JP2020057476A - 電解質層、電極複合体及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

電解質層、電極複合体及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】サイクル特性及び安全性に優れるリチウムイオン二次電池を製造できる電解質層、該電解質層を含む電極複合体及びリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】一次粒子径が300〜1000nmのα−アルミナと、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体を含むイオン伝導材と、電解質層用有機溶媒とを含有する電解質層である。【選択図】なし

Description

本発明は、電解質層、該電解質層を含む電極複合体及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、電力貯蔵用の大型定置用電源、電気自動車用等の電源として利用されており、近年では電池の小型化及び薄型化の研究が進展している。リチウムイオン二次電池は、金属箔の表面に電極活物質層を形成した両電極と、両電極の間に配置されるセパレータを備えるものが一般的である。セパレータは、両電極間の短絡防止や電解液を保持する役割を果たす。
また、両電極の間に、電解質層を配置させたリチウムイオン二次電池についても知られている。例えば、特許文献1では、両電極の間に、金属酸化物粒子とイオン伝導材とを含む電解質層を配置したリチウムイオン二次電池が示されている。このような電解質層は、両電極間のリチウムイオンを伝導させると共に、両電極間の短絡防止の役割を担うものである。
特開2017−59432号公報
従来の電解質層を備えるリチウムイオン電池は、両電極間のイオン伝導や短絡防止については、一定の効果を奏するものの、サイクル特性が悪かったり、あるいは、サイクル特性が比較的良好であったとしても、130℃程度の温度に置いたときに、種々の発熱反応に起因して温度が大きく上昇するなど安全性の問題が生じる場合があった。
そこで本発明は、サイクル特性及び安全性を両立したリチウムイオン二次電池を製造できる電解質層、該電解質層を含む電極複合体及びリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、一次粒子径が特定範囲内のα−アルミナと、特定のイオン伝導材と、有機溶媒とを含有する電解質層により、上記課題が解決できることを見出し本発明を完成させた。
本発明の要旨は、以下の[1]〜[9]である。
[1]一次粒子径が300〜1000nmのα−アルミナと、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体を含むイオン伝導材と、電解質層用有機溶媒とを含有する電解質層。
[2]さらに電解質層用バインダーを含有する、上記[1]に記載の電解質層。
[3]前記バインダーが、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[2]に記載の電解質層。
[4]前記α−アルミナ100質量部に対して、前記バインダーの含有量が3〜30質量部である、上記[2]又は[3]に記載の電解質層。
[5]前記α−アルミナの比表面積が1〜10m/gである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の電解質層。
[6]前記有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体が、シュウ酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の電解質層。
[7]前記有機溶媒がカーボネート系有機溶媒である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の電解質層。
[8]電極と、電極の表面に設けられた上記[1]〜[7]のいずれかに記載の電解質層とを含む電極複合体。
[9]正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた上記[1]〜[7]のいずれかに記載の電解質層を含むリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、サイクル特性及び安全性に優れるリチウムイオン二次電池を製造できる電解質層、該電解質層を含む電極複合体及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の第1の実施形態を示す概略断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の第2の実施形態を示す概略断面図である。
<電解質層>
本発明の電解質層は、一次粒子径が300〜1000nmのα−アルミナと、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体を含むイオン伝導材と、電解質層用有機溶媒とを含有する。該電解質層は、後述するように、リチウムイオン二次電池に用いることができ、該リチウムイオン二次電池は、サイクル特性及び安全性に優れる。
なお、本明細書において、安全性とは、リチウムイオン二次電池を130℃程度の温度に置いたときに、温度が大きく上昇しない特性を意味する。
電解質層を構成する各成分について以下に詳細に説明する。
(α−アルミナ)
本発明の電解質層には絶縁性微粒子として、α−アルミナが含有される。α−アルミナを含有することで、電解質層の絶縁性が向上し、該電解質層をリチウムイオン二次電池の正極と負極の間に配置したときに、両電極間の短絡を有効に防止できる。
本発明の電解質層に含まれるα−アルミナは、一次粒子径が300〜1000nmである。α−アルミナの一次粒子径が300nm未満であると、リチウムイオン二次電池のサイクル特性、安全性及び入出力特性が悪くなり、一次粒子径が1000nmを超えると安全性が悪くなる。
リチウムイオン二次電池のサイクル特性及び安全性を良好にする観点から、α−アルミナの一次粒子径は、好ましくは330〜950nmであり、より好ましくは400〜800nmである。
なお、α−アルミナの一次粒子径は、電子顕微鏡により観察した100個のアルミナの個々の一次粒子径を平均して求めたものである。
α−アルミナの比表面積は、特に制限されないが、サイクル特性及び安全性を良好とする観点から、好ましくは1〜10m/gであり、より好ましくは2〜5m/gである。
なお、α−アルミナの比表面積は、JIS Z 8830に従い、窒素吸着によるBET法により測定したものである。
電解質層に含有されるα−アルミナの含有量は、電解質層全量基準で、10〜95質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。α−アルミナの含有量が上記範囲内であると、適切な絶縁性が付与され、またサイクル特性が良好になる。
また、電解質層には、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記したα−アルミナ以外の絶縁性微粒子を含んでもよい。α−アルミナ以外の絶縁性微粒子としては、有機粒子、無機粒子の何れであってもよい。具体的な有機粒子としては、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋スチレン−アクリル酸共重合体、架橋アクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸リチウム)、ポリアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の有機化合物から構成される粒子が挙げられる。無機粒子としては二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、窒化ホウ素、酸化亜鉛、二酸化スズ、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、フッ化カリウム、フッ化リチウム、クレイ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機化合物から構成される粒子が挙げられる。また、無機粒子は、ニオブ−タンタル複合酸化物、マグネシウム−タンタル複合酸化物等の公知の複合酸化物から構成される粒子であってもよい。また、絶縁性微粒子は、無機化合物と有機化合物の両方を含む微粒子であってもよい。例えば、有機化合物からなる粒子の表面に無機酸化物をコーティングした無機有機複合粒子であってもよい。
α−アルミナ以外の絶縁性微粒子の含有量は、電解質層全量基準で、20質量%以下であることが好ましく、5質量%であることがより好ましく、0質量%であることが更に好ましい。
(イオン伝導材)
本発明の電解質層は、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体を含むイオン伝導材を含有する。有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体は、リチウムイオン二次電池中で、イオン伝導体として機能する。本発明の電解質層に、上記した特定の一次粒子径のα−アルミナと、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体を併用することにより、効果的にサイクル特性が向上する。この理由は、定かではないが、特定の一次粒子径のα−アルミナと、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体を併用することで、適切なイオン透過性を確保しつつ、電解質層を構成する後述する電解質層用有機溶媒などの分解を抑制し、電解質層の構造が安定的に維持されるからと考えられる。
有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体としては、例えば、有機酸リチウム塩中の少なくとも1個の酸基又はリチウム塩となっている酸基に、三フッ化ホウ素(BF)が配位結合したものが挙げられる。
本発明において、サイクル特性を良好にする観点から、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体としては、カルボン酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体が好ましく、中でも下記一般式(1)で表されるカルボン酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体がより好ましい。
(YO−(O=)C)−X−(C(=O)−OY)m−1・(BF・・・(1)
上記式(1)で表される化合物は、式「(YO−(O=)C)−X−(C(=O)−OY)m−1」で表されるカルボン酸リチウム塩のカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)に三フッ化ホウ素が配位結合したものである。
上記式(1)中、mは1〜4の整数であり、mが1である場合、Xは水素原子又は1価の炭化水素基であり、mが2である場合、Xは単結合又は2価の炭化水素基であり、mが3又は4である場合、Xはm価の炭化水素基である。前記1〜4価の炭化水素基は1個以上の水素原子が水酸基で置換されていてもよい。Yは水素原子又はリチウム原子であり、mが2〜4である場合、複数個のYは互いに同一でも異なっていてもよい。ただし、m個のYのうち少なくとも1個はリチウム原子である。
Xが炭化水素基である場合は、該炭化水素基は炭素数1〜5の炭化水素基であることが好ましい。また、Xが炭化水素基である場合は、上記式(1)において、式「−C(=O)−OY」で表される基の、Xにおける結合位置は特に限定されない。例えば、mが2〜4である場合、式「−C(=O)−OY」で表される基は、すべてがX中の同一の炭素原子に結合してもよいし、すべてがX中の異なる炭素原子に結合していてもよく、一部のみがX中の同一の炭素原子に結合していてもよい。
上記式(1)で表される化合物の中でも、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を良好にする観点から、mは1又は2であることが好ましく、mは2であることがより好ましい。mが1の場合は、Xは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。mが2の場合は、Xは単結合又は炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。また、Yはすべてリチウム原子であることが好ましい。
好ましいカルボン酸リチウム塩としては、ギ酸リチウム塩(HCOOLi)、酢酸リチウム塩(CHCOOLi)、プロピオン酸リチウム塩(CHCHCOOLi)、酪酸リチウム塩(CH(CHCOOLi)、イソ酪酸リチウム塩((CHCHCOOLi)、吉草酸リチウム塩(CH(CHCOOLi)、イソ吉草酸リチウム塩((CHCHCHCOOLi)、カプロン酸リチウム塩(CH(CHCOOLi)等の1価カルボン酸のリチウム塩、シュウ酸リチウム塩((COOLi))、マロン酸リチウム塩(LiOOCCHCOOLi)、コハク酸リチウム塩((CHCOOLi))、グルタル酸リチウム塩(LiOOC(CHCOOLi)、アジピン酸リチウム塩((CHCHCOOLi))等の2価カルボン酸のリチウム塩、乳酸リチウム塩(CHCH(OH)COOLi)等の水酸基を有する1価カルボン酸のリチウム塩、酒石酸リチウム塩((CH(OH)COOLi))、リンゴ酸リチウム塩(LiOOCCHCH(OH)COOLi)等の水酸基を有する2価カルボン酸のリチウム塩、マレイン酸リチウム塩(LiOOCCH=CHCOOLi、cis体)、フマル酸リチウム塩(LiOOCCH=CHCOOLi、trans体)等の不飽和2価カルボン酸のリチウム塩、クエン酸リチウム塩(LiOOCCHC(COOLi)(OH)CHCOOLi)等の水酸基を有する3価カルボン酸のリチウム塩が例示できる。これらの中でも、ギ酸リチウム塩、酢酸リチウム塩、シュウ酸リチウム塩、コハク酸リチウム塩がより好ましく、シュウ酸リチウム塩が更に好ましい。
すなわち、電解質層に含有される有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体としては、ギ酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、酢酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、シュウ酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、コハク酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体が好ましく、シュウ酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体がより好ましい。
電解質層中の有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体の含有量は、α−アルミナ100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましく、10〜20質量部が更に好ましい。上記下限値以上であると、リチウムイオン二次電池の出力特性、サイクル特性が良好になりやすく、上記上限値以下であると、添加量に応じた効果を得やすくなり、また電解質層中にα−アルミナを一定以上含有させやすくなる。
また、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体の含有量は、後述する有機溶媒1モルに対して、0.01〜1モルであることが好ましく、0.02〜0.5モルであることがより好ましく、0.05〜0.3モルであることが更に好ましい。このような範囲とすることにより、リチウムイオン二次電池の出力特性、サイクル特性などが向上しやすくなる。
本発明のイオン伝導材には、本発明の効果を阻害しない範囲で、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体以外のイオン伝導体を含有させてもよい。
有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体以外のイオン伝導体としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCF、LiCFCO、LiPFSO、LiN(SOCF、Li(SOCFCF、LiN(COCF、LiN(COCFCF、リチウムビスオキサレートボラート(LiB(C等が挙げられる。これらの中でも、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体と併用することで、サイクル特性を良好としやすくする観点から、LiPFが好ましい。
有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体に対する、それ以外のイオン伝導体の質量比は、0.2〜5であることが好ましく、0.5〜2であることがより好ましい。
イオン伝導材の含有量は、α−アルミナ100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、10〜70質量部がより好ましく、20〜60質量部が更に好ましい。
イオン伝導材の含有量は、後述する有機溶媒1モルに対して、0.02〜2モルであることが好ましく、0.05〜1.0モルであることがより好ましく、0.1〜0.6モルであることが更に好ましい。このような範囲とすることにより、リチウムイオン二次電池の出力特性、サイクル特性などが向上しやすくなる。
(電解質層用有機溶媒)
本発明の電解質層は、電解質層用有機溶媒を含有する。該有機溶媒を含有することで、上記した、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体のイオン伝導体としての機能を高めることができる。
好適な電解質層用有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系有機溶媒、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトロヒドラフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテートなどが挙げられる。これらの中でもカーボネート系有機溶媒が好ましい。
電解質層用有機溶媒は1種のみを用いてもよいし、複数の有機溶媒を併用してもよいが、上記したカーボネート系有機溶媒を複数併用することが好ましい。
電解質層における電解質層用有機溶媒の含有量は、α―アルミナ100質量部に対して、10〜300質量部であることが好ましく、20〜250質量部であることがより好ましく、50〜200質量部であることが更に好ましい。
(電解質層用バインダー)
本発明の電解質層は、電解質層用バインダーを含むことが好ましい。電解質層用バインダーを含有することにより、上記したα−アルミナなどを結着させることができ、また、電解質層と電極との接着性も向上しやすくなる。
電解質層用バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有樹脂、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。これらバインダーは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、カルボキシメチルセルロースなどは、ナトリウム塩などの塩の態様にて使用されていてもよい。
これらの中でも、電解質層用バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。このような特定のバインダーを用いることで、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が向上しやすくなる。これは、上記した特定のバインダーは、本発明で用いる特定のα−アルミナの粒子間に効率よく存在することができ、電解質層の構造崩壊を抑制するからと考えられる。
電解質層用バインダーの含有量は、α−アルミナ100質量部に対して、3〜30質量部であることが好ましく、5〜15質量部であることがより好ましく、9〜15質量部であることが更に好ましい。これら下限値以上であると、サイクル特性及び安全性が向上しやすくなり、これら上限値以下であると、出力特性が向上しやすくなる。
本発明の電解質層は、上記したα−アルミナ、イオン伝導材、電解質層用有機溶媒、必要に応じて配合される電解質層用バインダーなどを含む電解質層用組成物を用いて、例えば、正極及び負極のいずれかの電極の表面に塗布して、乾燥することにより得ることができる。電解質層用組成物には、塗布性などを考慮して、電解質層用有機溶媒以外のアセトン、メタノール、アセトンなどの揮発性有機溶媒を含有させてもよい。該揮発性有機溶媒は、上記した乾燥時に揮発して組成物から実質的に除去される。このようにして、電極と、電極の表面に設けられる電解質層とを含む電極複合体を得ることができる。電解質層は、電極の一方の面に設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
<リチウムイオン二次電池>
図1は、本発明のリチウムイオン二次電池の第1の実施形態を示す概略断面図である。第1の実施形態であるリチウムイオン二次電池10は、正極12と、正極12と対向するように配置される負極11と、正極12と負極11との間に設けられた電解質層13とを備えている。
負極11は負極集電体11aと、負極集電体11aの上に積層された負極活物質層11bとを備えており、正極12も同様に、正極集電体12aと、正極集電体12aの上に積層された本発明の正極材料からなる正極活物質層12bとを備えている。電解質層13は、正極活物質層12bと負極活物質層11bとの間に設けられており、正極と負極の間の短絡を防止する。また、上記したとおり、電解層13は、特定のα−アルミナと、特定のイオン伝導材と有機溶媒を含有していることにより、サイクル特性が良好であり、かつ安全性が高い。
図2は、本発明のリチウムイオン電池の第2の実施形態を示す概略断面図である。第2の実施形態であるリチウムイオン二次電池20は、正極22と、正極22と対向するように配置される負極21と、正極22と負極21との間に設けられた電解質層23及びセパレータ24とを備えている。
負極21は負極集電体21aと、負極集電体21aの上に積層された負極活物質層21bとを備えており、正極22も同様に、正極集電体22aと、正極集電体22aの上に積層された正極活物質層22bとを備えている。
また、電解質層23は、正極活物質層22b上に配置され、セパレータ24は、電解質層23と負極活物質層21bとの間に配置されている。
第2の実施形態では、第1の実施形態には用いていないセパレータ24を用いている。電解質層23に加えて、セパレータ24を用いることで、より有効に正極と負極間の短絡を防止することができるようになる。
さらに、上記した第1の実施形態及び第2の実施形態に係るリチウムイオン二次電池には、図示しない電解液を注液して使用することができる。
<負極>
本発明のリチウムイオン二次電池における負極は、負極活物質層を有し、好ましくは負極集電体と、負極集電体上に積層された負極活物質層とを有する。負極活物質層は、典型的には、負極活物質と、負極用バインダーとを含む。
負極活物質層に使用される負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボンなどの炭素材料、スズ化合物とシリコンと炭素の複合体、リチウムなどが挙げられるが、これら中では炭素材料が好ましく、グラファイトがより好ましい。
負極活物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。なお、負極活物質の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた負極活物質の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、負極活物質層全量基準で、50〜99質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましい。
負極活物質層に含有される負極用バインダーとしては、上記した電解質層用バインダーと同様のものが使用できる。
負極活物質層における負極用バインダーの含有量は、負極活物質層全量基準で、0.5〜30質量%であることが好ましく、1.0〜25質量%がより好ましく、1.5〜10質量%が更に好ましい。
負極活物質層の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。
負極集電体を構成する材料としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性を有する金属が挙げられ、これらの中ではアルミニウム又は銅が好ましく、銅がより好ましい。負極集電体は、一般的に金属箔からなり、その厚さは、特に限定されないが、1〜50μmが好ましい。
<正極>
本発明のリチウムイオン二次電池における正極は、正極活物質層を有し、好ましくは正極集電体と、正極集電体上に積層された正極活物質層とを有する。正極活物質層は、典型的には、正極活物質と、正極用バインダーとを含む。
正極活物質としては、金属酸リチウム化合物が挙げられる。金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)等が例示できる。また、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)などであってもよい。さらに、リチウム以外の金属を複数使用したものでもよく、三元系と呼ばれるNCM(ニッケルコバルトマンガン)系酸化物、NCA(ニッケルコバルトアルミニウム)系酸化物などを使用してもよい。中でも、出力特性などを良好とする観点から、NCA系酸化物が好ましい。
正極活物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。なお、正極活物質の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた正極活物質の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。
正極活物質層における正極活物質の含有量は、正極活物質層全量基準で、50〜99質量%が好ましく、60〜95質量%がより好ましい。
正極活物質層は、導電助剤を含有してもよい。導電助剤は、上記正極活物質よりも導電性が高い材料が使用され、具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、棒状カーボンなどの炭素材料などが挙げられる。
正極活物質層において、導電助剤が含有される場合、導電助剤の含有量は、正極活物質層全量基準で、0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、1.5〜10質量%であることが更に好ましい。
正極用バインダーとしては、特に制限されないが、電解質層用バインダーとして説明したものと同様のものを用いることができる。
正極活物質層におけるバインダーの含有量は、正極活物質層全量基準で、0.5〜30質量%であることが好ましく、1.0〜25質量%がより好ましく、1.5〜10質量%が更に好ましい。
正極活物質層の厚みは、特に限定されないが、10〜200μmであることが好ましく、50〜150μmであることがより好ましい。
また、正極集電体となる材料は、上記負極集電体に使用される化合物と同様であるが、好ましくはアルミニウム又は銅、より好ましくはアルミニウムが使用される。正極集電体は、一般的に金属箔からなり、その厚さは、特に限定されないが、1〜50μmが好ましい。
(セパレータ)
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極と正極との間に配置されるセパレータを備えることが好ましい。セパレータにより、正極及び負極の間の短絡がより効果的に防止される。
セパレータとしては、多孔性の高分子膜、不織布、ガラスファイバー等が挙げられ、これらの中では多孔性の高分子膜が好ましい。多孔性の高分子膜としては、エチレン系多孔質フィルムなどのオレフィン系多孔質フィルムが例示される。
(電解液)
本発明のリチウムイオン二次電池は、電解液を含有してもよい。該電解液は、正極と負極との間に電解質層を配置してリチウムイオン二次電池を作製した後に、該リチウムイオン二次電池に対して注液される電解液である。電解液は、例えば、正極、負極、電解質層、及び必要に応じてセパレータが内部に収容されたバッテリーセル内に充填される。本発明のリチウムイオン二次電池は、電解液を含有することで、出力特性がより良好になりやすい。
電解液としては、有機溶媒と、電解質塩を含む電解液が例示できる。電解液に用いる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系有機溶媒、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトロヒドラフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテートなどが挙げられる。これらの中でもカーボネート系有機溶媒が好ましい。
電解液の組成は、電解質層の機能に影響を与えやすいため、リチウムイオン二次電池のサイクル特性、安全性の観点から、電解質層用有機溶媒と、電解液に用いる有機溶剤は同種のものが好ましく、同様に、電解質層に用いる有機リチウム塩−三フッ化ホウ化ホウ素錯体などと、電解液に用いる電解質塩は同種のものが好ましい。
したがって、例えば、電解質層用有機溶媒がカーボネート系有機溶媒であれば、電解液に用いる有機溶媒もカーボネート系有機溶媒であることが好ましい。
電解液に用いる有機溶媒の質量は、電解質層用有機溶媒の質量の2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることが好ましく、そして20倍以下であることが好ましい。
また、電解液に用いる有機溶媒と、電解質層用有機溶媒の合計は、電解質層中のα−アルミナ100質量に対して、300〜2000質量部であることが好ましく、500〜1500質量部であることがより好ましい。
電解液に用いる電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCF、LiCFCO、LiPFSO、LiN(SOCF、Li(SOCFCF、LiN(COCF及びLiN(COCFCF、リチウムビスオキサレートボラート(LiB(C等のリチウムを含む塩が挙げられる。また、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、LiBH等の錯体水素化物等の錯体が挙げられる。中でも、有機リチウム塩−三フッ化錯体、LiPFなどが好ましい。
電解液に用いる有機リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体としては、上記した電解質層に用いる有機リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体として説明したものが例示でき、好適に使用されるものも同様である。すなわち、電解液に用いる有機リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体としては、カルボン酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体が好ましく、シュウ酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体が好ましい。さらに、有機リチウム塩−三フッ化ホウ化ホウ素錯体と、LiPFを併用することが好ましい。
電解液全量基準における電解質塩の含有量は、好ましくは10〜60質量%であり、より好ましくは15〜40質量%である。
電解液に用いる電解質塩の質量は、電解質層中に含まれるイオン伝導材の質量の2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることが好ましく、そして20倍以下であることが好ましい。
電解液に用いる電解質塩と、電解質層中に含まれるイオン伝導材の合計は、電解質層中のα−アルミナ100質量に対して、50〜1000質量部であることが好ましく、150〜300質量部であることがより好ましい。
リチウムイオン二次電池は、負極、正極がそれぞれ複数積層され、かつ電解質層が負極と正極との間に設けられた多層構造であってもよい。この場合、負極及び正極は、積層方向に沿って交互に設けられればよい。また、セパレータを用いてもよく、この場合は、セパレータは、正極と電解質層の間又は負極と電解質層の間に設ければよい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
得られたリチウムイオン二次電池は、以下の評価方法により評価した。
(安全性評価)
各実施例、比較例で作製したリチウムイオン二次電池に対して、40Aの定電流充電を行い、次いで4.2V到達次第電流を減少させ2Aとなった時点で充電完了する定電圧充電を行った。その後電池を加熱し、130℃として保管した。130℃到達後1時間保持したときの電池の最高温度を測定し以下の評価基準で安全性を評価した。
A:最高温度115℃未満
B:最高温度115℃以上140℃未満
C:最高温度140℃以上200℃未満
D:最高温度200℃以上
(サイクル特性)
各実施例、比較例で作製したリチウムイオン二次電池を60℃、充電レートを2C,放電レートを3Cとして充放電サイクルを繰り返した。
1000サイクル後の放電容量を10サイクル後の放電容量と比較し、容量維持率とした。下記の評価基準でサイクル特性を評価した。容量維持率が高いほど、サイクル特性に優れることを示す。
A:容量維持率 70%以上
B:容量維持率 65%以上70%未満
C:容量維持率 60%以上65%未満
D:容量維持率 60%未満
(出力特性評価)
各実施例、比較例で作製したリチウムイオン二次電池について、以下のように放電容量を求めることで評価した。
40Aの定電流充電を行い、次いで4.2V到達次第電流を減少させ2Aとなった時点で充電完了する定電圧充電を行った。その後、400Aの定電流放電を行い、2.5Vまで放電させた時点で放電完了とする放電を行い、放電容量を計算した。以下の基準で出力特性を評価した。
A:40Aの定電流の放電容量に比べ、400Aの放電容量が20%以上
B:40Aの定電流の放電容量に比べ、400Aの放電容量が10%以上20%未満
C:40Aの定電流の放電容量に比べ、400Aの放電容量が5%以上10%未満
D:40Aの定電流の放電容量に比べ、400Aの放電容量が5%未満
(実施例1)
(電解質層用組成物の調製)
エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)とを質量比100:20:20で、40℃で加温混合した電解質層用溶媒1molに対して、シュウ酸リチウム塩三フッ化ホウ素錯体0.1モル、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)0.2モルを混合したイオン伝導材溶液を作製した。
α−アルミナ1(一次粒子径700nm、比表面積3.5m/g)100質量部に中程度の剪断力を加えながらポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)粉体を10質量部混合しアルミナ−バインダー混合物を得た。アセトンに上記アルミナ−バインダー混合物及び上記イオン伝導材溶液を混合し、攪拌機で30分間穏やかに攪拌し、目開き80μmのフィルターでろ過し、電解質層用組成物を得た。なお、アルミナ−バインダー混合物及びイオン伝導材溶液の使用量は、電解質層としたときに、各成分量が、表1の量になるように調節した。
(正極の作製及び正極複合体の作製)
正極活物質として平均粒子径10μmのLi(Ni−Co−Al)O(NCA系酸化物)を100質量部と、導電助剤としてアセチレンブラックを4質量部と、正極用バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)4質量部と、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)とを混合した。これにより、固形分濃度60質量%に調整した正極活物質層用組成物を得た。この正極活物質層用組成物を、正極集電体としての厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、予備乾燥後、120℃で真空乾燥した。その後、両面に正極活物質層用組成物を塗布した正極集電体を、400kN/mで加圧プレスし、更に電極寸法の100mm×200mm角に打ち抜いて、両面に正極活物質層を有する正極とした。該寸法のうち、正極活物質が塗布された面積は100mm×180mmであった。また、正極活物質層の厚さはそれぞれ50μmであった。
該正極の両面の正極活物質層の表面全体に、上記電解質用組成物をバーコーターで塗布した。組成物を塗布して形成した塗膜を60℃で乾燥することによって、正極活物質層の表面に電解質層を形成し、電解質層を両面に有する正極複合体を得た。各電解質層の厚みを測定したところ、20μmであった。
(負極の作製)
負極活物質としてグラファイト(平均粒子径10μm)100質量部と、負極用バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1.5質量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩を1.5質量部と、溶媒として水とを混合し、固形分50質量%に調整した負極活物質層用組成物を得た。この負極活物質層用組成物を、負極集電体としての厚さ15μmの銅箔の両面に塗布して100℃で真空乾燥した。その後、両面に負極活物質層用組成物を塗布した負極集電体を、線圧500kN/mで加圧プレスし負極とした。負極活物質層の厚みはそれぞれ50μmであり、負極活物質層の密度は1.55g/ccであった。なお、負極の寸法は110mm×210mmであり、該寸法のうち、負極活物質層が塗布された面積は110mm×190mmであった。
(リチウムイオン二次電池の製造)
上記で得た正極複合体25枚と、負極26枚とをポリエチレン製、厚さ15μmの微多孔膜セパレータを介し交互に積層して、積層体を得た。
各正極の正極集電体の露出部の端部を纏めて超音波融着で接合するとともに、外部に突出する端子用タブを接合した。同様に、各負極の負極集電体の露出部の端部を纏めて超音波融着で接合するとともに、外部に突出する端子用タブを接合した。
次いで、アルミラミネートフィルムで上記積層体を挟み、端子用タブを外部に突出させ、イオン伝導材と有機溶媒からなる電解液を添加した。イオン伝導材としては、シュウ酸リチウム塩三フッ化ホウ素錯体及びヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を用い、有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート(VC)、及びジエチルカーボネート(DEC)を用いて、表1に示す添加量で添加した。電解液を添加後、四辺を真空封止することによってラミネート型のセルを製造した。
(実施例2〜7、比較例1〜4)
電解質層の組成を表1のとおりに変更する以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
なお、電解質層の作製に用いた各成分は以下のとおりである。
(α−アルミナ)
αアルミナ1:一次粒子径700nm、比表面積3.5m/g
αアルミナ2:一次粒子径900nm、比表面積1.5m/g
αアルミナ3:一次粒子径350nm、比表面積4.3m/g
αアルミナ4:一次粒子径3000nm、比表面積1.0m/g
(γ−アルミナ)
γアルミナ1:一次粒子径50nm、比表面積13m/g
(イオン伝導材)
シュウ酸リチウム塩三フッ化ホウ素錯体
ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF
(電解質層用有機溶媒)
エチレンカーボネート(EC)
ジエチルカーボネート(DEC)
プロピレンカーボネート(PC)
ビニレンカーボネート(VC)
(電解質層用バインダー)
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)
アクリル樹脂

以上の実施例1〜7に示すように、特定のα−アルミナと、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体とを含む電解質層を用いた本発明のリチウムイオン二次電池は、安全性及びサイクル特性に優れていた。一方、比較例1〜4に示すように、特定のα−アルミナ及び有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体のいずれか一方しか含んでいない電解質層を用いたリチウムイオン二次電池は、安全性及びサイクル特性のいずれか又は両方に劣る結果となった。
10、20 リチウムイオン二次電池
11、21 負極
11a、21a 負極集電体
11b、21b 負極活物質層
12、22 正極
12a、22a 正極集電体
12b、22b 正極活物質層
13、23 電解質層
24 セパレータ

Claims (9)

  1. 一次粒子径が300〜1000nmのα−アルミナと、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体を含むイオン伝導材と、電解質層用有機溶媒とを含有する電解質層。
  2. さらに電解質層用バインダーを含有する、請求項1に記載の電解質層。
  3. 前記バインダーが、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の電解質層。
  4. 前記α−アルミナ100質量部に対して、前記バインダーの含有量が3〜30質量部である、請求項2又は3に記載の電解質層。
  5. 前記α−アルミナの比表面積が1〜10m/gである、請求項1〜4のいずれかに記載の電解質層。
  6. 前記有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体が、シュウ酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体である請求項1〜5のいずれかに記載の電解質層。
  7. 前記有機溶媒がカーボネート系有機溶媒である、請求項1〜6のいずれかに記載の電解質層。
  8. 電極と、電極の表面に設けられた請求項1〜7のいずれかに記載の電解質層とを含む電極複合体。
  9. 正極と、負極と、正極と負極との間に設けられた請求項1〜7のいずれかに記載の電解質層を含むリチウムイオン二次電池。
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