JP2017021986A - 非水二次電池 - Google Patents

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丈主 加味根
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Abstract

【課題】 生産性が良好であり、負荷特性に優れた非水二次電池を提供する。【解決手段】 正極、負極、セパレータ、および、リチウム塩と有機溶媒とを含有する非水電解液を有しており、前記非水電解液は、前記有機溶媒として、α位に置換基を有するラクトン類を含有しており、前記非水電解液が含有する有機溶媒全量中において、前記α位に置換基を有するラクトン類の含有量が20体積%以上であることを特徴とする非水二次電池により、前記課題を解決する。【選択図】 図1

Description

本発明は、生産性が良好で、負荷特性に優れた非水二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池に代表される非水二次電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源用途をはじめとして、種々の用途に適用されている。そして、こうした用途の広がりを受けて、非水二次電池には、各種の特性の改善が求められている。
非水二次電池の特性を改善する手法の一つに、非水電解液の改良が挙げられる。例えば、特許文献1には、特定のラクトン類を少量含有する非水電解液を用いて、非水二次電池の連続充電特性などを改善する技術が提案されている。
ところで、非水二次電池は、例えば、正極と負極とを、セパレータを介して積層して構成した電極体を外装体に収容し、非水電解液を注入した後に外装体を封止する工程を経て製造される。そのため、前記非水電解液の溶媒としては、使用するセパレータへの浸透性が良好であるものを使用することが望ましい。ところが、ポリオレフィン製多孔質膜などのように汎用されているセパレータに対する浸透性が良好である溶媒は、一般に沸点が低いため、外装体を封止する前の、非水電解液をセパレータに浸透させる過程あるいは予備充電を行う過程において、揮発して外装体の外へ飛散し、非水電解液の組成が変化しやすいという問題を有している。よって、多数の電池を生産した場合には、個々の電池の特性に斑が生じる虞があり、これを防止するために電池の製造環境を整えることが、電池の生産性向上の阻害要因となっていた。
また、非水電解液の溶媒には、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネートなどの常温では揮発し難い高沸点のものも用いられているが、このような高沸点溶媒は、通常の非水二次電池で汎用されているポリオレフィン製のセパレータへの浸透性が低いため、このような溶媒のみを用いて調製した非水電解液を用いると、電池の内部抵抗が増大して、負荷特性などが低下してしまう。
一方、ポリオレフィン製のセパレータのように臨界表面張力の低い樹脂(ポリエチレンの臨界表面張力:31mN/m、ポリプロピレンの臨界表面張力:28mN/m)で構成されたセパレータを表面処理することにより、セパレータの臨界表面張力を例えば43mN/m以上と高くし、プロピレンカーボネートなどの表面張力が高い溶媒(プロピレンカーボネートの表面張力:42.5mN/m)に対する濡れ性を向上させることも提案されているが、セパレータを表面処理するための工程が必要となるため、やはり電池の生産性向上の阻害要因となってしまう。
特開2005−322610号公報 特開2011−198553号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、種々のセパレータに対する浸透性が良好な非水電解液を用いることにより、生産性が良好であり、負荷特性に優れた非水二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水二次電池は、正極、負極、セパレータ、および、リチウム塩と有機溶媒とを含有する非水電解液を有しており、前記非水電解液は、前記有機溶媒として、α位に置換基を有するラクトン類を含有しており、前記非水電解液が含有する有機溶媒全量中において、前記α位に置換基を有するラクトン類の含有量が20質量%以上であることを特徴とするものである。
本発明によれば、生産性が良好であり、負荷特性に優れた非水二次電池を提供することができる。
本発明の非水二次電池の一例を模式的に表す縦断面図である。 本発明の非水二次電池に係る正極の一例を模式的に表す平面図である。 本発明の非水二次電池に係る負極の一例を模式的に表す平面図である。 本発明の非水二次電池に係るセパレータの一例を模式的に表す平面図である。
本発明の非水二次電池は、リチウム塩と有機溶媒とを含有する非水電解液を有している。そして、非水電解液の有機溶媒には、有機溶媒全量中において、α位に置換基を有するラクトン類を20体積%以上の割合で使用する。
前述したように、非水電解液に係る有機溶媒の、非水二次電池の製造途中での揮発を抑制するには、沸点の高い有機溶媒を使用すればよいが、こうした有機溶媒は、一般に、ポリオレフィンなどの臨界表面張力の低い樹脂製のセパレータへの浸透性が低く、このような有機溶媒のみを用いて調製した非水電解液を有する非水二次電池では、内部抵抗が増大して電池本来の特性を十分に引き出し得ない。
一方、臨界表面張力の低い樹脂製のセパレータへの浸透性が高い有機溶媒は、一般に沸点が低いため、電池の組み立て中に揮発して電解液組成が変化しやすく、従来の非水二次電池では、生産性の向上に一定の制限があった。
しかしながら、α位に置換基を有するラクトン類は、150℃以上の高い沸点を有しつつ、臨界表面張力の低い樹脂製のセパレータへの浸透性も良好である。よって、α位に置換基を有するラクトン類を有機溶媒として20体積%以上の割合で使用した非水電解液を用いることにより、電池の製造工程における非水電解液の組成の変化を抑制し、また種々のセパレータに対する浸透性を高めることができるので、非水二次電池の生産性を高めると共に、非水二次電池の内部抵抗の増大を抑制して負荷特性を高めることが可能となる。
α位に置換基を有するラクトン類は、例えば5員環のもの(環を構成する炭素数が4つのもの)が好ましい。また、前記ラクトン類のα位の置換基は、1つであってもよく、2つであってもよい。
前記置換基としては、炭化水素基、ハロゲン基(フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基)などが挙げられる。炭化水素基としては、アルキル基、アリール基などが好ましく、その炭素数は1以上15以下(より好ましくは6以下)であることが好ましい。前記置換基が炭化水素基の場合、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などが更に好ましい。
α位に置換基を有するラクトン類の具体例としては、α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−エチル−γ−ブチロラクトン、α−プロピル−γ−ブチロラクトン、α−ブチル−γ−ブチロラクトン、α−フェニル−γ−ブチロラクトン、α−フルオロ−γ−ブチロラクトン、α−クロロ−γ−ブチロラクトン、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン、α−ヨード−γ−ブチロラクトン、α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジエチル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジフェニル−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α−フェニル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジフルオロ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジクロロ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジブロモ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジヨード−γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非水電解液には、有機溶媒として、α位に置換基を有するラクトン類のみを用いてもよく、また、他の1種以上の有機溶媒をα位に置換基を有するラクトン類と併用してもよい。α位に置換基を有するラクトン類と併用する他の有機溶媒としては、電池製造過程での非水電解液溶媒の揮発による非水電解液の組成の変化をより良好に抑制する観点から、沸点が高いものが望ましく、具体的には、沸点が150℃以上の高沸点溶媒が好ましい。
非水電解液に係る有機溶媒全量中の、α位に置換基を有するラクトン類の割合は、その使用による効果(非水電解液のセパレータへの浸透性を高める効果や、電池製造過程での非水電解液溶媒の揮発による非水電解液の組成の変化を抑制する効果)を良好に確保する観点から、20体積%以上であり、50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましい。なお、前記の通り、非水電解液に係る有機溶媒には、α位に置換基を有するラクトン類のみを用いてもよいため、非水電解液に係る有機溶媒全量中の、α位に置換基を有するラクトン類の好適割合の上限値は、100体積%である。
α位に置換基を有するラクトン類と併用する前記高沸点溶媒は、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、トリエチルフォスフェートおよびスルホランよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、前記高沸点溶媒の割合は、有機溶媒全量中で10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましく、30体積%以上であることが特に好ましい。
また、本発明では、有機溶媒全量中における、α位に置換基を有するラクトン類の割合を20体積%以上とすることにより、非水電解液が、室温での表面張力が37mN/m以上と高い値となる有機溶媒〔例えば、プロピレンカーボネートの表面張力:42.5mN/m、エチレンカーボネート:44.0mN/m、γ−ブチロラクトン:43.9mN/m、ジメチルスルホキシド:43.5mN/m(いずれも20℃での値)など〕を含む場合にも、臨界表面張力の低い樹脂製のセパレータに対し、非水電解液を良好に浸透させることができる。
一方、本発明に係る非水電解液においては、沸点が低い有機溶媒(沸点が150℃未満の低沸点溶媒)をあまり使用しないことが好ましく、例えば、非水電解液に係る有機溶媒全量中の、前記低沸点溶媒の含有量は、20体積%以下であることが好ましく、非水電解液が前記低沸点溶媒を含有していないことがより好ましい。
非水電解液に係るリチウム塩には、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiSbFなどの無機リチウム塩;LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(FSO〔LiFSI〕、LiN(CFSO〔LiTFSI〕、LiN(CSO、LiB(C〔リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)〕などの有機リチウム塩;のうちの1種または2種以上を用いることができる。
これらのリチウム塩の中でも、正極の集電体の素材として通常使用されるアルミニウムの腐食を抑制する機能を有しており、また、耐熱性が高く高温環境下においても電池特性の低下を引き起こし難いことから、LiBFを使用することが好ましい。
更に、LiBOBは負極表面で還元分解して被膜を形成することによって、非水二次電池の電池特性向上に寄与することから、LiBFと共にLiBOBを使用することがより好ましい。
非水電解液におけるリチウム塩の濃度(リチウム塩を複数種使用する場合には、それらの合計濃度)は、0.6mol/l以上であることが好ましく、0.9mol/l以上であることがより好ましく、また、1.8mol/l以下であることが好ましく、1.6mol/l以下であることがより好ましい。
また、リチウム塩にLiBFを使用する場合、LiBFの使用による前記の効果を良好に確保する観点から、非水電解液におけるLiBFの濃度は、0.3mol/l以上であることが好ましく、0.6mol/l以上であることがより好ましい。なお、非水電解液のリチウム塩には、LiBFのみを用いてもよいことから、その濃度は、先に記載したリチウム塩濃度の好適上限値を満たす範囲で設定すればよい。
更に、リチウム塩にLiBFとLiBOBとを併用する場合には、LiBOBの使用による前記の効果を良好に確保する観点から、非水電解液が含有するLiBFとLiBOBとの合計を100mol%としたときに、LiBOBの割合は、1mol%以上であることが好ましく、5mol%以上であることがより好ましい(すなわち、非水電解液が含有するLiBFとLiBOBとの合計を100mol%としたときに、LiBFの割合は、99mol%以下であることが好ましく、95mol%以下であることがより好ましい)。なお、LiBOBは非水電解液溶媒への溶解性が比較的低いため、非水電解液が含有するLiBFとLiBOBとの合計を100mol%としたときに、LiBOBの割合は、18mol%以下であることが好ましく、15mol%以下であることがより好ましい(すなわち、非水電解液が含有するLiBFとLiBOBとの合計を100mol%としたときに、LiBFの割合は、82mol%以上であることが好ましく、85mol%以上であることがより好ましい)。
また、非水電解液には、電池の安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵特性といった特性を更に向上させる目的で、ビニレンカーボネート(VC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)などのハロゲン置換された環状カーボネート、トリエチルホスホノアセテート(TEPA)などのホスホノアセテート類、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼン、プロパンスルトンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
更に、非水電解液は、ポリマーなどの公知のゲル化剤を加えてゲル状(ゲル状電解質)として用いてもよい。
本発明の非水二次電池に係る正極には、例えば、正極活物質、バインダおよび導電助剤などを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用される。
正極合剤層に係る正極活物質については特に制限はなく、リチウム含有遷移金属酸化物などの一般に用いることのできる活物質を使用すればよい。リチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−y、LiMnNiCo1−y−z、LiMnなどが例示される(なお、前記の各構造式中において、0≦x≦1.1、0<y<1、0<z<1である。)。
正極合剤層に係るバインダには、従来から知られている非水二次電池用の正極に係る正極合剤層で使用されているバインダと同じものが使用できる。具体的には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが好ましいものとして挙げられる。
正極合剤層に係る導電助剤としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカ−ボンブラック;炭素繊維;などが挙げられる。
正極は、例えば、正極活物質、バインダおよび導電助剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒などの溶媒に分散させて正極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶媒に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し乾燥して正極合剤層を形成する方法で製造することができる。また、正極合剤層の形成後に、必要に応じてカレンダ処理を施してもよい。
正極に係る集電体には、従来から知られている非水二次電池の正極に使用されているものと同様のものが使用でき、例えば、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好ましい。
正極合剤層の厚み(集電体の両面に正極合剤層が形成されている場合には、片面あたりの厚み。)は、30〜95μmであることが好ましい。また、正極合剤層においては、正極活物質の含有量は85〜98質量%であることが好ましく、バインダの含有量は1〜10質量%であることが好ましく、導電助剤の含有量は1〜10質量%であることが好ましい。
本発明の非水二次電池に係る負極には、例えば、負極活物質やバインダなどを含有する負極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用される。
負極活物質には、従来から知られている非水二次電池の負極に使用されている負極活物質、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を用いることができる。このような負極活物質の具体例としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛;熱分解炭素類、メソフェーズカーボンマイクロビーズ、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;など)、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソフェーズカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料;リチウムと合金化可能な金属(Si、Snなど)や、これらの金属を含む材料(合金、酸化物など);などの粒子が挙げられる。負極には、前記例示の負極活物質のうち、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
負極合剤層に係るバインダには、正極合剤層に使用し得るものとして先に例示した各種バインダと同じものが使用できる。また、負極合剤層に導電助剤を含有させる場合、その導電助剤には、正極合剤層に使用し得るものとして先に例示した各種導電助剤と同じものが使用できる。
負極合剤層を有する負極は、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて導電助剤などをNMPなどの有機溶剤や水といった溶媒に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶媒に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し乾燥して負極合剤層を形成する方法で製造することができる。また、負極合剤層の形成後に、必要に応じてカレンダ処理を施してもよい。
負極合剤層の厚みは、例えば、集電体の片面あたり10〜100μmであることが好ましい。負極合剤層の組成としては、例えば、負極活物質の量が85〜99質量%であることが好ましく、バインダの量が1.0〜10質量%とすることが好ましい。また、負極合剤層に導電助剤を含有させる場合には、負極合剤層中における導電助剤の量は0.5〜10質量%であることが好ましい。
負極の集電体には、銅製や銅合金製、ニッケル製、ニッケル合金製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。負極集電体の厚みは、例えば、5〜30μmであることが好ましい。
本発明の非水二次電池において、前記の負極と前記の正極とは、例えば、セパレータを介して重ね合わせた積層体(積層電極体)や、この積層体を更に渦巻状に巻回した巻回体(巻回電極体)の形態で使用される。
セパレータには、一般に、樹脂製の微多孔フィルムや不織布などを用いることができる。なお、非水二次電池において汎用されているポリオレフィン製のもの(すなわち、ポリオレフィンで構成されているもの)など、臨界表面張力の低い樹脂製のセパレータを用いる場合でも、本発明の非水二次電池では、α位に置換基を有するラクトン類を非水電解液溶媒として用いているため、このセパレータに非水電解液を良好に浸透させることができる。
セパレータを構成するポリオレフィンとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。
また、ポリオレフィン以外の樹脂で構成されたセパレータとしては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、セルロース、ポリフェニレンサルファイドなど、融点が200℃以上か、あるいは融点を持たず分解温度が200℃以上である、耐熱性樹脂で構成されたセパレータを例示することができる。
本発明の非水二次電池の形態については特に制限はなく、外装缶と封口板とをガスケットを介してカシメ封口したり、外装缶と封口板とを溶接して封口したりする電池ケースを有する扁平形(コイン形、ボタン形を含む。以下、同じ。);金属ラミネートフィルムからなる外装体を有するラミネート形;有底筒形の外装缶と封口板とをガスケットを介してカシメ封口したり、外装缶と封口板とを溶接して封口したりする電池ケースを有する筒形〔円筒形、角形(角筒形)〕;など、いずれの形態とすることもできる。
なお、電池製造途中での非水電解液の組成の変化による電池特性の低下は、非水電解液の量が少ない小型の電池や、電解液の注入時に、電解液量に対する開口部の面積の比が大きくなる電池、例えば、扁平形の電池において特に生じやすいため、扁平形電池や、非水電解液の含有量が450μl以下といった小型の電池の場合に、本発明の効果がより顕著に奏される。
本発明の非水二次電池の一例を模式的の表す縦断面図を図1に示す。図1に示す非水二次電池1はコイン形(ボタン形を含む)の形態を有するものである。この非水二次電池1においては、複数の正極5および複数の負極6A、6Bを、セパレータ7を介して、それらの平面が電池の扁平面に略平行(平行を含む)となるように積層した積層電極体と、非水電解液(図示しない)とが、外装缶2、封口板3および絶縁ガスケット4により形成される空間(密閉空間)内に収容されている。封口板3は、外装缶2の開口部に絶縁ガスケット4を介して嵌合しており、外装缶2の開口端部が内方に締め付けられ、これにより絶縁ガスケット4が封口板3に当接することで、外装缶2の開口部が封口されて電池内部が密閉構造となっている。外装缶2および封口板3は、ステンレス鋼などの金属製であり、絶縁ガスケット4は、PPなどの絶縁性を有する樹脂製である。
図1の電池では、外装缶2が正極端子を兼ね、封口板3が負極端子を兼ねているが、本発明の電池においては、例えば電極体の構成に応じて、外装缶が負極端子を兼ね、封口板が正極端子を兼ねていてもよい。
非水二次電池1が有する積層電極体では、負極6A、6Bと正極5とが、セパレータ7を介して交互に積層されている。積層電極体の上下両端に配されている負極6Bは、負極集電体62の片面に負極合剤層61を有しており、その他の箇所に配されている負極6Aは、負極集電体62の両面に負極合剤層61を有している。また、正極5も、正極集電体52の両面に正極合剤層51を有している。
積層電極体を構成する全ての正極5からは正極タブ部5bが引き出されており、全ての正極タブ部5bは、溶接などにより一体化した上で外装缶2の内面に溶接されるなどして電気的に接続している。
また、積層電極体を構成する全ての負極6A、6Bからは負極タブ部6bが引き出されており、全ての負極タブ部6bは、溶接などにより一体化している。そして、図中上側の負極6Bの負極集電体62の露出面が、封口板3の内面と接することで、全ての負極6A、6Bが、封口板3と電気的に接続している。
図中下側の負極6Bの負極集電体62の露出面と、外装缶2の内面との間には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミドなどで形成されたテープなどからなる絶縁シール8が配されている。
なお、図1は、本発明の非水二次電池の一例を模式的に表すものであって、本発明の非水二次電池は、前記の通り、図1に示されるコイン形のものに限定される訳ではなく、また、非水二次電池が有する電極体の構成および構造も、図1に示されるものに限定される訳ではない。
本発明の非水二次電池は、生産性が良好であり、かつ内部抵抗が低く、例えば負荷特性が優れていることから、こうした特性が要求される用途をはじめとして、従来から知られている非水二次電池が適用されている用途と同じ用途に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質としてLiCoOを、導電助剤としてカーボンブラックを、バインダとしてPVDFを、それぞれ用いて正極を作製した。まず、LiCoO:93質量部とカーボンブラック:3質量部とを混合し、得られた混合物とPVDF:4質量部を予めNMPに溶解させておいたバインダ溶液とを混合して正極合剤含有ペーストを調製した。得られた正極合剤含有ペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面にアプリケータにより塗布した。なお、正極合剤含有ペーストの塗布に際しては、塗布部と未塗布部とが5cmおきに連続するように、かつ表面で塗布部とした箇所は、裏面でも塗布部となるようにした。続いて、塗布した正極合剤含有ペーストを乾燥して正極合剤層を形成し、その後、ロールプレスし、所定の大きさに切断して、帯状の正極シートを得た。なお、この正極シートは、幅を40mmとし、正極合剤層形成部の厚みが140μmとなるようにした。
前記の帯状の正極シートを、正極合剤層形成部が本体部(円弧の部分の直径15.1mm)となり、正極合剤層未形成部が正極タブ部(幅3.5mm)となるように打ち抜いて正極を得た。図2に、打ち抜き後の正極を模式的に表す平面図を示す。正極5は、集電体の両面に正極合剤層51を形成している本体部5aと、本体部5aから突出した幅狭の正極タブ部5bとを有している。
<負極の作製>
負極活物質として黒鉛を、バインダとしてPVDFを、それぞれ用いて負極を作製した。黒鉛:94質量部とPVDF:6質量部を予めNMPに溶解させておいたバインダ溶液とを混合して、負極合剤含有ペーストを調製した。得られた負極合剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の片面または両面にアプリケータにより塗布した。なお、負極合剤含有ペーストの塗布に際しては、塗布部と未塗布部とが5cmおきに連続するように、かつ集電体の両面に塗布したものでは、表面で塗布部とした箇所は、裏面でも塗布部となるようにした。続いて、塗布した負極合剤含有ペーストを乾燥して負極合剤層を形成し、その後、ロールプレスし、所定の大きさに切断して、帯状の負極シートを得た。なお、この負極シートは、幅を40mmとし、負極合剤層形成部の厚みを、集電体の両面に形成したものでは190μm、集電体の片面に形成したものでは100μmとなるようにした。
前記の帯状の負極シートを、負極合剤層形成部が本体部(円弧の部分の直径16.3mm)となり、負極合剤層未形成部が負極タブ部となるように打ち抜いて、集電体の片面に負極合剤層を有する負極と、集電体の両面に負極合剤層を有する負極とを得た。なお、集電体の片面に負極合剤層を有する負極のうち、外装缶側に配置される負極については、前記の帯状の負極の集電体の露出面に、厚みが100μmのPETフィルム(絶縁シール)を貼り付けた後に打ち抜いた。図3に、打ち抜き後の負極を模式的に表す平面図を示す。負極6A、6Bは、集電体の両面に負極合剤層61を形成しているか(負極6A)、または集電体の片面に負極合剤層61を形成している本体部6aと、本体部6aから突出した幅狭の負極タブ部6bとを有している。
<非水電解液の調製>
α−メチル−γ−ブチロラクトン(MBL)とプロピレンカーボネート(PC)との体積比が52:48の混合溶媒に、電解質であるリチウム塩として、LiBFとLiB(C〔LiBOB〕とを、それぞれ1mol/lおよび0.03mol/lとなる濃度で溶解し、更に、ビニレンカーボネート(VC)を5質量%添加した非水電解液を作製した。
<正極とセパレータとの一体化>
図4に、本実施例で使用したセパレータを模式的に表した平面図を示す。前記の正極の両面に、図4に示す形状のポリエチレン製微多孔フィルム(厚み16μm)を配置し、両セパレータの主体部の周縁部の一部と張り出し部の一部とを加熱プレス(温度170℃、プレス時間2秒)により溶着し、2枚のセパレータに係る主体部の周縁部の一部および張り出し部の周縁部の一部に接合部を形成して、正極とセパレータとを一体化した。
図4では、セパレータ7とともに、正極、負極およびセパレータが積層された積層電極体とした場合を想定して、セパレータ7の下に配置される正極5を点線で示し、それらの更に下側に配置される負極に係る集電タブ部6bを一点鎖線で示し、積層電極体に係る各構成要素の位置ずれを抑えるための結束テープ9を二点鎖線で示している。また、図4に示す正極5は、積層電極体において、その両側(両面)が一体化されたセパレータ7を介して負極と対向するものであり、図4では図示していないが、積層電極体とした状態では、セパレータ7の上側(図中手前方向)に負極を配置する。
図4に示すセパレータ7は、正極5(図中点線で表示)を介してその下側(図中奥行き方向)に配置される他のセパレータと、その周縁部において互いに溶着した接合部7c(図中、格子模様で表示)を有している。すなわち、セパレータ7と、その下側に配置されたセパレータとは、周縁部で互いに溶着されて袋状となっており、その内部に正極5を収容することで、正極とセパレータとが一体化している。
なお、図4に示すセパレータ7は、正極5の本体部5a全面を覆う主体部7a(すなわち、正極5の本体部5aよりも平面視での面積が大きな主体部7a)と、主体部7aから突出し、正極5の集電タブ部5bの、本体部5aとの境界部を少なくとも含む部分を覆う張り出し部7bとを有している。そして、セパレータ7の主体部7aの周縁部の少なくとも一部に、正極5の両面に配置された2枚のセパレータ(セパレータ7と、正極5の下側に配置されたセパレータ)同士を互いに溶着した接合部7cを設けている。また、主体部7aの周縁部の一部は、セパレータ同士を溶着せずに非溶着部7d、7dとして残している。
なお、本実施例において、2枚のセパレータに係る接合部の幅は、主体部、張り出し部とも0.3mmとし、張り出し部の周縁部における主体部からの突出方向の長さは0.5mmとした。また、2枚のセパレータの主体部の外縁のうち、90%の長さ部分を接合部とした。
<電池の組み立て>
前記のセパレータと一体化した正極3枚と、集電体の両面に負極合剤層を形成した負極2枚と、集電体の片面に負極合剤層を形成した負極2枚(このうち1枚は、集電体の露出面にPETフィルムを貼り付けたもの)とを用い、集電体の片面に負極合剤層を形成した負極が最外部の電極になるように、正極と負極とを交互に重ね、全体を結束テープで固定して積層電極体とした。
積層電極体の一方の両側に出ている各正極の正極タブ部と、その反対側に出ている各負極の負極タブ部を、それぞれ纏めて溶接して一体化した後、積層電極体の負極のPETフィルムが外装缶(正極端子)の内面と対向するようにして、積層電極体を外装缶内に入れ、一体化した各正極の正極タブ部を外装缶の内面に溶接した。
次に、封口板(負極端子)に絶縁ガスケットを装着し、前記非水電解液を90mg(70μl)注入した後、電極体を収容した外装缶を被せ、周囲をかしめて、直径20mm、厚み1.6mmで、正極とセパレータとが一体化していることを除いて図1に示すものと同様の構造のコイン形非水二次電池を得た。なお、前記のコイン非水二次電池は、電流値6mAでの放電で、放電容量が30mAhとなるように設計したものである(後記の各実施例および比較例の電池も同様である)。
実施例2
非水電解液の調製において、MBLとPCとの体積比が68:32の混合溶媒を用い、VCを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
実施例3
非水電解液の調製において、MBLとPCとの体積比が68:32の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
実施例4
非水電解液の調製において、VCに代えてプロパンスルトン(PS)を5質量%添加した以外は、実施例3と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
実施例5
非水電解液の調製において、MBLとPCとの混合溶媒に代えてMBLのみを溶媒として用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
実施例6
非水電解液の調製において、MBLとPCとエチルメチルカーボネート(EMC)との体積比が69:22:9の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
実施例7
セルロース製の不織布(厚み20.3μm、空孔率69%)をセパレータに用いた以外は、実施例3と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
実施例8
<正極の作製>
実施例1で調製した正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス処理を施して正極合剤層を形成し、正極シートを得た。得られた正極シートの正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり60μmであった。その後、得られた正極シートを切断することにより、正極合剤層の形成部分が幅105mm、長さ200mmであり、更に正極タブとなる正極集電体の露出部を有する正極を得た。
<負極の作製>
実施例1で調製した負極合剤含有ペーストを、厚みが10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス処理を施して負極合剤層を形成し、負極シートを得た。得られた負極シートの負極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり60μmであった。その後、得られた負極シートを切断することにより、負極合剤層の形成部分が幅110mm、長さ205mmであり、更に負極タブとなる負極集電体の露出部を有する負極を得た。
<電池の組み立て>
前記の正極20枚と、前記の負極21枚とを、セパレータ(厚みが25μmのポリエチレン製微多孔フィルム)を介して積層し、積層電極体とした。なお、積層電極体の両端は、いずれも負極となるように積層した。次に、前記の積層電極体の各々の正極タブを重ねて正極外部端子(長さ30mm、幅20mm、厚み0.2mmのアルミニウム板)に超音波溶接し、また、前記の積層電極体の各々の負極タブを重ねて負極外部端子(長さ30mm、幅20mm、厚み0.2mmの銅板)に超音波溶接した。さらに、ポリエステルフィルム/アルミニウムフィルム/変性ポリオレフィンフィルムからなる厚み150μmの三層構造の2枚の金属ラミネートフィルム(矩形で、サイズ130mm×230mm)を用意し、前記変性ポリオレフィンフィルムが内側になるようにして前記積層電極体を間に挟んで重ね、前記正極外部端子および前記負極外部端子の一部が、金属ラミネートフィルムの同一辺から突出するようにして、重ねた金属ラミネートフィルムの3辺を熱シールして封止し、外装体を形成した。これを70℃で15時間真空乾燥した後、ラミネートフィルム外装体の封止していない一辺から、実施例3で調製したものと同じ非水電解液を注入し、減圧状態で前記の一辺を熱シールして、ラミネート形非水二次電池を作製した。なお、ラミネートフィルム外装体の熱シールの幅は、10mmとした。
比較例1
非水電解液の調製において、MBLとPCとの体積比が10:90の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
比較例2
非水電解液の調製において、MBLとPCとの混合溶媒に代えてPCのみを溶媒として用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
比較例3
非水電解液の調製において、MBLとPCとの混合溶媒に代えてγ−ブチロラクトン(GBL)のみを溶媒として用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
比較例4
非水電解液の調製において、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比が30:70の混合溶媒を用いた以外は、実施例1と同様にしてコイン形非水二次電池を作製した。
実施例および比較例の各非水二次電池に係る非水電解液の構成を表1に示す。なお、表1において、「リチウム塩」の欄の値は非水電解液中の濃度(mol/L)を意味しており、「溶媒」の欄の値は溶媒全量中の含有量(体積%)を意味しており、「添加剤」の欄の値は非水電解液全量中の含有量(質量%)を意味している。
Figure 2017021986
非水電解液組成の安定性評価、並びに非水二次電池の負荷特性評価および高温充放電サイクル特性評価を、以下の方法で実施した。
<非水電解液組成の安定性評価>
実施例1、実施例3および比較例4で調製したものと同じ非水電解液を、電池の作製に使用したものと同じ封口板に注入した。その後、外装缶による封止を行わずに、注入された非水電解液を回収して溶媒の組成を分析し、溶媒の組成変化を調べた。
また、実施例8で使用したものと同じ2枚の金属ラミネートフィルムのみを重ね、その3辺を熱シールして封止することにより外装体を形成し、外装体の封止していない一辺から、実施例1、実施例3および比較例4で調製した非水電解液をそれぞれ注入し、減圧状態で前記の一辺を熱シールして、外装体内部に電解液を封入した。
次いで、外装体内部の非水電解液を回収して溶媒の組成を分析し、溶媒の組成変化を調べた。
実施例1および実施例3に係る非水電解液では、コイン形電池の封口板に注入した後の電解液、および金属ラミネートフィルムの外装体に注入した後の電解液は、いずれも、ほぼ元の溶媒構成を維持していた。
一方、比較例4に係る非水電解液では、コイン形電池の封口板に注入した後の電解液は、DECの割合が4体積%減少し、金属ラミネートフィルムの外装体に注入した後の電解液は、DECの割合が3体積%減少しており、いずれも、低沸点溶媒であるDECの揮発により溶媒構成が変化していることが認められた。
以上の結果から、実施例1および実施例3の電池は、比較例4の電池に比べて、製造工程における非水電解液の組成変化を抑制し、生産性を向上させることが可能であることがわかる。
<非水二次電池の負荷特性評価>
実施例1〜8および比較例1〜4の各非水二次電池について、室温(25℃)で、1Cの電流値で4.2Vになるまで定電流充電を行い、引き続いて電流値が0.1Cになるまで4.2Vで定電圧充電を行った後、2.5Vになるまで0.2Cの定電流放電を行い、標準容量を測定した。
次に、前記と同様の条件で充電を行った後、2.5Vになるまで2Cの定電流放電を行って高率放電容量を測定し、標準容量に対する割合を「放電容量維持率」として求め、各電池の負荷特性を評価した。
<高温充放電サイクル特性評価>
実施例1〜8および比較例1〜4の各非水二次電池について、85℃の環境下で、1Cの電流値で4.2Vになるまで定電流充電を行い、引き続いて電流値が0.1Cになるまで4.2Vで定電圧充電を行った後、2.5Vになるまで定電流放電を行う一連の操作を1サイクルとして、50サイクルの充放電を実施し、その間の短絡の有無を調べた。
前記の負荷特性評価および高温充放電サイクル特性評価の結果を表2に示す。なお、表2において、高温充放電サイクル特性評価については、短絡を生じなかったものを○、短絡を生じたものを×で表している。
Figure 2017021986
表2に示す通り、溶媒の構成が適正な非水電解液を使用した実施例1〜8の非水二次電池は、負荷特性評価時の放電容量維持率が高く、優れた負荷特性を有していた。また、実施例1〜8の非水二次電池は、高温充放電サイクル特性評価時に短絡が認められず、高温充放電サイクル特性も良好であった。
これに対し、ポリオレフィン製のセパレータに浸透し難い高沸点溶媒のみで非水電解液の溶媒を構成した比較例2および3の電池や、非水電解液の溶媒としてMBLを含有していても、その含有割合が少なすぎる比較例1の電池は、非水電解液のセパレータへの浸透性が悪く、電池の内部抵抗が大きくなったため、負荷特性評価時の放電容量維持率が低く、負荷特性が劣っていた。
また、低沸点溶媒であるDECを70体積%の割合で含有する非水電解液を用いた比較例4の電池は、非水電解液のセパレータへの浸透性が良好であり、優れた負荷特性を示したものの、前述のように、製造工程中で電解液組成が変化しやすいという問題を有しており、また、高温充放電サイクル特性も劣っていた。
1 非水二次電池
2 外装缶
3 封口板
4 絶縁ガスケット
5 正極
51 正極合剤層
52 正極集電体
5b 正極タブ部
6A、6B 負極
61 負極合剤層
62 負極集電体
6b 負極タブ部
7 セパレータ
8 絶縁シール

Claims (8)

  1. 正極、負極、セパレータ、および、リチウム塩と有機溶媒とを含有する非水電解液を有する非水二次電池であって、
    前記非水電解液は、前記有機溶媒として、α位に置換基を有するラクトン類を含有しており、
    前記非水電解液が含有する有機溶媒全量中において、前記α位に置換基を有するラクトン類の含有量が20体積%以上であることを特徴とする非水二次電池。
  2. 前記非水電解液は、前記リチウム塩として、LiBFを含有している請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 前記非水電解液は、前記リチウム塩として、リチウムビスオキサレートボレートを更に含有している請求項2に記載の非水二次電池。
  4. 前記非水電解液が含有するLiBFとリチウムビスオキサレートボレートとの合計量を100mol%としたとき、LiBFの割合が82〜99mol%である請求項3に記載の非水二次電池。
  5. 前記非水電解液におけるLiBFの濃度が、0.3mol/l以上である請求項2〜4のいずれかに記載の非水二次電池。
  6. 前記非水電解液は、前記有機溶媒として、沸点が150℃以上の高沸点溶媒を、前記α位に置換基を有するラクトン類と共に含有している請求項1〜5のいずれかに記載の非水二次電池。
  7. 前記高沸点溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、トリエチルフォスフェートおよびスルホランよりなる群から選択される少なくとも1種を、前記α位に置換基を有するラクトン類と共に含有している請求項6に記載の非水二次電池。
  8. コイン形の形態を有している請求項1〜7のいずれかに記載の非水二次電池。
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