JP4414274B2 - 車両操作支援装置 - Google Patents

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本発明は、車両が障害物を回避する回避操作を支援する車両操作支援装置に関する。
レーダー装置で検知した自車と障害物との距離および相対速度に基づいて自車が障害物に衝突する可能性を判定し、衝突可能性があると判定された場合に自動的にブレーキ装置を作動させる自動ブレーキ制御装置において、ブレーキ装置による制動力だけでは衝突を回避できないと判定され、かつドライバーのステアリング操作が検知された場合に、左右の車輪の制動力を個別に制御してヨーモーメントを発生させることで車両の回頭性を高めて衝突を回避するものが、下記特許文献1により公知である。
またレーダー装置が自車前方の障害物を検知すると自動制動を行って衝突を回避する自動制動制御装置において、衝突を回避しようとしてドライバーがステアリング操作を行うと、ステアリング操作量に基づいて障害物を回避し得る能力を示す操舵回避能力を算出し、この操舵回避能力に応じて自動制動の制動力の大きさを制御することで、ステアリング操作による障害物の回避能力を有効に確保するものが、下記特許文献2により公知である。
特開平7−21500号公報 特開平10−138894号公報
ところで上記従来のものは、ドライバーが障害物を回避するための操作を行ったことを、ドライバーがステアリングハンドルに入力する操舵角に基づいて、あるいは操舵角および操舵角速度の両方に基づいて判定しているが、障害物を回避する際にステアリング操作以外にブレーキ操作が行われることもあるため、ドライバーがステアリングハンドルに入力する操舵角や操舵角速度だけでドライバーの障害物回避操作を的確に判定することは困難であった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両操作支援装置でドライバーによる障害物に対する回避操作を支援する際に、前記回避操作が行われたことを的確に判定できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、自車前方の障害物を検知する障害物検知手段と、ドライバーによる障害物の回避操作の開始を判定する回避操作判定手段と、障害物検知手段の出力に基づいて障害物を回避するのに必要な回避運動量を算出する回避運動量算出手段と、回避運動量算出手段で算出した回避運動量に基づいて車両の横運動を制御する車両運動制御手段とを備え、回避操作判定手段により前記ドライバーによる障害物の回避操作が開始されたと判定されたときに、該回避操作を支援すべく前記車両運動制御手段を作動させるようにした車両操作支援装置であって、車両が障害物に衝突するまでの衝突余裕時間を算出する衝突余裕時間算出手段を備え、前記回避操作判定手段は、前記衝突余裕時間算出手段で算出された衝突余裕時間が所定値以上の場合は、ドライバーのブレーキ操作を検知するブレーキ操作センサおよびドライバーのステアリング操作を検知するステアリング操作センサの両方の出力に基づいて前記ドライバーによる障害物の回避操作の開始を判定し、前記衝突余裕時間が所定値未満の場合はステアリング操作センサだけの出力に基づいて前記ドライバーによる障害物の回避操作の開始を判定することを特徴とする車両操作支援装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記回避操作により車両が障害物と衝突する可能性が無くなったことを判定する復帰操作判定手段を更に備え、復帰操作判定手段により車両が障害物と衝突する可能性が無くなったことが判定されたときに、該ドライバーの復帰操作を支援すべく前記車両運動制御手段を作動させるようにしたことを特徴とする車両操作支援装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、車両が障害物と衝突する可能性が無くなったことを前記復帰操作判定手段が判定する条件は、車両の中心線に対する障害物の中心のずれであるオフセット距離が、車両が障害物を回避するのに必要な車両の目標横移動距離よりも大きくなったとき、又は前記衝突余裕時間が所定値未満となったとき、又は障害物を検知する検知装置が障害物をロストしたときのいずれかであることを特徴とする車両操作支援装置が提案される。
尚、実施例のアシストヨーレート算出手段M8は本発明の回避運動量算出手段に対応し、実施例の第1レーダー装置Saは本発明の障害物検知手段に対応し、実施例の実TTC算出手段M2は本発明の衝突余裕時間算出手段に対応し、実施例の操舵センサScは本発明のステアリング操作センサに対応し、実施例の第1レーダー装置Saは本発明の検知装置に対応する。
請求項1の構成によれば、障害物検知手段による障害物の検知結果に基づいて回避運動量算出手段が障害物を回避するのに必要な回避運動量を算出し、回避操作判定手段がドライバーによる障害物の回避操作開始されたことを判定すると、車両運動制御手段が回避運動量算出手段で算出した回避運動量に基づいて車両の横運動を制御し、該回避操作を支援する。その際に、回避操作判定手段が車両が障害物に衝突するまでの衝突余裕時間に応じて回避操作の開始を判定する判定基準を持ち替え、衝突余裕時間算出手段で算出された衝突余裕時間が所定値以上の場合は、ドライバーのブレーキ操作を検知するブレーキ操作センサおよびドライバーのステアリング操作を検知するステアリング操作センサの両方の出力に基づいて前記ドライバーによる障害物の回避操作の開始を判定し、前記衝突余裕時間が所定値未満の場合はステアリング操作センサだけの出力に基づいて前記ドライバーによる障害物の回避操作の開始を判定するので、障害物との衝突を回避する際のドライバーの一般的な習性に基づく的確な判定が可能になる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1は操作支援装置を搭載した自動車の全体構成を示す図、図2は制動装置の構成を示すブロック図、図3は操舵装置の構成を示す図、図4は操作支援装置の制御系のブロック図、図5はオフセット距離および目標横移動距離とアシスト横加速度との関係を示すグラフ、図6は規範ヨーレートとアシストヨーレートとを示すグラフである。
図1および図2に示すように、本実施例の操作支援装置を搭載した四輪の車両は、エンジンEの駆動力がトランスミッションTを介して伝達される駆動輪たる左右の前輪WFL,WFRと、車両の走行に伴って回転する従動輪たる左右の後輪WRL,WRRとを備える。ドライバーにより操作されるブレーキペダル1は、本発明の制動装置の一部を構成する電子制御負圧ブースタ2を介してマスタシリンダ3に接続される。電子制御負圧ブースタ2は、ブレーキペダル1の踏力を機械的に倍力してマスタシリンダ3を作動させるとともに、自動制動時にはブレーキペダル1の操作によらずに電子制御ユニットUからの制動指令信号によりマスタシリンダ3を作動させる。ブレーキペダル1に踏力が入力され、かつ電子制御ユニットUから制動指令信号が入力された場合、電子制御負圧ブースタ2は両者のうちの何れか大きい方に合わせてブレーキ油圧を出力させる。尚、電子制御負圧ブースタ2の入力ロッドはロストモーション機構を介してブレーキペダル1に接続されており、電子制御負圧ブースタ2が電子制御ユニットUからの信号により作動して前記入力ロッドが前方に移動しても、ブレーキペダル1は初期位置に留まるようになっている。
マスタシリンダ3の一対の出力ポート3a,3bは本発明の制動装置の一部を構成する油圧制御装置4を介して前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRにそれぞれ設けられたブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに接続される。油圧制御装置4は4個のブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに対応して4個の圧力調整器6…を備えており、それぞれの圧力調整器6…は電子制御ユニットUに接続されて前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRに設けられたブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRの作動を個別に制御する。
従って、車両の旋回時に圧力調整器6…によって各ブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに伝達されるブレーキ油圧を独立に制御すれば、左右の車輪の制動力に差を発生させて車両のヨーモーメントを任意に制御し、旋回時の車両挙動を安定させることができる。また制動時に各ブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに伝達されるブレーキ油圧を独立に制御すれば、車輪のロックを抑制するアンチロックブレーキ制御を行うことができる。
図3は車両の操舵装置10の構造を示すもので、ステアリングホイール11の回転はステアリングシャフト12、連結軸13およびピニオン14を介してラック15に伝達され、更にラック15の往復動が左右のタイロッド16,16を介して左右の前輪WFL,WFRに伝達される。操舵装置10に設けられたパワーステアリング装置17は、ステアリングアクチュエータ18の出力軸に設けた駆動ギヤ19と、この駆動ギヤ19に噛み合う従動ギヤ20と、この従動ギヤ20と一体のスクリューシャフト21と、このスクリューシャフト21に噛み合うとともに前記ラック15に連結されたナット22とを備える。従って、ステアリングアクチュエータ18を駆動すれば、その駆動力を駆動ギヤ19、従動ギヤ20、スクリューシャフト21、ナット22、ラック15および左右のタイロッド16,16を介して左右の前輪WFL,WFRに伝達することができる。
電子制御ユニットUには、車体前方に向けてミリ波等の電磁波を発信し、その反射波に基づいて障害物と自車との相対距離、障害物と自車との相対速度、障害物と自車との相対位置および障害物の大きさを検知する第1レーダー装置Saと、前輪WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRの回転数をそれぞれ検知する車輪速センサSb…と、ステアリングホイール11の操舵角δを検知する操舵角センサScと、車両のヨーレートγを検知するヨーレートセンサSdと、車両の横加速度YGを検知する横加速度センサSeと、ブレーキペダル1の操作を検知するブレーキ操作センサSfと、レーザー等の電磁波を発信し、その反射波に基づいて自車の周囲の近接車両等の障害物を検知する複数の第2レーダー装置Sg…とが接続される。
尚、ミリ波レーダーよりなる前記第1レーダー装置Saに代えてレーザーレーダーを採用することができ、またレーザーレーダーよりなる前記第2レーダー装置Sg…に代えてテレビカメラ等を採用することができる。
電子制御ユニットUは、第1レーダー装置Saおよび第2レーダー装置Sg…からの信号と、各センサSb…〜Sfからの信号とに基づいて、電子制御負圧ブースタ2、油圧制御装置4、ステアリングアクチュエータ18およびブザー、ランプ、チャイム、スピーカ等の警報手段7の作動を制御する。
図5に示すように、第1レーダー装置Saは、障害物Oと自車との相対速度および相対距離に加えて、障害物Oの横幅wと、自車の中心線に対する障害物Oの中心のずれ、つまりオフセット距離Doを検知する。
図4に示すように、電子制御ユニットUには、目標横移動距離算出手段M1と、実TTC算出手段M2(TTC:衝突余裕時間 time to collision )と、回避TTC算出手段M3と、微分手段M4と、回避操作判定手段M5と、復帰操作判定手段M6と、アシスト横加速度算出手段M7と、アシストヨーレート算出手段M8と、規範ヨーレート算出手段M9と、目標車両運動量設定手段M10と、実車両運動量算出手段M11と、車両運動制御手段M12とを備える。
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用を、主として図4を参照しながら説明する。
先ず、図5において、自車の前方に障害物Oが存在する場合、ステアリングホイール11を一方向に操作して障害物Oとの衝突を回避し、障害物Oとの衝突を回避した後にステアリングホイール11を他方向に操作して自車を元の経路に復帰させる。前者の操作を回避操作と呼び、後者の操作を復帰操作と呼ぶ。ドライバーの一般的な傾向として、回避操作でステアリングハンドル11の操作量が不足あるいは過大になり、かつ復帰操作でステアリングハンドル11の戻しが遅れるために戻し量が過大になるため、横滑りが発生してスピンに至る可能性がある。本実施例は、前記回避動作および復帰動作を制動力の制御およびパワーステアリング装置17の制御によりアシストすることで、障害物Oの回避をスムーズに行わせるものである。
そのために、目標横移動距離算出手段M1は、第1レーダー装置Saで検知した障害物Oの横幅wと、既知である自車の横幅Wと、所定のマージンαとにより、自車が障害物Oを回避するのに必要な目標横移動距離Dtを、
Dt=(w/2)+(W/2)+α
により算出する。自車と障害物Oとの衝突を回避するのが最も困難なのは、自車の中心線上に障害物Oの中心がある場合、つまり自車の真正面に障害物Oがある場合であり、このような場合でも自車が上記目標横移動距離Dtだけ横方向に移動すれば、マージンαに相当する余裕を残して障害物Oの横をすり抜けることができる(図5参照)。
実TTC算出手段M2は、自車の前後加速度が0であると見なした上で、第1レーダー装置Saで検知した障害物Oとの相対距離を相対速度で除算することにより、実TTCを算出する。実TTCは、自車が障害物Oに衝突するまでの実際の時間に対応する。
回避TTC算出手段M3は、後述する回避操作判定手段M5においてドライバーの衝突回避操作が行われたことを判定する際に使用する閾値である回避TTCを算出するもので、その回避TTCは車輪速センサSb…の出力から算出した自車の車速Vに応じて所定の範囲に設定される。
微分手段M4は、操舵角センサScで検知したステアリングホイール11の操舵角δを時間微分することで、操舵角速度dδ/dtを算出する。
回避操作判定手段M5は、ブレーキ操作センサSfで検知したドライバーによりブレーキペダル1の操作と、操舵角センサScで検知したドライバーのステアリングホイール11の操舵角δとに基づいて、ドライバーが障害物Oを回避するための操作を行ったか否かを判定するもので、その判定は実TTCが回避TTC以下になったときに開始される。ドライバーが障害物回避操作を行ったか否かの判定は、以下の二つの異なるモードで行われる。
第1のモードは実TTCが所定値以上の場合(つまり衝突までの時間的余裕が比較的に大きい場合)に対応し、この第1のモードではブレーキ操作センサSfがドライバーのブレーキ操作を検知し、かつ微分手段M4が出力する操舵角速度dδ/dtが所定値(例えば0.6rad/sec)以上であり、かつ操舵角センサScが出力する操舵角δが所定値(例えば6rad)以下のとき、即ちこれらの条件が全て揃ったときに、ドライバーが障害物Oを回避するための操作を行ったと判定する。
第2のモードは実TTCが所定値未満の場合(つまり衝突までの時間的余裕が比較的に小さい場合)に対応し、この第2のモードではブレーキ操作センサSfによるドライバーのブレーキ操作を検知を必要とせずに、微分手段M4が出力する操舵角速度dδ/dtが所定値(例えば0.6rad/sec)以上であり、かつ操舵角センサScが出力する操舵角δが所定値(例えば6rad)以下のときに、ドライバーのブレーキ操作に関わりなく、即ちドライバーのブレーキ操作が未だ行われていなくてもドライバーが障害物Oを回避するための操作を行ったと判定する。
ドライバーの一般的な習性として、衝突までに時間的余裕がある場合には先ずブレーキペダル1を踏んでからステアリングホイール11を操作し、衝突までに時間的余裕がない場合にはブレーキペダル1を踏む前に先ずステアリングホイール11を操作することが多いため、ドライバーの障害物回避操作を上述した二つのモードに分けて判定することで、その判定精度を高めることができる。
尚、ドライバーの障害物回避操作の方向は、操舵角センサScが出力する操舵角δの符号の正負により判断することができる。
復帰操作判定手段M6は、前半の回避操作から後半の復帰操作への移行を判定するもので、以下の第1の条件あるいは第2の条件が成立すると、回避操作により自車が障害物Oと衝突する可能性が殆どなくなったと判定し、自車の態勢を立て直すための復帰操作に移行させる。
第1の条件は、目標横移動距離算出手段M1で算出した目標横移動距離Dtと、第1レーダー装置Saで検知したオフセット距離Do(自車の中心線に対する障害物Oの中心のずれ)との距離差Dt−Doが0以下になったとき、つまりオフセット距離Doが目標横移動距離Dtよりも大きくなって自車が障害物Oに衝突する可能性がなくなった場合であり、この場合には負値になった前記距離差Dt−Doを0に設定する。
第2の条件は、実TTCが所定値未満になった場合、あるいは第1レーダー装置Saが障害物Oをロストした場合である。前者は実TTCが充分に小さくなったことで障害物Oを回避したものと推定される場合であり、後者は障害物Oが自車の中心線から横方向に充分にずれたために障害物Oを回避したものと推定される場合である。これらの場合には、距離差Dt−Doを0に向けて漸減させる。
尚、回避操作から復帰操作に移行すると、第1レーダー装置Saが出力する自車と障害物Oとの相対距離をホールドする。その理由は、障害物Oとの衝突の可能性がなくなった場合には、自車をそれ以上減速する必要がないからである。
アシスト横加速度算出手段M7は、図5に示すように、目標横移動距離Dtとオフセット距離Doとの距離差Dt−Doにゲインを乗算してアシスト横加速度を算出する。このアシスト横加速度は、障害物Oとの衝突を回避するために自車が発生する必要のある横加速度に相当する。
アシストヨーレート算出手段M8は、アシスト横加速度算出手段M7で算出したアシスト横加速度を、車輪速センサSb…の出力から算出した自車の車速Vで除算することで、アシスト横加速度をヨーレートに変換してアシストヨーレートを算出する。尚、アシストヨーレートの値が発散しないように、車速Vが0km/hの場合には1km/hに置き換える。またアシストヨーレート算出手段M8は、第2レーダー装置Sg…が自車周辺に他車両(特に側方あるいは後方の他車両)を検知した場合に、その他車両が自車と干渉する可能性が高いときほどアシストヨーレートの値を小さくなるように補正する。
規範ヨーレート算出手段M9は、操舵角センサScで検知した操舵角δと、車輪速センサSb…の出力から算出した自車の車速Vとに基づいて、規範ヨーレートを算出する。
目標車両運動量設定手段M10は、通常時は規範ヨーレート算出手段M9から入力される規範ヨーレートをそのまま出力するが、回避操作判定手段M5により回避操作が判定されてから復帰操作が終了するまでの間、規範ヨーレートをアシストヨーレート算出手段M8が出力するアシストヨーレートに持ち替えて出力する。そして復帰操作が終了すると、アシストヨーレートを持ち替え前の規範ヨーレートに徐々に移行させる。
実車両運動量算出手段S11は、ヨーレートセンサSdで検知したヨーレートγと、横加速度センサSeで検知した横加速度YGとを重み付けして加算することで実車両運動量D* を算出する。ディメンジョンが異なるヨーレートγと横加速度YGとは単純に加算できないため、横加速度センサSeで検知した横加速度YGを車速Vで除算してヨーレートに換算したものを、ヨーレートセンサSdで検知したヨーレートγに加算する。
D* =K1・(YG/V)+ K2・γ
ここで、K1およびK2は車両の状態に応じて変化するヨーレートγおよび横加速度YGの重み付け係数である。
即ち、回避操作判定手段M5が障害物Oを回避する回避操作の開始を判定すると、横加速度YGの重み付け係数K1(0≦K1≦1)を1に設定し、ヨーレートγの重み付け係数K2(0≦K2≦1)を0に設定する。つまり、障害物Oの回避操作中は、ヨーレートγを無視し、横加速度YGに基づいて実車両運動量D* を算出する。
また回避操作が終了して復帰操作判定手段M6が復帰操作の開始を判定すると、横加速度YGの重み付け係数K1を1から0に漸減するとともに、ヨーレートγの重み付け係数K2を0から1に漸増する。つまり、障害物Oの回避後の復帰操作中は、実車両運動量D* が横加速度YGを主体とするものからヨーレートγを主体とするものへと次第に変化する。
車両運動制御手段M12は、目標車両運動量設定手段M10が出力する規範ヨーレートと実車両運動量算出手段S11が出力する実車両運動量D* との偏差が0に収束するように、電子制御負圧ブースタ2、油圧制御装置4およびステアリングアクチュエータ18の作動をフィードバック制御する。その際に、回避操作判定手段M15が回避操作を判定してから復帰操作判定手段M16が復帰操作を判定するまでの間、つまり回避操作の期間中は電子制御負圧ブースタ2および油圧制御手段4を作動させて左車輪WFL,WRLの制動力および右車輪WFR,WRRの制動力に差を持たせることにより車両にヨーモーメントを発生させ、また復帰操作判定手段M16が復帰操作を判定した後、つまり復帰操作の期間中はステアリングアクチュエータ18を作動させて左右の前輪WFL,WFR,WRRに操舵トルクを付与することにより車両にヨーモーメントを発生させ、これにより修正後の規範ヨーレートと実車両運動量D* との偏差を0に収束させる。
以上のように、回避操作判定手段M5が障害物Oとの衝突を回避するための回避操作をドライバーが行ったと判定すると、電子制御負圧ブースタ2および油圧制御手段4を作動させて左右の車輪の制動力を個別に制御することで、目標横移動距離Dtとオフセット距離Doとの距離差Dt−Doに応じたヨーレートを発生させるので、ドライバーのステアリング操作の過不足(特にステアリング操作の遅れや不足)を補うようにアシストヨーレートを発生させ、障害物Oを確実に回避することができる(図6のa部参照)。また障害物Oの回避が確実になると、距離差Dt−Doの減少に応じてアシストヨーレートを速やかに減少させることで、車両挙動の乱れを最小限に抑えることができる(図6のb部参照)。
さて、障害物Oの回避操作においては、回避のためのアシストヨーレートを、パワーステアリング装置17ではなく、主として左右の車輪の制動力を個別に制御して車両のヨーレートを目標車両運動量設定手段M10が出力する規範ヨーレートに一致させるフィードバック制御により発生させる。このとき、前記車両のヨーレートは実車両運動量算出手段M11が出力する実車両運動量D* であり、かつ回避操作中における前記実車両運動量D* は、回避操作判定手段M5が横加速度YGの重み付け係数K1を1に設定し、ヨーレートγの重み付け係数K2を0に設定することにより、実質的に車両の横加速度YGになっている。従って、回避操作中には、車両の横加速度YGに換算されたヨーレートがアシストヨーレートに一致するようにフィードバック制御が行われることになる。
ところで、路面摩擦係数が小さい場合に、車両の実ヨーレートγをアシストヨーレートに一致させるべく左右の車輪の制動力を個別に制御すると、その実ヨーレートγがタイヤが路面をグリップした正常な旋回によるヨーレートとして発生せず、タイヤの横滑り角の変化によるヨーレート(車両の自転運動によるヨーレート)として発生してしまい、横滑り角が増加して最終的に車両のスピンに至る可能性がある。
それに対し、本実施例では前記フィードバック制御を行う際に、前記実ヨーレートγに代えて、実質的に車両の横加速度YGである実車両運動量D* を採用したことにより、車両の自転運動を抑制して所定の横加速度が発生する正常な旋回を維持し、車両がスピンに至るのを防止することができる。
そして、復帰操作判定手段M6が障害物Oの回避後の復帰操作処理の開始を判定すると、実車両運動量D* はその横加速度YGの成分が次第に減少してヨーレートγの成分が次第に増加するため、復帰操作が完了したときに実ヨーレートγを規範ヨーレートに一致させる通常のフィードバック制御にスムーズに移行することができる。
また復帰操作時には、一般にドライバーがステアリングホイール11を戻す量が過大になって車両挙動を乱す傾向があるが、本実施例では復帰操作時にアシストヨーレートを車輪の制動力ではなく、主としてパワーステアリング装置17のステアリングアクチュエータ18の制御により発生させるので、復帰操作時におけるドライバーの過剰なステアリング戻し操作を抑制して車両挙動の安定を図ることができる(図6のc部参照)。
またアシストヨーレート算出手段M8がアシストヨーレートを算出する際に、第2レーダー装置Sg…が自車の側方あるいは自車の後方に他車両を検知すると、その近接度合いに応じてアシストヨーレートを小さくするように補正するので、アシストヨーレートに基づく自動的な回避運動に基づく自車の横移動量を減少させて自車が他車両と接触するのを未然に回避することができる。
更に、自車の周囲に近接車両が存在するときに、回避操作判定手段M5がドライバーの衝突回避操作を判定すると、警報手段7を作動させてドライバーに警報を与えるとともに、操作支援装置による回避操作を禁止する。但し、障害物Oを回避した後の操作支援装置による復帰操作は通常どおりに実行する。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例では実車両運動量算出手段M11がヨーレートγおよび横加速度YGに基づいて実車両運動量D* を算出しているが、ヨーレートγだけに基づいて実車両運動量D* を算出しても良い。
また実施例の車両操作支援装置は回避操作および復帰操作の両方を支援するものであるが、本発明は回避操作だけを支援するものに対しても適用することができる。
操作支援装置を搭載した自動車の全体構成を示す図 制動装置の構成を示すブロック図 操舵装置の構成を示す図 操作支援装置の制御系のブロック図 オフセット距離および目標横移動距離とアシスト横加速度との関係を示すグラフ 規範ヨーレートとアシストヨーレートとを示すグラフ
符号の説明
Do オフセット距離
Dt 目標横移動距離
M2 衝突余裕時間算出手段
M5 回避操作判定手段
M6 復帰操作判定手段
M8 アシストヨーレート算出手段(回避運動量算出手段)
M12 車両運動制御手段
O 障害物
Sa 第1レーダー装置(検知装置
Sc 操舵センサ(ステアリング操作センサ)
Sf ブレーキ操作センサ

Claims (3)

  1. 車前方の障害物(O)を検知する障害物検知手段(Sa)と、
    ドライバーによる障害物(O)の回避操作の開始を判定する回避操作判定手段(M5)と、
    障害物検知手段(Sa)の出力に基づいて障害物(O)を回避するのに必要な回避運動量を算出する回避運動量算出手段(M8)と、
    回避運動量算出手段(M8)で算出した回避運動量に基づいて車両の横運動を制御する車両運動制御手段(M12)とを備え、
    回避操作判定手段(M5)により前記ドライバーによる障害物(O)の回避操作が開始されたと判定されたときに、該回避操作を支援すべく前記車両運動制御手段(M12)を作動させるようにした車両操作支援装置であって、
    車両が障害物(O)に衝突するまでの衝突余裕時間を算出する衝突余裕時間算出手段(M2)を備え、
    前記回避操作判定手段(M5)は、前記衝突余裕時間算出手段(M2)で算出された衝突余裕時間が所定値以上の場合は、ドライバーのブレーキ操作を検知するブレーキ操作センサ(Sf)およびドライバーのステアリング操作を検知するステアリング操作センサ(Sc)の両方の出力に基づいて前記ドライバーによる障害物(O)の回避操作の開始を判定し、前記衝突余裕時間が所定値未満の場合はステアリング操作センサ(Sc)だけの出力に基づいて前記ドライバーによる障害物(O)の回避操作の開始を判定することを特徴とする車両操作支援装置。
  2. 前記回避操作により車両が障害物(O)と衝突する可能性が無くなったことを判定する復帰操作判定手段(M6)を更に備え、
    復帰操作判定手段(M6)により車両が障害物(O)と衝突する可能性が無くなったことが判定されたときに、該ドライバーの復帰操作を支援すべく前記車両運動制御手段(M12)を作動させるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の車両操作支援装置。
  3. 車両が障害物(O)と衝突する可能性が無くなったことを前記復帰操作判定手段(M6)が判定する条件は、車両の中心線に対する障害物(O)の中心のずれであるオフセット距離(Do)が、車両が障害物(O)を回避するのに必要な車両の目標横移動距離(Dt)よりも大きくなったとき、又は前記衝突余裕時間が所定値未満となったとき、又は障害物(O)を検知する検知装置(Sa)が障害物(O)をロストしたときのいずれかであることを特徴とする、請求項2に記載の車両操作支援装置。
JP2004145303A 2004-05-14 2004-05-14 車両操作支援装置 Expired - Fee Related JP4414274B2 (ja)

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