JP5534019B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両制御装置に関する。
従来、パワーステアリング装置を搭載した車両が知られている。特許文献1には、カーブ路における電動パワーステアリング機構による消費電力量を算出するための手段と、カーブ路への進入に伴い発生する回生電力量を算出するための手段と、消費電力量と回生電力量とに基づいて、停止中のエンジンを始動させるか否かを判断するための判断手段とを含む、ハイブリッド車両の制御装置の技術が開示されている。
特許文献2には、所定の運転条件のときにエンジンを停止又は始動させる車両のエンジン停止始動制御装置において、エンジンが停止中に、パワーステアリング用モータの負荷が過負荷状態になると予測されたとき、エンジン始動用モータを起動してエンジンを始動させる技術が開示されている。
特開2008−143483号公報 特開2005−351202号公報
ここで、パワーステアリング装置を搭載し、かつエンジンを停止して走行することが可能な車両において、エンジンを停止して走行中に走行条件等に基づいて始動装置によってエンジンが自動で始動される場合がある。このような車両において、パワーステアリング装置と始動装置とが共通の蓄電装置からの電力により作動するものである場合、この蓄電装置に対する始動装置からの電力要求とパワーステアリング装置からの電力要求とが重なる可能性がある。始動装置およびパワーステアリング装置に同時に電力を供給できる蓄電装置は大容量のものとなるが、大容量の蓄電装置は重量増加等を招くという問題がある。走行中にパワーステアリング装置に対する電力供給能力を確保でき、かつ蓄電装置の容量を低減できることが望まれている。
本発明の目的は、蓄電装置と、始動装置と、パワーステアリング装置とを備え、車両の走行中にエンジンを停止状態とするエンジン停止制御を実行可能な車両において、パワーステアリング装置に対する電力供給能力の確保と、蓄電装置の小容量化とを両立できる車両制御装置を提供することである。
本発明の車両制御装置は、車両の動力源であるエンジンと、蓄電装置と、前記蓄電装置と接続され、電力を消費して前記エンジンを始動させる始動装置と、前記蓄電装置と接続され、電力を消費してアシストトルクを発生させるパワーステアリング装置とを備え、前記車両の走行中に前記エンジンを停止状態とするエンジン停止制御を実行可能であり、かつ操舵履歴から予測される前記パワーステアリング装置の電力消費に基づいて前記エンジン停止制御を禁止することを特徴とする。
上記車両制御装置において、前記操舵履歴とは、前記パワーステアリング装置のアシスト電流値の推移であり、前記推移に基づく前記アシスト電流値の予測値に基づいて前記エンジン停止制御を禁止することが好ましい。
上記車両制御装置において、前記パワーステアリング装置は、電動モータによってアシストトルクを発生させるものであり、前記操舵履歴とは、前記電動モータのアシスト電流値および回転速度の推移であって、過去に前記エンジンを始動したときの前記蓄電装置の出力電圧から決まる前記電動モータの最大出力と、前記推移に基づく前記アシスト電流値の予測値および前記電動モータの回転速度の予測値と、に基づいて前記エンジン停止制御を禁止することが好ましい。
本発明にかかる車両制御装置は、車両の走行中にエンジンを停止状態とするエンジン停止制御を実行可能であり、かつ操舵履歴から予測されるパワーステアリング装置の電力消費に基づいてエンジン停止制御を禁止する。よって、本発明にかかる車両制御装置によれば、パワーステアリング装置に対する電力供給能力の確保と、蓄電装置の小容量化とを両立できるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態にかかる車両制御装置の動作を示すフローチャートである。 図2は、実施形態の車両制御装置が搭載された車両の概略構成図である。 図3は、転舵機構およびEPS装置を示す図である。 図4は、車速とアシスト電流値との関係の一例を示す図である。 図5は、第1実施形態の制御について説明するための図である。 図6は、手動変速式のハイブリッド車両の一例を示す図である。 図7は、第2実施形態の動作を示すフローチャートである。 図8は、第2実施形態の制御について説明するための図である。 図9は、第3実施形態の動作を示すフローチャートである。 図10は、第3実施形態の制御について説明するための図である。 図11は、閾値演算の流れを示すフローチャートである。 図12は、閾値演算の流れを示す他のフローチャートである。 図13は、閾値演算による特性線の変化を示す図である。
以下に、本発明の実施形態にかかる車両制御装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
(第1実施形態)
図1から図5を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、車両制御装置に関する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる車両制御装置の動作を示すフローチャート、図2は、実施形態にかかる車両制御装置が搭載された車両の概略構成図、図3は、転舵機構およびEPS装置を示す図である。
本実施形態の車両制御装置1−1は、パワーステアリング装置(EPS装置)を搭載した車両において、車両の走行中にエンジンを停止状態とするエンジン停止制御を実行することができる。EPS装置およびエンジンのスタータには、共通のバッテリから電力が供給される。EPS装置に対する電力供給能力を確保する観点から、走行中のエンジン始動時においてスタータによって消費される電力に基づくバッテリの電圧降下を考慮する必要がある。
本実施形態の車両制御装置1−1は、EPS装置の現在、もしくは過去の動作に基づいて、エンジン停止制御を禁止する。エンジン停止制御が禁止されると、新たにエンジンを停止することは禁止され、停止中のエンジンは再始動される。これにより、EPS装置に対する電力供給能力の確保と、バッテリの小容量化とを両立することができる。
図2に示す車両制御装置1−1は、車両10に搭載されたエンジン1、バッテリ2、スタータ3、EPS装置4およびECU20を備える。エンジン1は、車両10の動力源である。バッテリ2は、充放電が可能な蓄電装置である。バッテリ2は、例えば、鉛蓄電池であり、スタータ3、EPS装置4、EPS装置4以外の補機9等に電力を供給することができる。また、バッテリ2は、オルタネータ5や後述する回生オルタネータ15によって発電された電力によって充電されることが可能である。
エンジン1には、スタータ3、オルタネータ5および空調装置のコンプレッサ6が設けられている。スタータ3は、電力を消費してエンジン1を始動させる始動装置である。スタータ3は、エンジン1のクランクシャフト7に対して動力を伝達可能なモータ(例えば、DCモータ)を有しており、電力を消費してこのモータを回転させることによりエンジン1を始動させる。スタータ3は、バッテリ2、オルタネータ5、および後述する回生オルタネータ15と電気的に接続されており、バッテリ2、オルタネータ5および回生オルタネータ15からそれぞれ電力の供給を受けることができる。
オルタネータ5は、クランクシャフト7の回転と連動して回転することによって発電する発電機である。オルタネータ5の回転軸5aと、コンプレッサ6の回転軸6aと、クランクシャフト7とは、ベルト8を介して動力を伝達することができる。つまり、オルタネータ5は、クランクシャフト7からベルト8を介して伝達される動力によって発電する。オルタネータ5は、バッテリ2と接続されており、オルタネータ5において発電された電力は、バッテリ2に充電可能である。
エンジン1のクランクシャフト7は、クラッチ11を介して変速機12の入力軸13と接続されている。変速機12は、運転者の変速操作によって手動で変速がなされるものである。変速機12の入力軸13に入力されたエンジン1の動力は、出力軸14に出力される。エンジン1の回転は、変速機12において変速され、出力軸14を介して車両10の駆動輪に伝達される。変速機12には、回生オルタネータ15が設けられている。回生オルタネータ15の回転軸15aは、変速機12の出力軸14とギアを介して接続されている。回生オルタネータ15は、出力軸14から回転軸15aに伝達される動力によって発電する。回生オルタネータ15は、例えば、惰性走行時に発電を行う。回生オルタネータ15によって発電された電力は、バッテリ2に充電可能である。
クラッチ11は、例えば、摩擦係合式のクラッチ装置である。クラッチ11は、係合あるいは開放することにより、エンジン1と変速機12との動力の伝達経路を接続あるいは遮断する。クラッチ11は、運転者によってクラッチペダルが操作されることにより、係合あるいは開放する。また、クラッチ11は、係合状態と開放状態とを切替えるアクチュエータを有する。アクチュエータは、例えば、電磁力や油圧等によってクラッチ11を駆動することでクラッチ11を係合状態あるいは開放状態に切替える。
ECU20は、例えば、コンピュータを有する電子制御ユニットである。ECU20は、エンジン1、スタータ3、EPS装置4、クラッチ11とそれぞれ接続されており、エンジン1、スタータ3、EPS装置4、クラッチ11を制御する。また、ECU20は、バッテリ2と接続されており、バッテリ2の状態を監視する。ECU20は、例えば、バッテリ2の電圧値を検出する電圧センサおよびバッテリ2の電流値や液温を検出するセンサとそれぞれ接続されており、各検出結果を示す信号を取得することができる。
EPS装置4は、バッテリ2と接続され、電力を消費してアシストトルクを発生させるパワーステアリング装置である。EPS装置4は、図3に示すように、転舵機構50に組み付けられた電動モータ41、ボールねじ機構42、回転角センサ43、トルクセンサ44を有する。転舵機構50は、ハンドル51に対する回転操作に応じて左右前輪FW1,FW2を転舵する機構である。転舵機構50は、ハンドル51に加えて、ステアリングシャフト52、ピニオンギア53、ラックバー54を有する。ステアリングシャフト52は、その上端がハンドル51に、下端がピニオンギア53にそれぞれ接続されている。ピニオンギア53は、ラックバー54に形成されたラック歯とかみ合ってラックアンドピニオン機構を構成している。ラックバー54の両端には、タイロッドやナックルアーム等を介して前輪FW1,FW2がそれぞれ接続されている。左右前輪FW1,FW2は、ラックバー54の軸線方向の変位に応じて転舵される。
EPS装置4の電動モータ41は、ラックバー54に組み付けられている。電動モータ41としては、例えば、DCモータが用いられる。電動モータ41の回転軸は、ボールねじ機構42を介してラックバー54に動力を伝達可能に接続されている。電動モータ41は、動力をラックバー54に伝達することによって運転者の操舵操作をアシストする。つまり、電動モータ41は、運転者の操舵力をアシストするアシストトルクを転舵機構50に作用させる。ボールねじ機構42は、電動モータ41の回転を減速すると共に直線運動に変換してラックバー54に伝達する。電動モータ41は、ラックバー54に代えて、ステアリングシャフト52に組み付けられてステアリングシャフト52に動力を伝達するものであってもよい。
ステアリングシャフト52には、トルクセンサ44が設けられている。トルクセンサ44は、ハンドル51に対する回転操作(操舵操作)によってステアリングシャフト52に入力されるトルクなど、ステアリングシャフト52に発生する操舵トルクを検出する。トルクセンサ44は、ECU20に接続されており、トルクセンサ44によって検出された操舵トルクは、ECU20に出力される。
電動モータ41には、回転角センサ43が設けられている。回転角センサ43は、電動モータ41の回転子の回転角度位置を検出することができる。回転角センサ43は、ECU20に接続されており、回転角センサ43によって検出された回転角度位置を示す信号は、ECU20に出力される。ECU20は、検出された回転角度位置に基づいて、電動モータ41の回転角および回転角速度を算出することができる。以下の説明において、電動モータ41の回転角速度を単に「回転速度」とも記載する。
電動モータ41の回転角は、ハンドル51の操舵角に対応しており、電動モータ41の回転速度は、ハンドル51の操舵角速度に対応する。本実施形態では、ハンドル51の操舵角速度を「ハンドル速度」とも記載する。電動モータ41は、ECU20に接続されており、ECU20によって制御される。ECU20は、電動モータ41の駆動用電流値であるアシスト電流値を検出することができる。アシスト電流値は、電動モータ41の駆動回路によって電動モータ41に供給される電流値であり、電動モータ41の出力トルクと比例する。アシスト電流値は、例えば、駆動回路に設けられた電流センサによって検出される。
ECU20には、車速センサ21が接続されている。車速センサ21によって検出された車速を示す信号は、ECU20に出力される。ECU20は、EPS装置4を制御する制御部としての機能を有している。ECU20は、トルクセンサ44によって検出された操舵トルクと、車速センサ21によって検出された車速とに基づいて、アシストトルクを決定する。ECU20は、車速および操舵トルクと、アシストトルクとの対応関係を予めマップ等として記憶している。ECU20は、このマップに基づいて電動モータ41によって発生させるアシストトルクの目標値を算出する。図4は、所定の操舵トルクにおける車速とアシスト電流値(アシストトルク)との関係の一例を示す図である。図4に示すように、低車速におけるアシストトルクは、高車速におけるアシストトルクよりも大きなトルクとされている。これは、例えば、転舵に対する抵抗力の大きさの違い等に基づく。
ECU20は、アシストトルクの目標値に応じたアシスト電流値の目標値を算出する。ECU20は、算出されたアシスト電流値の目標値を実現するようにアシスト電流値をフィードバック制御する。
ECU20は、エンジン1を制御する制御部としての機能を有している。ECU20は、車両10の走行中にエンジン1を停止状態とするエンジン停止制御を実行可能である。ECU20は、車両10の走行中に予め定められたエンジン停止制御の実行可能条件が成立した場合にエンジン停止制御を実行する。エンジン停止制御を実行する場合、ECU20は、エンジン1への燃料の供給を停止し、かつクラッチ11を開放状態に制御する。エンジン1への燃料供給が停止され、かつクラッチ11が開放状態とされてエンジン1と駆動輪との動力の伝達経路が遮断されることで、エンジン1の回転は停止する。つまり、エンジン停止制御がなされると、エンジン1は停止状態となって車両10が走行する。また、駆動輪がエンジン1から切り離されることで、エンジンブレーキが作用しない状態となり、駆動輪はフリーラン状態となる。エンジン停止制御が実行されることで、燃費の向上が可能となる。エンジン停止制御の実行可能条件は、例えば、アクセルOFFされて車両10が惰性で走行する惰性走行時である条件を含む。
ECU20は、エンジン停止制御の実行中にエンジン停止制御の実行可能条件が成立しなくなると、エンジン停止制御を終了する。ECU20は、例えば、エンジン停止制御の実行中にアクセルONとなると、エンジン停止制御を終了する。エンジン停止制御を終了する場合、ECU20は、スタータ3によってエンジン1を始動させ、エンジン1の始動完了後にクラッチ11を係合状態とする。このように走行中にエンジン停止と再始動とを自動的に行うフリーランS&S制御は、その燃費効果とコストの安さなどが利点として挙げられる。
ここで、走行中にエンジン停止と再始動とを自動的に行うシステムを低コストで実現しようとすると、一つの電源(鉛バッテリなど)からEPS装置4を含む補機全ての電力と、スタータ3の電力とを供給することが有利である。EPS装置4を含む補機およびスタータ3に共通の電源から電力を供給するシステムでは、スタータ3の大電流消費によるバッテリ電圧の低下を考慮する必要がある。例えば、EPS装置4の電力要求とスタータ3の電力要求とが重なる可能性がある。EPS装置4の電力要求とスタータ3の電力要求とが互いに独立してなされた場合であっても両者に同時に電力を供給できる電源は、大容量のものとなるが、このような大容量の電源はコスト増や重量増を招く。走行中にEPS装置4に対する電力供給能力を確保でき、かつバッテリ2の容量を低減できることが望まれている。
本実施形態の車両制御装置1−1は、車両10の旋回時、走行中における車両10の操舵時、あるいは走行中におけるアシストトルク発生時の少なくともいずれか一つにおいてエンジン停止制御を禁止する。ここで、車両10の旋回時とは、車両10が直進方向以外の方向に走行することであり、カーブを走行時や右左折時、車線変更時などが含まれる。つまり、旋回時とは、車両10の転舵輪が中立状態に対して左あるいは右に転舵された状態で走行する走行時である。
車両10の操舵時とは、ハンドル51が操舵されているときである。つまり、操舵時とは、ハンドル51に対して回転方向の力が作用しているとき、ステアリングシャフト52にトルクが作用しているときを含む。
アシストトルク発生時とは、EPS装置4がアシストトルクを発生させているときである。アシストトルク発生時とは、運転者が操舵操作をしているか否かにかかわらずアシストトルクが発生しているときを含む。例えば、運転者がハンドル51を保持している時に路面から転舵輪に作用する力によってアシストトルクが発生したときもアシストトルク発生時に含まれる。
本実施形態の車両制御装置1−1は、アシストトルクに関する物理量と閾値との比較結果に基づいてエンジン停止制御を禁止する。アシストトルクに関する物理量に基づく判定により、車両10の旋回時、走行中における車両10の操舵時、走行中におけるアシストトルク発生時に適切にエンジン停止制御を禁止することが可能となる。なお、本実施形態では、EPSアシスト電流値I_epsがアシストトルクに関する物理量に対応しているが、これには限定されない。
図1および図5を参照して、本実施形態の動作について説明する。図5は、本実施形態の制御について説明するための図である。図5において、横軸は時間、縦軸はアシスト電流を示す。図1に示す制御フローは、例えば、車両10の走行時に繰り返し実行される。
まず、ステップS1では、ECU20により、EPS装置4のアシスト電流値であるEPSアシスト電流値I_epsが取得される。ECU20は、電動モータ41において検出されたEPSアシスト電流値I_epsをセンサから取得する。
次に、ステップS2では、ECU20により、閾値判定がなされる。ECU20は、ステップS1で取得したEPSアシスト電流値I_epsと、予め定められた閾値I_prohiとの比較結果に基づいてステップS2の判定を行う。この閾値I_prohiは、アシスト電流値の閾値である。EPSアシスト電流値I_epsが、閾値I_prohiよりも大である場合に、ステップS2において肯定判定がなされる。
ステップS2における肯定判定は、車両10の旋回時や走行中における車両10の操舵時、走行中におけるアシストトルクの発生時に対応する。つまり、閾値I_prohiは、車両10の旋回時であるか否かを判定する閾値とされてもよく、車両10の操舵時であるか否かを判定する閾値とされてもよく、またアシストトルクの発生時であるか否かを判定する閾値とされてもよく、これらの複数に共通の閾値とされてもよいものである。閾値I_prohiは、例えば、車種毎に適合試験によって定められてもよい。
閾値I_prohiは、例えば、0や実質的に0とみなすことができる微少値とされてもよい。一例として、閾値I_prohiは、直進走行時にエンジン停止制御のON(許可)とOFF(禁止)とが頻繁に切り替わるハンチングを抑制できる程度の大きさの値とされてもよい。走行中に運転者がハンドル51を保持していることで、直進走行時に運転者が操舵意図を有していない場合であってもわずかなアシスト電流が流れることがある。こうした微弱なアシスト電流値では、エンジン停止制御が禁止されないようにすればよい。このようにすれば、車両10の旋回時、車両10の操舵時、あるいはアシストトルク発生時の少なくともいずれか一つを適切に判定してエンジン停止制御を禁止することができる。
例えば、車両制御装置1−1が、車両10の旋回時におけるエンジン停止制御を禁止するものである場合、わずかでも車両10が旋回している時に常にエンジン停止制御を禁止することも可能となる。EPSアシスト電流値I_epsがわずかでも検出されたときにエンジン停止制御を禁止するようにすれば、スタータ3による電力要求とEPS装置4による電力要求とが重なることを未然に防ぐことが可能となる。
閾値I_prohiは、運転者が操舵操作を行った場合であってもその操舵トルクがわずかであればエンジン停止制御が禁止されないように設定されてもよい。例えば、直線路を走行している場合に、車線をキープして走行するためにわずかに操舵がなされることがある。こうした操舵における操舵トルクは、右折時や左折時、車線変更時等の操舵トルクよりも小さい。閾値I_prohiは、例えば、車線キープ等の操舵において流れるアシスト電流値と、右左折時や車線変更時等の操舵において流れるアシスト電流値との間のアシスト電流値とされる。このような閾値I_prohiによってステップS2の判定がなされれば、エンジン停止制御を実行する期間を長くして燃費の向上を図ることができる。
なお、閾値I_prohiは、許容される最大電流よりも小さな電流値の範囲で定められる。許容される最大電流とは、例えば、スタータ3によってエンジン1を始動している間にバッテリ2の電圧低下が生じたとしてもEPS装置4に供給可能な電流値とすることができる。
ステップS2の判定の結果、EPSアシスト電流値I_epsが閾値I_prohiよりも大であると判定された場合(ステップS2−Y)にはステップS3に進み、そうでない場合(ステップS2−N)には本制御フローは終了する。
ステップS3では、ECU20により、エンジン停止中であるか否かが判定される。その判定の結果、エンジン停止中であると判定された場合(ステップS3−Y)にはステップS4に進み、そうでない場合(ステップS3−N)にはステップS5に進む。
ステップS4では、ECU20により、エンジン始動制御がなされる。ECU20は、エンジン停止制御で停止されていたエンジン1を始動させる。これにより、EPSアシスト電流値I_epsが小さな電流値であるときにスタータ3によってエンジン1が始動される。よって、EPS装置4に対する電力供給能力を確保することができる。また、EPS装置4の電力要求とスタータ3の電力要求とが互いに無関係になされる場合に必要な容量と比較して、バッテリ2の容量を低減することができる。ステップS4が実行されると、本制御フローは終了する。
ステップS5では、ECU20により、エンジン停止制御が禁止される。つまり、ステップS2において肯定判定がなされている間は、走行中にエンジン1を停止することが禁止される。これにより、EPS装置4による電力要求とスタータ3による電力要求とが重なることが未然に抑制される。例えば、EPS装置4が大きな電力を要求する場合、すなわち大きなアシストトルクが要求される場合にEPS装置4による電力要求とスタータ3による電力要求とが重なることが未然に抑制される。ステップS5が実行されると、本制御フローは終了する。
本実施形態の車両制御装置1−1によれば、車両10の旋回時、走行中における車両10の操舵時、あるいは走行中におけるアシストトルク発生時の少なくともいずれか一つにおいてエンジン停止制御が禁止される。これにより、走行中のEPS装置4の作動時にはエンジン1が運転され、オルタネータ5によって発電された電力がEPS装置4に供給される。これにより、バッテリ2の充電量の低下が抑制され、EPS装置4に対する電力供給能力の向上とバッテリ2の小容量化とを両立することができる。
エンジン停止制御の禁止は、EPSアシスト電流値I_epsに基づいて決定される。よって、車両制御装置1−1は、車両10の旋回時、操舵時、アシストトルク発生時をそれぞれ適切に検知してエンジン1の停止を禁止することができる。また、車両制御装置1−1は、EPSアシスト電流値I_epsが予め定められた電流値である閾値I_prohiを超えている場合にエンジン停止制御を禁止する。この閾値I_prohiを適切に設定することで、走行時に発生するわずかなEPSアシスト電流値I_epsに基づいて頻繁にエンジン1が再始動されてしまうことが抑制可能となる。また、閾値I_prohiを適切に設定することで、エンジン1の始動と停止とが頻繁に繰り返されることを抑制することができる。
EPSアシスト電流値I_epsに基づいてエンジン停止制御が禁止された後に、EPSアシスト電流値I_epsが閾値I_prohi以下まで低下すると、エンジン停止制御の禁止が解除される。なお、エンジン停止制御の禁止の解除判定をする際の閾値は、エンジン停止制御の禁止を判定する際の閾値I_prohiとは異なる値とされてもよい。解除判定をする際の閾値は、例えば、禁止判定をする際の閾値I_prohiよりも小さな値とすることができる。
車両制御装置1−1は、手動変速式のハイブリッド車両(MT−HV)に適用されてもよい。図6は、手動変速式のハイブリッド車両の一例を示す図である。ハイブリッド車両60は、図2に示す車両10の回生オルタネータ15に代えて、モータジェネレータ(以下、「MG」と記載する。)16を備える。MG16は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。MG16としては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。MG16の回転軸16aは、変速機12の出力軸14とギアを介して接続されている。MG16が出力する動力は、回転軸16aからギアを介して出力軸14に伝達されてハイブリッド車両60を駆動する。
MG16は、インバータ17を介してリチウム電池18と接続されている。リチウム電池18の出力電圧は、バッテリ2の出力電圧よりも高圧である。リチウム電池18は、コンバータ19を介してバッテリ2、スタータ3、EPS装置4等と接続されている。コンバータ19は、DC−DCコンバータであり、リチウム電池18の電圧を降圧してバッテリ2側に出力する。
ハイブリッド車両60は、エンジン1の動力によって走行するエンジン走行と、MG16の動力によって走行するEV走行とを選択的に行うことができる。走行モードの切替えは、例えば、シフトレバーの操作によってなされる。シフトレバーは、エンジン走行用のレンジに加え、EV走行用のレンジに切替え可能となっている。ECU20は、シフトレバーのシフトポジションを検出するシフトポジションセンサと接続されている。ECU20は、シフトレバーがエンジン走行用のレンジに操作されている場合、エンジン1の動力によってハイブリッド車両60を走行させる。エンジン走行において、さらに、MG16による動力のアシストやMG16による回生発電がなされてもよい。
運転者によってシフトレバーがEV走行用のレンジに操作されると、シフトレバーと連動する機構によってクラッチ11が開放される。ECU20は、運転者によってシフトレバーがEV走行用のレンジに操作されたことが検出されると、エンジン走行モードからEV走行モードに移行する。EV走行モードに移行すると、ECU20は、エンジン1を停止させ、MG16の出力する動力によってハイブリッド車両60を走行させる。
ECU20は、エンジン走行モードにおいて、エンジン停止制御を実行することができる。ECU20は、エンジン停止制御の実行中にエンジン停止制御の実行可能条件が成立しなくなると、エンジン停止制御を終了する。エンジン1の再始動の際に、ハイブリッド車両60においてバッテリ2の電圧低下が生じる。リチウム電池18からコンバータ19を介してスタータ3等に電力を供給可能ではあるものの、スタータ3の要求電力を満たすには足りない。エンジン始動時におけるスタータ3の要求電力を満たすほどの大容量のコンバータ19を設けることは、コスト面からも難しい。コンバータ19の容量は、例えば、補機9の要求電力の一部を賄うことができる程度であり、エンジン始動時には、バッテリ2において電圧低下が生じる。
ECU20は、エンジン走行モードにおいて、EPSアシスト電流値I_epsに基づいて、エンジン停止制御を禁止するか否かを判定する。これにより、手動変速式のハイブリッド車両60において、走行中のEPS装置4に対する電力供給能力の確保とバッテリ2の小容量化とを両立させることができる。
また、ECU20は、シフトレバーの操作によってエンジン走行モードからEV走行モードに移行するときに、EPSアシスト電流値I_epsに基づいて、エンジン停止を許可するか否かを判定してもよい。
なお、車両制御装置1−1が適用可能な車両は、本実施形態で説明したものには限定されない。例えば、本実施形態では、変速機12が手動変速機であったが、変速機12は自動変速機であってもよい。
本実施形態では、エンジン停止制御がECU20によって自動的に実行される場合を例に説明したが、これには限定されない。例えば、エンジン停止制御は、手動(運転者の操作)によって行われるものであってもよい。例えば、エンジン停止制御が、運転者によって操作されるスイッチ等に対する操作入力に基づいて実行されてもよい。このような車両において、EPSアシスト電流値I_epsに基づいてECU20によってエンジン停止制御が禁止された場合には、エンジン停止制御の実行を要求する操作入力がなされたとしても、エンジンの停止が禁止される。
なお、本実施形態の車両制御装置1−1によるエンジン停止制御の禁止は、パワーステアリング装置に限らず、電力を消費して運転者の操作をアシストする機器に適用可能である。
(第2実施形態)
図7および図8を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図7は、第2実施形態の動作を示すフローチャート、図8は、第2実施形態の制御について説明するための図である。本実施形態の車両制御装置は、上記第1実施形態の車両制御装置1−1(例えば図2および図3)と同様の構成要素を有するものとすることができる。
本実施形態では、EPSアシスト電流値I_epsの予測値である将来EPSアシスト電流値I_eps_prosに基づいてエンジン停止制御を禁止するか否かが判定される点が上記第1実施形態と異なる。将来EPSアシスト電流値I_eps_prosは、操舵履歴に基づいて予測される。ここで、操舵履歴とは、操舵状態や旋回状態を示す物理量の過去の履歴であり、例えば、一連の操舵や旋回における現在までの当該物理量の推移を示す。本実施形態では、操舵履歴の一例として、EPSアシスト電流値I_epsの推移に基づいて将来EPSアシスト電流値I_eps_prosが算出される。
図7に示す制御フローは、走行中に繰り返し実行されるものであり、例えば、予め定められた間隔で繰り返し実行される。
まず、ステップS11では、ECU20により、EPSアシスト電流値I_epsが取得される。
次に、ステップS12では、ECU20により、将来EPSアシスト電流値I_eps_prosが演算される。ECU20は、例えば、下記式(1)によって将来EPSアシスト電流値I_eps_prosを算出する。
I_eps_pros = I_eps+(I_eps−I_eps_old)…(1)
ここで、I_eps_oldは、過去におけるEPSアシスト電流値I_eps、すなわち過去EPSアシスト電流値である。過去EPSアシスト電流値I_eps_oldは、例えば、前回本制御フローを実行したときにステップS11において取得したEPSアシスト電流値I_epsである。
次に、ステップS13では、ECU20により、閾値判定がなされる。ECU20は、ステップS12で算出した将来EPSアシスト電流値I_eps_prosと、予め定められた閾値I_prohi2との比較結果に基づいてステップS13の判定を行う。この閾値I_prohi2は、アシスト電流値の閾値である。閾値I_prohi2は、例えば、上記第1実施形態の閾値I_prohiよりも大きな値とされる。
一例として、閾値I_prohi2は、上記第1実施形態の閾値I_prohiと、本制御フローの実行間隔T_intとに基づいて定められてもよい。ここで、実行間隔T_intとは、例えば、前回の本制御フローの実行開始タイミングと、今回の本制御フローの実行開始タイミングとの間隔である。閾値I_prohi2は、例えば、実行間隔T_intの間における平均的なアシスト電流値の増加量と、閾値I_prohiとの和に基づいて定められてもよい。このようにすれば、既にEPSアシスト電流値I_epsが閾値I_prohiに達している場合であっても、その後に閾値I_prohi2まで増加すると予測されない場合には、エンジン停止制御を継続することが可能となる。従って、本実施形態の車両制御装置によれば、エンジン停止制御を実行することができる期間を延長することができる。
将来EPSアシスト電流値I_eps_prosが、閾値I_prohi2よりも大である場合に、ステップS13において肯定判定がなされる。図8では、時刻t1の時点で、将来時刻t3において将来EPSアシスト電流値I_eps_prosが閾値I_prohi2よりも大となると判定される。ステップS13の判定の結果、将来EPSアシスト電流値I_eps_prosが、閾値I_prohi2よりも大であると判定された場合(ステップS13−Y)にはステップS14に進み、そうでない場合(ステップS13−N)にはステップS16に進む。
ステップS14では、ECU20により、エンジン停止中であるか否かが判定される。その判定の結果、エンジン停止中であると判定された場合(ステップS14−Y)にはステップS15に進み、そうでない場合(ステップS14−N)にはステップS17に進む。
ステップS15では、ECU20により、エンジン始動制御がなされる。ECU20は、エンジン停止制御で停止されていたエンジン1を始動させる。これにより、実際のEPSアシスト電流値I_epsが閾値I_prohi2に達する時刻t2よりも前の時刻t1においてエンジン停止制御を禁止することができる。実行中のエンジン停止制御を終了し、エンジン1を始動させることで、EPS装置4に対する電力供給能力を確保することができる。また、本実施形態の制御がなされない場合よりもバッテリ2の容量を低減することが可能となる。ステップS15が実行されると、ステップS16に進む。
ステップS16では、ECU20により、今回のEPSアシスト電流値I_epsが過去EPSアシスト電流値I_eps_oldに保存される。つまり、過去EPSアシスト電流値I_eps_oldの値が、ステップS11で取得されたEPSアシスト電流値I_epsの値で更新される。ステップS16が実行されると、本制御フローは終了する。
ステップS17では、ECU20により、エンジン停止が禁止される。ステップS13において肯定判定がなされている間は、走行中にエンジン1を停止することが禁止される。ステップS17が実行されると、ステップS16に進む。
本実施形態では、操舵履歴から予測されるEPS装置4による電力消費が、将来EPSアシスト電流値I_eps_prosである場合を例に説明したが、これには限定されない。例えば、EPS装置4の消費電力が操舵履歴に基づいて予測されてもよい。
なお、本実施形態の将来EPSアシスト電流値I_eps_prosに基づく判定と、上記第1実施形態のEPSアシスト電流値I_epsに基づく判定とが組み合わせて実行されてもよい。例えば、EPSアシスト電流値I_epsが閾値I_prohiよりも大である第一条件と、将来EPSアシスト電流値I_eps_prosが閾値I_prohi2よりも大である第二条件の少なくともいずれか一方が成立するとエンジン停止制御が禁止されるようにしてもよい。例えば、ステップS13において、第一条件あるいは第二条件の少なくともいずれか一方が成立する場合に肯定判定を行い、第一条件および第二条件のいずれも成立しない場合に否定判定を行うようにすればよい。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態の変形例について説明する。本変形例では、上記第2実施形態におけるエンジン停止制御を禁止するか否かの判定において、さらに、EPSアシスト電流値I_epsの傾き(変化速度)が考慮される。
EPSアシスト電流値I_epsの傾き(以下、単に「電流値の傾き」と記載する。)I'_epsは、例えば、下記式(2)によって演算される。
I'_eps = (I_eps−I_eps_old)/T_sam…(2)
ここで、T_samは、EPSアシスト電流値I_epsのサンプリングタイムである。このサンプリングタイムT_samは、例えば、ECU20によるEPSアシスト電流値I_epsのサンプリング間隔とすることができる。
電流値の傾きI'_epsについての閾値は、電流値の傾きの閾値I'_eps_prohiである。電流値の傾きI'_epsが傾きの閾値I'_eps_prohiよりも大である場合に、電流値の傾きI'_epsに基づくエンジン停止制御の禁止条件である第三条件が成立する。この傾きの閾値I'_eps_prohiは、0よりも大、すなわち、EPSアシスト電流値I_epsの増加を示す傾きとされる。ECU20は、将来EPSアシスト電流値I_eps_prosと、電流値の傾きI'_epsとに基づいてエンジン停止制御を禁止するか否かを判定する。ECU20は、例えば、上記第二条件あるいは上記第三条件の少なくともいずれか一方が成立する場合にエンジン停止制御を禁止する。
更に、EPSアシスト電流値I_epsに基づいてエンジン停止制御の禁止判定がなされてもよい。例えば、上記第一条件、上記第二条件、あるいは上記第三条件の少なくとも一つが成立する場合にエンジン停止制御が禁止されるようにしてもよい。電流値の傾きI'_epsに基づいてエンジン停止制御を行うことにより、EPSアシスト電流値I_epsや将来EPSアシスト電流値I_eps_prosに基づく判定ではエンジン停止制御が禁止されない場合であっても、EPSアシスト電流値I_epsが大きく増加する場合にエンジン停止制御を禁止することが可能となる。例えば、急なハンドル操作がなされた場合に予備的にエンジン停止制御を禁止することが可能となる。
また、上記の判定において、第一条件、第二条件、第三条件に重み付けがなされてもよい。例えば、車速等の走行条件に応じて第一条件から第三条件にそれぞれ重み付けがなされるようにしてもよい。
また、電流値の傾きI'_epsに代えて、あるいは加えて、電流値の傾きI'_epsの変化に基づいてエンジン停止制御の禁止判定がなされてもよい。例えば、電流値の傾きI'_epsが所定以上の増加傾向にある場合に、エンジン停止制御が禁止されるようにしてもよい。
なお、傾きの閾値I'_eps_prohiが可変とされてもよい。例えば、運転者の過去の操舵操作における電流値の傾きI'_epsの推移に基づいて、傾きの閾値I'_eps_prohiが定められてもよい。一例として、過去の操舵操作における平均的な電流値の傾きI'_epsに基づいて傾きの閾値I'_eps_prohiを定めることが可能である。これにより、通常の操舵操作よりも大きく速くハンドル51を切るような操舵操作に対して、適切にエンジン停止制御を禁止することが可能となる。
電流値の傾きI'_epsの閾値判定は、例えば、EPSアシスト電流値I_epsの立上がりにおいてなされてもよい。操舵操作の内容によって、EPSアシスト電流値I_epsの立上がりにおける電流値の傾きI'_epsは異なる場合がある。例えば、EPSアシスト電流値I_epsの立上がりにおける電流値の傾きI'_epsと、その後のEPSアシスト電流値I_epsの推移との関係を学習し、その学習結果と、検出された立上がりにおける電流値の傾きI'_epsとに基づいてエンジン停止制御を禁止するか否かが判定されてもよい。
以上説明したように、本変形例の車両制御装置は、EPSアシスト電流値I_epsの変化速度である電流値の傾きI'_epsに基づいてエンジン停止制御を禁止する。このように、EPSアシスト電流値I_epsの変化の状態に基づいてエンジン停止制御を禁止するか否かが決定されることで、車両の旋回状態の変化や、操舵状態の変化、アシストトルクの変化等に基づいた禁止判定が可能となる。
(第3実施形態)
図9および図10を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図9は、本実施形態の動作を示すフローチャート、図10は、本実施形態の制御について説明するための図である。本実施形態の車両制御装置は、上記第1実施形態の車両制御装置1−1(例えば図2および図3)と同様の構成要素を有するものとすることができる。
本実施形態では、電動モータ41の特性線(出力線)に基づいてエンジン停止制御を禁止するか否かが判定される点が上記各実施形態と異なる。本実施形態では、図10に示す電動モータ41の特性線L1に基づいてエンジン停止制御の禁止判定がなされる。図10において、横軸はハンドル速度、縦軸はアシスト電流値をそれぞれ示す。電動モータ41の動作点は、ハンドル速度を横軸、アシスト電流値を縦軸とした平面上の各点で示される。ここで、ハンドル速度は、電動モータ41の回転速度と比例関係にある。また、アシスト電流値は、アシストトルクと比例関係にある。つまり、図10には、電動モータ41の回転速度とアシストトルクとの関係が示されている。
図10に示す特性線L1は、所定の供給電圧におけるハンドル速度とアシスト電流値との対応関係を示すものである。所定の供給電圧未満の供給電圧では、電動モータ41は特性線L1よりも原点側の動作点で動作可能である。言い換えると、特性線L1よりも原点側と反対側の動作点で電動モータ41を動作させるためには、所定の供給電圧を超える供給電圧が必要となる。つまり、特性線L1は、供給可能な最大電圧が所定の供給電圧である場合に電動モータ41が出力することのできる最大出力を示す最大出力線である。特性線L1は、ハンドル速度が増加するにつれてアシスト電流値が低下する傾きを有している。
本実施形態においてエンジン停止制御の禁止判定を行うための閾値となる特性線L1は、過去にエンジン1を始動したときのバッテリ2の出力電圧に基づいて定められている。この場合、特性線L1は、過去にエンジン1を始動したときのバッテリ2の出力電圧から決まる電動モータ41の最大出力を示すものとなる。特性線L1は、例えば、過去にエンジン1を始動したときのバッテリ2の出力電圧の最小値に基づいて定められる。言い換えると、過去にエンジン1を始動したときのEPS装置4に供給された電圧の大きさの最小値に対応する特性線L1に基づいて、エンジン停止制御を禁止するか否かが判定される。
特性線L1は、例えば、設計値の特性線に基づいて演算することができる。例えば、12Vの供給電圧における特性線が、下記式(3)で表される場合、6Vの供給電圧における特性線は、下記式(4)として求められる。
I_eps = k1×v_eps+K2…(3)
I_eps = k1×v_eps+K2×6/12…(4)
ここで、k1、K2は、それぞれ電動モータ41の特性を示す係数である。また、v_epsは、ハンドル速度である。
図10において、特性線L1よりも原点側の領域は、エンジン停止制御が禁止されないエンジン停止許可領域である。特性線L1上および特性線L1よりも原点側と反対側の領域は、エンジン停止制御が禁止されるエンジン停止禁止領域である。本実施形態では、ECU20は、電動モータ41の予測動作点がエンジン停止禁止領域にある場合にエンジン停止制御を禁止する。ここで、予測動作点とは、将来EPSアシスト電流値I_eps_prosおよび将来ハンドル速度v_eps_prosとによって決まる電動モータ41の動作点である。
将来ハンドル速度v_eps_prosは、ハンドル速度v_epsの推移に基づくハンドル速度の予測値である。将来ハンドル速度v_eps_prosは、電動モータ41の回転速度の予測値に対応する。将来ハンドル速度v_eps_prosは、例えば、下記式(5)によって演算することができる。
v_eps_pros = v_eps+(v_eps−v_eps_old)…(5)
ここで、v_eps_oldは、過去におけるハンドル速度、すなわち過去ハンドル速度である。過去ハンドル速度v_eps_oldは、例えば、図9に示す制御フローを前回実行したときにステップS21において取得したハンドル速度v_epsである。
図9を参照して、本実施形態の動作について説明する。まず、ステップS21では、ECU20により、EPSアシスト電流値I_epsおよびハンドル速度v_epsが取得される。ECU20は、回転角センサ43から取得した電動モータ41の回転角度位置に基づいてハンドル速度v_epsを算出する。
次に、ステップS22では、ECU20により、将来EPSアシスト電流値I_eps_prosおよび将来ハンドル速度v_eps_prosが演算される。将来EPSアシスト電流値I_eps_prosは上記式(1)によって、将来ハンドル速度v_eps_prosは上記式(5)によって、それぞれ算出することができる。
次に、ステップS23では、ECU20により、閾値判定がなされる。ECU20は、ステップS22で算出された将来EPSアシスト電流値I_eps_prosと、将来ハンドル速度v_eps_prosとで決まる予測動作点がエンジン停止禁止領域にある場合、ステップS23において肯定判定を行う。一方、予測動作点がエンジン停止許可領域にある場合、ステップS23において否定判定を行う。ステップS23において肯定判定がなされた場合(ステップS23−Y)にはステップS24に進み、そうでない場合(ステップS23−N)にはステップS26に進む。
ステップS24では、ECU20により、エンジン停止中であるか否かが判定される。その判定の結果、エンジン停止中であると判定された場合(ステップS24−Y)にはステップS25に進み、そうでない場合(ステップS24−N)にはステップS27に進む。
ステップS25では、ECU20により、エンジン始動制御がなされる。エンジン1が再始動され、EPS装置4に対する電力供給能力が確保される。ステップS25が実行されると、ステップS26に進む。
ステップS26では、ECU20により、今回のEPSアシスト電流値I_epsが過去EPSアシスト電流値I_eps_oldに、ハンドル速度v_epsが過去ハンドル速度v_eps_oldに、それぞれ保存される。ECU20は、ステップS21で取得したEPSアシスト電流値I_epsで過去EPSアシスト電流値I_eps_oldを更新し、ステップS21で取得したハンドル速度v_epsで過去ハンドル速度v_eps_oldを更新する。ステップS26が実行されると、本制御フローは終了する。
ステップS27では、ECU20により、エンジン停止が禁止される。ステップS23において肯定判定がなされている間は、走行中にエンジン1を停止することが禁止される。ステップS27が実行されると、ステップS26に進む。
なお、予測動作点と特性線L1とに基づいてエンジン停止制御の禁止判定をすることに代えて、あるいは加えて、現在の電動モータ41の動作点と特性線L1とに基づいて禁止判定がなされてもよい。例えば、現在の動作点が、エンジン停止許可領域にある場合であっても、特性線L1に近い領域にある場合には、エンジン停止制御を禁止するようにしてもよい。一例として、特性線L1よりも原点側において特性線L1と平行な判定線を定めて、現在の動作点がこの判定線と特性線L1との間の領域にある場合にエンジン停止制御を禁止するようにしてもよい。つまり、本実施形態の車両制御装置は、特性線L1と、EPSアシスト電流値I_epsと、電動モータ41の回転速度とに基づいてエンジン停止制御を禁止するものであって、EPSアシスト電流値I_epsや電動モータ41の回転速度は、現在の値に基づいても、過去の値に基づいても、予測値に基づいてもよい。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態において、更に、ハンドル速度v_epsの傾きv'_epsに基づいて閾値判定がなされてもよい。ハンドル速度の傾きv'_epsは、例えば、下記式(6)によって算出することができる。
v'_eps = (v_eps−v_eps_old)/T_sam_v…(6)
ここで、T_sam_vは、ハンドル速度v_epsのサンプリングタイムである。このサンプリングタイムT_sam_vは、例えば、ECU20によるハンドル速度v_epsのサンプリング間隔とすることができる。
ECU20は、上記第3実施形態の予測動作点に基づく閾値判定に加えて、ハンドル速度の傾きv'_epsに基づく閾値判定を行い、エンジン停止制御を禁止するか否かを決定する。ECU20は、例えば、予測動作点がエンジン停止禁止領域にあり、かつハンドル速度の傾きv'_epsが、閾値v'_eps_prohiよりも大である場合に、エンジン停止を禁止すると判定する。この閾値v'_eps_prohiは、例えば、0よりも大、すなわち、ハンドル速度v_epsの増加を示す値とされる。なお、ハンドル速度の傾きv'_epsのみに基づいてエンジン停止制御の禁止判定がなされてもよい。
(第4実施形態)
図11から図13を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図11は、閾値演算の流れを示すフローチャート、図12は、閾値演算の流れを示す他のフローチャート、図13は、閾値演算による特性線の変化を示す図である。本実施形態の車両制御装置は、上記第1実施形態の車両制御装置1−1(例えば図2および図3)と同様の構成要素を有するものとすることができる。
本実施形態の車両制御装置は、エンジン停止制御の禁止判定における閾値を車速に応じて変化させる点が上記各実施形態と異なる。図4に示すように、アシスト電流値は、車速に応じて変化する。高車速である場合には、低車速である場合よりも、アシスト電流値が低めとなる傾向にある。つまり、同じように大きな転舵量や転舵速度のアシストが必要な場合であっても、高車速である場合には、低車速である場合よりもEPSアシスト電流値I_epsが低くなる。従って、エンジン停止制御の禁止判定における閾値が速度によらず一定であると、高車速である場合には、低車速である場合よりも禁止判定がなされにくくなる。これに対して、高車速を基準に閾値が一律に定められた場合、低車速時において頻繁にエンジン停止制御が禁止されることとなり、十分な燃費効果を図りにくくなる。
本実施形態では、エンジン停止制御の禁止判定における閾値は、操舵状態あるいは車両の走行状態の少なくともいずれか一方に応じて変化する。本実施形態では、車両の走行状態の一例である車速に応じて閾値が変化する。よって、各車速においてより適切にエンジン停止制御の禁止判定を行うことが可能となる。
図11を参照して、閾値演算の一例について説明する。図11に示す制御フローは、例えば、車両の走行中に予め定められた間隔で繰り返し実行される。ECU20は、図11に示す閾値演算によって随時更新される閾値に基づいて、エンジン停止制御の禁止判定を行う。
まず、ステップS31では、ECU20により、車速v_vehiが取得される。ECU20は、車速センサ21によって検出された車速v_vehiを取得する。
次に、ステップS32では、ECU20により、閾値にかけるゲインG_prohが演算される。ゲインG_prohは、例えば、下記式(7)によって算出される。
G_proh = 1/v_vehi…(7)
上記式(7)によれば、ゲインG_prohは、車速v_vehiに反比例する値となる。
次に、ステップS33では、ECU20により、変数I_prohi_newが演算される。変数I_prohi_newには、ステップS32で算出されたゲインG_prohと基本となる閾値I_prohiとの積が代入される。ここで、基本となる閾値I_prohiとは、例えば、所定の車速v_vehiにおける閾値I_prohiであり、例えば、車速v_vehi=0における閾値I_prohiとされる。
次に、ステップS34では、ECU20により、変数I_prohi_newが新たな閾値I_prohiとして出力される。ECU20は、閾値I_prohiにステップS33で算出された変数I_prohi_newを代入する。ステップS34が実行されると、閾値演算は終了する。
なお、上記ではEPSアシスト電流値I_epsに基づくエンジン停止制御の禁止判定のための閾値I_prohiが演算されたが、将来EPSアシスト電流値I_eps_prosの閾値I_prohi2についても、同様に演算可能である。すなわち、ステップS33において、ステップS32で算出されたゲインG_prohと基本となる閾値I_prohi2との積を変数I_prohi2_newに代入し、ステップS34において変数I_prohi2_newを新たな閾値I_prohi2として出力するようにすればよい。基本となる閾値I_prohi2は、所定の車速v_vehiにおける閾値I_prohi2であり、例えば、車速v_vehi=0における閾値I_prohi2である。
また、上記第3実施形態の特性線に基づく閾値判定については、図12に示すように閾値演算を行う。特性線に基づく閾値判定では、車速が走行状態に、電動モータ41の回転速度が操舵状態にそれぞれ対応する。EPSアシスト電流値I_epsの閾値は、電動モータ41の回転速度に比例するハンドル速度v_epsおよび車速のそれぞれに応じて変化する。
まず、ステップS41では、ECU20により、車速v_vehiが取得される。
次に、ステップS42では、ECU20により、閾値にかけるゲインG_proh2が演算される。このゲインG_proh2は、例えば、上記のゲインG_prohと同様に算出されてもよい。
次に、ステップS43では、ECU20により、モータ特性線が変更される。モータ特性線の変更は、例えば、以下に図13を参照して説明するように、特性線の切片の値にゲインG_proh2を乗じることで実現される。
図13において、符号L2は基本となる特性線、符号L3は変更後の特性線を示す。基本となる特性線とは、所定の車速v_vehiにおける特性線であり、例えば、車速v_vehi=0における特性線とされる。基本となる特性線L2が下記式(8)で示されるものである場合、変更後の特性線L3は、下記式(9)で示すものとされる。式(8)および式(9)において、右辺第2項は、縦軸の切片、すなわちアシスト電流値I_eps軸の切片を示す。
I_eps = L1×v_eps+L2…(8)
I_eps = L1×v_eps+L2×G_proh2…(9)
次に、ステップS44では、ECU20により、変更したモータ特性線が出力される。ECU20は、随時更新される特性線に基づいて、予測動作点に基づく閾値判定を行う。ステップS44が実行されると、閾値演算は終了する。
車速に応じて特性線が変更されることで、所定のハンドル速度v_epsに対するEPSアシスト電流値I_epsの閾値が変化する。また、特性線L2,L3は、ハンドル速度v_epsの増加方向に向かうとEPSアシスト電流値I_epsが減少する傾きを有していることから、EPSアシスト電流値I_epsの閾値は、ハンドル速度v_epsに応じて変化する。このように、特性線に基づく閾値判定では、操舵状態に応じて閾値が変化する。
以上説明したように、本実施形態によれば、車速に基づいてエンジン停止制御の禁止判定における閾値が変化する。よって、車両の走行状態に応じて適切にエンジン停止制御を行って燃費の向上を図ると共に、適切にエンジン停止制御を禁止することでEPS装置4に対する電力供給能力を確保することができる。また、ハンドル速度v_epsに応じてエンジン停止制御の禁止判定における閾値が変化する。よって、操舵状態に応じて適切にエンジン停止制御を実行し、かつ適切にエンジン停止制御を禁止することができる。本実施形態の車両制御装置によれば、バッテリ2の容量の低減を実現しつつ、EPS装置4に対する電力供給能力と燃費の向上とを最大限に両立することが可能となる。
上記の各実施形態に開示された内容は、適宜組み合わせて実行されることができる。
以上のように、本発明にかかる車両制御装置は、時々刻々と変化するパワーステアリング装置の動作や消費電力、車両の状況に応じてエンジンの始動判定を行うことができるため、パワーステアリング装置に対する電力供給能力の確保と、蓄電装置の容量の低減とを両立するのに適している。
1−1 車両制御装置
1 エンジン
2 バッテリ
3 スタータ
4 EPS装置
10 車両
20 ECU
41 電動モータ
43 回転角センサ
44 トルクセンサ
51 ハンドル
I_eps EPSアシスト電流値
I_eps_old 過去EPSアシスト電流値
I_eps_pros 将来EPSアシスト電流値
I_prohi,I_prohi2 閾値
I'_eps 傾き
v_eps ハンドル速度
v_eps_old 過去ハンドル速度
v_eps_pros 将来ハンドル速度
v'_eps ハンドル速度の傾き
v_vehi 車速

Claims (3)

  1. 車両の動力源であるエンジンと、
    蓄電装置と、
    前記蓄電装置と接続され、電力を消費して前記エンジンを始動させる始動装置と、
    前記蓄電装置と接続され、電力を消費してアシストトルクを発生させるパワーステアリング装置とを備え、
    前記車両の走行中に前記エンジンを停止状態とするエンジン停止制御を実行可能であり、かつ操舵履歴から予測される前記パワーステアリング装置の電力消費に基づいて前記エンジン停止制御を禁止する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記操舵履歴とは、前記パワーステアリング装置のアシスト電流値の推移であり、前記推移に基づく前記アシスト電流値の予測値に基づいて前記エンジン停止制御を禁止する
    請求項に記載の車両制御装置。
  3. 前記パワーステアリング装置は、電動モータによってアシストトルクを発生させるものであり、
    前記操舵履歴とは、前記電動モータのアシスト電流値および回転速度の推移であって、
    過去に前記エンジンを始動したときの前記蓄電装置の出力電圧から決まる前記電動モータの最大出力と、前記推移に基づく前記アシスト電流値の予測値および前記電動モータの回転速度の予測値と、に基づいて前記エンジン停止制御を禁止する
    請求項に記載の車両制御装置。
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