以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
なお、以下の説明において、各実施形態のうち、同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る内燃機関システムの概略構成図である。
図1を参照して、同システムは、内燃機関としてのエンジン10を制御するパワートレイン制御モジュール(PCM:Powertrain Control Module)100と、エンジン10に装備されたトランスミッション201を制御するトランスミッション制御モジュール(TCM:Transmission Control Module)200と、ステアリングユニット301を制御するステアリング制御モジュール300と、車体に装備される各種のコンビニエンススイッチSW2〜SW5を制御する車体制御モジュール(BCM:Body Control Module)400とを備えている。なお、各モジュール100〜400は、論理的な構成であり、現実には一つのシステムで複数のモジュールを構築してもよく、或いは、一つのモジュールを複数のシステムで構築してもよい。これら各モジュール100〜400のうち、少なくともパワートレイン制御モジュール100は、全体として、所定の自動停止条件が成立したときにエンジン10を自動停止させ、停止後、上記再始動条件が成立したときに、少なくともエンジン停止時に膨張行程にある気筒15で燃焼を行わせてエンジン10を自動的に再始動させる自動停止制御を行うとともに、その自動停止制御におけるエンジン停止動作中に上記再始動条件が成立したとき、エンジン10が完全に停止する前であっても燃料供給と点火を復帰させて再始動を開始させる自動停止制御手段となっている。
以下、これらの各モジュール100〜400を説明するに当たり、車両並びに車両に搭載されている内燃機関システムについて説明する。
まず図1を参照して、1は、車室に装備されるインストゥルメントパネルであり、このインストゥルメントパネル1には、表示ユニット2が装備されている。表示ユニット2には、システムに不具合が発生した際、当該システムの不具合を表示するワーニング報知部3が設けられている。図では省略されているが、ワーニング報知部3は、例えば、GUI(Graphical User Interface)を表示する液晶パネルや、音声等を出力するスピーカ等で構成されており、各モジュール100〜400の制御に基づき、オイル切れ等、各種のワーニング(警告)を運転者に報知することができるようになっている。
4は、車室のダッシュロアパネルであり、このダッシュロアパネル4には、運転者が車両を操舵するステアリングホイール5と、変速段を操作するためのシフトレバー6と、アクセルペダルユニット7のアクセルペダル7aと、ブレーキユニット8のブレーキペダル8aとが設けられている。
また車両には、当該エンジン10を運転者が始動するためのイグニションキースイッチSW1が設けられている。
図2は、本発明の第1実施形態に係る内燃機関システムのうち、エンジンの断面を主に示す概略構成図であり、図3は、本発明の第1実施形態に係る内燃機関システムのうち、エンジンの平面を主に示す概略構成図である。
図1並びに図2および図3を参照して、エンジン10は4サイクル火花点火式エンジンであって、動力を出力するクランクシャフト11と、クランクシャフト11を収容するシリンダブロック12と、シリンダブロック12の上部に載置されて、シリンダブロック12とともにエンジン10の筐体を構成するシリンダヘッド14と、シリンダブロック12とシリンダヘッド14とに形成される4つの気筒15A〜15D(図3参照)とを備えている。
各気筒15A〜15Dの内部には、図略のコネクティングロッドによってクランクシャフト11に連結されたピストン16が嵌挿されることにより、当該ピストン16の上方に燃焼室18が形成されている。各気筒15A〜15Dに設けられたピストン16は、所定の位相差をもってクランクシャフト11の回転に伴い上下運動を行うように構成されている。
ここで、4気筒4サイクルエンジンであるエンジン10では、各気筒15A〜15Dが所定の位相差をもって吸気、圧縮、膨張、排気の各行程からなるサイクルを行うようになっており、各サイクルが1番気筒(図示の例では気筒15A)、3番気筒(図示の例では気筒15C)、4番気筒(図示の例では気筒15D)、2番気筒(図示の例では気筒15B)の順にクランク角で180°(180°CA)の位相差をもって行われるように構成されている。
シリンダヘッド14には、気筒15A〜15Dの燃焼室18毎に配設された点火プラグ19が、当該点火プラグ19の先端に設けられた電極が燃焼室18内に臨むように設置されている。点火プラグ19は、例えばねじ等、周知の構造によってシリンダヘッド14に取り付けられている。点火プラグ19を作動する点火装置20は、パワートレイン制御モジュール100からの制御信号DIGを受けて、点火プラグ19が所望の点火タイミングで火花を発生するよう、それに通電する。
また、シリンダヘッド14には、当該燃焼室18の側方に配置され、燃焼室18内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁21が設けられている。この燃料噴射弁21は、図外のニードル弁およびソレノイドを内蔵し、パワートレイン制御モジュール100の燃焼制御部120(図2参照)から入力されたパルス信号DFLのパルス幅に対応する時間だけ駆動されて開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を点火プラグ19の電極付近に向けて噴射するように構成されている。
また、エンジン10には、図1および図2に示すように、タイミングベルト等によりクランクシャフト11に連結されたオルタネータ23が付設されている。このオルタネータ23は、図略のフィールドコイルの電流を制御して出力電圧を調節することにより発電量を調整するレギュレータ回路24を内蔵し、このレギュレータ回路24に入力されるパワートレイン制御モジュール100(図2参照)からの制御信号に基づき、車両の電気負荷(図1および図4参照)および車載された電力供給システム500のバッテリ510、520(図1および図4参照)の電圧値VMBAT、VEBAT等に対応した発電量の制御が実行されるように構成されている。
またエンジン10には、当該クランクシャフト11に駆動力を付与してエンジン10を始動させるスタータユニット27が設けられている。このスタータユニット27は、スタータモータ27a(電気モータ)とピニオンギア27bとを有している。ピニオンギア27bの回転軸は、スタータモータ27aの出力軸と同軸で、その回転軸に沿って往復移動する。またクランクシャフト11には、図略のフライホイールと、このフライホイールに固定されたリングギア28が、回転中心に対して同心に設けられている。そして、このスタータユニット27を用いてエンジンを始動する場合には、ピニオンギア27bが所定の噛合位置に移動して、リングギア28に噛合することにより、クランクシャフト11が回転駆動されるようになっている(クランキング)。
また、各気筒15A〜15Dの上部には、燃焼室18に向かって開口する吸気ポート30および排気ポート31が設けられている。そして、これらのポート30、31と燃焼室18との連結部分には、吸気バルブ32および排気バルブ33がそれぞれ装備されている。吸気ポート30には吸気通路35が、排気ポート31には排気通路70が、それぞれ接続されている。吸気ポート30に近い吸気通路35の下流側は、図3に示すように、各気筒15A〜15Dに対応して独立した分岐吸気通路36に分岐しており、この各分岐吸気通路36の上流端がそれぞれサージタンク37に連通している。このサージタンク37よりも上流側には共通吸気通路38が設けられている。この共通吸気通路38には、スロットルボディ39が設けられている。スロットルボディ39には、各気筒15A〜15Dに流入する空気量を調整可能なスロットル弁40とこのスロットル弁40を駆動するアクチュエータ41と、アイドリング回転速度制御装置(ISC:Idling Speed Control device)42とが設けられている。図示の実施形態において、アイドリング回転速度制御装置42は、パワートレイン制御モジュール100の燃焼制御部120によって開弁量を変更可能な電磁駆動式のものである。
他方、図2に示すように、排気通路70には、排気を浄化する触媒コンバータ96が設けられている。
次に、図1を参照して、上述のようなエンジン10には、トランスミッション201が設けられている。
図4は、本発明の第1実施形態に係る車両の要部を示す概略構成図である。
図4を参照して、当該車両にはエンジン10に隣接してトランスミッション201が搭載されている。トランスミッション201は、エンジン10からクランクシャフト11を介して入力された動力を、適宜回転数および適宜トルクに自動的に変換(運転者の選択によって手動も可能)し、ディファレンシャル機構207から車両の駆動車軸208に伝達する装置である。トランスミッション201は、図略のトルクコンバータや油圧機構220を備える。油圧機構220は、図略の油圧クラッチ、油圧ブレーキおよびそれらを断続させるためのバルブアセンブリ等を含む。
油圧機構220のバルブアセンブリは、複数のソレノイドバルブやスプール弁等を備えている。ソレノイドバルブには、トランスミッション制御モジュール200から制御信号DTMOILが送られ、その制御信号DTMOILに基づいて油圧クラッチ等に供給される作動油圧(ライン圧)の大きさが調整されたり、締結される油圧クラッチが切換えられたりして、変速が実行される。
油圧機構220の油圧源として、機械式オイルポンプ222および電動式オイルポンプ223が設けられている。機械式オイルポンプ222は、従来のトランスミッションに一般的に用いられているものと同様であって、そのロータはエンジン10のクランクシャフト11と直結されている。従って機械式オイルポンプ222はエンジン10と連動して駆動される。機械式オイルポンプ222の駆動により、油圧機構220が有効に作動する。つまりトランスミッション201が動力伝達可能状態となる。第1実施形態では、エンジン10の通常の運転時には原則として機械式オイルポンプ222が用いられる。
電動式オイルポンプ223は、機械式オイルポンプ222に付加的に設けられ、これと併用または単独で用いられる。電動式オイルポンプ223はトランスミッションポンプドライバ224によって駆動される。トランスミッションポンプドライバ224は図略の電気モータ等を内蔵し、汎用バッテリ510からの電力によって電動式オイルポンプ223のロータを駆動する。従って電動式オイルポンプ223はエンジン10が停止中にも油圧を発生させ、それを油圧機構220に供給することができる。第1実施形態では、電動式オイルポンプ223は主にエンジン10の自動停止中またはその再始動開始直後においてトランスミッション201を動力伝達可能状態にするために用いられる。このような使用条件では油圧機構220のライン圧が比較的低いので、電動式オイルポンプ223にかかる負荷が小さい。そのため電動式オイルポンプ223やトランスミッションポンプドライバ224は小型、小容量対応のものが採用されている。
次に、第1実施形態に係るブレーキユニット8は、ダイナミックスタビリティコントロール(DSC:Dynamic Stability Control)230と連結されている。ダイナミックスタビリティコントロール230は、例えば、当該車両に設けられている各種センサから車両の走行状態を判定する判定部と、判定部の処理情報に基づいて当該車両の経路を予測する経路予測部と、当該車両の車輪209のスリップを検出する検出部等を論理的に備え、予測される経路に相応するブレーキ操作(或いはステアリングホイール5の操作であってもよい)がなされた場合に、その操作量を自動的に修正することにより、運転者の人的要因による車両の不随意な挙動を防止する装置である。
第1実施形態において、ダイナミックスタビリティコントロール230は、ヒルホルダユニット240を内蔵している。ヒルホルダユニット240は、車両の駆動車軸208に装備された油圧式ディスクブレーキ210の制動力を制御し、車両が坂道で発進する際、車両が不随意に後退するのを防止する装置である。ダイナミックスタビリティコントロール230は、DSCドライバ231を介してパワートレイン制御モジュール100に接続され、制御されるようになっている。
次に、図1を参照して、第1実施形態のステアリングユニット301は、エレクトロハイドロリックパワーアシストステアリングユニット(EHPAS:Electro-Hydraulic Power-Assisted Steering Unit)で具体化されており、ステアリングホイール5の操舵力を図略のモータでアシストするユニットである。
また、車両には、空調ユニット401を初めとする種々のコンビニエンス(電装品)が装備されており、車体のボンネットの開閉に関する出力信号SWBTを出力するボンネットスイッチSW2、ライトの点滅に関するライト点滅に関する出力信号SWLTを出力するライトスイッチSW3、ドアの開閉状態に関する出力信号SWDRを出力するドアスイッチSW4、ワイパーの動作に関する出力信号SWWPを出力するワイパスイッチSW5等が設けられており、これら各スイッチSW2〜SW5が車体制御モジュール400に入力され、パワートレイン制御モジュール100と協働して車両を制御できるようになっている。
次に、本内燃機関システムの電力供給システムについて説明する。
図1および図4を参照して、第1実施形態に係る電力供給システムは、車室から操作されるイグニションキースイッチSW1と、複数のリレー501〜506を介して形成される給電ラインと、この給電ラインから電気負荷(例えば、上述した表示ユニット2、ワーニング報知部3、点火装置20、燃料噴射弁21を制御する図外のソレノイド、オルタネータ23のレギュレータ回路24、スタータユニット27のスタータモータ27a、スロットル弁40を駆動するアクチュエータ41、アイドリング回転速度制御装置42、油圧機構220のバルブアセンブリ、電動式オイルポンプ223、ダイナミックスタビリティコントロール230、ヒルホルダユニット240、図略のアンチロックブレーキングシステム(ABS:anti-lock braking systems)、ステアリングユニット301、およびこれらユニットのドライバ等、並びに各モジュール100〜400等。以下、「電気負荷」というときは、これらの総称である)に接続される汎用バッテリ510と、電気負荷のうち、特にスタータユニット27のスタータモータ27aを駆動するための電力を供給する始動用バッテリ520と含む2バッテリシステムである。
このような2バッテリシステムには自動停止制御において次のような利点がある。後述するように、第1実施形態ではエンジン自動停止からの再始動時にスタータユニット27を駆動する場合がある。スタータユニット27の駆動には、比較的大きな電流が必要なので、バッテリ電圧が一時的に低下する。電気負荷の中には、各種ライトやデフォッガ等のように、そのような電圧低下が殆ど問題にならないものもあるが、エアバッグコントロールユニット、EHPAS(電子油圧式パワーステアリング)コントロールユニット、ナビゲーションシステム、オーディオ、各種メータ類等、一時的な電圧低下が望ましくないものも多い。そこで第1実施形態では、スタータモータ27aを除く電気負荷には、比較的容量の高い汎用バッテリ510から安定した電圧で電力を供給し、スタータユニット27には専用の始動用バッテリ520から電力を供給することにより、再始動時にスタータユニット27を駆動して始動用バッテリ520の電圧が一時的に低下しても、その影響が、スタータモータ27aを除く電気負荷に可及的に及ばないようにしている。
イグニションキースイッチSW1は、入力接点、OFF接点、出力接点、およびスタータ始動接点を有しており、このイグニションキースイッチSW1の入力接点が汎用バッテリ510の出力端子と接続されている。
イグニションキースイッチSW1の入力接点と汎用バッテリ510との間には、a接点のメインリレー501が接続されている。メインリレー501は、パワートレイン制御モジュール100の制御によってON/OFFされる構成になっており、このメインリレー501によって、システム全体のフェールセーフ機能が確保されている。
イグニションキースイッチSW1の出力接点には、スタータモータ27aを含む電気負荷を介して並列に接続されている。
また、スタータユニット27のスタータモータ27aは、a接点のパワーリレー502を介して汎用バッテリ510と接続されている。従って、パワーリレー502がオフのときにはスタータユニット27への電力供給がなされず、パワーリレー502がオンのときにはスタータユニット27への電力供給が可能となる。これとともに、スタータモータ27aは、パワーリレー502よりも上流側で分岐するワイヤーハーネス(図1中のSTで示すライン)により、イグニションキースイッチSW1のスタータ始動接点とも接続されている。イグニションキースイッチSW1のスタータ始動接点には、スタータモータ27aを駆動する図略のドライバが接続されている。
スタータモータ27aに接続されたパワーリレー502やスタータリレー503は、図略のドライバを介してパワートレイン制御モジュール100の制御により開閉されるようになっている。特に、スタータリレー503のドライバは、自己保持回路を構成しており、所定時間、スタータ始動接点に起電力が生じると、回路を閉じて、スタータモータ27aのスタータリレー503を閉成するとともに、パワートレイン制御モジュール100の制御により、自身の回路を開成して、スタータリレー503を開成するように構成されている。
同様に、イグニションキースイッチSW1の出力接点には、a接点のATポンプリレー504を介して電動式オイルポンプ223が接続されている。従って、ATポンプリレー504がオフのときにはトランスミッションポンプドライバ224への電力供給がなされず、ATポンプリレー504がオンのときにはスタータユニット27への電力供給が可能となる。また、イグニションキースイッチSW1の出力接点には、DSCリレー505を介して、ヒルホルダユニット240を内蔵するダイナミックスタビリティコントロール230が接続されている。
ここで、上述した電気負荷のうち、例えば、DSCリレー506は、エンジン10の停止時にも閉成されており、車両の安全を最大限に図るために、ダイナミックスタビリティコントロール230やその内蔵品であるヒルホルダユニット240は、エンジン10の停止時にも稼動し、不測の事態に対処できるように構成されている。
次に、始動用バッテリ520は、汎用バッテリ510よりも小容量で、スタータユニット27を専用に駆動するバッテリである。始動用バッテリ520は、スタータリレー503を介してスタータユニット27に接続され、電力供給が可能となっている。また始動用バッテリ520は、a接点のチャージリレー505を介してオルタネータ23とも接続されている。これにより、チャージリレー505がONのとき、オルタネータ23で発電された電気が始動用バッテリ520にも充電される。チャージリレー505は、汎用バッテリ510の出力端子の最上流部分と始動用バッテリ520の出力端子の最上流部分との間に介在している。
次に、車両には、当該車両の走行速度を検出する車速センサSN1と、加速度を検出する加速度センサSN2と、車室に設けられたステアリングホイール5の回転角度RDθを検出する操舵角センサSN3と、アクセルペダル7aの踏み込み量に基づくアクセル開度ALθを検出するアクセル開度センサSN4と、ブレーキユニット8に設けられたマスタバック負圧センサSN5と、ダイナミックスタビリティコントロール230に内蔵されたブレーキ油圧センサSN6とが設けられている。これらセンサSN1〜SN6の出力信号SNVSS、SNG、SNRDθ、SNALθ、SNMBKP、およびSNBKPは、パワートレイン制御モジュール100に対し、直接または間接的に入力されるように構成されている。
他方、エンジン10には、クランクシャフト11の回転角(クランク角度CA)を検出する2つの検出素子を有するクランク角センサSN11が設けられている。クランク角センサSN11の各検出素子は、エンジン回転速度Neの演算の基となる出力信号SN11、SN12を出力するとともに、クランク角センサSN11の各検出素子から出力される出力信号SN11、SN12の位相差に基づいて、当該エンジン10のクランク角度CAが検出されるようになっている。このクランク角センサSN11の出力信号SN11およびSN12が、パワートレイン制御モジュール100に入力され、エンジン回転速度Neとクランク角度CAとが検出されるように構成されている。
また、エンジン10には、図略の吸気側カムシャフトの位相θCAMを検出するカム位相センサSN12と、冷却水温度TENGを検出する水温センサSN14と、スロットル弁40の上流側に設けられ、吸気流量を検出するエアフローセンサSN15と、スロットル弁40の下流側に設けられ、吸気圧力を検出する吸気圧センサSN16とを備えており、これらセンサSN11〜SN16の出力信号SN11、SN12、SNCAMθ、SNENT、SNAF、およびSNINPが、パワートレイン制御モジュール100に入力されるように構成されている。
また、トランスミッション201のギアボックス202内には、変速段を検出するギアポジションスイッチSW201が配置されており、このギアポジションスイッチSW201が出力する出力信号SWGRがトランスミッション制御モジュール200に(従って、パワートレイン制御モジュール100に)入力されるように構成されている。
さらに本実施形態に係る電力供給システムには、各バッテリ510、520の電流値IMBAT、IEBATを検出する電流センサSN51、SN52と、各バッテリ510、520の電圧値VMBAT、VEBATを検出する電圧センサSN53、SN54とが設けられており、各センサSN51〜SN54から出力される出力信号SNMBI、SNEBI、SNMBV、SNEBVが、パワートレイン制御モジュール100に入力されるように構成されている。なお、本実施形態では、汎用バッテリ510の温度T MBATを検出するバッテリ温度センサSN55が設けられており、このバッテリ温度センサSN55の出力信号SN MBAT_Tも、パワートレイン制御モジュール100に入力されるように構成されている。
次に、図2を参照して、パワートレイン制御モジュール100は、CPU、メモリ、カウンタタイマ群、インターフェースおよびこれらを接続するバスを有するマイクロプロセッサで構成され、エンジン10およびトランスミッション201(これらを合わせてPT:パワートレインともいう)並びに車両の電気負荷を総合的に制御するユニットである。
パワートレイン制御モジュール100には、入力要素としての各種センサSN1〜SN55並びに、各種スイッチSW1〜SW201が直接または間接的に接続されている。またパワートレイン制御モジュール100には、出力要素としての制御対象(点火装置20、燃料噴射弁21、オルタネータ23を含む各種電気負荷、スタータユニット27、スロットル弁40、トランスミッション201の油圧機構220、空調ユニット401等。以下、「制御対象」というときは、これらの総称である)に対して制御信号を出力する。
第1実施形態において、パワートレイン制御モジュール100は、運転状態判定部110、停止/再始動条件判定部111、バッテリ状態判定部112、燃焼制御部120、自動停止制御部121、スタータ制御部122、リレー制御部124、および異常処理制御部125を論理的に構成している。
運転状態判定部110は、各センサSN1〜SN12やスイッチSW1〜SW201等の検出値に基づき、車両や車両に搭載されたエンジン10の運転状態を判定するモジュールである。
停止/再始動条件判定部111は、機能的には、運転状態判定部110と同様に(或いは協働して)各センサSN1〜SN12やスイッチSW1〜SW201等の検出値に基づき、所定の自動停止条件が成立したときにエンジン10を自動停止させ、自動停止後、所定の再始動条件が成立したときにエンジン10を自動的に再始動させる自動停止制御を実行するための自動停止条件や再始動条件を判定するためのものである。第1実施形態において、自動停止条件は、エンジン10がアイドル運転状態、車速VSSが所定値以下(停止を含む)の状態、ブレーキペダル8aが踏み込まれた(例えば、ブレーキ油圧センサSN6の検出したブレーキ油圧BKPが所定値以上)の場合、水温センサSN9か検出したエンジン冷却水の温度TENGが所定温度(例えば80℃)以上、空調ユニット401が停止された場合、並びにチャージリレー505が遮断されていること等を含み、これらが全て成立した場合に、停止/再始動条件判定部111は、自動停止条件が成立したと判定する。
また、第1実施形態において、再始動条件は、少なくともトランスミッション201の変速段がニュートラルに切り換えられており、且つ上述した自動停止条件が一つでも解除された場合であり、停止/再始動条件判定部111は、トランスミッション201の変速段がニュートラルに切り換えられ、且つ、残余の自動停止条件の少なくとも一つ解除をもって、再始動条件が成立したと判定する。ところで、エンジン10の始動の態様としては、自動停止したエンジン10を、スタータユニット27を用いずに燃焼のみによって再始動する「燃焼再始動」と、スタータユニット27を用いて停止しているエンジン10を始動する「スタータ始動」(燃焼再始動後にスタータユニット27でエンジン10の始動をアシストするスタータアシスト制御を含む)とがある。さらに、スタータユニット27によってエンジン10を始動させる態様には、運転者が図1に示したイグニションキースイッチSW1を操作してスタータユニット27を駆動させ、それによってエンジン10を始動させる「キー始動」と、エンジン10の自動停止後の再始動時に、パワートレイン制御モジュール100のスタータ制御部122(図2参照)が自動的にスタータユニット27を駆動させ、それによってエンジン10を始動させる「スタータ自動再始動」とがある。そのため、停止/再始動条件判定部111は、自動停止したエンジン10のピストン停止位置等に基づいて、「燃焼再始動」条件の成否と、「スタータ自動再始動」条件の成否とを区別して判定するように構成されている。
燃焼制御部120は、アクセル開度センサSN4、並びにクランク角センサSN11、カム位相センサSN12、水温センサSN14、エアフローセンサSN15、および吸気圧センサSN16からの出力信号SNALθ、SN11、SN12、SNCAMθ、SNENT、SNENT、SNAF、およびSNINP等に基づき、エンジン10の適正なスロットル開度(吸気量)TVO、燃料噴射量QFLとその噴射タイミングTFL、および適正点火タイミングTIGを設定し、その制御信号DTVO、DFL_Q、DIGを燃料噴射弁21、スロットル弁40(のアクチュエータ41)、点火装置20に出力する。
バッテリ状態判定部112は、各バッテリ510、520に設けた電流センサSN51〜SN54の検出した電流値IMBAT、IEBATや、電圧値VMBAT、VEBATに基づいて、バッテリ510、520の蓄電量や、電力供給状態を検出するモジュールである。本実施形態においてバッテリ状態判定部112は、エンジン10の自動停止時に、始動用バッテリ520から流出する電流値IEBATや、電圧値VEBATの変化(微分値)を所定の電流値IEBAT_TH(または電圧値VEBAT_TH)と比較する停止時電流(電圧)値診断ステップを実行する停止時電流(電圧)値診断手段や、エンジン10が運転されている際の自動停止条件の成立時に、始動用バッテリ520から流出する電流値IEBATや、電圧値VEBATの変化(微分値)の絶対値を所定の電流値IEBAT_TH(または電圧値VEBAT_TH)所定電流値と比較する運転時電流(電圧)値診断ステップを実行する運転時電流(電圧)値診断手段を構成するものでもある。
自動停止制御部121は、第1実施形態において、運転状態判定部110、停止/再始動条件判定部111、バッテリ状態判定部112、および燃焼制御部120等と協働して、所定の自動停止条件が成立したときに、オルタネータ23、スロットルアクチュエータ41、燃料噴射弁21、点火装置20等を制御し、運転中のエンジン10を自動停止させる自動停止ステップを実行する自動停止手段や、所定の再始動条件が成立したときに、始動用バッテリ520からスタータユニット27に給電してエンジン10を自動的に再始動させる再始動ステップを実行する再始動手段の要部を構成している。特に、自動停止制御部121は、詳しくは後述するように、始動用バッテリ520から流出する電流値IEBATや、電圧値VEBATの変化(微分値)が所定の電流値IEBAT_TH(または電圧値VEBAT_TH)を超えている場合には、再始動条件の成否に拘わらず、エンジン10を再始動する強制再始動ステップを実行する強制再始動手段を構成するモジュールでもある。なお、始動用バッテリ520の電圧値VEBATを検出する方法としては、スタータユニット27によるクランキング時のエンジン回転速度(クランキング回転速度)をパラメータとし、所定回転速度(例えば50rpm)よりも高い場合には、始動用バッテリ520の充電状態が充分であると判定し、そうでないときに始動用バッテリ520の充電状態が不充分であると判定する構成を採用してもよい。
スタータ制御部122は、イグニションキースイッチSW1のキー操作によるキー始動時、およびエンジン自動停止制御における再始動においてスタータユニット27駆動が必要とされたときにスタータユニット27に制御信号DSTRを送り、スタータユニット27を駆動させるためのモジュールである。
リレー制御部124は、自動停止制御部121等と協働して、図4に示すパワーリレー502、チャージリレー505およびATポンプリレー504を必要に応じてオン/オフさせるモジュールである。第1実施形態において、リレー制御部124は、運転者や搭乗者のスイッチ操作に基づき、或いは自動的に、電気負荷を作動させたりその作動状態を変化させたりする電気負荷制御機能を司るモジュールでもある。通常、電気負荷に対しては、汎用バッテリ510から給電されるように、リレー501〜506の開閉がリレー制御部124によって制御される。また、エンジン10の始動時には、詳しくは後述するように、原則として、始動用バッテリ520からスタータユニット27に給電されるようにリレー501〜506を開閉する(特にスタータリレー503を閉じる)が、所要の場合には、スタータリレー503の閉成時にパワーリレー502を閉成し、汎用バッテリ510からも給電アシストを実行するように構成されている。
異常処理制御部125は、エンジン10のエンスト時等、種々の異常発生時に所定の処理を行う。例えば、エンストが発生した際に、ワーニング報知部3に一定の動作を実行させたり、予め設定されているエンスト時の制御フラグの初期化等を実行させるといった、エンスト処理を実行する。なお後述するように、この異常処理制御部125によるワーニング報知は、エンジン自動停止制御において所定のエンジン停止状態となったときや自動停止制御の実行を禁止した際にも実行される。
トランスミッション制御モジュール200は、トランスミッション201の油圧機構220に対する制御を行う油圧制御手段である。具体的には、油圧機構220内の各種ソレノイドバルブに制御信号を送る。例えばトランスミッション制御モジュール200は、予め設定された自動変速パターンに基づいて、或いは運転者によるシフトレバー6の操作に基づいて、ソレノイドバルブ(ON/OFFバルブ)に変速用の制御信号を送って変速させる。また、走行状態またはエンジン負荷(例えばアクセル開度で検出)に応じたライン圧とするために、DUTYソレノイドバルブに調圧信号を送り、機械式オイルポンプ222または電動式オイルポンプ223の吐出圧を適正な作動油圧(ライン圧)に調圧する。また、トランスミッション制御モジュール200は、トランスミッションポンプドライバ224の動作を制御するモジュールでもある。具体的には、エンジン10が通常運転中にはトランスミッションポンプドライバ224を停止させる。そしてエンジン10が自動停止中にはトランスミッションポンプドライバ224に電動式オイルポンプ223を通常駆動させる。このときのライン圧は上述のように第1油圧P1である。通常駆動でライン圧が第1油圧P1であれば電動式オイルポンプ223は連続駆動可能である。
なお、残余のモジュール300〜400は、それ自体は公知のユニットと同様の機能を奏するので、その詳細については、説明を省略する。また上述したように、トランスミッション制御モジュール200を初めとする各モジュール300〜400は、論理的には、パワートレイン制御モジュール100と別構成のモジュールになっているが、これらは協働して、車両の運転制御を実行する。
次にパワートレイン制御モジュール100によって行われる自動停止制御について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係るエンジンの自動停止制御を示すフローチャートである。
図5を参照して、まずパワートレイン制御モジュール100は、運転者が車室からイグニションキースイッチSW1を操作し、入力接点をスタータ始動接点に接続するのを待機する(ステップS1)。イグニションキースイッチSW1がスタータ始動接点に所定時間接続されると、各種制御用フラグFIS、FIS_V、FIS_PROが初期化される(ステップS2)。
表1に示すように、自動停止状態フラグFISは、停止/再始動条件判定部111による自動停止条件成立判定時に、自動停止制御部121が自動停止制御を実行し、エンジン10が停止している状態にあることを示すフラグであり、0は、再始動を始めたときや、エンジンが運転している時等、エンジン10が自動停止していない状態を示し、1は、エンジン10が自動停止している状態を示す。初期値は、0である。
判定フラグFIS_Vは、始動用バッテリ520の電圧状態を判定するフラグであり、0は、始動用バッテリ520の電圧が、制御パラメータとして利用可能に安定している状態を示し、1は、検出値の安定処理が必要であることを示す。初期値は、1である。
ここで、後付負荷601とは、始動用バッテリ520の外部端子に対し、ユーザ等が車両の仕様外の態様で接続した電気負荷をいう(図1の破線部参照)。始動用バッテリは、自動停止制御された内燃機関を自動的に再始動するため、電動駆動装置への給電に特化されたものであるが、このような電気負荷が始動用バッテリ520に接続されると、比較的小容量の始動用バッテリ520がエンジン10の停止時にも電力を供給することになり、始動用バッテリ520に蓄積された電力がエンジン10の停止中に消費されることになり、始動用バッテリが設計時の仕様を上回る過負荷状態に陥ることになる。そのような過負荷状態で始動用バッテリ520を使用すると、エンジン10の再始動時に充分な電力を確保することができないおそれがある。また、始動用バッテリ520の蓄電量が不足する場合に、汎用バッテリ510でスタータユニット27の駆動支援をすることも考えられるが、図4に示したように、電動式オイルポンプ223や、坂道発進補助装置としてのヒルホルダユニット240を内蔵するダイナミックスタビリティコントロール230等、エンジン10の停止時にも給電を要する電気負荷が採用されている場合もあるので、全ての電力を汎用バッテリ510で賄うこともままならない場合が多い。
そこで、本実施形態では、所定のタイミングで始動用バッテリ520の状態を検出し、上述のような後付負荷601が検出された場合には、エンジン10の自動停止を禁止したり、自動停止しているエンジン10を強制始動したりするようにしているのである。
自動停止禁止フラグFIS_PROは、上述のような後付負荷601が検出された場合に更新されて、爾後のエンジン10の自動停止制御を禁止するためのものであり、0は、後付負荷601が未検出の状態、1は、後付負荷601が検出された状態を示す。初期値は、0である。
パワートレイン制御モジュール100を初めとする各モジュール100〜400は、イグニションキースイッチSW1が接続されるのを待機し(ステップS1)、イグニションキースイッチSW1がスタータ始動接点に接続されると、フラグFIS、FIS_V、FIS_PROを初めとする種々の制御環境を初期化する(ステップS2)。その後、各モジュール100〜400は、エンジン10のキー始動を開始する(ステップS3)。上述したように、スタータリレー503のドライバは、自己保持回路を構成しており、所定時間、スタータ始動接点に起電力が生じると、回路を閉じて、スタータモータ27aのスタータリレー503を閉成する。これにより、始動用バッテリ520からは、スタータモータ27aに電力が供給される。この結果、スタータ制御部122がスタータユニット27に制御信号DSTRを送り、スタータモータ27aが駆動され、図略の進退機構によって、ピニオンギア27bが前方のリングギア28と噛合して、スタータモータ27aのトルクを伝達し、クランクシャフト11を回転駆動する。
他方、エンジン10のキー始動が実行されると、イグニションキースイッチSW1は、入力接点を出力接点に接続する。次いで、メインリレー501が閉成することにより、車両に搭載されている電気負荷には、パワートレイン制御モジュール100を初めとする制御モジュール100〜400の制御に基づいて、汎用バッテリ510から給電される。
この状態で、燃焼制御部120が、アクセル開度センサSN4、並びにクランク角センサSN11、カム位相センサSN12、水温センサSN14、エアフローセンサSN15、および吸気圧センサSN16からの出力信号SNALθ、SN11、SN12、SNCAMθ、SNENT、SNAF、およびSNINP等に基づき、エンジン10の適正なスロットル開度(吸気量)TVO、燃料噴射量QFLとその噴射タイミングTFL、および適正点火タイミングTIGを設定し、その制御信号DTVO、DFL_Q、DIGを燃料噴射弁21、スロットル弁40(のアクチュエータ41)、点火装置20に出力する。この結果、スタータモータ27aの駆動力でアシストされつつ、エンジン10が始動する。
その後、各モジュール100〜400は、各種センサSN1〜SN55の出力や各種スイッチSW1〜SW201の状態をモニタしながら、予め定められたプログラムに基づいて、対応するユニットを制御する通常運転処理ルーチンを実行する(ステップS4)。エンジン10の始動後は、スタータモータ27aのピニオンギア27bリングギア28から外した後、リレー制御部124がスタータリレー503を開成して、スタータユニット27を停止させる。
エンジン10を始動した後、パワートレイン制御モジュール100の停止/再始動条件判定部111は、まず、自動停止禁止フラグFIS_PROを読んで、値が0になっていることを確認する(ステップS5)。仮に自動停止禁止フラグFIS_PROが1の場合(ステップS5において、NOの場合)、後付負荷601が既に検出されている状況なので、パワートレイン制御モジュール100は、自動停止条件の成立判定を行わず、そのままエンジン10を制御する。従って、自動停止禁止フラグFIS_PROが1の場合、自動停止制御は、イグニションキースイッチSW1がOFFになるまで、禁止されることになる。
他方、自動停止禁止フラグFIS_PROが0の場合(ステップS5において、YESの場合)、パワートレイン制御モジュール100の停止/再始動条件判定部111は、上述した自動停止条件の成否を判定する。仮に自動停止条件が不成立であると判定した場合には、ステップS4に戻って、エンジン10の運転制御を続行する。他方、自動停止条件が成立した場合、今度は、バッテリ状態判定部112が、始動用バッテリ520の状態を検出する。具体的には、始動用バッテリ520から流出する電流値IEBATを検出し、その絶対値をしきい値となる所定の電流値IEBAT_THと比較する運転時電流値診断ステップを実行する(ステップS7)。仮に電流値IEBATの絶対値がしきい値となる電流値IEBAT_TH以下の場合(ステップS7において、YESの場合)、さらに始動用バッテリ520の電圧変化を見るために、バッテリ状態判定部112は、判定フラグFIS_Vを読み取る(ステップS8)。仮に、判定フラグFIS_Vの値が1の場合、バッテリ状態判定部112は、後述する検出値安定処理サブルーチンを実行する(ステップS9)。検出値安定処理サブルーチンを実行した後、または、判定フラグFIS_Vの値が0の場合、バッテリ状態判定部112は、始動用バッテリ520の電圧値VEBATの変化量(基準となる初期電圧値VEBAT_Sと、現電圧値VEBATとの差)の絶対値をしきい値となる所定の電圧値VEBAT_THと比較する運転時電圧値診断ステップを実行する(ステップS10)。仮に電圧値VEBATの絶対値がしきい値となる電圧値VEBAT _TH以下の場合(ステップS10において、YESの場合)、パワートレイン制御モジュール100は、エンジンの自動停止制御を実行し(ステップS11)、自動停止状態フラグFISの値を1に更新する(ステップS12)。他方、ステップS7において、始動用バッテリ520から流出する電流値IEBATがしきい値となる所定の電流値IEBAT_THを超えていた場合、または、ステップS10において、始動用バッテリ520の電圧値VEBATの変化(微分値)の絶対値がしきい値となる所定の電圧値VEBAT_THを超えていた場合、バッテリ状態判定部112は、自動停止禁止フラグFIS_PROの値を1に更新し(ステップS14)、エンジン10の自動停止を禁止する。その後は、イグニションキースイッチSW1の状態に基づいて(ステップS15)、イグニションキースイッチSW1が遮断されるまで、ステップS4以降の処理を繰り返す。
このようにして、第1実施形態では、始動用バッテリ520から流出する電流値IEBATを検出し、その絶対値をしきい値となる所定の電流値IEBAT_THと比較する運転時電流値診断ステップ(ステップS7)と、始動用バッテリ520の電圧値VEBATの変化量(基準となる初期電圧値VEBAT_Sと、現電圧値VEBATとの差)の絶対値をしきい値となる所定の電圧値VEBAT_THと比較する運転時電圧値診断ステップ(ステップS10)との双方を実行する冗長構成になっており、これによって、何れかの診断ステップで誤検出(例えば、電流センサSN52または電圧センサSN54の故障)が生じてもフェールセーフ機能を奏し、後付負荷601の接続が懸念される運転状態では、エンジン10の自動停止を禁止することによって、自動停止したエンジン10が始動不能状態に陥ることを未然に防止するようにしているのである。
次に、ステップS11のエンジンの自動停止制御が実行された場合、パワートレイン制御モジュール100は、まず、各気筒15A〜15Dへの燃料噴射を所定のタイミングで停止(燃料カット)して自動的にエンジン10を停止させるとともに、自動停止時のピストン16の停止位置を所定の適正範囲に停止させるよう各種制御を実行する。
ピストン16を適正範囲に停止させるのは、後の再始動時に燃焼再始動(燃焼再始動)を行わせるためであり、停止時圧縮行程気筒から見れば上死点前(BTDC)80〜60°CA(クランク角)、停止時膨張行程気筒から見れば上死点後(ATDC)100〜120°CAである。
パワートレイン制御モジュール100の自動停止制御部121は、エンジン10を自動停止させる際、ピストン16を適正範囲に停止させるべく、スロットル弁制御とオルタネータ制御とを実行する。スロットル弁制御は、スロットル弁40を制御して、エンジン10が完全に停止するまでに各気筒15A〜15Dに流入する吸入空気量を調整する制御である。具体的には、まず燃料噴射の停止時点でスロットル弁40の開度を大きな値に設定して掃気を促進させ、停止時膨張行程気筒および停止時圧縮行程気筒に多くの新気を吸入させる。そして停止時圧縮行程気筒よりも停止時膨張行程気筒の方にやや多くの新気が吸入される所定のタイミングでスロットル弁40の開度を低減する。
また、エンジン10の自動停止制御過程において、トランスミッション制御モジュール200は、トランスミッションポンプドライバ224に電動式オイルポンプ223を通常駆動させる。従って、燃料供給停止に伴いエンジン回転速度Ne(=機械式オイルポンプ222のロータ回転数)が低下しても電動式オイルポンプ223からトランスミッション201に油圧が供給される。これにより、トランスミッション201の油圧機構220の動作(油圧クラッチ等の締結)が維持、継続される。
また、パワートレイン制御モジュール100は、スロットル弁制御と並行して、オルタネータ制御を継続し、ピストン16の停止位置調整を実行し続け、クランク角センサSN11の出力信号SN11、SN12に基づいてエンジン10が完全に停止するのを待機する。エンジン10が完全した場合には、オルタネータ制御を終了し、クランク角センサSN11によって検出されるピストン16の停止位置を記憶する。
また、エンジン10が自動停止した後も、パワートレイン制御モジュール100は、ダイナミックスタビリティコントロール230(に内蔵されたヒルホルダユニット240)等、エンジン10の停止時にも給電を要する電気負荷に給電し続ける。そのため、イグニションキースイッチSW1がOFFに切り換えられるまでは、メインリレー501は閉成したままになっており、汎用バッテリ510からは、所要の電気負荷に給電が続けられることになる。
図6は、本発明の第1実施形態において、自動停止したエンジン10の制御を示すフローチャートである。
図6を参照して、エンジン10が自動停止した後、パワートレイン制御モジュール100は、再始動条件の成否をモニタしつつ、所定のタイミングで上述と同様な始動用バッテリ520の検査を実行し、後付負荷601の検出を実行する。
具体的には、停止/再始動条件判定部111が、上述した燃焼再始動条件の成否を判定する(ステップS20)。
仮に燃焼再始動条件が成立している場合、燃焼制御部120は、停止時に圧縮行程にある気筒(例えば気筒15C。以下、同様)において1回目の燃料噴射を実行し、それに対する点火によって燃焼が行われる。この燃焼による燃焼圧で、停止時圧縮行程気筒15Cのピストン16が下死点側に押し下げられてエンジン10が逆転方向に駆動される。エンジン10の逆転作動に伴って停止時膨張行程気筒15Aのピストン16が上死点方向に動き始める。そして、停止時膨張行程気筒15Aのピストン16が上死点側(望ましくは行程中央より上死点寄り)に移動し、停止時膨張行程気筒15A内の空気が圧縮された時点で燃料噴射が行われる。この噴射燃料の気化潜熱によって圧縮圧力が低減し、ピストン16がより上死点に近づくので圧縮空気(混合気)の密度が増大する。停止時膨張行程気筒15Aのピストン16が上死点に充分に近づいた時点で当該気筒15Aに対する点火が行われて、前記噴射燃料が燃焼し、その燃焼圧によりエンジン10が正転方向に駆動される。
また、停止時圧縮行程気筒15Cに対して適当なタイミングで可燃空燃比よりもリッチな燃料が噴射されることにより、この停止時圧縮行程気筒15Cでは燃焼させないものの、燃料噴射による気化潜熱によって当該気筒15Cの圧縮圧力が低減され、これに応じて当該圧縮上死点(始動開始から最初の圧縮上死点:第1TDC)を超えるために消費される停止時膨張行程気筒15Aの最初の燃焼エネルギーが低減されることになる。
所定タイミングで停止時圧縮行程気筒15Cが圧縮上死点(第1TDC)を超えると、次は停止時吸気行程気筒15Dが圧縮行程となる。この停止時吸気行程気筒15Dが次に燃焼が行われる気筒である。パワートレイン制御モジュール100の燃焼制御部120は、吸気行程気筒15Dにおける燃料噴射のタイミングを、燃料の気化潜熱によって気筒内の温度、および圧縮圧力を低下させる適正なタイミング(例えば圧縮行程の中期以降)に設定しているため、停止時吸気行程気筒15Dの圧縮行程で圧縮上死点前に自着火することが防止される。また、停止時吸気行程気筒15Dの点火タイミングが圧縮上死点以降に設定されていることも相俟って、圧縮上死点前での燃焼が防止される。つまり燃料噴射による圧縮圧力の低減と圧縮上死点前の燃焼を行わないことにより、停止時膨張行程気筒15Aにおける初回燃焼のエネルギーが前記圧縮上死点(エンジン始動開始時点から2番目の圧縮上死点:第2TDC)を超えるために消費されるのを抑制することができる。
このようにして停止時膨張行程気筒15Aにおける初回燃焼のエネルギーにより、再始動開始後の最初の圧縮上死点(第1TDC)と2番目の圧縮上死点(第2TDC)とを超えることが可能となり、円滑で確実な始動性を確保することができる。
燃焼再始動では、第2TDCを超えられるか否かが、再始動の成否を分ける重要なポイントとなる。すなわち、エンジン10の特性上、必ずしもピストン16が適正範囲内で停止するとは限らず、また燃焼再始動を試みた結果、それが失敗する可能性もある。そこでそれらの場合に備えて、第1実施形態では、スタータユニット27の始動要否を判定し(ステップS22)、スタータユニット27の始動が必要であると判定した場合には、スタータ始動を実行することとしている(ステップS23)。
具体的には、燃焼再始動が失敗したことが確認されたとき、続けてスタータユニット27を駆動させ、確実な始動を図る(スタータバックアップ)。このスタータ始動の態様では、パワーリレー502は、OFFのままであり、専らスタータリレー503のみが接続される。この結果、スタータユニット27には、始動用バッテリ520のみから給電される。従って、パワートレイン制御モジュール100は、ダイナミックスタビリティコントロール230(に内蔵されたヒルホルダユニット240)等、エンジン10の停止時にも給電を要する電気負荷に給電し続けることが可能となり、失火等によって燃焼再始動では全くエンジン10を始動することができないような運転状態でも、ヒルホルダユニット240等の安定稼動を確保することができる。
次いで、運転状態判定部110は、エンジン10の回転速度Neが所定回転速度NeSTARTに至ったか否かを判定する(ステップS24)。
仮に、エンジン10の回転速度Neが所定回転速度NeSTARTに至った場合、リレー制御部124は、スタータリレー503の接続状態を判定し(ステップS25)、スタータリレー503が接続されている場合には、スタータリレー503をOFFにし(ステップS26)、所要のフラグF1S、F1S_Vを初期値に戻して(ステップS27)、ステップS4に復帰し、通常運転を実行する。
他方、ステップS24の判定で、エンジン10の回転速度Neが所定回転速度NeSTARTに至らない場合、何らかの原因でエンジンの始動が妨げられているおそれがある。例えば、図6のステップS23に示したように、スタータユニット27を駆動するにあたり、その電力は通常は始動用バッテリ520から供給される。そして始動用バッテリ520の充電状態が不充分な場合は、パワーリレー502がオンとされ、汎用バッテリ510からもスタータユニット27に電力が供給される。しかしながら、汎用バッテリ510の充電状態も不充分であった場合、かなり稀なケースではあるがスタータユニット27が適正に駆動せず、結果的にエンジン10が始動しない可能性がある。そこで、第1実施形態では、エンストと判定すべきエンスト処理条件(例えば、失火の回数、汎用バッテリ510の余剰電力のしきい値、再始動条件の解除回数等)を予め設定しておき、運転状態判定部110にエンスト処理条件の成否を判別させている(ステップS28)。
運転状態判定部110がエンスト処理条件成立と判定した場合、パワートレイン制御モジュール100の異常処理制御部125は、上述のエンスト処理を実行し(ステップS29)、運転制御を終了する。エンスト処理が実行されると、通常運転中のエンストが起こったときと同様の状態となる。それによって運転者に、例えば「バッテリ上がりによって始動できない一般的な状態である」等と違和感なく認識させることができる。換言すれば、「バッテリ上がりの状態であるにもかかわらず、運転者がそれを認識せずに自動的に再始動されるものと思って待ち、待っても再始動されないので違和感や始動性不良感を抱く」という事態を回避することができる。
他方、ステップS28において、エンスト処理条件が不成立であると運転状態判定部110が判定した場合、制御フローをステップS24に戻してエンジン10が再始動するのを待機する。
次に、図6のステップS20において、燃焼再始動条件が不成立である場合、バッテリ状態判定部112が、始動用バッテリ520の状態を検出する。具体的には、始動用バッテリ520から流出する電流値IEBATを検出し、その絶対値をしきい値となる所定の電流値IEBAT_THと比較する自動停止時電流値診断ステップを実行する(ステップS30)。仮に電流値IEBATの絶対値がしきい値となる電流値IEBAT_TH以下の場合(ステップS30において、YESの場合)、さらに始動用バッテリ520の電圧変化を見るために、バッテリ状態判定部112は、判定フラグFIS_Vを読み取る(ステップS31)。仮に、判定フラグFIS_Vの値が1の場合、バッテリ状態判定部112は、後述する検出値安定処理サブルーチンを実行する(ステップS32)。検出値安定処理サブルーチンを実行した後、または、判定フラグFIS_Vの値が0の場合、バッテリ状態判定部112は、始動用バッテリ520の電圧値VEBATの変化量(基準となる初期電圧値VEBAT_Sと、現電圧値VEBATとの差)の絶対値をしきい値となる所定の電圧値VEBAT_THと比較する自動停止時電圧値診断ステップを実行する(ステップS33)。仮に電圧値VEBATの絶対値がしきい値となる電圧値VEBAT _TH以下の場合(ステップS33において、YESの場合)、パワートレイン制御モジュール100の停止/再始動条件判定部111は、上述したスタータ自動再始動条件の成否を判定する(ステップS34)。
仮に、スタータ自動再始動条件が成立した場合、ステップS24に移行して、爾後は、上述したスタータアシストの場合と同様な制御によりエンジン10の再始動を図る。このスタータ自動再始動では、一旦エンジン10を逆転させることなく、最初から正転駆動させる。具体的には、停止時膨張行程気筒での燃焼を行わせるとともに、スタータユニット27によっても駆動力を付与し、確実な始動を図る。また、ステップS34において、スタータ自動再始動条件が不成立であると判定した場合、パワートレイン制御モジュール100は、ステップS20のフローに復帰する。
他方、ステップS30において、始動用バッテリ520から流出する電流値IEBATがしきい値となる所定の電流値IEBAT_THを超えていた場合、または、ステップS33において、始動用バッテリ520の電圧値VEBATの変化(微分値)の絶対値がしきい値となる所定の電圧値VEBAT_THを超えていた場合、バッテリ状態判定部112は、自動停止禁止フラグFIS_PROの値を1に更新し(ステップS36)、エンジン10の自動停止を禁止する。その後は、リレー制御部124がパワーリレー502とスタータリレー503の双方を接続し、スタータユニット27を駆動するとともに、この駆動に伴って、燃焼制御部120がエンジン10の燃焼始動を開始する(ステップS35)。従って、エンジン10の停止時に、後付負荷601の接続があると判定された場合には、再始動条件の成否に拘わらず、エンジン10が強制的に再始動されるとともに、自動停止禁止フラグFIS_PROが1に設定され、爾後の自動停止制御は、イグニションキースイッチSW1がOFFになるまで、禁止されることになる。
このようなエンジン10の強制再始動を図ることにより、第1実施形態では、始動用バッテリ520から流出する電流値IEBATを検出し、その絶対値をしきい値となる所定の電流値IEBAT_THと比較する自動停止時電流値診断ステップ(ステップS30)と、始動用バッテリ520の電圧値VEBATの変化量(基準となる初期電圧値VEBAT_Sと、現電圧値VEBATとの差)の絶対値をしきい値となる所定の電圧値VEBAT_THと比較する自動停止時電圧値診断ステップ(ステップS33)との双方を実行する冗長構成になっており、これによって、何れかの診断ステップで誤検出(例えば、電流センサSN52または電圧センサSN54の故障)が生じてもフェールセーフ機能を奏し、後付負荷601の接続が懸念される運転状態では、エンジン10の自動停止を禁止することによって、自動停止したエンジン10が始動不能状態に陥ることを未然に防止するようにしているのである。
図7は、図5および図6のフローチャートにおける検出値安定処理サブルーチンの具体例である。
検出した電圧値の安定化を図る手法としては、図7(A)に示すように、検出された現在の電圧値VEBATの絶対値を微分した変化率(微分値)に基づく手法であってもよく、或いは、図7(B)に示すように、検出された現在の電圧値VEBATの絶対値の偏差σsvに基づくものであってもよい。
まず図7(A)の例では、検出された現在の電圧値VEBATの絶対値を微分した変化率(微分値)dVsvを演算し(ステップS101)、演算された微分値dVsvを所定のしきい値dVsv_THと比較する(ステップS102)。仮に微分値dVsvがしきい値dVsv_THよりも大きい場合には、変化が大きく、値が安定していないと判断し(ステップS102でNOの場合)、ステップS101に戻って、変化率(微分値)dVsvを更新する。他方、微分値dVsvがしきい値dVsv_TH以下の場合には、判定フラグFIS_Vの値を0に更新し(ステップS103)し、最新の電圧値VEBATを判定対象の基準となる初期電圧値VEBAT_Sとして更新する(ステップS104)。これにより、図5または、図6の検出値安定処理サブルーチンにおいて、安定した電圧値が始動用バッテリ520に後付された後付負荷601の検出判定に用いられるので、その検出精度が高くなる。
図7(B)の例では、検出された現在の電圧値VEBATの絶対値の偏差σsvを演算し(ステップS101)、演算された偏差σsvを所定のしきい値σsv_THと比較する(ステップS102)。仮に偏差σsvがしきい値σsv_THよりも大きい場合には、変化が大きく、値が安定していないと判断し(ステップS102でNOの場合)、ステップS101に戻って、偏差σsvを更新する。他方、偏差σsvがしきい値σsv_TH以下の場合には、判定フラグFIS_Vの値を0に更新し(ステップS103)し、最新の電圧値VEBATを判定対象の基準となる初期電圧値VEBAT_Sとして更新する(ステップS104)。これにより、図5または、図6の検出値安定処理サブルーチンにおいて、安定した電圧値が始動用バッテリ520に後付された後付負荷601の検出判定に用いられるので、その検出精度が高くなる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る内燃機関システムの概略構成図であり、図9は、本発明に係る第2実施形態の内燃機関システムのうち、エンジンの断面を主に示す概略構成図である。
各図を参照して、第2実施形態のパワートレインは、トランスミッションで具体化されたトランスミッション201を有し、車室には、クラッチペダルユニット310のクラッチペダル311が装備されている。
図10は、本実施形態に係る車両に搭載された手動のトランスミッション201と、これに含まれるクラッチ204の断続を行うクラッチペダルユニット310の構成を示す概略構成図である。
図8および図10を参照して、手動のトランスミッション201は、エンジン10に連結されるギアボックス202内にクラッチ204とギア列205とを備えている。クラッチ204は、エンジン10のクランクシャフト11とギア列205の入力軸203とを断続するもので、クラッチオンでクランクシャフト11から入力軸203への動力伝達がなされ、クラッチオフでその動力伝達が遮断される。ギア列205は、入力軸203からの動力を、複数の変速段(例えば前進6段、後退1段)から択一選択されるギアの組合せによって減速または増速させたり逆回転させたりして出力軸206に出力する。ニュートラル(中立位置)が選択されると、何れの変速段も有効とならず、クラッチ204がオンであっても入力軸203からの動力が出力軸206に伝達されない。以下本明細書において、ニュートラルを除く変速段を走行段とも称する。
リンク機構225はギア列205の変速位置を切換える機構であり、シフトレバー6と連動している。クラッチ204がオフのとき、運転者がシフトレバー6を手動操作することにより、リンク機構225によってギア列205の変速位置の切換えが行われるように構成されている。
リンク機構225の近傍にはギアポジションスイッチSW201が設けられている。ギアポジションスイッチSW201は、変速位置を検知するセンサである。ギアポジションスイッチSW201は、少なくとも変速位置がニュートラル位置にあるのか、走行段にあるのかを検知する。走行段にあるとき、さらにそれが第何速にあるのか、或いは後退段にあるのかをも検知するものでもよい。
クラッチペダルユニット310は、運転者の足による操作によってクラッチ204を断続する機構であり、運転席の足元付近に配設されている。クラッチペダルユニット310は、クラッチペダル311の操作によってクラッチ204を操作するためのものであり、図示の例では、ダッシュロアパネル4に固定されたペダルブラケット312と、このペダルブラケット312にクラッチペダル311の上端部を片持ち状に軸支する支軸313と、クラッチペダル311によって駆動されるマスターシリンダ314とを有している。
クラッチペダル311の自由端部(下端部)には、運転者の踏力を受けるペダルパッド315が一体形成されている。クラッチペダル311の中央部には、ペダルブラケット312との間に介装されたばね機構316が設けられており、このばね機構316によって、クラッチペダル311は、図において反時計回りに付勢されている。さらに、クラッチペダル311には、ピン317を介してマスターシリンダ314のロッド318が連結されている。これにより、ペダルパッド315から運転者によって入力されたクラッチペダル311の回動が往復運動に変換されてマスターシリンダ314に伝達され、その踏み込み量に応じた油圧によってクラッチ204が断続される。
クラッチペダル311の踏み込み状態を検出するために、マスターシリンダ314には、クラッチストロークセンサSN15が付設されている。図示の例において、クラッチストロークセンサSN15は、マスターシリンダ314のロッド318の変位量を検出することにより、クラッチペダル311の踏み込み量を検出する。ペダルブラケット312には、クラッチペダル311のクラッチストロークCPを規制するストッパ319、320が設けられている。ストッパ319には、クラッチペダル311がストッパ319から離れたときにオンとなるクラッチスイッチSW7が、ストッパ320には、クラッチペダル311がストッパ320に当接したときにオンとなるクラッチカットスイッチSW8が、それぞれ取り付けられている。各スイッチSW7、SW8は、クラッチペダル311が回動するクラッチストロークCPの始端と終端に対応する位置にそれぞれ設けられている。
従って、運転者の踏込み操作がなされず、クラッチペダル311が自由状態(クラッチペダル311がストッパ319に当接している)にあるとき、すなわち、ばね機構316によってクラッチペダル311がマスターシリンダ314のロッド318を最も車室側に引いているとき、クラッチスイッチSW7とクラッチカットスイッチSW8がともにオフとなる。また運転者がペダルパッド315を最大に踏込み、クラッチペダル311がストッパ320に当接しているとき、すなわちマスターシリンダ314のロッド318が最もエンジンルーム側に押されたとき、クラッチスイッチSW7とクラッチカットスイッチSW8がともにオンとなる。そして、運転者がペダルパッド315を中程度に踏込み、クラッチペダル311がストッパ319にもストッパ320にも当接していないとき、クラッチスイッチSW7がオン、クラッチカットスイッチSW8がオフとなる。
次に、図9を参照して、第2実施形態に係るパワートレイン制御モジュール100の運転状態判定部110は、ギアポジションスイッチSW201、クラッチストロークセンサSN15、クラッチスイッチSW7、およびクラッチカットスイッチSW8からの出力信号SNCP、SWCL、SWCUに基づいて、トランスミッション201の動力の伝達状態を検出する機能も備えている。クラッチストロークセンサSN15、クラッチスイッチSW7およびクラッチカットスイッチSW8からの出力信号SNCP、SWCL、SWCUに基づき、クラッチ204がオン状態かオフ状態かが判定される。例えばクラッチスイッチSW7およびクラッチカットスイッチSW8がともにオフのとき(運転者がクラッチ操作をしないとき)、クラッチ204がオン状態と判定される。またクラッチスイッチSW7およびクラッチカットスイッチSW8がともにオンのとき(運転者がクラッチペダルユニット310を最大に踏込んだとき)、クラッチ204がオフ状態と判定される。その中間位置においては、前の状態を継続するようにしてもよいし、より高精度で判定するために、クラッチストロークセンサSN15からの出力信号SNCPに基づき、クラッチミートポイント相当位置でオン/オフ切換えポイントを設定してもよい。
またギアポジションスイッチSW201からの出力信号SWGRに基づき、ギア列205がニュートラル状態にあるのか、走行段に入っている(以下ギアインともいう)のかが判定される。そして、クラッチ204がオン状態、かつギア列205がギアイン状態のとき、運転状態判定部110は手動のトランスミッション201が動力伝達状態であると判定する。一方、それ以外のとき、すなわちクラッチ204がオフ状態であるか、またはギア列205がニュートラルであるとき、運転状態判定部110はトランスミッション201が動力非伝達状態であると判定する。この判定は、後述するようにエンジン自動停止制御における再始動時の制御に利用される。
また、第2実施形態では、例えば、クラッチ204がオン(クラッチペダルユニット310が自由状態とされ、クラッチスイッチSW7がオフ)、トランスミッション201がニュートラル状態、車速が所定値以下、水温が所定温度(例えば80℃)以上等の条件が全て成立したときに自動停止条件が成立したと判定する。またその自動停止条件の成立後、例えばクラッチ204がオフ(クラッチペダルユニット310が踏込まれ、クラッチカットスイッチSW8がオン)を含む、上記列挙した個別の自動停止条件のうち、何れかひとつでも不成立となったときに停止/再始動条件判定部111は再始動条件が成立したと判定する。なおクラッチオン/オフの判定に際し、上述のようにクラッチストロークセンサSN15によるクラッチミートポイントを切換えポイントとしてもよい。但し、手動式のトランスミッション201を採用した場合、トランスミッション201がニュートラルにある状態では、運転者の再発進意思は確認できない。従って、第1実施形態では「ギアがニュートラルに入っていること」が再始動条件になっているのに対し、第2実施形態では、「ギアがニュートラルに入っていること」は再始動条件となっていない。
上述のような手動式トランスミッションを用いた車両の内燃機関システムにおいても、図5〜図7で説明した自動停止/再始動制御が可能となる。
以上のように本発明の各実施形態によれば、エンジン10と、エンジン10を始動するスタータユニット27と、少なくともスタータユニット27の始動用に用いられる始動用バッテリ520とを備えた内燃機関システムの制御方法において、所定の自動停止条件が成立したときに、運転中のエンジン10を自動停止させる自動停止ステップ(ステップS11)、エンジン10の自動停止後、所定の再始動条件が成立したときに、始動用バッテリ520からスタータユニット27に給電してエンジン10を自動的に再始動させる再始動ステップ(ステップS23)、エンジン10の自動停止時に、始動用バッテリ520から流出する電流値を所定電流値と比較する停止時電流値診断ステップ(ステップS30)、および停止時電流値診断ステップ(ステップS30)の結果、始動用バッテリ520から流出する電流値が所定電流値を超えている場合には、再始動条件の成否に拘わらず、エンジン10を再始動する強制再始動ステップ(ステップS35)を備えている。
このため本発明の各実施形態では、エンジン10の自動停止中に、始動用バッテリ520から所定レベルを超える電流が流出している場合には、ユーザがランプ等のアクセサリーその他の電気負荷を後付けする等、何等かの理由で始動用バッテリ520の蓄電量がエンジン10の停止時に減少する可能性があるので、その場合には、再始動停止条件の成否に拘わらず、自動停止しているエンジン10を強制的に再始動し、自動停止したエンジン10が始動不能状態に陥ることを未然に防止することができる。
また別の観点において、本発明の各実施形態は、エンジン10と、エンジン10を始動するスタータユニット27と、少なくともスタータユニット27の始動用に用いられる始動用バッテリ520とを備えた内燃機関システムの制御方法において、所定の自動停止条件が成立したときに、運転中のエンジン10を自動停止させる自動停止ステップ(ステップS11)、エンジン10の自動停止後、所定の再始動条件が成立したときに、始動用バッテリ520からスタータユニット27に給電してエンジン10を自動的に再始動させる再始動ステップ(ステップS23)、自動停止条件の成立時に、始動用バッテリ520から流出する電流値を所定電流値と比較する運転時電流値診断ステップ(ステップS7)、および運転時電流値診断ステップ(ステップS7)の結果、始動用バッテリ520から流出する電流値が所定電流値を超えている場合には、自動停止条件の成否に拘わらず、自動停止ステップ(ステップS11)を禁止する自動停止禁止ステップを備えている。このため本発明の各実施形態では、エンジン10の運転中に自動停止条件が成立した際に、始動用バッテリ520から所定レベルを超える電流が流出している場合には、ユーザがランプ等のアクセサリーその他の電気負荷を後付けする等、何等かの理由で始動用バッテリ520の蓄電量がエンジン10の停止時に減少する可能性があるので、その場合には、自動停止条件の成否に拘わらず、エンジン10の自動停止制御を禁止し、自動停止後のエンジン10が始動不能状態に陥ることを未然に防止することができる。
また本発明の各実施形態では、エンジン10の自動停止時に、始動用バッテリ520の電圧値の変化を所定しきい値と比較する停止時電圧変化診断ステップ(ステップS31〜ステップS33)をさらに備え、強制再始動ステップ(ステップS35)は、停止時電圧変化診断ステップ(ステップS31〜ステップS33)の結果、始動用バッテリ520の電圧値の変化が所定しきい値を超えている場合には、再始動条件の成否に拘わらず、エンジン10を再始動する手順である。このため本発明の各実施形態では、エンジン10の自動停止時に、始動用バッテリ520の電圧値の変化が所定のレベルを超えている場合に、再始動条件の成否に拘わらず、エンジン10を強制的に再始動し、エンジン10の始動不能状態を防止することができる。加えて、電流値に基づく後付負荷601の検出に加えて、電圧値の変化に基づく後付負荷601の検出手順を有しているので、始動用バッテリ電流センサSN52と始動用バッテリ電圧センサSN54を設けている場合に、何れか一方のセンサ出力値に異常があっても、他方のセンサで後付負荷601の接続を判定することができるという、いわば、フォルトトレランス機能を奏することも可能になる。
また本発明の各実施形態では、自動停止条件の成立時に、始動用バッテリ520の電圧値の変化を所定しきい値と比較する運転電圧変化診断ステップ(ステップS8〜ステップS10)をさらに備え、自動停止禁止ステップは、運転電圧変化診断ステップ(ステップS8〜ステップS10)の結果、始動用バッテリ520の電圧値の変化が所定しきい値を超えている場合には、自動停止条件の成否に拘わらず、自動停止ステップ(ステップS11)を禁止する手順である。このため本発明の各実施形態では、エンジン10の運転中に自動停止条件が成立した際に、始動用バッテリ520の電圧変化が所定のしきい値を超えている場合にも、自動停止条件の成否に拘わらず、エンジン10の自動停止制御を禁止し、自動停止後のエンジン10が始動不能状態に陥ることを未然に防止することができるとともに、冗長構成によるフォルトトレランス機能を奏することも可能になる。
また本発明の各実施形態では、強制再始動ステップ(ステップS35)を実行する要件が成立した後は、自動停止ステップ(ステップS11)を禁止する自動停止禁止ステップをさらに備えている。このため本発明の各実施形態では、一度でも始動用バッテリ520から流出する電流値が所定電流値を超えた場合、または、始動用バッテリ520の電圧値の変化が所定のレベルを超えた場合には、始動用バッテリ520の蓄電量低下が懸念される運転状態であることから、爾後の自動停止が禁止されるフェールセーフ機能を奏し、より安全サイドで確実なエンジン10の始動不能状態を防止することができる。
また本発明の各実施形態に係る内燃機関システムは、上述した各ステップを実行するパワートレイン制御モジュール100を備えている。具体的には、同パワートレイン制御モジュール100が、当該エンジン10の停止時に作動する電気負荷と、電気負荷に給電する汎用バッテリ510とを有し、エンジン10の停止時に汎用バッテリ510から電気負荷に給電する停止時給電ステップをさらに備え、強制再始動ステップ(ステップS35)は、汎用バッテリ510と始動用バッテリ520の双方からスタータユニット27に給電する手順である。このため本発明の各実施形態では、エンジン10の強制再始動を要する運転状況のときに、始動用バッテリ520からだけではなく、汎用バッテリ510からも給電するので、始動用バッテリ520の蓄電量が早いペースで低下しても、エンジン10を再始動するための電力を確保することができる。
また別の観点において、本発明の各実施形態は、エンジン10と、エンジン10を始動するスタータユニット27と、少なくともスタータユニット27の始動用に用いられる始動用バッテリ520と、エンジン10の運転制御を司る運転制御手段とを備えた内燃機関システムにおいて、運転制御手段は、所定の自動停止条件が成立したときに、運転中のエンジン10を自動停止させる自動停止手段、エンジン10の自動停止後、所定の再始動条件が成立したときに、始動用バッテリ520からスタータユニット27に給電してエンジン10を自動的に再始動させる再始動手段、エンジン10の自動停止時に、始動用バッテリ520から流出する電流値を所定電流値と比較する停止時電流値診断手段、および停止時電流値診断手段による診断の結果、始動用バッテリ520から流出する電流値が所定電流値を超えている場合には、再始動条件の成否に拘わらず、エンジン10を再始動する強制再始動手段を備えている。このため本発明の各実施形態では、エンジン10の自動停止中に、始動用バッテリ520から所定レベルを超える電流が流出している場合には、ユーザがランプ等のアクセサリーその他の電気負荷を後付けする等、何等かの理由で始動用バッテリ520の蓄電量がエンジン10の停止時に減少する可能性があるので、その場合には、再始動停止条件の成否に拘わらず、自動停止しているエンジン10を強制的に再始動し、自動停止したエンジン10が始動不能状態に陥ることを未然に防止することができる。
また別の観点において、本発明の各実施形態は、エンジン10と、エンジン10を始動するスタータユニット27と、少なくともスタータユニット27の始動用に用いられる始動用バッテリ520と、エンジン10の運転制御を司る運転制御手段とを備えた内燃機関システムにおいて、運転制御手段は、所定の自動停止条件が成立したときに、運転中のエンジン10を自動停止させる自動停止手段、エンジン10の自動停止後、所定の再始動条件が成立したときに、始動用バッテリ520からスタータユニット27に給電してエンジン10を自動的に再始動させる再始動手段、自動停止条件の成立時に、始動用バッテリ520から流出する電流値を所定電流値と比較する運転時電流値診断手段、および運転時電流値診断手段による診断の結果、始動用バッテリ520から流出する電流値が所定電流値を超えている場合には、自動停止条件の成否に拘わらず、自動停止手段を禁止する自動停止禁止手段を備えている。このため本発明の各実施形態では、エンジン10の運転中に自動停止条件が成立した際に、始動用バッテリ520から所定レベルを超える電流が流出している場合には、ユーザがランプ等のアクセサリーその他の電気負荷を後付けする等、何等かの理由で始動用バッテリ520の蓄電量がエンジン10の停止時に減少する可能性があるので、その場合には、自動停止条件の成否に拘わらず、エンジン10の自動停止制御を禁止し、自動停止後のエンジン10が始動不能状態に陥ることを未然に防止することができる。
また本発明の各実施形態では、エンジン10の自動停止時に、始動用バッテリ520の電圧値の変化を所定しきい値と比較する停止時電圧変化診断手段をさらに備え、強制再始動手段は、停止時電圧変化診断手段による診断の結果、始動用バッテリ520の電圧値の変化が所定しきい値を超えている場合には、再始動条件の成否に拘わらず、エンジン10を再始動するものである。このため本発明の各実施形態では、エンジン10の自動停止時に、始動用バッテリ520の電圧値の変化が所定のレベルを超えている場合に、再始動条件の成否に拘わらず、エンジン10を強制的に再始動し、エンジン10の始動不能状態を防止することができる。加えて、電流値に基づく後付負荷601の検出に加えて、電圧値の変化に基づく後付負荷601の検出手段を有しているので、始動用バッテリ電流センサSN52と始動用バッテリ電圧センサSN54を設けている場合に、何れか一方のセンサ出力値に異常があっても、他方のセンサで後付負荷601の接続を判定することができるという、いわば、フォルトトレランス機能を奏することも可能になる。
また本発明の各実施形態では、自動停止条件の成立時に、始動用バッテリ520の電圧値の変化を所定しきい値と比較する運転時電圧変化診断手段をさらに備え、自動停止禁止手段は、運転時電圧変化診断手段による診断の結果、始動用バッテリ520の電圧値の変化が所定しきい値を超えている場合には、自動停止条件の成否に拘わらず、自動停止手段を禁止するものである。このため本発明の各実施形態では、エンジン10の運転中に自動停止条件が成立した際に、始動用バッテリ520の電圧変化が所定のしきい値を超えている場合にも、自動停止条件の成否に拘わらず、エンジン10の自動停止制御を禁止し、自動停止後のエンジン10が始動不能状態に陥ることを未然に防止することができるとともに、冗長構成によるフォルトトレランス機能を奏することも可能になる。
また本発明の各実施形態では、運転制御手段は、強制再始動手段による強制再始動を実行する要件が成立した後は、自動停止手段を禁止する自動停止禁止手段をさらに備えている。このため本発明の各実施形態では、一度でも始動用バッテリ520から流出する電流値が所定電流値を超えた場合、または、始動用バッテリ520の電圧値の変化が所定のレベルを超えた場合には、始動用バッテリ520の蓄電量低下が懸念される運転状態であることから、爾後の自動停止が禁止されるフェールセーフ機能を奏し、より安全サイドで確実なエンジン10の始動不能状態を防止することができる。
また本発明の各実施形態では、内燃機関システムは、当該エンジン10の停止時に作動する電気負荷と、電気負荷に給電する汎用バッテリ510とを有し、エンジン10の停止時に汎用バッテリ510から電気負荷に給電する停止時給電手段をさらに備え、強制再始動手段は、汎用バッテリ510と始動用バッテリ520の双方からスタータユニット27に給電するものである。このため本発明の各実施形態では、エンジン10の強制再始動を要する運転状況のときに、始動用バッテリ520からだけではなく、汎用バッテリ510からも給電するので、始動用バッテリ520の蓄電量が早いペースで低下しても、エンジン10を再始動するための電力を確保することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲内で適宜変更が可能である。
例えば、エンジン10の制御態様として、燃焼のみによる再始動を省略してもよい。また、燃焼再始動の実行前に始動用バッテリ520の電流/電圧による後付負荷601の検出を行うようにしてもよい。
また、図6のフローチャートで、ステップS30またはステップS33がNOの場合、すなわち、強制再始動が必要であると判定された場合、まず、燃焼再始動の可否を判定し、燃焼再始動が可能であれば、燃焼再始動を優先して実行し、スタータ始動が必要な場合にのみ、ステップS35と同様にパワーリレー502とスタータリレー503の双方を接続して、スタータユニット27を稼動させるようにしてもよい。
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。