JP6034094B2 - リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
これに対して、負極活物質としてケイ素酸化物と、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る特定の金属と、を組み合わせて構成された負極が開示されている(特許文献1参照)。
本発明は、ケイ素及び一酸化ケイ素のいずれか一方又は両方、並びに遷移金属カルコゲナイドを溶媒の共存下で分散させて得られた分散物の固形分と、導電助剤と、バインダーと、が配合されてなり、前記遷移金属カルコゲナイドが、遷移金属の硫化物であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材を提供する。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材においては、前記遷移金属カルコゲナイドが、硫化モリブデン(IV)であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、(A)カルボン酸リチウム塩並びに(B)三フッ化ホウ素及び/又は三フッ化ホウ素錯体、あるいは(E)カルボン酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体と、(C)有機溶媒と、が配合されてなる電解液を備えたものが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材(以下、「負極材」と略記することがある)は、ケイ素(シリコン)及び一酸化ケイ素のいずれか一方又は両方(以下、「ケイ素等」と略記することがある)、並びに遷移金属カルコゲナイドを溶媒の共存下で分散させて得られた分散物の固形分と、導電助剤と、バインダーと、が配合されてなることを特徴とする。
かかる負極材が、ケイ素等及び遷移金属カルコゲナイドを併用した前記固形分を用いていることで、負極は、ケイ素等を用いているにも関わらず、後述するリチウムイオン二次電池の充放電(リチウムイオンの吸蔵及び放出)時において、膨張及び収縮の影響が緩和される。その結果、リチウムイオン二次電池は、充放電サイクルを繰り返し行っても、放電容量の低下が抑制された、サイクル特性に優れたものとなる。
なお、本明細書において「固形分」とは、特に断りのない限り、前記分散物の固形分を意味するものとする。
また、前記分散物において、前記溶媒以外の成分は、一部が溶媒に溶解していてもよい。
ケイ素等の平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡を用いて、任意のケイ素等の粒子約100個について粒子径を計測し、その平均値を算出することで求められる。
ケイ素等は、例えば、ボールミル等を用いる公知の手法で粉砕することにより、平均粒子径を所望の値に調節できる。
遷移金属は、周期表の第3属から第11族までの元素であり、第4周期、第5周期又は第6周期の元素であることが好ましく、モリブデン、銅、タングステン又はチタンであることがより好ましい。すなわち、前記遷移金属カルコゲナイドは、モリブデン、銅、タングステン又はチタンのカルコゲナイドであることがより好ましい。
遷移金属カルコゲナイドは、分子同士でグラファイトのような層状構造を形成し得るものが好ましい。
分散物における前記有機溶媒で好ましいものとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール;N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の鎖状又は環状アミド;アセトン等のケトンが例示できる。
分散物における前記溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
その他の成分を配合する場合、前記分散物において、溶媒を除く配合成分の総量に占めるその他の成分の配合量の比率(配合比率)は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
各成分は、これらを順次添加しながら混合して分散させてもよいし、全成分を添加してから混合して分散させてもよく、配合成分が均一に混合され、分散質が均一に分散されればよい。
例えば、前記溶媒は、少なくとも一部を、前記ケイ素等、遷移金属カルコゲナイド及びその他の成分からなる群から選択される一種以上とあらかじめ混合して、これら成分の溶液又は分散液として、配合してもよい。このような溶液又は分散液の調製に用いる溶媒は、全量であってもよい。
混合温度、混合時間等の混合条件は、各種方法に応じて適宜設定すればよい。通常は、混合時の温度は10〜50℃であることが好ましく、15〜35℃であることがより好ましい。また、混合時間は1〜48時間であることが好ましく、5〜36時間であることがより好ましい。
固形分の平均粒子径は、ケイ素等の場合と同様の方法で求められる。
また、固形分は、上記のケイ素等の場合と同様の方法で、平均粒子径を所望の値に調節できる。
前記導電助剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
前記バインダーは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
負極材における前記その他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、好ましいものとしては、上記の必須成分(前記固形分、導電助剤、バインダー)を溶解又は分散させるための溶媒が例示できる。
このような、さらに溶媒が配合されてなる負極材は、使用時において流動性を有する液状組成物であることが好ましい。
負極材における前記有機溶媒で好ましいものとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール;N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の鎖状又は環状アミド;アセトン等のケトンが例示できる。
負極材における前記溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
また、負極材における前記溶媒としては、分散物の溶媒とは異なる溶媒を用いることもできる。すなわち、負極材製造時に、分散物の溶媒の配合の有無によらず、この分散物の溶媒とは別途に溶媒を配合することで、分散物の溶媒とは異なる溶媒が配合されてなる負極材が得られる。ここで、「分散物の溶媒とは異なる溶媒」とは、分散物から持ち込まれない溶媒のことを意味し、必ずしも分散物の溶媒と異なる種類であることを意味せず、分散物の溶媒と同種であってもよい。
このように、前記液状組成物等の、溶媒が配合されてなる負極材は、前記分散物の溶媒及びこれとは異なる溶媒の少なくとも一方を配合することで、製造できる。
各成分の配合時には、これら成分を添加して、各種手段により十分に混合することが好ましい。
各成分は、これらを順次添加しながら混合してもよいし、全成分を添加してから混合してもよく、配合成分が均一に混合されればよい。
混合温度、混合時間等の混合条件は、各種方法に応じて適宜設定すればよい。通常は、混合時の温度は10〜50℃であることが好ましく、15〜35℃であることがより好ましい。また、混合時間は3〜40分であることが好ましく、5〜20分であることがより好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極(以下、「負極」と略記することがある)は、上記本発明の負極材を用いて形成された負極活物質層を、集電体(負極集電体)上に備えたことを特徴とする。
かかる負極は、本発明の負極材を用いること以外は、公知の負極と同様の方法で製造できる。
また、前記集電体はシート状であることが好ましく、その厚さは、5〜20μmであることが好ましい。
例えば、負極材として、溶媒が配合されてなる液状組成物を用いる場合には、この液状組成物を塗工及び乾燥させることで、負極活物質層を形成できる。
また、遷移金属カルコゲナイドは、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能であり、リチウムイオン伝導材としても作用し得る。さらに、遷移金属カルコゲナイドには、硫化銅(II)(CuS)のように導電性を有するものもある。したがって、本発明の負極は、リチウムイオンの吸蔵及び放出が妨げられることがないと推測される。硫化モリブデン(IV)(MoS2)は、導電性は低いものの潤滑性を有しており、これが特に顕著に、充放電時における負極の膨張及び収縮の影響を緩和して、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の向上に寄与していると推測される。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記本発明の負極を備えたことを特徴とする。
かかるリチウムイオン二次電は、本発明の負極を備えたこと以外は、従来のリチウムイオン二次電池と同様の構成とすることができ、例えば、前記負極以外に、正極及び電解液、ゲル電解質又は固体電解質を備えて構成される。さらに必要に応じて、負極と正極との間に、セパレータが設けられていてもよい。
このような金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)等が例示でき、類似の組成であるオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を用いることもできる。
前記金属酸リチウム化合物は、前記一般式において、Mが複数種のものであってもよく、このような金属酸リチウム化合物としては、一般式「LiM1 pM2 qM3 rOy(式中、M1、M2及びM3は互いに異なる種類の金属であり;p、q、r及びyは、金属M1、M2及びM3と酸素Oとの組成比である。)」で表されるものが例示できる。ここで、p+q+r=xである。
このような金属酸リチウム化合物としては、LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2等が例示できる。
正極活物質は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
(B)三フッ化ホウ素及び/又は三フッ化ホウ素錯体としては、取り扱いが容易で、錯形成反応がより円滑に進行する点から、前記三フッ化ホウ素錯体を用いることが好ましい。
(C)有機溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
(E)カルボン酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体は、例えば、(A)カルボン酸リチウム塩、(B)三フッ化ホウ素及び/又は三フッ化ホウ素錯体、並びに(C’)溶媒を配合して、(A)カルボン酸リチウム塩と、(B)三フッ化ホウ素及び/又は三フッ化ホウ素錯体と、を反応させる工程(以下、「反応工程」と略記する)と、前記反応後の反応液から、(C’)溶媒と、(B)三フッ化ホウ素及び/又は三フッ化ホウ素錯体に由来する不純物と、を除去する工程(以下、「除去工程」と略記する)と、を有する製造方法で製造できる。かかる製造方法で得られた(E)カルボン酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体は、(A)カルボン酸リチウム塩と(B)三フッ化ホウ素及び/又は三フッ化ホウ素錯体とが、錯形成反応して、形成されたものである。
これらの中でも、前記有機溶媒としては、鎖状炭酸エステル化合物、ニトリル化合物、環状エーテル化合物が好ましい。
また、第二の電解液におけるリチウム原子(Li)の濃度も、第一の電解液の場合と同様である。
前記任意成分は、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
ゲル電解質では、(D)マトリクスポリマー以外の成分(電解液)が、マトリクスポリマー中に保持される。
好ましい(D)マトリクスポリマーとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系ポリマー(ポリエーテル骨格を有するポリマー);ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化アセトン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー(フッ素原子を有するポリマー);ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、エチレンオキシドユニットを含むポリアクリレート等のポリアクリル系ポリマー((メタ)アクリル酸エステル又はアクリルアミドから誘導される構成単位を有するポリマー);ポリアクリロニトリル;ポリホスファゼン;ポリシロキサンが例示できる。
希釈用有機溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
希釈用有機溶媒を除去するときの乾燥方法は、特に限定されず、例えば、ドライボックス、真空デシケータ、減圧乾燥機等を使用する公知の方法を適用すればよい。
また、希釈用有機溶媒を除去するときの乾燥方法は、前記ゲル電解質の場合と同様でよい。
・遷移金属カルコゲナイド
硫化モリブデン(IV)(MoS2)(アルドリッチ社製)
・導電助剤
アセチレンブラック(電気化学工業社製)
・(A)カルボン酸リチウム塩
シュウ酸リチウム(アルドリッチ社製)
・(B)三フッ化ホウ素錯体
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF3・O(C2H5)2)(アルドリッチ社製)
・有機溶媒
エチレンカーボネート(以下、「EC」と略記する)(キシダ化学社製)
ジメチルカーボネート(以下、「DMC」と略記する)(キシダ化学社製)
・その他
水酸化リチウム・一水和物(LiOH・H2O)(アルドリッチ社製)
六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)(キシダ化学社製)
[実施例1]
(複合物の製造)
シリコン屑ウェハ(信越半導体社製)(150g)、φ20mmジルコニアボールを専用ジルコニア容器に入れ、遊星型ボールミル(P−6:FRITSCH)で400rpm、30分の条件でシリコン屑ウェハを粗粉砕した。
得られた粗粉砕シリコン(100g)、2−プロパノール(120g)、φ1mmジルコニアビーズを専用ジルコニア容器に入れ、遊星型ボールミル(P−6:FRITSCH)で400rpm、60分の条件で粗粉砕シリコンを粉砕し、平均粒子径が約150nmである微粉末シリコンの2−プロパノール分散液を得た。
得られた微粉末シリコンの2−プロパノール分散液を遠心分離機による分離及び回収に供し、微粉末シリコンの2−プロパノールウェットケーキ(固形分66質量%)を得た。
得られた微粉末シリコンのウェットケーキ(2.4g、微粉末シリコンとして1.6g)に、水(35g)、エタノール(5g)を添加し、さらに遷移金属カルコゲナイドとして硫化モリブデン(IV)(MoS2)(0.4g)を添加して、マグネチックスターラを用いて、25℃で24時間激しく撹拌して分散させた。このときの溶媒以外の各成分の配合量と、溶媒以外の成分の総配合量に占める各成分の配合量の比率(配合比率)とを、表1に示す。表1中、例えば、「MoS2 0.4g(20質量%)」は、MoS2の配合量が0.4gで、前記配合比率が20質量%であることを意味する。
得られた分散物をオーブンにより70℃で乾燥させ、液体成分を除去して、乾燥物を得た。
得られた乾燥物の全量と、2−プロパノール(2g)と、φ1mmジルコニアビーズを専用ジルコニア容器に入れ、遊星型ボールミル(P−6:FRITSCH)で400rpm、60分の条件で前記乾燥物を粉砕し、平均粒子径が約150nmである微粉末状の複合物(1)の2−プロパノール分散液を得た。
水酸化リチウム・一水和物(1.63g)を瓶に計り取り、これに水(7g)を加えて、1時間混合した。そして、得られた全量のLiOH水溶液に、35質量%ポリアクリル酸水溶液(PAA水溶液、アルドリッチ社製)(3.5g)を加えて、24時間撹拌し、バインダーとしてポリアクリル酸リチウム(PAALi)を20質量%の濃度で含むPAALi水溶液を得た。
得られたPAALi水溶液(1.5g、PAALiとして0.3g)、上記の複合物(1)の2−プロパノール分散液(複合物(1)として1.5g)、導電助剤としてアセチレンブラック(0.2g)をそれぞれ容器に計り取り、これにさらに水を加えて、配合成分の総量に占める、溶媒以外の配合成分(PAALi、複合物(1)及びアセチレンブラック)の合計配合量の比率が、20質量%となるように調節した。
次いで、自転・公転ミキサー(シンキー社製「ARE−250」)を用いて配合成分を25℃で3分間混合した後、ホモジナイザー(東京理化器械社製「VCX−130PB」)を用いて5分間分散させ、さらに、自転・公転ミキサー(シンキー社製「ARE−250」)を用いて25℃で1分間撹拌し、次いで25℃で1分間脱泡させることで、スラリー状の負極材(1)を得た。
得られた負極材(1)における溶媒以外の各成分の配合量と、溶媒以外の成分の総配合量に占める各成分の配合量の比率(配合比率)とを、表2に示す。表2中、例えば、「アセチレンブラック0.3g(15質量%)」は、アセチレンブラックの配合量が0.3gで、前記配合比率が15質量%であることを意味する。また、「−」は、その成分が未配合であることを意味する。なお、「溶媒以外の成分の総配合量」とは、実施例1〜3では、複合物、導電助剤及びバインダーの総配合量を意味し、比較例1〜2では、ケイ素、遷移金属カルコゲナイド、導電助剤及びバインダーの総配合量を意味する。
銅箔からなる厚さ18μmの集電体上に、乾燥後の厚さが30μmとなるように、ミニコーター(宝仙社製「MC20」)を用いて、得られた負極材(1)を塗布し、この負極材(1)を、50℃のホットプレートを用いて2時間乾燥させ、さらに真空乾燥機を用いて100℃で24時間真空乾燥させた。
次いで、ロールプレス機(テスター産業社製)を用いて、集電体上の乾燥後の負極材(1)を、1500Nの圧力でプレスした後、グローブボックスの乾燥炉内で、100℃で6時間乾燥させることで、集電体上に負極活物質層が形成された負極(1)を得た。
シュウ酸リチウム(0.153g)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.426g)、並びに有機溶媒としてEC及びDMCの混合溶媒(2.42g)(EC:DMC=30:70(体積比))をサンプル瓶に量り取り、リチウム原子の濃度が1.0モル/kgとなるように25℃で混合することにより、非水電解液である電解液(1)を得た。
上記で得られた負極、及び市販品の三元系正極(宝仙社製)を、それぞれ直径16mmの円盤状に打ち抜いた。また、セパレータとしてガラスファイバーからなるものを用い、これを直径17mmの円盤状に打ち抜いた。得られた正極、セパレータ及び負極を、この順にSUS製の電池容器(CR2032)内で積層し、上記で得られた電解液(1)を、セパレータ、負極及び正極に含浸させ、さらに負極上に、SUS製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)を載せ、蓋をすることにより、コイン型セルであるリチウムイオン二次電池(1)−1を製造した。
複合物製造時の各配合成分の配合量を、表1に示す通りとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、負極材(2)〜(3)、負極(2)〜(3)、並びにリチウムイオン二次電池(2)−1〜(3)−1及び(2)−2〜(3)−2を製造した。負極材からリチウムイオン二次電池までの対応関係を表3に示す。
負極材製造時に、複合物(1)の2−プロパノール分散液(複合物(1)として1.5g)に代えて、ケイ素(1.5g)を配合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、負極材(R1)、負極(R1)、並びにリチウムイオン二次電池(R1)−1及び(R1)−2を製造した。
負極材製造時に、複合物(1)の2−プロパノール分散液(複合物(1)として1.5g)に代えて、ケイ素(1.2g)及び硫化モリブデン(IV)(0.3g)を配合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、負極材(0)、負極(0)、並びにリチウムイオン二次電池(0)−1及び(0)−2を製造した。
上記で得られたリチウムイオン二次電池について、25℃において0.2Cの定電流定電圧充電を、上限電圧4.2Vとして電流値が0.1Cに収束するまで行った後、0.2Cの定電流放電を2.0Vまで行った。その後、充放電電流を1Cとして同様の方法で、充放電サイクルを繰り返し行い、50サイクルでの容量維持率((50サイクル目の放電容量(mAh)/1サイクル目の放電容量(mAh))×100)(%)を算出した。結果を表3に示す。
Claims (6)
- ケイ素及び一酸化ケイ素のいずれか一方又は両方、並びに遷移金属カルコゲナイドを溶媒の共存下で分散させて得られた分散物の固形分と、導電助剤と、バインダーと、が配合されてなり、
前記遷移金属カルコゲナイドが、遷移金属の硫化物であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材。 - 前記遷移金属カルコゲナイドが、モリブデン、銅、タングステン又はチタンのカルコゲナイドであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
- 前記遷移金属カルコゲナイドが、硫化モリブデン(IV)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を用いて形成された負極活物質層を、集電体上に備えたことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
- 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用負極を備えたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
- (A)カルボン酸リチウム塩並びに(B)三フッ化ホウ素及び/又は三フッ化ホウ素錯体、あるいは(E)カルボン酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体と、(C)有機溶媒と、が配合されてなる電解液を備えたことを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
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