度上昇原因を説明するための図である。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池の実施形態について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質、負極活物質、バインダ、集電体、電解液、セパレータ、及び外装材を備える耐熱性リチウムイオン二次電池である。
本発明において、正極活物質は、ポリアニオン系材料からなり、このポリアニオン系材料は、LiMPO(ここで、Mは、Ni、Co、Mn及びFeからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiM(SO(ここで、Mは、V、Ti及びFeからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiM(XO(ここで、Mは、Fe、Mn、Ti、V及びNbからなる群から選択されるいずれか一つであって、Xは、S、P、Mo、W、As及びSiからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiMVO(ここで、Mは、Mn、Ni及びCoからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiMSiO(ここで、Mは、Ni、Co、Mn及びFeからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiMBO(ここで、Mは、Ni、Co、Mn及びFeからなる群から選択されるいずれか一つ)、LiTi(PO)、Fe(SO、Fe(Mo、Fe(SO、LiFe(PO、Li(PO、LiFe(AsO、TiNb(PO、LiFeNb(PO、LiFeTi(PO、Fe(P、LiFeP、TiP、LiVP、MoP、Mo11、MoOPO、VOPO、LiVOPO、VOSO、VOAsO、LiVOSiO、LiVMoO、VBO、Fe(WO、LiVPOF、LiCoPOF、LiFe(SO(PO)、LiFe(SO)(PO)、及びこれらの材料の遷移金属部分を2種類以上にしたものからなる群から選択される少なくとも一種以上である。
これらの材料は、全ての酸素が共有結合で遷移金属と結合した陰イオンとなっているため結合が強く、酸素の解離温度が高くなり、安全性に優れる。
これらの材料の遷移金属部分を2種類以上にしたものとは、上記材料の遷移金属部分がM=Fe0.5Mn0.5、Ni0.85Co0.15等となっている材料のことである。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の材料であるポリアニオン系材料は、異種元素をドーピング(2wt%以下)したものであると、より好ましい。これにより、正極活物質の導電性を高めることができる。
この異種元素としては、Mo、W、Nb、Al等が挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極活物質の材料であるポリアニオン系材料は、粒子表面にカーボンコートしたもの、又はカーボンと複合化したものであると、より好ましい。
上記ポリアニオン系材料は、一般的に導電性に乏しい。よって、粒子表面にカーボンコートしたもの、又はカーボンと複合化したものを用いることにより、正極活物質の導電性を高めることができる。
本発明において、負極活物質は、LiTi12、SiO又はSnO、又はこれらの複合材料からなり、ここでx=0〜1.6である。
LiTi12負極は、黒鉛系よりも1.4V程度電位が高く、Liデンドライトが発生し難いためにLiデンドライトが成長してセパレータを貫通することによる短絡の危険性がないので、安全性を高めることができる。
また、SiO又はSnO、又はこれらの複合材料(ここでx=0〜1.6である。
)は、Li吸蔵した際にLi合金を生成する合金系負極に分類されるもので、黒鉛系と比較して高容量を特徴とする。しかし、合金系負極材料は、Li吸蔵放出量が多いため、充放電に伴う結晶格子の体積変化が激しく、電極が劣化してサイクル性能が悪いという課題があった。
しかし、本発明においては、後述するポリイミド前駆体からなるバインダと組み合わせることにより、大幅にサイクル劣化を改善することができ、負極の性能を向上させることができるので、上記問題点を解決することができる。
本発明において、バインダは、ポリイミド(PI)前駆体からなる。
PIは、500℃以上の耐熱性を有する樹脂で、全ての高分子の中で最も高い熱安定性を有する材料の一つである。PIは活物質や集電体、導電助剤との接着性にも優れるため、少ない使用量でも強靭な電極を形成することが可能となるメリットがある。
電極作製時には、PIの前駆体であるポリアミック酸等の状態で電極スラリーに添加し、電極塗工・プレス工程後の乾燥・キュア工程で、200℃以上でイミド化させてPIとすることで使用する。一部、イミド化(環化、重合等とも表現される)させてPIにした状態で溶媒に溶かしてあるものも存在するが、スラリーへの添加時にイミド化してあるものを用いると、密着強度が劣った電極となり、充放電のサイクル寿命が劣るため、イミド化前のものを用いることが好ましい。また、PIは化学的にも安定な物質であるため、有機溶媒やpH変化に対しても強い。さらに、フッ素も含まれていないため、PVdFのように脱HF化する懸念もない。
また、PIが正極用バインダとして用いられる例はほとんどないが、これは高電位領域での耐酸化性に問題があるためである。本発明の正極(実施例で用いたLiFeO等)は4V以下の低電位領域で使用するため、PIバインダとして用いることが可能となる。
本発明において、集電体は、Al、Cu、合金Cu、ステンレス鋼、カーボン不織布、或いはそれらの表面を粗化処理した材料からなることが好ましい。
ステンレス鋼箔(5〜15μm)であれば、薄くても非常に高強度で、且つ300℃程度の高温でも強度低下がほとんどないため、高温での使用に耐えることができる。
本発明において、電解液は、溶媒と支持塩とを含み、この支持塩は、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(略式名:LiTFSl)及びリチウムビス(オキサレート)ボレート(略式名:LiBOB)からなる群から選択される少なくとも一種以上からなる。
四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)は、溶媒への溶解性と電解液の導電率の点ではLiPFよりも劣るものの、LiPFと比べて熱安定性に優れ、HFを生じ難いという利点がある。LiBFの熱分解は、200℃付近から開始され、320℃付近で終了する。また、LiBFの含水塩は安定に存在することができ、LiBF‐HO、LiBF‐3HOが知られ、乾燥・吸湿によって変化する。
過塩素酸リチウム(LiClO)は、耐熱性を有するため本発明のリチウムイオン二次電池用電解液の支持塩として用いることができる。しかし、LiClOは、危険物第1類(酸化性固体)に指定される物質で、250℃以上の高温では爆発の危険性が生じるため、使用はあまり好ましくない。
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(略式名:LiTFSl)は、330℃程度まで安定であり、溶媒への溶解性にも優れる。但し、正極集電体に使われるAlに対して腐食性を有する。これは、TFSlアニオンがAlと反応して、Al箔表面でAl(TFSl)を生成されて脱離し、Alに穴が生じるという機構であるとされている。
従って、集電体にAlを用いた電池でのLiTFSlの使用は好ましくないが、そうでない場合、例えば、Cu箔やステンレス鋼箔、カーボン系集電体、その他Al以外の金属集電体を用いる場合には、耐熱性の支持塩として用いることが可能となる。
リチウムビス(オキサレート)ボレート(略式名:LiBOB)は、250℃程度まで安定である。但し、LiBOBは溶媒に対する溶解度が低く、電解液の耐熱性を上げるための添加剤的な役割として用いることも考えられている。しかし、電解液を高温で使用する場合には、溶解性も向上するため、高温用電解液の支持塩として用いることが可能となる。
LiBOBには、Al集電体に対する腐食性もない。さらに、LiBOBはフッ素を含まないハロゲンフリーな支持塩であるため、HF生成の懸念もない。
本発明において、電解液の溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、グライム系材料、ラクトン系材料、ニトリル系材料及びイオン液体からなる群から選択される少なくとも一種以上からなる。
本発明の電解液の溶媒として用いられる材料において、グライム系材料としては例えばトリグライム、テトラグライム、ラクトン系材料としては例えばγ‐ブチロラクトン(GBL)、ニトリル系材料としては例えばアジポニトリルが挙げられる。
プロピレンカーボネート(PC)は沸点:242℃、エチレンカーボネート(EC)は沸点:244℃、ブチレンカーボネート(BC)は沸点:240℃、フルオロエチレンカーボネート(FEC)は沸点:210℃、トリグライムは沸点:216℃、テトラグライムは沸点:275℃、γ‐ブチロラクトン(GBL)は沸点:204℃、アジポニトリルは沸点:295℃である。
これら材料のうち1種以上を組み合わせて混合したものを、耐熱性電解液として用いることができる。
溶媒使用の電位範囲として、PC、EC、BC、GBLは、通常の0‐4.5VvsLi電位程度での使用は可能であるが、グライム系は、耐還元性の観点から0‐3V範囲で、ニトリル系は、2‐4.5V範囲で、安定して用いることができる。
また、GBLは、誘電率、粘度、融点、沸点ともに優れたバランスであり、電解液溶媒として好ましいが、耐還元性と耐酸化性に難がある。
GBLは、そのものの耐酸化性は高くないが、過充電時には反応して正極表面で被膜を生じ、電解液の劣化を防止する機能をするために、4V以上の電圧領域でも使用できる。
GBLは耐還元性も高くないため、金属リチウムと反応するが、他の溶媒と組み合わせることでこれは克服することができる。
電解液は、後述する実施例に限定されるものではなく、例えば、Al箔に替えて、カーボン系の集電体やステンレス鋼箔集電体を用いる場合には、LiTFSl塩を上記した溶媒と組み合わせて用いることができる。
その他、イオン液体も蒸気圧が低く、高い耐熱性を有するため、溶媒として用いることができる。
本発明において、セパレータは、アラミド、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート(PET))、エチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)又はガラス繊維からなる、微多孔膜又は不織布からなる群から選択される少なくとも一種以上からなる。
これら材料は耐熱性に優れるので、高温時にも収縮しない耐熱性セパレータとすることができる。
これまで、上記した耐熱性セパレータの検討例はあったが、シャットダウン機能がないということで、本格的にPP、PEに代替されて使用されるには至っていない。
しかし、本発明では、正極活物質、負極活物質、バインダ、電解液及び外装材を耐熱性にすることで、シャットダウン機能を必要としない電池を製造することが可能となるため、上記した耐熱性セパレータを用いて高安全性の耐熱性電池を製造することが可能となる。また、必要に応じてシャットダウン機能を有する層(例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)の微多孔膜)を、上記した耐熱性セパレータと組み合わせても良い。
本発明において、外装材は、金属外装とシール材(ガスケット・パッキン類)とからなる。
金属外装は、Al、ステンレス鋼又はニッケルめっき鋼板からなる。
シール材とはガスケット・パッキン類のことであり、このシール材は、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)、エポキシ樹脂(EP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリエステル(LCP)、ポリイミド(PI)及びポリアミドイミド(PAI)からなる群から選択される少なくとも一種以上からなり、前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE,CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)又はエチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)である。
シール材は、正極部と負極部を電気的に隔離するために備えられる。
シール材の上記材料は、150℃以上で長期安定性を有する耐熱性樹脂である。よって、本発明において、上記のような金属外装とシール材を用いることで、耐熱性の電池外装材が可能となる。
また、上記した150℃以上で長期安定性を有する耐熱性樹脂を基材としたフィルムやAl箔と接着させた複合フィルムであれば、耐熱性ラミネート型電池の外装としても用いることができる。但し、この場合は、ラミネート外装の接着部に耐熱性の層を設けることが必要となる。
また、大型の電池とする際には、その発熱量も大きくなるため、ヒートシンクや強制冷却機能(ファン、水冷循環、オイル循環等)を備えた外装材がより好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<正極の作製>
活物質(LiFePO):導電助剤(ケッチェンブラック、KB):バインダ(ポリイミド(PI)前駆体)=88:7:5wt%を混合し、遊星式混合機で混練して電極スラリーを得た。
その際、粘度調整用の溶媒として、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)を使用した。
スラリーを20μm厚のカーボンコートAl箔集電体(カーボンコート層は1μm厚、日本製箔製)上へ塗工し、80℃大気中で20分乾燥してNMP溶媒を除去し、その後プレスし、所定のサイズ(Φ11mmの円形)に打ち抜いて電極を得た。
<負極の作製>
活物質(SiO):導電助剤(ケッチェンブラック、KB):バインダ(ポリイミド(PI)前駆体)=80:5:15wt%を正極と同様にしてスラリーを得た。なお、SiOは、SiOでx=1のものを用いた。
その後、プレス工程がないこと及びLiドーピング処理を施した以外は正極の作製と同様の工程で電極を得た。
集電体には、SUS箔(SUS304、10μm厚)を用いた。
<その他>
電池外装には、2032型コインセル部材として、SUS316の缶を用い、ガスケットにはPFAを用いた。
セパレータには、PI不織布(40μm厚)を用いた。
電解液には、1.5M LiBF+PC/GBL(1:2体積比)を用いた。
上記の正極、負極、外装材、セパレータ及び電解液から、LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池を得た。
上記工程により得られたLiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の充放電曲線とサイクル特性を以下の条件で測定した。
・LFP正極:1.16mAh/cm
・SiO負極:2.56mAh/cm
・Cutoff電圧:4−2V
図1及び2はそれぞれ、LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の80℃における10C充電/10C放電の充放電曲線とサイクル特性を示すグラフである。
利用率95%(162mAh/g、正極ベース)で、130サイクル以上安定したサイクル寿命が得られた。
尚、図2は充電と放電の曲線が重なっている。
図3は、LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の各温度(−30℃、30℃、80℃、120℃)における充放電曲線を示すグラフである。
−30℃において50%以上の利用率が得られ、また120℃でも充放電が可能であることがわかった。
上記工程により得られたLiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の充放電曲線とサイクル特性を以下の条件で測定した。
・LFP正極:1.14mAh/cm
・SiO負極:2.27mAh/cm
・Cutoff電圧:4−2V
図4及び5はそれぞれ、LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の100℃における1C充電/1C放電の充放電曲線とサイクル特性を示すグラフである。
100℃の高温条件において、安定して充放電サイクルしていることがわかる。
尚、図4の曲線は、ほぼ重なっているものである。
図6及び7はそれぞれ、LiFePO/SiO系リチウムイオン二次電池の120℃における1C充電/1C放電の充放電曲線とサイクル特性を示すグラフである。
尚、この測定は、上記の100℃における試験(100℃にて10サイクル)の後、そのまま120℃に温度を上げて測定したものである。
120℃の高温条件において、安定して充放電サイクルしていることがわかる。
尚、図6の曲線は、ほぼ重なっているものである。
また、本明細書に示す他の耐熱性正極活物質、耐熱性負極活物質、耐熱性バインダ、耐熱性集電体、耐熱性電解液、耐熱性セパレータ、及び耐熱性外装材を用いても、同様の結果が得られた。
以上の結果から、本発明の耐熱性リチウムイオン二次電池は、120℃の高温でも安定に充放電可能であることがわかる。
本発明は、移動体通信機器、携帯用電子機器、電動自転車、電動二輪車、電気自動車等の主電源に好適に利用されるものである。

Claims (5)

  1. 正極活物質、負極活物質、バインダ、集電体、電解液、セパレータ、及び外装材を備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極活物質は、ポリアニオン系材料からなり、
    前記ポリアニオン系材料は、LiFePO あって、
    前記負極活物質は、SiOからなり、
    前記バインダは、ポリイミド(PI)前駆体からなり、
    前記電解液は、溶媒と支持塩とを含み、
    前記溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)及びγ−ブチロラクトン(GBL)とからなり、
    前記支持塩は、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF )からなり、
    前記セパレータは、ポリイミド(PI)からなる、微多孔膜又は不織布からなり、
    前記外装材は、金属外装とシール材とからなり
    前記金属外装は、Al、ステンレス鋼又はニッケルめっき鋼板からなり、
    前記シール材はペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)からなること
    を特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記集電体が、ステンレス鋼、カーボン不織布、或いはそれらの表面に粗化処理を施した材料からなることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 記集電体がステンレス鋼又はカーボン不織布からなり、前記外装材の前記金属外装がステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1又は2記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記ポリアニオン系材料が、異種元素をドーピングしたものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記ポリアニオン材料が、粒子表面にカーボンコートしたもの、又はカーボンと複合
    化したものであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
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