JP4650955B2 - 磁気泳動反転表示パネルおよび磁気泳動反転表示方法。 - Google Patents

磁気泳動反転表示パネルおよび磁気泳動反転表示方法。 Download PDF

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Description

本発明は磁気泳動反転表示パネルおよび磁気泳動反転表示方法に関し、さらに詳しくは、磁石により微小磁石を泳動及び\又は泳動反転させて表示を形成し、さらに裏面から消去用磁石により微小磁石を引き寄せて表示を消去する、磁気泳動反転表示パネルおよび磁気泳動反転表示方法に関し、また磁石により表示を形成した微小磁石を同じ面から他の磁極の磁石により表示を形成した微小磁石を再反転させて表示色を変化させ、さらに裏面から消去用磁石により微小磁石を引き寄せて表示を消去する、磁気泳動反転表示パネルおよび磁気泳動反転表示方法に関する。
従来、磁気により表示を行うことができる磁気表示パネルを用いた磁気表示システムは知られており、該磁気表示システムとしては、特許文献1に挙げられるような磁性粒子を泳動させて表示を行う磁気泳動表示パネルや特許文献2に挙げられるような磁性粒子を反転させて表示を行う磁気反転表示パネルが提案されている。前記磁気泳動表示パネルいわゆる泳動型は、図6に示したように、筆記前に磁気泳動表示パネルの裏面板(11)側全面を消去用磁石(4)でスライドし磁気パネル中の磁性粒子(13)を裏面板(11)側に引き寄せ、表面板(10)側を均一な面としてから、その表面板(10)側に筆記用磁石(5)を走査させ、部分的に磁性粒子(13)を表面板(10)側に引き寄せることにより磁気表示を得るという表示方法である。このような磁気表示を消去する場合には、磁気泳動表示パネルの裏面板(11)側で消去用磁石(4)をスライドさせ、表面板(10)側の磁性粒子(13)を裏面板(11)側に引き戻し、該磁気泳動表示シートの表面板(10)側に筆記された磁気表示を消去するものである。
しかしながら、このような表示・消去方法では、磁気泳動表示パネルに筆記された磁気表示は、裏面板(11)側から消去するため、磁気表示の所望の部分のみを消去するということが難しく、非常に不便であり、その用途も限られていた。また、マグネタイト粒子に代表されるような単色(黒色)の略球状粒子を用いているため、単一色の磁気表示しか得られなかった。一方、前記磁気反転表示パネル、いわゆる反転型は、図7に示したように、筆記前に磁気反転表示パネルの表面板(10)側から特定の磁極を有する消去用磁石で磁気パネル中の微小磁石(2)の同一極をパネル表面板(10)側に向かせ、表面板(10)側を均一な面としてから、同じ表面板(10)側に反対の磁極を有する筆記用磁石(5)などを用いて微小磁石を部分的に反転させ、筆記用磁石(5)を作用させた磁極とは逆の磁極の微小磁石(2)の色を表示させることにより磁気表示を得るという表示方法である。このような磁気表示を消去する場合に、同じ表面板(10)側から消去を行うので、所望の部分のみの消去が可能で、裏面板(11)側を磁石でスライドさせることのできない用途などに用いることができるなど、利用範囲が広がっているものの、磁気反転表示パネルに筆記された磁気表示は、表裏を2色に色分けした微小磁石(2)の2色の色調に支配され、かつ、微小磁石(2)の表裏の色調をより忠実に表現するために分散媒としては透明な液体を用いる必要があった。すなわち、微小磁石(2)の表裏の色調である、筆記前の均一状態の色調と、筆記用磁石による磁気表示の色調の2色表示しか得られなかったのである。
特公昭62−53359号公報 特公昭59−32796号公報
そこで、本発明は磁石により微小磁石を泳動及び\又は泳動反転させて表示を形成し、
同じ面から磁石により微小磁石を再反転させて表示色を変化させ、さらに裏面から消去用磁石により微小磁石を引き寄せて表示を消去することにより背景以外に2色の表示、つまり3色の磁気表示を行うことができる磁気泳動反転表示パネルおよびそれを用いた磁気泳動反転表示方法を提供する。
上記課題は、以下の構成により解決される。
)少なくとも、着色材を含有し、該着色材によって第1の色調を示す分散媒であって、微小磁石を裏面側に引き寄せたときに微小磁石を隠蔽して第1の色調を表示する分散媒中に、磁極の色が異なりまた分散媒の色とも異なる微小磁石を分散して得られた降伏値を有する分散液体と、該分散液体を保持する支持材とを備えた磁気泳動反転表示パネルであって、微小磁石を裏面側に引き寄せ分散媒による第1の色調を表示させたパネル表面の筆記したい部分に特定の磁極を選択して表面側から外部磁界を作用させることにより該分散液体中の微小磁石を泳動及び\又は泳動反転させ、該微小磁石の選択した外部磁界の磁極とは反対の磁極面である特定面の第2または第3の色調を表示させることで、外部磁界の磁極の選択により第1の色調とは別の二色の表示色を選択的に表現する第2又は第3の色調の筆跡を得ることができることを特徴とする、磁気泳動反転表示パネルである。
)前記磁気泳動反転表示パネルの裏面側から消去用磁石を作用させることにより前記選択的に表現する筆跡を消去することができることを特徴とする上記(1)記載の磁気泳動反転表示パネルである。
)分散液体に含有する着色材が所望の色調を有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載された磁気泳動反転表示パネルである。
)蛍光着色剤を分散媒及び/又は微小磁石に配合した、上記(1)ないし()の何れかに記載された磁気泳動反転表示パネルである。
)上記(1)ないし()の何れかに記載された磁気泳動反転表示パネルを用い、筆記用外部磁石を作用させ、微小磁石を泳動及び\又は泳動反転させて該微小磁石の特定面の色調を表示させて筆跡を形成し、ついで同じ面から前記の筆記用外部磁石の磁極と反対の磁極の磁界を、筆跡を形成していない他の微小磁石を泳動させない範囲で作用させることにより筆跡を形成した微小磁石を反転させ、筆跡の色調を変化させることを特徴とする磁気泳動反転表示方法である。
本発明は磁石により微小磁石を泳動及び\又は泳動反転させて表示を形成し、同じ面から磁石により微小磁石を再反転させて表示色を変化させ、さらに裏面から消去用磁石により微小磁石を引き寄せて表示を消去することにより背景以外に2色の表示、つまり3色の磁気表示を行うことができる磁気泳動反転表示パネルおよびそれを用いた磁気泳動反転表示方法を提供するという効果を奏する。
本発明の磁気泳動反転表示パネルは、少なくとも、着色材を含有し、該着色材によって第1の色調を示す分散媒であって、微小磁石を裏面側に引き寄せたときに微小磁石を隠蔽して第1の色調を表示する分散媒中に、磁極の色が異なる微小磁石を分散して得られた降伏値を有する分散液体(3)と、該分散液体を保持する支持材とを備えたものである。このような構成にすることなどで3色の磁気表示が得られるのである。
すなわち、図1に示したように、第1の色調は、消去用磁石(4)を用いて裏面板(11)側に微小磁石(2)を引き寄せた際には微小磁石(2)を除く分散液体(3)成分が着色されており、該微小磁石(2)を隠蔽するので、表面板(10)側から見ると、画一的な分散媒の色調の表示として得られる[図1(a)]。第2の色調は、筆記したい部分に筆記用磁石(5)の特定の磁極を選択して外部磁界を作用させることにより該分散液体(3)中の微小磁石(2)を泳動及び\又は泳動反転させ、該微小磁石(2)の特定面(例えばN極面)の色調を表示させることで得られる[図1(b)]。
さらに第3の色調は、該磁気表示による筆跡を得た後、前記特定面の色調が表示された筆跡に対して、反転磁石(6)による反対の磁極の磁界を筆跡を形成していない他の微小磁石(2)を泳動させない範囲で作用させることにより、筆跡を形成している任意の部分の微小磁石(2)を反転させ、筆跡の形態を変えることなく筆跡の任意の部分の色調を変化させることにより得られる[図1(c)]。
もっとも、この筆跡色は第2と第3の色調を得る際の外部磁界の磁極を反対にすれば反対に表示することができることはいうまでもない。上記、多色表示を行う際には、泳動及び\又は泳動反転させる際に使用する外部磁界、すわなち筆記用磁石(5)等と、表示色反転に用いる反転磁石(6)の磁気特性等をうまくコントロールすることで、泳動と反転による多色表示を制御することができる。
つまり、微小磁石(2)が泳動するためには微小磁石(2)が本発明の磁気泳動反転表示パネルの一例として挙げた図1における仕切板(12)によってパネル支持材の分散液体が封入されるセルの高さ分だけ液中抵抗等に逆らって引き寄せられなければならない。特に重力に逆らう場合にはその分抵抗が加算される。従って、筆記時には比較的強い外部磁石が選択される。その際、N極、S極のどちらの磁極が選択されるかによって磁気表示色が決定される。微小磁石(2)は表裏を異なる磁極とし、異なる色に着色したものであるからである。
その表示の際の微小磁石(2)の動作状態は、筆記用磁石(5)との関係で異極がパネル表示面を向いていた場合はそのまま泳動し、表面にその表示色を現し、同極が向いていた場合には反転しつつ泳動し、逆の色調の表示を現すこととなるのである。(図2)
また、本発明においては、前記特定面の色調が表示された筆跡に反転磁石(6)による反対磁極の磁界の作用を与えることにより筆跡を形成した任意の部分の微小磁石(2)を反転させ、筆跡の形態を変えることなく筆跡の任意の部分の色調を変化させることが可能である。この際、表示されている筆跡の任意の部分の微小磁石(2)のみが反転し、色調が変化するためには、受ける磁界により筆跡を形成していない他の微小磁石(2)が泳動しない範囲で表示されている筆跡の任意の部分の微小磁石(2)のみが反転するようコントロールする必要がある。つまり、比較的弱い磁界の作用を受けた際に、他の微小磁石(2)が泳動しない範囲で表示された筆跡のみ、すなわち表示面側に泳動していた微小磁石(2)のみが反転するよう制御することで達成される。
従って、このような使い方をした場合、任意の色調を選択して任意の筆跡を得つつ、得られた筆跡の任意の部分のみの色調を変化させる多色表示を得ることができるのである。本発明のパネルの使用に用いる消去用磁石(4)は微小磁石(2)を表示面側から裏面側に引き寄せられればよく、そのための磁力を備えていれば、その磁極は特に問わない。裏面側に引き寄せられた微小磁石(2)は表示面から見た際には微小磁石(2)を除く分散液体の成分により隠蔽されており、どちらの面が表示面側を向いていても特に問題がないからである。
一般的に磁石などを構成する磁性材料はその保磁力の強さなどにより概略、硬質磁性材
料、半硬質磁性材料、軟質磁性材料に分類される。磁性材料の保磁力は0.001kA/mから1000kA/mまでと大きな幅を持つといわれている。その中で、軟質磁性材料は0.01kA/m以下と極端に小さな保磁力を有するものを指し、ハードディスクの磁気記録用ヘッドやトランスなど電力機器用磁心などに用いられている。一方、硬質磁性材料は、保磁力が大きく、磁気ヒステリシス曲線の張り出しの大きいものを指し、いわゆる永久磁石として用いられている。
保磁力が硬質磁性材料と軟質磁性材料の中間的な値のものを半硬質磁性材料といい、10〜100kA/m近傍のものが多く、ハードディスクの記録用ディスクや磁気テープなどの磁気記録材料に用いられている。一般的に磁気表示パネルに用いられている外部磁界を与える磁石としては、永久磁石が用いられており、上記のような磁性材料の中で、保磁力の大きないわゆる硬質磁性材料が使用される。その表面磁束密度としては、40〜350mT程度の磁力を有するものが用いられており、泳動型磁気パネルの消去用磁石としては40〜70mT程度、筆記用磁石としては、100〜350mT程度のものが用いられている。
また、反転型磁気パネルの消去用磁石としては60〜90mT程度、筆記用磁石としては、80〜110mT程度のものが用いられている。ここで、反転型磁気パネルに使用する場合、泳動型磁気パネルに使用する場合に比べると比較的弱い磁石を用いていることがわかる。表示をおこなう素子が微小な磁石よりなることから、微小磁石の磁極を壊さない範囲で選択する必要があるためである。なお、筆記用磁石に比べて消去用磁石の表面磁束密度が低いのは、筆記用磁石が、筆記の際、一度の磁界の作用で確実に磁性粒子または微小磁石に磁界を与える必要があるため、磁束が集中した比較的強いものを選択されるのに対し、消去用磁石は、必ずしも一度で消去させることを優先させるのが所望の消去用磁石とならないこともあり、消去するために比較的幅広い範囲に磁界を作用させるためやより微小磁石を保護するために比較的弱い磁石を用いていることによる。
つまり、微小磁石保護の観点から見れば、微小磁石の磁気特性設計は消去用磁石ではなく、筆記用磁石の表面磁束密度等の磁気特性に着目することが重要となる。ここで、上記各磁性材料による表面磁束密度によれば、それぞれ以下のような磁性材料の保磁力に対応する。すなわちそれが微小磁石の耐久力ともいえるものとなる。上記の表面磁束密度は、全体的には32〜278kA/m程度の保磁力に相当し、泳動型磁気パネルの消去用磁石は32〜56kA/m程度、筆記用磁石は80〜278kA/m程度、反転型磁気パネルの消去用磁石は48〜72kA/m程度、筆記用磁石は64〜87kA/m程度のものに相当する。したがって、本発明における泳動反転型磁気パネルに使用されるには、従来の反転型磁気パネルに使用する場合と同様、表示をおこなう素子が微小磁石よりなることから、筆記用磁石としては微小磁石の磁極を壊さない範囲で選択する必要があるため比較的弱い80〜110mT程度の磁石が選択されることとなる。
一方、本発明で用いる微小磁石はN極とS極の二磁極を夫々異なる色に着色して色分けしたものである。上記のように、この微小磁石が外部磁界の作用により泳動および反転して表示を形成するのである。例えば、微小磁石が裏面側に集まっており、表示面が有色の分散媒等の色調になっている時に、筆記用磁石のS極でパネルの表示面を掃くと微小磁石が裏面側から表面側に泳動しつつ、N極面がパネル表面に並びN極面の色となる。この面を別の磁力の弱い磁石のN極で掃くと、表面側に泳動していた微小磁石のみが反転して微小磁石のS極面が表われ、表示形状を保持したまま表示色を変化させることができる。次いで、裏面側から比較的強い消去用磁石により走査すれば微小磁石が裏面側に泳動し表示は消えるのである。
すなわち、本発明は筆記用磁石の磁極を選択することにより、選択的に2色の筆記が可能となるとともに、反転用磁石の磁極を選択することにより、これら2色の筆記部分を、
他色に反転することが可能となるものである。
本発明においては、上述の選択的に2色の筆記が可能で、さらにこれら2色の筆記部分を他色に反転可能という知見からなされたものであって、各極性に対応する2色の端面をもつ微小磁石と、比較的強い筆記用の外部磁石と消去用の外部磁石、並びに弱い磁力の反転用の外部磁石の組合せにより達成されるものである。
さらに良好な筆記、つまり泳動表示を行うためには中でも比較的強い外部磁石が必要な一方で、良好な反転表示を行うには反転させようとする部分以外の微小磁石を泳動させないようにし、かつ微小磁石の磁極を壊さないようにするため、上述のような比較的弱い磁石を選択するという相反する条件を満たすことが好ましい。
微小磁石に用いられる材料としては、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトなどの六方晶マグネトプランバイト型フェライト、サマリウムコバルト、セリウムコバルト、イットリウムコバルト、ブラセオジウムコバルト等の希土類コバルト、ネオジム合金、サマリウム−鉄−窒素合金、ネオジム系ナノ結晶スプリング磁粉、マグネタイト、マグヘマタイト、コバルト被着マグネタイト、コバルト被着マグヘマタイト、マンガンジンクフェライト、ニッケルジンクフェライト、鉛フェライト、希土類フェライト、二酸化クロムなどが挙げられる。
また微小磁石自体の保磁力は、4.0kA/m(50.3Oe)以上600kA/m(7560Oe)以下、好ましくは4.0kA/m(50.3Oe)以上310kA/m(3900Oe)以下、より好ましくは12.0kA/m(150.9Oe)以上80kA/m(1006Oe)以下であるとさらに良好な効果を奏する。
この範囲を下回ると低保磁力材を単独で用いた際のように微小磁石の反転性不良となる傾向があり、微小磁石の磁極面がパネル表示面側に均一に平行配列せず、表示が不鮮明、または不可能となる傾向がある。また、外部磁石の選択によっては強い磁石を用いた場合に、微小磁石の磁極が破壊されやすくなってしまうことも挙げられる。
反対にこの範囲を上回ると、結果的に得られる微小磁石自体の表面磁束密度が大きくなりすぎて、微小磁石同士の凝集を起こしてしまうほか、外部磁界の影響をより敏感に受けやすくなる傾向にあり、やはり微小磁石の凝集を起こし、上記の不具合が発生しやすくなる傾向がある。
また、微小磁石の単位質量あたりの磁気特性が以下のa)、b)からなるものであると良好である。
a)残留磁化・・・1〜35A・m2/kg(1〜35emu/g)
b)飽和磁化・・・1〜100A・m2/kg(1〜100emu/g)
残留磁化は、微小磁石が外部磁界に対し、極力迅速にその方向を変えるために必要となるもので、微小磁石の反転性に大きく寄与するものであり、この範囲を下回ると微小磁石が反転しない傾向があり、上回ると微小磁石同士が凝集してしまう傾向がある。飽和磁化は、微小磁石が外部磁界により確実に磁気的に吸引される磁気感応力を生ずるためのもので、主に微小磁石の泳動性に寄与し、この範囲を下回ると微小磁石が泳動しない傾向があり、上回ると微小磁石が凝集してしまう傾向がある。
さらに好ましい磁気特性は以下のようになる。
a’)残留磁化・・・3〜16A・m2/kg(3〜16emu/g)
b’)飽和磁化・・・5〜40A・m2/kg(5〜40emu/g)
本発明で使用する微小磁石は、S極面とN極面を異なる色で着色されていれば、形状は特に限定されないが、いわゆる磁気ペンで書いたときの表示形成性と形成された表示の鮮明性から色分けした微小磁石が、特定の色の合成樹脂および/または合成ゴム組成物に磁性材を分散した層の片面に他の色の着色組成物を塗布した層状体を裁断または粉砕してな
るものが好ましい。
あるいは、着色した金属蒸着層の上に磁性材を分散した層を設け、裁断または粉砕してなるもの、微小磁石が特定の色の合成樹脂および/または合成ゴム組成物に磁性粒子を分散した層の片面に他の色の着色シートをラミネートした層状体を裁断または粉砕してなるものなども好ましい例である。
微小磁石を分散した分散液体は、着色材を含有し、有色であって、特定の降伏値を持つのが好ましい。有色である理由は、上記のように微小磁石が裏面側に泳動したときに表示を消去する、つまり、表面側から離間し、裏面側に泳動した微小磁石の色調を隠蔽し、確実に泳動表示・消去を行うためである。なお、この際、完全に隠蔽することで微小磁石の色調を隠蔽することもできるし、補色関係にある色調の利用などにより実質上微小磁石の表現色を消去することもできる。
着色材としては各種顔料や染料などが適宜選択される。降伏値は、分散液体中の微小磁石が適正に分散されるためと沈降防止に必要となるものである。
すなわち、0.15〜7.5N/m2、さらに好ましくは0.3〜5.0N/m2程度の分散液体であることが好ましい。これらの物性値を得るには、従来の手法が適宜用いられ、分散媒、増稠剤、着色材、帯電防止剤などを適宜配合することにより得られる。また、粘度は、表示パネルに磁界を作用させた時にその部分のみ泳動または反転するのに必要となるもので、粘度3〜350mPa・s程度の分散液体であることが好ましい。
前記分散液体を保持する支持材としては特に限定されず、間隔を設けて配設し二枚の周辺を封じた支持体、この二枚の基板間に略六角形のハニカムセルを配置した支持体、基板にカプセルを配置した支持体等が適宜使用される。
以下、本発明の実施の形態について磁気泳動反転表示パネルの例を挙げ、図面により本発明を具体的に説明する。
図3に示すように、パネル(1)の裏面から消去用磁石(4)を用いて裏面側に微小磁石(2)を引き寄せ、筆記の準備をする。
その際には微小磁石(2)を除く分散液体成分が着色されており、該微小磁石(2)を隠蔽するので、画一的な分散媒の色調が表示(7)として得られた(第1の色調)。
次に、図4のように筆記したい部分をパネル表面から比較的強い筆記用磁石(5)のS極でパネル(1)の表示面を掃き、微小磁石(2)を裏面側から表示面側に泳動しつつ(一部反転)、微小磁石(2)のN極面をパネルの表示面側に並ばせN極面の色調の筆跡(8)を得た(第2の色調)。
さらに、図5のようにこの面を別の磁力の弱い反転磁石(6)のN極で掃くと、表示面側に泳動していない微小磁石(2−B)を引き寄せることなく、表示面側に泳動していた微小磁石(2−A)のみが反転して、該泳動していた微小磁石(2−A)にて構成されるS極面による筆跡(9)が表われ、表示形状を保持したまま表示色を変化させることができた(第3の色調)。
そして、最後に裏面側から比較的強い消去用磁石(4)により走査し、微小磁石(2)を裏面側に泳動させ表示を消すことができた(第1の色調)。
上記磁気泳動反転表示パネルおよびそれを用いた磁気泳動反転表示方法によれば、背景色の上に微小磁石の表裏の色調である2色の表示ができ、分散媒等の微小磁石を除いた分散液体成分の色調と併せて、3色の表現が可能となる画期的なものである。また、その磁気表示については、任意の筆跡の任意の部分を選択して色を変えることができるという優れた効果も奏するものである。すなわち、黒板やホワイトボードなどではできなかった、一度筆記した文字の重要ポイントを色を変えて表示することや広告ディスプレイなどで注目を惹きたいところのみ簡単に色を変えるということができるようになる上、不要になっ
た場合には簡単に元に戻すこともできるという優れた効果を有するのである。学校などで黒板やホワイトボードなどの代わりに使うとよりよい効果を奏する。
本発明の磁気泳動反転表示パネルにおける表示メカニズムを示す模式図である。 本発明の磁気泳動反転表示パネルにおける微小磁石挙動メカニズムを示す模式図である。 第1の色調を表示する際の(a)模式図(b)表示例を示す図である。 第2の色調を表示する際の(a)模式図(b)表示例を示す図である。 第3の色調を表示する際の(a)模式図(b)表示例を示す図である。 従来の磁気泳動型表示パネルにおける表示メカニズムを示す模式図である。 従来の磁気反転型表示パネルにおける表示メカニズムを示す模式図である。

Claims (5)

  1. 少なくとも、着色材を含有し、該着色材によって第1の色調を示す分散媒であって、微小磁石を裏面側に引き寄せたときに微小磁石を隠蔽して第1の色調を表示する分散媒中に、磁極の色が異なりまた分散媒の色とも異なる微小磁石を分散して得られた降伏値を有する分散液体と、該分散液体を保持する支持材とを備えた磁気泳動反転表示パネルであって、微小磁石を裏面側に引き寄せ分散媒による第1の色調を表示させたパネル表面の筆記したい部分に特定の磁極を選択して表面側から外部磁界を作用させることにより該分散液体中の微小磁石を泳動及び\又は泳動反転させ、該微小磁石の選択した外部磁界の磁極とは反対の磁極面である特定面の第2または第3の色調を表示させることで、外部磁界の磁極の選択により第1の色調とは別の二色の表示色を選択的に表現する第2又は第3の色調の筆跡を得ることができることを特徴とする、磁気泳動反転表示パネル。
  2. 前記磁気泳動反転表示パネルの裏面側から消去用磁石を作用させることにより前記選択的に表現する筆跡を消去することができることを特徴とする、請求項記載の磁気泳動反転表示パネル。
  3. 分散液体に含有する着色材が所望の色調を有することを特徴とする、請求項1または2に記載された磁気泳動反転表示パネル。
  4. 蛍光着色剤を分散媒及び/又は微小磁石に配合した、請求項1ないしの何れか1項に記載された磁気泳動反転表示パネル。
  5. 請求項1ないしの何れか1項に記載された磁気泳動反転表示パネルを用い、筆記用外部磁石を作用させ、微小磁石を泳動及び\又は泳動反転させて該微小磁石の特定面の色調を表示させて筆跡を形成し、ついで同じ面から前記の筆記用外部磁石の磁極と反対の磁極の磁界を、筆跡を形成していない他の微小磁石を泳動させない範囲で作用させることにより筆跡を形成した微小磁石を反転させ、筆跡の色調を変化させることを特徴とする磁気泳動反転表示方法。
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