JP5593664B2 - リチウム二次電池負極合剤、リチウム二次電池負極およびリチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池負極合剤、リチウム二次電池負極およびリチウム二次電池 Download PDFInfo
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Description
(1)負極活物質(A)と、結着材(B)とを含むリチウム二次電池負極合剤であって、前記負極活物質(A)は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子、ならびに該複合粒子の表面に結合し、かつ、該複合粒子を包囲するナノファイバーおよび/またはナノチューブからなるケイ素含有網状構造体を含むものであり、前記樹脂炭素材と前記網状構造体は、前記炭素前駆体を炭化処理することにより形成され、前記網状構造体は、見かけ上、複合粒子の表面を起点に形成され、
前記結着材(B)は、ポリイミドを含むものであることを特徴とするリチウム二次電池負極合剤。
本発明による負極活物質(A)は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子、ならびに該複合粒子の表面に結合し、かつ、該複合粒子を包囲するナノファイバーおよび/またはナノチューブ(以下、「ナノファイバー等」という。)からなる網状構造体を含んでなり、該網状構造体がケイ素を含むことを特徴とする。上記樹脂炭素材と網状構造体は、炭素前駆体を、必要に応じて触媒を共存させて、炭化処理することにより形成される。さらに、網状構造体は、見かけ上、ケイ素含有粒子と樹脂炭素材からなる複合粒子の表面を起点に形成される。
上記0.25〜0.45nmの細孔径を有する細孔の容積が上記全細孔容積に対して25容積%以上であると、十分な充電容量が確保でき好ましい。
本発明における平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定法による測定される体積換算で頻度が50%となる粒子径を平均粒子径D50%として定めた。
本発明の結着剤(B)は、ポリイミドを含むものである。前述のように本発明の負極活物質(A)における、ナノファイバー等からなる網状構造体は、隣接する別の粒子に起因する網状構造体と交絡しているため、ナノファイバー等と複合粒子の間の密着性が高くなり、充放電によるケイ素含有粒子の体積膨張収縮に際してもナノファイバー等が複合粒子から離れにくくなる。また、隣接する複数の粒子の網状構造体同士が交絡することで全体として伸縮性のある網状構造体が形成されるため、充放電によるケイ素含有粒子の体積膨張収縮に際して負極全体の導電性が維持される効果を奏するが、本発明の結着剤(B)を用いることにより、本発明の複合粒子同士の密着性を向上させる効果(これは従来の結着剤におけるナノファイバーのない活物質粒子同士の密着性を向上させる効果に相当)のみならず、ナノファイバー等と複合粒子、あるいはナノファイバー同士、の密着性が向上し、さらには網状構造体同士の交絡部分を補強する効果を奏するため、本発明の負極活物質(A)と、結着剤(B)との相乗効果により、サイクル特性が著しく向上するものである。
また本発明の結着材(B)は、前記ポリイミドを含むものであればよいが、前述の説明で述べた本発明の結着材(B)の効果を低下させない範囲であれば、必要に応じてポリフッ化ビニリデン樹脂等の他の結着材を併用することは何ら差し支えない。
本発明による負極の作製に用いられる導電剤は、導電補助材として通常使用されている材料であればよく、例として、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。さらに、本発明による負極の作製に用いられる溶媒または分散媒は、負極活物質、結着剤、導電剤等を均一に混合できる材料であればよく、例として、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、アセトニトリル等が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を20質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素50質量部(平均粒子径1.2μm)を加え2時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、500℃到達後1時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が11μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1100℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質について、下記測定法により測定したところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.85cm3/gであり、全細孔容積に対して55容積%であった。また、得られた負極活物質について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、負極活物質粒子表面に繊維直径が50nmのナノファイバー等の生成が確認された。また、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が36.7質量%含有されていた。
細孔容積と細孔分布の測定
測定試料を島津製作所製・細孔分布測定装置「ASAP−2010」を用いて、623Kで真空加熱前処理することで吸着ガスを脱着、プローブガスとしてN2を用い、絶対圧760mmHg、相対圧0.005〜0.86の範囲で77.3Kでの吸着等温線を測定し、得られた吸着媒質の比表面積・吸着量から吸着層の厚さtを介し、HalseyおよびHalsey and Juraの厚み式をもとに平均細孔水理半径を算出し、細孔容積を次式に基づいて計算した。
HalseyおよびHalsey and Juraの厚み式については、以下に説明した通りである。
t=(M×Vsp/22414)×(Va/S)
[式中、t:吸着層の統計的厚さ、M:吸着質の分子量、Va:吸着媒単位質量当りの吸着量、Vsp:吸着質ガスの比容積、S:吸着媒の比表面積]
tI=HP1×[HP2/ln(PrelI)]HP3
[式中、tI:Ithポイントの厚み、HP1:Halseyパラメーター#1、HP2:Halseyパラメーター#2、HP3:Halseyパラメーター#3、PrelI:Ithポイントの相対圧力(mmHg)]
平均水理半径(nm):RI=(tI+tI−1)/20
Ithポイント目に遮断した細孔表面積の増分ΔS:ΔS=SI−1−SI
Ithポイント目に遮断した積算細孔表面積(m2/g)S:S=S1+S2+S3+・・・・・Sn
Ithポイント目に遮断した細孔容積の増分ΔV:
ΔV=(S×104cm2/m2)×(RI×10−8cm/Å)
Ithポイント目の細孔容積ΔV/ΔRI(cm3/g):ΔV/ΔRI=ΔV/tI−tI−1
なお、上記Ithポイント目というのは、各相対圧による個々の測定ポイントのことをいう。
Ithポイント目に遮断した細孔容積(cm3/g):V=V1+V2+V3+・・・・・Vn。
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えた4ッ口フラスコへ、ジアミン成分として、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン292.4g(1.0mol)を加え、さらにテトラヒドロフラン(以下THFと略す)3000gを加え、ジアミンが溶解するまでよく撹拌した。ジアミン成分が溶解した後、溶液を15℃以下まで冷却し、3,3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物279.5g(0.95mol)を系内の温度が15℃を越えないように徐々に添加し、添加終了後、15℃で3時間撹拌を行った。続いて、末端のアミンを封止するために、無水フタル酸 14.8g(0.1mol)を添加し、15℃で3時間さらに反応を行なった。次いで、600gのTHF溶液に溶解した N,N‘−ジシクロヘキシルカルボジイミド 412.6gを8時間かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、20℃で24時間撹拌を行った。撹拌終了後、反応混合物を濾過し、ジシクロヘキシル尿素を除去し、ポリイミド溶液を得た。
(1)負極合剤および負極の作製
上記で得られた負極活物質100質量部を用い、これに対して結着剤として前記手順で調製したポリイミド溶液をポリイミド固形分が6質量部となるように加え、さらにアセチレンブラック3質量部を混合した後100℃2時間真空乾燥し、スラリー状の負極合剤を調製した。
この負極合剤を10μmの銅箔の両面に塗布し、200℃常圧で1時間加熱、さらに200℃真空乾燥を1時間行った後、ロールプレスによって電極を100μmに加圧成形した。これを幅40mmで長さ290mmの大きさに切り出し負極を作製した。この負極を用いて、リチウムイオン二次電池用電極としてφ13mmの径で打ち抜き負極とした。
上記負極、セパレーター(ポリプロピレン製多孔質フィルム:直径φ16、厚さ25μm)、作用極としてリチウム金属(直径φ12、厚さ1mm)の順で、宝泉製2032型コインセル内の所定の位置に配置した。さらに、電解液としてエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合液(体積比が1:1)に、過塩素酸リチウムを1[モル/リットル]の濃度で溶解させたものを注液し、リチウムイオン二次電池を作製した。
〈初期充放電特性評価〉
充電容量については、充電時の電流密度を25mA/gとして定電流充電を行い、電位が0Vに達した時点から、0Vで定電圧充電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに充電した電気量を充電容量とした。
一方、放電容量については、放電時の電流密度も25mA/gとして定電流放電を行い、電位が2.5Vに達した時点から、2.5Vで定電圧放電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに放電した電気量を放電容量とした。
なお、充放電特性の評価は、充放電特性評価装置(北斗電工(株)製:HJR−1010mSM8)を用いて行った。
また、以下の式により初回の充放電効率を定義した。
初回充放電効率(%)=初回放電容量(mAh/g)/初回充電容量(mAh/g)×100
初期充放電特性評価条件を300回繰り返し測定した後に得られた放電容量を300サイクル目の放電容量とした。また、以下の式によりサイクル性(300サイクル容量維持率)を定義した。
サイクル性(%、300サイクル容量維持率)=300サイクル目の放電容量(mAh/g)/初回放電容量(mAh/g)×100
初期充放電特性評価により得られた放電容量を基準容量(C0)とし、基準容量を充電した後に、充電量を1時間で放電させる電流密度にて放電を行い、得られた放電容量を1C容量とした。同様に基準容量を充電した後に、充電量を2分で放電させる電流密度で放電を行い、得られた放電容量を30C容量とした。また、以下の式により負荷特性(%、30Cでの容量 対 1Cでの容量)を定義した。
負荷特性(%、30Cでの容量 対 1Cでの容量)=30C容量(mAh/g)/1C容量(mAh/g)×100
乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度計、撹拌機を備えた四口フラスコに、脱水精製したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)1428gを入れ、窒素ガスを流し系中をかき混ぜながら2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン82.1g(0.10モル)、1,3−ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン38.7g(0.20モル)、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ジメチルジシロキサン24.9g(0.10モル)を投入し、均一になるまでかき混ぜる。均一に溶解後、系を20℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物82.4g(0.28モル)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物38.7g(0.12モル)を粉末状のまま15分間かけて添加し、その後8時間撹拌を続けた。この間フラスコは20℃に保った。その後、窒素ガス導入管と冷却器を外し、トルエンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに装着し、系にトルエン612gを添加した。油浴に代えて系を175℃に加熱し発生する水を系外に除いた。6時間加熱したところ、系からの水の発生は認められなくなった。系を冷却することによりポリイミド樹脂溶液が得られた。この樹脂の分子量を測定したところ重量平均分子量は68300であった。
上記で得られた負極活物質100質量部を用い、これに対して結着剤として前記手順で調製したポリイミド溶液をポリイミド固形分が8質量部となるように加え、さらにアセチレンブラック3質量部を混合した後100℃2時間真空乾燥し、負極合剤を得た後、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池負極、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を45質量部のアセトンを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素45質量部(平均粒子径0.7μm)を加え5時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、500℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が11μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1100℃到達後5時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価したところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.65cm3/gであり、全細孔容積に対して55容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が40nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が35.3質量%含有されていた。
マレイン酸116g(1mol)の粉体と、4,4’―ジアミノジフェニルメタン198g(1mol)の粉体を、乳鉢で均一に混合して、マレイン酸/4,4’―ジアミノジフェニルメタンの固体混合物を得た。この混合物を120℃で2時間、乾燥機中で加熱し、マレイミド系樹脂を得た。得られた溶剤可溶性マレイミド系樹脂150重量部に対して、N−メチル−2―ピロリドン350重量部を加え、樹脂濃度が30重量%になるように、マレイミド(本発明のポリイミド)溶液を調製した。
負極合剤、負極およびリチウムイオン二次電池の作製と充放電特性の評価
上記で得られた負極活物質100質量部を用い、これに対して結着剤として前記手順で調製したマレイミド(本発明のポリイミド)溶液を固形分が10質量部となるように加え、さらにアセチレンブラック3質量部を混合し負極合剤を得た後、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池負極、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を25質量部のアセトンを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素30質量部(平均粒子径1.3μm)、触媒として硝酸鉄0.1質量部を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が12μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1100℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価したところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.80cm3/gであり、全細孔容積に対して50容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が20nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が28.4質量%含有されていた。
レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51723)100質量部を30質量部のアセトンを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素20質量部(平均粒子径1.1μm)を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、550℃到達後2時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が10μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1200℃到達後18時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価したところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.012cm3/gであり、全細孔容積に対して40容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が35nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が33.1質量%含有されていた。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を20質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素50質量部(平均粒子径1.2μm)を加え2時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを150℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、600℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が9μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1250℃到達後3時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物の0.25〜0.45nmの細孔容積は、1.2cm3/gであり、全細孔容積に対して80容積%であった。また、得られた負極活物質SEM観察を行ったところ、繊維直径が40nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が35.9質量%含有されていた。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を20質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素40質量部(平均粒子径1.2μm)を加え2時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを175℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、650℃到達後1時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が9μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1100℃到達後18時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質の0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.85cm3/gであり、全細孔容積に対して25容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が35nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が36.2質量%含有されていた。
レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51723)100質量部を30質量部のアセトンを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素45質量部(平均粒子径1.3μm)を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が10μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1050℃到達後3時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質の0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.0003cm3/gであり、全細孔容積に対して30容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が50nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が34.1質量%含有されていた。
<比較例1> 実施例1で作製した負極活物質100質量部に対して結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチルー2−ピロリドン120質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
実施例5で作製した負極活物質100質量部に対して結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチルー2−ピロリドン120質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<比較例3> ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を20質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらにケイ素20質量部(平均粒子径54μm)を加え2時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行い、炭化処理条件を、1000℃到達後10時間の炭化処理を行う以外は、実施例1と同様の方法により負極活物質を得た。得られた負極活物質の平均粒子径は8μmに調整した。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価のところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.65cm3/gであり、全細孔容積に対して20容積%であった。得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、複合粒子の表面には網状構造体は確認されなかった。また、得られた負極活物質にはケイ素が23.1質量%含有されていた。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらにケイ素40質量部(平均粒子径25μm)を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行い、炭化処理条件を、900℃到達後5時間の炭化処理を行う以外は、実施例1と同様の方法により負極活物質を得た。得られた負極活物質の平均粒子径は10μmに調整した。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価のところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、1.25cm3/gであり、全細孔容積に対して25容積%であった。得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、複合粒子の表面には網状構造体は確認されなかった。また、得られた負極活物質にはケイ素が32.3質量%含有されていた。
Claims (11)
- 負極活物質(A)と、結着材(B)とを含むリチウム二次電池負極合剤であって、前記負極活物質(A)は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子、ならびに該複合粒子の表面に結合し、かつ、該複合粒子を包囲するナノファイバーおよび/またはナノチューブからなるケイ素含有網状構造体を含むものであり、前記樹脂炭素材と前記網状構造体は、炭素前駆体を炭化処理することにより形成され、前記網状構造体は、見かけ上、複合粒子の表面を起点に形成され、
前記結着材(B)は、ポリイミドを含むものであることを特徴とするリチウム二次電池負極合剤。 - 前記結着材(B)を、前記負極活物質(A)100質量部に対し、1〜15質量部用いることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池負極合剤。
- 前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が0.0001〜1.5cm3/gである、請求項1または請求項2に記載のリチウム二次電池負極合剤。
- 前記0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が0.0005〜1.0cm3/gである、請求項3に記載のリチウム二次電池負極合剤。
- 前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が、前記樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して25容積%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
- 前記0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が、前記樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して30容積%以上である、請求項3〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
- 前記ケイ素含有粒子がケイ素酸化物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
- 前記負極活物質(A)において、ケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物の含有量が5〜60質量%の範囲内である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
- 前記負極活物質(A)の平均粒子径が3μm〜15μmの範囲内である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤を含むリチウム二次電池負極。
- 請求項10に記載のリチウム二次電池負極を含むリチウム二次電池。
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