JP2002145035A - 車両の運動制御装置 - Google Patents

車両の運動制御装置

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JP2002145035A
JP2002145035A JP2000343686A JP2000343686A JP2002145035A JP 2002145035 A JP2002145035 A JP 2002145035A JP 2000343686 A JP2000343686 A JP 2000343686A JP 2000343686 A JP2000343686 A JP 2000343686A JP 2002145035 A JP2002145035 A JP 2002145035A
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JP
Japan
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steering
angular velocity
braking force
wheels
braking
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JP2000343686A
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English (en)
Inventor
Kenji Odaka
賢二 小▲高▼
Shohei Matsuda
庄平 松田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 左右の車輪の制動力を個別に制御してヨーモ
ーメントを発生させる車両において、操舵アシスト制御
から旋回安定化制御への切り換えタイミングを早めて急
激なレーンチェンジ等の操作をスムーズに行えるように
する。 【解決手段】 操舵開始後に操舵角速度θvの絶対値が
増加から減少に転じる前は旋回方向内側の車輪に制動力
を発生させ、操舵角速度θvの絶対値が増加から減少に
転じた後は旋回方向外側の車輪に制動力を発生させる。
あるいは操舵開始後に操舵角θの符号および操舵角速度
微分値dθv/dtの符号が一致している間は旋回方向
内側の車輪に制動力を発生させ、操舵角θの符号および
操舵角速度微分値dθv/dtの符号が不一致になると
旋回方向外側の車輪に制動力を発生させる。これにより
操舵アシスト制御から旋回安定化制御への切り換えタイ
ミングを早めることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右の車輪の制動
力をドライバーの制動操作から独立して制御する制動制
御手段を備えた車両の運動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】左右の車輪の制動力を個別に制御してヨ
ーモーメントを発生させ、旋回のアシストあるいは車両
挙動の安定を図る車両において、ステアリングホイール
の操舵角や車速から算出した目標ヨーレートに実ヨーレ
ートを一致させるフィードバック制御を行う際に、ドラ
イバーによる障害物の緊急回避操作が判定されると目標
ヨーレートを0に近い値に設定することにより、障害物
を緊急回避するレーンチェンジ操作の後半において、車
両が元の走行車線側に切り込むのを防止して新たな走行
車線にスムーズに進入できるようにしたものが、特開2
000−168524号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、左右の車輪
の制動力を制御してヨーモーメントを発生させる車両に
おいて、ドライバーが前方の障害物を発見して、例えば
右側車線へのレーンチェンジで障害物を回避する場合に
は、右側の車輪に制動力を作用させて右方向のヨーモー
メントを発生させ、ステアリングホイールによる右方向
の操舵をアシストするようになっている(操舵アシスト
制御)。そして障害物を回避した後に新たな右側車線に
進入するために、今度はステアリングホイールを左方向
に操舵するとともに、左側の車輪に制動力を作用させて
左方向のヨーモーメントを発生させるようになっている
(旋回安定化制御)。
【0004】この場合、右側の車輪に制動力を作用させ
る操舵アシスト制御から左側の車輪に制動力を作用させ
る旋回安定化制御への切り換えタイミングが遅いと車両
の挙動が乱れてしまい、車両がレーンチェンジ前の元の
車線からレーンチェンジ後の新たな車線にスムーズに進
入できなくなる可能性がある。
【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、操舵アシスト制御から旋回安定化制御への切り換え
タイミングを早めて急激なレーンチェンジ等の操作をス
ムーズに行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は図3のクレーム対応図に示す構成を採用し
ている。
【0007】即ち、請求項1に記載された発明によれ
ば、操舵角センサで検出したステアリングホイールの操
舵角から算出した操舵角速度に基づいて、左右の車輪の
制動力をドライバーの制動操作から独立して制御する制
動制御手段を備え、制動制御手段は、操舵開始後に操舵
角速度の絶対値が増加から減少に転じる前は旋回方向内
側の車輪に制動力を発生させ、操舵角速度の絶対値が増
加から減少に転じた後は旋回方向外側の車輪に制動力を
発生させることを特徴とする車両の運動制御装置が提案
される。
【0008】上記構成によれば、ドライバーがステアリ
ングホイールを操作する操舵角速度の絶対値が増加から
減少に転じた瞬間にドライバーがステアリングホイール
を戻そうとする意志を判定し、旋回方向内側の車輪の制
動から旋回方向外側の車輪の制動への切り換えを行うの
で、操舵アシスト制御から旋回安定化制御への切り換え
タイミングを早めることが可能となり、レーンチェンジ
操作の後半における車両挙動を安定させることができ
る。
【0009】また請求項2に記載された発明によれば、
操舵角センサで検出したステアリングホイールの操舵角
と、この操舵角から算出した操舵角速度微分値とに基づ
いて、左右の車輪の制動力をドライバーの制動操作から
独立して制御する制動制御手段を備え、制動制御手段
は、操舵開始後に操舵角の符号および操舵角速度微分値
の符号が一致している間は旋回方向内側の車輪に制動力
を発生させ、操舵角の符号および操舵角速度微分値の符
号が不一致になると旋回方向外側の車輪に制動力を発生
させることを特徴とする車両の運動制御装置が提案され
る。
【0010】上記構成によれば、操舵角の符号および操
舵角速度微分値の符号が一致から不一致に変化した瞬
間、即ちドライバーがステアリングホイールを操作する
操舵角速度の絶対値が増加から減少に転じた瞬間にドラ
イバーがステアリングホイールを戻そうとする意志を判
定し、旋回方向内側の車輪の制動から旋回方向外側の車
輪の制動への切り換えを行うので、操舵アシスト制御か
ら旋回安定化制御への切り換えタイミングを早めること
が可能となり、レーンチェンジ操作の後半における車両
挙動を安定させることができる。
【0011】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項1または請求項2の構成に加えて、操舵角速度の
絶対値および操舵角速度微分値の絶対値の少なくとも一
方が閾値以上の場合にドライバーが障害物を回避しよう
とする意志を有すると判定する緊急障害物回避意志判定
手段を備え、緊急障害物回避意志判定手段がドライバー
の前記意志を判定したときに、制動制御手段は車輪の制
動力を制御することを特徴とする車両の運動制御装置が
提案される。
【0012】上記構成によれば、操舵角速度の絶対値あ
るいは操舵角速度微分値の絶対値が閾値以上になると、
ドライバーが障害物を回避しようとする意志を有すると
判定して左右の車輪の制動力を制御するので、緊急時に
的確なレーンチェンジを行って障害物を確実に回避する
ことができる。
【0013】また請求項4に記載された発明によれば、
請求項1または請求項2の構成に加えて、操舵トルクセ
ンサで検出したステアリングホイールの操舵トルクの絶
対値および操舵トルク微分値の絶対値の少なくとも一方
が閾値以上の場合にドライバーが障害物を回避しようと
する意志を有すると判定する緊急障害物回避意志判定手
段を備え、緊急障害物回避意志判定手段がドライバーの
前記意志を判定したときに、制動制御手段は車輪の制動
力を制御することを特徴とする車両の運動制御装置が提
案される。
【0014】上記構成によれば、操舵トルクの絶対値あ
るいは操舵トルク微分値の絶対値が閾値以上になると、
ドライバーが障害物を回避しようとする意志を有すると
判定して左右の車輪の制動力を制御するので、緊急時に
的確なレーンチェンジを行って障害物を確実に回避する
ことができる。
【0015】また請求項5に記載された発明によれば、
請求項3または請求項4の構成に加えて、路面摩擦係数
を推定する路面摩擦係数推定手段を備え、緊急障害物回
避意志判定手段は路面摩擦係数の増加に応じて前記操舵
トルクの絶対値の閾値あるいは前記操舵トルク微分値の
絶対値の閾値を増加させることを特徴とする車両の運動
制御装置が提案される。
【0016】上記構成によれば、路面摩擦係数の増加に
応じてドライバーが障害物を回避しようとする意志を判
定する操舵トルクの絶対値の閾値あるいは操舵トルク微
分値の絶対値の閾値を増加させるので、車両の旋回制御
が比較的に困難な低摩擦係数の路面において、車輪の制
動力の制御を早めに行わせることができる。
【0017】また請求項6に記載された発明によれば、
請求項3または請求項4の構成に加えて、緊急障害物回
避意志判定手段は、車速センサで検出した車速の増加に
応じて前記操舵トルクの絶対値の閾値あるいは前記操舵
トルク微分値の絶対値の閾値を減少させることを特徴と
する車両の運動制御装置が提案される。
【0018】上記構成によれば、車速の増加に応じてド
ライバーが障害物を回避しようとする意志を判定する操
舵トルクの絶対値の閾値あるいは操舵トルク微分値の絶
対値の閾値を減少させるので、車両の旋回制御が比較的
に困難な高速走行時において、車輪の制動力の制御を早
めに行わせることができる。
【0019】また請求項7に記載された発明によれば、
請求項1または請求項2の構成に加えて、路面摩擦係数
を推定する路面摩擦係数推定手段を備え、制動制御手段
は路面摩擦係数の増加に応じて車輪に発生させる制動力
を増加させることを特徴とする車両の運動制御装置が提
案される。
【0020】上記構成によれば、路面摩擦係数の増加に
応じて車輪に発生させる制動力を増加させるので、車輪
をスリップさせることなく最大限の制動力を発生させて
操舵アシスト制御および旋回安定化制御を効果的に行わ
せることができる。
【0021】また請求項8に記載された発明によれば、
請求項1または請求項2の構成に加えて、制動制御手段
は、車速センサで検出した車速の増加に応じて車輪に発
生させる制動力を減少させることを特徴とする車両の運
動制御装置が提案される。
【0022】上記構成によれば、車速の増加に応じて車
輪に発生させる制動力を減少させるので、高速走行時に
強い制動力が作用して車両の挙動が乱れるのを防止する
ことができる。
【0023】また請求項9に記載された発明によれば、
請求項1または請求項2の構成に加えて、制動制御手段
は、ヨーレートセンサで検出した車両のヨーレートと、
目標ヨーレート算出手段で算出した車両の目標ヨーレー
トとを比較し、ヨーレートおよび目標ヨーレートの偏差
の絶対値の増加に応じて旋回方向内側の車輪に発生させ
る制動力を増加させることを特徴とする車両の運動制御
装置が提案される。
【0024】上記構成によれば、ヨーレートおよび目標
ヨーレートの偏差の絶対値の増加に応じて旋回方向内側
の車輪に発生させる制動力を増加させるので、操舵アシ
スト制御を効果的に行わせることができる。
【0025】また請求項10に記載された発明によれ
ば、請求項1または請求項2の構成に加えて、操舵角か
ら算出した操舵角速度の絶対値の減少率の増加に応じ
て、制動制御手段は旋回方向外側の車輪に発生させる制
動力を増加させることを特徴とする車両の運動制御装置
が提案される。
【0026】上記構成によれば、操舵角速度の絶対値の
減少率の増加に応じて、つまりドライバーがステアリン
グホイールを戻そうとする意志の大きさに応じて旋回方
向外側の車輪に発生させる制動力を増加させるので、旋
回安定化制御を効果的に行わせることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0028】図1〜図11は本発明の第1実施例を示す
もので、図1は運動制御装置を備えた車両の全体構成を
示す図、図2は車両の制動系統の構成を示す図、図3は
クレーム対応図、図4はメインルーチンのフローチャー
ト、図5はブレーキアクチュエーター制御ルーチンのフ
ローチャート、図6は操舵角、操舵トルクおよび車速か
ら路面摩擦係数を検索するマップを示す図、図7は操舵
方向と操舵角の符号との関係を示す図、図8は右操舵で
障害物を回避する場合の制動力制御を説明する図、図9
は左操舵で障害物を回避する場合の制動力制御を説明す
る図,図10は操舵トルクの閾値および操舵トルク微分
値の閾値の変化を示す図、図11は制動力発生量の変化
を示す図である。
【0029】図1および図2に示すように、本発明の運
動制御装置を搭載した四輪の車両は、エンジンEの駆動
力がトランスミッションTを介して伝達される駆動輪た
る左右の前輪WFL,WFRと、車両の走行に伴って回
転する従動輪たる左右の後輪WRL,WRRとを備え
る。ドライバーにより操作されるブレーキペダル1は、
電子制御負圧ブースタ2を介してマスタシリンダ3に接
続される。電子制御負圧ブースタ2は、ブレーキペダル
1の踏力を機械的に倍力してマスタシリンダ3を作動さ
せるとともに、自動制動時にはブレーキペダル1の操作
によらずに電子制御ユニットUからの制動指令信号によ
りマスタシリンダ3を作動させる。ブレーキペダル1に
踏力が入力され、かつ電子制御ユニットUから制動指令
信号が入力された場合、電子制御負圧ブースタ2は両者
のうちの何れか大きい方に合わせてブレーキ油圧を出力
させる。尚、電子制御負圧ブースタ2の入力ロッドはロ
ストモーション機構を介してブレーキペダル1に接続さ
れており、電子制御負圧ブースタ2が電子制御ユニット
Uからの信号により作動して前記入力ロッドが前方に移
動しても、ブレーキペダル1は初期位置に留まるように
なっている。
【0030】マスタシリンダ3の一対の出力ポート8,
9は油圧制御装置4を介して前輪WFL,WFRおよび
後輪WRL,WRRにそれぞれ設けられたブレーキアク
チュエーター5FL,5FR,5RL,5RRに接続さ
れる。油圧制御装置4は4個のブレーキアクチュエータ
ー5FL,5FR,5RL,5RRに対応して4個の圧
力調整器6…を備えており、それぞれの圧力調整器6…
は電子制御ユニットUに接続されて前輪WFL,WFR
および後輪WRL,WRRに設けられたブレーキアクチ
ュエーター5FL,5FR,5RL,5RRの作動を個
別に制御する。従って、圧力調整器6…によって各ブレ
ーキアクチュエーター5FL,5FR,5RL,5RR
に伝達されるブレーキ油圧を独立に制御すれば、左右の
車輪の制動力の差に基づくヨーモーメントを発生させて
車両の挙動を制御できるだけでなく、制動時における車
輪のロックを抑制するアンチロックブレーキ制御を行う
ことができる。
【0031】電子制御ユニットUには、ステアリングホ
イール10の操舵角θを検出する操舵角センサSaと、
ステアリングホイール10に入力される操舵トルクTh
を検出する操舵トルクセンサSbと、前輪WFL,WF
Rおよび後輪WRL,WRRの回転数に基づいて車速V
を検出する車速センサScと、車両のヨーレートγを検
出するヨーレートセンサSdと、車両の横加速度Gyを
検出する横加速度センサSeとが接続される。電子制御
ユニットUは、前記各センサSa〜Seからの信号に基
づいて、油圧制御装置4を介して前輪WFL,WFRお
よび後輪WRL,WRRにそれぞれ設けられたブレーキ
アクチュエーター5FL,5FR,5RL,5RRの作
動を個別に制御する。
【0032】次に、上記構成を備えた本発明の実施例の
作用について説明する。
【0033】先ず、図4のメインルーチンのフローチャ
ートのステップS1で操舵角センサSa、操舵トルクセ
ンサSb、ヨーレートセンサSdおよび横加速度センサ
Seおよび車速センサScからそれぞれ操舵角θ、操舵
トルクTh、ヨーレートγ、横加速度Gyおよび車速V
を読み込み、続くステップS2で操舵角速度θv(=d
θ/dt)と、操舵角速度微分値dθv/dtと、操舵
トルク微分値dTh/dtとを算出する。
【0034】続くステップS3で路面摩擦係数μを推定
する。路面摩擦係数μの推定手法は種々存在するが、こ
こでは電動パワーステアリング装置を用いて路面摩擦係
数μを推定する。即ち、図6に示すように、電動パワー
ステアリング装置の特性は、ステアリングホイール10
の操舵角θが増加すると操舵トルクThが増加し、かつ
操舵角θが同じ場合には車速Vが増加するほど操舵トル
クThが減少するように設定されている。そして操舵角
θおよび車速Vが同じ場合でも、路面摩擦係数μが増加
すると操舵トルクThが増加するため、操舵角θ、車速
Vおよび操舵トルクThの関係を予めテーブルとして記
憶しておけば、路面摩擦係数μを推定することができ
る。
【0035】続くステップS4で路面摩擦係数μおよび
車速Vに基づいて、ドライバーのステアリング操作のブ
レーキによるアシスト制御を開始する操舵角速度θvの
閾値θvref、操舵角速度微分値dθv/dtの閾値
(dθv/dt)ref、操舵トルクThの閾値Thr
efおよび操舵トルク微分値dTh/dtの閾値(dT
h/dt)refを設定する。
【0036】図10(A)に示すように、操舵トルクT
hの閾値Threfと、操舵トルク微分値dTh/dt
の閾値(dTh/dt)refとは、路面摩擦係数μの
増加に応じて増加するように設定されており、これによ
り車両の旋回制御が比較的に困難な低摩擦係数の路面に
おいて、ドライバーが障害物を回避しようとする意志を
早めに判定し、車輪の制動力の制御を早めに行わせるこ
とができる。また図10(B)に示すように、操舵トル
クThの閾値Threfと、操舵トルク微分値dTh/
dtの閾値(dTh/dt)refとは、車速Vの増加
に応じて減少するように設定されており、これにより車
両の旋回制御が比較的に困難な高速走行時において、車
輪の制動力の制御を早めに行わせることができる。
【0037】尚、本実施例では操舵角速度θvの閾値θ
vrefおよび操舵角速度微分値dθv/dtの閾値
(dθv/dt)vrefは、車速Vおよび路面摩擦係
数μによらない固定値としている。
【0038】続くステップS5でドライバーのステアリ
ング操作が障害物を回避するための緊急回避操作である
か否かを判定する。本実施例では、 θv>θvref dθv/dt>(dθv/dt)ref Th>Thref dTh/dt>(dTh/dt)ref の4つの条件が全て成立したときに緊急回避操作が行わ
れたと判定しているが、4つの条件のうちの何れかが成
立したときに緊急回避操作が行われたと判定しても良
い。
【0039】前記ステップS5で緊急回避操作が判定さ
れると、ステップS6で油圧制御装置4によるブレーキ
アクチュエーター5FL,5FR,5RL,5RRの制
御を実行し、前記ステップS5で緊急回避操作が判定さ
れなければ、ステップS7で油圧制御装置4によるブレ
ーキアクチュエーター5FL,5FR,5RL,5RR
の制御を実行しない。
【0040】次に、図5のフローチャートに基づいてブ
レーキアクチュエーター制御ルーチンのフローチャート
を説明する。
【0041】ステップS11で操舵角センサSa、操舵
トルクセンサSb、ヨーレートセンサSdおよび横加速
度センサSeおよび車速センサScからそれぞれ操舵角
θ、操舵トルクTh、ヨーレートγ、横加速度Gyおよ
び車速Vを読み込み、操舵角速度θvを算出する。尚、
図7に示すように、操舵角θの符号は、ステアリングホ
イール10を右方向に操作したときが正であり、左方向
に操作したときが負である。
【0042】続くステップS12で目標ヨーレートγt
を算出する。目標ヨーレートγtの算出には種々の手法
が存在するが、ここでは操舵角θにステアリングギヤレ
シオを乗算してタイヤの転舵角を求め、このタイヤの転
舵角と、車速Vと、スタビリティファクターとにより目
標ヨーレートγtを算出する。続くステップS13で実
際のヨーレートγと目標ヨーレートγtとの偏差が所定
の閾値以下の状態が所定時間継続して緊急回避操作が終
了したと判定された場合には、ステップS14でブレー
キアクチュエーター5FL,5FR,5RL,5RRの
制御を終了する。
【0043】前記ステップS13で実際のヨーレートγ
と目標ヨーレートγtとの偏差が所定の閾値を越えてお
り、緊急回避操作の最中である場合には、ステップS1
5で操舵角θの今回値から前回値を減算して操舵角変化
を算出し、その操舵角変化が負(0を含む)であれば、
つまりステアリングホイール10が左側に回転していれ
ば、ステップS16で操舵角速度θvの今回値から前回
値を減算して操舵角速度変化を算出する。そして操舵角
速度変化が正であり、ステアリングホイール10が左側
への回転速度が減少していれば、ステップS17で右向
きのヨーモーメントを発生させるべく右前輪WFRおよ
び右後輪WRRのブレーキアクチュエーター5FR,5
RRを作動させる。
【0044】前記ステップS16で操舵角速度変化が負
であり、ステアリングホイール10が左側への回転速度
が増加していれば、ステップS18で左向きのヨーモー
メントを発生させるべく左前輪WFLおよび左後輪WR
Fのブレーキアクチュエーター5FL,5RLを作動さ
せる。
【0045】前記ステップS15で操舵角変化が正(0
を含む)であれば、つまりステアリングホイール10が
右側に回転していれば、ステップS19で操舵角速度θ
vの今回値から前回値を減算して操舵角速度変化を算出
する。そして操舵角速度変化が正であり、ステアリング
ホイール10が右側への回転速度が増加していれば、ス
テップS20で右向きのヨーモーメントを発生させるべ
く右前輪WFRおよび右後輪WRRのブレーキアクチュ
エーター5FR,5RRを作動させる。一方、前記ステ
ップS19で操舵角速度変化が負(0を含む)であり、
ステアリングホイール10が右側への回転速度が減少し
ていれば、ステップS21で左向きのヨーモーメントを
発生させるべく左前輪WFLおよび左後輪WRFのブレ
ーキアクチュエーター5FL,5RLを作動させる。
【0046】上記作用を図8および図9のタイムチャー
トを用いて更に説明する。
【0047】先ず図8に示す右操舵による右レーンチェ
ンジでの障害物回避の場合、つまりドライバーが前方に
発見した障害物を回避すべくステアリングホイール10
を右方向に操作した後に、新たな右車線に進入すべくス
テアリングホイール10を左方向に操作してレーンチェ
ンジを行う場合について説明する。この場合、操舵角θ
の方向は当初は右方向(プラス方向)であり、その後に
左方向(マイナス方向)に変化する。
【0048】時刻t1でドライバーがステアリングホイ
ール10をニュートラル位置から右方向に切り始め、実
線で示す操舵角θが0から二次関数的(下に凸な放物線
状)に増加すると、破線で示す操舵角速度θvは0から
リニアに増加し、鎖線で示す操舵角速度微分値dθv/
dtは正の一定値になる。
【0049】時刻t2でドライバーがステアリングホイ
ール10を戻そうとする意志を持つと、実線で示す操舵
角θは二次関数的(上に凸な放物線状)に増加し、時刻
t3で操舵角θが最大値に達した後に減少し、時刻t4
に0になる。その間、破線で示す操舵角速度θvは正値
から0を通り越して負値へとリニアに減少し、鎖線で示
す操舵角速度微分値dθv/dtは負の一定値になる。
時刻t4を越えると実線で示す操舵角θは0から二次関
数的(下に凸な放物線状)に減少し、破線で示す操舵角
速度θvは負値から0に向かってリニアに増加し、鎖線
で示す操舵角速度微分値dθv/dtは正の一定値にな
る。
【0050】さて、時刻t2でそれまで増加していた操
舵角速度θvが減少に転じるため、その時点でドライバ
ーがステアリングホイール10を戻そうとする意志を持
ったことを早めに判定することができる。その結果、時
刻t1において開始された操舵アシスト制御が、時刻t
2において旋回安定化制御に切り換えられる。
【0051】時刻t2でそれまで増加していた操舵角速
度θvが減少に転じたことに基づいて、ドライバーがス
テアリングホイール10を戻そうとする意志を判定する
代わりに、操舵角θの符号および操舵角速度微分値dθ
v/dtの符号を用いて前記判定を行うことができる。
即ち、時刻t1から時刻t2までの期間では操舵角θの
符号および操舵角速度微分値dθv/dtの符号が共に
正であるが、時刻t2を越えると操舵角θの符号が正で
あるのに操舵角速度微分値dθv/dtの符号が負にな
り、両者が一致しなくなる。従って、操舵角θの符号お
よび操舵角速度微分値dθv/dtの符号が、時刻t2
で一致から不一致に変化したことをもって、ドライバー
がステアリングホイール10を戻そうとする意志を持っ
たと判定することができる。
【0052】図8において、時刻t1,t2,t3,t
4によって4つの領域a〜dを設定すると、図5のフロ
ーチャートのステップS15の答えは領域a,bでNO
になって領域c,dでYESになる。そしてステップS
19の答えは領域aでYESになって領域bでNOにな
り、またステップS16の答えは領域cでYESになっ
て領域dでNOになる。従って、領域a(ステップS2
0)では右前輪WFRおよび右後輪WRRに制動力を発
生させ、領域b(ステップS21)では左前輪WFLお
よび左後輪WRFに制動力を発生させ、領域c(ステッ
プS18)では左前輪WFLおよび左後輪WRFに制動
力を発生させ、領域d(ステップS17)では右前輪W
FRおよび右後輪WRRに制動力を発生させる。
【0053】次に、図9に示す左操舵による左レーンチ
ェンジでの障害物回避の場合、つまりドライバーが前方
に発見した障害物を回避すべくステアリングホイール1
0を左方向に操作した後に、新たな左車線に進入すべく
ステアリングホイール10を右方向に操作してレーンチ
ェンジを行う場合について説明する。この場合、操舵角
θの方向は当初は左方向(マイナス方向)であり、その
後に右方向(プラス方向)に変化する。
【0054】時刻t1でドライバーがステアリングホイ
ール10をニュートラル位置から左方向に切り始め、実
線で示す操舵角θが0から二次関数的(上に凸な放物線
状)に減少すると、破線で示す操舵角速度θvは0から
リニアに減少し、鎖線で示す操舵角速度微分値dθv/
dtは負の一定値になる。
【0055】時刻t2でドライバーがステアリングホイ
ール10を戻そうとする意志を持つと、実線で示す操舵
角θは二次関数的(下に凸な放物線状)に減少し、時刻
t3で操舵角θが最小値に達した後に増加し、時刻t4
に0になる。その間、破線で示す操舵角速度θvは負値
から.0通り越して正値へとリニアに増加し、鎖線で示
す操舵角速度微分値dθv/dtは正の一定値になる。
時刻t4を越えると実線で示す操舵角θは0から二次関
数的(上に凸な放物線状)に増加し、破線で示す操舵角
速度θvは正値から0に向かってリニアに減少し、鎖線
で示す操舵角速度微分値dθv/dtは負の一定値にな
る。
【0056】時刻t2でそれまで減少していた操舵角速
度θvが増加に転じるため、その時点でドライバーがス
テアリングホイール10を戻そうとする意志を持ったこ
とを早めに判定することができる。その結果、時刻t1
において開始された操舵アシスト制御が、時刻t2にお
いて旋回安定化制御に切り換えられる。
【0057】時刻t2でそれまで減少していた操舵角速
度θvが増加に転じたことに基づいて、ドライバーがス
テアリングホイール10を戻そうとする意志を判定する
代わりに、操舵角θの符号および操舵角速度微分値dθ
v/dtの符号を用いて前記判定を行うことができる。
即ち、時刻t1から時刻t2までの期間では操舵角θの
符号および操舵角速度微分値dθv/dtの符号が共に
負であるが、時刻t2を越えると操舵角θの符号が負で
あるのに操舵角速度微分値dθv/dtの符号が正にな
り、両者が一致しなくなる。従って、操舵角θの符号お
よび操舵角速度微分値dθv/dtの符号が、時刻t2
で一致から不一致に変化したことをもって、ドライバー
がステアリングホイール10を戻そうとする意志を持っ
たと判定することができる。
【0058】図9において、操舵角θ、操舵角速度θv
および操舵角速度微分値dθv/dtの符号に応じて4
つの領域a〜dを設定すると、図5のフローチャートの
ステップS15の答えは領域a,bでYESになって領
域c,dでNOになる。そしてステップS16の答えは
領域aでYESになって領域bでNOになり、またステ
ップS19の答えは領域cでYESになって領域dでN
Oになる。従って、領域a(ステップS18)では左前
輪WFLおよび左後輪WRLに制動力を発生させ、領域
b(ステップS17)では右前輪WFRおよび右後輪W
RRに制動力を発生させ、領域c(ステップS20)で
は右前輪WFRおよび右後輪WRRに制動力を発生さ
せ、領域d(ステップS21)では左前輪WFLおよび
左後輪WRLに制動力を発生させる。
【0059】以上のようにして左右一方の車輪に制動力
を発生させて操舵アシスト制御あるいは旋回安定化制御
を行うとき、その制動力の大きさは車両の運転状態等に
応じて変更される。
【0060】即ち、図11(A)に示すように、路面摩
擦係数μが増加するに伴って、操舵アシスト制御および
旋回安定化制御の両方の制動力を増加させることによ
り、車輪をスリップさせることなく最大限の制動力を発
生させて操舵アシスト制御および旋回安定化制御を効果
的に行わせることができる。
【0061】また図11(B)に示すように、車速Vが
増加するに伴って、操舵アシスト制御および旋回安定化
制御の両方の制動力を減少させることにより、高速走行
時に強い制動力が作用して車両の挙動が乱れるのを防止
することができる。
【0062】また図11(C)に示すように、目標ヨー
レートγtおよび実際のヨーレートγの偏差が増加する
に伴って、操舵アシスト制御時に旋回方向内側の車輪に
発生させる制動力を増加させるので、操舵アシスト制御
を効果的に行わせることができる。
【0063】また図11(D)に示すように、操舵角速
度θvの絶対値の減少率の増加に応じて、つまりドライ
バーがステアリングホイール10を戻そうとする意志の
大きさに応じて、旋回安定化制御時に旋回方向外側の車
輪に発生させる制動力を増加させるので、旋回安定化制
御を効果的に行わせることができる。
【0064】而して、操舵角速度θvの絶対値が増加か
ら減少に転じた瞬間に、あるいは操舵角θの符号および
操舵角速度微分値dθv/dtの符号が一致から不一致
に変化した瞬間に、ドライバーがステアリングホイール
10を戻そうとする意志を判定するので、旋回方向内側
の車輪の制動から旋回方向外側の車輪の制動への切り換
え、つまり操舵アシスト制御から旋回安定化制御への切
り換えタイミングを早めることが可能となり、レーンチ
ェンジ操作の後半における車両挙動を安定させることが
できる。
【0065】次に、図12のフローチャートに基づいて
本発明の第2実施例を説明する。
【0066】第1実施例を示す図5のフローチャートと
比較すると明らかなように、第2実施例のステップS1
1′は、操舵角速度微分値dθv/dtを予め算出する
点で第1実施例のステップS11と異なっている。続く
ステップS12〜S14は第1、第2実施例で共通であ
り、それに続く第2実施例のステップS22で操舵角θ
の符号と操舵角速度微分値dθv/dtの符号とが一致
しているか否かを判定する。そして両符号が一致してい
れば、ステップS23で操舵角θの方向と同じ側の車輪
に制動力を発生させて操舵アシスト制御を実行し、両符
号が一致していなければ、ステップS24で操舵角θの
方向と反対側の車輪に制動力を発生させて旋回安定化制
御を実行する。
【0067】上記制動力の方向は、図8および図9のス
テップS22の欄にも記載されている。
【0068】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0069】例えば、横加速度センサSeで検出した横
加速度Gyに基づいて車両にスピンや横滑りが発生した
と判定された場合には、操舵アシスト制御を強制的に中
止して旋回安定化制御に切り換えることにより、前記ス
ピンや横滑りを抑制することができる。
【0070】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、ドライバーがステアリングホイールを操作す
る操舵角速度の絶対値が増加から減少に転じた瞬間にド
ライバーがステアリングホイールを戻そうとする意志を
判定し、旋回方向内側の車輪の制動から旋回方向外側の
車輪の制動への切り換えを行うので、操舵アシスト制御
から旋回安定化制御への切り換えタイミングを早めるこ
とが可能となり、レーンチェンジ操作の後半における車
両挙動を安定させることができる。
【0071】また請求項2に記載された発明によれば、
操舵角の符号および操舵角速度微分値の符号が一致から
不一致に変化した瞬間、即ちドライバーがステアリング
ホイールを操作する操舵角速度の絶対値が増加から減少
に転じた瞬間にドライバーがステアリングホイールを戻
そうとする意志を判定し、旋回方向内側の車輪の制動か
ら旋回方向外側の車輪の制動への切り換えを行うので、
操舵アシスト制御から旋回安定化制御への切り換えタイ
ミングを早めることが可能となり、レーンチェンジ操作
の後半における車両挙動を安定させることができる。
【0072】また請求項3に記載された発明によれば、
操舵角速度の絶対値あるいは操舵角速度微分値の絶対値
が閾値以上になると、ドライバーが障害物を回避しよう
とする意志を有すると判定して左右の車輪の制動力を制
御するので、緊急時に的確なレーンチェンジを行って障
害物を確実に回避することができる。
【0073】また請求項4に記載された発明によれば、
操舵トルクの絶対値あるいは操舵トルク微分値の絶対値
が閾値以上になると、ドライバーが障害物を回避しよう
とする意志を有すると判定して左右の車輪の制動力を制
御するので、緊急時に的確なレーンチェンジを行って障
害物を確実に回避することができる。
【0074】また請求項5に記載された発明によれば、
路面摩擦係数の増加に応じてドライバーが障害物を回避
しようとする意志を判定する操舵トルクの絶対値の閾値
あるいは操舵トルク微分値の絶対値の閾値を増加させる
ので、車両の旋回制御が比較的に困難な低摩擦係数の路
面において、車輪の制動力の制御を早めに行わせること
ができる。
【0075】また請求項6に記載された発明によれば、
車速の増加に応じてドライバーが障害物を回避しようと
する意志を判定する操舵トルクの絶対値の閾値あるいは
操舵トルク微分値の絶対値の閾値を減少させるので、車
両の旋回制御が比較的に困難な高速走行時において、車
輪の制動力の制御を早めに行わせることができる。
【0076】また請求項7に記載された発明によれば、
路面摩擦係数の増加に応じて車輪に発生させる制動力を
増加させるので、車輪をスリップさせることなく最大限
の制動力を発生させて操舵アシスト制御および旋回安定
化制御を効果的に行わせることができる。
【0077】また請求項8に記載された発明によれば、
車速の増加に応じて車輪に発生させる制動力を減少させ
るので、高速走行時に強い制動力が作用して車両の挙動
が乱れるのを防止することができる。
【0078】また請求項9に記載された発明によれば、
ヨーレートおよび目標ヨーレートの偏差の絶対値の増加
に応じて旋回方向内側の車輪に発生させる制動力を増加
させるので、操舵アシスト制御を効果的に行わせること
ができる。
【0079】また請求項10に記載された発明によれ
ば、操舵角速度の絶対値の減少率の増加に応じて、つま
りドライバーがステアリングホイールを戻そうとする意
志の大きさに応じて旋回方向外側の車輪に発生させる制
動力を増加させるので、旋回安定化制御を効果的に行わ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】運動制御装置を備えた車両の全体構成を示す図
【図2】車両の制動系統の構成を示す図
【図3】クレーム対応図
【図4】メインルーチンのフローチャート
【図5】ブレーキアクチュエーター制御ルーチンのフロ
ーチャート
【図6】操舵角、操舵トルクおよび車速から路面摩擦係
数を検索するマップを示す図
【図7】操舵方向と操舵角の符号との関係を示す図
【図8】右操舵で障害物を回避する場合の制動力制御を
説明する図
【図9】左操舵で障害物を回避する場合の制動力制御を
説明する図
【図10】操舵トルクの閾値および操舵トルク微分値の
閾値の変化を示す図
【図11】制動力発生量の変化を示す図
【図12】本発明の第2実施例に係るブレーキアクチュ
エーター制御ルーチンのフローチャート
【符号の説明】 10 ステアリングホイール M1 制動制御手段 M2 緊急障害物回避意志判定手段 M3 路面摩擦係数推定手段 M4 目標ヨーレート算出手段 Sa 操舵角センサ Sb 操舵トルクセンサ Sc 車速センサ Sd ヨーレートセンサ Th 操舵トルク V 車速 WFL 左前輪(車輪) WFR 右前輪(車輪) WRL 左後輪(車輪) WRR 右後輪(車輪) dθv/dt 操舵角速度微分値 dTh/dt 操舵トルク微分値 θ 操舵角 θv 操舵角速度 μ 路面摩擦係数 γ ヨーレート γt 目標ヨーレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 DA03 DA15 DA23 DA33 DA82 DC03 FF01 3D046 BB21 BB23 BB28 BB32 HH08 HH21 HH22 HH25 HH46 JJ02 KK07 LL10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵角センサ(Sa)で検出したステア
    リングホイール(10)の操舵角(θ)から算出した操
    舵角速度(θv)に基づいて、左右の車輪(WFL,W
    FR,WRL,WRR)の制動力をドライバーの制動操
    作から独立して制御する制動制御手段(M1)を備え、 制動制御手段(M1)は、操舵開始後に操舵角速度(θ
    v)の絶対値が増加から減少に転じる前は旋回方向内側
    の車輪(WFL,WFR,WRL,WRR)に制動力を
    発生させ、操舵角速度(θv)の絶対値が増加から減少
    に転じた後は旋回方向外側の車輪(WFL,WFR,W
    RL,WRR)に制動力を発生させることを特徴とする
    車両の運動制御装置。
  2. 【請求項2】 操舵角センサ(Sa)で検出したステア
    リングホイール(10)の操舵角(θ)と、この操舵角
    (θ)から算出した操舵角速度微分値(dθv/dt)
    とに基づいて、左右の車輪(WFL,WFR,WRL,
    WRR)の制動力をドライバーの制動操作から独立して
    制御する制動制御手段(M1)を備え、 制動制御手段(M1)は、操舵開始後に操舵角(θ)の
    符号および操舵角速度微分値(dθv/dt)の符号が
    一致している間は旋回方向内側の車輪(WFL,WF
    R,WRL,WRR)に制動力を発生させ、操舵角
    (θ)の符号および操舵角速度微分値(dθv/dt)
    の符号が不一致になると旋回方向外側の車輪(WFL,
    WFR,WRL,WRR)に制動力を発生させることを
    特徴とする車両の運動制御装置。
  3. 【請求項3】 操舵角速度(θv)の絶対値および操舵
    角速度微分値(dθv/dt)の絶対値の少なくとも一
    方が閾値以上の場合にドライバーが障害物を回避しよう
    とする意志を有すると判定する緊急障害物回避意志判定
    手段(M2)を備え、緊急障害物回避意志判定手段(M
    2)がドライバーの前記意志を判定したときに、制動制
    御手段(M1)は車輪(WFL,WFR,WRL,WR
    R)の制動力を制御することを特徴とする、請求項1ま
    たは請求項2に記載の車両の運動制御装置。
  4. 【請求項4】 操舵トルクセンサ(Sb)で検出したス
    テアリングホイール(10)の操舵トルク(Th)の絶
    対値および操舵トルク微分値(dTh/dt)の絶対値
    の少なくとも一方が閾値以上の場合にドライバーが障害
    物を回避しようとする意志を有すると判定する緊急障害
    物回避意志判定手段(M2)を備え、緊急障害物回避意
    志判定手段(M2)がドライバーの前記意志を判定した
    ときに、制動制御手段(M1)は車輪(WFL,WF
    R,WRL,WRR)の制動力を制御することを特徴と
    する、請求項1または請求項2に記載の車両の運動制御
    装置。
  5. 【請求項5】 路面摩擦係数(μ)を推定する路面摩擦
    係数推定手段(M3)を備え、緊急障害物回避意志判定
    手段(M2)は路面摩擦係数(μ)の増加に応じて前記
    操舵トルク(Th)の絶対値の閾値あるいは前記操舵ト
    ルク微分値(dTh/dt)の絶対値の閾値を増加させ
    ることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の
    車両の運動制御装置。
  6. 【請求項6】 緊急障害物回避意志判定手段(M2)
    は、車速センサ(Sc)で検出した車速(V)の増加に
    応じて前記操舵トルク(Th)の絶対値の閾値あるいは
    前記操舵トルク微分値(dTh/dt)の絶対値の閾値
    を減少させることを特徴とする、請求項3または請求項
    4に記載の車両の運動制御装置。
  7. 【請求項7】 路面摩擦係数(μ)を推定する路面摩擦
    係数推定手段(M3)を備え、制動制御手段(M1)は
    路面摩擦係数(μ)の増加に応じて車輪(WFL,WF
    R,WRL,WRR)に発生させる制動力を増加させる
    ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車
    両の運動制御装置。
  8. 【請求項8】 制動制御手段(M1)は、車速センサ
    (Sc)で検出した車速(V)の増加に応じて車輪(W
    FL,WFR,WRL,WRR)に発生させる制動力を
    減少させることを特徴とする、請求項1または請求項2
    に記載の車両の運動制御装置。
  9. 【請求項9】 制動制御手段(M1)は、ヨーレートセ
    ンサ(Sd)で検出した車両のヨーレート(γ)と、目
    標ヨーレート算出手段(M4)で算出した車両の目標ヨ
    ーレート(γt)とを比較し、ヨーレート(γ)および
    目標ヨーレート(γt)の偏差の絶対値の増加に応じて
    旋回方向内側の車輪(WFL,WFR,WRL,WR
    R)に発生させる制動力を増加させることを特徴とす
    る、請求項1または請求項2に記載の車両の運動制御装
    置。
  10. 【請求項10】 操舵角(θ)から算出した操舵角速度
    (θv)の絶対値の減少率の増加に応じて、制動制御手
    段(M1)は旋回方向外側の車輪(WFL,WFR,W
    RL,WRR)に発生させる制動力を増加させることを
    特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両の運
    動制御装置。
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