JP2009101809A - 車両用運転支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、障害物との衝突を回避する際に、運転者のステアリング操作を補助する車両用運転支援装置において、微分項を加算することで回避操舵におけるステアリング操作の応答性を確実に高めつつも、その後の復帰操舵における横移動距離の不足を防いで、確実に障害物との衝突を回避することができる車両用運転支援装置を提供することを目的とする。
【解決手段】S11で、必要横移動量より車両が横移動するか否かを判定する。ここで、必要横移動量より車両が横移動しない場合(NO判定)には、そのまま操舵されると、横移動量不足で、障害物を回避できない可能性がある。そこで、S13に移行して、操舵アシストトルクを減少するように、操舵トルクアクチュエータを制御する。
【選択図】図3
【解決手段】S11で、必要横移動量より車両が横移動するか否かを判定する。ここで、必要横移動量より車両が横移動しない場合(NO判定)には、そのまま操舵されると、横移動量不足で、障害物を回避できない可能性がある。そこで、S13に移行して、操舵アシストトルクを減少するように、操舵トルクアクチュエータを制御する。
【選択図】図3
Description
この発明は、車両用運転支援装置に関し、特に、障害物との衝突を回避する運転者のステアリング操作を補助する車両用運転支援装置に関する。
従来より、車両用運転支援装置として、車両前方に障害物がある場合に、運転者のステアリング操作にアシスト力を付与すること等により、車両の衝突回避性能を高める車両用運転支援装置が知られている。
例えば、下記特許文献1では、衝突回避を行なう車両の運転支援装置において、障害物を発見して回避操舵を行なう場合には、車輪の制動装置を作動させて車両の横運動を制御して、その後、障害物を回避して復帰操舵を行なう場合には、パワーステアリング装置を作動させて車両の横運動を制御するものが知られている。
この運転支援装置によると、車輪の制動装置で回避操舵を補助することで、障害物を回避することができると共に、その後、パワーステアリング装置で復帰操舵を補助することで、車両挙動の安定を図ることができる。
この運転支援装置によると、車輪の制動装置で回避操舵を補助することで、障害物を回避することができると共に、その後、パワーステアリング装置で復帰操舵を補助することで、車両挙動の安定を図ることができる。
また、ハンドルとステアリングラックが機械的に連結されていない、いわゆるステア・バイ・ワイヤシステムの操舵装置において、微分項を加算してステアリング制御を行なうことで、応答性と追従性の両立を図る車両用操舵装置も、下記特許文献2で知られている。
ところで、障害物の発見が遅れた場合には、運転者が即座にハンドルを操作しても、車輪の舵角量が足りず、充分に車両の衝突回避を行なうことができないおそれがある。
この点、例えば、特許文献1の運転支援装置のように、車輪の制動装置によって車両の横運動を制御することが考えられるが、このように制動装置によって横運動を制御する場合には、車輪に前後方向の制動力が発生するため、タイヤのグリップ力が低下して充分に横運動を制御できない可能性も考えられる。
そこで、前述した特許文献1の操舵装置のように、ハンドルの操作量に対して微分項を加算することで、車輪の舵角量を大きくして確実に車両の横運動を制御することが考えられる。こうすることにより、制動力によってタイヤのグリップ力が奪われないため、確実に車両の横移動を制御することができ、障害物の発見が遅れた場合でも、十分に、障害物との衝突を回避できる。
しかし、このように、ハンドルの操作量に対して微分項を加算した場合には、運転手の操作に対して車輪の操舵角が過敏に反応することになるため、障害物を回避した後、復帰操舵を行なう場合に、運転手のイメージ以上に車輪が転舵されて、その結果、車両の横移動量が不足して、回避したはずの障害物と再度干渉するおそれがあった。
そこで、本発明は、障害物との衝突を回避する際に、運転者のステアリング操作を補助する車両用運転支援装置において、微分項を加算することで回避操舵におけるステアリング操作の応答性を確実に高めつつも、その後の復帰操舵における横移動距離の不足を防いで、確実に障害物との衝突を回避することができる車両用運転支援装置を提供することを目的とする。
この発明の車両用運転支援装置は、障害物との衝突を回避する際に、運転者のステアリング操作を補助する車両用運転支援装置において、緊急操舵時に、ハンドルの操舵角に微分項を加算して、操舵アクチュエータで車輪の舵角制御を行なう操舵制御手段と、障害物を検出して、該障害物との衝突を回避する必要な横移動量を算出する横移動量算出手段と、将来の横移動量を推定する横移動量推定手段と、推定した横移動量が必要な横移動量を超えない場合には、ハンドルの操舵反力を増大させる操舵反力増大手段とを備えるものである。
上記構成によれば、緊急操舵時に微分項が加算されて、車輪の舵角量が増加するため、回避操舵時のステアリング操作の応答性が高まる。一方、横移動量推定手段で推定した横移動量が必要な横移動量を超えない場合には、操舵反力増大手段によって、ハンドルの操舵反力が増大することになる。
このため、横移動量が不足する場合には、ハンドルの操舵が重たくなり、運転者によるハンドルの操作速度が減少して、微分項の値が減少する。その結果、復帰操舵時に、運転者のイメージ以上に車輪が転舵されるのを防ぐことができる。
このため、横移動量が不足する場合には、ハンドルの操舵が重たくなり、運転者によるハンドルの操作速度が減少して、微分項の値が減少する。その結果、復帰操舵時に、運転者のイメージ以上に車輪が転舵されるのを防ぐことができる。
この発明の一実施態様においては、前記横移動量推定手段の横移動量の推定を、目標前輪舵角値と実前輪舵角値を比較して行なうものである。
上記構成によれば、横移動量の推定を、目標前輪舵角値と実前輪舵角値を比較して行なうことにより、舵角値という単純なパラメータによって、横移動量を推定することができる。
よって、横移動量の不足を、早期に、かつ正確に推定することができるため、確実に障害物との衝突を回避することができる。
上記構成によれば、横移動量の推定を、目標前輪舵角値と実前輪舵角値を比較して行なうことにより、舵角値という単純なパラメータによって、横移動量を推定することができる。
よって、横移動量の不足を、早期に、かつ正確に推定することができるため、確実に障害物との衝突を回避することができる。
この発明の一実施態様においては、前記目標前輪舵角値と実前輪舵角値の比較を、ハンドルの切り戻し時における中立位置近傍で行なうものである。
上記構成によれば、ハンドルの切り戻し時における中立位置近傍で、目標前輪舵角値と実前輪舵角値の比較を行なうため、復帰操舵に入る直前の前輪舵角値で、より正確な横移動量を推定できる。
よって、復帰操舵時の横移動量の不足を、より正確に推定できる。
上記構成によれば、ハンドルの切り戻し時における中立位置近傍で、目標前輪舵角値と実前輪舵角値の比較を行なうため、復帰操舵に入る直前の前輪舵角値で、より正確な横移動量を推定できる。
よって、復帰操舵時の横移動量の不足を、より正確に推定できる。
この発明の一実施態様においては、前記微分項の値を、車両状態に応じて変化するゲインをかけて算出するものである。
上記構成によれば、車両状態に応じて変化するゲインをかけて、微分項の値を算出するため、例えば、車速に応じてゲインを変化させることで、車速に応じて、ステアリング操作の応答性を変化させることができる。
よって、車両の状態に応じて、回避操舵時のステアリング操作の応答性をさらに向上することができる。
上記構成によれば、車両状態に応じて変化するゲインをかけて、微分項の値を算出するため、例えば、車速に応じてゲインを変化させることで、車速に応じて、ステアリング操作の応答性を変化させることができる。
よって、車両の状態に応じて、回避操舵時のステアリング操作の応答性をさらに向上することができる。
この発明によれば、横移動量が不足する場合には、ハンドルの操舵が重たくなり、運転者によるステアリング操作速度が減少して、微分項の値が減少する。その結果、復帰操舵時に、運転者のイメージ以上に車輪が転舵されるのを防ぐことができる。
よって、障害物との衝突を回避する際に、運転者のステアリング操作を補助する車両用運転支援装置において、微分項を加算することで回避操舵におけるステアリング操作の応答性を確実に高めつつも、その後の復帰操舵における横移動距離の不足を防いで、確実に障害物との衝突を回避することができる。
よって、障害物との衝突を回避する際に、運転者のステアリング操作を補助する車両用運転支援装置において、微分項を加算することで回避操舵におけるステアリング操作の応答性を確実に高めつつも、その後の復帰操舵における横移動距離の不足を防いで、確実に障害物との衝突を回避することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明の実施形態に係る車両用運転支援装置を採用した自動車の概略模式図、図2は車両用運転支援装置のシステムブロック図、図3は車両用運転支援装置の制御方法を説明するフローチャート、図4は微分項を加算した際のハンドル舵角と前輪舵角の違いを表したグラフ、図5は微分項のゲインを変更した回避操舵時の横移動量を示した簡略図、図6はトルク制御介入の判断方法を説明するグラフ、図7は本実施形態の制御装置における前輪舵角の特性ラインの変化を示したグラフである。
図1は本発明の実施形態に係る車両用運転支援装置を採用した自動車の概略模式図、図2は車両用運転支援装置のシステムブロック図、図3は車両用運転支援装置の制御方法を説明するフローチャート、図4は微分項を加算した際のハンドル舵角と前輪舵角の違いを表したグラフ、図5は微分項のゲインを変更した回避操舵時の横移動量を示した簡略図、図6はトルク制御介入の判断方法を説明するグラフ、図7は本実施形態の制御装置における前輪舵角の特性ラインの変化を示したグラフである。
図1に示すように、自動車1には複数のセンサとアクチュエータを設置している。
まず、センサとして、車両速度を検出する車速センサ2と、車両前方の障害物を検出する障害物検出用カメラ3と、ハンドルHの舵角量や舵角速度を検出するハンドル舵角センサ4と、前輪Fの舵角量を検出する前輪舵角センサ5と、車両のヨーモーメントの発生を検出するヨーレイトセンサ6とを備えている。
まず、センサとして、車両速度を検出する車速センサ2と、車両前方の障害物を検出する障害物検出用カメラ3と、ハンドルHの舵角量や舵角速度を検出するハンドル舵角センサ4と、前輪Fの舵角量を検出する前輪舵角センサ5と、車両のヨーモーメントの発生を検出するヨーレイトセンサ6とを備えている。
一方、アクチュエータとして、操舵トルクアクチュエータ(EPAS:エレクトリック・パワー・アシスト・ステアリング)7と、前輪操舵アクチュエータ(AFS:アクティブ・フロント・ステアリング)8と、自動ブレーキアクチュエータ9とを備えている。
これらのセンサ(2,3,4,5,6)とアクチュエータ(7,8,9)は、図2のブロック図に示すように、中央に設けた中央情報処理装置10(以下、CPU)にそれぞれ連結されており、各センサ(2,3,4,5,6)は各検出信号をCPU10に送信して、各アクチュエータ(7,8,9)はCPU10から送信された作動信号で所定の作動を行なうように構成している。
まず、車速センサ2は車両速度信号をCPU10に送信しており、障害物検出用カメラ3は障害物の存在、障害物の大きさ等の障害物信号をCPU10に送信している。また、ハンドル舵角センサ4は運転者が操作するハンドルの舵角信号、舵角速度信号をCPU10に送信しており、前輪舵角センサ5は実際に操舵された前輪の舵角量の舵角信号をCPU10に送信しており、ヨーレイトセンサ6は車両のヨーレイト信号等をCPU10に送信している。
一方、操舵トルクアクチュエータ7は、CPU10から送信されるアシストトルク信号を受信するように構成しており、前輪操舵アクチュエータ8は、CPU10から送信される舵角信号を受信するように構成している。また、自動ブレーキアクチュエータ9は、CPU10から送信されるブレーキアシスト信号を受信するように構成している。
なお、各アクチュエータ(7,8,9)の作動について簡単に説明すると、操舵トルクアクチュエータ7は、ステアリングシャフト又はステアリングラックに設置されており、ハンドルのトルク反力を自動的に調整して、運転手の操舵力を補助するアシスト力を発生している。前輪操舵アクチュエータ8は、タイロッド又はステアリングラックに設置されており、前輪の舵角量をハンドル操作とは関係なく自由に制御する操舵力を発生している。さらに、自動ブレーキアクチュエータ9は、マスタバック等に設置されており、衝突の危険が高まった場合に自動的に車輪に制動力を与えるように構成している。
CPU10は、次に示す制御フローによって、運転者の障害物の回避行動を補助できるように、前述の各アクチュエータ(7,8,9)に、各種作動信号を送信するように構成している。
次に、この運転者の障害物の回避行動を補助する制御フローについて説明する。
図3は、運転者の障害物の回避行動を補助する制御フローであり、この制御フローに従って車両用運転支援装置を制御している。
図3は、運転者の障害物の回避行動を補助する制御フローであり、この制御フローに従って車両用運転支援装置を制御している。
まず、S1では、各種信号を読み込む。これらの信号は、前述した各種センサ(2,3,4,5,6)から読み込む。
次に、S2では、前方に障害物が存在するか否かの判定を行なう。障害物が存在しないと判断した場合(NO判定)には、そのままリターンに移行して、次の制御に備える。一方、障害物が存在すると判断した場合(YES判定)には、S3に移行する。
次に、S2では、前方に障害物が存在するか否かの判定を行なう。障害物が存在しないと判断した場合(NO判定)には、そのままリターンに移行して、次の制御に備える。一方、障害物が存在すると判断した場合(YES判定)には、S3に移行する。
S3では、障害物までの距離が閾値A(例えば、30m)よりも小さいか否かの判定を行なう。障害物までの距離が閾値Aよりも大きい場合(NO判定)には、運転者の回避行動を補助する制御ステップには入らず、そのまま、リターンに移行する。一方、障害物までの距離が閾値Aよりも小さい場合(YES判定)には、S4に移行する。
S4では、障害物までの距離が閾値B(例えば、5m)よりも小さいか否かの判定を行なう。障害物までの距離が閾値Bよりも小さい場合(YES判定)には、S5に移行して、自動ブレーキ制御を開始する。
すなわち、障害物までの距離が閾値Bよりも小さい場合には、障害物と衝突する可能性が極めて高くなるため、S5において、自動ブレーキアクチュエータ9を自動的に作動させることで、車輪にブレーキをかけて、車両速度を低下させるのである。
一方、障害物までの距離が閾値Bよりも大きい場合(NO判定)には、S6に移行する。
S6では、車両の必要横移動量を算出する。具体的には、前方の障害物の幅から、自車がどの程度、現在の位置から横方向に移動すれば、障害物を回避できるかを演算して、最低限の必要横移動量を算出する。なお、この算出値の代わりに、検出した障害物の幅をそのまま、必要横移動量として設定してもよい。
S6では、車両の必要横移動量を算出する。具体的には、前方の障害物の幅から、自車がどの程度、現在の位置から横方向に移動すれば、障害物を回避できるかを演算して、最低限の必要横移動量を算出する。なお、この算出値の代わりに、検出した障害物の幅をそのまま、必要横移動量として設定してもよい。
その後、S7では、運転者が操舵操作を開始したか否かを判定する。この段階で、運転者がハンドル操作を行なう場合は、障害物との衝突を回避する緊急操舵の可能性が高い。そこで、操舵操作を開始したと判断した場合(YES判定)には、S8以降の緊急操舵の制御ステップに移行する。一方、操舵操作開始を判断しない場合(NO判定)には、そのまま、リターンに移行する。
S8では、微分項を加算した舵角値で、前輪舵角を作動させる制御を実施する。具体的には、次式によって求める舵角値、すなわち、舵角速度の微分値を反映した微分項を加算した舵角値によって、前輪操舵アクチュエータ8によって前輪Fの舵角量を制御する。
また、こうして、微分項を加算することで、障害物を回避した後における道路Lからの逸脱も防止できる。具体的には、図5に示すように、微分項のゲイン値(α)を0.0〜0.3に変化させた状態を見てみると、α=0.0の場合(微分項がない場合)には、隣接する追い越し車線から飛び出る程度まで、道路から逸脱するのに対して、α=0.1、α=0.2,α=0.3の場合には、車両が道路から逸脱することはない。
これは、前述したように、微分項を加算したことで、前輪FがハンドルHよりも速く転舵されるため、ハンドルの戻し遅れによる逸脱がなくなるためである。
このように、緊急操舵を行なう場合には、微分項を加算して制御することにより、操舵装置の応答性を高めることができるため、車両の安全性を高めることができる。
しかし、このように微分項を加算して、前輪舵角を制御した場合には、新たな問題が生じる。それは、図5のα=0.3の場合でも示すように、早期に、ハンドルを回避方向の逆方向に切り返すと、応答性が高いことから、かえって車両の横移動量が不足して、回避したはずの障害物と、車両の側面が干渉するおそれが生じるという問題である。
そこで、本実施形態では、以下の制御ステップによってこの横移動量の不足を解消している。
そこで、本実施形態では、以下の制御ステップによってこの横移動量の不足を解消している。
S8の後、S9では、車両の状態量から目標舵角値を決定する。具体的には、車両の各種状態量を、以下の評価関数(最適レギュレータ)に取り込んで、この評価関数を最小化する舵角値を、目標舵角値として決定する。
この比較は、例えば、図6に示すグラフの丸印近傍における目標舵角値と実際の舵角値を比較することで行なう。
この図において、(a)は、車両の横移動量が必要横移動量(例えば2m)を超える場合を示したグラフで、(b)は、車両の横移動量が必要横移動量(2m)を超えない場合を示したグラフである。また、各上段が、車両の横移動量の推定ラインを示したもので、各下段が目標舵角と実舵角の特性ラインを示したものである。
(a)に示すように、将来の横移動量が必要横移動量を超える場合には、下段のグラフの丸印付近において、実舵角の特性ラインが目標舵角の特性ラインと交差するという傾向が生じる。
これに対して、(b)に示すように、将来の横移動量が必要横移動量を超えない場合には、下段グラフの丸印付近において、実舵角の特性ラインが目標舵角の特性ラインと交差しないという傾向が生じる。
これに対して、(b)に示すように、将来の横移動量が必要横移動量を超えない場合には、下段グラフの丸印付近において、実舵角の特性ラインが目標舵角の特性ラインと交差しないという傾向が生じる。
これは、復帰操舵を行なう場合に、中立位置近傍で目標舵角よりも遅れて実舵角が操舵される場合には、必要横移動量を確保できるが、中立位置近傍で目標舵角よりも速く実舵角が操舵される場合には、必要横移動量を確保できないということを示している。
よって、このように、舵角の中立位置近傍で特性ラインが交差する場合には、必要横移動量よりも車両が横移動すると判断して、中立位置近傍で特性ラインが交差しない場合には、必要横移動量よりも車両が横移動しないと判断する。
次に、S11で、必要横移動量より車両が横移動するか否かを判定する。
ここで、必要横移動量により車両が横移動する場合(YES判定)には、そのまま操舵されても、障害物を回避できるため、S12に移行して、通常の操舵アシストトルクが発揮されるように、操舵トルクアクチュエータ7を制御する。
ここで、必要横移動量により車両が横移動する場合(YES判定)には、そのまま操舵されても、障害物を回避できるため、S12に移行して、通常の操舵アシストトルクが発揮されるように、操舵トルクアクチュエータ7を制御する。
一方、必要横移動量より車両が横移動しない場合(NO判定)には、そのまま操舵されると、横移動量が不足して、障害物を回避できない可能性がある。そこで、S13に移行して、操舵アシストトルクを減少するように、操舵トルクアクチュエータ7を制御する。
これにより、ハンドルHの操舵力が重たくなって、運転者の操舵速度が低下して、前輪Fの舵角量を決定する微分項の値を低下させることができる。
このため、復帰操舵時には、前輪Fの舵角が早期に転舵されないようにすることができ、横移動量の不足を防止して、障害物を回避することができる。
このため、復帰操舵時には、前輪Fの舵角が早期に転舵されないようにすることができ、横移動量の不足を防止して、障害物を回避することができる。
以上のような制御フローにより、本実施形態の車両用運転支援装置は制御される。
図7がこの車両用運転支援装置による場合の舵角特性を示したものである。前半の回避操舵時には、前輪舵角に微分項が加算されることで前輪舵角の応答性が高まり、舵角速度が高まるものの、後半の復帰操舵時には、前輪舵角が早期に転舵されないように操舵アシストトルクが減少されるため、前輪舵角の応答性が低くなり、舵角速度が低下することがわかる。
なお、破線で示すラインは、復帰操舵時に、操舵アシストトルクを減少せずにそのままの操舵アシストトルクで制御した場合の前輪舵角の特性ラインを示している。
なお、破線で示すラインは、復帰操舵時に、操舵アシストトルクを減少せずにそのままの操舵アシストトルクで制御した場合の前輪舵角の特性ラインを示している。
次に、このように構成された本実施形態の作用効果について説明する。
この実施形態の車両用運転支援装置は、障害物までの距離が閾値A以下の緊急操舵時には、ハンドルの操舵角に微分項を加算して前輪舵角アクチュエータ8で車輪の舵角制御を行ない、障害物検出用カメラ3で検出した障害物から必要な横移動量を算出すると共に、将来の車両の横移動量を推定して、その推定した横移動量が必要な横移動量を超えない場合には、ハンドルHの操舵反力を増大するよう、操舵トルクアクチュエータの操舵アシストトルクを減少制御している。
この実施形態の車両用運転支援装置は、障害物までの距離が閾値A以下の緊急操舵時には、ハンドルの操舵角に微分項を加算して前輪舵角アクチュエータ8で車輪の舵角制御を行ない、障害物検出用カメラ3で検出した障害物から必要な横移動量を算出すると共に、将来の車両の横移動量を推定して、その推定した横移動量が必要な横移動量を超えない場合には、ハンドルHの操舵反力を増大するよう、操舵トルクアクチュエータの操舵アシストトルクを減少制御している。
これにより、緊急操舵時には、微分項が加算されて、車輪の舵角量が増加するため、回避操舵時のステアリング操作の応答性が高まる。一方、推定した横移動量が必要な横移動量を超えない場合には、操舵アシストトルクが減少するため、ハンドルHの操舵反力が増大して、ハンドル操舵が重たくなる。
このため、横移動量が不足する場合には、ハンドルHの操舵が重たくなり、運転者によるハンドルHの操作速度が減少して、微分項の値が減少する。その結果、復帰操舵時に、運転者のイメージ以上に前輪Fが転舵されるのを防ぐことができる。
よって、障害物との衝突を回避する際に、運転者のステアリング操作を補助する車両用運転支援装置において、微分項を加算することで回避操舵におけるステアリング操作の応答性を確実に高めつつも、その後の復帰操舵における横移動距離の不足を防いで、確実に障害物との衝突を回避することができる。
このため、横移動量が不足する場合には、ハンドルHの操舵が重たくなり、運転者によるハンドルHの操作速度が減少して、微分項の値が減少する。その結果、復帰操舵時に、運転者のイメージ以上に前輪Fが転舵されるのを防ぐことができる。
よって、障害物との衝突を回避する際に、運転者のステアリング操作を補助する車両用運転支援装置において、微分項を加算することで回避操舵におけるステアリング操作の応答性を確実に高めつつも、その後の復帰操舵における横移動距離の不足を防いで、確実に障害物との衝突を回避することができる。
また、この実施形態では、車両の横移動量の推定を、目標舵角値と実舵角値を比較して行なっている。
これにより、横移動量の推定を、「舵角値」という単純なパラメータを利用して、容易に行なうことができる。
よって、車両の横移動量の不足を、早期に、かつ正確に推定することができるため、確実に障害物との衝突を回避することができる。
これにより、横移動量の推定を、「舵角値」という単純なパラメータを利用して、容易に行なうことができる。
よって、車両の横移動量の不足を、早期に、かつ正確に推定することができるため、確実に障害物との衝突を回避することができる。
また、この実施形態では、この目標舵角値と実舵角値との比較判定を、ハンドルHの切り戻し時における中立位置近傍で行なうようにしている。
これにより、ハンドルの切り戻し時における中立位置近傍で、目標舵角値と実舵角値の比較を行なうため、復帰操舵に入る直前の位置で、より正確な横移動量を推定できる。
よって、復帰操舵時の横移動量の不足を、より正確に推定できる。
これにより、ハンドルの切り戻し時における中立位置近傍で、目標舵角値と実舵角値の比較を行なうため、復帰操舵に入る直前の位置で、より正確な横移動量を推定できる。
よって、復帰操舵時の横移動量の不足を、より正確に推定できる。
なお、この実施形態では、目標舵角値を評価関数(最適レギュレータ)を用いて決定したが、例えば、車速と舵角値に応じたマップ等を切替えて、目標舵角値を決定してもよいし、ヨーレイト値等をフィードバックして目標舵角値を算出して決定するようにしてもよい。
次に、図8の制御フローによって、他の実施形態の車両用運転支援装置について説明する。この実施形態は、前述の実施形態の図3に制御フローのうち、微分項加算操舵制御の実施のステップ(S8)を、さらに追加的に制御を行なうものである。なお、その他の構成要素については、前述の実施形態と同様であり、具体的な説明は省略する。
この実施形態は、微分項加算操舵制御の微分項のゲイン値αを、車速で変更するようにしたものである。具体的には、車速の増加に応じてゲイン値αが大きくなるように設定している。
図8に示すように、S7で操舵操作開始であると判断した(YES判定)場合には、S18に移行する。S18では、微分項のゲイン値αを決定する。車速に応じて、低速域を0.1、中速域を0.2、高速域を0.3としたゲインマップによって、ゲイン値αを決定する。
そして、S19に移行して、決定したゲイン値αで微分項加算操舵制御を行なう。このように、車速に応じたゲイン値αで、微分項加算操舵制御を行なうことにより、ステアリング操舵の応答性を、車速に応じて変更することができるため、高速域での回避操舵における応答性を向上することができる。
その後は、S9に移行して、前述の実施形態と同様に、車両の状態量から目標舵角を決定する。
以上のように、この実施形態によると、車速に応じて変化するゲインによって、微分項の値を算出するため、車速に応じて、ステアリング操作の応答性を変化させることができる。
よって、高速域での回避操舵時のステアリング操作の応答性をさらに向上することができる。
よって、高速域での回避操舵時のステアリング操作の応答性をさらに向上することができる。
なお、この実施形態とは、逆に、車速の増加に応じてゲイン値が大きくなるように設定してもよい。この場合には、高速走行時における急操舵による不安定挙動の発生を防ぐことができる。
また、その他に、車両の運動状態に応じて、例えば、前後加速度が生じている場合には、ゲイン値を小さくしたり、ヨーレイト値が所定値以上の場合には、ゲイン値を小さくするように設定してもよい。
以上、この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
この発明の操舵アクチュエータは、実施形態の前輪舵角アクチュエータ8に対応し、
以下、同様に、
操舵制御手段は、中央情報処理装置(CPU)10に対応し、
横移動量算出手段は、中央情報処理装置(CPU)10に対応し、
横移動量推定手段は、中央情報処理装置(CPU)10に対応し、
操舵反力増大手段は、操舵トルクアクチュエータ7に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両用運転支援装置に適用する実施形態を含むものである。
この発明の操舵アクチュエータは、実施形態の前輪舵角アクチュエータ8に対応し、
以下、同様に、
操舵制御手段は、中央情報処理装置(CPU)10に対応し、
横移動量算出手段は、中央情報処理装置(CPU)10に対応し、
横移動量推定手段は、中央情報処理装置(CPU)10に対応し、
操舵反力増大手段は、操舵トルクアクチュエータ7に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両用運転支援装置に適用する実施形態を含むものである。
1…自動車
2…車速センサ
3…障害物検出用カメラ
4…ハンドル舵角センサ
5…前輪舵角センサ
6…ヨーレイトセンサ
7…操舵トルクアクチュエータ
8…前輪舵角アクチュエータ
9…自動ブレーキアクチュエータ
10…中央情報処理装置(CPU)
2…車速センサ
3…障害物検出用カメラ
4…ハンドル舵角センサ
5…前輪舵角センサ
6…ヨーレイトセンサ
7…操舵トルクアクチュエータ
8…前輪舵角アクチュエータ
9…自動ブレーキアクチュエータ
10…中央情報処理装置(CPU)
Claims (4)
- 障害物との衝突を回避する際に、運転者のステアリング操作を補助する車両用運転支援装置において、
緊急操舵時に、ハンドルの操舵角に微分項を加算して、操舵アクチュエータで車輪の舵角制御を行なう操舵制御手段と、
障害物を検出して、該障害物との衝突を回避する必要な横移動量を算出する横移動量算出手段と、
将来の横移動量を推定する横移動量推定手段と、
推定した横移動量が必要な横移動量を超えない場合には、ハンドルの操舵反力を増大させる操舵反力増大手段とを備える
車両用運転支援装置。 - 前記横移動量推定手段の横移動量の推定を、目標前輪舵角値と実前輪舵角値を比較して行なう
請求項1記載の車両用運転支援装置。 - 前記目標前輪舵角値と実前輪舵角値の比較を、ハンドルの切り戻し時における中立位置近傍で行なう
請求項2記載の車両用運転支援装置。 - 前記微分項の値を、車両状態に応じて変化するゲインをかけて算出する
請求項1記載の車両用運転支援装置。
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JP2007274628A JP2009101809A (ja) | 2007-10-23 | 2007-10-23 | 車両用運転支援装置 |
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