JP5681003B2 - 柔軟剤組成物 - Google Patents
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Description
第四級アンモニウム塩(I)は上記一般式(I)で表される化合物であり、一般式(I)中のR1、R2は、柔軟性の観点から、炭素数11〜23、好ましくは15〜21、より好ましくは15〜17の炭化水素基であり、好ましくはアルキル基又はアルケニル基等である。具体的には、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種ノナデシル基、各種エイコサニル基、各種ヘンエイコサニル基、各種ドコサニル基、各種トリコサニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種ヘプタデセニル基、各種オクタデセニル基、各種ノナデセニル基、各種イコセニル基、各種ヘンエイコセニル基、各種ドコセニル基、各種トリコセニルなどを挙げることができ、好ましくは、各種ペンタデシル基、各種ヘプタデシル基、各種ノナデシル基、各種ヘンエイコサニル基、各種ペンタデセニル基、各種ヘプタデセニル基、各種ノナデセニル基、各種ヘンエイコセニル基、より好ましくは、各種ペンタデシル基、各種ヘプタデシル基、各種ペンタデセニル基、各種ヘプタデセニル基である。ここで、「各種」とは上記直鎖状若しくは分岐鎖を有するものをいずれも含むことを示す。
第四級アンモニウム塩(II)は上記一般式(II)で表される化合物であり、一般式(II)中のR5及びR6は、一般式(I)中のR1、R2で例示したものを使用でき、好ましいものも同様である。また、一般式(II)中のR7及びR8は、一般式(I)中のR3、R4で例示したものを使用でき、好ましいものも同様である。また、一般式(II)中のX’-は、一般式(I)中のX-で例示したものを使用でき、好ましいものも同様である。m及びnは、それぞれのポリオキシエチレン鎖のオキシエチレン基の付加モル数を示す、同一でも異なっていてもよい5〜10の整数であり、本発明の柔軟剤組成物の柔軟性及び吸水性付与効果の観点から、好ましくは6〜8、より好ましくは6〜7、特に好ましくは6である。
本発明の柔軟剤組成物は、上記一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩(I)と上記一般式(II)で表される第四級アンモニウム塩(II)を、第四級アンモニウム塩(I):第四級アンモニウム塩(II)の重量比、50.1:49.9〜99.99:0.01で含有する。この重量比は、本発明の柔軟剤組成物の吸水性付与効果及びハンドリング性の観点から、第四級アンモニウム塩(I):第四級アンモニウム塩(II)で60:40〜99.9:0.1が好ましく、より好ましくは70:30〜99.9:0.1であり、さらにより好ましくは70:30〜99:1である。
[(k+l)×xI+(m+n)×xII]/2(xI+xII)
として計算される値である。
工程1:下記一般式(III)
Z−(C2H4O)o−C2H4OH (III)
〔式中、Zはハロゲン原子を表し、oは0〜3の整数である。〕
で示されるハロポリエトキシエタノール(III)と下記一般式(IV)
R3−NH2 (IV)
〔式中、R3は、水酸基を有していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。〕
で表わされるアミンとの反応により、ビス(ポリエトキシエタノール)アルキルアミンまたはビス(ポリエトキシエタノール)ヒドロキシアルキルアミンを得る工程
工程2:工程1で得られたビス(ポリエトキシエタノール)アルキルアミンまたはビス(ポリエトキシエタノール)ヒドロキシアルキルアミンを脂肪酸又はその誘導体でエステル化した後、当該エステルを四級化する工程
・第1段階:一般式(IV)で表わされるアミンに対し、ハロポリエトキシエタノール(III)の0.3〜0.6当量を反応させ(好ましくは90〜110℃、1〜5時間)、副生するハロゲン化水素を中和・塩除去し、過剰のモノメチルアミン等のアミンを減圧除去する。
・第2段階:その後、得られたジ(ポリエトキシエタノール)体およびモノ(ポリエトキシエタノール)体混合物のうち、モノ(ポリエトキシエタノール)体に対し、0.5〜0.9当量のハロポリエトキシエタノール(III)をさらに加え、水またはアルコール類中で70〜90℃で1〜3時間反応させ、蒸留する。
R7−NH2 (IV’)
〔式中、R7は、水酸基を有していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。〕
Z−(C2H4O)p−C2H4OH (V)
〔式中、Zは一般式(III)と同じ意味を表し、pは4〜9の整数である。〕
モノメチルアミン41%水溶液244gと、2-クロロエトキシエタノール182g、水80gを耐圧反応容器に入れ、110℃で4時間反応させた後、水酸化ナトリウム水溶液(等量対クロロ体)を加え、生成した塩酸を中和し、過剰のモノメチルアミンを減圧除去した。反応混合物を別の反応容器に移し、2-クロロエトキシエタノールをさらに86g追加して80℃にて1時間反応させた後、追加した2-クロロエトキシエタノールと等量の水酸化ナトリウム水溶液を30分かけて滴下した。30分熟成させた後、溶媒および塩を除去し、蒸留により、ジ体(ビス(2-エトキシエタノール)メチルアミン)を単離した。生成物はNMR(400MHz、1H、Varian社製、Mercury400)により確認した。続いて得られたジ体113gとステアリン酸326gを180〜200℃、180〜200Torr(24.0〜26.7kPa)で23時間反応させ、ビス(2-エトキシエタノール)メチルアミンのジエステル化物を得た。次に、得られたジエステル化物44gをイソプロピルアルコール50gに溶解し、耐圧容器に仕込んだ後、メチルクロライド4.5gを加え、88℃にて5.5時間反応させ、四級化した。反応混合物を冷アセトン中で晶析させ、乾燥させることで、一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム塩〔化合物(I−1)〕を得た。生成物の同定は、NMR(400MHz、1H)および油脂分析(酸価(JIS K 0070)、けん化価(JIS K 0070)、水酸基価(JIS K 0070)、アミン価(ASTM D 2074)、塩化物イオン濃度(硝酸銀滴定法)、乾燥減量測定(乾燥法))により行った。この化合物(I−1)の構造を表1に示す。
2−クロロエトキシエタノールの代わりに2−(2−クロロエトキシ)エトキシエタノールを用いた以外は、製造例1と同様にして一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム塩〔化合物(I−2)〕を得た。同定については製造例1に示した方法で行なった。この化合物(I−2)の構造を表1に示す。
2−クロロエトキシエタノールの代わりに2−(2−(2−クロロエトキシ)エトキシ)エトキシエタノールを用いた以外は、製造例1と同様にして一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム塩〔化合物(I−3)〕を得た。同定については製造例1に示した方法で行なった。この化合物(I−3)の構造を表1に示す。
N−メチルジエタノールアミン(アルドリッチ社製)133gとステアリン酸700gを180〜200℃、180〜200Torr(24.0〜26.7kPa)で23時間反応させ、N−メチルジエタノールアミンのジエステル化物を得た。次に、得られたジエステル化物198gをイソプロピルアルコール200gに溶解し、耐圧容器に仕込んだ後、メチルクロライド19gを加え、88℃にて5.5時間反応させ、四級化した。反応混合物を冷アセトン中で晶析させ、乾燥させることで、一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム塩〔化合物(I−4)〕を得た。生成物の同定は、NMR(400MHz、1H)および油脂分析(酸価(JIS K 0070)、けん化価(JIS K 0070)、水酸基価(JIS K 0070)、アミン価(ASTM D 2074)、塩化物イオン濃度(硝酸銀滴定法)、乾燥減量測定(乾燥法))により行った。この化合物(I−4)の構造を表1に示す。
2−クロロエトキシエタノールの代わりに2−(2−(2−(2−(2−クロロエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシエタノールを用いた以外は、製造例1と同様にして一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム塩〔化合物(II−1)〕を得た。同定については製造例1に示した方法で行なった。この化合物(II−1)の構造を表1に示す。
製造例1〜5で製造した化合物(I−1)〜(I−4)及び化合物(II−1)と、塩化カルシウムとを、表2の組成でイオン交換水に分散させて、液体柔軟剤組成物を調製し、これら液体柔軟剤組成物の(1)分散性及びハンドリング性、(2)柔軟性及び吸水性を下記評価法に従い評価した。
(1)分散性及びハンドリング性
分散液の調製時の容易さから分散性を評価した。すなわち、所定量の塩化カルシウムを含む約70℃に加熱した水に、所定量の第四級アンモニウム塩(I)又は第四級アンモニウム塩(I)及び(II)を添加し、激しく攪拌した。その際、攪拌開始後3分以内に混合物が均一になるものを分散容易とし、攪拌開始から均一になるまで3分以上を要したものを、分散困難と評価した。更に、調製後の増粘の様子を観察した。調製後、室温まで冷却しても流動性を有するものをハンドリング性良好、液体状態であるものはハンドリング性非常に良好と判断した。結果を表2にまとめて示す。ここで、流動性を有するとは、分散液15mlを、直径25mm、高さ55mmの円筒形ガラス瓶に入れ、25℃ですばやく水平にしたとき、30秒以内に液面の動きが観察されるものを指し、液体状態であるとは、30秒以内に液面が水平になるものを指す。
市販の木綿タオル(武井タオル(株)製 3700番、白色)24枚を、エマルゲン108(花王株式会社製ノニオン型界面活性剤)4.5gを溶解した20℃の水道水45L中で10分間攪拌した後、すすぎ2回、脱水6分を行なった。この界面活性剤溶液中での攪拌から脱水までの工程を2回繰り返し、その後、20℃の水道水45L中で10分攪拌した後、すすぎ2回、脱水6分を行った。この水道水中での攪拌から脱水までの工程を3回繰り返して、布についている糊を除去した。一旦乾燥させた後、20℃水道水中、表2の液体柔軟剤組成物を、組成物中の第四級アンモニウム塩の総量がタオルに対して0.1重量%になる量用い、浴比30L/kg(対タオル重量)で、攪拌下5分間処理した。それらのタオルを25℃、40%RHの恒温恒湿室にて24時間乾燥させた。それぞれのタオルについて、柔軟性及び吸水性の評価を下記の評価基準に基づいて行った。その結果も表2にまとめて示す。
5人の専門パネラーにより上記処理タオルの官能評価を行なった。比較例1の液体柔軟剤組成物で処理したタオルを対照(基準)とし、下記評価基準により、柔軟性を評価した。
+2:対照よりかなり柔らかい
+1:対照よりやや柔らかい
0:対照と同じ
−1:対照の方がやや柔らかい
−2:対照の方がかなり柔らかい
得られた5人のパネラーの評価の平均値を表2に示す。
上記により処理を行い、25℃/40%RHの恒温・恒湿室にて調湿した木綿タオル(武井タオル(株)製 3700番、白色)について、その平織り部分から2.5cm×25cm角の試験布を切り出し、該試験布の下端を25℃の水に浸し、30秒後における水の上昇した高さを測定した。実施例1〜9及び比較例2については、15分後にも測定を行なった。実験は3回行い、その平均値を吸水高さ(cm)とした。吸水高さの値が高いほど、処理した布の吸水性が高いことを示している。
Claims (9)
- 下記一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩(I)と下記一般式(II)で表される第四級アンモニウム塩(II)とを、第四級アンモニウム塩(I):第四級アンモニウム塩(II)の重量比、50.1:49.9〜99.99:0.01で含有する柔軟剤組成物。
〔式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、炭素数11〜23の炭化水素基であり、R3及びR4は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水酸基を有していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基であり、k及びlは、それぞれオキシエチレン基の付加モル数を示す同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、X-は陰イオンである。〕
〔式中、R5及びR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、炭素数11〜23の炭化水素基であり、R7及びR8は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水酸基を有していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基であり、m及びnは、それぞれオキシエチレン基の付加モル数を示す同一でも異なっていてもよい5〜10の整数であり、X'-は陰イオンである。〕 - 一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩(I)のk及びlが、それぞれオキシエチレン基の付加モル数を示す同一でも異なっていてもよい2〜3の整数である、請求項1記載の柔軟剤組成物。
- 一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩を2種以上含有する、請求項1または2に記載の柔軟剤組成物。
- オキシエチレン基の総付加モル数(k+l)の異なる2種以上の一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の柔軟剤組成物。
- 一般式(II)で表される第四級アンモニウム塩(II)のm及びnが、それぞれオキシエチレン基の付加モル数を示す同一でも異なっていてもよい6〜8の整数である、請求項1〜4のいずれかに記載の柔軟剤組成物。
- 一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩(I)と一般式(II)で表される第四級アンモニウム塩(II)とを、第四級アンモニウム塩(I):第四級アンモニウム塩(II)の重量比、70:30〜99.9:0.1で含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟剤組成物。
- 第四級アンモニウム塩(I)及び第四級アンモニウム塩(II)のオキシエチレン基のポリオキシエチレン鎖あたりの数平均付加モル数が1より大きく、4以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の柔軟剤組成物。
- 第四級アンモニウム塩(I)及び第四級アンモニウム塩(II)のオキシエチレン基のポリオキシエチレン鎖あたりの数平均付加モル数が2〜3.5である、請求項1〜7のいずれかに記載の柔軟剤組成物。
- 下記一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩(I)と下記一般式(II)で表される第四級アンモニウム塩(II)とを、第四級アンモニウム塩(I):第四級アンモニウム塩(II)の重量比、50.1:49.9〜99.99:0.01で含有する組成物で繊維製品を処理することを含む繊維製品の柔軟化方法。
〔式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、炭素数11〜23の炭化水素基であり、R3及びR4は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水酸基を有していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基であり、k及びlは、それぞれオキシエチレン基の付加モル数を示す同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、X-は陰イオンである。〕
〔式中、R5及びR6は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、炭素数11〜23の炭化水素基であり、R7及びR8は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水酸基を有していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基であり、m及びnは、それぞれオキシエチレン基の付加モル数を示す同一でも異なっていてもよい5〜10の整数であり、X'-は陰イオンである。〕
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