JP2016062743A - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)リチウムがプレドープされた負極活物質層を有する負極と、正極と、電解質とを備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、前記負極と前記正極の間に前記電解質を配置して、外部回路へ導通可能となるように組み立てた後、初期充電の前に放電処理を施すことを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。(2)前記負極活物質層が、リチウムイオンを吸蔵可能な金属酸化物、バインダー及び導電助剤を含む前記製造方法。(3)前記負極と前記正極を外部回路へ接続し、負極における電気化学反応が実質的に停止するまで放電する前記製造方法。(4)前記負極と前記正極を外部回路へ接続し、0〜3.0Vの範囲にセル電圧が降下するまで放電する前記製造方法。
【選択図】なし
Description
(2)前記負極活物質層が、リチウムイオンを吸蔵可能な金属酸化物、バインダー及び導電助剤を含むことを特徴とする前記(1)に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
(3)前記負極と前記正極を外部回路へ接続し、一定電圧になるまで放電することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
(4)前記負極と前記正極を外部回路へ接続し、0〜3.0Vの範囲にセル電圧が降下するまで放電することを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
(5)前記プレドープの方法が、リチウムイオンを吸蔵可能な金属酸化物、バインダー及び導電助剤を含む負極活物質層を集電体上に形成した後、金属リチウム又はリチウムイオンが拡散可能な液体を介して、前記負極活物質層を金属リチウムに接触させる方法であることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
本発明の第一実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法は、リチウムがプレドープされた負極活物質層を有する負極と、正極と、電解質とを備えるリチウムイオン二次電池の製造方法において、前記負極と前記正極の間に前記電解質を配置して、外部回路へ導通可能(即ち、通電可能)となるように組み立てた後、初期充電の前に放電処理を施す製造方法である。ここで、「初期充電」とは、組み立てたリチウムイオン二次電池を外部回路に接続して、初めて充電することを意味する。
前記組み立てに使用する負極は、前記負極活物質層が集電体上に配置されてなる。前記負極の形成方法は特に制限されず、公知のリチウムイオン二次電池の製造における負極の製造方法が適用できる。
リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な金属酸化物には、予めリチウムがプレドープされてもよい。プレドープする方法は特に限定されず、公知方法が適用される。
塗布した負極材を乾燥する方法は特に制限されず、例えば、常圧又は減圧下において40〜150℃程度の温度で、数分〜数時間で乾燥する方法が挙げられる。
負極活物質層にリチウムをプレドープする方法は特に限定されず、公知方法が適用される。具体例として、負極活物質層を、金属リチウム又はリチウムイオンが拡散可能な液体を介して、金属リチウムに接触させる方法が挙げられる。このプレドープ方法によれば、負極活物質層の広範囲にリチウムをプレドープすることができる。前記液体としては、例えば、公知のリチウムイオン二次電池を構成する電解液又はこの電解液を構成する有機溶媒が挙げられる。負極活物物質層に接触させる金属リチウムは、シート又は箔状の金属リチウムであることが好ましい。リチウムイオンではなく金属リチウムを用いてリチウムのプレドープを行うことが好ましい。プレドープ処理の終了後、電池の組み立て前に、負極活物質層に接触された金属リチウムを除去することが好ましい。
前記組み立てに使用する正極の構成は特に制限されず、公知のリチウムイオン二次電池における正極が適用できる。前記構成としては、例えば、正極活物質、バインダー樹脂及び溶媒、並びに必要に応じて導電助剤等が配合されてなる正極材を用いて形成された正極活物質層を、集電体上に備えた構成が例示できる。正極活物質層の厚みは特に限定されず、例えば10〜100μm程度の厚みが挙げられる。
正極活物質及び導電助剤は、それぞれ、一種が単独で使用されてもよいし、二種以上が併用されてもよい。二種以上の正極活物質又は導電助剤が併用される場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
前記組み立てに使用する電解質は特に制限されず、公知のリチウムイオン二次電池に使用される電解質が適用できる。前記負極と正極の間に配置する電解質は、液状の電解液であってもよいし、ゲル状又は固体状の電解質であってもよい。
本実施形態において、リチウムがプレドープされた負極活物質層を有する前記負極と、前記正極との間に前記電解質を配置して、外部回路へ導通可能となるように電池素子を組み立てる方法は特に制限されず、公知のリチウムイオン二次電池における組み立て方法が適用できる。ここで、「外部回路へ導通可能となるように」とは、外部回路を介して負極と正極を電気的に接続することである。この組み立てによって得られる電池素子は、電池の外装体(筐体)に収納されていてもよいし、収納されていなくても構わない。
外部回路へ導通可能となるように組み立てられた前記電池素子を初期充電する前に、放電処理を行う。前記負極活物質層には予めリチウムがプレドープされているので、少なからずリチウムイオン又はリチウムが存在する。このため、初期充電する前に放電することが可能である。放電処理の具体例として、例えば、外部回路を介して負極と正極を電気的に接続することによって放電させる方法が挙げられる。
上記電圧になるまで放電することにより、当該電池素子のサイクル特性をより確実に向上させることができる。
上記範囲のセル電圧に降下するまで放電することにより、当該電池素子のサイクル特性をより確実に向上させることができる。
上記範囲で放電することにより、当該電池素子のサイクル特性をより確実に向上させることができる。
ここで、上記電池の理論容量は、正極の理論容量の計算値と負極の理論容量の計算値を各々計算し、少ない方の値を理論容量とする。各電極の理論容量は、電極上の活物質の質量(g)と活物質の理論容量(mAh/g)の積の値として求めることができる。
「容量維持率」とは、充放電サイクルを繰り返し行ったときの、1サイクル目の放電容量に対する特定のサイクル数での放電容量の割合(%)を意味し、式「{[特定のサイクル数での放電容量(mAh)]/[1サイクル目の放電容量(mAh)]}×100)」により算出される。ここで、「特定のサイクル数」は、好ましくは50サイクル以上である。
以下、本実施形態のリチウムイオン二次電池の製造方法における、好適な材料と製造方法をより詳細に例示する。
集電体上に塗布した負極材の乾燥温度を30〜140℃の範囲で実施することにより、二次電池のサイクル特性を向上させることができる。ここで推測されるメカニズムとして、30℃以上にすることで負極材に残存した水分を取り除くことができるとともに、140℃以下で乾燥することによって負極材中のバインダー樹脂が有するカルボキシル基の脱水反応及び脱水縮合反応が抑制されるために、金属酸化物の表面水酸基とカルボキシル基の相互作用点が増加することで、金属酸化物表面との結着性が向上するため、サイクル特性が向上すると考えられる。
集電体上に塗布した負極材の乾燥時間は、30〜140℃の温度範囲において、4時間〜30時間が好ましく、5時間〜20時間がより好ましく、6時間〜12時間が更に好ましい。
4〜6時間以上の乾燥処理を行うことにより、例えば18〜35μm程度の厚みで塗布された負極材を充分に乾燥し、集電体上に固定することができる。
12〜30時間以下で乾燥処理を行うことにより、負極材中のバインダー樹脂が有するカルボキシル基の脱水反応及び脱水縮合反応を抑制することができる。
乾燥処理を終了する目安の一つとして、負極材中の溶媒の含有量が充分に低下していることが挙げられる。つまり、負極材に溶媒が含まれる場合、乾燥処理で溶媒を除くことによって、乾燥後に得られた負極に含まれる溶媒の量は100ppm以下にすることが好ましく、50ppm以下にすることがより好ましく、10ppm以下にすることが更に好ましい。負極に含まれる溶媒を充分に除くことによって、溶媒による電池性能への悪影響を除くことができる。
本実施形態の製造方法において、集電体上に塗布する負極材を構成するバインダー樹脂は、官能基としてのカルボキシル基を有する公知のバインダー樹脂であることが好ましい。具体例として、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸リチウム、ポリメタクリル酸リチウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
前記置換率が10〜50%であることにより、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上することができる。このサイクル特性の向上のメカニズムとして、前記置換によりカルボキシル基同士の相互作用が抑制されるため、ポリ(メタ)アクリル酸の凝集が抑えられ分散性が向上するためである考えられる。
水溶液中でポリアクリル酸(アルドリッチ社製、型番:416002-500ML)と水酸化リチウム(和光純薬工業社製、型番:169-18591)をモル比で100:20となるように混ぜて反応させることによって、全酸基の20モル%がリチウム塩となったポリアクリル酸リチウムを調製することができる。本実施形態で使用するポリアクリル酸リチウムは、その全酸基(全カルボキシル基)の10〜50モル%がリチウム塩になっていることが好ましい。
好適な具体例として、酸化ケイ素が挙げられる。
(酸化ケイ素)
本実施形態の製造方法において使用する酸化ケイ素としては、一般式「SiOz(式中、zは0.5〜1.5のいずれかの数である。)」で表される酸化ケイ素が例示できる。ここで酸化ケイ素を「SiO」単位で見た場合、このSiOは、アモルファス状のSiOであるか、又はSi:SiO2のモル比が約1:1となるように、ナノクラスターのSiの周囲にSiO2が存在する、Si及びSiO2の複合物である。SiO2は、充放電時におけるSiの膨張及び収縮に対して緩衝作用を有すると推測される。
酸化ケイ素は、例えば、ボールミル等を用いる公知の手法で粉砕することにより、平均粒子径を所望の値に調節できる。
本実施形態の製造方法において使用する負極材中の金属酸化物とバインダー樹脂の質量比(金属酸化物/バインダー樹脂)は、1〜10であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、3〜8であることが更に好ましく、4〜7であることが特に好ましい。
好適な導電助剤の具体例として、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤が挙げられる。
(粒子状導電助剤)
前記粒子状導電助剤は、導電助剤として機能する粒子状のものであれば特に限定されないが、好ましいものとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック;黒鉛(グラファイト);フラーレン等が例示できる。
前記繊維状導電助剤は、導電助剤として機能する繊維状のものであれば特に限定されないが、好ましいものとしては、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが例示できる。
前記負極材は、酸化ケイ素、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及びバインダー以外に、これらに該当しないその他の成分がさらに配合されてなるものでもよい。
前記その他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。例えば、好ましい成分としては、前記配合成分(酸化ケイ素、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤、バインダー)を溶解又は分散させるための溶媒が例示できる。
溶媒が配合されてなる負極材は、使用時において流動性を有する液状組成物であることが好ましい。
前記有機溶媒で好ましいものとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の鎖状又は環状アミド;アセトン等のケトンが例示できる。
前記溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
各成分の配合時には、各成分を添加して、各種手段により十分に混合することが好ましい。各成分を個別に順次添加しながら混合してもよいし、全成分を一度に添加してから混合してもよく、各成分が均一に混合されることが好ましい。
混合温度、混合時間等の混合条件は、各種方法に応じて適宜設定すればよい。通常は、混合時の温度は10〜50℃であることが好ましく、15〜35℃であることがより好ましい。また、混合時間は3〜40分程度が好ましく、5〜20分程度がより好ましい。
前記電解質の好適な例として挙げたカルボン酸リチウム塩の具体例としては、例えば、ギ酸リチウム、酢酸リチウム等の1価カルボン酸のリチウム塩;シュウ酸リチウム、マロン酸リチウム等の2価カルボン酸のリチウム塩;乳酸リチウム等の水酸基を有する1価カルボン酸のリチウム塩等が例示できる。これらの中でも、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム、コハク酸リチウムがより好ましく、シュウ酸リチウムが特に好ましい。
カルボン酸リチウム塩は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
好ましい三フッ化ホウ素錯体としては、三フッ化ホウ素ジメチルエーテル錯体(BF3・O(CH3)2)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジn−ブチルエーテル錯体、等の三フッ化ホウ素アルキルエーテル錯体;三フッ化ホウ素メタノール錯体(BF3・HOCH3)、三フッ化ホウ素プロパノール錯体、三フッ化ホウ素フェノール錯体等の三フッ化ホウ素アルコール錯体が例示できる。
有機溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
前記リチウムイオン二次電池は、粒子状導電助剤及び繊維状導電助剤を併用し、さらにリチウムがプレドープされている負極を用いたことにより、容量発現率と、充放電を繰り返し行ったときの容量維持率とが共に高く、充放電特性に優れる。
本実施例で使用した原料を以下に示す。
・導電助剤
アセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」、平均粒子径48nm)
カーボンナノチューブ(保土谷化学社製「NT−7」、平均繊維径65nm、平均繊維長6μm以上)
・バインダー
スチレン−ブタジエン樹脂(以下、「SBR」と略記する)(JSR社製)
ポリアクリル酸(アルドリッチ社製)
水酸化リチウム(和光純薬工業社製)
・カルボン酸リチウム塩
シュウ酸リチウム(Alfa社製)
・三フッ化ホウ素錯体
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF3・O(C2H5)2)(アルドリッチ社製)
・有機溶媒
エチレンカーボネート(以下、「EC」と略記する)(キシダ化学社製)
プロピレンカーボネート(以下、「PC」と略記する)(キシダ化学社製)
・溶媒
ジメチルカーボネート(以下、「DMC」と略記する)(キシダ化学社製)
[合成例1](シュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体の合成)
シュウ酸リチウム(22.3g、223mmol)を丸底フラスコに量り取り、これを200mLのDMCに懸濁させた。これに23℃で三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(63.3g、446mmol)をゆっくりと滴下した後、室温(23℃)で24時間撹拌し、反応液が透明になって不溶物が見られず、均一な溶液となったことを確認した。次いで、ロータリーエバポレーターを用いて、反応液から溶媒及び不純物を留去した。その後、析出した白色の固体を50℃にて乾燥させることにより、白色粉末のシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体((COOLi)2・(BF3)2)を得た(収率96.5%)。
[実施例1]
(負極材の製造)
一酸化ケイ素(SiO、平均粒子径1.0μm、69質量部)、アセチレンブラック(10質量部)、カーボンナノチューブ(6質量部)、ポリアクリル酸リチウム(全酸基の20モル%がリチウム塩とされたもの、以下、「PAALi」と略記することがある、10質量部)、及びSBR(5質量部)を試薬瓶に入れ、さらにここに蒸留水を添加して濃度調整した後、自公転ミキサーを用いてこの濃度調整したものを2000rpmで3分間混合した。次いで、超音波ホモジナイザーを用いてこの混合物を10分間分散処理した後、再度、自公転ミキサーを用いてこの分散物を2000rpmで3分間混合することにより、負極材を得た。ここまでの操作は、すべて25℃で行った。このときの各配合成分と、配合成分の総量に対する各配合成分の割合(質量%)とを表1に示す。
有機溶媒として、EC及びPCの混合溶媒(EC:PC=30:70(体積比))をサンプル瓶に量り取り、ここにシュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体(1.82g)を加えて、シュウ酸リチウム−三フッ化ホウ素錯体中のリチウム原子の濃度が1.0モル/kgとなるようにし、23℃で混合することにより、電解液を得た。
バーコーターを用いて、厚さ18μmの銅箔の両面に得られた負極材を塗布し、60℃のホットプレート上でこれを乾燥させた後、ロールプレス機を用いて1kNでプレスすることにより、集電体である銅箔上に厚さ25μmの負極活物質層を形成して、負極前駆体を得た。さらに、残存水分を十分に除去するためにリチウム電池の作製前に電極を真空下で、50℃で6時間乾燥させた。
ニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム(Ni:Co:Mn=1:1:1、LiNMC)(93質量部)と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(3質量部)と、導電助剤であるカーボンブラック(4質量部)とを混合して正極合材を調製し、これをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させて、正極材(スラリー)を調製した。次いで、この正極材を厚さ15μmのアルミニウム箔の両面にバーコーターを用いて塗布し、100℃、0.1MPa、10時間の条件で減圧乾燥させた後、ロールプレスすることにより、集電体であるアルミニウム箔上に厚さ60μmの正極活物質層を形成して、正極を得た。
上記で得られた負極及び正極を直径16mmの円盤状に打ち抜いた。また、セパレータとしてガラスファイバーからなるものを用い、これを直径17mmの円盤状に打ち抜いた。これら円盤状の正極、セパレータ及び負極を、この順にSUS製の電池容器(CR2032)内で積層し、上記で得られた電解液を、セパレータ、負極及び正極に含浸させ、さらに負極上に、SUS製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)を載せ、蓋をすることにより、リチウムイオン二次電池としてコイン型セル(理論容量4mAh)を製造した。
前記コイン型セルの正極と負極を抵抗0.1オームで接続して、初期電圧3.3Vが1.7Vに降下するまで放電した。
前記負極材の調製時に、添加剤であるビニレンカーボネート(VC)を負極材の総質量に対して5質量%で配合し、他の成分の量を表1に記載した様に変更した以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。また、実施例1と同様に放電処理を行った後、初期充電を行ってサイクル特性を評価した。
放電処理を行わずに初期充電を行った以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
放電処理を行わずに初期充電を行った以外は、実施例2と同じ方法でリチウムイオン二次電池を製造した。
上記各実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池について、25℃において0.2Cの定電流定電圧充電を、上限電圧4.2Vとして電流値が0.1Cに収束するまで行った後、0.2Cの定電流放電を2.5Vまで行った。次いで、充放電電流を1Cとして同様の方法で、充放電サイクルを2回繰り返し行い、リチウムイオン二次電池の状態を安定させた。次いで、充放電電流を1Cとして同様の方法で、充放電サイクルを繰り返し行い、容量発現率({[1サイクル目の放電容量(mAh)]/[定格容量(mAh)]}×100)(%)、及び100サイクルでの容量維持率({[100サイクル目の放電容量(mAh)]/[1サイクル目の放電容量(mAh)]}×100)(%)を算出した。同様に、200サイクル目での容量維持率を算出した。これらの結果を表2に示す。
Claims (5)
- リチウムがプレドープされた負極活物質層を有する負極と、正極と、電解質とを備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
前記負極と前記正極の間に前記電解質を配置して、外部回路へ導通可能となるように組み立てた後、初期充電の前に放電処理を施すことを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。 - 前記負極活物質層が、リチウムイオンを吸蔵可能な金属酸化物、バインダー及び導電助剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記負極と前記正極を外部回路へ接続し、負極における電気化学反応が実質的に停止するまで放電することを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記負極と前記正極を外部回路へ接続し、0〜3.0Vの範囲にセル電圧が降下するまで放電することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記プレドープの方法が、リチウムイオンを吸蔵可能な金属酸化物、バインダー及び導電助剤を含む負極活物質層を集電体上に形成した後、金属リチウム又はリチウムイオンが拡散可能な液体を介して、前記負極活物質層を金属リチウムに接触させる方法であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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