JP5513277B2 - 吸音材取付構造 - Google Patents

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本発明は、その内部に空気などの気体を流通させる通気経路に吸音材を取付ける吸音材取付構造に関する。特に通気経路を構成するケース部材の内周面に吸音材を固定して、通気経路内を伝播する騒音の低減を図った吸音材取付構造に関する。
内燃機関への空気の供給や、空冷装置、エアコン装置などにおける送風など、多様な分野において、ダクト部材などで通気経路を構成し、通気経路を通じて空気を送ることが行われている。これら通気経路は、近年では、自動車の内燃機関の吸気系に使用されるばかりでなく、燃料電池自動車や電気自動車などに備えられた2次電池(蓄電池)を冷却するための冷却風送風システムに使用されたりもして、広く活用されている。こうした通気経路は、騒音の伝達経路となることも多いため、これら通気経路の構成においては、空気流路を形成するダクトや、拡径されたチャンバー部分の内面に、繊維集合体や合成樹脂発泡体(スポンジ)などからなる吸音材を取り付けて、いわゆる吸音ダクトとして構成し、通気経路内を伝播する騒音の音響エネルギーを吸収させて、比較的幅広い周波数領域に亘って騒音低減を図ることが行われている。
そのような吸音ダクトにおいて、通気経路の内周面に吸音材を取付ける構造としては種々のものが知られている。例えば、特許文献1には、吸音材をダクトの内面に貼付したものが記載されており、特許文献2には、樋状のダクト部材を対向させて結合することによりダクトを形成し、一方のダクト部材に配置した吸音材を、他方のダクト部材に一体的に形成され軸方向に平行な押え板(リブ)の先端で押圧固定して吸音ダクトを構成する吸音材取付構造が記載されている。その他、吸音材をダクト内に固定する構造としては、接着剤や両面テープを使用した構造、吸音材を所定の空間に充填した構造や、ピン部材や爪部材を利用してこれら部材に吸音材を係止させて取付ける構造などが知られている。
特開平11−117761号公報 特開平09−49417号公報
通気経路内部に吸音材を取付けるには、通気経路内部の空気の流れを妨げないよう、気流によって吸音材がずれたりめくれあがったりしないようにする必要がある。そのため、吸音材を固定するピンや爪が数多く必要となって、吸音材の取付作業が煩雑なものとなる傾向があった。
また、粘着剤や接着剤などを利用して吸音材を取付けようとすれば、特に大型の吸音材を通気経路内部の凹所に沿って取付ける場合などに、吸音材にしわが発生したり、吸音材の取付位置の調整ができなくなったりして、その取付作業が困難となることも多かった。
また、特許文献2に開示された取付構造は、ダクト底面への吸音材取付けには適しているが、ダクトの側面部分にまで吸音材を配設ことはできないため、ダクト側面部分に吸音材を取り付けるためには別個の取付手段を設ける必要がある。
したがって、本発明の目的は、吸音材の取付状態を適切に維持可能でありながら、吸音材の取付作業が簡単な、吸音材取付構造を提供することにある。そして、本発明の他の目的は、通気経路内周面を構成する複数の面に対して、効率的に吸音材を取付け可能な吸音材取付構造を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、複数の面が折れ面状に接続された吸音材取付領域に、弾力性を有する吸音材を折れ曲げた状態で配置し、該折り曲げ部分に沿って固定部材を配置して吸音材を取付けると、簡素な取付構造であっても吸音材の反発力によって吸音材がしっかりと固定できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、通気経路の一部を構成するケース部材の内周面に設けられた取付領域に、吸音材を取付けた吸音材取付構造であって、前記取付領域は、少なくとも2つの略平板状の取付面が折れ線で接続された折れ面状の取付領域とされ、前記吸音材は、取付領域の展開形状に対応する形状で平板状に形成され、弾力性を有する吸音材であって、前記吸音材は取付領域の折れ線に対応する位置で折り曲げられた状態で取付領域に配置され、取付領域の折れ線に沿って配置された取付部材によって、吸音材の折り曲げ部分が取付部材に押し付けられるよう付勢されて固定され、かつ前記取付部材は、吸音材の折り曲げ部分に沿う方向に延在する部材である吸音材取付構造である(第1発明)。
また、本発明においては、取付部材が、取付領域の折れ線の両端部にケース部材と一体成形された部材となるように構成することが好ましい(第発明)。
また、本発明においては、取付領域が、3つの取付面が略コの字状に接続された折れ面状の取付領域となるように構成することが好ましい(第発明)。
本発明(第1発明)によれば、折れ面状の取付領域Sに対して、弾力性を有する吸音材を取付領域の折れ線に対応する位置で折り曲げた状態で配置し、折れ線に沿って配置された取付部材により吸音材を取り付けるようにしたので、吸音材が折れ曲げられた状態が適度に維持されると共に、吸音材の有する弾力性により、取付面や取付部材に吸音材が押し付けられるように密着し、吸音材のめくれ上がりが未然防止されて、吸音材の取付状態を適切に維持できる。
また、折れ線部に配置される取付部材が効果的に働くため、他の取付部材を設ける必要性が少なくなり、それら他の取付部材を省略または簡略化して、吸音材の取付構造を簡素化でき、取付部材の数や取付作業が必要な部分を減らしながら、簡単な取付作業で、折れ曲がった複数の取付面にまたがって吸音材を取り付けることができるようになる。
また、折り曲げられた吸音材の弾発力により、吸音材が取付部材に押し付けられるようにされているので、吸音材の表面に取付部材が食い込むようになって、取付部材による係止がより確実なものとなって、吸音材のずれや離脱が予防あるいは防止され、取付構造の簡素化や取付作業の効率化に寄与する。
さらに、本発明では、取付部材を吸音材の折り曲げ部分に沿う方向に延在する部材としたので、吸音材の折れ曲げ形状がより的確に維持されるようになって、吸音材の取り付け状態が、より効果的に維持されるようになる。
また、第発明のように、取付部材を取付領域の折れ線の両端部でケース部材に一体成形した場合には、取付部材をケース部材に取付け固定する作業が不要となり、吸音材取付作業が一段と簡単で効率化されたものとなる。
また、第発明のように、取付領域が、3つの取付面が略コの字状に接続された折れ面状の取付領域となるように構成される場合には、取付領域の2本の折れ線に沿って配置される取付部材がそれぞれの位置で吸音材にしっかりと食い込むようになり、吸音材のずれや離脱がより確実に予防・防止される。また、吸音材の配設領域も広く確保でき、消音特性に特に優れた吸音材取付構造となる。
本発明の第1実施形態である吸音ダクトの分解斜視図である。 第1実施形態におけるロワケースの構造を示す斜視図である。 第1実施形態における吸音材とロワケースのX−X断面図である。 第1実施形態における吸音材とロワケースのY−Y断面図である。 本発明の第2実施形態であるエアクリーナの分解状態の断面図である。 本発明における取付部材の他の実施形態を示す図である。 本発明における取付部材のさらに他の実施形態を示す図である。 本発明における取付部材のさらに他の実施形態を示す図である。 第1実施形態における取付部材の形状例を示す図である。
以下図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。なお本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。図1ないし図4には、ハイブリッド自動車の二次電池を空冷するための冷却風の送風に使用される送風ダクトに本発明の吸音材取付構造を適用した吸音ダクトの例を示す。
図1には、吸音ダクトの全体構成を分解斜視図で示し、図2には、ダクトロワケース単体の斜視図を示している。そして、図3は、吸音材が配設された部分の、ダクトの軸方向に沿った平面における断面図(X−X断面図)、図4は、吸音材が配設された部分の、ダクトの軸方向と直交する平面における断面図(Y−Y断面図)である。
吸音ダクト1はダクト経路に沿って半割れ状にされたアッパケース2とロワケース3という2つのケース部材が一体に組み立てられて構成され、その内部空間が中空の冷却風通気経路とされている。図1には、アッパケース2とロワケース3とが一体化される前の状態の分解図として示している。上記二次電池空冷システムにおいて、吸音ダクト1は、その前後に空気取り入れ口や送風ファン、バッテリーケースや他のダクト部材などが接続されて、一連の通気経路の一部として使用される。
アッパケース2やロワケース3は、熱可塑性合成樹脂(本実施形態ではポリプロピレン樹脂)の射出成形などにより成形された樹脂成形品であって、互いの側縁部同士を、接着、溶着あるいは係合などの手段によって結合して、吸音ダクト1が形成される。本実施形態においては、アッパケース2およびロワケース3は、共に断面略Uの字の樋状に形成されている。本実施形態においては、アッパケース2もロワケース3も互いにほぼ対称な形状に形成され、ともに、その内部に吸音材が取付けられているので、以下の説明では、ロワケースへの吸音材の取付構造を中心に説明する。
図2に示すように、ロワケース3の両端部30はダクトの通気経路を画成する樋状の形状に形成されると共に、ロワケース3のダクト中央部には、その周壁がダクト外側に向かって張り出すように設けられた膨出部31が形成されており、膨出部31の内側に吸音材4が取付けられる。即ち、膨出部31の内周面が、吸音材が取付けられるべき取付領域Sとされている。
吸音材4が取付けられる部分について詳述する。本実施形態においては、吸音材4が取付けられるべき取付領域Sは、膨出部31の内周面であり、膨出部の底面に相当する略平板状の第1取付面31aと、膨出部の側面に相当する略平板状の第2、第3取付面31b、31cとを含んで構成される(図4参照)。これら取付面31a、31b、31cはコーナー部31d、31eによって互いに接続されており、取付領域Sは、コーナー部31d、31eを折れ線として取付面が接続されて、これら取付面が互いに向かい合う方向に略コの字状に折り曲げられた折れ面状になっている。なお、本実施形態では、取付領域の折れ線であるコーナー部31d、31eは通気経路の通気方向に沿って設けられており、取付領域Sは、通気経路を取り囲むようなコの字状の折れ面状となっている。
取付領域Sに取付けられる吸音材4は、例えば樹脂発泡体(発泡ウレタンスポンジなど)などからなる、弾力性を有する吸音材であり、無負荷状態で略平板状となるように形成されている。吸音材4は、取付領域Sを展開した展開形状で平板状に形成されて、吸音材の弾力性を利用して、コーナー部31d、31eに対応する位置で折り曲げられた状態で、取付領域Sに取り付けられている。本実施形態においては、吸音材の厚みと、ロワケース3の膨出部31の張り出し量とがほぼ同一となって、ロワケース3の両端部30の内周面と吸音材4の内周面が平滑に連続するようにされている。
吸音材4の取付・固定は、以下のように行われている。ロワケース3のコーナー部31d、31eに近接して、係止爪32、32が設けられている。係止爪32、32は、取付領域Sの折れ線であるコーナー部に沿うように配置され、本実施形態では、膨出部31と両端部30の境界部かつコーナー部31d、31eの近傍に、すなわち取付領域Sの折れ線の両端部に、それぞれ1つずつ、ロワケース3と一体成形されている。さらに、係止爪32は、折れ線たるコーナー部31d、31eに沿う方向に延在する形状に設けられており、ロワケースの両端部30のコーナー部30aの部分を、円弧状断面で、膨出部31に向けて突き出すように延長した形状とされている。
そして、吸音材4は、コーナー部31d、31eに対向する部分で折り曲げられて、吸音材4の折り曲げ線に沿って前記係止爪32,32が配置さるように位置決めされて、係止爪32,32と膨出部31の周壁との間に吸音材4の端縁部が配置され、吸音材4は係止爪32,32に係止されてロワケース3に取付けられている。
ロワケース3への吸音材4の取付け作業は、吸音材の弾力性を利用して行うことができる。すなわち、射出成形などの手段によって形成されたロワケース3及び係止爪32,32に対して、所定の寸法に形成された吸音材4を折り曲げながら膨出部31の内部に配置し、吸音材を弾性変形させて係止爪32,32の下側に押し込んで係止させることにより、吸音材4の取付が完了する。必要があれば、ピン部材や他の部位に設けられた係止爪部材、粘着テープなどといった他の取付部材を併用することも可能である。
吸音材の取付けが完了すると、吸音材4の弾力性による反発力によって、吸音材4は膨出部31の取付面31a、31b、31cや係止爪32,32に押し付けられるように付勢された状態でロワケース3に取り付けられ、吸音材4が膨出部の内周面(取付面)から浮き上がらないよう、吸音材4にはその弾発力による自己保持性が生じる。
吸音材4を構成する樹脂発泡体としては、例えば、連続気泡構造を有するポリウレタン系発泡体が使用できる。その他の好ましい吸音材としては、ポリオレフィン系発泡体(ポリエチレン発泡体、発泡エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル系発泡体などの合成樹脂発泡体が例示できる。
樹脂発泡体の気泡構造は、独立気泡構造、連続気泡構造、両者を組み合わせた構造のいずれであってもよいが、吸音性を向上できる点から、少なくとも連続気泡を含む構造が好ましい。また、製造された樹脂発泡体の表面にスキン層がある場合には、スキン層を除去して使用することが好ましい。連続気泡の割合は、全気泡中60〜100%(例えば、65〜99.9%)、好ましくは70〜99%程度である。
また、吸音材の密度は、10〜100kg/m程度の範囲から選択でき、例えば、消音性を向上するためには、15〜70kg/m、好ましくは18〜48kg/m、さらに好ましくは20〜46kg/m程度である。吸音材の通気度(JIS K6400−7 A法に準拠した方法)は0.05〜5dm/秒程度の範囲から選択でき、例えば、消音性が向上するためには、0.07〜2dm/秒、好ましくは0.1〜1.4dm/秒、さらに好ましくは0.2〜1.3dm/秒(特に0.3〜1.2dm/秒)程度であってもよい。
吸音材の弾力性の程度は以下のとおりである。なお、弾力性の程度は、JIS K6400に準拠する硬さ測定試験による値で示し、具体的には、大きさ380mm×380mm厚み50mmの試験片を、5N荷重時の厚みを元厚として、75%圧縮後、再度、元厚の25%まで圧縮し、20秒後の荷重(N)を測定することにより行う。本発明に使用する吸音材として好ましい弾力性の程度は、上記硬さで、30〜500Nであり、好ましくは50〜350Nであり、より好ましくは70〜260Nである。硬さが小さすぎれば吸音材の保持力が不足することになり、硬さが大きすぎれば吸音材4をロワケースの膨出部31に収容し、爪部材により固定する作業が困難になる。
吸音材の厚みや大きさは、消音性能とレイアウトスペースの関係で決定すればよいが、代表的な実施形態における吸音材の好ましい厚みtは3mm〜100mm、より好ましくは、5mm〜30mm程度であり、長さや幅は、好ましくは30〜1000mm、より好ましくは50〜800mm程度である。
本発明の上記実施形態が有する作用効果について説明する。
上記実施形態によれば、略平板状の複数の取付け面が折れ面状に接続された取付領域Sに対して、弾力性を有する吸音材4を折り曲げた状態で配置し、折れ線に沿って配置された取付け部材(爪部材32)で取り付けるようにしたので、小数の取付け部材32、32で吸音材4を取付領域Sに沿う形状に維持しながら取り付けることができる。そのため、取付部材の数や取付作業が必要な部分を減らすことができ、簡単な取付作業で、折れ曲がった複数の取付面にまたがって吸音材を取り付けることができる。
さらに、取付部材(係止爪部材32,32)が、取付領域Sや吸音材4の折れ線に沿って配置されることによって、吸音材が折れ曲がった状態が適度に維持されると共に、吸音材の有する弾力性により、取付面31a、31b、31cや係止爪32,32に吸音材が押し付けられるように密着する。そのため、吸音材のめくれ上がりが未然防止されるので、他の取付部材を設ける必要性が少なくなり、それら他の取付部材を省略または簡略化して、吸音材の取付構造を簡素化できる。
また、複数の取付面が折れ面状に接続された広い接続領域に対して、簡素な取付構造により、一枚の吸音材を取り付けることができるので、吸音材を配設する面積を広くして、消音性が向上でき、コストパフォーマンスに優れた吸音ダクトが得られる。
また、折り曲げられた吸音材の弾発力により、吸音材4が係止爪32,32に押し付けられるようにされているので、吸音材の表面に係止爪が食い込むようになって、係止がより確実なものとなって、吸音材のずれや離脱が予防あるいは防止される。
取付部材(係止爪32)による吸音材の離脱防止効果をより確実なものとするためには、取付部材が吸音材と接触する部分に、突起、突起列、凸条、鋸歯状突起、返し形状等のような、吸音材と取付部材とのずれを防止する形状を追加して設けることが好ましく、そのような取付部材形状の例を図9に示す。図9(a)〜(c)には、取付部材(係止爪)部分を拡大して示しており、ケース部材はカットした一部分のみを示している。
図9(a)に示す取付部材の例においては、取付部材本体部32aの下側、即ち、吸音材と直接対向する側の面には、凸条32bが設けられており、凸条32bは、その断面が吸音材の離脱方向への移動を阻止するような返し形状に設けられている。この例の取付部材によれば、吸音材4の取付部材からの離脱がより効果的に防止されて、吸音材の取り付け状態がより確実に維持されるようになる。
図9(b)に示す取付部材の例においては、取付部材本体部32cの側縁部には、本体部32cが延在する方向に沿って、凸条32d、32eが設けられており、これら凸条は、その先端部が吸音材に食い込みやすいように鋭角状に設けられている。この例の取付部材によれば、吸音材4が取付部材に食い込んで、吸音材のずれ、特に取付部材本体部が延在する方向と直交する方向へのずれを効果的に防止し、吸音材の取り付け状態がより確実に維持されるようになる。
また、図9(c)に示す取付部材のように、取付部材本体部32fの側縁部に本体部32cが延在する方向に沿ってる凸条32g、32hを、取付部材の外側に向けて開くような方向に設けることも可能であり、このようにすると、凸条32g、32hによるずれ防止効果がより顕著に発揮されて吸音材の取り付け状態がより確実に維持されるようになる。
本発明は、上記第1実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については同じ番号をつけると共にその詳細な説明を省略する。そして、これらの実施例や変形例は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施することができる。
図5には、本発明の第2実施形態として、自動車のエンジンに空気を供給するための吸気経路中のエアクリーナに吸音材を取り付けた例を示す。図5はエアクリーナを分解した状態で断面図として示すものであるが、エアクリーナは、箱状のロワケース5とアッパケース6とそれらに挟持されるフィルタエレメント7により構成され、空気が、エアクリーナの上流に設けられるダクト部材(図示せず)から、吸入口50を通じてロワケース5内に流入し、フィルタエレメント7により濾過されて、アッパケース6に設けられた排出口61から、エアクリーナの下流に設けられるダクト部材(図示せず)を通じてエンジンに供給されるよう、通気経路が構成されて使用される。
本実施形態においては、吸音材4が取り付けられる取付領域は、ロワケース5の底面52と側面53とにまたがって設定されている。すなわち、本実施形態の取付領域は2つの略平板状の取付面が折れ線で接続されたような折れ面状とされている。そして、弾力性を有する吸音材4が、取付領域の折れ線たるコーナー部54の部分で折り曲げられた状態で、ロワケースと一体成形された爪部材51によって、ロワケース5に取り付けられている。ここで、爪部材51は、上記第1実施形態と同様に、前記折れ線に沿って配置される一対の爪部材であって、折れ線に沿って延在する形状に形成されると共に、吸音材の折り曲げ部分の両端部に設けられている。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、少ない数の固定部材で、効率的に吸音材をケース部材に固定でき、その取付作業を簡単なものとできると共に、吸音材の弾発力を効果的に活用して、吸音材の取付状態を良好に維持できる。また、複数の面に対して一度に広い面積の吸音材を取り付けることができ、吸音性能を高めることができる。
本発明において吸音材が取り付けられるべき取付領域の形状は、複数の略平板状の取付面が折れ線で接続された折れ面状の取付領域であればよく、取付面の数は、第1実施形態のような3面であっても、第2実施形態のような2面であっても、あるいは、それ以上の面数であっても良い。
取付領域としては、特に、第1実施形態のように3つの取付面が略コの字状をなすように構成されることが特に好ましい。3面の取付面が略コの字状にされた取付領域に、弾力性を有する平板状の吸音材を折り曲げて配置し、2本の折り曲げ部分に沿って配置された取付部材で吸音材を取り付けるようにすると、2本の折り曲げ部分に設けられる取付部材がそれぞれの位置で吸音材にしっかりと食い込むようになり、吸音材のずれや離脱がより確実に予防・防止される。また、吸音材の配設領域も広く確保でき、消音特性上も特に好ましい。
また、取付領域の折れ線の方向は、第1実施形態のように、空気が通流する方向に沿って取付領域の折れ線を設けることが好ましく、そのようにすると、通気経路を取り囲むように吸音材取付領域が設けられることになって、空気の通流を妨げることなく、広い面積の吸音材を取り付けることができる。なお、取付領域の折れ線は必ずしも通気方向に沿って設ける必要はなく、例えば、第2実施形態のように、エアクリーナロワケースのような通気経路の拡径部分に略L字状に曲げた吸音材を取り付ける場合などは、取付領域の折れ線が通気の方向と直交する方向に設けられることもある。
以下に、取付部材のバリエーションを示すが、本発明においては、取付部材が、取付領域の折れ線即ち吸音材の折り曲げ部に沿って配置されている限りにおいて、取付部材の具体的形状にはさまざまな変形が許容される。
すなわち、それぞれの取付部材は、第1実施形態のような折れ線(吸音材の折り曲げ線)の方向に延在する係止爪状の部材であっても良いほか、折れ線に沿って並べられた公知の取付ピンであったり、折れ線に沿って配置固定される棒状の部材であったり、吸音材の端縁部を収容保持する収容凹部であっても良い。
図6には、本発明に適用可能な取付部材の例を示す。なお、図6〜図8においては、ケース部材3は取付領域周辺部分のみを模式的に図示している。吸音材4の折り曲げ部分に沿うように配置されたピン部材81,81が、ケース部材3から突出するように一体成形されて設けられている。そして、ピン81、81が吸音材4の折り曲げ部分を貫通するように吸音材4がケース部材に取り付けられて、吸音材の折り曲げ部に沿って延在する棒状の押さえ部材82、82をピン81、81の先端に固定して、吸音材の取り付け部材とすることもできる。
図6の実施形態や、前記第1及び第2実施形態のように、本発明において、取付部材を取付領域の折れ線(即ち、吸音材の折り曲げ線)に沿う方向に延在するような形状とした場合には、一層、吸音材の折り曲げ状態を的確に維持することができるようになり、吸音材の取付状態がより確実に維持されるようになって好ましい。
なお、取付部材は、必ずしも折れ線に沿って延在する形状としなければならないわけではなく、図7に示すように、丸い形状の頭部が設けられたピン状の取付部材83,83を、吸音材4を貫通させて、その先端部をケース3に係止して、吸音材4を取り付けるようにしても良い。また、図8に示すように、折れ線に沿って延在する形状の爪部材84、84と丸い形状の頭部が設けられたピン状の取付部材83を併用しても良い。また、取付部材は、一本の棒状の取付部材を、取付領域の折れ線方向に沿って配置するものであっても良い。
なお、これら取付部材は、ケース部材に一体に取り付けられて吸音材を固定できる部材であれば、かならずしもケース部材と一体成形されたものでなくても良いが、取付部材がケース部材に一体成形されたものであれば、吸音材の取付作業が特に簡単になる上に構成部品数も少なくなって、特に好ましい。そして、取付領域の折れ線の両端部にケース部材と一体成形で取付部材(爪部材など)を設けておけば、吸音材の折り曲げ部分の両端部を取付部材に押し込んで係止するだけで取り付け操作が完了し、取付作業の効率が向上してより好ましい。
また、取付領域Sを構成する取付面は略平板状の面とされるが、ここでいう略平板状とは、取付領域S全体を折れ面形状と見ることとの対比で、おおむね平らな板状となっていることを意味しており、やや湾曲した取付面や、補強用のリブや凹凸が設けられた取付面もまた、略平板状の取付面の概念に含まれる。そして、これら取付面の間を接続する折れ線は、第1実施形態におけるコーナー部にように、所定幅を有してR掛けされた領域であっても良いほか、折れ線は直線状あるいはやや湾曲していても良い。
また、樹脂発泡体等からなる平板状の吸音材4は、吸音材の全体形状として平らな板状であればよく、その表面が平滑な表面を有するものに限定されず、いわゆるプロファイル加工によって形成されるような、複数の山部や谷部が吸音材の表面に分布するように形成したものでも良いし、複数の凸条や凹条が交互に波状に配置されるように形成した物でも良い。このようなプロファイル加工を施した吸音材は、特に凹凸が存在する面の側がケース部材の取付領域Sと直接対向するように取り付けることが好ましい。そのように取り付けることによって、吸音材4とケース部材との間にいわゆる背後空気層を作ることができるので、吸音性能が向上する。
また、上記吸音材取付構造は、上記実施形態で説明した以外の他の技術分野にも広く応用できる。例えば、本発明は、空気が通流するダクトシステムの一部を構成する部材の内面に吸音材を取り付ける場合にその対象を限定されるものではなく、パネル状に形成された対象物に吸音材を取り付ける場合にも応用できる。そのようなパネル状部材としては、例えば、自動車のエンジンカバーや、インストルメントパネル、各種防音カバー部材が例示でき、これら部材の凹面状の折れ面部分に吸音材を取り付ける際に、本発明の吸音材取付方法が応用可能である。
本発明によれば、一連の通気経路を構成するケース部材に対して、簡単な操作で確実に吸音材を取り付けることができ、通気経路に消音性を付与することができて、産業上の利用価値が高い。
1 吸音ダクト
2 アッパケース部材
3 ロワケース部材
31 膨出部
32 係止爪(取付部材)
S 吸音材取付領域
31a、31b、31c 取付面
31d、31e コーナー部
4吸音材
5 ロワケース部材
51 係止爪(取付部材)
52、53 取付面
54 コーナー部
6 アッパケース部材
7 フィルタエレメント
81,83 ピン
82 棒状の取付部材
84 係止爪(取付部材)

Claims (3)

  1. 通気経路の一部を構成するケース部材の内周面に設けられた取付領域に、吸音材を取付けた吸音材取付構造であって、
    前記取付領域は、少なくとも2つの略平板状の取付面が折れ線で接続された折れ面状の取付領域とされ、
    前記吸音材は、取付領域の展開形状に対応する形状で平板状に形成され、弾力性を有する吸音材であって、
    前記吸音材は取付領域の折れ線に対応する位置で折り曲げられた状態で取付領域に配置され、
    取付領域の折れ線に沿って配置された取付部材によって、吸音材の折り曲げ部分が取付部材に押し付けられるよう付勢されて固定され
    かつ前記取付部材は、吸音材の折り曲げ部分に沿う方向に延在する部材である吸音材取付構造。
  2. 取付部材が、取付領域の折れ線の両端部にケース部材と一体成形された部材である請求項1記載の吸音材取付構造。
  3. 取付領域が、3つの取付面が略コの字状に接続された折れ面状の取付領域である請求項1または請求項2に記載の吸音材取付構造。
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