JP6391384B2 - リチウムイオン二次電池用負極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、正極、負極及び電解質を備えて構成される。そして、正極及び負極、すなわち電極は、電極活物質が配合されて構成され、通常はさらに、導電助剤及びバインダーが配合されて構成される。なかでも電極活物質は、リチウムイオン二次電池の容量に関わる重要な因子であり、負極活物質として従来は、主に黒鉛(グラファイト)が使用されている。
これに対して、より高容量のリチウムイオン二次電池を実現し得る負極活物質として、ケイ素が注目されている。リチウムイオン二次電池の理論容量は、例えば、負極活物質として黒鉛を用いた場合には372mAh/gであるのに対して、ケイ素を用いた場合には4199mAh/gである。
しかし、ケイ素を用いて負極を構成した場合、充放電時におけるリチウムイオンの吸蔵及び放出過程で、負極が膨張及び収縮することが知られている。負極では、1個のケイ素原子に対して4個のリチウムイオンの吸蔵及び放出が可能であり、二次電池が作動する際に、負極は4倍膨張及び収縮し得る。充放電時におけるこの膨張及び収縮により、負極は集電性が低下して、放電容量が大きく低下してしまう。このように、負極活物質としてケイ素を用いたリチウムイオン二次電池は、充放電を繰り返し行ったときの容量維持率が低いという問題点があった。
これに対して、負極活物質として酸化ケイ素を用いた負極が開示されている(特許文献1参照)。このような負極を備えたリチウムイオン二次電池では、充放電を繰り返し行ったときの容量維持率の低下を抑制できるものの、黒鉛系の材料と比較してまだ十分ではない。
特開平6−325765号公報
酸化ケイ素を用いた負極を備えた二次電池に限らず、充放電が繰り返されるリチウムイオン二次電池には、さらなるサイクル特性の向上が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、サイクル特性が優れたリチウムイオン二次電池用の負極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池の製造方法の提供を課題とする。
リチウムイオン二次電池を構成する負極は、リチウムイオンを吸蔵可能な金属酸化物及びバインダー樹脂を含む負極材を集電体に塗布し、更に集電体上の負極材を乾燥することによって製造することができる。集電体上に負極材を均一に塗布するために、負極材には希釈剤としての溶媒を添加することが一般的である。この溶媒が負極に残留すると電池性能が劣化するため、製造時の乾燥処理によって溶媒を除去する必要がある。ところが、バインダー樹脂が官能基としてのカルボキシル基を有する場合、乾燥処理における加熱によって脱水反応及び/又は脱水縮合反応が生じ、樹脂の分子内又は分子間で架橋が生じる。本発明者らは、この架橋が電池特性に悪影響を及ぼすことを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下の手段を開示する。
(1)リチウムを吸蔵可能な金属酸化物、及び官能基としてカルボキシル基を有するバインダー樹脂を含む負極材を集電体に塗布した後、前記負極材を30〜140℃で乾燥することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(2)前記負極材に溶媒が含まれ、前記乾燥で前記溶媒を除くことによって、前記負極に含まれる前記溶媒量を100ppm以下にすることを特徴とする上記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(3)前記負極材に含まれる前記金属酸化物と前記バインダー樹脂の質量比(金属酸化物/バインダー樹脂)が1〜10であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(4)前記バインダー樹脂が有するカルボキシル基の少なくとも一部の水素原子が、リチウムイオンによって置換されていることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(5)前記リチウムイオンによる前記水素原子の置換率が10〜50%であることを特徴とする上記(4)に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(6)前記バインダー樹脂がポリアクリル酸及びポリメタクリル酸のうち少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(7)上記(1)〜(6)の何れか一項に記載の製造方法により得られた負極を使用して、更にリチウムイオン二次電池を製造することを特徴とする、リチウムイオン二次電池の製造方法。
本発明によれば、容量発現率及び容量維持率が高いリチウムイオン二次電池を製造することができる。
本発明によって得られたリチウムイオン二次電池の実施形態の一例を示す断面模式図である。 実施例2の負極活物質層を構成するSiO粒子がバインダー樹脂によって被覆されている割合が低い様子を示すSEM像(×2000倍)である。 実施例4の負極活物質層を構成するSiO粒子がバインダー樹脂によって被覆されている割合が高い様子を示すSEM像(×2000倍)である。
≪リチウムイオン二次電池用負極の製造方法≫
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極(以下、単に「負極」と呼ぶことがある。)の製造方法は、リチウムを吸蔵可能な金属酸化物、及び官能基としてカルボキシル基(−COOH)を有するバインダー樹脂を含む負極材を集電体に塗布した後、前記負極材を30〜140℃で乾燥する工程を有する。
(負極材の乾燥温度)
集電体上に塗布した負極材の乾燥温度を上記範囲で実施することにより、二次電池のサイクル特性を向上させることができる。ここで推測されるメカニズムとして、30℃以上にすることで負極材に残存した水分を取り除くことができるとともに、140℃以下で乾燥することによって負極材中のバインダー樹脂が有するカルボキシル基の脱水反応及び脱水縮合反応が抑制されるために、金属酸化物の表面水酸基とカルボキシル基の相互作用点が増加することで、金属酸化物表面との結着性が向上するため、サイクル特性が向上すると考えられる。
上記のメカニズムを考慮して、負極材の乾燥温度は、35〜140℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、80〜100℃が更に好ましい。
(負極材の乾燥時間)
集電体上に塗布した負極材の乾燥時間は、30〜140℃の温度範囲において、4時間〜30時間が好ましく、5時間〜20時間がより好ましく、6時間〜12時間が更に好ましい。
4〜6時間以上の乾燥処理を行うことにより、例えば18〜35μm程度の厚みで塗布された負極材を充分に乾燥し、集電体上に固定することができる。
12〜30時間以下で乾燥処理を行うことにより、負極材中のバインダー樹脂が有するカルボキシル基の脱水反応及び脱水縮合反応を抑制することができる。
(負極における溶媒の含有量)
乾燥処理を終了する目安の一つとして、負極材中の溶媒の含有量が充分に低下していることが挙げられる。つまり、負極材に溶媒が含まれる場合、乾燥処理で溶媒を除くことによって、乾燥後に得られた負極に含まれる溶媒の量は100ppm以下にすることが好ましく、50ppm以下にすることがより好ましく、10ppm以下にすることが更に好ましい。負極に含まれる溶媒を充分に除くことによって、溶媒による電池性能への悪影響を除くことができる。
(バインダー樹脂)
本実施形態の製造方法において、集電体上に塗布する負極材を構成するバインダー樹脂は、官能基としてのカルボキシル基を有するバインダー樹脂であれば特に制限されず、リチウムイオン二次電池の分野で使用される公知のバインダー樹脂が適用できる。具体例として、例えば、アクリル酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、ポリメタクリル酸リチウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)等が挙げられる。
集電体上に塗布した負極材からなる負極活物質層の構造的強度及び当該負極活物質層を備えた二次電池のサイクル特性の両方を向上させる観点から、ポリ(メタ)アクリル酸を含むバインダー樹脂を使用することが好ましい。当該バインダー樹脂に含まれるポリ(メタ)アクリル酸の含有量は、バインダー樹脂の総質量に対して50〜100質量%であることが好ましい。本実施形態において、市販のポリ(メタ)アクリル酸を用いてもよいし、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を原料モノマーとして公知方法で重合したポリマーを使用してもよい。ポリ(メタ)アクリル酸の重量平均分子量Mwは特に制限されないが、結着性を高める観点から、ポリスチレン標準物質を使用したGPC測定においてMw1万〜50万程度が好ましい。
ここで、「ポリ(メタ)アクリル酸」の用語は、「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも何れか一方をモノマーとして含む重合体」の意味で使用し、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも何れか一方」の意味で使用する。ポリ(メタ)アクリル酸には、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルのうち少なくとも何れか一方が、アクリル酸又はメタクリル酸と共重合するモノマーとして含まれていてもよい。ポリ(メタ)アクリル酸には、アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも何れか一方が50%以上、好ましくは80%以上のモノマー組成比で含まれていることが好ましい。
本実施形態の製造方法において、バインダー樹脂が有するカルボキシル基の水素原子は非置換であってもよいし、前記水素原子の少なくとも一部が置換されていてもよい。前記水素原子を置換する物質としては、例えば1価以上のカチオンが挙げられる。具体的には、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンが挙げられる。本実施形態の製造方法においては、前記水素原子の一部を置換する好適なイオンとしてリチウムイオンが例示できる。前述したポリ(メタ)アクリル酸リチウムは、ポリ(メタ)アクリル酸が有するカルボキシル基の水素原子の少なくとも一部がリチウムイオンによって置換されたバインダー樹脂である。
バインダー樹脂が有するカルボキシル基の少なくとも一部がリチウムイオンによって置換されている場合、前記水素原子の置換率は10〜50%であることが好ましく、20〜40%がより好ましく、25〜35%が更に好ましい。ここで、前記水素原子のリチウムイオンによる置換率は、ポリ(メタ)アクリル酸の酸・塩基滴定で測定して求められる数値である。
前記置換率が10〜50%であることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上することができる。このサイクル特性の向上のメカニズムとして、前記置換によりカルボキシル基同士の相互作用が抑制されるため、ポリ(メタ)アクリル酸の凝集が抑えられ分散性が向上するためである考えられる。
前記置換率を10〜50%に調整する方法は、特に制限されず、例えばポリ(メタ)アクリル酸とポリ(メタ)アクリル酸リチウムとを混合することによって、調整することができる。
ポリアクリル酸リチウムは例えば以下の方法で得られる。
水溶液中でポリアクリル酸(アルドリッチ社製、型番:416002-500ML)と水酸化リチウム(和光純薬工業社製、型番:169-18591)をモル比で100:20となるように混ぜて反応させることによって、全酸基の20モル%がリチウム塩となったポリアクリル酸リチウムを調製することができる。本実施形態で使用するポリアクリル酸リチウムは、その全酸基(全カルボキシル基)の10〜50モル%がリチウム塩になっていることが好ましい。
本実施形態の製造方法において、カルボキシル基を有するバインダー樹脂の1種を単独で使用してもよいし、カルボキシル基を有するバインダー樹脂の2種以上を併用してもよい。また、カルボキシル基を有しないバインダー樹脂の1種以上を併用しても構わない。
本実施形態の製造方法において、負極材を構成するバインダー樹脂の全質量に対して、カルボキシル基を有するバインダー樹脂の含有量は、10〜95質量%が好ましく、30〜85質量%がより好ましく、50〜80質量%が更に好ましい。カルボキシル基を有するバインダー樹脂を質量50%以上の含有量で使用することにより、ケイ素系の活物質との親和性が向上するという利点が得られる。
カルボキシル基を有しないバインダー樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVDF−HFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)等が例示できる。
(リチウムイオンを吸蔵可能な金属酸化物)
本実施形態の製造方法において、前記金属酸化物の種類は特に制限されず、公知のリチウムイオン二次電池の電極材料として使用される、リチウムイオンを吸蔵可能な金属酸化物が適用できる。好適な具体例として、酸化ケイ素が挙げられる。
(酸化ケイ素)
本実施形態の製造方法において使用する酸化ケイ素としては、一般式「SiO(式中、zは0.5〜1.5のいずれかの数である。)」で表される酸化ケイ素が例示できる。ここで酸化ケイ素を「SiO」単位で見た場合、このSiOは、アモルファス状のSiOであるか、又はSi:SiOのモル比が約1:1となるように、ナノクラスターのSiの周囲にSiOが存在する、Si及びSiOの複合物である。SiOは、充放電時におけるSiの膨張及び収縮に対して緩衝作用を有すると推測される。
前記酸化ケイ素は、粉末状であることが好ましく、粒子状であることがより好ましく、例えば、平均粒子径が30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが特に好ましく、2.0μm以下であることが最も好ましい。また、酸化ケイ素とバインダーの配合比率にもよるが、前記平均粒子径が1.0μm以下であると最も好ましい傾向がある。このような微粉末状の酸化ケイ素を用いることで、後述する粒子状導電助剤及び繊維状導電助剤の併用による効果が、より顕著に得られる。
前記酸化ケイ素の平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡を用いて、任意の酸化ケイ素の粒子約100個について粒子径を計測し、その平均値を算出することで求められる。
酸化ケイ素は、例えば、ボールミル等を用いる公知の手法で粉砕することにより、平均粒子径を所望の値に調節できる。
(負極材中の金属酸化物とバインダー樹脂の質量比)
本実施形態の製造方法において使用する負極材中の金属酸化物とバインダー樹脂の質量比(金属酸化物/バインダー樹脂)は、1〜10であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、3〜8であることが更に好ましく、4〜7であることが特に好ましい。
上記1〜10の範囲のうち、特に好ましい4〜7の範囲に近い程、金属酸化物及びその他の負極活物質を充分に集電体上に固定でき、金属酸化物の含有量比を増やすことができるため、高いエネルギー密度が得られる。また、金属酸化物の表面がバインダー樹脂によって被覆された割合を高めることができる。前記割合を高めることによって、ポリアクリル酸等のバインダー樹脂が金属酸化物の表面保護膜として機能し、金属酸化物と電解質との過剰な反応を防いで、リチウムイオン二次電池のサイクル特性をより向上させることができる。前記被覆された割合としては、例えば前記表面の5割以上が被覆されていることが好ましく、7割以上が被覆されていることがより好ましい。
(導電助剤)
本実施形態の製造方法において使用する負極材には、負極の導電性を高めるために導電助剤が含まれていることが好ましい。導電助剤の種類は特に制限されず、公知のリチウムイオン二次電池に使用される導電助剤が適用できる。具体例として、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤が挙げられる。
前記負極材において、前記金属酸化物、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及びバインダー樹脂の総質量に対する、前記金属酸化物の含有量は、40〜89質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがより好ましい。前記金属酸化物の含有量が40質量%以上であると、リチウムイオン二次電池の放電容量がより向上し、前記金属酸化物の含有量が89質量%以下であると、より安定な負極構造が得られる。
(粒子状導電助剤)
前記粒子状導電助剤は、導電助剤として機能する粒子状のものであれば特に限定されないが、好ましいものとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック;黒鉛(グラファイト);フラーレン等が例示できる。
粒子状導電助剤は、平均粒子径が10nm〜100nmであることが好ましく、15nm〜60nmであることがより好ましい。また、粒子状導電助剤は、各々の粒子が数珠つなぎになった様な、粒子同士が互いに連なった構造を有することが好ましい。このような平均粒子径又は構造を有する粒子状導電助剤を用いると、繊維状導電助剤との併用による効果がより顕著に得られる。
粒子状導電助剤の平均粒子径は、上記の酸化ケイ素の平均粒子径の場合と同様の方法で求められる。また、粒子状導電助剤の平均粒子径を調節する方法は、一般的な微粒子の平均粒子径を調節する方法が適用できる。
粒子状導電助剤は、後述する負極活物質層中において粒子同士が連なった構造を有し、前記金属酸化物及び後述する繊維状導電助剤の少なくとも一方との接触面積を高めることによって、負極の導電性の向上に寄与していると推測される。
本実施形態の製造方法において、前記粒子状導電助剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜調整すればよい。
前記負極材において、前記金属酸化物、粒子状導電助剤、後述する繊維状導電助剤及びバインダー樹脂の総質量に対する、前記粒子状導電助剤の含有量は、3〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。前記粒子状導電助剤の含有量が3質量%以上であると、粒子状導電助剤を用いたことによる効果がより顕著に得られ、前記粒子状導電助剤の含有量が30質量%以下であると、繊維状導電助剤との併用による効果がより顕著に得られる。
(繊維状導電助剤)
前記繊維状導電助剤は、導電助剤として機能する繊維状のものであれば特に限定されないが、好ましいものとしては、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが例示できる。
繊維状導電助剤は、平均繊維径が5nm〜300nmであることが好ましく、10nm〜150nmであることがより好ましい。また、繊維状導電助剤は、平均繊維長が0.1μm〜30μmであることが好ましく、0.5μm〜20μmであることがより好ましい。このような繊維状導電助剤を用いることで、粒子状導電助剤との併用による効果がより顕著に得られる。
繊維状導電助剤の平均繊維径は、例えば、電子顕微鏡を用いて、任意の繊維状導電助剤約100本について繊維径を計測し、その平均値を算出することで求められる。同様に、繊維状導電助剤の平均繊維長は、例えば、電子顕微鏡を用いて、任意の繊維状導電助剤約100本について繊維長を計測し、その平均値を算出することで求められる。
繊維状導電助剤は、後述する負極活物質層中において、好ましくは負極活物質層全体に、網目構造を形成することで、負極活物質層の構造安定化に寄与すると共に、負極活物質層中に導電ネットワークを形成して、導電性の向上に寄与していると推測される。
本実施形態の製造方法において、前記繊維状導電助剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜調整すればよい。
前記負極材において、前記金属酸化物、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及びバインダー樹脂の総質量に対する、繊維状導電助剤の含有量は、1〜25質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。前記繊維状導電助剤の含有量が1質量%以上であると、繊維状導電助剤を用いたことによる効果がより顕著に得られ、前記繊維状導電助剤の含有量が25質量%以下であると、粒子状導電助剤との併用による効果がより顕著に得られる。
本実施形態の製造方法で使用する前記負極材において、「粒子状導電助剤:繊維状導電助剤」の配合量の質量比率(配合質量比)は、90:10〜30:70であることが好ましく、80:20〜40:60であることがより好ましい。粒子状導電助剤及び繊維状導電助剤の配合質量比がこのような範囲であることで、粒子状導電助剤及び繊維状導電助剤の併用による効果がより顕著に得られる。
(その他の成分)
前記負極材は、酸化ケイ素、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及びバインダー以外に、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。例えば、好ましい成分としては、前記配合成分(酸化ケイ素、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤、バインダー)を溶解又は分散させるための溶媒が例示できる。
溶媒が配合されてなる負極材は、使用時において流動性を有する液状組成物であることが好ましい。
前記溶媒は、前記配合成分の種類に応じて任意に選択できる。例えば、好ましい溶媒としては、水、有機溶媒が例示できる。
前記有機溶媒で好ましいものとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール;N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の鎖状又は環状アミド;アセトン等のケトンが例示できる。
前記溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
負極材における前記溶媒の配合量は、特に限定されず、目的に応じて適宜調節すればよい。例えば、溶媒が配合された液状組成物である負極材を塗工及び乾燥させて、後述する負極活物質層を形成する場合には、この液状組成物が塗工に適した粘度となるように、溶媒の配合量を調節すればよい。具体的には、負極材において、配合成分の総量に対する、溶媒以外の配合成分の総量の割合が、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜35質量%となるように、溶媒の配合量を調節するとよい。
前記その他の成分として、前記溶媒以外の成分(その他の固体成分)を配合する場合、前記負極材において、溶媒以外の配合成分の総量に対する、その他の固体成分の配合量の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記負極材は、前記粒子状導電助剤がカーボンブラックであり、前記繊維状導電助剤がカーボンナノチューブである負極材が特に好ましい。
前記負極材は、前記酸化ケイ素、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤、バインダー樹脂、及び必要に応じてその他の成分を配合することで製造できる。
各成分の配合時には、各成分を添加して、各種手段により十分に混合することが好ましい。各成分を個別に順次添加しながら混合してもよいし、全成分を一度に添加してから混合してもよく、各成分が均一に混合されることが好ましい。
前記その他の成分として前記溶媒を配合する場合、この溶媒は、少なくとも一部を、前記酸化ケイ素、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤、バインダー、及びその他の固体成分からなる群から選択される一種以上とあらかじめ混合して、その選択された成分の溶液又は分散液として、配合されてもよい。前記溶液又は分散液の調製に用いる溶媒は、配合する溶媒の全量であってもよい。
各成分の混合方法は、特に限定されず、例えば、撹拌子、撹拌翼、ボールミル、スターラー、超音波分散機、超音波ホモジナイザー、自公転ミキサー等を使用する公知の方法を適用することができる。また、複数種の方法を組み合わせて混合してもよい。
混合温度、混合時間等の混合条件は、各種方法に応じて適宜設定すればよい。通常は、混合時の温度は10〜50℃であることが好ましく、15〜35℃であることがより好ましい。また、混合時間は3〜40分程度が好ましく、5〜20分程度がより好ましい。
各成分を混合して得られた組成物は、そのまま負極材として用いてもよいし、例えば、配合した前記溶媒の一部を留去等によって除去するなど、得られた組成物に何らかの操作を追加して行って得られたものを、負極材として用いてもよい。
[負極]
本実施形態の製造方法によって得られた負極は、前記負極材が集電体上に塗布され、乾燥されてなる。前記負極は、前記集電体上に前記負極材によって構成された負極活物質層を有することが好ましい。また、電池の容量発現率を高める観点から、前記負極活物質層にはリチウムがプレドープされていることが好ましい。前記負極のその他の構成は、公知の負極と同様の構成が適用できる。
集電体は、リチウムイオン二次電池の分野で使用される公知の集電体が適用できる。具体例として、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が挙げられる。
集電体の形状は特に制限されないが、シート状であることが好ましい。シート状集電体の厚みは特に制限されないが、例えば5〜20μmの厚みが挙げられる。
負極材が乾燥されてなる負極活物質層の厚みは、特に限定されないが、5〜100μmであることが好ましく、10〜60μmであることがより好ましい。
負極活物質層を構成する負極材を集電体上に塗布(塗工)する方法としては、例えば、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、リップコーター等の各種コーターを用いる方法;ドクターブレード法;ディッピング法等の、各種塗布方法が例示できる。
集電体上に塗布した負極材の乾燥は、公知の方法で常圧下又は減圧下で行うことができる。乾燥温度及び乾燥時間は、前述した通りである。
負極活物質層は、集電体上に直接形成してもよいし、他の基材上に形成してから集電体上に移動し、集電体上に圧着させてもよい。集電体上に直接形成された負極活物質層を圧着しても構わない。
負極活物質層にリチウムをプレドープする方法は、特に限定されないが、例えば、負極活物質層を、電解液を介して金属リチウムに接触させる方法が挙げられる。このプレドープ方法によれば、負極活物質層の広範囲にリチウムをプレドープすることができる。前記電解液は、この負極を用いてリチウムイオン二次電池を製造する際に用いる電解液と同じであることが好ましい。接触させる金属リチウムは、シート状(金属リチウム箔)であることが好ましい。なお、リチウムのプレドープは、リチウムイオン(Li)ではなく金属リチウム(Li)を用いて行う必要がある。
また、リチウムをプレドープする他の方法として、活物質スラリー(負極活物質層を形成する材料の組成物)の中にLi金属またはLi合金を混ぜ込むことでプレドープする方法が挙げられる。さらに、外部電源を用いて電気化学的にプレドープする公知方法が挙げられる。
負極にプレドープされたリチウムの量は、負極活物質層中の二酸化ケイ素(SiO)に対して、1〜4倍モル量であることが好ましく、2〜4倍モル量であることがより好ましく、3〜4倍モル量であることが特に好ましい。
負極にプレドープされたリチウムは負極活物質層中の二酸化ケイ素と不可逆的に反応して、リチウムシリケート(LiSiO)を生成すると推測される。このプレドープが施された負極を備えたリチウムイオン二次電池においては、初期充電工程で負極にリチウムが吸蔵される際に、負極活物質層中の酸化ケイ素との上記反応が抑制されるため、放電時のリチウムの放出が妨げられることがなく、放電容量の低下が抑制される。
≪リチウムイオン二次電池の製造方法≫
本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、前述した負極を使用することを特徴とする。本製造方法により得られたリチウムイオン二次電池は、前記負極を備えたことを特徴とし、前記負極を備えた点以外は、従来のリチウムイオン二次電池と同様の構成が適用できる。前記構成としては、例えば、負極及び正極、並びに、電解液、ゲル電解質又は固体電解質を備えた構成が挙げられる。さらに、負極と正極との間に、セパレータを備えていてもよい。
[正極]
前記正極の構成としては、例えば、正極活物質、バインダー樹脂及び溶媒、並びに必要に応じて導電助剤等が配合されてなる正極材を用いて形成された正極活物質層を、集電体(正極集電体)上に備えた構成が例示できる。
正極におけるバインダー樹脂、溶媒及び集電体は、いずれも負極におけるバインダー樹脂、溶媒及び集電体と同様のものでよい。
正極における好適な導電助剤としては、例えば、グラファイト、アセチレンブラック等の炭素系材料が挙げられる。
正極における前記導電助剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
正極活物質としては、公知の金属リチウム化合物が例示できる。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、オリビン型リン酸リチウム等が例示できる。
正極活物質は、一種が単独で使用されてもよいし、二種以上が併用されてもよく、二種以上が併用される場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
前記正極材に配合された各成分の総質量に対する、正極活物質、バインダー樹脂、溶媒、及び導電助剤のそれぞれの成分の含有量は、前記負極材に配合された各成分の総質量に対する、前記負極活物質、バインダー樹脂、溶媒、及び導電助剤のそれぞれの成分の含有量と同様であってもよいし、異なっていてもよい。
正極活物質層の厚さは、特に限定されないが、20〜60μmであることが好ましい。
正極活物質層は、前記負極材に代えて正極材を用いる点以外は、負極活物質層の場合と同様の方法で形成できる。
[電解液]
前記電解液としては、従来のリチウムイオン二次電池で使用される電解液が使用できる。例えば、カルボン酸リチウム塩を電解質として含む電解液が好ましい。
カルボン酸リチウム塩としては、例えば、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、等の1価カルボン酸のリチウム塩;シュウ酸リチウム、マロン酸リチウム等の2価カルボン酸のリチウム塩;乳酸リチウム等の水酸基を有する1価カルボン酸のリチウム塩等が例示できる。これらの中でも、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、コハク酸リチウムがより好ましく、シュウ酸リチウムが特に好ましい。
カルボン酸リチウム塩は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
カルボン酸リチウム塩と錯形成反応が可能な三フッ化ホウ素又は三フッ化ホウ素錯体をカルボン酸リチウム塩と共に電解質として使用することも例示できる。
好ましい三フッ化ホウ素錯体としては、三フッ化ホウ素ジメチルエーテル錯体(BF・O(CH)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジn−ブチルエーテル錯体、等の三フッ化ホウ素アルキルエーテル錯体;三フッ化ホウ素メタノール錯体(BF・HOCH)、三フッ化ホウ素プロパノール錯体、三フッ化ホウ素フェノール錯体等の三フッ化ホウ素アルコール錯体が例示できる。
前記電解液を構成する有機溶媒は特に限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル及びスルホランからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
前記電解液における有機溶媒の配合量は特に限定されず、例えば、電解質の種類に応じて、適宜調節すればよい。通常は、リチウム原子(Li)の濃度が、好ましくは0.2〜3.0モル/kg、より好ましくは0.4〜2.0モル/kgとなるように、配合量を調節することが好ましい。
また、前記電解液としては、電解質として六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ素リチウム、リチウムビスフルオロスルホニルイミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム等の公知のリチウム塩が有機溶媒に溶解されてなるものも例示できる。
前記電解液に公知のマトリクスポリマーが含有されて、当該電解液がゲル状態になった公知のゲル電解質を本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造に使用してもよい。また、前記電解液又はゲル電解質を構成する溶媒が乾燥除去されて固体状態になった公知の固体電解質を本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造に使用してもよい。
[セパレータ]
前記セパレータの材質は特に限定されないが、微細孔を有する高分子膜、微細孔を有する無機質膜、不織布、ガラスファイバー等が例示でき、これら材質からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
図1は、本発明によって得られたリチウムイオン二次電池の実施形態の一例を示す断面模式図である。ここに例示するリチウムイオン二次電池1は、シート状の負極13及び正極11が、セパレータ12を介して積層されたものである。セパレータは、単層であってもよいし、二層以上が積層された複数層であってもよい。図1において、電解質はセパレータ12に含浸されている。電解質は電解液、ゲル電解質又は固体電解質の何れの形態であってもよい。ここでは、負極13及び正極11がそれぞれ1枚ずつ積層された構成が示されているが、他の構成として、例えば、負極13、セパレータ12及び正極11がこの順に積層された積層体が、間にさらにセパレータ12を介して、複数個繰り返し積層された構成であってもよい。
前記リチウムイオン二次電池は、公知の方法に従って、例えば、グローブボックス内又は乾燥空気雰囲気下で、前記電解液、ゲル電解質又は固体電解質、及び電極等を用いて製造すればよい。
例えば、ゲル電解質を備えたリチウムイオン二次電池であれば、加熱して液状としたゲル電解質を、負極及び正極のいずれか一方又は両方の電極面上に塗工し、次いで、このゲル電解質を備えた負極及び正極を、これらの電極面が対向するようにゲル電解質を介して積層し、必要に応じてこれらの電極面間にセパレータを介在させることで、容易に製造できる。液状のゲル電解質は、例えば、バーコーター等の各種コーターを用いる方法で、電極面上に塗工できる。
また、例えば、電解液を備えたリチウムイオン二次電池であれば、ゲル電解質に代えてこの電解液を、負極及び正極の電極面に接触するように配置すること以外は、上記のゲル電解質を備えたリチウムイオン二次電池と同様の方法で、容易に製造できる。
前記リチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されず、円筒型、角型、コイン型、シート型等、種々のものに調節できる。
リチウムイオン二次電池は、カルボン酸リチウム塩並びに三フッ化ホウ素及び/又は三フッ化ホウ素錯体、あるいはカルボン酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体を用いた場合、初期充電時に負極表面上において、フッ化リチウム(LiF)を含む界面皮膜(以下、「SEI」と略記する)を形成する。このSEIは、充放電時にリチウムイオンに溶媒和された溶媒分子が負極中に進入するのを阻止し、負極構造の破壊を抑制して、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の向上に寄与する。
本実施形態によって製造されたリチウムイオン二次電池は、酸化ケイ素、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及びバインダー樹脂が配合されてなる負極材を用いて形成された負極活物質層を有し、且つリチウムがプレドープされている負極を備えていることが好ましい。
前記リチウムイオン二次電池は、粒子状導電助剤及び繊維状導電助剤を併用し、さらにリチウムがプレドープされている負極を用いたことにより、容量発現率と、充放電を繰り返し行ったときの容量維持率とが共に高く、充放電特性に優れる。
本明細書において、リチウムイオン二次電池における「容量発現率」とは、定格容量に対する1サイクル目の放電容量の割合(%)を意味し、式「{[1サイクル目の放電容量(mAh)]/[定格容量(mAh)]}×100」により算出される。
また、本明細書において、リチウムイオン二次電池における「容量維持率」とは、充放電サイクルを繰り返し行ったときの、1サイクル目の放電容量に対する特定のサイクル数での放電容量の割合(%)を意味し、式「{[特定のサイクル数での放電容量(mAh)]/[1サイクル目の放電容量(mAh)]}×100)」により算出される。ここで、「特定のサイクル数」は、数サイクル〜数十サイクルとすることができ、好ましくは50サイクル以上である。
なお、リチウムイオン二次電池の状態を安定化させるために、充放電を数サイクル行った後に、上記「容量維持率」を求める試験を行ってもよい。この安定化のための充放電は、2回〜30回程度繰り返すことができる。
本実施形態によって製造されたリチウムイオン二次電池の容量発現率は高い。好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の容量発現率が得られる。
本実施形態によって製造されたリチウムイオン二次電池は、優れたサイクル特性を示す。例えば、充放電サイクルを繰り返し行ったときの、100サイクル目における容量維持率の値が、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
(1)使用した原料
本実施例で使用した原料を以下に示す。
・導電助剤
アセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」、平均粒子径48nm)
カーボンナノチューブ(保土谷化学社製「NT−7」、平均繊維径65nm、平均繊維長6μm以上)
・バインダー樹脂
スチレン−ブタジエン樹脂(以下、「SBR」と略記する)(JSR社製)
ポリアクリル酸(アルドリッチ社製)
水酸化リチウム(和光純薬工業社製)
・カルボン酸リチウム塩
シュウ酸リチウム(Alfa社製)
・三フッ化ホウ素錯体
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF・O(C)(アルドリッチ社製)
・有機溶媒
エチレンカーボネート(以下、「EC」と略記する)(キシダ化学社製)
プロピレンカーボネート(以下、「PC」と略記する)(キシダ化学社製)
・溶媒
ジメチルカーボネート(以下、「DMC」と略記する)(キシダ化学社製)
<有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体の合成>
[合成例1](シュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体の合成)
シュウ酸リチウム(22.3g、223mmol)を丸底フラスコに量り取り、これを200mLのDMCに懸濁させた。これに23℃で三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(63.3g、446mmol)をゆっくりと滴下した後、室温(23℃)で24時間撹拌し、反応液が透明になって不溶物が見られず、均一な溶液となったことを確認した。次いで、ロータリーエバポレーターを用いて、反応液から溶媒及び不純物を留去した。その後、析出した白色の固体を50℃にて乾燥させることにより、白色粉末のシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体((COOLi)・(BF)を得た(収率96.5%)。
<リチウムイオン二次電池の製造>
[実施例1]
(負極材の製造)
一酸化ケイ素(SiO、平均粒子径1.0μm、69質量部)、アセチレンブラック(10質量部)、カーボンナノチューブ(6質量部)、ポリアクリル酸リチウム(全酸基の20モル%がリチウム塩とされたもの、以下、「PAALi」と略記することがある、10質量部)、及びSBR(5質量部)を試薬瓶に入れ、さらにここに蒸留水を添加して濃度調整した後、自公転ミキサーを用いてこの濃度調整したものを2000rpmで3分間混合した。次いで、超音波ホモジナイザーを用いてこの混合物を10分間分散処理した後、再度、自公転ミキサーを用いてこの分散物を2000rpmで3分間混合することにより、負極材を得た。ここまでの操作は、すべて25℃で行った。このときの各配合成分と、配合成分の総量に対する各配合成分の割合(質量%)とを表1に示す。
(電解液の製造)
有機溶媒として、EC及びPCの混合溶媒(EC:PC=30:70(体積比))をサンプル瓶に量り取り、ここにシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体(1.82g)を加えて、シュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体中のリチウム原子の濃度が1.0モル/kgとなるようにし、23℃で混合することにより、電解液を得た。
(負極の製造)
バーコーターを用いて、厚さ18μmの銅箔の両面に得られた負極材を塗布し、60℃のホットプレート上でこれを乾燥させた後、ロールプレス機を用いて1kNでプレスすることにより、集電体である銅箔上に厚さ25μmの負極活物質層を形成して、負極前駆体を得た。さらに、残存水分を十分に除去するためにリチウム電池の作製前に電極を真空下で、50℃で6時間乾燥させた。
得られた負極前駆体の負極活物質層上に、上記で得られた電解液を、滴下量が50μL/cmとなるように滴下し、その滴下面上に厚さ200μmのリチウム箔を重ねて、この状態で24時間静置することにより、負極前駆体にリチウムをプレドープして、負極を得た。このリチウム箔は、プレドープ後、負極から取り除いた。
(正極の製造)
ニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム(Ni:Co:Mn=1:1:1、LiNMC)(93質量部)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(3質量部)と、導電助剤であるカーボンブラック(4質量部)とを混合して正極合材を調製し、これをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させて、正極材(スラリー)を調製した。次いで、この正極材を厚さ15μmのアルミニウム箔の両面にバーコーターを用いて塗布し、100℃、0.1MPa、10時間の条件で減圧乾燥させた後、ロールプレスすることにより、集電体であるアルミニウム箔上に厚さ60μmの正極活物質層を形成して、正極を得た。
(リチウムイオン二次電池の製造)
上記で得られた負極及び正極を直径16mmの円盤状に打ち抜いた。また、セパレータとしてガラスファイバーからなるものを用い、これを直径17mmの円盤状に打ち抜いた。これら円盤状の正極、セパレータ及び負極を、この順にSUS製の電池容器(CR2032)内で積層し、上記で得られた電解液を、セパレータ、負極及び正極に含浸させ、さらに負極上に、SUS製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)を載せ、蓋をすることにより、リチウムイオン二次電池としてコイン型セルを製造した。
[実施例2]
実施例1と同じ負極材及び集電体である銅箔を使用し、負極材を銅箔上に塗布した後、乾燥温度を80℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。
実施例2で製造した上記の負極を使用した以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
図2は、実施例2で得られた負極前駆体における負極活物質層の、走査型電子顕微鏡(SEM)で取得した撮像データである。図2中、丸囲み領域は比較的大きなSiO(酸化ケイ素)の粒子(長径が約2μm)の存在を示しており、当該粒子表面の3割未満がバインダー樹脂によって被覆されている様子が確認された。
[実施例3]
実施例1と同じ負極材及び集電体である銅箔を使用し、負極材を銅箔上に塗布した後、乾燥温度を100℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。
実施例3で製造した上記の負極を使用した以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
[比較例1]
実施例1と同じ負極材及び集電体である銅箔を使用し、負極材を銅箔上に塗布した後、乾燥温度を25℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。
比較例1で製造した上記の負極を使用した以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
[比較例2]
実施例1と同じ負極材及び集電体である銅箔を使用し、負極材を銅箔上に塗布した後、乾燥温度を150℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。
比較例2で製造した上記の負極を使用した以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
[実施例4]
一酸化ケイ素(SiO)とポリアクリル酸リチウム(PAALi)を配合する質量比(SiO/PAALi)を表1に示すように変更した以外は、実施例1の場合と同様に負極材及び負極前駆体を製造した。
実施例4で得られた負極前駆体における負極活物質層の、走査型電子顕微鏡(SEM)で取得した撮像データを図3に示す。図3中、丸囲み領域は比較的大きなSiO(酸化ケイ素)の粒子(長径が約2μm)の存在を示しており、当該粒子表面の7割以上がバインダー樹脂によって被覆されている様子が確認された。
実施例4の負極前駆体を使用して、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作製し、その充放電特性を評価した。
<リチウムイオン二次電池の充放電特性の評価>
上記各実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池について、25℃において0.2Cの定電流定電圧充電を、上限電圧4.2Vとして電流値が0.1Cに収束するまで行った後、0.2Cの定電流放電を2.5Vまで行った。次いで、充放電電流を1Cとして同様の方法で、充放電サイクルを3回繰り返し行い、リチウムイオン二次電池の状態を安定させた。次いで、充放電電流を1Cとして同様の方法で、充放電サイクルを繰り返し行い、容量発現率({[1サイクル目の放電容量(mAh)]/[定格容量(mAh)]}×100)(%)、及び100サイクルでの容量維持率({[100サイクル目の放電容量(mAh)]/[1サイクル目の放電容量(mAh)]}×100)(%)を算出した。結果を表2に示す。
上記結果から明らかなように、実施例1〜3では残存水分を取り除ける上、カルボキシル基が脱水縮合し難い温度範囲であるため、高い容量発現率と容量維持率を得られることが分かる。一方で、比較例1、2のように乾燥温度が低く、十分に溶剤を取り除けない場合やカルボキシル基の脱水反応が効率良く起こる温度範囲では十分な容量維持率が得られていないということが分かる。
実施例4のリチウムイオン二次電池の容量発現率および容量維持率ともに、実施例1よりも優れた結果であった。この結果から、金属酸化物の表面がバインダー樹脂によって被覆されている割合が高い程、良好なサイクル特性が得られることが分かった。
本発明は、リチウムイオン二次電池の分野で利用可能である。
1…リチウムイオン二次電池、11…正極、12…セパレータ及び電解質、13…負極、14…筐体(ケース)、15…絶縁性ガスケット、16…キャップ

Claims (5)

  1. リチウムを吸蔵可能な金属酸化物、及び官能基としてカルボキシル基を有するバインダー樹脂を含む負極材を集電体又は基材に塗布した後、前記負極材を30〜140℃で乾燥するリチウムイオン二次電池用負極の製造方法であり、
    前記バインダー樹脂が有するカルボキシル基の一部の水素原子が、リチウムイオンによって置換されており、
    前記リチウムイオンによる前記水素原子の置換率が25〜35%であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  2. 前記負極材に溶媒が含まれ、前記乾燥で前記溶媒を除くことによって、前記負極に含まれる前記溶媒量を100ppm以下にすることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  3. 前記負極材に含まれる前記金属酸化物と前記バインダー樹脂の質量比(金属酸化物/バインダー樹脂)が1〜10であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  4. 前記バインダー樹脂がポリアクリル酸及びポリメタクリル酸のうち少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  5. 請求項1〜の何れか一項に記載の製造方法により得られた負極を使用して、更にリチウムイオン二次電池を製造することを特徴とする、リチウムイオン二次電池の製造方法。
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