JPH11136301A - 搬送波再生回路 - Google Patents

搬送波再生回路

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JPH11136301A
JPH11136301A JP9297217A JP29721797A JPH11136301A JP H11136301 A JPH11136301 A JP H11136301A JP 9297217 A JP9297217 A JP 9297217A JP 29721797 A JP29721797 A JP 29721797A JP H11136301 A JPH11136301 A JP H11136301A
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JP
Japan
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circuit
gain
carrier recovery
phase error
phase noise
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JP9297217A
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Inventor
Taku Fujiwara
卓 藤原
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 さまざまな伝送路、チューナの性能ばらつ
き、チューナのチャンネル間差異等によるさまざまな位
相ノイズに対して、ループフィルタのゲインを常に最適
化することによって、受信機ごとに対応をとり、ディジ
タル変調信号を常に誤り率の最も低い状態で受信できる
搬送波再生回路を得る。 【解決手段】 位相誤差信号6に現れる位相ノイズの大
きさを演算処理回路14によって監視する。そして位相
誤差信号6が最も小さくなるようにゲインアンプ7およ
びゲインアンプ8を初期設定値から変更するように構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、QAM、VS
B、PSK等のディジタル変調波を同期検波することに
より、搬送波を再生するディジタル復調器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図22は、ITEJ Technical Report Vol.
16 No.52に掲載されている「ディジタル衛星放送用QP
SK復調器の検討」に示された従来の搬送波再生回路で
ある。図22において、1は受信変調信号、2は搬送波
の位相誤差を修正するデロテータ、4は復調信号、5は
復調信号から位相誤差を検出する位相誤差検出器、6は
位相誤差検出器5の出力である位相誤差信号、7はルー
プフィルタのスルー系のゲインを設定するゲインアン
プ、8はループフィルタの積分系のゲインを設定するゲ
インアンプ、9はループフィルタの積分系の加算器、1
0はループフィルタの積分器の1シンボル遅延器、11
はスルー系と積分系を加算する加算器、12は数値制御
発振回路、13は数値制御発振回路12の入力信号で、
位相誤差入力Δθ(N) に対するcosθ(N) 、あるいは
cosθ(N) およびsinθ(N) (θ(N) =Δθ(N) +
Δθ(N+1) )である。この搬送波再生回路のループフィ
ルタは、スルー系と積分系を持つが、それぞれのゲイン
は一旦設定すれば固定である。
【0003】次に動作について説明する。受信変調信号
1がデロテータ2に入力されるが、初期状態においては
位相誤差未修正の信号がデロテータ2から出力される。
位相誤差検出器5によって位相誤差が検出され、位相誤
差信号6として出力される。この位相誤差信号6をゲイ
ンアンプ7で構成されるスルー系およびゲインアンプ8
と加算器9および1シンボル遅延器10による積分器に
よって構成されるループフィルタに通すことによって位
相誤差信号6に含まれる高域ノイズを除去し、これを数
値制御発振回路12に入力する。数値制御発振回路12
はループフィルタの出力信号Δθ(N) に応じたcosθ
(N) 、あるいはcosθ(N) およびsinθ(N) (θ
(N) =Δθ(N) +Δθ(N+1) )を出力する。この数値制
御発振回路12の出力13と受信変調信号1をデロテー
タ2により乗算することにより位相誤差を修正し、復調
信号4を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の搬送波再生回路
のループフィルタは、そのゲインを一旦設定すれば固定
である。設定を変えたとしても、搬送波再生回路が引き
込み動作時と定常動作時とでループフィルタのゲインを
切替える程度であった。搬送波再生回路のループフィル
タのゲインは、位相ノイズと密接な関係があり、位相ノ
イズが大きい場合はゲインを上げ、位相ノイズが小さい
場合はゲインを下げる必要がある。位相ノイズが大きい
のにゲインを小さく設定すると、位相ノイズを十分に抑
圧できない。逆に位相ノイズが小さいのにゲインを大き
く設定すると、搬送波再生回路のループの安定点での振
動が大きくなる。
【0005】位相ノイズの発生源は、放送局側の変調
器、伝送路上の中継器、アンプ、そして受信機内のチュ
ーナである。従ってディジタル放送等を考えた場合、各
家庭の受信機のチューナ出力における位相ノイズつまり
搬送波再生回路に入力される位相ノイズは、電波が放送
局から家庭に到達するまでの経路およびチューナの性能
ばらつき、チューナの受信チャンネル等によりそれぞれ
異なることになる。従って従来の搬送波再生回路のルー
プフィルタでは、各家庭ごと各チャンネルごとに最適な
ゲイン設定を行わなければならず、それは事実上不可能
であるという問題点があった。
【0006】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、搬送波再生回路のループフィルタ
のゲインを自動的に最適に設定することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る搬送波再
生回路は、位相誤差検出回路の出力に現れる位相ノイズ
を上記演算処理回路で監視、評価して搬送波再生ループ
フィルタのゲインを制御する機能を有する位相誤差検出
回路の出力位相誤差信号に現れる位相ノイズを演算処理
回路で監視、評価し、その位相ノイズを最小にするよう
ループフィルタのゲインを設定する機構を有するもので
ある。
【0008】また、搬送波再生ループフィルタのゲイン
を可変する手段が、位相誤差検出回路の出力をビットシ
フトすること等により実現されており、その設定数が比
較的少ない場合において、1つ以上あるフィルタのゲイ
ンの任意の組合せを実行するたび毎に位相誤差検出回路
の出力を演算処理回路で監視、評価し、位相誤差検出回
路の出力が最も小さくなるゲインの組合せに再度設定す
る機能を有するものである。
【0009】また、搬送波再生ループフィルタのゲイン
を可変する手段が、位相誤差検出回路の出力を乗算器等
に入力し任意の係数を乗算することにより実現されてお
り、その係数が多数存在する場合において、常に位相誤
差検出回路の出力を演算処理回路で監視、評価しながら
位相誤差検出回路の出力が小さくなる方向へ1つ以上あ
るフィルタのゲインの組合せを演算処理回路の出力によ
って変化させてゆく機能を有するものである。
【0010】また、搬送波再生ループフィルタのゲイン
を可変する手段が、位相誤差検出回路の出力を乗算器等
に入力し任意の係数を乗算することにより実現されてお
り、その係数が多数存在する場合において、常に位相誤
差検出回路の出力を演算処理回路で監視、評価しながら
位相誤差検出回路の出力が小さくなる方向へ1つ以上あ
るフィルタのゲインの組合せを演算処理回路の出力によ
って変化させてゆき、さらに演算処理回路で制御が安定
したことを検出し、制御が安定したならばフィルタのゲ
インを固定する機能を有するものである。
【0011】また、搬送波再生回路を含む復調回路の後
段に位置するイコライザ回路のイコライザ誤差信号から
位相ノイズを評価し、それを演算処理回路で監視、評価
することによって、周波数特性の異なる少なくとも1つ
以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインを演算処理
回路によって制御する機能を有するものである。
【0012】また、搬送波再生回路を含む復調回路の後
段に位置する誤り訂正回路によって計算される誤り率か
ら位相ノイズの大きさを評価し、それを演算処理回路で
監視、評価することによって、周波数特性の異なる少な
くとも1つ以上ある搬送波再生ループフィルタのゲイン
を演算処理回路によって制御する機能を有するものであ
る。
【0013】また、搬送波再生回路を含む復調回路の後
段に位置する誤り訂正回路のうちビタビ回路が存在する
場合において、そのパスメトリック値によって位相ノイ
ズの大きさを評価し、それを演算処理回路で監視、評価
することによって、周波数特性の異なる少なくとも1つ
以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインを演算処理
回路によって制御する機能を有するものである。
【0014】また、いったん周波数特性の異なる少なく
とも1つ以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインが
最適化されたのち、復調器に誤り訂正回路の1つである
ビタビ回路が存在する場合には位相誤差信号の精度およ
び位相ノイズの評価の精度を向上させるために、ビタビ
回路の出力信号を用いて再度位相誤差信号を求め、搬送
波再生回路の精度を向上させるとともに、再度求められ
た位相誤差信号によって位相ノイズの評価を行い、それ
によりループフィルタのゲインを演算処理回路によって
制御する機能を有するものである。
【0015】また、いったん周波数特性の異なる少なく
とも1つ以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインが
最適化されたのち、復調器に誤り訂正回路の1つである
ビタビ回路が存在する場合には位相ノイズの評価の精度
を向上させるために、ビタビ回路の出力に搬送波再生回
路のループとは別に位相誤差検出器をもう1つ設け、そ
れにより求められた位相誤差信号から位相ノイズの評価
を行い、それによりループフィルタのゲインを演算処理
回路によって制御する機能を有するものである。
【0016】また、位相ノイズの評価として位相誤差信
号、イコライザの誤差信号、誤り率、ビタビ回路のパス
メトリック値を用いたが、これらすべてもしくは一部を
複合して総合的に位相ノイズの評価を行い、それにより
ループフィルタのゲインを演算処理回路によって制御す
る機能を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明をその実施の形態
を示す図面に基づいて具体的に説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1であるデ
ィジタル伝送、通信、放送等に用いられる同期検波方式
のQAM復調器、VSB復調器、PSK復調器等の搬送
波再生回路のブロック図である。図1において、1は受
信変調信号、2は搬送波の位相誤差を修正するデロテー
タ、3は伝送路の歪みを補正するイコライザ回路、4は
復調信号、5は復調信号4から位相誤差を検出する位相
誤差検出器、6は位相誤差検出器5の出力である位相誤
差信号、7はループフィルタのスルー系のゲインを設定
するゲインアンプである。
【0018】8はループフィルタの積分系のゲインを設
定するゲインアンプ、9はループフィルタの積分系の加
算器、10はループフィルタの積分器の1シンボル遅延
器、11はスルー系と積分系の出力信号を加算する加算
器、12は数値制御発振回路、13は数値制御発振回路
12の入力信号で、位相誤差入力Δθ(N) に対するco
sθ(N) 、あるいはcosθ(N) およびsinθ(N)
(θ(N) =Δθ(N) +Δθ(N+1) )、14は位相誤差信
号6を監視しゲインアンプ7および8のゲインを設定す
る演算処理回路で、CPUまたはマイコンで構成されて
いる。15はゲインアンプ7のゲインを設定する制御信
号、16はゲインアンプ8のゲインを設定する制御信号
である。なお、イコライザ回路3は搬送波再生回路のル
ープの外に位置する場合もある。
【0019】次に動作について説明する。受信変調信号
1がデロテータ2に入力されるが、初期状態においては
位相誤差未修正の信号がデロテータ2から出力され、イ
コライザ回路3に入力される。伝送路の歪みがイコライ
ザ回路3によって補正され、その補正された信号から位
相誤差検出器5によって例えばコスタスループやarc
TAN演算またはその近似値等から復調信号の位相誤差
が検出され、位相誤差信号6として出力される。この位
相誤差信号6をゲインアンプ7で構成されるスルー系、
およびゲインアンプ8と加算器9および1シンボル遅延
器10による積分器によって構成されるループフィルタ
に通すことによって位相誤差信号6に含まれる高域ノイ
ズを除去し、これを数値制御発振回路12に入力する。
なお、ループフィルタの構成は図1のものに限らず、周
波数特性の異なるフィルタが少なくとも1つ以上あり、
それぞれのフィルタのゲインを可変できる手段を有し、
それぞれのフィルタ出力を加算して出力するものであれ
ばよい。
【0020】数値制御発振回路12は、ループフィルタ
の出力信号Δθ(N) に応じたcosθ(N) 、またはco
sθ(N) およびsinθ(N) (θ(N) =Δθ(N) +Δθ
(N+1) )すなわち再生搬送波を出力する。この数値制御
発振回路12の出力信号13と受信変調信号1を、デロ
テータ2により乗算、すなわち直交検波することにより
位相誤差を修正し、イコライザ回路3を通った後、復調
信号4を得る。
【0021】しかし、位相誤差を修正した後も、ループ
フィルタのゲインアンプ7および8のゲインが最適に設
定されていなければ位相ノイズが抑圧しきれず、残留す
る。位相ノイズの大きさは位相誤差信号6に現れるた
め、これを論理回路と演算回路またはROMとCPUで
構成された演算処理回路14によって監視する。そして
位相誤差信号6から評価される位相ノイズの大きさが最
も小さくなるように、ゲインアンプ7およびゲインアン
プ8を初期設定値から変更する。このとき、設定値の変
更アルゴリズムとして3通りの方法がある。以下、第1
〜第3の制御アルゴリズムを図面に基づいて順次説明す
る。
【0022】図2は、第1の制御アルゴリズムを示すフ
ローチャートである。まず搬送波再生回路が収束してい
るかどうかを確認する。収束していなければ収束するま
で待機する(S11)。収束していれば、ゲインアンプ
7およびゲインアンプ8の設定すべきゲインの組合せを
読み込む(S12)。ゲインアンプ7,8の初期値にお
ける位相誤差信号6を読込み(S13)、その絶対値ま
たは2乗した値の瞬時値、平均値、累積値、一定期間内
の最大値などの位相ノイズの評価値を記憶した後(S1
4)、ゲインアンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設
定を1ステップ変更する(S15)。
【0023】つぎに、それぞれの場合の位相ノイズの評
価値およびゲインの組合せを記憶しておき(S16)、
設定すべきゲインの組合せをすべて実行する(S1
7)。その中で位相ノイズの評価値が最も小さかった場
合のゲインアンプ7およびゲインアンプ8のゲイン設定
の組合せに再度設定する(S18)。ただしこの場合
は、搬送波再生回路が収束してから1度、設定値変更ア
ルゴリズムが実行されればその後は固定ゲインとなり、
常時ループフィルタのゲインが最適になるよう制御され
るものではない。ループフィルタのゲインを再設定する
時期は、受信機の電源が入れられ最初のチャンネルを受
信した時、チャンネルを変えた時、外乱等により搬送波
再生回路が引き込み直しを行った時などである。1度設
定した後は、そのような再設定する時期になるまで待機
する(S11)。
【0024】図3は、第2の制御アルゴリズムを示すフ
ローチャートである。まず搬送波再生回路が収束してい
るかどうかを確認する。収束していなければ収束するま
で待機する(S21)。収束していれば、ゲインアンプ
7,8の初期値における位相誤差信号6を読込み(S2
2)、その絶対値または2乗した値の瞬時値、平均値、
累積値、一定期間内の最大値などの位相ノイズの評価値
を記憶した後(S23)、ゲインアンプ7またはゲイン
アンプ8のゲイン設定を1ステップ変更する(S2
4)。再度位相誤差信号6を読込み(S25)、この時
点での位相ノイズの評価値を記憶し、前回の位相ノイズ
の評価値と比較する(S26、S27)。
【0025】つぎに、前回の評価値よりも小さければ、
ゲインアンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設定を同
じ方向(前回ゲインを上げたのなら、さらに上げる方
向、前回ゲインを下げたのなら、さらに下げる方向)へ
1ステップ変更する(S28)。逆に位相ノイズの評価
値が、前回記憶した位相ノイズの評価値よりも大きけれ
ば、ゲインアンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設定
を逆の方向(前回ゲインを上げたのなら、下げる方向、
前回ゲインを下げたのなら、上げる方向)へ1ステップ
変更するか、前回変更したゲインアンプとは別のゲイン
アンプのゲイン設定を1ステップ変更する(S29)。
例えばこのようにして、位相ノイズの評価値が最も小さ
くなるように常時自動制御するものである。制御中に搬
送波再生回路がチャンネル変更等により、引込み直しを
行った場合は搬送波再生回路が収束するまで待機する
(S2A、S21)。
【0026】図4は、第3の制御アルゴリズムを示すフ
ローチャートである。第2の制御アルゴリズムにおい
て、いったんあるチャンネルを受信した後、位相ノイズ
が短時間に大きく変化することはあまりないと考える
と、常時自動制御するのではなく制御が安定した後いっ
たん制御を中断し、ループフィルタを固定ゲインにする
こともできる。S3Aまでの制御は図3のS2Aまでと
同じである。次に制御が安定したかどうかを判断し、安
定していない場合はゲインの自動設定を続ける(S3
B)。安定した場合は、ゲインアンプ7およびゲインア
ンプ8のゲイン設定を固定する(S3C)。この場合自
動制御を再開する時期は、チャンネルを変えた時、外乱
等により搬送波再生回路が引き込み直した時などであ
り、搬送波再生回路が収束するまで待機する(S3D、
S31)。
【0027】以上のように、実施の形態1では、搬送波
再生回路のループフィルタのゲインを常に最適に設定す
るように制御しているので、伝送路で付加される位相ノ
イズ、チューナの性能ばらつきによる位相ノイズのばら
つき、チューナの受信チャンネルによる位相ノイズの差
異などに搬送波再生回路が個別に対応することができ
る。その結果、ディジタル変調信号を最適なゲイン設定
により、誤り率が最も低い状態で受信することが可能と
なる。
【0028】実施の形態2.実施の形態1では、位相誤
差信号によって位相ノイズの大きさを検出するようにし
たが、この実施の形態2は、位相ノイズの大きさを伝送
路の波形歪みを例えば受信信号と理想信号との差分すな
わち誤差信号によって補正するイコライザ回路の誤差信
号によって検出する。図5は、この実施の形態2の搬送
波再生回路を示すブロック図で、図1と同一符号はそれ
ぞれ同一または相当部分を示しており、17はイコライ
ザ誤差信号である。
【0029】次に動作について説明する。初期の搬送波
再生回路の引き込み動作は、実施の形態1と同様であ
る。残留した位相ノイズの大きさを検出するのにイコラ
イザ回路3の誤差信号17を用いる。イコライザ回路3
は入力信号と信号の理想値とを比較してその誤差によっ
て波形等化を行う。イコライザ回路3は位相ノイズのよ
うな高域成分を持ったノイズには対応できないため、位
相ノイズはイコライザ誤差信号17に現れる。これを演
算処理回路14によって監視する。そしてイコライザ誤
差信号17から評価される位相ノイズの大きさが、最も
小さくなるようにゲインアンプ7およびゲインアンプ8
を初期設定値から変更する。このとき、設定値の変更ア
ルゴリズムとしては3通りの方法がある。以下、第1〜
第3の制御アルゴリズムを図面に基づいて説明する。
【0030】第1の制御アルゴリズムを示すフローチャ
ートを図2にあわせて示す。まず搬送波再生回路が収束
しているかどうかを確認する。収束していなければ収束
するまで待機する(S11)。収束していれば、ゲイン
アンプ7およびゲインアンプ8の設定すべきゲインの組
合せを読み込む(S12)。ゲインアンプ7,8の初期
値におけるイコライザ誤差信号17を読込み(S1
3)、その絶対値または2乗した値の瞬時値、平均値、
累積値、一定期間内の最大値などの位相ノイズの評価値
を記憶した後(S14)、ゲインアンプ7またはゲイン
アンプ8のゲイン設定を1ステップ変更する(S1
5)。
【0031】つぎに、それぞれの場合の位相ノイズの評
価値およびゲインの組合せを記憶しておき(S16)、
設定すべきゲインの組合せをすべて実行する(S1
7)。その中で位相ノイズの評価値が最も小さかった場
合のゲインアンプ7およびゲインアンプ8のゲイン設定
の組合せに再度設定する(S18)。ただしこの場合
は、搬送波再生回路が収束してから1度、設定値変更ア
ルゴリズムが実行されればその後は固定ゲインとなり、
常時ループフィルタのゲインが最適になるよう制御され
るものではない。ループフィルタのゲインを再設定する
時期は、受信機の電源が入れられ最初のチャンネルを受
信した時、チャンネルを変えた時、外乱等により搬送波
再生回路が引き込み直しを行った時などである。1度設
定した後は、そのような再設定する時期になるまで待機
する(S11)。
【0032】第2の制御アルゴリズムを示すフローチャ
ートを図3にあわせて示す。まず搬送波再生回路が収束
しているかどうかを確認する。収束していなければ収束
するまで待機する(S21)。収束していれば、ゲイン
アンプ7,8の初期値におけるイコライザ誤差信号17
を読込み(S22)、その絶対値または2乗した値の瞬
時値、平均値、累積値、一定期間内の最大値などの位相
ノイズの評価値を記憶した後(S23)、ゲインアンプ
7またはゲインアンプ8のゲイン設定を1ステップ変更
する(S24)。再度イコライザ誤差信号17を読込み
(S25)、この時点での位相ノイズの評価値を記憶
し、前回記憶した位相ノイズの評価値と比較する(S2
6、S27)。
【0033】つぎに、前回の評価値よりも小さければ、
ゲインアンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設定を同
じ方向(前回ゲインを上げたのなら、さらに上げる方
向、前回ゲインを下げたのなら、さらに下げる方向)へ
1ステップ変更する(S28)。逆に位相ノイズの評価
値が、S23で記憶した位相ノイズの評価値よりも大き
ければ、ゲインアンプ7またはゲインアンプ8のゲイン
設定を逆の方向(前回ゲインを上げたのなら、下げる方
向、前回ゲインを下げたのなら、上げる方向)へ1ステ
ップ変更するか、前回変更したゲインアンプとは別のゲ
インアンプのゲイン設定を1ステップ変更する(S2
9)。例えばこのようにして、位相ノイズの評価値が最
も小さくなるように常時自動制御するものである。制御
中に搬送波再生回路がチャンネル変更等により、引込み
直しを行った場合は搬送波再生回路が収束するまで待機
する(S2A、S21)。
【0034】第3の制御アルゴリズムを示すフローチャ
ートを図4にあわせて示す。第2の制御アルゴリズムに
おいて、いったんあるチャンネルを受信した後、位相ノ
イズが短時間に大きく変化することはあまりないと考え
ると、常時自動制御するのではなく制御が安定した後い
ったん制御を中断し、ループフィルタを固定ゲインにす
ることもできる。S3Aまでの制御は図3のS2Aまで
と同じである。次に制御が安定したかどうかを判断し、
安定していない場合はゲインの自動設定を続ける(S3
B)。安定した場合は、ゲインアンプ7およびゲインア
ンプ8のゲイン設定を固定する(S3C)。この場合自
動制御を再開する時期は、チャンネルを変えた時、外乱
等により搬送波再生回路が引き込み直した時などであ
り、搬送波再生回路が収束するまで待機する(S3D、
S31)。
【0035】以上のように、実施の形態2では、搬送波
再生回路のループフィルタのゲインを常に最適に設定す
るように制御しているので、伝送路で付加される位相ノ
イズ、チューナの性能ばらつきによる位相ノイズのばら
つき、チューナの受信チャンネルによる位相ノイズの差
異などに搬送波再生回路が個別に対応することができ
る。その結果、ディジタル変調信号を最適なゲイン設定
により、誤り率が最も低い状態で受信することが可能と
なる。
【0036】実施の形態3.位相ノイズの大きさを信号
を伝送することによって誤ったディジタル信号を訂正す
る、例えばリード・ソロモン方式等の誤り訂正回路によ
って測定される誤り率によって検出する。図6は、この
実施の形態3の搬送波再生回路を示すブロック図で、図
1と同一符号はそれぞれ同一または相当部分を示してお
り、18は誤り訂正回路、19は誤り率である。
【0037】次に動作について説明する。初期の搬送波
再生回路の引き込み動作は、実施の形態1と同様であ
る。残留した位相ノイズの大きさを検出するのに誤り訂
正回路18によって測定される誤り率19を用いる。誤
り率19は、一定期間内において受信したデータビット
に対して、誤り訂正回路18が訂正を行ったビット数の
比率を計算することで求めることができる。測定された
誤り率19を演算処理回路14によって監視する。そし
て誤り率19が最も小さくなるようにゲインアンプ7お
よびゲインアンプ8を初期設定値から変更する。このと
き設定値の変更アルゴリズムとしては3通りの方法があ
る。以下、第1〜第3の制御アルゴリズムを図面に基づ
いて説明する。
【0038】図7は、第1の制御アルゴリズムを示すフ
ローチャートである。まず搬送波再生回路が収束してい
るかどうかを確認する。収束していなければ収束するま
で待機する(S41)。収束していれば、ゲインアンプ
7およびゲインアンプ8の設定すべきゲインの組合せを
読み込む(S42)。ゲインアンプ7,8の初期値にお
ける誤り率19を記憶した後(S43)、ゲインアンプ
7またはゲインアンプ8のゲイン設定を1ステップ変更
する(S44)。
【0039】つぎに、それぞれの場合の誤り率およびゲ
インの組合せを記憶しておき(S45)、設定すべきゲ
インの組合せをすべて実行する(S46)。その中で誤
り率が最も小さかった場合のゲインアンプ7およびゲイ
ンアンプ8のゲイン設定の組合せに再度設定する(S4
7)。ただしこの場合は、搬送波再生回路が収束してか
ら1度、設定値変更アルゴリズムが実行されればその後
は固定ゲインとなり、常時ループフィルタのゲインが最
適になるよう制御されるものではない。ループフィルタ
のゲインを再設定する時期は、受信機の電源が入れられ
最初のチャンネルを受信した時、チャンネルを変えた
時、外乱等により搬送波再生回路が引き込み直しを行っ
た時などである。1度設定した後は、そのような再設定
する時期になるまで待機する(S41)。
【0040】図8は、第2の制御アルゴリズムを示すフ
ローチャートである。まず搬送波再生回路が収束してい
るかどうかを確認する。収束していなければ収束するま
で待機する(S51)。収束していれば、ゲインアンプ
7,8の初期値における誤り率19を記憶した後(S5
2)、ゲインアンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設
定を1ステップ変更する(S53)。再度誤り率19を
読込み(S54)、この時点での誤り率を、前回記憶し
た誤り率と比較する(S55、S56)。前回の誤り率
よりも小さければ、ゲインアンプ7またはゲインアンプ
8のゲイン設定を同じ方向(前回ゲインを上げたのな
ら、さらに上げる方向、前回ゲインを下げたのなら、さ
らに下げる方向)へ1ステップ変更する(S57)。
【0041】また逆に誤り率が、前回記憶した誤り率よ
りも大きければ、ゲインアンプ7またはゲインアンプ8
のゲイン設定を逆の方向(前回ゲインを上げたのなら、
下げる方向、前回ゲインを下げたのなら、上げる方向)
へ1ステップ変更するか、前回変更したゲインアンプと
は別のゲインアンプのゲイン設定を1ステップ変更する
(S58)。例えばこのようにして、誤り率19が最も
小さくなるように常時自動制御するものである。制御中
に搬送波再生回路がチャンネル変更等により、引込み直
しを行った場合は搬送波再生回路が収束するまで待機す
る(S59、S51)。
【0042】図9は、第3の制御アルゴリズムを示すフ
ローチャートである。第2の制御アルゴリズムにおい
て、いったんあるチャンネルを受信した後、位相ノイズ
が短時間に大きく変化することはあまりないと考える
と、常時自動制御するのではなく制御が安定した後いっ
たん制御を中断し、ループフィルタを固定ゲインにする
こともできる。S69までの制御は図8のS59までと
同じである。次に制御が安定したかどうかを判断し、安
定していない場合はゲインの自動設定を続ける(S6
A)。安定した場合は、ゲインアンプ7およびゲインア
ンプ8のゲイン設定を固定する(S6B)。この場合自
動制御を再開する時期は、チャンネルを変えた時、外乱
等により搬送波再生回路が引き込み直した時などであ
り、搬送波再生回路が収束するまで待機する(S6C、
S61)。
【0043】以上のように、実施の形態3では搬送波再
生回路のループフィルタのゲインを常に最適に設定する
ように制御しているので、伝送路で付加される位相ノイ
ズ、チューナの性能ばらつきによる位相ノイズのばらつ
き、チューナの受信チャンネルによる位相ノイズの差異
などに搬送波再生回路が個別に対応することができる。
その結果、ディジタル変調信号を最適なゲイン設定によ
り、誤り率が最も低い状態で受信することが可能とな
る。
【0044】実施の形態4.実施の形態4は、位相ノイ
ズの大きさを信号を伝送することによって誤ったディジ
タル信号を訂正する誤り訂正回路のうちビタビ回路が存
在する場合において、そのビタビ回路のパスメトリック
値によって検出する。図10は、この実施の形態4の搬
送波再生回路を示すブロック図で、図1と同一符号はそ
れぞれ同一または相当部分を示しており、21は誤り訂
正回路に含まれるビタビ回路、22はパスメトリック値
である。
【0045】次に動作について説明する。初期の搬送波
再生回路の引き込み動作は、実施の形態1と同様であ
る。残留した位相ノイズの大きさを検出するのにビタビ
回路21のパスメトリック値22を用いる。ビタビ回路
21はパスメトリックを算出し、最もパスメトリックの
小さいパスを選択する。従って信号に誤りが多い場合に
はパスメトリック値22が大きくなる。このことからパ
スメトリック値22が最も少なくするように制御するこ
とによって、誤り率が最も小さい設定にすることができ
る。そこでパスメトリック値22を演算処理回路14に
よって監視する。そしてパスメトリック値22が最も小
さくなるようにゲインアンプ7およびゲインアンプ8を
初期設定値から変更する。このとき設定値の変更アルゴ
リズムとしては3通りの方法がある。以下、第1〜第3
の制御アルゴリズムを図面に基づいて説明する。
【0046】第1の制御アルゴリズムを示すフローチャ
ートを図7にあわせて示す。まず搬送波再生回路が収束
しているかどうかを確認する。収束していなければ収束
するまで待機する(S41)。収束していれば、ゲイン
アンプ7およびゲインアンプ8の設定すべきゲインの組
合せを読み込む(S42)。ゲインアンプ7,8の初期
値におけるパスメトリック値22を記憶した後(S4
3)、ゲインアンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設
定を1ステップ変更する(S44)。それぞれの場合の
パスメトリック値およびゲインの組合せを記憶しておき
(S45)、設定すべきゲインの組合せをすべて実行す
る(S46)。その中でパスメトリック値が最も小さか
った場合のゲインアンプ7およびゲインアンプ8のゲイ
ン設定の組合せに再度設定する(S47)。ただしこの
場合は、搬送波再生回路が収束してから1度、設定値変
更アルゴリズムが実行されればその後は固定ゲインとな
り、常時ループフィルタのゲインが最適になるよう制御
されるものではない。
【0047】ループフィルタのゲインを再設定する時期
は、受信機の電源が入れられ最初のチャンネルを受信し
た時、チャンネルを変えた時、外乱等により搬送波再生
回路が引き込み直しを行った時などである。1度設定し
た後は、そのような再設定する時期になるまで待機する
(S41)。
【0048】第2の制御アルゴリズムを示すフローチャ
ートを図8にあわせて示す。まず搬送波再生回路が収束
しているかどうかを確認する。収束していなければ収束
するまで待機する(S51)。収束していれば、ゲイン
アンプ7,8の初期値におけるパスメトリック値22を
記憶した後(S52)、ゲインアンプ7またはゲインア
ンプ8のゲイン設定を1ステップ変更する(S53)。
再度パスメトリック値22を読込み(S54)、この時
点でのパスメトリック値を、前回記憶したパスメトリッ
ク値と比較する(S55、S56)。前回のパスメトリ
ック値よりも小さければ、ゲインアンプ7またはゲイン
アンプ8のゲイン設定を同じ方向(前回ゲインを上げた
のなら、さらに上げる方向、前回ゲインを下げたのな
ら、さらに下げる方向)へ1ステップ変更する(S5
7)。
【0049】また逆にパスメトリック値が、前回記憶し
たパスメトリック値よりも大きければ、ゲインアンプ7
またはゲインアンプ8のゲイン設定を逆の方向(前回ゲ
インを上げたのなら、下げる方向、前回ゲインを下げた
のなら、上げる方向)へ1ステップ変更するか、前回変
更したゲインアンプとは別のゲインアンプのゲイン設定
を1ステップ変更する(S58)。例えばこのようにし
て、パスメトリック値22が最も小さくなるように常時
自動制御するものである。制御中に搬送波再生回路がチ
ャンネル変更等により、引込み直しを行った場合は搬送
波再生回路が収束するまで待機する(S59、S5
1)。
【0050】第3の制御アルゴリズムを示すフローチャ
ートを図9にあわせて示す。第2の制御アルゴリズムに
おいて、いったんあるチャンネルを受信した後、位相ノ
イズが短時間に大きく変化することはあまりないと考え
ると、常時自動制御するのではなく制御が安定した後い
ったん制御を中断し、ループフィルタを固定ゲインにす
ることもできる。S69までの制御は図8のS59まで
と同じである。次に制御が安定したかどうかを判断し、
安定していない場合はゲインの自動設定を続ける(S6
A)。安定した場合は、ゲインアンプ7およびゲインア
ンプ8のゲイン設定を固定する(S6B)。この場合自
動制御を再開する時期は、チャンネルを変えた時、外乱
等により搬送波再生回路が引き込み直した時などであ
り、搬送波再生回路が収束するまで待機する(S6C、
S61)。
【0051】以上のように、実施の形態4では搬送波再
生回路のループフィルタのゲインを常に最適に設定する
ように制御しているので、伝送路で付加される位相ノイ
ズ、チューナの性能ばらつきによる位相ノイズのばらつ
き、チューナの受信チャンネルによる位相ノイズの差異
などに搬送波再生回路が個別に対応することができる。
その結果、ディジタル変調信号を最適なゲイン設定によ
り、誤り率が最も低い状態で受信することが可能とな
る。
【0052】実施の形態5.実施の形態5は、実施の形
態1において、いったんループフィルタゲインが最適化
されたのち、ビタビ回路の出力信号を用いて再度位相誤
差信号を計算し、その値によって位相ノイズの評価を行
う。図11は、この実施の形態5の搬送波再生回路を示
すブロック図で、図10と同一符号はそれぞれ同一また
は相当部分を示しており、23は切替えスイッチ、24
は切替えスイッチの制御信号である。
【0053】次に動作について説明する。実施の形態5
の初期動作は、実施の形態1の動作が完了するまでの動
作と同様である。いったん最適なループフィルタゲイン
に設定された後、切替えスイッチ23を切替えスイッチ
制御信号24によって切替え、位相誤差検出器5の入力
をビタビ回路21の出力から取るようにする。ビタビ回
路21によりビタビ回路21の出力はある程度誤り訂正
された信号となっているため、より正確な位相誤差検出
を行うことができ、それにより正確に位相ノイズの大き
さを検出することができる。これにより再度ゲインアン
プ7およびゲインアンプ8の設定を自動最適化する。こ
のあと設定値の変更アルゴリズムとしては3通りの方法
がある。以下、第1〜第3の制御アルゴリズムを図面に
基づいて説明する。
【0054】図12は、第1の制御アルゴリズムを示す
フローチャートである。まず切替えスイッチ23がビタ
ビ回路21の入力側で、ゲインアンプ7およびゲインア
ンプ8のゲイン設定の最適化が行われるまで待機する
(S71)。最適化が行われた場合は、切替えスイッチ
23をビタビ回路21の出力側に切替える(S72)。
続いてゲインアンプ7およびゲインアンプ8の設定すべ
きゲインの組合せを読み込む(S73)。ゲインアンプ
7,8の初期値における位相誤差信号6を読込み(S7
4)、その絶対値または2乗した値の瞬時値、平均値、
累積値、一定期間内の最大値などの位相ノイズの評価値
を記憶した後(S75)、ゲインアンプ7またはゲイン
アンプ8のゲイン設定を1ステップ変更する(S7
6)。それぞれの場合の位相ノイズの評価値およびゲイ
ンの組合せを記憶しておき(S77)、設定すべきゲイ
ンの組合せをすべて実行する(S78)。
【0055】次に、その中で位相ノイズの評価値が最も
小さかった場合のゲインアンプ7およびゲインアンプ8
のゲイン設定の組合せに再度設定する(S79)。ただ
しこの場合は、この制御に入ってから1度、設定値変更
アルゴリズムが実行されればその後は固定ゲインとな
り、常時ループフィルタのゲインが最適になるよう制御
されるものではない。ループフィルタのゲインを再設定
する時期は、受信機の電源が入れられ最初のチャンネル
を受信した時、チャンネルを変えた時、外乱等により搬
送波再生回路が引き込み直しを行った時などである。搬
送波再生回路が引き込み直しを行うまで待機し(S7
A)、引込み直しを行った場合は、切替えスイッチ23
をビタビ回路21の入力側に切替え(S7B)、切替え
スイッチ23がビタビ回路21の入力側で、ゲイン設定
の最適化が行われるまで待機する(S71)。
【0056】図13は、第2の制御アルゴリズムを示す
フローチャートである。まず切替えスイッチ23がビタ
ビ回路21の入力側で、ゲインアンプ7およびゲインア
ンプ8のゲイン設定の最適化が行われるまで待機する
(S81)。最適化が行われた場合は、切替えスイッチ
23をビタビ回路21の出力側に切替える(S82)。
続いてゲインアンプ7,8の初期値における位相誤差信
号6を読込み(S83)、その絶対値または2乗した値
の瞬時値、平均値、累積値、一定期間内の最大値などの
位相ノイズの評価値を記憶した後(S84)、ゲインア
ンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設定を1ステップ
変更する(S85)。
【0057】次に、再度位相誤差信号6を読込み(S8
6)、この時点での位相ノイズの評価値を、前回記憶し
た位相ノイズの評価値と比較する(S87、S88)。
前回の評価値よりも小さければ、ゲインアンプ7または
ゲインアンプ8のゲイン設定を同じ方向(前回ゲインを
上げたのなら、さらに上げる方向、前回ゲインを下げた
のなら、さらに下げる方向)へ1ステップ変更する(S
89)。逆に位相ノイズの評価値が、前回記憶した位相
ノイズの評価値よりも大きければ、ゲインアンプ7また
はゲインアンプ8のゲイン設定を逆の方向(前回ゲイン
を上げたのなら、下げる方向、前回ゲインを下げたのな
ら、上げる方向)へ1ステップ変更するか、前回変更し
たゲインアンプとは別のゲインアンプのゲイン設定を1
ステップ変更する(S8A)。例えばこのようにして、
位相ノイズの評価値が最も小さくなるように常時自動制
御するものである。
【0058】制御中に搬送波再生回路がチャンネル変更
等により、引込み直しを行った場合は、切替えスイッチ
23をビタビ回路21の入力側に切替え(S8B、S8
C)、切替えスイッチ23がビタビ回路21の入力側
で、ゲイン設定の最適化が行われるまで待機する(S8
1)。
【0059】図14は、第3の制御アルゴリズムを示す
フローチャートである。第2の制御アルゴリズムにおい
て、いったんあるチャンネルを受信した後、位相ノイズ
が短時間に大きく変化することはあまりないと考える
と、常時自動制御するのではなく制御が安定した後いっ
たん制御を中断し、ループフィルタを固定ゲインにする
こともできる。S9Bまでの制御は図13のS8Bまで
と同じである。次に制御が安定したかどうかを判断し、
安定していない場合はゲインの自動設定を続ける(S9
C)。安定した場合は、ゲインアンプ7およびゲインア
ンプ8のゲイン設定を固定する(S9D)。
【0060】この場合自動制御を再開する時期は、チャ
ンネルを変えた時、外乱等により搬送波再生回路が引き
込み直した時などであり、搬送波再生回路が引き込みを
開始した場合は(S9E)、切替えスイッチ23をビタ
ビ回路21の入力側に切替え(S9F)、切替えスイッ
チ23がビタビ回路21の入力側で、ゲイン設定の最適
化が行われるまで待機する(S91)。
【0061】以上のように、実施の形態5では搬送波再
生回路のループフィルタのゲインを常に最適に設定する
ように制御しているので、伝送路で付加される位相ノイ
ズ、チューナの性能ばらつきによる位相ノイズのばらつ
き、チューナの受信チャンネルによる位相ノイズの差異
などに搬送波再生回路が個別に対応することができる。
その結果、ディジタル変調信号を最適なゲイン設定によ
り、誤り率が最も低い状態で受信することが可能とな
る。またビタビ回路21の出力を位相誤差信号検出に用
いることにより、搬送波再生回路の精度も向上させるこ
とができる。
【0062】実施の形態6.実施の形態5においては、
ビタビ回路の出力を位相誤差信号検出に用いることによ
り、位相ノイズの評価の精度を上げ、搬送波再生回路の
精度も向上させることができるが、搬送波再生回路のル
ープ遅延が大きくなるので、高域の位相ノイズを抑圧で
きなくなる。そこで、この実施の形態6ではビタビ回路
の出力に搬送波再生回路とは別にもう1つ位相誤差検出
器を設け、いったんループフィルタゲインが最適化され
たのち、ビタビ回路の出力に設けられた位相誤差検出器
によって位相誤差信号を計算し、その値によって位相ノ
イズの評価を行う。図15は、この実施の形態6の搬送
波再生回路を示すブロック図で、図11と同一符号はそ
れぞれ同一または相当部分を示しており、25は新たに
設けた位相誤差検出器、26はその出力である位相誤差
信号である。
【0063】次に動作について説明する。実施の形態6
の初期動作は、実施の形態1の動作が完了するまでの動
作と同様である。いったん最適なループフィルタゲイン
に設定された後、切替えスイッチ23を切替えスイッチ
制御信号24によって切替えて位相誤差信号をビタビ回
路21の出力に設けられた位相誤差検出器25から取る
ようにする。ビタビ回路21によりビタビ回路21の出
力はある程度誤り訂正された信号となっているため、よ
り正確な位相誤差検出を行うことができ、より正確に位
相ノイズの大きさを検出することができる。これにより
再度ゲインアンプ7およびゲインアンプ8の設定を自動
最適化する。このあと設定値の変更アルゴリズムとして
は3通りの方法がある。以下、第1〜第3の制御アルゴ
リズムを図面に基づいて説明する。
【0064】図16は、第1の制御アルゴリズムを示す
フローチャートである。まず切替えスイッチ23が位相
誤差検出器5側で、ゲインアンプ7およびゲインアンプ
8のゲイン設定の最適化が行われるまで待機する(SA
1)。最適化が行われた場合は、切替えスイッチ23を
位相誤差検出器25側に切替える(SA2)。続いてゲ
インアンプ7およびゲインアンプ8の設定すべきゲイン
の組合せを読み込む(SA3)。ゲインアンプ7,8の
初期値における位相誤差信号26を読込み(SA4)、
その絶対値または2乗した値の瞬時値、平均値、累積
値、一定期間内の最大値などの位相ノイズの評価値を記
憶した後(SA5)、ゲインアンプ7またはゲインアン
プ8のゲイン設定を1ステップ変更する(SA6)。
【0065】次に、それぞれの場合の位相ノイズの評価
値およびゲインの組合せを記憶しておき(SA7)、設
定すべきゲインの組合せをすべて実行する(SA8)。
その中で位相ノイズの評価値が最も小さかった場合のゲ
インアンプ7およびゲインアンプ8のゲイン設定の組合
せに再度設定する(SA9)。ただしこの場合は、搬送
波再生回路が収束してから1度、設定値変更アルゴリズ
ムが実行されればその後は固定ゲインとなり、常時ルー
プフィルタのゲインが最適になるよう制御されるもので
はない。
【0066】ループフィルタのゲインを再設定する時期
は、受信機の電源が入れられ最初のチャンネルを受信し
た時、チャンネルを変えた時、外乱等により搬送波再生
回路が引き込み直しを行った時などである。搬送波再生
回路が引き込み直しを行うまで待機し(SA7)、引込
み直しを行った場合は、切替えスイッチ23を位相誤差
検出器5側に切替え(SAB)、切替えスイッチ23が
位相誤差検出器5側で、ゲイン設定の最適化が行われる
まで待機する(SA1)。
【0067】図17は、第2の制御アルゴリズムを示す
フローチャートである。まず切替えスイッチ23が位相
誤差検出器5側で、ゲインアンプ7およびゲインアンプ
8のゲイン設定の最適化が行われるまで待機する(SB
1)。最適化が行われた場合は、切替えスイッチ23を
位相誤差検出器25側に切替える(SB2)。続いてゲ
インアンプ7,8の初期値における位相誤差信号26を
読込み(SB3)、その絶対値または2乗した値の瞬時
値、平均値、累積値、一定期間内の最大値などの位相ノ
イズの評価値を記憶した後(SB4)、ゲインアンプ7
またはゲインアンプ8のゲイン設定を1ステップ変更す
る(SB5)。
【0068】次に、再度位相誤差信号26を読込み(S
B6)、この時点での位相ノイズの評価値を、前回記憶
した位相ノイズの評価値と比較する(SB7、SB
8)。前回記憶した位相ノイズの評価値よりも小さけれ
ば、ゲインアンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設定
を同じ方向(前回ゲインを上げたのなら、さらに上げる
方向、前回ゲインを下げたのなら、さらに下げる方向)
へ1ステップ変更する(SB9)。
【0069】また、逆に位相ノイズの評価値が、前回記
憶した位相ノイズの評価値よりも大きければ、ゲインア
ンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設定を逆の方向
(前回ゲインを上げたのなら、下げる方向、前回ゲイン
を下げたのなら、上げる方向)へ1ステップ変更する
か、前回変更したゲインアンプとは別のゲインアンプの
ゲイン設定を1ステップ変更する(SBA)。例えばこ
のようにして、位相ノイズの評価値が最も小さくなるよ
うに常時自動制御するものである。制御中に搬送波再生
回路がチャンネル変更等により、引込み直しを行った場
合は(SBB)、切替えスイッチ23を位相誤差検出器
25側に切替え(SBC)、切替えスイッチ23が位相
誤差検出器5側で、ゲイン設定の最適化が行われるまで
待機する(SB1)。
【0070】図18は、第3の制御アルゴリズムを示す
フローチャートである。第2の制御アルゴリズムにおい
て、いったんあるチャンネルを受信した後、位相ノイズ
が短時間に大きく変化することはあまりないと考える
と、常時自動制御するのではなく制御が安定した後いっ
たん制御を中断し、ループフィルタを固定ゲインにする
こともできる。SCBまでの制御は図17のSBBまで
と同じである。次に制御が安定したかどうかを判断し、
安定していない場合はゲインの自動設定を続ける(SC
C)。安定した場合は、ゲインアンプ7およびゲインア
ンプ8のゲイン設定を固定する(SCD)。
【0071】この場合自動制御を再開する時期は、チャ
ンネルを変えた時、外乱等により搬送波再生回路が引き
込み直した時などであり、搬送波再生回路が引き込みを
開始した場合は(SCE)、切替えスイッチ23を位相
誤差検出器5側に切替え(SCF)、切替えスイッチ2
3が位相誤差検出器5側で、ゲイン設定の最適化が行わ
れるまで待機する(SC1)。
【0072】以上のように、実施の形態6では搬送波再
生回路のループフィルタのゲインを常に最適に設定する
ように制御しているので、伝送路で付加される位相ノイ
ズ、チューナの性能ばらつきによる位相ノイズのばらつ
き、チューナの受信チャンネルによる位相ノイズの差異
などに搬送波再生回路が個別に対応することができる。
その結果、ディジタル変調信号を最適なゲイン設定によ
り、誤り率が最も低い状態で受信することが可能とな
る。またビタビ回路の出力を位相誤差信号検出に用いる
ことにより、搬送波再生回路の精度も向上させることが
できる。
【0073】実施の形態7.実施の形態1においては位
相誤差信号、実施の形態2においてはイコライザの誤差
信号、実施の形態3においては誤り率、実施の形態4に
おいてはビタビ回路のパスメトリック値によって、それ
ぞれ位相ノイズの大きさを評価するようにしたが、この
実施の形態7は、位相ノイズの大きさを位相誤差信号、
イコライザの誤差信号、誤り率、ビタビ回路のパスメト
リック値すべてまたは一部を複合して、総合的に検出す
る。図19はこの実施の形態7の搬送波再生回路を示す
ブロック図である。
【0074】次に動作について説明する。初期の搬送波
再生回路の引き込み動作は、実施の形態1と同様であ
る。残留した位相ノイズの大きさを位相誤差信号、イコ
ライザの誤差信号、誤り率、ビタビ回路のパスメトリッ
ク値すべてまたは一部を複合することによって検出す
る。その際それぞれの信号に重みづけを行ったり、ファ
ジーアルゴリズム等を用いて総合的に位相ノイズの大き
さを評価する。 この位相ノイズの評価値を演算処理回路
14によって監視し、この位相ノイズが最も小さくなる
ようにゲインアンプ7およびゲインアンプ8を初期設定
値から変更する。このとき設定値の変更アルゴリズムと
しては2通りの方法がある。以下、第1,第2の制御ア
ルゴリズムを図面に基づいて説明する。
【0075】図20は、第1の制御アルゴリズムを示す
フローチャートである。まず搬送波再生回路が収束して
いるかどうかを確認する。収束していなければ収束する
まで待機する(SD1)。収束していれば、ゲインアン
プ7,8の初期値における位相誤差信号、イコライザの
誤差信号、誤り率、ビタビ回路のパスメトリック値を読
込み(SD2)、その状態を記憶した後(SD3)、ゲ
インアンプ7またはゲインアンプ8のゲイン設定を1ス
テップ変更する(SD4)。この時点で再度、位相誤差
信号、イコライザの誤差信号、誤り率、ビタビ回路のパ
スメトリック値を読込み(SD5)、その状態と前回記
憶した状態を比較して(SD6、SD7)、位相ノイズ
の大きさが小さくなったと判断されれば、ゲインアンプ
7またはゲインアンプ8のゲイン設定を同じ方向(前回
ゲインを上げたのなら、さらに上げる方向、前回ゲイン
を下げたのなら、さらに下げる方向)へ1ステップ変更
する(SD8)。
【0076】また逆に位相ノイズの大きさが大きくなっ
たと判断されれば、ゲインアンプ7またはゲインアンプ
8のゲイン設定を逆の方向(前回ゲインを上げたのな
ら、下げる方向、前回ゲインを下げたのなら、上げる方
向)へ1ステップ変更するか、前回変更したゲインアン
プとは別のゲインアンプのゲイン設定を1ステップ変更
する(SD9)。例えばこのようにして、位相ノイズの
評価値が最も小さくなるように常時自動制御するもので
ある。制御中に搬送波再生回路がチャンネル変更等によ
り、引込み直しを行った場合は搬送波再生回路が収束す
るまで待機する(SDA、SD1)。
【0077】図21は、第2の制御アルゴリズムを示す
フローチャートである。第1の制御アルゴリズムにおい
て、いったんあるチャンネルを受信した後、位相ノイズ
が短時間に大きく変化することはあまりないと考える
と、常時自動制御するのではなく制御が安定した後いっ
たん制御を中断し、ループフィルタを固定ゲインにする
こともできる。SEAまでの制御は図3のSDAまでと
同じである。次に制御が安定したかどうかを判断し、安
定していない場合はゲインの自動設定を続ける(SE
B)。安定した場合は、ゲインアンプ7およびゲインア
ンプ8のゲイン設定を固定する(SEC)。この場合自
動制御を再開する時期は、チャンネルを変えた時、外乱
等により搬送波再生回路が引き込み直した時などであ
り、搬送波再生回路が収束するまで待機する(SED、
SE1)。
【0078】以上のように、実施の形態7では搬送波再
生回路のループフィルタのゲインを常に最適に設定する
ように制御しているので、伝送路で付加される位相ノイ
ズ、チューナの性能ばらつきによる位相ノイズのばらつ
き、チューナの受信チャンネルによる位相ノイズの差異
などに搬送波再生回路が個別に対応することができる。
その結果、ディジタル変調信号を最適なゲイン設定によ
り、誤り率が最も低い状態で受信することが可能とな
る。
【0079】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0080】位相ノイズを演算処理回路で監視、評価し
て搬送波再生ループフィルタのゲインを制御するように
したので、さまざまな伝送路、チューナの性能ばらつ
き、チューナのチャンネル間差異等によるさまざまな位
相ノイズに受信機ごとに対応がとれるという効果があ
り、結果としてディジタル変調信号を誤り率が最も低い
状態で信号を受信することが可能となる。
【0081】また、搬送波再生ループフィルタのゲイン
を可変する手段が、位相誤差検出回路の出力をビットシ
フトすること等により実現されており、その設定数が比
較的少ない場合において、1つ以上あるフィルタのゲイ
ンの任意の組合せを実行するたび毎に位相誤差検出回路
の出力を演算処理回路で監視、評価し、位相誤差検出回
路の出力が最も小さくなるゲインの組合せに再度設定す
るようにしたので、複雑な制御をすることなくループフ
ィルタを最適なゲインに設定することができる。
【0082】また、搬送波再生ループフィルタのゲイン
を可変する手段が、位相誤差検出回路の出力を乗算器等
に入力し任意の係数を乗算することにより実現されてお
り、その係数が多数存在する場合において、常に位相誤
差検出回路の出力を演算処理回路で監視、評価しなが
ら、位相誤差検出回路の出力が小さくなる方向へ1つ以
上あるフィルタのゲインの組合せを演算処理回路の出力
によって変化させてゆくようにしたので、ループフィル
タを常に最適なゲインに自動制御し設定することができ
る。
【0083】また、搬送波再生ループフィルタのゲイン
を可変する手段が、位相誤差検出回路の出力を乗算器等
に入力し任意の係数を乗算することにより実現されてお
り、その係数が多数存在する場合において、常に記位相
誤差検出回路の出力を演算処理回路で監視、評価しなが
ら位相誤差検出回路の出力が小さくなる方向へ1つ以上
あるフィルタのゲインの組合せを演算処理回路の出力に
よって変化させてゆき、さらに演算処理回路で制御が安
定したことを検出し、制御が安定したならばフィルタの
ゲインを固定するようにしたので、CPU等の演算処理
回路の負荷を軽減することができる。
【0084】また、搬送波再生回路を含む復調回路の後
段に位置するイコライザ回路のイコライザ誤差信号から
位相ノイズを評価し、それを演算処理回路で監視、評価
することによって、周波数特性の異なる少なくとも1つ
以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインを演算処理
回路によって制御するようにしたので、すでに存在する
イコライザ回路を利用することによって、ループフィル
タを常に最適なゲインに設定することができる。
【0085】また、搬送波再生回路を含む復調回路の後
段に位置する誤り訂正回路によって計算される誤り率か
ら位相ノイズの大きさを評価し、それを演算処理回路で
監視、評価することによって、周波数特性の異なる少な
くとも1つ以上ある搬送波再生ループフィルタのゲイン
を演算処理回路によって制御するようにしたので、すで
に存在する誤り訂正回路を利用することによって、ルー
プフィルタを常に最適なゲインに設定することができ
る。
【0086】また、搬送波再生回路を含む復調回路の後
段に位置する誤り訂正回路のうちビタビ回路が存在する
場合において、そのパスメトリック値によって位相ノイ
ズの大きさを評価し、それを演算処理回路で監視、評価
することによって、周波数特性の異なる少なくとも1つ
以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインを演算処理
回路によって制御するようにしたので、すでに存在する
ビタビ回路を利用することによって、ループフィルタを
常に最適なゲインに設定することができる。
【0087】また、いったん周波数特性の異なる少なく
とも1つ以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインが
最適化されたのち、復調器に誤り訂正回路の1つである
ビタビ回路が存在する場合には位相誤差信号の精度およ
び位相ノイズの評価の精度を向上させるために、ビタビ
回路の出力信号を用いて再度位相誤差信号を求め、搬送
波再生回路の精度を向上させるとともに、再度求められ
た位相誤差信号によって位相ノイズの評価を行い、それ
によりループフィルタのゲインを演算処理回路によって
制御するようにしたので、すでに存在するビタビ回路を
利用することによって、さらに精度を上げ、ループフィ
ルタを常に最適なゲインに設定することができる。ま
た、搬送波再生回路の精度も向上させることができる。
【0088】また、いったん周波数特性の異なる少なく
とも1つ以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインが
最適化されたのち、復調器に誤り訂正回路の1つである
ビタビ回路が存在する場合には位相ノイズの評価の精度
を向上させるために、ビタビ回路の出力に搬送波再生回
路のループとは別に位相誤差検出器をもう1つ設け、そ
れにより求められた位相誤差信号から位相ノイズの評価
を行い、それによりループフィルタのゲインを演算処理
回路によって制御するようにしたので、すでに存在する
ビタビ回路を利用することによって、さらに精度を上
げ、また搬送波再生回路に影響を与えずに、ループフィ
ルタを常に最適なゲインに設定することができる。
【0089】また、位相ノイズの評価として位相誤差信
号、イコライザの誤差信号、誤り率、ビタビ回路のパス
メトリック値のすべてまたは一部を複合して総合的に位
相ノイズの評価を行い、それによりループフィルタのゲ
インを演算処理回路によって制御するようにしたので、
すでに存在する位相誤差検出回路、イコライザ回路、誤
り訂正回路を複合的に利用することによって、さらに精
度を上げ、ループフィルタを常に最適なゲインに設定す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る搬送波再生回
路を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1、2の第1の制御ア
ルゴリズムを示すフローチャートである。
【図3】 実施の形態1、2の第2の制御アルゴリズム
を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態1、2の第3の制御アルゴリズム
を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る搬送波再生回
路を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係る搬送波再生回
路を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態3、4の第1の制御ア
ルゴリズムを示すフローチャートである。
【図8】 実施の形態3、4の第2の制御アルゴリズム
を示すフローチャートである。
【図9】 実施の形態3、4の第3の制御アルゴリズム
を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態4に係る搬送波再生
回路を示すブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態5に係る搬送波再生
回路を示すブロック図である。
【図12】 実施の形態5の第1の制御アルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図13】 実施の形態5の第2の制御アルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図14】 実施の形態5の第3の制御アルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態6に係る搬送波再生
回路を示すブロック図である。
【図16】 実施の形態6の第1の制御アルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図17】 実施の形態6の第2の制御アルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図18】 実施の形態6の第3の制御アルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図19】 この発明の実施の形態7に係る搬送波再生
回路を示すブロック図である。
【図20】 実施の形態7の第1の制御アルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図21】 実施の形態7の第2の制御アルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図22】 従来の搬送波再生回路を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 受信変調信号、2 デロテータ、3 イコライザ回
路、 4 復調信号、5 位相誤差検出器、6 位相誤
差信号、7 スルー系のゲインアンプ、8 積分系のゲ
インアンプ、9 積分器の加算器、10 1シンボル遅
延器、11 スルー系と積分系を加算する加算器、12
数値制御発振器、13 cos信号またはcos信号
およびsin信号、14 演算処理回路、15 スルー
系ゲインアンプの制御信号、16 積分系ゲインアンプ
の制御信号、17 イコライザ誤差信号、18 誤り訂
正回路、19 誤り率、21 誤り訂正ブロックに含ま
れるビタビ回路、22 パスメトリック値、23 切替
えスイッチ、24 切替えスイッチ制御信号、25 ビ
タビ回路の後段に設けられた位相誤差検出器、26位相
誤差検出器25の出力である位相誤差信号。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル伝送、通信、放送に用いられ
    る同期検波方式の搬送波再生回路であって、デロテータ
    と、位相誤差検出回路と、搬送波再生ループフィルタ
    と、数値制御発振回路と、演算処理回路とを備え、上記
    位相誤差検出回路の出力に現れる位相ノイズを上記演算
    処理回路で監視、評価して上記搬送波再生ループフィル
    タのゲインを制御する機能を有することを特徴とする搬
    送波再生回路。
  2. 【請求項2】 搬送波再生ループフィルタのゲインを可
    変する手段が、位相誤差検出回路の出力をビットシフト
    すること等により実現されており、その設定数が比較的
    少ない場合において、1つ以上あるフィルタのゲインの
    任意の組合せを実行するたび毎に位相誤差検出回路の出
    力を演算処理回路で監視、評価し、位相誤差検出回路の
    出力が最も小さくなるゲインの組合せに再度設定する機
    能を有することを特徴とする請求項1に記載の搬送波再
    生回路。
  3. 【請求項3】 搬送波再生ループフィルタのゲインを可
    変する手段が、位相誤差検出回路の出力を乗算器等に入
    力し任意の係数を乗算することにより実現されており、
    その係数が多数存在する場合において、常に上記位相誤
    差検出回路の出力を演算処理回路で監視、評価しながら
    上記位相誤差検出回路の出力が小さくなる方向へ1つ以
    上あるフィルタのゲインの組合せを演算処理回路の出力
    によって変化させてゆく機能を有することを特徴とする
    請求項1に記載の搬送波再生回路。
  4. 【請求項4】 搬送波再生ループフィルタのゲインを可
    変する手段が、位相誤差検出回路の出力を乗算器等に入
    力し任意の係数を乗算することにより実現されており、
    その係数が多数存在する場合において、常に上記位相誤
    差検出回路の出力を演算処理回路で監視、評価しながら
    上記位相誤差検出回路の出力が小さくなる方向へ1つ以
    上あるフィルタのゲインの組合せを演算処理回路の出力
    によって変化させてゆき、さらに演算処理回路で制御が
    安定したことを検出し、制御が安定したならばフィルタ
    のゲインを固定する機能を有することを特徴とする請求
    項1に記載の搬送波再生回路。
  5. 【請求項5】 搬送波再生回路を含む復調回路の後段に
    位置するイコライザ回路のイコライザ誤差信号から位相
    ノイズを評価し、それを演算処理回路で監視、評価する
    ことによって、周波数特性の異なる少なくとも1つ以上
    ある搬送波再生ループフィルタのゲインを演算処理回路
    によって制御する機能を有することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の搬送波再生回路。
  6. 【請求項6】 搬送波再生回路を含む復調回路の後段に
    位置する誤り訂正回路によって計算される誤り率から位
    相ノイズの大きさを評価し、それを演算処理回路で監
    視、評価することによって、周波数特性の異なる少なく
    とも1つ以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインを
    演算処理回路によって制御する機能を有することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の搬送波再生
    回路。
  7. 【請求項7】 搬送波再生回路を含む復調回路の後段に
    位置する誤り訂正回路のうちビタビ回路が存在する場合
    において、そのパスメトリック値によって位相ノイズの
    大きさを評価し、それを演算処理回路で監視、評価する
    ことによって、周波数特性の異なる少なくとも1つ以上
    ある搬送波再生ループフィルタのゲインを演算処理回路
    によって制御する機能を有することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の搬送波再生回路。
  8. 【請求項8】 いったん周波数特性の異なる少なくとも
    1つ以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインが最適
    化されたのち、復調器に誤り訂正回路の1つであるビタ
    ビ回路が存在する場合には位相誤差信号の精度および位
    相ノイズの評価の精度を向上させるために、ビタビ回路
    の出力信号を用いて再度位相誤差信号を求め、搬送波再
    生回路の精度を向上させるとともに、再度求められた位
    相誤差信号によって位相ノイズの評価を行い、それによ
    りループフィルタのゲインを演算処理回路によって制御
    する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の搬
    送波再生回路。
  9. 【請求項9】 いったん周波数特性の異なる少なくとも
    1つ以上ある搬送波再生ループフィルタのゲインが最適
    化されたのち、復調器に誤り訂正回路の1つであるビタ
    ビ回路が存在する場合には位相ノイズの評価の精度を向
    上させるために、ビタビ回路の出力に搬送波再生回路の
    ループとは別に位相誤差検出器をもう1つ設け、それに
    より求められた位相誤差信号から位相ノイズの評価を行
    い、それによりループフィルタのゲインを演算処理回路
    によって制御する機能を有することを特徴とする請求項
    1に記載の搬送波再生回路。
  10. 【請求項10】 位相ノイズの評価として位相誤差信
    号、イコライザの誤差信号、誤り率、ビタビ回路のパス
    メトリック値のすべてまたは一部を複合して総合的に位
    相ノイズの評価を行い、それによりループフィルタのゲ
    インを演算処理回路によって制御する機能を有すること
    を特徴とする請求項1または請求項5〜7のいずれか1
    項に記載の搬送波再生回路。
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