JP5636159B2 - 樹脂付銅箔および樹脂付銅箔の製造方法 - Google Patents

樹脂付銅箔および樹脂付銅箔の製造方法 Download PDF

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本件発明は、プリント配線板材料として用いる樹脂付銅箔および樹脂付銅箔の製造方法に関する。
樹脂付銅箔は、導体としての銅箔に、絶縁層としての樹脂層が積層配置されたもので、ビルドアップ工法で製造した多層プリント配線板(以下、単に「ビルドアッププリント配線板」と称する場合がある。)の製造分野等、各種目的で用いられてきた。例えば、ビルドアッププリント配線板の製造においては、内層コア材に張り合わせた樹脂付銅箔の樹脂層で形成した絶縁層を、レーザー加工等で孔明加工しビアホール孔を形成し、このビアホール孔の内周壁面に層間導通めっきを施した後、外層銅箔の表面をパターンエッチングし外層回路を形成する。そして、パターンエッチング加工後の外層回路の表面に樹脂付銅箔を更に積層し、同様の外層回路形成を繰り返してビルドアッププリント配線板が製造される。
近年、プリント配線回路は、回路の微細化、電子部品の高密度実装化が進み、プリント配線板には、高周波特性を考慮した回路のエッチングファクター、実装密度を向上させるための回路位置精度が求められる。特に、繰り返し積層の行われるビルドアッププリント配線板においては、銅箔をエッチングして形成される回路が微細化する程、層間での導体回路の位置精度の問題が生じる。例えば、プリント配線板の加工時の熱履歴により、層間での位置ズレを起こすと、スタッキングビアホールのスタック位置がずれ、良好な層間導通状態が得られなくなる。この結果、ビルドアッププリント配線板材料として樹脂付銅箔を用いる場合においても、良好なエッチング性能を確保するために銅箔層を薄くして、且つ、優れた寸法安定性を備える樹脂層を備えるものが要求されてきた。
この要求に応えるため、例えば、特許文献1には、樹脂層にシリカ等の無機充填剤を添加して、熱膨張係数を引き下げて、プリント配線板製品の寸法安定性を向上させる製品が開示されている。この特許文献1においては、その他にも、熱膨張係数を低減するために、ビスマレイミド系樹脂やシアノエステル系樹脂等、ガラス転移温度が高い樹脂が多用されている。ところが、特許文献1に開示の樹脂付銅箔の樹脂層形成に用いる樹脂材料のように、樹脂に無機充填材を分散混合させると、樹脂層としての熱膨張係数の低減ができ、ビルドアッププリント配線板の層間での回路位置の関係は良好となっても、硬化後の樹脂層が脆くなる傾向があり、銅箔で形成した回路と樹脂層との接着安定性が低下する。そのため、樹脂付銅箔において、銅箔と樹脂層との密着性を高めるために、樹脂層と張り合わせる側の銅箔表面に、微細金属粒を付着形成させたり、エッチング法で粗化表面を形成する等の粗化処理を施した銅箔を使用し、張り合わせ時にアンカー効果を発揮させてきた。
特開2005−322682号公報 特開平11−10794号公報
しかしながら、特許文献1で使用する粗化した銅箔の表面に、絶縁層を張り合わせて、銅箔層をエッチング加工する場合には、粗化形状をエッチング除去するためのオーバーエッチング時間を確保する必要があるため、エッチングファクターに優れたファインピッチ回路形成が困難になるという問題がある。
一方、回路のエッチングファクターのみに着目し、ファインピッチ回路の形成にこだわるとすれば、例えば、特許文献2に開示しているように、粗化銅箔を用いた場合に匹敵する引剥がし強さと、エッチング処理後に銅粒子が樹脂中に残らない回路形成に優れた銅張積層板用銅箔の提供を目的として、無粗化銅箔に2層以上の接着層を設ける銅張積層板用銅箔がある。ところが、特許文献2に開示した内容から把握できる2層以上の接着層を設けた無粗化銅箔では、無粗化銅箔と樹脂層との接着安定性に欠け、半田耐熱性、耐熱衝撃性等の諸特性が、近年の回路のファインピッチ化に対応可能なレベルではなく、特許文献1に開示の樹脂付銅箔と同等の熱膨張性能を得ることが出来ず、ビルドアッププリント配線板の寸法安定性を改善できるものにはならなかった。
以上のことから、ビルドアッププリント配線板の寸法安定性の改善が可能で、且つ、ファインピッチ回路の形成が可能な樹脂付銅箔が望まれてきた。
そこで、本件発明者は、鋭意研究を行った結果、以下の樹脂付銅箔及び樹脂付銅箔の製造方法を採用した。本件発明に係る樹脂付銅箔は、熱膨張係数が低い樹脂層を備え、プリント配線板に加工したときの寸法安定性に優れる。また、以下に述べる本件発明に係る樹脂付銅箔は、低粗度の無粗化銅箔を使用しても樹脂層との密着安定性に優れ、高密度プリント配線板材料として好適なものになる。以下、本件発明の概要に関して説明する。
樹脂付銅箔: 本件発明に係る樹脂付銅箔は、銅箔の表面に硬化樹脂層と半硬化樹脂層とを順次形成した樹脂付銅箔であって、前記硬化樹脂層と接する側の銅箔の表面粗さ(Rzjis)が0.5μm〜2.5μmであり、当該銅箔の表面に、50wt%〜99wt%のニッケルと、50wt%〜1wt%の亜鉛とを含有するニッケル−亜鉛合金による防錆処理層を備え、前記硬化樹脂層は、熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃のポリアミドイミド樹脂で構成され、前記硬化樹脂層上に、硬化した後の熱膨張係数が0ppm/℃〜50ppm/℃の半硬化樹脂層を備え、当該硬化樹脂層の熱膨張係数と、硬化した後の半硬化樹脂層の熱膨張係数との差が50ppm/℃以下であることを特徴とする。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、より好ましくは、前記銅箔の表面に形成した硬化樹脂層と半硬化樹脂層とが硬化した後の樹脂層全体の熱膨張係数が40ppm/℃以下である。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、より好ましくは、前記硬化樹脂層は、ガラス転移温度が300℃以上である。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、より好ましくは、前記半硬化樹脂層は、マレイミド系樹脂を用いて形成したものである。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、より好ましくは、前記マレイミド系樹脂は、分子内に2個以上のマレイミド基を有する芳香族マレイミド樹脂である。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、より好ましくは、前記マレイミド系樹脂は、分子内に2個以上のマレイミド基を有する芳香族マレイミド樹脂と芳香族ポリアミンとを重合させた重合付加物である。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、より好ましくは、前記半硬化樹脂層は、当該半硬化樹脂層を100重量部としたとき、マレイミド系樹脂を20重量部〜70重量部含有するものである。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、より好ましくは、前記硬化樹脂層は、厚さが3μm〜30μmである。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、より好ましくは、前記半硬化樹脂層は、厚さが7μm〜55μmである。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、より好ましくは、前記硬化樹脂層と前記半硬化樹脂層との合計厚さが10μm〜60μmである。
本件発明に係る樹脂付銅箔では、前記銅箔は、無粗化銅箔を用いることがより好ましい。
樹脂付銅箔の製造方法:上述の樹脂付銅箔の製造方法であって、以下の工程A及び工程Bを経ることを特徴とする。
工程A: 表面粗さ(Rzjis)が0.5μm〜2.5μmであり、且つ、表面に50wt%〜99wt%のニッケルと50wt%〜1wt%の亜鉛とを含有するニッケル−亜鉛合金による防錆処理層を形成した銅箔の表面に、熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃のポリアミドイミド樹脂を用いて硬化樹脂層を形成する。
工程B:前記硬化樹脂層上に、硬化した後の熱膨張係数が0ppm/℃〜50ppm/℃の半硬化樹脂層を設けることで樹脂付銅箔を得る。
本件発明に係る樹脂付銅箔の製造方法では、より好ましくは、前記工程Aにおいて、表面粗さ(Rzjis)が0.5μm〜2.5μmの銅箔の表面に、熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃のポリアミドイミド樹脂を用いた硬化樹脂層を形成するに際してキャスティング法またはラミネート法を用いるものである。
本件発明に係る樹脂付銅箔の製造方法では、より好ましくは、前記工程Bにおいて、当該半硬化樹脂層を形成するために用いるマレイミド系樹脂を含有する樹脂組成物量を100重量部としたとき、マレイミド系樹脂を20重量部〜70重量部含有する樹脂組成物を用いるものである。
本件発明に係る樹脂付銅箔の製造方法では、より好ましくは、前記工程Aと工程Bとの間に、硬化樹脂層の表面をプラズマ処理又はコロナ処理する表面改質工程を設ける。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、金属箔と樹脂層との間の密着性に優れた樹脂層を備えるため、プリント配線板に加工した後の銅箔(回路)と硬化した樹脂層との密着安定性に優れる。また、本件発明に係る樹脂付銅箔を用いたビルドアッププリント配線板は、当該樹脂付銅箔の硬化した後の樹脂層の熱膨張係数が小さいため、プリント配線板への加工時の熱履歴に対し、良好な寸法安定性を維持できる。このとき、硬化した後の半硬化樹脂層の熱膨張係数と、硬化樹脂層との熱膨張係数との差を抑えることにより、硬化後の樹脂層全体が受ける熱に対する収縮挙動の乖離による層間剥離等が生じることを防ぐことができる。そして、本件発明に係る樹脂付銅箔は、銅箔の樹脂層側の表面に粗化処理を施さずとも、銅箔と樹脂層との間での良好な密着性が得られ、プリント配線板に加工した以降も、樹脂付銅箔を構成する銅箔と硬化した樹脂層との間で良好な密着安定性を示す。
また、本件発明に係る樹脂付銅箔は、樹脂層を硬化樹脂層と半硬化樹脂層とで構成するため、銅箔単体ではハンドリング不能な厚さのものであっても、硬い硬化樹脂層が存在することで、ハンドリング時に銅箔のシワ、折れ等の損傷が生じるのを効果的に防止でき取り扱い性に優れるものである。更に、本件発明に係る樹脂付銅箔は、無粗化の銅箔の使用も可能であるため、ファインピッチ回路の形成用として好適である。しかも、本件発明に係る樹脂付銅箔は、その樹脂層が硬化した後には、低い熱膨張係数を備えるため、ビルドアッププリント配線板の層間回路間の位置精度を向上させ、容易に回路の高密度化が可能になる。
そして、本件発明に係る樹脂付銅箔の製造方法は、銅箔、硬化樹脂層、半硬化樹脂層を積層する際、特段の特殊設備を要するものではなく、新たな設備投資を行うことなく、優れた樹脂付銅箔の製造が可能である。
以下、本件発明に係る樹脂付銅箔及び樹脂付銅箔の製造方法に関し、最良の実施形態を順に説明する。
樹脂付銅箔:本件発明に係る樹脂付銅箔は、銅箔の表面に硬化樹脂層と半硬化樹脂層とを順次積層した状態で形成された樹脂付銅箔である。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、銅箔として、硬化樹脂層と接する側の表面粗さ(Rzjis)が0.5μm〜2.5μmと、極めて低粗度の銅箔又は無粗化銅箔を使用する点が特徴の一つである。更には、本件発明に係る樹脂付銅箔は、硬化樹脂層と接する側の表面粗さが0.5μm〜2.0μmの銅箔を使用することも可能であり、近年求められている銅箔のロープロファイル化に対応することができるのである。従来は、樹脂層と銅箔との密着性を向上させるために、銅箔の表面に粗化処理を施していた。ところが、本件発明に係る樹脂付銅箔は、銅箔に粗化処理を施さずとも、銅箔と樹脂層との良好な密着性を備える。すなわち、本件発明に係る樹脂付銅箔では、銅箔表面に硬化樹脂層を積層配置しているが、この硬化樹脂層を積層配置する側の銅箔の表面が低粗度であっても、硬化樹脂層との密着性に優れる。特に、本件発明に係る樹脂付銅箔を構成する銅箔として無粗化銅箔を用いると、銅箔としての製造コストを削減できるだけでなく、銅箔としてのロープロファイル化を図ることができる。そして、導体回路形成時のエッチングが均一に行われ、且つ、オーバーエッチング時間を長く設ける必要が無くなるため、エッチングファクターが良好なファインピッチ回路の形成が容易になる。なお、銅箔の厚さは特に限定されないが、電解銅箔を使用する場合は、厚さ7μm〜18μmが好ましい。また、5μm以下の銅箔を使用する場合にはキャリア付銅箔を用いることが好ましい。
本明細書において、「硬化樹脂層」とは、加熱により再流動化しない程度の樹脂で構成した層である。言い換えれば、少なくとも、半硬化樹脂(Bステージの樹脂)よりも硬化度が高く、再流動化する程度の加熱を受けても、実質的に再流動化しない程度に硬化した樹脂で形成された樹脂層のことである。
そして、この硬化樹脂層は、硬化後の熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃の樹脂で構成されることが好ましい。硬化樹脂層の熱膨張係数が25ppm/℃を超える場合には、樹脂付銅箔に加工して、ビルドアップ成形に用いると、硬化樹脂層に顕著な熱膨張が起こり、硬化樹脂層よりも熱膨張の小さな銅箔との界面での密着性が低下し、プリント配線板製造プロセスの熱履歴又は熱衝撃による膨張収縮挙動による回路剥離を防止できなくなると共に、得られるビルドアッププリント配線板の寸法精度が得られにくくなる。一方、硬化樹脂層の熱膨張係数が低い程、樹脂付銅箔を用いたビルドアッププリント配線板の寸法精度が良好となるので、熱膨張係数の下限値は0ppm/℃とする。なお、当該硬化樹脂層の熱膨張係数は、ポリアミドイミド樹脂の原料である酸成分やアミン成分、イソシアネート成分の選択や組み合わせ、及び付加反応の際の分子量の調整により、0ppm/℃〜25ppm/℃に調整できる。なお、上記熱膨張係数は、20ppm/℃以下がより好ましい。
そして、樹脂成分は、このような熱膨張係数を備え、電気及び電子材料用途において、十分な絶縁性を発揮するものであれば、本件発明の樹脂付銅箔に使用可能である。しかし、このような熱膨張係数を備える樹脂の中でも、ポリアミドイミド樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂は、極めて良好な電気的絶縁性能、機械的強度、可撓性能を備え、電子材料用途に好適なものである。従って、この硬化樹脂層が、銅箔の支持層として機能するため、使用した銅箔層が薄くハンドリング性に欠けるものであっても、樹脂付銅箔としてみれば良好なハンドリング性能が得られる。ここで、硬化樹脂層は、熱膨張係数が上記範囲に含まれ、且つ、適度な流動性の調整を要する場合には、必要量のマレイミド系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、シアノエステル樹脂等を添加しても良い。
ここで、ポリアミドイミド樹脂は、無水トリメリット酸等の、分子内にカルボキシル基とカルボン酸無水物の両者を併せ持つ化合物と、メチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物を反応させることにより得られるものである。
更に、当該硬化樹脂層は、ガラス転移温度が300℃以上のものを使用することが、半田耐熱性、耐熱衝撃性、高温耐久性等の種々のプリント配線板に要求される耐熱特性を改善するという観点から好ましい。この硬化樹脂層のガラス転移温度が300℃未満の場合には、樹脂付銅箔の製造過程、ビルドアッププリント配線板の製造過程において負荷される半田リフローによる熱衝撃、プレス加工による高温加熱等の温度で、「銅箔又は回路」と「硬化樹脂層」との界面での剥離現象が起こり、デラミネーション、回路剥離の危険性が高くなるため好ましくない。
以上に述べてきた硬化樹脂層の好適な厚さは、3μm〜30μmである。硬化樹脂層の厚さが3μm未満の場合には、ビルドアップ工法で製造した多層プリント配線板の寸法安定性を改善する効果が十分に得られなくなるため好ましくない。一方、硬化樹脂層の厚さが30μmを超える場合には、硬化樹脂層を銅箔上に形成する工程において、樹脂組成物の塗布して乾燥する際の加熱により、カールと呼ばれる変形が強く発生し、硬化樹脂層側に巻き込んだ状態となるため、樹脂付銅箔としてのハンドリング性が低下し、自動パイリング装置を用いての自動レイアップが出来なくなるため好ましくない。そして、硬化樹脂層の厚さは、5μm〜30μmとすることがより好ましい。本件明細書において、「厚さ」とは、銅箔の表面が完全な平面と仮定して、そこに一定の量の樹脂を塗布して得られる樹脂皮膜の算出厚さのことである。
以上に述べてきたポリアミドイミド樹脂を用いる硬化樹脂層は、無粗化銅箔とも優れた密着性を有し、且つ、一般的に樹脂付銅箔の樹脂層として用いられているエポキシ樹脂系の樹脂組成物と比べ、大幅に低い熱膨張係数を示す。しかしながら、このような硬化樹脂層は、高い耐熱性を有し再流動化しないため、ビルドアップ工法のプレス成形によって、内層コア材の表面にある内層回路の回路間ギャップに樹脂を埋め込もうとしても、回路間ギャップの樹脂埋め込みが困難な硬化状態にある。そこで、本件発明では、この硬化樹脂層の上に、半硬化樹脂層を更に積層配置して、内層回路の回路間ギャップの樹脂埋め込みが可能となるようにしている。
この半硬化樹脂層は、硬化樹脂層上に設けられる樹脂層であり、加熱により再流動化し、硬化反応を起こす熱硬化性樹脂により形成される。そして、当該半硬化樹脂層は、硬化後の熱膨張係数が0ppm/℃〜50ppm/℃であることが好ましい。硬化後の熱膨張係数をこのような範囲とすることにより、硬化樹脂層の熱膨張係数との差を抑え、硬化後の樹脂層全体が受ける熱に対する収縮挙動の乖離による層間剥離等が生じることを防ぐことができる。なお、半硬化樹脂層の硬化後の熱膨張係数のより好ましい範囲は0ppm/℃〜30ppm/℃である。
そして、硬化樹脂層と半硬化樹脂層とからなる樹脂層全体が硬化した後の熱膨張係数は40ppm/℃以下とすることが好ましい。硬化後の樹脂層全体の熱膨張係数を40ppm/℃以下と低く抑えることにより、プリント配線板製品の寸法安定性を向上させることができる。
このような半硬化樹脂層は、マレイミド系樹脂を用いて形成することが好ましい。マレイミド系樹脂は、硬化する前には高い流動性を示すが、硬化後においては優れた耐熱性及び低い熱膨張係数を備える。また、エポキシ樹脂と比較しても、マレイミド系樹脂の方が熱膨張係数が低くなる。しかし、このマレイミド系樹脂は、一旦硬化すると、硬くて脆いという特性を示すため、銅箔等の金属箔に対する密着力が低くなり、無粗化銅箔と組み合わせて使用しても、実用的な密着強度は得られない。そのため、マレイミド系樹脂で形成した半硬化樹脂層は、上述の硬化樹脂層と組み合わせて、初めて樹脂付銅箔の樹脂層の形成に用いることができるものである。
ここで言うマレイミド系樹脂は、分子内に2個以上のマレイミド基を有する芳香族マレイミド樹脂の使用が好ましい。そして、マレイミド系樹脂は、上記芳香族マレイミド樹脂をそのまま使用してもよいが、分子内に2個以上のマレイミド基を有する芳香族マレイミド樹脂と芳香族ポリアミンとを重合させた重合付加物として用いてもよい。このときに、芳香族ポリアミンは、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用するので、マレイミド樹脂とエポキシ樹脂とを併用する際には、芳香族ポリアミンの添加は、両者を架橋させる手段として有用である。これらに関しては、以下の製造方法の中で詳細に述べる。
そして、当該半硬化樹脂層は、形成された半硬化樹脂層を100重量部としたとき、マレイミド系樹脂を20重量部〜70重量部含有するものが好ましい。マレイミド系樹脂をこの範囲の含有量で配合することにより、熱膨張係数を低下させる作用と、樹脂の脆さを抑制する働きを両立させることが可能になる。ここで、マレイミド系樹脂の含有量が20重量部未満の場合には、硬化後の半硬化樹脂層の熱膨張係数を低下させる効果が得られないため好ましくない。一方、マレイミド系樹脂の含有量が70重量部を超えると、半硬化樹脂層が硬化すると脆い樹脂層になり、当該樹脂層にクラックが生じやすくなり、プリント配線板の絶縁層としての信頼性が低下するため好ましくない。
そして、ここで言う半硬化樹脂層の好適な厚さは、7μm〜55μmである。当該半硬化樹脂層の厚さが7μm未満の場合には、内層コア材の表面にある内層回路の回路間ギャップに樹脂を埋め込もうとしても、回路間ギャップの樹脂埋め込みが困難になる。一方、半硬化樹脂の厚さが55μmを超える場合には、ビルドアップ工法によるプレス加工時で硬化した樹脂付銅箔の樹脂層の厚さのバラツキが大きくなり、プリント配線板の面内における厚さバラツキを助長するようになるため好ましくない。なお、半硬化樹脂層の厚さは、15μm〜55μmとすることがより好ましい。
更に、本件発明に係る樹脂付銅箔において、硬化樹脂層と半硬化樹脂層との厚さの合計は、10μm〜60μmであることが好ましい。この樹脂付銅箔の樹脂層の合計厚さが10μm未満の場合には、上述の硬化樹脂層の厚さが厚くなり、半硬化樹脂層の厚さが適正な範囲より薄くなる。その結果、内層回路の埋め込みが困難となり、実用に適さない樹脂付銅箔となる。一方、近年、ビアホールは、レーザー加工により直径50μm程度のものが形成されている。このことを考慮すると、本件発明に係る樹脂付銅箔の硬化樹脂層と半硬化樹脂層との厚さの合計が60μmを上回ると、レーザー加工による孔形状を良好な状態にすることや、ビアホール孔の内周壁面を滑らかな表面状態にすることが困難となる。その結果、ビアホール形成後の層間導通めっき処理で問題となるため好ましくない。なお、硬化樹脂層と半硬化樹脂層との合計厚さは、20μm〜60μmとすることがより好ましい。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、内層コア材への張り合わせを可能にする半硬化樹脂層を備え、更に、硬化樹脂層を備えることにより熱膨張性を抑制し、ビルドアップ工法に好適なものである。このように樹脂付銅箔の樹脂層を、当該硬化樹脂層と当該半硬化樹脂層とで構成すれば、この硬化樹脂層と半硬化樹脂層との界面では、樹脂組成という観点から見ると相互の樹脂組成が相溶した層が存在することになり、両樹脂層の界面における密着性を確保し、積層後の加工プロセスにおいて受ける熱履歴や熱衝撃による寸法変化を抑制できる。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、プリント配線板用途に限らず、硬化樹脂層を誘電体層とするキャパシタ回路形成材としても使用できる。例えば、本件発明に係る樹脂付銅箔を銅回路パターンに積層し、熱間プレスすることにより、銅回路パターン間に半硬化樹脂層が位置するように樹脂付銅箔を押し込み、硬化樹脂層を銅回路パターンに突き当てることにより、硬化樹脂層を誘電体層とすることができる。
樹脂付銅箔の製造方法: 以上に述べてきた本件発明に係る樹脂付銅箔は、以下の工程A及び工程Bを経て製造される。以下、工程毎に説明する。
工程A: 表面粗さ(Rzjis)が0.5μm〜2.5μmの銅箔の表面に、熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃のポリアミドイミド樹脂を用いて硬化樹脂層を形成する。最初に、銅箔に関して述べる。ここで言う銅箔とは、圧延法及び電解法で製造される全ての銅箔を含んだ概念として記載している。しかし、製品コストを考慮すると電解銅箔の使用が好ましい。
そして、当該電解銅箔には防錆処理層を形成することが好ましい。防錆処理層は、銅張積層板及びプリント配線板の製造過程で支障をきたすことの無いよう、電解銅箔の表面が酸化腐食することを防止するために形成するものである。防錆処理に用いられる方法は、ベンゾトリアゾール、イミダゾール等を用いる有機防錆、若しくは亜鉛、クロメート、亜鉛合金等を用いる無機防錆のいずれを採用しても問題はない。電解銅箔のシャワーリング塗布、電着法等の手法を採用することが可能となる。無機防錆の場合は、電解で防錆元素を電解銅箔の表面に析出させる方法、その他いわゆる置換析出法等を用いることが可能である。例えば、亜鉛防錆処理を行うとして、ピロ燐酸亜鉛めっき浴、シアン化亜鉛めっき浴、硫酸亜鉛めっき浴等を用いることが可能である。例えば、ピロ燐酸亜鉛めっき浴であれば、濃度が亜鉛5g/l〜30g/l、ピロ燐酸カリウム50g/l〜500g/l、液温20℃〜50℃、pH9〜12、電流密度0.3A/dm〜10A/dmの条件とする等が挙げられる。
なお、防錆処理の種類は本件発明で用いる電解銅箔を粗化処理を行うことなく用いようとする場合には、樹脂フィルムと銅箔表面との濡れ性を可能な限り向上させ、密着性を高めるため、以下の防錆処理を用いることが好ましい。すなわち、防錆処理層としてニッケル−亜鉛合金を用いることが好ましい。特に、防錆処理層を構成するニッケル−亜鉛合金は、不可避不純物を除き、ニッケルを50wt%〜99wt%、亜鉛を50wt%〜1wt%含有する組成のものを用いることが好ましいのである。防錆処理層におけるニッケルの存在により、基材の構成樹脂に対する密着性を改善する傾向が顕著となるためである。このニッケル−亜鉛合金で形成した防錆処理層は、ニッケル含有量が50wt%未満であると各種基材との密着性の向上効果が期待できなくなる。また、ニッケル含有量が99wt%を超えるとエッチング後に残留する傾向が強くなり好ましくない。本件発明者の研究によると、本件発明に係る樹脂付銅箔では、ニッケル及び亜鉛の防錆処理層を形成する場合、ニッケル及び亜鉛のトータル付着量を20mg/m〜100mg/mの範囲にすることが望ましい。特に、このニッケル−亜鉛合金による防錆処理層を形成しておくと、密着強度が確保しづらい特殊基板に接着した際に、その接着界面から容易に電解銅箔が剥がれることなく、耐薬品特性、耐湿特性あるいは半田耐熱特性に優れたものとなる。上記トータル付着量が20mg/m未満であると、均一な厚さの防錆処理層を得ることが出来ず、密着強度のバラツキが大きくなる。一方、トータル付着量が100mg/mを超えると、導体回路形成のエッチング時にニッケル成分のエッチング残を生じる傾向があり好ましくない。
そして、ニッケル量の多い方が密着強度、耐薬品特性、耐湿特性、半田耐熱特性を向上させる傾向となり、亜鉛量が増えてくると耐薬品特性や半田耐熱特性を低下させる傾向となることを確認している。ニッケル−亜鉛合金による防錆処理層を形成する場合、ニッケルと亜鉛の総付着量を20mg/m〜100mg/mにした際、そのニッケルと亜鉛との比率を、ニッケル:亜鉛=6:4〜8:2の範囲とすることが実用上好適なものであることが判明した。ニッケル比率が80%を超えると、回路形成した際にエッチング残を生じる傾向がある。一方、亜鉛比率が40%を超えると、耐薬品特性や半田耐熱特性が低下する傾向となる。
また、防錆処理層をニッケル−亜鉛合金層とクロメート層とで構成することも好ましい。クロメート層が存在することで、耐食性が向上すると同時に、樹脂層との密着性も同時に向上する傾向にある。このときのクロメート層の形成には、定法に従い、置換法、電解法のいずれの方法を採用しても良い。
そして、ニッケル−亜鉛合金めっき処理やクロメート処理の後、シランカップリング剤処理を行う。シランカップリング剤処理とは、粗化処理、防錆処理等が終了した後に、絶縁層構成材との密着性を化学的に向上させるための処理である。ここで言う、シランカップリング剤処理に用いるシランカップリング剤は特に限定を要するものではなく、使用する絶縁層構成材、プリント配線板製造工程で使用するめっき液等の性状を考慮して、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤等から任意に選択使用することが可能である。
より具体的には、プリント配線板用にプリプレグのガラスクロスに用いられると同様のカップリング剤を中心にビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いることが可能である。
次に、銅箔の表面に硬化樹脂層を形成する方法に関して説明する。銅箔の表面に硬化樹脂層を設けるには、硬化樹脂層の上に無電解法で銅を析出させ電解法で成長させて積層状態を得る方法、銅箔の表面に樹脂フィルムを積層してプレス加工して張り合わせる方法、銅箔の表面に樹脂ワニスを塗布して加熱乾燥して硬化させる塗工法等、あらゆる公知の技術を適用可能である。しかし、ポリアミドイミド樹脂層を形成する場合には、キャスティング法若しくはラミネート法を用いることが好ましい。
キャスティング法を用いてポリアミドイミド樹脂層を形成する場合は、無水トリメリット酸の酸成分とメチレンジイソシアネート等のイソシアネートの反応生成物をN−メチルピロリドン等の有機溶剤に溶解させた樹脂ワニスを銅箔表面に塗布し、加熱により溶剤を除去することにより形成する。この際にイミド基の生成は完了しているので、脱水、閉環の反応は伴わない。このキャスティング法は、所望の厚さのポリアミドイミド樹脂層を形成することが容易という利点がある。
ラミネート法を用いる場合は、接着剤を塗布した後にポリアミドイミドフィルム等をラミネート法により積層した形態としても良い。なお、本件出願人が特許3949676号において既に提案している接着剤層付銅箔を採用し、この接着剤層付銅箔の接着剤層(極薄プライマー樹脂層)に、市販のポリアミドイミドフィルム等をラミネート法により積層することもできる。
工程B: この工程では、前記硬化樹脂層上に、硬化した後の熱膨張係数が0ppm/℃〜50ppm/℃の半硬化樹脂層を設けることで樹脂付銅箔を得る。半硬化樹脂層は、マレイミド系樹脂を含有する樹脂組成物量を100重量部としたとき、マレイミド系樹脂を20重量部〜70重量部含有する樹脂組成物を用いて形成する。この樹脂組成物中のマレイミド系樹脂の含有量は、樹脂付銅箔の半硬化樹脂層として好ましい特性を示す範囲として規定している。以下、半硬化樹脂層を形成するための樹脂組成物に関して述べる。ここで用いる樹脂組成物は、マレイミド系樹脂、エポキシ樹脂、架橋可能な官能基を有する線状ポリマーを必須成分とするものである。そして、マレイミド系樹脂には、芳香族マレイミド樹脂と芳香族ポリアミンとを重合させた重合付加物を用いることもできる。また、半硬化樹脂層には必要に応じて、マレイミド系樹脂と反応性を有するシアノエステル樹脂やエポキシ樹脂を添加してもよい。
ここで言うマレイミド系樹脂としては、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン等の使用が可能である。マレイミド系樹脂の含有量が20重量部未満の場合には、硬化後の半硬化樹脂層の熱膨張係数を低下させる効果が得られないため好ましくない。一方、マレイミド系樹脂の含有量が70重量部を超えると、半硬化樹脂層が硬化すると脆い樹脂層になり、当該樹脂層にクラックが生じやすくなり、プリント配線板の絶縁層としての信頼性が低下するため好ましくない。
ここで用いるエポキシ樹脂とは、所謂ビスフェノール系エポキシ樹脂である。そして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂の群から選ばれる1種又は2種以上を混合して用いることが好ましい。ここで、ビスフェノール系エポキシ樹脂を選択使用しているのは、25℃で液状のエポキシ樹脂であり、半硬化状態の樹脂層を備える樹脂付銅箔を製造すると、カール現象の抑制効果が顕著に得られるからである。また、硬化後の樹脂膜と銅箔との良好な密着性、及び、凹凸表面の形状に沿った適度なレジンフローを得る事が可能だからである。なお、液状エポキシが高純度の場合には、過冷を受けると常温に戻しても結晶化状態が維持され、外観上は固形に見えるものもある。この場合には、液状に戻して使用することが可能であるため、ここで言う液状エポキシ樹脂に含まれる。更に、ここで25℃という温度を明記したのは、室温付近でという意味を明確にするためである。
そして、エポキシ当量が200を超えると、25℃で半固形状ないしは固形状になるので樹脂組成物の調製も困難で、樹脂付銅箔を製造したときのカール現象の抑制にも寄与できなくなるため好ましくない。なお、ここで言うエポキシ当量とは、1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)である。更に、上述のビスフェノール系エポキシ樹脂であれば、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても構わない。しかも、2種以上を混合して用いる場合には、その混合比に関しても特段の限定はない。
このビスフェノール系エポキシ樹脂は、樹脂組成物を100重量部としたとき、3重量部〜20重量部の配合割合で用いられる。当該エポキシ樹脂が3重量部未満の場合には、硬化した樹脂層が脆くなりクラックを生じやすくなる。一方、20重量部を越えると、25℃で樹脂面に粘着性を生じるためハンドリング性に欠ける。
架橋可能な官能基を有する線状ポリマーは、水酸基、カルボキシル基等のエポキシ樹脂の硬化反応に寄与する官能基を備えることが好ましい。そして、この架橋可能な官能基を有する線状ポリマーは、沸点が50℃〜200℃の温度の有機溶剤に可溶であることが好ましい。ここで言う官能基を有する線状ポリマーを具体的に例示すると、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等である。この架橋可能な官能基を有する線状ポリマーは、樹脂組成物を100重量部としたとき、3重量部〜30重量部の配合割合で用いられる。当該エポキシ樹脂が3重量部未満の場合には、樹脂流れが大きくなる。この結果、製造した銅張積層板の端部から樹脂粉の発生が多く見られ、半硬化状態での樹脂層の耐吸湿性も改善出来ない。一方、30重量部を超えても、樹脂流れが小さく、製造した銅張積層板の絶縁層内にボイド等の欠陥を生じやすくなる。
そして、分子内に2個以上のマレイミド基を有する芳香族マレイミド樹脂と芳香族ポリアミンとを重合させた重合付加物を形成させる場合には、芳香族ポリアミンとして、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、2,6−ジアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3−メチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、1,3−ビス[4−アミノフェノキシ]ベンゼン、3−メチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−ジクロロ−4−アミノフェニル)プロパン、ビス(2,3−ジメチル−4−アミノフェニル)フェニルエタン、エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン等を、樹脂組成物に添加して用いることが好ましい。
そして、エポキシ樹脂硬化剤を必要とする場合には、ジシアンジアミド、イミダゾール類、芳香族アミン等のアミン類、ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA等のフェノール類、フェノールノボラック樹脂及びクレゾールノボラック樹脂等のノボラック類、無水フタル酸等の酸無水物等を用いる。このときのエポキシ樹脂に対するエポキシ樹脂硬化剤の添加量は、それぞれの当量から自ずと導き出されるものであるから、特段の添加量限定は行っていない。
以上に述べた樹脂成分によって構成される樹脂組成物は、沸点が50℃〜200℃の有機溶剤を用いて、樹脂ワニスとすることが好ましい。沸点が50℃未満の場合には、加熱による溶剤の気散が著しく、樹脂ワニスの状態から半硬化樹脂とする場合に、良好な半硬化状態が得られにくくなる。一方、沸点が200℃を超える場合には、半硬化状態で溶剤が残りやすい。すなわち、通常要求される揮発速度を満足せず、工業生産性を満足しない。ここで言う有機溶剤を具体的に例示すると、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ等の群から選ばれる1種の単独溶剤又は2種以上の混合溶剤である。
以上に述べてきた樹脂組成物を樹脂ワニスとして、銅箔の硬化樹脂層の上に当該樹脂ワニスを塗布し、乾燥させることで半硬化樹脂層を形成する。このときの塗布方法、乾燥方法に関しては特段の限定はない。
更に、工程Aと工程Bとの間に、付加的工程としてプラズマ処理又はコロナ処理により、硬化樹脂層の表面改質工程を設けることがより好ましい。この表面改質工程を設けることにより、硬化樹脂層の表面が改質され、半硬化樹脂との密着性が向上するからである。すなわち、硬化樹脂層と半硬化樹脂層とは、異なる樹脂組成物で形成され、且つ、一方の樹脂層が既に硬化しているため、双方の樹脂層間での密着性が低下する場合があり、このような場合でも、硬化樹脂層の表面にプラズマ処理又はコロナ処理を施すことにより、硬化樹脂層と半硬化樹脂層との密着性が向上するのである。
ここで言うプラズマ処理とは、一般的に用いられる高電圧を印加することによって発生させたプラズマ気流と硬質樹脂層の表面とを接触させて行う処理のことである。また、コロナ処理は、電極間に硬化樹脂層を備えた銅箔を配置して、高周波、高電圧を印加してコロナ放電を行うことにより、硬質樹脂層の表面改質を行うものである。なお、プラズマ処理又はコロナ処理には、あらゆる公知の方法の適用が可能である。
以下、実施例を示して本件発明を具体的に説明する。なお、本件発明は以下の実施例に制限されるものではない。
実施例1として、電解銅箔の表面に、硬化樹脂層としてポリアミドイミド樹脂層を形成し、半硬化樹脂層の形成にマレイミド系樹脂を用いた樹脂付銅箔の例を示す。
電解銅箔:表面粗さとしてRzjis=0.70μmの光沢面を備えた、厚さ12μmの電解銅箔を使用した。この電解銅箔を、濃度100g/lの希硫酸溶液を用いて、液温30℃で30秒間浸漬して洗浄した。次に、光沢面の防錆処理として、ニッケル−亜鉛合金めっき処理、クロメート処理、シランカップリング剤処理の順で処理を行った。なお、ニッケル−亜鉛合金めっきは、ピロ燐酸浴(ニッケル2.5g/l、亜鉛0.5g/l、液温40℃、電流密度0.6A/dm、8秒)の条件で行った。また、電解クロメート処理は、濃度1.0g/lのクロム酸を用い、pH12、液温30℃、電流密度1.8A/dm、電解時間8秒とした。
また、シランカップリング剤処理は、イオン交換水を溶媒として、γ−アミノプロピルトリメトキシシランを濃度5.0g/lの濃度となるよう加えた溶液を用い、この溶液をシャワーリングにて、防錆処理層の表面に吹き付けることにより吸着処理し、防錆処理層の上にシランカップリング剤層を形成した。
シランカップリング剤処理が終了すると、最終的に、電熱器により箔温度が140℃となるよう、雰囲気温度を調整加熱した炉内を4秒かけて通過して乾燥させ、シランカップリング剤の縮合反応を促進し、完成した電解銅箔とした。この表面処理後の光沢面の表面粗さはRzjis=0.72μmであった。
硬化樹脂層の形成: 次に、バイロマックスHR16NN(東洋紡績社製、商品名)を用いて、キャスティング法にて、硬化樹脂層を形成した。マルチコーター(ヒラノテクシード社製:M−400)により、バイロマックスHR16NNを上述の電解銅箔の光沢面に塗布し、熱風乾燥機内で、110℃×6分の条件で乾燥させた。乾燥後の硬化樹脂層の樹脂厚さは28μmとした。このバイロマックスHR16NNが塗布された電解銅箔の複合体を、窒素で置換された熱風オーブンに入れて、室温〜380℃まで15分かけて昇温させ、その後、380℃で8分間保持した後に冷却した。これにより、バイロマックスHR16NNが塗布された電解銅箔の複合体から、残存溶剤を除去し銅箔表面に硬化樹脂層が積層した状態の銅張ポリアミドイミド樹脂基材とした。この最終的な熱処理により得られた銅張ポリアミドイミド樹脂基材の溶剤残存率は、電解銅箔に付着した樹脂総量に対して0.8wt%であった。
次に、硬化樹脂層が積層された銅箔(銅張ポリアミドイミド樹脂基材)をコロナ処理して当該硬化樹脂層の表面改質を行った。コロナ処理は、大気中で、電力210W、速度2m/min、放電量300W・min/m、電極からの照射距離1.5mmの条件で行った。
そして、硬化樹脂層の熱膨張係数を測定するために、表面改質処理後の硬化樹脂層が積層された銅箔(コロナ処理済み銅張ポリアミドイミド樹脂基材)から、電解銅箔をエッチングにより除去した。その結果、電解銅箔を除去して得られた硬化樹脂層(ポリアミドイミドフィルム)の樹脂厚さは24μmであり、熱膨張係数は23ppm/℃であった。
半硬化樹脂層の形成: ここではコロナ処理済み銅張ポリアミドイミド樹脂基材の硬化樹脂層の上に半硬化樹脂層を形成する。まず、以下に示す樹脂組成物を、N,N’−ジメチルアセトアミドを溶媒として用いて溶解させ、樹脂固形分が30wt%の樹脂ワニスとなるように調製した。
[実施例1の半硬化樹脂層を形成する樹脂組成物]
マレイミド樹脂: 4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(商品名:BMI−1000、大和化成工業社製)/30重量部
芳香族ポリアミン樹脂: 1,3−ビス[4−アミノフェノキシ]ベンゼン(商品名:TPE−R、和歌山精化工業社製)/35重量部
エポキシ樹脂: ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピクロン850S、大日本インキ化学工業社製)/20重量部
架橋可能な官能基を有する線状ポリマー:ポリビニルアセタール樹脂(商品名:デンカブチラール5000A、電気化学工業社製)/15重量部
上述の樹脂ワニスを、コロナ処理済み銅張ポリアミドイミド樹脂基材のポリアミドイミド樹脂面に塗布し、室温で5分間の風乾を行い、160℃×5分間の条件で加熱乾燥して、半硬化樹脂層を積層形成した。このときの半硬化樹脂層の樹脂厚さは20μmとした。
そして、半硬化樹脂層の硬化後の熱膨張係数を測定するために、半硬化樹脂層の形成に用いた上述の樹脂ワニスを、上述と同様の方法でフッ素系の耐熱フィルムに塗布し、室温で5分間の風乾を行い、160℃×5分間の条件で加熱乾燥して、更に200℃×2時間の硬化加熱を行って厚さ20μmの試験用硬化樹脂層とした。すなわち、この試験用硬化樹脂層は、本件発明に係る樹脂付銅箔の半硬化樹脂層が硬化した場合に相当する。この試験用硬化樹脂層の熱膨張係数は、45ppm/℃であった。
以上のようにして得られた樹脂付銅箔の、樹脂層全体の厚さは44μmであった。そして、後述する方法により、この樹脂付銅箔から銅箔をエッチング除去し、硬化樹脂層と半硬化樹脂層とからなる樹脂層を用いて、これを200℃×2時間の硬化加熱を行って、当該半硬化樹脂層を硬化させた後の樹脂層全体の熱膨張係数を測定した。その結果、熱膨張係数は、34ppm/℃であった。また、引き剥がし強さは0.80kgf/cmであった。
次に、参考例として、電解銅箔の表面に、硬化樹脂層としてポリイミド樹脂により形成し、半硬化樹脂層の形成にマレイミド系樹脂を用いた樹脂付銅箔の例を示す。
[参考例1]
参考例1は、実施例1と比べて、硬化樹脂層の構成が異なる。すなわち、硬化樹脂層の形成において、ポリアミック酸ワニスを用いて、キャスティング法にて、硬化樹脂層を形成した。
ポリアミック酸ワニスの調製: 次に、キャスティング法により硬化樹脂層を形成するためのポリアミック酸ワニスについて説明する。ピロメリット酸二無水物1molと、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1molとを、溶剤としてのN−メチルピロリドンに溶解し、混合した。このときの反応温度は25℃で、10時間反応させた。そして、樹脂固形分量が20質量%のポリアミック酸ワニスを得た。
参考例1では、キャスティング法にて、ポリアミック酸ワニスを上述の電解銅箔の光沢面に塗布し、熱風乾燥機内で、110℃×6分の条件で乾燥させた。乾燥後の硬化樹脂層の樹脂厚さを35μmとし、その後の乾燥条件の最高温度を400℃とした。その他は実施例1と同じ方法で樹脂付銅箔を作製した。これにより、ポリアミック酸が塗布された電解銅箔の複合体から、残存溶剤を除去し、ポリアミック酸を脱水閉環するイミド反応により、銅箔表面に硬化樹脂層が積層した状態の銅張ポリイミド樹脂基材とした。この最終的な熱処理により得られた銅張ポリイミド樹脂基材の溶剤残存率は、電解銅箔に付着した樹脂総量に対して0.5wt%であった。そして、400℃×8分乾燥後の硬化樹脂層の厚さは27μmであり、硬化樹脂層の熱膨張係数は25ppm/℃であった。また、半硬化樹脂を完全硬化させた後の樹脂付銅箔の樹脂層全体の熱膨張係数は35ppm/℃、銅箔の引き剥がし強さは1.0kgf/cmであった。
[参考例2]
参考例2は、参考例1の硬化樹脂層と厚さが異なる。すなわち、参考例1の硬化樹脂層の形成においては、110℃×6分の乾燥後の樹脂厚さを35μmとしたのに対して、参考例2では、110℃×6分の乾燥後の樹脂厚さを8μmとした。その他は、参考例1と同じ方法で樹脂付銅箔を作製した。この参考例2の硬化樹脂層は、400℃×8分乾燥後の樹脂厚さは5μmであり、溶剤残存率は0.1wt%であった。そして、半硬化樹脂を完全に硬化させた後の樹脂層全体の熱膨張係数は38ppm/℃、銅箔の引き剥がし強度は0.95kgf/cmであった。
[参考例3]
参考例3は、半硬化樹脂層の形成において、使用する樹脂を以下の組成にした以外は、参考例1と同様の方法で樹脂付銅箔を製造した。
参考例3の半硬化樹脂層を形成する樹脂組成物]
マレイミド樹脂:ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド(商品名:BMI−4000 大和化成工業社製) /25重量部
エポキシ樹脂:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:エポトートYDCN−703、 東都化成社製)/25重量部
架橋可能な官能基を有する線状ポリマー: ポリビニルアセタール樹脂(商品名:デンカブチラール5000A、電気化学工業社製) /10重量部
エポキシ樹脂硬化剤:シアネートエステル樹脂(商品名:Primaset PT−30、Lonza Ltd,製) /40重量部
上記樹脂組成物を、ジメチルアセトアミドを溶媒として用いて溶解させ、樹脂固形分が40wt%となるように調製した。その後、さらに、硬化触媒として、イミダゾール化合物(商品名:キュアゾール 2P4MHZ、四国化成工業社製)/0.5重量部、及び、アセチルアセトン亜鉛(試薬 0.01重量部)を添加して、樹脂ワニスを得た。この樹脂ワニスを、実施例1と同様の方法で、塗布、乾燥、硬化させて、半硬化樹脂層を積層形成した。このときの半硬化樹脂層の樹脂厚さは20μmとした。
そして、実施例1と同じ方法で、半硬化樹脂層の硬化後の熱膨張係数を測定した。その結果、熱膨張係数は48ppm/℃であった。また、実施例1と同じ方法を用いて、参考例3で得られた樹脂付銅箔の樹脂層全体を硬化させた後の熱膨張係数を測定した結果、熱膨張係数は38ppm/℃であり、銅箔の引き剥がし強さは1.0kgf/cmであった。
比較例
[比較例1]
比較例1では、実施例1で用いたと同様の電解銅箔に、実施例1と同じ半硬化樹脂層のみを形成した樹脂付銅箔の例を示す。
実施例1で用いたと同様の電解銅箔の光沢面側に、実施例1と同じ条件で調製した半硬化樹脂層用の樹脂組成物を塗布し、室温で5分間の風乾を行い、160℃×5分間の条件で加熱乾燥して、半硬化樹脂層を形成した。このときの半硬化樹脂層の厚さは20μmであった。
なお、実施例1と同様に、半硬化樹脂層の硬化後の熱膨張係数の測定を行った。このときの半硬化樹脂層の硬化後の厚さは20μmであり、熱膨張係数は45ppm/℃であった。そして、実施例1と同じ方法により、半硬化樹脂層を硬化させた後の引き剥がし強さを測定した。その結果、引き剥がし強さは0.3kgf/cmであった。これらの値は、実施例との対比が可能なように表1に纏めて示す。
[比較例2]
比較例2は、参考例1と半硬化樹脂層の組成が異なる他は、銅箔、硬化樹脂層の構成は参考例1と同じ条件で製造した例を示す。重複記載を避けるために、銅箔、硬化樹脂層の構成についての説明は省略する。
比較例2で形成する半硬化樹脂層は、N,N’−ジメチルアセトアミドを溶媒として用いて以下の樹脂組成物を溶解させ、樹脂固形分が30wt%の樹脂ワニスとなるように調製した。
[半硬化樹脂層を形成する樹脂組成物]
耐熱エポキシ樹脂: ナフタレン型耐熱エポキシ樹脂(商品名:HP−4700、大日本インキ化学工業社製)/40重量部
芳香族ポリアミン: 1,3−ビス[4−アミノフェノキシ]ベンゼン(商品名:TPE−R、和歌山精化工業社製)/25重量部
エポキシ樹脂: ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピクロン850S、大日本インキ化学工業社製)/20重量部
架橋可能な官能基を有する線状ポリマー: ポリビニルアセタール樹脂(商品名:デンカブチラール5000A、電気化学工業社製)/15重量部
その他、参考例1と同じ条件で製造したコロナ処理済み銅張ポリイミド樹脂基材のポリイミド樹脂層の表面に、上記樹脂ワニスを塗布し、室温で5分間の風乾を行い、160℃×5分間の条件で加熱乾燥して半硬化樹脂層を形成した。このときの半硬化樹脂層の樹脂厚さは20μmであった。
なお、実施例1と同様に、半硬化樹脂層の硬化後の熱膨張係数の測定を行った。このときの半硬化樹脂層の硬化後の厚さは20μmであり、熱膨張係数は70ppm/℃であった。また、比較例2で得られた樹脂付銅箔の、樹脂層全体の厚さは47μmであった。そして、実施例1と同じ方法により、半硬化樹脂層を硬化させた後の、硬化樹脂層と半硬化樹脂層とからなる樹脂層全体の熱膨張係数と、引き剥がし強さを測定した。その結果、熱膨張係数は62ppm/℃であり、引き剥がし強さは1.0kgf/cmであった。これらの値は、実施例及び参考例との対比が可能なように表1に纏めて示す。
Figure 0005636159
[実施例と参考例と比較例との対比]
実施例と参考例、ならびに比較例で得られた樹脂付銅箔について、半田耐熱性、引き剥がし強さ、熱膨張係数の測定結果を表1に示し、この表1を参照しながら、実施例と参考例と比較例とを対比する。まず、実施例1、参考例1〜参考例3の場合には、いずれの特性も格段に優れた値を示す結果となっている。これに対し、比較例1は、実施例1の半硬化樹脂層のみを形成した例であるが、熱膨張係数、引き剥がし強さ、半田耐熱性のいずれも、実用に十分な値を示していない。このことから、銅箔の表面に半硬化樹脂層のみを形成しても、実用可能な樹脂付銅箔は得られないことが明らかと言える。
次に、実施例1及び参考例1〜参考例3と比較例2とを対比すると、半田耐熱性及び引き剥がし強さは同等であるが、熱膨張係数に関しては、比較例2よりも実施例1及び参考例1〜参考例3の方が明らかに低い値を示している。このことから、銅箔表面に硬化樹脂層を形成した後に形成する半硬化樹脂層の形成にマレイミド系樹脂を用いることにより、硬化後の樹脂層の熱膨張係数の低減を図ることができることが理解できる。
以下、半田耐熱性、引き剥がし強さの評価方法、熱膨張係数の測定方法を示す。半田耐熱性、引き剥がし強さの評価のために、プリント配線板を作成した。黒化処理が施された12μmの内層回路が表面にある板厚0.5mmのFR−4グレードの銅張積層板の両面に、実施例、参考例または比較例で得られた樹脂付銅箔を、真空プレス装置を用いて、圧力20kgf/cm、温度170℃×60分の条件でプレスして積層した。得られた4層の銅層を備える多層プリント配線板を製造した。
そして、この多層プリント配線板をカッティングして、2.5cm×2.5cmサイズの半田耐熱試験用片を採取して、260℃の半田バスにフロートして、ブリスターの発生するまでの時間を測定した。
また、引き剥がし強さは、上記多層プリント配線板の外層銅箔をエッチングすることにより、10mm幅の引き剥がし強さ測定用の直線回路を形成し、この直線回路を基板に対して90°方向に引き剥がすことにより、引き剥がし強さを測定した。
更に、熱膨張係数は、実施例、各参考例または比較例で得られた樹脂付銅箔をそれぞれ2枚ずつ用意し、当該樹脂付銅箔の樹脂面同士が接するように積層して、熱プレスにより硬化させた。このときの硬化条件は、圧力20kgf/cmで170℃×60分とした。硬化後、銅箔をエッチング法により除去して、再度上記樹脂付銅箔を積層し、銅箔をエッチング除去した。これを繰り返すことにより、厚さ約0.2mmの樹脂板を作成した。そして、この樹脂板の熱膨張係数をJIS C 6481に準拠して測定した。
本件発明に係る樹脂付銅箔は、樹脂層を硬化樹脂層と半硬化樹脂層との2層で構成することにより、樹脂層を設ける銅箔表面が低粗度のロープロファイル銅箔であっても、樹脂層と銅箔との間での良好な密着性を得る事が可能になる。また、本件発明に係る樹脂付銅箔は、従来の樹脂付銅箔と比べ、熱膨張係数の低い樹脂層を備えるため、ビルドアップ工法での多層プリント配線板の製造原料として用いると、当該プリント配線板の製造プロセスで負荷される高温熱履歴、熱衝撃に対する寸法安定性に優れるため、高品質の多層プリント配線板の提供を可能にする。その結果、ビルドアッププリント配線板の回路のファインピッチ化及び高密度化に容易に対応可能で、且つ、微細配線プリント配線板の安定生産を実現できる。また、本件発明に係る樹脂付銅箔は、硬化樹脂層を誘電体層とするキャパシタ回路形成材として使用できる。

Claims (15)

  1. 銅箔の表面に硬化樹脂層と半硬化樹脂層とを順次形成した樹脂付銅箔であって、
    前記硬化樹脂層と接する側の銅箔の表面粗さ(Rzjis)が0.5μm〜2.5μmであり、
    当該銅箔の表面に、50wt%〜99wt%のニッケルと、50wt%〜1wt%の亜鉛とを含有するニッケル−亜鉛合金による防錆処理層を備え、
    前記硬化樹脂層は、熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃のポリアミドイミド樹脂で構成され、
    前記硬化樹脂層上に、硬化した後の熱膨張係数が0ppm/℃〜50ppm/℃の半硬化樹脂層を備え、
    当該硬化樹脂層の熱膨張係数と、硬化した後の半硬化樹脂層の熱膨張係数との差が50ppm/℃以下であることを特徴とする樹脂付銅箔。
  2. 前記銅箔の表面に形成した硬化樹脂層と半硬化樹脂層とが硬化した後の樹脂層全体の熱膨張係数が40ppm/℃以下である請求項1に記載の樹脂付銅箔。
  3. 前記硬化樹脂層は、ガラス転移温度が300℃以上である請求項1又は請求項2に記載の樹脂付銅箔。
  4. 前記半硬化樹脂層は、マレイミド系樹脂を用いて形成したものである請求項1〜請求項3に記載の樹脂付銅箔。
  5. 前記マレイミド系樹脂は、分子内に2個以上のマレイミド基を有する芳香族マレイミド樹脂である請求項4に記載の樹脂付銅箔。
  6. 前記マレイミド系樹脂は、分子内に2個以上のマレイミド基を有する芳香族マレイミド樹脂と芳香族ポリアミンとを重合させた重合付加物である請求項4に記載の樹脂付銅箔。
  7. 前記半硬化樹脂層は、当該半硬化樹脂層を100重量部としたとき、マレイミド系樹脂を20重量部〜70重量部含有するものである請求項1〜請求項6のいずれかに記載の樹脂付銅箔。
  8. 前記硬化樹脂層は、厚さが3μm〜30μmである請求項1〜請求項7のいずれかに記載の樹脂付銅箔。
  9. 前記半硬化樹脂層は、厚さが7μm〜55μmである請求項1〜請求項8のいずれかに記載の樹脂付銅箔。
  10. 前記硬化樹脂層と前記半硬化樹脂層との合計厚さが10μm〜60μmである請求項1〜請求項9のいずれかに記載の樹脂付銅箔。
  11. 前記銅箔は、無粗化銅箔を用いた請求項1〜請求項10のいずれかに記載の樹脂付銅箔。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の樹脂付銅箔の製造方法であって、以下の工程A及び工程Bを経ることを特徴とした樹脂付銅箔の製造方法。
    工程A: 表面粗さ(Rzjis)が0.5μm〜2.5μmであり、且つ、表面に50wt%〜99wt%のニッケルと50wt%〜1wt%の亜鉛とを含有するニッケル−亜鉛合金による防錆処理層を形成した銅箔の表面に、熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃のポリアミドイミド樹脂を用いて硬化樹脂層を形成する。
    工程B:前記硬化樹脂層上に、硬化した後の熱膨張係数が0ppm/℃〜50ppm/℃の半硬化樹脂層を設けることで樹脂付銅箔を得る。
  13. 前記工程Aにおいて、表面粗さ(Rzjis)が0.5μm〜2.5μmの銅箔の表面に、熱膨張係数が0ppm/℃〜25ppm/℃のポリアミドイミド樹脂を用いた硬化樹脂層を形成するに際してキャスティング法またはラミネート法を用いるものである請求項12に記載の樹脂付銅箔の製造方法。
  14. 前記工程Bにおいて、当該半硬化樹脂層を形成するために用いるマレイミド系樹脂を含有する樹脂組成物量を100重量部としたとき、マレイミド系樹脂を20重量部〜70重量部含有する樹脂組成物を用いるものである請求項12又は請求項13に記載の樹脂付銅箔の製造方法。
  15. 前記工程Aと工程Bとの間に、硬化樹脂層の表面をプラズマ処理又はコロナ処理する表面改質工程を設けた請求項12〜請求項14のいずれかに記載の樹脂付銅箔の製造方法。
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