JP2016072119A - リチウム二次電池 - Google Patents

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貴子 西田
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祐介 中村
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Ryongtae Han
龍太 韓
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Haruki Kamizori
春樹 上剃
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Abstract

【課題】 サイクル特性と、更に貯蔵特性が良好なリチウム二次電池を提供する。【解決手段】 角型缶、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を用いたリチウム二次電池であって、 正極と負極とは、セパレータを介在させつつ重ね合わせて渦巻状に巻回され、正極はCo及び/またはMnを含むリチウム含有酸化物を含有し、非水電解液は所定量のルイス酸と反応して重合する化合物とLiPF6を含有し、非水電解液は、放電容量に対し1.3〜4.0g/Ahであるリチウム二次電池。【選択図】 なし

Description

本発明は、高容量で充放電サイクル特性および安全性が良好なリチウム二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノート型パソコンなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型軽量で、かつ高容量のリチウム二次電池が必要とされるようになってきた。
こうした小型化・軽量化を図ったリチウム二次電池としては、例えば、正極と負極とを、セパレータを介在させつつ重ね合わせて渦巻状に巻回し、更に横断面が扁平状になるように成形した扁平状巻回電極体を、角形(角筒形)の外装缶や金属ラミネートフィルムで構成されるラミネートフィルム外装体のような薄型の外装体(電池ケース)内に収容した構造のものが挙げられる。
ところが、このようなリチウム二次電池においては、巻回構造であるために、例えば電池の充放電の過程で電極が膨張収縮され、巻回構造に歪みが生じてしまうことがある。そして、その歪みが正極と負極との対向状態にずれを生じさせる原因となり、ひいてはそれがサイクル特性や貯蔵時の電池膨れなどに影響を与えてしまう。
そこで、電解質としてゲル電解質を用いることにより、機械的強度の向上や、サイクル特性や安全性を高める技術が開発されてきた(特許文献1、2)。
特開2005−310445 WO2011/004483
ところで、サイクル特性・貯蔵特性の向上を図るために、電池の外装体内になるべく多くの非水電解質(非水電解液)を注入する要望がある。これは、充放電を繰り返すうちに何らかのきっかけで活物質と非水電解液が反応して、消費されることで非水電解液が減ってしまい、サイクル特性・貯蔵特性が低下するのを予防するためである。つまり、あらかじめ消費されることを見込んで非水電解液を多く入れておくことで液枯れによる特性低下を解決しようとしている。
しかしながら、電池を使用する電子機器との関係で二次電池の外装体積は限られているし、特に外装体に有底筒型の金属缶(一般に筒型電池、角型電池と呼ばれる)を用いた場合は、金属缶の容積も限られる。内部の部材の体積を減らす(例えば集電体やセパレータの厚みを小さくする)などの対策も考えられるが、内部部材の物理的強度の低下も懸念される。
本発明は、サイクル特性と、更に貯蔵特性が良好なリチウム二次電池を提供する。
本発明に関わるリチウム二次電池は、外装体、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を用い、正極と負極とは、セパレータを介在させつつ重ね合わせて渦巻状に巻回され、正極は正極活物質を少なくとも有しており、正極活物質はCo及び/またはMnを含むリチウム含有酸化物を含有し、記非水電解液は、下記一般式(1)で表わされる化合物とLiPFを含有し、
Figure 2016072119
(ただし、nは1800<n<3000を満たし、mは350<m<600を満たす。)
前記一般式(1)の化合物は前記非水電解液全量に対して0.5質量%〜10.0質量%であり、前記非水電解液は、放電容量に対し1.3〜4.0g/Ahであるリチウム二次電池である。
本発明によれば、サイクル特性と、貯蔵特性が良好なリチウム二次電池を提供することができる。
本発明のリチウム二次電池の一例を模式的に表す部分縦断面図である。 図1の斜視図である。
本発明のリチウム二次電池では、下記一般式(1)で表わされる化合物を含む非水電解液を用いる。
Figure 2016072119
(ただし、nは1800<n<3000を満たし、mは350<m<600を満たす。)
特に高温下でのサイクル特性・貯蔵特性が低下する原因として以下の事が考えられる。電池内に不可避的に持ち込まれる水分と、LiPFとが反応して、フッ化水素(HF)が発生し、このHFが正極活物質中に含まれるCoやMnを溶出させ、正極活物質が劣化して放電容量が低下し、更にこの時に非水電解液と正極活物質とが反応してガス発生が起こり、非水電解液も消費されていると考えられる。
ところが、本願のように上記一般式(1)で表わされる化合物を含む非水電解液を用いると、この一般式(1)の化合物はHFを消費して重合反応を起こすため、ひいては電池内のHFの減少につながり、正極活物質の劣化が防止できる。
一般式(1)の化合物は、HFといったルイス酸と反応して重合反応を引き起こす性質がある。そのため、リチウム二次電池の製造過程で注液を行う時点では、粘度の低い非水電解液の状態で、電池内へ注液を行うことが出来る。その後、初回の充放電がなされて、初めてHFと反応し一般式(1)の化合物が重合され非水電解液が粘度の高い状態、つまりゲル状になる。そのため、例えば注液孔が小さな角型電池のようなリチウム二次電池であっても、粘度の低い状態の非水電解液を注液することになるので、外装体への注液性も保ちつつ、ゲル状になった後の非水電解液は漏液しにくくなるので安全性の向上につながる。
そして、初回の充放電がなされて非水電解液がゲル状になることで電極とセパレータが密着し、巻回体が歪み難くなるため高温貯蔵を行っても膨れにくいリチウム二次電池とすることが出来る。更に、巻回体の歪みを抑えることによって、充放電を繰り返しても正極・負極の対向が保たれるため、サイクル特性の向上につながる。更に、電極とセパレータが密着することで、熱によるセパレータの収縮を抑制することも出来る。
上述のような効果を得るために、一般式(1)の化合物の含有量は、非水電解液中0.5質量%以上であり、好ましくは1.0質量%以上である。また、10.0質量%以下であり、好ましくは8.0、より好ましくは5.0質量%以下である。
本願のように、一般式(1)の化合物を適量含有した非水電解液を用い、更に電池容量に対して特定の液量を注液することによって、電池容量を向上させることが出来ることが、明らかになった。
上述した通り、従来では非水電解液の消費を見込んで電池内の非水電解液を増量しようとしていた。しかしながら、本願発明者の検討により、上述の構成を取るリチウム二次電池は、ただ余剰分の非水電解液を増量するのではなく、電池容量に対して最適な量の非水電解液を用いることにより、サイクル特性・貯蔵特性が向上することを初めて見出した。
本願で言うところの電池容量とは、電池の充電上限電圧から2.75Vまでの放電容量を指している。この放電容量は、例えば電池の充電上限電圧が4.4Vの場合はLi電位に対して4.5Vから2.5Vまでの、単位重量あたりの正極活物質の放電容量から算出された設計容量である。本願発明はこの電池容量を元に非水電解液量を決定する。
電池容量に対して、一般式(1)の化合物を所定の濃度含有する非水電解液を、1.3g/Ah以上用い、好ましくは1.8g/Ah以上である。また、4.0g/Ah以下であり、好ましくは2.3g/Ah以下である。
この範囲で非水電解液を用いると、高温貯蔵下で余剰分の非水電解液のガス発生源ならず、イオン伝導を阻害して抵抗が増加するのを抑制することが出来る。
また、本願で規定する非水電解液量は、従来と比べて比較的少量となる。これは電池内のHFの減少によって非水電解液が無駄に消費されてしまうのを防ぐことが出来るためと考えられる。
そして、元々ゲル状の非水電解液は漏液自体が起こりにくい上で、更に液自体が少量になるため、電池の外装体の破損が起こっても、更に漏液を防ぐことができる。
さらに、外装体を角型缶にすることで、膨れや巻回体の歪みを防ぐことができる。
また、ラミネートセルの場合、捲回体に対して拘束力が弱く歪みにくいが、角型缶の場合、拘束力が強いため、捲回体の内周部分に歪みが生じやすい。電解液をゲル化することによって、電極とセパレータの密着性が増し、捲回体の厚みが薄くなるため、缶と捲回体の間に空隙が生じる。これにより捲回体に対する応力が軽減するため、缶の変形と捲回体の歪みを同時に抑制できるのではないかと考えられる。
本発明では、非水電解液に係るリチウム塩としては、LiPFを含む。LiPFは、解離度が高く、Liイオンの輸送率が高い、最も汎用性の高いリチウム塩である。LiPF以外に、LiClO、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO3(n≧2)、などの他のリチウム塩を本願発明の効果を阻害しない程度に含んでいても良い。非水電解液中のリチウム塩の濃度としては、0.6〜1.8mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.6mol/lとすることがより好ましい。
本発明の非水電解液としては、例えば、下記の非水系溶媒中に、上記の一般式(1)で表わされる化合物を溶解させることで調製した溶液(非水電解液)を所定量(上述)使用する。
溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ-
BL)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテルなどの非プロトン性有機溶媒を1種単独で、または2種以上を混合した混合溶媒として用いることができる。
リチウム二次電池に使用する非水電解液には、充放電サイクル特性の更なる改善や、高温貯蔵性や過充電防止などの安全性を向上させる目的で、1,3−ジオキサン、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン等のフッ素化カーボネート、無水酸、スルホン酸エステル、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤(これらの誘導体も含む)を適宜加えることもできる。
ビニレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含有すると、充放電サイクル特性を更に向上させることが出来る。これらの非水電解液中の含有量は、それぞれ0.1〜5.0質量%、0.05〜5.0質量%が好ましい。
本発明のリチウム二次電池に係る正極としては、少なくとも正極活物質を含むが、例えば、正極活物質を含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に形成したものが挙げられる。正極合剤層は、正極活物質の他に、結着剤や、必要に応じて導電助剤を含有しており、例えば、正極活物質および結着剤(更には導電助剤)などを含む混合物(正極合剤)に、適当な溶剤を加えて十分に混練して得られる正極合剤含有組成物(スラリーなど)を、集電体表面に塗布し乾燥することで、所望の厚みとしつつ形成することができる。また、正極合剤層形成後の正極には、必要に応じてプレス処理を施して、正極合剤層の厚みや密度を調節することもできる。
本発明では正極活物質として、Coおよび/またはMnを含むリチウム含有酸化物を含むことを前提としているが、これらの元素を含む従来から知られているリチウム二次電池用の正極活物質を使用することが出来る。このような正極活物質の具体例としては、例えば、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnやその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などが挙げられる。前記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOなどの他、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6など)などを例示することができる。
特に、リチウム二次電池を、その使用に先立って、通常よりも高い終止電圧で充電するような場合には、高電圧に充電された状態での正極活物質の安定性を高めるために、前記例示の各種活物質が、更に安定化元素を含んでいることが好ましい。このような安定化元素としては、例えば、Mg、Al、Ti、Zr、Mo、Snなどが挙げられる。
正極活物質には、上記のようなCoおよび/またはMnを含むリチウム含有酸化物のみを使用することができるが、Coおよび/またはMnを含むリチウム含有酸化物と他の正極活物質とを併用することもできる。
Coおよび/またはMnを含むリチウム含有酸化物と併用し得る他の正極活物質としては、例えば、LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物;Li4/3Ti5/3などのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物;LiFePOなどのオリビン構造のリチウム含有金属酸化物;前記の酸化物を基本組成とし各種元素で置換した酸化物;などが挙げられる。
ただし、前記の効果をより良好に確保する観点からは、正極合剤層が含有する正極活物質全量中の、Coおよび/またはMnを含むリチウム含有酸化物の含有量が、50質量%以上であることが好ましい。
正極合剤層における正極活物質の含有量は、94〜98質量%であることが好ましい。
正極の導電助剤には、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカ−ボンブラック類;炭素繊維;などの炭素材料を用いることが好ましく、また、金属繊維などの導電性繊維類;フッ化カーボン;アルミニウムなどの金属粉末類;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などを用いることもできる。
正極合剤層における導電助剤の含有量は、1〜5質量%であることが好ましい。
正極の結着剤としては、例えば、アクリロニトリル、アクリル酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシルなど)およびメタクリル酸エステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなど)よりなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを含む2種以上のモノマーにより形成されるコポリマー;水素化ニトリルゴム;PVDF;フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレンコポリマー(VDF−TFE);フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(VDF−HFP−TFE);フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(VDF−CTFE);などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
正極合剤層におけるバインダの含有量は、0.4〜3.5質量%であることが好ましい。
正極は、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)や水などの溶剤に分散させてペースト状やスラリー状の正極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶剤に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダー処理などのプレス処理を施す工程を経て製造することができる。ただし、正極は、前記の方法で製造されたものに限定される訳ではなく、他の方法で製造したものであってもよい。
正極集電体には、アルミニウム製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、アルミニウム箔が用いられる。正極集電体の厚みは、10〜30μmであることが好ましい。
また、正極には、必要に応じて、リチウム二次電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、40〜90μmであることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、非水電解液およびセパレータを有しており、非水電解液、正極について前記のものを使用していればよく、その他の構成および構造については特に制限はなく、従来から知られているリチウム二次電池で採用されている各種構成および構造を適用することができる。
リチウム二次電池に係る負極には、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて導電助剤を含有する負極合剤からなる負極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、リチウムと合金化可能な金属(Si、Snなど)またはその合金、酸化物などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。
また、負極のバインダおよび導電助剤には、正極に使用し得るものとして先に例示したものと同じものが使用できる。
負極は、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて使用される導電助剤を、NMPや水などの溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶剤に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダー処理を施す工程を経て製造される。ただし、負極は、前記の製造方法で製造されたものに限定される訳ではなく、他の方法で製造されたものであってもよい。
また、負極には、必要に応じて、リチウム二次電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
負極合剤層の厚みは、例えば、集電体の片面あたり10〜100μmであることが好ましい。また、負極合剤層の組成としては、例えば、負極活物質を80.0〜99.8質量%とし、バインダを0.1〜10質量%とすることが好ましい。更に、負極合剤層に導電助剤を含有させる場合には、負極合剤層における導電助剤の量を0.1〜10質量%とすることが好ましい。
負極の集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
リチウム二次電池に係るセパレータには、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常のリチウム二次電池などで使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。
セパレータの厚みは、例えば、10〜30μmであることが好ましい。
また、前記の微多孔膜の表面に、耐熱性の無機フィラーを含有する耐熱性の多孔質層を形成した積層型のセパレータを用いてもよい。このような積層型のセパレータを用いた場合には、電池内の温度が上昇してもセパレータの収縮が抑制されて、正極と負極との接触による短絡を抑えることができるため、より安全性の高いリチウム二次電池とすることができる。耐熱性の多孔質層に含有させる無機フィラーとしては、ベーマイト、アルミナ、シリカなどが好ましく、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。
また、耐熱性の多孔質層には、前記の無機フィラー同士を結着したり、耐熱性の多孔質層と微多孔膜とを接着したりするためのバインダを含有させることが好ましい。バインダには、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などを用いることが好ましく、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。
セパレータ(ポリオレフィン製の微多孔膜からなるセパレータや、前記積層型のセパレータ)の厚みは、例えば、10〜30μmであることが好ましい。また、前記積層型のセパレータの場合、耐熱性の多孔質層の厚みは、例えば、3〜8μmであることが好ましい。
この無機フィラーを含む多孔質層の空孔に、一般式(1)の化合物を含有した非水電解液が浸透させた後に非水電解液をゲル化させると、従来のフィルムセパレータ、例えばポリエチレン製の微多孔膜セパレータを用いた時よりも密着性が向上し、更に巻回体の歪みを抑えることが出来る。これは、無機フィラーを含有する耐熱性の多孔質層は空孔率が高くなる傾向にあるため、ゲル化後にアンカーのような役割を果たすと考えられる。
前記の正極と前記の負極と前記のセパレータとは、正極と負極との間にセパレータを介在させて重ねた積層電極体や、更にこれを渦巻状に巻回した巻回電極体の形態で本発明のリチウム二次電池に使用することができる。
本発明のリチウム二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを角型の外装缶が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池は、従来のリチウム二次電池と同様に充電の上限電圧を4.2V程度として使用することもできるが、充電の上限電圧を、これよりも高い4.4V以上に設定して使用することも可能であり、これにより高容量化を図りつつ、長期にわたって繰り返し使用しても、安定して優れた特性を発揮することが可能である。なお、リチウム二次電池の充電の上限電圧は、4.7V以下であることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、従来から知られているリチウム二次電池と同様の用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
<正極の作製>
LiCoOとLi1.0Ni0.5Co0.2Mn0.3とを8:2の割合(質量比)で混合した正極活物質100質量部と、バインダであるPVDFを10質量%の濃度で含むNMP溶液20質量部と、導電助剤である人造黒鉛1質量部およびケッチェンブラック1質量部とを、二軸混練機を用いて混練し、更にNMPを加えて粘度を調節して、正極合剤含有ペーストを調製した。
前記正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布した後、120℃で12時間の真空乾燥を行って、アルミニウム箔の両面に正極合剤層を形成した。その後、プレス処理を行って、正極合剤層の厚さおよび密度を調節し、アルミニウム箔の露出部にニッケル製のリード体を溶接して、長さ375mm、幅43mmの帯状の正極を作製した。得られた正極における正極合剤層は、片面あたりの厚みが55μmであった。

<負極の作製>
負極活物質である平均粒子径D50%が8μmであるSiO表面を炭素材料で被覆した複合体(複合体における炭素材料の量が10質量%)と、平均粒子径D50%が16μmである黒鉛とを、SiO表面を炭素材料で被覆した複合体の量が3.75質量%となる量で混合した混合物:97.5質量部と、バインダであるSBR:1.5質量部と、増粘剤であるCMC:1質量部とに、水を加えて混合し、負極合剤含有ペーストを調製した。
前記負極合剤含有ペーストを、厚みが8μmの銅箔(負極集電体)の両面に塗布した後、120℃で12時間の真空乾燥を行って、銅箔の両面に負極合剤層を形成した。その後、プレス処理を行って、負極合剤層の厚さおよび密度を調節し、銅箔の露出部にニッケル製のリード体を溶接して、長さ380mm、幅44mmの帯状の負極を作製した。得られた負極における負極合剤層は、片面あたりの厚みが65μmであった。

この時の電池の充電上限電圧は4.4Vと設定し、上述した方法で算出した電池容量は、2.8Ahであった。

<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、下記一般式(1)で表わされる化合物を1.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
Figure 2016072119
この時の一般式(1)のn=2620、m=420であった。

<電池の組み立て>
前記帯状の正極を、厚みが16μmの微孔性ポリエチレンセパレータ(空孔率:41%)を介して前記帯状の負極に重ね、渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の巻回電極体とし、この電極巻回体をポリプロピレン製の絶縁テープで固定した。次に、外寸が厚さ5.0mm、幅57mm、高さ60mmのアルミニウム合金製の角形の電池ケースに前記巻回電極体を挿入し、リード体の溶接を行うとともに、アルミニウム合金製の蓋板を電池ケースの開口端部に溶接した。その後、蓋板に設けた注入口から前記非水電解液を1.8g/Ahとなるよう注入し、1〜3時間静置した後注入口を封止した。そして、0.2Cで4.4Vまで充電した後に0.02Cになるまで充電を続け、その後恒温槽で60℃10時間熱処理を行った。熱処理後、0.2Cで2.75Vまで放電を行い、図1に示す構造で、図2に示す外観のリチウム二次電池を作成した。
ここで図1および図2に示す電池について説明すると、図1は部分断面図であって、この図1に示すように、正極1と負極2とはセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の巻回電極体6として、角形(角筒形)の電池ケース4に非水電解液と共に収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や、セパレータの各層、非水電解液などは図示していない。
電池ケース4はアルミニウム合金製で電池の外装体を構成するものであり、この電池ケース4は正極端子を兼ねている。そして、電池ケース4の底部にはPEシートからなる絶縁体5が配置され、正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状巻回電極体6からは、正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、電池ケース4の開口部を封口するアルミニウム合金製の封口用蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋板9は電池ケース4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池ケース4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図1の電池では、蓋板9に非水電解液注入口14が設けられており、この非水電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている。更に、蓋板9には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって電池ケース4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、電池ケース4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は前記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図2では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
(実施例2)
<正極の作製>
正極合剤層を片面あたりの厚みが47.3μmに変更した以外は、実施例1と同様に正極を作成した。
<負極の作製>
負極合剤層を片面あたりの厚みが60μmに変更した以外は、実施例1と同様に負極を作成した。
この時の電池の充電上限電圧は4.4Vと設定し、電池容量は2.3Ahであった。
上記の正極・負極を用い、非水電解液を2.4g/Ahとなるよう注入した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例3)
<正極の作製>
正極合剤層を片面あたりの厚みが66.2μmに変更した以外は、実施例1と同様に正極を作成した。
<負極の作製>
負極合剤層を片面あたりの厚みが84μmに変更した以外は、実施例1と同様に負極を作成した。
この時の電池の充電上限電圧は4.4Vと設定し、電池容量は、3.2Ahであった。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を2.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の正極・負極を用い、非水電解液を1.3g/Ahとなるよう注入した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例4)
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を1.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の非水電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例5)
<正極の作製>
正極合剤層を片面あたりの厚みが47.3μmに変更した以外は、実施例1と同様に正極を作成した。
<負極の作製>
負極合剤層を片面あたりの厚みが60μmに変更した以外は、実施例1と同様に負極を作成した。
この時の電池の充電上限電圧は4.4Vと設定し、電池容量は上述した測定方法により測定したところ、2.3Ahであった。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を2.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の正極・負極を用い、非水電解液を2.4g/Ahとなるよう注入した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例6)
<正極の作製>
正極合剤層を片面あたりの厚みが39μmに変更した以外は、実施例1と同様に正極を作成した。
<負極の作製>
負極合剤層を片面あたりの厚みが50μmに変更した以外は、実施例1と同様に負極を作成した。
この時の電池の充電上限電圧は4.4Vと設定し、電池容量は、1.9Ahであった。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を2.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の正極・負極を用い、非水電解液を2.8g/Ahとなるよう注入した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例7)
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を4.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の非水電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例8)
<正極の作製>
正極合剤層を片面あたりの厚みが47.3μmに変更した以外は、実施例1と同様に正極を作成した。
<負極の作製>
負極合剤層を片面あたりの厚みが60μmに変更した以外は、実施例1と同様に負極を作成した。
この時の電池の充電上限電圧は4.4Vと設定し、電池容量は、2.3Ahであった。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を4.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の正極・負極を用い、非水電解液を2.4g/Ahとなるよう注入した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例9)
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を4.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
外寸が厚さ5.6mm、幅53mm、高さ74mmのアルミニウム合金製の角形の電池ケースを用い、上記の非水電解液を4.0g/Ahとなるよう注入した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例10)
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を8.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の非水電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例11)
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を0.5質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の非水電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(実施例12)
<正極の作製>
正極合剤層を片面あたりの厚みが60.3μmに変更した以外は、実施例1と同様に正極を作成した。
<負極の作製>
負極合剤層を片面あたりの厚みが77.0μmに変更した以外は、実施例1と同様に負極を作成した。
この時の電池の充電上限電圧は4.2Vと設定し、Li電位に対して4.3Vから2.5Vまでの、単位重量あたりの正極活物質の放電容量から算出した電池容量は、2.3Ahであった。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、下記一般式(1)で表わされる化合物を2.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
<電池の組み立て>
前記の正極、負極を用いて実施例1と同様にして巻回電極体を作成し、この電極巻回体をポリプロピレン製の絶縁テープで固定した。次に、外寸が厚さ5.0mm、幅57mm、高さ60mmのアルミニウム合金製の角形の電池ケースに前記巻回電極体を挿入し、リード体の溶接を行うとともに、アルミニウム合金製の蓋板を電池ケースの開口端部に溶接した。その後、蓋板に設けた注入口から前記非水電解液を1.8g/Ahとなるよう注入し、1〜3時間静置した後注入口を封止した。そして、0.2Cで4.2Vまで充電した後に0.02Cになるまで充電を続け、その後恒温槽で60℃10時間熱処理を行った。熱処理後、0.2Cで2.75Vまで放電を行い、図1に示す構造で、図2に示す外観のリチウム二次電池を得た。
(実施例13)
<正極の作製>
正極合剤層を片面あたりの厚みが49.5μmに変更した以外は、実施例1と同様に正極を作成した。
<負極の作製>
負極合剤層を片面あたりの厚みが62μmに変更した以外は、実施例1と同様に負極を作成した。
この時の電池の充電上限電圧は4.35Vと設定し、Li電位に対して4.45Vから2.5Vまでの、単位重量あたりの正極活物質の放電容量から算出した電池容量は、2.3Ahであった。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、下記一般式(1)で表わされる化合物を2.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
<電池の組み立て>
前記の正極、負極を用いて実施例1と同様にして巻回電極体を作成し、この電極巻回体をポリプロピレン製の絶縁テープで固定した。次に、外寸が厚さ5.0mm、幅57mm、高さ60mmのアルミニウム合金製の角形の電池ケースに前記巻回電極体を挿入し、リード体の溶接を行うとともに、アルミニウム合金製の蓋板を電池ケースの開口端部に溶接した。その後、蓋板に設けた注入口から前記非水電解液を1.8g/Ahとなるよう注入し、1〜3時間静置した後注入口を封止した。そして、0.2Cで4.35Vまで充電した後に0.02Cになるまで充電を続け、その後恒温槽で60℃10時間熱処理を行った。熱処理後、0.2Cで2.75Vまで放電を行い、図1に示す構造で、図2に示す外観のリチウム二次電池を得た。
(比較例1)
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の非水電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(比較例2)
<正極の作製>
正極合剤層を片面あたりの厚みが68.8μmに変更した以外は、実施例1と同様に正極を作成した。
<負極の作製>
負極合剤層を片面あたりの厚みが88μmに変更した以外は、実施例1と同様に負極を作成した。
この時の電池容量は3.3Ahであった。
上記の正極・負極を用い、非水電解液を1.2g/Ahとなるよう注入した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(比較例3)
<正極の作製>
正極合剤層を片面あたりの厚みが24μmに変更した以外は、実施例1と同様に正極を作成した。
<負極の作製>
負極合剤層を片面あたりの厚みが30μmに変更した以外は、実施例1と同様に負極を作成した。
この時の電池容量は、3.3Ahであった。
上記の正極・負極を用い、非水電解液を4.1g/Ahとなるよう注入した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(比較例4)
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒に、LiPFを1.1mol/lの濃度で溶解させ、実施例1と同様の一般式(1)で表わされる化合物を11.0質量%となる量で、VCを2.0質量%となる量で、およびFECを2.0質量%となる量で、それぞれ添加して非水電解液を調製した。
上記の非水電解液を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(比較例5)
外寸が厚さ5.6mm、幅53mm、高さ74mmのアルミニウム合金製の角形の電池ケースを用い、非水電解液を4.1g/Ahとなるよう注入した以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作成した。
(比較例6)
実施例1と同様にして作成した巻回体を、70mm×140mmのアルミニウムラミネートフィルムからなる外装体に収容した。続いて、実施例4と同様にして調整した非水電解液を前記外装体内に1.8g/Ahとなるよう注入した後、前記外装体を封止して、ラミネート形非水電解質二次電池を作製した。
実施例および比較例の各リチウム二次電池について、実施例および比較例の各非水電解質二次電池について、下記の電池特性評価を行った。
<充放電サイクル特性評価>
(実施例1〜11、比較例1〜5について)
実施例および比較例のリチウム二次電池を45℃の恒温槽内に5時間静置し、その後、各電池について、0.5Cの電流値で4.4Vまで定電流充電し、引き続いて4.4Vで定電圧充電し(定電流充電と定電圧充電との総充電時間が2.5時間)、その後に0.2Cの定電流で2.75Vで放電を行って、初回放電容量を求めた。次に、各電池について、45℃で、1Cの電流値で4.4Vまで定電流充電し、引き続いて4.4Vの定電圧で電流値が0.1Cになるまで充電した後に、1Cの電流値で3.0Vまで放電する一連の操作を1サイクルとして、これを多数繰り返した。そして、各電池について、500サイクル行い、前記の初回放電容量測定時と同じ条件で定電流−定電圧充電および定電流放電を行って、放電容量を求めた。そして、これらの放電容量を初回放電容量で除した値を百分率で表して、45℃容量維持率を算出した。
(実施例12について)
充電上限電圧を4.4Vを4.2Vに変更した以外は上記のサイクル特性評価と同様にして45℃容量維持率を算出した。
(実施例13について)
充電上限電圧を4.4Vを4.35Vに変更した以外は上記のサイクル特性評価と同様にして45℃容量維持率を算出した。
<貯蔵試験>
(実施例1〜11、比較例1〜5について)
実施例および比較例の各リチウム二次電池について、0.5Cの電流値で4.4Vまで定電流充電し、引き続いて4.4Vで定電圧充電した。(定電流充電と定電圧充電との総充電時間が2.5時間)その後、外装体の中央部分の厚みをマイクロメーターを用いて測定し、X線CT装置(島津製作所社製 inspeXio SMX−225CT)を用いて貯蔵前の巻回体の断面(巻回体の巻回軸方向と垂直方向)の画像を取得した。
各電池を85℃に保った恒温槽内に入れ、24時間貯蔵した。その後各電池を恒温槽から取り出し、2時間経過後に0.2Cで2.75Vまで放電した。その後0.5Cで4.4Vまで充電した後、0.2Cで2.75Vまで放電しこれを回復容量とした。貯蔵後の回復容量を初回放電容量(貯蔵前の放電容量)で除して百分率で表わしたものを貯蔵容量維持率とした。
そして、貯蔵前と同様に、外装体厚みをマイクロメーターを用いて測定し、X線CT装置を用いて貯蔵後の巻回体の断面(貯蔵前と同様箇所)の画像を取得した。
貯蔵前の外装体厚みと、貯蔵後の外装体厚みの差を貯蔵前の外装体厚みで除して百分率で表わしたものを、膨れ率とした。また、貯蔵前と貯蔵後の断面画像を比較して、巻回体の変化の度合いを確認した。貯蔵前後の断面画像の変化が大きかったものは「歪みあり」、変化の度合いが小さかったものは「ほとんど変化しない」、変化していないものは「変化なし」とした。
その後、貯蔵後の各リチウム二次電池の外装体に穴をあけ非水電解液を取り出し、取り出した非水電解液15μLを石英ビーカーに採取した。そこへ1Nの硝酸2.5mLを加え、加熱し、冷却後50ppmのLaを1mL添加し、その中に含まれるCoイオン量をICP発光分光分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、iCAP7600Duo)を用いて測定した。
(実施例12について)
充電上限電圧を4.4Vを4.2Vに変更した以外は上記と同様にして貯蔵容量維持率、膨れ率、Co溶出量、巻回体の歪みを求めた。
(実施例13について)
充電上限電圧を4.4Vを4.35Vに変更した以外は上記と同様にして貯蔵容量維持率、膨れ率、Co溶出量、巻回体の歪みを求めた。
<加熱試験>
(実施例1〜11、比較例1〜5について)
実施例および比較例の各リチウム二次電池について、0.5Cの電流値で4.4Vまで定電流充電し、引き続いて4.4Vで定電圧充電した。(定電流充電と定電圧充電との総充電時間が2.5時間)。その後、各電池を23℃の恒温槽内に入れ、130℃まで毎分5℃で昇温し、130℃に達した後、60分間保持した。電池を室温まで冷却した後に巻回体取り出し、セパレータの幅(電池の高さ方向の寸法)を測定した。そして、巻回前のセパレータの幅と加熱試験後のセパレータの幅の差を、巻回前のセパレータの幅で除して百分率で表わしたものをセパレータの収縮率とした。
(実施例12について)
充電上限電圧を4.4Vを4.2Vに変更した以外は上記と同様にしてセパレータの収縮率を求めた。
(実施例13について)
充電上限電圧を4.4Vを4.35Vに変更した以外は上記と同様にしてセパレータの収縮率を求めた。
<漏液試験>
実施例および比較例の各リチウム二次電池の外装体に穴をあけ、ディスポカップに入れた。2600rpmで10分間遠心分離し、その後、ディスポカップに排出された電解液質量を求め、電解液注入量に対する排出された電解液量を百分率で表わした。
実施例・比較例の構成を表1に各評価の結果を表2表3に、それぞれ示す。
Figure 2016072119
Figure 2016072119
Figure 2016072119

Claims (3)

  1. 外装体、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を用いたリチウム二次電池であって、
    前記正極と前記負極とは、前記セパレータを介在させつつ重ね合わせて渦巻状に巻回され、
    前記正極は、正極活物質を少なくとも有しており、
    前記正極活物質はCo及び/またはMnを含むリチウム含有酸化物を含有し、
    前記非水電解液は、
    下記一般式(1)で表わされる化合物とLiPFを含有し、
    Figure 2016072119
    (ただし、nは1800<n<3000を満たし、mは350<m<600を満たす。)
    前記一般式(1)の化合物は前記非水電解液全量に対して0.5質量%〜10.0質量%であり、
    前記非水電解液は、放電容量に対し1.3〜4.0g/Ahであり、
    前記外装体が、角型缶であるリチウム二次電池。
  2. 前記非水電解質にビニレンカーボネートを含有する請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記非水電解質に4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含有する請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
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