JP4274884B2 - 排泄物処理材 - Google Patents

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Description

本発明は、家畜、愛玩動物または実験用動物等の排泄物処理材に関し、特に、便床に敷設して排泄物を簡便に効率よく処理できるとともに、防臭性に優れ、使用後の処理が容易な排泄物処理材に関するものである。
近年、愛玩動物または実験用動物等の排尿・排便などの排泄物処理を行うため、便床に排泄物処理材を敷き詰めて、そこに排泄させ、排泄後には、糞尿の水分によって固まった排泄物処理材を取り除き、これをトイレに流すか若しくは可燃ゴミとして焼却処分することが一般的に行われている。このため、排泄物処理材には、愛玩動物等が排泄する尿などを素早く吸収する高い吸水能力と排泄物から生ずる悪臭を防止する防臭能力、更には、使用後の処理の容易性などが要求されている。
従来の排泄物処理材としては、優れた尿吸収能力と尿吸収後の当該処理材の粒どうしが団塊状に固まる機能(団塊形成能力)とを付与すべく、粉末状または短繊維状の基材に純水に対する吸水性能が少なくとも50ml/gの高吸水性樹脂の微粉末をまぶしたもの(例えば、特許文献1参照。)や、脱臭・消臭能力を付与すべく、製紙スラッジからなる核粒体に脱臭材を含浸させた後、核粒体の表面に排泄物を吸収する吸収素材被覆層を構成するととも前記吸収素材被覆層表面に尿吸収促進剤を施したもの(例えば、特許文献2参照。)などが知られている。
しかしながら、前者のものは、尿の吸水スピードが早く当該処理材の粒どうしが団塊状に固まる機能を有するものではあるが、高吸水性樹脂が尿を含んだ際に膨潤して所謂「ままこ状態」となり、基材内部に尿が浸透できなくなるため、基材自体のもつ吸水収能力を発揮することができず無駄であるという問題があった。そして、吸収された尿の殆どが処理材表面の高吸水性樹脂内に存在することになるので、例えば、尿を吸収した排泄物処理材を直射日光が当たる窓際などに置いておくと、処理材表面の温度上昇に伴って処理材表面に存在する尿が蒸発して悪臭が漂うようになるという問題もあった。
また、後者のものは、核粒体にコーティングしている吸収素材被覆層表面に尿吸収促進剤を施すことによって核粒体内部への尿の吸収を促進するようにしているが、処理材における吸収素材被覆層の占める割合が大きく(核粒体が70〜75重量部に対して吸収素材被覆層が25〜30重量部)、また、吸収素材被覆層はベントナイトやパルプ、高吸水性樹脂など尿を吸収して保持する材料で構成されていることから、排泄物処理材が吸収した尿は依然として吸収素材被覆層に留まることになる。したがって、この技術では核粒体に脱臭材を含浸しているものの、吸収した尿はその殆どが排泄物処理材表面の吸収素材被覆層に留まり基材の内部には浸透しにくいことから、脱臭剤と尿との接触機会が少なく、脱臭剤の含浸量に見合った脱臭効果を奏することができず、また、上述の技術と同様に、尿を吸収した排泄物処理材を直射日光が当たる窓際などに置いておくと、処理材表面の温度上昇に伴って処理材表面に存在する尿が即座に蒸発して悪臭が漂うようになるという問題があった。
このように、従来の排泄物処理材においては、優れた尿吸収能力、団塊形成能力および防臭・脱臭能力の全てを同時に兼ね備えるものは存在しなかった。
特許第2630339号公報(第1−3頁) 特開2000−116264号公報(第1−5頁)
それゆえ、この発明の主たる課題は、愛玩動物などの排泄物を簡便に効率よく処理できるとともに、防臭性に優れ、使用後の処理が容易な排泄物処理材を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「親水性の有機短繊維(14a)と高吸水性樹脂(14b)とを混合してなる粒状の基材(14)と、基材(14)の表面全体に設けられた再湿糊(20)からなるポーラス構造のスキン層(16)とで構成された排泄物処理材(11)であって、高吸水性樹脂(14b)が基材(14)の中心部にのみ配設されている」ことを特徴とする排泄物処理材(11)である。
この発明では、有機短繊維(14a)と高吸水性樹脂(14b)とを混合して基材(14)が構成されており、高吸水性樹脂(14b)が(基材(14)の表面ではなく)基材(14)の中心部にのみ配設されているので、排泄物処理材(11)に接触した尿などの液体が、有機短繊維(14a)の毛細管現象によって基材(14)の中心部へ向けて運ばれるとともに、基材(14)の中心部にのみ配設された高吸水性樹脂(14b)に吸収され、かつ、固定される。このため、基材(14)の表面に高吸水性樹脂(14b)などの排泄物吸収層が配設されている従来のものと異なり、基材(14)内に吸収された尿などの液体が蒸発しようとする場合には、液体が、親水性の高い材料で構成された基材(14)の中心から表面に向けて長い距離を移動しなければない。加えて、これらの液体が親水性の高い材料で構成された基材(14)の内部から表面に向けてその親水性に抗して移動しなければならず、これ律速となる。したがって、排泄物処理材(11)が吸収した尿の蒸発や尿臭の放散を低減することができる。
また、基材(14)の表面全体が再湿糊(20)からなるポーラス構造のスキン層(16)で被覆されているので、排泄物処理材(10)が尿などの液体に接触すると、再湿糊(20)が水分によって軟化され、粘着性を発現させる。再湿糊(20)が粘着性を発現させた排泄物処理材(10)は他の排泄物処理材(10)と接合して団塊を形成する。しかし、該再湿糊(20)を構成する高分子には保水効果がなく、再湿糊(20)を軟化させた水分は基材(14)を構成する親水性の有機短繊維(14a)を伝って基材(14)内へと移動する。その後しばらくして再湿糊(20)に含まれている水分が全て基材(14)に吸収されて、排泄物処理材(10)の表面は乾燥状態となる。このように尿などを吸収して団塊を形成した排泄物処理材(10)は粘着性がなくなっているので、尿などの排泄物を吸収した排泄物処理材(10)が愛玩動物などの足に付着して散乱するのを防止することができる。また、基材(14)を構成する高吸水性樹脂(14b)が吸水などにより膨張して粒状の基材(14)がバラバラに分解しても、吸水時に粘着性を発現するスキン層(16)によって基材(14)の破片同士が接合されるので、その破片が飛散するのを防止することができる。そして、このスキン層(16)は極めて薄いものであり、水中での崩壊性を有していることから、使用済みの排泄物処理材(10)を水洗トイレなどに流して処分することができる。
請求項に記載した発明は、請求項に記載の排泄物処理材(11)において、「基材(14)には、尿臭に対して効果のある消臭材(18)が配合されている」ことを特徴とするもので、これにより、消臭材(18)と基材(14)に吸収された尿などの液体とが高い確率で接触することができ、これらの排泄物が発する臭気をより効果的に消すことができる。
請求項に記載した発明は1または2に記載の排泄物処理材(11)において、「スキン層(16)には、糞臭に対して効果のある消臭成分が配合されている」ことを特徴とするもので、これにより、糞によって発生する糞臭をより効果的に消すことができる。
この発明によれば、高吸水性樹脂が基材の内部全体に分散しているので、排泄物処理材が尿などの液体と接触した際、これらの液体排泄物を、高吸水性樹脂のみならず有機短繊維も含めた基材の内部全体で吸収し蓄えることができるとともに、排泄物処理材表面に含まれる液体の量を著しく減少させることができる。このため、基材内に吸収された尿などの液体が蒸発しようとする場合には、これらの液体が、親水性の高い材料で構成された基材の内部から表面に向けてその親水性に抗して移動しなければならず、尿の蒸発速度や尿臭の放散速度が遅くなり、尿の蒸発や尿臭の放散を減少させることができる。
また、基材の表面全体が保水性を持たない再湿糊からなるポーラス構造のスキン層で被覆されているので、尿を吸収した排泄物処理材同士がスキン層を構成する再湿糊によって凝集されるので、使用済み排泄物処理材を簡便に処理することができる。
そして、基材には尿臭に対して効果のある消臭材が配合されており、また、スキン層には糞臭に対して効果のある消臭成分が配合されているので、尿臭や糞臭を効果的に消臭することができる。
したがって、愛玩動物などの排泄物を簡便に効率よく処理できるとともに、防臭性に優れ、使用後の処理が容易な排泄物処理材を提供することができる。
以下、本発明を図示実施例に従って説明する。本発明における一実施例の排泄物処理材(10)は、愛玩動物用の便床(12)などに敷設して使用されるものであり(図1参照)、図2および3に示すように、粒状の基材(14)と該基材(14)の表面全体を被覆するスキン層(16)とで構成されている。
基材(14)は、親水性の有機短繊維(14a)と高吸水性樹脂(14b)とで構成されており、また、必要に応じて消臭材(18)が配合されている。
この基材(14)の平均粒径は、猫を想定した場合においては3〜10mmの範囲であることが好ましい。平均粒径が3mm未満である場合には、排泄物処理材(10)の1粒当たりの重量が軽くなるので、猫が排泄後に排泄物を隠す所謂砂かき行為を行う際に排泄物処理材(10)が周囲に飛散したり、静電気などによって排泄物処理材(10)が動物の体毛に付着し、排泄物処理材(10)が便床から簡単に持ち出されて便床の周囲を汚すようになるからである。また逆に、平均粒径が10mmより大きい場合には、排泄物処理材(10)の比表面積が小さくなり、排泄物の吸収および脱臭効率が低下したり、猫などの愛玩動物が排泄物処理材(10)の上に乗って排泄することを嫌がる傾向が出てくるからである。なお、ハムスターやモルモットなどの小動物の使用を想定した場合においては、基材(14)を更に小粒(例えば、2mm以下)とする方がよい。
有機短繊維(14a)は、排泄物処理材(10)の骨格を形成するとともに、排泄物処理材(10)に接触した尿などの液体を毛細管現象によって基材(14)内部へと移動させ、かつ、自身でもその液体を保持できる親水性の繊維部材である。
この有機短繊維(14a)としては、木材パルプ,非木材パルプ,紙を粉砕した紙粉,パルプや紙を加工するときに発生する粉塵およびパルプ製造や製紙の工程において発生する繊維質を含んだスラッジ類などの製紙系短繊維類、トウモロコシの芯やコーヒー豆の抽出くずを粉砕した植物系繊維類、コットンや麻などの天然繊維を短く裁断したもの、レーヨンやビニロンなどの親水性化学繊維を短く断裁したもの、樹木や竹の破砕物、ケナフ・笹など草葉の破砕物等を用いることができる。また、これらの繊維類には少量のタルクやベントナイト、酸化チタンなどの無機物が含まれていても差し支えない。
高吸水性樹脂(14b)は、有機短繊維(14a)の毛細管現象によって基材(14)内を移動する尿などの液体を吸収するとともにこれを固定し、かつ、吸水することにより粘着性を帯びる高分子である。
この高吸水性樹脂(14b)としては、自重の数十倍〜数百倍の水を吸収するとともに膨潤し、かつ、保水時に粘着性を発現させる、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物,デンプン−アクリル酸グラフト共重合体の中和物,架橋カルボキシメチルセルロース,架橋ポリビニルアルコール,アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体のケン化物,架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体および部分中和ポリアクリル酸塩架橋体などの樹脂が好適である。とりわけ、入手の容易さ、および吸水性能やゲル強度の安定性などの観点から、反応性基としてカルボキシル基などを有する部分中和ポリアクリル酸塩架橋体の高吸水性樹脂が最も好適である。
また、この高吸水性樹脂(14b)の純水に対する吸水性能は、少なくとも50ml/gであることが好適であり、更に好ましくは100〜1000ml/gの範囲である。吸水性能が50ml/g未満の場合には、基材(14)を有機短繊維(14b)のみで構成した場合と、基材(14)を有機短繊維(14b)および高吸水性樹脂(14b)で構成した場合とにおける夫々の吸水性能に有意差がなくなり、高吸水性樹脂(14b)添加の効果が現れなくなるからである。
さらに、この高吸水性樹脂(14b)はゲル強度の高いものであることが好ましい。高吸水性樹脂(14b)のゲル強度が低いものだと、当該樹脂(14b)を微粉にして基材(14)に配合した際、尿吸収後に当該樹脂(14b)のゲルが分解して基材(14)における尿の保持効果が低下するようになり、基材(14)に保持された尿が温度変化等によって基材(14)の外へと蒸発・放散して悪臭が漂うようになるからである。
なお、基材(14)を構成する有機短繊維(14a)と高吸水性樹脂(14b)との混合割合は重量比で3:7〜9:1の範囲であることが好ましく、より好ましくは、4:6〜8:2の範囲である。この範囲の混合割合よりも有機短繊維(14a)の混合割合が少なくなると、基材(14)の機械的強度が弱くなるため排泄物処理材(10)が崩壊しやすくなり、逆に、この範囲の混合割合よりも高吸水性樹脂(14b)の混合割合が少なくなると、尿が十分に吸収されなくなるからである。
消臭材(18)は、主に尿の臭いを消すためのものである。この消臭材(18)としては、木酢液や竹酢液のような植物抽出液、クエン酸,リンゴ酸ような有機酸およびリン酸など、特に尿に含まれるアンモニアやアミン類などに対して効果の高いものを、基材(14)の重量に対して0.5〜30重量%の範囲で添加するのが好適である。
スキン層(16)は、再湿糊(20)によって構成されたポーラス構造の薄膜層である。このスキン層(16)の厚みは、10〜500μmの範囲であることが好ましい。スキン層(16)の厚みが10μm未満の場合には、再湿糊(20)が粘着性を発現した際の粘着力が弱くなり、逆に、500μmより厚くした場合には、排泄物処理材(10)に接触した尿などの液体排泄物が基材(14)に到達するまでの距離が長くなるので、液体排泄物の吸収やその臭気の脱臭効率が低下したり、スキン層(16)の粘着力が強くなりすぎるので、愛玩動物などが砂かき行為を行なう際に、排泄物処理材(10)が愛玩動物などの足に付着して便床(12)から持ち出されやすくなるとともに、水洗トイレなどに流して廃棄処分する際に、排泄物処理材(10)が水中で崩壊しなくなり配管を詰まらせるようになるからである。
なお、スキン層(16)は、基材(14)の表面全体を「完全」に被覆する必要はなく、基材(14)の吸水によって発生する有機短繊維(14a)や吸水性樹脂(14b)の破片の飛散が防止できるのであれば、部分的に基材(14)の表面が露出していてもよい(図2参照)。
再湿糊(20)は、尿などの液体と接触することによって粘着性を発現する高分子である。この再湿糊(20)は、水分によって軟化されて粘着性を発現させるが、再湿糊(20)を構成する高分子には保水効果がなく、再湿糊(20)を軟化させた水分はすぐに基材(14)へと移動する。このため、保水材のように水分が蓄積せず膨潤しない。したがって、尿や糞の水分を吸収し湿潤状態となってもポーラス性を失わない。
この再湿糊(20)を構成する高分子としては、にかわ,アラビアガム,グアガム,デキストリン,澱粉,ポリビニルアルコール,酢酸ビニル,アクリル系接着剤,ポリアクリルアミド,ポリエチレンオキサイド,カルボキシメチルセルロースおよびこれらの変性物などを単独または併用で使用するのが好適である。
次に本発明の排泄物処理材(10)の製造方法を説明する。
本発明の排泄物処理材(10)を製造する際には、まず、有機短繊維(14a)、高吸水性樹脂(14b)および必要に応じて糊材を所定の割合で混ぜ、攪拌機にて十分に攪拌・混合しながら少量の水をできるだけ均一になるように添加して粘土状の混合材料を得る。なお、ここでいう糊材とは、有機短繊維(14a)同士、高吸水性樹脂(14b)同士あるいは有機短繊維(14a)と高吸水性樹脂(14b)とを互いに接合するためのものであり、でんぷんやPVAなどがこれに該当する。次に、この混合材料を、5〜10mm程度の口径を有する成形孔が多数穿設されているダイスに入れ、加圧部材で加圧して前記成形孔から棒状にて押し出し、これをダイスの押出面に沿って動くカッター或いはダイスの下に設けたカッターにて長さ5〜10mm毎に切断して粒状化した基材(14)を得る。
続いて、得られた基材(14)を機械的に攪拌あるいはトレイ上で転動させながら消臭材(18)の溶液もしくは消臭材(18)の粉体と水とを一緒にスプレーし、スプレーと同時に基材(14)が所定の水分率となるように乾燥する。すると、基材(14)の表面全体を覆うようにして消臭材(18)を含浸させることができる。
そして、消臭材(18)を含浸させた基材(14)を機械的に攪拌あるいはトレイ上で転動させながら再湿糊(20)の溶液もしくは再湿糊(20)の粉体と水とを一緒にスプレーし、スプレーと同時に乾燥する。すると、基材(14)の表面全体を被覆するように再湿糊(20)からなるポーラス構造の薄いスキン層(16)が形成され、排泄物処理材(10)を得ることができる。
本発明の排泄物処理材(10)を愛玩動物用の便床(12)に敷き詰めて(図1参照)、動物に排尿させると、尿と接触したスキン層(16)の再湿糊(20)が湿潤状態となって粘着性を発現させるとともに、ポーラス構造のスキン層(16)を通過した尿が、基材(14)を構成する有機短繊維(14a)の毛細管現象によって基材(14)の内部へ向けて移動する。そして、基材(14)内へと移動した尿は有機短繊維(14a)および高吸水性樹脂(14b)にて吸収され、かつ、固定される。
また、スキン層(16)の再湿糊(20)は保水効果がなく、再湿糊(20)を軟化させた水分もすぐに基材(14)内へと吸収される。このため、再湿糊(20)が粘着性を発現させる際、スキン層(16)には水分が蓄積せず、スキン層(16)が水分によって保水・膨潤することはない。したがって、ポーラス構造の細孔が閉塞されることはなく、尿は抵抗を受けることなくスキン層(16)を容易に通過し、基材(14)へ到達することができる。
さらに、尿を吸収した高吸水性樹脂(14b)が膨張して基材(14)が割れたとしても、基材(14)全体がスキン層(16)で被覆されているので、基材(14)の破片が飛散することはない。
そして、尿を吸収した使用済みの排泄物処理材(10)は、スキン層(16)の再湿糊(20)の粘着性によって互いに接合され、団塊を形成する。したがって使用済みの排泄物処理材(10)を便床(12)から取り除く場合、団塊となった部分のみを取り除けば良く、使用後の処理が簡単であり、かつ経済的である。さらに、スキン層(16)は極めて薄いものであり、水中での崩壊性を有していることから、使用済みの排泄物処理材(10)を水洗トイレなどに流して処分することができる。
この実施例によれば、高吸水性樹脂(14b)が基材(14)の表面ではなく基材(14)の内部全体に分散しているので、高吸水性樹脂(14b)のみならず有機短繊維(14a)でも尿などの液体を吸収することができ、排泄物処理材(10)表面に含まれる液体の量を著しく低減させることができる。これにより、基材(14)内に吸収された尿などの液体が蒸発しようとする場合には、これら液体が、親水性の高い材料で構成された基材(14)の内部から表面に向けてその親水性に抗して移動しなければならず、これが律速となり、尿の蒸発や尿臭の放散を低減させることができる。
また、基材(14)の表面全体が保水性を持たない再湿糊(20)からなるポーラス構造のスキン層(16)で被覆されているので、排泄物処理材(10)が尿などの液体に接触して再湿糊(20)が軟化しても、再湿糊(20)を軟化させた水分は直ちに基材(14)に吸収されて、排泄物処理材(10)の表面は乾燥状態となる。このため、尿などの排泄物を吸収した排泄物処理材(10)が愛玩動物などの足に付着して散乱するのを防止することができる。
そして、基材(14)には尿臭に対して効果のある消臭材(18)を配合しているので、基材(14)内部全体にて吸収・固定された尿などの液体排泄物と消臭材(18)とが高い確率で接触することができ、これらの排泄物が発する臭気を効果的に消すことができる。この実施例では、基材(14)の表面全体を覆うようにして消臭材(18)を含浸しているので、基材(14)が尿を吸収する際のみならず、基材(14)の内部に吸収された尿が基材(14)の外へと蒸発しようとする際にも消臭材(18)と尿とが接触することができ、より効果的に尿臭を消すことができる。
なお、上述の実施例では、基材(14)を調製する際に、有機短繊維(14a)と高吸水性樹脂(14b)と消臭材(18)とを同時に混合し、これらの各材料を基材(14)内にて均一に分散させる例を示したが、まず始めに高吸水性樹脂(14b)と有機短繊維(14a)とで、もしくは高吸水性樹脂(14b)単独で粒状の核を形成し、この核の表面全体を有機短繊維(14a)で覆うと共に必要に応じて消臭材(18)を添加する、つまり図4に示すように、高吸水性樹脂(14b)が基材(14)の中心部にのみ配設された排泄物処理材(11)とするのが特に好ましい
このように高吸水性樹脂(14b)を基材(14)の中心部にのみ配設することによって、排泄物処理材(11)に接触した尿などの液体は、有機短繊維(14a)の毛細管現象によって基材(14)の中心部へ向けて運ばれるとともに、基材(14)の中心部にのみ配設された高吸水性樹脂(14b)に吸収され、かつ、固定される。この結果、基材(14)内に吸収された尿などの液体が蒸発しようとする場合には、液体が、親水性の高い材料で構成された基材(14)の中心から表面に向けてより長い距離を移動しなければない。したがって、尿の蒸発や尿臭の放散をさらに減少させることができる。
また、上述の例では、排泄物処理材(10)の製造方法として、基材(14)形成後に消臭材(18)を含浸させる方法を示したが、有機短繊維(14a)および高吸水性樹脂(14b)などを所定の割合で混合する際に消臭材(18)も一緒に混合して、基材(14)全体に消臭材(18)を配設するようにしてもよい。
また、高吸水性樹脂(14b)として、例えば水100gに対する溶解度が0.1〜11gのカルボン酸などが添加された酸性の高吸水性樹脂(14b)を使用するようにしてもよい。これにより、高吸水性樹脂(14b)自身が尿に対する消臭性能を発揮することができるので、消臭材(18)配合の有無にかかわらず、排泄物処理材(10)に消臭性能を付与することができる。
そして、スキン層(16)に、ポリフェノール,フラボノイド,酸化亜鉛,硫酸第1鉄,二酸化チタンおよびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなど特にメルカプタンなどの糞臭に対して効果の高い消臭成分を添加してもよい。これにより、排泄物処理材(10)と糞とが接触した際に、糞臭と排泄物処理材(10)表面のスキン層(16)に配合された消臭成分とが直接接触でき、効果的に糞臭を消すことができる。
本発明の一実施例の排泄物処理材の使用態様を示す斜視図である。 本発明の一実施例の排泄物処理材を示す斜視図である。 本発明の一実施例の排泄物処理材を示す拡大断面図である。 本発明の他の実施例の排泄物処理材を示す拡大断面図である。
符号の説明
(10)(11) 排泄物処理材
(12) 便床
(14) 基材
(14a) 有機短繊維
(14b) 吸水性樹脂
(16) スキン層
(18) 消臭材
(20) 再湿糊

Claims (3)

  1. 親水性の有機短繊維と高吸水性樹脂とを混合してなる粒状の基材と、
    前記基材の表面全体に設けられた再湿糊からなるポーラス構造のスキン層とで構成された排泄物処理材であって、
    前記高吸水性樹脂が前記基材の中心部にのみ配設されていることを特徴とする排泄物処理材
  2. 前記基材には、尿臭に対して効果のある消臭材が配合されていることを特徴とする請求項1に記載の排泄物処理材。
  3. 前記スキン層には、糞臭に対して効果のある消臭成分が配合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の排泄物処理材。
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