JP3413359B2 - Qpsk復調装置 - Google Patents

Qpsk復調装置

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JP3413359B2
JP3413359B2 JP20198898A JP20198898A JP3413359B2 JP 3413359 B2 JP3413359 B2 JP 3413359B2 JP 20198898 A JP20198898 A JP 20198898A JP 20198898 A JP20198898 A JP 20198898A JP 3413359 B2 JP3413359 B2 JP 3413359B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、π/4QPSKな
どのQPSK(Quadrature Pase-Shift keying、直交位
相偏移変調)方式によって変調されたQPSK変調波信
号から直交復調方式によって変調データを復調するQP
SK復調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のQPSK復調装置として、図1
3に示す復調装置51が従来から知られている。この復
調装置51は、直交復調器2、ローカル信号を出力する
ローカル発振回路3、A/D変換器4,5、サンプルタ
イミング制御回路52、復調処理回路53、シンボル同
期保持回路54、AFC(Automatic Frequency Contro
l )処理回路55、および所定周波数の基準信号SREF
を発振する基準発振回路56を備えている。
【0003】この復調装置51では、QPSK変調され
た受信信号が入力されると、直交復調器2が、その受信
信号と、ローカル発振回路3から出力され受信信号と同
一の周波数であって互いに直交する2つのローカル信号
SLI,SLQとをそれぞれミキシングすることにより、ベ
ースバンド信号である同相成分信号SI および直交成分
信号SQ を生成する。次いで、A/D変換器4,5が、
サンプルタイミング制御回路52から出力されるサンプ
リング信号SS に同期して、同相成分信号SIおよび直
交成分信号SQ をサンプリングすることにより、同相成
分データDI および直交成分データDQ を生成する。こ
の後、復調処理回路53が、両成分データDI ,DQ に
基づいて復調データを生成する。
【0004】これらの動作過程において、シンボル同期
保持回路54は、内部に備えているPLL(Phase Lock
ed Loop )回路に対し、受信信号に含まれているシンボ
ル同期用信号のシンボル周波数と同一周波数であって復
調処理回路53から出力される同期用信号SSYN に同期
発振させ、その発振出力をシンボル同期およびシンボル
保持用の制御信号SC としてサンプルタイミング制御回
路52に出力する。一方、サンプルタイミング制御回路
52は、入力された制御信号SC に位相同期するよう
に、基準発振回路56から出力される基準信号SREF を
分周することにより生成したサンプリング信号SS をA
/D変換器4,5に出力する。これにより、サンプリン
グ信号SS が受信信号のシンボルレートと等しい周波数
で、かつ位相同期する結果、受信信号を直交復調するこ
とが可能となる。
【0005】また、AFC処理回路55は、シンボル同
期保持回路54内のPLL回路がロックしている際の制
御電圧を監視することにより、適正なロックレンジ内で
ロックしているか否かを判別する。そして、PLL回路
が適正なロックレンジでロックしていないと判別したと
きには、AFC処理回路55は、AFC制御信号SAFC
を出力することにより、基準発振回路56の基準発振周
波数を僅かに補正する。これにより、ローカル発振回路
3の発振周波数が受信信号の周波数と等しくなるため、
A/D変換器4,5は、受信信号の周波数が変動したと
きであっても、位相ずれすることなく、両成分信号SI
,SQ を適正にサンプリングすることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
復調装置51には、以下の問題点がある。第1に、従来
の復調装置51では、A/D変換器4,5によって同相
成分信号SI および直交成分信号SQ をサンプリングす
る際のサンプリング信号SS を生成するために、シンボ
ル同期保持回路54内のPLL回路が制御信号SC を生
成している。この場合、PLL回路には、フィードバッ
クループが含まれているため、高速なシンボルレートに
追従して制御信号SC を生成するのは困難である。ま
た、同期確立に要求される高速性と同期保持に要求され
る追従性とは、応答時間の点において互いに相反する特
性である。このため、高速な同期確立と安定に追従でき
る同期保持とを同時に満足させるには非常に困難である
という問題がある。一方、時定数の短い同期確立用のフ
ィードバックループと時定数の長い同期保持用のフィー
ドバックループとを用いて、同期確立時および同期保持
時にフィードバックロープを切り替えることにより、高
速な同期確立と安定に追従できる同期保持とを同時に満
足させることも可能ではある。しかし、かかる場合に
は、2つのフィードバックループを切り替えるために複
雑な制御処理を行わなければならないという問題が生じ
る。また、シンボルレートなどに応じてフィードバック
ループ内の定数や他の回路内の定数などを最適化する必
要があるため、複雑な設計をシステム毎に行わなければ
ならないという問題もある。
【0007】第2に、雑音によってPLL回路の同期保
持が外れないようにするためには、シンボル同期保持回
路54内のPLL回路のロックレンジ(同時保持範囲)
およびキャップチャレンジ(同期確立周波数範囲)に制
限が生じる。このため、一般的には、雑音帯域幅を考慮
した上でのロックレンジの周波数範囲は、シンボルレー
トの1/16〜1/8程度となる。したがって、受信信
号の周波数ずれに対応するためには、AFC処理が必然
的に必要となるという問題がある。また、同時に、基準
発振回路56にも高い周波数安定度の性能が要求される
ため、基準発振回路56のコストも上昇するという問題
がある。加えて、PLL回路の制御電圧範囲が狭くなる
ために、受信信号の周波数ずれが大きいときには、AF
C処理自体が困難になるという問題がある。
【0008】第3に、雑音に対する同期保持外れを若干
犠牲にしてでもPLL回路のロックレンジおよびキャッ
プチャレンジの周波数範囲を拡げようとすると、以下の
問題が生じる。すなわち、サンプルタイミング制御回路
52が、サンプリング信号SS を制御信号SC に位相同
期させる際に、位相偏差が大きくなる。このため、シン
ボル点において同相成分データDI および直交成分デー
タDQ を正確にサンプリングするのが困難となる。
【0009】第4に、サンプルタイミング制御回路52
の分周精度や、AFC処理回路55のフィードバック制
御値をシンボルレートに応じて適正化させなければなら
ないし、復調処理回路53の復調方式も受信信号の変調
方式に応じて設計しなければならない。このため、従来
の復調装置51には、シンボルレートや変調方式が異な
る毎に、これらに適応するように各回路を設計しなけれ
なばらず、その設計作業が極めて煩雑で、しかも開発期
間が長期化しているという問題がある。
【0010】第5に、この従来の復調装置51では、シ
ンボル同期を確立するために、まず、サンプルタイミン
グ制御回路52が、受信信号に含まれているシンボル同
期用信号に基づいてサンプリング信号SS を生成しなけ
ればならない。このため、送信信号内に、常にシンボル
同期用信号を含めなければならず、その分、送信信号の
伝送速度が低下するという問題点がある。
【0011】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、位相同期確立に対する高速性および同期保
持に対する安定な追従性を備えたQPSK復調装置を提
供することを主目的とする。また、QPSK変調波信号
にある程度の周波数ずれがあったとしてもAFC処理を
行うことなく確実に復調可能なQPSK復調装置を提供
することを他の目的とする。さらに、構成を変更するこ
となく、方式が異なる各種のQPSK変調波信号を復調
可能なQPSK復調装置を提供することを他の目的とす
る。また、QPSK変調波信号のシンボルレートに適応
するように容易に設計が可能なQPSK復調装置を提供
すること、および伝送速度を上げることが可能なQPS
K復調装置を提供することをさらに他の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載のQPSK復調装置は、互いに直交する2つ
の局部発振信号とQPSK変調波信号とをミキシングし
て同相成分信号および直交成分信号をそれぞれ生成し、
両成分信号に基づいてQPSK変調波信号から変調デー
タを復調するQPSK復調装置において、同相成分信号
および直交成分信号をそれぞれシンボルレートのN(N
は整数)倍のサンプリングレートでサンプリングしてN
個の同相成分データおよびN個の直交成分データを生成
するサンプリング手段と、N個の同相成分データおよび
N個の直交成分データを検波することによりN個の同相
成分データDI0〜DI(n−1) およびN個の直交成分デ
ータDQ0〜DQ(n−1) を生成する一次変換回路と、シ
ンボルレートの1周期についてサンプリングされた同相
成分データDI0〜DI(n−1) および直交成分データD
Q0〜DQ(n−1) に基づくベクトルの各々、並びにベク
トルの各々のN個前にそれぞれサンプリングされた同相
成分データDI0〜DI(n−1) および直交成分データD
Q0〜DQ(n−1) に基づくベクトル各々の相互間の内積
値および外積値を等価的に演算する内外積演算部と、内
外積演算部によって演算された内積値および外積値に基
づいてシンボル点を検出すると共にシンボル点に対応す
る検波後の同相成分データDI0〜DI(n−1) および直
交成分データDQ0〜DQ(n−1) に基づいて変調データ
を復調するデータ復調部とを備えていることを特徴とす
る。
【0013】請求項2記載のQPSK復調装置は、請求
項1記載のQPSK復調装置において、データ復調部
は、演算された内積値と外積値との積算値に基づいてシ
ンボル点を検出することを特徴とする。
【0014】請求項3記載のQPSK復調装置は、請求
項1記載のQPSK復調装置において、データ復調部
は、演算された内積値の絶対値と外積値の絶対値との積
算値に基づいてシンボル点を検出することを特徴とす
る。
【0015】請求項4記載のQPSK復調装置は、請求
項1記載のQPSK復調装置において、データ復調部
は、演算された内積値の絶対値と外積値の絶対値との差
の絶対値に基づいてシンボル点を検出することを特徴と
する。
【0016】請求項5記載のQPSK復調装置は、請求
項2から4のいずれかに記載のQPSK復調装置におい
て、データ復調部は、連続するM(Mは整数)個の積算
値または絶対値の平均値に基づいてシンボル点を検出す
ることを特徴とする。
【0017】請求項6記載のQPSK復調装置は、請求
項1から5のいずれかに記載のQPSK復調装置におい
て、一次変換回路は、等価的に、検波前の同相成分デー
タおよびこれに対応して生成された直交成分データに基
づくベクトルと、N個前にサンプリングされた同相成分
データおよびこれに対応する直交成分データに基づくベ
クトルの複素共役ベクトルとを互いに乗算することによ
り検波することを特徴とする。
【0018】請求項7記載のQPSK復調装置は、請求
項1から6のいずれかに記載のQPSK復調装置におい
て、一次変換回路は、内積値および外積値に基づいて一
次変換量を補正しつつ検波することを特徴とする。
【0019】請求項8記載のQPSK復調装置は、請求
項1から7のいずれかに記載のQPSK復調装置におい
て、内積値および外積値に基づいて局部発振信号の周波
数を補正することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るQPSK復調装置の好適な実施の形態について
説明する。なお、従来の復調装置51と同一の構成要素
については同一の符号を付して重複した説明を省略す
る。
【0021】図1に示すQPSK復調装置1は、例え
ば、900MHz帯の搬送波を「0,0」、「0,
1」、「1,0」および「1,1」の4値の変調データ
に基づいてπ/4シフトQPSK変調した高周波信号
や、その4値の変調データに基づいてQPSK変調した
高周波信号などの各種のQPSK変調波信号から、元の
4値データを復調することができるように構成されてい
る。以下、π/4シフトQPSK変調した高周波信号と
しての受信信号を復調する例について説明する。
【0022】最初に、QPSK復調装置1の具体的な構
成について説明する。
【0023】図1に示すように、QPSK復調装置1
は、従来の復調装置51と同様にして、直交復調器2、
ローカル発振回路3、本発明におけるサンプリング手段
に相当するA/D変換器4,5、および基準発振回路7
を備えるほか、基準発振回路7から出力される基準信号
SREF を固定分周数で分周することによりサンプリング
信号SS を生成する固定分周回路6と、復調処理回路8
とを備えている。なお、本発明に係るQPSK復調装置
では、受信信号としてのπ/4シフトQPSK変調波信
号に対し、そのシンボルレートのN倍のサンプリングレ
ートでサンプリングされた同相成分データDI 直交成分
データDQ に基づいてデータを復調するが、この発明の
実施の形態では、シンボルレートの4倍のサンプリング
レートで受信データをサンプリングした同相成分データ
DI および直交成分データDQ に基づいてデータを復調
する例について説明する。
【0024】次に、各構成要素について説明する。上記
した固定分周回路6は、基準発振回路7から出力される
基準信号SREF を固定分周することによりサンプリング
信号SS を生成する。この場合、例えば、受信信号のシ
ンボルレートが4800symps(symbol per secon
d )のときには、固定分周回路6は、基準信号SREFを
所定分周数で分周することにより、シンボルレートの4
倍の周波数である19200Hzのサンプリング信号S
S を生成する。このため、A/D変換器4,5は、19
200sps(sample per second )のサンプリングレ
ートで受信信号をサンプリングすることにより、各シン
ボル周期において、4個の同相成分データDI および4
個の直交成分データDQ をそれぞれ生成する。
【0025】A/D変換器4は、図4(a)に示すよう
に、受信信号の各1シンボル周期について、サンプリン
グ信号SS に同期してサンプリング点a〜dでサンプリ
ングすることにより4個の同相成分データDI を生成す
る。また、A/D変換器5は、同図(b)に示すよう
に、受信信号の各1シンボル周期について、サンプリン
グ信号SS に同期してサンプリング点a〜dでサンプリ
ングすることにより4個の直交成分データDQ を生成す
る。
【0026】復調処理回路8は、図2に示すように、メ
モリ11〜15、一次変換回路16、内外積演算回路1
7a〜17d、平均化回路18a〜18d、および本発
明におけるデータ復調部に相当する数値判定回路19を
備えている。
【0027】メモリ11は、A/D変換器4が受信信号
をサンプリングすることによって生成した同相成分デー
タDI としてのデータ(YIB0 ,YIB1 ,YIB2 ,・・
YIBm ・・、以下、このデータを総称して「同相成分デ
ータYIB」ともいう)を一時的に記憶し、メモリ12
は、A/D変換器5が受信信号をサンプリングすること
によって生成した直交成分データDQ としてのデータ
(YQB0 ,YQB1 ,YQB2,・・YQBm ・・、以下、こ
のデータを総称して「直交成分データYQB」ともいう)
を一時的に記憶する。また、一次変換回路16は、メモ
リ11,12にそれぞれ記憶されている同相成分データ
DI および直交成分データDQ を一次変換により検波
し、検波した同相成分データDI としてのデータ(YIA
0 ,YIA1 ,YIA2 ,・・YIAm ・・、以下、このデー
タを総称して「同相成分データYIA」ともいう)をメモ
リ14に一時的に記憶させると共に、検波した直交成分
データDQ としてのデータ(YQA0 ,YQA1 ,YQA2 ,
・・YQAm ・・、以下、このデータを総称して「直交成
分データYQA」ともいう)をメモリ15に一時的に記憶
させる。なお、メモリ13は、一次変換回路16による
一次変換演算における中間演算結果を一時的に記憶す
る。
【0028】内外積演算回路17a〜17dは、互いに
ほぼ同一に構成されている。内外積演算回路17aは、
同相成分データYIAについて4個おきのデータ、つま
り、図4(a)に示す各シンボル周期のサンプリング点
aにおいてサンプリングされたデータ(YIA0 ,YIA4
,・・YIA(4n))と、直交成分データYQAについて
4個おきのデータ、つまり、図4(b)に示す各シンボ
ル周期のサンプリング点aにおいてサンプリングされた
データ(YQA0 ,YQA4 ,・・YQA(4n))とに基づい
て、同相成分データYIAおよび直交成分データYQA間の
内積、外積、並びにその内積の絶対値および外積の絶対
値の互いの積算値を演算する。この場合、両者の絶対値
を互いに積算することにより、後述する積算値の最小値
を求める際の演算が容易となる。なお、演算方法によっ
ては、内積と外積との積算値を演算してもよい。また、
同様にして、内外積演算回路17bは、サンプリング点
bにおいてサンプリングされたデータ(YIA1 ,YIA5
,・・YIA(4n+1 ))およびデータ(YQA1 ,YQA5
,・・YQA(4n+1 ))に基づいて、内外積演算回路
17cは、サンプリング点cにおいてサンプリングされ
たデータ(YIA2 ,YIA6,・・YIA(4n+2 ))およ
びデータ(YQA2 ,YQA6 ,・・YQA(4n+2 ))に基
づいて、内外積演算回路17dは、サンプリング点dに
おいてサンプリングされたデータ(YIA3 ,YIA7 ,・
・YIA(4n+3 ))およびデータ(YQA3 ,YQA7 ,・
・YQA(4n+3 ))に基づいて、同相成分データYIAお
よび直交成分データYQA間の内積、外積、並びに、その
内積の絶対値および外積の絶対値の互いの積算値をそれ
ぞれ演算する。
【0029】具体的に、内外積演算回路17aの構成を
代表して説明する。内外積演算回路17aは、図3に示
すように、内積演算回路21、外積演算回路27、およ
び乗算器33を備えている。内積演算回路21は、2つ
の乗算器22,23、2つのメモリ24,25、および
加算器26を備えて構成されている。この内積演算回路
21では、メモリ24が、乗算器22に同相成分データ
YIA(例えばデータYIA4 )が入力された時に、その同
相成分データYIAに対して1シンボル周期前(4つ前)
にサンプリングされた同相成分データYIA(例えばデー
タYIA0 )を乗算器22に出力する。以下、同相成分デ
ータYIA(または直交成分データYQA)に対して4つ前
にサンプリングされたデータについては、「同相成分デ
ータYIA・Z−1」および「直交成分データYQA・Z
−1」とそれぞれ表記する。
【0030】具体的には、乗算器22は、同相成分デー
タYIAと同相成分データYIA・Z とを互いに積算す
る。一方、メモリ25は、乗算器23に直交成分データ
YQA(例えばデータYQA4 )が入力された時に、その直
交成分データYQAに対して4つ前にサンプリングされた
直交成分データYQA・Z−1(例えばデータYQA0 )を
乗算器23に出力する。また、乗算器23は、直交成分
データYQAと直交成分データYQA・Z−1とを互いに積
算する。さらに、加算器26は、両乗算器22,23に
よって乗算された乗算値を互いに加算することにより、
内積データDaIP(DaIP0 ,DaIP4 ,・・DaIP
(4n),・・)を生成し、その内積データDaIPを数値
判定回路19に出力する。この場合、内積データDaIP
は、A/D変換器4,5によってサンプリングされた同
相成分データDI および直交成分データDQ に基づくベ
クトルrbと、これらの4つ前にサンプリングされた同
相成分データDI および直交成分データDQ に基づくベ
クトルraとの内積値に等価的に対応する。
【0031】また、外積演算回路27は、2つの乗算器
28,29、2つのメモリ30,31、および減算器3
2を備えて構成されている。この外積演算回路27で
は、メモリ30が、乗算器29に直交成分データYQA
(例えばデータYQA4 )が入力された時に、同相成分デ
ータYIA・Z−1(例えばデータYIA0 )を乗算器29
に出力する。一方、メモリ31は、乗算器28に同相成
分データYIA(例えばデータYIA4 )が入力された時
に、直交成分データYQA・Z−1(例えばデータYQA0
)を乗算器28に出力する。このため、乗算器28
は、同相成分データYIAと直交成分データYQA・Z−1
とを互いに積算し、乗算器29は、直交成分データYQA
と同相成分データYIA・Z−1とを互いに積算する。一
方、減算器32は、乗算器28によって乗算された乗算
値から、乗算器29によって乗算された乗算値を減算す
ることにより、外積データDaOP(DaOP0 ,DaOP4
,・・DaOP(4n),・・)を生成し、その外積デー
タDaOPを数値判定回路19に出力する。この場合、外
積データDaOPは、A/D変換器4,5によってサンプ
リングされた同相成分データDI および直交成分データ
DQ に基づくベクトルrbと、これらの4つ前にサンプ
リングされた同相成分データDI および直交成分データ
DQ に基づくベクトルraとの外積値に等価的に対応す
る。
【0032】一方、乗算器33は、内積データの絶対値
DIPと外積データの絶対値DOPとを乗算することによ
り、積算データDa(DaO ,Da4 ,・・Da(4
n),・・)を生成し、生成した積算データDaを平均
化回路18aに出力する。なお、内外積演算回路17b
〜17dの各加算器26は、同様にして、内積データD
bIP(DbIP1 ,DbIP5 ,・・DbIP(4n+1 ),・
・)、内積データDcIP(DcIP2 ,DcIP6 ,・・D
cIP(4n+2 ),・・)および内積データDdIP(Dd
IP3 ,DdIP7 ,・・DdIP(4n+3 ),・・)を数値
判定回路19にそれぞれ出力する。また、内外積演算回
路17b〜17dの各減算器32は、同様にして、外積
データDbOP(DbOP1 ,DbOP5 ,・・DbOP(4n+
1 ),・・)、外積データDcOP(DcOP2 ,DcOP6
,・・DcOP(4n+2 ),・・)および外積データD
dOP(DdOP3 ,DdOP7 ,・・DdOP(4n+3 ),・
・)を数値判定回路19にそれぞれ出力する。さらに、
内外積演算回路17b〜17dの各乗算器33は、同様
にして、積算データDb(Db1 ,Db5 ,・・Db
(4n+1 ),・・)、積算データDc(Dc2 ,Dc6
,・・Dc(4n+2 ),・・)および積算データDd
(Dd3 ,Dd7 ,・・Dd(4n+3 ),・・)を平均
化回路18b〜18dにそれぞれ出力する。
【0033】平均化回路18a〜18dは、互いに同一
に構成されており、それぞれ、入力した積算データDa
〜Ddに対して、連続するM個の積算データDa〜Dd
の平均値を演算し、演算した積算平均値データDaA 〜
DdA を数値判定回路19に出力する。数値判定回路1
9は、平均化回路18a〜18dから出力された積算平
均値データDaA 〜DdA のうちの最小値を求め、その
最小値となったサンプリング点a〜dのいずれか1つを
シンボル点と判定する。また、数値判定回路19は、判
定したシンボル点においてサンプリングされた同相成分
データYIAおよび直交成分データYQAに基づいて受信信
号の各1シンボルに対応する受信データを復調する。
【0034】次に、QPSK復調装置1の全体的な動作
について説明する。
【0035】まず、直交復調器2が、入力された受信信
号とローカル信号SLI,SLQとを乗算して直交復調する
ことにより、同相成分信号SI および直交成分信号SQ
を生成する。次いで、A/D変換器4,5が、サンプリ
ング信号SS に同期して同相成分信号SI および直交成
分信号SQ をそれぞれサンプリングすることにより、同
相成分データDI および直交成分データDQ を生成す
る。具体的に、図5を参照して、受信信号が、周期(N
−2)において+3π/4位相変調(QPSK変調にお
ける+π/2位相変調に相当し、値(0,1)に対する
位相変調とする)され、周期(N−1)において−π/
4位相変調(QPSK変調における−π/2位相変調に
相当し、値(1,0)に対する位相変調とする)され、
かつ周期Nにおいて+π/4位相変調(QPSK変調に
おける0・π/2位相変調に相当し、値(0,0)に対
する位相変調とする)された場合を例に挙げて説明す
る。
【0036】この場合、同図に示すように、A/D変換
器4,5は、周期(N−2)においては、サンプリング
点a〜dに対応する時間a(N−2),b(N−2),
c(N−2)およびd(N−2)の時に順にサンプリン
グする。また、周期(N−1)においては、サンプリン
グ点a〜dに対応する時間a(N−1),b(N−
1),c(N−1)およびd(N−1)の時に、周期N
においては、サンプリング点a〜dに対応する時間a
N,bN,cNおよびdNの時に、それぞれサンプリン
グする。この際にサンプリングされた同相成分データY
IBおよび直交成分データYQBを極座標上のベクトルに対
応させると、図6に示すように表される。なお、同図で
は、ベクトルを自然数eを底にした自然対数で表記して
おり、本明細書中では、この自然対数を例えばe・jA
と表記する。したがって、例えば、周期(N−2)のサ
ンプリング点aでサンプリングされた受信信号について
は、e・j(0)と表記する。また、同図における自然
対数を示した欄の下欄には、そのベクトルに対応する一
次変換前の同相成分データYIBおよび直交成分データY
QBを示す。
【0037】次に、復調処理回路8の一次変換回路16
が同相成分データDI および直交成分データDQ を一次
変換することにより検波する。この場合、一次変換は、
サンプリングされた同相成分データYIBおよび直交成分
データYQBに対応するベクトルr・nに、その4つ前に
サンプリングされた同相成分データYIB・Z−1および
直交成分データYQB・Z−1に対応するベクトルr・
(n−4)の複素共役ベクトルを乗算することにより行
われる。つまり、この一次変換では、ベクトルr・(n
−4)の初期回転角度を0゜として極座標のI軸上にプ
ロットさせ、そのベクトルr・(n−4)の回転角度
(0゜)に対するベクトルr・nの回転角度(位相の進
みまたは遅れ度合い)を求める処理を行う。これによ
り、以下の処理において、π/4シフトQPSK変調波
信号とQPSK変調波信号などとを同一に処理すること
ができる。
【0038】具体的には、一次変換前のベクトルおよび
一次変換後のベクトルをそれぞれ「rB 」,「rA 」と
表記すれば、周期(N−2)における受信信号は、ベク
トルrB ・a(N−2),rB ・b(N−2),rB ・
c(N−2),rB ・d(N−2)となり、これらの複
素共役ベクトルは、ベクトルr−1・a(N−2),r
−1・b(N−2),r−1・c(N−2),r−1
d(N−2)となる。なお、「r−1」は、複素共役ベ
クトルを意味する。また、周期(N−1)における受信
信号は、ベクトルrB ・a(N−1),rB ・b(N−
1),rB ・c(N−1),rB ・d(N−1)とな
る。
【0039】次いで、周期(N−1)の各ベクトルにつ
いて、周期(N−2)における各ベクトルの複素共役ベ
クトルに基づいて一次変換すると、一次変換後のベクト
ルは、ベクトルrA ・a(N−1),rA ・b(N−
1),rA ・c(N−1),rA ・d(N−1)とな
る。これらの一次変換後のベクトルrA ・a(N−
1),rA ・b(N−1),rA ・c(N−1),rA
・d(N−1)は、図7に示すように、それぞれe・j
(12π/16),e・j(8π/16),e・j(4
π/16),e・j(0)となる。なお、同図における
自然対数を示した欄の下欄には、そのベクトルに対応す
る一次変換後の同相成分データYIAおよび直交成分デー
タYQAを示す。
【0040】次いで、同様にして、周期Nの各ベクトル
について一次変換する。この場合、周期(N−1)にお
ける受信信号は、ベクトルrB ・a(N−1),rB ・
b(N−1),rB ・c(N−1),rB ・d(N−
1)となり、これらの複素共役ベクトルは、ベクトルr
−1・a(N−1),r−1・b(N−1),r−1
c(N−1),r−1・d(N−1)となる。また、周
期Nにおける受信信号は、ベクトルrB ・aN,rB ・
bN,rB ・cN,rB ・dNとなる。次いで、周期N
の各ベクトルについて、周期(N−1)における各ベク
トルの複素共役ベクトルに基づいて一次変換すると、一
次変換後のベクトルは、ベクトルrA ・aN,rA ・b
N,rA ・cN,rA ・dNとなる。これらの一次変換
後のベクトルは、図7に示すように表される。これらの
一次変換後のベクトルrA ・aN,rA ・bN,rA ・
cN,rA ・dNは、図7に示すように、それぞれe・
j(−4π/16),e・j(−2π/16),e・j
(0),e・j(2π/16)となる。なお、同図にお
ける自然対数を示した欄の下欄には、そのベクトルに対
応する一次変換後の同相成分データYIAおよび直交成分
データYQAを示す。
【0041】この後、内外積演算回路17a〜17d
が、一次変換後の同相成分データYIAおよび直交成分デ
ータYQAに基づいて内積、外積、並びに内積の絶対値お
よび外積の絶対値の積算値を演算する。この演算処理で
は、例えば、内外積演算回路17aは、周期(N−1)
においてサンプリングされた同相成分データYIA0 およ
び直交成分データYQA0 に基づくベクトルrA ・a(N
−1)と、周期Nにおいてサンプリングされた同相成分
データYIA4 および直交成分データYQA4 に基づくベク
トルrA ・aNとの相互間の内積データDaIP、外積デ
ータDaOP、および積算データDaを演算する。この場
合、内積データDaIPについては、乗算器22が、例え
ば同相成分データYIA4 および同相成分データYIA0 の
乗算値を演算し、乗算器23が、例えば直交成分データ
YQA4 および直交成分データYQA0の乗算値を演算す
る。次いで、加算器26が、これらの演算値を加算する
ことにより内積データDaIP4 を演算する。
【0042】また、外積データDaOPについては、乗算
器28が、例えば同相成分データYIA4 および直交成分
データYQA0 の乗算値を演算し、乗算器29が、例えば
直交成分データYQA4 および同相成分データYIA0 の乗
算値を演算する。次いで、減算器32が、乗算器28の
演算値から減算器32の演算値を減算することにより外
積データDaOPを演算する。さらに、内外積演算回路1
7b〜17dにおいても、これらと同様な処理が行われ
る。なお、これらの内積演算および外積演算は、ベクト
ルを用いた演算と等価であるため、以下、ベクトル演算
を用いて詳細に説明する。
【0043】内外積演算回路17aでは、まず、ベクト
ルrA ・a(N−1)およびベクトルrA ・aNの回転
角度差(位相差)を演算する。この例では、図7に示す
ように、位相差πとなる。したがって、内積データDa
IP4 は、図8(a)に示す位相差に対する内積値の特性
図によれば、値(−1)となり、外積データDaOP4
は、同図(b)に示す位相差に対する外積値の特性図に
よれば、値0となる。したがって、積算データDa4
は、値0となる。同様にして、内外積演算回路17bで
は、ベクトルrA ・b(N−1)およびベクトルrA ・
bNの位相差を演算する。この例では、図7に示すよう
に、位相差10π/16となる。したがって、内積デー
タDbIP4 は、値(−0.38)となり、外積データD
bOP4 は、値(0.92)となり、積算データDb4
は、値(0.35)となる。同様にして、内外積演算回
路17cでは、ベクトルrA ・c(N−1)およびベク
トルrA・cNの位相差を演算する。この例では、図7
に示すように、位相差π/4となる。したがって、内積
データDcIP4 、外積データDcOP4 および積算データ
Dc4 は、それぞれ値(0.71),(0.71),
(0.5)となる。同様にして、内外積演算回路17d
では、ベクトルrA ・d(N−1)およびベクトルrA
・dNの位相差を演算する。この例では、図7に示すよ
うに、位相差π/8となる。したがって、内積データD
dIP4 、外積データDdOP4 および積算データDd4
は、それぞれ値(0.92),(0.38),(0.3
5)となる。
【0044】以上の演算により求められた内積データD
aIP(DaIP0 ,DaIP4 ,・・DaIP(4n ),・
・),DbIP(DbIP1 ,DbIP5 ,・・DbIP(4n
+1),・・),DcIP(DcIP2 ,DcIP6 ,・・D
cIP(4n+2),・・),DdIP(DdIP3 ,DdIP7
,・・DdIP(4n+3),・・)、および外積データ
DaOP(DaOP0 ,DaOP4 ,・・DaOP(4n ),・
・),DbOP(DbOP1 ,DbOP5 ,・・DbOP(4n
+1),・・),DcOP(DcOP2 ,DcOP6 ,・・D
cOP(4n+2),・・),DdOP(DdOP3 ,DdOP7
,・・DdOP(4n+3),・・)は、数値判定回路1
9に出力され、積算データDa(Da0 ,Da4 ,・・
Da(4n ),・・),Db(Db1 ,Db5 ,・・D
b(4n+1),・・),Dc(Dc2 ,Dc6 ,・・D
c(4n+2),・・),Dd(Dd3 ,Dd7 ,・・D
d(4n+3),・・)は、平均化回路18a〜18dに
それぞれ出力される。
【0045】一方、平均化回路18a〜18dは、入力
された連続するM個の積算データDa,積算データD
b,積算データDc,積算データDdの平均値をそれぞ
れ演算し、演算した積算平均値データDaA 〜DdA を
順次数値判定回路19に出力する。この結果、数値判定
回路19が平均値である積算平均値データDaA 〜Dd
A に基づいてシンボル点を検出することにより、受信信
号に雑音が重畳することに起因しての誤検出を防止する
ことができる。数値判定回路19は、入力された積算平
均値データDaA 〜DdA の最小値を判別する。この例
では、サンプリング点aにおいてサンプリングしたベク
トルrA ・aNについての平均値が最小であるため、こ
の場合には、数値判定回路19は、先のサンプリング点
aをシンボル点であると判別する。
【0046】この後、数値判定回路19は、平均値の最
小値が他のサンプリング点に変わらない限り、図10に
示すように、サンプリング点a,a・・を継続してシン
ボル点として取り扱い、平均値の最小値が例えばサンプ
リング点cに変わった時には、そのサンプリング点cを
シンボル点として取り扱う。次いで、数値判定回路19
は、判別したシンボル点aにおいてサンプリングされた
同相成分データYIAおよび直交成分データYQAに基づく
ベクトルrA ・Nが第1象限〜第4象限のいずれに属し
ているかを判別する。この場合、第1象限〜第4象限
は、図9に示すように、それぞれ、0〜π/2まで、π
/2〜πまで、π〜3π/2まで(つまり、−π/2〜
−π)、および3π/2〜2π(つまり0〜−π/2)
までの範囲であって、値(0,0),値(0,1)、値
(1,1),値(1,0)の位相変調に対応するものと
する。
【0047】この場合、数値判定回路19は、例えば、
同相成分データYIA4 および直交成分データYQA4 に基
づくベクトルrA ・a(N−1)が図7に示すようにe
・j(12π/16)であるため、第2象限に属してい
ると判別する。この結果、数値判定回路19は、周期
(N−2)における受信信号の変調データは、値(0,
1)であると数値判定する。また、ベクトルrA ・aN
が同図に示すようにe・j(−4π/16)であるた
め、第4象限に属していると判別する。この結果、数値
判定回路19は、周期(N−1)における受信信号の変
調データは、値(1,0)であると数値判定する。
【0048】次いで、数値判定回路19は、AFC処理
を実行する。この処理では、数値判定回路19は、ま
ず、数値判定したベクトルrA ・aNについての内積デ
ータDaIP4 および外積データDaOP4 の値の正負を判
別する。なお、この場合、同相成分信号SI および直交
成分信号SQ とサンプリング信号SS との間での同期ず
れが、従来の復調装置51では確実に同期ずれを生じて
いる程度の位相θ分(θは−π/4〜+π/4の間の位
相)が存在していたものとする。この場合、数値判定回
路19は、判定した数値に基づくベクトルが図11に示
す第1象限〜第4象限のいずれに存在していたかを判別
する。次いで、同図に示すベクトルrA1であったときに
は、図12の「受信データの位相」の欄の「0×π/
2」に該当するため、その際の内積データDaIPおよび
外積データDaOPの値の正負を判別する。この場合、例
えば、ベクトルrA1の回転角度が0〜π/2の範囲のと
きには、図8(a),(b)に示すように、内積値が正
で、外積値が正となる。このときには、数値判定回路1
9は、図12に示すように、受信データの位相が「0×
π/2」であって、内積値および外積値が共に「+」の
欄に該当するため、受信周波数が高いと判定する。
【0049】受信周波数が高いと判定したときには、数
値判定回路19は、一次変換回路16にAFCデータD
AFC を出力することにより、一次変換回路16による一
次変換量を修正させる。具体的には、一次変換の際に例
えばベクトルrB ・aNに乗算した複素共役ベクトルの
回転角度を負側に若干増加させる。これにより、ベクト
ルrB ・aNとサンプリング信号SS との位相ずれが補
正される。なお、数値判定回路19は、継続してこの処
理を行い、先に判定した結果と逆の結果になったときに
(つまり、この例では、受信周波数が低いと判定したと
き)、AFC処理を停止する。
【0050】一方、ベクトルrA4の回転角度が0〜−π
/2の範囲のときには、図8(a),(b)に示すよう
に、内積値が正で、外積値が負となる。このときには、
数値判定回路19は、図12に示すように、受信データ
の位相が「0×π/2」であって、内積値が「+」で外
積値が「−」の欄に該当するため、受信周波数が低いと
判定する。この際には、数値判定回路19は、複素共役
ベクトルの回転角度を正側に若干増加させ、先に判定し
た結果と逆の結果になったときに(つまり、この例で
は、受信周波数が高いと判定したとき)、AFC処理を
停止する。これにより、ベクトルrB ・aNとサンプリ
ング信号SS との位相ずれが補正される。同様にして、
図12に示すように、受信データの位相が「1×π/
2」、「2×π/2」、「3×π/2」のいずれかであ
ると判定したときには、その欄の右欄に示すように、内
積値および外積値の正負に応じて受信周波数の高低を判
別し、判別結果に応じてAFC処理を実行する。
【0051】この結果、基準発振回路7における基準信
号SREF の周波数を変更することなく、同相成分信号S
I および直交成分信号SQ とサンプリング信号SS とを
確実に同期させることができる。したがって、従来の復
調装置51では、基準信号SREF の精度がシンボルレー
トの1/8〜1/16程度でなければならなかったのに
対し、このQPSK復調装置1では、シンボルレートの
1/4以内であれば、同相成分信号SI および直交成分
信号SQ とサンプリング信号SS とを確実に位相同期さ
せることができ、これにより、確実に変調データを復調
することができる。なお、数値判定回路19は、位相ず
れが±π/4を超えるときには、基準発振回路7にAF
C制御信号SAFC を出力することにより、基準発振回路
7における基準信号SREF を補正する。
【0052】なお、本発明は、この発明の実施の形態で
示した構成に限定されず、適宜変更が可能である。例え
ば、この実施の形態では、数値判定回路19が、内積値
と外積値との積算値である積算データDa〜Ddに基づ
いてシンボル点を検出しているが、内積値の絶対値と外
積値の絶対値との差の絶対値に基づいて検出することが
できる。この場合には、差の絶対値がより大きなサンプ
リング点をシンボル点として検出する。
【0053】また、この実施の形態では、受信信号を9
00MHz帯の場合について説明したが、受信周波数に
は限定されない。また、π/4シフトQPSK変調波信
号を復調する例について説明したが、これに限定され
ず、QPSK変調波信号の種類を問わず、このQPSK
復調装置1の構成で復調することができる。
【0054】さらに、本実施形態では、その理解を容易
にするためにハードウェアの構成で説明したが、直交復
調器2、ローカル発振回路3および基準発振回路7を除
く他のすべての構成、または他の構成における任意の一
部をDSP(Digital SignalProcessor)で構成し、そ
の機能をソフトウェアによって実行することもできる。
また、本実施形態では、デジタル演算によって内積値お
よび外積値などを演算しているが、A/D変換しないで
アナログ的に演算することもできる。また、本発明の実
施の形態では、理解を容易にするためにベクトル演算を
行うことにより内積値および外積値を求める例について
説明したが、これに限らず、同相成分データYIAおよび
直交成分データYQAに基づいて数値演算で内積値および
外積値を求めることができるのは勿論である。加えて、
一次変換回路の構成や、その変換方法についても、適宜
変更が可能である。
【0055】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜4記載のQP
SK復調装置によれば、PLLなどのフィードバックル
ープを用いないでデータを復調することができるため、
高速に位相同期を確立することができると共に安定して
同期を保持および追従することができる。また、QPS
K変調波信号にシンボルレートの1/4までの位相ずれ
があったとしても、AFC処理を行うことなく、理論的
にデータを確実に復調することができる。
【0056】さらに、これらのQPSK復調装置によれ
ば、π/4シフトQPSK変調波信号やQPSK変調波
信号を同一の構成で復調することができるため、方式が
異なる各種のQPSK変調波信号を復調する際に構成を
変更する必要がなくなり、これにより、設計コストを低
減することができる。また、QPSK変調波信号のシン
ボルレートに応じてサンプリングレートの周波数、つま
りNの値を決定するだけでよく、変調方式やシンボルレ
ートに応じて各回路の最適化を図る必要がある従来の復
調装置51とは異なり、シンボルレートに合致させるた
めの設計を極めて容易かつ短時間で終了することができ
る。
【0057】また、これらのQPSK復調装置によれ
ば、本来のデータに基づいてシンボル点を検出し、かつ
シンボル点を確立することができるため、シンボル同期
用信号を送信信号内に含める必要がなくなる。この結
果、その分、本来のデータに対する伝送速度を上げるこ
とができる。
【0058】また、請求項5記載のQPSK復調装置に
よれば、データ復調部が連続するM個の積算値または絶
対値の平均値に基づいてシンボル点を検出することによ
り、QPSK変調波信号に雑音が重畳しているときであ
っても、誤りなくシンボル点を検出することができ、こ
れにより、復調したデータの信頼性を向上させることが
できる。
【0059】さらに、請求項6記載のQPSK復調装置
によれば、一次変換回路が、検波前の同相成分データお
よび直交成分データに基づくベクトルと、N個前にサン
プリングされた同相成分データおよび直交成分データに
基づくベクトルの複素共役ベクトルとを互いに乗算して
検波することにより、検波前の同相成分データおよび直
交成分データを容易に検波することができる。
【0060】また、請求項7記載のQPSK復調装置に
よれば、一次変換回路が、内積値および外積値に基づい
て一次変換量を補正しつつ検波することにより、QPS
K変調波信号または局部発振信号にある程度までの周波
数ずれが生じているときであっても、AFC処理を行う
ことなくデータを復調することができる。これにより、
局部発振信号を生成するための基準発振器に高精度の性
能が要求されなくなるため、安価な基準発振器を用いる
ことができる結果、装置の製造コストを低減することが
できる。
【0061】また、請求項8記載のQPSK復調装置に
よれば、内積値および外積値に基づいて局部発振信号の
周波数を補正することにより、その際にPLL回路の制
御電圧などを用いる必要がなくなるため、QPSK変調
波信号または局部発振信号に大きな周波数ずれが生じて
いるときであっても、確実にAFC処理を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るQPSK復調装置の
ブロック図である。
【図2】復調処理回路8のブロック図である。
【図3】内外積演算回路17aのブロック図である。
【図4】(a)は同相成分データDI のサンプリング点
を説明するための説明図、(b)は直交成分データDQ
のサンプリング点を説明するための説明図である。
【図5】周期(N−2),(N−1),Nにおけるサン
プリング時点を説明するための極座標図である。
【図6】周期(N−2),(N−1),Nの各サンプリ
ング点a〜dにおいてサンプリングされたベクトルの一
次変換前の値を示す説明図である。
【図7】周期(N−1),Nの各サンプリング点におい
てサンプリングされたベクトルの一次変換後の値、これ
らのベクトルに基づく内積値、外積値および積算値を示
す説明図である。
【図8】(a)はサンプリングされたベクトルと、その
1周期前にサンプリングされたベクトルの位相差に対す
る内積値を示す位相差−内積値特性図、(b)はサンプ
リングされたベクトルと、その1周期前にサンプリング
されたベクトルの位相差に対する外積値を示す位相差−
外積値特性図である。
【図9】数値判定回路19による数値判定の際の判定基
準となる第1象限〜第4象限のそれぞれの範囲を示す極
座標図である。
【図10】検出したシンボル点を示す説明図である。
【図11】AFC処理を説明するための第1象限〜第4
象限とサンプリングされたベクトルとの関係を示す極座
標図である。
【図12】AFC処理の内容を説明するための説明図で
ある。
【図13】従来の復調装置51のブロック図である。
【符号の説明】
1 QPSK復調装置 2 直交復調器 3 ローカル発振回路 4 A/D変換器 5 A/D変換器 8 復調処理回路 16 一次変換回路 17a〜17d 内外積演算回路 18a〜18d 平均化回路 19 数値判定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−233138(JP,A) 特開 平3−27848(JP,A) 特開 平3−27850(JP,A) 特開 平4−82349(JP,A) 特開 平5−276204(JP,A) 特開 平5−167628(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/22 H04L 7/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに直交する2つの局部発振信号とQ
    PSK変調波信号とをミキシングして同相成分信号およ
    び直交成分信号をそれぞれ生成し、当該両成分信号に基
    づいて前記QPSK変調波信号から変調データを復調す
    るQPSK復調装置において、 前記同相成分信号および前記直交成分信号をそれぞれシ
    ンボルレートのN(Nは整数)倍のサンプリングレート
    でサンプリングしてN個の同相成分データおよびN個の
    直交成分データを生成するサンプリング手段と、 前記N個の同相成分データおよびN個の直交成分データ
    を検波することによりN個の同相成分データDI0〜DI
    (n−1) およびN個の直交成分データDQ0〜DQ(n−
    1) を生成する一次変換回路と、 前記シンボルレートの1周期についてサンプリングされ
    た前記同相成分データDI0〜DI(n−1) および前記直
    交成分データDQ0〜DQ(n−1) に基づくベクトルの各
    々、並びに当該ベクトルの各々のN個前にそれぞれサン
    プリングされた前記同相成分データDI0〜DI(n−1)
    および前記直交成分データDQ0〜DQ(n−1) に基づく
    ベクトル各々の相互間の内積値および外積値を等価的に
    演算する内外積演算部と、 前記内外積演算部によって演算された前記内積値および
    前記外積値に基づいてシンボル点を検出すると共に当該
    シンボル点に対応する前記検波後の同相成分データDI0
    〜DI(n−1) および前記直交成分データDQ0〜DQ(n
    −1) に基づいて前記変調データを復調するデータ復調
    部とを備えていることを特徴とするQPSK復調装置。
  2. 【請求項2】 前記データ復調部は、前記演算された内
    積値と前記外積値との積算値に基づいて前記シンボル点
    を検出することを特徴とする請求項1記載のQPSK復
    調装置。
  3. 【請求項3】 前記データ復調部は、前記演算された内
    積値の絶対値と前記外積値の絶対値との積算値に基づい
    て前記シンボル点を検出することを特徴とする請求項1
    記載のQPSK復調装置。
  4. 【請求項4】 前記データ復調部は、前記演算された内
    積値の絶対値と前記外積値の絶対値との差の絶対値に基
    づいて前記シンボル点を検出することを特徴とする請求
    項1記載のQPSK復調装置。
  5. 【請求項5】 前記データ復調部は、連続するM(Mは
    整数)個の前記積算値または前記絶対値の平均値に基づ
    いて前記シンボル点を検出することを特徴とする請求項
    2から4のいずれかに記載のQPSK復調装置。
  6. 【請求項6】 前記一次変換回路は、等価的に、検波前
    の前記同相成分データおよびこれに対応して生成された
    前記直交成分データに基づくベクトルと、N個前にサン
    プリングされた前記同相成分データおよびこれに対応す
    る前記直交成分データに基づくベクトルの複素共役ベク
    トルとを互いに乗算することにより検波することを特徴
    とする請求項1から5のいずれかに記載のQPSK復調
    装置。
  7. 【請求項7】 前記一次変換回路は、前記内積値および
    前記外積値に基づいて一次変換量を補正しつつ検波する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のQ
    PSK復調装置。
  8. 【請求項8】 前記内積値および前記外積値に基づいて
    前記局部発振信号の周波数を補正することを特徴とする
    請求項1から7のいずれかに記載のQPSK復調装置。
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