JP5545892B2 - 信号生成回路および信号受信回路、信号生成回路、光信号送信装置、信号受信回路、光信号同期確立方法、および光信号同期システム - Google Patents

信号生成回路および信号受信回路、信号生成回路、光信号送信装置、信号受信回路、光信号同期確立方法、および光信号同期システム Download PDF

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Description

本発明は、光通信において、特定周波数帯域信号を送信および受信することにより、信号位置、光信号送信装置と光信号受信装置間の周波数ずれ及びクロックずれ、ならびに、波長分散量を検出し、これらの補償を行うことで光信号送信装置および光信号受信装置間の同期を確立する信号生成回路、光信号送信装置、信号受信回路、光信号同期確立方法、および光信号同期システムに関する。
本願は、2009年5月18日に日本へ出願された特願2009−120301号および特願2009−120302号、ならびに、2009年7月10日に日本へ出願された特願2009−164254号に基づき優先権を主張し、それらの内容をここに援用する。
光通信の分野において、周波数利用効率を飛躍的に向上する同期検波方式と信号処理を組み合わせた通信システムが注目されている。この種の通信システムは、直接検波により構築されていたシステムと比較すると、受信感度を向上することができる。のみならず、こうした通信システムは、送信信号をデジタル信号として受信することで、受信したデジタル信号の信号処理により信号位置検出、周波数ずれ補償、クロックずれ補償、波長分散補償、およびPMD(Polarization-Mode Dispersion)補償などを行うことができ、非線形効果による信号品質劣化に対して強い耐性を有することが知られている。したがって、こうした通信システムは次世代の光通信技術として導入が検討されている。
例えば、無線通信802.11aスタンダードでは、送信信号にショートプリアンブルやロングプリアンブルを挿入する構成により、周波数ずれやクロックずれを推定し、推定された結果に基づいてこれらのずれを補償することで、同期を確立することができる(非特許文献1参照)。
また、従来の光ファイバ通信分野においては、アナログの遅延検波処理によって、信号の復調を行っている。また、従来の直接検波方式の光伝送では、波長分散や偏波モード分散などの伝送路の信号品質劣化要因に対して、分散補償ファイバなどの光学的補償器やアナログ電気等化器を用いて、信号品質の劣化を低減している。
近年、デジタル信号処理を用いたコヒーレント伝送方式が、盛んに研究されている。このコヒーレント伝送方式は、直接検波方式に比べて、受信感度を高めることができる。また、コヒーレント伝送方式は、受信機内でデジタル信号処理を行うことによって、波長分散や偏波モード分散などに起因した波形歪みを精度よく等化することが可能である。このことにより、特に波形歪みにセンシティブな100Gb/s/ch級の光信号の伝送距離が劇的に延伸している。
非特許文献2および3に代表されるデジタルコヒーレント方式は、準静的な波長分散を固定のタップ数を持つデジタルフィルタ(例えば、28Gbaudの信号に対し、20000ps/nmの分散でタップ数が2048tap)で補償し、変動のある偏波モード分散を、ブラインドアルゴリズムを用いた小さいタップ数(例えば、50psの偏波モード分散で10〜12tap程度)の適応フィルタで補償する方法を採用している。
また、非特許文献4に代表されるように、伝送レートの高速化に伴う偏波多重伝送が注目を集めている。
守倉正博,「802.11高速無線LAN教科書」,インプレスR&D出版,pp.163−167,2008年4月 H. Masuda, et. al., "13.5-Tb/s (135x111-Gb/s/ch) No-Guard-Interval Coherent OFDM Transmission over 6,248 km using SNR Maximized Second-order DRA in the Extended L-band", OSA/OFC/NFOEC 2009, PDPB5. Jianjun Yu, et. al.,"17 Tb/s(161x114 Gb/s)PolMux-RZ-8PSK transmission over 662 km of ultra-low loss fiber using C-band EDFA amplification and digital coherent detection", ECOC 2008, Th.3.E.2, Brussels, Belgium, 21-25 September 2008. L. liu, et al., "Initial Tap Setup of Constant Modulus Algorithm for Polarization De-multiplexing in Optical Coherent Receivers", OSA/OFC/NFOEC 2009, OMT2.
しかしながら、光通信においては、波長分散という光信号固有の問題があるため、受信ビットが波長分散により正しく検出できなくなり、上記ショートプリアンブルおよびロングプリアンブルを受信側で検出することは難しい。また、送信装置は、高い量子化ビットを有するデジタル・アナログ変換装置を必要とし、システム構築コストが高くなってしまう問題があった。
また、非特許文献2および3のデジタルコヒーレント方式では、波長分散をあらかじめ別途測定し、波長分割多重(WDM)チャネルの受信機それぞれに、固定デジタルフィルタのタップ係数を手動で入力する必要がある。また、ブラインドアルゴリズムによる適応フィルタのタップ数を増やして適応的に全波長分散を補償させようとすると、収束特性が著しく劣化するという問題がある。
さらに、非特許文献4の方法によって偏波多重された伝送信号を、従来のブラインドアルゴリズムによって偏波分離する方法では、偏波依存ロスなどの影響により、片側の偏波だけしか復調できなくなってしまう場合が生じてしまい、伝送の安定性に欠けるという問題がある。
その他にも、光ファイバ伝送の高速化に伴って、光ファイバ伝送特有の非線形効果および光キャリアの不安定性による問題が無視できなくなり、これらの問題によって、伝送距離や品質が制限されてきてしまう。このため、信号品質劣化要因の推定や補償が重要となってきている。
上記に述べたように、高速光ファイバ伝送を行う場合においては、光ファイバ伝送特有の分散(波長分散および偏波モード分散)などの伝送路状態ならびに光キャリアの周波数変動などの劣化要因を受信機側で推定し、補償する必要がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、光信号を用いた同期検波による通信システムにおいて、波長分散により周波数に応じて到来時間が大きくずれる信号に対しても、信号位置検出、周波数ずれ補償、クロックずれ補償、波長分散量推定を可能にする信号生成回路、光信号送信装置、信号受信回路、光信号同期確立方法、および光信号同期システムを提供することにある。
また、本発明は、既知信号系列群を用いて、伝送路の状態および光伝送装置特有の不安定性を推定し、伝送品質の向上を実現することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の信号生成回路および信号受信回路は、光通信における信号生成回路および信号受信回路であって、前記信号生成回路は、送信すべき信号系列のスペクトラムに対して周波数広がりが小さい信号成分を複数の特定周波数に有する特定周波数帯域信号を2シンボル以上の既知信号によって生成する特定周波数帯域信号発生回路と、前記特定周波数帯域信号発生回路によって生成された前記特定周波数帯域信号の入力を受け、前記送信すべき信号系列に前記特定周波数帯域信号を挿入して送信信号系列を生成する少なくとも1つの信号合成回路とを備え、前記特定周波数帯域信号が挿入されている光信号を光通信により受信する前記信号受信回路は、入力された前記送信信号系列の光信号を電気信号に変換する光電気変換回路と、前記光電気変換回路により変換された前記電気信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路と、前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に離散フーリエ変換を行うフーリエ変換回路と、前記離散フーリエ変換によって得られた信号から、前記複数の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号の周波数領域における位置を検出する特定周波数帯域信号検出回路と、前記特定周波数帯域信号検出回路により検出された前記特定周波数帯域信号の前記位置から、前記信号送信回路と当該信号受信回路との間の周波数ずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを推定する受信信号特性推定回路とを備える
本発明の信号生成回路および信号受信回路において、前記光通信は光信号を2つ以上の異なる周波数チャネルで送信する通信であって、前記異なる周波数チャネルはオーバーラップした周波数領域を有し、前記特定周波数帯域信号発生回路は、光信号を送信する周波数チャネルにおいて前記特定周波数帯域信号を生成し、前記異なる周波数チャネルのうち隣り合う2つの周波数チャネル間で少なくとも1つ以上の前記特定周波数帯域信号の周波数成分を一致させるようにしてもよい。
本発明の信号生成回路および信号受信回路において、前記光通信は光信号を2つ以上の異なる周波数チャネルで送信する通信であって、前記異なる周波数チャネルはオーバーラップした周波数領域を有し、前記特定周波数帯域信号発生回路は、光信号を送信する周波数チャネルにおいて前記特定周波数帯域信号を生成し、前記異なる周波数チャネルのうち隣り合う2つの周波数チャネル間で少なくとも1つ以上の前記特定周波数帯域信号の周波数成分の位置を一致させ、互いに打ち消しあうように前記少なくとも1つ以上の前記特定周波数帯域信号の周波数成分の振幅および位相を制御するようにしてもよい。
本発明の信号生成回路および信号受信回路において、前記特定周波数帯域信号発生回路は、複数の周期の特定周波数帯域信号および前記複数の周期の特定周波数帯域信号の位相を回転させた特定周波数帯域信号を生成し、前記複数の周期の特定周波数帯域信号および前記位相を回転させた特定周波数帯域信号を合成または乗算し、合成または乗算により得られた信号を前記特定周波数帯域信号として生成するようにしてもよい。
本発明の信号生成回路は、光通信における信号生成回路であって、送信すべき信号系列のスペクトラムに対して周波数広がりが小さい信号成分を複数の特定周波数に有する特定周波数帯域信号を生成する特定周波数帯域信号発生回路と、前記特定周波数帯域信号発生回路によって生成された前記特定周波数帯域信号の入力を受け、前記送信すべき信号系列に前記特定周波数帯域信号を挿入して送信信号系列を生成する少なくとも1つの信号合成回路とを備え、本発明の信号生成回路において、前記特定周波数帯域信号は、前記光通信を行う光信号送信装置と光信号受信装置との間で既知であり交番信号で構成されたBPSK(Binary phase shift keying)信号系列であって、前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記BPSK信号系列を1以上、前記送信すべき信号系列の先頭もしくは末尾に挿入して前記送信信号系列を生成する。
本発明の信号生成回路において、前記BPSK信号系列は、BPSK信号を用いた系列、QPSK信号の点対称な2点を用いた系列、あるいは、多値変調における点対称な信号2点を用いた系列であってもよい。
本発明の信号生成回路において、前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記BPSK信号系列を一定間隔で周期的に前記送信すべき信号系列に挿入するようにしてもよい。
本発明の信号生成回路において、前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記BPSK信号系列を複数連続して繰り返して前記送信すべき信号系列に挿入するようにしてもよい。
本発明の信号生成回路において、前記少なくとも1つの信号合成回路は、Bを送信信号の占有帯域幅、D max を補償する波長分散量の最大値、T pmd を補償する偏波モード分散の最大値、λを中心波長、cを光速としたときに、発明を実施するための形態における式(18)の右辺により与えられる時間をもとに前記BPSK信号系列の系列長を決定するようにしてもよい。
本発明の信号生成回路において、前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記光信号送信装置が前記BPSK信号のみを送信信号として送信し、前記光信号受信装置が伝送路の状態を推定するイニシャルモードと、前記光信号送信装置がデータ信号を伝送し、前記光信号受信装置が、前記イニシャルモードで推定された前記伝送路の前記状態を用いて等化および補償を行うデータ伝送モードとを切り替えるようにしてもよい。
本発明の信号生成回路において、前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記BPSK信号系列として2つの偏波間で異なる信号系列を前記送信すべき信号系列に挿入するようにしてもよい。
本発明の光信号送信装置は、上記信号生成回路と、前記少なくとも1つの信号合成回路によって生成された前記送信信号系列を光信号に変換する電気光変換回路とを備えている。
本発明の光信号送信装置は、複数の前記信号合成回路を備える上記信号生成回路と、前記信号生成回路における前記複数の信号合成回路のそれぞれにより生成された複数の信号系列を異なる周波数帯域に対応する光信号に変換し、変換された光信号の少なくとも一つ以上の周波数成分を一致させる電気光変換周波数多重回路とを備えている。
本発明の信号受信回路は、特定周波数帯域信号が挿入されている光信号を光通信により受信する信号受信回路であって、入力された光信号を電気信号に変換する光電気変換回路と、前記光電気変換回路により変換された前記電気信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路と、前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に離散フーリエ変換を行うフーリエ変換回路と、前記離散フーリエ変換によって得られた信号から、2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号の周波数領域における位置を検出する特定周波数帯域信号検出回路と、前記特定周波数帯域信号検出回路により検出された前記特定周波数帯域信号の前記位置から、信号送信回路と当該信号受信回路との間の周波数ずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを推定する受信信号特性推定回路とを備えている。
本発明の信号受信回路において、高い周波数帯域に存在する前記特定周波数帯域信号の前記電力と低い周波数帯域に存在する前記特定周波数信号の前記電力の出現のタイミングのずれまたは消失のタイミングのずれの少なくとも一方から、光通信経路の波長分散量を推定するようにしてもよい。
本発明の信号受信回路において、特定周波数帯域信号電力記憶回路を備え、前記フーリエ変換回路は、前記特定周波数帯域信号の長さとフーリエ変換長の小さい方以下の間隔で前記離散フーリエ変換を行い、前記特定周波数帯域信号検出回路は、前記フーリエ変換回路により離散フーリエ変換された周波数領域の信号における前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である特定周波数帯域信号電力値を2つ以上の周波数に対して検出し、検出された前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち2つ以上の値、または、前記特定周波数帯域信号電力値から算出される個別の到来時間差、あるいは、前記特定周波数帯域信号電力値から算出され、前記個別の到来時間差の算出式に用いられる係数を前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶させ、前記受信信号特性推定回路は、前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶されている検出された前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち前記2つ以上の値、または、前記特定周波数帯域信号電力値から算出される前記個別の到来時間差、あるいは、前記個別の到来時間差の前記算出式に用いられる前記係数を用いて、2つ以上の周波波数帯に対応する前記特定周波数帯域信号の到来時間差を推定し、推定した前記到来時間差から光通信経路の波長分散量を推定するようにしてもよい。
本発明の信号受信回路において、特定周波数帯域信号電力記憶回路を備え、前記受信信号特性推定回路により推定された前記波長分散量の推定値に基づいて波長分散の逆特性を前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に与える波長分散補償回路をさらに備え、前記フーリエ変換回路は、前記波長分散の前記逆特性が与えられたデジタル信号に、前記特定周波数帯域信号の長さとフーリエ変換長の小さい方以下の間隔で前記離散フーリエ変換を行い、前記特定周波数帯域信号検出回路は、前記フーリエ変換回路により離散フーリエ変換された周波数領域の信号における前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である特定周波数帯域信号電力値を検出し、検出された前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち2つ以上の値、または、前記特定周波数帯域信号電力値から算出される個別の到来時間差、あるいは、前記特定周波数帯域信号電力値から算出され、前記個別の到来時間差の算出式に用いられる係数を前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶させ、前記受信信号特性推定回路は、前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶されている検出された前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち前記2つ以上の値、または、前記特定周波数帯域信号電力値から算出される前記個別の到来時間差、あるいは、前記個別の到来時間差の前記算出式に用いられる前記係数を用いて、2つ以上の周波波数帯に対応する前記特定周波数帯域信号の到来時間差を推定し、推定した前記到来時間差から光通信経路の波長分散量を推定し、推定された波長分散量を前記波長分散補償回路に出力するようにしてもよい。
本発明の信号受信回路において、前記波長分散補償回路は、波長分散補償のための係数を変更する際に、前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶されている内容の少なくとも一部を消去し、前記受信信号特性推定回路は、新たな信号系列について推定された前記光通信経路の波長分散量を前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶させるようにしてもよい。
本発明の信号受信回路において、前記波長分散補償回路は、前記受信信号特性推定回路により推定された前記波長分散量の前記推定値に基づいて前記波長分散の前記逆特性を前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に与えるとともに、前記特定周波数帯域信号を検出した場合に、前記特定周波数帯域信号の検出を前記フーリエ変換回路に通知し、前記フーリエ変換回路は、前記特定周波数帯域信号の長さと前記フーリエ変換長の小さい方以下の前記間隔で前記離散フーリエ変換を行い、前記特定周波数帯域信号の検出が通知された場合に前記特定周波数帯域信号検出回路に離散フーリエ変換された信号を出力するようにしてもよい。
本発明の信号受信回路において、前記波長分散補償回路は、前記受信信号特性推定回路により推定された前記波長分散量の前記推定値に基づいて波長分散の逆特性を前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に与えるとともに、前記特定周波数帯域信号を含む信号を前記フーリエ変換回路に出力し、前記フーリエ変換回路は、前記波長分散補償回路から出力された前記特定周波数帯域信号を含む前記信号に対して前記特定周波数帯域信号の長さと前記フーリエ変換長の小さい方以下の前記間隔で前記離散フーリエ変換を行い、前記特定周波数帯域信号が検出された場合に前記特定周波数帯域信号検出回路に離散フーリエ変換された信号を出力し、前記特定周波数帯域信号検出回路は、前記フーリエ変換回路から出力される前記離散フーリエ変換された信号から、前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち2つ以上の値を取得し、取得した前記2つ以上の値を前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶させるようにしてもよい。
本発明の信号受信回路において、前記特定周波数帯域信号検出回路は、前記離散フーリエ変換された周波数領域の前記信号における前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である前記特定周波数帯域信号電力値を検出する際に、前記受信信号特性推定回路により推定された周波数ずれの情報、または外部から入力された周波数ずれ情報を用いて、前記特定周波数帯域信号電力値の算出対象となる周波数をシフトするようにしてもよい。
本発明信号受信回路において、前記フーリエ変換回路は、前記特定周波数帯域信号を含み前記特定周波数帯域信号の長さの整数倍の長さに対応する信号に対し、前記特定周波数帯域信号の長さと同じ間隔で離散フーリエ変換を行い、前記離散フーリエ変換によって得られた信号を前記特定周波数帯域信号検出回路に出力するようにしてもよい。
本発明の信号受信回路において、前記受信信号特性推定回路は、前記特定周波数帯域信号検出回路によって前記特定周波数帯域信号が検出されなかった受信信号の周波数領域における信号分布の重心位置から前記周波数ずれを算出するようにしてもよい。
本発明の光信号同期確立方法は、2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号を発生させる光信号発生ステップと、前記光信号発生ステップにおいて発生させた前記特定周波数帯域信号を含む信号を受信し、受信した前記信号をデジタル信号に変換するデジタル信号取得ステップと、前記デジタル信号取得ステップにおいて変換された前記デジタル信号の中から前記特定周波数帯域信号の位置を検出する信号位置検出ステップと、前記信号位置検出ステップにおいて検出された前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、光通信を行う光信号受信装置と光信号送信装置との間の周波数ずれを検出する周波数ずれ検出ステップと、前記信号位置検出ステップにおいて検出された前記特定周波数帯域信号の前記周波数位置を推定し、前記周波数位置の間隔から、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを検出するクロックずれ検出ステップと、前記信号位置検出ステップにおいて検出された前記特定周波数帯域信号の時間位置を推定し、異なる周波数に対応する前記特定周波数帯域信号の前記時間位置の差から、波長分散量を検出する波長分散量検出ステップとを有する。
本発明の光信号同期確立方法は、2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号を発生させる光信号発生ステップと、前記光信号発生ステップにおいて発生させた前記特定周波数帯域信号を含む信号を受信し、受信した前記信号をデジタル信号に変換するデジタル信号取得ステップと、前記デジタル信号取得ステップにおいて変換された前記デジタル信号に対して、推定された波長分散の逆特性を与える波長分散補償ステップと、前記デジタル信号に対して離散フーリエ変換を行い、前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である特定周波数帯域信号電力値を算出する特定周波数帯域信号電力値算出ステップと、前記波長分散補償ステップにおいて、前記推定された前記波長分散の前記逆特性が与えられたデジタル信号の中から前記特定周波数帯域信号の位置を検出する信号位置検出ステップと、前記信号位置検出ステップにおいて検出された前記特定周波数帯域信号の電力値を記憶する特定周波数帯域信号記憶ステップと、前記特定周波数帯域信号記憶ステップにおいて記憶された前記特定周波数帯域信号の前記電力値から前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、光通信を行う光信号受信装置および光信号送信装置間の周波数ずれを検出する周波数ずれ検出ステップと、前記特定周波数帯域信号記憶ステップにおいて記憶された前記特定周波数帯域信号の前記電力値から前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、前記周波数位置の間隔から、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを検出するクロックずれ検出ステップと、前記特定周波数帯域信号記憶ステップにおいて記憶された前記特定周波数帯域信号の前記電力値から前記特定周波数帯域信号の時間位置を推定し、異なる周波数に対応する前記特定周波数帯域信号の前記時間位置の差から、波長分散量を検出する波長分散量検出ステップとを有する。
本発明の光信号同期確立方法において、前記特定周波数帯域信号電力値算出ステップは、前記周波数ずれ検出ステップにおいて検出された前記周波数ずれの量に応じて、前記特定周波数帯域信号電力値を算出する際の周波数領域をシフトするようにしてもよい。
本発明の光信号同期システムは、光信号送信装置と、前記光信号送信装置と光通信を行う光信号受信装置とを具備し、前記光信号送信装置は、2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号を発生させる特定周波数帯域信号発生回路を有し、前記光信号受信装置は、前記特定周波数帯域信号発生回路において発生させた前記特定周波数帯域信号を含む信号を受信し、受信した前記信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路と、前記アナログ・デジタル変換回路において変換された前記デジタル信号の中から前記特定周波数帯域信号の位置を検出する特定周波数帯域信号検出回路と、前記特定周波数帯域信号検出回路において検出された前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、前記光信号受信装置と前記光信号送信装置との間の周波数ずれを検出し、前記周波数位置の間隔から、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを検出し、前記特定周波数帯域信号検出回路において検出された前記特定周波数帯域信号の時間位置を推定し、異なる周波数に対応する前記特定周波数帯域信号の前記時間位置の差から、波長分散量を検出する受信信号特定推定回路とを有する。
本発明の光信号同期システムは、光信号送信装置と、前記光信号送信装置と光通信を行う光信号受信装置とを具備し、前記光信号送信装置は、2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号を発生させる特定周波数帯域信号発生回路を有し、前記光信号受信装置は、前記特定周波数帯域信号発生回路において発生させた前記特定周波数帯域信号を含む信号を受信し、受信した前記信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路と、前記アナログ・デジタル変換回路において変換された前記デジタル信号に対して、推定された波長分散の逆特性を与える波長分散補償回路と、前記デジタル信号に対して離散フーリエ変換を行うフーリエ変換回路と、前記波長分散補償回路において、前記推定された前記波長分散の前記逆特性が与えられたデジタル信号の中から前記特定周波数帯域信号の位置を検出する特定周波数帯域信号検出回路と、前記特定周波数帯域信号検出回路において検出された前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である特定周波数帯域信号電力値を記憶する特定周波数帯域信号記憶回路と、前記特定周波数帯域信号記憶回路において記憶された前記特定周波数帯域信号の前記特定周波数帯域信電力値から前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、前記光信号受信装置および前記光信号送信装置間の周波数ずれを検出し、前記周波数位置の間隔から、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを検出し、前記特定周波数帯域信号記憶回路において記憶された前記特定周波数帯域信号の前記特定周波数帯域信電力値から前記特定周波数帯域信号の時間位置を推定し、異なる周波数に対応する前記特定周波数帯域信号の前記時間位置の差から波長分散量を検出する受信信号特性推定回路とを有する。
本発明によれば、光信号の信号生成回路において、送信すべき信号系列のスペクトラムに対して周波数方向に広がりが小さい信号成分を複数の特定周波数に有する特定周波数帯域信号を生成して、生成された特定周波数帯域信号を送信する。また、光信号の信号受信回路では、この特定周波数帯域信号を検出し、検出した特定周波数帯域信号から、周波数ずれおよびクロックずれうちの少なくとも1つの推定を行う。このように、各特定周波数帯域において、周波数方向の広がりが小さい信号を取り扱うので、波長分散による影響を著しく軽減することが可能になり、周波数ずれおよびクロックずれを推定することができる。また、異なる2つ以上の周波数に対応する特定周波数帯域信号の時間位置の差から、波長分散量を推定することが可能となる。
また、光信号送信装置および光信号受信装置間で既知の時間多重された信号系列群を用いるようにすれば、伝送路の状態および光伝送装置特有の不安定性を推定し、伝送品質を向上した光ファイバ通信を実現することができる。
本発明の第1の実施形態における第一の光信号送信装置が備える光通信用の特定周波数帯域信号発生装置の構成を模式的に示すブロック図である。 同実施形態における1回繰り返し交番信号による特定周波数帯域信号のスペクトラムを表す図である。 同実施形態における4回繰り返しの交番信号と1回繰り返しの交番信号の乗算による特定周波数帯域信号のスペクトラムを表す図である。 同実施形態における第二の光信号送信装置が備える光通信用の特定周波数帯域信号発生装置の構成を模式的に示すブロック図である。 同実施形態における2つの信号合成回路から入力された信号を電気光変換周波数多重回路で多重し、多重された信号を電気光変換周波数多重回路から出力した際のスペクトラムを表す図である。 同実施形態における2つの信号合成回路から入力された信号を電気光変換周波数多重回路で多重し、多重された信号を電気光変換周波数多重回路から出力した際のスペクトラムを表す図である。 同実施形態における第一の光信号受信装置が備える光通信用の特定周波数帯域信号受信装置の構成を模式的に示すブロック図である。 同実施形態における特定周波数帯域信号を含む受信信号のスペクトラムを表す図である。 同実施形態における特定周波数帯域信号を含まない受信信号のスペクトラムを表す図である。 同実施形態における光通信用の特定周波数帯域信号の位置検出に用いるPs,Pn,Ps/Pnを模式的に示す構成図である。 交番信号のアッパーバンドとロウアーバンドのパワーの時間変動を示す図である。 上側交番信号のアッパーバンドとロウアーバンドのパワーの時間変動に対し、所定の演算を加えた結果を示す図である。 上側交番信号のアッパーバンドとロウアーバンドのパワーの時間変動に対し、所定の演算を加えた結果を示す図である。 同実施形態の光信号同期確立方法のフローを示す図である。 同実施形態の光信号同期確立方法のフローにおける離散フーリエ変換以降のステップを示す図である。 同実施形態における第二の光信号受信装置が備える光通信用の特定周波数帯域信号受信装置の構成を模式的に示すブロック図である。 特定周波数帯域信号と離散フーリエ変換長の関係を示す図である。 離散フーリエ変換ごとに得られる特定周波数帯域信号の受信電力を示す図である。 2つの周波数帯域に対応する特定周波数帯域信号の電力値を示す図である。 離散フーリエ変換ごとに得られる特定周波数帯域信号の受信電力を示す図である。 図15に示したケース4において離散フーリエ変換間隔をNとした場合の特定周波数帯域信号の受信電力を示す図である。 図15に示したケース3において離散フーリエ変換間隔をN−Nとした場合の特定周波数帯域信号の受信電力を示す図である。 同実施形態における第三の光信号受信装置が備える光通信用の特定周波数帯域信号受信装置の構成を模式的に示すブロック図である。 同実施形態における第四の光信号受信装置が備える光通信用の特定周波数帯域信号受信装置の構成を模式的に示すブロック図である。 同実施形態による光信号同期確立方法のフローを示す図である。 波長分散の推定結果の累積確率分布を示す図である。 波長分散の推定結果の累積確率分布を示す図である。 波長分散の推定結果の累積確率分布を示す図である。 本発明の第2の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第3の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第4の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第5の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第5の実施形態において、交番信号の周波数スペクトルを模式的に表した図である。 本発明の第6の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第6の実施形態による送信信号フレーム構成を用いて波長分散量を推定する光信号受信装置(受信機)内の波長分散算出回路の概略構成を示したブロック図である。 本発明の第6の実施形態による送信信号フレーム構成を用いた場合において、波長分散算出回路に設けられ、高周波数成分が入力される第1スライディング相関回路と、波長分散算出回路に設けられ、低周波数成分が入力される第2スライディング相関回路の出力結果を表した図である。 本発明の第7の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第7の実施形態の送信信号フレーム構成を用いたときの受信機内のデジタル信号処理部の概略構成の一例を示したブロック図である。 本発明の第8の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第9の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第9の実施形態の送信信号フレーム構成を用いたときの受信機の概略構成の一例を示したブロック図である。 本発明の第10の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第10の実施形態による送信信号フレームの一例として、偏波間で直交する既知信号を用いた送信信号フレームの概略構成を示した図である。 本発明の第10の実施形態による送信信号フレーム構成を用いた場合において、異なる2つの交番信号を偏波多重したときの受信信号の周波数スペクトルを模式的に表した図である。
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態による光信号送信装置について説明する。
図1に本実施形態による特定周波数信号利用光信号同期システムにおける第一の光信号送信装置が備える信号生成回路としての特定周波数帯域信号発生装置の構成例を示す。同図において、101は特定周波数帯域信号発生回路、102は信号合成回路、103は電気光変換回路、104は送信信号生成回路である。
特定周波数帯域信号発生回路101は、光信号にアップコンバートした際に、特定の2つ以上の周波数に信号を有する信号系列を特定周波数帯域信号として生成する。なお、図2や図3に示すように、特定周波数帯域信号は理想的には線スペクトルであることが望ましい。しかし、実際には、位相雑音やフィルタの影響などの装置の不完全性によって、特定周波数帯域信号のスペクトラムが多少広がってしまう。したがって,本明細書における特定周波数帯域信号は、線スペクトルに限るものではなく、装置の不完全性などにより多少スペクトラムに幅を持つものも含む。すなわち、特定周波数帯域信号は、送信すべき信号系列のスペクトラムに対して周波数広がりが小さい信号成分を複数の特定周波数に有する信号と言える。
特定周波数帯域信号としては、例えば、IQ平面上で0点の対面となる関係の交番信号を用いることができる。BPSK(Binary Phase Shift Keying)信号を生成し、−S,S,−S,S,…,−S,Sのように2つの信号点を交互に用いたり、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)信号を生成し、(S,S),(−S,−S),(S,S),(−S,−S),…,(S,S),(−S,−S)や(S,−S),(−S,S),(S,−S),(−S,S),…,(S,−S),(−S,S)のように2種類の虚数の信号点を交互に用いたりすることで、特定周波数帯域信号を生成できる。ここで、(α,β)の表記におけるαおよびβはそれぞれ実部および虚部の信号成分を表し、虚数表現でα+jβと表すことができる。jは虚数単位である。このようにすると、光信号送信装置の送信レートFに対応する周波数間隔を持つ2つの周波数に対応する信号を有する特定周波数帯域信号が生成される。
または、−S,−S,S,S,−S,−S,S,S,…,−S,−S,S,Sのように各信号点を任意の回数(N回、Nは2以上の整数)繰り返した交番信号を用いることもできる。この場合には、周波数間隔F/Nにピークを持つ特定周波数帯域信号が生成される。また、複数の繰り返し回数に対応する信号を混合したり、畳み込んだりすることで、4つ以上の周波数帯域にピークを持つ特定周波数帯域信号を生成できる。
また、交番信号を使用すると特定周波数帯域に電力が集中するため、信号が光ファイバを伝搬してゆく過程において、特定周波数に集中した電力が大きくなりすぎ、非線形効果により光ファイバや通信品質に悪影響を与える可能性がある。そのような問題に対しては、例えば−S,S,−S,S,−S,S,…,−S,Sの繰り返し信号の中に、この繰り返し信号に対して−SおよびSが逆順となるS,−S,S,−Sを混ぜることで、特定周波数帯域の電力を他の周波数帯域に分散することができる。
または、特定周波数帯域信号発生回路101は、複数の周期の特定周波数帯域信号およびそれらの位相を反転させた特定周波数帯域信号を生成し、それらを合成または乗算して複合特定周波数帯域信号を生成することができる。
図2に28Gbaudの送信信号より、QPSK信号の(S,S)と(−S,−S)の交番信号を生成した場合における特定周波数帯域信号のスペクトラムを示す。同図によれば、14GHzの高周波側と−14GHzの低周波側に、28GHz間隔の信号が形成されていることが確認できる。周波数領域においてマイナスで表示されている信号は、28〜56GHzの範囲内にある電気信号に対応する信号の折り返し成分であるが、この電気信号が光信号にアップコンバートされると、キャリア周波数よりマイナスの領域に変換されるため、このように表記している。
図3に28GbaudのQPSK信号の(S,S)と(−S,−S)からなる交番信号に、8回繰り返し(N=8)の交番信号を乗算して生成した特定周波数帯域信号のスペクトラムを表す。このように制御すると、特定周波数帯域信号は、(S,S),(−S,−S),(S,S),(−S,−S),(S,S),(−S,−S),(S,S),(−S,−S), (−S,−S),(S,S),(−S,−S),(S,S),(−S,−S),(S,S),(−S,−S),(S,S)の繰り返しとなり、占有する特定周波数帯域の数を増やした特定周波数帯域信号を生成することができる。
このように特定周波数帯域信号発生回路101により生成された特定周波数帯域信号は、信号合成回路102に入力される。入力された特定周波数帯域信号は、信号合成回路102により、送信信号生成回路104から入力された送信信号の中の特定位置に挿入される。信号合成回路102により合成された信号は、電気光変換回路103により光信号として送信される。
次に、本実施形態による第二の光信号送信装置を説明する。
図4に本実施形態における第二の光信号送信装置が備える信号生成回路としての特定周波数帯域信号発生装置の構成例を示す。本実施形態による特定周波数帯域信号発生装置は、光もしくは電気領域のアナログ信号を2つ以上の異なる周波数帯域上において重ね、光信号を2つ以上の異なる周波数チャネルで送信する。同図において、201は特定周波数帯域信号発生回路、202−1〜202−L(Lは2以上の整数)は信号合成回路、203は電気光変換周波数多重回路、204は送信信号生成回路である。
特定周波数帯域信号発生回路201は、第一の光信号送信装置の特定周波数帯域信号発生回路101と同様に、光信号にアップコンバートした際に、特定の2つ以上の周波数帯域に信号を有する信号系列を特定周波数帯域信号として生成する。この生成された特定周波数帯域信号は、信号合成回路202−1〜202−Lに入力される。信号合成回路202−1〜202−L(以下、総称して信号合成回路202と記載)は、入力された特定周波数帯域信号を、送信信号生成回路204から入力された送信信号系列に挿入し、得られたL個の電気信号を電気光変換周波数多重回路203に入力する。電気光変換周波数多重回路203は、入力されたL個の電気信号を異なる周波数帯にアップコンバートし、アップコンバートされた電気信号を多重し、多重された電気信号を電気光変換して光信号を出力する。あるいは、電気光変換周波数多重回路203は、入力されたL個の電気信号を電気光変換する際に、これら電気信号を異なる周波数帯域の光信号にアップコンバートする。あるいは、電気光変換周波数多重回路203は、入力されたL個の電気信号を光信号に変換し、変換された光信号が異なる周波数帯域の光信号となるように光の周波数変換を行い、周波数変換が施された光信号を多重し、多重された光信号を出力する。このようにして動作することで、電気光変換周波数多重回路203から出力される信号に特定周波数帯域信号を含めることができる。
なお、電気光変換周波数多重回路203は、入力されたL個の電気信号を任意の周波数間隔で配置できるが、電気信号のBaud rateと同じ周波数間隔でこれらの電気信号を配置することで直交周波数分割多重方式(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)による送信を行うこともできる。
また、異なる周波数チャネルで送信した2つの特定周波数帯域信号がオーバーラップする周波数領域において、少なくとも1つ以上の周波数成分が一致するように2つの特定周波数帯域信号を合成することで、この周波数領域の信号が打ち消しあったり、特定の電力を持つ信号を生成したりすることができる。L=2の場合において、繰り返し回数1回の交番信号による送信を行う場合のスペクトラム図を図5Aおよび図5Bに示す。ここで、信号合成回路202の数は2であり(L=2)、送信信号のBaud rateは14Gbaudとし、周波数チャネルの間隔も同様に14Gbaudに設定した。2つの信号合成回路202−1および202−2へ出力する交番信号のうち、低い周波数チャネルに対応する信号合成回路202へ交番信号を90度シフトさせて入力した場合と、低い周波数チャネルに対応する信号合成回路202へ交番信号を−90度シフトして入力した場合の例を示す。交番信号を90度シフトさせた場合、高い周波数チャネルに対応する交番信号が(S,S),(−S,−S)の繰り返しとなるのに対し、低い周波数チャネルに対応する交番信号は(−S,S),(S,−S)の繰り返しとなる。(S,S),(−S,−S)の繰り返しでは、周波数領域でUpper sideに形成される信号をSと表すと、Lower sideで形成される信号はj×Sと表せる。これに対し90度シフト交番信号の場合は、Upper sideで形成される信号はj×Sとなり、Lower sideで形成される信号はーSとなる。このため、高い周波数チャネルのLower sideの信号と、低い周波数チャネルのUpper sideの信号が光経路上の周波数Fで重なるように制御すれば、交番信号の電力が同相で重なり、電力を強める。この結果が図5Aである。また、−90度シフトした交番信号、(S,−S),(−S,S)の信号系列を用いると、Upper sideで形成される信号は−j×Sとなり、Lower sideで形成される信号はSとなる。このため、高い周波数チャネルのLower sideの信号と、低い周波数チャネルのUpper sideの信号が光経路上の周波数Fで重なるように制御すれば、これらの信号が逆相で重なるため、互いに打ち消すことができる(図5B)。図5Bに示されるように、周波数Fの信号は打ち消しあって消えており、OFDM方式で送信する場合においても、図2と同様のスペクトラムが得られることが分かる。
ここで、図2と同様のスペクトラムを得るための信号合成回路202の数は任意に設定することができる。Lを2より大きく設定する場合には、隣り合う周波数チャネルにおいて、重なりあう信号が打ち消しあうように設定すればよい。交番信号を用いた通信において、最も周波数の高い周波数チャネルのUpper sideの信号と最も周波数が低い周波数チャネルのLower sideの信号以外の周波数成分を低減するためには、送信するOFDM周波数チャネルの1つ下の周波数チャネルにおいて、−90度シフトした交番信号を用いるように、信号合成回路202に信号を入力すればよい。Upper sideとLower sideに形成される信号の表を以下に示す。
また、電気光変換周波数多重回路203は、入力された複数の電気信号を異なる周波数帯域で多重する際に、打ち消しあうように設定された信号がある場合には、打ち消しあう周波数帯域の信号を分岐して電力を推定したり、入力された信号の電力および位相を推定したりすることで、打ち消しあったあとの信号の電力が予め定められた値より低くなるように調整することもできる。
また、特定周波数帯域信号は、用いる特定周波数信号利用光信号同期システムにおいて想定される波長分散による時間広がりより長く設定することで、受信側の信号処理の負荷を軽くすることができる。
また、特定周波数帯域信号発生装置は、偏波多重による送信においても用いることができる。この場合には、2つの偏波に同じ特定周波数帯域信号を挿入したり、2つの偏波に位相を回転させた特定周波数帯域信号を挿入したり、片偏波のみに信号を挿入し、もう一方の偏波には無信号となるようにしたり、異なる特定周波数帯域信号をそれぞれの偏波で用いたり、これらの4つの方法を複数組み合わせて特定周波数帯域信号を挿入したりすることができる。2つの偏波面に同じ特定周波数帯域信号を入れるのは、クロックずれ、周波数ずれ、波長分散への推定精度を高くするためである。これに対して、2つの偏波面に異なる特定周波数帯域信号を入れるのは、特定周波数帯域信号が等化係数の演算に用いられた際に、ミスキャプチャなどを生じないためである。
また、特定周波数帯域信号発生装置は、挿入するタイミングごとに異なる特定周波数帯域信号を挿入することもできる。また、特定周波数帯域信号発生装置は、2つの偏波に対し、異なるルールで特定周波数帯域信号を挿入することもできる。たとえば、一方の偏波には共通の特定周波数帯域信号を挿入し、もう一方の偏波面に毎回異なる特定周波数帯域信号を挿入するようにできる。毎回異なる特定周波数帯域信号としては、一回ごとに位相を−90度、90度、または180度回転させた特定周波数帯域信号を挿入できる。
ただし、図3のように複数の交番信号を乗算した場合には、上記の関係は成り立たない。重なり合う信号が打ち消しあったり、強めあったりする条件を得るためには、信号合成回路202の出力信号に対して90度より精度の高い位相回転を与えればよい。たとえば、位相回転させるためのアナログ素子を各周波数チャネルに対応した信号合成回路202の後段に加えることができる。
このように制御することで、周波数領域で信号を多重した場合においても、光信号受信装置は同じ装置構成で後述する信号位置、周波数ずれ、クロックずれ、波長分散量について推定することができる。
また、特定周波数信号利用光信号同期システムにおいて、光信号送信装置および光信号受信装置間の同期を行うイニシャルモードと、データモードの切り替えを行うようにしてもよい。通信を行う場合には、イニシャルモードで特定周波数帯域信号を用い、データモードで特定周波数帯域信号を用いないか、もしくは、イニシャルモードとデータモードの間で特定周波数帯域信号の種類を切り替えることで、光信号受信装置に送信モードの通知を行うこともできる。
図6は、本実施形態による第一の光信号受信装置が備える信号受信回路としての特定周波数帯域信号受信装置の構成例を示す。この光信号受信装置は、上述した図1に示す第一の光信号送信装置または図4に示す第二の光信号送信装置により送信された信号を受信する。同図において、601は光電気変換回路、602はアナログ・デジタル変換回路、603は離散フーリエ変換回路、604は特定周波数帯域信号検出回路、605は受信信号特性推定回路を示す。
光電気変換回路601は、入力された光信号を電気領域の信号に変換する。アナログ・デジタル変換回路602は、この電気領域の信号をデジタル信号に変換する。離散フーリエ変換回路603は、アナログ・デジタル変換回路602から入力されたデジタル信号に、Nsサンプル間隔でNfポイントの離散フーリエ変換を行う。離散フーリエ変換によって周波数領域に変換されたデジタル信号は、特定周波数帯域信号検出回路604に入力される。特定周波数帯域信号検出回路604は特定周波数帯域信号の位置を検出する。特定周波数帯域の位置が検出された場合、周波数領域のデジタル信号は受信信号特性推定回路605に入力され、周波数ずれ、クロックずれ、タイミングずれ、および波長分散量のうち、1つ以上の情報が推定される。
ここで、光信号送信装置が、1回繰り返しの交番信号を用いて、図2で表すことができるスペクトラムで特定周波数帯域信号を送信し、光信号受信装置がこの特定周波数帯域信号を受信した場合を例にとり、特定周波数帯域信号検出回路604と受信信号特性推定回路605の機能を説明する。特定周波数帯域信号以外の時間領域で送信される送信信号系列として、PN(擬似雑音)系列や、ランダム信号で構成されるQPSK信号を用いることとし、28Gbaudで偏波多重により送信信号系列を送信することとする。なお、特定周波数帯域信号は1024シンボルの信号を用いた。また、特定周波数帯域信号検出回路604は、離散フーリエ変換回路603からの信号を入力することとする。ここでは、56GS/sのアナログ・デジタル変換回路602で受信を行う(受信サンプリングレートFr=56G)。
そして、波長分散量10400ps/nmの波長分散と分散量10psの偏波モード分散を与える光経路を想定し、SNR(Signal to Noise ratio)が10dBとなるように雑音を付加した。まず、受信信号のうち特定周波数帯域信号を検出することを考える。
このとき、離散フーリエ変換回路603により、フーリエ変換が行われ、フーリエ変換された信号が特定周波数帯域信号検出回路604に出力される。ここで、離散フーリエ変換のポイント数Nfを1024とし、1024の受信信号ごとに離散フーリエ変換を行うこととする(Ns=1024)。このNsを小さく設定するほど、信号位置の検出精度は上がり、演算負荷が大きくなる。特定周波数帯域信号は、図2や、図3に示されるように、ある特定の2つ以上の周波数に電力を持つ信号であり、この特徴はどんなに大きな波長分散の影響を受けても変化しない。この特徴を利用し、特定周波数帯域信号検出回路604は、特定周波数帯域の電力、もしくは、特定周波数帯域以外の周波数帯域の受信信号電力、もしくは、これらの信号電力の比がある一定値を超えた場合に、特定周波数帯域信号が検出されたものとして判定を行う。ただし、特定周波数帯域の電力を選択する場合には、光信号受信装置に想定される周波数ずれとクロックずれを考慮し、選択範囲を広く設定する必要がある。
離散フーリエ変換された信号をr,r,…,r,…,rNfとして表す。ここで、kは離散フーリエ変換における通し番号であり、rは(k−1)Fs/Nf−Fs/2の周波数に対応する。なお、Fsはサンプリングレートである。特定周波数帯域信号を受信した場合のrと、特定周波数帯域信号が受信されない場合のrをそれぞれ図7Aおよび図7Bに示す。図7Aにおいて、特定周波数帯域信号に対応する受信信号には2つの周波数に電力のピークがあり、他の周波数の信号の電力は著しく小さくなっている。これに対し、図7Bに示されるように、特定周波数帯域信号以外の信号として送信されたランダムに生成されたQPSK信号では、このようなピーク信号は確認できない。この特徴の違いを利用して、特定周波数帯域信号を検出することができる。
特定周波数帯域信号の領域の電力は、以下の(式1)のように得ることができる。
Kは特定周波数帯域信号の周波数ピークの数であり、nf(s)はs番目の特定周波数帯域信号のピークに対応する周波数の通し番号である。(式1)で、sに関する総和をとらずに任意の特定周波数帯域のピーク位置のみを選択することもできるし、rの絶対値の2乗の和を用いずにrの絶対値の和を用いることもできるし、送信時のスペクトラムの電力の差から求めた重み係数を|rに乗算することもできる。ndは考慮するべき周波数ずれ量に対応して決定することができる。周波数ずれをΔfまで許容して特定周波数帯域信号を検出するためには、nd>NfΔf/Fsとなるようにndを設定する。また、周波数ずれの補償を行いながら、Psを求めることが可能であり、この場合に、ndを徐々に小さい値に変更することもできる。
また、以下の(式2)を用いて、特定周波数帯域信号以外の周波数帯域の信号を得ることもできる。
Csは特定周波数帯域nf(s)の前後ndの区間に含まれる離散フーリエ変換後の周波数領域における全ての通し番号である。また、Csの範囲を広げることにより、Pnの信号電力が他の信号に影響を受けないように設定することもできる。例えば、Csの考慮区間を特定周波数帯域nf(s)の前後ndの区間のD倍(D>1)に設定したり、周波数0の成分など、Pnの精度を下げる要因となる周波数帯域に対応する通し番号をCsに追加したりすることで、それらの劣化要因を除外することもできる。
また、信号位置の検出方法として、(式1)と(式2)の比、Ps/Pnを用いることもできる。図8は実際に、波長分散量10400ps/nmの波長分散と分散量5psの偏波モード分散を受けた受信信号に1024ポイント(Ns=1024)の離散フーリエ変換を行い、Ps、Pn、Ps/Pnを算出し、これらを同じ縦軸で表示できるように規格化してプロットしたものである。Ps、Pn、Ps/Pnのそれぞれについて特定周波数帯域信号の位置を検出していることが確認できる。
このように、特定周波数帯域信号の位置が確認されると、受信信号特性推定回路605において、周波数ずれとクロックずれを検出する。
まず、クロックずれの検定方法を示す。特定周波数帯域信号を離散フーリエ変換して得られる信号において、周波数領域における受信信号の極大となる周波数間隔ΔFc’を算出する。rとrにおいて極大値が測定されたとするとΔFc’は|k−l|×Fr/Nfと表すことができる。このΔFc’が、送信時において用いた特定周波数帯域の周波数間隔ΔFcと異なる場合には、光信号送信装置および光信号受信装置間でクロックがずれており、アナログ・デジタル変換回路602の動作速度を調整する必要がある。よって、光信号受信装置でΔFcをメモリ(図示省略)に保持し、ΔFcとΔFc’との間の比較を行い、比較により得られた結果に基づいてアナログ・デジタル変換回路602の動作速度を調整することでクロックずれを補償できる。この場合、光信号受信装置のアナログ・デジタル変換回路602は、(ΔFc−ΔFc’)[Hz]だけ動作速度が遅いので、この周波数分だけ動作速度を調整し、光信号送信装置および光信号受信装置間のクロックずれの値を小さくしていくことができる。
または、特定周波数帯域信号の長さ、もしくは特定周波数帯域の挿入間隔を用いて、クロックずれを補償することができる。特定周波数帯域信号の長さ、もしくは特定周波数帯域信号の間隔がΔtcであると仮定し、光信号受信装置で推定した特定周波数帯域信号の長さ、もしくは特定周波数帯域信号の間隔がΔtc’であったとする。この場合、(Δtc−Δtc’)/Δtcの比率だけアナログ・デジタル変換回路602の動作速度が速いので、その動作速度をFs×Δtc/(Δtc−Δtc’)となるように調整することでクロックずれが補償できる。
次に、周波数ずれの推定方法を示す。
特定周波数帯域信号を離散フーリエ変換して得られる信号において、周波数領域における受信信号の極大となる周波数位置を算出する。rとrにおいて、極大値が測定されたとすると、周波数ずれがない場合に極大値が含まれているはずの離散フーリエ変換後の通し番号n(1)とn(2)とのずれを算出する。ここで、図7Aの結果を用いると、r259とr771において極大値が確認できる。光信号送信装置において、28Gbaudの交番信号を用いている場合には、r257とr769において受信信号電力が極大になるはずである。このためΔnf=2に相当する分だけ周波数がシフトしていることが分かる。すなわち、Δnf×Fs/Nfだけ周波数がずれているので、2×56G/1024=109MHzだけ周波数がずれていることが分かる。よって、受信信号の周波数が−109MHzずれる補正処理をすることで受信信号を補償できる。
また、特定周波数帯域信号を含む受信信号と、特定周波数帯域信号の複素共役との乗算を行い、得られた信号系列と、この信号系列に1シンボルの遅延を与えた信号の複素共役とを乗算し、得られた信号をMシンボル(Mは2以上の整数)ごとに平均化することで、各シンボルにおける平均位相回転量を推定し、推定された平均位相回転量の位相回転と逆特性の位相回転を受信信号系列に与えることで、周波数ずれを補償することもできる。
ただし、周波数ずれが予め何らかの他の手段で既知である場合はその値を外部から入力して用いることもできる。
また、波長分散量の推定方法および信号位置の詳細推定の方法を示す。
特定周波数帯域信号が挿入された位置については、図8の方法により検出できる。特定周波数帯域信号位置の開始点、終了点、もしくは全体に対し、フーリエ変換、もしくは畳み込み演算を行う。
まず、フーリエ変換による方法を示す。図8の方法では、NsサンプルごとにNfポイントの離散フーリエ変換を行うが、ここでは、Nssサンプル間隔でNffポイントのフーリエ変換を行う。NfとNffは異なる値にすることもできるが、NfとNffを同じ値にすることで、装置の回路構成を簡易化できる。Nssは小さく設定するほど、波長分散および信号位置の推定精度が向上する。まず、高い周波数帯域に存在する特定周波数帯域信号のピークに対応する周波数の通し番号をnupとし、低い周波数帯域に存在する特定周波数帯域信号のピークに対応する周波数の通し番号をnlwと定義する。
高い周波数帯域に対応する信号の電力Pupと、低い周波数帯域に対応する信号電力Plwは以下の(式3)で表すことができる。
ddは周波数ずれの残留値に対応する幅を与えることができるが、あらかじめ周波数ずれとクロックずれを前述の方法で推定してこれらのずれを補償することで、nddをndより小さくすることができ、もしくはnddを0とすることもできる。受信信号において特定周波数帯域信号が検出された位置の最後のサンプルの前後3000サンプルに対し、1サンプルごと(Nss=1)に1024ポイントの離散フーリエ変換を行い、PupとPlwを算出した結果を図9に示す。図9から、信号電力がそれぞれ減少していくのが確認できる。ここで、PlwよりPupの方が早く消失する。これは、波長分散量が正であるため、高い周波数に対応する信号が波長分散の影響により早く到来するためである。よって、図9の特徴から、到来時間差Δt[ps]を推定すると、以下の(式4)のように、波長分散量D[ps/nm]が推定できる。
ここで、cは光速[nm/s]、λは光の波長[nm]、ΔF[Hz]は考慮する2つの特定周波数帯域信号のピーク位置の周波数差である。このように推定したDにより、波長分散の影響を補償することができる。Dを用いた波長分散の補償係数は、電気領域における周波数fに対する位相回転として以下の(式5)で与えることができる。これは、例えば、(参考文献1)Govind P. Agrawal, “Nonlinear fiber optics,” Academic press, pp. 63-65およびpp. 76-77, 2006に記載されている。
例えば、上記波長分散の検定のために離散フーリエ変換を行った受信信号に、(式5)で得られる係数を乗算し、波長分散を補償した上で時間領域に変換することもできる。この際の信号処理は、周波数領域の等化技術であるオーバラップセーブ(overlap-save)法やオーバラップアド(overlap-add)法を用いることができる。これは、例えば、(参考文献2)J. J. Shynk, “Frequency-domain and multirate adaptive filtering”, Signal Processing Magazine, IEEE, vol 9, issue 1, pp. 15-37, Jan. 1992.に記載されている。
Δtの算出方法について、いくつか例を示す。図10は図9においてPupとPlwのそれぞれの最大値Pupmax、Plwmaxと最小値Pupmin、Plwminを用いて時間変動を規格化したものである。具体的には規格化後のPup’は(Pup−(Pupmax−Pupmin)/2)/(Pupmax−Pupmin)として得られ、規格化後のPlw’は(Plw−(Plwmax−Plwmin)/2)/(Plwmax−Plwmin)として得られる。ここで、たとえば−0.4以上0.4以下となるPup’とPlw’に対して、重心位置を演算し、それらの間の時間差を算出することができる。重心位置は、−0.4以上0.4以下の条件を満たすPupもしくはPlwに対し、tup=Σ(tPup)/Σ(Pup)、tlw=Σ(tPlw)/Σ(Plw)としてそれぞれ得られ、tupとtlwの間の時間差をΔtとすることができる。
または、PupとPlwの値が最小値になった時間の差をとって、Δtとすることができる。たとえば、次のような処理を行うことで、PupとPlwの値が最小値になった時間を算出できる。図9におけるPupとPlwの減少時の傾きは、フーリエ変換のポイント数Nffで決定されているので、これらの1/2の傾きを持つ任意の直線を求め、求められた直線を図10に示された2つのグラフから減算すればよい。得られたグラフが図11であり、PupとPlwの値が最小値となる時間tupとtlwの差がΔtであることがわかる。
図11を参照すると、PupとPlwの値が最小値となる時間位置の受信サンプルタイミングでの差は、139となっており、56GS/sのアナログ・デジタル変換回路で受信を行っているため、Δt=139/(56×10)=2.48nsecが得られる。よって、(式4)を用いて波長分散量を算出すると、Dc=11069ps/nmとなり、実際の波長分散量10400ps/nmより669ps/nmのずれはあるものの、波長分散量を推定可能であることがわかる。
また、ここで、PupとPlwの値が最小値となるtupとtlwの中間点が、特定周波数帯域信号の区間の終了時間であり、信号位置検出の詳細推定として用いることもできる。
また、Δtの算出には、特定周波数帯域信号の組み合わせを複数組用いてもよい。たとえば、図3においては8つの周波数のピークが確認できるので、任意に選択した複数の周波数間隔ΔFのそれぞれに対して、(式4)により波長分散を推定することができる。したがって、得られた波長分散の推定値を平均化することによって、波長分散の推定精度を向上できる。さらに、偏波モード分散に起因したフェージングにより特定の周波数が減衰して特定周波数帯域の検出精度が低下することを防ぐことができる。
また、特定周波数帯域信号の占有する周波数領域の信号レベルが小さくなるように、特定周波数帯域信号の後に続く区間に挿入される信号系列を設定することで、信号位置の検出精度やΔtの推定精度を向上することができる。
または、図9におけるPupとPlwの減少時の傾きは、フーリエ変換のポイント数Nffで決定されているので、規格化された電力間の差が波長分散に対応する。
また、上記図9及び図10は、特定周波数帯域信号位置を検出後、特定周波数帯域信号の開始点もしくは終了点においてフーリエ変換を行う頻度を高くする(Ns>Nss)ようにした場合について、PupとPlwの時間変動、および、Pup’とPlw’の時間変動を示している。これに対して、フーリエ変換の頻度を上昇させることなく、波長分散の推定、クロックずれの推定、および信号位置の検出を行うこともできる(Ns=Nss)。このように、データの復号もしくは波長分散の補償のために用いる離散フーリエ変換の間隔を同様にNsとすることで、離散フーリエ変換を共用でき、光信号受信装置の回路構成を簡易化することが可能となる。
具体的な信号処理について説明する。図8で示されるように、Nsサンプル間隔でフーリエ変換された信号に演算を行った結果を参照すると、Ps/Pnのピーク値を出力したフーリエ変換結果においてPupとPlwを算出した結果をPup,maxとPlw,max、Ps/Pnがピーク値の1/E以下になった時のPupとPlwを算出した結果をPup,EとPlw,E、Ps/Pnが下がりきった時のPupとPlwを算出した結果をPup,minとPlw,minとそれぞれ定義する。ここで、Eは1より大きい定数であり、任意に設定できる。
ここで、規格化信号のPup,nとPlw,nを次のように定義する。
up,n=(Pup,E−(Pup,max−Pup,min)/2)/(Pup,max−Pup,min
lw,n=(Plw,E−(Plw,max−Plw,min)/2)/(Plw,max−Plw,min
これらは、図10で示した規格化されたPup’とPlw’のグラフにおいて、Pup’とPlw’が減少している部分の途中の1点に対応する。つまり、Pup,n−Plw,nの値が波長分散量に対応する。二つの周波数に対応する信号の受信サンプルの差は、Nf×(Pup,n−Plw,n)と表すことができる。この結果から、二つの周波数成分の到来時間差Δtを算出し、(式4)より波長分散量が推定できる。
さらに、Pup,nとPlw,nの値を用いて、光信号送信装置と光信号受信装置の間のクロックずれの精推定と、信号位置の検出を行う方法を示す。光信号受信装置において、特定周波数帯域信号の繰り返し周期を予め設定しておけば、一定間隔で、Pup,nとPlw,nを得ることができる。クロックが光信号送信装置および光信号受信装置間で完璧に一致していれば、このPup,nとPlw,nは常に同じ値を出力する。図10に示されたグラフに関して言えば、Pup’とPlw’が減少している部分の同じ位置の結果を毎回出力する。しかし、クロックずれが生じると、Pup,nおよびPlw,nの値が増加、あるいは減少する。これらの値が増加する場合、光信号受信装置のクロックは光信号送信装置のクロックより速いため、光信号受信装置のクロックを遅くするようにアナログ・デジタル変換回路602にフィードバックを行う。一方、これらの値が減少する場合、逆に光信号受信装置のクロックが光信号送信装置のクロックより遅いため、光信号受信装置のクロックを早くするようにアナログ・デジタル変換回路602にフィードバックを行う。信号位置の同期を行うためには、Pup,n+Plw,nとある任意の値Pとの誤差が一定値以下になるように、フーリエ変換を行う位置を変更する制御を行えばよい。このように制御を行うと、一定の繰り返し周期で受信される特定周波数帯域信号を用いて、タイミング同期、クロック同期、およびCD(波長分散)の補償を行うことができる。また、Pを任意に設定することで、離散フーリエ変換の位置を任意に設定可能である。例えば、P=0とすれば、この位置のフーリエ変換では、特定周波数帯域信号と、その後ろに続く信号がちょうど半分ずつ含まれていることになる。したがって、後ろに続く信号の処理はこのフーリエ変換ブロックの中心から開始すればよい。
up,n、Plw,n、および、Pup,n−Plw,nは必ずしも1回のフーリエ変換の結果から得る必要はない。例えば、一定の周期で繰り返される特定周波数帯域信号位置から得られた複数の結果を平均化することで、推定精度を向上することができる。
ここで、Pup,nおよびPlw,nは特定周波数帯域信号の終了位置付近での例を用いて示したが、特定周波数帯域信号の開始位置付近で同様にPup,nとPlw,nを評価してもよい。この場合、図10は右上がりのグラフとなる。または、特定周波数帯域信号の開始位置付近と終了位置付近のそれぞれの結果を用いて、推定精度を向上することもできる。
また、特定周波数信号利用光信号同期システムにおいて、光信号送信装置および光信号受信装置間の同期を行うイニシャルモードと、データモードの切り替えを行うこともできる。そして、通信を行う場合には、光信号受信装置は、想定されたタイミングに特定周波数帯域信号が検出されないか、もしくは、特定周波数帯域信号の種類が切り替わったことを検出した際に、データモードに切り替わったと判断し、復号データの伝送を開始する。または、クロック推定、周波数ずれ推定、波長分散推定、および復号結果の少なくとも一つ以上の情報が基準値を満たした場合に、外部に復号準備が完了したことを通知する機能を有することもできる。
また、図12は本実施形態による光信号同期確立方法のフローを構成するステップを示した図である。
まず、光信号送信装置の特定周波数帯域信号発生回路101(または特定周波数帯域信号発生回路201)において、特定周波数帯域信号を生成する(ステップS01)。次に、信号合成回路102(または信号合成回路202)において、特定周波数帯域信号を送信信号系列に挿入する(ステップS02)。特定周波数帯域信号を含む送信信号系列は、電気光変換回路103(または電気光変換周波数多重回路203)において、光信号に変換され(ステップS03)、この光信号は、光の伝搬路を介して、光信号受信装置に到来する。
光信号受信装置では、光電気変換回路601において、光信号を電気信号に変換する(ステップS04)。次に、アナログ・デジタル変換回路602において、変換された電気信号であるアナログ信号をデジタル信号に変換した後(ステップS05)、離散フーリエ変換回路603において、離散フーリエ変換を一定周期で演算する(ステップS06)。特定周波数帯域信号検出回路604において、離散フーリエ変換によって周波数領域に変換された信号から、信号位置を検出する(ステップS07)。次に、受信信号特性推定回路605において、クロックずれ、周波数ずれ、および波長分散量の推定が行われる(ステップS08)。光信号受信装置は、ここで推定されたクロックずれ、周波数ずれ、および波長分散の影響について信号系列の補償を行う。光信号受信装置は、補償された信号系列に対し、ステップS06からステップS08の処理を繰り返すことで推定精度を向上させることもできる。
また、図13は本実施形態による光信号同期確立方法において、特定周波数帯域信号を検出する離散フーリエ変換の間隔と、波長分散を推定する離散フーリエ変換の間隔Nssを共通にした場合について、離散フーリエ変換以降のステップを示した図である。
光信号受信装置の離散フーリエ変換回路603において、離散フーリエ変換を一定周期Nsで演算する(ステップS10)。特定周波数帯域信号検出回路604において、周波数領域に変換された信号から信号位置を検出する(ステップS11)。受信信号特性推定回路605において、周波数領域における信号電力のピークの位置からクロックずれおよび周波数ずれの推定が行われる(ステップS12)。受信信号特性推定回路605により、検出された信号位置に基づいて、Pup,max、Plw,max、Pup,E、Plw,E、Pup,min、およびPlw,minが推定される(ステップS13)。受信信号特性推定回路605により、さらに、これらの値から、Pup,n、Plw,n、および、Pup,n−Plw,nが算出され、波長分散、クロックずれ、およびタイミングについて精推定を行う(ステップS14)。光信号受信装置は、ここで推定されたクロックずれ、周波数ずれ、および波長分散の影響について信号系列の補償を行い、補償された信号系列に対し、ステップS10からステップS14の処理を繰り返したり、ステップS13およびステップS14においてPup,max、Plw,max、Pup,E、Plw,E、up,min、Plw,min、Pup,n、およびPlw,nを平均化したりすることにより、推定精度を向上することができる。
続いて、本実施形態による第二の光信号受信装置を説明する。第二の光信号受信装置では、離散フーリエ変換長を考慮して特定周波数信号の電力を検出した上で、受信信号の特性を推定し、より精度の高い補償を実現する。
図14は、本実施形態における第二の光信号受信装置が備える信号受信回路としての特定周波数帯域信号受信装置の構成例を示す。801は光電気変換回路、802はアナログ・デジタル変換回路、803は離散フーリエ変換回路、804は特定周波数帯域信号検出回路、805は特定周波数帯域信号電力記憶回路、806は受信信号特性推定回路を示す。
光電気変換回路801は、入力された光信号を電気領域の信号に変換する。アナログ・デジタル変換回路802は、この電気領域の信号をデジタル信号に変換する。離散フーリエ変換回路803は、アナログ・デジタル変換回路802から入力されたデジタル信号にNサンプル間隔でNポイントの離散フーリエ変換を行う。離散フーリエ変換によって周波数領域に変換されたデジタル信号は、特定周波数帯域信号検出回路804に入力され、特定周波数帯域信号の位置が検出される。特定周波数帯域の位置が検出された場合、特定周波数帯域信号検出回路804は、周波数領域のデジタル信号の電力値のうち、特定周波数帯域信号成分付近の電力値(後述するP(i)、Pm,1(i)、Pm,2(i)、P(i)、P(i)のうち少なくとも一部)、または、これらの値から算出される個別の到来時間差、あるいは、これらの値から算出した、個別の到来時間差の算出式に用いられる係数を特定周波数帯域信号電力記憶回路805に出力し、記憶させる。また、特定周波数帯域信号検出回路804は、第一の光信号受信装置と同様に、受信された特定周波数帯域信号の周波数領域におけるピークの位置から、周波数ずれ、クロックずれ、およびタイミングずれを算出することもできる。受信信号特性推定回路806は、特定周波数帯域信号電力記憶回路805に記憶された情報から、周波数ずれ、クロックずれ、タイミングずれ、および波長分散量のうち、1つ以上の情報を推定する。
なお、上述したように、装置の不完全性によって特定周波数帯域信号のスペクトラムは多少広がってしまうため、ここでは、特定周波数帯域信号成分「付近」の電力値という表現を用いている。特定周波数帯域信号の近傍に存在する周波数広がりの部分の成分も含めて特定周波数帯域信号成分と見れば、特定周波数帯域信号成分「付近」の電力値を、単に、特定周波数帯域信号成分の電力値と呼ぶことができる。このことは、これ以後の説明における電力値に関連した「付近」の記述についても同様である。
以下に、交番信号の長さと離散フーリエ変換の長さとの関係、及び、これらの関係が取りうる各場合について、特定周波数帯域信号の高い周波数領域と低い周波数領域に対応する信号成分の到来時間差から波長分散量を推定する方法について示す。以下、N=Nss、N=Nffとして、特定周波数帯域信号の検出のための離散フーリエ変換のポイント数と、波長分散補償用の離散フーリエ変換のポイント数を同一のものとして説明する。
サンプリング周波数Frで受信した受信信号のうち、光信号送信装置において生成した特定周波数帯域信号の長さに対応する受信サンプル数をNとし、この受信サンプル数Nと離散フーリエ変換に用いる受信信号のサンプル数Nとの関係を下記の(ケース1)〜(ケース5)の5つに分ける。すなわち、
(ケース1)N<N
(ケース2)N=N
(ケース3)N<N<2N
(ケース4)N=2N
(ケース5)N>2N
のそれぞれのケースについて交番信号の到来時間の推定方法を説明する。
図15は、受信した特定周波数帯域信号に対して1受信サンプルずつずらしながら離散フーリエ変換を行ったときに、特定周波数帯域信号に対応した周波数帯域の受信電力の変化を特定周波数帯域信号位置とともに示す。同図によれば、上記5つのケースのそれぞれにおいて、受信電力の上昇および減少範囲に対応する受信サンプル数Nudと、受信電力がピークとなり一定値をとる範囲に対応する受信サンプル数Nが、N及びNを用いて決定できることが確認できる。つまり、
(ケース1)の場合、N=N−N、Nud=N
(ケース2)の場合、N=0、Nud=N=N
(ケース3)の場合、N=2(N−N)、Nud=N
(ケース4)の場合、N=N、Nud=N
(ケース5)の場合、N=2N、Nud=N
である。
特定周波数帯域信号の到来タイミングを、特定周波数帯域信号の中央部(図15において縦に2本記載されている二点鎖線の中心)と仮定すると、図15に示される特定周波数帯域信号位置付近の受信電力からなる台形、もしくは三角形状の受信電力の中心部を求めればよいことになる。中心部を求める具体的な方法としては、複数考えることができる。いくつか例をあげると、受信電力が増加を開始する点から減少を終える点までの電力の重心位置を求めたり、ピークを観測している受信サンプルの中央部としたり、ピークになった点とピークを終える点の中心を中央部としたり、増加及び減少しているラインを中央部で外挿して交点を算出したりすることができる。波長分散量は、高い周波数帯域に対応する信号成分と低い周波数帯域に対応する信号成分に対して上述のように到来タイミングを算出し、その差をΔtとして得ることで、(式4)から波長分散量を推定できる。
上述のように1受信サンプルごとに離散フーリエ変換を行う場合には、全データを用いて中央部を推定することができる。しかし、実際には、このように高頻度で離散フーリエ変換を行うことは、実装の点からみて演算負荷が大きい。そこで、離散フーリエ変換の間隔をできるだけ大きくとる必要がある。
図16は、離散フーリエ変換ごとに得られる特定周波数帯域信号の受信電力を示す図である。同図においては、離散フーリエ変換間隔をNとし、特定周波数帯域信号位置以前にある最小値として得られる電力をPm,1(1)、特定周波数信号に対応する受信電力が増加している途中の電力をP(1)およびP(2)、ピーク電力を観測している点をP(1)、減少している途中の電力をP(1)およびP(2)、減少後に検出した最小値の電力をPm,2(1)と表記しており、それぞれの受信タイミングをN、2N、3N、4N、5N、6N、7Nとした。図16では、それぞれの電力値を1点もしくは2点ずつ取得した例となっているが、Pm,1とPm,2は任意の個数、PとPはそれぞれNud/N個、PはN/N個取得される。Nud/NおよびN/Nはそれぞれ小数をとりうるが、この場合、小数点以下を切り捨てた整数が用いられる。
まず、図16で示されるようにPおよびPが2個ずつ、Pが1つ得られた場合の例において、台形の中心位置、すなわち、特定周波数帯域信号位置(図中の一点鎖線)を求める。ここで、ピーク位置の電力値をP、特定周波数帯域信号位置手前の最小の電力値をPM1、特定周波数帯域信号位置後の最小の電力値をPM2と定義する。
図16に示されるように、ピーク位置を観測した点のタイミングから特定周波数帯域信号の信号位置(以下、単に「信号位置」と記載)を推定することはできない。特定周波数帯域信号の信号位置を求めるために重要となるのは、PおよびPである。よって、離散フーリエ変換は、図15の(ケース1)のシナリオではN以下の周期で行い、(ケース2)〜(ケース5)のシナリオでは、N以下の周期で行う必要がある。つまり、NとNのうち小さいほうの値以下の周期で離散フーリエ変換を行う。NとNのうち小さいほうの値と等しい周期により離散フーリエ変換を行う場合が最も演算負荷が小さい。P(1)+P(2)とP(1)+P(2)を比較すると、図16ではP(1)+P(2)の方が大きい。これは、Pの位置(ピーク位置の信号点が複数の場合は、ピーク位置の信号点の平均位置)が特定周波数帯域信号の信号位置より前に存在していることを示している。つまり、特定周波数帯域信号の信号位置Ts0は、4N<Ts0<5Nに存在することが分かる。
次に、特定周波数帯域信号検出回路804において、特定周波数帯域信号の信号位置を求める方法を示す。図16から示唆されるように、P(1)+P(2)=P(1)+P(2)となる場合を考えると、ピーク位置を受信したタイミングが1つなら、そのタイミングが特定周波数帯域信号の信号位置であり、ピーク位置を受信したタイミングが2つ以上なら、これらピーク位置の平均値が特定周波数帯域信号の信号位置である。信号位置の見つけ方として、増加中と減少中の信号電力の和が等しくなるように(ΣP(i)=ΣP(i))、離散フーリエ変換を行う位置を変更することもできる。測定された信号電力の値から、信号電力の中心位置T’s0は下記のように求めることができる。
ここで、Tはピーク位置で観測される信号電力の中心位置(図16では4N)、Nudは受信電力が上昇中または減少中に取得した受信電力の取得数(図16では2)、PはP(i)の平均値、PはP(i)の平均値を表す。また、P、PM1、PM2は、それぞれ、特定信号電力のピーク位置の電力P(i)の平均、ピーク位置前の最小値Pm,1(i)の平均、ピーク位置後の最小値Pm,2(i)の平均として得られる。例えば、図16の例において、P(1)=23、P(2)=55、P(1)=68、P(2)=34、Pm,1(1)=11、Pm,2(1)=12、P(1)=72、Nud=2とした場合に(式6)により信号位置を求める。PM1としてPm,1(1)、PM2としてPm,2(1)、PとしてP(1)を用い、これらを(式6)に代入すると、T’s0=4N+0.19N=4.19Nと算出できる。
また、(式6)で、PM1=PM2=Pとして計算を簡易化することもできる。この場合、T’s0は(式7)により算出される。
ここで、測定ごとの、PM1、PM2、P、P、Pの精度は低いため、平均化により波長分散の推定精度を高めることができる。このため、これらの値として、特定周波数帯域信号電力記憶回路805は、特定周波数帯域信号が到来するごとに、特定周波数帯域信号検出回路804により出力されたPm,1(i)、Pm,2(i)、P(i)、P(i)、P(i)を記憶しておく。また、受信信号特性推定回路806は、M回(Mは2以上の整数)受信された特定周波数帯域信号に対応するこれらの値を平均化して用いる。このようにすることで、波長分散の推定精度を向上することができる。
ただし、P(i)およびP(i)は、特定周波数帯域信号の受信ごとに値がばらつく。このため、P(i)およびP(i)に代えて、一定値になることが期待できるパラメータを特定周波数帯域信号電力記憶回路805に記憶するようにしても良い。例えば、(式7)における(P−P)を特定周波数帯域信号電力記憶回路805に記憶し、記憶された複数の(P−P)を平均化することもできる。または、必ずしも全ての値を平均化する必要はない。例えば、(式6)もしくは(式7)により、高い周波数帯域で得られる特定周波数帯域信号の到来時間T’s0,Hと、低い周波数帯域で得られる特定周波数帯域信号の到来時間T’s0,Lとから、Δt=T’s0,L−T’s0,Hを計算して、得られる個別の到来時間差Δtを特定周波数帯域信号電力記憶回路805へ記憶することもできる。記憶された値に基づいて、受信信号特性推定回路806は、PM1、PM2、PとしてそれぞれPm1(i)、Pm2(i)、P(i)の平均値を用い、MセットのP(i)、P(i)からT’s0,HとT’s0,LをそれぞれM個算出して、異なる周波数に対応した特定周波数帯域信号の位置から求められる個別の到来時間差Δt=T’s0,L−T’s0,HをM個平均化することで到来時間差を推定し、この平均化した到来時間差を(式4)のΔtとして用い、波長分散量を求めることができる。または、受信信号特性推定回路806は、記憶されたM個の個別の到来時間差Δtからそれぞれ波長分散量を求め、求められた波長分散量を平均化することもできる。
Δtの算出イメージを図17に示す。図中、P(1)、P(1)、P(1)、Pm,1(1)、およびPm,2(1)は高い周波数に対応する特定周波数帯域信号について検出された電力値である。また、P’(1)、P’(1)、P’(1)、P’m,1(1)、およびP’m,2(1)は低い周波数に対応する特定周波数帯域信号について検出された電力値である。それぞれに対して(式6)または(式7)により信号位置を検出し、検出された信号位置に基づいてΔtを算出することもできるし、以下の(式8)によりΔtを得ることもできる。
ここで、下付き添え字lwがついたものが低い周波数に対応する特定周波数帯域信号に対応した値であり、これらの値のうちの電力に関する値はP’(1)、P’(1)、P’(1)、P’m,1(1)、およびP’m,2(1)から得られる。また、下付き添え字upがついたものが高い周波数に対応する特定周波数帯域信号に対応した値であり、これらの値のうちの電力に関する値はP(1)、P(1)、P(1)、Pm,1(1)、およびPm,2(1)から得られる。
また、上記計算において、Pm,1(i)およびPm,2(i)、またはP(i)を推定することなく、PまたはPを算出することができる。まず、P、P、およびPを用いて、Pを得る方法を示す。図15に示したように、特定周波数帯域信号の長さと離散フーリエ変換長を決定すればNとNudは既知となるため、Nの設定値をNより小さくすれば、必ずPが得られる。NがNより大きい場合には、N/Nの確率でPを取得できるため、複数回、特定周波数帯域信号を取得することでPが得られる。図18を参照し、台形(N=0の場合は三角形)の左右対称な条件を利用してPを取得する方法を示す。
図18は、離散フーリエ変換ごとに得られる特定周波数帯域信号の受信電力を示す図である。同図において、PとPが受信サンプル間隔Tudで検出されている。PとPはこの台形の左辺と右辺でそれぞれ間隔一定で検出されるため、左辺の(P−P)と右辺の(P−P)の和、P+P−2Pは下記の(式9)のように一定の値をとる。
よって、Pは、以下の(式10)のように得ることができる。
このように制御することで、Pを算出したり記憶したりすることなく、Pを出力できる。
また、同様に、P、P、およびPを用いて、Pを(式10)から得ることもできる。これは、ケース2や、NがNより小さく必ずしもNを取得できない場合に有効となる。
上述の方法では、P(i)とP(i)がそれぞれ同数ずつ得られる場合について説明してきた。一方、P(i)の個数とP(i)の個数が異なる場合に上記アルゴリズムを動作させるには、P(i)およびP(i)のそれぞれから同数の値を高い方から所定個数だけもしくは低い方から所定個数だけ選択することができる。
ただし、P(i)とP(i)から任意に同じ個数の値を選ぶ場合には、どの値がP(i)、P(i)、P(i)、Pm,1(i)、Pm,2(i)に対応するのか判定するのが難しい。このような問題は、後述する方法Aと方法Bの少なくとも一方を用いることで、回避することができる。
方法Aは、離散フーリエ変換を行う間隔NをNの整数分の1に設定する。一方、方法Bは、離散フーリエ変換を行う間隔NをNudの整数分の1に設定する。方法Aと方法Bにより、ピーク位置における受信サンプル数と、電力値の増減中における受信サンプル数を固定できるため、取得した信号から判定し選択する演算を省くことができ、この演算に伴う負荷を軽減することができる。つまり、方法Aまたは方法Bあるいはその両方で規定された条件を満たすように、離散フーリエ変換長、離散フーリエ変換の間隔、および特定周波数帯域の長さを決定すればよい。方法Aと方法Bの条件を両方満たすようにすると、ピークで得られる受信サンプル数P(i)、およびP(i)とP(i)を毎回同じ数得ることができるため、(式10)によるPの演算より簡潔にPの算出式を表記できる。N=mN、Nud=nNと設定した場合を考える。ここで、nとmは任意の整数である。この場合、Tud=(n+m)Nとなるため、(式10)は以下の(式11)のように表すことができる。
単にN=mN、Nud=nNと設定するだけでPの算出式を著しく簡易化できていることが確認できる。
図19にPの算出式を簡易化した場合の一例を示す。図19は、図15の(ケース4)に対応しており、N=2N、N=Nと設定した場合である。このように設定すると、P、P、Pをそれぞれ1ポイント取得できる。光信号受信装置では、Pとなる信号を検出し、その前後の信号電力をそれぞれP、Pとすればよい。Pm,1(1)およびPm,2(1)も取得することができるが、(式11)からPとPによりPm,1(1)およびPm,2(1)を算出することもできる。(式7)は、以下の(式12)により表すことができる。
複数の特定周波数帯域信号の受信情報を用いる場合、次のようにして波長分散を求めることができる。すなわち、特定周波数帯域信号検出回路804は、PおよびPについては複数の算出結果を平均化して用い、また、各P−Pに対し、平均化されたPとPによりT’S0を求める。受信信号特性推定回路806では、異なる周波数帯域に対して得られたT’S0,LとT’S0,Hの差T’S0,L−T’S0,Hとして得られる個別の到来時間差Δtについて平均化し、この平均化した到来時間差を(式4)のΔtとして用いる。
ただし、上記方法Aの条件と方法Bの条件を両方満たす方法は、演算を簡易化して演算負荷を軽減するが、特定周波数帯域信号の長さに対する制約が大きい。とくに離散フーリエ変換長は2のべき乗の値をとるため、システムの別の制約から、方法Aの条件と方法Bの条件を両方満たすことが難しい場合もある。このような場合、方法Aの条件を満たすようにすると、PとP、Pの判定機構を持つ必要がない。方法Aの条件を満たすため、ピーク電力をとる値は必ずPであり、一定量のPの前後がP(i)およびP(i)となる。P(i)とP(i)は必ずしも一定数とはならないが、N/Nの小数点以下を切り捨てて得られる整数に相当する個数分のP(i)とP(i)は必ず存在するため、Pの前後にある一定数のP(i)とP(i)を選択すればよい。図20に、N=N−N,2N>N>N(ケース3)とした場合について、特定周波数帯域信号の受信電力の取得結果の一例を示す。この場合、必ずピーク値Pが一つ検出されるため、これを特定周波数帯域信号の検出、周波数ずれの検出、およびクロックずれの検出に用いることができる。また、その前後のP(1)とP(1)をそれぞれPおよびPとして用い、(式9)と(式7)から信号位置を求めることができる。周波数ずれおよびクロックずれは、図7Aにより示されるような周波数領域でのレベルの分布を、Pを検出した際のフーリエ変換結果に対して算出し、特定周波数帯域信号のピーク位置から判定することができる。異なる周波数に対応する特定周波数帯域信号について異なるタイミングでPを検出した際には、複数のフーリエ変換の結果を用いることもできる。
ここで、方法Aの条件を満たす場合に、P(図18を参照)の代わりにPM0を用いることでより簡単に信号位置を求める方法を示す。方法Aの条件と方法Bの条件を両方満たす場合に簡易に信号位置を求めることができることはすでに示したが、方法Aの条件のみを満たす場合でも、同様の条件を仮想的に与えることができる。すなわち、電力値の最小値ではなくオフセット値PM0を最小電力Pの代わりに用いればよい。図20を用いてこの点を説明する。図20ではNudがNより長いために、PおよびPの数は一定ではない。このため、本来であれば、信号位置は算出しにくいのであるが、図20において点線で引いた電力値をPM0として定義する。これは、台形の上辺の左端および右端からそれぞれX座標(時間軸)上での距離がNとなる台形上の点どうしを結んだ線である。このPM0から上の台形に着目すると、図19と全く同じ条件となっていることに気づく。つまり、PM0をPの代わりに用いれば、図20は図19と全く同じ問題として扱うことができ、容易に信号位置を算出できる。具体的には、以下の(式13)として、図20のPM0を定義する。
ここで得られたPM0をPの代わりとして用いて、信号位置を(式14)のように求めることができる。これは、(ケース3)〜(ケース5)のいずれにも適用できる。
これまで、ある周波数帯域の特定周波数帯域信号の電力値を用いて説明してきたが、電力値Pの算出方法について説明する。これまで説明してきた特定周波数帯域信号の電力値Pは複数の方法で求めることができる。例えば、高周波数帯と低周波数帯に各1つのピークを持つ特定周波数帯域信号において、高周波数帯の電力Ps,Hと低周波数帯の電力Ps,Lはそれぞれ(式15)のように得られる。
ここで、fuは高周波数帯の特定周波数帯域信号の中心位置に対応する周波数領域の信号位置、fdは低周波数帯の特定周波数帯域信号の中心位置に対応する周波数領域の信号位置をそれぞれあらわす。これら信号位置の前後nd個の信号の和をとることで電力値を得ることができる。複数の偏波面に対する受信信号rx1〜rxNfとry1〜ryNfが得られる場合には、厳密に信号電力Pを求める必要はなく、信号電力Pと相関をもつ値であれば問題なくΔtを求める演算を行うことができる。例えば、(式16)のように電力Ps,Hと電力Ps,Lを定義することもできる。
また、受信信号を二つの偏波面で受信する場合には、各偏波面に対してそれぞれ高周波数成分に対応するPs,H(1)とPs,H(2)、低周波数成分に対応するPs,L(1)とPs,L(2)から、(式17)として電力Ps,Hと電力Ps,Lを得ることができる。
s,H(1)とPs,H(2)の期待値をそれぞれ推定し、推定された期待値を最大比合成の重みづけにより足し合わせることもできる。
(式15)と(式16)において、受信信号に周波数ずれが残存しているために、fuとfdが実際の特定周波数帯域信号のピーク位置とずれている場合がある。周波数ずれが残ったまま、信号電力PからΔtを求めると、信号位置の算出条件が周波数帯ごとに異なり、波長分散量に残留誤差を生む原因となる。そこで、前述の周波数ずれを検出した後、fuおよびfdの位置を周波数ずれ分シフトし、Ps,LとPs,Hを算出することで、残留波長分散誤差を軽減することができる。
また、2つの偏波面に対する受信信号からそれぞれ波長分散値を求め、求められた波長分散値を平均することもできる。または、2つの偏波面に対する受信信号を交互に検出し、得られた特定周波数帯域信号の電力から波長分散量を推定することもできる。また、この際に、2つの偏波面に対する受信信号のうち電力が大きい方を選択して波長分散補償の演算に用いることもできる。
また、図15の考え方を、特定周波数帯域信号の検出の際に用いることができる。特定周波数帯域信号の位置を検出するために離散フーリエ変換を用いる場合、離散フーリエ変換のサイズNは小さく、かつ、離散フーリエ変換を用いる周期Nはできるだけ大きくとることで、演算負荷を軽減できる。信号検出のためだけに用いる離散フーリエ変換サイズをNf0、周期をNs0とする。この場合、図15を参照すると、Nをできるだけ小さく、かつ、Nをできるだけ大きくする条件が最も良いと言い換えることができる。これはNよりNs0を大きく設定すると、最大値を必ずしも得ることができず、検出精度を劣化させるためである。このため、Ns0を大きくするためにはNが大きい必要がある。Nが最も大きく設定できるのは、ケース5であるが、ケース5は離散フーリエ変換のサイズも大きい。ケース2ではN=0であるためピークを得ることが難しい。これらに対し、ケース1はN>0かつ小さい離散フーリエ変換サイズ(N<N)により特定周波数帯域信号を検出できるため、演算負荷が小さい。ケース1ではN−Nごとに離散フーリエ変換を行うことで、ピーク位置を1個得ることができる。ピーク位置から特定周波数帯域信号を検出するには、例えば、一定時間、特定周波数帯域信号の電力を出力し、出力された信号の最大電力をPp0として記憶し、以降、βPp0を上回る値を持つ信号を検出すると、特定周波数帯域信号を検出できる。βは1より小さく、0より大きい値であり、特定周波数帯域信号のピーク電力の分散に対し、検出誤差が小さくなるように設定される。また、特定周波数帯域信号の検出結果によって、Pp0を更新することができる。また、ケース3〜5でも、N−Nごとに離散フーリエ変換を行うことで、特定周波数帯域信号を検出できる。
このように少ない演算量で特定周波数帯域信号を検出した後、波長分散量の推定アルゴリズムを用いることもできる。
また、特定周波数帯域信号の挿入周期が既知である場合、特定周波数帯域信号が挿入周期ごとに繰り返してMchk(Mchkは2以上の整数)回検出されると、特定周波数帯域信号を検出したものと判定することで、誤検出を防ぐこともできる。
第二の光信号受信装置を用いた光信号同期確立方法は、以下の点を除き、図12のフローと同様である。すなわち、ステップS07において、特定周波数帯域信号検出回路804は、周波数領域に変換された信号から信号位置を検出し、特定周波数帯域の位置が検出された場合、周波数領域のデジタル信号のうち、P(i)、Pm,1(i)、Pm,2(i)、P(i)、P(i)のうち少なくとも一部、または、これらの値から算出される個別の到来時間差、あるいは、これらの値から算出した、個別の到来時間差の算出式に用いられる係数を特定周波数帯域信号電力記憶回路805に出力し、記憶させる。そしてステップS08において、受信信号特性推定回路806は、特定周波数帯域信号電力記憶回路805に記憶された情報から、周波数ずれ、クロックずれ、タイミングずれ、および波長分散量のうち、1つ以上の情報を推定する。
図21に本実施形態における第三の光信号受信装置が備える信号受信回路としての特定周波数帯域信号受信装置の構成例を示す。901は光電気変換回路、902は波長分散補償回路、903は離散フーリエ変換回路、904は特定周波数帯域信号検出回路、905は特定周波数帯域信号電力記憶回路、906は受信信号特性推定回路を示す。
光電気変換回路901は、入力された光信号を電気領域の信号に変換し、変換された電気領域の信号をデジタル信号に変換する。波長分散補償回路902は、受信信号特性推定回路906により推定された波長分散量の推定値に基づいて波長分散の逆特性を光電気変換回路901からの出力信号に与える。具体的には、波長分散補償回路902は、保持している推定波長分散量情報を用いて(式5)の係数を周波数領域でデジタル信号と乗算することで波長分散を補償する。波長分散量が推定波長分散量情報で補償された信号は、離散フーリエ変換回路903に入力される。離散フーリエ変換回路903は、入力されたデジタル信号にNサンプル間隔でNポイントの離散フーリエ変換を行う。周波数領域に変換されたデジタル信号は、特定周波数帯域信号検出回路904に入力される。特定周波数帯域信号検出回路904は、特定周波数帯域信号の位置を検出する。特定周波数帯域信号の位置が検出された場合、特定周波数帯域信号検出回路904は、少なくとも2つの周波数領域において得られたデジタル信号について、P(i)、Pm,1(i)、Pm,2(i)、P(i)、P(i)のうち少なくとも一部、または、これらの値から算出される個別の到来時間差、あるいは、これらの値から算出した、個別の到来時間差の算出式に用いられる係数を特定周波数帯域信号電力記憶回路905に出力し、記憶させる。受信信号特性推定回路906は、特定周波数帯域信号電力記憶回路905に記憶された情報から、周波数ずれ、クロックずれ、タイミングずれ、および波長分散量のうち、1つ以上の情報を推定し、波長分散量と周波数ずれ情報を波長分散補償回路902に出力し、クロックずれ情報とタイミングずれ情報を光電気変換回路901に出力する。なお、光電気変換回路901は電気領域の信号をデジタル信号に変換するための、図6または図14に示したアナログ・デジタル変換回路の機能も含んでいる。
また、第三の光信号受信装置において、波長分散補償回路902が特定周波数帯域信号の位置を検出する機能を有する場合、波長分散補償回路902において特定周波数帯域信号位置を検出し、信号位置情報を離散フーリエ変換回路903に出力することもできる。この場合には、離散フーリエ変換回路903以降の回路は、特定周波数帯域信号位置が検出された場合に動作すればよく、演算負荷を軽減できる。または、波長分散補償回路902が、得られた特定周波数帯域信号付近(特定周波数帯域信号の周波数帯域を含む周波数領域の信号)の周波数情報を離散フーリエ変換回路903に出力し、離散フーリエ変換回路903が、入力された周波数情報を用いて、特定周波数帯域信号を検出し、特定周波数帯域信号を検出した場合に、離散フーリエ変換を行うようにしてもよい。これにより、離散フーリエ変換回路903以降の回路は、特定周波数帯域信号が検出された場合に動作すればよく、演算負荷を軽減できる。これらの場合には、特定周波数帯域信号検出回路904を省くことができる。
また、上記方式は交番信号の前後の信号を対称に近づけることでPM1とPM2のずれが小さくなるようにできる。例えば、交番信号の前に、Sa1、Sa2、…、SaNaを挿入し、交番信号の後に、この信号系列と逆順でSaNa、Sa(Na−1)、…、Sa2、Sa1の信号系列を挿入することで、交番信号以外の成分の漏れ込みを同じ条件にし、検出精度を向上することができる。
図22に本実施形態における第四の光信号受信装置が備える信号受信回路としての特定周波数帯域信号受信装置の構成例を示す。1001は光電気変換回路、1002は波長分散補償回路、1003と1008は離散フーリエ変換回路、1004は特定周波数帯域信号検出回路、1005は特定周波数帯域信号電力記憶回路、1006は受信信号特性推定回路、1007は信号記憶回路を示す。
光電気変換回路1001は、入力された光信号を電気領域の信号に変換し、変換された電気領域の信号をデジタル信号に変換する。波長分散補償回路1002は、受信信号特性推定回路1006により推定された波長分散量の推定値に基づいて波長分散の逆特性を光電気変換回路1001からの出力信号に与える。具体的には、波長分散補償回路1002は、保持している推定波長分散量情報を用いて(式5)の係数を周波数領域でデジタル信号と乗算することで波長分散を補償する。波長分散量が推定波長分散量情報で補償された信号は、離散フーリエ変換回路1003と信号記憶回路1007に入力される。離散フーリエ変換回路1003に入力されたデジタル信号は、Ns0サンプル間隔でNf0ポイントの離散フーリエ変換が行われ、周波数領域のデジタル信号に変換される。特定周波数帯域信号検出回路1004は、入力された周波数領域に変換されたデジタル信号から、特定周波数帯域信号の位置を検出する。特定周波数帯域信号の位置が検出されると、信号記憶回路1007に検出通知信号が出力される。信号記憶回路1007は、波長分散補償回路1002から受信した信号を一定量メモリに保存する。特定周波数帯域信号検出回路1004から検出通知信号が入力されると、信号記憶回路1007は、メモリに保存した一定量の受信信号を離散フーリエ変換回路1008に出力する。離散フーリエ変換回路1008はNサンプル間隔で、Nポイントの離散フーリエ変換を行い、周波数領域のデジタル信号のうち、少なくとも2つの周波数領域において得られたP(i)、Pm,1(i)、Pm,2(i)、P(i)、P(i)のうちの少なくとも一部、または、これらの値から算出される個別の到来時間差、あるいは、これらの値から算出した、個別の到来時間差の算出式に用いられる係数を特定周波数帯域信号電力記憶回路1005に出力し、記憶させる。受信信号特性推定回路1006は、特定周波数帯域信号電力記憶回路1005に記憶された情報から、周波数ずれ、クロックずれ、タイミングずれ、および波長分散量のうち、1つ以上の情報を推定し、波長分散量を波長分散補償回路1002に出力し、クロックずれ情報とタイミングずれ情報を光電気変換回路1001に出力する。受信信号特性推定回路1006から波長分散補償回路1002に周波数ずれ情報を出力することもできる。
また、第三および第四の光信号受信装置において、波長分散補償回路902および1002へ波長分散量情報をフィードバックする場合、(式4)のDcではなく、λを含まないその他の係数をフィードバックするようにしてもよい。これにより、通信を行っている周波数にかかわらず、波長分散を補償する係数を算出できる。(式5)で波長分散量Dcから係数g(f)を求める場合、λが既知でないと係数g(f)は求められない。これに対して、Δt、cΔt、あるいはcΔt/ΔFなどの値を波長分散補償回路902および1002へ渡しておくと、(式5)において、λが既知となり、λの情報を用いずに、波長分散補償の係数が求められる。
また、第三および第四の光信号受信装置において、受信信号特性推定回路906および1006に接続された通信装置(図示省略)がすでにデータ復号を開始している場合に、波長分散補償回路902および1002で用いる波長分散補償を行う係数の更新する幅を制限し、データの復号結果への影響を規定値以下に抑えるように設定することもできる。例えば、Δtが入力された際に、|Δt|がΔtmaxより大きい場合に、Δt=Δtmax×Δt/|Δt|が検出されたものとして波長分散補償係数を更新できる。
また、第一〜第四の光信号受信装置において、特定周波数帯域信号検出回路が特定周波数帯域信号を検出した際の受信信号以外の受信信号を用いて、受信信号特性推定回路において周波数ずれを推定することもできる。例えば、離散フーリエ変換されて出力された周波数領域の信号を複数回取得し、各周波数チャネルにおいて信号レベルが最大となる値を記憶し、得られた周波数領域の信号に対する信号レベル分布の重心位置を推定し、その重心位置を周波数ずれ情報Δfとして用いることができる。または、離散フーリエ変換されて出力された周波数領域の信号を複数回取得し、各周波数チャネルにおいて信号レベルの平均を計算し、得られた周波数領域の信号に対する信号レベル分布の重心位置を推定し、その重心位置を周波数ずれ情報Δfとして用いることができる。特定周波数帯域信号が含まれた受信信号を用いても重心は検出可能であるが、特定周波数帯域信号のレベルが強すぎるために、周波数選択性のレベル変動の影響で重心位置に大きな誤差を生じることがある。このため、特定周波数帯域信号検出回路により特定周波数帯域信号以外の信号を選択することで周波数ずれ情報の精度を向上することができる。また、特定周波数帯域信号以外の周波数成分から、重心を算出することもできる。
図23は本実施形態による光信号同期確立方法において、特定周波数帯域信号を検出する離散フーリエ変換の間隔と、波長分散を推定する離散フーリエ変換の間隔Nssを共通にした場合において、離散フーリエ変換以降のステップを示した図である。
光電気変換回路901は、入力された光信号を電気領域の信号に変換し(ステップS21)、変換された電気領域の信号であるアナログ信号をデジタル信号に変換する(ステップS22)。波長分散補償回路902は、波長分散の補償を行う(ステップS23)。波長分散補償回路902または離散フーリエ変換回路903で得られる周波数領域の信号より、特定周波数帯域信号成分付近の電力または振幅の和となる特定周波数帯域信号電力値を算出する(ステップS24)。次に、波長分散補償回路902、離散フーリエ変換回路903、または特定周波数帯域信号検出回路904のいずれかにおいて、特定周波数帯域信号電力値から特定周波数帯域信号の信号位置を検出する(ステップS25)。特定周波数帯域信号検出回路904は、P(i)、Pm,1(i)、Pm,2(i)、P(i)、P(i)のうち少なくとも一部、または、これらの値から算出される個別の到来時間差、あるいは、これらの値から算出した、個別の到来時間差の算出式に用いられる係数を特定周波数帯域信号電力記憶回路905に出力し、記憶させる(ステップS26)。受信信号特性推定回路906は、特定周波数帯域信号電力記憶回路905に記憶されている値を用いて、周波数領域における信号電力のピークの位置からクロックずれ、周波数ずれ、および残留している波長分散量の推定を行なう(ステップS27)。残留している波長分散量の情報は、受信信号特性推定回路906から波長分散補償回路902にフィードバックされる。このため、波長分散補償の精度を向上できる。波長分散補償回路902は、波長分散補償後の信号をデータの復号を行う通信装置に出力し、通信装置がデータの復号を行う(ステップS28)。
なお、波長分散補償回路902は、波長分散補償のための係数を変更する際に、特定周波数帯域信号電力記憶回路905に記憶されている情報の少なくとも一部を消去する。特定周波数信号検出回路904は、新たに入力される信号系列について得られたP(i)、Pm,1(i)、Pm,2(i)、P(i)、P(i)のうち少なくとも一部、またはこれらの値から算出される係数を特定周波数帯域信号電力記憶回路905に出力し、記憶させる。受信信号特性推定回路906は、特定周波数帯域信号電力記憶回路905に新たに書き込まれた値を用いて、周波数領域における信号電力のピークの位置からクロックずれ、周波数ずれ、および残留している波長分散量の推定を行なう。
また、特定周波数帯域信号電力値を算出する場合に、周波数ずれ情報を用いて特定周波数帯域信号として考慮する周波数位置をシフトすることで、特定周波数帯域信号のピークを中心とするように特定周波数帯域信号電力値を算出できる。これにより、波長分散補償の推定結果の精度を向上することができる。
図24Aおよび図24Bは本実施形態による光信号受信装置による波長分散推定の精度を、計算機シミュレーションにより示した結果である。ここでは、31.5Gbaudの信号を、偏波多重を用いて送信し、2つの周波数帯域にピークを有する特定周波数帯域信号((S,S)、(−S,−S)の繰り返し信号)64シンボルをデータ系列の先頭に挿入している。光信号受信装置においては、63Gsample/secのA/D(アナログ/デジタル)変換器を用い、256ポイントの離散フーリエ変換を用いて、波長分散を推定した。受信側ではオーバサンプルをしているので、特定周波数帯域信号の長さは128シンボルとなっている(N=128)。N=256であることより、図15の(ケース4)のシナリオに相当する。光経路の波長分散量を20000ps/nm、PMDを50psおよび30ps、シンボルのSNR(Signal to noise ratio)を10dB、として、波長分散補償の精度を確認した。データブロックの先頭部分には毎回64シンボルの特定周波数帯域信号を挿入しているため(受信側では128シンボル)、データブロックを200個用いた。つまり200個の特定周波数帯域信号から波長分散を補償した。周波数ずれとして240MHzを与えた。
図24Aに示すPMD=50psecの結果から確認する。図中の実線は、P、Pをそれぞれ平均化してデータブロックの先頭ごとにΔtを算出し、200個のΔtを平均して波長分散量を推定した結果である。破線の分布は、Pを平均化し、Pについては(式11)により算出し、平均化したものを用いた結果である。両者ともにほぼ等しい特性が得られており、それぞれ平均で20021ps/nm、20016ps/nmが得られ、それぞれ累積確率で98%が19940〜20100ps/nmとなる高い精度で算出していることが分かる。推定精度はPMDに対して決まっており、PMDを30psecとすると、図24Bのように破線と実線が重なっており、両者に大きな違いが生じていない。平均値は19988ps/nmであり、98%の確率で、波長分散量が19936〜20039ps/nmとなり、図24Aに示したPMD:50psecの場合より精度が高いことが分かる。また、図24Aおよび図24Bの結果では、平均値が20000ps/nmからずれているが、この問題は次のようにして解決することができる。すなわち、推定した波長分散量を波長分散補償回路に出力し、推定された波長分散量に基づいて波長分散の補償を行い、再び本実施形態のアルゴリズムにより残留した波長分散量を補償することにより、実際の値とのずれを小さくすることができる。または、残留するオフセット量をあらかじめ記憶しておき、その値を補正して波長分散量とすることもできる。ただし、図24Aおよび図24Bの結果では、中心位置が20000ps/nmから少しずれている。これは周波数ずれが残留しているためである。
図25は本実施形態による光信号受信装置による波長分散推定の精度を、計算機シミュレーションにより示した結果である。ここでは、31.5Gbaudの信号を、偏波多重を用いて送信し、交番信号80シンボルをデータ系列の先頭に挿入している。光信号受信装置においては、63Gsample/secのA/D変換器を用い、256ポイントの離散フーリエ変換を用いて、波長分散を推定した。受信側ではオーバサンプルをしているので、特定周波数帯域信号の長さは160シンボルとなっている(N=160)。N=256であることより、図15の(ケース3)のシナリオに相当する。ピークとなる特定周波数帯域電力を一つ取得するために、離散フーリエ変換の周期NはN−N=96として算出した。光経路の波長分散量を20000ps/nm、PMDを50psおよび30ps、シンボルのSNR(Signal to noise ratio)を10dB、として、波長分散補償の精度を確認した。データブロックの先頭部分には2つの周波数帯域にピークを有する特定周波数帯域信号((S,S)、(−S,−S)の繰り返し信号)を毎回80シンボル挿入したデータブロックを1000個用いた。つまり1000個の特定周波数帯域信号から波長分散を補償した。図25は、周波数ずれが検出されて、位置を補正した結果を示す。
図25はPMD=50psecと30psecについての結果を示している。P(1)、P(1)、P(1)から、(式13)で得られるPM0を算出し、データブロックごとにΔtを(式14)の信号位置の差から算出し、1000個のΔtを記憶して、記憶されたΔtを平均した値を用いて波長分散量を推定した結果が示されている。PMD=50psecと30psecに対し、それぞれ平均で19993ps/nm、19992ps/nmの波長分散量が得られ、それぞれ累積確率で98%が19934〜20066ps/nm、19958〜20037ps/nmとなる高い精度で波長分散量を算出していることが分かる。周波数ずれを考慮しておくことで、波長分散の推定値の平均値のシフトが小さくなっていることが確認できる。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する第2〜第10の実施形態における光信号送信装置(送信機)の概略構成は、図1に示した光信号送信装置の概略構成と基本的に同じである。ただし、例えば、第2〜第10の実施形態においては、特定周波数帯域信号発生回路101により生成される特定周波数帯域信号が、第1の実施形態における特定周波数帯域信号のような交番信号に限定されない。
図26は、本第2の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。図26に示した送信信号フレームは、信号合成回路102によって、送信機および受信機で既知となるBPSK(Binary phase shift keying)信号系列群を送信信号(図26に示した「データ信号」)の先頭もしくは末尾に時間多重されたものである。
なお、図26に示した本第2の実施形態の送信信号フレーム構成は、既知BPSK信号系列を送信信号の先頭に挿入(時間多重)した一例である。
また、この送信信号フレームは、電気光変換回路103によって、下記参考文献3の「光ファイバ通信技術」に示されるような、一般的な光ファイバ伝送で用いられる光ファイバ損失の少ない帯域(1260nm〜1625nm)において光変調が行われ、光ファイバ通信の伝送路を介して受信機に送信される。
[参考文献3]山本杲也,“マルチメディア伝送技術選書 光ファイバ通信技術”,日刊工業新聞社,p.59,1995年6月26日 初版1刷
ここで、既知信号としてBPSK信号を用いる理由は以下の通りである。
(理由1):2値の信号生成器を用いて信号を生成することができる。
(理由2):SNRが他の変調と比べて高い。
(理由3):周波数スペクトラム成分が中心周波数を境にして高周波側と低周波側で複素共役の関係になる。
受信機では、送信機および受信機で既知であるBPSK信号系列群を用いて、受信した送信信号フレームを、デジタル信号処理する。受信機は、このデジタル信号処理によって得られた結果に基づいて、光ファイバ通信のタイミング検出およびクロック抽出を行い、周波数オフセットや伝送路の状態といった受信品質を推定する。
タイミング検出は、例えば、送信に使用された既知BPSK信号と受信された既知BPSK信号の相互相関を取り、ピーク値を検出することで実現できる。
クロック抽出は、例えば、第1の実施形態で説明した受信信号特性推定回路605によるクロックずれの検定方法を用いることができる。
周波数オフセットの推定は、例えば、以下に示すような測定に基づいて行われる。
(測定1):送信に使用された既知BPSK信号と受信された既知BPSK信号に対してそれぞれ離散フーリエ変換を行い、離散フーリエ変換の結果を元に周波数領域で相互相関を取ってピーク値を検出し、検出されたピーク値を元に周波数ずれを測定する。
(測定2):受信された既知BPSK信号に対して送信に使用された既知BPSK信号の複素共役を乗算し、時間的な位相変動を測定する。
また、伝送路の状態の推定方法としては、例えば、以下に示すような推定方法がある。
(推定方法1):タップドディレイラインフィルタを用いて、送信に使用された既知BPSK信号と受信された既知BPSK信号の相互相関を取る。
(推定方法2):送信に使用された既知BPSK信号と受信された既知BPSK信号に対してそれぞれ離散フーリエ変換を行い、周波数成分ごとに逆変調を行う。
受信機は、上記に述べたような操作によって、既知BPSK信号を用いて光ファイバ伝送特有の劣化要因を推定し、推定した値を等化器(図示省略)もしくは補償器(図示省略)に入力する。また、受信機は、推定した値を用いて、受信した送信信号フレームを補正することによって、信号を復調することができる。
また、補償方法としては、非特許文献2および3に示したようなブラインド型の等化器で採用されているのと同様の方法を用いることができる。
光ファイバ伝送においては、一般的に、光源の不安定性が伝送特性に大きく影響する。しかし、本第2の実施形態の送信信号フレーム構成を用いた場合、既知BPSK信号を用いて周波数オフセットを推定するため、ブラインド推定の場合と比べて高精度に推定することができる。
また、波長分散や偏波モード分散をまとめて伝送路の状態として同時に推定することもできる。このことによって、受信機で波長分散および偏波モード分散を同時に推定する場合は、複数の推定装置を備える必要がない。
また、ブラインド推定の場合、干渉信号などの誤った値に対して収束してしまい、所望信号を復調することができない問題(ミスキャプチャ)が生じてしまう。これに対して、本第2の実施形態の送信信号フレーム構成のように既知BPSK信号を用いることで、所望信号に対しての等化重みを算出することができるので、上記のミスキャプチャの問題をなくすことができる。
上記に述べたとおり、本第2の実施形態の送信信号フレーム構成のように既知BPSK信号を用いることによって、ブラインド推定の場合よりも高精度に劣化要因の推定が可能である。
また、既知BPSK信号で伝送路の状態を推定した後、データ信号部分についてはブラインド推定アルゴリズムを動作させ、ブラインド推定アルゴリズムで推定した情報を既知BPSK信号で推定した情報と併せて用いることで、時間変動に追従した伝送路の状態の推定をすることができる。
なお、本第2の実施形態の送信信号フレーム構成においては、既知BPSK信号としてBPSK信号を用いていた。これに対して、QPSK信号の点対称な2点(例えば、(1+j)/√2および(−1−j)/√2)を複数個並べ、それらを既知BPSK信号系列としても良い。また、多値変調における点対称な信号2点を複数個並べ、それらを既知BPSK信号系列として用いることもできる。
また、既知BPSK信号系列を用いて光ファイバの伝送路状態を推定する場合、下式(18)で与えられる伝送路の状態の最大遅延差以上となるように、既知BPSK信号の系列長Tを決定する。
上式(18)において、Bは送信信号の占有帯域幅、Dmaxは補償する波長分散量の最大値、Tpmdは補償する偏波モード分散の最大値、λは中心波長、cは光速を示す。例えば、シンボルレート28Gbaud、波長分散量の最大値Dmax=20000ps/nm、中心波長λ=1550nm、偏波モード分散の最大値Tpmd=50psの伝送路状態を推定する場合、既知BPSK信号の系列長Tは、4.534ns以上に設定すればよいことが分かる。したがって、127シンボル以上の既知BPSK信号からなる系列が必要である。また、波長分散および偏波モード分散のみを推定すればよい場合は、既知BPSK信号の系列長Tがそれぞれ4.485nsおよび50psになることから、最低126シンボルおよび2シンボル以上の既知BPSK信号をそれぞれ挿入すればよいことになる。
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。図27は、本第3の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。図27に示した送信信号フレームのように、信号合成回路102は、周期Tfの間隔で既知BPSK信号を定期的に挿入する。この周期Tfは、例えば、下記参考文献4の「OTNの標準化動向」に示されるように、OTN(Optical Transport Network)フレームの長さに対して1/K(Kは正数)の長さに設定したり、誤り訂正符号化のブロック長に対して1/Kの長さに設定したりする。これによって、フレームごとに独立した信号処理が可能となる。
[参考文献4]大原拓也,石田修,“グローバルスタンダード最前線 OTNの標準化動向”,NTT技術ジャーナル 2009.1,PP.71〜74.
また、本第3の実施形態の送信信号フレーム構成を用いた場合、信号合成回路102は、周期的に既知BPSK信号を挿入するため、図26に示した第2の実施形態の送信信号フレーム構成の場合と比較して、伝送路状態の時間変動への追従性が優れる。また、忘却係数などを用いて周期的に挿入された既知BPSK信号を複数個用いることで、伝送路の状態の推定精度が向上する。
また、既知BPSK信号は、上式(18)で与えられるように、推定する伝送路の状態の最大遅延差以上の既知BPSK信号系列長が必要となる。
また、本第3の実施形態の送信信号フレーム構成を用いた場合、信号合成回路102は、周期的に既知BPSK信号を挿入するため、光ファイバ伝送特有の非線形効果などに起因した急激な時変動による位相飛びを監視し検出することができる。
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図28は、本第4の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。図28に示した送信信号フレームのように、信号合成回路102は、時間Tbのブロック長からなる既知BPSK信号系列をM個連続して繰り返して挿入する。このように、既知BPSK信号系列をM個繰り返して挿入することによって、最大M個の同じ既知BPSK信号を用いて伝送路の状態を推定し、推定によって得られた結果を平均化することができる。このため、干渉や雑音等を低減することができ、伝送路推定の精度が向上する。また、時間Tbを上式(18)で与えられる伝送路状態のインパルス応答の最大遅延差よりも大きな値とすることによって、直前のフレームがガードインターバルの役目をすることとなる。このことによって、信号の周期性が保たれ、離散フーリエ変換(DFT)や高速フーリエ変換(FFT)等を用いて周波数領域で伝送路の情報を推定することができる。また、この場合の時間Tbを、DFTもしくはFFTのブロック長と等しくすることによって、ブロック演算が可能となる。
<第5の実施形態>
以下、本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。図29は、本第5の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。図29に示した送信信号フレームでは、既知BPSK信号系列として交番信号を生成する一例として、既知BPSK信号として変調された2つの信号(S(0)およびS(1))を交互に送信することによって、交番信号を生成する場合を示している。
また、図30は、交番信号の周波数スペクトルを模式的に表した図である。図29に示した送信信号フレームを送信することによって、図30に示すように、周波数領域で2つのキャリアが現れる。
この2つのキャリアを利用して、例えば、以下に示すような操作を行うことができる。
(1):受信した交番信号と送信した交番信号との周波数差(ずれ)を測定することによる周波数オフセットの推定。
(2):受信した交番信号と送信した交番信号との相互相関をとることによるタイミング検出。
(3):受信した交番信号の零交差点を測定することによるクロックの抽出。
(4):2つのキャリアの到来時間差を測定することによる伝送路における波長分散量の推定。
また、上述した本第5の実施形態の送信信号フレーム構成では、交番信号をS(0),S(1),S(0),S(1)・・・と生成している。これに対して、S(0),S(0),S(1),S(1),S(0),S(0),S(1),S(1)・・・や、S(0),S(0),S(0),S(0),S(1),S(1),S(1),S(1),S(0),S(0),S(0),S(0),S(1),S(1),S(1),S(1)・・・のように、同じ種類の信号を複数個連続して交互に送信して、送信信号フレームを構成することもできる。また、その場合、キャリアが2つ以上現れるため、その現れた2つ以上のキャリアを用いて、上記に述べた操作を行うこともできる。
さらに、図27に示した第3の実施形態の送信信号フレーム構成において、既知BPSK信号として交番信号を用いることもできる。その場合、全ての系列で同じ交番信号を用いることもできる。また、異なる交番信号を交互に送信することもできる。
また、交番信号では、特定の周波数に電力が集中するため、光ファイバ伝送において非線形効果などの問題が生じてしまうことが考えられる。そのような非線形効果などの問題に対して、例えば−1,1,−1,1,−1,1,・・・,−1,1の繰り返し信号の中に、この繰り返し信号とは逆順となる1,−1,1,−1を混ぜることによって、特定周波数帯域の電力を他の周波数帯域に分散することができる。
<第6の実施形態>
以下、本発明の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。図31は、本第6の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。図31に示した送信信号フレームでは、PN系列を既知BPSK信号として用いる一例として、系列長Nの擬似雑音(PN)系列をBPSK変調し、得られた信号を既知BPSK信号として送信する場合を示している。
このように、PN系列を既知BPSK信号として用いることによって、例えば、以下に示すような利点がある。
(1):PN系列の自己相関が高いため、タイミング検出の精度が向上する。
(2):PN系列の周波数スペクトルのレベルの変動が他の系列に比べて少ないため、伝送路状態の推定に適する。
また、本第6の実施形態の送信信号フレーム構成では、BPSK変調が適用される信号の長さを等化器などに用いるDFTやFFTのブロック長に合わせることによって、伝送路状態の推定精度を向上することができる。また、この場合のPN系列は、2−1個(Kは2以上の整数)の信号からなるため、PN系列の長さがDFTやFFTのブロック長に足りない場合、足りない長さに相当する個数分の“1”または“0”をPN系列へ追加することによって、信号の長さをDFTやFFTのブロック長に合わせることができる。例えば、256個の信号を生成しようとした場合、2−1=255個の信号に“1”または“0”を1個加えて、全体で256個の信号を生成し、BPSK変調する。
さらに、図27に示した第3の実施形態の送信信号フレーム構成および図28に示した第4の実施形態の送信信号フレーム構成において、既知BPSK信号としてPN系列を用いることもできる。その場合、全ての系列を同じPN系列にすることもできる。また、異なる生成多項式から生成されるPN系列を交互に送信することもできる。
また、図29に示した第5の実施形態の送信信号フレーム構成において用いた交番信号としてPN信号を用いて、既知BPSK信号の周波数スペクトルを拡散することにより、帯域を広げることもできる。
次に、送信信号フレームを受信した際の波長分散の推定について説明する。図32は、本第6の実施形態の送信信号フレーム構成を用いて、伝送路状態の一要素である波長分散を推定するための受信機内の波長分散算出回路の概略構成を示したブロック図である。図32において、波長分散算出回路2100は、分岐回路2101、第1スライディング相関回路2102−1、第2スライディング相関回路2102−2、第1平均化回路2103−1、第2平均化回路2103−2、波長分散算出回路2104から構成される。
図32に示した受信機内の波長分散算出回路による波長分散の推定は、次のようにして行われる。まず、受信した既知BPSK信号系列を分岐回路2101によって2つの系列に分岐し、分岐された一方の既知BPSK信号系列を第1スライディング相関回路2102−1に出力し、分岐された他方の既知BPSK信号系列を第2スライディング相関回路2102−2に出力する。
その後、第1スライディング相関回路2102−1では、受信した既知BPSK信号系列と、送信に使用された既知BPSK信号の高周波成分のみを抽出した信号系列との相互相関を算出し、ピークの時刻を求める。また、第2スライディング相関回路2102−2では、第1スライディング相関回路2102−1と同様にして、受信した既知BPSK信号系列と、送信に使用された既知BPSK信号の低周波成分のみを抽出した信号系列との相互相関を算出し、ピークの時刻を求める。ここで、−F〜0で示している周波数成分は、実際にはF〜2Fに折り返して現れるが、説明を簡単にするためにマイナスの表現を用いている。
その後、図28に示した第4の実施形態の送信信号フレーム構成のように、複数ブロックを繰り返して既知BPSK信号を送信する場合は、第1スライディング相関回路2102−1および第2スライディング相関回路2102−2で算出された相互相関の結果は、第1平均化回路2103−1および第2平均化回路2103−2にそれぞれ入力される。そして、第1平均化回路2103−1および第2平均化回路2103−2のそれぞれによって、ブロックごとに相互相関の結果が平均化され、雑音や干渉信号を低減する。
その後、第1平均化回路2103−1および第2平均化回路2103−2によって雑音や干渉信号を低減したそれぞれの相互相関の結果を、波長分散算出回路2104の入力値として入力する。そして、波長分散算出回路2104は、入力されたそれぞれの相互相関の結果のピークの時間差に基づいて、遅延時間差Tcdを算出する。
次に、受信した送信信号フレームから波長分散を推定する具体例について説明する。図33は、図32に示した受信機内の波長分散算出回路2100において、高周波数成分が入力される第1スライディング相関回路2102−1の出力結果と、低周波数成分が入力される第2スライディング相関回路2102−2の出力結果を表した図である。図33に示した例では、抽出する信号帯域幅B=28GHz、波長分散量D=20000ps/nm、中心波長λ=1550nmの時に受信された既知BPSK信号について、送信に使用された既知BPSK信号の高周波成分および低周波成分との相互相関をそれぞれ算出したときの結果を示している。この図33に示した結果から、ピーク値の遅延時間差Tcdは4.41nsと計算される。このピーク値の遅延時間差Tcdの算出結果から、波長分散量Dを算出する。この算出式は下式(19)で与えられる。
上式(19)において、cは光の速度を示す。図33から得られた結果をこの上式(19)に代入すると、D=19670ps/nmとなり、高精度に波長分散量を推定できていることが分かる。
また、上記の説明では、送信に使用された既知BPSK信号から高周波成分および低周波成分を抽出する際に、矩形窓関数を用いた。これに対して、ハミング窓やカイザー窓など、一般的に用いられる帯域通過フィルタを用いることによって、余計な信号成分を抑圧し、高精度な波長分散を推定することが可能となる。
また、分岐回路2101の直前において、受信した既知BPSK信号系列に対してもハミング窓やカイザー窓など、一般的に用いられる帯域通過フィルタを配置することによって、余計な信号成分を抑圧し、高精度な波長分散を推定することが可能となる。
上記に述べた第2の実施形態の送信信号フレーム構成から第6の実施形態の送信信号フレーム構成は組み合わせて用いることもできる。
<第7の実施形態>
以下、本発明の第7の実施形態について、図面を参照して説明する。図34は、本第7の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。図34に示した送信信号フレームは、図26に示した第2の実施形態の送信信号フレーム構成と、図27に示した第3の実施形態の送信信号フレーム構成とを組み合わせて用いた一例である。
図34に示した第7の実施形態の送信信号フレーム構成を用いることによって、先頭に挿入された既知BPSK信号系列(a)、すなわち、図26に示した第2の実施形態の送信信号フレーム構成を用いて、タイミング検出、周波数オフセット推定、伝送路状態推定、およびクロック抽出など、時変動の比較的小さい(もしくは、時変動がない)パラメータの推定または検出を行う。また、周期的に挿入して送信する既知BPSK信号(b)、すなわち、図27に示した第3の実施形態の送信信号フレーム構成を用いて、偏波モード分散や位相オフセットなど、時変動の比較的大きいパラメータを推定することができる。
次に、本第7の実施形態の送信信号フレーム構成の送信信号フレームを受信する受信機の具体例について説明する。図35は、本第7の実施形態の送信信号フレーム構成を用いたときの受信機内のデジタル信号処理部の概略構成の一例を示したブロック図である。図35においてデジタル信号処理部2200は、第1等化回路2201、第2等化回路2202、第1等化重み演算回路2203、第2等化重み演算回路2204、平均化フィルタ2205、復調回路2206から構成される。
第1等化重み演算回路2203は、図34に示した本第7の実施形態の送信信号フレーム構成における既知BPSK信号系列(a)を用いて、初期の伝送路の状態を推定して等化重みを算出する。そして、第1等化重み演算回路2203は、算出した等化重みの結果を第1等化回路2201に出力し、第1等化回路2201によって、信号のひずみを補償する。
その後、偏波モード分散や、周波数オフセットなどといった伝送路の状態において時間的に変動する要因に関しては、図34に示した本第7の実施形態の送信信号フレーム構成において周期的に挿入された既知BPSK信号系列(b)を用いて、第2等化重み演算回路2204が、伝送路の状態の初期値からの変動の差分を推定して等化重みを算出する。また、第2等化重み演算回路2204は、等化重みを周期的に更新する。そして、第2等化回路2202は、第1等化回路2201から出力されたデータ信号に対して等化および補償を行う。復調回路2206は、等化および補償の行われた信号に対して復調を行う。
ここで、例えば、シンボルレート28Gbaud、波長分散量D=20000ps/nm、中心波長λ=1550nm、偏波モード分散Tpmd=50psの伝送路状態を推定する場合、上式(18)で示した既知BPSK信号長を用いればよい。したがって、既知BPSK信号(a)の長さは4.534ns以上に設定し、既知BPSK信号(b)の長さは50ps以上に設定すればよいことになる。そのため、最初に長めの既知BPSK信号(a)を挿入しておき、あとは周期的に系列長の短い既知BPSK信号(b)を挿入することによって、受信機側での伝送路の状態の推定に十分な系列長になる。このことにより、既知BPSK信号の挿入による伝送効率の低下を抑えることができる。
なお、短時間での伝送路の状態変化ではないが、温度変化などによる長時間単位での伝送路の状態の変化に対する補償は次のようにして行う。すなわち、第2等化重み演算回路2204における等化重みの演算結果を、平均化フィルタ2205の入力値として入力する。そして、平均化フィルタ2205によって平均した等化重みの演算結果を、第1等化重み演算回路2203に出力する。そして、もとの第1等化重み演算回路2203で算出した等化重みの値を、平均化フィルタ2205から入力された平均した等化重みの演算結果に基づいて更新する。これによって、長時間単位での伝送路の状態の変化を補償することができる。
ここで、平均化フィルタ2205は、過去W個(Wは2以上の整数)の既知BPSK信号系列(b)を用いて算出された等化重みの平均値を求めたり、忘却係数を用いて等化重みを平均化したりするなど、従来の平均化フィルタを用いて平均化することができる。
上記に述べた構成により、第1等化重み演算回路2203では、第2等化重み演算回路2204よりも長い遅延時間のインパルス応答を推定する必要があり、それに伴い多くの演算を要する、しかし、第1等化重み演算回路2203は、既知BPSK信号(a)で等化重みを算出した後は殆ど等化重みを更新する必要がなくなる。このため、伝送路の状態の変化を補償するための全体の演算処理を削減することができる。
<第8の実施形態>
以下、本発明の第8の実施形態について、図面を参照して説明する。図36は、本第8の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。図36に示した送信信号フレームでは、送信機は、イニシャルモードにおいて、データ信号を送信せず、既知BPSK信号のみを送信する。
すなわち、このイニシャルモードでは、送信機が既知BPSK信号のみを送信し、受信機が、光ファイバ伝送における様々なパラメータ(例えば、伝送路状態、光キャリアの不安定性、タイミング同期、非線形効果など)を測定する。その後、十分な時間を用いて、光ファイバ伝送における様々なパラメータ測定が終了した後に、イニシャルモードからデータ伝送モードへの切り替えを行い、送信機は、送信信号を既知BPSK信号からデータ信号に切り替えて、受信機にデータ信号を送信する。
上記に述べたとおり、本第8の実施形態の送信信号フレーム構成によれば、送信機は既知BPSK信号を十分な時間を用いて送信し、受信機において光ファイバ伝送における様々なパラメータを測定した後に、送信機がデータ信号を送信することになる。このため、受信機は、データ信号の復調を、データ信号の先頭から高い伝送特性で行うことが可能となる。
なお、イニシャルモードの信号系列として、上記に述べた第2の実施形態の送信信号フレーム構成から第6の実施形態の送信信号フレーム構成で用いた既知BPSK信号系列を用いる。
上記に述べた第2の実施形態の送信信号フレーム構成から第8の実施形態の送信信号フレーム構成は組み合わせて用いることもできる。
<第9の実施形態>
以下、本発明の第9の実施形態について、図面を参照して説明する。図37は、本第9の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。図37に示した送信信号フレームは、信号Aと信号Bにより成り立っている。信号Aは、交番信号、もしくは任意の既知であるBPSK信号からなる信号系列である。例えば、信号AとしてPN系列を用いることもできる。信号Bは、既知であるBPSK信号、もしくは、任意の未知のデータ信号から構成される。
図37に示した第9の実施形態の送信信号フレーム構成を用いることによって、受信機では、既知BPSK信号Aを用いてタイミング検出、サンプリングクロックの推定、周波数オフセットの推定、および波長分散の推定を行うことができる。また、受信機では、信号Bを用いて、精度の高いタイミング同期、周波数オフセットの推定、残留波長分散の推定、および等化ウエイトの算出を行うことができる。
ここで図37の既知BPSK信号Aは、交番信号もしくは任意のBPSK信号であればよくて、例えばPN系列であっても良いし、あるBPSK信号系列の複数回の繰り返しであっても良い。
次に、本第9の実施形態の送信信号フレーム構成の送信信号フレームを受信する受信機の具体例について説明する。図38は、本第9の実施形態の送信信号フレーム構成を用いたときの受信機の概略構成の一例を示したブロック図である。図38において受信機2300は、サンプリングクロック補償回路2301、タイミング同期回路2302、FFT回路2303、波長分散補償回路2304、周波数オフセット補償回路2305、IFFT回路2306、適応等化回路2307、復調回路2308、既知BPSK信号A区間信号処理部2318、および信号B区間信号処理部2319から構成される。また、既知BPSK信号A区間信号処理部2318は、既知BPSK信号A検出回路2309、サンプリングクロック推定回路2310、周波数オフセット粗推定回路2311、波長分散粗推定回路2312、およびタイミング検出(フレーム同期)回路2313から構成される。また、信号B区間信号処理部2319は、周波数オフセット精推定回路2314、偏波モード分散推定回路2315、波長分散精推定回路2316、およびタイミング検出(シンボル同期)回路2317から構成される。
タイミング検出(フレーム同期)回路2313では、信号Aが交番信号である場合には、交番信号のある特定の周波数点にピークが出ることを利用して、そのピーク値が見えなくなる点を検出し、その部分を信号Bの区間との境目(境界)としてタイミング検出をすることができる。一方、信号Aが任意の既知であるBPSK信号である場合には、タイミング検出(フレーム同期)回路2313は、任意の既知であるBPSK信号との相互相関を用いてタイミング検出を行うことができる。そして、タイミング検出(フレーム同期)回路2313は、タイミング検出の結果をタイミング同期回路2302に出力する。
以下に詳述するように、既知BPSK信号A区間信号処理部2318において、それぞれ推定または検出した結果をサンプリングクロック補償回路2301、タイミング同期回路2302、波長分散補償回路2304、および周波数オフセット補償回路2305に出力する。そして、出力された値を元に、受信信号に対してサンプリングクロック補償回路2301、タイミング同期回路2302、波長分散補償回路2304、および周波数オフセット補償回路2305において、それぞれ、サンプリングクロック補償、タイミング同期、波長分散補償、および周波数オフセット補償を行う。
まず、既知BPSK信号A区間信号処理部2318について説明する。既知BPSK信号A区間信号処理部2318では、受信信号から、既知BPSK信号A検出回路2309によって既知BPSK信号Aの区間を検出する。既知BPSK信号Aが交番信号の場合、図30に示したように周波数スペクトルが特徴的であるので、例えば、交番信号によってピークが出る特定の周波数成分が、ある閾値を超えた時点で、交番信号の区間を検出することができる。
続いて、サンプリングクロック推定回路2310では、受信された交番信号を用いて、受信機のサンプリングクロックのずれを推定し、その推定結果をサンプリングクロック補償回路2301に出力する。既知BPSK信号Aが交番信号の場合には、サンプリングクロック推定回路2310は、周波数領域での信号分布から受信機のサンプリングクロックのずれを推定可能である。一方、既知BPSK信号Aが任意のBPSK信号である場合には、サンプリングクロック推定回路2310は、一定間隔で受信される既知BPSK信号Aの区間の受信信号のタイミングずれ、もしくは位相のシフトから、残留クロックずれを推定する。
続いて、周波数オフセット粗推定回路2311では、受信された既知BPSK信号Aのスペクトルと送信に使用された既知BPSK信号Aのスペクトルのずれを用いて受信機における周波数オフセットの粗推定を行ったり、任意のBPSK信号の繰り返し特性を用いて周波数オフセットを推定したりして、その推定結果を周波数オフセット補償回路2305に出力する。
続いて、波長分散粗推定回路2312では、受信された既知BPSK信号Aを用いて波長分散量を推定する。ここで、既知BPSK信号Aが交番信号である場合には、波長分散粗推定回路2312は、受信された交番信号のスペクトルの到来時間差を用いて波長分散量を粗推定する。一方、既知BPSK信号Aが任意のBPSK信号である場合には、波長分散粗推定回路2312は、周波数領域での信号が中心周波数を中心点として複素共役の関係になる性質を利用して、高周波側の信号と低周波側の信号との間の到来時間差を用いて波長分散量を粗推定する。そして、波長分散粗推定回路2312は、波長分散補償回路2304にその推定結果を出力する。
続いて、タイミング検出(フレーム同期)回路2313では、既知BPSK信号Aが交番信号である場合には、交番信号のある特定の周波数点にピークが出ることを利用して、そのピーク値が見えなくなる点を検出し、この点を信号Bの区間との境目とする。このことによって、ピーク値が見えなくなる部分を境界として、タイミング検出をすることができる。一方、既知BPSK信号Aが任意の既知であるBPSK信号である場合には、タイミング検出(フレーム同期)回路2313は、相互相関を用いてタイミング検出をすることができる。そして、タイミング検出(フレーム同期)回路2313は、タイミングを検出した結果を、タイミング同期回路2302に出力する。
上記に述べたように、既知BPSK信号A区間信号処理部2318において、それぞれ推定または検出した結果を、サンプリングクロック補償回路2301、タイミング同期回路2302、波長分散補償回路2304、および周波数オフセット補償回路2305に出力する。そして、サンプリングクロック補償回路2301、タイミング同期回路2302、波長分散補償回路2304、および周波数オフセット補償回路2305は、既知BPSK信号A区間信号処理部2318から入力されたそれぞれの推定結果および検出結果に基づいて、受信信号に対して、それぞれ、サンプリングクロック補償、タイミング同期、波長分散補償、および周波数オフセット補償を行う。
なお、FFT回路2303は、タイミング同期回路2302から出力される時間領域の信号にFFTを行って周波数領域の信号に変換する。また、IFFT回路2306は、周波数オフセット補償回路2305から出力される周波数領域の信号にIFFTを行って時間領域の信号に変換する。
次に、信号B区間信号処理部2319について説明する。信号Bが受信される区間においては、受信された信号Bに基づいて、信号B区間信号処理部2319内の周波数オフセット精推定回路2314、偏波モード分散推定回路2315、波長分散精推定回路2316、タイミング検出(シンボル同期)回路2317がそれぞれの推定または検出を行う。そして、信号B区間信号処理部2319において、それぞれ推定または検出した結果を、タイミング同期回路2302、波長分散補償回路2304、周波数オフセット補償回路2305、および適応等化回路2307に出力する。
まず、周波数オフセット精推定回路2314では、適応等化回路2307の出力に基づいて周波数オフセットを精推定し、その推定結果を周波数オフセット補償回路2305に出力する。
続いて、偏波モード分散推定回路2315では、周波数オフセット精推定回路2314の出力に基づいて偏波モード分散を推定し、その推定結果を適応等化回路2307に出力する。
続いて、波長分散精推定回路2316では、偏波モード分散推定回路2315の出力に基づいて波長分散を精推定し、その推定結果を波長分散補償回路2304に出力する。
続いて、タイミング検出(シンボル同期)回路2317では、波長分散精推定回路2316の出力に基づいてシンボル同期レベルのタイミング検出を行い、その検出した結果をタイミング同期回路2302に出力する。
なお、送信された信号の特徴を用いて、ブラインドアルゴリズムで復号のための等化ウエイトを算出できる。算出された等化ウエイトや、等化ウエイトにより復号された信号系列には、周波数オフセット、偏波モード分散の影響、タイミングずれ、および残留した波長分散の影響がそれぞれ含まれている。このため、これらに関する情報を対応する推定回路(すなわち、周波数オフセットについては周波数オフセット粗推定回路2311および周波数オフセット精推定回路2314、偏波モード分散の影響については偏波モード分散推定回路2315、タイミングずれについてはタイミング検出(フレーム同期)回路2313およびタイミング検出(シンボル同期)回路2317、残留した波長分散の影響については波長分散粗推定回路2312および波長分散精推定回路2316)にフィードバックすればよい。波長分散の残留値の推定のためには、波長分散の影響を与える畳み込み係数と、波長分散の逆特性を与える畳み込み係数をそれぞれ用意しておき、等化ウエイトに畳み込みを行う。いずれかの係数により畳み込みされた等化ウエイト係数の時間的広がりが小さくなった場合には、残留波長分散が存在することを意味する。波長分散の影響を与える畳み込み係数で等化ウエイトを畳み込みした際に、時間的広がりが小さくなる場合には、前段(すなわち、波長分散補償回路2304)の波長分散の補償量が足りないことを意味する。これに対して、波長分散の逆特性の係数を与える畳み込み係数で等化ウエイトを畳み込みした際に、時間的広がりが小さくなる場合には、前段の波長分散の補償量が過剰であることを意味する。したがって、これらの結果を上記推定回路にフィードバックすることができる。または、送信された信号Bが既知である信号系列である場合には、受信した信号Bと既知である信号系列との相互相関をとるなどの従来の方法を用いて推定および検出を行うことができる。
次に、周波数オフセット補償回路2305、波長分散補償回路2304、およびタイミング同期回路2302では、既知BPSK信号A区間信号処理部2318と信号B区間信号処理部2319とから入力された推定結果および検出結果に基づいて、これらの回路が補償またはタイミング同期のために保持している情報を逐次的に更新し、その更新した結果を用いて受信信号に対する補償およびタイミング同期を行う。
また、適応等化回路2307は、偏波モード分散推定回路2315から入力された推定結果を入力値として、適応的に偏波モード分散の補償を行う。
なお、サンプリングクロック補償回路2301、タイミング同期回路2302、波長分散補償回路2304、および周波数オフセット補償回路2305は、既知BPSK信号Aもしくは信号Bを用いて推定および検出した結果を用いて動作する。このため、サンプリングクロック補償回路2301、タイミング同期回路2302、波長分散補償回路2304、および周波数オフセット補償回路2305は、既知BPSK信号A区間信号処理部2318もしくは信号B区間信号処理部2319から推定結果および検出結果が入力されるまで動作しないか、もしくは、予め与えられている初期値のみで動作する。
上記に述べた構成を用いて、信号Bとして既知信号系列とデータ信号系列を切り替えて用いることもできる。このようにすれば、図38に示したように復調回路2308を備えることによって、同期を目的とした既知信号区間とデータ区間とに同様の構成を用いることができるため、受信機の構成の簡易化を実現することができる。
また、データ区間に切り替える際に、既知BPSK信号Aの区間にデータ信号を挿入することもできる。
また、既知BPSK信号Aで粗推定を行い、信号Bで精推定を行うことによって、周波数オフセット、偏波モード分散、タイミング検出などのパラメータの推定速度を向上することができる。
なお、既知BPSK信号Aは、補償する最大の波長分散量に必要なタップ長もしくはFFTポイント数の2倍程度の系列長であることが望ましい。
<第10の実施形態>
以下、本発明の第10の実施形態について、図面を参照して説明する。図39は、本第10の実施形態による送信信号フレームの概略構成を示した図である。図39に示した送信信号フレームを用いる場合、信号合成回路102は、複数の偏波を用いて信号を伝送する際に、既知BPSK信号を偏波ごとに異なる系列を用いて挿入する。
受信機側では、下式(20)のように受信信号r(n)(nは自然数)を表現することができる。
上式(20)において、Lは伝送路の状態の離散タップ数、SおよびSは送信偏波1および送信偏波2における既知BPSK信号、HXX,HXY,HYX,およびHYYは伝送路の状態を離散タップで表現したときの複素利得(係数)を示す。
受信機側では、LMS(最小平均二乗)アルゴリズムなどを用いて、受信した既知BPSK信号から伝送路の情報を推定する。
このように、図39に示した本第10の実施形態の送信信号フレーム構成によれば、偏波ごとに異なる既知BPSK信号系列を用いることによって、ブラインド推定において片方の偏波の送信信号しか復調できないという問題(ミスキャプチャ)を解決することができる。
また、偏波間で直交するように既知BPSK信号系列を送信することによって、容易に伝送路の状態を推定することができる。
図40は、本第10の実施形態の送信信号フレーム構成の一例として、偏波間で直交した信号系列を既知BPSK信号として用いたときのフレーム構成を示す図である。
1ブロック目は、両方の偏波(送信偏波1および送信偏波2)ともに、そのまま異なる系列を送信し、2ブロック目は、片方の偏波(送信偏波2)のみ、1ブロック目で送信した系列の符号を反転させて得られる系列を送信する。
受信機側では、1ブロック目の信号と2ブロック目の信号とを、同じ番号(すなわち、0,1,…,N−1)同士の和もしくは差を取ることによって、複数の偏波の伝送路状態を推定することができる。その他にも、例えば、以下に示すような直交する既知BPSK信号が考えられる。
(1):一方の偏波を用いて既知BPSK信号を送信している場合は、他方の偏波については信号を送信しない。
(2):下記参考文献5に記載された時空間直交符号を用いる。
(3):下記参考文献6に記載されたHadamard符号を用いる。
[参考文献5]S. M. Alamouti, “A Simple Transmit Diversity Technique for Wireless Communications”, IEEE JOURNAL ON SELECT AREAS IN COMMUNICATIONS, VOL 16, NO. 8, pp. 1451-1458, OCTOBER 1998.
[参考文献6]J. G. Proakis, “Digital communications”, Fourth edition, McGraw-Hill, pp. 424-425, 2000.
また、図29に示した第5の実施形態の送信信号フレーム構成の交番信号を用いて、偏波ごとに異なる交番信号を用いることでミスキャプチャ問題を解決することができる。例えば、既知BPSK信号として交番信号A(S(0),S(1),S(0),S(1),S(0),S(1),S(0),S(1),・・・)と、交番信号B(S(0),S(0),S(1),S(1),S(0),S(0),S(1),S(1),・・・)とを偏波多重して送信した場合、受信機では、図41に示すような受信信号の周波数スペクトルが観測される。この受信信号に対して、受信機で等化に用いる重みを用いて補償したとき、交番信号Aおよび交番信号Bのうちのいずれか一方の周波数スペクトルのみしか現れないため、どちらの偏波の信号を復調しているかを判定することができる。
上記に述べた既知BPSK信号の信号長は、観測した誤り率や周波数スペクトル形状、所要通信品質、Q値マージン、ファイバの種類、伝搬距離、伝送路の波長分散量、偏波モード分散量、多重数などに応じて可変にすることができる。
上記に述べたとおり、本発明の第2〜第10の実施形態によれば、コヒーレント検波方式を用いた光ファイバ伝送において、時間多重された既知BPSK信号系列を用いて、伝送路の状態および光伝送装置特有の不安定性を推定し、伝送品質の向上した光ファイバ通信を実現することができる。
なお、本発明の第2〜第10の実施形態においては、送信信号フレーム構成として、既知BPSK信号系列を先頭に挿入(時間多重)した例を用いて説明した。しかし、既知BPSK信号系列を末尾に挿入(時間多重)した場合も同様に考えることができる。
また、本発明の第2〜第10の実施形態においては、送信信号フレーム構成として、既知BPSK信号とデータ信号とは同じ信号電力で送信した例を用いて説明した。これに対して、既知BPSK信号の送信信号電力を、データ信号の送信信号電力のα倍(α>0)として、既知BPSK信号とデータ信号とを異なる信号電力で送信することもできる。
例えば、α>1とした場合は、既知BPSK信号の信号対雑音電力比が、データ信号の信号対雑音電力比よりも大きくなり、様々なパラメータの推定精度が向上する。また、α<1とした場合は、交番信号を送信した際に、ある特定の周波数スペクトルのピークを抑えることができる。
以上、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
上述した各実施形態を適宜組み合わせるようにしても良い。例えば、第2〜第10の実施形態で説明したBPSK信号系列のうち、交番信号で構成されたBPSK信号系列は、第1の実施形態で説明した特定周波数帯域信号の一例である。したがって、第2〜第10の実施形態において交番信号のBPSK信号系列を用いている構成を第1の実施形態の構成と組み合わせるようにしてもよい。
以上説明した様に、本発明によれば、特定周波数帯域信号を送信する光信号送信装置および特定周波数帯域信号を受信する光信号受信装置を用いることで、信号位置検出、クロックずれ推定、周波数ずれ推定、および波長分散量推定を可能にする。また、既知信号により光信号送信装置と光信号受信装置の同期を確立することができる。
101…特定周波数帯域信号発生回路
102…信号合成回路
103…電気光変換回路
104…送信信号生成回路
201…特定周波数帯域信号発生回路
202−1〜202−L…信号合成回路
203…電気光変換周波数多重回路
204…送信信号生成回路
601、801、901、1001…光電気変換回路
602、802…アナログ・デジタル変換回路
603、803、903、1003、1008…離散フーリエ変換回路
604、804、904、1004…特定周波数帯域信号検出回路
605、806、906、1006…受信信号特性推定回路
805、905、1005…特定周波数帯域信号電力記憶回路
902、1002…波長分散補償回路
1007…信号記憶回路
2100…波長分散算出回路
2101…分岐回路
2102−1…第1スライディング相関回路
2102−2…第2スライディング相関回路
2103−1…第1平均化回路
2103−2…第2平均化回路
2104…波長分散算出回路
2200…デジタル信号処理部
2201…第1等化回路
2202…第2等化回路
2203…第1等化重み演算回路
2204…第2等化重み演算回路
2205…平均化フィルタ
2206…復調回路
2300…受信機
2301…サンプリングクロック補償回路
2302…タイミング同期回路
2303…FFT回路
2304…波長分散補償回路
2305…周波数オフセット補償回路
2306…IFFT回路
2307…適応等化回路
2308…復調回路
2309…既知BPSK信号A検出回路
2310…サンプリングクロック推定回路
2311…周波数オフセット粗推定回路
2312…波長分散粗推定回路
2313…タイミング検出(フレーム同期)回路
2314…周波数オフセット精推定回路
2315…偏波モード分散推定回路
2316…波長分散精推定回路
2317…タイミング検出(シンボル同期)回路
2318…既知BPSK信号A区間信号処理部
2319…信号B区間信号処理部

Claims (28)

  1. 光通信における信号生成回路および信号受信回路であって、
    前記信号生成回路は、
    送信すべき信号系列のスペクトラムに対して周波数広がりが小さい信号成分を複数の特定周波数に有する特定周波数帯域信号を2シンボル以上の既知信号によって生成する特定周波数帯域信号発生回路と、
    前記特定周波数帯域信号発生回路によって生成された前記特定周波数帯域信号の入力を受け、前記送信すべき信号系列に前記特定周波数帯域信号を挿入して送信信号系列を生成する少なくとも1つの信号合成回路と
    を備え、
    前記特定周波数帯域信号が挿入されている光信号を光通信により受信する前記信号受信回路は、
    入力された前記送信信号系列の光信号を電気信号に変換する光電気変換回路と、
    前記光電気変換回路により変換された前記電気信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路と、
    前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に離散フーリエ変換を行うフーリエ変換回路と、
    前記離散フーリエ変換によって得られた信号から、前記複数の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号の周波数領域における位置を検出する特定周波数帯域信号検出回路と、
    前記特定周波数帯域信号検出回路により検出された前記特定周波数帯域信号の前記位置から、前記信号送信回路と当該信号受信回路との間の周波数ずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを推定する受信信号特性推定回路と
    を備える、
    信号生成回路および信号受信回路。
  2. 前記光通信は光信号を2つ以上の異なる周波数チャネルで送信する通信であって、
    前記異なる周波数チャネルはオーバーラップした周波数領域を有し、
    前記特定周波数帯域信号発生回路は、光信号を送信する周波数チャネルにおいて前記特定周波数帯域信号を生成し、前記異なる周波数チャネルのうち隣り合う2つの周波数チャネル間で少なくとも1つ以上の前記特定周波数帯域信号の周波数成分を一致させる
    請求項1に記載の信号生成回路および信号受信回路。
  3. 前記光通信は光信号を2つ以上の異なる周波数チャネルで送信する通信であって、
    前記異なる周波数チャネルはオーバーラップした周波数領域を有し、
    前記特定周波数帯域信号発生回路は、光信号を送信する周波数チャネルにおいて前記特定周波数帯域信号を生成し、前記異なる周波数チャネルのうち隣り合う2つの周波数チャネル間で少なくとも1つ以上の前記特定周波数帯域信号の周波数成分の位置を一致させ、互いに打ち消しあうように前記少なくとも1つ以上の前記特定周波数帯域信号の周波数成分の振幅および位相を制御する
    請求項1に記載の信号生成回路および信号受信回路。
  4. 前記特定周波数帯域信号発生回路は、複数の周期の特定周波数帯域信号および前記複数の周期の特定周波数帯域信号の位相を回転させた特定周波数帯域信号を生成し、前記複数の周期の特定周波数帯域信号および前記位相を回転させた特定周波数帯域信号を合成または乗算し、合成または乗算により得られた信号を前記特定周波数帯域信号として生成する
    請求項1から請求項3のいずれか1の項に記載の信号生成回路および信号受信回路。
  5. 光通信における信号生成回路であって、
    送信すべき信号系列のスペクトラムに対して周波数広がりが小さい信号成分を複数の特定周波数に有する特定周波数帯域信号を生成する特定周波数帯域信号発生回路と、
    前記特定周波数帯域信号発生回路によって生成された前記特定周波数帯域信号の入力を受け、前記送信すべき信号系列に前記特定周波数帯域信号を挿入して送信信号系列を生成する少なくとも1つの信号合成回路と
    を備え、
    前記特定周波数帯域信号は、前記光通信を行う光信号送信装置と光信号受信装置との間で既知であり交番信号で構成されたBPSK(Binary phase shift keying)信号系列であって、
    前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記BPSK信号系列を1以上、前記送信すべき信号系列の先頭もしくは末尾に挿入して前記送信信号系列を生成する信号生成回路。
  6. 前記BPSK信号系列は、BPSK信号を用いた系列、QPSK信号の点対称な2点を用いた系列、あるいは、多値変調における点対称な信号2点を用いた系列である請求項5に記載の信号生成回路。
  7. 前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記BPSK信号系列を一定間隔で周期的に前記送信すべき信号系列に挿入する請求項5または6に記載の信号生成回路。
  8. 前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記BPSK信号系列を複数連続して繰り返して前記送信すべき信号系列に挿入する請求項5から請求項7のいずれか1の項に記載の信号生成回路。
  9. 前記少なくとも1つの信号合成回路は、Bを送信信号の占有帯域幅、Dmaxを補償する波長分散量の最大値、Tpmdを補償する偏波モード分散の最大値、λを中心波長、cを光速としたときに、
    により与えられる時間をもとに前記BPSK信号系列の系列長を決定する請求項5から請求項8のいずれか1の項に記載の信号生成回路。
  10. 前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記光信号送信装置が前記BPSK信号のみを送信信号として送信し、前記光信号受信装置が伝送路の状態を推定するイニシャルモードと、前記光信号送信装置がデータ信号を伝送し、前記光信号受信装置が、前記イニシャルモードで推定された前記伝送路の前記状態を用いて等化および補償を行うデータ伝送モードとを切り替える請求項5から請求項9のいずれか1の項に記載の信号生成回路。
  11. 前記少なくとも1つの信号合成回路は、前記BPSK信号系列として2つの偏波間で異なる信号系列を前記送信すべき信号系列に挿入する請求項5から請求項10のいずれか1の項に記載の信号生成回路。
  12. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の信号生成回路および信号受信回路における前記信号生成回路、または、請求項5から請求項11のいずれか1の項に記載の信号生成回路と、
    前記少なくとも1つの信号合成回路によって生成された前記送信信号系列を光信号に変換する電気光変換回路と
    を備えた光信号送信装置。
  13. 複数の前記信号合成回路を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の信号生成回路および信号受信回路における前記信号生成回路、または、複数の前記信号合成回路を備える請求項5から請求項11のいずれか1の項に記載の信号生成回路と、
    前記信号生成回路における前記複数の信号合成回路のそれぞれにより生成された複数の信号系列を異なる周波数帯域に対応する光信号に変換し、変換された光信号の少なくとも一つ以上の周波数成分を一致させる電気光変換周波数多重回路と
    を備えた光信号送信装置。
  14. 特定周波数帯域信号が挿入されている光信号を光通信により受信する信号受信回路であって、
    入力された光信号を電気信号に変換する光電気変換回路と、
    前記光電気変換回路により変換された前記電気信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路と、
    前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に離散フーリエ変換を行うフーリエ変換回路と、
    前記離散フーリエ変換によって得られた信号から、2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号の周波数領域における位置を検出する特定周波数帯域信号検出回路と、
    前記特定周波数帯域信号検出回路により検出された前記特定周波数帯域信号の前記位置から、信号送信回路と当該信号受信回路との間の周波数ずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記信号送信回路で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と当該信号受信回路で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを推定する受信信号特性推定回路と
    を備える信号受信回路。
  15. 前記受信信号特性推定回路は、高い周波数帯域に存在する前記特定周波数帯域信号の前記電力と低い周波数帯域に存在する前記特定周波数信号の前記電力の出現のタイミングのずれまたは消失のタイミングのずれの少なくとも一方から、光通信経路の波長分散量を推定する
    請求項14に記載の信号受信回路。
  16. 特定周波数帯域信号電力記憶回路を備え、
    前記フーリエ変換回路は、前記特定周波数帯域信号の長さとフーリエ変換長の小さい方以下の間隔で前記離散フーリエ変換を行い、
    前記特定周波数帯域信号検出回路は、前記フーリエ変換回路により離散フーリエ変換された周波数領域の信号における前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である特定周波数帯域信号電力値を2つ以上の周波数に対して検出し、検出された前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち2つ以上の値、または、前記特定周波数帯域信号電力値から算出される個別の到来時間差、あるいは、前記特定周波数帯域信号電力値から算出され、前記個別の到来時間差の算出式に用いられる係数を前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶させ、
    前記受信信号特性推定回路は、前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶されている検出された前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち前記2つ以上の値、または、前記特定周波数帯域信号電力値から算出される前記個別の到来時間差、あるいは、前記個別の到来時間差の前記算出式に用いられる前記係数を用いて、2つ以上の周波波数帯に対応する前記特定周波数帯域信号の到来時間差を推定し、推定した前記到来時間差から光通信経路の波長分散量を推定する
    請求項14または請求項15に記載の信号受信回路。
  17. 特定周波数帯域信号電力記憶回路を備え、
    前記受信信号特性推定回路により推定された前記波長分散量の推定値に基づいて波長分散の逆特性を前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に与える波長分散補償回路をさらに備え、
    前記フーリエ変換回路は、前記波長分散の前記逆特性が与えられたデジタル信号に、前記特定周波数帯域信号の長さとフーリエ変換長の小さい方以下の間隔で前記離散フーリエ変換を行い、
    前記特定周波数帯域信号検出回路は、前記フーリエ変換回路により離散フーリエ変換された周波数領域の信号における前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である特定周波数帯域信号電力値を検出し、検出された前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち2つ以上の値、または、前記特定周波数帯域信号電力値から算出される個別の到来時間差、あるいは、前記特定周波数帯域信号電力値から算出され、前記個別の到来時間差の算出式に用いられる係数を前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶させ、
    前記受信信号特性推定回路は、前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶されている検出された前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち前記2つ以上の値、または、前記特定周波数帯域信号電力値から算出される前記個別の到来時間差、あるいは、前記個別の到来時間差の前記算出式に用いられる前記係数を用いて、2つ以上の周波波数帯に対応する前記特定周波数帯域信号の到来時間差を推定し、推定した前記到来時間差から光通信経路の波長分散量を推定し、推定された波長分散量を前記波長分散補償回路に出力する
    請求項15に記載の信号受信回路。
  18. 前記波長分散補償回路は、波長分散補償のための係数を変更する際に、前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶されている内容の少なくとも一部を消去し、
    前記受信信号特性推定回路は、新たな信号系列について推定された前記光通信経路の波長分散量を前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶させる
    請求項17に記載の信号受信回路。
  19. 前記波長分散補償回路は、前記受信信号特性推定回路により推定された前記波長分散量の前記推定値に基づいて前記波長分散の前記逆特性を前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に与えるとともに、前記特定周波数帯域信号を検出した場合に、前記特定周波数帯域信号の検出を前記フーリエ変換回路に通知し、
    前記フーリエ変換回路は、前記特定周波数帯域信号の長さと前記フーリエ変換長の小さい方以下の前記間隔で前記離散フーリエ変換を行い、前記特定周波数帯域信号の検出が通知された場合に前記特定周波数帯域信号検出回路に離散フーリエ変換された信号を出力する、
    請求項17または請求項18に記載の信号受信回路。
  20. 前記波長分散補償回路は、前記受信信号特性推定回路により推定された前記波長分散量の前記推定値に基づいて波長分散の逆特性を前記アナログ・デジタル変換回路により変換された前記デジタル信号に与えるとともに、前記特定周波数帯域信号を含む信号を前記フーリエ変換回路に出力し、
    前記フーリエ変換回路は、前記波長分散補償回路から出力された前記特定周波数帯域信号を含む前記信号に対して前記特定周波数帯域信号の長さと前記フーリエ変換長の小さい方以下の前記間隔で前記離散フーリエ変換を行い、前記特定周波数帯域信号が検出された場合に前記特定周波数帯域信号検出回路に離散フーリエ変換された信号を出力し、
    前記特定周波数帯域信号検出回路は、前記フーリエ変換回路から出力される前記離散フーリエ変換された信号から、前記特定周波数帯域信号電力値が増加している途中の値、ピークとなる値、減少している途中の値、最小となる値のうち2つ以上の値を取得し、取得した前記2つ以上の値を前記特定周波数帯域信号電力記憶回路に記憶させる、
    請求項17または請求項18に記載の信号受信回路。
  21. 前記特定周波数帯域信号検出回路は、前記離散フーリエ変換された周波数領域の前記信号における前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である前記特定周波数帯域信号電力値を検出する際に、前記受信信号特性推定回路により推定された周波数ずれの情報、または外部から入力された周波数ずれ情報を用いて、前記特定周波数帯域信号電力値の算出対象となる周波数をシフトする、
    請求項16から請求項20のいずれか1の項に記載の信号受信回路。
  22. 前記フーリエ変換回路は、前記特定周波数帯域信号を含み前記特定周波数帯域信号の長さの整数倍の長さに対応する信号に対し、前記特定周波数帯域信号の長さと同じ間隔で離散フーリエ変換を行い、前記離散フーリエ変換によって得られた信号を前記特定周波数帯域信号検出回路に出力する
    請求項14から請求項21のいずれか1の項に記載の信号受信回路。
  23. 前記受信信号特性推定回路は、前記特定周波数帯域信号検出回路によって前記特定周波数帯域信号が検出されなかった受信信号の周波数領域における信号分布の重心位置から前記周波数ずれを算出する
    請求項14から請求項22のいずれか1の項に記載の信号受信回路。
  24. 2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号を発生させる光信号発生ステップと、
    前記光信号発生ステップにおいて発生させた前記特定周波数帯域信号を含む信号を受信し、受信した前記信号をデジタル信号に変換するデジタル信号取得ステップと、
    前記デジタル信号取得ステップにおいて変換された前記デジタル信号の中から前記特定周波数帯域信号の位置を検出する信号位置検出ステップと、
    前記信号位置検出ステップにおいて検出された前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、光通信を行う光信号受信装置と光信号送信装置との間の周波数ずれを検出する周波数ずれ検出ステップと、
    前記信号位置検出ステップにおいて検出された前記特定周波数帯域信号の前記周波数位置を推定し、前記周波数位置の間隔から、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを検出するクロックずれ検出ステップと、
    前記信号位置検出ステップにおいて検出された前記特定周波数帯域信号の時間位置を推定し、異なる周波数に対応する前記特定周波数帯域信号の前記時間位置の差から、波長分散量を検出する波長分散量検出ステップと
    を有する光信号同期確立方法。
  25. 2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号を発生させる光信号発生ステップと、
    前記光信号発生ステップにおいて発生させた前記特定周波数帯域信号を含む信号を受信し、受信した前記信号をデジタル信号に変換するデジタル信号取得ステップと、
    前記デジタル信号取得ステップにおいて変換された前記デジタル信号に対して、推定された波長分散の逆特性を与える波長分散補償ステップと、
    前記デジタル信号に対して離散フーリエ変換を行い、前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である特定周波数帯域信号電力値を算出する特定周波数帯域信号電力値算出ステップと、
    前記波長分散補償ステップにおいて、前記推定された前記波長分散の前記逆特性が与えられたデジタル信号の中から前記特定周波数帯域信号の位置を検出する信号位置検出ステップと、
    前記信号位置検出ステップにおいて検出された前記特定周波数帯域信号の電力値を記憶する特定周波数帯域信号記憶ステップと、
    前記特定周波数帯域信号記憶ステップにおいて記憶された前記特定周波数帯域信号の前記電力値から前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、光通信を行う光信号受信装置および光信号送信装置間の周波数ずれを検出する周波数ずれ検出ステップと、
    前記特定周波数帯域信号記憶ステップにおいて記憶された前記特定周波数帯域信号の前記電力値から前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、前記周波数位置の間隔から、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを検出するクロックずれ検出ステップと、
    前記特定周波数帯域信号記憶ステップにおいて記憶された前記特定周波数帯域信号の前記電力値から前記特定周波数帯域信号の時間位置を推定し、異なる周波数に対応する前記特定周波数帯域信号の前記時間位置の差から、波長分散量を検出する波長分散量検出ステップと
    を有する光信号同期確立方法。
  26. 前記特定周波数帯域信号電力値算出ステップは、前記周波数ずれ検出ステップにおいて検出された前記周波数ずれの量に応じて、前記特定周波数帯域信号電力値を算出する際の周波数領域をシフトする
    請求項25に記載の光信号同期確立方法。
  27. 光信号送信装置と、前記光信号送信装置と光通信を行う光信号受信装置とを具備し、
    前記光信号送信装置は、
    2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号を発生させる特定周波数帯域信号発生回路を有し、
    前記光信号受信装置は、
    前記特定周波数帯域信号発生回路において発生させた前記特定周波数帯域信号を含む信号を受信し、受信した前記信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路と、
    前記アナログ・デジタル変換回路において変換された前記デジタル信号の中から前記特
    定周波数帯域信号の位置を検出する特定周波数帯域信号検出回路と、
    前記特定周波数帯域信号検出回路において検出された前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、前記光信号受信装置と前記光信号送信装置との間の周波数ずれを検出し、前記周波数位置の間隔から、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを検出し、前記特定周波数帯域信号検出回路において検出された前記特定周波数帯域信号の時間位置を推定し、異なる周波数に対応する前記特定周波数帯域信号の前記時間位置の差から、波長分散量を検出する受信信号特定推定回路と
    を有する光信号同期システム。
  28. 光信号送信装置と、前記光信号送信装置と光通信を行う光信号受信装置とを具備し、
    前記光信号送信装置は、
    2つ以上の特定周波数に集中した電力を有する特定周波数帯域信号を発生させる特定周波数帯域信号発生回路を有し、
    前記光信号受信装置は、
    前記特定周波数帯域信号発生回路において発生させた前記特定周波数帯域信号を含む信号を受信し、受信した前記信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換回路と、
    前記アナログ・デジタル変換回路において変換された前記デジタル信号に対して、推定された波長分散の逆特性を与える波長分散補償回路と、
    前記デジタル信号に対して離散フーリエ変換を行うフーリエ変換回路と、
    前記波長分散補償回路において、前記推定された前記波長分散の前記逆特性が与えられたデジタル信号の中から前記特定周波数帯域信号の位置を検出する特定周波数帯域信号検出回路と、
    前記特定周波数帯域信号検出回路において検出された前記特定周波数帯域信号の電力または振幅である特定周波数帯域信号電力値を記憶する特定周波数帯域信号記憶回路と、
    前記特定周波数帯域信号記憶回路において記憶された前記特定周波数帯域信号の前記特定周波数帯域信電力値から前記特定周波数帯域信号の周波数位置を推定し、前記光信号受信装置および前記光信号送信装置間の周波数ずれを検出し、前記周波数位置の間隔から、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の周波数間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の周波数間隔との間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の長さと前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の長さとの間のずれと、前記光信号送信装置で与えられる特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔と前記光信号受信装置で測定された前記特定周波数帯域の信号系列の挿入間隔との間のずれとのうちの少なくとも1つを検出し、前記特定周波数帯域信号記憶回路において記憶された前記特定周波数帯域信号の前記特定周波数帯域信電力値から前記特定周波数帯域信号の時間位置を推定し、異なる周波数に対応する前記特定周波数帯域信号の前記時間位置の差から波長分散量を検出する受信信号特性推定回路と
    を有する光信号同期システム。
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