JP4312371B2 - 柔軟剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は柔軟剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
柔軟剤組成物には、太陽光による衣料の色褪せを防止する目的や、UV−A照射線いよる皮膚傷害を防御する機能を衣料に付与する目的から、蛍光増白剤や光遮断剤を配合する試みがなされている。特開昭63−162798号公報には特定の紫外線吸収剤を含有した柔軟剤組成物が開示されている。また、特開平11−501702号公報にはセルロース繊維に反応性UV吸収剤を処理させることにより太陽光線保護指数を増大させる方法が開示されている。さらに、特開平7−216740号公報には4級アンモニウム化合物と特定の紫外線吸収剤を含有した日光防護ファクターに優れた繊維処理剤が開示されている。
【0003】
しかしながら、これらの技術は、木綿衣料に対しては、上記色褪せ防止効果及び皮膚障害防御機能についてはある程度満足できる効果を付与することができるが、アクリルなどの化繊衣料に対しては著しく効果が低下するという問題がある。
【0004】
従って本発明の目的は、木綿衣料及び化繊衣料の何れに対しても高い褪色抑制効果及び皮膚障害防御機能を付与することができる柔軟剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)下記一般式(1)の化合物〔以下、(a)成分という〕を0.01〜10重量%、(b)下記一般式(2)の化合物及び一般式(3)の化合物から選ばれる化合物〔以下、(b)成分という〕、並びに(c)分子中に炭素数16〜36のアルキル基又はアルケニル基と、−SO3M基及び/又は−OSO3M基〔M:対イオン〕とを有する陰イオン界面活性剤〔以下、(c)成分という〕を含有する柔軟剤組成物に関する。
【0006】
【化3】
【0007】
〔式中、R1、R2、R3、R4は、−N(R5)(R6)で示される基であり、これらは同一又は異なっていても良い。ここで、R5、R6は、同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基、あるいはR5とR6がヘテロ原子を介在して連結した複素環を形成していてもよい。Mは有機又は無機の陽イオンである。〕
【0008】
【化4】
【0009】
〔式中、R5は、炭素数9〜23のアルキル基又はアルケニル基であり、R6は炭素数1〜6のアルキレン基である。R7、R8は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Xは−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基であり、nは0又は1である。〕
R9−[A−P]p−[B−Q]q−C−R10 ・aY- (3)
〔式中、R9、R10の少なくとも一方がエステル基、エーテル基又はアミド基で分断されていても良い炭素数9〜36のアルキル基又はアルケニル基であり、一方のみがこれらの基である場合、他方は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。A、B、Cは、同一でも異なっていても良く、−N+(R11)(R12)−及び−N(R13)−から選ばれる基である。ここでR11、R12は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、R13は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。P、Qはエステル基又はアミド基で分断されていても良く、また、ヒドロキシ基又はエーテル基で置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基である。aはA、B、C中の−N+(R11)(R12)−の数である。pは1〜3の数、qは0〜2の数である。Y-は陰イオン基である。〕
【0010】
【発明の実施の形態】
<(a)成分>
本発明の(a)成分は上記一般式(1)で表される化合物であり、より具体的な化合物として以下の一般式(4)〜(7)で表される化合物を挙げることができ、特に一般式(6)の化合物及び一般式(7)の化合物から選ばれる化合物が皮膚障害防御機能の点から好ましい。また、一般式(6)の化合物はチバスペシャルティケミカルズ(株)から「チノソルブFD」として入手可能であり、一般式(7)の化合物はチバスペシャルティケミカルズ(株)から「チノソルブFR」として入手可能である。
【0011】
【化5】
【0012】
〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、Mは有機又は無機の陽イオンであり、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンである。これらは同一でも異なっていても良い。〕
【0013】
【化6】
【0014】
〔式中、R、R’は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、R''、R'''は、炭素数1〜12のアルキル基又はアルケニル基、Aは炭素数1〜6のアルキレン基又は窒素原子を含んでいても良い環構造の基であり、Mは有機又は無機の陽イオンであり、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンである。これらは同一でも異なっていても良い。〕。
【0015】
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、前記一般式(2)の化合物及び一般式(3)の化合物から選ばれる化合物であり、一般式(2)の化合物が好ましい。
【0016】
一般式(2)において、R5の炭素数は11〜21、更に15〜21が好ましい。また、R6の炭素数は1〜4が好ましい。R7、R8は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましい。nは1が好ましい。一般式(2)の化合物としては、下記の化合物が好ましい。
【0017】
【化7】
【0018】
〔式中、R14は炭素数15〜20のアルキル基又はアルケニル基であり、mは2又は3である。R15、R16は、同一でも異なっていても良く、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であり、好ましくはメチル基又はエチル基である。〕。
【0019】
これらの化合物はR14−COOHで表される脂肪酸又はこのアルキル(炭素数1〜5)エステルもしくは酸クロリドとN−ヒドロキシアルキル−N,N−ジアルキルアミン又はN−アミノアルキル−N,N−ジアルキルアミンとを反応させることで容易に合成することができ、R14は単独のアルキル基でも混合アルキル基でも何れでもよい。特にR14が炭素数17の単独アルキル基であるか、もしくはR14が炭素数15のアルキル基と炭素数17のアルキル基の混合アルキル基であることが良好であり、炭素数15のアルキル基/炭素数17のアルキル基は重量比で70/30〜0/100が好ましく、50/50〜0/100が柔軟効果及び風合い改善の点からより好ましい。
【0020】
また、一般式(3)において、R9、R10の少なくとも一方が炭素数15〜36のアルケニル基又は分岐アルキル基であることが好ましく、特にR9、R10中にオレイル基、エルシル基、イソステアリル基から選ばれる基が含まれることが好ましい。Y-はハロゲンイオン、硫酸イオン及び炭素数1〜3のアルキル硫酸イオンから選ばれる陰イオン基が好ましい。一般式(3)の化合物としては、下記の化合物が好ましい。
【0021】
【化8】
【0022】
〔式中、R17はエステル基、エーテル基又はアミド基で分断されていても良い炭素数15〜22のアルキル基又はアルケニル基であり、R18、R19、R20、R21は、同一でも異なっていても良く、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。R22はエステル基、エーテル基又はアミド基で分断されていても良い炭素数15〜22のアルキル基又はアルケニル基、もしくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。Y-は前述と同一の意味を示し、R23は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は平均重合度1〜20のポリオキシエチレン基である。Zは−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−及び−O−から選ばれる基である。また、lは1〜5の数であり、kは0〜5の数である。iは0又は1である。〕。
【0023】
本発明の(b)成分がアミノ基を有する場合には、無機又は有機の酸で中和した塩であってもよい。また、塩として使用する場合は柔軟剤組成物に配合する前にアミノ基を酸剤により中和したものを用いることもでき、柔軟剤組成物にアミンを配合した後、アミノ基を酸剤で中和してもよい。中和のための酸としては塩酸、硫酸、リン酸、グリコール酸、ヒドロキシカルボン酸、炭素数1〜12の脂肪酸又は炭素数1〜3のアルキル硫酸が好ましく、特に塩酸、硫酸、グリコール酸が好ましい。
【0024】
<(c)成分>
本発明の(b)成分は分子中に炭素数16〜36、好ましくは16〜24、特に好ましくは16〜20のアルキル基又はアルケニル基と、−SO3M基及び/又は−OSO3M基〔M:対イオン〕を有する陰イオン界面活性剤であり、具体的には上記炭素数を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が好ましい。これらの中でも特に炭素数16〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸、炭素数16〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド(以下、EOと表記する)平均付加モル数が1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3であるポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸およびこれらの塩から選ばれる一種以上を配合することが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が貯蔵安定性の点から良好である。
【0025】
<柔軟剤組成物>
本発明の柔軟剤組成物は、褪色抑制効果及び皮膚障害防御機能の点から、(a)成分を0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%含有する。また、(b)成分を3〜40重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜35重量%含有し、(c)成分を1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、特に好ましくは3〜20重量%含有する。また、(b)/(c)がモル比で9/1〜3/7、更に9/1〜5/5、特に8.5/1.5〜6.5/3.5であることが、柔軟効果及び褪色抑制効果及び皮膚障害防御機能の点から望ましい。さらに、好ましくは(b)成分と(c)成分とを合計で5〜60重量%、特に10〜50重量%の範囲で含有することが、柔軟効果及び貯蔵安定性の点から好ましい。
【0026】
また、本発明の柔軟剤組成物は、(a)成分及び(b)成分及び(c)成分を水で稀釈した水溶液の形態であり、使用する水は蒸留水又はイオン交換水が好ましい。また、水は組成物中に30〜95重量%、特に50〜85重量%配合することが貯蔵安定性の点で望ましい。
【0027】
さらに、本発明の組成物は、貯蔵安定性の点から、20℃におけるpHが1〜7、特に2〜5であることが好ましい。
【0028】
本発明では貯蔵安定性の点から上記(a)〜(c)成分に加えて(d)成分としてさらに非イオン界面活性剤を配合することが好ましい。非イオン界面活性剤としては炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、特に下記一般式(8)の非イオン界面活性剤が良好である。
R24−T−[(R25O)p−H]q (8)
〔式中、R24は炭素数10〜18、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R25は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。pは2〜100、好ましくは5〜80、特に好ましくは10〜60の数を示す。Tは−O−、−CON−又は−N−であり、Tが−O−の場合はqは1であり、Tが−CON−又は−N−の場合はqは2である。〕。
【0029】
一般式(4)の化合物の具体例として以下の化合物を挙げることができる。
R24−O−(C2H4O)r−H
〔式中、R24は前記の意味を示す。rは8〜100、好ましくは10〜60の数である。〕
R24−O−(C2H4O)s(C3H6O)t−H
〔式中、R24は前記の意味を示す。s及びtはそれぞれ独立に2〜40、好ましくは5〜40の数であり、エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダムあるいはブロック付加体であってもよい。〕
【0030】
【化9】
【0031】
(d)成分の配合量は安定性の点から、組成物中0.5〜10重量%、特に1〜8重量%が好ましい。
【0032】
本発明では繊維製品の風合いを向上させる目的で(e)成分として脂肪酸又はその塩を配合することが好ましく、具体的にはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、あるいはこれらの混合物であり、特にラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸から選ばれる1種以上が良好である。また、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂から誘導されるアルキル組成を有する脂肪酸も好ましい。(e)成分の配合量は、組成物0.01〜5重量%、更に0.5〜3重量%が好ましい。
【0033】
本発明ではさらに貯蔵安定性の点から、(f)成分として炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物を組成物中0.1〜10重量%、特に0.5〜5重量%配合することが好ましい。エステル化合物としては、トリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライド、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリエステル、ソルビタンエステルが好ましい。
【0034】
また、本発明では(g)成分として無機塩及び溶剤を配合するのが好ましい。無機塩としては塩化カルシウムが貯蔵安定性の点から好ましく、組成物中0〜1000ppm好ましくは10〜500ppm添加することが良好である。但し、脂肪酸塩などの界面活性剤にはナトリウム塩やカリウム塩が含まれているが、このような界面活性剤の使用によって組成物に混入する無機塩は上記制限を受けるものではない。
【0035】
溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びポリオキシエチレンフェニルエーテルから選ばれる溶媒成分を配合することが貯蔵安定性の点から好ましい。これら溶媒成分は、組成物中に0〜20重量%、特に0.5〜10重量%配合することが好ましい。なお、エタノールを使用する場合は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩変性エタノールや8−アセチル化蔗糖変性エタノールを使用することが望ましい。
【0036】
本発明の柔軟剤組成物には、通常繊維処理剤に配合されるシリコーン、香料(特に好ましくは特開平8−11387号公報記載の成分(c)及び(d)にて示された香気成分の組み合わせ、あるいは色素等の成分を配合しても差し支えない。
【0037】
本発明の柔軟剤組成物の製造方法としては、(c)成分の水に(e)成分及び(g)成分を溶解させ、40〜70℃、好ましくは45℃〜65℃に加熱昇温し、その後(a)成分、(b)成分、(d)成分及び(f)成分を添加して攪拌混合し、酸剤で所定のpHに調製し、冷却した後にその他の成分を添加する方法が貯蔵安定性の点から好ましい。
【0038】
本発明の柔軟剤組成物には、貯蔵後の色や匂いを改善するため、通常知られている酸化防止剤を配合しても差し支えない。酸化防止剤としてエチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩などに代表されるアミノカルボン酸類、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩に代表される無機リン化合物、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩やポリホスホン酸類、フィチン酸に代表される有機リン酸類、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール及び2(3)-ブチル−4−オキシアニソール等が挙げられ、これらは酸でも塩として配合してもよい。これら酸化防止剤は、本発明の柔軟剤組成物中に(a)成分に対して0.1〜1000ppmの範囲で配合される。
【0039】
本発明の柔軟剤組成物には、通常に配合される香料、抗菌剤あるいは色素等の成分を配合しても差し支えない。
【0040】
【実施例】
製造例1(b−1)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管を備えた1Lの4ツ口フラスコに1−クロロアルカン(150g、0.52mol)とN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン(68g、0.53mol)をエタノール(350.0g)に混合させた。
【0041】
混合物を72時間還流させた後、エタノールを減圧下で留去し、未反応のアミン化合物を除去した。得られた固体を、更に、常法に従い、アセトンで再結晶することで、下記構造のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド(180g、純分95重量%)を得た。
【0042】
【化10】
【0043】
製造例2(b−2)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管を備えた1Lの4ツ口フラスコにN,N−ジメチルアルキルアミン(179g、0.60mol)とアセトン(238.0g)を仕込み、50℃まで昇温し溶解させた。その後、20℃でモノクロロ酢酸イソプロピルエステル(99g、0.72mol)を5分間で滴下し、60℃に昇温して4時間反応させた。反応終了後、これを20℃迄冷却して得られた白色結晶を、更に、常法に従い、アセトンで再結晶することでN−(イソプロポキシカルボニルメチル)−N,N−ジメチルアルキルアンモニウムクロライド(214g、0.49mol)を得た。
【0044】
温度計、冷却管を備えた1Lの4ツ口フラスコに得られたN−(イソプロポキシカルボニルメチル)−N,N−ジメチルアルキルアンモニウムクロライド(207g、0.48mol)を2−プロパノール(66g)に溶かし、これに、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(59g、0.57mol)を加え、90℃まで昇温し、5時間反応させた。
【0045】
反応終了後、過剰のN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン及び2−プロパノールを減圧下で留去し、下記構造のN−(3−ジメチルアミノプロピルアミノカルボニルメチル)−N,N−ジメチルアルキルアンモニウムクロライドの2−プロパノール溶液(218.8g、純分94重量%)を得た。
【0046】
【化11】
【0047】
製造例3(b−3)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管を備えた1Lの4ツ口フラスコにN,N−ジメチルアルキルアミン(179g、0.60mol)をエタノール(300g)に溶解し、ブロモ酢酸エチル(117g、0.60mol)を滴下した。滴下終了後、昇温しエタノール還流下TLCで原料アミンがなくなるまで反応させた。反応終了後、エタノールを留去した。
【0048】
次に反応終了物を温度計、冷却管を備えた1Lの4ツ口フラスコに仕込み、KOH6.5gを溶解させた水81.6gを入れ、加水分解を行った。HPLCで原料の4級塩がなくなったことを確認し、20%硫酸水溶液で中和した。減圧下で水を留去し、塩が精製したら濾過操作を行った。次にこれを500mlのジクロロメタンに溶解し、室温で335gのチオニルクロライドを滴下後、還流下1時間反応させた。溶媒および過剰のチオニルクロライドを留去するとオレンジ色の油状物質が得られた。これをジメトキシエタン800mlに溶解させ、ジメチルエタノールアミン(69g、0.77mol)を添加し、還流下1時間反応させた。反応後生成した白色沈殿を濾取し、アセトンで数回洗浄した後,アセトンをエバポレーターで留去すると白色の粉末として下記構造のN−(アセトキシエチルジメチルアミノ)−N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライドの塩酸塩(152g、純分92重量%)を得た。
【0049】
【化12】
【0050】
製造例(b−4)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管を備えた1Lの4ツ口フラスコにアルキルアミン(142g、0.5mol)をエタノール(250g)に溶解し、還流下アクリロニトニル29.2gを約1時間で滴下し、3時間熟成させた。反応終了物をエバポレーターでエタノールおよび未反応アクリロニトリルを除去した。次にオートクレーブ(ステンレス製)にアミンに対して1重量%のラネーニッケルと、反応終了物を150g、水/IPA(50/50体積比)を150g入れ、窒素ガス置換後、水素ガス置換し温度110℃、水素ガス圧10kg/cm2で6時間反応した。冷却後、エバポレーターで水/IPAを留去し、蒸留することでN−アルキルプロピレンジアミンを得た。次にこの化合物を50g(0.1531mol)およびエタノール/水(90/10体積比)500g、無水ソーダ灰56.8gをオートクレーブに仕込み、80℃でメチルクロライド42.5gを圧入した。圧入後、80℃で6時間熟成し冷却後無機塩をろ別し、溶媒を減圧留去した。得られた化合物をアセトンで数回洗浄した後、アセトンをエバポレーターで留去し、下記構造の化合物(純分96重量%)を得た。
【0051】
【化13】
【0052】
(配合原料)
上記b−1〜b−4並びに下記成分を用いて表1に示す柔軟剤組成物を調製し、下記の評価を行った。組成物のpHは、水酸化ナトリウム及び硫酸で調整した。
・a−1:チバスペシャルティケミカルズ(株)製「チノソルブFD」
・a−2:チバスペシャルティケミカルズ(株)製「チノソルブFR」
・b−5:b−4においてRが硬化牛脂脂肪酸組成のアルキル基の化合物
・b−6:N−アルカノイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミン(パルミチン酸/ステアリン酸を50/50(重量比)で混合した混合脂肪酸とジメチルエタノールアミンとを脱水エステル化反応させて合成した。)
・b−7:N−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン(b−6の混合脂肪酸とアミノプロピルジメチルアミンとを通常のアミド化反応させて合成した。)
・b'−1:ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド
・c−1:ステアリル硫酸ナトリウム
・c−2:ポリオキシエチレン硬化牛脂組成アルキル硫酸ナトリウム(エチレンオキシド平均付加モル数2.3、硬化牛脂組成はパルミチル基/ステアリル基が40/60の重量比である)
・d−1:炭素数12の飽和アルコールにエチレンオキサイドを平均21モル付加させたもの
・d−2:アミート120(ラウリン酸のジエタノールアミドにエチレンオキシドを平均20モル付加さたもの、花王(株)製)
・e−1:ルナックS−50(ラウリン酸、花王(株)製)
・f−1:エキセル150(ステアリン酸モノ、ジ、トリグリセリド混合物(モノ:ジ:トリ=60:35:5)花王(株)製)
・g−1:塩化カルシウム
・g−2:色素(アシッドブルー9)
・g−3:抗菌剤(プロキセルBDN)
・g−4:香料。
【0053】
(褪色防止性)
婦人用シャツ(青色 型番3C78E1394、ポリエステル100%)5枚(700g)を市販の弱アルカリ性洗剤〔花王(株)製アタック〕を用いて洗濯機で洗浄した(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0667重量%、水道水30L使用、水温20℃、10分間)。その後洗浄液を排出し、1分間脱水後、30Lの水道水を注水して5分間すすぎを行い、排水後1分間脱水を行った。その後再度30Lの水道水を注水した後、表1の組成物7gを添加し5分間攪拌した。その後、脱水し、日に良くあたる場所に5時間吊るし乾燥させた。この操作を10回繰り返し、10回処理後の衣料を10人のパネラー(20歳代女性5人、30歳代男性5人)により下記の基準で判定し、平均点を求めた。平均点が1未満を○、1以上1.5未満を△、1.5以上を×として判定した。結果を表1に示す。
ほとんど褪色が見られない……0
やや褪色が見られるが気にならない程度である……1
褪色が見られる……2
顕著に褪色が見られる……3。
【0054】
(皮膚障害防止効果)
男性用Tシャツ(白色、木綿50%ポリエステル50%)5枚を、上記褪色防止性評価と同様の方法で処理した。この衣料のSPF値を求めた。ここでSPF値とは日光防護ファクターであり、ウルブリヒトボウル(Ulbricht bowl)を取付けた二重格子分光光度計を使用し、織物を透過した紫外光線を測定することによって決定した。SPFの計算は、B.L.DiffeyとJ.RobsonとによってJ.Soc.Cosm. Chem. 40(1989), pp.130-131に記載された方法によって行なった。なお、SPF値が高いほど紫外線の透過を抑制したことを意味し、すなわち紫外線による皮膚障害を防御することができることを示す。結果を表1に示す。
【0055】
(柔軟性)
ブラウス(アクリル60%、ポリエステル20%、ナイロン20%)5枚を褪色防止性評価と同様の方法で処理した衣料と、表1の組成物を用いずに同様の処理を行った同素材、同種のブラウス(対照)の柔軟性を10人のパネラー(30歳代男性10人)により下記の基準で判定し、平均点を求めた。平均点が2以上を○、1以上1.5未満を□、0.5以上1未満を△、0.5未満を×として評価し表1に示した。
+3:対照より非常に柔らかい
+2;対照より柔らかい
+1;対照よりやや柔らかい
0;対照と同等である
【0056】
【表1】
Claims (1)
- (a)下記一般式(1)の化合物を0.01〜10重量%、(b)下記一般式(2)の化合物及び一般式(3)の化合物から選ばれる化合物、(c)炭素数16〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸、炭素数16〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド平均付加モル数が1〜6であるポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸およびこれらの塩から選ばれる一種以上の陰イオン界面活性剤、並びに水を30〜95重量%を含有し、(b)/(c)がモル比で9/1〜5/5であり、20℃におけるpHが1〜5である、柔軟剤組成物。
R9−[A−P]p−[B−Q]q−C−R10 ・aY- (3)
〔式中、R9、R10の少なくとも一方がエステル基、エーテル基又はアミド基で分断されていても良い炭素数9〜36のアルキル基又はアルケニル基であり、一方のみがこれらの基である場合、他方は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。A、B、Cは、同一でも異なっていても良く、−N+(R11)(R12)−及び−N(R13)−から選ばれる基である。ここでR11、R12は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、R13は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。P、Qはエステル基又はアミド基で分断されていても良く、また、ヒドロキシ基又はエーテル基で置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基である。aはA、B、C中の−N+(R11)(R12)−の数である。pは1〜3の数、qは0〜2の数である。Y-は陰イオン基である。〕
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