JP6565612B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
紫外線、電子線等の活性エネルギー線によって重合・硬化する組成物は、耐擦傷性や耐薬品性に優れた硬化物(被膜や成形物)を形成することから、各種基材への塗料・コーティング剤、インキ、粘着剤、接着剤、光学部品、レジスト材料などの用途で幅広く利用されている。
プリズムレンズシート、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等の光学部品には、高い屈折率と共に復元性が求められる。特許文献1には、ポリエステルジオール、エチレングリコール、トリレンジイソシアネート、2−ヒドロキシエチルアクリレートをウレタン化反応させて得られるウレタンアクリレート、o−フェノキシフェノールエチレンオキシド変性アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレートからなる樹脂組成物が開示されている。特許文献2には、ポリエーテルジオール、トリレンジイソシアネート、2−ヒドロキシエチルアクリレートをウレタン化反応させて得られるウレタンアクリレート、o−フェニルフェノールポリエトキシアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレートからなる樹脂組成物が開示されている。さらに、特許文献3には、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート、トリレンジイソシアネート、2−ヒドロキシエチルアクリレートをウレタン化反応させて得られるウレタンアクリレートをウレタン化反応させて得られるウレタンアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート、フェニルベンジルアクリレート、o−フェニルフェノキシエチルアクリレートからなる樹脂組成物が開示されている。これらの樹脂組成物は、良好な屈折率と復元性を有するものの、硬化物表面にタックがあり、生産性に課題がある。
特開平5−65318号公報 特開2005−42034号公報 国際公開第2014/069266号
本発明の課題は、良好な屈折率と復元性示し、かつタックのない硬化物を得ることができる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定構造のウレタン(メタ)アクリレートとo−フェニルフェノキシエチルアクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が有用であることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕および〔2〕である。
〔1〕 下記のウレタン(メタ)アクリレート(A)とo−フェニルフェノキシエチルアクリレート(B)を、質量比(A)/(B)=25/75〜60/40で含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
ウレタン(メタ)アクリレート(A): 下記の式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(a1)と、下記の式(2)で表されるジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体(a2)を、(a1)の水酸基/(a2)のイソシアネート基の当量比0.9〜1.1でウレタン化反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート。
(R1は水素原子またはメチル基を示し、R2Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を示し、aはR2Oの平均付加モル数であり、2〜8を示す。)
(R3は炭素数4〜10のアルキレン基を示す。)
〔2〕 さらに、下記の式(3)で表されるアルキレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレートを5〜50質量%含有する、前記の〔1〕に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(R4Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を示し、b、cはR4Oの平均付加モル数であり、b+c=0〜25を示す。)
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物によれば、良好な屈折率と復元性示し、かつタックのない硬化物を得ることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、o−フェニルフェノキシエチルアクリレート(B)、さらにアルキレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート(C)を含有することを特徴とする。以下に、各成分について説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
<ウレタン(メタ)アクリレート(A)>
本発明の硬化性樹脂組成物に用いるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、下記の式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(a1)と下記の式(2)で表されるジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体(a2)をウレタン化反応させて得られる化合物である。
式(1)において、R1は水素原子またはメチル基であり、硬化性に優れるという観点から水素原子が好ましい。R2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、好ましくはオキシエチレン基である。aはR2Oの平均付加モル数を表し2〜8である。aが2未満では硬化物の十分な復元性が得られず、8を超えると硬化物にタックが生じる。aは好ましくは3〜6モルである。
上記ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(a1)は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを開環付加重合して得られ、具体的にはポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンポリオキシブチレンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これら(a1)成分は、単独で用いても良く、二種以上を併用しても良い。好ましくはポリオキシエチレンモノアクリレートである。
ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(a1)は、一般的には公知の方法に従って製造することができる。例えば、反応容器にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレンオキシド、開環重合触媒、必要に応じて重合禁止剤や有機溶剤を投入し、所定の温度を維持して反応させる。このとき、アルキレンオキシドは、これ以外の原料を先に投入した上で、少量ずつ滴下しながらウレタン化反応させても良い。また、反応後は公知の吸着剤を用いて触媒を吸着処理し、吸着剤をろ過により除去しても良く、酸やアルカリで中和して生成した塩をろ過により除去しても良い。
式(2)においてR3は炭素数4〜10のアルキレン基であり、好ましくは炭素数4〜6のアルキレン基である。
本発明に用いるジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体(a2)の入手可能な市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製の「デュラネートTPA−100」、「デュラネートTKA−100」、「デュラネートTLA−100」、住化バイエルウレタン(株)製の「スミジュールN3300」、「デスモジュールN3600」、「デスモジュールN3790BA」、「デスモジュールN3900」、「デスモジュールZ4700BA」、三井武田ケミカル(株)製「タケネートD−170N」、DIC(株)製の「バーノックDN−980」、「バーノックDN−981」、「バーノックDN−990」、「バーノックDN−992」、日本ポリウレタン(株)製の「コロネートHX」、「コロネートHXR」、「コロネートHXLV」などが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造において、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(a1)の水酸基とジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体のイソシアネート基の当量比は0.9〜1.1であり、好ましくは0.95〜1.05である。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造において、ウレタン化反応の方法は一般的には公知の方法に従って製造することができる。例えば、反応容器中にポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(a1)ジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体(a2)成分を投入し、必要に応じてウレタン化触媒、重合禁止剤、黄変防止剤、有機溶剤を投入し、30〜100℃の温度において反応させる。このとき、(a1)成分、(a2)成分の投入の仕方については、特に限定されず、これら全てを一括で仕込んでも良く、少量ずつ系に加えてウレタン化反応させても良い。
ウレタン化反応において、反応時間を短縮することができることから、ウレタン化触媒を使用することが好ましい。ウレタン化触媒としては、ジブチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物、ジブチルビスマスジラウレートなどの有機ビスマス化合物、トリエチルアミンなどの3級アミン、テトラアルキルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウムなどを用いることができる。これらのウレタン化触媒は、反応原料の総量に対して0.005〜1.0重量%の量で用いられる。
<o−フェニルフェノキシエチルアクリレート(B)>
本発明において、硬化物の屈折率を高めるためにo−フェニルフェノキシエチルアクリレート(B)を用いる。
<アルキレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート(C)>
本発明に用いるアルキレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート(C)は式(3)で表される。
式(3)において、R4Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基であり、好ましくはオキシエチレン基である。b、cはR4Oの平均付加モル数であり、b+c=0〜25であり、復元性に優れ、タック性を抑制するという観点からb+c=7〜15が好ましい。
<活性エネルギー線硬化型樹脂組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)とo−フェニルフェノキシエチルアクリレート(B)を質量比(A)/(B)=25/75〜60/40で含有する。25/75未満では硬化物の復元性が十分でなく、60/40を超えると高い屈折率の硬化物が得られない。好ましくは(A)/(B)=30/70〜50/50である。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、さらにアルキレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート(C)を該活性エネルギー線樹脂組成物の全体の5〜50質量%含有することで硬化物の復元時間をより短くすることができる。より好ましくは20〜40質量%である。
<光重合開始剤>
本発明の硬化性樹脂組成物には光重合開始剤を配合しても良い。前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインまたはベンゾインアルキルエーテル;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸等の芳香族ケトン;ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド等のアシルフォスフィンオキシドが挙げられる。
<その他の成分>
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、任意成分として、(メタ)アクリル重合体、表面調整剤、レベリング剤、充填剤、顔料、シランカップリング剤、帯電防止剤、消泡剤、防汚剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、光重合開始剤、有機溶剤等を配合することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させる方法としては、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線および電子線などの活性エネルギー線の群より選ばれる光線を選択することができる。活性エネルギー線の照射方法は、通常の硬化性樹脂組成物の硬化方法を用いることができる。活性エネルギー線照射装置として紫外線を用いる場合、波長が200〜450nmの領域にスペクトル分布を有するフュージョンUVシステムズ(株)製Hバルブ等の無電極ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。活性エネルギー線の照射量は、積算光量として通常10〜3,000mJ/cm2であり、50〜2,000mJ/cm2が好ましく、100〜1,000mJ/cm2がより好ましい。照射時の雰囲気は空気中でもよく、窒素やアルゴン等の不活性ガス中で硬化してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物はフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ等のレンズ用途および各種コーティング剤に有用である。
(合成例1:ウレタン(メタ)アクリレート(A−1)の合成)
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四ツ口フラスコに、(a1)成分としてポリオキシエチレンモノアクリレート(式(1)においてR1=水素原子、R2=C24、a=4.5、水酸基価(OHV)=201mgKOH/g)を220g、(a2)成分としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100、イソシアネート基含有率=23.1%)を144.3g、ハイドロキノンモノメチルエーテルと表記)を0.05g、ジブチルスズジラウレート(日東化成(株)製ネオスタンU−100)を0.05g投入した。次に、乾燥空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して5時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有率が0.05%以下となることを確認したのち、ウレタンアクリレート(A−1)を得た。収量は350gであった。
(合成例2:ウレタン(メタ)アクリレート(A−2)の合成)
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四ツ口フラスコに、(a1)成分としてポリオキシプロレンモノアクリレート(式(1)においてR1=水素原子、R2=C36、a=6、水酸基価=124mgKOH/g)を250g、(a2)成分としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100、イソシアネート基含有率=23.1%を100.5g、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.05g、ジブチルスズジラウレート(日東化成(株)製ネオスタンU−100)を0.05g投入した。次に、乾燥空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して5時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有率が0.05%以下となることを確認したのち、ウレタンアクリレート(A−2)を得た。収量は336gであった。
(比較合成例1:ウレタン(メタ)アクリレート(A’−1)の合成)
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四ツ口フラスコに、2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業製HEA、式(1)においてR1=水素原子、R2=C24、a=1、水酸基価=483mgKOH/g)を140g、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(旭化成ケミカルズ(株)製デュラネートTPA−100、イソシアネート基含有率=23.1%)を219.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.05g、ジブチルスズジラウレート(日東化成(株)製ネオスタンU−100)を0.05g、投入した。次に、乾燥空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して5時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有率が0.05%以下であることを確認し、ウレタンアクリレート(A’−1)を345gを得た。
(比較合成例2:ウレタン(メタ)アクリレート(A’−2)の合成)
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四ツ口フラスコに、(a1)成分としてポリオキシエチレンモノアクリレート(式(1)においてR1=水素原子、R2=C24、a=4.5、水酸基価=201mgKOH/g)を270g、トリレンジイソシアネート(東ソー(株)製コロネートT−100、イソシアネート基含有率=50%)を84.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.05g、ジブチルスズジラウレート(日東化成(株)製ネオスタンU−100と表記)を0.05g、投入した。次に、乾燥空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して5時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有率が0.05%以下であることを確認し、ウレタンアクリレート(A’−2)を340gを得た。
(比較合成例3:ウレタン(メタ)アクリレート(A’−3)の合成)
撹拌装置、空気導入管、温度計を備えた四ツ口フラスコに、ポリエチレングリコール(分子量1,000、水酸基価=112mgKOH/g)を220g、トリレンジイソシアネート(東ソー(株)製コロネートT−100、イソシアネート基含有率=50%)を76.6g投入し、乾燥空気を吹き込みながら内温を80℃に保持して3時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有率が6.8%であることを確認した。その後内温を50℃まで冷却し、ハイドロキノンモノメチルエーテルを0.17g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製HEA、水酸基価=483mgKOH/g)を51g、ジブチルスズジラウレート(日東化成(株)製ネオスタンU−100)を0.09gを投入し、乾燥空気を吹き込みながら内温を60℃に保持して5時間反応させた後、JIS K 7301の方法でイソシアネート基含有率が0.05%以下となることを確認し、ウレタンアクリレート(A’−3)を334g得た。
[実施例1]
30ml褐色スクリュー管に合成例1で得たウレタン(メタ)アクリレートA−1を3.5g、o−フェニルフェノキシエチルアクリレートを6.5g量り取り、さらに光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル-トン(BASF製イルガキュア184)を0.3g量り取った。これをボルテックスミキサーにて1分間混合させ活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。
(屈折率の評価)
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をガラス基盤上にこの乾燥膜厚が100μmとなるよう塗布し、紫外線照射装置〔フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源Hバルブ〕を用いて大気雰囲気下で積算光量500mJ/cm2の紫外線を照射し硬化させた。
樹脂組成物の硬化物をガラス基盤から剥離し、アッベ屈折率計((株)アタゴ製DR−M2)にて屈折率(25℃)を測定した。屈折率1.530以上を良好:○、1.530未満を不十分:×とした。評価結果を表1に示す。
(復元性の評価)
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をPETフィルム(東洋紡績(株)製コスモシャインA4300、基材厚100μm)上にこの乾燥膜厚が100μmとなるよう塗布し、紫外線照射装置〔フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源Hバルブ〕を用いて大気雰囲気下で積算光量500mJ/cm2の紫外線を照射し硬化させた。
樹脂組成物の硬化物を真鍮製ブラシでこすり、できた傷が復元するまでの時間を測定した。復元時間30秒以下を評価良好:○、30秒を超えると不十分:×とした。評価結果を表1に示す。
(タック性の評価)
PETフィルム上に硬化させた樹脂組成物(膜厚100μm)の上からPETフィルム(東洋紡績(株)製コスモシャインA4300、基材厚100μm)をのせて軽く抑えた後に上から乗せたPETフィルムを引き離す際の抵抗の有無を評価した。抵抗なしをタック性なし、抵抗ありをタック性ありとした。評価結果を表1に示す。
<実施例2〜5、比較例1〜5>
表1記載の配合比で活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜5は屈折率、復元性、タック性がいずれも良好な樹脂組成物である。
比較例1はウレタンアクリレート(A)の原料であるポリオキシエチレンモノアクリレートのオキシエチレン基の付加モル数が本発明の範囲より小さいために復元性が不十分である。比較例2はウレタンアクリレート(A)の原料のイソシアネートがトリレンジイソシアネートであり、本発明に用いるイソシアネートと異なるために復元性が不十分であり、タックもある。比較例3はウレタンアクリレート(A)が本発明と異なるためにタックがある。比較例4はo−フェニルフェノキシエチルアクリレートを用いていないために屈折率が不十分である。比較例5はウレタンアクリレート(A)とo−フェニルフェノキシエチルアクリレートとの質量比が本発明の範囲を外れているために屈折率が不十分である。

Claims (2)

  1. 下記のウレタン(メタ)アクリレート(A)とo−フェニルフェノキシエチルアクリレート(B)を、質量比(A)/(B)=25/75〜60/40で含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
    ウレタン(メタ)アクリレート(A): 下記の式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート(a1)と、下記の式(2)で表されるジイソシアネート化合物のイソシアヌレート変性体(a2)を、(a1)の水酸基/(a2)のイソシアネート基の当量比0.9〜1.1でウレタン化反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート。
    (R1は水素原子またはメチル基を示し、R2Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を示し、aはR2Oの平均付加モル数であり、2〜8を示す。)
    (R3は炭素数4〜10のアルキレン基を示す。)
  2. さらに、下記の式(3)で表されるアルキレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレートを5〜50質量%含有する請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
    (R4Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を示し、b、cはR4Oの平均付加モル数であり、b+c=0〜25を示す。)
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