JP5482094B2 - リチウム二次電池負極用炭素材、リチウム二次電池負極、リチウム二次電池およびリチウム二次電池負極用炭素材の製造方法 - Google Patents
リチウム二次電池負極用炭素材、リチウム二次電池負極、リチウム二次電池およびリチウム二次電池負極用炭素材の製造方法 Download PDFInfo
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Description
(1)リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な金属もしくは半金属またはこれらの合金、酸化物、窒化物もしくは炭化物を含む粒子と、該粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子、ならびに
該複合粒子の表面に結合し、かつ、該複合粒子を包囲するナノファイバーおよび/またはナノチューブからなる網状構造体
を含んでなる、リチウム二次電池負極用炭素材。
(2)前記樹脂炭素材および前記網状構造体が、触媒を含有する炭素前駆体の炭化処理により生成したものである、第(1)項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
(3)前記触媒が、銅、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデンおよびマンガンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む、第(2)項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
(4)前記金属もしくは半金属が、スズ、ゲルマニウムおよびアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む、第(1)項〜第(3)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
(5)前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が0.15〜1.5cm3/gである、第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
(6)前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が、前記樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して30容積%以上である、第(1)項〜第(5)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
(7)前記網状構造体が炭素を含む、第(1)項〜第(6)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
(8)平均粒子径が3μm〜15μmの範囲内である、第(1)項〜第(7)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
(9)前記炭素前駆体が、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂およびポリアクリロニトリルからなる群より選択された易黒鉛化材料および/または難黒鉛化材料を含む、第(2)項〜第(8)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
(10)第(1)項〜第(9)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材を含むリチウム二次電池負極。
(11)第(10)項に記載のリチウム二次電池負極を含むリチウム二次電池。
(12)リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な金属もしくは半金属またはこれらの合金、酸化物、窒化物もしくは炭化物を含む粒子と、炭素前駆体と、触媒とを混合することにより、該粒子と該触媒とが該炭素前駆体に分散された混合物を形成し、次いで該混合物に炭化処理を施すことを特徴とする、リチウム二次電池負極用炭素材の製造方法。
また、リチウム二次電池負極用炭素材の細孔容積を制御することにより、さらに優れた充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池負極用炭素材が提供される。
また、本発明によるリチウム二次電池負極用炭素材は、樹脂炭素材とナノファイバーおよび/またはナノチューブとが同一の炭素前駆体から炭化処理時に一緒に形成されるため、別途カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを気相法、アーク放電法、プラズマ処理法で用意する必要がなく、製造プロセスが簡便であり、製造コストを抑えることができる。
上記0.25〜0.45nmの細孔径を有する細孔の容積が上記全細孔容積に対して30容積%未満であると、十分な充電容量が確保できないため、好ましくない。
本発明における平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定法による測定される体積換算で頻度が50%となる粒子径を平均粒子径D50%として定めた。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51530)100質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)10質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化スズ(関東化学株式会社製)25質量部(平均粒子径1.2μm)、硝酸鉄(関東化学株式会社製)0.043質量部を添加し、これらを室温下、回転数250rpmで120分間混合し、樹脂スラリーを得た。攪拌終了後、得られた樹脂スラリーを200℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後10時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が8μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1100℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池負極用炭素材を得た。得られた炭素材について、下記測定法により測定のところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.55cm3/gであり、全細孔容積に対して45容積%であった。また、得られた炭素材について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、炭素材粒子表面に繊維直径が45nmのナノファイバーの生成が確認された。また、得られた炭素材には半金属として一酸化スズが29.6質量%含有されていた。
細孔容積と細孔分布の測定
測定試料を島津製作所製・細孔分布測定装置「ASAP−2010」を用いて、623Kで真空加熱前処理することで吸着ガスを脱着、プローブガスとしてN2を用い、絶対圧760mmHg、相対圧0.005〜0.86の範囲で77.3Kでの吸着等温線を測定し、得られた吸着媒質の比表面積・吸着量から吸着層の厚さtを介し、HalseyおよびHalsey and Juraの厚み式をもとに平均細孔水理半径を算出し、細孔容積を次式に基づいて計算した。
HalseyおよびHalsey and Juraの厚み式については、以下に説明した通りである。
t=(M×Vsp/22414)×(Va/S)
[式中、t:吸着層の統計的厚さ、M:吸着質の分子量、Va:吸着媒単位質量当りの吸着量、Vsp:吸着質ガスの比容積、S:吸着媒の比表面積]
tI=HP1×[HP2/ln(PrelI)]HP3
[式中、tI:Ithポイントの厚み、HP1:Halseyパラメーター#1、HP2:Halseyパラメーター#2、HP3:Halseyパラメーター#3、PrelI:Ithポイントの相対圧力(mmHg)]
平均水理半径(nm):RI=(tI+tI−1)/20
Ithポイント目に遮断した細孔表面積の増分ΔS:ΔS=SI−1−SI
Ithポイント目に遮断した積算細孔表面積(m2/g)S:S=S1+S2+S3+・・・・・Sn
Ithポイント目に遮断した細孔容積の増分ΔV:
ΔV=(S×104cm2/m2)×(RI×10−8cm/Å)
Ithポイント目の細孔容積ΔV/ΔRI(cm3/g):ΔV/ΔRI=ΔV/tI−tI−1
なお、上記Ithポイント目というのは、各相対圧による個々の測定ポイントのことをいう。
Ithポイント目に遮断した細孔容積(cm3/g):V=V1+V2+V3+・・・・・Vn。
(1)負極の作製
上記で得られた炭素材を用い、これに対して結着剤としてポリフッ化ビニリデン10%、アセチレンブラック3%の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加え混合し、スラリー状の負極用混合物を調製した。
この負極スラリー状混合物を10μmの銅箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を100μmに加圧成形した。これを幅40mmで長さ290mmの大きさに切り出し負極を作製した。この負極を用いて、リチウムイオン二次電池用電極としてφ13mmの径で打ち抜き負極とした。
上記負極、セパレータ(ポリプロピレン製多孔質フィルム:直径φ16、厚さ25μm)、作用極としてリチウム金属(直径φ12、厚さ1mm)の順で、宝泉製2032型コインセル内の所定の位置に配置した。さらに、電解液としてエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合液(体積比が1:1)に、過塩素酸リチウムを1[モル/リットル]の濃度で溶解させたものを注液し、リチウムイオン二次電池を作製した。
〈初期充放電特性評価〉
充電容量については、充電時の電流密度を25mA/gとして定電流充電を行い、電位が0Vに達した時点から、0Vで定電圧充電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに充電した電気量を充電容量とした。
一方、放電容量については、放電時の電流密度も25mA/gとして定電流放電を行い、電位が2.5Vに達した時点から、2.5Vで定電圧放電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに放電した電気量を放電容量とした。
なお、充放電特性の評価は、充放電特性評価装置(北斗電工(株)製:HJR−1010mSM8)を用いて行った。
また、以下の式により初回の充放電効率を定義した。
初回充放電効率(%)=初回放電容量(mAh/g)/初回充電容量(mAh/g)×100
初期充放電特性評価条件を200回繰り返し測定した後に得られた放電容量を200サイクル目の放電容量とした。また、以下の式によりサイクル性(200サイクル容量維持率)を定義した。
サイクル性(%、200サイクル容量維持率)=200サイクル目の放電容量(mAh/g)/初回放電容量(mAh/g)×100
初期充放電特性評価により得られた放電容量を基準容量(C0)とし、基準容量を充電した後に、充電量を1時間で放電させる電流密度にて放電を行い、得られた放電容量を1C容量とした。同様に基準容量を充電した後に、充電量を2分で放電させる電流密度で放電を行い、得られた放電容量を30C容量とした。また、以下の式により負荷特性(%、30Cでの容量 対 1Cでの容量)を定義した。
負荷特性(%、30Cでの容量 対 1Cでの容量)=30C容量(mAh/g)/1C容量(mAh/g)×100
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51530)100質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)10質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化スズ(関東化学株式会社製)25質量部(平均粒子径1.2μm)、硝酸鉄(関東化学株式会社製)0.25質量部を添加し、これらを室温下、回転数250rpmで120分間混合し、樹脂スラリーを得た。攪拌終了後、得られた樹脂スラリーを200℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、500℃到達後6時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が9μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1100℃到達後3時間の炭化処理を行い、二次電池用炭素材を得た。得られた炭素材について、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.57cm3/gであり、全細孔容積に対して51容積%であった。また、得られた炭素材について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、炭素材粒子表面に繊維直径が50nmのナノファイバーの生成が確認された。また、得られた負極用炭素材には半金属として一酸化スズが29.7質量%含有されていた。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51530)100質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)10質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化スズ(関東化学株式会社製)25質量部(平均粒子径1.2μm)、硝酸鉄(関東化学株式会社製)0.51質量部を添加し、これらを室温下、回転数250rpmで120分間混合し、樹脂スラリーを得た。攪拌終了後、得られた樹脂スラリーを200℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後10時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が11μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1050℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用炭素材を得た。得られた炭素材について、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.62cm3/gであり、全細孔容積に対して52容積%であった。また、得られた炭素材について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、炭素材粒子表面に繊維直径が50nmのナノファイバーの生成が確認された。また、得られた負極用炭素材には半金属として一酸化スズが28.7質量%含有されていた。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51530)100質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)10質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化スズ(関東化学株式会社製)30質量部(平均粒子径1.2μm)、硝酸銅(関東化学株式会社製)0.12質量部を添加し、これらを室温下、回転数250rpmで120分間混合し、樹脂スラリーを得た。攪拌終了後、得られた樹脂スラリーを170℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、500℃到達後6時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が10μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1100℃到達後1時間の炭化処理を行い、二次電池用炭素材を得た。得られた炭素材について、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.38cm3/gであり、全細孔容積に対して49容積%であった。また、得られた炭素材について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、炭素材粒子表面に繊維直径が40nmのナノファイバーの生成が確認された。また、得られた負極用炭素材には半金属として一酸化スズが33.6質量%含有されていた。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51530)100質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)10質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化スズ(関東化学株式会社製)63質量部(平均粒子径2.2μm)、硝酸銅(関東化学株式会社製)0.40質量部を添加し、これらを室温下、回転数250rpmで120分間混合し、樹脂スラリーを得た。攪拌終了後、得られた樹脂スラリーを170℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、500℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が10μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1200℃到達後8時間の炭化処理を行い、二次電池用炭素材を得た。得られた炭素材について、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.31cm3/gであり、全細孔容積に対して47容積%であった。また、得られた炭素材について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、炭素材粒子表面に繊維直径が60nmのナノファイバーの生成が確認された。また、得られた負極用炭素材には半金属として一酸化スズが51質量%含有されていた。
メタクレゾール(関東化学株式会社製)100質量部と43%ホルムアルデヒド水溶液(住友ベークライト株式会社製)53.3質量部、しゅう酸(関東化学株式会社製)3質量部を攪拌機及び冷却管を備えた3つ口フラスコに入れ、100℃で3時間反応後、昇温脱水し、メタクレゾール樹脂90質量部を得た。上記操作を繰り返して得られたメタクレゾール樹脂100質量部に対してヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)を10質量部の割合で添加したものを粉砕混合した後、30質量部のジメチルスルホアミド(関東化学株式会社製)を加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに硝酸銅(関東化学株式会社製)0.98質量部、一酸化スズ(関東化学株式会社製)25質量部(平均粒子径3.3μm)を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後6時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が7μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1100℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用炭素材を得た。得られた炭素材について、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.45cm3/gであり、全細孔容積に対して52容積%であった。また、得られた炭素材のSEM観察を行ったところ、炭素材粒子表面にナノファイバーが35nmの炭素繊維の生成が確認された。また、得られた負極用炭素材には半金属として一酸化スズが28.3質量%含有されていた。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51530)100質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)10質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化スズ(関東化学株式会社製)25質量部(平均粒子径2.2μm)、硝酸ニッケル(関東化学株式会社製)0.52質量部を添加し、これらを室温下、回転数250rpmで120分間混合し、樹脂スラリーを得た。攪拌終了後、得られた樹脂スラリーを175℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、500℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が9μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1100℃到達後3時間の炭化処理を行い、二次電池用炭素材を得た。得られた炭素材について、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.25cm3/gであり、全細孔容積に対して40容積%であった。また、得られた炭素材について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、炭素材粒子表面に繊維直径が40nmのナノファイバーの生成が確認された。また、得られた負極用炭素材には半金属として一酸化スズが29.6質量%含有されていた
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51530)100質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)10質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらにアルミニウム粉末(関東化学株式会社製をボールミルにて粉砕したもの)30質量部(平均粒子径3.7μm)、硝酸銅(関東化学株式会社製)0.55質量部を添加し、これらを室温下、回転数250rpmで120分間混合し、樹脂スラリーを得た。攪拌終了後、得られた樹脂スラリーを170℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後10時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が10μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1100℃到達後3時間の炭化処理を行い、二次電池用炭素材を得た。得られた炭素材について、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.52cm3/gであり、全細孔容積に対して56容積%であった。また、得られた炭素材について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、炭素材粒子表面に繊維直径が40nmのナノファイバーの生成が確認された。また、得られた負極用炭素材には金属としてアルミニウムが33.6質量%含有されていた。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51530)100質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)10質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化スズ(関東化学株式会社製)25質量部(平均粒子径1.2μm)を室温下、回転数250rpmで120分間混合し、樹脂スラリーを得た。攪拌終了後、得られた樹脂スラリーを175℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後10時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が11μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1050℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用炭素材を得た。得られた炭素材について、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.03cm3/gであり、全細孔容積に対して25容積%であった。また、得られた炭素材について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、炭素材粒子表面にナノファイバーの生成は確認されなかった。また、得られた負極用炭素材には半金属として一酸化スズが29.2質量%含有されていた。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51530)100質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)10質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化スズ(関東化学株式会社製)25質量部(平均粒子径1.2μm)を室温下、回転数250rpmで120分間混合し、樹脂スラリーを得た。攪拌終了後、得られた樹脂スラリーを200℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、500℃到達後10時間の炭化を行った。得られた炭素材を平均粒子径が9μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭素材を、さらに昇温し、1250℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用炭素材を得た。また、得られた炭素材について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、炭素材粒子表面にナノファイバーの生成は確認されなかった。得られた炭素材について、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.12cm3/gであり、全細孔容積に対して54容積%であった。また、得られた負極用炭素材には半金属として一酸化スズが28.6質量%含有されていた。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
Claims (11)
- リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な金属もしくは半金属またはこれらの合金、酸化物、窒化物もしくは炭化物を含む粒子と、該粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子、ならびに
該複合粒子の表面に結合し、かつ、該複合粒子を包囲するナノファイバーおよび/またはナノチューブからなる網状構造体
を含んでなるリチウム二次電池負極用炭素材であって、前記樹脂炭素材および前記網状構造体が、触媒を含有する炭素前駆体の炭化処理により生成したものであることを特徴とするリチウム二次電池負極用炭素材。 - 前記触媒が、銅、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデンおよびマンガンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
- 前記金属もしくは半金属が、スズ、ゲルマニウムおよびアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
- 前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が0.15〜1.5cm3/gである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
- 前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が、前記樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して30容積%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
- 前記網状構造体が炭素を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
- 平均粒子径が3μm〜15μmの範囲内である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
- 前記炭素前駆体が、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂およびポリアクリロニトリルからなる群より選択された易黒鉛化材料および/または難黒鉛化材料を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極用炭素材を含むリチウム二次電池負極。
- 請求項9に記載のリチウム二次電池負極を含むリチウム二次電池。
- リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な金属もしくは半金属またはこれらの合金、酸化物、窒化物もしくは炭化物を含む粒子と、炭素前駆体と、触媒とを混合することにより、該粒子と該触媒とが該炭素前駆体に分散された混合物を形成し、次いで該混合物に炭化処理を施すことを特徴とする、リチウム二次電池負極用炭素材の製造方法。
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