JP5655858B2 - テープカセット及びテープ印字装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印字テープ及びインクリボンを内蔵するテープカセット及びテープカセットを使用して文字等の印字像を形成した印字済テープを作成するテープ印字装置に関する。本発明は、特に、印字像が掠れて印字テープに印字されること、及び、印字テープの印字像にインク抜けが発生することを防止し、綺麗な印字像を印字テープ上に印字可能なインクリボンを内蔵するテープカセット及びそのテープカセットを使用するテープ印字装置に関するものである。インク抜けは、インクリボンからインクが印字テープに転写した後印字テープに転写したインクがインクリボンに転写して戻ってしまう逆転写と呼称される現象が発生することに起因して印字テープの印字像に発生する。
従来より、例えば、特許第3025311号公報には、サーマルヘッドにより印字エネルギーが高い低速印字時から印字エネルギーが低い高速印字時に渡って、各種印字媒体上に印字像を形成することが可能な熱転写プリンター用インクリボンが提案されている。
特許第3025311号公報
前記した従来のインクリボンでは、ワックス状物質をベヒクルの主成分とする着色層の表面に成膜性の熱可塑性接着層を形成することにより熱転写層を形成し、接着層に過冷却性を有するものを使用することにより、接着層が溶融、軟化されて接着力の大きい状態を維持する時間を長くして各種印字媒体上に印字像を形成することを可能としている。
しかしながら、前記従来のインクリボンのように、接着層が溶融、軟化されて大きい接着力を維持する時間を長くすると、各種の印字媒体に印字像を形成することが可能となるものではあるが、接着層が溶融、軟化されている時間が長くなると、印字像がインクリボン側に逆転写されてしまう虞が高くなる。
このように、印字像がインクリボン側に逆転写されると、印字媒体の印字像にインク抜けが発生してしまい、綺麗な印字像を形成することができなくなる。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、印字像が掠れて印字テープに印字されること、及び、印字テープの印字像にインク抜けが発生することを防止し、綺麗な印字像を印字テープ上に印字可能なインクリボンを内蔵するテープカセット及びそのテープカセットを使用するテープ印字装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係るテープカセットは、サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されるとともに、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるテープカセットにおいて、前記インクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、前記感熱印字層の凝固点は89℃以上であり、感熱印字層のガラス転移点と感熱印字層の融点との差が23℃以下であることを特徴とする。
請求項2に係るテープ印字装置は、サーマルヘッドと、印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されたテープカセットと、前記テープカセットにおける印字テープスプール及びリボンスプールから印字テープ及びインクリボンをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成するテープ印字装置において、前記テープカセットに内蔵されたインクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、前記感熱印字層の凝固点は89℃以上であり、感熱印字層のガラス転移点と感熱印字層の融点との差が23℃以下であることを特徴とする。
請求項3に係るテープカセットは、サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されるとともに、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるテープカセットにおいて、前記インクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、前記感熱印字層の凝固点は89℃以上であり、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44以下であることを特徴とする。
請求項4に係るテープ印字装置は、サーマルヘッドと、印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されたテープカセットと、前記テープカセットにおける印字テープスプール及びリボンスプールから印字テープ及びインクリボンをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成するテープ印字装置において、前記テープカセットに内蔵されたインクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、前記感熱印字層の凝固点は89℃以上であり、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44以下であることを特徴とする。
請求項5に係るテープカセットは、サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されるとともに、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるテープカセットにおいて、前記インクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、前記感熱印字層の融点と感熱印字層の凝固点との差が7.6℃以下であり、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以下であることを特徴とする。
請求項6に係るテープ印字装置は、サーマルヘッドと、印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されたテープカセットと、前記テープカセットにおける印字テープスプール及びリボンスプールから印字テープ及びインクリボンをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成するテープ印字装置において、前記テープカセットに内蔵されたインクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、前記感熱印字層の融点と感熱印字層の凝固点との差が7.6℃以下であり、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以下であることを特徴とする。
請求項7に係るテープカセットは、サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されるとともに、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるテープカセットにおいて、前記インクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、前記感熱印字層の融点と感熱印字層の凝固点との差が7.6℃以下であり、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44以下であることを特徴とする。
請求項8に係るテープ印字装置は、サーマルヘッドと、 印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されたテープカセットと、前記テープカセットにおける印字テープスプール及びリボンスプールから印字テープ及びインクリボンをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、
前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成するテープ印字装置において、前記テープカセットに内蔵されたインクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、 前記感熱印字層の融点と感熱印字層の凝固点との差が7.6℃以下であり、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44以下であることを特徴とする。
請求項1に係るテープカセットに内蔵されるインクリボンでは、着色層と接着層とから構成される感熱印字層の凝固点を89℃以上にしたことにより、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固する。この感熱印字層の凝固により、サーマルヘッドによる印字エネルギーが高い領域において感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン側に逆転写されることを確実に防止することができる。
同時に、インクリボンにおける感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差を23℃以下にすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が小さくなる。この温度差が小さくなることにより、サーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることを確実に防止することができる。
請求項2に係るテープ印字装置では、テープカセットに内蔵されるインクリボンにおける着色層と接着層とから構成される感熱印字層の凝固点を89℃以上にしたことにより、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固する。この感熱印字層の凝固により、サーマルヘッドの印字エネルギーが高い領域において感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン側に逆転写されることを確実に防止することができる。
同時に、インクリボンにおける感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差を23℃以下にすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が小さくなる。この温度差が小さくなることにより、サーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることを確実に防止することができる。
請求項3に係るテープカセットに内蔵されるインクリボンでは、着色層と接着層とから構成される感熱印字層の凝固点を89℃以上にしたことにより、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固する。この感熱印字層の凝固により、サーマルヘッドによる印字エネルギーが高い領域において感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン側に逆転写されることを確実に防止することができる。
同時に、インクリボンにおける感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値を0.44以下とすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が小さくなる。この温度差が小さくなることにより、サーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることを確実に防止することができる。
ここに、インクリボンの感度はガラス転移点が低くなる程、又は、融解エネルギーが低くなる程良好となる。このため、融解エネルギーをガラス転移点で除した値はガラス転移点と融解エネルギーの大きさの感度の臨界値を示した値となりうる。
請求項4に係るテープ印字装置では、テープカセットに内蔵されるインクリボンにおける着色層と接着層とから構成される感熱印字層の凝固点を89℃以上にしたことにより、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固する。この感熱印字層の凝固により、サーマルヘッドの印字エネルギーが高い領域において感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン側に逆転写されることを確実に防止することができる。
同時に、インクリボンにおける感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値を0.44以下とすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が小さくなる。温度差が小さくなることにより、サーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることを確実に防止することができる。
請求項5に係るテープカセットに内蔵されるインクリボンでは、着色層と接着層とから構成される感熱印字層の融点と凝固点との差が7.6℃以下であるので、インクリボンの感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間を短くすることができ、印字像がインクリボン側に逆転写されることを確実に防止できる。
同時に、インクリボンにおける感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差を23℃以下にすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が小さくなる。この温度差が小さくなることにより、サーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることを確実に防止することができる。
請求項6に係るテープ印字装置では、テープカセットに内蔵されるインクリボンにおける着色層と接着層とから構成される感熱印字層の融点と凝固点との差が7.6℃以下であるので、インクリボンの感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間を短くすることができ、印字像がインクリボン側に逆転写されることを確実に防止できる。

同時に、インクリボンにおける感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差を23℃以下にすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が小さくなる。この温度差が小さくなることにより、サーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることを確実に防止することができる。
請求項7に係るテープカセットに内蔵されるインクリボンでは、着色層と接着層とから構成される感熱印字層の融点と凝固点との差が7.6℃以下であるので、インクリボンの感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間を短くすることができ、印字像がインクリボン側に逆転写されることを確実に防止できる。
同時に、インクリボンにおける感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値を0.44以下とすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が小さくなる。この温度差が小さくなることにより、サーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることを確実に防止することができる。
請求項8に係るテープ印字装置では、テープカセットに内蔵されるインクリボンにおける着色層と接着層とから構成される感熱印字層の融点と凝固点との差が7.6℃以下であるので、インクリボンの感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間を短くすることができ、印字像がインクリボン側に逆転写されることを確実に防止できる。
同時に、インクリボンにおける感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値を0.44以下とすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が小さくなる。この温度差が小さくなることにより、サーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることを確実に防止することができる。
本実施形態に係るテープ印字装置の斜視図である。 本実施形態に係るテープ印字装置の本体フレーム内にテープカセットをセット収納して示す本体フレーム内部の一部拡大断面図である。 本実施形態に係るテープ印字装置の制御構成を示すブロック図である。 実施例1及び比較例1乃至3に係るインクリボンの感熱印字層を構成する成分表である。 実施例1及び比較例1乃至3に係るインクリボンの物性値及び評価結果を示す表である。 実施例2及び比較例4乃至6に係るインクリボンの物性値及び評価結果を示す表である。 実施例3及び比較例7乃至9に係るインクリボンの物性値及び評価結果を示す表である。 実施例4及び比較例10乃至12に係るインクリボンの物性値及び評価結果を示す表である。
以下、本発明に係るテープ印字装置及びテープ印字装置に使用されるテープカセットについて、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、参照する図面は、本開示が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、単なる例示である。先ず、本実施形態に係るテープ印字装置の概略構成について図1及び図2に基づき説明する。
図1において、テープ印字装置1は、本体フレーム2、本体フレーム2の前部に配設されたキーボード3、本体フレーム2内の後部に配設された印字機構PM、キーボード3のすぐ後ろに設けられた文字や記号を表示可能な液晶ディスプレイ22、および、本体フレーム2の上面を覆うカバーフレーム6等を有する。さらに、本体フレーム2の上面には、印字機構PMに装着するテープカセットCSを着脱するときにカバーフレーム6を開放するためのリリースボタン4が設けられている。また、カバーフレーム6の側端(図1中、左側端)には、印字済テープ19を手動で切断するための切断用操作ボタン5が設けられている。
また、キーボード3には、アルファベット、数字、記号等を入力するための文字キー、スペースキー、リターンキー、改行キー、カーソルを右方又は左方に移動させるためのカーソル移動キー、印字する文字のサイズを任意に設定するためのサイズ設定キー等の各種のキーが設けられている。
次に、印字機構PMについて図2に基づいて説明する。印字機構PMには、矩形状のテープカセットCSが着脱自在に装着されている。このテープカセットCSには、透明な印字テープ7が巻装されたテープスプール8、加熱により溶融するインクがベースフィルムに塗布されてなるインクリボン9が巻装されたリボンスプール10、そのインクリボン9を巻き取る巻取りスプール11、印字テープ7と同一幅を有する両面テープ12が剥離紙を外側にして巻装された供給スプール13、及び、これら印字テープ7と両面テープ12とを接合させる接合ローラ14が、回転自在に配設されている。なお、両面テープ12のベーステープの両面に粘着剤層が形成されており、その一方の面側の粘着剤層に剥離紙が貼付されている。
前記印字テープ7とインクリボン9とが重なる位置には、サーマルヘッド15が立設されている。本体フレーム2には、支持体18が回動自在に支持されており、かかる支持体18には、印字テープ7とインクリボン9とをサーマルヘッド15に押圧するプランテンローラ16、及び、印字テープ7と両面テープ12とを接合ローラ14に押圧して印字済テープ19を作製する送りローラ17が回転可能に支持されている。サーマルヘッド15には、128個の発熱素子からなる発熱素子群(図示されていない)が上下方向(紙面に垂直方向)に列設されている。
したがって、テープ送りモータ47(図3参照)の所定回転方向への駆動により接合ローラ14と巻取りスプール11とが所定回転方向に各々同期して駆動されながら発熱素子群に通電され、所定の発熱素子が発熱してインクリボン9を加熱する。この加熱によりインクリボン9に塗布されているインクが溶融し、印字テープ7上に熱転写する。この結果、印字テープ7上には複数のドット列により文字、バーコードが印字され、しかも印字テープ7は両面テープ12を接合した状態で印字済テープ19としてテープ送り方向Aにテープ送りされ、図1及び図2に示されるように、本体フレーム2の外側(図1中、左側)に送り出される。なお、印字機構PMの詳細な構成は、特開平2−106555号公報に記載され公知であるので、その説明を省略する。
次に、この印字済テープ19を切断する手動式の切断装置30について、図2に基づいて説明する。本体フレーム2の内側には板状の補助フレーム31が立設され、この補助フレーム31に固定刃32が上向きに固着されている。補助フレーム31に固着された枢支軸33には、前後方向に延びる操作レバー34の前端近傍部が回動可能に枢支され、その操作レバー34の枢支軸33より前側に対応する部位において、可動刃35が前記固定刃32と対向して取り付けられている。
また、操作レバー34の後端部は、切断用操作ボタン5の下側に位置し、操作レバー34は常には、可動刃35が固定刃32から離間する方向にバネ部材(図示されていない)で弾性付勢されている。さらに、前記操作レバー34の前端部には、切断用操作ボタン5の押圧により操作レバー34が切断のために回動したことを検出する切断スイッチ41が取り付けられている。
文字等の印字が行われた後においては、印字済テープ19は固定刃32と可動刃35との間を通って本体フレーム2外に延びているので、その切断操作ボタン5を下方に押圧操作すると、操作レバー34を介して可動刃35が固定刃32に接近して、これら両刃32、35で印字済テープ19が切断される。
次に、本実施形態のテープ印字装置1の制御構成について図3に基づき説明する。図3において、制御部Cは、テープ印字装置1の各機器を制御するCPU52と、このCPU52にデータバス51を介して接続された入出力インタフェース50、CGROM53、ROM54、55、RAM60とから構成されている。なお、CPU52の内部にはタイマ52aが設けられている。
入出力インタフェース50には、キーボード3と、切断スイッチ41と、LCD22に表示データを出力するためのビデオRAM24を有するディスプレイコントローラ(以下、LCDCという)23と、サーマルヘッド15を駆動するための駆動回路48と、テープ送りモータ47を駆動するための駆動回路49とが各々接続されている。
CGROM53には、多数のキャラクタの各々に関して、表示のためのドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
ROM(ドットパターンデータメモリ)54には、アルファベット文字、記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタの各々に関して、印字用ドットパターンデータが、格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも、ROM54に記憶されている。
表示駆動制御プログラム及び印字駆動制御プログラム等が、ROM55に格納されている。表示駆動制御プログラムは、キーボード3から入力された文字及び数字等のキャラクタのコードデータに対応させてLCDC23を制御するためのプログラムである。印字駆動制御プログラムは、印字バッファ62のデータを読み出してサーマルヘッド15及びテープ送りモータ47を駆動するためのプログラムである。
RAM60には、テキストメモリ61、印字バッファ62、カウンタ63等が設けられており、テキストメモリ61には、キーボード3から入力された文書データが格納される。印字バッファ62には、複数の文字,記号等の印字用ドットパターンが印字データとして格納される。カウンタ63には、階調制御処理において各発熱素子に対応してカウントされるカウント値Nが格納される。
また、上記制御部C及び印字機構PMに電力を供給する電源部Bは、装置全体へ電力を供給する電池電源66と、前記電池電源66の電圧を検出する電圧検出部67と、前記電池電源66の電圧を定電圧化して出力する安定化電源65とを有する。
電池電源66は、各駆動回路48、49に接続され、直接電池電源66の電力が駆動回路48、49に供給される。一方、安定化電源65は、LCD22を含めた制御部Cに接続され、定電圧化された電池電源66の電力が安定化電源65に供給される。尚、本発明の電源として本実施形態では電池電源66を用いるが、電池電源66の代わりに、商用電源を入力してその交流を整流し且つ降圧して直流を出力するACアダプタからなる直流電源を用いてもよい。
電圧検出部67は、制御部CのCPU52と接続され、電池電源66の印字中の電圧を所定周期毎に検出し、その検出結果をCPU52に出力している。
続いて、テープカセットCSに内蔵されているインクリボン9について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るテープ印字装置1にて使用されるテープカセットCSのインクリボン9は、ポリエチレンテレフタレート等から形成されるベースフィルムを有する。かかるベースフィルム上には、カーボンブラック等の顔料、パラフィンワックス等のワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂及び各種添加剤等を混練してなる着色層が塗布形成されている。更に、着色層上には、パラフィンワックス等のワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂及び各種添加剤等を混練してなる接着層が塗布形成されている。
ここに、前記インクリボン9は、テープ印字装置1において、印字テープ7上に文字等の印字像を形成する際に使用される。このとき、テープ送りモータ47の駆動に基づく接合ローラ14と巻取りスプール11による印字テープ7及びインクリボン9の搬送速度は10mm/秒〜80mm/秒に設定されている。
搬送速度の下限値を10mm/秒に設定する理由は、以下の通りである。テープ印字装置1をコンパクト化して乾電池駆動可能となるようにした場合、乾電池駆動で達成できる搬送速度は10mm/秒程度である。また、搬送速度が10mm/秒以下であると印字装置として遅く感じ、また、テープ送りモータ47としてステッピングモータを使用する場合、10mm/秒以下の搬送速度ではダンピングが発生する虞があるからである。
また、搬送速度の上限値を80mm/秒に設定する理由は、以下の通りである。本実施形態に係るテープ印字装置1は一般家庭等で使用されることを前提としており、80mm/秒以上の高速印字を達成するためには、高い印字エネルギーで印字する必要があり、このように高い印字エネルギーを供給するためには高電圧電源が必要となる。テープ印字装置1が家庭用に使用されることを勘案した場合、高電圧電源を使用すると安全性に懸念がある。また、高い印字エネルギーを供給するためにサーマルヘッド15の抵抗値を下げることも考えられるが、抵抗値を下げると基板に大きな電流が流れることとなり、基板のコストが上昇する。更に、基板が大型化することに起因してテープ印字装置1の全体が大型化してしまい、家庭用を視野に入れてコンパクト化を達成できなくなる。また、前記電源及びテープ印字装置1本体の条件から、搬送速度を80mm/秒以上にすると、モータのトルクが不足してしまい、安定したテープ走行を行うことができない。
前記搬送速度の条件に加えて、サーマルヘッド15による印字エネルギーは20mJ/mm〜45mJ/mmに設定されている。
ここに、サーマルヘッド15による印字エネルギーの下限値を20mJ/mmに設定した理由は以下の通りである。テープ印字装置1をコンパクト化して乾電池駆動可能となるようにした場合、乾電池駆動で達成できる印字エネルギーは20mJ/mm程度である。また、20mJ/mm以下の印字エネルギーで印字可能なインクリボン9では、接着層はかなり低い温度で軟化、溶融してしまうことから、リボンスプール10に巻装した状態でインクリボン9のインク層とベースフィルムの背面とが密着し、インク剥がれ、インクリボン9の引き出し力を増加させるブロッキング現象が発生してしまう虞がある。
また、サーマルヘッド15による印字エネルギーの上限値を45mJ/mmに設定した理由は、以下の通りである。テープ印字装置1の省エネルギー化は一般的な流れであり、これを達成するため印字エネルギーの上限値を45mJ/mmに設定した。また、45mJ/mm以上の印字エネルギーで連続印字を行うと、サーマルヘッド15が高温になり過ぎて、一般家庭で使用されるテープ印字装置1としては安全性に懸念が生じる。
続いて、インクリボン9の実施例1乃至4について、図4乃至図8を参照して具体的に説明する。
[実施例1]
図4において、実施例1では、顔料としてカーボンブラックを17重量%、ワックスとしてパラフィンワックスを36重量%、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を20重量%及び分散剤等の添加剤を10重量%混合攪拌して均一に混練し、着色層混合物を生成した。かかる着色層混合物をコータによりポリエチレンテレフタレートからなるベースフィルム上に塗布形成してベースフィルム上に着色層を形成した。着色層の厚さは、2μmであった。
続いて、ワックスとしてパラフィンワックスを8重量%、樹脂成分としてポリカプロラクトンを7重量%及び耐熱性向上剤等の添加剤を2重量%混合攪拌して均一に混練して接着層混合物を生成した。かかる接着層混合物をコータにより前記着色層上に塗布し、接着層を形成した。これにより実施例1に係るインクリボンを得た。
前記のように生成した実施例1のインクリボン9について、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC:TA Instruments社製Q200)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図5に示されている。図5に示すように、ガラス転移点は74.3℃、凝固点は89.4℃、融点は97.0℃であった。そして、融点とガラス転移点との差は、22.8℃であった。
前記実施例1に係るインクリボン9を内蔵したテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、テープ送りモータ47、接合ローラ14及び巻取りスプール11による搬送速度が10mm/秒〜80mm/秒で、且つ、印字エネルギー20mJ/mm〜45mJ/mmでサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)は発生せず、また、印字テープ7に対する印字像の逆転写も発生することはなく、良好な印字像が印字テープ7上に形成された。
尚、カスレについては以下のように評価した。インクリボンをブラザー工業株式会社製のHGカセットにインクリボンを装着したものを準備し、ブラザー工業株式会社製のテープ印字装置(PT9700PC)にセットして温度5℃の環境下で高速印字モードにて印字を行った。印字内容としては、ブラザー工業株式会社製のP−touchエディタで入力作成したMSP明朝、10ポイントの文字「一二」を印字した。評価結果として「○」は「文字にカスレが視認できなかった」ことを意味し、「×」は「文字にカスレが視認された」ことを意味する。
また、逆転写については、以下のように評価した。インクリボンをブラザー工業株式会社製のHGカセットにインクリボンを装着したものを準備し、ブラザー工業株式会社製のテープ印字装置(PT9700PC)にセットして温度35℃、湿度80%の環境下で8mの連続印字を行った。印字内容としては、ブラザー工業株式会社製のP−touchエディタで入力作成したベタパターンを印字した。評価結果として、「○」は「8mの印字中に逆転写が視認できなかった」ことを意味し、「×」は8mの印字庁に逆転写が視認された」ことを意味する。
このように、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差を23℃以下にすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が小さくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合においても、感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字されることが防止されたものと考えられる。
感熱印字層の凝固点を89℃以上にしたことにより、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固し、これにより特に低速印字時にサーマルヘッド15から高い印字エネルギーが付与される場合においても、感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
[比較例1]
比較例1のインクリボン9は、着色層におけるワックスの含有量を40重量%、樹脂を16重量%とした点以外は、前記実施例1のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例1のインクリボン9について、前記実施例1の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図5に示されている。図5に示すように、ガラス転移点は65.3℃、凝固点は80.7℃、融点は89.7℃であった。そして、融点とガラス転移点との差は、24.4℃であった。
前記比較例1に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例1の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生し、また、インクリボン9に対する印字像の逆転写も発生した。
このように、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以上の場合には、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
また、感熱印字層の凝固点は80.7℃と89℃よりも低く、これにより比較的低い温度にならなければ感熱印字層が凝固せず、これにより特に低速印字時にサーマルヘッドから高い印字エネルギーが付与される場合においては、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写してしまったものと考えられる。
[比較例2]
比較例2のインクリボン9は、着色層におけるワックスの含有量を34重量%、樹脂を22重量%とした点以外は、前記実施例1のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例2のインクリボン9について、前記実施例1の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図5に示されている。図5に示すように、ガラス転移点は64.6℃、凝固点は79.5℃、融点は88.9℃であった。そして、融点とガラス転移点との差は、23.8℃であった。
前記比較例2に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例1の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生し、また、インクリボン9に対する印字像の逆転写も発生した。
このように、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以上の場合には、比較例1の場合と同様、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
また、感熱印字層の凝固点は79.5℃と89℃よりも低く、これにより比較例1の場合と同様、比較的低い温度にならなければ感熱印字層が凝固せず、特に低速印字時にサーマルヘッドから高い印字エネルギーが付与される場合においては、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写されてしまったものと考えられる。
[比較例3]
比較例3のインクリボン9は、着色層におけるワックスの含有量を33重量%、樹脂を23重量%とした点以外は、前記実施例1のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例3のインクリボン9について、前記実施例1の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図5に示されている。図5に示すように、ガラス転移点は68.9℃、凝固点は90.2℃、融点は96.3℃であった。そして、融点とガラス転移点との差は、27.4℃であった。
前記比較例3に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例1の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生したものの、インクリボン9に対する印字像の逆転写は発生しなかった。
このように、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以上の場合には、比較例1の場合と同様、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
これに対して、感熱印字層の凝固点は90.2℃と89℃以上であり、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固し、これにより特に低速印字時にサーマルヘッド15から高い印字エネルギーが付与される場合においても、感熱印字層が軟化、溶融している時間が短くなることにより印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
[実施例2]
図4において、実施例2では、前記実施例1の場合と同様、顔料としてカーボンブラックを17重量%、ワックスとしてパラフィンワックスを36重量%、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を20重量%及び分散剤等の添加剤を10重量%混合攪拌して均一に混練して着色層混合物を生成した。かかる着色層混合物をコータによりポリエチレンテレフタレートからなるベースフィルム上に塗布形成してベースフィルム上に着色層を形成した。着色層の厚さは、2μmであった。
続いて、ワックスとしてパラフィンワックスを8重量%、樹脂成分としてポリカプロラクトンを7重量%及び耐熱性向上剤等の添加剤を2重量%を混合攪拌して均一に混練し、接着層混合物を生成した。かかる接着層混合物をコータにより前記着色層上に塗布し、接着層を形成した。これにより実施例2に係るインクリボンを得た。
前記のように生成した実施例2のインクリボン9について、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC:TA Instruments社製Q200)によりガラス転移点、凝固点を測定した。その測定結果が図6に示されている。図6に示すように、ガラス転移点は74.3℃、凝固点は89.4℃であった。そして、融解エネルギーは33.0J/g、融解エネルギーをガラス転移点の温度で除した値は0.44であった。
前記実施例2に係るインクリボン9を内蔵したテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、テープ送りモータ47、接合ローラ14及び巻取りスプール11による搬送速度が10mm/秒〜80mm/秒で、且つ、印字エネルギー20mJ/mm〜45mJ/mmでサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)は発生せず、また、印字テープ7に対する印字像の逆転写も発生することはなく、良好な印字像が印字テープ7上に形成された。
このように、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値を0.44以下とすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が小さくなり、これによりサーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることが防止されたものと考えられる。
ここに、インクリボンの感度はガラス転移点が低くなる程、又は、融解エネルギーが低くなる程良好となる。このため、融解エネルギーをガラス転移点で除した値はガラス転移点と融解エネルギーの大きさの感度の臨界値を示した値となりうる。
感熱印字層の凝固点を89℃以上にしたことにより、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固し、これにより特に低速印字時にサーマルヘッド15から高い印字エネルギーが付与される場合においても、感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
[比較例4]
比較例4のインクリボン9は、比較例1の場合と同様、着色層におけるワックスの含有量を40重量%、樹脂を16重量%とした点以外は、前記実施例2のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例4のインクリボン9について、前記実施例2の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点を測定した。その測定結果が図6に示されている。図6に示すように、ガラス転移点は65.3℃、凝固点は80.7℃であった。そして、融解エネルギーは37.3J/g、融解エネルギーをガラス転移点の温度で除した値は0.57であった。
前記比較例4に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例2の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生し、また、インクリボン9に対する印字像の逆転写も発生した。
このように、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0,44を超える場合には、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
また、感熱印字層の凝固点は80.7℃と89℃よりも低く、これにより比較的低い温度にならなければ感熱印字層が凝固せず、これにより特に低速印字時にサーマルヘッドから高い印字エネルギーが付与される場合においては、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写してしまったものと考えられる。
[比較例5]
比較例5のインクリボン9は、比較例2の場合と同様、着色層におけるワックスの含有量を34重量%、樹脂を22重量%とした点以外は、前記実施例2のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例5のインクリボン9について、前記実施例2の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点を測定した。その測定結果が図6に示されている。図6に示すように、ガラス転移点は64.6℃、凝固点は79.5℃であった。そして、融解エネルギーは30.1J/g、融解エネルギーをガラス転移点の温度で除した値は0.47であった。
前記比較例5に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例2の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生し、また、インクリボン9に対する印字像の逆転写も発生した。
このように、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44を超える場合には、比較例4の場合と同様、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
また、感熱印字層の凝固点は79.5℃と89℃よりも低く、これにより比較例4の場合と同様、比較的低い温度にならなければ感熱印字層が凝固せず、特に低速印字時にサーマルヘッドから高い印字エネルギーが付与される場合においては、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写されてしまったものと考えられる。
[比較例6]
比較例6のインクリボン9は、比較例3の場合と同様、着色層におけるワックスの含有量を33重量%、樹脂を23重量%とした点以外は、前記実施例2のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例6のインクリボン9について、前記実施例2の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点を測定した。その測定結果が図6に示されている。図6に示すように、ガラス転移点は68.9℃、凝固点は90.2℃であった。そして、融解エネルギーは48.4J/g、融解エネルギーをガラス転移点の温度で除した値は0.70であった。
前記比較例6に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例2の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生したものの、インクリボン9に対する印字像の逆転写は発生しなかった。
このように、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44を超える場合には、比較例4の場合と同様、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
これに対して、感熱印字層の凝固点は90.2℃と89℃以上であり、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固し、これにより特に低速印字時にサーマルヘッド15から高い印字エネルギーが付与される場合においても、感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
[実施例3]
図4において、実施例3では、前記実施例1、2の場合と同様、顔料としてカーボンブラックを17重量%、ワックスとしてパラフィンワックスを36重量%、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を20重量%及び分散剤等の添加剤を10重量%混合攪拌して均一に混練して着色層混合物を生成した。かかる着色層混合物をコータによりポリエチレンテレフタレートからなるベースフィルム上に塗布形成してベースフィルム上に着色層を形成した。着色層の厚さは、2μmであった。
続いて、ワックスとしてパラフィンワックスを8重量%、樹脂成分としてポリカプロラクトンを7重量%及び耐熱性向上剤等の添加剤を2重量%を混合攪拌して均一に混練し、接着層混合物を生成した。かかる接着層混合物をコータにより前記着色層上に塗布し、接着層を形成した。これにより実施例3に係るインクリボンを得た。
前記のように生成した実施例3のインクリボン9について、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC:TA Instruments社製Q200)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図7に示されている。図7に示すように、ガラス転移点は74.3℃、凝固点は89.4℃、融点は97.0℃であった。そして、融点と凝固点との差は7.6℃であり、また、融点とガラス転移点との差は22.8℃であった。
前記実施例3に係るインクリボン9を内蔵したテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、テープ送りモータ47、接合ローラ14及び巻取りスプール11による搬送速度が10mm/秒〜80mm/秒で、且つ、印字エネルギー20mJ/mm〜45mJ/mmでサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)は発生せず、また、印字テープ7に対する印字像の逆転写も発生することはなく、良好な印字像が印字テープ7上に形成された。
感熱印字層の凝固点を89℃以上にしたことにより、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固し、これにより特に低速印字時にサーマルヘッド15から高い印字エネルギーが付与される場合においても、感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
また、感熱印字層の融点と凝固点との差を7.6℃以下とすることにより、インクリボン9の感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間を短くすることができ、印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
前記したように、印字層の融点と凝固点との差を7.6℃以下とするとともに、感熱印字層の凝固点を89℃以上にすることにより、印字像がインクリボン9側に逆転写されることを確実に防止することができるものである。
更に、前記実施例1の場合と同様、実施例3に係るインクリボン9の感熱印字層では、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差を23℃以下にすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が小さくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合においても、感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字されることが防止されたものと考えられる。
[比較例7]
比較例7のインクリボン9は、比較例1の場合と同様、着色層におけるワックスの含有量を40重量%、樹脂を16重量%とした点以外は、前記実施例3のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例7のインクリボン9について、前記実施例3の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図7に示されている。図7に示すように、ガラス転移点は65.3℃、凝固点は80.7℃、融点は89.7℃であった。そして、融点と凝固点との差は8.9℃であり、また、融点とガラス転移点との差は24.4℃であった。
前記比較例7に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例3の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生し、また、インクリボン9に対する印字像の逆転写も発生した。
感熱印字層の凝固点は80.7℃と89℃よりも低く、これにより比較的低い温度にならなければ感熱印字層が凝固せず、これにより特に低速印字時にサーマルヘッドから高い印字エネルギーが付与される場合においては、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写してしまったものと考えられる。
また、感熱印字層の融点と凝固点との差が8.9℃であり、7.6℃を超える場合には、インクリボン9の感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間が長くなってしまい、この結果、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写されてしまったものと考えられる。
更に、比較例1の場合と同様、比較例7に係るインクリボン9の感熱印字層では、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以上であり、かかる場合には、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
[比較例8]
比較例8のインクリボン9は、比較例2の場合と同様、着色層におけるワックスの含有量を34重量%、樹脂を22重量%とした点以外は、前記実施例3のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例8のインクリボン9について、前記実施例3の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図7に示されている。図7に示すように、ガラス転移点は64.6℃、凝固点は79.5℃、融点は88.5℃であった。そして、融点と凝固点との差は8.9℃であり、また、融点とガラス転移点との差は23.8℃であった。
前記比較例8に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例3の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生し、また、インクリボン9に対する印字像の逆転写も発生した。
感熱印字層の凝固点は79.5℃と89℃よりも低く、これにより比較例2の場合と同様、比較的低い温度にならなければ感熱印字層が凝固せず、特に低速印字時にサーマルヘッドから高い印字エネルギーが付与される場合においては、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写されてしまったものと考えられる。
また、感熱印字層の融点と凝固点との差が8.9℃であり、7.6℃を超える場合には、インクリボン9の感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間が長くなってしまい、この結果、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写されてしまったものと考えられる。
更に、比較例2の場合と同様、比較例8に係るインクリボン9の感熱印字層では、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以上であり、かかる場合には、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
[比較例9]
比較例9のインクリボン9は、比較例3の場合と同様、着色層におけるワックスの含有量を33重量%、樹脂を23重量%とした点以外は、前記実施例3のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例9のインクリボン9について、前記実施例3の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図7に示されている。図7に示すように、ガラス転移点は68.9℃、凝固点は90.2℃、融点は96.3℃であった。そして、融点と凝固点との差は、6.1℃であり、また、融点とガラス転移点との差は27.4℃であった。
前記比較例9に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例3の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生したものの、インクリボン9に対する印字像の逆転写は発生しなかった。
感熱印字層の凝固点は90.2℃と89℃以上であり、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固し、これにより特に低速印字時にサーマルヘッド15から高い印字エネルギーが付与される場合においても、感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
また、感熱印字層の融点と凝固点との差が6.1℃であり、融点と凝固点との差を7.6℃以下とすることにより、インクリボン9の感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間を短くすることができ、印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
これに対して、比較例3の場合と同様、比較例9に係るインクリボン9の感熱印字層では、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以上であり、かかる場合には、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する融点との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
[実施例4]
図4において、実施例4では、前記実施例1〜3の場合と同様、顔料としてカーボンブラックを17重量%、ワックスとしてパラフィンワックスを36重量%、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を20重量%及び分散剤等の添加剤を10重量%混合攪拌して均一に混練して着色層混合物を生成した。かかる着色層混合物をコータによりポリエチレンテレフタレートからなるベースフィルム上に塗布形成してベースフィルム上に着色層を形成した。着色層の厚さは、2μmであった。
続いて、ワックスとしてパラフィンワックスを8重量%、樹脂成分としてポリカプロラクトンを7重量%及び耐熱性向上剤等の添加剤を2重量%を混合攪拌して均一に混練し、接着層混合物を生成した。かかる接着層混合物をコータにより前記着色層上に塗布し、接着層を形成した。これにより実施例4に係るインクリボンを得た。
前記のように生成した実施例4のインクリボン9について、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC:TA Instruments社製Q200)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図8に示されている。図8に示すように、ガラス転移点は74.3℃、凝固点は89.4℃、融点は97.0℃、融解エネルギーは33.0J/gであった。そして、融点と凝固点との差は7.6℃であり、また、融解エネルギーをガラス転移点の温度で除した値は0.44であった。
前記実施例4に係るインクリボン9を内蔵したテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、テープ送りモータ47、接合ローラ14及び巻取りスプール11による搬送速度が10mm/秒〜80mm/秒で、且つ、印字エネルギー20mJ/mm〜45mJ/mmでサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)は発生せず、また、印字テープ7に対する印字像の逆転写も発生することはなく、良好な印字像が印字テープ7上に形成された。
感熱印字層の凝固点を89℃以上にしたことにより、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固し、これにより特に低速印字時にサーマルヘッド15から高い印字エネルギーが付与される場合においても、感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
また、感熱印字層の融点と凝固点との差を7.6℃以下とすることにより、インクリボン9の感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間を短くすることができ、印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
前記したように、印字層の融点と凝固点との差を7.6℃以下とするとともに、感熱印字層の凝固点を89℃以上にすることにより、印字像がインクリボン9側に逆転写されることを確実に防止することができるものである。
更に、前記実施例2の場合と同様、実施例4係るインクリボン9の感熱印字層では、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値を0.44以下とすることにより、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が小さくなり、これによりサーマルヘッドの印字エネルギーが低い領域において感度良く感熱印字層を軟化、溶融して、印字像が掠れて印字テープ上に印字されることが防止されたものと考えられる。
ここに、インクリボンの感度はガラス転移点が低くなる程、又は、融解エネルギーが低くなる程良好となる。このため、融解エネルギーをガラス転移点で除した値はガラス転移点と融解エネルギーの大きさの感度の臨界値を示した値となりうる。
[比較例10]
比較例10のインクリボン9は、比較例1の場合と同様、着色層におけるワックスの含有量を40重量%、樹脂を16重量%とした点以外は、前記実施例3のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例10のインクリボン9について、前記実施例4の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図8に示されている。図8に示すように、ガラス転移点は65.3℃、凝固点は80.7℃、融点は89.7℃、融解エネルギーは37.3J/gであった。そして、融点と凝固点との差は8.9℃であり、また、融解エネルギーをガラス転移点で除した値は0.57であった。
前記比較例10に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例4の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生し、また、インクリボン9に対する印字像の逆転写も発生した。
感熱印字層の凝固点は80.7℃と89℃よりも低く、これにより比較的低い温度にならなければ感熱印字層が凝固せず、これにより特に低速印字時にサーマルヘッドから高い印字エネルギーが付与される場合においては、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写してしまったものと考えられる。
また、感熱印字層の融点と凝固点との差が8.9℃であり、7.6℃を超える場合には、インクリボン9の感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間が長くなってしまい、この結果、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写されてしまったものと考えられる。
更に、比較例1の場合と同様、比較例10に係るインクリボン9の感熱印字層のように、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44を超える場合には、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
[比較例11]
比較例11のインクリボン9は、比較例2の場合と同様、着色層におけるワックスの含有量を34重量%、樹脂を22重量%とした点以外は、前記実施例3のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例11のインクリボン9について、前記実施例4の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図8に示されている。図8に示すように、ガラス転移点は64.6℃、凝固点は79.5℃、融点は88.5℃、融解エネルギーは30.1J/gであった。そして、融点と凝固点との差は8.9℃であり、また、融解エネルギーをガラス転移点で除した値は0.47であった。
前記比較例11に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例4の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生し、また、インクリボン9に対する印字像の逆転写も発生した。
感熱印字層の凝固点は79.5℃と89℃よりも低く、これにより比較例2の場合と同様、比較的低い温度にならなければ感熱印字層が凝固せず、特に低速印字時にサーマルヘッドから高い印字エネルギーが付与される場合においては、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写されてしまったものと考えられる。
また、感熱印字層の融点と凝固点との差が8.9℃であり、7.6℃を超える場合には、インクリボン9の感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間が長くなってしまい、この結果、感熱印字層が軟化、溶融している時間が長くなることに起因して、印字像がインクリボン9側に逆転写されてしまったものと考えられる。
更に、比較例2の場合と同様、比較例11に係るインクリボン9の感熱印字層のように、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44を超える場合には、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
[比較例12]
比較例12のインクリボン9は、比較例3の場合と同様、着色層におけるワックスの含有量を33重量%、樹脂を23重量%とした点以外は、前記実施例4のインクリボンと同様の方法で生成された。
前記のように生成した比較例12のインクリボン9について、前記実施例4の場合と同様に、着色層と接着層とを感熱印字層として差動熱量計(DSC)によりガラス転移点、凝固点、融点を測定した。その測定結果が図8に示されている。図8に示すように、ガラス転移点は68.9℃、凝固点は90.2℃、融点は96.3℃、融解エネルギーは48.4J/gであった。そして、融点と凝固点との差は、6.1℃であり、また、融解エネルギーをガラス転移点で除した値は0.70であった。
前記比較例12に係るインクリボン9を内蔵するテープカセットCSをテープ印字装置1に装着し、前記実施例4の場合と同一の搬送速度、印字エネルギーの条件でサーマルヘッド15を発熱駆動して印字テープ7上に形成された印字像の評価を行ったところ、印字テープ7上に形成された印字像の掠れ(カスレ)が発生したものの、インクリボン9に対する印字像の逆転写は発生しなかった。
感熱印字層の凝固点は90.2℃と89℃以上であり、89℃以上の高温であっても感熱印字層が凝固し、これにより特に低速印字時にサーマルヘッド15から高い印字エネルギーが付与される場合においても、感熱印字層が軟化、溶融している時間を短くして印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
また、感熱印字層の融点と凝固点との差が6.1℃であり、融点と凝固点との差を7.6℃以下とすることにより、インクリボン9の感熱印字層が溶融した後固化するまでの時間を短くすることができ、印字像がインクリボン9側に逆転写されることが防止されたものと考えられる。
これに対して、比較例3の場合と同様、比較例12に係るインクリボン9の感熱印字のように、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44を超える場合には、感熱印字層がガラス転移点で軟化する温度と感熱印字層が溶融する溶融温度との差が大きくなり、これにより特に高速印字時にサーマルヘッド15から低い印字エネルギーしか付与されない場合には、感度良く感熱印字層を軟化、溶融することができず、印字像が掠れて印字されたものと考えられる。
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、前記実施形態に係るテープ印字装置1では、サーマルヘッド15を固定的に配設し、印字テープ7とインクリボン9とを重ねた状態で搬送するように構成されているが、本発明はこれに限定されることはなく、文字等の印字時に印字テープ7とインクリボン9とを移動させることなく、サーマルヘッド15を移動させる、所謂、シリアル印字タイプのテープ印字装置においても実現することが可能である。
また、前記実施形態に係るテープカセットCSは、印字テープ7上に印字像を形成した後、印字テープ7の印字像が形成された面に両面テープ12をラミネートするラミネートタイプのテープカセットであるが、これに限定されることなく、本発明は、例えば、両面粘着テープ12を内蔵することなく印字テープ7上に印字像を形成するだけの、所謂、ノンラミネートタイプのテープカセットに対しても適用することが可能である。
更に、前記実施形態にて説明したテープ印字装置1では、サーマルヘッド15による印字エネルギーを20mJ/mm〜45mJ/mmの範囲で制御し、且つ、テープ送りモータ47等による印字テープ7及びインクリボン9の搬送速度を10mm/秒〜80mm/秒の範囲で制御しているが、かかる態様に限定されることなく、本発明は、例えば、複数のテープ印字装置1のそれぞれにおいて、前記印字エネルギー範囲内及び搬送速度範囲内で相互に異なる印字エネルギー及び搬送速度を固定的に設定する場合においても、適用することが可能である。
1 テープ印字装置
7 印字テープ
9 インクリボン
15 サーマルヘッド
11 巻取りスプール
14 接合ローラ
47 テープ送りモータ
CS テープカセット

Claims (8)

  1. サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、
    印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されるとともに、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるテープカセットにおいて、
    前記インクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、
    前記感熱印字層の凝固点は89℃以上であり、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以下であることを特徴とするテープカセット。
  2. サーマルヘッドと、
    印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されたテープカセットと、
    前記テープカセットにおける印字テープスプール及びリボンスプールから印字テープ及びインクリボンをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、
    前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成するテープ印字装置において、
    前記テープカセットに内蔵されたインクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、
    前記感熱印字層の凝固点は89℃以上であり、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以下であることを特徴とするテープ印字装置。
  3. サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、
    印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されるとともに、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるテープカセットにおいて、
    前記インクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、
    前記感熱印字層の凝固点は89℃以上であり、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44以下であることを特徴とするテープカセット。
  4. サーマルヘッドと、
    印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されたテープカセットと、
    前記テープカセットにおける印字テープスプール及びリボンスプールから印字テープ及びインクリボンをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、
    前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成するテープ印字装置において、
    前記テープカセットに内蔵されたインクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、
    前記感熱印字層の凝固点は89℃以上であり、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44以下であることを特徴とするテープ印字装置。
  5. サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、
    印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されるとともに、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるテープカセットにおいて、
    前記インクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、
    前記感熱印字層の融点と感熱印字層の凝固点との差が7.6℃以下であり、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以下であることを特徴とするテープカセット。
  6. サーマルヘッドと、
    印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されたテープカセットと、
    前記テープカセットにおける印字テープスプール及びリボンスプールから印字テープ及びインクリボンをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、
    前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成するテープ印字装置において、
    前記テープカセットに内蔵されたインクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、
    前記感熱印字層の融点と感熱印字層の凝固点との差が7.6℃以下であり、感熱印字層の融点と感熱印字層のガラス転移点との差が23℃以下であることを特徴とするテープ印字装置。
  7. サーマルヘッドにより印字テープに印字を行うテープ印字装置に使用されるテープカセットであって、
    印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されるとともに、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して印字テープに文字等の印字像が形成されるテープカセットにおいて、
    前記インクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、
    前記感熱印字層の融点と感熱印字層の凝固点との差が7.6℃以下であり、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44以下であることを特徴とするテープカセット。
  8. サーマルヘッドと、
    印字テープが巻回された印字テープスプール及びインクリボンが巻回されたリボンスプールが内蔵されたテープカセットと、
    前記テープカセットにおける印字テープスプール及びリボンスプールから印字テープ及びインクリボンをそれぞれ引き出して搬送する搬送機構とを備え、
    前記搬送機構により搬送された印字テープ上に、前記サーマルヘッドによりインクリボンを介して文字等の印字像を形成するテープ印字装置において、
    前記テープカセットに内蔵されたインクリボンは、ベースフィルム上に、ワックス及び顔料を含有する着色層と着色層上に塗布形成された接着層とからなる感熱印字層が形成されてなり、
    前記感熱印字層の融点と感熱印字層の凝固点との差が7.6℃以下であり、感熱印字層の融解エネルギーを感熱印字層のガラス転移点で除した値が0.44以下であることを特徴とするテープ印字装置。
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