JP2008176332A - 上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに使用する筆記用磁石 - Google Patents

上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに使用する筆記用磁石 Download PDF

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Takashi Iwasaki
孝 岩崎
Takuya Yasuhara
拓也 安原
Kenji Nonaka
賢治 野中
Sadatoshi Igaue
貞敏 伊賀上
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Abstract

【課題】柔軟性を有し、ファクシミリ機器により自動送信が容易にでき、しかもファクシミリ受信先へ極めて鮮明な文字等が得られるファクシミリを送ることができ、しかも繰り返し使用可能なファクシミリ送信用マイクロカプセル磁気記録シートの提供。
【解決手段】本発明のファクシミリ送信用マイクロカプセル磁気記録シートは、
(イ)前記マイクロカプセル3の平均粒径が30〜170μmである
(ロ)前記固形分散層2の厚みが50〜360μmである
(ハ)前記不消情報体6を有する筆記用透明シート1の厚みが10〜200μmである
(ニ)光吸収性被覆層5の厚みが10〜200μmである
(ホ)かつ該マイクロカプセル磁気記録シートI全体の厚みが70〜920μmことを特徴とするものである。この際、不消情報体がファクシミリ送信用様式であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに使用する筆記用磁石に関する。
従来、マイクロカプセル磁気泳動表示シートの表面に磁気記録する磁気記録システムは知られており、この磁気記録システムは、通常、マイクロカプセル磁気泳動表示シートの裏面全面を消去用磁石でスライドし、該表面をきれいな面としてから、この表面に筆記用磁石又は磁石ペンにより筆記して磁気記録を得、また必要に応じて記録された磁気記録を裏面側から消去用磁石で裏面全面をスライドさせて消去する方法である。このような磁気記録を消去する場合には、前記マイクロカプセル磁気泳動表示シートの裏面を消去用磁石でスライドさせることにより、該磁気泳動表示シートの表面に記録された磁気記録を消去するものである。しかしながら、従来用いられている消去方法では、マイクロカプセル磁気泳動表示シートに記録された磁気記録表示体は、消去に際し、裏面側から消去すると、スライドさせた部分の全ての記録表示体が消去されてしまい、磁気記録表示体の希望する部分のみを消去するということができず、非常に不便であり、したがってその用途も限られていた。
原特許出願の明細書に記載なし。
このような中で、磁気記録された文字や図などを表側から消去することができれば、全面消去はもちろんのこと、部分的に消去することができ、前記の如き不便の解消や使用し易いばかりでなく、各種の広範な用途、例えば、黒板、マイクロカプセル磁気泳動表示シートを壁やロッカー等の表面に添付して使用し得る、または機械可読磁気記録の作製や鋼材製品などの検査資材として用いることができるという優れた利点が得られる。本発明者等は、この点に着目して種々研究を続けた結果、マイクロカプセル磁気泳動表示シートの改良、消去用磁石並びに筆記用磁石又は磁石ペンの工夫により表面上から部分的に、しかも簡単に記録文字等の印字又はその消去をすることができることを見出した。したがって、本発明が解決しようとする課題は、鮮明に細かい文字や図などが表示できる上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに使用する筆記用磁石を提供することにある。
本発明の上記の課題は、上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの筆記用磁石であって、磁石の周りを金属で覆って磁界を制御したことを特徴とする上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに使用する筆記用磁石により達成される。
本発明に係る上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの筆記用磁石(以下、上消し用筆記磁石と略記する。)であって、磁石の周りを金属で覆って磁界を制御したことにより、鮮明に細かい文字や図などが表示できるという優れた効果を奏するものである。
本発明に用いられる、分散液、白色顔料、添加剤及び磁性粒子を内包したマイクロカプセルの平均粒径が50〜650μmであり、かつ該マイクロカプセル並びにバインダーからなる固形分散層を支持体の片面に有する上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートにおいて、前記磁性粒子として、粒径が異なる磁性粒子を2種以上有することにより、磁気記録シート上に磁気記録された文字や図などを記録表面側から簡単かつ容易に全面消去乃至部分消去することができるという格別顕著な効果を奏するものである。また前記上
消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートにおいて、磁性粒子として、粒径が0.1μm〜1.0μmの範囲で1種以上とこれより粒径の大きい1μmを越え20μmまでの範囲で1種以上が用いられることにより、磁気記録された文字や図などを記録表面側から簡単かつ容易に全面消去乃至部分消去するのに特に好ましい効果を奏するものである。
前記上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートにおいて、磁性粒子の割合は、粒径が0.1μm〜1.0μmの範囲で1種以上の磁性粒子100重量%とこれより粒径の大きい1μmを越え20μmまでの範囲で1種以上の磁性粒子10〜200重量%との和であることにより、磁気記録された文字や図などを記録表面側から簡単かつ容易に全面消去乃至部分消去することができるという優れた効果を奏するものである。
前記上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートにおいて、支持体が離型部材であって、該離型部材を剥離して取り外した、支持体を有しない固形分散層のみからなることにより、筆記用磁石ペンでなく、機械可読磁気記録の作製や鋼材製品などの検査資材として用いることができるなど各種の用途に拡大することができる。
前記上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートにおいて、前記分散液中の溶剤は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びシクロヘキサンからなる群から選択された少なくとも1種類以上の低沸点溶剤と、ドデシルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ジフェニルエーテル、安息香酸ジベンジル又はフェニルキシリルエタン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、フタル酸エチル及びフタル酸ブチルから選択された少なくとも1種類以上の高沸点溶剤とからなり、これらの割合は、低沸点溶剤100重量部に対して高沸点溶剤20〜250重量部であることにより分散質の分散保持を良好に調整することができる。
上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに用いる消去用磁石は、該上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの表面上の少なくとも一部をスライドして消去する上消し消去用磁石であって、該マイクロカプセル磁気泳動表示シートと磁石の間にクリアランスが生じるように磁石を配置して使用することにより、磁石を直接シート上に接触させた時とは異なる磁界が前記シートのマイクロカプセルに作用し、その結果、簡単な構造でかつ記録表面側から文字や図などを容易に部分消去し得る上消し消去用磁石を得ることができる。
上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに使用する本発明の筆記用磁石、即ち上消し用筆記磁石は、磁石の周りを金属で覆って磁界を制御したことにより、鮮明に細かい文字や図などが表示できるという優れた効果を奏するものである。本発明に用いられる、分散液、白色顔料、添加剤及び磁性粒子を内包したマイクロカプセルの平均粒径が50〜650μmであり、かつ該マイクロカプセル並びにバインダーからなる固形分散層を支持体の片面に有する上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートにおいて、前記磁性粒子として、粒径が異なる磁性粒子を2種以上有することにより、磁気記録シート上に磁気記録された文字や図などを記録表面側から簡単かつ容易に全面消去乃至部分消去することができるという格別顕著な効果を奏するものである。
また上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの表面上の少なくとも一部をスライドして消去する上消し消去用磁石であって、該マイクロカプセル磁気泳動表示シートと磁石の間にクリアランスが生じるように磁石を配置して使用することにより、磁石を直接シート上に接触させた時とは異なる磁界が前記シートのマイクロカプセルに作用し、その結果、簡単な構造でかつ記録表面側から文字や図などを容易に部分消去し得る上消し消去用磁石を得ることができる。

本発明に用いられる上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートは、分散液、白色顔料、添加剤及び磁性粒子を内包したマイクロカプセルの平均粒径が50〜650μmであり、かつ該マイクロカプセル並びにバインダーからなる固形分散層を支持体の片面に有する上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートであって、前記磁性粒子として、少なくとも粒径と材質のいずれかが異なる磁性粒子を2種以上有することを特徴とするもので、前記磁性粒子としては、この技術分野において通常用いられるものでよく、例えば黒色酸化鉄、多孔性酸化鉄、二酸化マンガン含有酸化鉄、二酸化クロム、フェライト、鉄又はニッケルの微粒子、鉄−ニッケル合金等の親和処理を施していない磁性粒子が挙げられ、特に合成磁性酸化鉄が好ましい。これらを1種又は2種以上混合して用いてもよい。市販品としては、例えばトダカラーKN−320(戸田工業(株)製のマグネタイト、タロックスBL−50(チタン工業(株)製、合成酸化鉄)等が挙げられる。好ましいのは、Fe34 で表される磁性酸化鉄である。
またこの磁性粒子の粒径は、直径20μm以下が好ましく、好ましくは0.1μm〜20μmであり、粒径の異なる磁性粒子で小さい磁性粒子のブロックとしては、0.1μm〜1.0μmの範囲で1種以上が用いられ、また粒径の異なる磁性粒子で大きい磁性粒子のブロックとしては、1μmを越え20μmまでの範囲で1種以上が用いられる。これらの磁性粒子は、別々に用いられるのではなく、混合して用いることが特徴であり、これにより消去時に大きい磁性粒子が泳動、分散する際に小さい磁性粒子に一時的に吸引されて付着して泳動したり、大きい磁性粒子に小さい磁性粒子が包摂された状態で泳動したりして、大きい磁性粒子が泳動する際に小さい磁性粒子の動きを補助、促進するように働き、小さい磁性粒子の黒さが残らずきれいな消去が可能となる。したがって、後述するような上消し消去用磁石を用いることにより、磁気記録シート上に磁気記録された文字や図などを記録表面側から簡単かつ容易に鮮明な部分消去することができるという格別顕著な効果を奏するものである。このように小さい磁性粒子のブロックとしては、0.1μm〜1.0μmの範囲の磁性粒子と大きい磁性粒子のブロックとしては、1μmを越え20μmまでの範囲の磁性粒子とを混合して用いることにより前記ような作用効果を奏するものであり、この範囲を逸脱すると効果は得られない。
本発明に用いられるマイクロカプセルは、分散液、白色顔料、添加剤及び磁性粒子を内包したマイクロカプセルの平均粒径が50〜650μmであり、好ましくは、マイクロカプセルの平均粒径が50〜400μmであり、平均粒径が50μmより小さい場合には、本発明を開示するには至っていなく、また平均粒径が650μmを越えると、経済的に不利となる。マイクロカプセル自体は、公知のマイクロカプセルの製造技術を用いて容易に製造することができる。また本発明に用いられる分散液は、水にほとんど溶けず、マイクロカプセル化するのに安定的な溶剤でかつ各溶剤が相溶性を有するものからなる。また分散液は、磁性材料(例えば磁性粒子など)の動きを良くし、コントラストを良くするために低沸点溶媒と高沸点溶媒を組み合わせて用いるのが好ましい。
本発明に用いられるマイクロカプセル中の低沸点溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘキサンである。これらの低沸点溶媒は単独でもまた2種以上を混合してもよい。また本発明に用いられるマイクロカプセル中の高沸点溶媒は、ドデシルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ジフェニルエーテル、安息香酸ベンジル、フタル酸ジエチル、フェニルキシリルエタン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、フタル酸エチル及びフラル酸ブチルである。これらの高沸点溶媒は単独でもまた2種以上を混合してもよい。また低沸点溶媒と高沸点溶媒の混合割合は、低沸点溶剤100重量部に対して高沸点溶剤10〜250重量部であり、好まし
くは低沸点溶剤100重量部に対して高沸点溶剤20〜200重量部であり、更に好ましくは低沸点溶剤100重量部に対して高沸点溶剤20〜150重量部である。更には低沸点溶剤100重量部に対して高沸点溶剤40〜100重量部である。低沸点溶剤に対する高沸点溶剤の添加割合が10重量%未満では、低沸点溶剤の発散を防止することができず、更に磁気材料と白色顔料を溶剤に分散させるためボールミル等による混合が必要であるが、揮発性の高い低沸点溶剤のみでは混合に使用できないので、高沸点溶剤を10%以上混合することが必要である。また高沸点溶剤が250重量%を越えると、磁性粒子の動きが悪くなる。
本発明に用いられるマイクロカプセル中の白色顔料は、非磁性粒子からなり、例えば、二酸化チタン、リトポン、亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛等の白色顔料が挙げられ、酸化チタンは、アナターゼ型又はルチル型のいずれを用いてもよい。好ましくは隠蔽力の点でルチル型酸化チタンがよい。これらはいずれも比重が小さいものが好ましい。更に吸油量(吸油とは溶媒が粒子の内部に吸収されることを意味している)が比較的高いものがよい。この非磁性粒子の粒径は、十分な分散ができれば特に限定されないが、0.1μm〜20μmであり、好ましくは0.1μm〜10μmが好ましく、更には0.1μm〜5μmであり、好ましくは0.1μm〜1μmが好ましい。ここで、磁性粒子の粒径が大きく、酸化チタンの粒径が小さいと磁性粒子の動きは速いが、黒さがでないので、コントラストが悪いし、また磁性粒子の粒径が小さく、酸化チタンの粒径が大きいと黒さが出てコントラストは良くなるが、磁性粒子の動きが端的に悪くなるので好ましくない。これらの事実から、非磁性粒子の大きさは、磁性粒子より小さい方がよいことがわかった。
本発明に用いられるマイクロカプセル中の非磁性粒子は、分散液に対して5.0〜50.0重量%であり、好ましくは10.0〜40.0重量%であり、更に好ましくは15.0〜35.0重量%である。分散液に対する非磁性粒子の割合が、5.0重量%未満では、薄型では特に全体が黒っぽくなりコントラストがでないばかりか鮮明な文字・画像等ができない。また非磁性粒子の割合が50.0重量%を越えると逆に全体が白っぽくなり十分なコントラストがでない。これらの点を考慮すると、磁性粒子に対する非磁性粒子の割合は、4〜30倍であり、好ましくは5〜20倍であり、更に好ましくは6.0〜15.0倍であるのがよい。これにより薄型でもコントラストに優れた鮮明な画像が得られる。
本発明に用いられるマイクロカプセル中の添加剤としては、微粒子増稠剤、分散剤等が挙げられる。微粒子増稠剤としては、無水珪酸、含水珪酸、珪酸塩(珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム等)、微粉アルミナ、シリカ粉、けいそう土、カオリン、ハードクレー、ソフトクレー、ベントナイト、極微細炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、含水塩基性炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベンチジンイエロー等が挙げられる。これらは単独でもまた2種以上を混合してもよい。微粒子増稠剤の分散液への添加量は、分散液の種類によって異なるが、分散液に対して微粒子増稠剤が0.2重量%〜5重量%であり、好ましくは0.4重量%〜2重量%である。微粒子増稠剤の添加量が0.2重量%未満では、磁性粒子並びに非磁性粒子等の調整効果がなく、また5重量%を越えると磁性粒子等の固形粒子の移動に支障をきたすので好ましくない。
本発明に用いられるマイクロカプセル中の分散剤は、磁性粒子等を分散するために用いられるが、好ましい分散剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、アニオン系脂肪族エステル混合物、ポリカルボン酸アミン塩、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート等が挙げられる。分散剤の添加量は、通常分散剤の添加量として用いられる量でよく、その添加量は、分散液に対して0.2重量%〜10重量%であり、好ましくは0.4重量%〜3.0重
量%である。分散剤の添加量が0.2重量%未満では、十分な分散効果が得られず、また10重量%を越えると分散媒の粘度が高くなり分散媒の特性が損なわれるので好ましくない。
この他、分散液には、必要に応じて着色剤が添加される。この着色剤としては、通常染料、顔料が用いられる。これらの染料又は顔料としては、メチレンブルー、コンゴーレッド、ベンゾイエローTZ等の染料、オイルブルー、オイルグリーン、オイルイエロー、ベンジジンイエロー等が挙げられる。またこのような着色剤は、マイクロカプセル中の分散液中にはもちろんのこと、該カプセルのゼラチン被膜中、マイクロカプセル被覆層中の透明水性接着剤、透明フィルムの少なくともいずれかに着色剤を含有することにより適宜の色に着色することができる。これにより磁気表示板の背面又は背景を各種の色に着色することができる。
また磁性粒子の割合は、粒径が0.1μm〜1.0μmの範囲で1種以上の磁性粒子(以下、小粒子ともいう。)100重量%とこれより粒径の大きい1μmを越え20μmまでの範囲で1種以上の磁性粒子(以下、大粒子ともいう。)10〜200重量%との和であり、好ましくは、小粒子に対する大粒子の割合は、小粒子100重量%に対して大粒子は50〜150重量%であり、更に好ましくは80〜120重量%がよい。大粒子が10重量%より少ないと、小粒子の動きを十分補助することができず、また大粒子が200重量%を越えると十分な黒さがでないので、記録表面に鮮明な文字や絵図がえられない。したがって、本発明では、小粒子100重量%に対して大粒子は10〜200重量%の割合、特に小粒子100重量%に対して大粒子は50〜150重量%の割合にすることにより、磁気記録された文字や図などを記録表面側から簡単かつ容易に部分消去することができるという優れた効果を奏するものである。
上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの支持体が離型部材であって、該離型部材を剥離して取り外した、支持体を有しない固形分散層のみからなることにより、筆記用磁石ペンでなく、機械可読磁気記録の作製や鋼材製品などの検査資材として用いることができるなど各種の用途に拡大することができる。
上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの表面上の少なくとも一部をスライドして消去する上消し消去用磁石は、該マイクロカプセル磁気泳動表示シートと磁石の間にクリアランスが生じるように磁石を配置して使用することを特徴とするものである。ここで、上消し消去用磁石の原理について説明すると、上消し消去用磁石とは、上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの表面に磁気記録された文字や絵柄等を、これらの表示面側から該表面に消去用磁石をスライドさせることにより消去することができる磁石であって、該磁石は、N極からS極に向かい無数の磁力線を放出し磁界を形成しているが、この磁力線は磁石からある程度離れた場所で磁石に対してほぼ水平に作用する部分が存在する。このほぼ水平に作用する磁力線の領域をマイクロカプセル磁気泳動表示シートのマイクロカプセルに作用させることによりマイクロカプセル内の磁性粒子が磁力線の作用により泳動、分散し、その結果白色顔料からなる非磁性粒子が交換的に表側の表面に多く集まり白色を示す。このほぼ水平に作用する磁界は、所望の性質を持つ消去用磁石を選択することでのみ発生し、しかもこの性質は非常に弱いものであることに着目した。
消去用磁石は、磁石を直接シート上に接触させた時とは異なる磁界、即ち磁界の発生を制御して前記シートのマイクロカプセルに作用させて簡単な構造でかつ記録表面側から文字や図柄などを容易に全面的に、特に部分消去し得る消去用磁石を得ることができる。磁石の素材としては、フェライト、希土類、アルニコ等が用いられるが、磁石の素材には限定されない。
前記の上消し消去用磁石について更に詳しく説明すると、表面磁束密度100〜750ガウスの特性値を有する消去用磁石を用いることが好ましい。これに用いる磁石は、表示シートの用途により異なるので、その用途に応じて広範に用いられ、特に限定されないが、円柱状、コイン状、棒状、角柱状等の任意の形状でよく、また大きさも適宜選定することができる。上消しに用いられる消去用磁石としては、フェライト磁石、稀土類コバルト磁石(例えば、サマリウム・コバルト磁石など)や稀土類鉄磁石(ネオジウム・鉄磁石など)等の稀土類磁石、ボンド磁石が好ましく、磁石の着磁の種類としては両面着磁IPが好ましい(これらの条件であれば、100〜750ガウスになる)。特に好ましくは、等方性又は異方性を有する、稀土類磁石、フェライト磁石を用いるのがよい。このような条件の磁石と着磁の種類を選択すればきれいに消去が可能となる。本発明に用いられる上消し消去用磁石は、クリアランスを設けることにより磁界の発生を制御するのが好ましい。このクリアランス量は、磁石の材質により決まる場合が多い。またクリアランスを設ける方法は、特に限定されないが、上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートと消去用磁石の磁石との間に空気層を設けるか、又は非磁性体を設けるかのいずれであってもよい。上消し消去用磁石では、磁石と非磁性体とを一体化させる方法が好ましい。
この非磁性体としては、特に限定されないが、好ましくは樹脂、スポンジ又はスポンジ状樹脂、ゴム、木材、ダンボール、紙類、繊維、ガラス、金属等が挙げられる。これらの材質は、好ましくは磁気表示シート上を滑らかに滑る方がよい。また磁石と非磁性体を一体化させる方法としては、接着、挟み込みによって行い、また、樹脂やゴムの場合には異種材一体成形等のいずれの方法で行ってもよい。また磁石の消去面側のみにクリアランスを設けてもよいし、消去磁石の両面にクリアランスを設けて消去時の磁石の区別をなくすようにしてもよい。前記クリアランスを磁石の表裏乃至全周又は全面に設けた場合は、取扱いを容易にするために指に合わせた窪みやつまみ等を設けるのがよい。
図1は、上消し消去用磁石とマイクロカプセル磁気泳動表示シートとを示す断面図乃至側面図である。図1のaは、上消し消去用磁石の平面図であり、図1のbは、上消し消去用磁石と上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートとの断面図である。図2は、上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートと別の上消し消去用磁石とを示す断面図乃至側面図である。図2のaは、別の消去用磁石の平面図であり、図2のbは、上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートと別の上消し消去用磁石との断面図である。図1において、図1のaは、円形断面を有する上消し消去用磁石Iであり、直径φ1 =10〜100mmである。図1のbに示されるように、上消し消去用磁石Iは、消去用磁石2の下面にはクリアランス3を有し、このクリアランス3を介して上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シート1の表面1aと接している。この時の条件は、後述のように、消去用磁石2の厚さは、z=2〜20mmであり、クリアランス3の厚さはz′=0.2z〜20zで表される。また同様に、図2のaは、長方形断面を有する上消し消去用磁石IIであり、横x=10〜100mmであり、縦y=10〜100mmである。図2のbに示されるように、上消し消去用磁石IIは、消去用磁石2の下面にはクリアランス3を有しており、z,z′の値は、図1と同様である。
図1及び図2に示されるように、上消し消去用磁石I,IIの形状と寸法は、φ1 は10〜100mmであり、xは10〜100mmであり、更にyは10〜100mmであり、この範囲内であれば特に限定されるものではなく、また使用する上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シート1の大きさや筆記体の大きさ等に合わせて、φ1 、x、yの値を決定することができる。zは2〜20mmであり、z′は0.2z〜20zであり、好ましくはz′は0.2z〜5.0zである。更に好ましくはz′は0.5z〜2.0zである。更にはz′は0.5z〜1.0zである。zは2〜20mm以外では、大きさや重さ等を考慮すると、取扱いが困難となる。z′は0.2zより小さいと上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シート1に与える磁界が垂直に近づくために板面が黒ずんで
しまう。また20zを越えると磁気表示シートに磁界を与えることができず、筆記体を消去することができなくなってしまうので好ましくない。これらの限定において、磁界を適宜磁気表示シートに作用させる上で、特にz′が重要である。
本発明の上消し用筆記磁石は、図3に示されるように、筆記用磁石21の周りを金属5で覆って磁界を制御した上消し用筆記磁石IIIである。即ち、従来の筆記用磁石は、磁石に真鍮又は鉄等の金属を被覆して磁界の発生を一部制限することにより磁気表示シート上に細い鮮明な筆記体を得ることができることは公知の技術であるが、本発明の上消し用筆記磁石IIIは、表書き、表消し磁気表示シート(即ち上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シート)の場合には、表書き、裏消しの磁気表示シートよりいっそう磁界の発生を制限することが必要である。本発明の上消し用筆記磁石IIIは、筆記用磁石21の材質としてフェライト、希土類、アルニコ等が用いられるが、筆記用磁石21の素材には限定されない。更に詳しくは筆記用磁石21の着磁の種類としては両面着磁IPが好ましい(これらの条件であれば、700ガウス以上となる。)。このような筆記用磁石21を用いて上消し用筆記磁石を作製するには、更に筆記用磁石21の先端を強磁性体からなる金属5で被覆することにより磁力分布を集中させることができ、効果的に鮮明な記録が得られる。被覆する金属5としては、通常、一般的に加工性あるいは安定性に優れた真鍮又は鉄が好んで用いられるが、磁界の制御が容易にできるものであればこれらに限定されるものではない。
更に本発明の上消し用筆記磁石について詳しく説明する。即ち、図3は、本発明に用いられる上消し用筆記磁石を示す平面図乃至断面図である。図3において、本発明の上消し用筆記磁石IIIは、直径φ2 の棒状磁石21であり、その周りには、金属5が先端部直径φ2 ′と後端部直径との間でθの角を有する条件で形成されている。
本発明の上消し用筆記磁石IIIを作製する際に用いられる筆記用磁石の形状と寸法は、φ2 は0.2〜2.0mmであり、好ましくはφ2 は0.8〜1.2mmである。φ2 ′は1.0φ2 〜4φ2 mmであり、好ましくはφ2 ′は2φ2 〜3φ2 mmである。φ2 が0.2mmより小さく、φ2 ′が 1.0φ2 より小さいときは、加工が困難であり、強度が不足し、更に安全面でも好ましくない。またφ2 が2.0mmを越えると、発生する磁界が大きくなり、筆記体が太くなってしまう。更にzは5.0〜10.0mmであり、z′は−0.3〜1.0mmであり、好ましくは0.0〜0.5mmである。φ2 ′が 1.0φ2 〜4φ2 mm以外であり、z′が−0.3〜1.0mm以外である場合には、磁界を所望の値に制限することができず、不鮮明な筆記体となってしまう。またz′は1.0mmより大きいと安全面においても好ましくない。zについては特に制限されるものではなく、ペン本体部分合わせるのが好ましい。θについては特に制限されない。これらの要件では磁界を制限させる上でz′が特に重要である。このような条件を満たして上消し用筆記磁石IIIは、鮮明に細かい文字や図などが表示できるという優れた効果を奏するものである。なお、金属被覆5は、磁力分布を集中させるためのものであり、したがって、金属5の被覆形態は、任意に試験等により決定することができる。
本発明に用いられる上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートは、種々の用途に使用することができ、例えば、キャッシュカード、キャッシュレスカード、クレジットカード、プリペードカード等のカード類に使用できるほか、一般的な用途として、例えば、、幼児用絵本、幼児用玩具、文字練習器、各種ゲーム用板、習字板、裏面に貼着層を有するシート乃至ボード、メモ用板、会議用黒板、クリーンルームでの各種情報ボード、電光掲示板、パソコンの表示用パネル等が挙げられる。また特殊な用途としては、機械可読磁気記録の作製や鋼材製品などの検査資材として用いることができるなどがある。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、この例は本発明を説明するためのものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
〔製造例1〕(1)上消し用のマイクロカプセルの製造方法
〔マイクロカプセル内包分散液の配合A〕
小さい磁性粒子(合成酸化鉄0.3μm) 1.5重量%
大きい磁性粒子(合成酸化鉄3μm) 1.5重量%
非磁性粒子(白色酸化チタン粉体、
R−820(0.26μm、石原産業株式会社製) 12.0重量%
高沸点溶剤(フタル酸ジブチル) 40.0重量%
低沸点溶剤(トルエン) 43.6重量%
消泡剤(ダッポーSN−350 シリコーン、サンノプコ社製)
0.2重量%
沈殿防止剤(微粉珪酸 アエロジル 日本アエロジル社製) 0.5重量%
分散剤(ノプコサントK963、サンノプコ社製) 0.7重量%
次に、pH6に調整したゼラチン濃度3.6%の水溶液にアラビアゴム3.6%の水溶液を加えてマイクロカプセル膜用の水溶液をつくり、約50℃に昇温して該水溶液のpHを5に調整したのち、前記の分散液配合Aを加えて分散液滴の平均粒径が100μmになるように攪拌した。所望の分散液滴が得られたのち、分散液の温度を除冷後さらに10℃まで冷却して分散液滴の界面上に析出したゼラチン/アラビアゴムの重合体膜をゲル化してグルタールアルデヒド25%濃度の水溶液を加えて重合体膜を硬化してゼラチン製マイクロカプセルを得た。このようにして得られたマイクロカプセルを250μmを越える大きさの粒子を網を通して除去して250μm以下のマイクロカプセル粒子を得た。
(2)上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの作製
得られたマイクロカプセルスラリー溶液は、水分を除去したマイクロカプセル群に水性バインダーとして水性ウレタン樹脂溶液を添加し十分攪拌して塗布用インク状物を形成する。この塗布用インク状物の粘度は、4,000cpsである。得られた塗布用インク状物を、厚みが75μmの透明フィルム表面シートに塗布し、70℃の温風で40分間乾燥する。このマイクロカプセル被覆層の厚みは、250μmであった。ついでマイクロカプセル被覆層上に、更に保護部材として50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを接着剤により接着してマイクロカプセル磁気表示シートを作製した。
(3)上消し用消去磁石の作製
図1のaに示されるように、磁石の材質としてフェライトを用いてコイン状に形成した。直径はφ1 は30mmで厚さzは3.0mmとした。一方、クリアランスの材質としてABS樹脂(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂の略)を用い、直径はφ1 は30mmで厚さz′は2.0mmとし、コイン状に形成した。ついで、コイン状フェライトとコイン状ABS樹脂とを接着して一体化して上消し用消去磁石Iとした。
(4)上消し用筆記磁石の作製(実施例1)
図3に示されるように、円形棒状フェライト磁石21の周囲を真鍮5で被覆して上消し用筆記磁石IIIを作製した。磁石の直径φ2 は1.0mm、φ2 ′は2.5mmであり、またzは7.0mm、z′は0.0mmにした。これに柄を付けて上消し用筆記磁石ペンとした。
(5)上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの評価
前記上消し消去用磁石Iを用いて上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シート1の表示面の全面をスライドさせて全体的に消去し、ムラのない白くきれいな面とし、この
表面に上消し用筆記磁石ペンで文字を書いたところ、該筆記磁石ペンの接触、走査経路のマイクロカプセル内の大きい磁性粒子、小さい磁性粒子が共に表面側に泳動し黒い鮮明な筆記表示体が得られた。ついで、記録された文字の一部を消去するために、消去しようとするところの表面上の筆記体に上消し消去用磁石Iを接触、走査すると走査領域の筆記体がきれいに消去され、消去領域は、ムラなく白くきれいな面とすることができた。
〔製造例2〕(1)上消し用のマイクロカプセルの製造方法
〔マイクロカプセル内包分散液の配合B〕
小さい磁性粒子(合成酸化鉄0.3μm) 1.5重量%
大きい磁性粒子(合成酸化鉄3μm) 1.0重量%
大きい磁性粒子(合成酸化鉄10μm) 0.5重量%
非磁性粒子(白色酸化チタン粉体、
R−820(0.26μm、石原産業株式会社製) 12.0重量%
高沸点溶剤(フタル酸ジブチル) 40.0重量%
低沸点溶剤(トルエン) 43.6重量%
消泡剤(ダッポーSN−350 シリコーン、サンノプコ社製)
0.2重量%
沈殿防止剤(微粉珪酸 アエロジル 日本アエロジル社製) 0.5重量%
分散剤(ノプコサントK963、サンノプコ社製) 0.7重量%
(2)上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの作製
上記分散液配合Bを用いて、実施例1と同様にして、マイクロカプセルを製造し、更に製造例1と同様にして得られたマイクロカプセルを用いて上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートを製造した。
(3)上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの評価
次に、図2に示されるように、上消し消去用磁石IIを用いて上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シート1の表示面の全面をスライドさせて全体的に消去し、ムラのない白いきれいな面とし、この表示面に上消し用筆記磁石ペンで文字を書いたところ、黒い鮮明な筆記表示体が得られた。ついで、記録された文字の全部を消去するために、筆記体のある表示面に上消し消去用磁石IIを接触、走査すると表面全体的をムラなくきれいに白くすることができた。またこの上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの表示面の全体を従来の消去用磁石でスライドさせたところ、該表面は白くならず全く黒っぽかった(黒灰色)。
〔比較例1〕(1)従来のマイクロカプセルの製造方法
〔マイクロカプセル内包分散液の配合C〕
小さい磁性粒子(合成酸化鉄0.3μm) 3.0重量%
非磁性粒子(白色酸化チタン粉体、
R−820(0.26μm、石原産業株式会社製) 12.0重量%
高沸点溶剤(フタル酸ジブチル) 40.0重量%
低沸点溶剤(トルエン) 43.6重量%
消泡剤(ダッポーSN−350 シリコーン、サンノプコ社製)
0.2重量%
沈殿防止剤(微粉珪酸 アエロジル 日本アエロジル社製) 0.5重量%
分散剤(ノプコサントK963、サンノプコ社製) 0.7重量%
(2)従来のマイクロカプセル磁気泳動表示シートの作製
上記分散液配合Cを用いて、実施例1と同様にして、マイクロカプセルを製造し、更に実施例1と同様にして得られたマイクロカプセルを用いて従来のマイクロカプセル磁気泳
動表示シートを製造した。
(3)従来のマイクロカプセル磁気泳動表示シートの評価
このマイクロカプセル磁気泳動表示シートの裏面の全面に上消し消去用磁石II(図2参照)をスライドさせたところ、該表面は白色を呈していた。ついで、この表面に上消し用筆記磁石ペンで書いたところ、製造例1と同様に鮮明な黒色の筆記表示体が得られた。しかし、この従来のマイクロカプセル磁気泳動表示シートの表示面の全面に上消し消去用磁石IIを接触させてスライドしたが、表示面は極めて黒っぽかった(黒灰色)。更に上消し用筆記磁石ペンで書いたところ、書かれた文字は非常にコントラストが悪く、全く実用性に乏しい筆記表示体しか得られなかった。更に従来のマイクロカプセル磁気泳動表示シートの裏面に上消し消去用磁石IIをスライドさせて表示面をきれいに消去した後、従来の筆記用磁石ペンで文字等を書いたところ、わずかに不鮮明なところがあるが、実用には問題がなかった。
〔比較例2〕(1)従来のマイクロカプセルの製造方法
〔マイクロカプセル内包分散液の配合D〕
大きい磁性粒子(合成酸化鉄3μm) 3.0重量%
非磁性粒子(白色酸化チタン粉体、
R−820(0.26μm、石原産業株式会社製) 12.0重量%
高沸点溶剤(フタル酸ジブチル) 40.0重量%
低沸点溶剤(トルエン) 43.6重量%
消泡剤(ダッポーSN−350 シリコーン、サンノプコ社製)
0.2重量%
沈殿防止剤(微粉珪酸 アエロジル 日本アエロジル社製) 0.5重量%
分散剤(ノプコサントK963、サンノプコ社製) 0.7重量%
(2)従来のマイクロカプセル磁気泳動表示シートの作製
上記分散液配合Dを用いて、実施例1と同様にして、マイクロカプセルを製造し、更に製造例1と同様にして得られたマイクロカプセルを用いて従来のマイクロカプセル磁気泳動表示シートを製造した。
(3)従来のマイクロカプセル磁気泳動表示シートの評価
このマイクロカプセル磁気泳動表示シートの表示面の全面を上消し消去用磁石IIをスライドさせたところ、該表面は黒灰色を呈していた。ついで、この表面に上消し用筆記磁石ペンで書いたところ、非常にコントラストの低い筆記表示体しか得られなかった。従来の筆記用磁石ペンで書いても同様であった。また従来のマイクロカプセル磁気泳動表示シートの表示面の全面を従来の消去用磁石でスライドさせて全体的に消去したが、表示面は全体が黒くなった。この表示面に上消し用筆記磁石ペン及び従来の筆記用磁石ペンで書いたところ、いずれも文字が書けなかった。
参考例1、2〕上消し消去用磁石(コイン形状)の作製
図1に示されるように、コイン状の消去用磁石を以下の表1に示される材質と寸法で作製し、比較例と共に示した。
表1から明らかなように、参考例1の上消し消去用磁石Aを用いて上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに記録された筆記表示体を非常にきれいに消去することができ、白い部分が非常にはっきり目視された。またムラは生じなかった。また比較用の消去用磁石Eでは、筆記表示体を消去することはできたが、やや黒ずんでいた。このためコントラストが少し悪くなったが、実用上は使用できた。またムラは少し生じていた。これに対して、比較用の消去用磁石Gは、筆記表示体を消去することができなかった。更に比較用の消去用磁石Cは、筆記表示体を消去することはできたが、非常に黒ずんでしまい、コントラストが非常に悪く実用上使用するには耐えなかった。ムラもひどくなってしまう。
参考例3、4〕上消し消去用磁石(直方体)の作製
図2に示されるように、直方体の消去用磁石を以下の表2に示される材質と寸法で作製し、比較例と共に示した。
表2から明らかなように、参考例3の上消し消去用磁石Bを用いてマイクロカプセル磁気泳動表示シートに記録された筆記表示体を非常にきれいに消去することができ、白い部分が非常にはっきり目視された。またムラは生じなかった。また上消し消去用磁石Fでは、筆記表示体を消去することはできたが、やや黒ずんでいた。このためコントラストが少し悪くなったが、実用上は使用できた。またムラは少し生じていた。これに対して、上消し消去用磁石Hは、筆記表示体を消去することができなかった。更に上消し消去用磁石Dは、筆記表示体を消去することはできたが、非常に黒ずんでしまい、コントラストが非常に悪く実用上使用するには耐えなかった。ムラもひどくなってしまう。
〔実施例1〕上消し用筆記磁石の作製
図3に示されるように、筆記用磁石に金属を被覆し、以下の表3に示される材質と寸法で作製し、上消し用筆記磁石を作製し、これに柄を付けて上消し用筆記磁石ペンとした。
表3から明らかなように、上消し用筆記磁石A,Bを使用した上消し用筆記磁石ペンを用いて上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに記録したところ、大きい文字も小さい文字も非常に鮮明であった。また上消し用筆記磁石E,F,G,H及びIを使用した上消し用筆記磁石ペンを用いて上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに記録したところ、大きい文字はある程度鮮明であったが、小さい文字が少し不鮮明であった。しかし実用上使用することができた。また上消し用筆記磁石C,Dを用いた上消し用筆記磁石ペンの場合は、大きい文字も小さい文字もいずれも不鮮明であった。特に文字の交差部分が不鮮明であった。
上消し消去用磁石を示す平面図乃至断面図である。 上消し消去用磁石の別の例を示す平面図乃至断面図である。 本発明の上消し用筆記磁石を示す平面図乃至断面図である。
符号の説明
1 上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シート
1a 表面透明フィルム 3 クリアランス
1b 裏面保護フィルム 4 マイクロカプセル
2 消去用磁石 5 金属
I,II 上消し消去用磁石
III 上消し用筆記磁石

Claims (1)

  1. 上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートの筆記用磁石であって、磁石の周りを金属で覆って磁界を制御したことを特徴とする上消し可能なマイクロカプセル磁気泳動表示シートに使用する筆記用磁石。
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JP6986791B1 (ja) * 2020-08-04 2021-12-22 Zero Lab株式会社 磁気シート、磁気筆記システム、描画方法および消去方法

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