JP2006115454A - 光通信システム並びに光通信用親局装置及び子局装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】親局、子局間で、ディジタル信号及びアナログ映像信号を波長多重方式でデータとして送信する場合に適用され、親局、子局間で送信されるデータは、ディジタルパケット信号を第1の波長の光で変調し、アナログ映像信号を第1の波長とは異なる第2の波長の光で変調する。親局又は子局は、前記第1の波長において、前記ディジタルパケット信号が光ファイバで伝送されない期間には、スペクトルが特定の周波数に偏らないランダムパケット信号を送出する。
【選択図】 図4
Description
一方、同一の光ファイバの中を、異なる波長の光が同一方向又は逆方向に伝搬した場合、一方の光のエネルギーが他方の光のエネルギーに入り込むラマン効果が知られている。
このため、映像信号を受信する子局において、波長1490nmの光を遮断するフィルタでディジタルデータ信号を十分減衰させた状態で波長1550nmの光を受信しても、ディジタルデータ信号の周波数特性によっては干渉を受けて、画像にビートなどの妨害が入ることがある。
そこで発明者は、検討した結果、映像信号に影響を与えるのは、ディジタルデータ信号の中でもデータのない期間に送出されるアイドル信号であることがわかった。
たとえばイーサネット(登録商標)のような伝送方式では、伝送するデータパケットが存在しない期間には、アイドル信号を送出する。アイドル信号の符号パターンは、固定パターンなので、特定の周波数にパワー成分が集中する。
このように特定の周波数にスペクトルが集中すると、ラマン効果により、映像信号に妨害波として影響を及ぼし、画面に斜めの線が出現するビート妨害などが発生する。
そこで本発明は、親局と子局との間を光ファイバで結ぶ光通信システムにおいて、ディジタルデータ信号から、波長多重して伝送される他の信号に与える影響を軽減することができる光通信システム並びに光通信用親局装置及び子局装置を提供することを目的とする。
本発明のシステム構成によれば、 前記第1の信号が光ファイバで伝送されない期間には、スペクトルが特定の周波数に偏らないランダム信号を送出することにより、前記第2の信号に与える影響を軽減することができる。
前記長い繰り返し周期を持ち1周期内では不規則に変化する関数の作り方は、いろいろあげられる。たとえば、シフトレジスタによって作られる擬似ランダム系列、非常に長い繰り返し周期を持ち1周期内では不規則に変化する固定関数から部分的に切り出された関数、フラットなスペクトルを持つ関数をフーリエ逆変換して作られた関数、一定ビット数の信号を、そのビット数よりも多いビット数の信号に変換して作られた関数、各振幅の発生率が一様な関数、暗号化されたデータなどがあげられる。
前記ディジタル信号は、通常、パケット化して送信する方式が想定される。パケット伝送方式の場合、伝送するデータパケットが存在しない期間には、アイドル信号が送出されるが、これが前述したように妨害波となり得るからである。
親局又は子局は、前記第1の信号が光ファイバで伝送されない期間が、前記パケットの最小送出期間よりも短い場合は、前記第1の信号が光ファイバで伝送されない期間には、そのままアイドル信号を送出する方法も考えられる。こうすれば、第1の信号が光ファイバで伝送されない期間は、アイドルパケットで置き換えることができるので、送信タイミングにジッタが発生しにくい。なお、このように送出するアイドル信号が妨害波となり得るが、その送出期間が最大でも672nsecと短いので、与える妨害の程度は軽くなる(画面を構成する水平走査線の1本の期間は63.5μsecであり、672nsecよりもはるかに長い)。
また、本発明が適用される光通信システムとして、親局から子局に同一内容の信号を流すPON(Passive Optical Network)システムがあげられる。
また、本発明の光通信用親局装置及び光通信用子局装置は、前記光通信システムと同一の発明に係る装置である。
<ネットワーク構成>
図1は、PON(Passive Optical Network)の構成図である。主端局(「親局」という)1と複数の遠隔端末局(「子局」という)5A,5B,...(総称するときは「子局5」という)との間を、受動型光分岐器3を通して光ネットワークで接続している。親局1と受動型光分岐器3との間は、幹線光ファイバ2で接続され、受動型光分岐器3と子局5までの間は、それぞれ支線光ファイバ4で接続されている。
これらのディジタルデータ信号やアナログ信号は、波長多重WDM(Wavelength Division Multiplexing)方式により伝送される。
以下、子局5と親局1の構成を、図2、図3を用いて説明する。
親局1から子局5への下りディジタルデータ信号及び子局5から親局1への上りディジタルデータ信号は、それぞれパケットで構成される。
子局5は、図2に示すように、光ファイバ4を通して親局1とつながるPONインターフェイス部51、PONMAC部52、及びLANケーブルを通して宅内機器(例えば家庭やオフィスに設置されたコンピュータ)とつながる宅内インターフェイス部53を備えている。
宅内機器から子局5に供給される上りパケットは、時間長不定のMACフレームで構成される。このパケットは、宅内インターフェイス部53を通してPONMAC部52に入力され、PONMAC部52で上位階層(MIIインターフェイス)の処理が行われる。そして、PONインターフェイス部51に送られ、ここから光ファイバ4に送信される。
なお、以上では、親局1と子局5との間で通信する場合の、子局5の構成を説明したが、この構成とほぼ同じ構成が、親局1においても採用されている。親局1は、局内機器あるいは上位のネットワーク(インターネットなど)から送られてくるパケットを処理して、光ファイバ4を通して子局5に送信し、子局5から送られてきたパケットを、局内機器あるいは上位のネットワークに送り出す。
親局1は、クロック生成PLLによって生成されたクロック信号を、子局への下りパケットに含めて送信する。このことで、すべての子局5を親局1のクロックに同期させることができる。
一方、子局からPONインターフェイス部11を通して受信される上りパケットは、PONMAC部12に入力され、PONMAC部12で上位階層(MIIインターフェイス)の処理が行われた後、LANインターフェイス部14に送られ、ここから上位のネットワークに送信される。
<パケット構成>
図4(a)は、親局子局間で伝送される信号のパケット構成図である。1パケットは、通常は暗号化されたデータからなる。パケット間には、IFG(Inter Frame Gap)が挿入されている。
パケットの内容は、公知のように、パケットの始まりを示すプリアンブルPA、あて先アドレスDA(destination address),自己アドレスSA(source address),時間長LEN(length) 、ユーザデータなどで構成される。前記ユーザデータを暗号化してもよく、ユーザデータ以外の他のデータを暗号化してもよい。暗号化の有無、その範囲などはシステムに依存して決定されるパラメータである。
イーサネット規格では、データが伝送されない場合、図4(a)に示すように、データとデータとの間にアイドル信号を送出する。
ところが、前記アイドル信号のスペクトル分布を調べてみた結果、図13に示すように、特定の周波数にスペクトルが集中していることがわかった。
そこで、本発明では、図4(b)に示すように、データが伝送されない場合、データとデータとの間にアイドル信号を送出するのではなく、架空の子局を指定したダミーパケットを作成する。ダミーパケット送信の目的は、ダミーパケット自身がディジタル通信網の既存通信に悪影響を及ぼさないことを保証しつつ、光伝送路上でスペクトルが特定周波数へ集中せず均一に分散するようにすることである。
ダミーデータが通常のパケットと違うところは、(a)あて先アドレスDAのあて先が実際には存在しない架空の子局のアドレスになっていることと、ユーザ・データの内容が、意味のない符号となっていることである。
(b)親局と子局を1対Nで接続するPONシステムにおいて、パケットのプリアンブル内に子局を特定するための論理識別子(あて先アドレスとは異なるものであって、当該PONの中のみで通用する16ビット列のデータ。あて先アドレスと同じ機能を持つ)を含めることで、親局と特定の子局間の1対1双方向通信を実現しているが、ここで親局或は子局からダミーパケットを送信する時は、プリアンブル内に含まれる論理識別子をどの子局にも割り振られていないものとする。この時あて先アドレスDAは任意でよい。
あるいは次のような方法もある。パケットのプリアンブル内に含まれる論理識別子、及びあて先アドレスDAが特定の相手局のアドレスであり、パケットの本体に含まれる誤り検出符号を故意に誤りを含んだものとしたり、又はプロトコル規定違反のデータを含めると、当該パケットは相手局で廃棄されるため、前記方法と同様の効果が得られる。
(e)親局と子局を1対1で接続するSS(Single Star)システムにおいては、元来親局と子局間の1対1双方向通信が前提となっており、PONシステムのような子局を特定するための仕組みは備わっていない(そもそも不要である)。この場合、一方法として「あて先アドレスDAのあて先が実際には存在しない架空の子局のアドレス」とするのも有効であるが、他の方法として、あて先アドレスDAが特定の相手局のアドレスであり、故意に誤りを含んだデータやプロトコル規定違反のデータや動作上何の変化も生じさせないデータを送信しても同様の効果を得ることができる。
まずダミーデータが満たすべき要件は、所定の周期以内で、繰り返しのない信号であればよい。言い換えれば、所定の周期を超えれば、繰り返しがあってもよい信号である。このような信号を、本明細書では、擬似的なランダム信号という。
前記アイドル信号は20ビット周期で繰り返されると述べたが、D/U比を14dB以上改善するには、14dBは10log25であるから、その25倍の周期を持つランダム信号を作ればよい。すなわち、500ビット以上の周期を持つランダム信号を作ればよい。
そこで、前記500ビット以上を一周期として持つ擬似的なランダム信号を作成する。その作成方法を、以下説明する。
(B)長い周期を持つ固定データからの切り出し:周期が十分長く、その周期の中ではランダムな信号を記憶しておき、その信号の中から、所定の長さを切り出して用いる。
(D)固定パターン:8ビットの信号を10ビットに変換することにより、拡散信号が得られる。図6(a)に示すように、0から255まで単調に増加する関数を、8ビットの符号で作って、それを8B10B変換すれば、図6(b)のようなランダムな信号が得られる。
(F)データの暗号化:データを暗号化すると、信号はランダム化されるので、フラットなパワースペクトルを持つようになる。
以上のようにして作成したランダム信号から所望の長さを切り出してダミーデータとする。これに、前記PA、DA、SAなどを付加してダミーパケットを作る。次にダミーパケットの送出方法を説明する。
図8(d)は、前記送出されるデータに8B10B変換を施すことを示している。
以上の図8の方法により、ユーザデータの存在しない期間には、ランダム信号S1〜S3が送出されるので、これが、他の波長の光に重畳された映像信号に対して、妨害波として働くことがなくなる。
規定に従ってパケット送出する場合、規定されたパケットの最小長と最大長の範囲内で送信しなければならない。前後するユーザデータの間隔がパケット最小長に満たない場合のランダム信号送信制御は既に記述の通りであるが、パケット最大長を超える場合の送信制御について説明する。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。たとえば、データとデータとの間に擬似的なランダムパケットを送出する代わりに、スペクトルが特定の周波数に集中する信号を送出してもよい。たとえば、B5B5B5...という固定パターンの信号を送出すると、8B10B変換により、01010...という信号となる。この信号のスペクトラムは625MHzに集中し、他の周波数にほとんど成分を持たない。もし、第2の波長の光で変調される信号、たとえば映像信号が、625MHzを使用しないのであれば、妨害は発生しない。また、前記実施の形態では、ディジタルデータ信号の送信方式がギガビットイーサネットの例を示したが、それ以外の方式でも本発明は適用可能である。
2,4 光ファイバ
3 受動型光分岐器
5,5A,5B,..子局
11 LANインターフェイス部
12 PONMAC部
13 監視部
14 PONインターフェイス部
51 PONインターフェイス部
52 PONMAC部
53 宅内インターフェイス部
Claims (14)
- 親局と子局との間を光ファイバで結ぶ光通信システムにおいて、
親局、子局間で送信されるデータには、第1の信号を第1の波長の光で変調した光信号と、第2の信号を第1の波長とは異なる第2の波長の光で変調した光信号とが含まれ、
親局又は子局は、前記第1の波長において、前記第1の信号が光ファイバで伝送されない期間には、スペクトルが特定の周波数に偏らない信号を送出することを特徴とする光通信システム。 - 前記スペクトルが特定の周波数に偏らない信号は、長い繰り返し周期を持ち、1周期内では不規則に変化する関数に基づいて作られる請求項1記載の光通信システム。
- 前記関数の繰り返し周期は、500ビット又はそれ以上のビット数に対応する期間である請求項2記載の光通信システム。
- 前記第1の信号は、ディジタル信号である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光通信システム。
- 前記第1の信号は、パケットとして送信される請求項4記載の光通信システム。
- 前記スペクトルが特定の周波数に偏らない信号は、次の(1)〜(3)のいずれかである請求項5記載の光通信システム。
(1)架空の相手局を指定したヘッダ又は識別子が付加されて、パケットとして送信される。
(2)特定の相手局を指定したヘッダ又は識別子が付与され、かつ誤り検出符号に誤りもしくはプロトコル規定違反のデータを含むパケットとして送信される。
(3)特定の相手局を指定したヘッダ又は識別子が付与され、プロトコル規定には従うが、相手局に変化を生じさせないデータを含むパケットとして送信される。 - 親局又は子局は、前記第1の信号が光ファイバで伝送されない期間が、前記パケットの最小送出期間よりも短い場合は、前記第1の信号が光ファイバで伝送されない期間には、スペクトルが特定の周波数に偏らないランダム信号を送出することに代えて、アイドル信号を送出する請求項6記載の光通信システム。
- 親局と子局との間を光ファイバで結ぶ光通信システムにおいて、
親局、子局間で送信されるデータには、第1の信号を第1の波長の光で変調した光信号と、第2の信号を第1の波長とは異なる第2の波長の光で変調した光信号とが含まれ、
親局又は子局は、前記第1の波長において、前記第1の信号が光ファイバで伝送されない期間には、前記第2の信号が使用しない周波数に集中するスペクトルを持った信号を送出することを特徴とする光通信システム。 - 前記第2の信号が使用しない周波数に集中するスペクトルを持った信号は、固定された符号パターンを持つ請求項8記載の光通信システム。
- 前記第2の信号は、アナログ信号である請求項1〜請求項9のいずれかに記載の光通信システム。
- 前記アナログ信号は、映像信号である請求項10記載の光通信システム。
- 前記親局と、複数の子局との間を光ファイバで結ぶ光通信システムは、親局と、受動型光分岐器を備える光分岐局の間を幹線光ファイバで接続し、光分岐局と複数の子局との間をそれぞれ支線光ファイバで接続したPON(Passive Optical Network)システムである請求項1〜請求項11のいずれかに記載の光通信システム。
- 子局との間を光ファイバを通して通信する光通信用親局装置において、
子局との間で送信されるデータには、第1の信号を第1の波長の光で変調した光信号と、第2の信号を第1の波長とは異なる第2の波長の光で変調した光信号とが含まれ、
前記第1の波長において、前記第1の信号が光ファイバで伝送されない期間には、スペクトルが特定の周波数に偏らない信号を送出する送出手段を備えることを特徴とする光通信用親局装置。 - 親局との間を光ファイバを通して通信する光通信用子局装置において、
親局との間で送信されるデータには、第1の信号を第1の波長の光で変調した光信号と、第2の信号を第1の波長とは異なる第2の波長の光で変調した光信号とが含まれ、
前記第1の波長において、前記第1の信号が光ファイバで伝送されない期間には、スペクトルが特定の周波数に偏らない信号を送出する送出手段を備えることを特徴とする光通信用子局装置。
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