JP5558125B2 - モータの制御装置および制御方法 - Google Patents

モータの制御装置および制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、センサレスDCモータを駆動するモータの制御装置および制御方法に関する。
センサレスDCモータは回転子の位置を検出する位置センサを内蔵しておらず、小型化が可能である。そのため、センサレスDCモータは車載向けや家電製品向けに広く用いられる。
センサレスDCモータは例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号により駆動される。センサレスDCモータの制御装置はセンサレスDCモータの駆動電流を検出する機能を有し、駆動電流が閾値を超えると過電流である判断として、PWM信号のデューティ比を下げる。これにより、センサレスDCモータの焼損を防ぐことができる。
一般に、過電流を検出する閾値は一定であるため、センサレスDCモータの始動時に以下のような不具合を生じるおそれがある。例えば、重いイナーシャ(慣性)で小さなトルク特性を持つセンサレスDCモータを駆動する場合には、始動時に大きな駆動電流を流す必要がある。しかしながら、センサレスDCモータの焼損を防ぐために、過電流検出の閾値を低く設定しておくと、始動時にセンサレスDCモータが強制転流周波数に追従するまでに時間がかかってしまうおそれがある。逆に、軽いイナーシャで大きなトルク特性を持つセンサレスDCモータを駆動する場合、必要以上に過電流が検出されるのを防ぐために、過電流検出の閾値を高く設定しておくと、始動時に大きな駆動電流が流れ、回転子の回転周波数が強制転流周波数を大きく超えるオーバドライブが生じてしまうおそれがある。
特許文献1には、始動時に過電流検出の閾値を超えないようにセンサレスDCモータを駆動する手法が開示されている。しかしながら、この手法では重いイナーシャで小さなトルク特性を持つセンサレスDCモータを駆動する場合、素早く定常状態にすることは困難である。
また、特許文献2には、センサレスDCモータの起動時に生じるバックモーションを最小にするために、センサレスDCモータを起動するときの自起動周波数を高周波数から低周波数に遷移させる手法が開示されている。しかしながら、特許文献2では、起動直後の自起動周波数が高いため、オーバドライブを生じるおそれがある。
特開2001−275392号公報 特開平4−317587号公報
本発明は、確実にセンサレスDCモータを始動できるモータの制御装置および制御方法を提供するものである。
本発明の一態様によれば、モータの駆動電流を生成するための駆動信号を、過電流検出信号に応じたデューティ比で生成する駆動信号出力部と、前記駆動電流により前記モータの回転子が回転して生じる誘起電圧と所定の基準電圧とを比較して、前記モータの動作状態を判別するための位置検出信号を生成する位置検出部と、前記位置検出信号に基づいて、前記回転子の回転周波数が所定値より小さい始動状態であるか、前記回転子の回転周波数が前記所定値以上の定常状態か、を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて、前記始動状態であるときは第1の過電流検出電圧と前記モータの駆動電流に対応する電圧とを比較し、前記定常状態であるときは前記第1の過電流検出電圧より低い第2の過電流検出電圧と前記駆動電流Isに対応する電圧とを比較し、比較結果を前記過電流検出信号として出力する過電流検出部と、を備えることを特徴とするモータの制御装置が提供される。
また、本発明の一態様によれば、モータの駆動電流を生成するための駆動信号を、過電流検出信号に応じたデューティ比で生成するステップと、前記駆動電流により前記モータの回転子が回転して生じる誘起電圧と所定の基準電圧とを比較して、前記モータの動作状態を判別するための位置検出信号を生成するステップと、前記位置検出信号に基づいて、前記回転子の回転周波数が所定値より小さい始動状態であるか、前記回転子の回転周波数が前記所定値以上の定常状態か、を判定するステップと、前記判定結果に応じて、前記始動状態であるときは第1の過電流検出電圧と前記モータの駆動電流に対応する電圧とを比較し、前記定常状態であるときは前記第1の過電流検出電圧より低い第2の過電流検出電圧と前記駆動電流Isに対応する電圧とを比較し、比較結果を前記過電流検出信号として出力するステップと、を備えることを特徴とするモータの制御方法が提供される。
本発明によれば、確実にセンサレスDCモータを始動できる。
本発明の第1の実施形態に係るモータの制御装置およびモータMの概略ブロック図。 図1の制御装置の処理動作の一例を示すフローチャート。 制御装置の各部の電圧波形図。 PWM駆動信号生成部34およびPWM駆動信号出力部35の処理動作を示す電圧波形図。 図3の時刻t21付近を拡大した電圧波形図。 始動状態および過電流検出電圧Vthの設定例。 始動状態および過電流検出電圧Vthの別の設定例。 始動状態および過電流検出電圧Vthの別の設定例。 本発明の第2の実施形態に係る制御装置およびモータMの概略ブロック図。 本発明の第3の実施形態に係る制御装置およびモータMの概略ブロック図。 LPF15の有無で過電流検出電圧Vthおよび駆動電流Isに対応する電圧Vs,Vs_lpfの電圧波形図を比較した図。 PWM駆動信号生成部34が生成するPWM信号Vup_in〜Vwn_inの強制転流周波数と回転数との関係を示す図。
以下、本発明に係るモータの制御装置の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るモータの制御装置(以下、制御装置)およびセンサレスDCモータM(以下、モータM)の概略ブロック図である。制御装置は、過電流検出部1と、位置検出部2と、制御部3と、ドライバ4とを備えている。制御装置の各部は1チップに内蔵されてもよいし、少なくとも一部をディスクリート部品を用いて構成してもよい。例えば、ドライバ4が大電流を流す必要がある場合は、ドライバ4をディスクリート部品を用いて構成し、他を1チップに内蔵してもよい。また、制御装置の全てをハードウェアで構成してもよいし、少なくとも一部、例えば制御部3をソフトウェアで構成してもよい。
図1の制御装置およびモータMは、例えば自動車に搭載され、ウォータポンプを回転させるために用いられる。
過電流検出部1は、抵抗Rsと、デジタル信号生成部11と、DAC(Digital to Analog Converter)12と、過電流検出比較部(COMP)13とを有し、ドライバ4に過電流が流れているか否かを検出する。抵抗Rsはドライバ4に流れる駆動電流Isに比例する電圧Vsを生成する。デジタル信号生成部11は、制御部3から出力される判定信号Vjに応じて、デジタル信号Vdを生成し、DAC12はこのデジタル信号Vdをアナログ電圧である過電流検出電圧Vthに変換する。
より具体的には、デジタル信号生成部11は、後述する始動状態であるときは始動状態用デジタル信号(第1のデジタル信号)Vd1を生成し、定常状態であるときは定常状態用デジタル信号Vd2(第2のデジタル信号)を生成する。そして、DAC12は始動状態用過電流検出電圧(第1の過電流検出電圧)Vth1または定常状態用過電流検出電圧(第2の過電流検出電圧)Vth2を生成する。このように、本実施形態の特徴の1つは、始動状態と定常状態とで異なる過電流検出電圧Vthを生成する点である。
過電流検出比較部13は駆動電流Isに対応する電圧Vsと過電流検出電圧Vthとを比較し、駆動電流Isに対応する電圧Vsが過電流検出電圧Vthを超える場合は過電流検出信号Vocをハイに設定し、そうでない場合はロウに設定する。
位置検出部2は、抵抗Ru,Rv,Rwと位置検出比較部(COMP)21とを有し、モータMが始動状態か定常状態かを判断するための位置検出信号Vpを生成する。抵抗Ru,Rv,Rwの各一端はモータMのU,V,W端子にそれぞれ接続され、これら抵抗Ru,Rv,Rwの各他端は共通に接続されて位置検出比較部21に接続される。抵抗Ru,Rv,Rwの各他端の電圧は、モータMのU,V,W端子の電圧を合成した合成電圧Vuvwになる。本実施形態ではRu=Rv=Rwとする。位置検出比較部21は、合成電圧Vuvwと基準電圧Vrefとを比較し、合成電圧Vuvwが基準電圧Vrefを超える場合は位置検出信号Vpをハイに設定し、そうでない場合はロウに設定する。合成電圧Vuvwはアナログ電圧であるが、位置検出信号Vpはデジタル信号である。
制御部3は、マスク部31と、パルス数カウント部32と、パルス数比較部33と、PWM駆動信号生成部34と、PWM駆動信号出力部35とを有し、上記の過電流検出信号Vocおよび位置検出信号Vpと、外部から入力される駆動指令信号INに基づいて、6つのPWM駆動信号Vup,Vvp,Vwp,Vun,Vvn,Vwnを生成する。
マスク部31は駆動相が切り替わる際に位置検出信号Vpに生じる不要パルスを除去するマスク処理を行い、認識信号Vqを生成する。パルス数カウント部32は認識信号Vqのパルス数をカウントする。パルス数比較部33はパルス数のカウント値Vcntが閾値Vcnt_th以上で場合は判定信号Vjをハイに設定し、そうでない場合はロウに設定する。判定信号Vjがハイである場合は定常状態に対応し、ロウである場合は始動状態に対応する。本実施形態では、閾値Vcnt_thが2である例を示す。
以上の、マスク部31、パルス数カウント部32およびパルス数比較部33は判定部36を構成する。
PWM駆動信号生成部34には、始動状態であるか定常状態であるかを示す判定信号Vjが入力される。PWM駆動信号生成部34は、始動状態では、所定の強制転流周波数にて6つのPWM駆動信号Vup〜Vwnに対応するPWM信号Vup_in〜Vwn_inを生成する。本実施形態では強制転流周波数は一定であり、例えば、1000rpm(round per minute)である。その後、判定信号Vjが定常状態になったことを示すと、PWM駆動信号生成部34は認識信号Vqに同期してPWM信号Vup_in〜Vwn_inを生成する。
このように、センサレスDCモータは始動状態と定常状態とで駆動方式が異なる。センサレスDCモータは回転子の位置を検出するための位置センサを有しないため、制御装置は、回転子の回転によって生じる誘起電圧に基づいて、回転子の位置を検出する。しかしながら、始動状態では、回転子が回転していないか、回転周波数が極めて低いため、その位置を検出できない。よって、PWM駆動信号生成部34は強制転流周波数でPWM信号Vup_in〜Vwn_inを生成する。
一方、回転子が回転を始めると、モータMのU,V,W端子のうち、後述するハイインピーダンスに設定された端子に誘起電圧が生じる。回転周波数が所定値より大きくなると、誘起電圧に同期して、認識信号Vqの値が切り替わる定常状態になる。定常状態では、認識信号Vqの切り替わりタイミングを基準として、PWM駆動信号生成部34はPWM信号Vup_in〜Vwn_inを生成する。このように、定常状態では、回転子の回転によって生じる誘起電圧に同期してPWM信号Vup_in〜Vwn_inが生成されるため、安定して回転子が回転するようになる。
PWM駆動信号出力部35は、過電流検出信号VocがロウであればPWM信号Vup_in〜Vwn_inをPWM駆動信号Vup〜Vwnとしてそのままドライバ4に出力し、ハイであれば、デューティ比を下げたPWM駆動信号Vup〜Vwnをドライバ4に出力する。
ドライバ4は、3つのPMOSトランジスタQup,Qvp,Qwpと、3つのNMOSトランジスタQun,Qvn,Qwnとを有し、PWM駆動信号Vup〜Vwnに基づいて、モータMのU,V,W端子をハイ、ロウまたはハイインピーダンスに設定して、モータMを駆動する。MOSトラジスタQup,Qunは電源端子Vddと抵抗Rsとの間に縦属接続され、その接続ノードOUT−UはモータMの端子Uに接続される。他のMOSトランジスタQvp〜Qwnも同様である。また、各トランジスタQup〜Qwnのゲート端子にはPWM駆動信号Vup〜Vwpがそれぞれ入力される。
モータMは、例えばU,V,W各端子間に星型結線される3つのコイルと、回転子(不図示)とを有する。PWM駆動信号Vup〜Vwpは、PMOSトランジスタQup〜Qwpのうちの1つと、NMOSトランジスタQun〜Qwnのうちの1つをオンさせる。例えば、PMOSトランジスタQupおよびNMOSトランジスタQvnがオンした場合、モータMのコイルにU端子からV端子へ駆動電流Isが流れる(以下、この駆動電流IsをUV相の駆動電流Isと呼ぶ)。PWM駆動信号Vup〜Vwpに基づいて、例えば、UV相、UW相、VW相、VU相、WU相、WV相の順に6相の駆動電流Isをコイルに流すことにより、ドライバ4は回転子を回転させる。
図2は、図1の制御装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。図3は、制御装置の各部の電圧波形図であり、縦軸は各部の電圧、横軸は時間である。図2および図3を用いて、制御装置の処理動作を説明する。
まず、駆動指令信号INがモータMの始動を指示すると、パルス数比較部33は判定信号Vjをロウに設定する。これにより、デジタル信号生成部11は始動状態用デジタル信号Vd1を設定し、DAC12は始動状態用過電流検出電圧Vth1を生成する(ステップS1)。
次に、PWM駆動信号生成部34は、判定信号Vjに基づいて、モータMが始動状態であるか定常状態であるかを判定する(ステップS2)。始動直後は判定信号Vjがロウ、つまり、始動状態であるため(ステップS2がYes)、PWM駆動信号生成部34は強制転流周波数でPWM信号Vup_in〜Vwn_inを生成する(ステップS3)。
PWM駆動信号出力部35は、過電流検出信号Vocに基づいて、過電流が流れたか否かを判断する。より具体的には、始動状態では、駆動電流Isに対応する電圧Vsと始動状態用過電流検出電圧Vth1とを比較して得られる過電流検出信号Vocにより、過電流が流れたか否かを判断する(ステップS5)。
過電流が流れていない場合(ステップS5がNo)、PWM駆動信号生成部34はPWM駆動信号生成部34が生成したPWM信号Vup_in〜Vwn_inをそのままPWM駆動信号Vup〜Vwnとしてドライバ4に出力する(ステップS7)。過電流が流れている場合(ステップS5がYes)、PWM駆動信号生成部34は、PWM駆動信号生成部34が生成したPWM信号Vup_in〜Vwn_inのデューティ比を小さくしたPWM駆動信号Vup〜Vwnを生成してドライバ4に出力する(ステップS8)。
図4は、PWM駆動信号生成部34およびPWM駆動信号出力部35の処理動作を示す電圧波形図であり、図3の時刻t1〜t4に対応する。図4では、PWM信号Vup_inおよびPWM駆動信号Vupと、過電流検出信号Vocのみを示している。PWM駆動信号生成部34は、時刻t1〜t3の間、周期Tのうち期間tonだけがロウであるPWM信号Vup_inを生成する。デューティ比とはton/Tをいい、この期間tonに駆動電流Isが断続的に流れる。
同図では、時刻t1〜t31では、過電流検出信号Vocがロウであるので、PWM駆動信号出力部35は、PWM信号Vup_inをそのままPWM駆動信号Vupとしてドライバ4に出力する。時刻t31で過電流検出信号Vocがハイになると、PWM駆動信号出力部35はPWM駆動信号Vupをハイに設定し、PMOSトランジスタQupをオフにする。これにより、時刻t31でUV相の駆動電流Isは流れなくなる。このように、過電流が検出されると、PWM駆動信号出力部35はデューティ比を下げたPWM駆動信号Vupを生成するため、モータMの焼損を防ぐことができる。その後、次の周期Tが経過した時刻t32で再びPWM信号出力部はPWM駆動信号Vupをロウに設定する。
図4において、デューティ比ton/Tを100%とし、過電流検出信号Vocが常にロウであると仮定した場合が、図3の時刻t1〜t4に相当する。実際はデューティ比を100%未満に設定する場合が多いが、図3では簡略化のためにデューティ比を100%として図示している。
そして、PWM駆動信号出力部35によりPWM駆動信号Vup〜Vwnが生成されると、ドライバ4はトランジスタQup〜Qwpをオン・オフ制御して駆動電流Isを生成し、モータMを駆動する(図2のステップS9)。図3は過電流が検出されない場合の例であり、PWM駆動信号Vup,Vvp,Vwpがロウのときに図1のPMOSトランジスタQup,Qvp,Qwpがそれぞれオンし、PWM駆動信号Vun,Vvn,VwnがハイのときにNMOSトランジスタQun,Qvn,Qwnがそれぞれオンする。
例えば、図3の時刻t1〜t2では、PMOSトランジスタQupおよびNMOSトランジスタQvnがオンであり、UV相に駆動電流Isが流れる。その後、各相に順繰りに駆動電流Isが流れ、始動状態が維持されるとすると、時刻t7〜t8で再びUV相に駆動電流Isが流れる。図2のステップS3の強制転流周波数とは時刻t1〜t7の逆数をいう。
時刻t1〜t2では、PMOSトランジスタQupがオンなので、図1の接続ノードOUT−Uはハイである。また、NMOSトランジスタQvnがオンなので、接続ノードOUT−Vはロウである。さらに、PMOSトランジスタQwpおよびNMOSトランジスタQwnが共にオフなので、接続ノードOUT−Wはハイインピーダンスである。このとき、回転子はまだほとんど回転していないため、接続ノードOUT−Wに誘起電圧は生じない。よって、抵抗Ru,Rv,Rwにより接続ノードOUT−U,OUT−Vの電圧が合成され、合成電圧VuvwはVdd/2となる。この電圧Vdd/2がハイインピーダンスである接続ノードOUT−Wに生じる。なお、時刻t1の直後に瞬間的に接続ノードOUT−Wがロウになっているが、これは駆動電流Isを切り替えた直後に生じる逆起電力による。
合成電圧Vuvwは位置検出比較部21に入力される。比較部はVdd/2より高い基準電圧Vrefを閾値としてデジタル信号である位置検出信号Vpを生成する(図2のステップS10)ため、時刻t1〜t2では、位置検出信号Vpはロウである。このとき、マスク部31は位置検出信号Vpをそのまま認識信号Vqとして出力する。この場合、パルス数のカウント値Vcntは0のままなので、カウント値Vcntは閾値Vcnt_thより小さく(ステップS12がNO)、パルス数比較部33はモータMを始動状態と判定する。すなわち、判定信号Vjはロウのままである。(ステップS14)。
図3の時刻t2〜t3では、PWM駆動信号Vup〜Vwnにより、接続ノードOUT−Uはハイ、OUT−Vはハイインピーダンス、OUT−Wはロウにそれぞれ設定される。時刻t2の直後、逆起電力により端子OUT−Vがハイになるため、合成電圧Vuvwの電圧が高くなる。その結果、合成電圧Vuvwが基準電圧Vrefを超えるため、位置検出比較部21は一時的に位置検出信号Vpをハイに設定する。その後は、やはり回転子はまだほとんど回転していないため、合成電圧VuvwはVdd/2となる。よって、位置検出比較部21は位置検出信号Vpをロウに設定する。マスク部31は、時刻t2の直後、位置検出信号Vpに生じた一時的なハイ期間をマスクし、時刻t2〜t3を通して認識信号Vqをロウに設定する。時刻t3〜t4も同様である。
このように、マスク部31は逆起電力に起因して生じる瞬間的な不要パルスを除去する。逆起電力は電流相を切り替える時に生じるので、電流相切り替え時には、位置検出信号Vpの論理反転を無視して認識信号Vqを生成することにより、マスク部31は不要パルスを除去できる。
時刻t4〜t5では、接続ノードOUT−Vはハイ、OUT−Uはロウにそれぞれ設定される。また、接続ノードOUT−Wはハイインピーダンスに設定される。この時刻で回転子が回転し始めるとすると、接続ノードOUT−Wに誘起電圧が生じ、図3に示すように、接続ノードOUT−Wの電圧は徐々に上昇する。しかし、まだ回転周波数が低いため、誘起電圧は小さく、合成電圧Vuvwは基準電圧Vrefを超えない。したがって、認識信号Vqはロウのままであり、やはり始動状態と判定される(図2のステップS14)。時刻t5〜t6も同様である。
時刻t6〜t7では、PMOSトランジスタQwpおよびNMOSトランジスタQvnがオンである。また、回転子の回転周波数が高くなるため、図3に示すように、ハイインピーダンスである接続ノードOUT−Uの電圧が大きく上昇する。その結果、合成電圧Vuvwも大きく上昇し、合成電圧Vuvwは時刻t21で基準電圧Vrefを超える。その結果、位置検出信号Vpがハイになり、認識信号Vqもハイになる。
図5は、図3の時刻t21付近を拡大した電圧波形図である。図3はデューティ比を100%として図示しているが、図5ではデューティ比を約50%とした例を図示している。
デューティ比が100%でない場合、時刻t6〜t7でもPMOSトランジスタQwpおよびNMOSトランジスタQvnはオン・オフを断続的に繰り返している。そのため、図5に示すように、合成電圧Vuvwも非連続に上昇する。その結果、位置検出信号Vpは時刻t21以降ずっとハイであるわけではなく、パルス状の波形となる。例えば、時刻t21で位置検出信号Vpがハイに設定されたあと一旦ロウになり、その後、時刻t22で再度ハイに設定される。ここで、時刻t21付近では上記の逆起電力は生じないため、マスク部31は位置検出信号Vpをそのまま認識信号Vqとして出力する。
パルス数カウント部32はこのパルス状の認識信号Vqのパルス数をカウントする。時刻t21で合成電圧Vuvwが基準電圧Vrefを超え(図2のステップS10がYES)、認識信号Vqに1つ目のパルスが生成される。よって、パルス数カウント部32はカウント値Vcntに1を加算して、カウント値Vcntを1に更新する(ステップS11)。
このカウント値Vcntはまだ閾値Vcnt_th(2)より小さい(ステップS12がNO)ため、始動状態と判定される(ステップS14)。
図5の時刻t22で認識信号Vqに2つ目のパルスが生成される(図2のステップS10がYES)と、パルス数カウント部32はカウント値Vcntを2に更新する(ステップS11)。このカウント値Vcntは閾値Vcnt_thと等しい(ステップS12がYES)ため、パルス数比較部33はモータMを定常状態と判定し、判定信号Vjをハイに設定する(ステップS13)。時刻t22以降は定常状態と判定されるようになる。
判定信号Vjがハイに設定されると、デジタル信号生成部11はデジタル信号Vdを定常状態用デジタル信号Vd2に設定し、DAC12はこれをアナログ電圧に変換して定常状態用過電流検出電圧Vth2を生成する(ステップS15)。
判定信号Vjがハイであると、PWM駆動信号生成部34はモータMが定常状態であると判断し(ステップS2がNO)、認識信号Vqに基づいて、以下のようにPWM信号Vup_in〜Vwn_inを生成する(ステップS4)。図3の時刻t23で認識信号Vqがロウに設定されると、PWM駆動信号生成部34は時刻t23から一定時間経過後の時刻t8にPWM信号Vup_in〜Vwn_inの値を切り替える。さらに、t23から所定の期間内に認識信号Vqの変化が検出されると(図3では時刻t24)、この時刻t24から一定時間経過後の時刻t9にPWM信号Vup_in〜Vwn_inの値を切り替える。以下、同様に認識信号Vqの切り替わりタイミングを基準にしてPWM信号Vup_in〜Vwn_inを生成する。
このように、定常状態では、回転子の回転に同期して認識信号Vqが生成され、制御装置はこの認識信号Vqに基づいてPWM駆動信号を生成する。すなわち、回転子の回転周波数に同期してPWM駆動信号が生成されるため、制御装置は安定して回転子を回転させることができる。
一方、過電流検出部1は、モータMが定常状態であるため、始動状態用過電流検出電圧Vth1ではなく、定常状態用過電流検出電圧Vth2と駆動電流Isに対応する電圧Vsとを比較して、過電流を検出する(図2のステップS6)。
制御装置は、駆動指令信号INからモータMの停止を指示されるまで(ステップS16)、以上の処理動作を行う。このようにして、本実施形態では、モータMが始動状態か定常状態かを判定し、モータMの動作状態に応じて異なる過電流検出電圧Vthで駆動電流Isが過電流か否かを判定できる。
図6は、始動状態および定常状態用過電流検出電圧Vthの設定例であり、縦軸は過電流検出電圧Vthおよび駆動電流Isに対応する電圧Vs、横軸は時間である。同図は、重いイナーシャで小さなトルク特性を持つモータMを駆動することを念頭に置いている。このようなモータMを駆動する場合、始動時に大きな駆動電流Isを流す必要があるので、始動状態では過電流検出電圧Vth1を大きく設定する。一方、定常状態では確実に過電流を検出できるよう過電流検出電圧Vth2を小さく設定する。
曲線g1は上記のように過電流検出電圧Vthを設定した場合の駆動電流Isに対応する電圧Vsを示している。ここで、駆動電流Isに対応する電圧Vsは駆動電流Isと比例する。図6に示すように、始動状態(時刻t1〜t22)では、過電流検出電圧Vth1が大きいため、制御部3は大きな駆動電流Isを生成することができ、モータMは時刻t22で素早く定常状態になる。また、定常状態では過電流検出電圧Vth2が小さいため、例えばデッドロック等が原因で過電流が流れ始めた場合でも、時刻t41で駆動電流Isに対応する電圧Vsが過電流検出電圧Vth2に達する。このように、すぐに過電流を検出でき、モータMの焼損を防ぐことができる。
始動状態と定常状態とで、一定の過電流検出電圧Vthしか設定できないとすると、以下のような不具合を生じるおそれがある。
モータMの焼損を防ぐために、仮に過電流検出電圧Vthを一定の電圧Vth2に設定すると、駆動電流Isに対応する電圧Vsは曲線g2のようになる。この場合、始動後の時刻t51ですぐに駆動電流Isに対応する電圧Vsが過電流検出電圧Vth2に達してしまい、制御部3はそれ以上大きな駆動電流Isを生成することはできない。その結果、モータMが定常状態になるまでに長時間を要してしまう。同図の例では、時刻t22よりかなり遅い時刻t52で漸く定常状態となる。
また、素早くモータMを定常状態にするために、仮に過電流検出電圧Vthを一定の電圧Vth1に設定すると、駆動電流Isに対応する電圧Vsは図6の曲線g3のようになる。この場合、曲線g1の場合と同様に、時刻t22で定常状態になる。しかしながら、過電流が流れた場合、時刻t41より遅い時刻t42になって初めて過電流が検出される。時刻t41〜t42の間に大きな駆動電流Isが流れているため、モータMが焼損するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、始動状態では過電流検出電圧Vthを高く設定し(Vth1)、定常状態では過電流検出電圧Vthを低く設定する(Vth2)ため、モータMを確実に始動でき、かつ、モータMの焼損を防ぐことができる。
図7は、始動状態および過電流検出電圧Vthの別の設定例である。同図では、始動状態用過電流検出電圧Vth1が時間の経過とともに定常状態用過電流検出電圧Vth2に近づく例である。駆動電流Isの相切り替え等に同期して、デジタル信号生成部11が始動状態用デジタル信号Vd1を徐々に定常状態用デジタル信号Vd2に近づけていくことで、このような過電流検出電圧Vthが実現できる。
この場合、図6と同様の時刻t22でモータMが定常状態になるとともに、時刻t22より前に大きな駆動電流Isが流れた場合でも、素早く過電流を検出できる。
図8は、始動状態および過電流検出電圧Vthの別の設定例である。同図は、図6および図7と異なり、軽いイナーシャで大きなトルク特性を持つモータMを駆動することを念頭に置いている。このようなモータMを駆動する場合、始動時の駆動電流Isが大きくなりすぎるとオーバドライブが生じるおそれがある。よって、定常状態用過電流検出電圧Vth2より始動状態用過電流検出電圧Vth1を小さく設定する。
これにより、始動状態での駆動電流Isを所定値より小さく保つことができ、オーバドライブを生じることなく、確実にモータMを駆動できる。
このように、第1の実施形態では、制御部3でモータMが始動状態か定常状態かを判定し、モータMの動作状態に応じて異なる過電流検出電圧Vthを閾値として駆動電流Isが過電流か否かを判定する。そのため、モータMの始動時の不具合および過電流によるモータMの焼損を防ぐことができ、イナーシャおよびトルク特性によらず、モータMを確実に駆動することができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態はDAC12を用いて過電流検出電圧Vthを生成するが、以下に説明する第2の実施形態では複数の過電流検出比較部13により過電流を検出するものである。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る制御装置およびモータMの概略ブロック図である。図9では、図1と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
図9の制御装置は、過電流検出部1aの内部構成が図1の制御装置と異なる。図9の過電流検出部1aは、デジタル信号生成部11およびDAC12の代わりに、第1および第2の過電流検出比較部(COMP)13a,bと、選択部14とを有する。
第1の過電流検出比較部(第1の比較部)13aは駆動電流Isに対応する電圧Vsと始動状態用過電流検出電圧Vth1とを比較し、駆動電流Isに対応する電圧Vsが過電流検出電圧Vth1を超える場合は始動状態用過電流検出信号Voc1をハイに設定し、そうでない場合はロウに設定する。第2の過電流検出比較部(第2の比較部)13bは駆動電流Isに対応する電圧Vsと定常状態用過電流検出電圧Vth2とを比較し、駆動電流Isに対応する電圧Vsが過電流検出電圧Vth2を超える場合は定常状態用過電流検出信号Voc2をハイに設定し、そうでない場合はロウに設定する。
選択部14は、判定信号Vjがロウの場合は始動状態用過電流検出信号Voc1を選択し、ハイの場合は定常状態用過電流検出信号Voc2を選択して、過電流検出信号Vocを生成する。
図9の制御装置において、モータMのイナーシャおよびトルク特性に応じて、図6または図8のように始動状態用過電流検出電圧Vth1および定常状態用過電流検出電圧Vth2を設定することにより、始動状態と定常状態とで過電流検出電圧を切り替えることができる。したがって、第1の実施形態と同様に、モータMを確実に駆動することができる。しかも、DAC12を用いないため、第1の実施形態より回路規模を小さくすることができる。
また、始動状態用比較部を2つ以上設けることで、図7と同様に、始動状態での過電流検出電圧Vth1をより細かく設定できる。ただし、この場合は、始動状態用比較部の数を増やすことで回路規模が大きくなるので、第1の実施形態のようにDAC12を用いた場合と始動状態用比較部の数を増やす場合のいずれが回路規模を小さくできるかに応じて、図1または図9の構成とするのが望ましい。
このように、第2の実施形態では、複数の過電流検出用比較部を設けて、モータMの動作状態に応じて異なる過電流検出電圧Vthで駆動電流Isが過電流か否かを判定する。そのため、第1の実施形態と同様にモータMの始動時の不具合および過電流によるモータMの焼損を防ぐことができ、モータMを確実に駆動することができる。また、DAC12に代えて比較部を用いるため、第1の実施形態より回路規模を小さくすることができる。
(第3の実施形態)
以下に説明する第3の実施形態は、駆動電流Isに対応する電圧Vsにロウパスフィルタ(LPF)処理を行うものである。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る制御装置およびモータMの概略ブロック図である。図10では、図1と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
図10の過電流検出部1bは、図1の過電流検出部1に加えて、LPF15をさらに有する。LPF15には駆動電流Isに対応する電圧Vsが入力され、その出力である電圧Vs_lpfが過電流検出比較部13に入力される。LPF15は、例えば、LPF15の入出力端子間に接続される抵抗Rlpfと、出力端子と接地端子との間に接続される容量Clpfとを有する。
LPF15は駆動電流Isに対応する電圧Vsにロウパスフィルタ処理を行って高周波成分を除去することにより、急激な変化を抑えた電圧Vs_lpfを生成する。
図11は、LPF15の有無で過電流検出電圧Vthおよび駆動電流Isに対応する電圧Vs,Vs_lpfの電圧波形図を比較した図であり、図11(a)は、本実施形態によるLPF15がある場合、図11(b)は、LPF15がないとした場合である。縦軸および横軸は図6と同様である。また、過電流検出電圧Vthは図6と同様に設定される例を示している。
時刻t61で何らかの原因により、瞬間的に大きな駆動電流Isが流れ、駆動電流Isに対応する電圧Vsが過電流検出電圧Vth1に達する。この場合に、LPF15を設けないと、図11(b)に示すように、過電流が検出される。すると、制御部3が生成するPWM駆動信号Vup〜Vwnのデューティ比が低くなり、結果として定常状態になる(同図では時刻t62)までの時間が長くなってしまう。
実際は、駆動電流Isに対応する電圧Vsが過電流検出電圧Vthを超える期間が極めて短い場合、モータMが焼損することはない。
そこで、本実施形態では、LPF15が駆動電流Isに対応する電圧Vsの急激な変化を抑えた電圧Vs_lpfを生成し、過電流検出部1bは、電圧Vs_lpfに基づいて、過電流が流れたか否かを判断する。そのため、瞬間的に時刻t61で駆動電流Isに対応する電圧Vsが過電流検出電圧Vth1に達しても、図11(a)に示すように、電圧Vs_lpfは過電流検出電圧Vth1に達しない。したがって、PWM生成部が生成するPWM信号Vup_in〜Vwn_inのデューティ比を低下させることなく、PWM駆動信号出力部35はPWM駆動信号Vup〜Vwnを生成でき、図6と同様に時刻t22でモータMは定常状態になる。
なお、図10では、図1の過電流検出部1にLPF15を追加したが、図9の過電流検出部1aにLPF15を追加してもよい。
このように、第3の実施形態では、LPF15を設けて駆動電流Isに対応する電圧Vsの急激な変化を抑えた電圧Vs_lpsに基づいて過電流検出を行うため、極めて短い時間だけ過電流が流れた場合でも短時間で確実にモータMを定常状態にすることができる。
(第4の実施形態)
上述した第1〜第3の実施形態は、強制転流周波数は一定で、始動状態と定常状態とで過電流検出電圧を切り替えるものであった。これに対し、以下に説明する第4の実施形態は、始動状態の強制転流周波数を徐々に高くするものである。
第4の実施形態に係るモータの制御装置の概略構成は図1の制御装置と同様であるが、PWM駆動信号生成部34の処理動作が異なる。
図12は、PWM駆動信号生成部34が生成するPWM信号Vup_in〜Vwn_inの強制転流周波数と回転数との関係を示す図である。回転数とは、例えば図3の時刻t1〜t6を1回転とする回転数である。図12の例では、PWM駆動信号生成部34は、始動直後は強制転流周波数を600rpmとしてPWM信号を生成する。その後、回転数が増すごとに強制転流周波数を高くし、最終的には1400rpmとする。すなわち、始動状態において強制転流周波数を時間の経過とともに高くする。
特に、重いイナーシャで小さなトルク特性のモータMを駆動する場合に、このような手法が有効である。初めから高い強制転流周波数のPWM信号で駆動しても、トルクが小さいと回転子は追従できない。そのため、始動直後は低い強制転流周波数(図12では600rpm)のPWM信号で回転子を回転させ、回転子の回転周波数が高くなるのに合わせて、強制転流周波数の周波数も高くしていく。回転子の回転周波数が高くなると、第1の実施形態で説明したように、誘起電圧により認識信号Vqにパルス波形が発生し(図5)、定常状態となって認識信号Vqに基づいてPWM信号が生成される。このようにして、重いイナーシャで小さなトルク特性のモータMも確実に駆動することができる。
PWM駆動信号生成部34は、始動直後の強制転流周波数をさらに低くし(例えば100rpm)、徐々に強制転流周波数を高くしていくことで、より重いイナーシャで小さなトルク特性のモータMも確実に駆動することができる。逆に、軽いイナーシャで大きなトルク特性のモータMを駆動する場合、始動直後の強制転流周波数を高い強制転流周波数(例えば1000rpm)とすることにより、より短時間でモータMを定常状態にすることができる。ただし、始動直後の強制転流周波数が高すぎるとオーバドライブを生じるおそれがあるので、PWM駆動信号生成部34はモータMに応じた強制転流周波数でPWM信号を生成する必要がある。
なお、図12では、1回転するごとに強制転流周波数を1ステップ高くしている例を図示しているが、複数回転ごとに強制転流周波数を高くしても良いし、電流相の切り替えなどに同期して、1回転内に強制転流周波数を複数ステップ高くしてもよい。
なお、過電流検出電圧VthはモータMの動作状態によらず一定として、本実施形態に示す強制転流周波数の制御を行ってもよい。また、図1、図9および図10に示すいずれかの制御装置で上述のような強制転流周波数の制御を行うことで、第1〜第3の実施形態よりさらに確実にモータMを駆動することができる。
このように、第4の実施形態では、モータMの始動時、強制転流周波数を徐々に高くしていくため、確実にモータMを始動することができる。
図1等の制御装置内の各部は一例に過ぎず、種々の変形が可能である。例えば、ドライバ4内のMOSトランジスタの少なくとも一部を、バイポーラトランジスタやBi−CMOS等の他の半導体素子を用いて構成してもよい。また、トランジスタの導電型を逆にし、それに応じてPWM駆動信号Vup〜Vwnの極性を適宜変更した構成としてもよい。この場合も基本的な動作原理は同じである。
本発明に係る制御装置は、回路全体を同一の半導体基板上に形成してもよいし、回路の一部を別の半導体基板上に形成してもよい。また、本発明に係る制御装置は、プリント基板等にディスクリート部品を用いて実装してもよい。
上述した実施形態で説明した制御装置の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1,1a,1b 過電流検出部
2 位置検出部
11 デジタル信号生成部
12 DAC
13,13a,13b 過電流検出比較部
14 選択部
35 PWM駆動信号出力部
36 判定部

Claims (6)

  1. モータの駆動電流を生成するための駆動信号を、過電流検出信号に応じたデューティ比で生成する駆動信号出力部と、
    前記駆動電流により前記モータの回転子が回転して生じる誘起電圧と所定の基準電圧とを比較して、前記モータの動作状態を判別するための位置検出信号を生成する位置検出部と、
    前記位置検出信号に基づいて、前記回転子の回転周波数が所定値より小さい始動状態であるか、前記回転子の回転周波数が前記所定値以上の定常状態か、を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果に応じて、前記始動状態であるときは第1の過電流検出電圧と前記モータの駆動電流に対応する電圧とを比較し、前記定常状態であるときは前記第1の過電流検出電圧より低い第2の過電流検出電圧と前記駆動電流に対応する電圧とを比較し、比較結果を前記過電流検出信号として出力する過電流検出部と、を備えることを特徴とするモータの制御装置。
  2. 前記過電流検出部は、
    前記判定部の判定結果に応じて、前記始動状態であるときは前記第1の過電流検出電圧に対応する第1のデジタル信号を生成し、前記定常状態であるときは前記第2の過電流検出電圧に対応する第2のデジタル信号を生成するデジタル信号生成部と、
    前記第1および第2のデジタル信号を前記第1および第2の過電流検出電圧にそれぞれ変換するDAコンバータと、
    前記第1または第2の過電流検出電圧と前記駆動電流に対応する電圧とを比較して前記過電流検出信号を生成する比較部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記過電流検出部は、
    前記第1の過電流検出電圧と前記駆動電流に対応する電圧とを比較する第1の比較部と、
    前記第2の過電流検出電圧と前記駆動電流に対応する電圧とを比較する第2の比較部と、
    前記判定結果に応じて、前記始動状態であるときは前記第1の比較部の比較結果を選択し、前記定常状態であるときは前記第2の比較部の比較結果を選択して、前記過電流検出信号として出力する選択部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
  4. 前記判定部の判定結果に応じて、前記駆動信号出力部は、前記始動状態であるときは時間の経過とともに周波数が高くなる前記駆動信号を生成し、前記定常状態であるときは前記位置検出信号に基づいて前記駆動信号を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制御装置。
  5. 前記位置検出部は、前記誘起電圧と前記所定の基準電圧との比較結果に応じて、パルス状の波形の前記位置検出信号を生成し、
    前記判定部は、前記位置検出信号のパルス数をカウントして、判定を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のモータの制御装置。
  6. モータの駆動電流を生成するための駆動信号を、過電流検出信号に応じたデューティ比で生成するステップと、
    前記駆動電流により前記モータの回転子が回転して生じる誘起電圧と所定の基準電圧とを比較して、前記モータの動作状態を判別するための位置検出信号を生成するステップと、
    前記位置検出信号に基づいて、前記回転子の回転周波数が所定値より小さい始動状態であるか、前記回転子の回転周波数が前記所定値以上の定常状態か、を判定するステップと、
    前記判定結果に応じて、前記始動状態であるときは第1の過電流検出電圧と前記モータの駆動電流に対応する電圧とを比較し、前記定常状態であるときは前記第1の過電流検出電圧より低い第2の過電流検出電圧と前記駆動電流に対応する電圧とを比較し、比較結果を前記過電流検出信号として出力するステップと、を備えることを特徴とするモータの制御方法。
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