JP6002060B2 - 電解質及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
本発明は、(E)有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、(F)三フッ化ホウ素と錯形成可能な成分、及び(C)有機溶媒が配合されてなることを特徴とする電解質を提供する。
本発明の電解質においては、前記(F)三フッ化ホウ素と錯形成可能な成分が、有機酸、有機酸塩及びフッ化リチウムからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
本発明の電解質においては、前記(F)三フッ化ホウ素と錯形成可能な成分が、カルボン酸、カルボン酸塩及びフッ化リチウムからなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
R1(COOX1)n1 ・・・・(1)
[式中、R1は炭化水素基であり;X1は水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子又はカリウム原子であり;n1は1〜4の整数であり、n1が2〜4の整数である場合、複数個のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。]
本発明に係る電解質は、(E)有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、(F)三フッ化ホウ素と錯形成可能な成分(以下、「(F)錯形成成分」と略記することがある)、及び(C)有機溶媒が配合されてなることを特徴とする。
かかる電解質は、(E)有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体以外に、(F)錯形成成分が配合されていることで、使用温度が、例えば、18〜30℃程度の室温はもとより、50℃程度の高温域であっても、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることが可能である。また、電解質又はリチウムイオン二次電池の構成を調節することで、50℃を越える高温域であっても、同様にリチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることが可能である。なお、本明細書において、リチウムイオン二次電池に関する「使用温度」とは、特に断りの無い限り、電解質が置かれる使用環境の温度を意味する。
好ましい前記三フッ化ホウ素錯体としては、三フッ化ホウ素ジメチルエーテル錯体(BF3・O(CH3)2)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF3・O(C2H5)2)、三フッ化ホウ素ジn−ブチルエーテル錯体(BF3・O(C4H9)2)、三フッ化ホウ素ジtert−ブチルエーテル錯体(BF3・O((CH3)3C)2)、三フッ化ホウ素tert−ブチルメチルエーテル錯体(BF3・O((CH3)3C)(CH3))、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(BF3・OC4H8)等の三フッ化ホウ素アルキルエーテル錯体;三フッ化ホウ素メタノール錯体(BF3・HOCH3)、三フッ化ホウ素プロパノール錯体(BF3・HOC3H7)、三フッ化ホウ素フェノール錯体(BF3・HOC6H5)等の三フッ化ホウ素アルコール錯体が例示できる。
これらの中でも、前記有機溶媒としては、鎖状炭酸エステル化合物、ニトリル化合物、環状エーテル化合物が好ましい。
また、前記有機酸塩において、塩となっている酸基の数は、特に限定されず、例えば、酸基の数が2以上である場合には、すべての酸基が塩となっていてもよいし、一部の酸基のみが塩となっていてもよい。
(F)錯形成成分としての前記有機酸塩は、有機酸金属塩であることが好ましく、有機酸アルカリ金属塩、有機酸アルカリ土類金属塩であることがより好ましく、具体的には、有機酸のリチウム(Li)塩、ナトリウム(Na)塩、カリウム(K)塩、マグネシウム(Mg)塩及びカルシウム(Ca)塩が例示でき、有機酸アルカリ金属塩であることがさらに好ましく、有機酸リチウム塩であることが特に好ましい。
(F)錯形成成分としての前記有機酸塩中の塩は、一種のみでもよいし、二種以上でもよく、二種以上である場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
R1(COOX1)n1 ・・・・(1)
[式中、R1は炭化水素基であり;X1は水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子又はカリウム原子であり;n1は1〜4の整数であり、n1が2〜4の整数である場合、複数個のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。]
R1における前記炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
また、n1は1〜4の整数(1、2、3又は4)であり、n1が2〜4の整数である場合、複数個(2〜4個)のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個のX1はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみが同じであってもよい。また、n1が2〜4の整数である場合、一般式「R1」で表される基における、複数個(2〜4個)の一般式「COOX1」で表される基の結合部位は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみが同じであってもよい。
(C)有機溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
希釈用有機溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
ここで、「電解質における(C)有機溶媒の配合量」には、上記の希釈用有機溶媒の配合量は含まれない。本明細書においては、特に断りの無い限り、各成分の配合量に関する記載においては、得られた電解質中には残存しない「希釈用有機溶媒」は考慮していない(各成分の配合量の比率や濃度の算出時に、「希釈用有機溶媒」の配合量は用いてない)。
前記その他の成分は、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。好ましいその他の成分としては、(D)マトリクスポリマーが例示できる。(D)マトリクスポリマーを配合することで、電解質としてゲル状のもの(ゲル電解質)が得られる。ゲル電解質では、(D)マトリクスポリマー以外の成分が、(D)マトリクスポリマー中に保持される。(D)マトリクスポリマーを配合しなければ、電解質は通常、液状(電解液)となる。
好ましい(D)マトリクスポリマーとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系ポリマー(ポリエーテル骨格を有するポリマー);ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化アセトン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー(フッ素原子を有するポリマー);ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、エチレンオキシドユニットを含むポリアクリレート等のポリアクリル系ポリマー((メタ)アクリル酸エステル又はアクリルアミドから誘導される構成単位を有するポリマー);ポリアクリロニトリル;ポリホスファゼン;ポリシロキサンが例示できる。
(D)マトリクスポリマーは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
各成分の配合時には、これら成分を添加して、各種手段により十分に混合することが好ましい。
各成分は、これらを順次添加しながら混合してもよいし、全成分を添加してから混合してもよく、配合成分が均一に混合されればよい。
混合温度、混合時間等の混合条件は、各種方法に応じて適宜設定すればよい。通常は、混合時の温度は15〜85℃であることが好まく、混合時間は0.5〜36時間であることが好ましい。
希釈用有機溶媒の除去方法は、特に限定されず、例えば、ドライボックス、真空デシケータ、減圧乾燥機等を使用する公知の方法を適用すればよい。
ゲル電解質は、型を用いて所望の形状に成型することができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、前記電解質を備えたことを特徴とする。
かかるリチウムイオン二次電池は、前記電解質を用いること以外は、従来のリチウムイオン二次電池と同様の構成とすることができ、例えば、負極、正極及び前記電解質を備えて構成され、さらに必要に応じて、負極と正極との間に、セパレータを備えていてもよい。
また、前記集電体はシート状であることが好ましく、その厚さは、5〜20μmであることが好ましい。
例えば、液状の負極材を集電体上に塗工及び乾燥させることで、負極活物質層を形成できる。
このような金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)等が例示でき、類似の組成であるオリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4)を用いることもできる。
前記金属酸リチウム化合物は、前記一般式において、Mが複数種のものであってもよく、このような金属酸リチウム化合物としては、一般式「LiM1 pM2 qM3 rOy(式中、M1、M2及びM3は互いに異なる種類の金属であり;p、q、r及びyは、金属M1、M2及びM3と酸素Oとの組成比である。)」で表されるものが例示できる。ここで、p+q+r=xである。
このような金属酸リチウム化合物としては、LiNi0.33Mn0.33Co0.33O2等が例示できる。
正極活物質は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
ここに示すリチウムイオン二次電池1は、本発明に係るゲル電解質を用いたものであり、シート状の負極3及び正極4が、シート状でゲル状の電解質2を介して積層されたものである。ただし、ここでは、負極3及び正極4をそれぞれ1枚ずつ示しているが、負極3、電解質2及び正極4がこの順に積層された積層構造を繰り返し単位として、この順を繰り返すように前記積層構造が複数個繰り返し積層された構成であってもよい。電解質2は2枚以上が積層されてなるものでもよい。
なお、ここに示すリチウムイオン二次電池1は、本発明の一実施形態を例示するものであり、本発明に係るリチウムイオン二次電池はこれに限定されるものではない。
例えば、ゲル電解質を備えたリチウムイオン二次電池であれば、加熱して液状としたゲル電解質を、負極及び正極のいずれか一方又は両方の電極面上に塗工し、次いで、このゲル電解質を備えた負極及び正極を、これらの電極面が対向するようにゲル電解質を介して積層し、必要に応じてこれらの電極面間にセパレータを介在させることで、容易に製造できる。液状のゲル電解質は、例えば、バーコーター等の各種コーターを用いる方法で、電極面上に塗工できる。
また、例えば、電解液を備えたリチウムイオン二次電池であれば、ゲル電解質に代えてこの電解液を、負極及び正極の電極面に接触するように配置すること以外は、上記のゲル電解質を備えたリチウムイオン二次電池と同様の方法で、容易に製造できる。
一方、三フッ化ホウ素(BF3)は、フッ化リチウム(LiF)と容易に反応して、四フッ化ホウ素リチウム(LiBF4)を生じることが知られており、上記の有機酸の分解で生じた三フッ化ホウ素(BF3)は、負極表面上のSEI中のフッ化リチウム(LiF)と反応して、SEIを破壊すると推測される。本発明者らは、イオンクロマトグラフィー(IC)による分析で、二酸化炭素の発生と共に、リチウムイオン二次電池中での四フッ化ホウ素リチウム(LiBF4)の発生を確認している。このようなSEIの破壊で表面が露出した負極は、構造破壊からの保護を失うため、充放電の繰り返し時にサイクル特性が悪化してしまう。
例えば、充放電サイクルを繰り返し行ったときの、100サイクルでの容量維持率((100サイクル目の放電容量(mAh)/1サイクル目の放電容量(mAh))×100)(%)の値が、使用温度が50℃の場合であれば、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、使用温度が25℃等の室温の場合であれば、好ましくは90%以上のリチウムイオン二次電池とすることができる。
本実施例で使用した化学物質を以下に示す。
・(A)カルボン酸リチウム塩、(F)錯形成成分
シュウ酸リチウム(Alfa社製)
・(B)三フッ化ホウ素錯体
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF3・O(C2H5)2)(アルドリッチ社製)
・(C)有機溶媒
エチレンカーボネート(以下、「EC」と略記する)(キシダ化学社製)
ジエチルカーボネート(以下、「DEC」と略記する)(キシダ化学社製)
γ−ブチロラクトン(以下、「GBL」と略記する)(キシダ化学社製)
・(C’)溶媒
ジメチルカーボネート(以下、「DMC」と略記する)(キシダ化学社製)
・(D)マトリクスポリマー
ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(以下、「PVDF−HFP」と略記する)(Solvay社製)
[製造例1]
(シュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体の製造)
シュウ酸リチウム(22.3g、223mmol)を丸底フラスコに量り取り、これを200mLのDMCに懸濁させた。これに23℃で三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(63.3g、446mmol)をゆっくりと滴下した後、室温(23℃)で24時間撹拌し、反応液が透明になって不溶物が見られず、均一な溶液となったことを確認した。次いで、ロータリーエバポレーターを用いて、反応液から溶媒及び不純物を留去した。その後、析出した白色の固体を50℃にて乾燥させることにより、白色粉末のシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体((COOLi)2・(BF3)2)を得た(収率96.5%)。
また、図3(a)及び(b)において観測されたフッ素のケミカルシフトに違いがみられることから、三フッ化ホウ素(BF3)の配位環境が互いに異なることが確認され、これは、目的物であるシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体が得られたことを支持していた。さらに、図3(b)において不純物ピークが観測されなかったことや、三フッ化ホウ素の単体(BF3)の沸点が−100℃であることから、過剰量使用して反応工程で残存した三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体が除去工程で除去され、得られたシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体が混入していないと考えられた。
また、図4(a)及び(b)でスペクトルに違いがみられることから、カルボニル基の配位環境が互いに異なることが確認され、これは、目的物であるシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体が得られたことを支持していた。
以上から、目的物であるシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体が得られ、これには、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ジエチルエーテル等の不純物が混入していないことを確認できた。
[実施例1]
(ゲル電解質の製造)
製造例1で得られたシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体(3.24g、13.6mmol)、シュウ酸リチウム(0.278g、2.72mmol)、並びにEC、DEC及びGBLの混合溶媒(EC:DEC:GBL=30:60:10(体積比))(15.0g)をサンプル瓶に量り取り、これらを撹拌して透明の均一な溶液(以下、「溶液(1)」と略記する)を得た。
別途、EC、DEC及びGBLの混合溶媒(EC:DEC:GBL=30:60:10(体積比))を分散媒とし、濃度が10質量%である、PVDF−HFP分散液(10g)を、EC、DEC及びGBLの混合溶媒(EC:DEC:GBL=30:60:10(体積比))(90g)と混合して、80℃で加熱することによって溶解させ、溶液(以下、「溶液(2)」と略記する)を得た。
次いで、溶液(2)(10g)を溶液(1)の全量に添加して混合することにより、ゲル電解質を得た。
[実施例2]
(負極の製造)
黒鉛(80質量部)と、ハードカーボン(15質量部)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(5質量部)とを混合して負極合材を調製し、これをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させて、負極材(スラリー)を調製した。次いで、この負極材を厚さ15μmの銅箔の両面にバーコーターにより塗布し、100℃、0.1MPa、10時間の条件で減圧乾燥させた後、ロールプレスすることにより、負極活物質層(厚さ55μm)を形成して負極を得た。得られた負極は、負極活物質層の積層部分(104×62mm)と、負極活物質層の非積層部分(タブ部分、2×2cm程度)を残してカットした。
ニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム(Ni:Co:Mn=1:1:1、LiNMC)(93質量部)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(3質量部)と、導電助剤であるカーボンブラック(4質量部)とを混合して正極合材を調製し、これをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させて、正極材(スラリー)を調製した。次いで、この正極材を厚さ15μmのアルミニウム箔の両面にバーコーターにより塗布し、100℃、0.1MPa、10時間の条件で減圧乾燥させた後、ロールプレスすることにより、正極活物質層(厚さ60μm)を形成して正極を得た。得られた正極は、正極活物質層の積層部分(102×60mm)と、正極活物質層の非積層部分(タブ部分、2×2cm程度)を残してカットした。
実施例1で得られたゲル電解質を80℃に加熱して液状とし、バーコーターを用いて、正極及び負極のそれぞれの両方の電極面(負極活物質層及び正極活物質層)上に塗布して、これら電極面上にゲル電解質を設けた。
次いで、この負極及び正極を、ゲル電解質が向き合うように、セパレータ(日本高度紙工業社製「TBL4620」、厚さ20μm)を介して重ねあわせ、負極及び正極の外方に突出するように端子用タブを、それぞれ超音波溶接により負極及び正極のタブ部分に接合することで、電極積層体を得た。
次いで、この電極積層体の負極及び正極から突出させた前記端子用タブがさらに突出するように、アルミニウムラミネートフィルムを配置し、該フィルムの外周をラミネート加工して電極積層体を封止することにより、リチウムイオン二次電池としてラミネートセルを得た。
シュウ酸リチウムを用いなかったこと以外は、実施例1と同じ方法で比較用のゲル電解質を製造し、実施例1で得られたゲル電解質に代えて、この比較用のゲル電解質を用いたこと以外は、実施例2と同じ方法で比較用のラミネートセル(リチウムイオン二次電池)を得た。
実施例2及び比較例1で得られたラミネートセル(リチウムイオン二次電池)について、25℃において0.2Cの定電流定電圧充電を、上限電圧4.2Vとして電流値が0.1Cに収束するまで行った後、0.2Cの定電流放電を2.7Vまで行った。この0.2Cでの充放電サイクルを3回繰り返した。次いで、ラミネートセルを50℃の環境下に置き(使用温度を50℃とし)、充放電電流を1Cとして同様の方法で、充放電サイクルを繰り返し行い、100サイクルでの容量維持率((100サイクル目の放電容量(mAh)/1サイクル目の放電容量(mAh))×100)(%)を算出した。
このように、本発明に係る電解質を用いることで、リチウムイオン二次電池は、使用温度が50℃と高温であっても、サイクル特性に優れていた。
Claims (7)
- (E)有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、(F)三フッ化ホウ素と錯形成可能な成分、及び(C)有機溶媒が配合されてなることを特徴とする電解質。
- 前記(E)有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体が、カルボン酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体であることを特徴とする請求項1に記載の電解質。
- 前記(F)三フッ化ホウ素と錯形成可能な成分が、有機酸、有機酸塩及びフッ化リチウムからなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解質。
- 前記(F)三フッ化ホウ素と錯形成可能な成分が、カルボン酸、カルボン酸塩及びフッ化リチウムからなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解質。
- 前記(F)三フッ化ホウ素と錯形成可能な成分が、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、並びに下記一般式(1)で表されるカルボン酸及びカルボン酸アルカリ金属塩からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解質。
R1(COOX1)n1 ・・・・(1)
[式中、R1は炭化水素基であり;X1は水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子又はカリウム原子であり;n1は1〜4の整数であり、n1が2〜4の整数である場合、複数個のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。] - 前記(E)有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体に由来するリチウム原子(Li)の濃度(モル/kg)に対する前記(F)錯形成成分の濃度(モル/kg)の比率が、1〜100モル%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電解質。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電解質を備えたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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