JP5692012B2 - 反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窓やディスプレイなどの表面に外光が反射することを防止することを目的として設けられる反射防止フィルムに関する。特に、液晶ディスプレイ(LCD)、CRTディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などのディスプレイの表面に設けられる反射防止フィルムに関する。特に、液晶ディスプレイ(LCD)表面に設けられる反射防止フィルムに関する。さらには、透過型液晶ディスプレイ(LCD)表面に設けられる反射防止フィルムに関する。
一般にディスプレイは、室内外での使用を問わず、外光などが入射する環境下で使用される。この外光等の入射光は、ディスプレイ表面等において正反射され、それによる反射像が表示画像と混合することにより、画面表示品質を低下させてしまう。そのため、ディスプレイ表面等に反射防止機能を付与することは必須であり、反射防止機能の高性能化、反射防止機能以外の機能の複合化が求められている。
一般に反射防止機能は、透明基材上に金属酸化物等の透明材料からなる高屈折率層と低屈折率層の繰り返し構造による多層構造の反射防止層を形成することで得られる。これらの多層構造からなる反射防止層は、化学蒸着(CVD)法や、物理蒸着(PVD)法といった乾式成膜法により形成することができる。
乾式成膜法を用いて反射防止層を形成する場合にあっては、低屈折率層、高屈折率層の膜厚を精密に制御できるという利点がある一方、成膜を真空中でおこなうため、生産性が低く、大量生産に適していないという問題を抱えている。一方、反射防止層の形成方法として、大面積化、連続生産、低コスト化が可能である塗液を用いた湿式成膜法による反射防止膜の生産が注目されている。
また、これらの反射防止層が透明基材上に設けられている反射防止フィルムにあっては、その表面が比較的柔軟であることから、表面硬度を付与するために、一般にアクリル系材料を硬化して得られるハードコート層を設け、その上に反射防止層を形成するという手法が用いられている。このハードコート層はアクリル系材料により、高い表面硬度、光沢性、透明性、耐擦傷性を有する。
湿式成膜法によって反射防止層を形成する場合、これらの電離放射線硬化型材料を硬化して得られるハードコート層の上に少なくとも低屈折率層を塗布して製造されるものであり、乾式成膜法に比べ安価に製造できるメリットがあり、市場に広く出まわっている。
特開2005−202389号公報 特開2005−199707号公報 特開平11−92750号公報 特開2007−121993号公報 特開2005−144849号公報 特開2006−159415号公報 特開2007−332181号公報
反射防止フィルムをディスプレイ表面に設けることにより、その反射防止機能によって、外光の反射を抑制することができ、明所でのコントラストを向上させることができる。
また、同時に透過率を向上させることができることから画像をより明るく表示可能にすることができる。また、バックライトの出力などを抑える省エネ効果も期待できる。
反射防止フィルムにあっては、製造コストの低い反射防止フィルムが求められている。また、反射防止フィルムにあっては、反射防止性能や干渉ムラのない光学特性に優れた反射防止フィルムが求められている。また、反射防止フィルムにあってはディスプレイ表面に設けられるため高い耐擦傷性が求められている。また、反射防止フィルムにあっては、ほこり付着防止のため帯電防止機能を備える反射防止フィルムが求められている。本発明にあっては、製造コストが低く、また、優れた光学特性及び優れた耐擦傷性及び帯電防止機能を備える反射防止フィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明としては、透明基材の少なくとも一方の面に偏在層と低屈折率層をこの順で積層した反射防止フィルムの製造方法であって、前記偏在層は、中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に前記透明基材側から形成され、前記透明基材の少なくとも一方の面に、電離放射線硬化型材料と導電性材料とレベリング材料と溶剤を含む偏在層形成塗液を塗布し、偏在層の塗膜を形成する塗布工程と、前記偏在層の塗膜を一次乾燥と、二次乾燥を施す乾燥工程と、前記偏在層の塗膜に電離放射線を照射し、偏在層を形成する硬膜工程と、低屈折率層形成材料と溶剤を含む低屈折率層形成塗液を塗布し、低屈折率層の塗膜を形成する塗布工程と、前記低屈折率層の塗膜を乾燥する乾燥工程と、前記低屈折率層を形成する硬膜工程を順に備え、かつ、前記偏在層の前記透明基材側には、前記透明基材成分と前記偏在層の電離放射線硬化型材料成分が混在した前記中間層が形成され、かつ、前記偏在層の低屈折率層側表面には前記電離放射線硬化型材料とレベリング材料を含み、導電性材料が含まれていない前記レベリング層が形成され、かつ、偏在層表面における鉛筆硬度がH以上であり、かつ、前記反射防止フィルムの低屈折率層表面における表面抵抗値が1×10 10 Ω/cm以下の範囲内であることを特徴とする反射防止フィルムの製造方法とした。
また、請求項2に係る発明としては、前記偏在層形成塗液に含まれる全溶媒のうち30wt%以上の溶媒が透明基材を溶解または膨潤させる溶媒であり、かつ、前記偏在層形成塗液中に溶媒が25wt%以上85wt%以下の範囲内の割合で含まれることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法とした。
また、請求項3に係る発明としては、前記偏在層の塗膜を乾燥する乾燥工程が、乾燥温度15℃以上30℃以下の範囲内でおこなわれる一次乾燥と、乾燥温度40℃以上150℃以下の範囲内でおこなわれる二次乾燥の二段階の連続する乾燥を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射防止フィルムの製造方法とした。
本発明の反射防止フィルム及び反射防止フィルムの製造方法にあっては、低い製造コストと優れた光学特性、高い耐擦傷性、帯電防止性能を備える反射防止フィルムを提供することができた。特に、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムとすることができた。
本発明の一実施例の反射防止フィルムの断面模式図である。 本発明の一実施例の反射防止フィルムの製造工程の概略図である。
本発明の反射防止フィルムについて説明する。図1に本発明の反射防止フィルム(1)の断面模式図を示した。
本発明の反射防止フィルム(1)にあっては、透明基材(11)の少なくとも一方の面に透明基材側から順に偏在層(12)、低屈折率層(13)を順に備える。偏在層(12)はバインダマトリックス形成材料である電離放射線硬化型材料と、導電性材料である四級アンモニウム塩材料または金属酸化物粒子または導電性高分子と、レベリング材料を含んでおり、電離放射線材料等を電離放射線で硬化させてバインダマトリックスを形成することにより反射防止フィルムに高い表面硬度を付与することができる。ここで、偏在層は、透明基材側から順に、中間層(12a)、ハードコート層(12b)、前記導電性材料を偏在させた帯電防止層(12c)、レベリング材料を偏在させたレベリング層(12d)の順に形成されている。
透明基材(11)と偏在層(12)の界面に中間層(12a)が形成されている。中間層(12a)では、透明基材成分と偏在層の電離放射硬化型材料成分が混在している。中間層(12a)にあっては、厚さ方向で透明基材(11)側から低屈折率層(13)側に向かって透明基材(11)の屈折率からハードコート層(12b)の屈折率まで漸次変化する。
透明基材(11)の屈折率からハードコート層(12b)の屈折率まで漸次変化する中間層(12a)を設けることにより、偏在層と透明基材の界面で発生する干渉縞の発生を防ぐことができる。また、中間層は透明基材(11)と偏在層(12)間の密着性を向上させることができる。なお、中間層にあっては、偏在層を形成する際に偏在層形成用塗液に透明基材を溶解または膨潤させる溶媒を含ませることにより形成することができる。
中間層(12a)は得られる反射防止フィルムについて低屈折率側から5°入射角で分光反射率を求めることによりその存在を確認することができる。得られる分光反射率から低屈折率層の層厚に対応した干渉ピーク(分光スペクトルの波形が多数のリップルが見られる)確認された場合には中間層(12a)は形成されていないものと判断され、裏面を黒塗り処理した外観検査において干渉縞ムラが観察される。一方、得られる分光反射率から低屈折率層の層厚に対応した干渉ピークが確認されない場合には中間層(12a)は形成されているものと判断され、裏面黒塗り処理による外観検査において干渉ムラが全く見られない。
なお、干渉縞、干渉ムラとは光学干渉による色ムラの一種であるが主に透明基材とハードコート層の屈折率差に起因するもので、膜厚が厚い場合に複数の光学干渉が同時に発生し虹色状に色ムラが観察される現象である。色ムラとは低屈折率層の膜厚ムラに起因する反射色ムラのことで面内の色バラツキが大きくなる現象である。
ハードコート層(12b)は、主として電離放射線硬化型材料を成分としており、反射防止フィルムの表面硬度を向上させ、耐擦傷性を付与している。ハードコート層は偏在層表面の鉛筆硬度から形成されているか否かを判断することができる。
また、帯電防止層(12c)は、導電性材料を偏在させており、反射防止フィルムに帯電防止性能を付与している。導電性材料を偏在させることにより、導電性材料を分散させるよりも使用量を低下させることができ、製造コストを低減させることができる。帯電防止層にあっては、反射防止フィルムの表面抵抗値から帯電防止層が形成されているか否かを判断することができる。
また、レベリング層(12d)は帯電防止層上にレベリング材料を偏在させている。レベリング層は偏在層と低屈折率層の密着性を向上させ、偏在層から低屈折率層が剥離することを防止し、反射防止フィルムに耐擦傷性を付与している。
本発明の反射防止フィルムにおいて偏在層(12)中でレベリング層(12d)が形成されていることは、X線光電子分光分析装置(XPS)による表面分析によって形成されているか否かを判断することができる。
また、X線光電子分光分析装置(XPS)による深さ方向分析(デプスプロファイル)によってレベリング層の下の帯電防止層(12c)の有無を判断することもできる。
XPSは、試料表面の化学状態を分析する装置である。試料にX線(エネルギー:hν)を照射すると、光電効果により元素内の内殻電子がたたき出され、この時の光電子の運動エネルギー(Ek)は、一般式(A) Ek=hν−Eb−φ で表される。ここで、Ebは内殻電子のエネルギーレベル(束縛エネルギー)、φは装置や試料の仕事関数である。またEbは、元素固有の値であり、その元素の化学状態によって変化する。一方、固体内で電子がエネルギーを保持したまま通過できる距離はせいぜい数十Åである。XPSは、試料表面から放出された光電子のEkとその数を測定することによって、試料表面から数十Åの深さまでに存在する元素の種類、量、および化学状態の分析ができる装置である。また、XPSにあっては、イオンエッチングと組み合わせることにより、深さ方向分析が可能となる。
偏在層(12)の上に設けられる低屈折率層(13)は、反射防止フィルムに反射防止機能を付与する。このとき低屈折率層(13)の膜厚(d)は、その膜厚(d)に低屈折率層の屈折率(n)をかけることによって得られる光学膜厚(nd)が可視光の波長の1/4と等しくなるように設計される。低屈折率層(13)は、低屈折率層形成材料を含む塗液と偏在層上に塗布することにより形成される。
偏在層形成材料に導電性材料を含有・偏在させ、偏在層表面に低屈折率層を形成するにあっては、導電性材料を偏在させた帯電防止層と帯電防止層上の低屈折率層の密着性が悪く、その結果、低屈折率層の剥離によって耐擦傷性が低下してしまうことがあった。本発明者らは、電離放射線硬化型材料、導電性材料を含む偏在層形成用塗液に、さらにレベリング材料を加えることにより、導電性材料を偏在させた帯電防止層上にレベリング層を形成し、偏在層と低屈折率層の密着性を向上させ、耐擦傷性が高い反射防止フィルムとすることができることを見出し本発明に至った。
偏在層の最表面に導電性材料が偏在している場合、低屈折率層形成材料と導電性材料が電気的反発をし、偏在層と低屈折率層の密着力が落ちるため、反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。また、低屈折層形成材料と導電性材料との電気的反発がより強い場合は、低屈折率層形成塗液を塗布する際にハジキなどが生じるといった不具合が発生する場合もある。また、低屈折率層形成材料に撥水材料を含む場合には、導電性材料と低屈折率層材料中の撥水材料の電気的反発により所望の防汚性能が得られなくなってしまうこともある。
また、本発明にあっては、偏在層形成用塗液を塗布することにより、中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層となる偏在層を同時に形成することができる。したがって、透明基材上にハードコート層及び帯電防止層を順次塗布・形成した場合と比較して、製造コストを抑えることができる。
偏在層(12)において、導電性材料はバインダマトリックス形成材料である電離放射線硬化型材料と比較して表面へ析出しやすく、且つ、レベリング材料は導電性材料よりも更に表面へ析出しやすい。したがって、偏在層を形成する際に乾燥温度、時間の条件を制御して偏在化させることにより、中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層と分離させることができ、それら層構成を偏在層としている。
中間層(12a)は、偏在層のバインダマトリックス成分とトリアセチルセルロース成分からなる。中間層(12a)にあっては、厚さ方向で透明基材(11)側から低屈折率層(13)側に向かって透明基材(11)の屈折率から低屈折率層のバインダマトリックスの屈折率であるハードコート層(12b)の屈折率まで漸次変化する。透明基材(11)の屈折率からハードコート層(12b)の屈折率まで漸次変化する中間層(12a)を設けることにより、偏在層と透明基材の界面で発生する干渉縞の発生を防ぐことができる。また、中間層は透明基材(11)と偏在層(12)間の密着性を向上させることができる。
ハードコート層(12b)とは、バインダマトリックス成分である電離放射線硬化型材料と導電性材料およびレベリング材料を含むことができる。主にバインダマトリックス成分である電離放射線硬化型材料から構成され、バインダマトリックス成分が多く偏在して存在するため、反射防止フィルムに表面硬度を持たせることができる
帯電防止層(12c)とは、バインダマトリックス成分である電離放射線硬化型材料と導電性材料およびレベリング材料を含むことができる。導電性材料でが偏在して多く存在するため帯電防止機能を発現し、帯電防止機能を有する反射防止フィルムとすることができる。
レベリング層(12d)とは、バインダマトリックス成分である電離放射線硬化型材料とレベリング材料を含むことができる。おもにレベリング材料から構成され、導電性材料は含まれていない。導電性材料が偏在層の最表面に存在した場合には、偏在層上に低屈折率層を形成する際に偏在層と低屈折率層の密着力が落ちるため、反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。本発明の反射防止フィルムにあっては、最表面へは導電性材料である導電性材料よりもレベリング材料の方が表面張力が低いために、導電性材料である導電性材料を含有しない層を容易に形成することができる。
本発明の反射防止フィルムにあっては低屈折率層を形成する際に、導電性材料の影響を受けない。よって、偏在層と低屈折率層の密着力の低下を防ぐことができ、反射防止フィルムに高い表面硬度を付与することができ、耐擦傷性に優れ、防汚性に優れた反射防止フィルムとすることができる。
本発明の反射防止フィルムにあっては、反射防止フィルムの平行光線透過率が93%以上であり、かつ、反射防止フィルムのヘイズが1.0%以下の範囲内であり、かつ、反射防止フィルムの低屈折率層表面における表面抵抗値が1×10Ω/cm以上1×1012Ω/cm以下の範囲内であり、かつ、反射防止フィルムの低屈折率層表面における純水接触角が80°以上130°以下の範囲内であることが好ましい。
反射防止フィルムの平行光線透過率が93%を下回る場合、または、ヘイズが1.0%を超える場合には、透明感が無くなり、白濁(白らっ茶け)してしまい、ディスプレイのコントラストを低下させてしまうことがある。なお、本発明の反射防止フィルムにあっては、平行光線透過率は高ければ高いほど好ましく、ヘイズは低ければ低いほど好ましい。ただし、反射防止フィルムの平行光線透過率は93%以上98%以下の範囲内であることが好ましい。現在考えられる使用材料を考慮すると平行光線透過率が98%を超える反射防止フィルムを作製することは困難である。また、反射防止フィルムのヘイズは0.05%以上0.5%以下の範囲内であることが好ましい。現在考えられる使用材料を考慮するとヘイズが0.05%を下回る反射防止フィルムを作製することは困難である。
また、表面抵抗値が1×10Ω/cm以上1×1012Ω/cm以下の範囲内であることが好ましい。なお、反射防止フィルム表面での表面抵抗値が1×10Ω/cmを下回る反射防止フィルム作成する場合、多量の導電性材料である四級アンモニウム塩材料または金属酸化物粒子または導電性高分子が必要となり、本発明の偏在層の形成ができなくなることがある。さらに、透明性(全光線透過率値)が低下してしまうことがある。反射防止フィルム表面の表面抵抗値が1×1010Ω/cm〜1×1012Ω/cmの状態にある場合は、一般的に動的な状態で埃が付着しない領域といわれており、ディスプレイの最表面に用いられる場合は、この条件が必要となる。そのため、本発明では1×1012Ω/cm以下が好ましいこととした。
なお、前記表面抵抗値の測定方法としては、JIS−K6911(1995)に準拠して測定することができる。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、純水接触角が80°以上130°以下の範囲内であることが好ましい。純水接触角を80°以上とすることにより、低屈折率層に優れた防汚性を付与することができる。また、130°以下の範囲内とすることにより、低屈折率層を形成する際に偏在層と低屈折率層の密着が良くなるために、高い表面硬度を付与することができ、耐擦傷性に優れ、防汚性に優れた反射防止フィルムとすることができる。
なお、純水接触角が130°超える場合にあっては、低屈折率層を形成する際にハジキが発生してしまい、低屈折率層を形成することができなくなってしまう恐れがある。また、純水接触角が80°に満たない場合にあっては、十分な防汚性を得ることができなくなってしまうことがある。
なお、純水接触角の測定方法としては、JIS R3257(1999)に準拠して測定することができる。具体的には、接触角計を用いて、乾燥状態(20℃−65%RH)で液滴を針先に作り、これを試料(固体)の表面に接触させて液滴を作り、この接触角を測定することで求めることができる。接触角とは、固体と液体とが接触する点における液体表面に対する接線と固体表面とがなす角であり、液体を含む側の角度で定義される。液体としては、蒸留水が使用される。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、レベリング層に含まれるレベリング材料が、アミド基を有する化合物、アクリル基を有する化合物、ブタジエン基を有する化合物、オレフィン基を有する化合物から選択されることが好ましい。なお、アミド基を有する化合物、アクリル基を有する化合物、ブタジエン基を有する化合物、オレフィン基を有する化合物から選択されるレベリング材料の具体例はあとで記述する。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が、四級アンモニウム塩材料、金属酸化物粒子、導電性高分子から選択されることが好ましい。なお、四級アンモニウム塩材料、金属酸化物粒子、導電性高分子から選択される導電性材料の具体例はあとで記述する。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が四級アンモニウム塩材料を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がアミド基を有する化合物を含む際に、四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が1000以上100000以下であり、かつ、アミド基を有する化合物の分子量(A)が100000以下であることが好ましい。四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)およびアミド基を有する化合物の分子量(A)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
偏在層に用いられる四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が1000を下回る場合には四級アンモニウム塩材料が偏在層表面へ偏在しやすくなりレベリング層が形成されず、偏在層の表面へ四級アンモニウム塩材料が存在してしまう。このとき、低屈折率層形成材料と四級アンモニウム塩材料が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着力が低下し、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。一方、四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が100000を超える場合には四級アンモニウム塩材料を偏在させて帯電防止層を形成することができなくなってしまう。また、アミド基を有する化合物の分子量(A)が100000を超える場合、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が金属酸化物粒子を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がアミド基を有する化合物を含む際に、金属酸化物粒子の平均粒子径が500nm以下であり、かつ、アミド基を有する化合物の分子量(A)が100000以下であることが好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径およびアミド基を有する化合物の分子量(A)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
金属酸化物粒子の平均粒子径が500nmを上回る場合には金属酸化物粒子が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ金属酸化物粒子が存在する。このとき、低屈折率層形成材料と四級アンモニウム塩材料が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着力が低下し、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。また、アミド基を有する化合物の分子量(A)が100000を超える場合には、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が導電性高分子を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がアミド基を有する化合物を含む際に、導電性高分子の平均粒子径が1000nm以下であり、かつ、アミド基を有する化合物の分子量(A)が100000以下であることが好ましい。導電性高分子の平均粒子径およびアミド基を有する化合物の分子量(A)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
導電性高分子の平均粒子径が500nmを上回る場合には導電性高分子が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ金属酸化物粒子が存在する。このとき、低屈折率層形成材料と導電性高分子が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着力が低下し、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。また、アミド基を有する化合物の分子量(A)が100000を超える場合には、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が四級アンモニウム塩材料を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がアクリル基を有する化合物を含む際に、四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が1000以上100000以下であり、かつ、前記アクリル基を有する化合物の分子量(B)が100000以下であるであることが好ましい。四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)およびアクリル基を有する化合物の分子量(B)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
偏在層に用いられる四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が1000を下回る場合には四級アンモニウム塩材料が偏在層表面へ偏在しやすくなりレベリング層が形成されず、偏在層の表面へ四級アンモニウム塩材料が存在してしまう。このとき、低屈折率層形成材料と四級アンモニウム塩材料が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着力が低下し、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。一方、四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が100000を超える場合には四級アンモニウム塩材料を偏在させて帯電防止層を形成することができなくなってしまう。また、アクリル基を有する化合物の分子量(B)が100000を超える場合、最表層において導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、前記導電層に含まれる導電性材料が金属酸化物粒子を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がアクリル基を有する化合物を含む際に、金属酸化物粒子の平均粒子径が500nm以下であり、かつ、アクリル基を有する化合物の分子量(B)が100000以下であることが好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径およびアクリル基を有する化合物の分子量(B)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
金属酸化物粒子の平均粒子径が500nmを上回る場合には金属酸化物粒子が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ金属酸化物粒子が存在する。よって、最表層でレベリング層が形成されずに、低屈折率層形成材料と金属酸化物粒子が電気的反発をし、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。さらに得られる反射防止フィルムのヘイズが上昇する。また、アクリル基を有する化合物の分子量(B)が100000を超える場合には、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が導電性高分子を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がアクリル基を有する化合物を含む際に、導電性高分子の平均粒子径が1000nm以下であり、かつ、アクリル基を有する化合物の分子量(B)が100000以下の範囲内であることが好ましい。導電性高分子の平均粒子径およびアクリル基を有する化合物の分子量(B)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
導電性高分子の平均粒子径が500nmを上回る場合には導電性高分子が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ金属酸化物粒子が存在する。このとき、低屈折率層形成材料と導電性高分子が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着力が低下し、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。また、アクリル基を有する化合物の分子量(B)が100000を超える場合には、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が四級アンモニウム塩材料を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がブタジエン基を有する化合物を含む際に、四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が、1000以上100000以下の範囲内であり、かつ、レベリング材料であるブタジエン基を有する化合物の分子量(C)が100000以下であることが好ましい。四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)およびブタジエン基を有する化合物の分子量(C)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
偏在層に用いられる四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が1000を下回る場合には四級アンモニウム塩材料が偏在層表面へ偏在しやすくなりレベリング層が形成されず、偏在層の表面へ四級アンモニウム塩材料が存在してしまう。このとき、低屈折率層形成材料と四級アンモニウム塩材料が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着力が低下し、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。一方、四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が100000を超える場合には四級アンモニウム塩材料を偏在させて帯電防止層を形成することが困難となり、得られる反射防止フィルムが十分な帯電防止性能を得ることができなくなってしまう。また、ブタジエン基を有する化合物の分子量(C)が100000を超える場合、四級アンモニウム塩材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が金属酸化物粒子を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がブタジエン基を有する化合物を含む際に、金属酸化物粒子の平均粒子径が500nm以下であり、かつ、ブタジエン基を有する化合物の分子量(C)が100000以下であることが好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径およびブタジエン基を有する化合物の分子量(C)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
金属酸化物粒子の平均粒子径が500nmを上回る場合には金属酸化物粒子が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ金属酸化物粒子が存在する。よって、最表層でレベリング層が形成されずに、低屈折率層形成材料と金属酸化物粒子が電気的反発をし、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。さらに得られる反射防止フィルムのヘイズが上昇する。また、ブタジエン基を有する化合物の分子量(C)が100000を超える場合には、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されないため、十分な帯電防止性を備える反射防止フィルムとすることができなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が導電性高分子を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がブタジエン基を有する化合物を含み、かつ、導電性高分子の平均粒子径が1000nm以下であり、かつ、ブタジエン基を有する化合物の分子量(C)が100000以下の範囲内であることが好ましい。導電性高分子の平均粒子径およびブタジエン基を有する化合物の分子量(C)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
導電性高分子の平均粒子径が500nmを上回る場合には導電性高分子が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ金属酸化物粒子が存在する。このとき、低屈折率層形成材料と導電性高分子が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着力が低下し、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。また、ブタジエン基を有する化合物の分子量(C)が100000を超える場合には、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が四級アンモニウム塩材料を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がオレフィン基を有する化合物を含む際に、四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が、1000以上100000以下であり、かつ、レベリング材料であるオレフィン基を有する化合物の分子量(D)を前記四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)で除した値(D/Q)が、0.5以下であることが好ましい。四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)およびオレフィン基を有する化合物の分子量(D)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
偏在層に用いられる四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が1000を下回る場合には四級アンモニウム塩材料が偏在層表面へ偏在しやすくなりレベリング層が形成されず、偏在層の表面へ四級アンモニウム塩材料が存在してしまう。このとき、低屈折率層形成材料と四級アンモニウム塩材料が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着力が低下し、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。一方、四級アンモニウム塩材料の分子量(Q)が100000を超える場合には四級アンモニウム塩材料を偏在させて帯電防止層を形成することが困難となり、得られる反射防止フィルムが十分な帯電防止性能を得ることができなくなってしまう。また、オレフィン基を有する化合物の分子量(D)が100000を超える場合、四級アンモニウム塩材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が金属酸化物粒子を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がオレフィン基を有する化合物を含む際に、金属酸化物粒子の平均粒子径が500nm以下であり、かつ、オレフィン基を有する化合物の分子量(D)が100000以下であることが好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径およびオレフィン基を有する化合物の分子量(D)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
金属酸化物粒子の平均粒子径が500nmを上回る場合には金属酸化物粒子が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ金属酸化物粒子が存在する。よって、最表層でレベリング層が形成されずに、低屈折率層形成材料と金属酸化物粒子が電気的反発をし、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。さらに得られる反射防止フィルムのヘイズが上昇する。また、オレフィン基を有する化合物の分子量(D)が100000を超える場合には、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、導電層に含まれる導電性材料が導電性高分子を含み、かつ、レベリング層に含まれるレベリング材料がオレフィン基を有する化合物を含む際に、導電性高分子の平均粒子径が1000nm以下であり、かつ、オレフィン基を有する化合物の分子量(D)が100000以下であることが好ましい。導電性高分子の平均粒子径およびオレフィン基を有する化合物の分子量(D)を所定の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
導電性高分子の平均粒子径が500nmを上回る場合には導電性高分子が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ金属酸化物粒子が存在する。このとき、低屈折率層形成材料と導電性高分子が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着力が低下し、得られる反射防止フィルムの耐擦傷性が低下してしまう。また、ブタジエン基を有する化合物の分子量(D)が100000を超える場合には、導電性材料とレベリング材料が混在して層を形成し、帯電防止層および/またはレベリング層が形成されなくなってしまう。
なお、本発明において「分子量」とは、分子量1000以下の場合は構造式から求められる分子量であり、分子量が1000を超える場合には重量平均分子量を指す。
なお、本発明の反射防止フィルムにおいてレベリング材料として用いられるアミド基を有する化合物の分子量(A)は100000以下であることが好ましいが、市販されているアミド基を有する化合物の分子量を考慮すると、アミド基を有する化合物の分子量(A)は40以上100000以下であることが好ましい。
なお、本発明の反射防止フィルムにおいて、レベリング材料として用いられるアクリル基を有する化合物の分子量(B)は100000以下であることが好ましいが、市販されているアクリル基を有する化合物の分子量を考慮すると、アクリル基を有する化合物の分子量(B)は1000以上100000以下であることが好ましい。
なお、本発明の反射防止フィルムにおいて、レベリング材料として用いられるブタジエン基を有する化合物の分子量(C)は100000以下であることが好ましいが、市販されているブタジエン基を有する化合物の分子量を考慮すると、ブタジエン基を有する化合物の分子量(C)は1000以上100000以下であることが好ましい。
なお、本発明の反射防止フィルムにおいて、レベリング材料として用いられるオレフィン基を有する化合物の分子量(D)は100000以下であることが好ましいが、市販されているオレフィン基を有する化合物の分子量を考慮すると、オレフィン基を有する化合物の分子量(D)は1000以上100000以下であることが好ましい。
なお、本発明において、金属酸化物粒子の平均粒子径および導電性高分子の平均粒子径は、光散乱法により求められる。
なお、本発明の反射防止フィルムにおいて、導電性材料として用いられる金属酸化物粒子の平均粒子径は500nm以下であることが好ましいが、市販されている金属酸化物粒子の平均粒子径を考慮すると、金属酸化物粒子の平均粒子径は1nm以上500nm以下であることが好ましい
なお、本発明の反射防止フィルムにおいて、導電性材料として用いられる導電性高分子の平均粒子径は500nm以下であることが好ましいが、市販されている金属酸化物粒子の平均粒子径を考慮すると、導電性高分子の平均粒子径は1nm以上500nm以下であることが好ましい
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、低屈折率層の光学膜厚が80nm以上200nm以下の範囲内であることが好ましい。低屈折率層の光学膜厚を80nm以上200nm以下の範囲内とすることにより、反射防止フィルムの表面(A)側から求められる分光反射率曲線を500nm近傍で極小値をとる分光反射率曲線とすることができ、反射防止性に優れた反射防止フィルムとすることができる。
分光反射率曲線は極小値を基準として短波長方向への上昇カーブが長波長方向への上昇カーブと比較して急峻な傾向を示す。このとき、分光反射率曲線の極小値を基準としたときの短波長方向への急峻な上昇カーブは、形成される反射防止フィルムの反射光の色味の原因となり、また、偏在層の膜厚ムラが発生したときの色ムラの発生原因となる。本発明にあっては、分光反射率曲線の極小値を500nm近傍とすることにより、反射色相が小さく、短波長方向への急峻な上昇カーブによる色ムラの発生を抑制することができる。
また、本発明の反射防止フィルムにあっては、反射防止フィルムの低屈折率層形成面(表面(A))での視感平均反射率が0.5%以上2.0%以下の範囲内であることが好ましい。
反射防止フィルムの低屈折率層形成面(表面(A))での視感平均反射率が2.5%を超える場合にあっては、十分な反射防止性能を備える反射防止フィルムとすることができない。一方、反射防止フィルム表面での視感平均反射率が0.2%の反射防止フィルムを偏在層の光学干渉により実現することは困難である。なお、さらには偏在層表面での視感平均反射率は0.2%以上2.0%以下の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の反射防止フィルムにおいて、偏在層中の導電性材料として四級アンモニウム塩材料を用いた場合には、偏在層中の導電性材料である四級アンモニウム塩材料の含有量は0.5wt%以上25wt%未満であることが好ましい。偏在層中の導電性材料である四級アンモニウム塩材料の含有量が0.5wt%未満の場合にあっては、十分な帯電防止性能を得られなくなってしまうことがある。一方、導電性材料である四級アンモニウム塩材料の含有量が25wt%を超える場合にあっては、レベリング層が上手く形成されない。また、導電性材料である四級アンモニウム塩材料はハードコート性を持たないため反射防止フィルムの硬度と耐擦傷性が低下することがある。また、コスト高となる。
また、本発明の反射防止フィルムにおいて、偏在層中の導電性材料として金属酸化物粒子を用いた場合には、偏在層中の導電性材料である金属酸化物粒子の含有量は0.5wt%以上25wt%未満であることが好ましい。偏在層中の導電性材料である金属酸化物粒子の含有量が0.5wt%未満の場合にあっては、十分な帯電防止性能を得られなくなってしまうことがある。一方、導電性材料である金属酸化物粒子の含有量が25wt%を超える場合にあっては、レベリング層が上手く形成されない。
また、本発明の反射防止フィルムにおいて、偏在層中の導電性材料として導電性高分子を用いた場合には、偏在層中の導電性材料である導電性高分子の含有量は0.1wt%以上25wt%未満であることが好ましい。偏在層中の導電性材料である導電性高分子の含有量が0.1wt%未満の場合にあっては、十分な帯電防止性能を得られなくなってしまうことがある。一方、導電性材料である導電性高分子の含有量が25wt%を超える場合にあっては、レベリング層が上手く形成されない。また、導電性材料である導電性高分子はハードコート性を持たないため反射防止フィルムの硬度と耐擦傷性が低下することがある。また、コスト高となる。
また、レベリング材料としてアミド基を有する化合物を用いる場合、偏在層中のレベリング材料であるアミド基を有する化合物の含有量は0.05wt%以上25wt%未満の範囲内であることが好ましい。偏在層中のアミド基を有する化合物の含有量が0.05wt%未満の場合にあっては、レベリング層の形成ができず、導電性材料が偏在層の最表面に存在することになるため、耐擦傷性が低下し、さらには低屈折率層の形成を阻害する場合がある。一方、アミド基を有する化合物の含有量が25wt%を超える場合にあっては、アミド層が厚くなり、帯電防止機能が低下する場合がある。
また、レベリング材料としてアクリル基を有する化合物、ブタジエン基を有する化合物、オレフィン基を有する化合物等のアミド基を有する化合物以外を用いる場合、偏在層中のレベリング材料の含有量は0.001wt%以上5.00wt%未満の範囲内であることが好ましい。偏在層中のレベリング材料の含有量が0.001wt%未満の場合にあっては、レベリング層の形成ができず、導電性材料が偏在層の最表面に存在することになるため、耐擦傷性が低下し、さらには低屈折率層の形成を阻害する場合がある。一方、レベリング材料の含有量が5.00wt%を超える場合にあっては、アミド層が厚くなり、帯電防止機能が低下する場合がある。
本発明の反射防止フィルムの製造方法について説明する。
本発明の反射防止フィルムの製造方法にあっては、透明基材の少なくとも一方の面に偏在層と低屈折率層をこの順で積層した反射防止フィルムの製造方法であって、前記透明基材の少なくとも一方の面に、電離放射線硬化型材料と導電性材料とレベリング材料と溶剤を含む偏在層形成塗液を塗布し、偏在層の塗膜を形成する塗布工程と、前記偏在層の塗膜を一次乾燥と、二次乾燥を施す乾燥工程と、前記偏在層の塗膜に電離放射線を照射し、偏在層を形成する硬膜工程と、低屈折率層形成材料と溶剤を含む低屈折率層形成塗液を塗布し、低屈折率層の塗膜を形成する塗布工程と、前記低屈折率層の塗膜を乾燥する乾燥工程と、前記低屈折率層を形成する硬膜工程を順に備え、かつ、前記偏在層が、中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層されることを特徴とする。
本発明にあっては、偏在層の塗膜に対して一次乾燥を施す乾燥工程と、一次乾燥の乾燥工程後に偏在層の塗膜に対して一次乾燥を施す乾燥工程を設けることにより、偏在層において中間層、ハードコート層、導電性材料を偏在させた帯電防止層、前記レベリング材料を偏在させたレベリング層の順に偏在させることができる。
図2に本発明の反射防止フィルムの製造装置の一例の概略図を示した。
本発明の反射防止フィルムの製造装置にあっては、透明基材上に電離放射線硬化型材料を含むバインダマトリックス形成材料と、導電性材料と、レベリング材料と、溶媒を含む偏在層形成用塗液を塗布し塗膜を形成する塗布工程(21)と、前記偏在層の塗膜を一次乾燥ユニット(22a)と、二次乾燥を施す二次乾燥ユニット(22b)の2つの乾燥ユニット(22)と、前記偏在層の塗膜に電離放射線を照射し、偏在層を硬膜形成する電離放射線照射ユニット(23)を順に備えている。巻き出し部(31)から巻き取り部(32)まで透明基材を連続搬送することにより、透明基材上に偏在層が形成される。
次に、低屈折率層形成塗液を偏在層上に塗布し、低屈折率層の塗膜を形成する塗布工程、前記低屈折率層の塗膜を乾燥する乾燥工程と、前記低屈折率層を形成する硬膜工程により低屈折率層が形成される。このとき、低屈折率層を形成する硬膜工程においては、低屈折率層形成材料として電離放射線硬化型材料を用いる場合には電離放射線を照射することによって硬膜され低屈折率層は形成される。一方、低屈折率層形成材料として熱硬化型材料を用いる場合には加熱することによって硬膜され、低屈折率層は形成される。低屈折率層を形成するにあっては、図2に示した製造装置を用いて偏在層上に低屈折率層を形成し反射防止フィルムを製造することもできる。なお、偏在層形成と、低屈折率層形成の前記工程を連続して繋げることにより、反射防止フィルムを製造することも可能である。
本発明の反射防止フィルムの製造方法にあっては、偏在層形成用塗液に含まれる全溶媒のうち30wt%以上の溶媒が前記透明基材を溶解または膨潤させる溶媒であり、且つ、前記偏在層形成用塗液中に溶媒が25wt%以上85wt%以下の割合で含まれることが好ましい。透明基材上にバインダマトリックス形成材料と導電性材料、レベリング材料を含む偏在層形成用塗液に含まれる全溶媒のうち30wt%以上の範囲内で透明基材を溶解または膨潤させる溶媒を用い、かつ、前記偏在層形成用塗液中に溶媒が25wt%以上85wt%以下の割合で含ませることにより、導電性材料、レベリング材料が偏在した帯電防止層、レベリング層を備える偏在層を形成することができる。
透明基材上に偏在層形成用塗液を塗布し塗膜を形成してから乾燥するまでの工程で塗液に含まれる透明基材を溶解あるいは膨潤させる溶媒が透明基材へと浸透し、それに伴いバインダマトリックス形成材料成分も透明基材へと浸透し基材と混合され中間層が形成される。一方、導電性材、レベリング材料は透明基材には浸透しがたいため、透明基材側とは反対の帯電防止層およびレベリング層側へと偏析し偏在層を形成するものである。
偏在層形成用塗液に含まれる全溶媒のうち透明基材を溶解または膨潤させる溶媒が30wt%以上の範囲内で透明基材を溶解または膨潤させる溶媒を用いることにより、透明基材と偏在層間に透明基材成分とバインダマトリックス成分からなる中間層を形成することができ、さらには、効率的に偏在層を形成することができる。なお、全溶媒のうち透明基材を溶解または膨潤させる溶媒が30wt%を下回る場合にあっては、偏在層を形成することができなくなってしまうことがある。偏在層の塗液中の溶媒量を前記範囲内とすることにより、塗膜中の導電性材料である導電性材料である四級アンモニウム塩材料または金属酸化物粒子または導電性高分子およびレベリング材料が偏在して偏在層を形成するまでの時間を十分とすることができ、偏在層を容易に製造することができる。
なお、偏在層形成用塗液中の溶媒量が25wt%に満たない場合にあっては、塗膜が急激に乾燥してしまい偏在層を形成することができなくなってしまう恐れがある。一方、偏在層形成用塗液中の溶媒量が85wt%を越える場合にあっては、乾燥時間を長くする必要があり大量生産に不向きとなってしまう傾向にある。
本発明の反射防止フィルムの製造方法にあっては、偏在層の塗膜を乾燥する乾燥工程が、乾燥温度15℃以上30℃以下の範囲内で行なわれる一次乾燥と、乾燥温度40℃以上150℃以下の範囲内で行われる二次乾燥の二段階の連続する乾燥を含むことが好ましい。乾燥工程が塗布直後に乾燥温度20℃以上30℃以下の範囲内で一次乾燥をおこなうことが好ましい。一次乾燥温度を20℃以上30℃以下の範囲内とすることにより、偏在層の塗膜中の導電性材料である四級アンモニウム塩材料または金属酸化物粒子または導電性高分子およびレベリング材料が偏在して偏在層を形成するまでの時間を十分とすることができる。
なお、乾燥温度が30℃を超える場合にあっては、偏在層の塗膜が急激に乾燥してしまい偏在層を形成することができなくなってしまう恐れがある。一方、乾燥温度が20℃を下回る場合にあっては、乾燥時間を長くする必要があり連続生産に不向きとなってしまう。
また、乾燥温度50℃以上150℃以下の範囲内で二次乾燥をおこなうことが好ましい。二次乾燥温度を50℃以上150℃以下の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。なお、乾燥温度が150℃を超える場合にあっては、溶剤の蒸発速度が早すぎるために偏在層の表面が荒れてしまい、ヘイズが発生する恐れがある。一方、乾燥温度が50℃を下回る場合にあっては、溶剤が偏在層に残留してしまい、ハードコート性を持たない偏在層となってしまう。
また、前記一次乾燥のみでは乾燥が不十分の場合があり、一次乾燥後、二次乾燥として乾燥温度50℃以上150℃以下の範囲内の加熱乾燥で適度な加熱乾燥をおこなうことも兼ねている。乾燥工程において、一次乾燥及び二次乾燥を前記乾燥温度にておこなうことにより、偏在層(12)を容易に製造することができる。
また、偏在層の各層の分離を行うために一次乾燥を行っており、二次乾燥としてでは50℃以上150℃以下の範囲内の加熱乾燥で適度な加熱乾燥を行うことにより溶剤を除去している。
なお、本発明の反射防止フィルムの製造方法にあっては、偏在層の塗膜を乾燥する乾燥工程を、偏在層の塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間が2秒以上60秒以下の範囲内とすることが好ましい。
前記偏在層の塗膜を透明基材上に形成してから、透明基材上の偏在層形成用塗液からなる塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間が2秒以上60秒以下の範囲内とすることにより、塗膜中の導電性材料およびレベリング材料が偏在して偏在層を形成するまでの時間を十分とすることができ、帯電防止層およびレベリング層を備える偏在層を容易に形成することができる。
また、偏在層の塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間が2秒に満たない場合にあっては、偏在層の塗膜の急激な乾燥により帯電防止層およびレベリング層を形成することができなくなってしまうことがある。なお、偏在層の塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間が60秒を超える場合にあっては、時間がかかりすぎてしまい現実的でない。枚葉方式で偏在層を形成する場合においても、タクトタイムが長くなり生産性が低下するため好ましくない。
さらに詳細に、本発明の反射防止フィルム及び反射防止フィルムの製造方法について説明する。
本発明の反射防止フィルムに用いられる透明基材としては、種々の有機高分子からなるフィルムまたはシートを用いることができる。例えば、ディスプレイ等の光学部材に通常使用される基材が挙げられ、透明性や光の屈折率等の光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性を考慮して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるものが用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。中でも、トリアセチルセルロースにあっては、複屈折率が小さく、透明性が良好であることから液晶ディスプレイに対し好適に用いることができる。
なお、透明基材の厚みは25μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましく、さらには、40μm以上80μm以下の範囲内にあることが好ましい。
さらに、これらの有機高分子に公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加することにより機能を付加させたものも使用できる。また、透明基材は前記の有機高分子から選ばれる1種または2種以上の混合物、または重合体からなるものでもよく、複数の層を積層させたものであってもよい。
次に、偏在層について説明する
偏在層を形成するにあっては、バインダマトリックス形成材料として電離放射線硬化型材料を含む。電離放射線硬化型材料としては、アクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような単官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
アクリル系材料として多官能ウレタンアクリレートを用いることもできる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。具体的には、共栄社化学社製、UA−306H、UA−306T、UA−306l等、日本合成化学社製、UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学社製、U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー社製、Ebecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業社製、UN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を挙げることができるがこの限りではない。
また、これらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
また、偏在層の膜厚としては光学特性、耐擦傷性、硬度などより、3μm以上20m以下の範囲内にすることが好ましい。また、カールの抑制のなどの加工取り扱い上から4μm以上7μm以下の範囲内にすることがさらに好ましい。
偏在層形成用塗液にあっては、溶媒が加えられ、全溶媒のうち30wt%以上の範囲内で透明基材を溶解または膨潤させる溶媒が用いられる。
また、透明基材上にバインダマトリックス形成材料と四級アンモニウム塩材料、レベリング材料を含む偏在層形成用塗液に含まれる全溶媒のうち30wt%以上の範囲内で透明基材を溶解または膨潤させる溶媒を用いることにより、導電性材料およびレベリング材料が偏在した偏在層を形成することができる。
偏在層形成用塗液に含まれる全溶媒のうち透明基材を溶解または膨潤させる溶媒が30wt%以上の範囲内で透明基材を溶解または膨潤させる溶媒を用いることにより、透明基材と偏在層間に透明基材成分とバインダマトリックス成分からなる中間層を形成することができ、さらには、効率的に偏在層を形成することができる。
なお、全溶媒のうち透明基材を溶解または膨潤させる溶媒が30wt%を下回る場合にあっては、偏在層を形成することができなくなってしまう。
透明基材としてトリアセチルセルロースフィルムを用いた際の透明基材を溶解または膨潤させる溶媒としては、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等の一部のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、その他としてN−メチル−2−ピロリドン、炭酸ジメチルが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させない溶媒としては、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、ジアセトンアルコールなどの一部のケトン類などが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、偏在層形成用塗液中に溶媒が25wt%以上85wt%以下の割合で含まれることが好ましい。偏在層の塗液中の溶媒量を前記範囲内とすることにより、塗膜中の導電性材料である四級アンモニウム塩材料または金属酸化物粒子または導電性高分子およびレベリング材料が偏在して偏在層を形成するまでの時間を十分とすることができ、偏在層を容易に製造することができる。
なお、偏在層形成用塗液中の溶媒量が25wt%に満たない場合にあっては、塗膜が急激に乾燥してしまい偏在層を形成することができなくなってしまう恐れがある。一方、偏在層形成用塗液中の溶媒量が85wt%を越える場合にあっては、乾燥時間を長くする必要があり大量生産に不向きとなってしまう。
また、偏在層の塗膜を乾燥する工程を溶媒濃度0.2vol%以上10vol%以下の溶媒雰囲気下でおこなうことが好ましい。偏在層の塗膜を乾燥する工程を0.2vol%以上10vol%以下の溶媒雰囲気下でおこなうことにより、塗膜中の導電性材料である四級アンモニウム塩材料または金属酸化物粒子または導電性高分子が偏在して偏在層を形成するまでの時間を十分とすることができ、偏在層を容易に製造することができる。
なお、このとき乾燥雰囲気に用いられる溶媒としては、偏在層形成用塗液に含まれる溶媒のうち少なくとも1種類が用いられることが好ましい。溶媒雰囲気下が0.2vol%に満たない場合にあっては、塗膜が急激に乾燥してしまい偏在層を形成することができなくなってしまう場合がある。一方、溶媒雰囲気下が10vol%を超える場合にあっては、乾燥時間を長くする必要があり大量生産に不向きとなってしまう。
偏在層に含まれる導電性材料である四級アンモニウム塩材料としては、四級アンモニウム塩材料を官能基として分子内に含むアクリル系材料を好適に用いることができる。四級アンモニウム塩材料は−Nの構造を示し、四級アンモニウムカチオン(−N)とアニオン(X)を備えることによりハードコート層に導電性を発現させる。このとき、Xとしては、Cl、Br、I、F、HSO 、SO 2−、NO 、PO 3−、HPO 2−、HPO 、SO 、OH等を挙げることができる。
また、四級アンモニウム塩材料として四級アンモニウム塩材料を官能基として分子内に含むアクリル系材料を用いることもできる。四級アンモニウム塩材料を官能基として分子内に含むアクリル系材料としては、四級アンモニウム塩材料(−N)を官能基として分子内に含む多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
本発明の偏在層中に含まれる四級アンモニウム塩材料の分子量が1000以上100000以下の範囲内であることが好ましい。四級アンモニウム塩材料の重量平均分子量が1000以上100000以下の範囲内とすることにより透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
また、四級アンモニウム塩材料の分子量が1000を下回る場合には四級アンモニウム塩材料が偏在層表面へ偏在しやすくなり、偏在層の表面へ四級アンモニウム塩材料が存在する。よって、低屈折率層形成材料と四級アンモニウム塩材料が電気的反発をしてしまい、偏在層と低屈折率層の密着性が低下して耐擦傷性が低下する場合がある。一方、四級アンモニウム塩材料の重量平均分子量が100000を超える場合にハードコート層と帯電防止層が混合してしまい、表面抵抗値が悪くなる。四級アンモニウム塩材料としては、具体的には、NR−121X−9IPA(コルコート社製)等を用いることができる。
導電性材料として用いられる金属酸化物粒子としては、酸化ジルコニウム、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、リン含有酸化スズ(PTO)、スズ含有酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモン含有酸化亜鉛及びインジウム含有酸化亜鉛から選択される1種又は2種以上の金属酸化物を主成とする導電性を有する金属酸化物粒子を用いることができる。
導電性材料として用いられる導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフィニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポリ(2,5−チエニレン)及びこれらの誘導体から選ばれる1種または2種以上の混合物を用いることができる。
偏在層形成用塗液にはレベリング材料としてアミド基を有する化合物が加えられ、偏在層にレベリング層が形成される。アミド基を有する化合物としては、1分子内に1以上のアミド基を有する化合物を用いることができる。具体的には、アセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N−モノブチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアクリル系化合物、N−ビニルホルムアミド、N,N−ジアリルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、ポリアミドなどが挙げられる。中でも、レベリング材料としてアミド基を有する化合物にあっては、アミド基のほかに1以上の重合性基を持つ化合物を用いることが好ましい。
レベリング材料として用いられるアクリル基を有する化合物とは、アクリル基を分子内に含むアクリル系レベリング剤である。アクリル基を有する化合物は(化1)に示す構造を有しており、活性度が低くリコート性がよい。このとき、Rとしては、H、CH、C2n−1(n=自然数)などを挙げることができる。また、Rとしてはアルキル基、ポリエステル基、ポリエーテル基、塩や反応性基等を導入することができる。
Figure 0005692012
レベリング材料として用いられるアクリル基を有する化合物として、具体的にはBYK0−350、BYK−352,BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358N、BYK−361N、BYK−380、BYK−392、BYK−394等が挙げられる。
レベリング材料として用いられるブタジエン基を有する化合物としては、ブタジエン基を分子内に含むブタジエン系レベリング剤を好適に用いることができる。ブタジエン基を有する化合物は活性度が低くリコート性がよい。このとき、オレフィン基、ポリエステル基、ポリエーテル基、塩や反応性基等を分子内に導入することができる。
レベリング材料として用いられるブタジエン基を有する化合物として、具体的にはフローレンAC−1190、フローレンAC−1190HF、フローレンAC−2000、フローレンAC−2000HF等が挙げられる。
レベリング材料として用いられるオレフィン基を有する化合物としては、オレフィン基を分子内に含むオレフィン系レベリング剤を好適に用いることができる。オレフィン基を有する化合物は活性度が低くリコート性がよい。このとき、、ポリエステル基、ポリエーテル基、塩や反応性基等を分子内に導入することができる。
レベリング材料として用いられるオレフィン基を有する化合物として、具体的にはフローレンAC−2200HF等が挙げられる。
また、偏在層形成用塗液を紫外線により硬化させる場合にあっては、偏在層形成用塗液に光重合開始剤を添加する。
光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを発生するものであれば良く、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類を用いることができる。また、光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化型材料に対して0.1wt%以上10wt%以下の範囲内であることが好ましく、さらには1wt%以上8.5wt%以下であることが好ましい。
また、偏在層形成用塗液には添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
以上の材料を調整して得られる偏在層形成用塗液を湿式成膜法により透明基材上に塗布し、塗膜を形成し、偏在層を形成することができる。以下に偏在層の形成方法を示す。
偏在層形成用塗液は透明基材上に塗布され、塗膜を形成する。偏在層形成用塗液を透明基材上に塗布するための塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。なお、本発明の偏在層(12)は薄い塗膜であり、均一な膜厚であることが必要であることから、マイクログラビアコーター法、ダイコーター法を用いることが好ましい。
次に、透明基材上に形成された偏在層の塗膜は乾燥することにより、塗膜中の溶媒は除去される。このとき乾燥手段としては、加熱、送風、熱風等を用いることができる。
なお、乾燥工程が塗布直後に乾燥温度20℃以上30℃以下の範囲内で一次乾燥をおこなうことが好ましい。一次乾燥温度を20℃以上30℃以下の範囲内とすることにより、偏在層の塗膜中の導電性材料およびレベリング材料が偏在して偏在層を形成するまでの時間を十分とすることができる。
なお、乾燥温度が30℃を超える場合にあっては、偏在層の塗膜が急激に乾燥してしまい偏在層を形成することができなくなってしまう恐れがある。一方、乾燥温度が20℃を下回る場合にあっては、乾燥時間を長くする必要があり連続生産に不向きとなってしまう。
また、乾燥温度50℃以上150℃以下の範囲内で二次乾燥をおこなうことが好ましい。二次乾燥温度を50℃以上150℃以下の範囲内とすることにより、透明基材側から中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に偏在して積層される偏在層を形成することができる。
なお、乾燥温度が150℃を超える場合にあっては、溶剤の蒸発速度が早すぎるために偏在層の表面が荒れてしまい、ヘイズが発生する恐れがある。一方、乾燥温度が50℃を下回る場合にあっては、溶剤が偏在層に残留してしまい、ハードコート性を持たない偏在層となってしまう。
また、前記一次乾燥のみでは乾燥が不十分の場合があり、一次乾燥後、二次乾燥として乾燥温度50℃以上150℃以下の範囲内の加熱乾燥で適度な加熱乾燥をおこなうことも兼ねている。
乾燥工程において、一次乾燥及び二次乾燥を前記乾燥温度にておこなうことにより、偏在層(12)を容易に製造することができる。
また、偏在層の各層の分離を行うために一次乾燥を行っており、二次乾燥としてでは50℃以上150℃以下の範囲内の加熱乾燥で適度な加熱乾燥を行うことにより溶剤を除去している。
また、透明基材上に形成された偏在層形成用塗液からなる塗膜を透明基材上に形成してから前記透明基材上の偏在層の塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間が2秒以上60秒以下の範囲内であることが好ましく、前記偏在層の塗膜を透明基材上に形成してから、透明基材上の偏在層形成用塗液からなる塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間が2秒以上60秒以下の範囲内とすることにより、塗膜中の導電性材料およびレベリング材料が偏在して偏在層を形成するまでの時間を十分とすることができ、偏在層(12)を容易に形成することができる。
また、偏在層の塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間が2秒に満たない場合にあっては、偏在層の塗膜の急激な乾燥により帯電防止層およびレベリング層を形成することができなくなってしまうことがある。
なお、偏在層の塗膜中に含まれる溶媒が10wt%以下となるまでの時間が60秒を超える場合にあっては、時間がかかりすぎてしまい現実的でない。枚葉方式で偏在層を形成する場合においても、タクトタイムが長くなり生産性が低下するため好ましくない。
次に、偏在層形成用塗液を透明基材上に塗布することにより得られる塗膜に対し、電離放射線を照射することにより、偏在層(12)が形成される。
電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。電子線は、50〜1000KeVのエネルギーを有するのが好ましい。100〜300KeVのエネルギーを有する電子線がより好ましい。
次に、低屈折率層の形成方法について述べる。
低屈折率層は、低屈折率層形成材料を含む低屈折率層形成塗液を偏在層表面に塗布し、湿式成膜法により形成される。このとき低屈折率層膜厚(d)は、その膜厚(d)に低屈折率層の屈折率(n)をかけることによって得られる光学膜厚(nd)が可視光の波長の1/4と等しくなるように設計される。
低屈折率層形成材料としては、低屈折率粒子およびバインダマトリックス形成材料を用いることができる。なお、バインダマトリックス形成材料が低い屈折率を有する場合には低屈折率形成材料中に低屈折率粒子を含まなくてもよい。低屈折率層(13)におけるバインダマトリックス形成材料としては電離放射線硬化型材料、熱硬化型材料を用いることができる。
低屈折率層形成材料用塗液に含ませることのできる低屈折粒子としては、LiF、MgF、3NaF・AlFまたはAlF(いずれも、屈折率1.40)、または、NaAlF(氷晶石、屈折率1.33)等の低屈折材料からなる低屈折率粒子を用いることができる。また、粒子内部に空隙を有する粒子を好適に用いることができる。粒子内部に空隙を有する粒子にあっては、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができるため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子とすることができる。具体的には、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子を用いることができる。
粒子内部に空隙を有する粒子にあっては、空隙の部分を空気の屈折率(≒1)とすることができるため、非常に低い屈折率を備える低屈折率粒子とすることができる。内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子としては、多孔質シリカ粒子やシェル(殻)構造のシリカ粒子を用いることができる。
また、低屈折率粒子としては、粒径が1nm以上100nm以下であることが好ましい。粒径が100nmを超える場合、レイリー散乱によって光が著しく反射され、低屈折率層が白化して反射防止フィルムの透明性が低下する傾向にある。一方、粒径が1nm未満の場合、粒子の凝集による低屈折率層における粒子の不均一性等の問題が生じる。
なお、内部に空隙を有する低屈折率シリカ粒子の一例としては、球状の形状を保持したまま、硝子の屈折率1.45に比べて低い屈折率1.35であり、半径20nm以上25nm以下、密度(ρ1)の球状の構造が中心部分にあり、周囲を厚み10nm以上15nm以下の異なる密度(ρ2)の層が覆っており、(ρ1/ρ2)の値が0.5、0.1、0.0を示し、低屈折率シリカ粒子の中心部分は外部のシリカの1/10程度の密度となるような構造を有するものを用いることができる。
また、バインダマトリックス形成材料として用いられる電離放射線硬化型材料としては、アクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような単官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計でき、形成されるハードコート層の物性のバランスを容易にとることが可能であるといった理由から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。
また、電離放射線硬化型材料の他に熱可塑性樹脂等を加えることもできる。熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を使用できる熱可塑性樹脂を加えることにより製造されるフィルムのカールを抑制することができる。
また、低屈折率層形成材料には、反射防止フィルム表面に指紋等の汚れが付着しにくくすること、付着した汚れをふき取りやすくすることを目的として撥水材料をさせることができる。撥水材料としてシリコーン系材料、有機珪素化合物、UV硬化型撥水剤を用いることができる。シリコーン系材料としては、アルキルアラルキル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキルポリエーテル変性シリコーンオイルを用いることもできる。さらには、フッ素を含有せず、(メタ)アクリル基を持たない有機ケイ素化合物を用いることもできる。具体的には、アルキルアルコキシシラン化合物、シランシロキサン化合物、ポリエステル基を含有するシラン化合物、ポリエーテル基を有するシラン化合物、シロキサン化合物を用いることもできる。また、UV硬化型撥水剤として、BYK−350やBYK−3500(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、F470(DIC株式会社製)などを用いることができる。
また、バインダマトリックス形成材料として、熱硬化型材料であるケイ素アルコキシドの加水分解物を用いることができる。具体的には、一般式(A) RSi(OR)4−x (但し、式中Rはアルキル基を示し、xは0≦x≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物を用いることができる。
一般式(A)で表されるケイ素アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等を用いることができる。ケイ素アルコキシドの加水分解物は、一般式(B)で示される金属アルコキシドを原料として得られるものであればよく、例えば塩酸にて加水分解することで得られるものである。
バインダマトリックス形成材料として、熱硬化型材料であるケイ素アルコキシドの加水分解物を用いる場合には、撥水材料としてフッ素化合物である一般式(B) R´Si(OR)4−z(但し、式中R´はアルキル基、フルオロアルキル基又はフルオロアルキレンオキサイド基を有する非反応性官能基を示し、zは1≦z≦3を満たす整数である)で示されるケイ素アルコキシドの加水分解物をさらに含有させることができる。一般式(B)で表されるケイ素アルコキシドの加水分解物を用いることにより、反射防止フィルムの低屈折率層表面に防汚性を付与することができる。さらに、低屈折率層の屈折率をさらに低下することができる。一般式(C)で示されるケイ素アルコキシドとしては、例えば、オクタデシルトリメトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
低屈折率層形成用塗液に含まれる溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。
また、バインダマトリックス形成材料として用いられる電離放射線硬化型材料を用い、紫外線により硬化させる場合にあっては、低屈折率層形成用塗液に光重合開始剤を添加する。
光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを発生するものであれば良く、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類を用いることができる。また、光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化型材料に対して0.1wt%以上10wt%以下の範囲内であることが好ましく、さらには1wt%以上8.5wt%以下であることが好ましい。
また、低屈折率層形成用塗液には添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
以上の材料を調整して得られる低屈折率層形成用塗液を湿式成膜法により偏在層(12)上に塗布し、低屈折率層の塗膜を形成し、低屈折率層(13)を形成することができる。以下に低屈折率層の形成方法を示す。
低屈折率層形成用塗液は、偏在層(12)上に塗布され、低屈折率層の塗膜を形成する。低屈折率層形成用塗液を、偏在層上に塗布するための塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーターを用いた塗布方法を用いることができる。なお、本発明の低屈折率層(13)は薄い塗膜であり、均一な膜厚であることが必要であることから、マイクログラビアコーター法を用いることが好ましい。
次に、偏在層(12)上に形成された低屈折率層の塗膜は乾燥することにより、塗膜中の溶媒は除去される。このとき乾燥手段としては、加熱、送風、熱風等を用いることができる。なお、乾燥温度としては、50℃以上150℃以下の範囲内の適度な加熱乾燥をおこなうことが好ましい。
次に、バインダマトリックス形成材料として電離放射線硬化型材料を用いた場合には、低屈折率層形成用塗液を、偏在層上に塗布することにより得られる低屈折率層の塗膜に対し、電離放射線を照射することにより、低屈折率層(13)が形成される。
電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。電子線は、50〜1000KeVのエネルギーを有するのが好ましい。100〜300KeVのエネルギーを有する電子線がより好ましい。
本発明の反射防止フィルムはロール・ツー・ロール方式により連続形成される。図2に示したように、巻き取られているウェブ状の透明基材を巻き出し部(31)から巻き取り部(32)まで連続走行させ、このとき、透明基材を塗布ユニット(21)、乾燥ユニット(22)、電離放射線照射ユニット(23)を通過させることにより、透明基材上に偏在層が連続形成される。その後、低屈折率層を同様にしてユニットを通過させることにより、偏在層上に低屈折率層が形成され、反射防止フィルムを製造することができる。
まずは、本実施例で得られる反射防止フィルムについての評価方法について示す。
「視感平均反射率の測定」
得られる反射防止フィルムの低屈折率層形成面と反対側の面を黒色艶消しスプレーにより黒色に塗布した。塗布後、自動分光光度計(日立製作所社製、U−4000)を用い測定した低屈折率層形成面についてC光源、2度視野の条件下での入射角5°における分光反射率を測定した。得られる分光反射率から平均視感反射率(Y%)を算出した。また、比視感度は明所視標準比視感度を用いた。
「ヘイズ(H)、平行光線透過率の測定」
得られる反射防止フィルムについて、写像性測定器(日本電色工業社製、NDH−2000)を使用してヘイズ(H)、平行光線透過率を測定した。
「表面抵抗値の測定」
得られる反射防止フィルムの低屈折率層表面についてJIS−K6911(1995)に準拠して高抵抗抵抗率計(ダイアインスツルメンツ社製、ハイレスターMCP−HT260)にて測定をおこなった。
「接触角の測定」
得られる反射防止フィルムの偏在層表面及び低屈折率層表面について、接触角計(協和界面科学社製 CA−X型)を用いて、乾燥状態(20℃−65%RH)で直径1.8mmの液滴を針先に作り、これらを試料(固体)の表面に接触させて液滴を作った。接触角とは、固体と液体とが接触する点における液体表面に対する接線と固体表面とがなす角であり、液体を含む側の角度で定義した。液体としては、蒸留水を使用した。また、前記純水接触角の測定方法としては、JIS−R3257に準拠して測定した。
「鉛筆硬度の測定」
JIS K5600−5−4(1999)に準拠し、500g荷重で各反射防止フィルムの偏在層表面の鉛筆硬度を測定した。
「色ムラ、干渉縞の評価」
得られる反射防止フィルムについて、低屈折率層表面に蛍光灯を映りこませて、反射光を確認することにより色ムラの確認、干渉ムラの確認をおこなった。
目視にて確認した評価は、以下の規準でおこなった。
丸印 :色ムラ及び干渉縞が良好である。
バツ印:色ムラ及び干渉縞が良好でなかった。
「耐擦傷性(スチールウール(SW)の評価」
得られる反射防止フィルムの低屈折率層表面について、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、AB−301)を用いて、光学積層体の低屈折率層表面に500g/cmの荷重をかけたスチールウール(日本スチールウール社製、ボンスター#0000)を用い、10往復擦り、擦り跡やキズなどによる外観の変化を目視で評価した。
目視にて確認した評価は、以下の規準でおこなった。
丸印 :傷を確認することが出来ない。
バツ印:傷が確認できる。
「鉛筆硬度の測定」
得られる反射防止フィルムの偏在層表面について、JIS K5600−5−4(1999)に準拠した鉛筆硬度試験をおこない、鉛筆硬度を求めた。
以下の判断基準により偏在層における中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の判定をおこなった。
「偏在層における中間層の確認」
「視感平均反射率の測定」の項で求めた分光反射率から、中間層の有無の確認をおこなった。具体的には、得られる分光反射率曲線において偏在層の膜厚に対応した干渉ピークが確認されない場合を中間層有りと判断し、偏在層の膜厚に対応した干渉ピークが確認される場合を中間層なしと判断した。
丸印 :中間層有り(干渉ピーク無し)
バツ印:中間層無し(干渉ピーク有り)
「偏在層におけるハードコート層の確認」
「鉛筆硬度の測定」の項で求めた偏在層表面の鉛筆硬度から、偏在層表面の鉛筆硬度がH以上の場合をハードコート層有り、H未満の場合をハードコート層なしと判断した。
丸印 :ハードコート層有り(鉛筆硬度H以上)
バツ印:ハードコート層無し(鉛筆硬度H未満)
「偏在層における帯電防止層の確認」
「表面抵抗値の測定」の項で求めた表面抵抗値から、帯電防止層の有無の確認をおこなった。表面抵抗値が表面抵抗値1×1010Ω/cm以下の場合を帯電防止層有りと判断し、偏表面抵抗値が表面抵抗値1×1010Ω/cmより大きい場合を帯電防止層なしと判断した。
丸印 :帯電防止層有り(表面抵抗値1×1010Ω/cm以下)
バツ印:帯電防止層無し(表面抵抗値1×1010Ω/cmより大きい)
なお、偏在層形成用塗液に導電性材料を加えなかった反射防止フィルムについては、「偏在層における帯電防止層の確認」をおこなっていない。
「偏在層におけるレベリング層の確認」
レベリング層の存在は、偏在層表面の接触角及びX線光電子分光分析装置により確認した。偏在層表面の接触角の測定方法は「接触角の測定」で示したとおりである。X線光電子分光分析装置(JPS−90MXV micro(日本電子製))を用い、偏在層表面の表面分析をおこなうことにより判断した。接触角が60°以上であり、かつ、XPS測定において導電性材料特有の元素が不検出のものをレベリング層有りと判断し、接触角が60°未満および/またはXPSによる表面分析において塩素が検出されるものをレベリング層無しと判断した。また、原子量比で0.1atomic%以下のものは不検出とした。なお、測定の際のX線強度は100W(10kV、10mA)とした。
丸印 :レベリング層有り(接触角65°以上、かつ、導電性材料特有元素不検出)
バツ印:レベリング層無し(上記以外)
なお、偏在層形成用塗液にレベリング材料を加えなかった反射防止フィルムについては、「偏在層におけるレベリング層の確認」をおこなっていない。
なお、導電性材料特有の元素は以下のとおりである。
・四級アンモニウム塩材料 : Cl
・金属酸化物粒子(アンチモン含有酸化スズ) : Sn
・金属酸化物粒子(リン含有酸化スズ) : Sn
・導電性高分子(ポリチオフェン) : S
・導電性高分子(ポリアニリン) : N
次に、本実施例で作製した反射防止フィルムの作製方法について示す。
(B)レベリング材料:アミド基を有する化合物×導電性材料:金属酸化物粒子
以下に、レベリング材料としてアミド基を有する化合物、導電性材料として金属酸化物粒子を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液B1〜B11の(調整例)を示す。
<調整例B1>
(偏在層形成塗液B1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・N−ビニルホルムアミド 10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液B1とした。
<調整例B2>
(偏在層形成塗液B2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・リン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・N−ビニルホルムアミド 10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液B2とした。
<調整例B3>
(偏在層形成塗液B3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・N,N−ジアリルホルミアミド 10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液B3とした。
<調整例B4>
(偏在層形成塗液B4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)0.01重量部
・N−ビニルホルムアミド 10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液B4とした。
<調整例B5>
(偏在層形成塗液B5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)100重量部
・N−ビニルホルムアミド 10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液B5とした。
<調整例B6>
(偏在層形成塗液B6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径1000nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・N−ビニルホルムアミド 10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液B6とした。
<調整例B7>
(偏在層形成塗液B7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・N−ビニルホルムアミド 10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液B7とした。
<調整例B8>
(偏在層形成塗液B8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・N−ビニルホルムアミド 10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し偏在層形成塗液B8とした。
<調整例B9>
(偏在層形成塗液B9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・N−ビニルホルムアミド 10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように偏在層形成塗液B9とした。
<調整例B10>
(偏在層形成塗液B10)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液B10とした。
<調整例B11>
(偏在層形成塗液B11)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液B11とした。
以下に低屈折率層形成塗液Bの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液B)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Bとした。
[実施例B1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液B1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Bを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例B1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例B2]〜[実施例B9]
[実施例B2]〜[実施例B9]においては、偏在層形成用塗液B1の代わりに偏在層形成塗液B2〜B9を用いて、その他の製造条件は[実施例B1]と同様にして、[実施例B2]〜[実施例B9]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例B10]〜[実施例B12]
[実施例B10]においては、偏在層形成塗液B1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例B1]と同様にして、[実施例B10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例B11]においては、偏在層形成塗液B1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例B1]と同様にして、[実施例B11]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例B12]においては、偏在層形成塗液B1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例B1]と同様にして、[実施例B12]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例B13]、[実施例B14]
[実施例B13]、[実施例B14]においては、偏在層形成塗液B1の代わりに偏在層形成塗液B10、B11を用いて、その他の製造条件は[実施例B1]と同様にして、[実施例B13]、[実施例B14]の反射防止フィルムを作製した。
(表3)に、[実施例B1]〜[実施例B14]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例B1]〜[実施例B14]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表4)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
(D)レベリング材料:アクリル基を有する化合物×導電性材料:四級アンモニウム塩材料
以下に、レベリング材料としてアクリル基を有する化合物、導電性材料として四級アンモニウム塩材料を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液D1〜D12の(調整例)を示す。
(合成例1)
攪拌翼、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた四口フラスコに、
・オクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート
(商品名:「ブレンマー50POEP−800B」日本油脂社製) 18.0g
・メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド 35.0g
・シクロヘキシルメタクリレート 14.0g
・アゾビスイソブチロニトリル 0.3g
・イソプロピルアルコール 100.0g
・メチルエチルケトン 40.0g
を仕込み、窒素雰囲気下、65℃で3時間重合した。重合終了後、反応液をヘキサン中に投入し、生成物を析出させた後乾燥した。得られた四級アンモニウム塩材料の重量平均分子量は18500であった。
<調整例D1>
(偏在層形成塗液D1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D1とした。
<調整例D2>
(偏在層形成塗液D2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・NR−121X−9IPA(コルコート社製/イソプロピロアルコール分散液)
(固形分)20重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D2とした。
<調整例D3>
(偏在層形成塗液D3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・BYK−394(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D3とした。
<調整例D4>
(偏在層形成塗液D4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・四級アンモニウム塩を含有するライトエステルDQ100
(共栄社化学社製、重量平均分子量208) 10重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D4とした。
<調整例D5>
(偏在層形成塗液D5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・p−スチレンスルホン酸アンモニウム塩ホモポリマー(分子量12万)
10重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D5とした。
<調整例D6>
(偏在層形成塗液D6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
0.01重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D6とした。
<調整例D7>
(偏在層形成塗液D7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
100重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D7とした。
<調整例D8>
(偏在層形成塗液D8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D1とした。
<調整例D9>
(偏在層形成塗液D9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D9とした。
<調整例D10>
(偏在層形成塗液D10)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D10とした。
<調整例D11>
(偏在層形成塗液D11)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液10とした。
<調整例D12>
(偏在層形成塗液D12)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液D12とした。
以下に低屈折率層形成塗液Dの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液D)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Dとした。
[実施例D1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液D1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Dを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例D1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例D2]〜[実施例D10]
[実施例D2]〜[実施例D10]においては、偏在層形成用塗液D1の代わりに偏在層形成塗液D2〜D10を用いて、その他の製造条件は[実施例D1]と同様にして、[実施例D2]〜[実施例D10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例D11]〜[実施例D13]
[実施例D11]においては、偏在層形成塗液D1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例D1]と同様にして、[実施例D11]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例D12]においては、偏在層形成塗液D1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例A1]と同様にして、[実施例D12]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例D13]においては、偏在層形成塗液D1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例D1]と同様にして、[実施例D13]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例D14]、[実施例D15]
[実施例D14]、[実施例D15]においては、偏在層形成塗液D1の代わりに偏在層形成塗液D11、D12を用いて、その他の製造条件は[実施例D1]と同様にして、[実施例D14]、[実施例D15]の反射防止フィルムを作製した。
(表7)に、[実施例D1]〜[実施例D15]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例D1]〜[実施例D15]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表8)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
(E)レベリング材料:アクリル基を有する化合物×導電性材料:金属酸化物粒子
以下に、レベリング材料としてアクリル基を有する化合物、導電性材料として金属酸化物粒子を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液E1〜E11の(調整例)を示す。
<調整例E1>
(偏在層形成塗液E1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液E1とした。
<調整例E2>
(偏在層形成塗液E2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・リン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液E2とした。
<調整例E3>
(偏在層形成塗液E3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−394(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液E3とした。
<調整例E4>
(偏在層形成塗液E4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)0.01重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液E4とした。
<調整例E5>
(偏在層形成塗液E5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)100重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液E5とした。
<調整例E6>
(偏在層形成塗液E6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径1000nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液E6とした。
<調整例E7>
(偏在層形成塗液E7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液E7とした。
<調整例E8>
(偏在層形成塗液E8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液19とした。
<調整例E9>
(偏在層形成塗液E9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように調液し、偏在層形成塗液20とした。
<調整例E10>
(偏在層形成塗液E10)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液E10とした。
<調整例E11>
(偏在層形成塗液E11)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液E11とした。
以下に低屈折率層形成塗液Eの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液E)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Eとした。
[実施例E1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液E1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Eを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例E1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例E2]〜[実施例E9]
[実施例E2]〜[実施例E9]においては、偏在層形成用塗液E1の代わりに偏在層形成塗液E2〜E9を用いて、その他の製造条件は[実施例E1]と同様にして、[実施例E2]〜[実施例E9]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例E10]〜[実施例E12]
[実施例E10]においては、偏在層形成塗液E1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例E1]と同様にして、[実施例E10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例E11]においては、偏在層形成塗液E1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例E1]と同様にして、[実施例E11]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例E12]においては、偏在層形成塗液E1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例E1]と同様にして、[実施例E12]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例E13]、[実施例E14]
[実施例E13]、[実施例E14]においては、偏在層形成塗液E1の代わりに偏在層形成塗液E10、E11を用いて、その他の製造条件は[実施例E1]と同様にして、[実施例E13]、[実施例E14]の反射防止フィルムを作製した。
(表9)に、[実施例E1]〜[実施例E14]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例E1]〜[実施例E14]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表10)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
(F)レベリング材料:アクリル基を有する化合物×導電性材料:四級アンモニウム塩
以下に、レベリング材料としてアクリル基を有する化合物、導電性材料として導電性高分子を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液F1〜F10の(調整例)を示す。
<調整例F1>
(偏在層形成塗液F1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F1とした。
<調整例F2>
(偏在層形成塗液F2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリアニリン(平均粒子径75nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F2とした。
<調整例F3>
(偏在層形成塗液F3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径300nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F3とした。
<調整例F4>
(偏在層形成塗液F4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−394(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F4とした。
<調整例F5>
(偏在層形成塗液F5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)0.01重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F5とした。
<調整例F6>
(偏在層形成塗液F6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F6とした。
<調整例F7>
(偏在層形成塗液F7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F7とした。
<調整例F8>
(偏在層形成塗液F8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F8とした。
<調整例F9>
(ハードコート層形成塗液F9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F9とした。
<調整例F10>
(偏在層形成塗液F10)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液F10とした。
以下に低屈折率層形成塗液Fの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液F)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Fとした。
[実施例F1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液F1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Fを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例F1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例F2]〜[実施例F8]
[実施例F2]〜[実施例F8]においては、偏在層形成用塗液F1の代わりに偏在層形成塗液F2〜F8を用いて、その他の製造条件は[実施例F1]と同様にして、[実施例F2]〜[実施例F8]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例F9]〜[実施例F11]
[実施例F9]においては、偏在層形成塗液F1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例F1]と同様にして、[実施例F9]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例F10]においては、偏在層形成塗液F1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例F1]と同様にして、[実施例F10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例F11]においては、偏在層形成塗液F1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例F1]と同様にして、[実施例F11]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例F12]、[実施例F13]
[実施例F12]、[実施例F13]においては、偏在層形成塗液F1の代わりに偏在層形成塗液F9、F10を用いて、その他の製造条件は[実施例F1]と同様にして、[実施例F12]、[実施例F13]の反射防止フィルムを作製した。
(表11)に、[実施例F1]〜[実施例F13]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例F1]〜[実施例F13]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表12)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
(G)レベリング材料:ブタジエン基を有する化合物×導電性材料:四級アンモニウム塩材料
以下に、レベリング材料としてブタジエン基を有する化合物、導電性材料として四級アンモニウム塩材料を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液G1〜G11の(調整例)を示す。
(合成例1)
攪拌翼、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた四口フラスコに、
・オクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート
(商品名:「ブレンマー50POEP−800B」日本油脂社製) 18.0g
・メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド 35.0g
・シクロヘキシルメタクリレート 14.0g
・アゾビスイソブチロニトリル 0.3g
・イソプロピルアルコール 100.0g
・メチルエチルケトン 40.0g
を仕込み、窒素雰囲気下、65℃で3時間重合した。重合終了後、反応液をヘキサン中に投入し、生成物を析出させた後乾燥した。得られた四級アンモニウム塩材料の重量平均分子量は18500であった。
<調整例G1>
(偏在層形成塗液G1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G1とした。
<調整例G2>
(偏在層形成塗液G2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・NR−121X−9IPA(コルコート社製/イソプロピロアルコール分散液)
(固形分)20重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G2とした。
<調整例G3>
(偏在層形成塗液C3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・四級アンモニウム塩を含有するライトエステルDQ100
(共栄社化学社製、分子量208) 10重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液C3とした。
<調整例G4>
(偏在層形成塗液G4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・p−スチレンスルホン酸アンモニウム塩ホモポリマー(分子量12万)
10重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G4とした。
<調整例G5>
(偏在層形成塗液G5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
0.01重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G5とした。
<調整例G6>
(偏在層形成塗液G6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
100重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G6とした。
<調整例G7>
(偏在層形成塗液G7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G7とした。
<調整例G8>
(偏在層形成塗液G8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G8とした。
<調整例G9>
(偏在層形成塗液G9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G9とした。
<調整例G10>
(偏在層形成塗液G10)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G10とした。
<調整例G11>
(偏在層形成塗液G11)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G11とした。
以下に低屈折率層形成塗液Gの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液G)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Gとした。
[実施例G1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液G1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Gを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例G1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例G2]〜[実施例G9]
[実施例G2]〜[実施例G9]においては、偏在層形成用塗液G1の代わりに偏在層形成塗液G2〜G9を用いて、その他の製造条件は[実施例G1]と同様にして、[実施例G2]〜[実施例G9]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例G10]〜[実施例G12]
[実施例G10]においては、偏在層形成塗液G1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例G1]と同様にして、[実施例G10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例G11]においては、偏在層形成塗液G1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例G1]と同様にして、[実施例G11]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例G12]においては、偏在層形成塗液G1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例G1]と同様にして、[実施例G12]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例G13]、[実施例G14]
[実施例G13]、[実施例G14]においては、偏在層形成塗液G1の代わりに偏在層形成塗液G10、G11を用いて、その他の製造条件は[実施例G1]と同様にして、[実施例G13]、[実施例G14]の反射防止フィルムを作製した。
(表13)に、[実施例G1]〜[実施例G14]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例G1]〜[実施例G14]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表14)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
(H)レベリング材料:ブタジエン基を有する化合物×導電性材料:金属酸化物粒子
以下に、レベリング材料としてブタジエン基を有する化合物、導電性材料として金属酸化物粒子を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液H1〜H10の(調整例)を示す。
<調整例H1>
(偏在層形成塗液H1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液H1とした。
<調整例H2>
(偏在層形成塗液H2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・リン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液H2とした。
<調整例H3>
(偏在層形成塗液H3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)0.01重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液H3とした。
<調整例H4>
(偏在層形成塗液H4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)100重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液H4とした。
<調整例H5>
(偏在層形成塗液H5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径1000nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液H5とした。
<調整例H6>
(偏在層形成塗液H6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液H6とした。
<調整例H7>
(偏在層形成塗液H7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液H7とした。
<調整例H8>
(偏在層形成塗液H8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように調液し、偏在層形成塗液H8とした。
<調整例H9>
(偏在層形成塗液H9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液H9とした。
<調整例H10>
(偏在層形成塗液H10)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液G11とした。
以下に低屈折率層形成塗液Hの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液H)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Hとした。
[実施例H1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液H1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Hを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例H1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例H2]〜[実施例H8]
[実施例H2]〜[実施例H8]においては、偏在層形成用塗液H1の代わりに偏在層形成塗液H2〜H8を用いて、その他の製造条件は[実施例H1]と同様にして、[実施例H2]〜[実施例H8]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例H9]〜[実施例H11]
[実施例H9]においては、偏在層形成塗液H1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例H1]と同様にして、[実施例H9]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例H10]においては、偏在層形成塗液H1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例H1]と同様にして、[実施例H10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例H11]においては、偏在層形成塗液H1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例H1]と同様にして、[実施例H11]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例H12]、[実施例H13]
[実施例H12]、[実施例H13]においては、偏在層形成塗液H1の代わりに偏在層形成塗液H9、H10を用いて、その他の製造条件は[実施例H1]と同様にして、[実施例H12]、[実施例H13]の反射防止フィルムを作製した。
(表15)に、[実施例H1]〜[実施例H13]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例H1]〜[実施例H13]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表16)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
(I)レベリング材料:ブタジエン基を有する化合物×導電性材料:四級アンモニウム塩
以下に、レベリング材料としてブタジエン基を有する化合物、導電性材料として導電性高分子を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液I1〜I9の(調整例)を示す。
<調整例I1>
(偏在層形成塗液I1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液I1とした。
<調整例I2>
(偏在層形成塗液I2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリアニリン(平均粒子径75nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液I2とした。
<調整例I3>
(偏在層形成塗液I3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径1500nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液I3とした。
<調整例I4>
(偏在層形成塗液I4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
0.01重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液I5とした。
<調整例I5>
(偏在層形成塗液I5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液I5とした。
<調整例I6>
(偏在層形成塗液I6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液I6とした。
<調整例I7>
(偏在層形成塗液I7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2000(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように調液し、偏在層形成塗液I7とした。
<調整例I8>
(偏在層形成塗液I8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液I8とした。
<調整例I9>
(偏在層形成塗液I9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液I9とした。
以下に低屈折率層形成塗液Iの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液I)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Iとした。
[実施例I1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液I1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Iを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例I1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例I2]〜[実施例I7]
[実施例I2]〜[実施例I7]においては、偏在層形成用塗液I1の代わりに偏在層形成塗液I2〜I7を用いて、その他の製造条件は[実施例I1]と同様にして、[実施例I2]〜[実施例I7]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例I8]〜[実施例I10]
[実施例I8]においては、偏在層形成塗液I1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例I1]と同様にして、[実施例I8]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例I9]においては、偏在層形成塗液I1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例I1]と同様にして、[実施例I9]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例I10]においては、偏在層形成塗液I1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例I1]と同様にして、[実施例I10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例I11]、[実施例I12]
[実施例I11]、[実施例I12]においては、偏在層形成塗液I1の代わりに偏在層形成塗液I8、I9を用いて、その他の製造条件は[実施例I1]と同様にして、[実施例I11]、[実施例I12]の反射防止フィルムを作製した。
(表17)に、[実施例I1]〜[実施例I12]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例I1]〜[実施例I12]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表18)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
(J)レベリング材料:オレフィン基を有する化合物×導電性材料:四級アンモニウム塩材料
以下に、レベリング材料としてオレフィン基を有する化合物、導電性材料として四級アンモニウム塩材料を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液J1〜J11の(調整例)を示す。
(合成例1)
攪拌翼、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた四口フラスコに、
・オクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート
(商品名:「ブレンマー50POEP−800B」日本油脂社製) 18.0I
・メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド 35.0I
・シクロヘキシルメタクリレート 14.0I
・アゾビスイソブチロニトリル 0.3I
・イソプロピルアルコール 100.0I
・メチルエチルケトン 40.0I
を仕込み、窒素雰囲気下、65℃で3時間重合した。重合終了後、反応液をヘキサン中に投入し、生成物を析出させた後乾燥した。得られた四級アンモニウム塩材料の重量平均分子量は18500であった。
<調整例J1>
(偏在層形成塗液J1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J1とした。
<調整例J2>
(偏在層形成塗液J2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・NR−121X−9IPA(コルコート社製/イソプロピロアルコール分散液)
(固形分)20重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J2とした。
<調整例J3>
(偏在層形成塗液J3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・四級アンモニウム塩を含有するライトエステルDQ100
(共栄社化学社製、分子量208) 10重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J3とした。
<調整例J4>
(偏在層形成塗液J4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・p−スチレンスルホン酸アンモニウム塩ホモポリマー(分子量12万)
10重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J4とした。
<調整例J5>
(偏在層形成塗液J5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
0.01重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J5とした。
<調整例J6>
(偏在層形成塗液J6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
100重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J6とした。
<調整例J7>
(偏在層形成塗液J7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J7とした。
<調整例J8>
(偏在層形成塗液J8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J8とした。
<調整例J9>
(偏在層形成塗液J9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J9とした。
<調整例J10>
(偏在層形成塗液J10)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・合成例1で作製した四級アンモニウム塩材料(重量平均分子量18500)
10重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J10とした。
<調整例J11>
(偏在層形成塗液J11)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液J10とした。
以下に低屈折率層形成塗液Jの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液J)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Jとした。
[実施例J1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液J1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Jを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例J1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例J2]〜[実施例J9]
[実施例J2]〜[実施例J9]においては、偏在層形成用塗液J1の代わりに偏在層形成塗液J2〜J9を用いて、その他の製造条件は[実施例J1]と同様にして、[実施例J2]〜[実施例J9]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例J10]〜[実施例J12]
[実施例J10]においては、偏在層形成塗液J1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例J1]と同様にして、[実施例J10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例J11]においては、偏在層形成塗液J1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例J1]と同様にして、[実施例J11]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例J12]においては、偏在層形成塗液J1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例J1]と同様にして、[実施例J12]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例J13]、[実施例J14]
[実施例J13]、[実施例J14]においては、偏在層形成塗液J1の代わりに偏在層形成塗液J10、J11を用いて、その他の製造条件は[実施例J1]と同様にして、[実施例J13]、[実施例J14]の反射防止フィルムを作製した。
(表19)に、[実施例J1]〜[実施例J14]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例J1]〜[実施例J14]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表20)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
(K)レベリング材料:オレフィン基を有する化合物×導電性材料:金属酸化物粒子
以下に、レベリング材料としてオレフィン基を有する化合物、導電性材料として金属酸化物粒子を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液K1〜K10の(調整例)を示す。
<調整例K1>
(偏在層形成塗液K1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K1とした。
<調整例K2>
(偏在層形成塗液K2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・リン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K2とした。
<調整例K3>
(偏在層形成塗液K3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)0.01重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K3とした。
<調整例K4>
(偏在層形成塗液K4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)100重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K4とした。
<調整例K5>
(偏在層形成塗液K5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径1000nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K5とした。
<調整例K6>
(偏在層形成塗液K6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K6とした。
<調整例K7>
(偏在層形成塗液K7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K7とした。
<調整例K8>
(偏在層形成塗液K8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K8とした。
<調整例K9>
(偏在層形成塗液K9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K9とした。
<調整例K10>
(偏在層形成塗液K10)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・アンチモン含有酸化スズ(平均粒子径50nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液K10とした。
以下に低屈折率層形成塗液Kの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液K)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Kとした。
[実施例K1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液K1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Kを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Kバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例K1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例K2]〜[実施例K8]
[実施例K2]〜[実施例K8]においては、偏在層形成用塗液K1の代わりに偏在層形成塗液K2〜K8を用いて、その他の製造条件は[実施例K1]と同様にして、[実施例K2]〜[実施例K8]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例K9]〜[実施例K11]
[実施例K9]においては、偏在層形成塗液K1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例K1]と同様にして、[実施例K9]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例K10]においては、偏在層形成塗液K1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例K1]と同様にして、[実施例K10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例K11]においては、偏在層形成塗液K1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例K1]と同様にして、[実施例K11]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例K12]、[実施例K13]
[実施例K12]、[実施例K13]においては、偏在層形成塗液K1の代わりに偏在層形成塗液K9、K10を用いて、その他の製造条件は[実施例K1]と同様にして、[実施例K12]、[実施例K13]の反射防止フィルムを作製した。
(表21)に、[実施例K1]〜[実施例K13]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例K1]〜[実施例K13]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表22)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
(L)レベリング材料:オレフィン基を有する化合物×導電性材料:四級アンモニウム塩
以下に、レベリング材料としてオレフィン基を有する化合物、導電性材料として導電性高分子を用いた場合の実施例について示す。
以下に偏在層形成塗液L1〜L9の(調整例)を示す。
<調整例L1>
(偏在層形成塗液L1)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液18とした。
<調整例L2>
(偏在層形成塗液L2)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリアニリン(平均粒子径75nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液L2とした。
<調整例L3>
(偏在層形成塗液L3)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径300nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液L3とした。
<調整例L4>
(偏在層形成塗液L4)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)0.01重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液L4とした。
<調整例L5>
(偏在層形成塗液L5)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液L5とした。
<調整例L6>
(偏在層形成塗液L6)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が20wt%となるように調液し、偏在層形成塗液L6とした。
<調整例L7>
(偏在層形成塗液L7)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・フローレンAC2200HF(共栄社化学社製) 0.1重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が90wt%となるように調液し、偏在層形成塗液L7とした。
<調整例L8>
(偏在層形成塗液L8)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ポリチオフェン(平均粒子径100nm/イソプロピルアルコール分散液)
(固形分)5重量部
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液L8とした。
<調整例L9>
(偏在層形成塗液L9)
ウレタンアクリレート(共栄社化学社製UA−306T) 100重量部 に対して、
・ジペンタエリスリトールトリアクリレート 50重量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 10重量部
を用意し、これらをメチルエチルケトンを用いて固形分が50wt%となるように調液し、偏在層形成塗液L9とした。
以下に低屈折率層形成塗液Lの(調整例)を示す。
(低屈折率層形成塗液L)
・多孔質シリカ微粒子の分散液
(平均粒子径50nm/固形分20wt%/メチルイソブチルケトン分散液)
(固形分) 2.5重量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製DPEA−12) 2.5重量部
・光重合開始剤(チバジャパン社製イルガキュア184) 0.1重量部
を用意し、これらをイソプロピルアルコールを用いて固形分が5wt%となるように調液し、低屈折率層形成塗液Lとした。
[実施例L1]
(偏在層の形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製:膜厚80μm)の片面に偏在層形成塗液L1を塗布し、一次乾燥として25℃で10秒間乾燥炉内で乾燥させ、連続して二次乾燥として80℃で50秒間乾燥炉内で乾燥し、乾燥させた後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量300mJ/mで紫外線照射をおこなうことにより乾燥膜厚5μmの透明な偏在層を形成した。
(低屈折率層の形成)
形成した偏在層上に、低屈折率層形成塗液Lを乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布した。第一乾燥温度25℃を25秒おこなった後に、第二乾燥温度80℃を50秒おこなった後に、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて照射線量192mJ/mで紫外線照射をおこなって硬膜させて低屈折率層を形成し、[実施例L1]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例L2]〜[実施例L7]
[実施例L2]〜[実施例L7]においては、偏在層形成用塗液L1の代わりに偏在層形成塗液L2〜L7を用いて、その他の製造条件は[実施例L1]と同様にして、[実施例L2]〜[実施例L7]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例L8]〜[実施例L10]
[実施例L8]においては、偏在層形成塗液L1を用いて、第一乾燥温度を50℃、第二乾燥温度を60℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例L1]と同様にして、[実施例L8]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例L9]においては、偏在層形成塗液L1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに25℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例L1]と同様にして、[実施例L9]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例L10]においては、偏在層形成塗液L1を用いて、一次乾燥温度および二次乾燥温度をともに80℃とし偏在層を形成し、その他の製造条件は[実施例L1]と同様にして、[実施例L10]の反射防止フィルムを作製した。
[実施例L11]、[実施例L12]
[実施例L11]、[実施例L12]においては、偏在層形成塗液L1の代わりに偏在層形成塗液L8、L9を用いて、その他の製造条件は[実施例L1]と同様にして、[実施例L11]、[実施例L12]の反射防止フィルムを作製した。
(表23)に、[実施例L1]〜[実施例L12]における製造条件をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
得られた[実施例L1]〜[実施例L12]の反射防止フィルムについて、先述のように評価をおこない、また、偏在層中の各層の形成状態を確認した。(表24)に評価結果等をまとめたものを示す。
Figure 0005692012
実施例の結果、偏在層を、中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層から構成される反射防止フィルムとすることで、低い製造コストと優れた光学特性、高い耐擦傷性、帯電防止性能を備える反射防止フィルムを提供することができた。
1 反射防止フィルム
11 透明基材
12 偏在層
12a 中間層
12b ハードコート層
12c 帯電防止層
12d レベリング層
13 低屈折率層
21 塗布ユニット
22 乾燥ユニット
22a 一次乾燥ユニット
22b 二次乾燥ユニット
23 電離放射線照射ユニット
31 巻き出し部
32 巻き取り部

Claims (3)

  1. 透明基材の少なくとも一方の面に偏在層と低屈折率層をこの順で積層した反射防止フィルムの製造方法であって、
    前記偏在層は、中間層、ハードコート層、帯電防止層、レベリング層の順に前記透明基材側から形成され、
    前記透明基材の少なくとも一方の面に、電離放射線硬化型材料と導電性材料とレベリング材料と溶剤を含む偏在層形成塗液を塗布し、偏在層の塗膜を形成する塗布工程と、
    前記偏在層の塗膜を一次乾燥と、二次乾燥を施す乾燥工程と、
    前記偏在層の塗膜に電離放射線を照射し、偏在層を形成する硬膜工程と、
    低屈折率層形成材料と溶剤を含む低屈折率層形成塗液を塗布し、低屈折率層の塗膜を形成する塗布工程と、
    前記低屈折率層の塗膜を乾燥する乾燥工程と、
    前記低屈折率層を形成する硬膜工程を順に備え、かつ、
    前記偏在層の前記透明基材側には、前記透明基材成分と前記偏在層の電離放射線硬化型材料成分が混在した前記中間層が形成され、かつ、
    前記偏在層の低屈折率層側表面には前記電離放射線硬化型材料とレベリング材料を含み、導電性材料が含まれていない前記レベリング層が形成され、かつ、
    偏在層表面における鉛筆硬度がH以上であり、かつ、
    前記反射防止フィルムの低屈折率層表面における表面抵抗値が1×10 10 Ω/cm以下の範囲内である
    ことを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  2. 前記偏在層形成塗液に含まれる全溶媒のうち30wt%以上の溶媒が透明基材を溶解または膨潤させる溶媒であり、かつ、
    前記偏在層形成塗液中に溶媒が25wt%以上85wt%以下の範囲内の割合で含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  3. 前記偏在層の塗膜を乾燥する乾燥工程が、
    乾燥温度15℃以上30℃以下の範囲内でおこなわれる一次乾燥と、乾燥温度40℃以上150℃以下の範囲内でおこなわれる二次乾燥の二段階の連続する乾燥を含む
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射防止フィルムの製造方法。
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