JP5558102B2 - 吸水性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は吸水性樹脂組成物およびその製造方法に関する。より詳しくは、添加剤などに由来する着色による外観の悪化および吸収特性の低減を伴わずに、優れた消臭性および抗菌性を兼ね備える吸水性樹脂組成物であって、紙おむつ、生理用ナプキン、および失禁パッド等の吸収物品に好適に用いられうる吸水性樹脂組成物ならびにその製造方法に関する。
近年、吸水性樹脂は、紙おむつ、生理用ナプキン、および失禁パッド等の吸収物品において、尿や血液等の体液を吸収するための吸収体として幅広く利用されている。
吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸の部分中和物の架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、カルボキシメチルセルロースの架橋体、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体、架橋イソブチレン−マレイン酸共重合体、ならびに2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸との架橋体等が知られている。
吸水性樹脂は、一般的には、体液等の水性液体に接した際の吸収倍率、吸収速度、通液性、膨潤ゲルのゲル強度、および水性液体を含んだ基材から水を吸い上げる吸引量等の吸水特性に優れることが望ましい。また、これらの吸収特性以外にも、特におむつ等に用いられる吸水性樹脂は消臭機能または抗菌機能を備えることが望ましい。このような状況から、吸水性樹脂に消臭剤または抗菌剤を添加することにより、消臭機能または抗菌機能を付与する試みが種々検討されている。
吸水性樹脂に消臭機能または抗菌機能を付与する試みとしては、各種の消臭剤および/または抗菌剤を組み合わせて添加する方法が提案されている。例えば、JP−A−60(1985)−158861には、吸水性樹脂とツバキ科植物の葉抽出物とからなる吸水性樹脂組成物(吸水剤)が記載されている。JP−A−11(1999)−241030には、針葉樹木抽出エキスと特定の性能を有した吸水性樹脂とを含む吸水性樹脂組成物が記載されている。US−A−5980879には、吸水性樹脂の内部にゼオライト粒子が分散された消臭性吸水性樹脂組成物が記載されている。JP−A−12(2000)−051339には、わさび抽出物、からし抽出物、またはイソチオシアン酸アリルの少なくとも1種のパウダーと、該パウダーの抗菌消臭作用を持続させる持続剤として吸水ゲル化剤を備えてなる持続性抗菌消臭剤が記載されている。WO00/001479には、吸水性樹脂とアンモニア産生菌に対して抗菌機能を有する化合物と、アンモニアに対して中和能または、中和能および吸着能を有する薬剤とからなる粉末状の消臭性/抗菌性吸水性樹脂組成物が記載されている。US−A−2001/0053807には、特定の吸水性樹脂に水溶性消臭剤を含んだ吸水性樹脂組成物等が記載されている。
また、吸水性樹脂を用いた吸収物品に消臭機能を付与する試みもなされている。例えば、JP−A−02(1990)−041155には、製茶および吸水性樹脂を含んでなる吸収物品が記載されている。JP−A−63(1988)−135501には、吸水性樹脂に塩化ベンザルコニウムおよび/またはグルコン酸クロルヘキシジンを含有した樹脂を含む使い捨ておむつが記載されている。
さらに、上記以外にも種々の試みが報告されている。例えば、JP−A−04(1992)−139104には、吸水性樹脂に揮発性モノテルペン系化合物を主成分としてなる水性エマルジョンを吸収させて得られるゲル状殺虫剤が記載されている。JP−A−03(1991)−059075には、抗菌剤を揮発性溶剤に溶解もしくは分散させた液を吸水性樹脂に付着させた後に、揮発性溶剤を除去し、吸水性樹脂表面に抗菌性被膜を設けた抗菌性樹脂組成物の製造方法が記載されている。JP−A−05(1993)−179053およびJP−A−07(1995)−165981には、抗菌性を付与したリン酸塩を含有する吸水性樹脂が記載されている。JP−A−11(1999)−116829には、吸水性樹脂とタンニン酸(塩)と複合ケイ酸塩化合物とからなる吸水性樹脂組成物が記載されている。JP−A−09(1997)−208787には、吸水性樹脂にグレープフルーツ種子および/またはハーブから抽出された天然抗菌成分を内蔵あるいは担持させてなる吸水性樹脂組成物が記載されている。US−A−2003/0004479およびUS−A−2004/0048955には、植物粉末と表面処理された吸水性樹脂とを含み、悪臭除去指数が180以上である粒子状吸水性樹脂組成物が記載されている。US−A−2004−157989には、吸水性樹脂にシクロデキストリンおよび/またはシクロデキストリン誘導体を共有結合および/またはイオン結合で結合させてなる吸水性樹脂組成物が記載されている。WO01/41819には、吸水性樹脂と銀塩もしくはコロイド状の銀とからなる吸水性樹脂組成物が記載されている。
上述のような従来公知の一般的な消臭剤は、臭気成分を化学反応あるいは吸着することによって消臭作用を発揮しうる。しかしながら、かような消臭剤は、尿の不快臭に対しては十分な消臭効果を発揮せず、また、微生物による有機物の分解や腐敗を抑制することができないものであった。一方、従来公知の一般的な抗菌剤は、分解や腐敗による悪臭の発生は抑制できるものの、排泄直後の尿臭に対する消臭効果は低いものであった。よって、かような消臭剤および/または抗菌剤を添加した吸水性樹脂を紙おむつ等の吸収物品に使用しても、所望の消臭性能および抗菌性能が得られないという問題点を有していた。
また、消臭剤または抗菌剤の種類によっては、吸水性樹脂が褐色ないし黄色に着色する場合があり、外観上の不快感を与えるという問題点を有していた。例えば、茶抽出物は、十分な消臭機能を付与するために比較的多量の添加を必要とするために、吸水性樹脂表面の着色は避けられなかった。さらに、時間を経るにつれ、吸水性樹脂が褐色ないし黄色に変色するために、長期間の保存には適さなかった。
さらに、アンモニア生産菌等の微生物の増殖を抑制する抗菌剤は、安全性の観点から、天然物由来の成分であることが好ましい。しかしながら、かような抗菌剤の多くは臭気を有するものであり、消臭性と抗菌性を両立することは極めて困難であった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、吸水性樹脂を主成分とする吸水性樹脂組成物において、吸水性樹脂の外観および吸水特性を損なうことなく、優れた消臭性および抗菌性を付与する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂に竹抽出物および茶抽出物の両方を添加することにより、吸水性樹脂の外観および吸水特性を維持しつつ、優れた消臭性および抗菌性が達成できることを見出した。さらなる研究の結果、吸水性樹脂に竹抽出物に含まれる特定の化合物を添加することによって、上記と同様の効果が得られることを見出した。さらに、吸水性樹脂の原料である不飽和単量体またはこれを重合した後に、竹抽出物を含むアルコール溶液を添加することによっても、同様の効果が達成できることを見出した。そして、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明の第一の形態は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする吸水性樹脂と、竹抽出物および茶抽出物とを含む吸水性樹脂組成物である。
本発明の第二の形態は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする吸水性樹脂と、へキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンからなる群から選択される少なくとも2種の化合物とを含む吸水性樹脂組成物である。
本発明の第三の形態は、アクリル酸(塩)を主成分とする不飽和単量体の重合前または重合後に、竹抽出物のアルコール溶液を添加する、吸水性樹脂組成物の製造方法である。
本発明によると、着色による外観の悪化および吸収特性の低減を伴わずに、優れた消臭性および抗菌性を兼ね備える吸水性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。
[吸水性樹脂組成物]
本発明の第一の形態に係る吸水性樹脂組成物は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする吸水性樹脂と、竹抽出物および茶抽出物とを含む。
また、本発明の第二の形態に係る吸水性樹脂組成物は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする吸水性樹脂と、へキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンからなる群から選択される少なくとも2種の化合物とを含む。
なお、本発明に係る吸水性樹脂組成物は、実質的に一体化され、粒子状の形態とすることが好ましい。
以下、本形態に係る吸水性樹脂組成物に含まれる構成成分について説明する。
(吸水性樹脂)
吸水性樹脂組成物は、吸水性樹脂を含む。本発明において「吸水性樹脂」とは、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和単量体を重合してなる重合体に、架橋構造を導入した水膨潤性かつ水不溶性の樹脂をいう。該水膨潤性は、生理食塩水に対する無加圧下吸収倍率(CRC)によって表すことができ、好ましくは2g/g以上であり、より好ましくは5〜200g/gであり、さらに好ましくは20〜100g/gである。また、該水不溶性は樹脂中の水可溶分量により表すことができる。好ましくは0〜50質量%であり、より好ましくは0〜25質量%であり、さらに好ましくは0〜15質量%であり、特に好ましくは0〜10質量%である。また、吸水性樹脂組成物および吸水性樹脂の含水率は、耐衝撃特性(機械的ダメージに対する物性の安定性)の観点から、好ましくは0〜7質量%であり、より好ましくは0〜5質量%であり、さらに好ましくは0〜3質量%であり、特に好ましくは0〜1質量%である。なお、無加圧下吸収倍率(CRC)、水可溶分量、および含水率の測定法は後述の実施例で規定される。
吸水性樹脂組成物に含まれる吸水性樹脂の割合は、吸水性樹脂組成物の全質量に対して、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは、70〜100質量%であり、さらに好ましくは80〜100質量%である。かような量の吸水性樹脂を含むことにより、優れた吸収特性を発揮しうる。
吸水性樹脂は、着色し難さや物性の観点から、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする。本発明において、「ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂」とは、アクリル酸(塩)由来の繰り返し単位を有する吸水性樹脂をいい、アクリル酸(塩)のみを重合させてなるホモポリマー、およびアクリル酸(塩)とこれ以外の不飽和単量体とを重合させてなるヘテロポリマーのいずれも含む。
アクリル酸(塩)以外の不飽和単量体としては、特に制限はなく従来公知のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体を適宜選択することができるが、例えば、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸、およびこれらのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソブチレン、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの不飽和単量体は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂に含まれる、アクリル酸(塩)由来の繰り返し単位の数は、不飽和単量体由来の繰り返し単位の総数に対して、好ましくは10〜100%であり、より好ましくは50〜100%であり、さらに好ましくは70〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。
ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂に含まれる酸基は、物性の観点から部分中和とすることが好ましい。中和に与る酸基の割合(中和率)は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂に含まれる酸基の総数に対して、通常は10〜99%であり、好ましくは20〜99%であり、より好ましくは40〜95%であり、さらに好ましくは50〜90%であり、特に好ましくは50〜80%であり、最も好ましくは60〜75%である。酸基は中和により、リチウム、ナトリウム、およびカリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩等の一価塩を形成する。これらの一価塩のうち、アルカリ金属塩とすることが好ましい。なお、中和工程は、吸水性樹脂の製造過程のいずれの段階で行ってもよい。例えば、重合前のアクリル酸(塩)の不飽和単量体、または重合後の重合体に対して行ってもよいし、重合反応中に行うことも可能であり、さらにこれらを併用することもできる。中和の均一性の観点からは、アクリル酸(塩)の不飽和単量体の段階で中和を行うことが好ましい。
吸水性樹脂に含まれるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の割合は、吸水性樹脂の全質量に対して主成分(50〜100質量%)であれば特に制限はないが、好ましくは70〜100質量%であり、より好ましくは90〜100質量%である。
吸水性樹脂は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする限りにおいては、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂以外の吸水性樹脂を含みうる。ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂以外の吸水性樹脂としては、特に制限なく従来公知の材料を適宜採用することができるが、例えば、ポリエチレンイミン架橋体、ポリアリルアミン架橋体等のポリアミン系吸水性樹脂、ポリアクリルアミド架橋体、ポリエチレンオキサイド架橋体等のノニオン系吸水性樹脂が挙げられる。これらの吸水性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても構わない。
(竹抽出物)
竹抽出物に用いられる竹は、イネ科タケ亜科およびササ亜科、バンブー亜科に属する多年生常緑草本植物であれば特に制限はないが、例えば、マダケ、モウソウチク(孟宗竹)、ハチク、ホテイチク、キッコウチク、ホウライチク、ナリヒラダケ、チシマザサ、トウチク、シホウチク、カンチク、ヤダケ、メダケタケ、ミヤコザサ、およびウンゼンザサ等が挙げられる。
竹抽出物は、竹に含まれる成分を各種抽出法を用いて分離したものであれば、いかなる形態のものであっても構わない。例えば、竹または竹粉末から、親水性有機溶媒(アルコールもしくはエーテル等)または水等の抽出溶媒を用いて抽出した抽出成分(抽出溶媒を除く)や、竹または竹粉砕チップ等を加熱減圧下で乾留することにより抽出される気化成分である竹酢液等の竹乾留抽出物が挙げられる。竹抽出物は、竹から抽出した後にさらに精製したものであっても勿論よい。これらの竹抽出物は、主成分としてフラン系化合物およびフェノール系化合物を含む。竹抽出物は、固体、液体、または気体のいずれの状態であっても構わないが、常温常圧下(25℃、1気圧(1013hPa))で固体または液体であることが好ましい。特に、常温常圧下で液体である竹抽出物を、「竹抽出液」とも称する。
竹抽出物に用いられる竹の部位は、特に限定されないが、好ましくは、竹の茎部分を用いる。また、抽出に際しては、可能な限り細分化してチップ状、あるいは粉体状にしてから抽出することが好ましい。竹の茎部分のうち、特に表面から0.5mm以内の表皮部分から抽出されたものは、本発明の目的を達成する上で、特に有効である。表皮部分を利用するには、乾燥した竹を円筒研磨機で切削刃に対して竹を回転させつつ移動して茎の外周囲部分を研磨して研磨粉を集めることで達成できる。しかし、表皮以外の部分にも活性成分は含まれており、従って竹の茎部分全体からの抽出物であっても何ら差し支えない。特に、細い竹、あるいは笹の場合には、表皮部分だけを分けることは実用的でなく、茎部分、あるいは茎と葉を含めた全体を用いて抽出することが好ましい。
竹乾留抽出物のより詳細な形態としては、竹(好ましくは孟宗竹)を、必要に応じて粉砕、乾燥した後、減圧条件下で乾留したときに留出する減圧乾留抽出物が用いられうる。減圧条件としては、100mmHg以下であることが好ましく、10〜60mmHgであることが好ましく、15〜45mmHgであることがさらに好ましい。減圧乾留時の初留分は適宜カットしてもよく、また得られた減圧乾留抽出物をさらに精製処理してもよい。常圧下の乾留または減圧度が小さい条件下の乾留で得た竹乾留抽出物は本発明の効果が比較的小さく、十分な効果を得るためには、多量の竹乾留抽出物の添加を必要とする傾向がある。上記減圧乾留時の竹乾留抽出物の留出温度は減圧度に依存するが(減圧度が大きいときは低く、減圧度が小さいときは高い)、例えば20mmHgの減圧乾留の場合で300℃前後となる。上記の操作により得られた竹の減圧乾留抽出物は通常は粘稠な液体であるので、一旦流出物を水、エタノール、プロピレングリコール等で受け、次いでそれを水やエタノールで濃度調節してから使用するのが適当である。
また、減圧乾留以外の抽出方法の具体例として、水蒸気の存在下、120〜180℃で水蒸気処理し、これを冷却し、必要によりその後、炭素原子数1〜4のアルコール、特に炭素原子数1〜4のモノアルコールを含む溶媒で溶液にする方法がある。竹抽出物を水蒸気処理において得る方法は、竹を耐圧容器に密封して水蒸気の存在下で行われる。このとき、溶液の温度は、好ましくは120〜180℃、より好ましくは130〜170℃とし、圧力は、好ましくは3〜7kg/cmとする。水蒸気処理は、耐圧容器に竹を入れて高圧水蒸気を吹き込む、あるいは耐圧容器に竹とともに少量の水を加えて密閉し空気あるいは窒素で所定圧力に上げて加熱してもよい。水蒸気処理の所要時間は、圧力や温度により異なるが好ましくは30分間〜5時間であり、より好ましくは1〜4時間である。抽出条件をかように設定することにより、活性成分が効率よく抽出され、かつ経済性にも優れる。なお、上記範囲外の抽出条件を採用することも勿論可能であることはいうまでもない。さらに、水蒸気処理の後、必要により、室温に戻してから竹抽出物を溶媒によって希釈する。希釈溶媒は、炭素原子数1〜4のアルコール、あるいは炭素原子数1〜4のアルコールと水との混合液が好ましい。とりわけ、炭素原子数1〜4のアルコールとしてエタノールを用い、水40%(容量%)以下、さらに好ましくは水15〜20%(容量%)を含む含水エタノールを用いる。なお、上記、乾留抽出物および水蒸気抽出法は、本発明の竹のみならず、後述する茶抽出物の製法としても用いられる。
上記竹抽出物のうち、消臭性能および抗菌性能の観点からは、竹乾留抽出物を用いることがより好ましい。竹乾留抽出物については特に制限はないが、具体的には、モウソウチクの抽出物の溶媒希釈溶液である、ネオバンブス−1000(竹乾留抽出物:エタノール:水の質量比が20:70:10、白井松新薬株式会社製)またはネオバンブス−2000(竹乾留抽出物:エタノールの質量比が70:30、白井松新薬株式会社製)等の市販の竹乾留抽出物の溶媒希釈溶液を使用することができる。
竹抽出物の含有量は、特に制限なく適宜調整することが可能であるが、吸水性樹脂の全質量に対して、好ましくは0.1〜10000質量ppmであり、より好ましくは0.1〜1000質量ppmであり、さらに好ましくは0.1〜500質量ppmであり、特に好ましくは1〜100質量ppmであり、特に好ましくは1〜50質量ppmである。かような量の竹抽出物を含むことにより、優れた消臭性能および抗菌性能を発揮しうる。
(茶抽出物)
茶抽出物に用いられる茶は、ツバキ目ツバキ科ツバキ属の常緑木本植物であれば特に制限はないが、チャノキ種(Camellia sinensis)であることが好ましい。
茶抽出物は、茶に含まれる成分を、各種抽出法を用いて分離したものであれば、いかなる形態のものであっても構わない。例えば、茶葉または茶葉粉砕物から親水性有機溶媒(アルコールもしくはエーテル等)または水等の抽出溶媒を用いて抽出した抽出成分(抽出溶媒を除く)や、茶葉または茶葉粉砕物を加熱減圧下で乾留することにより抽出される気化成分である茶乾留抽出物が挙げられる。具体的には、カテキン30Gまたはカテキン60W(以上、白井松新薬株式会社製)等の、市販の茶抽出物の溶媒希釈溶液を使用することができる。茶抽出物は、茶から抽出した後にさらに精製したものであっても勿論よい。これらの茶抽出物は、主成分としてポリフェノール類(カテキン類)を含む。なお、抽出には、茶の葉部分(茶葉)を使用することが好ましい。茶抽出物は、固体、液体、または気体のいずれの状態であっても構わないが、常温常圧下で固体または液体であることが好ましい。特に、常温常圧下で液体である茶抽出物を、「茶抽出液」とも称する。
上記茶抽出物のうち、消臭性能および抗菌性能の観点からは、茶乾留抽出物を用いることがより好ましい。茶乾留抽出物については特に制限はないが、具体的には、フレッシュシライマツ(登録商標)のフレッシュE、FS−70P、FS−80P、FS−80M、またはFS−80MO(以上、白井松新薬株式会社製)等の市販の茶乾留抽出物の溶媒希釈溶液を使用することができる。
茶抽出物の含有量は、特に制限なく適宜調整することが可能であるが、吸水性樹脂の全質量に対して、好ましくは10〜50000質量ppmであり、より好ましくは50〜50000質量ppmであり、さらに好ましくは50〜5000質量ppmである。かような量の茶抽出物を含むことにより、優れた消臭性能および抗菌性能を発揮しうる。
本発明の第一の形態では、竹抽出物および茶抽出物を必須に含むが、この際の竹抽出物と茶抽出物との比率は、竹抽出物/茶抽出物(質量換算)で、好ましくは0.01/99.99〜49/51であり、より好ましくは0.01/99.99〜40/60であり、さらに好ましくは0.01/99.99〜30/70であり、特に好ましくは0.05/99.95〜30/70である。竹抽出物および茶抽出物の含有量ならびにその比率がかような範囲内にあると、優れた消臭性能および抗菌性能が得られうる。また、竹抽出物または茶抽出物に由来する臭気や着色・変色を呈する心配もない。
なお、上記竹抽出物または茶抽出物を用いずに、竹または茶を破砕ないし粉砕して得た粉末を添加してなる吸水性樹脂組成物は、竹または茶の粉末の分散性が低いことから、吸水性樹脂と均一かつ一体化することが困難であるため、所望の消臭効果および抗菌効果が得られない虞がある。例えば、JP−A−02(1990)−041155、US−A−2003/0004479、およびUS−A−2004/0048955等で開示される、植物粉末などを吸水性樹脂に添加してなる吸水性樹脂組成物では、吸水性樹脂組成物の粒子毎に竹または茶粉末の添加量にばらつきが生じうる。さらに、吸水性樹脂組成物が機械的衝撃を受けた場合には、竹または茶粉末が吸水性樹脂組成物から脱離する可能性がある。このため、竹または茶粉末を添加してなる吸水性樹脂組成物では、消臭効果および抗菌効果が低減する虞がある。
竹抽出物または茶抽出物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、US−A−4501730、JP−A−63(1988)−290825、JP−B−3212278、JP−A−2006−116433、およびJP−B−3551386に記載された方法が利用できる。
(へキサン酸(塩)、酪酸エチル、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン)
本発明の第二の形態に係る吸水性樹脂組成物は、消臭成分および抗菌成分として、へキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンからなる群から選択される少なくとも2種の化合物を必須に含む。特に、へキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンの3種の化合物を含むことが好ましい。これらの化合物を組み合わせて用いることにより、優れた消臭機能および抗菌機能を達成できる。なお、本発明で使用されるへキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンは、化学的に合成された化合物であってもよいし、天然物より抽出、単離、精製された化合物であっても勿論よい。
へキサン酸(塩)、酪酸エチル、または3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンの含有量は、吸水性樹脂の全質量に対して、それぞれ独立して、好ましくは0.1質量ppb〜500質量ppmであり、より好ましくは0.1質量ppb〜100質量ppmであり、さらに好ましくは0.1質量ppb〜50質量ppmであり、特に好ましくは0.1質量ppb〜30質量ppmである。このうちへキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンからなる群から選択される少なくとも2種の化合物の含有量の合計が、吸水性樹脂の全質量に対して、0.2質量ppb〜1000質量ppmであることが好ましく、0.2質量ppb〜500質量ppmであることがより好ましく、0.2質量ppb〜100質量ppmであることがさらに好ましく、0.2質量ppb〜50質量ppmであることが特に好ましく、0.2質量ppb〜30質量ppmであることが最も好ましい。なお、へキサン酸(塩)、酪酸エチル、または3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンのそれぞれの含有量が上記範囲にある限りにおいて、これらの化合物の含有比率は特に制限されない。
本形態に係る吸水性樹脂組成物は、上記の3成分のうち2種以上を必須に含むが、さらに、イソ酪酸エチル、エチルクロトネート、イソブタナールジエチルアセタール、2,3−ジメチル−2−シクロペンテン−1−オン、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン、3−メチル−1,2−シクロペンタジオン、4−アリル−2−メトキシフェノール、フルフラール、および5−メチルフルフラールからなる群から選択される成分を少なくとも1種含有することが好ましい。これらの成分の含有量は、吸水性樹脂の全質量に対して、それぞれ独立して、0.1質量ppb〜500質量ppmであることが好ましく、0.1質量ppb〜100質量ppmであることがより好ましく、0.1質量ppb〜50質量ppmであることがさらに好ましく、0.1質量ppb〜30質量ppmであることが特に好ましい。
第二の形態に係る吸水性樹脂組成物は、消臭性および抗菌性向上のために、さらに、茶抽出物をさらに含むことが好ましく、竹抽出物をさらに含むことが好ましい。茶抽出物および竹抽出物の成分および含有量は上述の通りであるので、ここでは説明を省略する。
なお、本明細書に記載の第二の形態に係る吸水性樹脂組成物以外の吸水性樹脂組成物も、任意にへキサン酸(塩)、酪酸エチル、または3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンを含みうる。
(キレート剤)
吸水性樹脂組成物は、キレート剤をさらに含むことが好ましい。より好ましい形態としては、キレート剤が粒子状の吸水性樹脂組成物の内部および表面において一体化して存在する。本発明において「キレート剤」とは、遷移金属イオン等の金属イオンを補足する化合物をいう。吸水性樹脂組成物にキレート剤を添加することにより、消臭ないし抗菌特性に加えて、白度向上による清浄感および優れた耐尿性を付与することができる。
キレート剤としては、従来公知のものを特に制限なく使用することができるが、効果の面から、水溶性の有機キレート剤であることが好ましく、このうち、窒素原子またはリン原子を有する有機キレート剤であることがより好ましい。窒素原子またはリン原子を有する有機キレート剤としては、例えば、アミノカルボン酸系キレート剤、有機リン酸系キレート剤、およびアミノリン酸系キレート剤が挙げられる。
アミノカルボン酸系キレート剤は、分子内にカルボキシル基を有するアミン化合物であれば特に制限なく使用することができるが、なかでも、分子内にカルボキシル基を複数有するアミノ多価カルボン酸系キレート剤であることがより好ましい。このうち、アミノ多価カルボン酸系キレート剤1分子中のカルボキシル基の数は、2個以上であることが好ましく、2〜100個であることがより好ましく、3〜20個であることがさらに好ましく、3〜10個であることが特に好ましい。
かようなアミノ多価カルボン酸系キレート剤としては、具体的には、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、ジアミノプロパノール四酢酸、エチレンジアミン−2−プロピオン酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、L−グルタミン酸二酢酸、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、およびメチルグリシン二酢酸等が挙げられる。
有機リン酸系キレート剤またはアミノリン酸系キレート剤は、分子内にリン酸基を有する有機化合物またはアミン化合物であれば特に制限なく使用することができるが、なかでも、分子内にリン酸基を複数有する有機多価リン酸系キレート剤またはアミノ多価リン酸系キレート剤であることがより好ましく、なかでも、1分子中にリン酸基を3個以上有するものがより好ましい。
かような有機多価リン酸系キレート剤またはアミノ多価リン酸系キレート剤としては、具体的には、リン酸基を2個有するヒドロキシエチレン二リン酸等;リン酸基を3個以上有するエチレンジアミン−N,N’−ジ(メチレンホスフィン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスフィン酸)、ニトリロ酢酸−ジ(メチレンホスフィン酸)、ニトリロジ酢酸−(メチレンホスフィン酸)、ニトリロ酢酸−β−プロピオン酸−メチレンホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、シクロヘキサンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸−N,N’−ジ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミン−N,N’−ジ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ポリメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、および1−ヒドロキシエチリデンジホスホン酸等が挙げられる。
これらのキレート剤は、アミノカルボン酸塩、有機リン酸塩、およびアミノリン酸塩等のように塩の形態であっても構わない。好ましい形態としては、ナトリウム塩およびカリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ならびにアミン塩等を挙げることができる。また、これらのキレート剤は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
キレート剤の重量平均分子量は、5000以下であることが好ましく、100〜1000であることがより好ましい。キレート剤の重量平均分子量がかような範囲にあると、重合前の不飽和単量体溶液の粘度が比較的小さいために、重合温度の制御が容易である。また、吸水性樹脂組成物の物性に悪影響を与える虞も少ない。
吸水性樹脂組成物に含まれるキレート剤の含有量は、吸水性樹脂または後述の不飽和単量体の全質量に対して、通常は1〜1000質量ppm、好ましくは10〜500質量ppm、より好ましくは10〜100質量ppmである。キレート剤の含有量がかような範囲にあると、重合がスムーズに進行するため吸水特性が低下する虞もなく、また、所望の耐尿性および白度が得られうる。
なお、前記キレート剤の添加方法としては、後述の吸水性樹脂組成物の製造工程におけるいずれの工程でもよいが、所望の吸収特性、耐尿性、白度向上、消臭および抗菌特性を得る観点から、好ましくは、アクリル酸(塩)および不飽和単量体水溶液の調製工程、重合工程または、US−A−2004/18031に例示の造粒工程で添加される。
(無機粉末または有機粉末)
吸水性樹脂組成物は、無機粉末または有機粉末をさらに含むことが好ましい。より好ましい形態としては、無機粉末または有機粉末が粒子状の吸水性樹脂組成物の表面に存在する。これらは、吸水性組成物の消臭特性および抗菌特性、白色度、ならびに高湿下での粉末流動性を向上させる役割を果たす。
無機粉末としては、当該分野で一般に使用されうるものであれば特に制限はないが、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、クレー、タルク、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、珪酸またはその塩、粘土、珪藻土、シリカゲル、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、バーミュキュライト、パーライト、イソライト、活性白土、ケイ砂、ケイ石、ストロンチウム鉱石、蛍石、およびボーキサイト等が挙げられる。一方、有機粉末についても、当該分野で一般に使用されうるものであれば特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、メラニン樹脂、ポリメチルメタクリレート、デンプン、デキストリン、およびシクロデキストリン等が挙げられる。これらの無機粉末または有機粉末は、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機粉末または有機粉末は、一般に微細な粒子(微粒子)であることが好ましい。具体的には、その粒子径は100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが好ましい。一方、粒子径の下限値は、作業性や混合性の観点から1nm以上であることが好ましい。
吸水性樹脂組成物に含まれる無機粉末または有機粉末の含有量は、吸水性樹脂の全質量に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。無機粉末または有機粉末の量がかような範囲内にあると、消臭特性および抗菌特性、白色度、ならびに高湿下での粉末流動性に優れた吸水性樹脂組成物が得られうる。
(多価金属塩)
吸水性樹脂組成物は、多価金属塩をさらに含むことが好ましい。より好ましい形態としては、多価金属塩が粒子状の吸水性樹脂組成物の表面に存在する。特に、多価金属塩を有機表面架橋剤とともに用いる場合は、多価金属塩は無機表面架橋剤として作用し、吸水性樹脂の表面架橋剤に寄与しうる。
多価金属塩としては、水溶性多価金属塩であることが好ましく、例えば、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ビス硫酸カリウムアルミニウム、ビス硫酸ナトリウムアルミニウム、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、ナトリウムミョウバン、アルミン酸ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、および硝酸ジルコニウム等が挙げられる。
多価金属塩の含有量は、吸水性樹脂の全質量に対して、好ましくは0〜5質量%であり、より好ましくは0.001〜3質量%であり、さらに好ましくは0.01〜2質量%である。
(界面活性剤)
吸水性樹脂組成物は、界面活性剤をさらに含むことが好ましい。より好ましい形態としては、界面活性剤が粒子状の吸水性樹脂組成物の表面に存在する。界面活性剤は、吸水性樹脂組成物の粉体特性、例えば、粉体流動性や吸湿時の流動性等を向上させる役割を果たす。
界面活性剤は、従来公知のものを適宜採用することができるが、例えば、脂肪酸塩および高級アルコール硫酸塩等のアニオン性界面活性剤、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、およびソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、ココナットアミンアセテート、およびステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩等のカチオン性界面活性剤、ならびに両性界面活性剤が挙げられる。その他にも、US−A−6107358に記載の界面活性剤を適宜採用することができる。
吸水性樹脂組成物に含まれる界面活性剤の含有量は、吸水性樹脂の全質量に対して好ましくは0.1〜1000質量ppmであり、より好ましくは0.5〜500質量ppmであり、さらに好ましくは1〜100質量ppmである。界面活性時の量がかような範囲にあると、所望の粉体流動性および吸収特性が得られうる。
なお、界面活性剤の添加方法としては特に限定されないが、吸水性樹脂の表面架橋工程の前後で添加することが好ましく、より好ましくはUS−A−2004/18031に例示の造粒工程で添加される。
(その他の添加剤)
吸水性樹脂組成物は、さらにその他の添加剤を含みうる。添加剤としては、例えば、上記以外の抗菌成分、還元剤、および酸化防止剤等の着色防止剤等が挙げられる。
抗菌成分としては、天然植物由来の抗菌成分であることが好ましく、例えば、硫酸ニコチン、キハダ、クララ等のアルカロイド;陳皮、黄ごん、葛根等のフラボノイド;精油等のテルペノイド、大黄等のアントラキノン;その他芥子油配糖体、青酸配糖体、含硫黄化合物、および酸アミド型化合物等が挙げられる。また、有機系抗菌剤であってもよく、例えば、有機系天然抽出物、有機系脂肪族化合物、有機系芳香族化合物等があり、具体的には、ヒノキチオールおよびクレオソート油等が挙げられる。かような添加剤の含有量は、吸水性樹脂の全質量に対して、好ましくは0〜2質量%であり、より好ましくは0.001〜1質量%である。
(吸水性樹脂組成物の性状)
本発明に係る吸水性樹脂組成物は、着色による外観の悪化および吸収特性の低減を伴わずに、優れた消臭性および抗菌性を兼ね備えるという効果を有する。吸水性樹脂組成物の着色や吸収特性は、粒度、加圧下吸収倍率、無加圧下吸収倍率、水可溶分量、表面色、および残存モノマー量等を測定することによって評価できる。
粒度は、吸水性樹脂組成物の質量平均粒子径(D50)、粒度分布の対数標準偏差(σζ)、および嵩比重によって表される。粒度は、後述の粉砕、分級、造粒、微粉回収等の工程を経ることによって、以下の特定範囲に調整することができる。
吸水性樹脂組成物の質量平均粒子径(D50)は、好ましくは200〜600μmであり、より好ましくは250〜550μmであり、さらに好ましくは200〜500μmであり、特に好ましくは350〜450μmである。また、質量平均粒子径(D50)150μm未満の粒子が少ないほどよく、吸水性樹脂組成物の全質量に対して、好ましくは0〜5質量%であり、より好ましくは0〜3質量%であり、さらに好ましくは0〜1質量%に調整される。さらに、質量平均粒子径(D50)850μm以上の粒子が少ないほどよく、吸水性樹脂組成物の全質量に対して、好ましくは0〜5質量%であり、より好ましくは0〜3質量%であり、さらに好ましくは0〜1質量%に調整される。また、600〜150μmの間の粒子が、吸水性樹脂組成物の全質量に対して、好ましくは60〜100質量%であり、より好ましくは70〜100質量%であり、さらに好ましくは80〜100質量%である。
粒度分布の対数標準偏差(σζ)は、好ましくは0.20〜0.40であり、より好ましくは0.27〜0.37であり、さらに好ましくは0.25〜0.35である。かような粒度分布を有することにより、紙おむつ等の吸収物品として使用した場合の効果が向上する。
嵩比重(JIS K−3362で規定)は、好ましくは0.40〜0.90g/mlであり、より好ましくは0.50〜0.80g/mlの範囲に調整される。
加圧下吸収倍率(AAP:Absorbency Against Presure)は1.9kPaの加圧下および/または4.9kPaの加圧下での0.9質量%の塩化ナトリウムに対して、20(g/g)以上であることが好ましく、20〜35(g/g)であることがより好ましく、25〜35(g/g)であることがさらに好ましい。特に、1.9kPaの加圧下において20〜35(g/g)であり、かつ、4.9kPaの加圧下において20〜30(g/g)であることが好ましく、1.9kPaの加圧下において25〜35(g/g)であり、かつ、4.9kPaの加圧下において20〜30(g/g)であることが最も好ましい。1.9kPaまたは4.9kPaの圧力に対する加圧下吸収倍率(AAP)がかような範囲にあると、例えば、オムツに用いた場合、戻り量、いわゆるRe−wetが低減し、使用時に肌あれを起こしにくくなる。なお、該加圧下吸収倍率は、後述の表面架橋等の工程を経ることによって、適宜調整することができる。
無加圧下吸収倍率(遠心分離機保持容量、CRC:Centrifuge Retension Capacity)は、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液に対して、10g/g以上であることが好ましく、20g/g以上であることがより好ましく、25g/g以上であることがさらに好ましく、30g/gであることが特に好ましい。無加圧下吸収倍率(CRC)は高いほど好ましく上限値は特に限定されないが、他の物性のバランスから、好ましくは50(g/g)以下であり、より好ましくは45(g/g)以下であり、さらに好ましくは40(g/g)以下である。無加圧下吸収倍率(CRC)が10(g/g)以上であると、吸収量が増大するのでオムツ等の吸収物品に好適に用いられうる。また、無加圧下吸収倍率(CRC)が50(g/g)以下であると、ゲル強度が増大し、通液性に優れた吸水性樹脂組成物を得ることができる。なお、無加圧下吸収倍率(CRC)は後述の重合工程を経ることによって、適宜調整することができる。
水可溶分量(可溶分)は、好ましくは0〜35質量%であり、より好ましくは0〜25質量%であり、さらに好ましくは0〜15質量%であり、特に好ましくは0〜10質量%である。水可溶分量がかような範囲にあると、ゲル強度が増大し、通液性に優れた吸水性樹脂組成物を得ることができる。また、オムツ中で長時間使用した際に、吸収倍率(CRCやAAP等)が経時的に低下することを防止しうる。
吸水性樹脂組成物の表面色は、分光式色差計によるWB(ホワイトバランス)値によって評価することができる。WBは、好ましくは60〜100であり、より好ましくは65〜100であり、さらに好ましくは70〜100である。WB値がかような範囲にあると、外観の悪化を防ぎ、清浄感を維持しうる。
吸水性樹脂組成物に含まれる残存モノマー(残存不飽和単量体)量は、好ましくは0〜400質量ppmであり、より好ましくは0〜300質量ppmであり、さらに好ましくは0〜200質量ppmであり、特に好ましくは0〜100質量ppmである。
[吸水性樹脂組成物の製造方法]
本発明に係る吸水性樹脂組成物の製造方法については、特に制限はなく、当業者は従来公知の方法を適宜参照して製造することができる。一般的な製造方法としては、アクリル酸(塩)を含む不飽和単量体を架橋重合し、得られた重合体を乾燥して、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする吸水性樹脂を製造する工程と、消臭成分および抗菌成分を不飽和単量体または吸水性樹脂に添加する工程とを含む。
以下、本発明に係る吸水性樹脂および吸水性樹脂組成物の製造方法の各工程について説明する。
(吸水性樹脂の製造)
吸水性樹脂は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とし、必要によってその他の吸水性樹脂材料を含みうる。ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、アクリル酸(塩)を含む不飽和単量体を架橋重合し、得られた重合体を乾燥することによって製造されうる。
不飽和単量体に含まれるアクリル酸(塩)の量は、目的のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂に含まれるアクリル酸(塩)由来の繰り返し単位の数に応じて適宜調整されうるが、不飽和単量体の全モル数に対して、好ましくは10〜100モル%であり、より好ましくは50〜100モル%であり、さらに好ましくは70〜100モル%であり、特に好ましくは90〜100モル%である。
アクリル酸(塩)には、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤としては従来公知のものを適宜選択することができるが、なかでも、メトキシフェノール類であることが好ましく、p−メトキシフェノールであることがより好ましい。重合禁止剤としてメトキシフェノール類を使用する場合は、その使用量はアクリル酸(塩)の全質量に対して、好ましくは10〜200質量ppmであり、より好ましくは10〜90質量ppmであり、さらに好ましくは20〜90質量ppmである。
架橋方法としては特に制限はないが、例えば、予め所定量の内部架橋剤を単量体に添加して重合を行い、重合と同時または重合後に架橋反応させる方法、重合中や重合後に架橋剤を添加して後架橋する方法、ラジカル重合開始剤によりラジカル架橋する方法、電子線等により放射線架橋する方法等が挙げられる。このうち、予め所定量の内部架橋剤を単量体に添加して重合を行い、重合と同時または重合後に架橋反応させる方法であることが好ましい。
内部架橋剤としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリオキシエチレン)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、およびポリ(メタ)アリロキシアルカン等の重合性内部架橋剤、ポリグリシジルエーテル(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル等)、ポリオール(例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等)、およびアルキレンカーボネート(例えば、エチレンカーボネート等)等のカルボキシル基との反応性内部架橋剤等が挙げられ、1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。このうち、吸水剤の吸水特性の面から、好ましくは重合性内部架橋剤が用いられる。
内部架橋剤の使用量は適宜調整されうるが、物性面から、不飽和単量体の全モル数に対して、好ましくは0〜3モル%であり、より好ましくは0.0001〜2モル%であり、さらに好ましくは0.005〜1.5モル%であり、特に好ましくは0.01〜1.0モル%である。
重合工程において逆相懸濁重合や水溶液重合を行う場合、アクリル酸および不飽和単量体は必要により内部架橋剤を含む水溶液とされるが、該水溶液(以下、「単量体水溶液」とも称する)中の不飽和単量体成分の濃度は、物性面から、水溶液の全質量に対して、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは15〜65質量%、さらに好ましくは30〜65質量%、特に好ましくは30〜60質量%、最も好ましくは35〜55質量%である。なお、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、溶媒の種類は重合反応に著しい悪影響を与えるものでなければ特に限定されない。
単量体水溶液にキレート剤を混合する場合は、その混合方法については特に限定されないが、好ましくは単量体ないし単量体水溶液に添加、混合することによって不飽和単量体水溶液を調製する。
さらに、重合に際して、ポリビニルアルコール、澱粉、ポリアクリル酸(塩)等の水溶性樹脂ないし吸水性樹脂を添加することも可能である。これらの水溶性樹脂または吸水性樹脂の添加量は、不飽和単量体の全質量に対して、好ましくは0〜50質量%であり、より好ましくは0〜20質量%である。また、炭酸塩、アゾ化合物、気泡等の各種の発泡剤、界面活性剤、またはその他の添加剤等も適宜添加されうる。これらの添加量は、不飽和単量体の全質量に対して、好ましくは0〜5質量%であり、より好ましくは0〜1質量%である。これらの成分を添加することにより、吸水性樹脂や吸水性樹脂組成物の諸物性が改善されうる。
重合方法としては特に制限はないが、性能面や重合の制御の容易さから、水溶液重合または逆相懸濁重合により行うことが好ましい。これらの重合は空気雰囲気下でも実施できるが、好ましくは、窒素やアルゴン等の不活性気体雰囲気(例えば、酸素濃度1%以下)で行うことが好ましい。また、単量体成分は、その溶解酸素が不活性気体で十分に置換(例えば、酸素濃度1ppm未満)された後に重合に用いられる。本発明では、高生産性で高物性である一方、重合制御が困難であった水溶液重合が好適に用いられうる。好ましい水溶液重合としては、連続ベルト重合、連続またはバッチニーダー重合が挙げられる。
なお、逆相懸濁重合は、単量体水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁させる重合法であり、例えば、US−A−4093776、US−A−4367323、US−A−4446261、US−A−4683274、およびUS−A−5244735等に記載されている。水溶液重合は分散溶媒を用いずに単量体水溶液を重合する方法であり、例えば、US−A−4625001、US−A−4873299、US−A−4286082、US−A−4973632、US−A−4985518、US−A−5124416、US−A−5250640、US−A−5264495、US−A−5145906、US−A−5380808、EP−A−0811636、EP−A−0955086,EP−A−0922717、およびEP−A−1178059等に記載されている。こられに記載の単量体、架橋剤、重合開始剤、その他添加剤も本発明では適用できる。
重合に使用する重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、および過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2−ヒドロキシ−1−フェニル−プロパン−1−オン、ならびにベンゾインメチルエーテル等が挙げられる。さらに、これら重合開始剤の分解を促進するL−アスコルビン酸等の還元剤を併用し、両者を組み合わせることによるレドックス系開始剤等が例示される。これらの重合開始剤の使用量は、単量体の全モル数に対して、好ましくは0.001〜1モル%であり、より好ましくは0.001〜0.5モル%である。
また、重合開始剤を用いる代わりに、反応系に放射線、電子線、または紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより重合反応を行ってもよい。さらに、これらの活性エネルギー線と、活性エネルギー線を増感させる重合開始剤等とを組み合わせて使用してもよいし、活性エネルギー線と上記の通常の重合開始剤とを併用してもよい。
重合反応における反応温度や反応時間は、特に限定されず、単量体や重合開始剤の種類に応じて適宜決定することができる。反応のピーク温度は、通常は、単量体水溶液の沸点以下であり、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは90〜120℃である。反応時間は、好ましくは3時間以内であり、より好ましくは1時間以内であり、さらに好ましくは0.5時間以内である。重合時の蒸発する水やアクリル酸は、必要により捕集して、さらに吸水性樹脂の製造工程にリサイクルすることが好ましい。
好ましい製造方法としては、キレート剤を重合時の単量体水溶液に混合する。なお、重合時の単量体水溶液は、重合前の単量体水溶液に限定されず、重合途中の単量体水溶液や該水溶性を含むゲル状物を含む概念であり、重合開始剤投入前後のいずれのタイミングでも混合することができ、その混合のタイミングや混合方法は特に限定されるものではない。
上記重合反応で得られた架橋重合体(以下、「含水ゲル」とも称する)は、含水ゲル状で得られる。水溶液重合の場合、そのまま乾燥を行ってもよいが、必要によりゲル粉砕機等を用いてゲル粉砕され、粒子状にされる。ゲル粉砕時の含水ゲルは保温または加熱することが好ましく、この際の含水ゲルの温度は、物性面から、好ましくは40〜95℃であり、さらには50〜80℃である。
含水ゲルに含まれる吸水性樹脂の固形分は、特に限定されるものではないが、物性面から好ましくは含水ゲルの全質量に対して、好ましくは10〜70質量%であり、より好ましくは15〜65質量%であり、さらに好ましくは30〜55質量%である。
ゲル粉砕は重合時または重合後に行われ、好ましくは連続ニーダーや多孔構造から押し出して粉砕されうる。この際の孔径は、好ましくは0.3〜20mmであり、より好ましくは0.5〜10mmであり、さらに好ましくは0.5〜5.0mmである。孔の形状としては、特に限定はないが、円形、正方形および長方形等の四方形、三角形、ならびに六角形等が挙げられ、円形の孔であることが好ましい。なお、上記孔径は、目開き部の外周を円の外周に換算した場合の直径で求められる。多孔構造の孔径が0.3mm以上であると、ゲルが紐状になることなく粉砕でき、また、ゲルの押し出しも容易である。一方、多孔構造の孔径が20mm以下であると、吸水性樹脂組成物の吸収特性が悪影響を受ける虞がない。
押し出し粉砕装置としては、例えば、スクリュー型、回転ロール型等の、含水ゲルをその供給口から多孔板に圧送できる形式のものが用いられる。スクリュー型押し出し機は、一軸あるいは多軸でもよく、通常、食肉、ゴム、プラスチックの押し出し成型に使用されるもの、あるいは、粉砕機として使用されるものでもよい。例えば、ミートチョッパーやドームグランが挙げられる。
含水ゲルは乾燥後、後述の表面架橋での物性向上のため、特定の粒度に調整されることが好ましい。調整方法としては特に制限はないが、粉砕、分級、造粒、微粉回収等によって行われうる。なお、逆送懸濁重合等の重合反応を調整することによっても粒度を調整することが可能である。
吸水性樹脂は、さらに表面架橋を行うことが好ましい。本発明において「表面架橋」とは、吸水性樹脂の表面層(表面近傍:通常数10μm以下の近傍)部分における架橋を行うことによって、該部分を高架橋密度とすることをいう。表面架橋の方法としては、特に制限はないが、表面でのラジカル架橋や表面重合で高架橋層を形成してもよく、表面架橋剤との架橋反応で表面架橋してもよい。
表面架橋剤としては、種々の有機架橋剤または無機架橋剤が使用可能であるが、物性の観点から、カルボキシル基と反応しうる架橋剤であることが好ましい。例えば、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物、またはこれらとハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、モノ、ジ、またはポリオキサゾリジノン化合物、多価金属塩、アルキレンカーボネート化合物等の有機表面架橋剤が用いられうる。
具体的な表面架橋剤は、US−A−6228930、US−A−6071976、およびUS−A−6254990等に例示されている。例えば、モノ、ジ、トリ、テトラ、またはポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、および1,2−シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコール化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテルおよびグリシドール等のエポキシ化合物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、およびポリアミドポリアミン等の多価アミン化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、およびα−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合物、2−オキサゾリジノン等のキサゾリジノン化合物、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート化合物等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。かような架橋剤のうち、少なくとも多価アルコールを用いることが好ましく、多価アルコールの炭素原子数は、2〜10であることが好ましく、3〜8であることがより好ましい。
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.01〜5質量部であることがより好ましい。また、表面架橋反応には水を用いることが好ましい。この際、使用される水の量は、使用する吸水性樹脂の含水率にもよるが、吸水性樹脂100質量部に対し、好ましくは0.5〜20質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部である。
また、表面架橋には、水以外にも親水性有機溶媒を使用しても構わない。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂100質量部に対し、好ましくは0〜10質量部であり、より好ましくは0〜5質量部であり、さらに好ましくは0〜3質量部である。表面架橋における架橋剤水溶液の温度は、混合性や安定性から、好ましくは0℃以上架橋剤水溶液の沸点以下であり、より好ましくは5〜50℃であり、さらに好ましくは10〜30℃である。また、混合前の吸水性樹脂の温度は、混合性から、好ましくは0〜80℃であり、より好ましくは40〜70℃である。なお、表面架橋の際には、US−A−5610208およびUS−A−5610220に記載の添加剤をさらに使用してもよい。
表面架橋を行う際には、必要により水および/または親水性有機溶媒とを予め混合した後、次いで、その水溶液を吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合することが好ましく、より好ましくは噴霧する。噴霧される液滴平均径は、好ましくは1〜300μmであり、より好ましくは10〜200μmである。また混合に際し、本発明の効果を妨げない範囲において、上述の無機粉末もしくは有機粉末、または界面活性剤を共存させてもよい。水不溶性微粒子粉体や界面活性剤の量は、吸水性樹脂の全質量に対して、好ましくは0〜10質量%であり、より好ましくは0〜5質量%であり、さらに好ましくは0〜1質量%である。また、必要によって界面活性剤を使用してもよく、界面活性剤の種類やその使用量はWO2005/75070に例示されている。
表面架橋の際の混合に用いられる混合装置は、均一な混合を確実にするため大きな混合力を生み出せることが必要である。かような混合装置としては、高速攪拌形混合機が挙げられるが、このうち、高速攪拌形連続混合機であることがより好ましい。高速攪拌形連続混合機としては、例えば、タービュライザー(ホソカワミクロン株式会社製)やレディゲミキサー(レディゲ社製)等が好適に用いられうる。
表面架橋剤を混合後、吸水性樹脂は加熱処理されることが好ましい。加熱処理を行う際の加熱温度は、好ましくは120〜250℃であり、より好ましくは150〜250℃である。また、加熱時間は、好ましくは1分間〜2時間である。加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、および赤外線乾燥機等が挙げられる。また、加熱後の吸水性樹脂は、必要に応じて冷却してもよく、冷却方法としてはUS−A−2004/181031に開示される方法等が例示される。
なお、これらの表面架橋方法は、EP−A−0349240、EP−A−0605150、EP−A−0450923、EP−A−0812873、EP−A−0450924、EP−A−0668080、JP−A−07(1995)−242709、JP−A−07(1995)−224304、US−A−5409771、US−A−5597873、US−A−5385983、US−A−5610220、US−A−5633316、US−A−5674633、US−A−5462972、WO99/42494、WO99/43720、およびWO99/42496に記載されており、これらの表面架橋方法も本発明に適用できる。
吸水性樹脂は、必要に応じて上記多価金属塩を用いてにより表面処理することが好ましい。特に、多価金属塩と有機表面架橋剤とを併用して架橋することで、優れた吸水特性が達成される。
なお、多価金属塩表面処理についての方法および条件等はWO2004/069915、WO2004/113452、およびWO2005/108472に記載されており、これらの方法が適宜採用されうる。
(消臭成分および抗菌成分の添加)
第一の形態に係る吸水性樹脂組成物を製造するにあたって、上記の製造工程のいずれかの1以上の工程において、竹抽出物および茶抽出物を添加混合することができる。このうち、好ましくは、不飽和単量体の重合後、すなわち、含水ゲルの乾燥後の粒度調整工程、表面加工工程、多価金属塩による表面処理工程、または粒度調整工程等のうち1以上の工程において、竹抽出物および茶抽出物を添加混合することが好ましい。さらに、消臭および抗菌性能を十分に発揮する観点から、表面架橋工程後に竹抽出物および茶抽出物を添加混合することがより好ましく、例えば、US−A−2004/181031に開示される方法が採用されうる。なお、竹抽出物および茶抽出物の添加の順序は特に制限はなく、竹抽出物または茶抽出物をそれぞれ別々の工程で添加してもよいし、両方を同一の工程で添加しても勿論構わない。
竹抽出物および茶抽出物は、粉体や原液のまま添加してもよいし、これらを水またはアルコール、エーテル等の親水性有機溶媒で希釈した溶液の形態で添加することもできるが、後者の溶液の形態で添加することがより好ましい。なお、竹抽出物および茶抽出物の好ましい添加量としては、上記吸水性樹脂組成物の説明において竹抽出物および茶抽出物の好ましい含有量と同様の値を採用することができる。
竹抽出物および茶抽出液の添加の際の温度は、有効成分の分解や揮発または蒸散を防ぐ観点から、好ましくは160℃以下であり、より好ましくは100℃以下であり、さらに好ましくは80℃以下で添加される。なお、温度の下限値は特に限定されないが、生産性の観点から好ましくは50℃以上であり、より好ましくは60℃以上である。
また、竹抽出物および茶抽出物の添加混合に際しては、前記表面架橋製造工程に例示の装置等が使用できる。
第二の形態に係る吸水性樹脂組成物を製造する際の、へキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンから選択される少なくとも2種の化合物の添加方法についても、上記の第一の形態の竹抽出物および茶抽出物の添加方法と同様の方法を採用することができるので、ここでは詳細な説明を省略する。
なお、これとは別に、本発明の第三の形態としては、アクリル酸(塩)を主成分とする不飽和単量体の重合前または重合後に、竹抽出物のアルコール溶液を添加する、吸水性樹脂組成物の製造方法が挙げられる。該方法を用いることにより、茶抽出物を添加しなくても、所望の消臭効果および抗菌効果が得られる。不飽和単量体に竹抽出物のアルコール溶液を添加する場合は、単量体中で、竹抽出物がアルコールとの相互作用により安定化し、有効成分の変質・劣化が防止され、顕著な消臭効果および抗菌効果が発揮できるものと考えられる。また、不飽和単量体の重合後に竹抽出物のアルコール溶液を添加する場合は、重合によって形成された樹脂の表面付近に竹抽出物が局在化するために、顕著な効果が発揮できるものと考えられる。
第三の形態により得られる吸水性樹脂組成物は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする吸水性樹脂と、竹抽出物およびアルコールとを含む。該吸水性樹脂組成物に含まれる吸水性樹脂、竹抽出物等の各構成成分は、上述の第一の形態および第二の形態の吸水性樹脂組成物の構成成分の説明で記載したものと同様のものを制限なく用いることができる。また、各構成成分の好ましい含有量についても同様である。
アルコール溶液に使用するアルコールとしては特に制限はないが、好ましくは炭素原子数1〜6のアルコールであり、より好ましくは炭素原子数1〜4のアルコールであり、さらに好ましくは炭素原子数2〜4の飽和炭化水素系のモノアルコールまたはポリオールである。具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、イソブタノール、2−プロパノール、イソブタノール、tert−ブタノール、メタンジオール、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、およびエチレングリコール等が挙げられる。このうち、エタノール、2−プロパノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、およびグリセリンを使用することが好ましい。なお、アルコール以外にも適宜水を加えた混合溶媒を用いて溶液とすることもできる。
アルコール溶液中における竹抽出物の濃度は、アルコール溶液の全質量に対して、好ましくは1〜99質量%であり、より好ましくは20〜80質量%であり、さらに好ましくは30〜70質量%である。かような濃度のアルコール溶液を添加することによって、消臭効果および抗菌効果が向上しうる。
添加方法や、添加の温度については、第一の形態および第二の形態における添加と同様の条件を用いることができるので、ここでは説明を省略する。
なお、第一の形態における竹抽出物および茶抽出物の添加、または、第二の形態におけるへキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンから選択される少なくとも2種の化合物の添加の際も、第三の形態と同様にアルコール溶液として添加することが好ましい。特に、へキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンを添加する際には、各成分の溶解性の観点から、アルコール溶媒、もしくはアルコールと水の混合溶媒であることが好ましい。より好ましくは、汎用性、安全性の観点からエタノール、もしくはエタノールと水の混合溶媒である。混合溶媒の混合比率に関しては、へキサン酸(塩)、酪酸エチル、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンからなる群から選択される少なくとも2種の化合物が全て溶解していれば特に限定されるわけではないが、アルコール/水の比が、好ましくは1/99〜50/50であり、より好ましくは1/99〜40/60であり、さらに好ましくは5/95〜40/60であり、特に好ましくは10/90〜30/70である。
(粒度の調整)
吸水性樹脂組成物は、必要に応じて、所定の粒度に調整するために、整粒工程、造粒工程、微粉回収工程等適宜操作をしてもよい。なお、所定の粒度調整の工程としては、例えば、US−A−2004/181031、US−A−2004/242761、およびUS−A−2006/247351等に記載の工程等が採用される。
[吸収物品]
本発明に係る吸水性樹脂組成物の用途は特に限定されないが、好ましくは、紙オムツ、生理ナプキン、失禁パッド等の吸収物品に使用されうる。特に、高濃度オムツ(1枚のオムツに多量の吸水性樹脂を使用したもの)に使用することが好ましく、さらに吸収物品中の吸収体上層部に使用することがより好ましい。従来の吸水性樹脂組成物をかような吸収物品に使用すると、原料由来の臭気または着色等が問題になっていたが、本発明の吸水性樹脂組成物によるとかような問題を解消することができる。
本発明に係る吸収物品は、本発明に係る吸水性樹脂組成物を必須に含み、必要に応じ親水性繊維をシート状に成形して得られる吸収体、液透過性を有する表面シート、および液不透過性を有する背面シートを備える。親水性繊維を使用しない場合の吸収体は、紙および/または不織布に粒子状吸水剤を固定させることにより構成される。また、繊維材料(パルプ)を使用する場合はサンドイッチないしブレンドされて成形される。繊維基材としては、例えば、粉砕された木材パルプ、コットンリンター及び架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート、およびビニロン等の親水性繊維等が挙げられ、このうち、これらがエアレイドされた繊維材料を用いることが好ましい。
この吸収物品中の吸収体における吸水性樹脂組成物の含有量(コア濃度)は、通常30〜100質量%であり、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは60〜100質量%、特に好ましくは70〜100質量%、最も好ましくは75〜95質量%である。かような量の吸水性樹脂組成物を含有することにより、本発明の効果が一層顕著に発揮される。例えば、吸水性樹脂組成物を上記の含有量で、特に吸収体上層部に使用した場合、高通液性(加圧下通液性)のため、尿等の吸収液の拡散性に優れるために、紙おむつ等の吸収物品が効率的な液分配による吸収物品全体の吸収量の向上に加え、吸収体が衛生感のある白色状態を保つ吸収物品が提供できる。
また、上記吸収体は、密度が0.06g/cc以上0.50g/cc以下、坪量が0.01g/cm以上0.20g/cm以下に圧縮成形されているのが好ましい。さらに、上記吸収体の厚みは30mm以下、好ましくは20mm以下と薄型化の紙おむつにとって好適な吸収物品が提供できる。
本発明の作用効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、本明細書中に記載されている物性値は、以下の測定法に従って求めた。下記測定法は吸水性樹脂組成物についての測定法として記述しているが、吸水性樹脂についても同様の方法を用いて測定される。質量と重量は同義語であり、例えば、質量ppmは重量ppmと同義である。
(吸水性樹脂の製造)
[製造例1]
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、アクリル酸425.2g、37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液4499.5g、純水538.5g、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)6.17g、ジエチレントリアミン五酢酸三ナトリウム0.21gを溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、20分間脱気した。続いて、反応液に10質量%過硫酸ナトリウム水溶液28.3gおよび0.1質量%L−アスコルビン酸水溶液23.6gを攪拌しながら添加したところ、およそ25秒後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、25℃以上95℃以下で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体は、その径が約5mm以下に細分化されていた。
この細分化された含水ゲル状架橋重合体を50メッシュの金網上に広げ、170℃で65分間熱風乾燥を行い、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmのJIS標準篩で分級、調合することにより、質量平均粒子径(D50)458μm、粒度分布の対数標準偏差(σζ)0.40の不定形破砕状の吸水性樹脂粒子(1−a)を得た。吸水性樹脂粒子(1−a)の遠心分離機保持容量(CRC)は42(g/g)、水可溶分は13質量%であった。
得られた吸水性樹脂粒子(1−a)100質量部に1,4−ブタンジオール0.35質量部、プロピレングリコール0.55質量部、純水3.0質量部の混合液からなる表面架橋剤を均一に混合した後、混合物を212℃で40分間加熱処理した。その後、得られた粒子を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋された吸水性樹脂粒子(1)を得た。
[製造例2]
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、アクリル酸425.2g、37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液4499.5g、純水518.5g、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)4.94gを溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、20分間脱気した。続いて、反応液に10質量%過硫酸ナトリウム水溶液28.3gおよび0.1質量%L−アスコルビン酸水溶液23.6gを攪拌しながら添加したところ、およそ25秒後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、25℃以上95℃以下で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体は、その径が約5mm以下に細分化されていた。
この細分化された含水ゲル状架橋重合体を50メッシュの金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥を行い、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmのJIS標準篩で分級、調合することにより、質量平均粒子径(D50)350μm、粒度分布の対数標準偏差(σζ)0.35の不定形破砕状の吸水性樹脂粒子(2−a)を得た。吸水性樹脂粒子(2−a)の遠心分離機保持容量(CRC)は44(g/g)、水可溶分は15質量%であった。
得られた吸水性樹脂粒子(2−a)100質量部に1,4−ブタンジオール0.35質量部、プロピレングリコール0.55質量部、純水3.0質量部の混合液からなる表面架橋剤を均一に混合した後、混合物を212℃で40分間加熱処理した。その後、得られた粒子を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋された吸水性樹脂粒子(2)を得た。なお、得られた吸水性樹脂粒子(2)の質量平均粒子径(D50)は352μmであり、150μmの篩を通過した粒子の割合は3.3質量%であり、粒度分布の対数標準偏差(σζ)0.34であった。
[製造例3]
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、アクリル酸425.2g、37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液4499.5g、純水517.2g、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)6.17gを溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、20分間脱気した。続いて、反応液に10質量%過硫酸ナトリウム水溶液28.3gおよび0.1質量%L−アスコルビン酸水溶液23.6gを攪拌しながら添加したところ、およそ25秒後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、25℃以上95℃以下で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体は、その径が約5mm以下に細分化されていた。
この細分化された含水ゲル状架橋重合体を50メッシュの金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥を行い、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmのJIS標準篩で分級、調合することにより、質量平均粒子径(D50)450μm、粒度分布の対数標準偏差(σζ)0.38の不定形破砕状の吸水性樹脂粒子(3−a)を得た。吸水性樹脂粒子(3−a)の遠心分離機保持容量(CRC)は39(g/g)、水可溶分は11質量%であった。
得られた吸水性樹脂粒子(3−a)100質量部に1,4−ブタンジオール0.35質量部、プロピレングリコール0.55質量部、純水3.0質量部の混合液からなる表面架橋剤を均一に混合した後、混合物を212℃で35分間加熱処理した。その後、得られた粒子を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋された吸水性樹脂粒子(3)を得た。なお、得られた吸水性樹脂粒子(3)の質量平均粒子径(D50)は470μmであり、150μmの篩を通過した粒子の割合は2.2質量%であり、粒度分布の対数標準偏差(σζ)0.38であった。
(吸水性樹脂組成物の調製)
[実施例1]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹抽出物溶液(商品名:ネオバンブス−2000、販売者:白井松新薬株式会社)をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液(商品名:FS−80MO、販売者:白井松新薬株式会社)に0.5質量%添加した溶液を、0.5質量部添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(1)を得た。
[実施例2]
竹抽出物溶液をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液に0.5質量%添加した溶液を、0.25質量部添加したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(2)を得た。
[実施例3]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹抽出物溶液(商品名:ネオバンブス−2000、販売者:白井松新薬株式会社)をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液(商品名:FS−80MO、販売者:白井松新薬株式会社)に0.5質量%添加した溶液を0.05質量部と水2.0質量部を混合した溶液2.05質量部(竹抽出物と茶葉抽出物の混合水溶液)を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(3)を得た。
[実施例4]
竹抽出物溶液をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液に0.5質量%添加した溶液を、0.1質量部添加したこと以外は実施例3と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(4)を得た。
[実施例5]
竹抽出物溶液をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液に0.5質量%添加した溶液を、0.2質量部添加したこと以外は実施例3と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(5)を得た。
[実施例6]
製造例2で得られた吸水性樹脂粒子(2)100質量部に、竹抽出物溶液(商品名:ネオバンブス−2000、販売者:白井松新薬株式会社)をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液(商品名:FS−80MO、販売者:白井松新薬株式会社)に0.5質量%添加した溶液を0.5質量部、ジエチレントリアミン五酢酸三ナトリウムを0.01質量部、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(商品名:レオドールTW−S120V、販売者:花王株式会社)を0.002質量部、水2.0質量部を混合した溶液2.512質量部を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(6)を得た。
[実施例7]
竹抽出物溶液をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液に0.5質量%添加した溶液を、0.1質量部添加したこと以外は実施例6と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(7)を得た。
[実施例8]
製造例3で得られた吸水性樹脂粒子(3)100質量に、竹抽出物溶液をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液に0.5質量%添加した溶液を、0.7質量部添加したこと以外は実施例6と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(8)を得た。
[実施例9]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹抽出物溶液(商品名:ネオバンブス−2000、販売者:白井松新薬株式会社)をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液(商品名:FS−80MO、販売者:白井松新薬株式会社)に5.0質量%添加した溶液を0.2質量部と水2.0質量部を混合した溶液2.2質量部(竹抽出物と茶葉抽出物の混合水溶液)を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(9)を得た。
[実施例10]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹抽出物溶液(商品名:ネオバンブス−2000、販売者:白井松新薬株式会社)をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液(商品名:FS−80MO、販売者:白井松新薬株式会社)に50質量%添加した溶液を0.2質量部と水2.0質量部を混合した溶液2.2質量部(竹抽出物と茶葉抽出物の混合水溶液)を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(10)を得た。
[実施例11]
竹抽出物溶液をツバキ科植物の茶葉抽出物溶液に50質量%添加した溶液を、2.0質量部添加したこと以外は実施例10と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(11)を得た。
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹乾留抽出物0.05質量部、茶乾留抽出物0.02質量部と水2質量部を混合した溶液を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(12)を得た。
なお、実施例において使用した竹乾留抽出物は、竹(孟宗竹)の粉砕物を減圧乾留装置に供給して、圧力約20mmHg、温度約300℃の条件にて減圧乾留することによって得た。また、茶乾留抽出物は、茶葉の粉末を減圧乾留装置に供給して、圧力約20mmHg、温度約200℃の条件にて減圧乾留することによって得た。
[実施例13]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、ヘキサン酸(和光純薬工業株式会社社製:CAS−No.142−62−1)を1質量ppb、酪酸エチル(和光純薬工業株式会社社製:CAS−No.105−54−4)を1質量ppb、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(関東化学株式会社社製:CAS−No.2758−18−1)を1質量ppb、ジエチレントリアミン五酢酸三ナトリウムを0.01質量部、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(商品名:レオドールTW−S120V、販売者:花王株式会社)を0.002質量部、水を1.3質量部、エタノールを0.7質量部を混合した溶液2.0120003質量部を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(13)を得た。
[実施例14]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、ヘキサン酸(和光純薬工業株式会社社製:CAS−No.142−62−1)を10質量ppm、酪酸エチル(和光純薬工業株式会社社製:CAS−No.105−54−4)を10質量ppm、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(関東化学株式会社社製:CAS−No.2758−18−1)を10質量ppm、ジエチレントリアミン五酢酸三ナトリウムを0.01質量部、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(商品名:レオドールTW−S120V、販売者:花王株式会社)を0.002質量部、水を1.3質量部、エタノールを0.7質量部を混合した溶液2.015質量部を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(14)を得た。
[実施例15]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹乾留抽出物0.14質量部、エタノール0.06質量部と水2質量部を混合した溶液を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(15)を得た。
[実施例16]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹乾留抽出物0.047質量部、エタノール0.02質量部と水2質量部、さらに、茶乾留抽出物を0.02質量部添加した溶液を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、吸水性樹脂組成物(16)を得た。
[比較例1]
製造例1において、ジエチレントリアミン五酢酸三ナトリウムを使用しない以外は同様の操作を行い表面が架橋された比較吸水性樹脂粒子(1)を得た。
[比較例2]
比較例1において得られた比較吸水性樹脂粒子(1)100質量部に対して、ツバキ科植物の葉抽出物溶液(商品名:FS−80MO、販売者:白井松新薬株式会社)0.5質量部添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、比較吸水性樹脂組成物(1)を得た。
[比較例3]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹抽出物溶液(商品名:ネオバンブス−2000、販売者:白井松新薬株式会社)を0.00125質量部、水2.0質量部を混合した溶液2.00125質量部を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、比較用吸水性樹脂組成物(3)を得た。
[比較例4]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、ツバキ科植物の茶葉抽出物溶液(商品名:FS−80MO、販売者:白井松新薬株式会社)を0.25質量部、水2.0質量部を混合した溶液2.25質量部を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、比較用吸水性樹脂組成物(4)を得た。
[比較例5]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部を用いて、JP−B−3026080の実施例14と同様の方法により比較用吸水性樹脂組成物(5)を得た。具体的には、製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、ジデシルジメチルアンモニウムグルコン酸塩の30%水溶液を0.17質量部添加し、さらに「フレッシュシライマツ」(白井松新薬株式会社社製)を1.2質量部添加して30分間ナウターミキサーで均一に混合した。得られた吸水性樹脂粒子を目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、比較用吸水性樹脂組成物(5)を得た。
[比較例6]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、水を1.3質量部、エタノールを0.7質量部を混合した溶液2.0質量部を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、比較用吸水性樹脂組成物(6)を得た。
[比較例7]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、ヘキサン酸(和光純薬工業株式会社社製:CAS−No.142−62−1)を0.5質量部、酪酸エチル(和光純薬工業株式会社社製:CAS−No.105−54−4)を0.5質量部、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(関東化学株式会社社製:CAS−No.2758−18−1)を0.5質量部、ジエチレントリアミン五酢酸三ナトリウムを0.01質量部、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(商品名:レオドールTW−S120V、販売者:花王株式会社)を0.002質量部、水を1.3質量部、エタノールを0.7質量部を混合した溶液3.512質量部を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、比較用吸水性樹脂組成物(7)を得た。
[比較例8]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹乾留抽出物0.14質量部と水2質量部を混合した溶液を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、比較用吸水性樹脂組成物(8)を得た。
[比較例9]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、竹乾留抽出物0.5質量部と水2質量部を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、比較用吸水性樹脂組成物(9)を得た。
[比較例10]
製造例1で得られた吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、水2.0質量部、竹粉末1.0質量部を添加混合し、60℃の密閉した無風乾燥機内で1時間放置後、目開き850μmのJIS標準篩を通過させ、比較用吸水性樹脂組成物(10)を得た。なお、上記竹粉末は、竹パウダー(竹粉)(商品名、バン株式会社製)をハンマーミルを用いてさらに粉砕し、粒度500μmの篩を通過したものを使用した。得られた竹粉末の含水率は7.9質量%であった。
(吸収体の製造)
[実施例17]
実施例1で得られた吸水性樹脂組成物(1)2質量部と、木材粉砕パルプ2質量部とを、ミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上に広げ、直径90mmφの大きさのウェブに成形した。さらに、このウェブを圧力196.14kPa(2kgf/cm)で1分間プレスすることにより、坪量が約0.06g/cmの吸収体(1)を得た。
[実施例18]
実施例7で得られた吸水性樹脂組成物(7)を用いたこと以外は、実施例17と同様の操作を行い、吸収体(2)を得た。
[実施例19]
実施例13で得られた吸水性樹脂組成物(13)を用いたこと以外は、実施例17と同様の操作を行い、吸収体(3)を得た。
[実施例20]
実施例14で得られた吸水性樹脂組成物(14)を用いたこと以外は、実施例17と同様の操作を行い、吸収体(4)を得た。
[比較例11]
比較例2で得られた比較用吸水性樹脂組成物(2)を用いたこと以外は、実施例17と同様の操作を行い、比較用吸収体(1)を得た。
[比較例12]
比較例3で得られた比較用吸水性樹脂組成物(3)を用いたこと以外は、実施例17と同様の操作を行い、比較用吸収体(2)を得た。
[比較例13]
比較例6で得られた比較用吸水性樹脂組成物(6)を用いたこと以外は、実施例17と同様の操作を行い、比較用吸収体(3)を得た。
[比較例14]
比較例7で得られた比較用吸水性樹脂組成物(7)を用いたこと以外は、実施例17と同様の操作を行い、比較用吸収体(4)を得た。
[比較例15]
比較例10で得られた比較用吸水性樹脂組成物(10)を用いたこと以外は、実施例17と同様の操作を行い、比較用吸収体(5)を得た。
(物性値の測定方法)
(a)粒度
WO2004/069404に記載の測定方法に準じて測定した。すなわち、吸水性樹脂を850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、および45μmのJIS標準ふるい(JIS Z8801−1(2000))ないしこれらに相当するふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。そして、R=50重量%に相当する粒径を重量平均粒子径(D50)として読み取った。また、対数標準偏差(σζ)を下記数式1より算出した。σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
Figure 0005558102
式中、XはR=84.1%に相当する粒径を表し、Xは15.9%に相当する粒径を表す。
(b)加圧下吸収倍率(AAP:Absorbency Against Presure)
EDANA(European Disposables And Nonwovens Association)規格のERT442.1−99(Feb99)に準じて、加圧下吸収倍率を測定した。なお、測定に際しては、ピストンを含め1.9kPaまたは4.9kPaの荷重を均一に加え、1.9kPaまたは4.9kPa下での加圧下吸収倍率(g/g)を測定した。なお、本明細書においては、1.9kPa下での加圧下吸収倍率をAAP1.9とも表し、4.9kPa下での加圧下吸収倍率をAAP4.9とも表す。
(c)遠心分離機保持容量(CRC:Centrifuge Retension Capacity)
遠心分離機保持容量(「無加圧下吸収倍率」とも称する)は0.90質量%食塩水に対する無加圧下で30分の吸収倍率を表す。吸水性樹脂組成物0.200gを不織布製(南国パルプ工業株式会社製、商品名:ヒートロンペーパー、型式:GSP−22)の袋(85mm×60mm)に均一に入れてヒートシールした後、室温で大過剰(通常500ml程度)の0.90質量%食塩水(塩化ナトリウム水溶液)中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン製、型式:H−122)を用いてERT441.1−99(Reb99)に記載の遠心力(250G)で3分間水切りを行った後、袋の質量W(g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂組成物を用いずに行い、その時の質量W(g)を測定した。そして、これらW、Wから、下記数式2に従って遠心分離機保持容量(g/g)を算出した。
Figure 0005558102
(d)水可溶性重合体量(「可溶分量」または「可溶分」とも称する)
EDANA規格のERT470.1−99(Feb99)に準じて測定した。すなわち、200mlの0.9%食塩水中で1.000gの吸水性樹脂組成物を3cmのスターラーで16時間500rpm攪拌したのち、濾液中の抽出物である水溶性ポリマー(Extractables)をpH滴定した。製造例1で製造した吸水性樹脂および実施例1〜16で製造した吸水性樹脂組成物の水可溶性重合体量は、全て15質量%以下であった。
(e)吸水性樹脂組成物の表面色評価
吸水性樹脂組成物の着色評価は、日本電色工業株式会社製の分光式色差計SZ−Σ80COLOR MEASURING SYSTEMを用いた反射測定によって行った。測定には、内径30mmmかつ高さ12mmの付属の粉末・ペースト用容器を用い、標準として粉末・ペースト用標準丸白板No.2を用い、30Φ投光パイプを使用した。備え付けの粉末・ペースト用容器に約5gの吸水性樹脂組成物を充填し、色差計にてWB値を測定した。
(f)残存モノマー
吸水性樹脂組成物の残存モノマー(残存アクリル酸(塩))量(質量ppm)は、攪拌を2時間としたこと以外は上記(d)と同様の方法を用いて調製した濾液を、液体クロマトクラフィーでUV分析することで測定した。また、乾燥前の含水ゲルの残存モノマーは、樹脂固形分約500mg分を含む細分化された含水ゲルを16時間攪拌して、その濾液を同様に液体クロマトクラフィーでUV分析し、固形分補正することで求めた。製造例1で製造した吸水性樹脂および実施例1〜16で製造した吸水性樹脂組成物の残存モノマーは、全て300質量ppm以下であった。
(g)消臭試験
成人20人より集めた人尿50mlを蓋付きの120mlのポリプロピレンカップに入れ、これに吸水性樹脂組成物2.0gを添加することにより膨潤ゲルを形成した。人尿は排泄後2時間以内のものを用いた。この容器に蓋をし、膨潤ゲルを37℃に保った。液吸収から6時間後に蓋を開け、カップの上部から約3cmの位置から成人20名のパネラーが臭いをかぐことにより、消臭効果を判定した。判定は、下記の6段階の判定基準を用いて行い、全員の合計点の平均値を求めることによって評価した。なお、吸水性樹脂組成物を添加せず人尿だけで、同様の操作を行ったものを標準品とし、その臭いを5として消臭効果を評価した。
0:無臭
1:やっと感知できるにおい
2:感知できるが許容できる臭い
3:楽に感知できる臭い
4:強い臭い
5:強烈な臭い
(h)抗菌試験−A
大腸菌(IFO3806)を用い、抗菌性の有無を確認した。37℃で1日後に大腸菌の増殖が比較対照より大腸菌数の増殖が少ないものを抗菌性有りとした。
(i)抗菌試験−B
大腸菌(IFO3806)を用い、抗菌性の有無を確認した。培養した菌液を吸水性樹脂組成物に添加し、室温で6時間放置後の生残菌数を測定し、比較対照より大腸菌数の増殖が少ないもの(生残菌数が比較対照に対して2桁以上の減菌されている場合)を抗菌性有りとした。
(j)抗菌試験−C
吸水性樹脂組成物0.5gに前培養した菌液1mlを添加した。室温にて6時間放置後、1%−TWEEN60配合滅菌生理食塩水40mlにて菌を洗い出し、生残菌数を測定した。培地は標準寒天培地とし、10倍段階希釈を行い、寒天平板塗抹法にて菌数測定を行った。培養は35℃で48時間行い、使用菌種は大腸菌(IFO3806)を用いた。
(k)耐尿性評価
まず、生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水溶液)に対して、L−アスコルビン酸を0.05質量%添加し、評価液を調製した。吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物2gを120mlの蓋付きポリプロピレン製容器(内径54mm)に入れ、評価液を加え含水ゲルを得た。この含水ゲルを、蓋を閉めて密封下で恒温恒湿機中(温度37℃、相対湿度90%の雰囲気)で放置した。
放置開始から16時間後および20時間後において、含水ゲルの状態を目視で観察した。含水ゲルが崩壊せず安定した状態を○、含水ゲルが一部崩壊ないし溶液化し、曳糸性を発現した状態を△、含水ゲルが完全に崩壊し、溶液化した状態を×として耐尿性を評価した。
(l)悪臭除去試験−A(硫化水素除去率測定試験)
400ml密閉容器に吸水性樹脂組成物5.0gと生理食塩水25mlを入れ10分間放置し膨潤ゲルを作成した。その後、硫化水素ガス0.1μlを注入し密閉(容器内濃度が210ppmに調整)した。そして、室温にて3時間放置後の残留ガス濃度をガスクロマトグラフィーにより分析した。また、空試験として、400mlの密閉容器に、所定量の硫化水素ガスのみ注入し、室温にて3時間放置後の残留ガス濃度をガスクロマトグラフィーにより分析した。本試験における除去率は、空試験に対しての残留ガス濃度の減少割合で算出した。
(m)悪臭除去試験−B(メチルメルプタン除去率測定試験)
400ml密閉容器に吸水性樹脂組成物5.0gと生理食塩水25mlを入れ、0.03%メチルメルカプタンナトリウム水溶液1mlを注入し密閉(容器内濃度が18ppmに調整)した。そして、室温にて3時間放置後の残留ガス濃度をガスクロマトグラフィーにより分析した。また、空試験として、400mlの密閉容器に、所定量のメチルメルカプタンナトリウム水溶液のみ注入し、室温にて3時間放置後の残留ガス濃度をガスクロマトグラフィーにより分析した。本試験における除去率は、空試験に対しての残留ガス濃度の減少割合で算出した。
(n)含水率
EDANA規格のERT430.2−02(2002)に従い、吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物の含水率を測定した。製造例1で製造した吸水性樹脂および実施例1〜16で製造した吸水性樹脂組成物の含水率は、全て3質量%以下であった。
(o)吸収体性能評価
吸収体としての性能を評価するために吸収体を作成し、戻り量評価を行った。
まず、評価用の吸収体を以下の方法によって作製した。
吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物2質量部と、木材粉砕パルプ2質量部とを、ミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上に広げ、直径90mmφの大きさのウェブに成形した。さらに、このウェブを圧力196.14kPa(2kgf/cm)で1分間プレスすることにより、坪量が約0.06g/cmの評価用吸収体を得た。
続いて、戻り量評価を以下の方法により行った。
内径90mmφのSUS製シャーレの底に上記評価用吸収体、その上に直径90mmφの不織布を敷いた。続いて、4.8kPaの荷重が吸収体に均等にかかるように調整されたピストンとおもりを置いた。このピストンとおもりは、中心部分に直径5mmの液投入口を装備しているものを使用した。次いで、生理食塩水(0.90質量%の塩化ナトリウム水溶液)25mlを該評価用吸収体の中心部に注ぎ入れ、吸液させた。30分後、さらに生理食塩水(0.90質量%の塩化ナトリウム水溶液)25mlを該評価用吸収体の中心部に注ぎ入れ、さらに30分間吸液させた。30分後、4.8kPaの荷重が吸収体に均等にかかるように調整されたピストンとおもりを取り除き、予め総重量(W(g))を測定した外径90mmφの濾紙(No.2、トーヨー濾紙株式会社製)30枚を評価用吸収体の上に、さらに外径90mmφで上記吸収体、不織布および濾紙に均一に荷重がかかるピストンとおもり(ピストンとおもりの総和が20kg)を濾紙上すばやく置き、10分間荷重をかけて上記濾紙に液の戻り分を吸液させた。その後、30枚の濾紙の重量(W(g))測定し、下記数式3から10分戻り量を測定した。
Figure 0005558102
(p)吸収体耐尿性評価
吸収体としての性能を評価するために吸収体を作製し、戻り量評価を行った。
まず、評価用吸収体を上記(o)と同様の方法で作製した。
次に、内径90mmφのSUS製シャーレの底に上記評価用吸収体、その上に直径90mmφの不織布を敷いた。続いて、4.8kPaの荷重が吸収体に均等にかかるように調整されたピストンとおもりを置いた。このピストンとおもりは、中心部分に直径5mmの液投入口を装備しているものを使用した。次いで、L−アスコルビン酸入り生理食塩水(塩化ナトリウム:90質量部、L−アスコルビン酸:0.5質量部、脱イオン水:909.95gを混合して作成)25mlを該評価用吸収体の中心部に注ぎ入れ、吸液させた。30分後、さらにL−アスコルビン酸入り生理食塩水(塩化ナトリウム:90質量部、L−アスコルビン酸:0.5質量部、脱イオン水:909.95gを混合して作成)25mlを該評価用吸収体の中心部に注ぎ入れ、さらに30分間吸液させた。SUS製シャーレに蓋をして密閉し、吸液させた吸収体を37℃で10時間後、4.8kPaの荷重が吸収体に均等にかかるように調整されたピストンとおもりを取り除き、予め総重量(W(g))を測定した外径90mmφの濾紙(No.2、トーヨー濾紙株式会社製)30枚を評価用吸収体の上に、さらに外径90mmφで上記吸収体、不織布および濾紙に均一に荷重がかかるピストンとおもり(ピストンとおもりの総和が20kg)を濾紙上すばやく置き、10分間荷重をかけて上記濾紙に液の戻り分を吸液させた。その後、30枚の濾紙の重量(W(g))測定し、下記数式4から10分戻り量を測定した。
Figure 0005558102
(q)吸収体消臭性能評価
吸収体としての性能を評価するために吸収体を作製し、吸収体の消臭性能評価を行った。
まず、評価用吸収体を上記(o)と同様の方法で作製した。
得られた評価用吸収体をガラスシャーレ(内径120mmφ)に置き、成人20人より集めた人尿50mlを添加した後即座に蓋をして密閉し、37℃で3時間放置することにより、人尿を吸収した吸収体を形成させた。人尿は排泄後2時間以内のものを用いた。液吸収から3時間後に蓋を開け、吸収体から約5cmの位置から成人20名のパネラーが臭いをかぐことにより、消臭効果を判定した。判定は、下記の判定基準を用いて各人6段階で得点を記載し平均値を求めた。なお吸水性樹脂組成物を添加せず人尿だけで、同様の操作を行ったものを標準品とし、その臭いを5として消臭効果を評価した。
0:無臭
1:やっと感知できるにおい
2:感知できるが許容できる臭い
3:楽に感知できる臭い
4:強い臭い
5:強烈な臭い
(r)抗菌試験−D(吸収体の抗菌試験)
大腸菌(IFO3806)を用い、抗菌性の有無を確認した。吸収体に培養した菌液を添加し、室温で6時間放置後の生残菌数を測定し、比較対照より大腸菌数の増殖が少ないもの(生残菌数が比較対照に対して2桁以上の減菌されている場合)を抗菌性有りとした。
(s)目視による評価
作製した吸収体について、目視による評価を行った。吸収体中の吸水性樹脂組成物およびパルプの混合物において、吸収性樹脂組成物の色調がパルプの色調と明らかに異なり、異物のように認識されたものを異物感有りとし、確認されないものを異物感無しと判断した。
製造例1で製造した吸水性樹脂ならびに実施例1〜16および比較例1〜10で製造した吸水性樹脂組成物の物性を上記(a)〜(n)に従って測定し、その性能を評価した。結果を下記表1および2に示す。
Figure 0005558102
Figure 0005558102
また、実施例17〜20および比較例11〜12で製造した吸収体の物性を上記(o)〜(s)に従って測定し、その性能を評価した。結果を下記表3に示す。
Figure 0005558102
表1〜3に示すように、茶抽出物と竹抽出物を両方使用することで、抗菌性と消臭性が著しく向上することが示された。さらに、表3に示すように、耐尿性も著しく向上することがわかった。
また、ヘキサン酸、酪酸エチル、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンを使用することで、抗菌性および消臭性、耐尿性、ならびに色合いが向上することが示された。さらに、表3より、吸収体においても、抗菌性および消臭性、耐尿性、ならびに色合いが著しく向上することが示された。
さらに、竹抽出物のアルコール溶液を使用することで、アルコールを使用していない場合と比べて顕著な消臭性および抗菌性が発揮できることが示された。
なお、本出願は、2007年10月10日に出願された日本国特許出願第2007−264662号、2008年4月14日に出願された日本国特許出願第2008−104250号、2008年9月3日に出願された日本国特許出願第2008−225857号、および2008年9月3日に出願された日本国特許出願第2008−225858号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

Claims (9)

  1. ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を主成分とする吸水性樹脂と、へキサン酸(塩)、酪酸エチル、および3−メチル−2−シクロペンテン−1−オンからなる群から選択される少なくとも2種の化合物とを含む吸水性樹脂組成物。
  2. 茶抽出物をさらに含む、請求項1に記載の吸水性樹脂組成物。
  3. 竹抽出物をさらに含む、請求項1または2に記載の吸水性樹脂組成物。
  4. キレート剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  5. 無機粉末または有機粉末をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  6. 多価金属塩をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  7. 界面活性剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  8. 1.9kPaまたは4.8kPa下での0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率(AAP)が20(g/g)以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  9. 150μm未満の粒子が0〜5質量%であり、質量平均粒子径(D50)が200〜600μmであり、かつ粒度分布の対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.40である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
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