JP6814963B1 - 動物用敷料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 古紙を原料として、吸水性、保水性及びクッション性に優れた動物用敷料を提供する。【解決手段】 古紙を原料とし、中央部の塊部分と古紙パルプが部分的にばらけてなるヒゲ状の形状の周縁部からなり、前記塊部分は解砕した古紙パルプが塊状に絡み合ってできており、前記塊部分の最小径が5〜24mm、且つ最小径に対する最大径の比が3以下の動物用敷料である。【選択図】図1

Description

本発明は、古紙を原料とした家畜舎等に使用される動物用敷料に関するものである。
家畜を飼育する家畜舎等においては、家畜の安楽性や糞尿処理のために敷料が使われている。敷料は、もともと稲わら、もみ殻、麦わら、乾牧草等の農産物系の敷料が使用されていたが、現在では製材工場から発生するおが粉のほかパルプ材(間伐材)等を直接加工して作られるおが粉が主に使用されるようになってきた。
ところが近年、全国的に電力固定価格買取制度(FIT)による大規模な木質バイオマス発電が行われるようになり、原料となるパルプ材の競合等によるおが粉の供給不足及び価格の高騰が問題になってきている。
このため古紙、建築廃材、廃菌床等の廃棄物系の資材を原料にした敷料の検討も行われている。例えば、下記特許文献1(特開昭58‐20131号公報)には、古紙又は廃パルプの裁断、粉砕物を加湿造粒して大部分が粒子径3〜10mmの綿状粒子としたことを特徴とする家畜用敷床材が開示されている。これによれば、埃が立たないので動物が気管支炎や耳炎をおこすことがなく、また、十分な水分を保持吸水する能力があるので、排尿による尿溜まりができないうえ、使用量を稲わらに対して約1/2にできる。そのほか、素材は古紙等のパルプが主成分であるため、柔らかく暖かい寝床を作ることができ、季節や自然状態に関係なく工場で大量生産ができるので、安定かつ安価に供給できる。加えて、使用後の敷床材は植物繊維であるから、良質の堆肥として再利用できる効果も得られる。
また、下記特許文献2(特許第2931591号公報)には、板紙又は貼合紙を縦横1〜50mmの範囲の不定形状に破砕、さらに周縁はパルプ繊維を引きちぎったように毛羽立たせることで、糞尿に対する吸収の持続性、断熱性、殺菌性に優れた特徴をもった家畜用の紙製敷料が開示されている。
さらに、下記特許文献3(特開2000‐263011号公報)には、古紙を煮沸等したのち、破砕脱水し、加熱乾燥することにより、クッション性がよく、牛の乳房炎、豚の豚コレラ、トキソ病等にかかるのを効率よく阻止することができ、使用後は炭化処理等の処分が可能な畜舎用敷料や焼酎廃液、汚泥等の処理に使用される吸水材の製造方法及び使用済み吸水材の処理方法が開示されている。
さらにまた、下記特許文献4(特開平11‐239426号公報)には、古紙を最長部分が1mmから30mmに破砕して敷料とし、かつ必要に応じて着色材、消臭剤、バクテリア、及び土壌改良材、又は、界面活性剤、さらに又は高吸水性樹脂及び多孔質化合物を混合、又は吹きつけ等して機能を付加することで、糞尿に対する吸水性、断熱性、殺菌性に優れた家畜飼育用敷料が開示されている。
特開昭58‐20131号公報 特許第2931591号公報 特開2000‐263011号公報 特開平11‐239426号公報
上記特許文献1に記載の敷料は、古紙及び廃パルプを約0.5mm以下の綿状に裁断したのち、篩いに掛けて10μm以下の微粉を取り除き、これに水を噴霧加湿し、造粒機にかけて綿状体にして大部分の粒子径が3〜10mmの柔軟な多孔質の綿状粒子としたものであることから、敷設時及び動物が移動する際に簡単に全体又は部分的にばらけて、10μm〜0.5mmの綿状の粒子が飛散する。また、ばらけ或いは飛散し床面に堆積した綿状の粒子は、糞尿によって濡れると、床面にへばりつき、さらに紙には水溶性成分等(水溶性成分等については後述する。)が含まれているため、吸水するとこれらが溶け出し、粘性が付与されるため、泥濘化乃至粘土状態(以下、べとべとともいう)になって敷床面を汚し、一方でまた糞尿を含んだ敷料の回収が困難になる。このため乳牛等のような糞尿中の水分量が多い動物の敷料として使用する場合は、単独での使用はできず、おがくず等に混ぜて使用されている。
なお、粒子安定性を高めるため造粒時に結合材を混ぜると、綿状の粒子の飛散は抑制できるが、一般的によく使用されるカルボキシメチルセルロース等の水溶性の結合材を使用すると、吸水して結合材自体が溶け出し、形状が保てないだけでなく、床面はよりベトベトになる。また、ポリビニルアルコール等の水溶性ではあるが、一旦乾燥すると非水溶性になるポリマーは造膜性があるため、これを使用すると、綿状粒子の表面に膜を張り、繊維間の多孔質部分を塞いでしまい、吸水性が低下するうえ、使用後糞尿と一緒に回収したのちに堆肥等にする場合、難分解性物質として残存してしまうおそれがある。
さらに、上記特許文献2の紙製敷料も、紙を乾式で破砕し、周縁部を毛羽立たせていることから特許文献1と同様な課題がある。また、板紙及び貼合紙はコピー用紙等の比較的薄い紙と比較すると、紙自体の吸水量は多いが、その表面及び紙同士間の隙間でも多く保水する。さらに周縁を毛羽立たせることで毛羽立たせた周縁部で多くの水分を蓄えることができる。このため一見すると吸水性は高くなる。しかしながら紙表面、紙同士間及び毛羽立たせた周縁部で保水されている水分は、動物の移動等による敷料の移動により容易に周囲に拡散してしまう。特に糞尿を含んだ敷料を回収する際に多くの水分が流れ出すため、回収作業の作業性が悪いうえ、流れ出たり、飛散したりした水分中の臭気成分(主にアンモニア成分)が一気に気散し、畜舎内の環境を悪化させるおそれがある。
さらにまた、上記特許文献3の製造方法においても特許文献1と同様な課題がある。特に水又は温水に浸漬、又は煮沸により古紙をふやけた状態にするため、水溶性成分等が溶け出す。特に煮沸をすると填料等の接着に使用されるポリビニルアルコールは水には溶け難いが、温水には溶け易いため、これらが溶け出すうえ、紙に固定されていた填料等に使用されるカオリン等の鉱物性粉末が溶け出す。一般的な動物用の敷料の使用においては、熱水等は使用されないため溶け出すことはないが、煮沸することにより溶け出してしまうため、十分に分離除去する必要がある。
さらにまた、上記特許文献4の敷料は、古紙を乾式で破砕しているので紙の平面が比較的多く残るため、特許文献1及び2と同様の課題がある。特に、揉んだり、曲げたりすると、折れ曲がった紙面同士の間により多くの水分を蓄えるため、動物の移動により敷料が動くと、保水されていた水分が周りに容易に拡散してしまう。また、防水処理等が施された紙に界面活性剤を塗布して吸水性を付与すると、保水は紙表面でしか行われないうえ、表面で保水する量が多くなるため、より多くの水分が敷料の移動により周囲に拡散してしまう。
さらに平面が多い敷料は、敷料と床面との間に水分が存在すると床面にへばりつき、回収を困難にする。たとえ揉んだり、曲げたりしてあっても、水に濡れると平面状に広がりやすく、動物により踏まれると、なおさら平面状になって床面にへばりついてしまう。
なお、一般的に古紙は束ねたり、ぐちゃぐちゃにされたりして、回収されるため、界面活性剤を吹き付けても全面に満遍なく親水性を付与させることは困難である。また、破砕後に形状が不定形になるとともに揉んだり折り曲げたりするとなおさら困難になる。また、たとえ全体に塗布できたとしても、一般的に界面活性剤は水に数重量%加えて使用されるため、塗布後の紙の含水率が高くなり、吸水材としての機能は喪失するおそれがある。
以上から、近年のおが粉の供給不足及び価格の高騰に対しておが粉の代替品の供給が急務になってきており、その代替原料として古紙が検討されてきているが、古紙を紙形状の多くを残したまま、折り曲げたり、周縁部を毛羽立たせたり、或いは単に繊維状にしたりしても、微粉が飛散したり、床面がべとべとしたり、さらには床面にへばりついて回収に支障を来たす等の問題によりほとんど普及していない。
そこで、本発明者らは、動物用敷料として古紙を使用する際、床面がべとべとする問題についてその原因を鋭意探求してきた。その結果、製紙過程で添加される水溶性成分等が溶け出すことにより、床面がべとべとすることに気付くとともに、これらの水溶性成分等を古紙から分離し易くしたのち、水洗除去することで、溶け出して床面がべとべとしなくなることに思い至った。さらにまた、糞尿が古紙の表面に濡れた状態で付着することで、より床面をべとべとにすることにも気付き、敷料の形状を塊状にすることで糞尿の固液分を分離でき、床面がべとべとしなくなることに想到し、本発明を完成するに至ったものである。
そこで、本発明の目的は、吸水性、保水性、クッション性に優れ、使用時に床面がべとべとしない動物用敷料を提供するものである。
本発明の第1の態様の動物用敷料は、古紙パルプからなる不定形状の塊状物であって、前記塊状物は平面視で略中央部の塊部分の最小径が5〜24mm、且つ最小径に対する最大径の比が3以下であり、且つ該塊部分の周縁は部分的に古紙パルプがばらけてなる長さが0mmを超え、且つ10mm以下のヒゲ状の形状を有することを特徴とする。
本発明の第2の態様の動物用敷料は、第1の態様の動物用敷料であって、前記塊状物に天然植物繊維くずを、全重量の0重量%を超え、且つ50重量%以下含む動物用敷料であって、前記天然植物繊維くずは、綿及び麻の繊維くずのうちの1以上の混合物であることを特徴とする。
本発明の第3の態様の動物用敷料は、第1及び2の態様の動物用敷料であって、全重量のうち7〜20重量%の水分を含むことを特徴とする。
本発明の第1の態様の動物用敷料によれば、古紙パルプが絡み合って塊状になった中央部を有することから、水分が敷料の表面に触れると忽ち中央部の塊部分の内部に浸透し蓄えられる。このため、例えば乳用牛等の水分量が比較的多い牛糞が敷料の表面に接触すると、牛糞中の水分は速やかに塊部分の内部に浸透し、固形分は表面に付着し水分を失うため乾燥が早く、床面が湿った牛糞でべとべとしない。また、塊部分の周縁は部分的に古紙パルプがばらけてなるヒゲ状の形状を有していることから、水分に接触する表面積が多くなるとともに、ひとつの敷料で吸水できる範囲が広くなるうえ、隣接する敷料への水分の移動を助ける作用もある。さらにまた、転がり難いうえ隣接する敷料と干渉し、動物等の移動により転がってムラになり難い。
本発明の第2の態様の動物用敷料によれば、古紙パルプより強靭な天然植物繊維くずが絡み合って存在するため、よりクッション性に優れた敷料が提供できる。
本発明の第3の態様の動物用敷料によれば、水分量が低すぎて硬くなり、クッション性が損なわれることがなく、且つ水分量が高すぎて保管中にカビか発生することがない。
本発明の実施形態1に係る動物用敷料の模式図である。 本発明の実施形態1に係る動物用敷料の製造方法の工程ブロック図である。 吸水量と嵩密度の測定結果を示したグラフである。 塊部分の最小径と吸水前重量に対する吸水量の測定結果を示したグラフである。 本発明の実施形態2に係る動物用敷料の製造方法の工程ブロック図である。
以下、本発明の実施形態に係る動物用敷料について説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具現化するための動物用敷料を例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
[実施形態1]
以下、図1を参照して本発明の実施形態1に係る動物用敷料を説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る動物用敷料の模式図である。
本発明の実施形態1に係る動物用敷料は、古紙を原料とし、中央部の塊部分11と、部分的に古紙パルプがばらけてなるヒゲ状の形状の周縁部12からなり、中央部の塊部分11は解砕した古紙パルプが絡み合って塊状をなしており、その最小径は5〜13mmを中心に最大で24mm以下であり、最小径に対する最大径の比が3以下である。また、周縁部は、部分的に古紙パルプがばらけて長さ10mm以下のヒゲ状の形状をしている。
以下、これらの形状について詳述し、その作用を明らかにする。
a)中央部の塊部分の作用
古紙(つまり紙)は、パルプをプレスしたのち乾燥させて作られており、その厚みは最も薄い折り込みチラシで0.06mmであり、厚めのポストカードでも0.24mm程度である。このため、紙の平面が多く残っている敷料では紙繊維内部の吸水量は非常に少なく、保水される水分の多くはその表面及び敷料間の隙間に存在する。また破断等して破断面が引きちぎられて毛羽立った状態の紙は、この毛羽立った部分に多くの水分を蓄えることができる。
このため、動物の移動及び敷料の回収等により敷料が移動すると保水されている水分の多くが床面に拡散してしまう。さらに乳用牛等のような含水率の高い牛糞がこの敷料に接触すると、その表面及び破断されて無数の短繊維からなる毛羽立った周縁部に付着するが、敷料表面に水分と固形分が混在して存在するため、固形分を含んだ水分が拡散し、床面がべとべとしてしまう。さらに薄く平面が多い敷料は濡れると床面にへばりつき、回収に支障を来たす。
一方、本発明の敷料は、その中央部が塊状になっており、且つ内部の古紙パルプ間には適度な圧搾による空間が存在するため、この塊部分に多くの水分を蓄えることができる。さらに塊部分の最小径を24mm以下とすることで、実験例13〜21に示すように水分を吸い上げる力が水分の自重よりも勝るため、一旦吸水した水分が流れ出すことがなく、動物の移動及び敷料の回収等により敷料が移動しても保水されている水分が床面に拡散することはない。さらに水分量の多い牛糞がこの敷料に接触しても、水分は塊部分の内部に浸透するのに対して、固形分は表面に付着し、水分を失うため、表面に付着した牛糞中の固形分が床面に拡散することがなく、床面がべとべとすることはない。また、床面との接触部は平面ではなく点で接するため、床面にへばりつき、回収に支障を来たすことはない。
また糞と尿が混合されると、尿中の尿素が糞中の酵素(ウレアーゼ)及び微生物によりアンモニア等の臭気成分に分解され、悪臭が発生するが、本発明の敷料によれば尿を速やかにその内部に吸収して糞と尿が混合することを抑制できるため、悪臭の発生を防止することができる。
さらに本発明の敷料を使用後糞尿とともに回収したのち堆肥化すると、糞中の水分が敷料に閉じ込められ、水分と固形分が分離された状態で堆肥化されるため、マクロ的な含水率は同じでも糞中の含水率が低くなり、撹拌時に空気を取り込みやすく、堆肥化が促進されるうえ、嫌気性発酵よりも好気性発酵が促進されるため、悪臭の発生が抑制できる。さらに堆肥化する際に、本発明の敷料を添加することでより効果が増大する。
なお、塊部分はその最小径に対する最大径の比が3を超えると、敷料の見掛けの体積に対する見掛けの表面積が大きくなり、塊状の効果が薄れてしまう。
b)古紙パルプがばらけてなるヒゲ状の形状の周縁部の作用
中央部の塊部分は転がり易いため、ムラになり易く、敷料間に隙間ができ易い。このため、塊部分から部分的に古紙パルプがばらけてなるヒゲ状の形状の周縁部を有することで、単独でも転がり難く、安定しており、さらに隣接する敷料と干渉することで動物の移動によるズレを防止できる。
さらに隣接する敷料との接触面積が増えるため、許容量を超えて吸水した敷料から床に流れ出たのち隣接する敷料が吸水するのではなく、ヒゲ状の形状をした周縁部を通じて水分が伝わるため、床面が濡れにくく、且つ、塊部分の方が周縁部よりも水分が伝わる断面積が大きいため、接触した水分は最初に塊部分内で拡散し、その後、余剰の水分が周縁部を通して隣接する敷料に伝わることから、動物が排泄した地点に近い敷料から順番に充満していくため、最小範囲の敷料で吸水される。さらに吸水した敷料と吸水していない敷料との境界が明確に分かれるため、吸水した箇所の敷料だけを交換すればよく、敷料の使用料を減らすことができる。
また、本発明の実施形態1に係る動物用敷料は、前記に加えて、全重量のうち7〜20重量%の水分を含んでいる。
古紙パルプは水分を失うと硬くなり柔軟性が失われるとともに、絡み合った古紙パルプ同士のすべりが悪くなるため、ずれにくくなり、弾力性が損なわれる。特に水分量が7重量%よりも少なくなると顕著になり、敷料のクッション性が損なわれる。また、一般的に水分量が20重量%を超えるとカビが発生し易くなるといわれている。
図2は本発明の実施形態1に係る動物用敷料の製造方法の工程ブロック図である。
本発明の実施形態1に係る動物用敷料の製造方法10Aは、(a)古紙を所定のサイズの繊維状に破砕する破砕工程と、(b)破砕して得られる古紙パルプを水洗する水洗工程と、(c)水洗した古紙パルプを圧搾脱水して古紙パルプ塊を形成する古紙パルプ塊形成工程と、(d)古紙パルプ塊を所定の形状乃至サイズに解砕して不定形塊状物を形成する不定形塊状物形成工程と、(e)不定形塊状物を乾燥する乾燥工程とからなっており、吸水性、保水性、クッション性に優れるうえ、使用時に微粉末が飛散せず、また床面がべとべとせず、且つ使用後の回収時に床面にへばりついて回収に支障を来たさない動物用敷料を製造できる。
以下、この製造方法を詳述し、さらにその作用を明らかにする。
(a)破砕工程
この破砕工程では、古紙を所定のサイズに破砕するとともに、古紙パルプが解れて繊維状になるように破砕する。このときの破砕後の繊維長が10mm以下になるよう破砕する。繊維長がこれより長くなると、絡み合いが強くなり敷料が大きくなりすぎる。また、敷料として使用する動物の種類(特に大きさ)により、大型動物には長めに、小型動物には短めに繊維長を調整することで敷料のサイズを調整することができる。
この破砕工程で繊維状に破砕することで古紙パルプ間に隙間ができ、水分をより多く蓄えることが可能となる。なお、この破砕工程では、乾式で破砕を行うため易遊離パルプが発生し易いが、発生した易遊離パルプは次工程の水洗工程で除去する。
(b)水洗工程
この水洗工程では、破砕して得られる古紙パルプに付着または混合している異物、水溶性成分等及び易遊離パルプを水で洗い流して除去する。古紙には様々な異物が付着しており、また古紙を繊維状に破砕すると易遊離パルプが発生する。これらの異物及び易遊離パルプは敷料として使用する際に飛散して家畜舎の環境を悪化する。さらにこの敷料が糞尿により濡れると易遊離パルプの遊離及び水溶性成分等が溶け出して床面がベトベトする等の作業環境の問題が生じるため、これらを水洗除去することで、作業環境が悪化しない敷料が得られる。
さらに以下に水溶性成分等について詳述する。古紙は、家庭および企業等から排出される使用済みの紙であり、新聞紙、雑誌、段ボール、紙パックおよびその他の雑がみ並びにシュレッダー紙等がある。古紙の元である紙には製紙過程において、その用途に合わせて様々な薬剤の添加及び表面処理が施されており、古紙は様々な薬剤等を含有している。この薬剤等も敷料として使用する際の泥濘化の問題を引き起こすと考えられる。
たとえば、紙の白色度、不透明度、地合、表面の平滑性を向上させ、インキ抜け等を防止するために添加される填料には、カオリン等の鉱物性粉末(言ってみれば粘土みたいなもの)が使用されており、接着剤によって紙繊維間に固定されている。一般にこの接着剤は水に溶けないが、紙が吸水すると紙繊維が膨潤し、その接着力が弱くなり、紙繊維が離解されることでカオリン等の鉱物性粉末も溶け出し粘性が生じると考えられる。その他、抄紙工程では、水溶性の増粘剤であるカルボキシメチルセルロース等も使用される場合があり、これらも粘性の要因と考えられる。
従ってこれらの水溶性成分等を水洗することで除去した本発明の敷料は、使用時に糞尿によって濡れてもこれらの水溶性成分等が溶け出さないため、床面がべとべとすることはない。なお、カオリン等の鉱物性粉末は厳密には水溶性成分ではないが、マクロ的には溶け出して懸濁するため、これらを総称して水溶性成分等とした。なお、一般的に敷料として使用する際に触れることのない熱水等によって溶出する成分は、水溶性成分であっても使用時に溶け出すことはないため、残存しても問題はない。また、非水溶性成分で覆われており、水に濡れても溶け出さない水溶性成分等が残存しても問題はない。重要なことは、水に濡らした際に溶け出して粘着性を示さないことである。
なお、水洗工程及び次工程の古紙パルプ塊形成工程を複数回繰り返すことでより効果が増す。
また前記破砕工程で一旦繊維状に破砕された古紙パルプは、この水洗工程で水中で洗浄することで古紙パルプ内に水分を取り込み膨潤するうえ、古紙パルプ同士が絡まり合い、古紙パルプ間に隙間が生じる。この隙間を次工程の古紙パルプ塊形成工程で適切に調整することにより優れた吸水性及びクッション性が得られる。なお、前記破砕工程において水中で破砕することにより、この水洗工程と前記破砕工程を同時に行うことができる。
(c)古紙パルプ塊形成工程
この古紙パルプ塊形成工程では、水洗した古紙パルプに含まれる水分を圧搾脱水する。水洗後の古紙パルプに含まれる水分には極僅かではあるが、異物および水溶性成分等が含まれており、自然乾燥または加熱乾燥等の水分の蒸発による脱水ではこれらが残存するため、圧搾脱水する。この際に前記水洗工程で生じる古紙パルプ間の隙間の最適化を図ることで優れた吸水性(吸水量及び吸水速度)及びクッション性が得られる。この古紙パルプ間の隙間の調整は、圧搾脱水時の圧搾率を調整することによって可能であるが、材料の性状等により圧搾条件は変わるため、圧搾脱水後の含水率で管理するほうがより安定した吸水性及びクッション性が得られる。
(d)不定形塊状物形成工程
この不定形塊状物形成工程では、圧搾脱水して得られる古紙パルプ塊を湿潤状態で所定の形状乃至サイズに解砕する。湿潤状態で解砕して塊状になった敷料は、中央部が塊状であり、その周縁部が部分的に古紙パルプがばらけてヒゲ状の形状になる。特に前記破砕工程で繊維長を10mm以下に破砕することで古紙パルプ同士の絡み合いを弱くしており、且つ湿潤状態で解砕するため、古紙パルプは柔らかく柔軟に曲がり、且つ古紙パルプ同士がすべるため、比較的弱い力で引きちぎれることから比較的短時間で解砕を行うことで塊状の中央部と部分的に古紙パルプがばらけてなるヒゲ状の形状の周縁部を有する敷料ができる。なお、破砕工程において古紙パルプの長さを10mm以下に破砕するため、周縁部のヒゲ状の形状の長さは概ね10mm以下となる。
なお、解砕時間が長くなると全体的に古紙パルプがばらけて多くの易遊離パルプが発生してしまうため、解砕時間は短くする。この中央部の塊部分及び部分的に古紙パルプがばらけてなるヒゲ状の形状の周縁部の作用については前述したため説明は省略する。
なお、次工程の乾燥工程の後に解砕しても良いが、比較的大きな古紙パルプ塊のまま乾燥させると乾燥ムラができ易く、部分的に水分量が少なく固着した部位ができ、解砕する時間を長くする必要があるため、古紙パルプが単繊維化し毛羽立つとともに、易遊離パルプが発生し易くなるため、乾燥前に解砕するほうが好ましい。
(e)乾燥工程
この乾燥工程では、解砕して得られる不定形塊状物を自然乾燥、加温、送風等により乾燥する。乾燥後の敷料に含まれる水分量は、敷料全重量に対して7〜20重量%、好ましくは10〜15重量%とする。7重量%未満だと硬くなってしまいクッション性が損なわれ、20重量%を超えるとカビが発生し易くなる。
<古紙の吸水性に関する実験[実験例1〜4]>
次に、本発明の実施形態1の製造方法で製作した敷料の吸水性を実験例1〜4によって確認した。
まず、吸水性のある使用済みコピー用紙及び撥水性のある使用済み駐車券をそれぞれ乾式で繊維状に破砕し、水で洗った後、圧搾脱水した。さらに水で洗ったのち圧搾脱水し、その後解砕したのち、自然乾燥し、塊部分の中央部と部分的にばらけてなるヒゲ状の形状の周縁部を有した実施形態1の敷料の実験例1、2の試料を得た。
次に吸水性のある使用済みコピー用紙及び撥水性のある使用済み駐車券を乾式で繊維状に破砕したのち、水で洗った後、圧搾脱水した。その後さらに水で洗った。このとき水洗で使用した水に、界面活性剤を水に対して0.1重量%添加した。こののち、圧搾脱水し、そのまま湿潤状態で解砕したのち、自然乾燥して同様に実施形態1の敷料の実験例3、4の試料を得た。
次に実験例1〜4の試料をそれぞれ約0.2g容器にとり、その重量を測定したのち、水を吸水させ、吸水後の試料の重量を測定し、吸水前重量に対する吸水量を算出した。その結果を表1に示した。
Figure 0006814963
表1に示した結果から以下のことが判明した。
実験例1及び3の吸水性のある使用済みコピー用紙の場合、界面活性剤の添加の有無に関わらず1倍以上の十分な吸水量が得られ、敷料として十分な吸水性があることが判明した。一方、撥水性のある使用済み駐車券の場合、界面活性剤を添加しなかった実験例2は全く吸水しなかったが、界面活性剤を添加した実験例4は1倍以上の十分な吸水量が得られ、敷料として十分な吸水性があることが判明した。
以上のことから、本発明の実施形態1の動物用敷料よれば、古紙から十分な吸水性を有する動物用敷料が得られるうえ、撥水処理を施された古紙でも界面活性剤を使用することにより充分な吸水性を有する動物用敷料が得られることが確認できた。
<べとべと感(水溶性成分等の溶出)に関する実験[比較例1、実験例5]>
実験例1で使用した古紙(吸水性のある使用済みコピー用紙)を使って、従来の紙製敷料において問題となる床面がべとべとする原因について実験を行った。
使用済みコピー用紙を約10mm角に裁断した紙片(比較例)と実施形態1の敷料(実験例5)をそれぞれシャーレに載せ、全体が十分濡れるようにスポイトで水を滴下したのち、30分間放置し、その後、指で解してぬめり状態を確認した。その結果、比較例1の紙片は解れるとともに指にぬめりを感じるようになった。
一方、実験例5の実施形態1の動物用敷料は指にぬめりを感じることがなかった。
古紙を裁断しただけで敷料に使用すると使用中に糞尿等によって濡れるとともに家畜によって踏み解されることで床面がべとべとになるが、実施形態1の動物用敷料は床面がべとべとになることがないことが、上記の実験結果から推察できる。
<解砕後の含水率に関する実験[実験例6〜12]>
次に、本発明の実施形態1の製造方法により製造した敷料の古紙パルプ塊形成後の含水率と乾燥後の吸水性、クッション性及び不定形塊状物形成工程から乾燥工程までの間での保形性について実験例6〜12によって確認した。
まず、使用済みコピー用紙を乾式で繊維状に破砕し、水で洗った後、圧搾脱水した。さらに水で洗った後、水分量を調節し圧搾脱水しおよそ30〜80重量%の水分量の古紙パルプ塊を製作した。その後、解砕機で解砕し、自然乾燥して、実験例6〜12の試料を得た。次にこの実験例6〜12の試料について、乾燥後の水分量、嵩密度及び重量を測定した。その後各々表面が薄っすら濡れるまで吸水させた後、重量を測定し、吸水量を算出した。また、それぞれの試料の弾力性(クッション性)及び不定形塊状物形成工程から乾燥工程までの間での保形性についても確認した。その結果を表2及び図3に示した。なお、実験例12は保形性が悪く、解砕できなかったため実験から除外した。
Figure 0006814963
表2及び図3に示した結果から、以下のことが判明した。
圧搾脱水後の古紙パルプ塊の水分量が上がるにつれて嵩密度は下がったのに対して、吸水量は増加した。これは古紙パルプ塊の水分量が多くなる(圧搾脱水時の圧縮の程度が小さくなる)につれて試料の内部空間(すなわち保水空間)が広くなり、嵩密度が小さくなるとともに、吸水量が増加するためである。古紙パルプ塊の水分量が30重量%以上であれば吸水前の重量に対して1倍以上の吸水量が得られ、敷料として十分な吸水性があることが判明した。なお、水分量が30重量%未満でも吸水量は1倍を超えると思われるが、実際に30重量%未満に圧搾脱水するためには装置が大掛かりになるため実施しなかった。
また、クッション性に関しては、古紙パルプ塊の水分量が60重量%以上では、中央部の塊部分も柔軟性がありクッション性に優れることが判明した。また40〜60重量%では中央部の塊部分は柔軟性が若干劣るが、周縁部は柔軟性があり、全体としては十分なクッション性が得られることが判明した。一方30重量%以下では、中央部の塊部分が硬いうえ、周縁部もほとんどヒゲ状の形状がなく、全体としてクッション性がほとんど感じられなかった。
また、古紙パルプ塊形成工程以降のハンドリングに関しては、古紙パルプ塊の水分量が70重量%以下では、保形性があり、以降の工程におけるハンドリングに問題はなかったが、80重量%を超えると、保形性が悪くなり、形状を保てないうえ、解砕機等に付着して、塊状にならなかった。
以上の結果から、古紙パルプ塊の水分量を50〜80重量%内に管理することで、中央部が塊状で周縁部が部分的にばらけてなるヒゲ状の形状にすることができ、吸水性、保水性、クッション性に優れた敷料が得られることが判明した。
<大きさに関する実験[実験例13〜21]>
本発明の実施形態1の動物用敷料を作成し、大きさによる吸水量について実験を行った。まず、段ボール古紙を10mm以下の繊維状に破砕したのち、水洗し、圧搾脱水を行った。その後、中央部の塊部分の最小径が3.5〜30.5mmの大きさになるよう解砕したのち、自然乾燥を行い、実験例13〜21の試料を得た。
次に予め重量を測定した試料をそれぞれシャーレに置き、シャーレ上に水を滴下し、下から吸水させた。この際液面が1mmよりも高くならないようにし、試料が吸水しなくなった時点で表面に付いた水分を拭き取り、重量を測定し、前後の重量差から吸水量を算出した。その結果を表3及び図4に示した。
Figure 0006814963
表3及び図4に示した結果から、以下のことが判明した。
試料の塊部分の最小径が10mmを超えて大きくなるにつれて、吸水量が少なくなり、24mmを超えると低下する割合が大きくなった。これは、塊部分の最小径が大きくなると底部から水分を吸い上げる力よりも水分の重量が勝り、試料の上部で保水できる水分の量が少なくなるため、試料全体に占める水分量、つまり吸水量が少なくなるためと考えられる。従って最小径の大きさが24mmを超えると吸水効率が悪くなるうえ、一旦吸水した水分が流れ出る可能性が生じることから、24mm以下に解砕するほうが良い。
なお、敷料を床面に敷く場合、最小径が高さ方向(所謂、厚さ)になるのが最も安定するため、最小径が高さ方向になるように置いて実験を行った。なお、5mm未満では塊状の効果が少なくなるが、敷料間の隙間を埋めて水分の移動の仲介をしてくれるため、多少はあるほうが良い。
従って、塊部分の最小径が5〜10mmを中心に最大で24mm以下に解砕することで、吸水効率の良い敷料が得られることが判明した。
<水分量と硬さの実験[実験例22〜29]>
本発明の実施形態1の動物用敷料の製造方法のうち、乾燥工程において乾燥時間を変えて敷料の水分量を4.5〜23.9%の試料(実験例22〜29)を作成し、塊部分を指で抓んで塊部分の弾力性を確認した。その結果を表4に示した。
Figure 0006814963
表4に示した結果から、以下のことが判明した。
水分量が9.6重量%までは塊部分を指で抓むと簡単に潰れて放すと復元するが、8.3重量%以下では若干硬いが潰れ、手を放すとある程度復元した。一方水分量が4.5重量%の試料は、硬くて潰れなかったうえ、飛散しやすい微粉が発生するようになった。なお、水分量が6.8〜9.6重量%では塊部分の弾力性が若干劣化しているが、周縁部の柔軟性が補うためクッション性には問題がなかった。
上記の結果から、水分量を7重量%以上にすることでクッション性に優れた敷料が得られることが判明した。
[実施形態2]
以下、本発明の実施形態2に係る動物用敷料を説明する。
本発明の実施形態2に係る動物用敷料は、実施形態1の動物用敷料において、古紙パルプに加えて綿くず及び麻くず等の天然植物繊維くずが全重量の50重量%以下含まれている。
古紙パルプはその表面がかなり傷んで脆くなっているものがあり、古紙パルプ塊形成工程で圧縮されると折れ曲がったり、潰れたりして、その後乾燥しても充分なクッション性が得られない場合がある。一方天然植物繊維くずの繊維は、古紙パルプに比べて強靭なため、圧縮されても潰れ難く、古紙パルプに混ぜるとバネの働きをしてクッション性の低下を防止することができる。さらに天然植物繊維くずの繊維は絡まり易いため、使用時に動物等に踏まれて塊部分が潰れてばらけることを防止できる。
なお、天然植物繊維くずは概ね水を撥くが、敷料100重量%に対して30重量%以下の混合割合までは、吸水性に影響せず、これを超えると、吸水性が悪くなるため、天然植物繊維くずの混合割合は、全重量に対して30重量%以下が好ましい。但し、後述するように界面活性剤を使用することで親水性を付与できるため、30重量%以上の混合も可能である。
なお、化学繊維くず等でも同様な効果が得られるが、敷料として使用したのち、堆肥化したり、メタン発酵の原料とする際に問題となる。
なお、古紙パルプに天然植物繊維くずを混合する場合は、比較的繊維が強く、破砕工程以降の工程において装置に絡まり故障の原因になるため、5mm以下に破砕するほうが好ましい。
図5は本発明の実施形態2に係る動物用敷料の製造方法の工程ブロック図である。
本発明の実施形態2に係る動物用敷料の製造方法10Bは、(a’−0)古紙に天然植物繊維くずを混合する原料混合工程と、(a’)混合原料を所定のサイズの繊維状に破砕する破砕工程と、(b’)破砕して得られる古紙パルプ混合物を水洗する水洗工程と、(c’)水洗した古紙パルプ混合物を圧搾脱水して古紙パルプ混合物塊を形成する古紙パルプ混合物塊形成工程と、(d’)古紙パルプ混合物塊を所定の形状乃至サイズに解砕して不定形塊状物を形成する不定形塊状物形成工程と、(e’)不定形塊状物を乾燥する乾燥工程とからなっている。
この製造方法において、上記(a’−0)〜(e’)の各工程のうち、上記(a’)〜(e’)の工程は、実施形態1の製造方法の(a)〜(e)の各工程と同一である。そこで、同一の工程は、重複説明を避けて、相違する工程のみを説明する。
(a’−0)原料混合工程
この原料混合工程では、古紙に対して所定量の天然植物繊維くずを混合する。混合に際しては混合ムラができないように撹拌しながら混合するほうが良い。天然植物繊維くずの混合割合は、敷料の全重量に対して50重量%以下とする。なお、混合量50重量%以下は、敷料100重量%に対する割合、すなわち、最終製品の敷料に混入された量である。
なお、次工程の破砕工程(a’)において古紙及び天然植物繊維くずを同時に投入しても良い。
<綿くず混合と吸水性及びクッション性の実験[実験例30〜51]>
次に本発明の実施形態1及び2と同様な製造方法により製造した敷料の綿くずの混合量による効果を実施例30〜51によって確認した。まず原料全体の重量を100重量%としたうちの綿くずの混合量を0重量%から10重量%刻みに100重量%まで変えて、残りを吸水性のある使用済みのコピー用紙とし、乾式で繊維状に破砕し、水で洗った後、圧搾脱水した。さらに水で洗ったのち圧搾脱水し、その後湿潤状態で解砕したのち、自然乾燥し、実験例30〜40の試料を得た。
次に2回目の水洗に使用する水に界面活性剤を水に対して0.1重量%の割合で添加する以外は同様にして実験例41〜51の試料を得た。
次に実験例30〜51の試料をそれぞれ約0.2g容器にとり、その重量を測定したのち、水を吸水させ、吸水後の試料の重量を測定し、吸水前重量に対する吸水量を算出した。その他、試料の柔軟性の確認及び吸水開始時間の測定を併せて実施した。その結果を表5に示した。
Figure 0006814963
表5に示した結果から以下のことが判明した。
本発明の実施形態1及び2と同様な製造方法で製作した試料のうち、水洗の水に界面活性剤を添加していない実験例30〜40の試料は、綿くずの混合割合が30重量%までは試料が水に接触してから目視で吸水が始まる時間は1秒以内であったが、40〜50重量%では約2〜3秒、60〜80重量%では5〜10秒とやや遅くなり、90重量%以上では吸水しなかった。また、吸水前重量に対する吸水量は、綿の混合割合が80重量%までは多くなるにつれて増加し、いずれも1倍以上であり、敷料として十分な吸水性を示したが、90重量%以上ではほぼ吸水しなかった。
一方、界面活性剤を添加した実験例41〜51の試料は、綿くずの混合割合が50重量%までは1秒以内に吸水し始め、60〜90重量%は遅くなり2〜3秒で吸水が始まった。また、100重量%では5〜10秒で吸水が始まったが、完全に吸水するのに30秒掛かった。また、吸水前重量に対する吸水量は、綿くずの混合割合が80重量%までは混合割合が増加するにつれて増加したが、80〜90重量%では変わらず、100重量%で若干下がったが、いずれも1倍以上であり、敷料として十分な吸水性を示した。
また、柔軟性においては、古紙単独で、且つ界面活性剤を添加しなかった実験例30の試料はやや硬かったが、それ以外の実験例31〜51の試料は柔らかく、古紙に綿くずを混合することで柔軟性が増すことが判明した。
以上のことから、綿くずの混合割合が50重量%以下にすることで、吸水性及びクッション性に優れた敷料が得られることが判明した。
<敷料に関する実験[比較例2、実験例52]>
本発明の実施形態1と同様な製造方法で動物用敷料を作成し、乳牛舎に敷いて敷料とし、使用時の状態を確認した。すなわち、段ボール古紙を10mm以下の繊維状に破砕したのち、水洗後、圧搾脱水した。圧搾脱水後の古紙パルプ塊の含水率を測定した結果、67重量%であった。その後、湿潤状態で解砕したのち、自然乾燥した。得られた敷料(実験例52)は、中央部の塊部分の最小径が概ね7〜10mmであり、塊部分の周縁部は古紙パルプが部分的にばらけてなるヒゲ状の形状であった。
この敷料を牛1頭分牛舎に敷いて使用状態を観察した結果、敷設時に微粉等の飛散はなく、転がってムラになることもなかった。また、排尿直後の状態を観察すると排尿部を中心として直径80cmくらいの範囲の敷料は湿潤しており、その外側の敷料は乾燥したままであった。また、床面は湿っているものの尿溜まりは確認できず、べとべとすることもなかった。さらに敷料の回収時にも敷料からの流水は確認できず、また床面に貼り付くこともなく、支障なく回収できた。
一方、段ボール古紙を10mm以下の繊維状に破砕したものと平面を残して破砕したものを重量比で1:1の割合で混合して作成した敷料を比較例2として同様に敷いて観察を行った。
その結果、敷設の際に微粉が飛散したが、ムラにはならなかった。また排尿直後の状態を観察すると、排尿部から60cmくらいの範囲の敷料及び床面が濡れているほか、床面の低いほうに向かって敷料及び床面が濡れており、部分的に床面がべとべとしていた。さらに回収時には敷料が床面について回収しづらかったうえ、平面状のものは床面に貼り付いて回収できないものもあった。
11 中央部の塊部分
12 ヒゲ状の形状の周縁部
13 天然植物繊維くず
10A、10B 動物用敷料の製造方法
(a’−0) 原料混合工程
(a)、(a’) 破砕工程
(b)、(b’) 水洗工程
(c) 古紙パルプ塊形成工程
(c’) 古紙パルプ混合物塊形成工程
(d)、(d’) 不定形塊状物形成工程
(e)、(e’) 乾燥工程

Claims (3)

  1. 古紙パルプからなる不定形状の塊状物であって、前記塊状物は平面視で略中央部の塊部分の最小径が5〜24mm、且つ最小径に対する最大径の比が3以下であり、且つ該塊部分の周縁は部分的に古紙パルプがばらけてなる長さが0mmを超え、且つ10mm以下のヒゲ状の形状を有することを特徴とする動物用敷料。
  2. 前記塊状物に天然植物繊維くずを、全重量の0重量%を超え、且つ50重量%以下含む動物用敷料であって、前記天然植物繊維くずは、綿及び麻の繊維くずのうちの1以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の動物用敷料。
  3. 全重量のうち7〜20重量%の水分を含むことを特徴とする請求項1および2に記載の動物用敷料。
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