JP5578601B2 - 搬送波再生回路、復調回路および搬送波再生方法 - Google Patents
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Description
同図において、復調回路9は、基準発振器1001と直交検波器1002とA/D変換器1003と搬送波再生回路91とを具備する。搬送波再生回路91は、位相回転器1004と位相誤差検出器1005とループフィルタ1008と数値制御発振器1009とを具備する。搬送波再生回路91は、位相同期回路(Phase Locked Loop;PLL)である搬送波再生ループを形成する。
基準発振器1001は、固定周波数の基準信号を出力する。直交検波器1002は、固定周波数の基準発振器1001から出力される基準信号を用いて、IF(Intermediate Frequency;中間周波数)入力信号r91を直交検波し、Ich(In-phase Channel;同相チャネル)のベースバンド信号とQch(Quadrate-phase Channel;直交チャネル)のベースバンド信号とを生成する。直交検波器1002は、生成したベースバンド信号をA/D変換器1003に出力する。直交検波器1002が出力するベースバンド信号は、IF周波数(IF入力信号の中間周波数)と基準発振器1001の固定周波数との位相差による位相誤差を含む。
A/D変換器1003は、直交検波器1002から出力されるベースバンド信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、位相回転器1004に出力する。
位相誤差検出器1005は、出力信号r92に含まれる(残存する)位相誤差を検出し、検出した位相誤差を電圧値で示す位相誤差信号を出力する。
ループフィルタ1008は、位相誤差信号に含まれる不要な高周波成分を除去する。
数値制御発振器1009は、ループフィルタ1008を通過した位相誤差信号に基づき、この信号が示す位相と逆相の正弦波信号および余弦波信号を生成する。数値制御発振器1009は、生成した正弦波信号および余弦波信号を位相回転器1004に出力し、位相回転器1004は、数値制御発振器1009から出力された正弦波信号および余弦波信号に基づいて、ベースバンド信号に対して上記の位相誤差補償を行う。
ここで、直交検波器1002が出力するベースバンド信号に含まれる位相誤差の大きさや変調方式などにより、ループフィルタ1008の最適な帯域幅が異なる。そのため、位相誤差の大きさや変調方式などに応じてループフィルタ1008の帯域幅を調整することが望ましい。
また、特許文献3では、QAM変調やPSK変調の信号点配置(コンスタレーション・ビットマップ;Constellation Bitmap)における信号点(コンスタレーション・ポインツ;Constellation Points)の座標と復調信号の座標とから、位相誤差を算出する方法が示されている。また、特許文献4では、QAM変調の信号点配置における信号点毎に、信号点の周辺領域を4分割することにより、搬送波再生回路における位相遅れまたは位相進みを判定する技術が示されている。
また、特許文献1に記載された技術では、上述したように、ビット誤り率に基づいてループ帯域幅を設定するが、ビット誤り率は、位相誤差が小さい場合でも送受信装置間の伝搬路状況等により悪化するため、適切な帯域幅を設定することができないおそれがある。
また、特許文献2の方法は、ユーザがループ帯域幅を最適化するものであり、ループ帯域幅を自動的に設定することはできない。さらには、特許文献2には、ユーザが行う最適化の内容は示されていない。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
本発明は、PSKやQAMなど、位相情報をデータの識別に使用する変調方式を対象とする。本実施形態では、変調方式が16QAMである場合を例に説明するが、位相情報をデータの識別に使用する変調方式であれば16QAM以外であってもよい。また、本発明は、復調回路の検波方式に関して、準同期検波方式を対象とする。準同期検波方式は、復調回路が、自ら生成する固定周波数の周波数信号を用いて検波を行い、検波後に位相誤差を取り除く方式であり、搬送波に完全同期する信号を生成する必要が無いため、広く採用されている方式である。
また、第1の実施形態では受信信号のC/N(Carrierto Noise Ratio;搬送波対雑音比)が一定値とみなせることを前提とする。C/Nが変化する場合への対応は、第2の実施形態で説明する。
同図において、復調回路1は、基準発振器101と、直交検波器102と、A/D変換器103と、搬送波再生回路51とを具備する。搬送波再生回路51は、位相回転器104と、位相誤差検出器105と、振幅誤差検出器106と、ループフィルタ制御部107と、ループフィルタ108と、数値制御発振器(位相回転制御部)109とを具備する。搬送波再生回路51は、PLLループである搬送波再生ループを形成する。
A/D変換器103は、直交検波器102からアナログ信号にて出力される、Ichのベースバンド信号とQchのベースバンド信号とをディジタル信号に変換し、位相回転器104に出力する。復調回路1は、これ以降の復調処理をディジタル信号処理により行う。
位相誤差検出器105は、位相回転器104から出力信号r12を受けて、出力信号r12に含まれる位相誤差を検出する。位相誤差検出器105は、検出した位相誤差を電圧値で示す位相誤差信号を、ループフィルタ制御部107とループフィルタ108とに出力する。
ループフィルタ108は、位相誤差検出器105から出力される位相誤差信号から、不要な高調波成分を除去し、数値制御発振器109に出力する。
数値制御発振器109は、電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator;VCO)を具備し、ループフィルタ108から出力される位相誤差信号に基づいて、逆位相の正弦波信号および余弦波信号(これらを併せて位相回転制御信号)を生成する。数値制御発振器109は、生成した正弦波信号および余弦波信号を位相回転器104に出力することにより、位相回転器104が行う位相回転を制御する。
ループフィルタ制御部107は、位相誤差検出器105が検出した位相誤差と、振幅誤差検出器106が検出した振幅誤差とに基づいてループフィルタ108の帯域幅を制御する。
同図において、位相誤差検出器105は、シンボル推定部551と位相比較部552とを具備する。
シンボル推定部551は、送受信装置間で用いられる変調方式の信号点配列の中から、出力信号r12に応じた信号点を選択し、選択した信号点の座標を位相比較部552に出力する。位相比較部552は、シンボル推定部551が選択した信号点の座標とIF入力r11の座標とを比較し、IF入力r11の位相誤差を算出する。
同図において、振幅誤差検出器106は、シンボル推定部551と振幅比較部562とを具備する。
シンボル推定部551は、図2のシンボル推定部551と同様である。シンボル推定部551は、選択した信号点の座標を振幅比較部562に出力する。
振幅比較部562は、シンボル推定部551が選択した信号点の座標とIF入力r11の座標とを比較し、IF入力r11の振幅誤差を算出する。
同図において、ループフィルタ制御部107は、最小値保持部573と減算器571および574と帯域幅拡大判定部572と帯域幅縮小判定部575と帯域幅カウンタ576とループフィルタ係数演算部577とを具備する。
最小値保持部573は、振幅誤差入力r172の最小値を記憶する。最小値保持部573は、記憶する振幅誤差入力r172の最小値を、随時、減算器574に出力する。
減算器571は、位相誤差入力r171から振幅誤差入力r172を減じた差分を算出し、帯域幅拡大判定部572に出力する。減算器574は、振幅誤差入力r172から振幅誤差入力r172の最小値を減じた差分を算出し、帯域幅縮小判定部575に出力する。
帯域幅縮小判定部575は、減算器574から出力される値r172と予め記憶する閾値2とを比較することにより、ループフィルタ108の帯域幅を狭めるか否かを決定する。帯域幅縮小判定部575は、ループフィルタ108の帯域幅を狭めると決定した場合は、ループフィルタ108の帯域幅を狭めるべきことを示す信号を、帯域幅カウンタ576に出力する。
帯域幅カウンタ576は、帯域幅拡大判定部572および帯域幅縮小判定部575の決定に応じて、ループフィルタ108の帯域幅を示す信号を出力する。
ループフィルタ係数演算部577は、帯域幅カウンタ576から出力される信号に基づいて、ループフィルタ108の帯域幅を示す係数を生成し、生成した係数を出力する。
図5は、位相誤差を含む信号をI−Q平面(横軸にIchをとり、縦軸にQchをとった座標平面)上に示した図である。同図は、16QAMの信号点配置の第1象限を示す。点P1〜P4は、16QAMの信号点であり、点P2aおよびP2bは、信号点P2の信号に位相誤差が含まれる場合の信号を示す。点P2aは、点P2よりも角度αだけ位相が進んでおり、点P2bは、点P2よりも角度βだけ位相が遅れている、
同図に示すように、位相誤差は信号の位相がずれる誤差(位相方向の誤差)である。変調側や復調側において、搬送波の周波数と発振器の周波数とがずれている場合に位相誤差が発生する。復調回路1においては、IF入力信号r11の周波数と基準発振器101が生成する基準信号の周波数とがずれている場合に位相誤差が発生する。また、次に述べる加法性誤差には、位相誤差が含まれる。以下では、搬送波の周波数と発振器の周波数とのずれによって生じる位相誤差を「純粋な位相誤差」ともいう。純粋な位相誤差は、振幅誤差を伴わない誤差である。
加法性誤差は、熱雑音などの無指向の誤差であり、位相方向の誤差である位相誤差と振幅方向の誤差である振幅誤差との両方を含む。
点P2dは、純粋な位相誤差により点P2よりも角度αだけ位相が進み、さらに加法性誤差によって位相方向および振幅方向にずれている。このように、純粋な位相誤差と加法性誤差とによって信号がずれた場合、振幅方向には加法性雑音によるずれのみが生じるが、位相方向には、位相誤差によるずれと、加法性雑音によるずれとの両方が生じる。一方、純粋な位相誤差が取り除かれ、加法性雑音誤差のみが含まれる場合は、図6のように、位相誤差と振幅誤差が同じ大きさとなる。
位相誤差を取り除くためには、ループフィルタ108の帯域幅を広げる必要があるが、一方で、ループフィルタ108の帯域幅を広げると位相誤差検出器105で生じる雑音が混入されC/Nが劣化する。この、位相誤差検出器105で生じる雑音は加法性雑音であり、振幅誤差が最小となるようにループフィルタの帯域幅を狭めることにより雑音を除去できる。これらの、ループフィルタの帯域幅を広げる制御および狭める制御によりループフィルタの帯域幅を適切に設定することができる。
信号点を原点とし、座標軸がI−Q平面の座標軸と平行な局所座標をとり、統計的に観察すると、出力信号r12に加法性雑音のみが含まれる場合は、図8に示すように、全ての象限に同じ割合で出力信号r12が含まれ、どの象限を観測しても同様の雑音量が観測できる。なお、ここでいう雑音量とは、基準となる信号点と出力信号r12とのI−Q平面上における距離である。
出力信号r12に純粋な位相誤差のみが含まれる場合は、図9に示すように、出力信号r12は第二象限または第四象限に含まれる。したがって、出力信号r12に純粋な位相誤差が含まれる場合(純粋な位相誤差のみが含まれる場合、および、純粋な位相誤差と加法性雑音とが含まれる場合)は、出力信号r12が第二象限または第四象限に含まれる割合が高くなる。そのため、各象限に出力信号r12が含まれる割合を比較することにより、出力信号に純粋な位相誤差が含まれるか否かを判断することができる。
そこで、位相誤差検出器105は、第二、四象限に入った信号点の原点からの距離を位相誤差として出力する。振幅誤差検出器106は、第一、三象限に入った信号点の原点からの距離を振幅誤差として出力する。
同図に示すように、ループフィルタ108の帯域幅が狭すぎる場合は、応答速度が遅く、搬送波再生ループが位相の変化に十分に追従できないためにC/Nが悪化する。例えば、温度変化によって基準発振器101の発振周波数が変化してPLLロックが外れた場合に、ループフィルタ108の帯域幅が狭すぎると、ループフィルタ108が出力する電圧の変化が遅く、再びPLLロック状態となるまでに時間がかかってしまう。一方、ループフィルタの帯域が広すぎる場合は、位相誤差検出器105が出力する位相誤差信号に含まれる不要な高調波成分を除去できないためにC/Nが悪化する。従ってループフィルタの帯域は狭すぎても、広すぎてもC/Nが劣化する。一般的にループフィルタの帯域の広い方が搬送波への追従性能が良いため、C/Nが劣化しない範囲で広い帯域へ調整することが望ましい。C/Nは加法性雑音であるため、振幅方向にも誤差が生じる。そこで、振幅誤差を用いてC/Nが劣化したか否かを判断することができる。
図11は、復調回路1が、入力されるIF信号r11を復調処理する手順を示すフローチャートである。
ステップS11において、基準発振器101は、固定周波数の基準信号を自走発振し、直交検波器102に出力する。
ステップS12において、直交検波器102は、復調回路1に入力されたIF信号r11を、基準発振器101から出力される基準信号で検波して、互いに直交するIchのベースバンド信号とQchのベースバンド信号とに変換し、A/D変換器103に出力する。
ステップS13において、A/D変換器103は、直交検波器102から出力されるIchのベースバンド信号とQchのベースバンド信号とをそれぞれディジタル信号に変換し、位相回転器104に出力する。
ステップS15において、位相誤差検出器105は、位相回転器104から出力されるベースバンド信号に含まれる(残存する)位相誤差を検出する。
具体的には、まず、位相誤差検出器105のシンボル推定部551は、I−Q平面上における出力信号r12の座標と各信号点の座標との最小二乗誤差を算出し、最小二乗誤差が最も小さい信号点を選択する。シンボル推定部551は、選択した信号点のI−Q平面上の座標を、位相比較部552に出力する。
具体的には、まず、振幅誤差検出器106のシンボル推定部551は、位相誤差検出器105の場合と同様に信号点を選択し、選択した信号点の座標を振幅比較部562に出力する。
振幅比較部562は、シンボル推定部551が選択した信号点の座標を出力信号r12の座標から減算して雑音ベクトルを生成する。振幅比較部562は、雑音ベクトルのIch成分とQch成分とが共に正の場合(図9の第一象限に含まれる場合)およびIch成分とQch成分とが共に負の場合(図9の第三象限に含まれる場合)は、雑音ベクトルの長さを振幅誤差として算出し、ループフィルタ制御部107に出力する。一方、振幅比較部562は、雑音ベクトルのIch成分が正かつQch成分が負の場合(図9の第四象限に含まれる場合)およびIch成分が負かつQch成分が正の場合(図9の第二象限に含まれる場合)は、何も出力しない。
ループフィルタ制御部107において、減算器571は位相誤差r171から振幅誤差r172を減算した差分r177を算出し、算出した差分r177を帯域幅拡大判定部572に出力する。帯域幅拡大判定部572は、差分r177が予め設定された閾値r176よりも大きい場合は、ループフィルタ108の帯域幅を広げるべきことを示す信号を帯域幅カウンタ576に出力する。一方、差分r177が閾値r176以下の場合は、帯域幅拡大判定部572は何も出力しない。
帯域幅カウンタ576は、増減結果のカウンタ値を、ループフィルタ係数演算部577に出力する。
ループフィルタ係数演算部577は、帯域幅カウンタ576から出力されるカウンタ値に基づいて、ループフィルタ108の構成に応じたループフィルタの係数を決定する。例えば、ループフィルタ係数演算部577が、カウンタ値を係数に変換する関数を記憶しておき、この関数に基づいて係数を算出する。あるいは、ループフィルタ係数演算部577が、予め記憶するルックアップテーブルに基づいて係数を決定するようにしてもよい。
ループフィルタ係数演算部577は、決定した係数をループフィルタ108に出力する。
ステップS18において、数値制御発振器109は、ループフィルタ108から出力される位相誤差信号に基づいて、逆位相の正弦波信号および余弦波信号を生成し、位相回転器104に出力する。位相回転器104回転器は、数値制御発振器109が出力する逆位相の正弦波信号および余弦波信号に基づいて、上記のステップS14における位相回転を行う。
復調回路1は、IF信号が入力される間、上記の処理を継続して行う。
図12は、ループを含む制御回路を示す図である。
同図の制御回路は、乗算部801と減算器802と制御係数算出部803とを含んでループを構成し、同図の制御回路は、入力信号Xを変換して、参照信号Rに一致する出力信号Yを出力することを目的とする。
乗算部801は、入力信号Xと制御係数Cとの入力を受けて出力信号Yを生成し、減算器802と回路の外部とに出力する。減算器802は、乗算部801から出力される出力信号Yから参照信号Rを減算して誤差信号Eを生成し、制御係数算出部803に出力する。制御係数算出部803は、減算部802から出力される誤差信号Eに基づいて制御係数Cを生成し、乗算部801に出力する。
まず、同図の誤差信号は、式(1)で表される。
式(2)より、Cは式(3)で表される。
ここで、R=Xとみなせる(入力信号Xに含まれるノイズが小さい)として、R=Di+jDq(Diは参照信号Rの実成分、Dqは虚成分)、E=Ei+jEq(Eiは誤差信号の実成分、Eqは虚成分)とすると、振幅制御情報θは式(7)で示される。
この方法を用いれば、位相誤差r171と振幅誤差r172とが同時にループフィルタ制御部107に出力されるので、ループフィルタ制御部107は、前述したように、位相誤差r171や振幅誤差r172の平均等を記憶しておく必要がない。
また、位相誤差および振幅誤差を推定する公知の方法として、QAM変調において、最大振幅の信号点に対応付けられる入力信号と当該信号点との最小二乗誤差と、最小振幅の信号点に対応付けられる入力信号と当該信号点との最小二乗誤差とを用いる方法があるが、この方法では、最大振幅の信号点または最小振幅の信号点に対応付けられる入力信号のみを使用するため、多値数が多い変調方式では、使用しない入力信号の数が増えてサンプル数が少なくなり、実用的でない。また、最大振幅の信号点と最小振幅の信号点が存在することを前提としているため、振幅が変化しない変調方式であるPSKの復調回路には適用できない。
これに対して、上記の位相誤差検出器および振幅誤差検出器が行う位相誤差や振幅誤差の検出は、全ての入力信号をサンプルとして位相誤差や振幅誤差を算出できるので、多値数が多い変調方式にも適用できる。また、最大振幅の信号点および最小振幅の信号点の存在を前提としないので、PSKの復調回路にも適用できる。
なお、直交検波器102と、A/D変換器103と、ループフィルタ108と、数値制御発振器109とは、周知のものであるため、これらの詳細な説明は省略する。
図13は、本発明の第2の実施形態における復調回路2の概略構成を示す構成図である。本実施形態の復調回路2は、受信信号のC/Nが変化する場合にも適用できる。
同図において、復調回路2は、基準発振器101と、直交検波器102と、A/D変換器103と、搬送波再生回路52とを具備する。搬送波再生回路52は、位相回転器104と、位相回転器(第2の位相回転器)104−2と、位相誤差検出器105と、位相誤差検出器(第2の位相誤差検出器)105−2と、振幅誤差検出器106と、振幅誤差検出器(第2の振幅誤差検出器)106−2と、ループフィルタ制御部207と、ループフィルタ108と、ループフィルタ(第2のループフィルタ)108−2と、数値制御発振器(位相回転制御部)109と、数値制御発振器(第2の位相回転制御部)109−2とを具備する。
同図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号(101、102、103、104、105、106、108、109)を付し、説明を省略する。
復調回路2は、複数の搬送波再生ループを備え、各ループが同時に別のループフィルタ108と108−2とで再生処理を行う点で、第1の実施形態の復調回路1と異なる。復調回路2の複数の搬送波再生ループは、同じベースバンド信号の入力を受けて動作しているので、ベースバンド信号に含まれるC/Nも同じであり、ループフィルタの係数によってのみ特性の差が生じる。
同図において、図4の各部に対応する部分には同一の符号(571、572、575、576)を付し、説明を省略する。
減算器674は、振幅誤差入力r273から振幅誤差入力r272を減算した差分r277を算出し、算出した差分を帯域幅縮小判定部575に出力する。
ループフィルタ係数演算部677は、帯域幅カウンタ576から出力されるカウンタ値に基づいて、ループフィルタ108の帯域幅を示す係数と、ループフィルタ108−2の帯域幅を示す係数とを生成し、各ループフィルタに出力する。
復調回路2は、2つの搬送波再生ループを備え、それぞれのループフィルタを異なった帯域幅に設定することにより、ループフィルタの帯域幅を変更した場合に、BERが向上するか否かを判断する。
図15は、復調回路2が、入力されるIF信号を復調処理する手順を示すフローチャートである。
ステップS31およびS32は、図11のステップS11およびS12と同様である。ステップS33において、A/D変換器103は、直交検波器102から出力されるIchのベースバンド信号とQchのベースバンド信号とをそれぞれディジタル信号に変換し、位相回転器104および104−2に出力する。
また、ステップS35において、振幅誤差検出器106は、ステップS15の振幅誤差検出器106と同様に、位相回転器104から出力されるベースバンド信号に含まれる振幅誤差を検出し、検出した振幅誤差をループフィルタ制御部207に出力する。また、振幅誤差検出器106−2は、ステップS15の振幅誤差検出器106と同様に、位相回転器104−2から出力されるベースバンド信号に含まれる振幅誤差を検出し、検出した振幅誤差をループフィルタ制御部207に出力する。
ループフィルタ制御部207において、減算器571の動作と、帯域幅拡大判定部572の動作とは、ループフィルタ制御部107の場合と同様であり、帯域幅拡大判定部572は、位相誤差r271から振幅誤差r272を引いた差分が、予め設定された閾値r276よりも大きい場合に、帯域幅を広げるべきことを示す信号を帯域幅カウンタ576に出力する。
帯域幅カウンタ576は、第1の実施形態の帯域幅カウンタ576と同様に、ループフィルタ108に設定すべき帯域幅を示すカウンタ値を、ループフィルタ係数演算部677に出力する。
復調回路2は、IF信号が入力される間、上記の処理を継続して行う。
なお、ループフィルタ係数演算部677がループフィルタ108−2の帯域幅をループフィルタ108の帯域幅よりも狭く設定し、減算器674が振幅誤差r272から振幅誤差r273を減算するようにしてもよい。これにより、上記の場合と同様、ループフィルタ108の帯域幅を狭めると振幅誤差が減少するか否かを判断することができる。
なお、第1の実施形態の帯域幅カウンタ576の場合と同様、帯域幅カウンタ576に、帯域幅拡大判定部572と帯域幅縮小判定部575から同時に信号が出力された場合は、予め定められた優先順に基づいて処理を行うことにより、処理の衝突によりデッドロック状態に陥ることを回避する。どちらを先に処理するように定めておいてもよい。
また、搬送波再生回路52は、ループフィルタの帯域幅が異なる複数の搬送波再生ループを備え、これらのループにおける位相誤差や振幅誤差に基づいて、ループフィルタの帯域幅を狭めたときに振幅誤差が増大するか否かを判断して帯域幅を制御するので、受信信号のC/Nが変化する状況においても適切な帯域幅を設定し、ビット誤り率特性を向上させることができる。
51、52 搬送波再生回路
101 基準発振器
102 直交検波器
103 A/D変換器
104、104−2 位相回転器
105、105−2 位相誤差検出器
106、106−2 振幅誤差検出器
107、107−2 ループフィルタ制御部
108、108−2 ループフィルタ
109、109−2 数値制御発振器
571、574、674 減算器
573 最小値保持部
572 帯域幅拡大判定部
575 帯域幅縮小判定部
576 帯域幅カウンタ
577、677 ループフィルタ係数演算部
Claims (5)
- 準同期検波装置の搬送波再生回路であって、
入力信号の位相を回転する位相回転器と、
前記位相回転器が位相を回転した入力信号に含まれる位相誤差を検出する位相誤差検出器と、
前記位相回転器が位相を回転した入力信号に含まれる振幅誤差を検出する振幅誤差検出器と、
前記位相誤差検出器が検出した位相誤差の高周波成分を、設定される帯域幅に応じて除去するループフィルタと、
前記位相誤差検出器が検出した位相誤差と前記振幅誤差検出器が検出した振幅誤差とに基づいて前記ループフィルタの帯域幅を制御するループフィルタ制御部と、
前記ループフィルタが高調波成分を除去した位相誤差に基づいて位相回転制御信号を生成する位相回転制御部と、
を備え、
前記位相回転器は、前記位相回転制御信号に基づいて前記入力信号の位相を回転し、
前記ループフィルタ制御部は、前記位相誤差から前記振幅誤差を減算した差分が予め設定された閾値よりも大きいときは、前記ループフィルタの帯域幅を広げる設定を行い、前記ループフィルタの帯域幅を狭めると振幅誤差が小さくなると判断したときは、前記ループフィルタの帯域幅を狭める設定を行う
ことを特徴とする搬送波再生回路。 - 前記ループフィルタ制御部は、前記振幅誤差から過去における前記振幅誤差の最小値を減算した差分が予め設定された閾値よりも大きいときに、前記ループフィルタの帯域幅を狭めると振幅誤差が小さくなると判断することを特徴とする請求項1に記載の搬送波再生回路。
- 入力信号の位相を回転する第2の位相回転器と、
前記第2の位相回転器が位相を回転した入力信号に含まれる位相誤差を検出する第2の位相誤差検出器と、
前記第2の位相回転器が位相を回転した入力信号に含まれる振幅誤差を検出する第2の振幅誤差検出器と、
前記第2の位相誤差検出器が検出した位相誤差の高周波成分を除去する第2のループフィルタと、
前記第2のループフィルタが高調波成分を除去した位相誤差に基づいて位相回転制御信号を生成する第2の位相回転制御部と、
をさらに備え、
前記第2の位相回転器は、前記第2の位相回転制御部が生成した前記位相回転制御信号に基づいて前記入力信号の位相を回転し、
前記ループフィルタ制御部は、前記ループフィルタと前記第2のループフィルタとを互いに異なる帯域幅に設定し、前記位相誤差検出器が検出する位相誤差から前記振幅誤差検出器が検出する振幅誤差を減算した差分が予め設定された閾値よりも大きいときは、前記ループフィルタの帯域幅に加えて前記第2のループフィルタの帯域幅を広げる設定を行い、前記振幅誤差検出器が検出した振幅誤差と前記第2の振幅誤差検出器が検出した振幅誤差との差分が予め設定された閾値よりも大きいときは、前記ループフィルタの帯域幅を狭めると振幅誤差が小さくなると判断して、前記ループフィルタの帯域幅に加えて前記第2のループフィルタの帯域幅を狭める設定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送波再生回路。 - 固定周波数の信号を自走発振する基準発振器と、
中間周波数入力信号を前記固定周波数の信号で検波して互いに直交するベースバンド信号を生成する直交検波器と、
前記互いに直交するベースバンド信号をディジタル信号に変換するA/D変換器と、
前記ディジタル信号に変換された互いに直交するベースバンド信号の位相を回転する位相回転器と、
前記位相回転器が位相を回転したベースバンド信号に含まれる位相誤差を検出する位相誤差検出器と、
前記位相回転器が位相を回転したベースバンド信号に含まれる振幅誤差を検出する振幅誤差検出器と、
前記位相誤差検出器が検出した位相誤差の高調波成分を、設定される帯域幅に応じて除去するループフィルタと、
前記位相誤差検出器が検出した位相誤差と前記振幅誤差検出器が検出した振幅誤差とに基づいて前記ループフィルタの帯域幅を制御するループフィルタ制御部と、
前記ループフィルタが高調波成分を除去した位相誤差に基づいて位相回転制御信号を出力する位相回転制御部と、
前記ディジタル信号に変換された互いに直交するベースバンド信号の位相を回転する第2の位相回転器と、
前記第2の位相回転器が位相を回転したベースバンド信号に含まれる位相誤差を検出する第2の位相誤差検出器と、
前記第2の位相回転器が位相を回転したベースバンド信号に含まれる振幅誤差を検出する第2の振幅誤差検出器と、
前記第2の位相誤差検出器が検出した位相誤差の高調波成分を、設定される帯域幅に応じて除去する第2のループフィルタと、
前記第2のループフィルタが高調波成分を除去した位相誤差に基づいて位相回転制御信号を出力する第2の位相回転制御部と、
を備え、
前記位相回転器は、前記位相回転制御部が出力する位相回転制御信号に基づいて、前記ディジタル信号に変換された互いに直交するベースバンド信号の位相を回転し、
前記第2の位相回転器は、前記第2の位相回転制御部が出力する位相回転制御信号に基づいて、前記ディジタル信号に変換された互いに直交するベースバンド信号の位相を回転し、
前記ループフィルタ制御部は、前記ループフィルタと前記第2のループフィルタとが互いに異なる帯域幅を有するよう制御し、前記位相誤差検出器が検出する位相誤差から前記振幅誤差検出器が検出する振幅誤差を減算した差分が予め設定された閾値よりも大きいときは、前記ループフィルタの帯域幅と前記第2のループフィルタの帯域幅とを広げる設定を行い、前記振幅誤差検出器が検出した振幅誤差と前記第2の振幅誤差検出器が検出した振幅誤差との差分が予め設定された閾値よりも大きいときは、前記ループフィルタの帯域幅と前記第2のループフィルタの帯域幅とを狭める設定を行う
ことを特徴とする復調回路。 - ループフィルタを備える準同期検波装置の搬送波再生回路の搬送波再生方法であって、
前記搬送波再生回路が、入力信号の位相を回転する位相回転ステップと、
前記搬送波再生回路が、前記位相回転ステップにて位相を回転した入力信号に含まれる位相誤差を検出する位相誤差検出ステップと、
前記搬送波再生回路が、前記位相回転ステップにて位相を回転した入力信号に含まれる振幅誤差を検出する振幅誤差検出ステップと、
前記搬送波再生回路が、前記位相誤差検出ステップにて検出した位相誤差と前記振幅誤差検出ステップにて検出した振幅誤差とに基づいて前記ループフィルタのループ帯域幅を制御するループフィルタ制御ステップと、
を備え、
前記ループフィルタ制御ステップでは、前記位相誤差から前記振幅誤差を減算した差分が予め設定された閾値よりも大きいときは、前記ループフィルタの帯域幅を広げる設定を行い、前記ループフィルタの帯域幅を狭めると振幅誤差が小さくなると判断したときは、前記ループフィルタの帯域幅を狭める設定を行う
ことを特徴とする搬送波再生方法。
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