JP5593665B2 - リチウム二次電池負極合剤、リチウム二次電池負極およびリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池負極合剤、リチウム二次電池負極およびリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池負極合剤、リチウム二次電池負極およびリチウム二次電池に関する。
電子機器類のポータブル化、コードレス化が進むにつれ、リチウム二次電池の小型軽量化、或いは高エネルギー密度化が、より一層求められている。リチウム二次電池を高密度化するため、リチウムと合金化するケイ素、スズ、ゲルマニウム、マグネシウム、鉛、およびアルミニウムまたはこれらの酸化物もしくは合金を負極活物質とした負極合剤を採用することが知られている。しかしながら、上述のような負極合剤は、使用する負極活物質がリチウムイオンを吸蔵する充電時に体積膨張し、反対にリチウムイオンを放出する放電時には体積収縮する。このため充放電サイクルの繰り返しに応じて負極電極の体積が変化し、その結果負極活物質が微粉化し、電極から脱落するなどして負極が崩壊することが知られている。
上記問題を克服するため、さまざまな手法、手段が検討されているが、リチウム二次電池負極合剤の負極活物質に金属、および酸化物を用いた場合に充放電特性を安定化させることは難しいのが現状である。そこで、例えば、負極材料に関する検討としては、特開2007−214137号公報に開示されているように、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極材料として、リチウム合金を形成しうる金属の粒子表面を有機物で被覆した負極活物質が提案されている。特開2007−214137号公報に記載の負極材料によると、リチウムイオンを吸蔵する際に起こる膨張を抑えるために、金属粒子の一次粒子平均粒径が500〜1nmのものが用いられると記載されている。しかし、用いる金属粒子の一次粒子径を小さくしたのみでは、充電時のリチウム吸蔵における金属粒子の膨張を抑えることは難しい。
また、例えば、特開2007−305569号公報に開示されているように、粒径20nm以下の金属ナノ結晶と、金属ナノ結晶の表面上に形成された炭素コーティング層を備えることを特徴とする負極活物質が提案されている。特開2007−305569号公報に記載の負極によると、高容量で、容量維持率の良好なリチウム二次電池が得られる。記載されている負極を長寿命化する技術として、金属結晶をナノ粒子化し、且つ、炭素数が2ないし10のアルキル基、炭素数3ないし10のアリールアルキル基、炭素数3ないし10のアルキルアリール基、または炭素数2ないし10のアルコキシ基を含む有機分子で、金属結晶表面を被覆することが特徴とされている。特開2007−305569号公報に記載の金属結晶表面に生成される炭化層の形成は、気相成長法で形成されるものであり、本発明とは本質的に異なる。
また、例えば、特開平8−241715号公報に開示されているように、金属塩と炭素源となる有機物を混合、非酸化性雰囲気中で焼成することを特長とする負極活物質が提案されているが、特開平8−241715号公報に記載の負極活物質は金属分を40wt%までしか含有していない。従って、負極活物質に導入された金属がリチウムイオンを吸蔵する量は少ない。また、吸蔵する量が少ないために金属の膨張が起こりにくく、負極が崩壊しにくいという特徴をもつが、特開平8−241715号公報による方法での負極活物質高容量化は難しい。
特開2007−214137号公報 特開2007−305569号公報 特開平8−241715号公報
上記各公開公報に記載の金属、および酸化物を用いた負極活物質と、結着材とを含むリチウム二次電池負極合剤を用いたリチウム二次電池用負極は、いずれもリチウムと合金化する金属を炭素で被覆、もしくは処理することによって、充放電サイクルによる負極活物質の体積膨張・収縮をある程度抑えている。しかしながら、上記各公開公報に記載の発明では、充放電サイクルによる負極活物質の微粉化に起因する負極崩壊を完全に防止することができない。さらに、前記のいずれの事例も、開発した負極活物質との相乗効果を奏する結着剤の検討で充放電サイクルを向上させる試みは記載されておらず、上記各公開公報に記載のリチウム二次電池用負極は充放電サイクル特性が十分であるとはいえない。本発明は、リチウムイオン二次電池の充放電サイクル特性を一層向上させることを目的とする、リチウム二次電池負極合剤、リチウム二次電池負極およびこれを用いたリチウム二次電池を提供する。
上述の目的は、以下の第(1)項〜第(13)項によって達成される。
(1)負極活物質(A)と、結着材(B)とを含むリチウム二次電池負極合剤であって、前記負極活物質(A)は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子、ならびに該複合粒子の表面に結合し、かつ、該複合粒子を包囲するナノファイバーおよび/またはナノチューブからなるケイ素含有網状構造体を含むものであり、前記樹脂炭素材と前記網状構造体は、前記炭素前駆体を炭化処理することにより形成され、前記網状構造体は、見かけ上、複合粒子の表面を起点に形成され、
前記結着材(B)は、アルコキシ基結合型セルロース、ヒドロキシアルキル基結合型セルロースまたはカルボキシアルキル基結合型セルロースを含むものであることを特徴とするリチウム二次電池負極合剤。
(2)前記結着材(B)を、前記負極活物質(A)100質量部に対し、4〜20質量部用いることを特徴とする第(1)項記載のリチウム二次電池負極合剤。
(3)前記結着材(B)が、エーテル化度が0.6〜1.5であるカルボキシメチルセルロースを含むことを特徴とする第(1)項または第(2)項記載のリチウム二次電池負極合剤。
(4)前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が0.0001〜1.5cm 3 /gである、第(1)項〜第(3)項にいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。

(5)前記0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が0.0005〜1.0cm 3 /gである、第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。

(6)前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が、前記樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して25容積%以上である、第(1)項〜第(5)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
(7)前記0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が、前記樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して30容積%以上である、第(1)項〜第(6)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
(8)前記網状構造体が更に炭素を含む、第(1)項〜第(7)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
(9)前記ケイ素含有粒子がケイ素酸化物を含む、第(1)項〜第(8)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
(10)前記負極用活物質(A)において、ケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物の含有量が5〜60質量%の範囲内である、第(1)〜第(9)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
(11)前記負極用活物質(A)の平均粒子径が3μm〜15μmの範囲内である、第(1)〜第(10)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
(12)第(1)項〜第(11)項のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤を含むリチウム二次電池負極。
(13)第(12)項に記載のリチウム二次電池負極を含むリチウム二次電池。
本発明のリチウム二次電池負極合剤によれば、負極活物質と結着剤の極めて高い相乗効果により、充放電サイクルによる負極活物質の微粉化が抑制されると共に、ナノファイバーおよび/またはナノチューブと複合粒子の間の密着性が維持されることにより該負極活物質の電極からの脱落などが抑えられ、これまでにない優れた充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池負極合剤、リチウム二次電池負極およびこれを用いたリチウム二次電池が提供される。
図1は、実施例1において得られた炭素材の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図2(A)および(B)は、SEMで観測されたナノファイバーのそれぞれ異なる部分のエネルギー分散型X線分析装置(EDX)による元素分析結果を示すグラフである。
本発明は、負極活物質(A)と、結着材(B)とを含むリチウム二次電池負極合剤であって、前記負極活物質(A)は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子、ならびに該複合粒子の表面に結合し、かつ、該複合粒子を包囲するナノファイバーおよび/またはナノチューブからなるケイ素含有網状構造体を含むものであり、前記結着材(B)は、アルコキシ基結合型セルロース、ヒドロキシアルキル基結合型セルロースまたはカルボキシアルキル基結合型セルロースを含むものであることを特徴とするリチウム二次電池負極合剤であり、後述するように、リチウムイオン二次電池の負極活物質として、優れた充放電サイクル特性を実現する、本発明の負極活物質(A)に、さらに本発明の結着剤(B)を組み合わせた負極合剤を使用することで、本発明の負極活物質(A)と結着剤(B)の相乗効果により、極めて優れた充放電サイクル特性を実現するリチウム二次電池負極合剤、リチウム二次電池負極およびリチウム二次電池に関する技術を開示するものである。
まず本発明の負極活物質(A)について詳細に説明する。
本発明による負極活物質(A)は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子、ならびに該複合粒子の表面に結合し、かつ、該複合粒子を包囲するナノファイバーおよび/またはナノチューブ(以下、「ナノファイバー等」という。)からなる網状構造体を含んでなり、該網状構造体がケイ素を含むことを特徴とする。上記樹脂炭素材と網状構造体は、炭素前駆体を、必要に応じて触媒を共存させて、炭化処理することにより形成される。さらに、網状構造体は、見かけ上、ケイ素含有粒子と樹脂炭素材からなる複合粒子の表面を起点に形成される。
特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、本発明におけるナノファイバー等からなる網状構造体は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面に結合しているため、隣接する別の粒子に起因する網状構造体と交絡しているものと考えられる。このため、ナノファイバー等と複合粒子の間の密着性が高くなり、充放電によるケイ素含有粒子の体積膨張収縮に際してもナノファイバー等が複合粒子から離れにくくなる。また、隣接する複数の粒子の網状構造体同士が交絡することで全体として伸縮性のある網状構造体が形成されるため、充放電によるケイ素含有粒子の体積膨張収縮に際して負極全体の導電性が維持される。そして、負極の導電性が維持されることにより、充放電に伴う抵抗変化を抑制することができ、サイクル特性に優れたものとなる。このような本発明特有の網状構造体は、従来技術のように別途気相法で形成されたカーボンナノファイバー等を添加しただけでは、形成されない。なお、網状構造体は見かけ上複合粒子の表面を起点に形成されるが、網状構造体がケイ素を含有することから、網状構造体の真の起点はケイ素含有粒子の表面であると考えられる。
本発明による網状構造体を構成するナノファイバー等は、繊維直径1μm未満のケイ素含有繊維を含む。ナノファイバーとナノチューブとを厳密に区別する必要はないが、本明細書では特に、繊維直径100nm以上のものをナノファイバーと、そして繊維直径100nm以下のものをナノチューブとそれぞれ定義する。本発明によるナノファイバー等の元素組成としては、ケイ素含有粒子の元の組成により、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭窒化ケイ素等またはこれらの任意の組合せであることが想定される。本発明によるナノファイバー等の元素組成は、ナノファイバー等の全体にわたり均一であってもよいし、場所によって異なっていてもよい。さらに、本発明による網状構造体を構成するナノファイバー等には、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブ(以下、「カーボンナノファイバー等」という。)が含まれていることが好ましい。カーボンナノファイバー等が存在することにより、ケイ素含有粒子を含む複合粒子間の導電性向上が期待される。
本発明による樹脂炭素材は、リチウムイオンが進入するための細孔を有する。このような細孔は、負極活物質(A)に対して、窒素ガスをプローブ分子としたときに、窒素分子が進入・吸着できる場所である。細孔の大きさ(細孔径)は、0.25〜0.45nmの範囲内にあることが好ましい。細孔径が0.25nm未満であると、樹脂炭素材の炭素原子の電子雲による遮蔽効果によりリチウムイオンの進入が妨害されるため、充電容量が低下する。一方、細孔径が0.45nmを超えると、溶媒和されたリチウムイオンが細孔内に捕捉されるため、初期効率(放電容量/充電容量)が低下する。上記細孔径はマイクロポア法(装置:島津製作所製・細孔分布測定装置「ASAP−2010」)で測定された値である。
本発明による樹脂炭素材の全細孔容積と細孔容積は、窒素ガスをプローブ分子としたときに窒素分子が進入しうる空間として測定され、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される。ここでいう細孔容積とは、各細孔径における細孔の容積を意味する。具体的には、測定時の各相対圧による窒素ガスの吸着量より各細孔径における細孔容積が算出される。本発明による樹脂炭素材の0.25〜0.45nmの細孔径を有する細孔容積は、好ましくは0.0001〜1.5cm/gの範囲内、より好ましくは0.0005〜1.0cm/gの範囲内である。0.25〜0.45nmの細孔径を有する細孔容積が1.5cm/g以下であると、充放電における電解液の分解反応が抑制され、初期充放電特性の低下が生じにくい。また、樹脂炭素材の真密度の低下が抑制され、電極としてのエネルギー密度低下が抑制される点でも好ましい。一方、0.25〜0.45nmの細孔径を有する細孔容積が0.0001cm/g以上であると、リチウムイオンが進入できる部位が減少せず、充電容量が低くならず、好ましい。また、樹脂炭素材が適度な粗密構造になり、ケイ素含有粒子の膨張を抑え、良好な充放電サイクル特性が発現する。0.25〜0.45nmの細孔径を有する細孔容積は、後述する樹脂炭素材の熱処理条件または炭化処理条件(温度、昇温速度、処理時間、処理雰囲気等)によって制御することができる。
本発明による樹脂炭素材は、上記0.25〜0.45nmの細孔径を有する細孔の容積が、樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して、好ましくは25容積%以上、より好ましくは30容積%以上である。ここで樹脂炭素材の全細孔容積とは、負極活物質(A)の単位質量に対して、上記マイクロポア法における各相対圧の窒素ガス吸着量より算出される各細孔径の細孔容積の総和を指す。
上記0.25〜0.45nmの細孔径を有する細孔の容積が上記全細孔容積に対して25容積%以上であると、十分な充電容量が確保でき好ましい。
本発明の負極活物質(A)は、その形状に特に制限はなく、塊状、鱗片状、球状、繊維状等の任意の粒子形状を有することができる。また、これら負極活物質粒子の大きさは、充放電特性の上で、平均粒子径が3μm以上、15μm以下であることが好ましい。更に好ましくは5μm以上、12μm以下である。また、より好ましくは、7μm以上、10μm以下である。平均粒子径が15μm以下だと、負極活物質粒子間の間隙を小さく保持でき、負極活物質(A)として用いた場合に、負極電極の密度を向上させることができる。また、平均粒子径が3μm以上だと、単位質量当たりで見た場合、負極活物質粒子個数が大きく増加することなく、全体として嵩高くなることを防止でき、取り扱いが容易となる。
本発明における粒子径の定義としては、粒子形状とMie理論を用いて測定量を粒子径に算出した値とし、有効径と称されるものである。
本発明における平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定法による測定される体積換算で頻度が50%となる粒子径を平均粒子径D50%として定めた。
本発明によるケイ素含有粒子を構成するケイ素の合金、酸化物、窒化物もしくは炭化物の例として、一酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、チタンシリコン合金(Ti−Si系)等を挙げることができる。中でも、SiOは、対応するSi単体より充電時の膨張率が小さいためより好ましい。
本発明によるケイ素含有粒子の平均粒子径は、概ね0.5μm〜5μmの範囲内にあることが好ましい。一般に、高い充放電容量を得る上では、平均粒子径を小さくして、リチウムイオンとの接触面積を増やすことが好ましい。しかしながら、ケイ素含有粒子の平均粒子径を0.5μm以上とすると、リチウムイオンの吸蔵量が過剰とならず、ケイ素含有粒子の膨張収縮を網状構造体により抑制できるため好ましい。一方、ケイ素含有粒子の平均粒子径を5μm以下とすると、高い充放電容量を発現でき好ましい。
本発明における負極活物質(A)は、ケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を負極活物質(A)に対する質量比で5〜60質量%含有することが好ましい。上記ケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物の含有量が5質量%以上だと、リチウムイオンの吸蔵を多くすることができ、高い充放電容量を得ることが期待できる。一方、上記含有量が60質量%以下だと、ケイ素のリチウムイオンの吸蔵・放出における膨張収縮を網状構造体により抑えることができ、良好な充放電サイクル特性が得られる。ここで、上記ケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物の含有量は、JIS K 2272:1998に従う灰分試験法によって測定される。
本発明による負極活物質(A)は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、炭素前駆体とを混合することにより、該ケイ素含有粒子が該炭素前駆体に分散された混合物を形成し、次いで該混合物に炭化処理を施すことにより製造される。この炭化処理により、炭素前駆体が樹脂炭素材に転化すると共に、転化した樹脂炭素材とケイ素含有粒子とからなる複合粒子を包囲するナノファイバー等からなる網状構造体が、該複合粒子の表面を起点に形成される。さらに、本発明による負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、炭素前駆体と、触媒とを混合することにより、該ケイ素含有粒子と該触媒とが該炭素前駆体に分散された混合物を形成し、次いで該混合物に炭化処理を施すことによっても製造される。炭素前駆体中に触媒を分散させて炭化処理を施すことにより、網状構造体を構成するナノファイバー等、特にカーボンナノファイバー等の生成量を増大させることができる。
炭素前駆体の例としては、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂およびポリアクリロニトリルからなる群より選択された易黒鉛化材料または難黒鉛化材料を挙げることができる。易黒鉛化材料と難黒鉛化材料の混合物を使用してもよい。また、フェノール樹脂等に硬化剤(例、ヘキサメチレンテトラミン)を含めてもよく、その場合、硬化剤も炭素前駆体の一部となり得る。
触媒を使用する場合、例として、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)およびマンガン(Mn)からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含むものが挙げられる。触媒元素は、炭素前駆体に不純物として含まれるものであってもよく、その場合、意図的に別途触媒を用意して混合する必要のない場合もある。これらの触媒元素は、該ケイ素含有粒子と該炭素前駆体に分散された混合物を形成するように、溶液として粒子と混合することが好ましい。このような溶液を提供するため、触媒元素は金属塩化合物として用意することが好ましく、そのような金属塩化合物の例としては、上記元素の、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩等の無機酸根との塩、カルボン酸、スルホン酸、フェノール等の有機酸根との塩、等が挙げられる。また、このような溶液に用いる溶媒としては、水、有機溶媒および水と有機溶媒の混合物の中から適宜選択すればよく、特に有機溶媒の例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ケイ素含有粒子と、炭素前駆体と、必要に応じて触媒と、を混合する方法に特に制限はなく、ホモディスパー、ホモジナイザー等の撹拌機による溶融または溶液混合;遠心粉砕機、自由ミル、ジェットミル等の粉砕機による粉砕混合;乳鉢、乳棒による混練混合;等を採用することができる。ケイ素含有粒子と、炭素前駆体とを混合する順序にも特に制限はないが、溶媒(使用する場合)に、ケイ素含有粒子、炭素前駆体、の順でもよいし、その逆でもかまわない。ケイ素含有粒子と樹脂炭素材からなる粒子において、樹脂炭素材によりケイ素含有粒子を包囲する複合粒子を形成する上で、溶媒を用いて、ケイ素含有粒子と炭素前駆体を混合し、スラリー状混合物としてもよいし、ケイ素含有粒子に炭素前駆体を混合し、炭素前駆体を硬化させ、固形状にしてもよい。また、上記スラリーにおいて、炭素前駆体が液状であれば、溶媒を使用しなくても良い。
本発明の負極活物質(A)の粒度分布を調整する場合は、公知の粉砕方法、分級方法を採用すればよい。粉砕装置の例としては、ハンマーミル、ジョークラッシャー、衝突式粉砕器等が挙げられる。また、分級方法の例としては、気流分級、篩による分級が可能であり、特に気流分級装置の例として、ターボクラシファイヤー、ターボプレックス等が挙げられる。
炭化処理のための加熱温度は、好ましくは400〜1400℃、より好ましくは600〜1300℃の範囲内で適宜設定すればよい。上記加熱温度に至るまでの昇温速度に特に制限はなく、好ましくは0.5〜600℃/時、より好ましくは20〜300℃/時の範囲内で適宜設定すればよい。上記加熱温度での保持時間は、好ましくは48時間以内、より好ましくは1〜12時間の範囲内で適宜設定すればよい。また、炭化処理は、アルゴン、窒素、二酸化炭素等の還元雰囲気において実施すればよい。さらに、炭化処理を2段階以上に分けて実施することにより、得られる樹脂炭素材の物性を制御することが好ましい。例えば、400〜700℃の温度で1〜6時間程度処理(一次炭化)した後、上述の粉砕処理により所期の平均粒子径を有する負極活物質を得、さらにその負極活物質を1000℃以上の温度で処理(二次炭化)することが好ましい。
このように、本発明よる負極活物質(A)は、樹脂炭素材と、ナノファイバー等からなる網状構造体とが炭化処理により一緒に形成されるため、別途ナノファイバー等を気相法、アーク放電法、プラズマ処理法で用意する必要がなく、製造プロセスが簡便であり、且つコストを下げることができる。
次に本発明の結着剤(B)について説明する。
本発明の結着剤(B)は、アルコキシ基結合型セルロース、ヒドロキシアルキル基結合型セルロースまたはカルボキシアルキル基結合型を含むものである。前述のように本発明の負極活物質(A)における、ナノファイバー等からなる網状構造体は、隣接する別の粒子に起因する網状構造体と交絡しているため、ナノファイバー等と複合粒子の間の密着性が高くなり、充放電によるケイ素含有粒子の体積膨張収縮に際してもナノファイバー等が複合粒子から離れにくくなる。また、隣接する複数の粒子の網状構造体同士が交絡することで全体として伸縮性のある網状構造体が形成されるため、充放電によるケイ素含有粒子の体積膨張収縮に際して負極全体の導電性が維持される効果を奏するが、本発明の結着剤(B)を用いることにより、本発明の複合粒子同士の密着性を向上させる効果(これは従来の結着剤におけるナノファイバーのない活物質粒子同士の密着性を向上させる効果に相当)のみならず、ナノファイバー等と複合粒子、あるいはナノファイバー同士、の密着性が向上し、さらには網状構造体同士の交絡部分を補強する効果を奏するため、本発明の負極活物質(A)と、結着剤(B)との相乗効果により、サイクル特性が著しく向上するものである。
本発明に用いられるアルコキシ基結合型セルロース、ヒドロキシアルキル基結合型セルロースまたはカルボキシアルキル基結合型セルロースとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、イソプロピルセルロース、ブチルセルスなどのアルコキシ基結合型セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキル基結合型セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロースなどのカルボキシアルキル基結合型セルロース、などが挙げられる。これらセルロース系化合物は、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することが出来る。アルコキシ基結合型セルロース、ヒドロキシアルキル基結合型セルロースまたはカルボキシアルキル基結合型セルロースを含む本発明の結着剤(B)は、負極活物質(A)100質量部に対して4〜20質量部用いることが好ましい。また、より好ましくは6〜14質量部である。4質量部以上だと、充放電サイクルに伴う活物質の脱落や、活物質と焦電体との密着性の低下などが生じにくく、また、20質量部以下だと、負極内の活物質の量が十分なものとなり、充放電特性、特に負極体積当たりの容量が十分なものとなる。本発明に用いられる結着剤(B)はアルコキシ基結合型セルロース、ヒドロキシアルキル基結合型セルロースまたはカルボキシアルキル基結合型セルロースを含むものであればよいが、中でもエーテル化度が0.6〜1.5であるカルボキシメチルセルロースが作業性や密着力の面で好ましく、カルボキシメチルセルロースのエーテル化度が0.6以上だと、前述の密着力が十分となり、充放電を繰り返した場合に活物質同士の脱落などの現象が生じにくく、容量低下を抑制する。またエーテル化度が1.5以下だと、電極スラリーとした場合の粘度が極端に上昇せず、円滑に焦電体に塗布することができる。また本発明の結着材(B)は、アルコキシ基結合型セルロース、ヒドロキシアルキル基結合型セルロースまたはカルボキシアルキル基結合型セルロースを含むものであればよいが、前述の説明で述べた本発明の結着材(B)の効果を低下させない範囲であれば、必要に応じてポリフッ化ビニリデン樹脂等の他の結着材を併用することは何ら差し支えない。
前述のようにして得られた負極活物質(A)、さらに結着材(B)を使用することにより、本発明によるリチウム二次電池負極を作製することができる。本発明によるリチウム二次電池負極は、従来公知の方法で作製することができ、例えば、本発明の負極活物質(A)、結着材(B)に、導電剤等を加えて適当な溶媒または分散媒で所定粘度としたスラリーを調製し、これを金属箔等の集電体に塗工し、厚さ数μm〜数百μmのコーティングを形成させる。そのコーティングを50〜200℃程度で熱処理することにより溶媒または分散媒を除去することにより、本発明による負極を得ることができる。
本発明による負極の作製に用いられる導電剤は、導電補助材として通常使用されている材料であればよく、例として、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。さらに、本発明による負極の作製に用いられる溶媒または分散媒は、負極活物質、結着剤、導電剤等を均一に混合できる材料であればよく、例として、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、アセトニトリル、水等が挙げられる。
さらに、本発明によるリチウム二次電池負極を用いることにより、本発明によるリチウム二次電池を作製することができる。本発明によるリチウム二次電池は、従来公知の方法で作製することができ、一般に、本発明による負極と、正極と、電解質とを含み、さらにこれらの負極と正極が短絡しないようにするセパレータを含む。電解質がポリマーと複合化された固体電解質であってセパレータの機能を併せ持つものである場合には、独立したセパレータは不要である。
本発明によるリチウム二次電池の作製に用いられる正極は、従来公知の方法で作製することができる。例えば、正極活物質に、バインダー、導電剤等を加えて適当な溶媒または分散媒で所定粘度としたスラリーを調製し、これを金属箔等の集電体に塗工し、厚さ数μm〜数百μmのコーティングを形成させ、そのコーティングを50〜200℃程度で熱処理することにより溶媒または分散媒を除去すればよい。正極活物質は、従来公知の材料であればよく、例えば、LiCoO等のコバルト複合酸化物、LiMn等のマンガン複合酸化物、LiNiO等のニッケル複合酸化物、これら酸化物の混合物、LiNiOのニッケルの一部をコバルトやマンガンに置換したもの、LiFeVO、LiFePO等の鉄複合酸化物、等を使用することができる。
電解質としては、公知の電解液、常温溶融塩(イオン液体)、及び有機系もしくは無機系の固体電解質などを用いることができる。公知の電解液としては、例えば、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートなどの環状炭酸エステル、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステルなどが挙げられる。また、常温溶融塩(イオン液体)としては、例えば、イミダゾリウム系塩、ピロリジニウム系塩、ピリジニウム系塩、脂肪族系塩、アンモニウム系塩、ホスホニウム系塩、スルホニウム系塩などが挙げられる。前記固体電解質としては、例えば、ポリエーテル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリイミン系ポリマー、ポリビニルアセタール系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリフッ化アルケン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマー、ポリ(塩化ビニル−フッ化ビニリデン)系ポリマー、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)系ポリマー、及びニトリルゴムなどの直鎖型ポリマーなどに代表される有機系ポリマーゲル;ジルコニアなどの無機セラミックス;ヨウ化銀、ヨウ化銀硫黄化合物、ヨウ化銀ルビジウム化合物などの無機系電解質;などが挙げられる。また、イオン伝導度を低減するために、前記電解質にリチウム塩を溶解したものを二次電池用の電解質として用いることができる。また、電解質に難燃性を付与するために難燃性電解質溶解剤を加えることもできる。同様に、電解質の粘度を低下させるために可塑剤を加えることもできる。
電解質に溶解させるリチウム塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiCFSO、LiBF、LiAsF、LiN(CFSO、LiN(CSOおよびLiC(CFSOなどが挙げられる。上記リチウム塩は、単独で用いても、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記リチウム塩は、電解質全体に対して、一般に0.1質量%〜89.9質量%、好ましくは1.0質量%〜79.0質量%の含有量で用いられる。電解質のリチウム塩以外の成分は、リチウム塩の含有量が上記範囲内にあることを条件に、適当な量で添加することができる。
上記電解質に用いられるポリマーとしては、電気化学的に安定であり、イオン伝導度が高いものであれば特に制限はなく、例えば、アクリレート系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン等を使用することができる。また、重合性官能基を有するオニウムカチオンと重合性官能基を有する有機アニオンとから構成される塩モノマーを含むものから合成されたポリマーは、特にイオン伝導度が高く、充放電特性のさらなる向上に寄与し得る点で、より好ましい。電解質中のポリマー含有量は、好ましくは0.1質量%〜50質量%、より好ましくは1質量%〜40質量%の範囲内である。
上記難燃性電解質溶解剤としては、自己消火性を示し、かつ、電解質塩が共存した状態で電解質塩を溶解させることができる化合物であれば特に制限はなく、例えば、リン酸エステル、ハロゲン化合物、フォスファゼン等を使用することができる。
上記可塑剤の例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状炭酸エステル、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、等が挙げられる。上記可塑剤は、単独で用いても、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明によるリチウム二次電池にセパレータを用いる場合、正極と負極の間の短絡を防止することができ、電気化学的に安定である従来公知の材料を使用すればよい。セパレータの例としては、ポリエチレン製セパレータ、ポリプロピレン製セパレータ、セルロース製セパレータ、不織布、無機系セパレータ、グラスフィルター等が挙げられる。電解質にポリマーを含める場合には、その電解質がセパレータの機能を兼ね備える場合もあり、その場合、独立したセパレータは不要である。
本発明の二次電池の製造方法としては、公知な方法が適用できる。例えば、まず、上記で得た正極および負極を、所定の形、大きさに切断して用意し、次いで、正極と負極を直接接触しないように、セパレータを介して貼りあわせ、それを単層セルとする。次いで、この単層セルの電極間に、注液などの方法により、電解質を注入する。このようにして得られたセルを、例えば、ポリエステルフィルム/アルミニウムフィルム/変性ポリオレフィンフィルムの三層構造のラミネートフィルムからなる外装体に挿入し封止することにより、二次電池が得られる。得られた二次電池は、用途により、単セルとして用いても、複数のセルを繋いだモジュールとして用いてもよい。
以下、本発明をより具体的に説明するための実施例を提供する。
<実施例1>
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を20質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素50質量部(平均粒子径1.2μm)を加え2時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、500℃到達後1時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が11μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1100℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質について、下記測定法により測定したところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.85cm/gであり、全細孔容積に対して55容積%であった。また、得られた負極活物質について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察を行ったところ、負極活物質粒子表面に繊維直径が50nmのナノファイバー等の生成が確認された。また、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が36.7質量%含有されていた。
得られた負極活物質を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果(電子顕微鏡写真)を図1に示す。図1からわかるように、ナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、図2(A)および(B)に示したように、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。
負極活物質の評価
細孔容積と細孔分布の測定
測定試料を島津製作所製・細孔分布測定装置「ASAP−2010」を用いて、623Kで真空加熱前処理することで吸着ガスを脱着、プローブガスとしてNを用い、絶対圧760mmHg、相対圧0.005〜0.86の範囲で77.3Kでの吸着等温線を測定し、得られた吸着媒質の比表面積・吸着量から吸着層の厚さtを介し、HalseyおよびHalsey and Juraの厚み式をもとに平均細孔水理半径を算出し、細孔容積を次式に基づいて計算した。
HalseyおよびHalsey and Juraの厚み式については、以下に説明した通りである。
t=(M×Vsp/22414)×(Va/S)
[式中、t:吸着層の統計的厚さ、M:吸着質の分子量、Va:吸着媒単位質量当りの吸着量、Vsp:吸着質ガスの比容積、S:吸着媒の比表面積]
=HP1×[HP2/ln(Prel)]HP3
[式中、t:Ithポイントの厚み、HP1:Halseyパラメーター#1、HP2:Halseyパラメーター#2、HP3:Halseyパラメーター#3、Prel:Ithポイントの相対圧力(mmHg)]
平均水理半径(nm):R=(t+tI−1)/20
Ithポイント目に遮断した細孔表面積の増分ΔS:ΔS=SI−1−S
Ithポイント目に遮断した積算細孔表面積(m/g)S:S=S+S+S+・・・・・Sn
Ithポイント目に遮断した細孔容積の増分ΔV:
ΔV=(S×10cm/m)×(R×10−8cm/Å)
Ithポイント目の細孔容積ΔV/ΔR(cm/g):ΔV/ΔR=ΔV/t−tI−1
なお、上記Ithポイント目というのは、各相対圧による個々の測定ポイントのことをいう。
Ithポイント目に遮断した細孔容積(cm/g):V=V+V+V+・・・・・Vn。
負極活物質の粒子径は、レーザー回折折散乱粒度分布測定装置(ベックマン・コールター(株)社製LS−230)を用いて測定した。平均粒子径は体積換算とし、頻度が累積で50%になったところを平均粒子径と定義した。
充放電特性の評価
(1)負極合剤および負極の作製
上記で得られた負極活物質100質量部を用い、これに対して結着剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学製:品番1160)、エーテル化度0.6〜0.8)10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒として水200質量部を加え混合し、スラリー状の負極合剤を調製した。
この負極合剤を10μmの銅箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を100μmに加圧成形した。これを幅40mmで長さ290mmの大きさに切り出し負極を作製した。この負極を用いて、リチウムイオン二次電池用電極としてφ13mmの径で打ち抜き負極とした。
(2)リチウムイオン二次電池の作製
上記負極、セパレーター(ポリプロピレン製多孔質フィルム:直径φ16、厚さ25μm)、作用極としてリチウム金属(直径φ12、厚さ1mm)の順で、宝泉製2032型コインセル内の所定の位置に配置した。さらに、電解液としてエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合液(体積比が1:1)に、過塩素酸リチウムを1[モル/リットル]の濃度で溶解させたものを注液し、リチウムイオン二次電池を作製した。
(3)電池特性の評価
〈初期充放電特性評価〉
充電容量については、充電時の電流密度を25mA/gとして定電流充電を行い、電位が0Vに達した時点から、0Vで定電圧充電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに充電した電気量を充電容量とした。
一方、放電容量については、放電時の電流密度も25mA/gとして定電流放電を行い、電位が2.5Vに達した時点から、2.5Vで定電圧放電を行い、電流密度が1.25mA/gになるまでに放電した電気量を放電容量とした。
なお、充放電特性の評価は、充放電特性評価装置(北斗電工(株)製:HJR−1010mSM8)を用いて行った。
また、以下の式により初回の充放電効率を定義した。
初回充放電効率(%)=初回放電容量(mAh/g)/初回充電容量(mAh/g)×100
〈サイクル性評価〉
初期充放電特性評価条件を300回繰り返し測定した後に得られた放電容量を300サイクル目の放電容量とした。また、以下の式によりサイクル性(300サイクル容量維持率)を定義した。
サイクル性(%、300サイクル容量維持率)=300サイクル目の放電容量(mAh/g)/初回放電容量(mAh/g)×100
〈負荷特性評価〉
初期充放電特性評価により得られた放電容量を基準容量(C)とし、基準容量を充電した後に、充電量を1時間で放電させる電流密度にて放電を行い、得られた放電容量を1C容量とした。同様に基準容量を充電した後に、充電量を2分で放電させる電流密度で放電を行い、得られた放電容量を30C容量とした。また、以下の式により負荷特性(%、30Cでの容量 対 1Cでの容量)を定義した。
負荷特性(%、30Cでの容量 対 1Cでの容量)=30C容量(mAh/g)/1C容量(mAh/g)×100
<実施例2> ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を30質量部のアセトンを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素30質量部(平均粒子径3.3μm)を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、550℃到達後1時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が7μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1150℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質の0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.75cm/gであり、全細孔容積に対して75容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が40nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が26.0質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学製:品番1160、エーテル化度0.6〜0.8)14質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒として水250質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<実施例3>
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を45質量部のアセトンを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素45質量部(平均粒子径0.7μm)を加え5時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、500℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が11μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1100℃到達後5時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価したところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.65cm/gであり、全細孔容積に対して55容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が40nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が35.3質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学製:品番1160、エーテル化度0.6〜0.8)6質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒として水160質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<実施例4>
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を25質量部のアセトンを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素30質量部(平均粒子径1.3μm)、触媒として硝酸鉄0.1質量部を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が12μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1100℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価したところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.80cm/gであり、全細孔容積に対して50容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が20nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が28.4質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学製:品番1350、エーテル化度1.0〜1.5)10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒として水200質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<実施例5> β−ナフトール100質量部と43%ホルムアルデヒド水溶液53.3質量部、しゅう酸3質量部を攪拌機及び冷却管を備えた3つ口フラスコに入れ、100℃で3時間反応後、昇温脱水し、β−ナフトール樹脂90質量部を得た。上記操作を繰り返して得られたβ−ナフトール樹脂100質量部に対してヘキサメチレンテトラミンを10質量部の割合で添加したものを粉砕混合した後、30質量部のジメチルスルホアミドを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素60質量部(平均粒子径3.3μm)を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後6時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が7μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1100℃到達後10時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価したところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.65cm/gであり、全細孔容積に対して65容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が20nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が56.2質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学製:品番2280、エーテル化度0.6〜0.8)10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒として水200質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<実施例6>
レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51723)100質量部を30質量部のアセトンを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素20質量部(平均粒子径1.1μm)を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、550℃到達後2時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が10μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1200℃到達後18時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価したところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.012cm/gであり、全細孔容積に対して40容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が35nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が33.1質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学製:品番1160、エーテル化度0.6〜0.8)10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒として水200質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<実施例7>
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を20質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素50質量部(平均粒子径1.2μm)を加え2時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを150℃にて5時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、600℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が9μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1250℃到達後3時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物の0.25〜0.45nmの細孔容積は、1.2cm/gであり、全細孔容積に対して80容積%であった。また、得られた負極活物質SEM観察を行ったところ、繊維直径が40nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が35.9質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてメチルセルロース(シグマアルドリッチ製、数平均分子量14000)20質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒として水400質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<実施例8>
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を20質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素40質量部(平均粒子径1.2μm)を加え2時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを175℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、650℃到達後1時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が9μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1100℃到達後18時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質の0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.85cm/gであり、全細孔容積に対して25容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が35nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が36.2質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(シグマアルドリッチ製、2質量%水溶液)を固形分で4質量部となるよう配合し、さらにアセチレンブラック3質量部を加えて混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<実施例9>
レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−51723)100質量部を30質量部のアセトンを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらに一酸化ケイ素45質量部(平均粒子径1.3μm)を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行った。硬化処理後、窒素雰囲気下にて昇温し、450℃到達後3時間の炭化を行った。得られた炭化物を平均粒子径が10μmになるまで粉砕処理を行い、粉砕処理により得られた炭化物を、さらに昇温し、1050℃到達後3時間の炭化処理を行い、二次電池用負極活物質を得た。得られた負極活物質の0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.0003cm/gであり、全細孔容積に対して30容積%であった。また、得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、繊維直径が50nmのナノファイバー等がケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲していることが確認された。また、実施例1と同様に、SEMで観察されたナノファイバー等の2箇所をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて元素分析を行なったところ、炭素、酸素及びケイ素のピークが確認された。さらに、得られた負極活物質には一酸化ケイ素が34.1質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(シグマアルドリッチ製、2質量%水溶液)を固形分で4質量部となるよう配合し、さらにアセチレンブラック3質量部を加えて混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。

<比較例1> 実施例1で作製した負極活物質100質量部に対して結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン120質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<比較例2>
実施例5で作製した負極活物質100質量部に対して結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン120質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。

<比較例3> ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を20質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらにケイ素20質量部(平均粒子径54μm)を加え2時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行い、炭化処理条件を、1000℃到達後10時間の炭化処理を行う以外は、実施例1と同様の方法により負極活物質を得た。得られた負極活物質の平均粒子径は8μmに調整した。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価のところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、0.65cm/gであり、全細孔容積に対して20容積%であった。得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、複合粒子の表面には網状構造体は確認されなかった。また、得られた負極活物質にはケイ素が23.1質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学製:品番1160、エーテル化度0.6〜0.8)10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒として水200質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
<比較例4>
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製PR−50237)135質量部およびヘキサメチレンテトラミン(三菱瓦斯化学株式会社製)25質量部を30質量部のメタノールを加えた4つ口フラスコに溶解させ、さらにケイ素40質量部(平均粒子径25μm)を加え3時間攪拌を行った。攪拌終了後、得られたスラリーを200℃にて3時間硬化処理を行い、炭化処理条件を、900℃到達後5時間の炭化処理を行う以外は、実施例1と同様の方法により負極活物質を得た。得られた負極活物質の平均粒子径は10μmに調整した。得られた負極活物質について、実施例1と同様にして評価のところ、0.25〜0.45nmの細孔容積は、1.25cm/gであり、全細孔容積に対して25容積%であった。得られた負極活物質のSEM観察を行ったところ、複合粒子の表面には網状構造体は確認されなかった。また、得られた負極活物質にはケイ素が32.3質量%含有されていた。
次いで、負極活物質100質量部に対して結着剤としてカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学製:品番1160、エーテル化度0.6〜0.8)10質量部、アセチレンブラック3質量部の割合で、それぞれ配合し、さらに、希釈溶媒として水200質量部を加え混合し、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極を得た。さらに、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製して、充放電特性を評価した。
上記各実施例、比較例について、負極活物質の評価結果を表1に、電池特性の評価結果を表2に示す。
表1、表2から明らかなように、実施例1〜9のリチウムイオン二次電池は、300サイクル後の放電容量維持率が80%以上あり、比較例1、2、3、4と比べ、充放電サイクル特性が顕著に向上した。これは、実施例ではナノファイバー等が本発明のケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子の表面から発生し、これらの粒子を包囲て隣接する別の粒子に起因する網状構造体と交絡し、さらに本発明の結着剤(B)を用いることにより、本発明の複合粒子同士の密着性を向上させる効果のみならず、ナノファイバー等と複合粒子、あるいはナノファイバー同士の密着性が向上し、さらには網状構造体同士の交絡部分を補強する効果を奏するため、炭素材(A)と結着剤(B)との著しい相乗効果により、サイクル特性が著しく向上したものである。比較例1および比較例2では、本発明の負極活物質(A)を使用しているものの、本発明の結着剤を使用していないため、負極活物質との相乗効果がなく、サイクル特性に劣る。また比較例3および比較例4では、負極活物質(A)の粒子を包囲するナノファイバー等が存在しないため、充放電サイクルによる負極活物質の膨張収縮に伴う微粉化が進行し、実質的に電極が崩壊した。特に、実施例1〜6は、0.25〜0.45nmの細孔径を有する細孔の容積が0.0005〜1.0cm 3 /gであり、かつ、その容積が、樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して30容積%以上であることにより、いずれも300サイクル後の放電容量維持率が85%以上を記録した。

Claims (12)

  1. 負極活物質(A)と、結着材(B)とを含むリチウム二次電池負極合剤であって、前記負極活物質(A)は、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能なケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物を含むケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子を包囲する樹脂炭素材とからなる複合粒子、ならびに該複合粒子の表面に結合し、かつ、該複合粒子を包囲するナノファイバーおよび/またはナノチューブからなるケイ素含有網状構造体を含むものであり、前記樹脂炭素材と前記網状構造体は、炭素前駆体を炭化処理することにより形成され、前記網状構造体は、見かけ上、複合粒子の表面を起点に形成され、
    前記結着材(B)は、アルコキシ基結合型セルロース、ヒドロキシアルキル基結合型セルロースまたはカルボキシアルキル基結合型セルロースを含むものであることを特徴とするリチウム二次電池負極合剤。
  2. 前記結着材(B)を、前記負極活物質(A)100質量部に対し、4〜20質量部用いることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池負極合剤。
  3. 前記結着材(B)が、エーテル化度が0.6〜1.5であるカルボキシメチルセルロースを含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載のリチウム二次電池負極合剤。
  4. 前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が0.0001〜1.5cm3/gである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
  5. 前記0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が0.0005〜1.0cm3/gである、請求項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
  6. 前記樹脂炭素材が細孔を有し、かつ、窒素ガス吸着法を用いたマイクロポア法により算出される0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が、前記樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して25容積%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
  7. 前記0.25〜0.45nmの細孔径を有する該細孔の容積が、前記樹脂炭素材が有する全細孔容積に対して30容積%以上である、請求項〜6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
  8. 前記ケイ素含有粒子がケイ素酸化物を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
  9. 前記負極活物質(A)において、ケイ素の合金、酸化物、窒化物または炭化物の含有量が5〜60質量%の範囲内である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
  10. 前記負極活物質(A)の平均粒子径が3μm〜15μmの範囲内である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のリチウム二次電池負極合剤を含むリチウム二次電池負極。
  12. 請求項11に記載のリチウム二次電池負極を含むリチウム二次電池。

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