JP2020037370A - ステアリング装置 - Google Patents

ステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020037370A
JP2020037370A JP2018166490A JP2018166490A JP2020037370A JP 2020037370 A JP2020037370 A JP 2020037370A JP 2018166490 A JP2018166490 A JP 2018166490A JP 2018166490 A JP2018166490 A JP 2018166490A JP 2020037370 A JP2020037370 A JP 2020037370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
actuator
signal
turning
reaction force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018166490A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7453742B2 (ja
Inventor
太一 柴田
Taichi Shibata
太一 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2018166490A priority Critical patent/JP7453742B2/ja
Publication of JP2020037370A publication Critical patent/JP2020037370A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7453742B2 publication Critical patent/JP7453742B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】反力アクチュエータの異常時に、車両の挙動を安定化させる。【解決手段】転舵角制御演算部21は、転舵アクチュエータ指令信号生成部19と、転舵応答性制御部47と、を備えている。転舵アクチュエータ指令信号生成部19は、操舵角信号θr、車速信号Vおよび転舵角信号θtに基づいて、転舵アクチュエータ16を駆動する転舵アクチュエータ指令信号Bを生成する。転舵応答性制御部47は、反力アクチュエータ5の異常時に、正常時よりも操舵角信号θrに対する転舵アクチュエータ16の応答性を遅らせる遅延制御を行う応答遅延部49を有している。応答遅延部49は、操舵角信号θrの位相を遅らせる位相遅延処理を行うことで、この位相の遅れた操舵角信号θrを用いて演算される転舵アクチュエータ指令信号Bの位相を遅らせ、転舵アクチュエータ16の応答性を遅らせる。【選択図】図4

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
ステアリング装置として、例えば以下の特許文献1に記載されたステアリング装置が知られている。
特許文献1のステアリング装置は、運転者からの操舵量が入力される操舵入力機構と、転舵輪の転舵に供する転舵機構と、が機械的に連結されていないステアバイワイヤ式のステアリング装置として構成されている。操舵入力機構は、操舵量に対する反力を付与可能な反力アクチュエータを有している。また、転舵機構は、操舵量に応じて転舵輪を転舵可能な転舵アクチュエータを有している。
特開2012−144111号公報
特許文献1のようなステアリング装置において、反力アクチュエータに故障等の異常が生じた場合には、反力アクチュエータからの反力が減少し、この反力の減少分、運転者からの操舵が正常時よりも速くなる虞がある。これに伴い、転舵アクチュエータによる転舵輪の転舵も正常時よりも速くなり、車両の挙動が不安定になる虞がある。
本発明は、従来の実情に鑑みて案出されたもので、反力アクチュエータの異常時に、車両の挙動を安定化させることが可能なステアリング装置を提供することを目的としている。
本発明では、転舵応答性制御部が、反力アクチュエータの異常時に、異常が発生していないときと比べて操舵量信号に対する転舵アクチュエータの応答性を遅らせる遅延制御を行う。
本発明によれば、反力アクチュエータの異常時に、車両の挙動を安定化させることができる。
第1の実施形態のステアリング装置の概略図である。 図1に示す電子コントローラのシステムブロック図である。 反力制御演算部の機能ブロック図である。 転舵角制御演算部の機能ブロック図である。 (a)は、反力アクチュエータの正常時における転舵アクチュエータ指令信号の処理を示す第1の実施形態のブロック図、(b)は、反力アクチュエータの異常時における転舵アクチュエータ指令信号の処理を示す第1の実施形態のブロック図、(c)は、反力アクチュエータの異常時でかつ、緊急操舵時における転舵アクチュエータ指令信号の処理を示す第1の実施形態のブロック図である。 応答遅延部における位相遅延処理に用いられるマップである。 第1の実施形態のフローチャートである。 (a)は、反力アクチュエータの正常時における転舵アクチュエータ指令信号の処理を示す第2の実施形態のブロック図、(b)は、反力アクチュエータの異常時における転舵アクチュエータ指令信号の処理を示す第2の実施形態のブロック図、(c)は、反力アクチュエータの異常時でかつ、緊急操舵時における転舵アクチュエータ指令信号の処理を示す第2の実施形態のブロック図である。 転舵角ゲイン低下部における出力低下処理に用いられるマップである。 第2の実施形態のフローチャートである。
以下、本発明のステアリング装置の実施形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施形態]
(ステアリング装置の構造)
図1は、第1の実施形態のステアリング装置の概略図である。
ステアリング装置は、いわゆるステアバイワイヤ式のステアリング装置として構成されたものである。このステアリング装置は、操舵入力機構1と転舵機構2とが分離して構成されている。
操舵入力機構1は、運転者からの操舵力を伝達するステアリングホイール3と、該ステアリングホイール3の回転に応じて回転する操舵操作入力部材である操舵軸4と、該操舵軸4に対し、運転者の操舵負荷を増大させる力(反力)を付与する反力アクチュエータ5と、を備えている。さらに、操舵入力機構1は、ステアリングホイール3から入力された操舵角を検出し、これを操舵角信号θrとして出力可能な操舵角センサ6と、ステアリングホイール3から入力された操舵トルクを検出し、これを操舵トルク信号Trとして出力可能なトルクセンサ7と、を備えている。なお、操舵入力機構1は、ステアリングホイール3のような回転体からの入力ではなく、例えばレバーにより方向入力を行うジョイスティックからの入力によって運動量が与えられるように構成されていても良い。
反力アクチュエータ5は、第1電動モータ8、後述する第1、第2インバータ9A,9B(図2参照)およびリレーを備えており、運転者の操舵操作を許容しつつ、操舵負荷を付与可能となるように構成されている。第1電動モータ8は、各種制御処理を記憶および実行する機能を有したコントローラ(ECU)10に電気的に接続されている。
このコントローラ10には、第1電動モータ8からのモータ電流IAがフィードバックされる。第1電動モータ8には、コントローラ10からの印加電圧VAが付与される。なお、第1電動モータ8は、特許請求の範囲に記載の「電動モータ」に該当し、操舵角センサ6は、特許請求の範囲に記載の「操舵量センサ」に該当する。
また、コントローラ10には、操舵角センサ6およびトルクセンサ7がそれぞれ電気的に接続されており、操舵角センサ6から出力された操舵角信号θrと、トルクセンサ7から出力された操舵トルク信号Trとが入力される。操舵角センサ6およびトルクセンサ7には、後述する電源11(図2参照)からの電力PAがそれぞれ供給される。なお、操舵角センサ6は、相対舵角を検出可能な操舵角センサであっても良く、または絶対舵角を検出可能な操舵角センサであっても良い。
さらに、コントローラ10には、車速センサ12およびカメラ13がそれぞれ電気的に接続されており、車速センサ12からの車速信号Vと、カメラ13によって取得された車両前方ないし後方の映像Iとが、入力される。
転舵機構2は、一対の転舵輪14,14を転舵させる転舵力をラックバー15に付与可能となるように構成された転舵アクチュエータ16と、転舵角信号θtを検出する転舵角センサ17と、を備えている。
転舵アクチュエータ16は、第2電動モータ18を有しており、この第2電動モータ18は、後述する転舵アクチュエータ指令信号生成部19(図4参照)からの転舵アクチュエータ指令信号Bに基づいて、転舵力をラックバー15に出力するようになっている。第2電動モータ18は、第1電動モータ8、操舵角センサ6およびトルクセンサ7と同様に、コントローラ10に電気的に接続されている。このコントローラ10に、転舵アクチュエータ16からのモータ電流IBがフィードバックされる。また、第2電動モータ18には、コントローラ10からの印加電圧VBが付与される。
転舵角センサ17は、第1電動モータ8、操舵角センサ6、トルクセンサ7および第2電動モータ18と同様に、コントローラ10に電気的に接続されている。このコントローラ10に、転舵角センサ17から出力された転舵角信号θtが入力される。また、転舵角センサ17には、図示せぬバッテリ(図2参照)からの電力PBが供給される。
また、コントローラ10は、反力制御演算部20と、転舵角制御演算部21と、操舵入力機構状態判断部22と、緊急操舵要否判断部23と、を備えている。
反力制御演算部20は、反力アクチュエータ5の制御のための演算等に供するものであり、後述する反力トルク指令値演算部42および反力アクチュエータ駆動部43を備えている。
転舵角制御演算部21は、転舵アクチュエータ16の制御のための演算等に供するものであり、後述する転舵応答性制御部47および転舵アクチュエータ駆動部48を備えている。
操舵入力機構状態判断部22は、第1電動モータ8や後述する第2電源回路38および第1、第2インバータ9A,9Bの異常の有無を判断する。
緊急操舵要否判断部23は、カメラ13からの映像Iおよび操舵角センサ6からの操舵角信号θrに基づいて、車両が障害物に衝突する危険性があるか否かを判断し、衝突の危険性がある場合に、転舵アクチュエータ16の応答性を遅らせる、後述する遅延制御を禁止する。また、障害物への衝突の危険性を判断するのに、映像Iおよび操舵角信号θrに加えて、もしくはこれらに代えて、図示せぬレーダー(例えばミリ波や赤外線レーザ)からの検出信号を用いるようにしても良い。さらに、映像Iおよび操舵角信号θrや上記レーダーからの検出信号に基づいて、車両に設けられた図示せぬ統合制御コントローラが、緊急の操舵の必要性を判断し、この統合制御コントローラからの指令信号をコントローラ10が受信することにより、緊急操舵要否判断部23が転舵輪14,14の速やかな転舵の必要性の有無を判断しても良い。
かかるステアリング装置において、運転者がステアリングホイール3を回転操作すると、反力制御演算部20によって演算された反力トルク指令値A(図3参照)に応じたデューティ比で第1電動モータ8が駆動されることで、運転者の操舵操作に対して反力が作用する。また、転舵角制御演算部21によって生成された転舵アクチュエータ指令信号B(図4参照)に応じたデューティ比で第2電動モータ18が駆動されることで、推進力がラックバー15に与えられ、転舵輪14,14の向きが変更される。
また、操舵入力機構状態判断部22により、反力アクチュエータ5が異常であると判断された場合には、正常時と比べて、操舵角信号θrに対する転舵アクチュエータ16の応答性を遅らせる遅延制御が行われる。ここで、「反力アクチュエータ5が異常であると判断された場合」とは、第1電動モータ8の故障に起因した異常、後述する第2電源回路38の故障に起因した異常、または後述する第1インバータ9Aの故障に起因した異常がある場合を意味している。
さらに、反力アクチュエータ5が異常であったとしても、緊急操舵要否判断部23により、転舵アクチュエータ16による転舵輪14,14の速やかな転舵の必要性があると判断された場合には、上記遅延制御が禁止される。
図2は、図1に示すコントローラ10のシステムブロック図である。
コントローラ10によって制御される第1電動モータ8および第2電動モータ18は、三相(U相、V相、W相)の交流モータである。第1電動モータ8は、コントローラ10に設けられた第1回路24A(破線で囲まれた部分で示す)によって駆動され、一方、第2電動モータ18は、コントローラ10に設けられた第2回路24B(破線で囲まれた部分で示す)によって駆動される。
第1電動モータ8には、この第1電動モータ8のモータ回転角を検出する第1モータ回転角センサ25Aが電気的に接続されている。第1モータ回転角センサ25Aの出力値OAは、後述する第1CPU28Aおよび第2CPU28Bの双方に入力されるようになっている。また、第1モータ回転角センサ25Aには、電源26からの電力PCが供給される。
第1回路24Aは、第1CPU28A、第1プリドライバ29Aおよび第1インバータ9Aを備えている。
第1CPU28Aは、操舵角信号θr、車速信号Vおよび操舵トルク信号Trに基づいて第1電動モータ8への反力トルク指令値Aを演算する。第1CPU28Aは、この第1CPU28Aを監視する第1CPU監視部30Aと、第1CPU28Aに電力PEを供給する電源31Aと、に電気的に接続されている。
第1プリドライバ29Aは、第1CPU28Aからの反力トルク指令値Aが入力される集積回路(IC)である。
第1インバータ9Aは、第1プリドライバ29Aからの反力トルク指令値Aに基づいて駆動制御され、かつ電源としてのバッテリ32の電力PFを直流から三相交流に変換してモータ駆動電流IDとして第1電動モータ8へ供給する。また、第1インバータ9Aに設けられた第1モータ電流検出部33Aによって、第1電動モータ8に実際に流れる電流であるモータ電流IAが第1CPU28Aにフィードバックされる。第1インバータ9Aと第1電動モータ8の間の電位EAは、第1相電位検出部34Aによって検出され、第1CPU28Aにフィードバックされる。
第1CPU28A、第1プリドライバ29A、第1CPU監視部30A、電源31A,26および第1相電位検出部34Aは、コントローラ10に設けられた樹脂製のプリント回路基板35に実装されている。一方、第1インバータ9Aおよび第1モータ電流検出部33Aは、コントローラ10に設けられた金属製のプリント回路基板36に実装されている。
第2電動モータ18には、この第2電動モータ18のモータ回転角を検出する第2モータ回転角センサ25Bが電気的に接続されている。第2モータ回転角センサ25Bの出力値OBは、第1CPU28Aおよび後述する第2CPU28Bの双方に入力されるようになっている。また、第2モータ回転角センサ25Bには、電源27からの電力PDが供給される。
第2回路24Bは、第1回路24Aと同様に構成されており、第2CPU28B、第2プリドライバ29Bおよび第2インバータ9Bを備えている。
第2CPU28Bは、操舵角信号θr、車速信号Vおよび転舵角信号θtに基づいて第2電動モータ18への転舵アクチュエータ指令信号Bまたは遅延転舵アクチュエータ指令信号Cを演算する。第2CPU28Bは、この第2CPU28Bを監視する第2CPU監視部30Bと、第2CPU28Bに電力PGを供給する電源31Bと、に電気的に接続されている。
第2プリドライバ29Bは、第2CPU28Bからの転舵アクチュエータ指令信号Bまたは遅延転舵アクチュエータ指令信号Cが入力される集積回路(IC)である。
第2インバータ9Bは、第2プリドライバ29Bからの転舵アクチュエータ指令信号Bまたは遅延転舵アクチュエータ指令信号Cに基づいて駆動制御され、かつ電源としてのバッテリ32の電力PFを直流から三相交流に変換してモータ駆動電流IEとして第2電動モータ18へ供給する。また、第2インバータ9Bに設けられた第2モータ電流検出部33Bによって、第2電動モータ18に実際に流れる電流であるモータ電流IBが第2CPU28Bにフィードバックされる。第2インバータ9Bと第2電動モータ18の間の電位EBは、第2相電位検出部34Bによって検出され、第2CPU28Bにフィードバックされる。
第2CPU28B、第2プリドライバ29B、第2CPU監視部30B、電源31B,27および第2相電位検出部34Bは、コントローラ10に設けられた樹脂製のプリント回路基板35に実装されている。一方、第2インバータ9Bおよび第2モータ電流検出部33Bは、コントローラ10に設けられた金属製のプリント回路基板36に実装されている。
なお、上記第1インバータ9Aは、特許請求の範囲に記載の「インバータ」に該当する。
また、コントローラ10は、電源11からの電力PAが操舵角センサ6、車速センサ12、トルクセンサ7および転舵角センサ17へ供給される第1電源回路37と、バッテリ32からの電力PFが第1、第2インバータ9A,9Bを介して第1、第2電動モータ8,18へ供給される第2電源回路38と、を有している。
なお、第1、第2電源回路37,38については、共通のバッテリや電源からの電力が、操舵角センサ6、車速センサ12、トルクセンサ7、転舵角センサ17および第1、第2電動モータ8,18の夫々に供給されるように構成されても良い。
さらに、バッテリ32と第1、第2インバータ9A,9Bとの間には、図示せぬリレーが設けられている。このリレーは、例えば電界効果トランジスタ(FET)であり、第1、第2インバータ9A,9Bが短絡故障したときに、オン・オフを切り換えることにより第1、第2電動モータ8へのモータ駆動電流ID,IEの供給を遮断するように構成されている。また、上記リレーは、第1、第2電動モータ8,18の通電相に設けられていても良い。さらに、上記リレーは、バッテリ32と第1、第2インバータ9A,9Bとの間や、第1、第2電動モータ8,18の通電相以外の箇所に設けられていても良い。
図3は、反力制御演算部20の機能ブロック図である。
反力制御演算部20は、操舵角信号受信部39と、車速信号受信部40と、操舵トルク信号受信部41と、反力トルク指令値演算部42と、反力アクチュエータ駆動部43と、を備えている。
操舵角信号受信部39は、反力制御演算部20のインターフェースに設けられた外部入力であって、操舵角センサ6からの操舵角信号θrを受信する。
車速信号受信部40は、同じく反力制御演算部20のインターフェースに設けられた外部入力であって、車速センサ12からの車速信号Vを受信する。
操舵トルク信号受信部41は、同じく反力制御演算部20のインターフェースに設けられた外部入力であって、トルクセンサ7からの操舵トルク信号Trを受信する。
反力トルク指令値演算部42は、操舵角信号受信部39に入力された操舵角信号θr、車速信号受信部40に入力された車速信号V、および操舵トルク信号受信部41に入力された操舵トルク信号Trに基づいて、反力トルク指令値Aを演算する。
反力アクチュエータ駆動部43は、反力トルク指令値演算部42において演算された反力トルク指令値Aと等しい反力を生じさせるためのパルス幅変調制御(PWM制御)のデューティ比を生成し、第1電動モータ8へ出力する。
図4は、転舵角制御演算部21の機能ブロック図である。
転舵角制御演算部21は、操舵角信号受信部44と、車速信号受信部45と、転舵角信号受信部46と、転舵アクチュエータ指令信号生成部19と、転舵応答性制御部47と、転舵アクチュエータ駆動部48と、を備えている。
操舵角信号受信部44は、転舵角制御演算部21のインターフェースに設けられた外部入力であって、操舵角センサ6からの操舵角信号θrを受信する。
なお、操舵角信号受信部44は、特許請求の範囲に記載の「操舵量信号受信部」に該当する。
車速信号受信部45は、同じく転舵角制御演算部21のインターフェースに設けられた外部入力であって、車速センサ12からの車速信号Vを受信する。
転舵角信号受信部46は、同じく転舵角制御演算部21のインターフェースに設けられた外部入力であって、転舵角センサ17からの転舵角信号θtを受信する。
転舵アクチュエータ指令信号生成部19は、操舵角信号受信部44に入力された操舵角信号θr、車速信号受信部45に入力された車速信号V、および転舵角信号受信部46に入力された転舵角信号θtに基づいて、第2電動モータ18を駆動する転舵アクチュエータ指令信号Bを生成(演算)する。
転舵応答性制御部47は、操舵入力機構状態判断部22の信号に基づいて転舵応答性を制御する。すなわち、転舵応答性制御部47は、反力アクチュエータ5が正常のときは、上記遅延制御を行わずに、転舵アクチュエータ指令信号Bを出力する。また、転舵応答性制御部47は、操舵入力機構状態判断部22によって反力アクチュエータ5の異常が判断されたときに、反力アクチュエータ5の正常時と比べて、操舵角信号θrに対する転舵アクチュエータ16の応答性を遅らせる遅延制御を行う応答遅延部49を備えている。応答遅延部49は、後述するマップ(図6参照)により取得されるゲインに応じて操舵角信号θrの位相を遅らせる位相遅延処理を行う。この位相が遅れた操舵角信号θrを用いて転舵アクチュエータ指令信号Bを演算することで、位相が遅れた遅延転舵アクチュエータ指令信号Cが生成される。この遅延転舵アクチュエータ指令信号Cに基づいて第2電動モータ18を駆動することで、反力アクチュエータ5の異常時に、反力アクチュエータ5の正常時よりも操舵角信号θrに対する転舵アクチュエータ16の応答性が遅くなる。
転舵アクチュエータ駆動部48は、転舵応答性制御部47から入力された転舵アクチュエータ指令信号Bまたは遅延転舵アクチュエータ指令信号Cと等しい転舵角を生じさせるためのパルス幅変調制御(PWM制御)のデューティ比を生成し、第2電動モータ18に出力する。
図5(a)は、反力アクチュエータ5の正常時における転舵アクチュエータ指令信号Bの処理を示す第1の実施形態のブロック図である。図5(b)は、反力アクチュエータ5の異常時における転舵アクチュエータ指令信号Bの処理を示す第1の実施形態のブロック図である。図5(c)は、反力アクチュエータ5の異常時でかつ、緊急操舵時における転舵アクチュエータ指令信号Bの処理を示す第1の実施形態のブロック図である。
上述したように、転舵アクチュエータ指令信号生成部19は、操舵角信号θr、車速信号Vおよび転舵角信号θtに基づいて転舵アクチュエータ指令信号Bを生成する。
図5(a)に示すように、操舵入力機構状態判断部22が、操舵角信号θrおよび操舵トルク信号Trに基づいて、反力アクチュエータ5が正常であると判断したときには、転舵アクチュエータ指令信号Bは、ライン50に沿って進み、何の処理も施されず、そのまま転舵アクチュエータ駆動部48(図4参照)に入力される。
また、図5(b)に示すように、操舵入力機構状態判断部22が、操舵角信号θrおよび操舵トルク信号Trに基づいて、反力アクチュエータ5が異常であると判断したときには、転舵アクチュエータ指令信号Bは、ライン51を介して応答遅延部49に入力される。そして、転舵アクチュエータ指令信号Bは、位相遅延処理によって、転舵アクチュエータ指令信号Bよりも位相が遅れた遅延転舵アクチュエータ指令信号Cに変換され、転舵アクチュエータ駆動部48に入力される。
さらに、図5(c)に示すように、反力アクチュエータ5の異常時であり、かつ、映像Iおよび操舵角信号θrに基づいて、緊急操舵要否判断部23が、転舵輪14,14の速やかな転舵が必要であると判断したときには、転舵アクチュエータ指令信号Bは、ライン52に沿って進み、何の処理も施されず、そのまま転舵アクチュエータ駆動部48に入力される。
図6は、応答遅延部49における位相遅延処理に用いられるマップである。
このマップは、操舵角の周波数並びに車速とゲインの相関関係を示すものである。このマップでは、横軸を操舵角の周波数(舵角速度)とし、縦軸をゲインとし、低車速から高車速の間でのゲインの変化を示してある。
図6に示すように、ゲインは、操舵角の周波数が比較的低いときには1であり、操舵角の周波数が高くなるほど低下している。操舵角の周波数、つまり舵角速度が高くなるほど、舵角速度に応じて転舵される転舵輪14,14の転舵速度が高くなり、車両の挙動が乱れ易くなる。つまり、反力アクチュエータ5の異常時に、運転者が正常時よりもステアリングホイール3を速く切り過ぎているときには、転舵輪14,14が正常時よりも高い転舵速度で過敏に転舵されて、転舵輪14,14に摩擦力(車両の前後方向にかかる摩擦力と、車両の前後方向と直交する方向にかかる摩擦力との合力)がかかり、この摩擦力が所定の限界摩擦力を超えると、転舵輪14,14が空転し、車両の挙動が乱れ易くなる。そこで、舵角速度が高いほど操舵角信号θrの位相を遅らせ、さらに、この操舵角信号θrによって演算される遅延転舵アクチュエータ指令信号Cの位相も遅らせることにより、転舵輪14,14の過敏な転舵を抑制し、上記挙動の乱れが抑制されるようにしている。
また、図6に示すように、ゲインは、車速が高いほど低下している。例えば車庫入れ時等の車速が比較的低い時には、車両の挙動の乱れが生じ難いため、ゲインに応じて操舵角信号θrの位相を遅らせる必要がない。一方、車速が比較的高いときには、ステアリングホイール3からの入力に対して車両の挙動が変化し易いので、ゲインに応じて操舵角信号θrの位相を遅らせ、遅延転舵アクチュエータ指令信号Cの位相も遅らせることで、上記挙動の乱れが抑制されるようにしている。
図7は、第1の実施形態のフローチャートである。
まず、ステップS1において、転舵アクチュエータ指令信号Bを読み込む。
そして、ステップS2において、トルクセンサ7からの操舵トルク信号Trを読み込む。
次に、ステップS3において、操舵角センサ6からの操舵角信号θrを読み込む。
ステップS4では、操舵トルク信号Trが、第1電動モータ8の故障の判断の基準となる操舵トルク信号閾値Trtよりも大きいか否かを判断する。さらに、操舵角信号θrが、第1電動モータ8の故障の判断の基準となる操舵角信号閾値θrtよりも大きいか否かを判断する。そして、操舵トルク信号Trが操舵トルク信号閾値Trtよりも大きいこと(Tr>Trt)、および操舵角信号θrが操舵角信号閾値θrtよりも大きいこと(θr>θrt)の少なくとも一方が成立するか否かを判断する。Tr>Trtおよびθr>θrtの少なくとも一方が成立する場合には、第1電動モータ8が故障しているものとして、ステップS5へ進む。ここで、ステップS4における「故障」とは、第1電動モータ8の出力が小さくなることにより操舵軸4に十分な操舵負荷(反力)を付与することができない故障を意味する。
なお、誤作動等の要因により第1電動モータ8に重大な故障が生じた場合には、第1電動モータ8の駆動リレーがオフにされる。上記重大な故障としては、例えば、第1電動モータ8によって操舵軸4に操舵負荷が付与されないことで、ロック位置までほぼ無負荷状態でステアリングホイール3が回転してしまうことや、第1電動モータ8からの操舵負荷が過度に大きいことで運転者がステアリングホイール3を操舵することができないことが挙げられる。
ステップS5では、カメラ13からの映像Iおよび操舵角センサ6からの操舵角信号θrを読み込む。そして、ステップS6において、映像Iおよび操舵角信号θrに基づいて、車両が障害物に衝突する危険性があるか否かを判断する。衝突の危険性がある場合には、遅延制御を行わずに、ステップS11において、転舵アクチュエータ駆動部48に転舵アクチュエータ指令信号Bを出力する。一方、衝突の危険性が無い場合には、ステップS7において、遅延制御を行い、操舵角信号θrの位相を遅らせる。そして、ステップS8において、位相が遅れた操舵角信号θrに基づいて遅延転舵アクチュエータ指令信号Cを生成し、転舵アクチュエータ駆動部48に出力する。
また、ステップS4において、Tr≦Trtおよびθr≦θrtが成立する場合には、ステップS9において、第2電源回路38にかかる電源電圧Vが、第2電源回路38の故障の判断の基準となる所定の電源電圧閾値Vtよりも大きい(V>Vt)か否かを判断する。V>Vtの場合には、第2電源回路38が故障しているものとして、ステップS5に進む。また、V≦Vtの場合には、ステップS10において、第1インバータ9Aを駆動する第1プリドライバ29Aに流れる駆動電流Iが、第1インバータ9Aの故障の判断の基準となる所定の電流閾値Itよりも大きい(I>It)か否かを判断する。I>Itの場合には、第1インバータ9Aが故障しているものとして、ステップS5に進む。また、I≦Itの場合には、第1電動モータ8にも電源等にも異常はなく、第1電動モータ8が正常に作動可能であるとして、ステップS11において、転舵アクチュエータ駆動部48に転舵アクチュエータ指令信号Bを出力する。
また、ステップS10の判断に加えて、第1インバータ9Aに付随するFETの故障、例えば通電に関する故障を判断するようにしても良い。そして、I>Itで、かつFETが故障している場合に、ステップS5に進むように図7のフローチャートを構成することもできる。
[第1の実施形態の効果]
前記従来技術のようなステアリング装置では、故障等の要因により反力アクチュエータに異常が生じ、操舵量に対して十分な反力が与えられなくなると、反力の減少分だけ、操舵速度すなわち舵角速度が相対的に高くなる虞がある。つまり、反力アクチュエータの異常時に、運転者は、反力の減少分だけ、正常時よりも高い舵角速度でステアリングホイールを操舵することになる。これに伴い、転舵輪が正常時よりも高い転舵速度で過敏に転舵されて、転舵輪14,14に、摩擦力、つまり車両の前後方向にかかる摩擦力と、車両の前後方向と直交する方向にかかる摩擦力との合力である摩擦力がかかり、この摩擦力が所定の限界摩擦力を超えると、転舵輪14,14が空転し、車両の挙動が不安定になる虞がある。
これに対し、第1の実施形態では、ステアリング装置は、その一態様として、操舵入力機構1であって、ステアリングホイール3と、操舵角センサ6と、反力アクチュエータ5を備え、ステアリングホイール3は、運転者の操舵操作に応じた運動が可能であり、操舵角センサ6は、ステアリングホイール3の運動量に関する信号である操舵角信号θrを出力可能であり、反力アクチュエータ5は、ステアリングホイール3に対し、運転者の操舵負荷を増大させる力を付与するものである、操舵入力機構1と、転舵機構2であって、転舵アクチュエータ16を備え、転舵アクチュエータ16は、転舵アクチュエータ指令信号Bに基づき、転舵輪14,14を転舵させる転舵力を出力可能である、転舵機構2と、コントローラ10であって、操舵角信号受信部44と、転舵アクチュエータ指令信号生成部19と、操舵入力機構状態判断部22と、転舵応答性制御部47と、を有し、操舵角信号受信部44は、操舵角信号θrを受信するものであり、転舵アクチュエータ指令信号生成部19は、操舵角信号θrに基づき転舵アクチュエータ16を駆動制御する転舵アクチュエータ指令信号Bを生成するものであり、操舵入力機構状態判断部22は、少なくとも反力アクチュエータ5の異常の有無を判断するものであり、転舵応答性制御部47は、操舵入力機構状態判断部22が反力アクチュエータ5に異常が発生していると判断するとき、反力アクチュエータ5に異常が発生していないときと比べ、操舵角信号θrに対する転舵アクチュエータ16の応答性を遅らせる遅延制御を行うものである、コントローラ10と、を有する。
つまり、本実施形態では、反力アクチュエータ5の異常時に、反力アクチュエータ5がステアリングホイール3の回転に対し十分な反力を付与することができない場合に、反力アクチュエータ5の正常時よりも、操舵角信号θrに対する転舵アクチュエータ16の応答性を遅らせている。
反力アクチュエータ5の異常時には、反力の減少分だけ、ステアリングホイール3の舵角速度が正常時より高くなってしまうが、操舵角信号θrに対する転舵アクチュエータ16の応答性を遅らせることで、転舵輪14,14が正常時よりも高い転舵速度で過敏に転舵されることが抑制される。よって、ステアリングホイール3の操舵が正常時よりも高い舵角速度で行われる場合であっても、転舵輪14,14に大きな摩擦力がかかることが抑制される。これにより、車両の挙動を安定化させることができる。
また、第1の実施形態では、転舵応答性制御部47は、転舵アクチュエータ指令信号Bの位相を遅らせる応答遅延部49を有し、遅延制御を実施するとき、操舵角信号θrの位相を遅らせる。
このように操舵角信号θrの位相を遅らせることで、この位相が遅れた操舵角信号θrに基づいて、転舵アクチュエータ指令信号Bの位相も遅らせることができる。つまり、位相が遅れた操舵角信号θrに基づいて転舵アクチュエータ指令信号を演算することで、転舵アクチュエータ指令信号Bよりも位相が遅れた遅延転舵アクチュエータ指令信号Cが得られる。そして、転舵アクチュエータ16が遅延転舵アクチュエータ指令信号Cによって駆動されることで、転舵アクチュエータ16の応答性が遅れ、転舵輪14,14が正常時よりも速い転舵速度で過敏に転舵されることが抑制される。従って、転舵輪14,14に大きな摩擦力がかかることが抑制され、車両の挙動を安定化させることができる。
さらに、第1の実施形態では、ステアリングホイール3は、該ステアリングホイール3の回転に応じて回転する操舵軸4であって、操舵角センサ6は、操舵軸4の回転量に関する信号である操舵角信号θrを出力可能であり、転舵応答性制御部47は、遅延制御を実施するとき、操舵軸4の回転量の変化速度である舵角速度が高いほど、操舵角信号θrの位相をより遅らせる。
一般に,舵角速度が高くなるほど、転舵輪14,14が正常時よりも高い転舵速度で過敏に転舵され、これにより、転舵輪14,14に大きな摩擦力がかかることが抑制され、車両の挙動が乱れ易くなる。
そこで、第1の実施形態のように舵角速度が高いほど操舵角信号θrの位相を遅らせることで、この操舵角信号θrによって演算される遅延転舵アクチュエータ指令信号Cの位相も遅らせる。すなわち、遅延転舵アクチュエータ指令信号Cによって転舵輪14,14を転舵することで、転舵輪14,14の過敏な転舵が抑制され、これにより、上記挙動の乱れが抑制される。
また、例えば、舵角速度が比較的高くないときには、操舵角信号θrの位相の遅れ具合を小さくすることにより、遅延転舵アクチュエータ指令信号Cの位相の遅れ具合も小さくなる。これにより、転舵アクチュエータ16の応答性を十分確保しながら、車両の挙動を安定化させることができる。
さらに、第1の実施形態では、コントローラ10は、車両速度の信号である車速信号Vを受信する車速信号受信部40を備え、転舵応答性制御部47は、遅延制御を実施するとき、車両速度が高いほど、操舵角信号θrの位相をより遅らせる。
一般に、車両速度が高いときは、車両の挙動が乱れ易い。このような状況下において、転舵アクチュエータ16の応答性が高いと、転舵輪14,14にさらに大きな摩擦力がかかることになり、車両の挙動がさらに乱れ易くなる。従って、車両速度が高いほど、操舵角信号θrの位相をより遅らせてなる遅延転舵アクチュエータ指令信号Cを得ることで、転舵アクチュエータ16の応答性を低くすることが可能となる。これにより、車両速度が高いときであっても、車両の挙動を安定化させることができる。
一方、例えば車庫入れ時等のように、車両速度が低いときは、車両の挙動の乱れが生じ難いので、転舵アクチュエータ16の応答性を低くする必要がない。すなわち、車両速度が低いときは、転舵アクチュエータ16の応答性を抑えて、良好な操舵が確保される。
また、第1の実施形態では、反力アクチュエータ5は、第1電動モータ8と、インバータ9A,9Bと、リレーを備え、第1電動モータ8は、ステアリングホイール3に設けられており、インバータ9A,9Bは、第1電動モータ8を駆動制御するモータ駆動電流IDを出力するものであり、リレーは、第1インバータ9Aが短絡故障したとき、第1電動モータ8へのモータ駆動電流IDの供給を遮断する。
このように、第1電動モータ8が故障していなくても、インバータ9A,9Bが短絡故障した場合には、第1電動モータ8へのモータ駆動電流IDの供給を遮断することで、ステアリング装置の安全性を向上させることができる。
さらに、第1の実施形態では、コントローラ10は、第1電源回路37と、第2電源回路38を備え、第1電源回路37は、操舵角センサ6に対し電力PAを供給するものであり、第2電源回路38は、反力アクチュエータ5に対し電力PFを供給するものである。
このように第1電源回路37および第2電源回路38を設けることで、例えば、第2電源回路38の異常時においても、第2電源回路38とは別の第1電源回路37によって操舵角センサ6への電力PAの供給を継続することができる。従って、操舵角センサ6からの操舵角信号θrに基づいて転舵アクチュエータ指令信号Bを演算し、転舵アクチュエータ16の制御を継続させることができる。
また、第1の実施形態では、反力アクチュエータ5は、第1電動モータ8と、第1インバータ9Aを備え、第1電動モータ8は、ステアリングホイール3に設けられており、第1インバータ9Aは、第1電動モータ8を駆動制御するモータ駆動電流IDを出力するものであり、操舵入力機構状態判断部22は、第2電源回路38および第1インバータ9Aの異常の有無を判断するものであり、転舵応答性制御部47は、第2電源回路38または第1インバータ9Aに異常が発生していると判断する。
このように、第1電動モータ8の異常だけでなく、第2電源回路38の異常、または第1インバータ9Aの異常についても遅延制御を実施することで、車両の挙動の乱れをより効果的に抑制することができる。
さらに、コントローラ10は、緊急操舵要否判断部23を備え、該緊急操舵要否判断部23は、転舵アクチュエータ16の急転舵の必要性の有無を判断するものであり、転舵応答性制御部47は、緊急操舵要否判断部23が転舵アクチュエータ16の急転舵の必要性有りと判断するとき、遅延制御を禁止する。
緊急操舵要否判断部23が転舵アクチュエータ16の急転舵、つまり速やかな転舵の必要性有りと判断するときは、例えば車両が障害物に衝突する危険性があるときである。このようなときには、前記遅延制御を禁止して速やかな転舵を可能にすることで、車両が障害物に衝突することを抑制するとともに、車両の損傷を抑制することができる。
[第2の実施形態]
図8(a)は、反力アクチュエータ5の正常時における転舵アクチュエータ指令信号Bの処理を示す第2の実施形態のブロック図である。図8(b)は、反力アクチュエータ5の異常時における転舵アクチュエータ指令信号Bの処理を示す第2の実施形態のブロック図である。図8(c)は、反力アクチュエータ5の異常時でかつ、緊急操舵時における転舵アクチュエータ指令信号Bの処理を示す第2の実施形態のブロック図である。
第2の実施形態では、第1の実施形態の応答遅延部49が転舵角ゲイン低下部53に置き換えられている。転舵角ゲイン低下部53は、反力アクチュエータ5の異常時に、正常時よりも転舵アクチュエータ16の応答性を鈍くする。つまり、転舵角ゲイン低下部53は、反力アクチュエータ5の異常時に、ステアリングホイール3の操舵量(切り込みの大きさ)に対して転舵アクチュエータ16の出力を低下させる。換言すれば、転舵角ゲイン低下部53は、後述するマップ(図9参照)により取得されるゲインに応じて転舵アクチュエータ指令信号Bの値を減少させることにより、ステアリングホイール3の操舵量に対して転舵アクチュエータ16の出力を低下させる。
転舵アクチュエータ16は、路面抵抗、転舵輪14,14の重量や転舵アクチュエータ16の慣性質量に抗して転舵輪14,14を転舵させるため、転舵アクチュエータ16の出力が低下すると、路面抵抗等の作用が相対的に大きくなる。よって、転舵アクチュエータ16の応答性が遅れることとなる。
また、操舵入力機構状態判断部22が、操舵角信号θrおよび操舵トルク信号Trに基づいて、反力アクチュエータ5の第1電動モータ8が異常であると判断したときには、転舵アクチュエータ指令信号Bは、図8(b)に示すように、ライン51を介して転舵角ゲイン低下部53に入力され、出力低下処理によって、転舵アクチュエータ指令信号Bの値よりも小さい低下転舵アクチュエータ指令信号Dに変換される。そして、この低下転舵アクチュエータ指令信号Dが、転舵アクチュエータ駆動部48に入力され、当該低下転舵アクチュエータ指令信号Dをもって転舵アクチュエータ16が駆動される。
図9は、転舵角ゲイン低下部53における出力低下処理に用いられるマップである。
このマップは、車速とゲインの相関関係を示すものである。このマップでは、横軸を車速とし、縦軸をゲインとしている。
図9に示すように、ゲインは、車速が比較的低いときには1であり、車速が高くなるほど低下している。図6の例と同様に、例えば車庫入れ時等の車速が比較的低い時には、車両の挙動の乱れが生じ難いため、ゲインに応じて操舵角信号θrの位相を遅らせる必要がない。一方、車速が比較的高いときには、車両の挙動がステアリングホイール3からの入力に対して変化し易いので、ゲインに応じて転舵アクチュエータ指令信号Bの値を減少し、出力が低下した低下転舵アクチュエータ指令信号Dを得ることで、上記挙動の乱れが抑制されるようにしている。
図10は、第2の実施形態のフローチャートである。
まず、ステップS21において、転舵アクチュエータ指令信号Bを読み込む。
そして、ステップS22において、トルクセンサ7からの操舵トルク信号Trを読み込む。
次に、ステップS23において、操舵角センサ6からの操舵角信号θrを読み込む。
ステップS24では、操舵トルク信号Trが、第1電動モータ8の故障の判断の基準となる操舵トルク信号閾値Trtよりも大きいか否かを判断する。さらに、操舵角信号θrが、第1電動モータ8の故障の判断の基準となる操舵角信号閾値θrtよりも大きいか否かを判断する。そして、操舵トルク信号Trが操舵トルク信号閾値Trtよりも大きいこと(Tr>Trt)、および操舵角信号θrが操舵角信号閾値θrtよりも大きいこと(θr>θrt)の少なくとも一方が成立するか否かを判断する。Tr>Trtおよびθr>θrtの少なくとも一方が成立する場合には、第1電動モータ8が故障しているものとして、ステップS25へ進む。ここで、ステップS24における「故障」とは、第1電動モータ8の出力が小さくなることにより操舵軸4に十分な操舵負荷(反力)を付与することができない故障を意味する。
なお、誤作動等の要因により第1電動モータ8に重大な故障が生じた場合には、第1電動モータ8の駆動リレーがオフにされる。上記重大な故障としては、例えば、第1電動モータ8によって操舵軸4に操舵負荷が付与されないことで、ロック位置までほぼ無負荷状態でステアリングホイール3が回転してしまうことや、第1電動モータ8からの操舵負荷が過度に大きいことで運転者がステアリングホイール3を操舵することができないことが挙げられる。
ステップS25では、カメラ13からの映像Iおよび操舵角センサ6からの操舵角信号θrを読み込む。そして、ステップS26において、映像Iおよび操舵角信号θrに基づいて、車両が障害物に衝突する危険性があるか否かを判断する。衝突の危険性がある場合には、遅延制御を行わずに、ステップS31において、転舵アクチュエータ駆動部48に転舵アクチュエータ指令信号Bを出力する。一方、衝突の危険性が無い場合には、ステップS27において、転舵角ゲイン低下部53が、転舵アクチュエータ指令信号Bの値を減少させる。そして、ステップS28において、減少した転舵アクチュエータ指令信号Bの値に基づいて低下転舵アクチュエータ指令信号Dを生成し、転舵アクチュエータ駆動部48に出力する。
また、ステップS24において、Tr≦Trtおよびθr≦θrtが成立する場合には、ステップS29において、第2電源回路38にかかる電源電圧Vが、第2電源回路38の故障の判断基準となる所定の電源電圧閾値Vtよりも大きい(V>Vt)か否かを判断する。V>Vtの場合には、第2電源回路38が故障しているものとして、ステップS25に進む。また、V≦Vtの場合には、ステップS30において、第1インバータ9Aを駆動する第1プリドライバ29Aに流れる駆動電流Iが、第1インバータ9Aの故障の判断の基準となる所定の電流閾値Itよりも大きい(I>It)か否かを判断する。I>Itの場合には、第1インバータ9Aが故障しているものとして、ステップS25に進む。また、I≦Itの場合には、第1電動モータ8にも電源等にも異常はなく、第1電動モータ8が正常に作動可能であるとして、ステップS31において、転舵アクチュエータ駆動部48へ転舵アクチュエータ指令信号Bを出力する。
また、ステップS30の判断に加えて、第1インバータ9Aに付随するFETの故障、例えば通電に関する故障を判断するようにしても良い。そして、I>Itで、かつFETが故障している場合に、ステップS25に進むように図10のフローチャートを構成することもできる。
[第2の実施形態の効果]
第2の実施形態では、転舵応答性制御部47は、遅延制御を実施するとき、転舵アクチュエータ指令信号Bの値を減少させる。
転舵アクチュエータ16は、路面抵抗、転舵輪14,14の重量や転舵アクチュエータ16の慣性質量に抗して転舵輪14,14を転舵させるため、転舵アクチュエータ16の出力が低下すると、路面抵抗等の作用が相対的に大きくなる。よって、この路面抵抗等の作用が転舵アクチュエータ16の出力に対抗することで、転舵アクチュエータ16の応答性が遅れることとなる。これにより、転舵輪14,14が正常時よりも高い転舵速度で過敏に転舵されることが抑制され、転舵輪14,14に大きな摩擦力がかかり難くなる。従って、車両の挙動を安定化させることができる。
[他の実施形態]
他の実施形態では、例えば第1の実施形態のステアリング装置において、転舵アクチュエータ指令信号生成部19は、操舵角信号θrに基づき、転舵輪14,14の転舵角の目標値の信号となる目標転舵角信号を生成し、転舵応答性制御部47は、遅延制御を実施するとき、前記目標転舵角信号の値を減少させるようにしてもよい。
また、反力アクチュエータ5の異常発生時は、舵角速度が正常時よりも高いだけでなく、ステアリングホイール3の操舵量(切り込み量)が過剰となる、つまり操舵角が大きすぎる場合もある。そこで、上述のように、操舵角に関する信号である操舵角信号θrに対する目標転舵角信号の値を減少させることにより、転舵輪14,14の転舵量が低減され、過剰な切り込み量に伴い車両の挙動が不安定となることを抑制することができる。
以上説明した実施形態に基づくステアリング装置としては、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
ステアリング装置は、その一態様として、操舵入力機構であって、操舵操作入力部材と、操舵量センサと、反力アクチュエータを備え、前記操舵操作入力部材は、運転者の操舵操作に応じた運動が可能であり、前記操舵量センサは、前記操舵操作入力部材の運動量に関する信号である操舵量信号を出力可能であり、前記反力アクチュエータは、前記操舵操作入力部材に対し、前記運転者の操舵負荷を増大させる力を付与するものである、前記操舵入力機構と、転舵機構であって、転舵アクチュエータを備え、前記転舵アクチュエータは、転舵アクチュエータ指令信号に基づき、転舵輪を転舵させる転舵力を出力可能である、前記転舵機構と、コントローラであって、操舵量信号受信部と、転舵アクチュエータ指令信号生成部と、操舵入力機構状態判断部と、転舵応答性制御部と、を有し、前記操舵量信号受信部は、前記操舵量信号を受信するものであり、前記転舵アクチュエータ指令信号生成部は、前記操舵量信号に基づき前記転舵アクチュエータを駆動制御する前記転舵アクチュエータ指令信号を生成するものであり、前記操舵入力機構状態判断部は、少なくとも前記反力アクチュエータの異常の有無を判断するものであり、前記転舵応答性制御部は、前記操舵入力機構状態判断部が前記反力アクチュエータに異常が発生していると判断するとき、前記反力アクチュエータに異常が発生していないときと比べ、前記操舵量信号に対する前記転舵アクチュエータの応答性を遅らせる遅延制御を行うものである、前記コントローラと、を有する。
前記ステアリング装置の好ましい態様において、前記転舵応答性制御部は、前記転舵アクチュエータ指令信号の位相を遅らせる応答遅延部を有し、前記遅延制御を実施するとき、前記操舵量信号の位相を遅らせる。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記操舵操作入力部材は、操舵操作入力部材の回転に応じて回転する操舵軸であって、前記操舵量センサは、前記操舵軸の回転量に関する信号である操舵角信号を出力可能であり、前記転舵応答性制御部は、前記遅延制御を実施するとき、前記操舵軸の回転量の変化速度である舵角速度が高いほど、前記操舵量信号の位相をより遅らせる。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記コントローラは、車両速度の信号である車速信号を受信する車速信号受信部を備え、前記転舵応答性制御部は、前記遅延制御を実施するとき、前記車両速度が高いほど、前記操舵量信号の位相をより遅らせる。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記転舵応答性制御部は、前記遅延制御を実施するとき、前記転舵アクチュエータ指令信号の値を減少させる。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記転舵アクチュエータ指令信号生成部は、前記操舵量信号に基づき、前記転舵輪の転舵角の目標値の信号となる目標転舵角信号を生成し、前記転舵応答性制御部は、前記遅延制御を実施するとき、前記目標舵角信号の値を減少させる。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記反力アクチュエータは、電動モータと、インバータと、リレーを備え、前記電動モータは、前記操舵操作入力部材に設けられており、前記インバータは、前記電動モータを駆動制御するモータ駆動電流を出力するものであり、前記リレーは、前記インバータが短絡故障したとき、前記電動モータへの前記モータ駆動電流の供給を遮断する。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記操舵入力機構は、第1電源回路と、第2電源回路を備え、前記第1電源回路は、前記操舵量センサに対し電力を供給するものであり、前記第2電源回路は、前記反力アクチュエータに対し電力を供給するものである。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記反力アクチュエータは、電動モータと、インバータを備え、前記電動モータは、前記操舵操作入力部材に設けられており、前記インバータは、前記電動モータを駆動制御するモータ駆動電流を出力するものであり、前記操舵入力機構状態判断部は、前記第2電源回路および前記インバータの異常の有無を判断するものであり、前記転舵応答性制御部は、前記第2電源回路または前記インバータに異常が発生していると判断する。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記コントローラは、緊急操舵要否判断部を備え、前記緊急操舵要否判断部は、前記転舵アクチュエータの急転舵の必要性の有無を判断するものであり、前記転舵応答性制御部は、前記緊急操舵要否判断部が前記転舵アクチュエータの急転舵の必要性有りと判断するとき、前記遅延制御を禁止する。
2・・・転舵機構、3・・・ステアリングホイール、4・・・操舵軸、5・・・反力アクチュエータ、θr・・・操舵角信号、6・・・操舵角センサ、Tr・・・操舵トルク信号、7・・・トルクセンサ、8・・・第1電動モータ、10・・・コントローラ、12・・・車速センサ、I・・・映像、13・・・カメラ、16・・・転舵アクチュエータ、17・・・転舵角センサ、18・・・第2電動モータ、19・・・転舵アクチュエータ指令信号生成部、20・・・反力制御演算部、21・・・転舵角制御演算部、22・・・操舵入力機構状態判断部、23・・・緊急操舵要否判断部、42・・・反力トルク指令値演算部、43・・・反力アクチュエータ駆動部、A・・・反力トルク指令値、47・・・転舵応答性制御部、48・・・転舵アクチュエータ駆動部、49・・・応答遅延部、B・・・転舵アクチュエータ指令信号、53・・・転舵角ゲイン低下部

Claims (10)

  1. ステアリング装置において、
    操舵入力機構であって、操舵操作入力部材と、操舵量センサと、反力アクチュエータを備え、
    前記操舵操作入力部材は、運転者の操舵操作に応じた運動が可能であり、
    前記操舵量センサは、前記操舵操作入力部材の運動量に関する信号である操舵量信号を出力可能であり、
    前記反力アクチュエータは、前記操舵操作入力部材に対し、前記運転者の操舵負荷を増大させる力を付与するものである、
    前記操舵入力機構と、
    転舵機構であって、転舵アクチュエータを備え、
    前記転舵アクチュエータは、転舵アクチュエータ指令信号に基づき、転舵輪を転舵させる転舵力を出力可能である、
    前記転舵機構と、
    コントローラであって、操舵量信号受信部と、転舵アクチュエータ指令信号生成部と、操舵入力機構状態判断部と、転舵応答性制御部と、を有し、
    前記操舵量信号受信部は、前記操舵量信号を受信するものであり、
    前記転舵アクチュエータ指令信号生成部は、前記操舵量信号に基づき前記転舵アクチュエータを駆動制御する前記転舵アクチュエータ指令信号を生成するものであり、
    前記操舵入力機構状態判断部は、少なくとも前記反力アクチュエータの異常の有無を判断するものであり、
    前記転舵応答性制御部は、前記操舵入力機構状態判断部が前記反力アクチュエータに異常が発生していると判断するとき、前記反力アクチュエータに異常が発生していないときと比べ、前記操舵量信号に対する前記転舵アクチュエータの応答性を遅らせる遅延制御を行うものである、
    前記コントローラと、
    を有することを特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記転舵応答性制御部は、前記転舵アクチュエータ指令信号の位相を遅らせる応答遅延部を有し、前記遅延制御を実施するとき、前記操舵量信号の位相を遅らせることを特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項2に記載のステアリング装置において、
    前記操舵操作入力部材は、操舵操作入力部材の回転に応じて回転する操舵軸であって、
    前記操舵量センサは、前記操舵軸の回転量に関する信号である操舵角信号を出力可能であり、
    前記転舵応答性制御部は、前記遅延制御を実施するとき、前記操舵軸の回転量の変化速度である舵角速度が高いほど、前記操舵量信号の位相をより遅らせることを特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項2に記載のステアリング装置において、
    前記コントローラは、車両速度の信号である車速信号を受信する車速信号受信部を備え、
    前記転舵応答性制御部は、前記遅延制御を実施するとき、前記車両速度が高いほど、前記操舵量信号の位相をより遅らせることを特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記転舵応答性制御部は、前記遅延制御を実施するとき、前記転舵アクチュエータ指令信号の値を減少させることを特徴とするステアリング装置。
  6. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記転舵アクチュエータ指令信号生成部は、前記操舵量信号に基づき、前記転舵輪の転舵角の目標値の信号となる目標転舵角信号を生成し、
    前記転舵応答性制御部は、前記遅延制御を実施するとき、前記目標転舵角信号の値を減少させることを特徴とするステアリング装置。
  7. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記反力アクチュエータは、電動モータと、インバータと、リレーを備え、
    前記電動モータは、前記操舵操作入力部材に設けられており、
    前記インバータは、前記電動モータを駆動制御するモータ駆動電流を出力するものであり、
    前記リレーは、前記インバータが短絡故障したとき、前記電動モータへの前記モータ駆動電流の供給を遮断することを特徴とするステアリング装置。
  8. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記コントローラは、第1電源回路と、第2電源回路を備え、
    前記第1電源回路は、前記操舵量センサに対し電力を供給するものであり、
    前記第2電源回路は、前記反力アクチュエータに対し電力を供給するものであることを特徴とするステアリング装置。
  9. 請求項8に記載のステアリング装置において、
    前記反力アクチュエータは、電動モータと、インバータを備え、
    前記電動モータは、前記操舵操作入力部材に設けられており、
    前記インバータは、前記電動モータを駆動制御するモータ駆動電流を出力するものであり、
    前記操舵入力機構状態判断部は、前記第2電源回路および前記インバータの異常の有無を判断するものであり、
    前記転舵応答性制御部は、前記第2電源回路または前記インバータに異常が発生していると判断するとき、前記遅延制御を実施することを特徴とするステアリング装置。
  10. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記コントローラは、緊急操舵要否判断部を備え、
    前記緊急操舵要否判断部は、前記転舵アクチュエータの急転舵の必要性の有無を判断するものであり、
    前記転舵応答性制御部は、前記緊急操舵要否判断部が前記転舵アクチュエータの急転舵の必要性有りと判断するとき、前記遅延制御を禁止することを特徴とするステアリング装置。
JP2018166490A 2018-09-06 2018-09-06 ステアリング装置 Active JP7453742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018166490A JP7453742B2 (ja) 2018-09-06 2018-09-06 ステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018166490A JP7453742B2 (ja) 2018-09-06 2018-09-06 ステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020037370A true JP2020037370A (ja) 2020-03-12
JP7453742B2 JP7453742B2 (ja) 2024-03-21

Family

ID=69737351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018166490A Active JP7453742B2 (ja) 2018-09-06 2018-09-06 ステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7453742B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022074826A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14 日産自動車株式会社 転舵方法及び転舵装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05178226A (ja) * 1991-12-27 1993-07-20 Nissan Motor Co Ltd 後輪舵角制御装置
JPH0653368U (ja) * 1992-12-17 1994-07-19 光洋精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2000159135A (ja) * 1998-11-25 2000-06-13 Mitsubishi Motors Corp パワーステアリング装置
JP2000177616A (ja) * 1998-12-15 2000-06-27 Toyota Motor Corp 車両の緊急時走行支援装置
JP2005096745A (ja) * 2003-08-28 2005-04-14 Nissan Motor Co Ltd 車両用操舵装置
JP2005239031A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Toyota Motor Corp 車両の操舵装置
JP2009101809A (ja) * 2007-10-23 2009-05-14 Mazda Motor Corp 車両用運転支援装置
JP2016084003A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP2017061284A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 トヨタ自動車株式会社 車両用運転支援装置
US20180029637A1 (en) * 2016-07-29 2018-02-01 Ford Global Technologies, Llc Enhanced steering operation

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5178226B2 (ja) 2008-02-08 2013-04-10 オリンパス株式会社 画像処理装置および画像処理プログラム

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05178226A (ja) * 1991-12-27 1993-07-20 Nissan Motor Co Ltd 後輪舵角制御装置
JPH0653368U (ja) * 1992-12-17 1994-07-19 光洋精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2000159135A (ja) * 1998-11-25 2000-06-13 Mitsubishi Motors Corp パワーステアリング装置
JP2000177616A (ja) * 1998-12-15 2000-06-27 Toyota Motor Corp 車両の緊急時走行支援装置
JP2005096745A (ja) * 2003-08-28 2005-04-14 Nissan Motor Co Ltd 車両用操舵装置
JP2005239031A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Toyota Motor Corp 車両の操舵装置
JP2009101809A (ja) * 2007-10-23 2009-05-14 Mazda Motor Corp 車両用運転支援装置
JP2016084003A (ja) * 2014-10-24 2016-05-19 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP2017061284A (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 トヨタ自動車株式会社 車両用運転支援装置
US20180029637A1 (en) * 2016-07-29 2018-02-01 Ford Global Technologies, Llc Enhanced steering operation

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022074826A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14 日産自動車株式会社 転舵方法及び転舵装置
JP7452688B2 (ja) 2020-10-09 2024-03-19 日産自動車株式会社 転舵方法及び転舵装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7453742B2 (ja) 2024-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6593508B2 (ja) モータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置
JP5050421B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
US20180037256A1 (en) Actuator control device
US8272474B2 (en) Electric power steering system
US8027766B2 (en) Electric power steering device
US9718492B2 (en) Electric power steering apparatus
US10661826B2 (en) Steering control unit
JP6349989B2 (ja) モータ制御装置及びステアリング装置
US11787470B2 (en) Electric power steering apparatus, control device, control method, and motor module
JP7453742B2 (ja) ステアリング装置
JP7307000B2 (ja) 操舵制御装置
JP6911714B2 (ja) 操舵制御装置
JP2006256346A (ja) 車両用操舵装置
JP7376290B2 (ja) 操舵制御装置
JP2019147427A (ja) 操舵制御装置
JP7306928B2 (ja) 操舵制御装置
JP5293136B2 (ja) 車両用操舵装置
JP5092509B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5181540B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2008149910A (ja) 電気式動力舵取装置
JP5061536B2 (ja) モータ制御装置及びこれを用いた電動パワーステアリング制御装置
JP2009001044A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP7200981B2 (ja) パワーステアリング制御装置、及びパワーステアリング制御方法
US11713074B2 (en) Motor control device, control method, motor module, and electric power steering apparatus
US20220266894A1 (en) Electric power steering apparatus, control device used in electric power steering apparatus, and control method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221128

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20221128

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20221206

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20221213

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20230113

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20230117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7453742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150