JP2006045388A - 絶縁性接着シートおよびその利用 - Google Patents

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卓 伊藤
Kanji Shimooosako
下大迫寛司
Shigeru Tanaka
田中  滋
Masaru Nishinaka
賢 西中
Mutsuaki Murakami
睦明 村上
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Abstract

【課題】プリント配線板の製造等に好適に用いることができ、低線膨張を示すつともに、無機フィラーが回路形成面に露出せず、かつ低粗度表面に対する優れた接着性を示し、さらには加工性、耐熱性に優れ、樹脂流動性とGHz帯域での誘電特性に優れた絶縁性接着シート、金属箔付き絶縁性接着シートとその代表的な利用技術を提供する。
【解決手段】無機フィラーを含有する絶縁性接着シートであって、一方の面の表層Xに存在する無機フィラーの含有量x、および他方の面の表層Yに存在する無機フィラーの含有量yが、下記の関係を満たすことを特徴とする絶縁性接着シートによって上記課題を解決しうる。
X<Y
(x、yは単位体積あたりの体積%を表す)
【選択図】 なし


a

Description

本発明は、プリント配線板に用いる絶縁性接着シートとそれを用いたプリント配線板に関するものであり、特に、多層フレキシブルプリント配線板、ビルドアップ配線板等のプリント配線板用の製造等に好適に用いることができる絶縁性接着シート、それを用いてなるプリント配線板等の代表的な利用に関するものである。
電子機器における情報処理能力の向上を図るために、近年、電子機器に用いられるプリント配線板上の回路を伝達する電気信号の高速化・高周波化が進められている。そのため、電気信号が高周波化された場合にも、プリント配線板の電気的信頼性を保ち、回路での電気信号の伝達速度の低下や電気信号の損失を抑制することが望まれる。特に半導体チップをフリップチップ実装する多層フレキシブルプリント配線板、ビルドアップ配線板等のプリント配線板において上記の電気信号の高速化・高周波化が顕著である。電気信号が高速化・高周波化した際、特に信号の伝送損失を小さくする為に導体回路の表面粗度ができるだけ小さい事が望まれている。この為には表面粗度が小さい絶縁性接着シート上に無電解めっき銅を強固に形成できる事が望まれている。
一方、電気信号の高速化・高周波化に対応するために半導体チップ内部の層間絶縁材料を比誘電率の小さな材料にする傾向がある。これらは総じて脆い材料であり、多くの問題を有している。これらを実装するプリント配線板の熱膨張率が半導体チップの熱膨張率と大きく異なった場合、半導体チップに用いている脆い層間絶縁材料が破損し、結果として半導体チップが破損してしまう問題が発生するため、プリント配線板に用いる絶縁性接着シートの熱膨張率が小さい事が望まれている。
また、電子機器の高機能化に伴ない半導体チップ電極数も増加の傾向が顕著であり、その為に半導体チップを実装するこれらプリント配線板の配線密度を増大させる為に微細な配線が絶縁性接着シート上に形成できる事が求められており、この為には表面粗度が小さい絶縁性接着シート上に強固に無電解めっき銅を形成できる事が望まれており、これにより無電解めっき銅層を給電層としたセミアディティブ法により微細な回路形成が可能となる。
さらに、前記多層フレキシブルプリント配線板やビルドアップ配線板等を製造する際は、既に基板上に形成された導体回路に対して絶縁性接着シートを積層するが、積層の際に絶縁性接着シートが流動し、回路配線の線間を埋め込むとともに、絶縁接着シートと導体回路、および絶縁接着シートと該回路が形成されている絶縁膜が強固に接着されていることが必要である。つまり、絶縁性接着シートには、内層回路、基板等に対する優れた接着力とともに回路配線の線間を埋められる程度の流動性が求められることになる。
絶縁性接着シートに対する要求をまとめると以下の様になる。
(1)絶縁性接着シートには、内層回路、基板等に対する優れた接着力とともに回路配線の線間を埋められる程度の流動性が望まれている。
(2)表面粗度が小さい絶縁性接着シート上に強固に無電解めっき銅を形成できる事が望まれている。
(3)絶縁性接着シートの熱膨張率が小さい事が望まれている。
上記要求を満たす絶縁性接着シートを用いることにより、高速・高周波電気信号を必要とする電子機器用の高密度プリント配線板を提供できると考えられており、強くその出現が望まれている。
ここで、従来、配線基板に用いられる上記接着材料としては、一般的には、エポキシ系接着材料が用いられている。上記エポキシ系接着材料は、被着体同士の低温・低圧条件下での貼り合わせや回路配線の線間埋め込みが可能である等の加工性に優れ、被着体との接着性にも優れている。更にこれらエポキシ系接着材料に無機フィラーを導入する事により熱膨張率を小さくすることが試みられている。
特許文献1、2、3には、特定の化学構造を有するエポキシ樹脂に無機フィラーを混合し、低熱膨張性を有する絶縁接着フィルム、絶縁樹脂組成物が開示されている。
特開2004−14611号公報(公開日:2004年1月15日) 特開2004−10660号公報(公開日:2004年1月15日) 特開2003−7138号公報(公開日:2003年1月10日)
しかしながら、上記従来の絶縁接着フィルム、絶縁樹脂組成物では、無機フィラーを添加することにより低線膨張化を達成する事はできるが、同時に無機フィラー添加により接着材料表面粗さを大きくしてしまい、微細回路形成にとって重要な低粗度表面を得る事ができず、従って微細配線形成ができない。また、該絶縁材料上に形成した導体回路の表面粗度も必然的に大きくなり、電気信号が高速化・高周波化した際の信号の伝送損失が表皮効果により大きくなる。
更に、本発明者は鋭意検討の結果、無機フィラー添加により、回路間の絶縁性が低下する問題があることを見出した。具体的には、表面に露出した無機フィラーの底部と絶縁樹脂との微小な隙間に無電解めっき銅が析出してしまい、その後のエッチング工程で無電解めっき銅層の除去を試みても、該隙間には充分にエッチング液が供給されず、結果として無電解めっき銅が該隙間に残留してしまい、結果として絶縁性が損なわれてしまうことを見出したのである。従って、これら従来の材料では、微細な配線を必要とし、かつ電気信号の高周波化に対応した配線基板を製造する目的で用いるためには、その諸特性が未だ不十分であるという問題を生じており、新たな材料の開発が期待されている。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、フレキシブルプリント配線板、リジッドプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板、多層リジッド配線板やビルドアップ配線板等のプリント配線板用の製造等に好適に用いることができ、絶縁接着シートの特性として、低熱膨張性を有し、かつ無機フィラー等が絶縁接着シート表面へ露出していない小さな表面粗度を有し、該表面に強固に無電解めっき銅を形成でき、更に樹脂材料、導体材料への接着性、加工性、耐熱性に優れ、さらに樹脂流動性とGHz帯域での誘電特性に優れた熱硬化性樹脂組成物とその代表的な利用技術を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、下記の新規な絶縁性接着シートにより、上記課題が解決しうることを見出した。すなわち、
1)無機フィラーを含有する絶縁性接着シートであって、一方の面の表層Xに存在する無機フィラーの含有量x、および他方の面の表層Yに存在する無機フィラーの含有量yが、下記の関係を満たすことを特徴とする絶縁性接着シート。
x<y
(x、yは単位体積あたりの体積%を表す)
2)表層Xを有する面は、該面上に金属層を形成するための面であるとともに、表層Yを有する面は、形成された回路と対向させるための面であることを特徴とする1)記載の絶縁性接着シート。
3)前記絶縁性接着シートは、少なくとも2層以上の層から構成されることを特徴とする1)または2)記載の絶縁性接着シート。
4)一方の最外層Aに含まれる無機フィラー含有量aと、他方の最外層Bに含まれる無機フィラー含有量bが、a<bの関係を満たすとともに、最外層Bが半硬化状態となっていることを特徴とする3)記載の絶縁性接着シート。
5)最外層Aの厚みが、最外層Bの厚みよりも薄い事を特徴とする4)記載の絶縁性接着シート。
6)最外層Bが、半硬化状態であり、温度60℃以上200℃以下の範囲内である条件において、最低溶融粘度が10Pa・s以上10,000Pa・s以下の範囲内である事を特徴とする4)または5)記載の絶縁性接着シート。
7)硬化後の線膨張係数が50ppm/℃以下であることを特徴とする1)〜6)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
8)最外層Aには熱可塑性ポリイミドが含まれることを特徴とする4)〜7)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
9)最外層Aに熱硬化性樹脂が含まれる事を特徴とする4)〜8)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
10)最外層Aに有機チオール化合物が含まれる事を特徴とする4)〜9)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
11)最外層Bに含まれる無機フィラーが球状シリカであることを特徴とする4)〜10)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
12)最外層Bに熱可塑性ポリイミド樹脂を含むことを特徴とする4)〜11)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
13)最外層Bに熱硬化性樹脂成分を含むことを特徴とする4)〜12)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
14)最外層Aの表面に金属箔が形成されていることを特徴とする4)〜13)のいずれか1項に記載の金属箔付き絶縁性接着シート。
15)1)〜14)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シートまたは金属箔付き絶縁性接着シートからなるプリント配線板用層間接着材料。
16)1)〜15)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート、プリント配線板用層間接着材料を用いたプリント配線板であって、その表層Xの表面に無電解めっきが施されたことを特徴とするプリント配線板。
17)1)〜15)のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート、金属箔付き絶縁性接着シート、プリント配線板用層間接着材料を用いることを特徴とするプリント配線板。
以上のように、本発明では、絶縁性接着シートであって、一方の面の表層Xに存在する無機フィラーの含有量x、および他方の面の表層Yに存在する無機フィラーの含有量yが、x<yの関係を満たすものである。また、表層Xを有する面は、該面上に金属層を形成するための面であるとともに、表層Yを有する面は、形成された回路と対向させるための面となっている。これによって、金属層が形成される面の表面粗度が大きくなりすぎることなく、かつ表面に無機フィラーが露出しない程度以下の無機フィラーが添加されていることより、優れた微細回路形成性が実現できると共に、無機フィラーが表面に露出しないことにより回路間絶縁性を良好に保つことが可能となる。しかも、絶縁性接着シートの熱膨張率を小さくすることができる。
上記の如く、本発明にかかる絶縁性接着シートは、従来の樹脂組成物と比較して、同等以上の低熱膨張性を示すと同時に、優れた微細回路形成性、回路間絶縁性を良好に保つことが可能となる。さらに、微細回路を必要とし、かつ高速・高周波電気信号を必要とする電子機器用の高密度プリント配線板に適切に用いる事が可能である。また、プリント配線板用材料として必要な、樹脂材料、導体材料への接着性、加工性、耐熱性に優れ、さらに樹脂流動性とGHz帯域での誘電特性に優れたものとなり、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ配線板や、積層体の製造に好適に用いることができるという効果も奏する。
本発明の実施の一形態について以下に詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
(本発明の絶縁性接着シートの材料構成)
本発明の絶縁性接着シートは、無機フィラーを含有する絶縁性接着シートであって、一方の面の表層Xに存在する無機フィラーの含有量x、および他方の面の表層Yに存在する無機フィラーの含有量yが、下記の関係を満たすことを特徴とする絶縁性接着シートである。
x<y
(x、yは単位体積あたりの体積%を表す)
表層Xを有する面は、最終的に、この上に金属層を形成する面となりうる。従って、本発明において、表層Xとは、表面性に影響を与える範囲の部分であり、具体的には、表面表面から5μmまでの厚みの部分を示す。
表層Yを有する面は、形成された回路と対向させるための面となりうる。表層Yとは、絶縁性シート厚み全体の50%の部分を示す。
本発明において重要なのは、表層XおよびYに存在する無機フィラーの含有量が、上記関係を満たすことである。表層Xに存在する無機フィラーの含有量を、少なくすることによって、表面粗度を小さくすることができる。その結果、表層Xを有する面上に微細な配線を形成することが可能である。さらに、本発明者らは、絶縁接着シートに無機フィラーを配合すると、回路間の絶縁性が低下する問題があることを見出し、その原因を追求した結果、表面に露出した無機フィラーの底部と絶縁樹脂との微小な隙間に無電解めっき銅が析出してしまい、その後のエッチング工程で無電解めっき銅層の除去を試みても、該隙間には充分にエッチング液が供給されず、結果として無電解めっき銅が該隙間に残留してしまい、結果として絶縁性が損なわれてしまうことを見出した。
従って、微細な回路を形成しうる小さな表面粗度を有するとともに、回路間の絶縁性を保つという観点から、最終的に金属層を有する面でとなるる、表層Xのみ、無機フィラーの占める割合を、相対的に小さくするのである。
一方、絶縁性接着シートの線膨張係数を小さくするために、表層X以外に存在する無機フィラーの含有量を調節して、絶縁性接着シート全体の線膨張係数を小さくする。本発明においては、他方の面の表層Yに存在する無機フィラーの量yと対比し、
x<y
の関係を満足すればよい。
このような絶縁性接着シートを得るための一例について説明する。
表層Xを有する層(最外層Aともいう)、表層Yを有する層(最外層Bともいう)、必要に応じてその他の層(まとめてC層ともいう)を積層する方法が挙げられる。これらの各層に添加する無機フィラー量を調節して、表層Xおよび表層Yに存在する無機フィラーの含有量が上記関係式を満たすようにすればよい。
(最外層A)
最外層Aに添加する無機フィラーの配合量(a重量%)について説明する。この無機フィラーの量aは、低熱膨張性を発現させると同時に、最外層Aの表面粗度が大きくなりすぎず、かつ無機フィラーが表面に露出しない程度以下であることが重要である。これを満たすXとしては0〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜10重量%である。。
次に最外層Aに用いられる高分子材料について説明する。本発明の最外層Aは、表面粗度が大きくなりすぎず、かつ表面に無機フィラーが露出しない程度以下の無機フィラーを添加することにより得られる低粗度表面に無電解めっき銅を強固に形成できることが好ましい。このことにより、微細配線形成が可能で、かつ回路間の絶縁性にも優れたプリント配線板を製造することが可能となる。従って、無機フィラーを適量添加して得られる低粗度表面に無電解めっき銅を強固に形成可能な高分子材料であれば特に限定されるものではない。
具体的には熱硬化性樹脂からなる高分子材料、熱硬化性樹脂と線状高分子からなる高分子材料、線状高分子からなる高分子材料等を挙げることが出来る。更に詳しくは例えばエポキシ樹脂とフェノキシ樹脂からなる高分子材料であり、本組み合わせの場合、相分離により表面に微細な凹凸を形成することが可能となり、該表面に無電解めっき銅を強固に形成でき好ましく適用可能である。
また、熱硬化性樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む高分子材料、熱可塑性ポリイミド樹脂を含む高分子材料は、前記エポキシ樹脂とフェノキシ樹脂からなる高分子材料により得られる相分離構造による微細な凹凸よりも、さらに小さな低粗度表面に無電解めっき銅を強固に形成することができ、好ましく適用可能である。
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む高分子材料、熱可塑性ポリイミド樹脂を含む高分子材料を用いた場合には、銅箔等の金属箔の微細な凹凸を最外層Aの表面に転写することが可能であり、これにより最外層Aに安定して無電解めっき銅を強固に形成可能であり、好ましく実施可能である。例えば銅箔を用いる場合、本発明の絶縁性接着シートの最外層Bを内層基板上に形成されている回路に対向させ積層する際に最外層Aと銅箔の粗化面とを対向させ積層した後、銅箔をエッチングにより除去し、微細な凹凸を有する低粗度表面を得ることができる。この転写による低粗度表面形成法を用いる場合も前記高分子材料を好ましく使用可能である。
用いうる熱可塑性ポリイミド樹脂について説明する。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、酸二無水物成分とジアミン成分とを反応させて得られる。前記酸二無水物成分は、一般式(1)で表わされる酸二無水物(a)を含むことが好ましい。
Figure 2006045388
(式中、Vは−O−、−O−T−O−および−C(=O)−O−T−O(C=O)−からなる群より選ばれた2価の基であり、Tは2価の有機基を表わす)
なかでも、前記一般式(1)におけるTが、
Figure 2006045388
Figure 2006045388
で表わされる基、および、
Figure 2006045388
(式中Zは、−CqH2q−であり、qは1以上5以下の整数である。)
で表わされる基からなる群より選択された少なくとも1種の酸二無水物を用いることが、はんだ耐熱性、PCT耐性に優れたポリイミド樹脂が得られるという点から好ましい。
また、下記式
Figure 2006045388
で表わされる酸二無水物を用いることも、はんだ耐熱性、PCT耐性に優れたポリイミド樹脂が得られる点から好ましい。
一般式(1)で表わされる酸二無水物は、これらを単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、一般式(1)において、各ベンゼン環には、メチル基やエチル基などの炭化水素基や、BrやClなどのハロゲン基が導入されていてもよい。
一般式(1)で表わされる酸二無水物の具体例としては、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、4,4’−ハイドロキノンビス(無水フタル酸)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)をあげることができる。これらは1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることも可能である。これらのなかで、溶解性・耐熱性に優れた熱可塑性ポリイミド樹脂を与える酸二無水物として、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、4,4’−ハイドロキノンビス(無水フタル酸)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)が好ましく使用される。
これらの酸二無水物のなかでも、
Figure 2006045388
で表わされる4,4’―(4,4’―イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸無水物を用いると、得られるポリイミドの溶媒に対する溶解性や加工特性や耐熱性におけるバランスがよくなる点から好ましい。
酸二無水物(a)は、酸二無水物成分の50モル%以上用いられることが好ましい。
一般式(1)で表わされる酸二無水物以外の酸二無水物としては、たとえば、以下のものが例示される。ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンジフタル酸無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物などがあげられるが、これに限定されない。
前記熱可塑性ポリイミドは、一般式(2)
Figure 2006045388
(式中、Yは、互いに独立した2価の有機基であり、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2)b−、−NHCO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=O)O−および単結合からなる群より選ばれた1つを示す。aおよびbは、互いに独立した0以上5以下の整数である。)
で表わされるジアミン(b)を用いて得られることが好ましい。一般式(2)において、aは好ましくは1以上5以下の整数の整数である。また、bは好ましくは1以上5以下の整数である。
ジアミン(b)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ここで、式(2)において、複数個のYは、各繰り返し単位間で同一であっても異なっていてもよく、各ベンゼン環には、メチル基やエチル基などの炭化水素基や、BrやClなどのハロゲン基が導入されていてもよい。
一般式(2)で表わされるジアミンとしては、たとえば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼンなどがあげられる。
さらに、一般式(2)で表わされるジアミンのなかでも、メタ位にアミノ基を有するジアミン化合物、すなわち、一般式(5)で表わされるジアミン化合物は、パラ位にアミノ基を有するジアミンよりもさらに溶解性に優れた熱可塑性ポリイミド樹脂を与えるので好ましい。
Figure 2006045388
(式中、Yは、互いに独立した2価の有機基であり、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2)b−、−NHCO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=O)O−および単結合よりなる群から選ばれた1つを示す。aおよびbは、互いに独立した0以上5以下の整数である。)
一般式(3)で表わされるジアミンとしては、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテルなどがあげられる。
前述したジアミンのうち、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを用いることは、各種の有機溶媒に対する溶解性、はんだ耐熱性、PCT耐性に優れたポリイミド樹脂を与える点で、とくに好ましい。
以上の説明のとおり、メタ位にアミノ基を有するジアミンを用いると、本発明にかかわるポリイミド樹脂の溶解性を向上させる効果が期待できるが、これを用いる場合は、全ジアミン成分に対して50〜100モル%がより好ましく、とくに好ましくは80〜100モル%である。
また、前記熱可塑性ポリイミドは、一般式(4)で表されるジアミンを用いて得られるポリイミド樹脂であることも好ましい。一般式(4)で表されるジアミンとしては、下記式で表わされる3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルが好ましい。
Figure 2006045388
このジアミンを用いたポリイミド樹脂には水酸基が導入されているので、水酸基と反応可能な基を有する化合物と反応させることができる。したがって、後述の熱硬化性成分として水酸基と反応可能な基を有する樹脂を用いれば、架橋が進行し、さらに耐熱性、はんだ耐熱性およびPCT耐性に優れた樹脂組成物を与えることが可能である。
前記熱可塑性ポリイミドは、前記酸二無水物(a)と3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルを併用して得ることが、はんだ耐熱性およびPCT耐性の点から好ましく、ジアミン成分は、式(2)で表わされるジアミン(b)を1〜99モル%と、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルを99〜1モル%含むことが、溶解性と架橋密度のバランスの点で好ましい。
一方、一般式(4)で表わされる反応性を有するジアミンの使用も好ましい。
Figure 2006045388
(式中、Zは、互いに独立した2価の有機基であり、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2)b−、−NHCO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=O)O−および単結合よりなる群から選ばれた1つを表わす。bおよびcは、互いに独立した0以上5以下の整数である。Xは互いに独立した官能基であり、−OH、−COOH、−OCN、−CNからなる群より選ばれた1種または2種以上の官能基を含む。eは1〜4の整数である。)
一般式(4)において、bは好ましくは1以上5以下の整数である。また、cは好ましくは1以上5以下の整数である。
一般式(4)で表わされるジアミンは、これらを単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、一般式(4)において、ベンゼン環に結合した反応性を有する官能基を必須成分とするが、これ以外に、メチル基やエチル基などの炭化水素基やBrやClなどのハロゲン基が導入されていてもよい。
前記反応性を有するジアミンとしては、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,5−ジアミノ安息香酸などをあげることができる。たとえば、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルを用いたポリイミド樹脂には水酸基が導入されているので、熱硬化性樹脂であるエポキシ化合物、シアナートエステル化合物などとの反応性を有する。したがって、本発明のポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂とを含有する樹脂組成物においては、架橋が進行し、耐熱性、およびPCT耐性に優れた接着剤の提供を可能にする。反応性を有するジアミンを多く用いると得られるポリイミド樹脂の溶解性を損なうおそれがあるので、一般式(4)で表わされるジアミンは、ジアミン成分中に、好ましくは0〜50モル%、さらに好ましくは0〜20モル%である。
また、水酸基を有するジアミン成分と酸二無水物を反応させてポリイミド樹脂を得たのちに、ポリイミドの側鎖の水酸基を、たとえば臭化シアンと反応させてシアナートエステル基に変性したシアナートエステル変性ポリイミド樹脂とし、反応性を付与することも可能である。
その他の使用可能なジアミン成分としては、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシドなどがあげられるが、これらに限定されない。
前記熱可塑性ポリイミドは、対応する前駆体ポリアミド酸重合体を脱水閉環して得られる。ポリアミド酸重合体は、酸二無水物成分とジアミン成分とを実質的に等モル反応させて得られる。
反応の代表的な手順として、1種以上のジアミン成分を有機極性溶剤に溶解または拡散させ、そののち1種以上の酸二無水物成分を添加し、ポリアミド酸溶液を得る方法があげられる。各モノマーの添加順序はとくに限定されず、酸二無水物成分を有機極性溶媒に先に加えておき、ジアミン成分を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよいし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、つぎに過剰の酸二無水物成分を加え、過剰量に相当するジアミン成分を加えて、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよい。このほかにも、当業者に公知のさまざまな添加方法がある。なお、ここでいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解する場合のほかに、溶質が溶媒中に均一に分散または拡散されて実質的に溶解しているのと同様の状態になる場合を含む。反応時間、反応温度は、とくに限定されない。
ポリアミド酸の重合反応に用いられる有機極性溶媒としては、たとえば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
前記方法により得られたポリアミド酸溶液を、熱的または化学的方法により脱水閉環し、ポリイミドを得るが、ポリアミド酸溶液を熱処理して脱水する熱的方法、脱水剤を用いて脱水する化学的方法のいずれも用いることができる。また、減圧下で加熱してイミド化する方法も用いることができる。以下に各方法について説明する。
熱的に脱水閉環する方法として、前記ポリアミド酸溶液を加熱処理によりイミド化反応を進行させると同時に、溶媒を蒸発させる方法を例示することができる。この方法により、固形のポリイミド樹脂を得ることができる。加熱の条件はとくに限定されないが、300℃以下の温度で約5分〜200分の時間の範囲で行なうことが好ましい。
また、化学的に脱水閉環する方法として、前記ポリアミド酸溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒を加えることにより、脱水反応を起こし、有機溶媒を蒸発させる方法を例示することができる。これにより、固形のポリイミド樹脂を得ることができる。脱水剤としては、たとえば、無水酢酸などの脂肪族酸無水物、無水安息香酸などの芳香族酸無水物などがあげられる。また、触媒としては、たとえば、トリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソキノリンなどの複素環式第3級アミン類などがあげられる。化学的に脱水閉環する際の条件は、100℃以下の温度が好ましく、有機溶媒の蒸発は、200℃以下の温度で約5分〜120分の時間の範囲で行なうことが好ましい。
また、ポリイミド樹脂を得るための別の方法として、前記の熱的または化学的に脱水閉環する方法において、溶媒の蒸発を行なわない方法もある。具体的には、熱的イミド化処理または脱水剤による化学的イミド化処理を行なって得られるポリイミド樹脂溶液を貧溶媒中に投入して、ポリイミド樹脂を析出させ、未反応モノマーを取り除いて精製、乾燥させ、固形のポリイミド樹脂を得る方法である。貧溶媒としては、溶媒とは良好に混合するがポリイミドは溶解しにくい性質のものを選択する。例示すると、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソルブ、メチルエチルケトンなどがあげられるが、これらに限定されない。
つぎに、減圧下で加熱してイミド化する方法であるが、このイミド化の方法によれば、イミド化によって生成する水を積極的に系外に除去できるので、ポリアミド酸の加水分解を抑えることが可能であり、高分子量のポリイミドが得られる。また、この方法によれば、原料の酸二無水物中に不純物として存在する片側または両側開環物が再閉環するので、より一層の分子量の向上効果が期待できる。
減圧下で加熱イミド化する方法の加熱条件は、80〜400℃が好ましいが、イミド化が効率よく行なわれ、しかも水が効率よく除かれる100℃以上がより好ましく、さらに好ましくは120℃以上である。最高温度は目的とするポリイミドの熱分解温度以下が好ましく、通常のイミド化の完結温度、すなわち250〜350℃程度が通常適用される。
減圧する圧力の条件は、小さいほうが好ましいが、具体的には、9×104〜1×102Pa、好ましくは8×104〜1×102Pa、より好ましくは7×104〜1×102Paである。
このようにして得られたポリイミド樹脂は、ガラス転移温度を比較的低温領域に有するが、本発明の樹脂組成物がとくに良好な加工特性を有するためには、ポリイミド樹脂のガラス転移温度は350℃以下が好ましく、より好ましくは320℃以下、とくに好ましくは280℃以下である。ポリイミド樹脂のガラス転移温度が350℃をこえると、プリント配線板を製造する場合において、積層工程で高温の加工が要求される傾向がある。
最外層Aにおいては、熱可塑性ポリイミドに熱硬化型樹脂を配合して用いてもよい。熱硬化性樹脂をポリイミド樹脂に適量添加することにより、接着強度を上げる効果が得られる。また、適度な樹脂流れ性を付与することができる、すなわち、優れた加工性を付与する効果がある。ここで、適度な樹脂流れ性に関して説明する。本発明のポリイミド樹脂シートおよび金属箔付きポリイミド樹脂シートは、ポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂を含むポリイミド組成物からなり、半硬化状態を保っている。本発明のポリイミド樹脂シートおよび金属箔付きポリイミド樹脂シートを、回路を有する内層板に加熱プレスにより積層する場合、適度に本発明の樹脂組成物が溶融・流動する状態が、すなわち、適度な樹脂流れ性と表現される。
熱硬化型樹脂としては、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、フェノール樹脂、シアナート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、トリアジン樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などをあげることができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。
また、前記熱硬化性樹脂以外に、高分子鎖の側鎖または末端に、エポキシ基、アリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基などの反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子を、熱硬化成分として使用することも可能である。
前記熱硬化性樹脂のなかでも、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂がバランスのよい樹脂組成物を与える点で好ましい。なかでも、高接着性、低温加工性に優れ、耐熱性およびはんだ耐熱性を向上させることができるという点から、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
また、これら高分子材料と無電解めっき銅との接着性を改善する目的で各種添加剤を高分子材料に添加、高分子材料表面に塗布等の方法で存在させることも可能である。具体的には有機チオール化合物を添加剤として用いることが好ましく実施可能である。有機チオール化合物は、1つの分子内に1つ以上のSM基(ただし、Mはそれぞれ、H、Li、Na、K、から選ばれる任意の元素)を持つ化合物を言い、2つ以上のSM基を持つ化合物である有機ジチオール化合物または有機トリチオール化合物などであることがより好ましい。2つ以上のSM基を持つ化合物がより好ましい理由は、少なくともSM基の1つが本発明にかかる最外層A中の高分子材料と化学結合を形成し、他のSM基が無電解めっき銅と結合することにより、最外層Aと無電解めっき銅層が強固な接着性を発現する為である。
本発明にかかる有機チオール化合物は特に制限は無いが、1つの分子内に1つ以上のSM基(ただし、Mはそれぞれ、H、Li,Na,K、から選ばれる任意の元素)を持つ化合物が好ましく、2つ以上のSM基をもつ化合物である有機ジチオール化合物または有機トリチオール化合物などである事がより好ましい。2つ以上のSM基を持つ化合物がより好ましい理由は、少なくともSM基の1つが熱可塑性ポリイミド樹脂と化学結合を形成し、他のSM基が無電解めっき膜と結合することにより、ポリイミド樹脂組成物と無電解めっき膜とが強固な接着性を発現するためである。
有機チオール化合物の具体的な例については、本発明の目的を達成するものであれば特に制限はないが、例えば、有機モノチオール類としては、2−マーカプトピリジン、2−マーカプトピリミジン、2−マーカプトベンゾイミダゾール、2−マーカプトベンゾチアゾール、2−マーカプトベンゾオキサゾール、2−マーカプトエタノール、4−マーカプトブタノール、5−メチル−1,3,4−チアゾール−2−チオール、などを例示する事ができる。
また、有機ジチオール類としては、2,5−ジマーカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,3−ジマーカプト−1−プロパノール、2,6−ジマーカプトプリン、2,5−ジマーカプト−1,3,4−チアジアゾール,ジポタシウム塩、2−マーカプトエチルエーテル、2−マーカプトエチルスルフィド、などを例示する事ができる。
中でも有機チオール化合物として、トリアジンジチオール誘導体、あるいはトリアジントリチオール誘導体は好ましく用いられる。例えば、トリアジンジチオール誘導体、あるいはトリアジントリチオール誘導体として、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールや、下記一般式(2)、または一般式(3)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2006045388
(式中、M1、M2はそれぞれ、H、Li,Na,K、Caから選ばれる任意の元素であり、Rは、H、炭素数が1〜18の任意の飽和アルキル基、炭素数が1〜18のアルキン、アルケン等の不飽和アルキル置換基、フェニル基、アミノ基またはSH基である)
Figure 2006045388
(式中、M1、M2はそれぞれ、H、Li,Na,K、Caから選ばれる任意の元素であり、R1、R2はそれぞれ、H、炭素数が1〜18の任意の飽和アルキル基、炭素数が1〜18のアルキン、アルケン等の不飽和アルキル置換基、フェニル基、またはアミノ基である)
具体的には、一般式(2)および一般式(3)におけるM1としてH、M2としてHまたはNa、一般式(2)におけるRとして、H、C2H5、C4H9、SH、さらに一般式(3)におけるR1−N−R2として、N(CH3)2、NH(C6H5)、N(C4H9)2、N(C8H17)2、N(C12H25)2、N(CH2CH=CH2)2、NHC8H16CH=CHC8H17、NCH2C6H4CH=CH2(C8H17)、NHC6H4N(CH3)2などを例示する事ができる。
(最外層B)
最外層Bに添加する無機フィラーの配合量(b重量%)について説明する。この無機フィラーの量Yは、低熱膨張性発現に大きく寄与し、できるだけ大きい方が好ましいが、一方、無機フィラー添加により、硬化後の絶縁性接着シートが脆くなる傾向があり、適度な量の無機フィラーを添加することが重要である。これを満たすbとしては10重量%以上80重量%以下が好ましく、より好ましくは20重量%以上60重量%以下、さらに好ましくは30重量%以上50重量%以下である。
次に、最外層Bに求められる具体的な特性について説明する。本発明の最外層Bはプリント配線板材料として用いる場合に必要な加工性、電気特性、機械特性、熱的特性に優れることが求められる。具体的に加工性とは、本発明の絶縁性接着シートの最外層Bを内層基板上に形成されている回路に対向させ積層する際に最外層Bが回路間に流動すること、レーザードリリング加工が可能なこと等が挙げられる。流動性の尺度となる最外層Bの最低溶融粘度は特に限定させるものではないが、半硬化状態であり、かつ、温度が60℃以上200℃以下の範囲内である条件において、最低溶融粘度が、10Pa・s以上、10,000Pa・s以下の範囲内であることが好ましい。
また、前記の如く、最外層Bには電気特性、機械特性、熱的特性等が優れていることが求められるが、これら特性は本発明の絶縁性接着シート全体の特性として優れていることが求められ、従って最外層B単独で優れているだけでは不十分な場合があるが、最外層Bあるいはその他の層C層の特性を調節することによって、全体として目的とする物性を得ることができる。特に、A層およびB層の2層からなる絶縁接着シートの場合は、最外層B単独でこれら特性に優れていることが実際上、本発明にとって好ましく、従って、これら特性を発現できるように最外層Bを設計することが必要となる。
具体的に電気特性とは、GHz帯での誘電正接、誘電率が小さいこと等が挙げられる。本発明の絶縁性接着シート全体として、誘電正接が0.025以下であることが好ましく、0.020以下であることがより好ましく、0.015以下であることが更に好ましい。
具体的に機械特性とは、ヒートサイクル試験等の信頼性の観点より、引張強度が大きいこと等が挙げられる。本発明の絶縁性接着シート全体として、引張強度が50MPa以上であることが好ましく、80MPa以上であることがより好ましく、100MPa以上であることが更に好ましい。
具体的に熱的特性とは熱膨張係数が小さいことであり、前記の如く本発明では最外層Aと最外層Bに無機フィラーを添加することにより達成することが可能となる。本発明の絶縁性接着シート全体として、熱膨張係数は50ppm/℃以下が好ましく、更に好ましくは45ppm/℃以下、より好ましくは40ppm/℃以下である。
次に本発明にかかる最外層Bに用いる成分詳細について説明する。最外層Bには本発明の絶縁性接着シートを回路が形成された凹凸のある表面に対して積層する際、回路間に最外層Bが流動して、回路を埋め込むことができる優れた加工性が必要である。一般に、熱硬化性樹脂は上記加工性に優れており、本発明の最外層Bには熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。この熱硬化性樹脂組成物としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、シアナートエステル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂;高分子鎖の側鎖または末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子を適切な熱硬化剤、硬化触媒と組み合わせた熱硬化性樹脂組成物として適用可能である。これらの熱硬化性樹脂組成物に更に熱可塑性高分子を添加することも好ましく実施可能であり、例えばエポキシ樹脂とフェノキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物やエポキシ樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物、シアナート樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物等は好ましく実施可能である。この中でも、プリント配線板用材料として要求される諸特性バランスに優れるエポキシ樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物が最も好ましい。
(その他の層C層)
本発明においては、最外層A/最外層Bなる構成が最も単純な構成であるので、好ましく、最外層A/最外層Bなる構成について主に説明したが、金属層を形成する表面となる、表層Xに存在する無機フィラーの含有量を小さくすることが重要であり、最外層A層および最外層Bの間に別の層を設けても構わない。
(無機フィラー)
本発明に用いる無機フィラーとしては、特に限定されるものではなく、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ等を単独および併用することが可能である。この中で球状の溶融シリカ(球状シリカ)は本発明にとって好ましい効果である樹脂流れ性に対する悪影響が少なく、全体の熱膨張率を小さくする効果があり、好ましく使用可能である。この球状シリカは、形状がほぼ球形であり、主たる材質がシリカ(SiO2)であれば特に限定されるのもではない。ここで、球状フィラーの真円度は0.5以上であればよく、0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。本発明で用いられる球状シリカは、表面がほぼ平坦で実質的に凹凸が無いとみなすことができ、しかもアスペクト比が小さい為、流体から受ける抵抗が小さい形状を有していることになる。(それゆえ、本発明にかかる最外層Bが、半硬化状態から硬化する過程で溶融しても溶融した樹脂組成物の流動性を妨げることが無く、溶融粘度の上昇を回避することができる上に、硬化後の熱膨張係数を小さくすることができる。
(各層の厚み)
最外層Aと最外層Bの厚み構成は本発明の絶縁性接着シートの熱膨張係数等の材料全体としての特性に影響する。各層の無機フィラー以外の成分の種類にも依存するが、より多くの無機フィラーを添加する最外層Bの方が最外層Aよりも熱膨張率が小さくなる傾向がある。簡易的には「(各層単独の熱膨係数)×(厚み分率)の各層の和」により絶縁性接着シート全体の熱膨張係数を予測でき、従って本発明の絶縁性接着シート全体の熱膨張係数を小さくする為には熱膨張係数の小さな層、即ち層Bの厚み分率を大きくする事が有効であり、本発明にとって好ましい。具体的には、最外層Aの厚みを最外層Bよりも薄くすることが好ましい。すなわち最外層Bの厚み分率は50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。
このようにして、硬化後の絶縁性接着シート全体の線膨張係数を小さくすることができ、例えば50ppm/℃以下にすることが可能である。
本発明にかかる絶縁性接着シートの全体の厚みは特に限定されるものではなく、積層により埋め込むべき回路の厚み、積層後に得られる絶縁性接着シートの厚みによって適宜決定すべきである。通常、10〜300μm程度が好ましく実施可能である。
(本発明にかかる絶縁性接着シートの利用)
本発明にかかる絶縁性接着シートは、様々な用途に好適に用いることができるが、中でも、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ配線板等のプリント配線板の材料として好適に用いることができる。具体的には、当該プリント配線板やプリント配線板上のパターン化された回路を保護する保護材料、多層のプリント配線板にて各層間の絶縁性を確保するための層間絶縁材料等として好適に用いることができる。
(本発明にかかる絶縁性接着シートの製造方法)
次に本発明にかかる絶縁性接着シートの製造方法について説明するが、これに限定されるものではない。先ず、最外層Aに含まれる高分子材料、無機フィラー、有機チオール化合物等の成分を適当な溶媒に添加し撹拌し、均一に溶解・分散化した最外層A樹脂溶液を得る。続いてポリエステルフィルム、銅箔等の適切な支持体上に流延塗布し、その後最外層A樹脂溶液を乾燥させることにより最外層Aを得る。続いて、同様にして調製した最外層B樹脂溶液を前記最外層A上に流延塗布し、その後樹脂溶液を乾燥させることにより、支持体上に形成された最外層Aと最外層Bからなる本発明の絶縁性接着シートを得ることができる。
別の方法としては、最外層A樹脂溶液を流延塗布した後、乾燥させずに、最外層Bを乾燥していない最外層A樹脂溶液状に流延塗布する方法が挙げられる。この方法は生産性に優れ好ましく実施可能である。
ここで重要なことは少なくとも最外層Bは、その成分である熱硬化性樹脂組成物が半硬化状態(Bステージ状態)にあることであり、半硬化状態を得るために乾燥温度、時間を適切に制御することである。
また、本発明の絶縁性接着シートには最外層Aおよび最外層B以外の層Cが含まれていてもよく、この場合、最外層Aを形成した後、同様の手順で層Cを形成し、続いて層C上に最外層Bを形成すれば良い。
上記支持体の種類は特に限定されるものではなく、ポリエステル、ポリプロピレン等の公知の樹脂フィルム、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔等の金属箔を好適に用いることができる。銅箔を用い、その粗化表面に最外層Aを形成する場合は、最外層A表面に銅箔粗化表面を転写した表面とすることができ、該最外層Aの樹脂表面上に安定して無電解めっき銅を強固に形成することができ好ましく実施可能である。尚、前記の如く支持体に金属箔を用いた場合、本発明の金属箔付き絶縁性接着シートを得ることとなる。
樹脂フィルム基材、金属箔基材以外の支持体を用いてもよく、例えば、ドラムやエンドレスベルトを挙げることができる。
<プリント配線板>
本発明の絶縁性接着シート、金属箔付き絶縁性接着シート、プリント配線板用層間接着材料は、プリント配線板用途に好ましく用いる事ができる。上記金属箔付き絶縁接着シートを用いプリント配線板を製造する場合、該金属箔付き絶縁接着シートを回路パターンが形成された内層基板に積層し、回路パターン間を主に、表層Yを有する面(最外層B)で埋め込んだ後、該金属層に対してエッチング処理を行い所望のパターンの回路(パターン回路)を形成し、本発明のプリント配線板を得ることが可能である。また、全面の金属層をエッチング等により剥離した後、無電解めっきを行ない、無電解めっき銅層を形成した後、アディティブ法で回路形成し、プリント配線板を得ることも可能である。
本発明の絶縁接着シートを用い本発明のプリント配線板を製造する場合、順に、金属箔、絶縁接着シート、回路パターンが形成された内層基板を、表層Yを有する面(最外層B側)と回路パターンと対向させ互いに積層し、回路パターン間を主に最外層Bで埋め込んだ後、サブトラクティブ法によるパターンエッチング処理を行い所望の導体回路パターンを形成し、本発明のプリント配線板を得ることが可能である。また、金属箔付き絶縁接着シートの場合、表層Yを有する面(最外層B側)と回路パターンと対向させ互いに積層し、そのまま金属箔を用いて回路形成することもできる。
上記において、積層後に全面にある金属箔をエッチングし、該金属箔の粗化表面が転写された、本発明の表層Xを有する面(最外層A)表面を得た後、該樹脂表面に対し無電解めっきを行い回路パターン用の金属層を得る事も可能である。この方法はアディティブ法による回路パターン形成法に好ましく適用可能であり、特に微細配線形成が必要な場合に好ましく実施される。また、金属箔をエッチングすることにより、表面にわずかな凹凸が形成でき、表面粗度が大きくないにも拘わらず、無電解めっきが強固に接着できるという点から、表層Xを有する面上に無電解めっきをして金属層を形成する場合には、特に好ましい。
本発明の絶縁接着シートを用い本発明のプリント配線板を製造する別の方法として、順に、樹脂フィルム基材付いた絶縁接着シート、回路パターンが形成された内層基板を最外層B側と回路パターンを対向させ互いに積層し、回路パターン間を主に最外層Bで埋め込んだ後、樹脂フィルム基材を剥離することにより露出する最外層A樹脂表面に対し無電解めっきを行い回路パターン用の金属層を得る事も可能である。この方法はアディティブ法による回路パターン形成法に好ましく適用可能であり、特に微細配線形成が必要な場合に好ましく実施される。
プリント配線板の製造方法について幾つかを例示したが、表層Xを有する面(最外層A)の表面に無電解めっき銅層を形成する場合、本発明にとっては、微細回路が形成できる程度に表面粗度が小さく、かつ、無電解めっき銅が強固に形成できることが好ましい。表面粗度は上記プリント配線板の製造方法、表層Xを有する面(最外層A)を構成する材料の種類により影響されうる。例えば20μm幅の回路をセミアディティブ方法で形成する場合、表面粗度Raが1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。また、無電解めっき銅層との密着性は5N/cm以上であることが好ましく、7N/cm以上であることがより好ましく、10N/cm以上であることがさらに好ましい。
上記において内層基板にフレキシブルプリント配線板を用いた場合、多層フレキシブル配線板を製造する事になり、また、ガラス−エポキシ基材等を用いたプリント配線板を用いた場合、多層リジッド配線板やビルドアップ配線板を製造する事になる。また、多層プリント配線板には垂直方向の電気的接続の為にヴィアの形成が必要であるが、本発明のプリント配線板においては、レーザー、メカニカルドリル、パンチング等の公知の方法でヴィアを形成し、無電解めっき、導電性ペースト、ダイレクトプレーティング等の公知の方法で導電化することが可能であり、好ましく実施される。
本発明の絶縁性接着シートの、少なくとも最外層Bは、半硬化状態では、適度な流動性を有している。そのため、熱プレス処理、真空プレス処理、ラミネート処理(熱ラミネート処理)、真空ラミネート処理、熱ロールラミネート処理、真空熱ロールラミネート処理等の熱圧着処理を行うことで、パターン回路の線間を主に最外層Bにより良好に埋め込むことができる。中でも真空下での処理、すなわち真空プレス処理、真空ラミネート処理、真空熱ロールラミネート処理がより良好に回路間をボイド無く埋め込むことが可能であり、好ましく実施可能である。
上記熱圧着処理における処理温度は特に限定されるものではないが、50℃以上250℃以下の範囲内であることが好ましく、60℃以上200℃以下の範囲内であることがより好ましく、80℃以上180℃以下の範囲内であることが好ましい。上記処理温度が250℃を超えると、熱圧着処理時に本願発明の絶縁性接着シートが硬化してしまい、良好な積層が行えない可能性がある。一方、上記処理温度が50℃未満であると、最外層B流動性が低く、導体回路パターンを埋め込むことが困難となる。
また、上記熱圧着処理における処理時間、処理圧力は特に限定されるものではなく、用いる装置の特性、最外層Bの流動性に応じて適切に設定すべきである。通常、処理時間は数秒〜3時間であることが好ましく、また処理圧力は0.1MPa〜5MPaであることが好ましい。
上記導体回路パターン上に設けられる最外層Bは、導体回路パターンを保護する保護材料あるいは、多層のプリント配線板での層間絶縁材料となる。そのため、パターン回路を埋め込んだ後、加熱硬化等を行うことによって完全に硬化させることが好ましい。加熱硬化の具体的な方法は特に限定されるものではなく、絶縁性接着シートの最外層Bの熱硬化性樹脂組成物を十分に硬化できる条件で行うことが好ましい。
最外層Bを硬化させる場合には、熱硬化性樹脂組成物の硬化反応を十分に進行させるために、積層工程の後、または同時に、ポスト加熱処理を実施することが好ましい。ポスト加熱処理の条件は特に限定されるものではないが、150℃以上200℃以下の範囲内の温度条件下、10分以上3時間以下の加熱処理を行うことが好ましい。
このように、本発明にかかるプリント配線板は、上述した絶縁性接着シートを含む樹脂層を備えている。そのため、低熱膨張性、優れた微細回路形成性、回路間絶縁性を良好に保つことが可能となり、さらに、接着性、加工性・取扱性、耐熱性、樹脂流動性、誘電特性等の諸特性をバランスよく付与することができる。これにより、プリント配線板を好適に製造することが可能になる。特に、プリント配線板の各回路の電気的信頼性を確保し、各回路における信号伝達速度の低下や信号の損失を抑制することができる。
本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、本発明にかかる絶縁性接着シートまたは金属箔付き絶縁性接着シートの半硬化状態の特性として、流動性、積層性、揮発成分量は以下のように評価または算出した。
また、本発明の絶縁性接着シートまたは金属箔付き絶縁性接着シートの硬化物特性である、線膨張係数、誘電特性、ガラス転移温度、ピール強度、表面粗度、表面観察は、以下のように評価した。
尚、硬化物特性評価は本発明の絶縁性接着シートまたは金属箔付き絶縁性接着シートを18μmの圧延銅箔(商品名:BHY−22B−T、ジャパンエナジー(株)社製)を用いて、当該圧延銅箔の銅箔光沢面に接するように上記接着シートを挟み込んだ。その後、温度180℃、圧力3MPaの条件で1時間加熱加圧することにより、絶縁性接着シートを圧延銅箔で挟持した構成の積層体を得た。得られた積層体の銅箔をエッチングにより除去し硬化樹脂シートを得て特性評価を行った。
〔流動性評価〕
剪断モードの動的粘弾性測定装置(CVO、Bohling社製)を用い、加熱硬化前の絶縁性接着シートまたは金属箔付き絶縁性接着シートについて、次に示す条件で複素粘度(Pa・s)を測定し、複素粘度より溶融粘度を測定した。各絶縁性接着シートの溶融粘度の評価は、60℃以上200℃以下の温度範囲内において、最も小さい溶融粘度で行った。尚、溶融粘度は最外層Bにかかる特性であり、本実施例中では最外層Bのみからなる樹脂シートを作製し、流動性の測定に用いた。
測定周波数:1Hz
昇温速度 :12℃/分
測定試料 :直径3mmの円形状の樹脂シート
〔積層性評価〕
高さが18μm,回路幅が50μm,回路間距離が50μmにて形成された回路を有するガラスエポキシ基板FR−4(商品番号:MCL−E−67、日立化成工業(株)社製;銅箔の厚さ50μm、全体の厚さ1.2mm)の回路形成面と絶縁性接着シートの最外層Bを対向させ、最外層Aと銅箔(商品番号:BHY22BT、ジャパンエナジー社製)と対向させ、温度180℃、圧力3MPa、真空下の条件で1時間の加熱加圧を行って積層体を得た。銅箔付き絶縁性接着シートの場合も同様にして積層体を得た。得られた積層体の銅箔を塩化鉄(III)−塩酸溶液で化学的に除去した。露出した樹脂表面を、光学顕微鏡(倍率50倍)を用いて目視によって観察し、回路間において泡のかみ込みの有無を確認した。 回路間の泡のかみ込み(回路間に樹脂が入り込んでいない部分)が確認されなかった場合の積層性を合格(○)とし、泡のかみ込み確認がされた場合の積層性を不合格(×)として評価を行った。
〔樹脂シート中の揮発成分量の測定〕
質量分析装置(商品番号:TGA50、島津製作所社製)を用い、絶縁性接着シートを試料容器に入れて、次に示す条件にて重量変化を測定した。100℃〜300℃の範囲内で減少した重量を、重量変化前の絶縁性接着シートの重量に対する割合で算出し、揮発成分量とした。金属箔付き絶縁性接着シートの場合は、金属箔のみをポリエステルフィルム(厚み125μm 商品名セラピールHP、東洋メタライジング社製)に変更して同一の手順で絶縁性接着シートを作製し、同様に測定した。
測定温度範囲:15℃〜350℃
昇温速度 :20℃/分
測定雰囲気 :窒素、流量50mL/分
試料容器 :アルミニウム製
〔線膨張係数測定(TMA測定)〕
硬化樹脂シートを作製し、JPCA−BU01−1998(社団法人日本プリント回路工業会発行)に従い、線膨張係数を測定した。
〔誘電特性評価〕
空洞共振器摂動法複素誘電率評価装置(商品名、関東電子応用開発社製)を用い、次に示す条件にて、硬化樹脂シートの誘電率および誘電正接を測定した。
測定周波数:5GHz
測定温度 :22℃〜24℃
測定湿度 :45%〜55%
測定試料 :上記測定温度・測定湿度条件下で、24時間放置した硬化樹脂シート
〔ガラス転移温度測定〕
DMS−200(商品番号、セイコー電子工業社製)を用い、測定長(測定治具間隔)を20mmとして、次に示す条件下で硬化樹脂シートの測定を行い、tanδ(=ε’/ε’’)の温度分散スペクトルのピーク温度をガラス転移温度(℃)とした。
測定雰囲気:乾燥空気雰囲気下、
測定温度 :20℃〜400℃
測定試料 :幅9mm,長さ40mmにスリットした硬化樹脂シート
〔ピール強度測定〕
絶縁性接着シートの最外層Bをガラスエポキシ基板FR−4(商品番号:MCL−E−67、日立化成工業(株)社製;銅箔の厚さ50μm、全体の厚さ1.2mm)に対向させ、最外層Aを銅箔(商品番号:BHY22BT、ジャパンエナジー社製)の粗化面または離型処理を行ったポリエステルフィルム(厚み125μm 商品名セラピールHP、東洋メタライジング社製)を対向させた状態で温度180℃、圧力3MPa、真空下の条件で1時間の加熱加圧を行って積層体を得た。金属箔付き絶縁性接着シートの場合も同様にして積層体を得た。銅箔を用いた場合はエッチングにより、銅箔を除去して得られる粗化された表面に銅層の形成を行った。ポリエステルフィルムを用いた場合は該フィルムを引き剥がして露出する最外層A表面に銅層の形成を行った。銅層の形成は、デスミアおよび無電解銅めっきを行なった後、無電解めっき銅上に厚さ18μmの電解めっき銅層を形成して行った。続いてJPCA−BU01−1998(社団法人日本プリント回路工業会発行)に従い、ピール強度を測定した。尚、デスミアおよび無電解銅めっきは以下のプロセスで実施した。
Figure 2006045388
Figure 2006045388
〔表面粗度Ra測定〕
上記ピール強度測定項目においてサンプル作製手順においてデスミアまで行った状態のサンプルを用い、表面粗度Raの測定を行った。表面粗度RaはJIS B0601などの表面形状に関する企画に規定されており、その測定には、JIS B0651の触針式表面粗さ計やB0652の光波干渉式表面粗さ計を用いることができる。本発明では、光波干渉式表面粗さ計ZYGO社製NewView5030システムを用いて高分子フィルムの算術平均粗さ(Ra)を測定した。
〔表面観察〕
上記ピール強度測定項目においてサンプル作製手順において化学めっきまで行った状態のサンプルをエッチングし、SEM/EDXを用いて表面の形態観察・元素分析を行った。
〔ポリイミド樹脂の合成例1〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、ジメチルホルムアミド(DMF)を入れ、0.95当量の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)および0.05当量の3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(和歌山精化工業(株)製)を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌して溶解させてDMF溶液とした。続いて、フラスコ内を窒素雰囲気下としてから、上記DMF溶液を氷水で冷却しながら撹拌し、1当量の4、4’−(4、4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸無水物(IPBP、GE社製)を添加した。その後、さらに3時間攪拌することによりポリアミド酸溶液を得た。なお、上記DMFの使用量は、APB、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルおよびIPBPのモノマーの仕込み濃度が30重量%となるように設定した。
上記ポリアミド酸溶液300gをフッ素樹脂でコートしたバットに移し、真空オーブンにて、200℃、5mmHg(約0.007気圧、約5.65hPa)の圧力の条件下で、3時間減圧加熱することによって、ポリイミド樹脂を得た。
〔最外層A樹脂溶液の調合例〕
表1に示す成分を表1に示す配合比でジオキソランに溶解・分散させ、最外層A樹脂溶液を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔最外層B樹脂溶液の調合例〕
表1に示す成分を表1に示す配合比でジオキソランに溶解・分散させ、最外層B樹脂溶液を得た。固形分濃度は35重量%となるようにした。
〔実施例1〕
表1に示す最外層A樹脂溶液を、表1に示すように支持体となる18μmの圧延銅箔(商品名:BHY−22B−T、ジャパンエナジー(株)社製)の粗化表面上に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて80℃、100℃、120℃、150℃、170℃の温度で、各1分ずつ加熱乾燥させ、厚み5μmの最外層Aを得た。続いて最外層A表面に表1に示す最外層B樹脂溶液を流延塗布し、熱風オーブンにて80℃、100℃、120℃、150℃、170℃の温度で、各1分ずつ加熱乾燥させ、最外層Aと最外層B両者の厚みが40μmの本発明の金属箔付き絶縁性接着シートを得た。得られたシートを各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〜11〕
表1に示す最外層A樹脂溶液、最外層B樹脂溶液、支持体、厚み、の各項目に従い、実施例1と同様の手順で本発明の絶縁性接着シートまたは金属箔付き絶縁性接着シートを得た。得られたシートを各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〜3〕
表2に示す最外層A樹脂溶液、最外層B樹脂溶液、支持体、厚み、の各項目に従い、実施例1と同様の手順で本発明の絶縁性接着シートまたは金属箔付き絶縁性接着シートを得た。得られたシートを各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2006045388
Figure 2006045388
Figure 2006045388
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明にかかる絶縁性接着シートは、無機フィラーを含有する絶縁性接着シートであって、一方の面の表層Xに存在する無機フィラーの含有量x、および他方の面の表層Yに存在する無機フィラーの含有量yが、下記の関係を満たすことを特徴とする絶縁性接着シートとすることにより、絶縁性接着シートの熱膨張率を小さくする事ができると共に、金属層が形成される表面の表面粗度が大きくなりすぎず、かつ表面に無機フィラーが露出しない程度以下の無機フィラーを添加することにより、表面粗度が小さく、従って優れた微細回路形成性が実現できると共に、無機フィラーが表面に露出しないことにより回路間絶縁性を良好に保つことが可能となる。
X<Y
(x、yは単位体積あたりの体積%を表す)
さらに、優れた流動性、高耐熱性、高ピール強度、低誘電特性を発揮することができる。そのため、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ配線板等のプリント配線板の製造等に好適に用いることができる。それゆえ、本発明は、樹脂組成物や接着剤等の素材加工産業や各種化学産業だけでなく、各種電子部品の産業分野に好適に用いることができる。

Claims (17)

  1. 無機フィラーを含有する絶縁性接着シートであって、一方の面の表層Xに存在する無機フィラーの含有量x、および他方の面の表層Yに存在する無機フィラーの含有量yが、下記の関係を満たすことを特徴とする絶縁性接着シート。
    x<y
    (x、yは単位体積あたりの体積%を表す)
  2. 表層Xを有する面は、該面上に金属層を形成するための面であるとともに、表層Yを有する面は、形成された回路と対向させるための面であることを特徴とする請求項1記載の絶縁性接着シート。
  3. 前記絶縁性接着シートは、少なくとも2層以上の層から構成されることを特徴とする請求項1または2記載の絶縁性接着シート。
  4. 一方の最外層Aに含まれる無機フィラー含有量aと、他方の最外層Bに含まれる無機フィラー含有量bが、a<bの関係を満たすとともに、最外層Bが半硬化状態となっていることを特徴とする請求項3記載の絶縁性接着シート。
  5. 最外層Aの厚みが、最外層Bの厚みよりも薄い事を特徴とする請求項4記載の絶縁性接着シート。
  6. 最外層Bが、半硬化状態であり、温度60℃以上200℃以下の範囲内である条件において、最低溶融粘度が10Pa・s以上10,000Pa・s以下の範囲内である事を特徴とする請求項4または5記載の絶縁性接着シート。
  7. 硬化後の線膨張係数が50ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
  8. 最外層Aには熱可塑性ポリイミドが含まれることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
  9. 最外層Aに熱硬化性樹脂が含まれる事を特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
  10. 最外層Aに有機チオール化合物が含まれる事を特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
  11. 最外層Bに含まれる無機フィラーが球状シリカであることを特徴とする請求項4〜10のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
  12. 最外層Bに熱可塑性ポリイミド樹脂を含むことを特徴とする請求項4〜11のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
  13. 最外層Bに熱硬化性樹脂成分を含むことを特徴とする請求項4〜12のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート。
  14. 最外層Aの表面に金属箔が形成されていることを特徴とする請求項4〜13のいずれか1項に記載の金属箔付き絶縁性接着シート。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の絶縁性接着シートまたは金属箔付き絶縁性接着シートからなるプリント配線板用層間接着材料。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート、プリント配線板用層間接着材料を用いたプリント配線板であって、その表層Xの表面に無電解めっきが施されたことを特徴とするプリント配線板。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の絶縁性接着シート、金属箔付き絶縁性接着シート、プリント配線板用層間接着材料を用いることを特徴とするプリント配線板。
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