JP5570946B2 - 光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1の芳香環の含有量を高くした高屈折率タイプの紫外線硬化型樹脂組成物を硬化させた硬化物は剛直となるため、硬化成型後の光学レンズの微細な形状が易く、その結果として、透過率や輝度などの光学特性が低下するという問題があった。
また、剛直な光学レンズが他の部材と接触すると、他の部材を傷つけてしまうという問題があった。
本発明の目的は、1.56以上の高屈折率を維持した上で、傷の回復性、プラスチック基材との密着性、透明性に優れた硬化物を与える光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるメルカプト基含有化合物(a)、数平均分子量1,000以下のジオール(b)、有機ポリイソシアネート(c)および水酸基含有(メタ)アクリレート(d)から構成されてなる硫黄原子含有ウレタン(メタ)アクリレート(A)、ビフェニル基またはスチレン化フェノキシ基を分子内に有する(メタ)アクリレート(C)、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン(D)および光重合開始剤(E)を必須成分とする光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物;下記一般式で表されるメルカプト基含有化合物(a)、有機ポリイソシアネート(c)および分子量が200〜2,000である水酸基含有(メタ)アクリレート(e)から構成されてなる硫黄原子含有ウレタン(メタ)アクリレート(B)、ビフェニル基またはスチレン化フェノキシ基を分子内に有する(メタ)アクリレート(C)、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン(D)および光重合開始剤(E)を必須成分とする光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物;並びにこの光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物を紫外線照射で硬化させてなり、その屈折率が1.560以上である光学物品である。
(1)特定の化学構造を有する硫黄原子含有ウレタン(メタ)アクリレート(A)、ビフェニル基またはスチレン化フェノキシ基を分子内に有する(メタ)アクリレート(C)、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン(D)、および光重合開始剤(E)を必須成分とする第1発明の樹脂組成物;および
(2)特定の化学構造を有する硫黄原子含有ウレタン(メタ)アクリレート(B)、ビフェニル基またはスチレン化フェノキシ基を分子内に有する(メタ)アクリレート(C)、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン(D)、および光重合開始剤(E)を必須成分とする第2発明の樹脂組成物である。
すなわち、第1発明における必須成分の硫黄原子含有ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、メルカプト基含有化合物(a)、数平均分子量1,000以下のジオール(b)、有機ポリイソシアネート(c)および水酸基含有(メタ)アクリレート(d)から構成されるウレタン(メタ)アクリレートであり、一方、第2発明における必須成分の硫黄原子含有ウレタン(メタ)アクリレート(B)は、メルカプト基含有化合物(a)、有機ポリイソシアネート(c)および分子量が200〜2,000である水酸基含有(メタ)アクリレート(e)から構成されている。
(a)と(b)のモル比(a)/(b)は、通常1/3〜10/1、好ましくは1/2〜8/1である。この範囲であると、高い屈折率を有したまま、傷の回復性に優れる。
(a)と(b)および(c)の反応における(メルカプト基+水酸基)/NCO当量比は、通常0.45〜0.99、好ましくは0.50〜0.97である。
また、オキシアルキレン基を鎖中に含んだ場合のXとしてはポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖などが挙げられる。
2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、5−メルカプト−3−オキサ−1−ペンタノール、8−メルカプト−3,6−ジオキサ−1−オクタノール等
1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ジメルカプト−3−オキサ−ペンタン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,12−ジメルカプト−3,6,9−トリオキサ−ウンデカン等
2−エタンチオール、4−ブタンチオール、5−メルカプト−3−オキサペンタン、8−メルカプト−3,6−ジオキサオクタン等
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびネオペンチルグリコール等のアルキルジオール(b11);ポリオキシエチレングリコール(Mn400)、ポリオキシプロピレングリコール(Mn200)およびポリオキシテトラメチレングリコール(Mn650)等のポリオキシアルキレングリコール(b12)
ジメチロールトリシクロデカン、シクロヘキサンジメタノールおよび水素化ビスフェノールA等
キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等
単環2価フェノール(例えばハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ウルシオール等)、多環2価フェノール{例えばビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールS、ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン等)}、縮合多環2価フェノール{ジヒドロキシナフタレン(例えば1,5−ジヒドロキシナフタレン)、ビナフトール}等
2価フェノール化合物[単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、ビスフェノール−Fおよびビスフェノール−S等)]のAO付加物[レゾルシノールのエチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」を「EO」と略記する。)4モル付加物、ジヒドロキシナフタレンのプロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」を「PO」と略記する。)4モル付加物、ビスフェノールA、ビスフェノール−Fおよびビスフェノール−SのEO2モル各付加物等]
上記2価アルコールまたは上記2価フェノール化合物のAO付加物とジカルボン酸{脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸)、芳香(脂肪)族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸無水物、キシリレンジカルボン酸)}からなる縮合物
ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールのAO付加物およびポリカプロラクトンのAO付加物等
1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、およびm−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート;および3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート)および4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート
エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートおよびトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI);および3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)、例えば1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンの反応生成物のホスゲン化物、例えば2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート)
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4−および/または2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート;および3官能以上のポリイソシアネート(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート
m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネートおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)
(c5):上記(c1)〜(c4)のヌレート化物
この当量比が0.45未満では硬化時の収縮率が大きくなり後述する基材との密着性が悪くなり、0.99を超えると(メタ)アクリレートとの相溶性が悪くなる。
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチルおよびこれらのAO付加物等
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−ε−カプロラクトン2モル付加物等
(d3):ジオールのモノ(メタ)アクリレート
3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ビフェノキシ−2−ヒドロキシプロプル(メタ)アクリレート等
グリセリンモノ−およびジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ−およびジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ−、ジ−およびトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンモノ−、ジ−およびトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−およびペンタ(メタ)アクリレートおよびそれらのAO付加物等
(A)の含有量が5%未満であると、傷の回復性が悪くなってしまい、樹脂硬化物本来の性能を発揮することができない。また40%を超えると、粘度が高くなり、ハンドリング性が悪くなる。
(B)の含有量が5%未満であると、傷の回復性が悪くなってしまい、樹脂硬化物本来の性能を発揮することができない。また40%を超えると、粘度が高くなり、ハンドリング性が悪くなる。
o−、m−、またはp−フェニルフェノールのモノ(メタ)アクリレート、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのモノ(メタ)アクリレート、o−、m−、またはp−フェニルフェノールのAO付加物のモノ(メタ)アクリレート、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのAO付加物のモノ(メタ)アクリレート等
3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのジ(メタ)アクリレート、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのAO付加物のジ(メタ)アクリレート等
2.5モルのスチレンがフェノールに付加したスチレン化フェノールのモノ(メタ)アクリレート、2.5モルのスチレンがフェノールに付加したスチレン化フェノールのAO付加物のモノ(メタ)アクリレート、3モルのスチレンがフェノールに付加したスチレン化フェノールのAO付加物のモノ(メタ)アクリレート等
末端がエチレンオキサイドで変性されたポリジメチルシロキサン、末端がエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドで変性されたポリジメチルシロキサン、末端がエチレンオキサイドで変性されたポリジエチルシロキサン等
側鎖がプロピレンオキサイドで変性されたポリジメチルシロキサン、側鎖がエチレンオキサイドおよびブチレンオキサイドで変性されたポリジメチルシロキサン、側鎖がプロピレンオキサイドで変性されたポリジフェニルシロキサン等
この(メタ)アクリレート(G)には、下記の(G1)〜(G3)およびこれらの混合物が挙げられる。
1価アルコール(脂肪族、脂環式および芳香脂肪族)の(メタ)アクリレート(例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート)(G11);1価アルコール(脂肪族、脂環式および芳香脂肪族)のアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート(例えば、上記(F11)における1価アルコールのAO付加物の(メタ)アクリレート、例えばラウリルアルコールのEO2モル付加物の(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのPO3モル付加物の(メタ)アクリレート)(G12);アルキルフェノールのAO付加物の(メタ)アクリレート(例えば、フェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート、フェノールのEO2モル付加物の(メタ)アクリレート、トリブロモフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート)(G13)
ポリオキシアルキレンのジ(メタ)アクリレート(例えば、ポリエチレングリコール(Mn400)、ポリプロピレングリコール(Mn200)およびポリテトラメチレングリコール(Mn650)の各ジ(メタ)アクリレート)(G21);脂肪族2価アルコールのジ(メタ)アクリレート(例えば、ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレートおよび1,6−ヘキサンジオールのジ(メタ)アクリレート)(G22);脂環含有2価アルコールのジ(メタ)アクリレート(例えば、ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジ(メタ)アクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート)(G23)
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、グリセリンのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのEO4モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート等
添加剤には、可塑剤(例えば、o−フェニルフェノールのAO付加物等)、有機溶剤、無機充填剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤および紫外線吸収剤が含まれる。
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン[商品名:DMDO、丸善石油化学(株)製]147部、Mn200のポリオキシプロピレングリコール[商品名:サンニックスPP−200、三洋化成工業(株)製]158部、トリレンジイソシアネート[商品名:コスモネートT−80、三井武田ケミカル(株)製]446部、およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)[商品名:ネオスタンU−600、日東化成(株)製]1.0部仕込み、80℃で6時間反応させた。
その後2−ヒドロキシエチルアクリレート[商品名:ライトエステルHOA、共栄社化学(株)製]249部を加え、80℃で3時間反応させて本発明の硫黄原子含有ウレタンアクリレート(A−1)を得た。なお、(a)/(b)は1.0である。
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、メルカプトエタノール73部、1,4−ブタンジオール83部、トリレンジイソシアネート520部およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)1.0部仕込み、80℃で6時間反応させた。
その後2−ヒドロキシエチルアクリレート286部、ポリオキシエチレングリコールモノアクリレート[商品名:ブレンマーAE−400、日油(株)製]38部を加え、80℃で3時間反応させて本発明の硫黄原子含有ウレタンアクリレート(A−2)を得た。なお、(a)/(b)は1.0である。
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン[商品名:DMDO、丸善石油化学(株)製]278部、トリレンジイソシアネート[商品名:コスモネートT−100、三井武田ケミカル(株)製]354部、およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)[商品名:ネオスタンU−600、日東化成(株)製]1.0部仕込み、80℃で6時間反応させた。
その後ポリカプロラクトンモノアクリレート[商品名:プラクセルFA−2D(水酸基価:163.1、分子量:344)、ダイセル化学(株)製]368部を加え、80℃で3時間反応させて本発明の硫黄原子含有ウレタンアクリレート(B−1)を得た。なお、(a)/(c)は1.42である。
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、メルカプトエタノール192部、キシレンジイソシアネート539部およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)1.0部仕込み、80℃で6時間反応させた。
その後ポリオキシエチレングリコールモノアクリレート[商品名:ブレンマーAE−200(水酸基価:171、分子量:328)、日油(株)製]269部を加え、80℃で3時間反応させて本発明の硫黄原子含有ウレタンアクリレート(B−2)を得た。なお、(a)/(c)は3.00である。
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、o−フェニルフェノール[商品名:OPP、三光(株)製]659部、水酸化カリウム0.5部を投入し、反応系内を窒素で置換した後、減圧下(0.002MPa)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでエチレンオキサイド341部を150℃にて、ゲージ圧が0.1〜0.3MPaとなるように導入し、o−フェニルフェノールのエチレンオキサイド2モル付加物を得た。
撹拌装置および温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、上記o−フェニルフェノールのエチレンオキサイド2モル付加物249部、トルエン333部、パラトルエンスルホン酸2部を投入し、均一化した。ここにアクリル酸83部を投入した後、110℃まで昇温した後、12時間反応を行った。さらに、減圧下で6時間反応し、オルソ−フェニルフェノールのアクリレートのトルエン溶液を得た。これに10%水酸化ナトリウム溶液を333部入れ、遠心分離し、さらに溶剤留去して本発明のo−フェニルフェノールのエチレンオキサイド2モル付加物のモノアクリレート(C−2)を得た。
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル[商品名:DOQ−O、三光(株)製]658部、水酸化カリウム0.5部を投入し、反応系内を窒素で置換した後、減圧下(0.002MPa)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでエチレンオキサイド342部を150℃にて、ゲージ圧が0.1〜0.3MPaとなるように導入し、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエチレンオキサイド4モル付加物を得た。
撹拌装置および温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、上記3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエチレンオキサイド4モル付加物284部、トルエン333部、パラトルエンスルホン酸2部を投入し、均一化した。ここにアクリル酸48部を投入した後、110℃まで昇温した後、12時間反応を行った。
さらに、減圧下で6時間反応し、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエチレンオキサイド4モル付加物のアクリレートのトルエン溶液を得た。これに10%水酸化ナトリウム溶液を333部入れ、遠心分離し、さらに溶剤留去して、本発明の3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエチレンオキサイド4モル付加物のジアクリレート(C−3)を得た。
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、平均2.5モルのスチレンを付加したスチレン化フェノール[商品名:SP−23、三光(株)製]784部、水酸化カリウム0.5部を投入し、反応系内を窒素で置換した後、減圧下(0.002MPa)、120℃にて1時間脱水を行った。次いでエチレンオキサイド216部を150℃にて、ゲージ圧が0.1〜0.3MPaとなるように導入し、スチレン化フェノールのエチレンオキサイド2モル付加物を得た。
撹拌装置および温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、上記2.5モルのスチレンを付加したスチレン化フェノール混合物のエチレンオキサイド2モル付加物274部、トルエン333部、パラトルエンスルホン酸2部を投入し、均一化した。ここにアクリル酸58部を投入した後、110℃まで昇温した後、12時間反応を行った。さらに、減圧下で6時間反応し、スチレン化フェノールのエチレンオキサイド2モル付加物のアクリレートのトルエン溶液を得た。これに10%水酸化ナトリウム溶液を333部入れ、遠心分離し、さらに溶剤留去して、本発明の平均2.5モルのスチレンを付加したスチレン化フェノールのエチレンオキサイド2モル付加物のモノアクリレート(C−4)を得た。
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン371部、トリレンジイソシアネート471部、およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)1.0部仕込み、80℃で6時間反応させた。
その後2−ヒドロキシエチルアクリレート[商品名:ライトエステルHOA(水酸基価:483.6、分子量:116)、共栄社化学(株)製]157部を加え、80℃で3時間反応させて、比較例のための硫黄原子含有ウレタンアクリレート(A’−1)を得た。
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、ビスフェノールAのPO2モル付加物[商品名:ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]517部、キシリレンジイソシアネート[商品名:タケネート500、三井武田ケミカル(株)製]324部およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)1.0部仕込み、80℃で6時間反応させ、その後ポリカプロラクトンモノアクリレート159部を加え、80℃で3時間反応させて、硫黄原子を含まない比較例のためのウレタンアクリレート(A’−2)を得た。
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応容器に、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン325部、トリレンジイソシアネート412部、およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)1.0部仕込み、80℃で6時間反応させた。
その後、4−ヒドロキシブチルアクリレート[商品名:4−HBA(水酸基価:389、分子量144、大阪有機化学(株)製]262部を加え、80℃で3時間反応させて、水酸基含有(メタ)アクリレートの分子量が114である比較例のための硫黄原子含有ウレタンアクリレート(B’−1)を得た。
表1、表2および表3に記載の各成分と配合量に従って、一括で配合し、ディスパーサーで均一に混合攪拌し、実施例と比較例の光学部品用樹脂組成物を得た。
(D−1):エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン[商品名「KF−352」信越化学工業(株)製]
(D−2):エチレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン[商品名「BYK−373」ビックケミー・ジャパン(株)製]
(E−1):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」チバスペシャリティケミカルズ(株)製]
(E−2):1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド[商品名「ダロキュアーTPO」、チバスペシャリティケミカルズ(株)製]
(F−1):ビスフェノールFのエチレンオキサイド4モル付加物とのジアクリレート[商品名「アロニックスM−208」、東亞合成(株)製]
(F−2):ビスフェノールAのエチレンオキサイド10モル付加物とのジアクリレート[商品名「ニューフロンティアBPE−10」、第一工業製薬(株)製]
(F−3):ビスフェノールAのエチレンオキサイド20モル付加物とのジアクリレート[商品名「ニューフロンティアBPE−20」、第一工業製薬(株)製]
(G−1):フェノキシエチルアクリレート[商品名「ライトアクリレートPO−A」、共栄社化学(株)製]
(G−2):トリブロモフェニルオキシエチルアクリレート[商品名「ニューフロンティアBR−31」、第一工業製薬(株)製]
(H−1):ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤[商品名「チヌビン400」、チバスペシャリティケミカルズ(株)製]
(H−2):反応性光安定剤[ペンタメチルピペリジンのモノメタクリレート;商品名「アデカスタブLA−82」、アデカ(株)製]
その結果を表1に示す。
(1)溝の深さが50μmでピッチ幅を20μmで平行線を刻んで微細に凹凸処理を施したSUS製の金型を用意する。
(2)樹脂組成物をこの金型の片面に厚さが100μmになるように塗工した後、厚さ100μmのPETフィルム[商品名「コスモシャインA4300」東洋紡績(株)製]を樹脂側に貼り合わせ、ローラーを上から転がして空気を押し出した。PETフィルム側から紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1000mJ/cm2照射して、硬化させ、硬化膜を作成した。
(3)硬化膜の表面をサンドペーパー(FUJI STAR、#2000、三共理化学(株)製)で10回こすって全面が白化するまで傷を付ける。
(4)30分放置後に目視で観察し、白化が完全に消失しているものを○、一部の白化が残っているものを△、放置前と変化なく全面的に白化した状態のものを×と判定した。
樹脂組成物をガラス板の片面に厚さが100μmになるように塗工した後、厚さ100μmのPETフィルム[商品名「コスモシャインA4300」東洋紡績(株)製]を樹脂側に貼り合わせ、ローラーを上から転がして空気を押し出した。PETフィルム側から紫外線照射装置により、紫外線を1000mJ/cm2照射して、硬化させた。PETフィルムに密着した硬化物をガラス板から剥離し、テストピースを作成した。
上記テストピースを25℃でアッベ屈折率計を用いて測定した。
23℃、50%RHの環境下で24時間静置した後、上記テストピースをJIS K 5600−5−6に準拠し、1mm幅にカッターナイフで切込みを入れて碁盤目(10×10個)を作成し、該碁盤目上にセロハン粘着テープを貼り付け90度剥離を行い、PETフィルムからの硬化物の剥離状態を目視で観察し、評価した。
○:硬化物の面積90%以上が基材に残っている
△:硬化物の面積10〜90%基材に残っている
×:基材に残っている硬化物の面積が10%以下
上記テストピースをJIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いて全光線透過率(%)を測定した。
一方、(a)、(c)、(d)のみで構成される硫黄原子含有ウレタンアクリレート(A’−1)を使用する比較例1、硫黄原子を含有しないウレタンアクリレート(A’−2)を使用する比較例2、同じく(a)、(c)、(d)のみで構成される硫黄原子含有ウレタンアクリレート(B’−1)を使用する比較例3、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン(D)を使用しない比較例6はいずれも傷の回復性が悪い。また、硫黄原子含有ウレタンアクリレートを使用しない比較例4、芳香族(メタ)アクリレート(C)を使用しない比較例5は屈折率が低くなる。
硫黄原子を含有しないウレタンアクリレート(A’−2)を使用し、かつポリジメチルシロキサン(C)を使用しない比較例7は傷の回復性が悪くなる。
また、本発明の硬化物を用いた光学部品は、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ等)、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜、感光性光導波路として有用である。
Claims (10)
- 下記一般式(1)で表されるメルカプト基含有化合物(a)、数平均分子量1,000以下のジオール(b)、有機ポリイソシアネート(c)および水酸基含有(メタ)アクリレート(d)から構成されてなる硫黄原子含有ウレタン(メタ)アクリレート(A)、ビフェニル基またはスチレン化フェノキシ基を分子内に有する(メタ)アクリレート(C)、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン(D)および光重合開始剤(E)を必須成分とする光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物。
Y−X−SH (1)
[式(1)中、Yは水酸基、メルカプト基またはアルキル基であり、Xはオキシアルキレン基を鎖中に含んでもよいアルキレン基である。] - 該ウレタン(メタ)アクリレート(A)において、該メルカプト基含有化合物(a)と該ジオール(b)のモル比(a)/(b)が0.3〜120である請求項1記載の光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物。
- 下記一般式(1)で表されるメルカプト基含有化合物(a)、有機ポリイソシアネート(c)、および分子量が200〜2,000である水酸基含有(メタ)アクリレート(e)から構成されてなる硫黄原子含有ウレタン(メタ)アクリレート(B)、ビフェニル基またはスチレン化フェノキシ基を分子内に有する(メタ)アクリレート(C)、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン(D)および光重合開始剤(E)を必須成分とする光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物。
Y−X−SH (1)
[式(1)中、Yは水酸基、メルカプト基またはアルキル基であり、Xはオキシアルキレン基を鎖中に含んでもよいアルキレン基である。] - 該ウレタン(メタ)アクリレート(B)において、該メルカプト基含有化合物(a)と該水酸基含有(メタ)アクリレート(e)のモル比(a)/(e)が0.1〜5である請求項3または4いずれか記載の光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物。
- (A)、(C)、(D)および(E)の合計重量に基づいて、ウレタン(メタ)アクリレート(A)を5〜40重量%含有する請求項1または2記載の光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物。
- (B)、(C)、(D)および(E)の合計重量に基づいて、ウレタン(メタ)アクリレート(B)を5〜40重量%含有する請求項3〜5いずれか記載の光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物。
- (A)〜(E)の合計重量に基づいて、アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン(D)を0.2〜5.0重量%含有する請求項1〜7いずれか記載の光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物。
- さらに、ビスフェノールAまたはビスフェノールF骨格を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート(F)を含有する請求項1〜8いずれか記載の光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜9いずれか記載の光学部品用紫外線硬化性樹脂組成物を紫外線照射で硬化させてなり、その屈折率が1.560以上である光学物品。
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