JP2017073334A - 非水電解液電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 Li−Al合金を含有する負極を有しており、高温環境下で貯蔵した後の負荷特性が良好な非水電解液電池を提供する。【解決手段】 本発明の非水電解液電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質、導電助剤、およびバインダを含有する正極合剤を有する正極と、Li−Al合金を含有する負極とを有しており、前記正極合剤は、前記導電助剤として、中空形状を有する炭素材料と、その他の炭素材料とを含有しており、前記バインダとして、イミド系バインダまたはアミド系バインダを含有していることを特徴とするものである。【選択図】 なし

Description

本発明は、高温環境下で貯蔵した後の負荷特性に優れた非水電解液電池に関するものである。
非水電解液電池は、高容量、高電圧などの特性を生かして、種々の用途に利用されている。特に近年では電気自動車の実用化などに伴い、車載用の非水電解液電池の需要が伸びている。
非水電解液電池の車載用途としては、電気自動車のモーターの駆動電源への適用が主である一方で、それ以外への適用も進められている。例えば、現在、車両が事故などに遭遇した際に、それを関係各所へ通報するための緊急通報システムの開発が進行中であるが、その電源として、非水電解液電池の適用が検討されている。
そのようなシステムは、実際に作動する機会が限られているものの、緊急時に確実に作動することが必要とされる。そのため、電源となる電池には、長期にわたって貯蔵しても、その特性を良好に維持できる信頼性が要求される。そこで、こうした用途には、電子機器の電源として汎用されている非水電解液二次電池よりも貯蔵特性が良好で、数年以上の長期にわたって貯蔵しても、容量低下がほとんどない非水電解液一次電池が利用されている。
前記非水電解液一次電池の負極活物質には、金属リチウムや、Li−Al(リチウム−アルミニウム)合金などのリチウム合金が用いられているが、非水電解液二次電池においても、負極活物質としてリチウム合金を用いることができるため、リチウムを吸蔵、放出可能な金属とリチウムの吸蔵、放出能力のない異種金属とのクラッド材を用いて負極を構成することにより、電池特性の安定化を実現することも提案されている(特許文献1)。
ところで、負極活物質となるLi−Al合金は、これを含有する負極を用いることで電池内に導入するのではなく、例えば、AlやAl合金で構成された層などの表面にLiやLi合金で構成された層を有する積層金属箔を用いて電池を組み立て、この積層体を電池内で非水電解液と接触させることで形成させることが通常である。
ところが、電池内でのLi−Al合金の形成に伴う負極の膨張量が大きいため、これと対向する正極においては、活物質や導電助剤、バインダなどを含有する正極合剤層や正極合剤の成形体が、ある程度の強度を有していることが好ましい。
非水電解液電池の正極合剤層や正極合剤の成形体の強度を高めるには、例えば、そのバインダとして、従来から汎用されているポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂に代えて、ポリアミドイミドやポリイミドなどのイミド系バインダを使用することが考えられる(特許文献2)。
しかしながら、イミド系バインダを使用した場合には、前記のようなフッ素樹脂を使用した場合に比べて正極合剤層や正極合剤の成形体の内部抵抗が増大するため、例えば電池の負荷特性が低くなってしまう。特に、車載用の電池は、高温環境下に曝される可能性が高く、また、その後に低温環境下に置かれることもあるため、こうした用途に適用される電池には、高温環境下で置かれた後においても、広い温度領域で良好な負荷特性を発揮できることが求められる。
特開平8−293302号公報 特開2013−69466号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、Li−Al合金を含有する負極を有しており、高温環境下で貯蔵した後の負荷特性が良好な非水電解液電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水電解液電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質、導電助剤、およびバインダを含有する正極合剤を有する正極と、Li−Al合金を含有する負極とを有するものであって、前記正極合剤は、前記導電助剤として、中空形状を有する炭素材料と、その他の炭素材料とを含有しており、前記バインダとして、イミド系バインダまたはアミド系バインダを含有していることを特徴とするものである。
本発明によれば、Li−Al合金を含有する負極を有しており、高温環境下で貯蔵した後の負荷特性が良好な非水電解液電池を提供することができる。
本発明の非水電解液電池の一例を模式的に表す平面図である。 図1の非水電解液電池のI−I線断面図である。
前記の通り、Li−Al合金の形成に伴う負極の膨張による押圧に耐え得るように、正極合剤層や正極合剤の成形体の強度を高めるべくイミド系バインダまたはアミド系バインダを使用すると、正極合剤層や正極合剤の成形体の内部抵抗が増大する。
そこで、本発明の非水電解液電池では、正極合剤層や正極合剤の成形体を構成する正極合剤に含有させる導電助剤に、中空形状を有する炭素材料と、その他の炭素材料とを使用することとした。これにより、イミド系バインダまたはアミド系バインダを含有する正極合剤層や正極合剤の成形体の内部抵抗を低下させ、高温環境下で貯蔵した後において、常温下のみならず低温下においても優れた負荷特性を発揮し得る非水電解液電池の提供を可能としている。
本発明の非水電解液電池に係る正極は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質と、導電助剤と、バインダとを含有する正極合剤を有するものであり、例えば、前記正極合剤からなる層(正極合剤層)を集電体の片面または両面に有する構造のものや、前記正極合剤の成形体が挙げられる。
正極合剤に係る正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なもので、通常の非水電解液電池(二次電池)の正極活物質として使用されているリチウム含有複合酸化物などが挙げられる。このようなリチウム含有複合酸化物としては、Li1+x(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有複合酸化物、LiMnやその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などが挙げられる。前記層状構造のリチウム含有複合酸化物としては、LiCoOなどのコバルト酸リチウムやLiNi1−aCoa−bAl(0.1≦a≦0.3、0.01≦b≦0.2)などの他、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiNi3/5Mn1/5Co1/5など)などを例示することができる。
正極合剤における正極活物質の含有量は、80〜90質量%であることが好ましい。
正極合剤に係るバインダには、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)などのイミド系バインダ、ポリアミド、アラミドなどのアミド系バインダのうちの1種または2種以上を使用する。このようなバインダの使用によって正極合剤層や正極合剤の成形体の強度を高め得るため、高温時における合剤の膨潤を抑制でき、非水電解液電池の信頼性が向上すると共に、これらのバインダは耐熱性にも優れているため、非水電解液電池の高温貯蔵特性も向上する。
イミド系バインダおよびアミド系バインダは、特に限定されるものではないが、ガラス転移点を有する場合は、耐熱性の点から、その温度が200〜400℃であるものが好ましく用いられる。
正極合剤に係るバインダには、イミド系バインダまたはアミド系バインダのみを使用してもよいが、イミド系バインダおよびアミド系バインダと共に他のバインダを使用してもよい。このようなバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、六フッ化プロピレンの重合体などのフッ素樹脂;スチレンブタジエンゴム(SBR);カルボキシメチルセルロース(CMC);などが挙げられる。なお、正極合剤に係るバインダに、前記他のバインダも使用する場合には、正極合剤に使用する全バインダ中の、イミド系バインダおよびアミド系バインダ以外のバインダの量は、50質量%以下であることが好ましい。
正極合剤におけるバインダの含有量は、0.3〜10質量%であることが好ましい。
正極合剤に係る導電助剤には、中空形状を有する炭素材料と、その他の炭素材料とを使用する。これらの導電助剤を用いることで、イミド系バインダまたはアミド系バインダを使用した正極合剤層や正極合剤の成形体の内部抵抗を低減させ、高温環境下での貯蔵後の電池の負荷特性を向上させることができる。また、導電助剤として中空形状を有する炭素材料のみを用いると、正極合剤層や正極合剤の成形体の密度を高めることが困難となるが、前記その他の炭素材料も使用することで、正極合剤層や正極合剤の成形体の密度を高めることが容易となる。
中空形状を有する炭素材料としては、シェル部が炭素材料で形成され、内部が空洞である粒子状の炭素材料(カーボンブラック)が挙げられ、より具体的には、ケッチェンブラックを例示することができる。
また、前記その他の炭素材料は、中空形状を有する炭素材料以外の炭素材料であればよく、例えば、鱗片状黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック(中空形状を有しないもの)などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アセチレンブラックが好ましい。
中空形状を有する炭素材料と、その他の炭素材料との合計100質量%中での、中空形状を有する炭素材料の割合は、その効果を充分に発揮させるために、1質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、中空形状を有する炭素材料は、その比表面積が大きいため凝集しやすく、正極合剤中で分散させにくいため、均一な正極合剤を形成するためには、中空形状を有する炭素材料と、その他の炭素材料との合計100質量%中での、中空形状を有する炭素材料の割合は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
正極合剤における導電助剤の含有量は、1.5〜10質量%であることが好ましい。
正極は、正極合剤の成形体の場合には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを混合して調製した正極合剤を所定の形状に加圧成形することで製造することができる。
また、正極合剤層と集電体とを有する形態の正極の場合には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを水またはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒に分散させて正極合剤含有組成物(スラリー、ペーストなど)を調製し(バインダは溶媒に溶解していてもよい)、これを集電体上に塗布し乾燥し、必要に応じてカレンダ処理などのプレス処理を施す工程を経て製造することができる。
ただし、正極は、前記の各方法で製造されたものに限定されず、他の方法で製造したものであってもよい。
正極合剤の成形体の場合、その厚みは、0.15〜4mmであることが好ましい。他方、正極合剤層と集電体とを有する形態の正極の場合、正極合剤層の厚み(集電体の片面あたりの厚み)は、30〜300μmであることが好ましい。
正極の集電体としては、AlやAl合金などの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、Al箔が好適に用いられる。正極集電体の厚みは、10〜30μmであることが好ましい。
正極の集電体には、常法に従って正極リード体を設けることができる。
本発明の非水電解液電池に係る負極は、Li−Al合金を含有するものであり、例えば、表面にLi−Al合金が形成されたAl箔(Al合金箔を含む。以下同じ。)を使用できるほか、Al箔などで構成されるAl層(Alを含む層)の表面にLi−Al合金を形成するためのLi層(Liを含む層)を圧着するなどして積層した積層体を使用し、この積層体を電池内で非水電解液と接触させることで、前記Al層の表面にLi−Al合金を形成させて負極とすることもできる。このような負極の場合、Al層の片面のみにLi層を有する積層体を用いてもよく、Al層の両面にLi層を有する積層体を用いてもよい。前記積層体は、例えば、Al箔と金属Li箔(Li合金箔を含む。以下同じ。)とを圧着することで形成することができる。
更に、負極には、Al箔などで構成されるAl層を有する負極前駆体を使用し、この負極前駆体を用いて組み立てた電池を充電することで、Al層の表面にLi−Al合金を形成させて負極とすることもできる。すなわち、負極前駆体に係るAl層の少なくとも表面側のAlを、電池の充電によって非水電解液中のLiイオンと電気化学的に反応させることにより、少なくとも表面側にLi−Al合金が形成された負極とすることも可能である。
負極には集電体を使用することもできる。あらかじめ表面にLi−Al合金が形成されたAl箔を負極に使用する場合には、Al箔の、Li−Al合金が形成されていない側の表面に集電体となる金属箔などを圧着すればよい。
また、電池内でLi−Al合金を形成して負極とする場合にも集電体を使用することができる。Li層を有する積層体を使用する場合では、例えば、負極集電体の片面にAl層を有し、かつAl層の負極集電体とは反対側の面にLi層を有する積層体を用いてもよく、負極集電体の両面にAl層を有し、かつ各Al層の負極集電体とは反対側の面にLi層を有する積層体を用いてもよい。また、負極前駆体を用いて組み立てた電池を充電することでLi−Al合金を形成して負極とする場合では、例えば、負極集電体の片面にAl層を有する積層体を負極前駆体として用いてもよく、負極集電体の両面にAl層を有する積層体を負極前駆体として用いてもよい。負極集電体とAl層(Al箔)とは、圧着などにより積層すればよい。
負極とするための前記積層体および前記負極前駆体に係るAl層の厚み(ただし、集電体を使用する場合であって、その集電体の両面にAl層を設ける場合は、片面あたりの厚み)は、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることが更に好ましく、また、150μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。
負極とするための前記積層体に係るLi層の厚み(ただし、集電体を使用する場合であって、その集電体の両面にAl層を設け、各Al層の表面にLi層を設ける場合や、集電体を使用せずにAl層の両面にLi層を設ける場合には、片面あたりの厚み)は、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、また、80μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましい。
負極集電体としては、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼を素材とするものが挙げられ、その形態としては、平織り金網、エキスパンドメタル、ラス網、パンチングメタル、金属発泡体、箔(板)などが例示できる。集電体の厚みは、例えば、10〜50μmであることが好ましく、40μm以下であることがより好ましい。
本発明の非水電解液電池において、正極と負極とは、例えば、セパレータを介して重ねて構成した積層体(積層電極体)や、この積層体を渦巻状に巻回して形成された巻回体(巻回電極体)の形態で使用される。
セパレータは、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常の非水電解液二次電池などで使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。セパレータの厚みは、例えば、10〜30μmであることが好ましい。
本発明の非水電解液電池は、例えば、積層電極体を外装体内に装填し、更に外装体内に非水電解液を注入して非水電解液中に電極体を浸漬させた後、外装体の開口部を封止することで製造される。外装体には、スチール製やアルミニウム製、アルミニウム合金製、ステンレス製などの外装缶や、金属を蒸着したラミネートフィルムで構成される外装体などを用いることができる。
非水電解液には、下記の非水系溶媒中に、リチウム塩を溶解させることで調製した溶液が使用できる。
溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル(燐酸トリメチル、燐酸トリエチルなど)、トリメトキシメタン、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、ジエチルエーテルなどの非プロトン性有機溶媒あるいはその誘導体(2−メチルテトラヒドロフラン、α−メチル−γ−ブチロラクトンなど)を1種単独で、または2種以上を混合した混合溶媒として用いることができる。
非水電解液に係るリチウム塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO[ここでRfはフルオロアルキル基]などから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.6〜1.8mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.6mol/lとすることがより好ましい。
また、これらの非水電解液に電池の各種特性を更に向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
更に、非水電解液は、公知のポリマーなどのゲル化剤を用いてゲル状(ゲル状電解質)としてもよい。
本発明の非水電解液電池は、繰り返しの充電が可能であり、かつ高温環境下での貯蔵を経ても、常温下のみならず低温下においても優れた負荷特性を発揮し得るものであることから、こうした特性を生かして、車両緊急通報システムの電源用途のように、高温環境下に置かれた後に、広い温度領域で良好に放電できることが求められる用途に好ましく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
厚みが30μmのCu箔の両面に、それぞれ、厚さ30μmのAl箔を積層した25mm×37mmの大きさのクラッド材(積層金属箔)を用意し、前記クラッド材の端部に、集電用のCu箔を超音波溶接し、更にそのCu箔の端部に、電池外部との導電接続のためのNiタブを超音波溶接したものを、負極を形成するための負極前駆体として電池の組み立てに用いた。
一方、正極は、以下のようにして作製した。コバルト酸リチウム:95質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:1.8質量部と、ケッチェンブラック:1.2質量部と、バインダであるPAI:2.0質量部と、分散剤であるポリビニルピロリドン:0.5質量部とを、NMPに分散させたスラリーを調製し、これを厚みが12μmのAl箔の片面に塗布し、乾燥し、プレス処理を行うことにより、Al箔集電体の片面におよそ18mg/cmの質量の正極合剤層を形成した。なお、スラリーの塗布面の一部には正極合剤層を形成せず、Al箔が露出する箇所を設けた。更に、165℃で12時間の熱処理を行い、次いで、前記Al箔集電体を20mm×42mmの大きさに切断し、前記Al箔が露出する箇所に、電池外部との導電接続のためのAlタブを超音波溶接することにより、集電体の片面に20mm×29mmの大きさの正極合剤層を有する正極を作製した。
前記Niタブを溶接した負極前駆体の両側に、厚さ16μmのPE製の微多孔フィルムの片面にベーマイト粒子をアクリル樹脂で結着した厚さ2μmの多孔質膜を形成してなる市販のセパレータを介して前記正極をそれぞれ積層し、一組の電極体を作製した。また、PCとMECとの体積比1:2の混合溶媒に、LiBFを1.2mol/lの濃度で溶解することにより、非水電解液を調製した。前記電極体を真空中60℃で15時間乾燥させた後、前記非水電解液と共にラミネートフィルム外装体の中に封入することにより、定格容量が22mAhで、図1に示す外観を有し、図2に示す断面構造の非水電解液電池を作製した。
ここで、図1および図2について説明すると、図1は非水電解液電池を模式的に表す平面図であり、図2は、図1のI−I線断面図である。非水電解液電池1は、2枚のラミネートフィルムで構成したラミネートフィルム外装体2内に、正極5と負極6とをセパレータ7を介して積層して構成した積層電極体と、非水電解液(図示しない)とを収容しており、ラミネートフィルム外装体2は、その外周部において、上下のラミネートフィルムを熱融着することにより封止されている。なお、図2では、図面が煩雑になることを避けるために、ラミネートフィルム外装体2を構成している各層、正極5および負極6の各層、並びにセパレータ7の各層を区別して示していない。
正極5は、電池1内でリード体を介して正極外部端子3と接続しており、また、図示していないが、負極6も、電池1内でリード体を介して負極外部端子4と接続している。そして、正極外部端子3および負極外部端子4は、外部の機器などと接続可能なように、片端側がラミネートフィルム外装体2の外側に引き出されている。
比較例1
アセチレンブラック:1.8質量部とケッチェンブラック:1.2質量部とに代えて、アセチレンブラック:3.0質量部を導電助剤として用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
比較例2
PAIに代えてPVDFをバインダとして使用し、165℃で12時間の熱処理を省略した以外は、実施例2と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
実施例および比較例の非水電解液電池について、以下の内部抵抗測定、高温貯蔵後の放電容量測定、高温貯蔵後の常温負荷特性評価、および高温貯蔵後の低温負荷特性評価を行った。
<内部抵抗測定>
実施例および比較例の各電池について、定電流(4mA)−定電圧(4.0V)充電を行い、充電電流が0.2mAまで低下した時点で充電を終止した。充電後の各電池を、内部抵抗を測定した後に100℃の環境下で5日間貯蔵し、貯蔵後の電池の内部抵抗を測定した。
<高温貯蔵後の放電容量測定>
実施例および比較例の各電池について、定電流(4mA)−定電圧(4.0V)充電を行い、充電電流が0.2mAまで低下した時点で充電を終止した。次いで、充電後の各電池を、6mAの定電流で放電(放電終止電圧:2V)させた。
次いで、前記放電後の各電池を、前記と同じ条件で定電流−定電圧充電をした後に100℃の環境下で5日間貯蔵し、室温まで冷却してから、4mAの定電流で放電(放電終止電圧:2V)させた。続いて、各電池について、前記と同じ条件で定電流−定電圧充電をした後に、4.4mA(0.2C)の定電流で放電(放電終止電圧:2V)させて、放電容量(0.2C放電容量)を測定した。
<高温貯蔵後の常温負荷特性評価>
実施例および比較例の各電池について、高温貯蔵後の放電容量測定と同じ条件で、定電流−定電圧充電、放電、定電流−定電圧充電、100℃の環境下での5日間貯蔵、冷却後の定電流放電、および定電流−定電圧充電を施した後に、22mA(1C)の定電流で放電(放電終止電圧:2V)させて、放電容量(常温1C放電容量)を測定した。この常温1C放電容量と前記の0.2C放電容量との差が小さい電池ほど、高温貯蔵後の常温負荷特性が優れているといえる。
<高温貯蔵後の低温負荷特性評価>
実施例および比較例の各電池について、高温貯蔵後の放電容量測定と同じ条件で、定電流−定電圧充電、放電、定電流−定電圧充電、100℃の環境下での5日間貯蔵、冷却後の定電流放電、および定電流−定電圧充電を施した後に、−20℃の環境下に静置し、各電池の温度が低下してから22mA(1C)の定電流で放電(放電終止電圧:2V)させて、放電容量(低温1C放電容量)を測定した。この低温1C放電容量と前記の0.2C放電容量との差が小さい電池ほど、高温貯蔵後の低温負荷特性が優れているといえる。
前記の各評価結果を表1に示す。
Figure 2017073334
表1に示す通り、中空形状を有する炭素材料(ケッチェンブラック)と、その他の炭素材料(アセチレンブラック)とを、正極合剤に係る導電助剤に使用した実施例1の非水電解液電池は、正極合剤に係るバインダにイミド系バインダ(PAI)を使用したにもかかわらず、内部抵抗が比較的低く、かつ100℃で5日間の貯蔵後においても、その内部抵抗が低いままで維持されていた。
これに対し、正極合剤に係る導電助剤をアセチレンブラックのみとした比較例1の電池は、内部抵抗が高く、かつ100℃で5日間の貯蔵で、その内部抵抗が上昇した。また、正極合剤に係るバインダにPVDFを用いた比較例2の電池は、初期の内部抵抗は低かったが、100℃で5日間の貯蔵によって、その内部抵抗が大きく上昇した。
そして、実施例1の電池は、高温貯蔵後の常温1C放電容量および低温1C放電容量が比較例1、2の電池よりも大きい上に、これらの放電容量の高温貯蔵後の0.2C放電容量からの低下が、比較例1および比較例2の電池よりも小さく、高温貯蔵を経た後にも、広い温度領域で優れた負荷特性を示していた。特に、高温貯蔵後の低温1C放電容量に関しては、比較例1、2の電池は放電自体ができなかったのに対し、実施例1の電池は比較的大きな容量を示した。
1 非水電解液電池
2 ラミネートフィルム外装体
5 正極
6 負極
7 セパレータ

Claims (3)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質、導電助剤、およびバインダを含有する正極合剤を有する正極と、Li−Al合金を含有する負極とを有する非水電解液電池であって、
    前記正極合剤は、前記導電助剤として、中空形状を有する炭素材料と、その他の炭素材料とを含有しており、前記バインダとして、イミド系バインダまたはアミド系バインダを含有していることを特徴とする非水電解液電池。
  2. 前記中空形状を有する炭素材料が、ケッチェンブラックである請求項1に記載の非水電解液電池。
  3. 前記その他の炭素材料が、アセチレンブラックである請求項1または2に記載の非水電解液電池。
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