JP2011029122A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の容量劣化を抑制する手段を提供する。
【解決手段】集電体の表面に正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、集電体の表面に負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、が電解質を含むセパレータを介して積層されてなる単電池層を含む発電要素を有するリチウムイオン二次電池であって、前記セパレータが、リチウムイオンとイオン交換したカチオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂層を備える、リチウムイオン二次電池である。
【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、活物質等がバインダとともに集電体に塗布されてなる活物質層を有する正極および負極が、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
上述したような自動車等のモータ駆動用電源として用いられる非水電解質二次電池には、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用非水電解質二次電池と比較して極めて高い出力特性を有することが求められている。そして、かような要求に応えるべく鋭意研究開発が進められているのが現状である。
例えば、特許文献1には、正極中にマンガンを捕捉する捕捉剤を添加することにより、放置後の放電特性および充放電サイクル特性が改良された非水電解液二次電池が開示されている。
特開2000−11996号公報
しかしながら、特許文献1に記載の捕捉剤は、マンガンイオンを捕捉する機能のみを有する。したがって、二次電池の容量劣化の主要因である正極および負極のリチウムイオンのバランス(電荷バランス)のずれを解決するまでに至らず、容量劣化を抑制する効果の改良が見られないという問題があった。
そこで、本発明は、リチウムイオン二次電池の容量劣化を抑制する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意研究を積み重ねた。その結果、カチオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂層を備えるセパレータを用いたリチウムイオン二次電池が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
イオン交換樹脂層中のカチオン交換樹脂は、予めリチウムイオンと交換されており、電極材料のコンタミ成分となる金属カチオンを捕捉しつつリチウムイオンを放出する。したがって、リチウムイオン二次電池の正負極のリチウムイオンのバランス(電荷バランス)を保つことができ、リチウムイオン二次電池の容量劣化を抑制することができる。
積層型リチウムイオン二次電池の構造を示す断面概略図である。 第1実施形態のセパレータを示す断面概略図である。 第2実施形態のセパレータを示す断面概略図である。 リチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
まず、好ましい実施形態であるリチウムイオン二次電池について説明するが、以下の実施形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
リチウムイオン二次電池の構造・形態で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など特に制限されず、従来公知のいずれの構造にも適用されうる。
また、電池の電極材料または電極間を移動する金属イオンで見た場合にも、特に制限されず、公知のいずれの電極材料等にも適用されうる。例えば、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素電池などが挙げられ、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。これは、リチウムイオン二次電池では、セル(単電池層)の電圧が大きく、高エネルギー密度、高出力密度が達成でき、車両の駆動電源用や補助電源用として優れているためである。
<電池の全体構造>
図1は、扁平型(積層型)のリチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型電池」ともいう)の一実施形態の構造を示す断面概略図である。図1に示すように、本実施形態の積層型電池10aは、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、外装体であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。ここで、発電要素21は、正極集電体11の両面に正極活物質層13が配置された正極と、電解質層17と、負極集電体12の両面に負極活物質層15が配置された負極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの正極活物質層13とこれに隣接する負極活物質層15とが、電解質層17を介して対向するようにして、負極、電解質層および正極がこの順に積層されている。
これにより、隣接する正極、電解質層および負極は、1つの単電池層19を構成する。したがって、図1に示す積層型電池10aは、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。なお、発電要素21の両最外層に位置する最外層負極集電体には、いずれも片面のみに正極活物質層13が配置されているが、両面に活物質層が設けられてもよい。すなわち、片面にのみ活物質層を設けた最外層専用の集電体とするのではなく、両面に活物質層がある集電体をそのまま最外層の集電体として用いてもよい。また、図1とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層負極集電体が位置するようにし、該最外層負極集電体の片面または両面に負極活物質層が配置されているようにしてもよい。
正極集電体11および負極集電体12は、各電極(正極および負極)と導通される正極集電板25および負極集電板27がそれぞれ取り付けられ、ラミネートシート29の端部に挟まれるようにしてラミネートシート29の外部に導出される構造を有している。正極集電板25および負極集電板27は、それぞれ必要に応じて正極リードおよび負極リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体11および負極集電体12に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
図2は、図1に示すリチウムイオン二次電池の電解質層17に用いられているセパレータ(第1実施形態)を示す断面概略図である。図2に示すセパレータ40aは、セパレータの基材42aに挟持されるように、カチオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂層41aが配置されている。前記イオン交換樹脂層に含まれるカチオン交換樹脂は、予めリチウムイオンでイオン交換されている。これにより、前記カチオン交換樹脂は、電極材料に含まれるコンタミ成分となるカチオンを捕捉しつつ、リチウムイオンを放出することができる。よって、リチウムイオン二次電池内の電荷バランスを保つことができ、リチウムイオン二次電池の容量低下を抑制することができる。
また、図2に示すようなセパレータの構造であれば、イオン交換樹脂層と正極および負極とは電気的に絶縁されている。したがって、電極の還元反応によって起こりうるカチオン交換樹脂が捕捉した金属カチオンからの金属の析出や、負極におけるデンドライトの生成を防ぐことができる。
本実施形態のセパレータを、さらに詳細に説明する。
(セパレータ)
[セパレータの基材]
セパレータの基材は、特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、電解質(特に電解液)を吸収保持ないし担持するポリマーからなる多孔性シートセパレータ、不織布セパレータなどを用いることができる。多孔性シートセパレータとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製微多孔膜、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミドなどが挙げられる。不織布セパレータの材質としては、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイミド、またはアラミド樹脂など従来公知のものを用いることができる。セルロース、セラミックからなるセパレータを用いてもよい。
セパレータの基材の1枚の厚さは、5〜200μmであることが好ましい。
[イオン交換樹脂層]
本実施形態のセパレータは、イオン交換樹脂層を備え、前記イオン交換樹脂層は、カチオン交換樹脂を含む。
用いられるカチオン交換樹脂は、特に制限されず、例えば、ポリスチレンスルホン酸系強酸性カチオン交換樹脂、ポリアクリル酸系弱酸性カチオン交換樹脂、ポリメタクリル酸系弱酸性カチオン交換樹脂などが挙げられる。これらカチオン交換樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
また、一般的に、カチオン交換樹脂は、ナトリウムイオンを有するいわゆるNa型と、水素イオンを有するいわゆるH型とに分類されるが、本実施形態ではいずれの型でも用いることができ、Na型とH型とを組み合わせて用いてもよい。
ポリスチレンスルホン酸系強酸性カチオン交換樹脂の具体例としては、例えば、Dowex(登録商標)HCRS、Dowex(登録商標)HCR−W2、Dowex(登録商標)モノスフィアー650C、Dowex(登録商標)マラソンC、Dowex(登録商標)88、Dowex(登録商標)モスフィアー88、Dowex(登録商標)マラソンMSC(以上、ダウ・ケミカル社製);Amberlite(登録商標)IR120B Na、Amberlite(登録商標)IR124 Na、Amberlite(登録商標)200CT Na(以上、ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製);Amberlite(登録商標)252Na、Amberlite(登録商標)252Na、デュオライト(登録商標)C205、デュオライト(登録商標)C20、デュオライト(登録商標)C20LF、デュオライト(登録商標)C20A(以上、Rohm&Hass社製);ダイヤイオン(登録商標)SK1B、ダイヤイオン(登録商標)SK104、ダイヤイオン(登録商標)SK110、ダイヤイオン(登録商標)SK112、ダイヤイオン(登録商標)SK116、ダイヤイオン(登録商標)PK208、ダイヤイオン(登録商標)PK212、ダイヤイオン(登録商標)PK216、ダイヤイオン(登録商標)PK220、ダイヤイオン(登録商標)PK228、ダイヤイオン(登録商標)UBK530、ダイヤイオン(登録商標)UBK550、ダイヤイオン(登録商標)UBK535、ダイヤイオン(登録商標)UBK555(以上、三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
ポリアクリル酸系弱酸性カチオン交換樹脂の具体例としては、Dowex(登録商標)MAC−3、Dowex(登録商標)UPCORE MAC−3(以上、ダウ・ケミカル社製);Amberlite(登録商標)FPC3500(以上、ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製);Amberlite(登録商標)IRC76、デュオライト(登録商標)C433LF、デュオライト(登録商標)C476(以上、Rohm&Hass社製);ダイヤイオン(登録商標)WK40(以上、三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
ポリメタクリル酸系弱酸性カチオン交換樹脂の具体例としては、ダイヤイオン(登録商標)WK10、ダイヤイオン(登録商標)WK11、ダイヤイオン(登録商標)WK100、ダイヤイオン(登録商標)WT01S(以上、三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
これらのうち、より好ましいカチオン交換樹脂は、Dowex(登録商標)HCRS、Amberlite(登録商標)IR120B Na、Amberlite(登録商標)IR124 Na、ダイヤイオン(登録商標)PK228である。
前記カチオン交換樹脂は、予めリチウムイオンでイオン交換しておくが、イオン交換の方法は特に制限されない。例えば、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSOなどのリチウム塩が溶解した溶液に、前記カチオン交換樹脂を、例えば10〜40℃で3〜24時間含浸させる方法が挙げられる。リチウム塩溶液に用いられる溶媒も特に制限されず、例えば、水、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネートなどが挙げられる。
前記カチオン交換樹脂が捕捉するカチオンは、好ましくはマンガンイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、アルミニウムイオン、および鉄イオンからなる群より選択される少なくとも1種である。カチオン交換樹脂がこれらのカチオンを捕捉しつつ、リチウムイオンを放出することにより、セル全体のリチウムイオンのバランス(電荷バランス)を保つことができる。
前記カチオン交換樹脂の平均粒子径は、0.1〜20μmであることが好ましい。前記の範囲であれば、カチオン交換樹脂が表面積の大きい多孔質体を形成する。これにより、イオン伝導度を低下させることなく、コンタミ成分であるカチオンを十分に捕捉でき、また、多量のリチウムイオンを放出することができる。なお、本明細書において、平均粒子径は、粒度分布測定装置で測定した値を採用するものとする。
前記カチオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂層の形成方法は、特に制限されない。例えば、セパレータの基材に対して、カチオン交換樹脂を含むスラリーを塗布し、乾燥することにより、イオン交換樹脂層を形成することができる。イオン交換樹脂層の厚さは、5〜50μmであることが好ましく、10〜40μmであることがより好ましい。
また、前記カチオン交換樹脂のイオン交換容量は、負極容量の10%以上であることが好ましい。かような構成とすることにより、初期充電時に、負極活物質層表面に被膜が形成された際のリチウムイオンの消費を補う、いわゆるプレドープと同様の効果を有しうる。よって、容量劣化の主要因となるリチウムイオンのバランス(電荷バランス)のずれを防ぐように、カチオン交換樹脂が、リチウムイオンの消費分を過剰となることなくセルに供給することができる。前記カチオン交換樹脂のイオン交換容量の上限値は特に制限されないが、負極容量の100%以下であることが好ましい。
なお、一般的に、カチオン交換樹脂のイオン交換容量は、単位体積あたりのイオン交換量(単位:meq/ml)で表されるが、これはすなわち、単位体積当たりの電荷量を表していることになる。一方、負極容量は、一般的に、放電電流(mA)×時間(h)(単位:mAh)で表されるが、これも単位体積当たりの電荷量を表している。よって、単位がmeq/mlで表されているイオン交換容量の値と、単位がmAhで表されている負極容量の値とは、そのまま対照することができる。本明細書では、イオン交換容量および負極容量の単位を統一して、「mAh」で表す。
図3は、第2実施形態のセパレータを示す断面概略図である。図3に示すセパレータ40bは、セパレータの基材42bの正極側にのみ、イオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂層41bが配置されている。かような構造であれば、イオン交換樹脂層と負極とは電気的に絶縁されている。したがって、カチオン交換樹脂が捕捉した金属カチオンからの金属の析出や金属塩の析出を抑制することができ、セパレータの目詰まりを防止することができる。
なお、イオン交換樹脂層は、正極と電気的に絶縁されている位置に配置されてもよい。
以上、第1実施形態のセパレータは、2枚のセパレータの基材に挟持されるように、カチオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂層が配置されている。前記イオン交換樹脂層に含まれるカチオン交換樹脂は、予めリチウムイオンでイオン交換されている。これにより、前記カチオン交換樹脂は、電極材料に含まれるコンタミ成分となるカチオンを捕捉しつつ、リチウムイオンを放出することができる。よって、リチウムイオン二次電池内の電荷バランスを保つことができ、リチウムイオン二次電池の容量低下を抑制することができる。また、かようなセパレータの構造であれば、イオン交換樹脂層と正極および負極とは電気的に絶縁されている。したがって、電極の還元反応によって起こりうるカチオン交換樹脂が捕捉した金属カチオンからの金属の析出や、負極におけるデンドライトの生成を防ぐことができる。
さらに、第2実施形態のセパレータは、セパレータの基材の正極側にのみ、イオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂層が配置されている。かような構造であれば、イオン交換樹脂層と負極とは電気的に絶縁されている。したがって、カチオン交換樹脂が捕捉した金属カチオンからの金属の析出や金属塩の析出を抑制することができ、セパレータの目詰まりを防止することができる。
上記で説明したリチウムイオン二次電池は、セパレータの構成に特徴を有する。以下、その他の主要な構成部材について説明する。
(集電体)
集電体は導電性材料から構成される。集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。例えば、高エネルギー密度が要求される大型の電池に用いられるのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。集電体の厚さについても特に制限はない。集電体の厚さは、通常は1〜100μm程度である。
集電体を構成する材料に特に制限はない。例えば、金属や、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に導電性フィラーが添加された樹脂が採用されうる。具体的には、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、またはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位の観点からは、アルミニウム、ステンレス、銅が好ましい。
また、導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、およびKからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はないが、アセチレンブラック、バルカン、ブラックパール、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、5〜35質量%程度である。
(活物質層)
[正極(正極活物質層)および負極(負極活物質層)]
活物質層13または15は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質層13は、正極活物質を含む。正極活物質としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Co−Mn)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質層15は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料、リチウム合金系負極材料などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料またはリチウム−遷移金属複合酸化物が、負極活物質として用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
各活物質層13、15に含まれるそれぞれの活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1〜20μmである。
正極活物質層13および負極活物質層15は、バインダを含む。
活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、さらに電位窓が非常に広く正極電位、負極電位双方に安定であり活物質層に使用が可能となる。これらのバインダは、1種単独で用いてもよいし、2種併用してもよい。
活物質層中に含まれるバインダ量は、活物質を結着することができる量であれば特に限定されるものではないが、好ましくは活物質層に対して、0.5〜15質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
活物質層に含まれうるその他の添加剤としては、例えば、導電助剤、電解質塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー等が挙げられる。
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
正極活物質層および負極活物質層中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、非水溶媒二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。各活物質層の厚さについても特に制限はなく、電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、各活物質層の厚さは、2〜100μm程度である。
(電解質層)
電解質層13を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系ポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
(最外層集電体)
最外層集電体の材質としては、例えば、金属や導電性高分子が採用されうる。電気の取り出しやすさの観点からは、好適には金属材料が用いられる。具体的には、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属材料が挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性、電池作動電位という観点からは、アルミニウム、銅が好ましい。
(タブおよびリード)
電池外部に電流を取り出す目的で、タブを用いてもよい。タブは最外層集電体や集電板に電気的に接続され、電池外装材であるラミネートシートの外部に取り出される。
タブを構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用のタブとして従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。タブの構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましく、より好ましくは軽量、耐食性、高導電性の観点からアルミニウム、銅などが好ましい。なお、正極タブと負極タブとでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。
正極端子リードおよび負極端子リードに関しても、必要に応じて使用する。正極端子リードおよび負極端子リードの材料は、公知のリチウムイオン二次電池で用いられる端子リードを用いることができる。なお、電池外装材29から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
(電池外装材)
電池外装材29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素(電池要素)を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。
(絶縁部)
絶縁部31は、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止する。また、絶縁部31は、電池内で隣り合う集電体どうしが接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。
絶縁部31を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよい。例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁部31の構成材料として好ましく用いられる。
なお、上記のリチウムイオン二次電池は、従来公知の製造方法により製造することができる。
<リチウムイオン二次電池の外観構成>
図4は、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図4に示すように、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素(電池要素)57は、リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素(電池要素)57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素(電池要素)57は、先に説明した図1に示すリチウムイオン二次電池10の発電要素(電池要素)21に相当するものである。発電要素(電池要素)57は、正極(正極活物質層)13、電解質層17および負極(負極活物質層)15で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、上記リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のものに制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素(電池要素)がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図4に示すタブ58、59の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図4に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
上記リチウムイオン二次電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
1.リチウムイオンでイオン交換したカチオン交換樹脂の作製
強酸性スチレン系カチオン交換樹脂であるダイヤイオン(登録商標)PK228のH型を乾燥させ、乳鉢で粉砕した。その後、粉砕したカチオン交換樹脂を、濃度が1.0MであるLiClO水溶液に入れ、12時間混合させてリチウム置換を行い、リチウムイオンでイオン交換されたカチオン交換樹脂を得た。得られたカチオン交換樹脂のイオン交換容量は20mAh、平均粒子径は5μmであった。
2.セパレータの作製
セパレータの基材としてポリプロピレン微多孔膜(厚さ:10μm)を用意し、この上に上記1.で得られたリチウムイオンでイオン交換したカチオン交換樹脂を含むスラリーを、目付け量2mg/cmとなるように塗布した。その後、60℃で乾燥させ、イオン交換樹脂層を形成した後、その上にポリプロピレン微多孔膜(厚さ:10μm)を置き、イオン交換樹脂層が2枚のポリプロピレン微多孔膜で挟み込まれたセパレータを得た。イオン交換樹脂層の厚さは20μmであった。
3.正極の形成
正極活物質として、スピネル型構造のLiMn(平均粒子径:10μm)85質量%、導電助剤としてアセチレンブラック 9質量%、およびバインダとしてPVdF 6質量%からなる固形分を用意した。この固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、正極スラリーを作製した。
上記正極スラリーを、大きさが68mm×68mmであり、厚さが20μmのアルミニウム箔の両面に、目付け量26.4mg/cmとなるようにコーターで塗布し、乾燥させて正極活物質層を形成した。その後、ローラプレス機により圧延し、正極を完成させた。正極活物質層の厚さは120μmであった。
4.負極の形成
負極活物質として、ハードカーボン(平均粒子径:20μm)92質量%、およびバインダとしてPVdF 8質量%からなる固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるNMPを適量添加して、負極スラリーを作製した。
上記負極スラリーを、大きさが70mm×70mmであり、厚さが10μmのアルミニウム箔の両面に、目付け量9.18mg/cmとなるようにコーターで塗布し、乾燥させて負極活物質層を形成した。その後、ローラプレス機により圧延し、負極を完成させた。負極活物質層の厚さは70μmであった。
5.積層工程
上記で得られた負極、セパレータ、および正極をこの順に積層し、セパレータにエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で1:2に混合した溶媒にLiPFを1Mの濃度で溶解した電解液を1.5ml注入した。次いで、負極および正極にそれぞれ電流取り出し用端子(正極にはアルミニウム端子、負極にはニッケル端子)を接続し、電流取り出し用端子が外部に露出するように発電要素をアルミニウム製のラミネートフィルム中に入れた。ラミネートフィルムの開口部を減圧下で封止して、試験用セルを完成させた。
得られた試験用セルの正極容量は145mAh、負極容量は160mAhであった。
(実施例2)
正極活物質として、層状岩塩型のLiNiO(平均粒子径:10μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用セルを作製した。
(実施例3)
強酸性スチレン系カチオン交換樹脂であるダイヤイオン(登録商標)PK228を乾燥させ、乳鉢で粉砕した。その後、粉砕したカチオン交換樹脂を、濃度が1.0MであるLiPFのジメチルカーボネート溶液に入れ、12時間混合させてリチウム置換を行い、リチウムイオンでイオン交換されたカチオン交換樹脂を得た。得られたカチオン交換樹脂のイオン交換容量は20mAh、平均粒子径は5μmであった。
また、正極活物質として、LiMnの代わりに層状岩塩型のLiCoO(平均粒子径:10μm)を用いた。
上記のカチオン交換樹脂および正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用セルを作製した。
(比較例1)
セパレータとしてポリプロピレン微多孔膜(厚さ:20μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、試験用セルを作製した。
(比較例2)
セパレータとしてポリプロピレン微多孔膜(厚さ:20μm)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、試験用セルを作製した。
(評価)
実施例1〜3および比較例1〜2で得られた試験用セルを用いて、初期充放電試験を行なった後、55℃で2.5V〜4.2Vでサイクル試験を行い、1回目放電容量を100%とした時の300サイクル後の容量維持率を算出した。また、負極電極全体に含まれる金属の定量を、高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)を用いて行った。
評価結果を下記表1に示す。
上記表1から明らかなように、実施例1〜3の二次電池は、比較例1〜2の二次電池と比べて、300サイクル後の容量維持率を高く保つことができた。
また、実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1の負極中のマンガン量は、比較例1の負極中のマンガン量と比べて少ないことが分かった。さらに、実施例3と比較例3とを比較すると、実施例3の負極中のコバルト量は、比較例3の負極中のコバルト量と比べて少ないことが分かった。
10、50 リチウムイオン二次電池、
11、12 集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
25 正極集電板、
27 負極集電板、
29 ラミネートフィルム、
40a、40b セパレータ、
41a、41b イオン交換樹脂層、
42a、42b セパレータの基材、
52 電池外装材、
58 正極タブ、
59 負極タブ。

Claims (6)

  1. 集電体の表面に正極活物質を含む正極活物質層が形成されてなる正極と、集電体の表面に負極活物質を含む負極活物質層が形成されてなる負極と、が電解質を含むセパレータを介して積層されてなる単電池層を含む発電要素を有するリチウムイオン二次電池であって、
    前記セパレータが、予めリチウムイオンとイオン交換したカチオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂層を備える、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記イオン交換樹脂層が、正極および負極と電気的に絶縁されている位置に配置される、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記イオン交換樹脂層が、負極と電気的に絶縁されている位置に配置される、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記予めリチウムイオンとイオン交換したカチオン交換樹脂が、マンガンイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、アルミニウムイオン、および鉄イオンからなる群より選択される少なくとも1種のカチオンとイオン交換しうる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記カチオン交換樹脂の平均粒子径が0.1〜20μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記カチオン交換樹脂のイオン交換容量が、負極容量の10%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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