JP6391384B2 - リチウムイオン二次電池用負極の製造方法、及びリチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents
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(2)前記負極材に溶媒が含まれ、前記乾燥で前記溶媒を除くことによって、前記負極に含まれる前記溶媒量を100ppm以下にすることを特徴とする上記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(3)前記負極材に含まれる前記金属酸化物と前記バインダー樹脂の質量比(金属酸化物/バインダー樹脂)が1〜10であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(4)前記バインダー樹脂が有するカルボキシル基の少なくとも一部の水素原子が、リチウムイオンによって置換されていることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(5)前記リチウムイオンによる前記水素原子の置換率が10〜50%であることを特徴とする上記(4)に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(6)前記バインダー樹脂がポリアクリル酸及びポリメタクリル酸のうち少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
(7)上記(1)〜(6)の何れか一項に記載の製造方法により得られた負極を使用して、更にリチウムイオン二次電池を製造することを特徴とする、リチウムイオン二次電池の製造方法。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極(以下、単に「負極」と呼ぶことがある。)の製造方法は、リチウムを吸蔵可能な金属酸化物、及び官能基としてカルボキシル基(−COOH)を有するバインダー樹脂を含む負極材を集電体に塗布した後、前記負極材を30〜140℃で乾燥する工程を有する。
集電体上に塗布した負極材の乾燥温度を上記範囲で実施することにより、二次電池のサイクル特性を向上させることができる。ここで推測されるメカニズムとして、30℃以上にすることで負極材に残存した水分を取り除くことができるとともに、140℃以下で乾燥することによって負極材中のバインダー樹脂が有するカルボキシル基の脱水反応及び脱水縮合反応が抑制されるために、金属酸化物の表面水酸基とカルボキシル基の相互作用点が増加することで、金属酸化物表面との結着性が向上するため、サイクル特性が向上すると考えられる。
集電体上に塗布した負極材の乾燥時間は、30〜140℃の温度範囲において、4時間〜30時間が好ましく、5時間〜20時間がより好ましく、6時間〜12時間が更に好ましい。
4〜6時間以上の乾燥処理を行うことにより、例えば18〜35μm程度の厚みで塗布された負極材を充分に乾燥し、集電体上に固定することができる。
12〜30時間以下で乾燥処理を行うことにより、負極材中のバインダー樹脂が有するカルボキシル基の脱水反応及び脱水縮合反応を抑制することができる。
乾燥処理を終了する目安の一つとして、負極材中の溶媒の含有量が充分に低下していることが挙げられる。つまり、負極材に溶媒が含まれる場合、乾燥処理で溶媒を除くことによって、乾燥後に得られた負極に含まれる溶媒の量は100ppm以下にすることが好ましく、50ppm以下にすることがより好ましく、10ppm以下にすることが更に好ましい。負極に含まれる溶媒を充分に除くことによって、溶媒による電池性能への悪影響を除くことができる。
本実施形態の製造方法において、集電体上に塗布する負極材を構成するバインダー樹脂は、官能基としてのカルボキシル基を有するバインダー樹脂であれば特に制限されず、リチウムイオン二次電池の分野で使用される公知のバインダー樹脂が適用できる。具体例として、例えば、アクリル酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、ポリメタクリル酸リチウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)等が挙げられる。
前記置換率が10〜50%であることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上することができる。このサイクル特性の向上のメカニズムとして、前記置換によりカルボキシル基同士の相互作用が抑制されるため、ポリ(メタ)アクリル酸の凝集が抑えられ分散性が向上するためである考えられる。
水溶液中でポリアクリル酸(アルドリッチ社製、型番:416002-500ML)と水酸化リチウム(和光純薬工業社製、型番:169-18591)をモル比で100:20となるように混ぜて反応させることによって、全酸基の20モル%がリチウム塩となったポリアクリル酸リチウムを調製することができる。本実施形態で使用するポリアクリル酸リチウムは、その全酸基(全カルボキシル基)の10〜50モル%がリチウム塩になっていることが好ましい。
本実施形態の製造方法において、前記金属酸化物の種類は特に制限されず、公知のリチウムイオン二次電池の電極材料として使用される、リチウムイオンを吸蔵可能な金属酸化物が適用できる。好適な具体例として、酸化ケイ素が挙げられる。
本実施形態の製造方法において使用する酸化ケイ素としては、一般式「SiOz(式中、zは0.5〜1.5のいずれかの数である。)」で表される酸化ケイ素が例示できる。ここで酸化ケイ素を「SiO」単位で見た場合、このSiOは、アモルファス状のSiOであるか、又はSi:SiO2のモル比が約1:1となるように、ナノクラスターのSiの周囲にSiO2が存在する、Si及びSiO2の複合物である。SiO2は、充放電時におけるSiの膨張及び収縮に対して緩衝作用を有すると推測される。
酸化ケイ素は、例えば、ボールミル等を用いる公知の手法で粉砕することにより、平均粒子径を所望の値に調節できる。
本実施形態の製造方法において使用する負極材中の金属酸化物とバインダー樹脂の質量比(金属酸化物/バインダー樹脂)は、1〜10であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、3〜8であることが更に好ましく、4〜7であることが特に好ましい。
本実施形態の製造方法において使用する負極材には、負極の導電性を高めるために導電助剤が含まれていることが好ましい。導電助剤の種類は特に制限されず、公知のリチウムイオン二次電池に使用される導電助剤が適用できる。具体例として、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤が挙げられる。
前記粒子状導電助剤は、導電助剤として機能する粒子状のものであれば特に限定されないが、好ましいものとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック;黒鉛(グラファイト);フラーレン等が例示できる。
前記繊維状導電助剤は、導電助剤として機能する繊維状のものであれば特に限定されないが、好ましいものとしては、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが例示できる。
前記負極材は、酸化ケイ素、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及びバインダー以外に、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。例えば、好ましい成分としては、前記配合成分(酸化ケイ素、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤、バインダー)を溶解又は分散させるための溶媒が例示できる。
溶媒が配合されてなる負極材は、使用時において流動性を有する液状組成物であることが好ましい。
前記有機溶媒で好ましいものとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール;N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の鎖状又は環状アミド;アセトン等のケトンが例示できる。
前記溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
各成分の配合時には、各成分を添加して、各種手段により十分に混合することが好ましい。各成分を個別に順次添加しながら混合してもよいし、全成分を一度に添加してから混合してもよく、各成分が均一に混合されることが好ましい。
混合温度、混合時間等の混合条件は、各種方法に応じて適宜設定すればよい。通常は、混合時の温度は10〜50℃であることが好ましく、15〜35℃であることがより好ましい。また、混合時間は3〜40分程度が好ましく、5〜20分程度がより好ましい。
本実施形態の製造方法によって得られた負極は、前記負極材が集電体上に塗布され、乾燥されてなる。前記負極は、前記集電体上に前記負極材によって構成された負極活物質層を有することが好ましい。また、電池の容量発現率を高める観点から、前記負極活物質層にはリチウムがプレドープされていることが好ましい。前記負極のその他の構成は、公知の負極と同様の構成が適用できる。
集電体の形状は特に制限されないが、シート状であることが好ましい。シート状集電体の厚みは特に制限されないが、例えば5〜20μmの厚みが挙げられる。
また、リチウムをプレドープする他の方法として、活物質スラリー(負極活物質層を形成する材料の組成物)の中にLi金属またはLi合金を混ぜ込むことでプレドープする方法が挙げられる。さらに、外部電源を用いて電気化学的にプレドープする公知方法が挙げられる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、前述した負極を使用することを特徴とする。本製造方法により得られたリチウムイオン二次電池は、前記負極を備えたことを特徴とし、前記負極を備えた点以外は、従来のリチウムイオン二次電池と同様の構成が適用できる。前記構成としては、例えば、負極及び正極、並びに、電解液、ゲル電解質又は固体電解質を備えた構成が挙げられる。さらに、負極と正極との間に、セパレータを備えていてもよい。
前記正極の構成としては、例えば、正極活物質、バインダー樹脂及び溶媒、並びに必要に応じて導電助剤等が配合されてなる正極材を用いて形成された正極活物質層を、集電体(正極集電体)上に備えた構成が例示できる。
正極における前記導電助剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
正極活物質は、一種が単独で使用されてもよいし、二種以上が併用されてもよく、二種以上が併用される場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
前記電解液としては、従来のリチウムイオン二次電池で使用される電解液が使用できる。例えば、カルボン酸リチウム塩を電解質として含む電解液が好ましい。
カルボン酸リチウム塩は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
前記セパレータの材質は特に限定されないが、微細孔を有する高分子膜、微細孔を有する無機質膜、不織布、ガラスファイバー等が例示でき、これら材質からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
例えば、ゲル電解質を備えたリチウムイオン二次電池であれば、加熱して液状としたゲル電解質を、負極及び正極のいずれか一方又は両方の電極面上に塗工し、次いで、このゲル電解質を備えた負極及び正極を、これらの電極面が対向するようにゲル電解質を介して積層し、必要に応じてこれらの電極面間にセパレータを介在させることで、容易に製造できる。液状のゲル電解質は、例えば、バーコーター等の各種コーターを用いる方法で、電極面上に塗工できる。
また、例えば、電解液を備えたリチウムイオン二次電池であれば、ゲル電解質に代えてこの電解液を、負極及び正極の電極面に接触するように配置すること以外は、上記のゲル電解質を備えたリチウムイオン二次電池と同様の方法で、容易に製造できる。
前記リチウムイオン二次電池は、粒子状導電助剤及び繊維状導電助剤を併用し、さらにリチウムがプレドープされている負極を用いたことにより、容量発現率と、充放電を繰り返し行ったときの容量維持率とが共に高く、充放電特性に優れる。
また、本明細書において、リチウムイオン二次電池における「容量維持率」とは、充放電サイクルを繰り返し行ったときの、1サイクル目の放電容量に対する特定のサイクル数での放電容量の割合(%)を意味し、式「{[特定のサイクル数での放電容量(mAh)]/[1サイクル目の放電容量(mAh)]}×100)」により算出される。ここで、「特定のサイクル数」は、数サイクル〜数十サイクルとすることができ、好ましくは50サイクル以上である。
なお、リチウムイオン二次電池の状態を安定化させるために、充放電を数サイクル行った後に、上記「容量維持率」を求める試験を行ってもよい。この安定化のための充放電は、2回〜30回程度繰り返すことができる。
本実施形態によって製造されたリチウムイオン二次電池は、優れたサイクル特性を示す。例えば、充放電サイクルを繰り返し行ったときの、100サイクル目における容量維持率の値が、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
本実施例で使用した原料を以下に示す。
・導電助剤
アセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」、平均粒子径48nm)
カーボンナノチューブ(保土谷化学社製「NT−7」、平均繊維径65nm、平均繊維長6μm以上)
・バインダー樹脂
スチレン−ブタジエン樹脂(以下、「SBR」と略記する)(JSR社製)
ポリアクリル酸(アルドリッチ社製)
水酸化リチウム(和光純薬工業社製)
・カルボン酸リチウム塩
シュウ酸リチウム(Alfa社製)
・三フッ化ホウ素錯体
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF3・O(C2H5)2)(アルドリッチ社製)
・有機溶媒
エチレンカーボネート(以下、「EC」と略記する)(キシダ化学社製)
プロピレンカーボネート(以下、「PC」と略記する)(キシダ化学社製)
・溶媒
ジメチルカーボネート(以下、「DMC」と略記する)(キシダ化学社製)
[合成例1](シュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体の合成)
シュウ酸リチウム(22.3g、223mmol)を丸底フラスコに量り取り、これを200mLのDMCに懸濁させた。これに23℃で三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(63.3g、446mmol)をゆっくりと滴下した後、室温(23℃)で24時間撹拌し、反応液が透明になって不溶物が見られず、均一な溶液となったことを確認した。次いで、ロータリーエバポレーターを用いて、反応液から溶媒及び不純物を留去した。その後、析出した白色の固体を50℃にて乾燥させることにより、白色粉末のシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体((COOLi)2・(BF3)2)を得た(収率96.5%)。
[実施例1]
(負極材の製造)
一酸化ケイ素(SiO、平均粒子径1.0μm、69質量部)、アセチレンブラック(10質量部)、カーボンナノチューブ(6質量部)、ポリアクリル酸リチウム(全酸基の20モル%がリチウム塩とされたもの、以下、「PAALi」と略記することがある、10質量部)、及びSBR(5質量部)を試薬瓶に入れ、さらにここに蒸留水を添加して濃度調整した後、自公転ミキサーを用いてこの濃度調整したものを2000rpmで3分間混合した。次いで、超音波ホモジナイザーを用いてこの混合物を10分間分散処理した後、再度、自公転ミキサーを用いてこの分散物を2000rpmで3分間混合することにより、負極材を得た。ここまでの操作は、すべて25℃で行った。このときの各配合成分と、配合成分の総量に対する各配合成分の割合(質量%)とを表1に示す。
有機溶媒として、EC及びPCの混合溶媒(EC:PC=30:70(体積比))をサンプル瓶に量り取り、ここにシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体(1.82g)を加えて、シュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体中のリチウム原子の濃度が1.0モル/kgとなるようにし、23℃で混合することにより、電解液を得た。
バーコーターを用いて、厚さ18μmの銅箔の両面に得られた負極材を塗布し、60℃のホットプレート上でこれを乾燥させた後、ロールプレス機を用いて1kNでプレスすることにより、集電体である銅箔上に厚さ25μmの負極活物質層を形成して、負極前駆体を得た。さらに、残存水分を十分に除去するためにリチウム電池の作製前に電極を真空下で、50℃で6時間乾燥させた。
ニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム(Ni:Co:Mn=1:1:1、LiNMC)(93質量部)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(3質量部)と、導電助剤であるカーボンブラック(4質量部)とを混合して正極合材を調製し、これをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させて、正極材(スラリー)を調製した。次いで、この正極材を厚さ15μmのアルミニウム箔の両面にバーコーターを用いて塗布し、100℃、0.1MPa、10時間の条件で減圧乾燥させた後、ロールプレスすることにより、集電体であるアルミニウム箔上に厚さ60μmの正極活物質層を形成して、正極を得た。
上記で得られた負極及び正極を直径16mmの円盤状に打ち抜いた。また、セパレータとしてガラスファイバーからなるものを用い、これを直径17mmの円盤状に打ち抜いた。これら円盤状の正極、セパレータ及び負極を、この順にSUS製の電池容器(CR2032)内で積層し、上記で得られた電解液を、セパレータ、負極及び正極に含浸させ、さらに負極上に、SUS製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)を載せ、蓋をすることにより、リチウムイオン二次電池としてコイン型セルを製造した。
実施例1と同じ負極材及び集電体である銅箔を使用し、負極材を銅箔上に塗布した後、乾燥温度を80℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。
実施例2で製造した上記の負極を使用した以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
実施例1と同じ負極材及び集電体である銅箔を使用し、負極材を銅箔上に塗布した後、乾燥温度を100℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。
実施例3で製造した上記の負極を使用した以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
実施例1と同じ負極材及び集電体である銅箔を使用し、負極材を銅箔上に塗布した後、乾燥温度を25℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。
比較例1で製造した上記の負極を使用した以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
実施例1と同じ負極材及び集電体である銅箔を使用し、負極材を銅箔上に塗布した後、乾燥温度を150℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。
比較例2で製造した上記の負極を使用した以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
一酸化ケイ素(SiO)とポリアクリル酸リチウム(PAALi)を配合する質量比(SiO/PAALi)を表1に示すように変更した以外は、実施例1の場合と同様に負極材及び負極前駆体を製造した。
実施例4で得られた負極前駆体における負極活物質層の、走査型電子顕微鏡(SEM)で取得した撮像データを図3に示す。図3中、丸囲み領域は比較的大きなSiO(酸化ケイ素)の粒子(長径が約2μm)の存在を示しており、当該粒子表面の7割以上がバインダー樹脂によって被覆されている様子が確認された。
実施例4の負極前駆体を使用して、実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作製し、その充放電特性を評価した。
上記各実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池について、25℃において0.2Cの定電流定電圧充電を、上限電圧4.2Vとして電流値が0.1Cに収束するまで行った後、0.2Cの定電流放電を2.5Vまで行った。次いで、充放電電流を1Cとして同様の方法で、充放電サイクルを3回繰り返し行い、リチウムイオン二次電池の状態を安定させた。次いで、充放電電流を1Cとして同様の方法で、充放電サイクルを繰り返し行い、容量発現率({[1サイクル目の放電容量(mAh)]/[定格容量(mAh)]}×100)(%)、及び100サイクルでの容量維持率({[100サイクル目の放電容量(mAh)]/[1サイクル目の放電容量(mAh)]}×100)(%)を算出した。結果を表2に示す。
Claims (5)
- リチウムを吸蔵可能な金属酸化物、及び官能基としてカルボキシル基を有するバインダー樹脂を含む負極材を集電体又は基材に塗布した後、前記負極材を30〜140℃で乾燥するリチウムイオン二次電池用負極の製造方法であり、
前記バインダー樹脂が有するカルボキシル基の一部の水素原子が、リチウムイオンによって置換されており、
前記リチウムイオンによる前記水素原子の置換率が25〜35%であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。 - 前記負極材に溶媒が含まれ、前記乾燥で前記溶媒を除くことによって、前記負極に含まれる前記溶媒量を100ppm以下にすることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
- 前記負極材に含まれる前記金属酸化物と前記バインダー樹脂の質量比(金属酸化物/バインダー樹脂)が1〜10であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
- 前記バインダー樹脂がポリアクリル酸及びポリメタクリル酸のうち少なくとも何れか一方を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載の製造方法により得られた負極を使用して、更にリチウムイオン二次電池を製造することを特徴とする、リチウムイオン二次電池の製造方法。
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